GoProが今日(米国時間3/22)、電子機器メーカーJabilとの複数年の契約を発表した。Jabilは警察のボディカメラやビデオ会議用機器など、いろいろな製品にGoProの技術を利用する気だ。両社の合意により、JabilはGoProのデザインと知財をライセンスして、承認されたサードパーティ製品に使用する。他社がGoProのパーツで製品を作るのはこれが初めてだが、今回その製品にGoProのブランド表記はない。
GoProは、2014年リリースのGoPro Hero4のころからJabilと協働している。Jabilはアメリカ国籍のメーカー企業だが、23か国に工場など90の事業所がある。今回の合意の財務的条件は公表されていない。
Jabil OpticsのVP Irv Steinが発表声明の中で、“市場からの初期のフィードバックによれば、スマートホームや軍、消防、警察、救難、警備などの分野で、エンタープライズクラスのアクションカメラへの強力な需要があることが示されている”、と述べている。しかし今回の契約は、始まりにすぎない。
GoProのCTO Sandor Barnaは、ビデオ会議やロボティクス、自動運転車などの分野にGoProがレンズと画像センサーを供給できる機会を見ている。
GoProは今後、アクションカメラ市場にとらわれずに、いろんな分野でそのブランドを生かしていく気のようだ。今回の合意では、デジタル画像技術や消費者製品を含む一定範囲のGoPro製品がライセンスされる。ただしアクションカメラは合意の対象外で、契約はGoProの製品と競合しない製品のみをカバーする。
GoProの株価は5ドル未満という記録的な安値をキープしており、同社は会社の存続のために苦闘している。最近はドローン部門の大半をレイオフし、改良された新製品を出したばかりなのに、早くも業績が危うくなっている。だから、今回のように技術をライセンスするという新しい商機が、GoProを立て直すかもしれない。GoProのアクションカメラが市場で最良の製品であることは誰も否定しないが、会社は価値を失い続けている。パートナーを介してそのブランドを有効活用し、新市場に進出しようとするのは、賢明な動きだ。