Dropboxは、あなたの写真保管場所になりたがっている

ここ数年Dropboxを見てきた人にとって、今日発表された新機能は何の驚きでもないだろう。Mac版アプリに、スクリーンショットを自動的に検知し、アップロードしてリンクで共有できる 新機能が追加された。

これはCloudappなどのアプリが存在する主な理由であり、Dropboxはその邪魔をしようとしている。しかし、実際にはこの機能を便利に感じるのはDropboxユーザーの一部だけだ。スクリーンショットの自動アップロードは「インターネット・ピープル」にとってはすばらしいだろう。ジャーナリスト、Twitterのヘビーユーザー、アプリ開発者、デザイナー、および協同作業チーム等の人々だ。これは、〈わずかな〉一部ではなく、私もCloudAppの代替を手に入れたことを喜んでいる。また、Dropboxがこの機能をサポートしたいう理由〈だけで〉、スクリーンショットの共有がより一般的になると私は信じている。どうしても皮相的な見方をしたければ、この機能は日頃から〈大量の〉スクリーンショットを撮る ― そしてこの機能について記事を書くであろう(hi!</a)ジャーナリストに対するファンサービスだと言っても構わない。

しかし、今日はもう一つの発表の方がずっと大きい。iPhotoライブラリー全体をDropboxにアップロードし、イベント毎に整理するまでを一気に行うインポートツールだ。

以前Dropboxは、iPhoneやAndroid端末で撮影した写真を自動的にアップロードする機能を発表した。今日の発表がこれらと異なるのは、過去の、Dropbox以前の写真も含めて全てコピーすることだ。

これは、Dropboxビジネスのロードマップを考える上で重要な一歩だ。もし、今の「押し」のゴールが、ユーザーの写真保管場所の標準になるためであるなら ― そうだと私は信じている ― これで何が可能になるのか。もし、スマートフォンやデジカメで撮った写真の全部が自動的にアップロードされるようになると、答えは「たくさん」だ。

何よりもあなたは、驚くほど強力な〈囲い込み〉にあう。もちろんファイルは自分のものであり、いつでもダウンロードして他のクラウドに持っていくことはできる。しかし、囲い込まれるのは「データ」だけではない。Dropboxが「安全に保管している」という「記憶」もだ。もし、別のプラットフォームに移ったときに、主要な保管場所としてDropboxから離れる理由はあるのか? 使っているどのプラットフォームにも自動アップロードを設定していれば、「入ったら、入ったまま」になる可能性は高い。

ここまで書くと、AppleやGoogleが写真をどうしようとしているかが気になるだろう。AppleはiCloudを使って、ユーザーがiPhone(多くの人がメインのカメラとして使っている)で撮った写真を最優先で捕えている。Googleも、Google+の写真で同じことをしている。そして、サードパーティーであるDropboxは、自動化ツールによって両方からさらっていこうとしている。Dropboxに乗る、ということは、iOSとAndroidの間を行き来しても、写真はクラウドで自由に利用できることを意味している。Googleは、iOS用G+アプリで利用することを可能にしているが、どちらかといえば片道切符だ。

ここで改めて思い出されるのは、スティーブ・ジョブズが、Dropboxのパートナー、Arash FerdowsiとDrew Houstonの2人と行ったとされるミーティングだ。ジョブズはHoustonに、君には機能はあるが商品はないと言い、Appleが「クラウドストレージ」市場で後を追うところだと告げた。当時Dropboxが、消費者市場で写真に注目することを考えていたかどうか私にはわからないが、ユーザー行動の検証を数多く重ねた結果今に至ったのだろう。

しかし結局Dropboxは、スタンドアロン機能として存在している方が、他の主要エコシステムの交換可能な歯車の一つとして生きるよりも得策かもしれない。つまるところiCloudも本当に信頼できるとは言えず、Googleは、データを広告に活用する以外の関係を顧客との間に築いたことがない。中立的なサードパーティーの一「機能」が、実は私たちの写真を安全に保管する最良の方法なのかもしれない。もちろん、存続する方法をDropboxが見つければの話ではあるが。

画像提供:Frédéric BISSON/ Flickr CC

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(翻訳:Nob Takahashi)


Mailbox、Gmailのクラウド検索を追加。リンクをChromeでも開けるようになった

Dropbox傘下のMailboxが、つい先ほど嬉しい機能をいくつか追加した。クラウドとローカルの全Gmailメッセージを検索できるようになった。これまではすでにダウンロードされたメッセージしか探すことができず、これは私がこのアプリを使い続けるのをやめた大きな欠点だった。

検索は高速で、2段階で行われる。文字を入力するとローカルの検索結果リストがすぐに表示される。MailboxはバックグラウンドでGmailをスキャンし、見つかり次第結果をリストに追加する。テスト中に、クラウドを検索中に「No Results」のメッセージが出たことが一度あった。クラウドで見つかるかもしれないことがわかる表示にしてほしいものだ。ネットワークが貧弱な時は特に。殆どの検索は十分早く、リストはかなり早く伸びていった。 

クラウド検索の追加の他に、送信に使う自分のアドレスに応じて、個別のフッターを付けられようになった。これで仕事のメールに返信する時、個人アカウントのふざけたジョークが付加される心配がなくなった。

AppleのiOSプラットフォームで増えつつあるトレンドに従い、新しいMailboxではリンクをChromeで開くオプションが追加された。Googleのアプリはもちろん以前からこの習慣を守っている。中でもGmailは、リンクをChromeで開く他、添付ファイルのほぼすべてを、Drive等の対応Googleアプリで開くことができる。

Mailboxは、驚くことはないがちょっと嬉しい、DropboxのアカウントをMailboxにリンクすると1GBの無料スペースが追加されるサービスを続けている。最近MailboxにはDropbox統合機能が追加されたが、この無料スペースによって多くのユーザーがこのオプションを有効にするきっかけになるだろう。

Mailboxは、最初の約束通り、特に、デバイス内ではなくクラウド内で考えるというやり方を強調し続けている。もちろんこれこそが、Dropboxのような会社に喜んで買収された理由だ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


サーバコードを1行も書かずに静的Webサイトを動的CMSに変身できるCloud Cannon–Dropbox APIの巧妙な作例

Cloud Cannonは、デベロッパというよりむしろ、サーバサイドのコードを1行も書かない、HTMLとJavaScriptとCSSだけで仕事をしているWebページクリエイターのためのCMSだ。その静的でビューティフルなデザインを、サーバが介入する動的なCMSに自分で書き換えなくても、ファイルを単純にDropboxのフォルダに置くだけで、あとの面倒はCloud Cannonがほんの数秒でお世話してくれる。ユーザはブラウザ上でテキストをエディットしたり、そこに画像を挿入したり、ふつうのCMS(ブログソフトなど)と同じ感覚でその静的サイトを利用できる。

これは、Dropbox APIの見事な利用例だ、でこの話は終わってしまう。それぐらいシンプルなサービスだ。静的なコンテンツをDropboxからホストしている人は、すでに多いと思うが、しかしGeorge PhillipsとMike Neumegenはそれをさらに一歩進めて、サイトのアドミニストレータがブラウザ上で直接エディットできるようにした。それはちょうど、Webサイト作成サービスSquarespaceを使ってるときのような感覚で。

そのWYSIWYGのエディタで不満なときは、Web上のテキストエディタやあるいはDropboxの上で、ページのソースファイルをエディットできる。クライアントのいる仕事の場合は、クライアントに対し、ここはエディットしちゃだめ!という部分を指定できる。

そのためには、class=”editable”の<div>で、エディットしてよいコンテンツ領域を指定する。ブログをホストしたいなら、静的なブログエンジンJekyllを使える。

使用するドメインは自分のドメインでもよいし、あるいはCloud Cannonが無料で提供する.cloudvent.netを使ってもよい。ただしサービス本体は有料で、1サイト1か月5ドル、20サイトなら月額49ドルだ。

実際にはCloud Cannonは、Dropboxのサーバインフラを使わない。公開フォルダに関しては帯域制限があるからだ。そこでCloud CannonはDropboxのAPIを利用して、すべてを自己のサーバにシンクする。Marco Armentのブログエンジンがやってるように。ユーザは物理的にはCloud Cannonのサーバを使うのだが、Dropboxがそのためのインタフェイスとなる〔API群が豊富便利優秀なため〕。でも実際にサポートするのは静的なコンテンツだけだから、Varnish的なHTTPアクセラレータで正しく構成されていれば大きなサーバは要らない。

Cloud Cannonの主要なアドバンテージは、ユーザがアドミン役になって自分のホスティングソリューションを管理しなくてもよいところだ。そのぶんもちろん、何でもできるという自由度はないが、このプロダクトはとってもクールだし、一見の価値があると言えるほど、よくできている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Dropboxはどうやってユーザ数175Mにスケールできたか?–初期の技術者が経験を語る

今日は本誌定番のすばらしい起業家たちやすばらしいVCたちのお話からすこし離れて、技術のお勉強をしよう。覚えておられると思うが、最近Dropboxは、ユーザ数が1億7500万に達したと発表し、もうハードディスクは要らない、という大胆な発言をしてニュースになった。すごいことだけど、でも、その背後にはどんな技術があるのだろう? スタートアップは、成功するためにスケーラビリティをどうやって確保すべきか? しかも、ユーザ数何億というレベルにまで…。そしてその秘訣は、相当早くからとてもシンプルで柔軟性のあるプラットホームを作っておくことに、あったのだ。

今日(米国時間7/11)ブダペストで行われたRAMPカンファレンスで、以前Dropboxでサーバ担当の技術者だったRajiv Erankiが、会場を埋め尽くす技術者たちを前に、その概要を述べた。彼は2008年にDropboxに入り、2011年に辞めた。“もっと違うことをしたかった”からだが、その中にはニューヨークでカクテルバーを開くことも含まれていたらしい。なお、RAMPの主催者は、ハンガリーに生まれて世界的にビッグなスタートアップになったPreziUstream、そしてLogMeInだ。

大学に残れという話もあったErankiは、結局ふつうに卒業して当時まだユーザ数2000のDropboxに入った。彼ともう一人の計二人が、正社員としてバックエンドのスケールアップを担当した。そのころのDropboxは、データベース専用機が一台、フロントエンドのサーバが一台、という構成だった。

Erankiによると、初期のチームは“効率の悪いことをたくさんやりながら、数千というオーダーのユーザに対応していった”。

たとえば、Dropboxが最初に行ったデータベースのシャーディング(sharding, 分割)は、バグだらけだった。複数のデータベースにまたがるJOINを一本化できず、大量の非正規化(denormalization)をやった。

しかし、とくに大きな変更を加えたということはなくて、Dropboxの初期のこのような、行き当たりばったり、その場しのぎのやり方には、技術的に便利な面もあった。

たとえばユーザの行動に関するクェリを、コードを1行も書かずに簡単に実行できた。必要に応じて、複数のデータベースにまたがるJOINができた。MySQLのクェリを動かしながら大量のバグフィクスができる、という構造だったので、とても便利だった。大量の共有フォルダのあるユーザでも、データベースのクェリは一回でよかった。また、フロントエンドはつねに一つだったので、彼らが見るべきログも、つねに一つだった。

こういう、その場その場の工夫の積み重ねにより、“柔軟性とスケーラビリティの大きいシステムができあがった”、とErankiは言う。

つまり、最初のうちはデータベースを分割しなかったため、いろんな作業が複雑になることを避けられた。初期の取り組みから得られたもう一つの教訓は、言語としてPythonを選んで良かったなぁ、ということ。それは、何でも書ける、何でもできる言語だった。

ユーザ数が100万になっても、全プラットホームが前と同じ数百行のコードで動いていた。コードが数千行に肥大することはなかった。Pythonを使ったことによって、“何千行ものCのコードを書くことなくユーザ数4000万に達することができた”。クライアントアプリケーションも、Pythonで書いた。

彼らが重視したのは、開発、管理、そしてメンテナンスの容易さと、コードの堅牢性/確実性(シンプルで壊れにくいこと)だ。また、大量のグラフを出力する管理ツールを捨てて、簡単なダッシュボードを作り、そこからパフォーマンスを分析した。“ほとんどのグラフは何の役にも立たない”、と彼らは悟った。ダッシュボードではグラフを多用せず、項目と値をそのまま書いた(「ログインの失敗」など)。また、余剰クェリはmemcacheする、SQLクェリの最適化を遅らせるなどの、“ゆとり策”をとった。

そして分かってきたのは、“毎日のようにDropboxを大量に使うユーザは、それをCDNの代わりに使うなど不当な使い方をしている人か、または単なるバグだ”ということ。そして、ふつうの、まともな使い方をしている中位ユーザたちが、将来のDropboxのビジネスの基盤だと気づいた。特異な上位ユーザに目を奪われずに、ふつうのユーザをたいせつにする。そこからDropboxはビッグビジネスに育っていった。

Erankiはまた、次のようなレッスンも学んだ。

彼によると、前もって配慮したこと、“先走って巧妙を追うこと”は、必ず失敗した。むしろ、何もせずに、よく注視しながら成り行きにまかせるのがベストである。

ものごとが‘マーフィーの法則’的にまずくなるのを事前に防ぐためには、たとえばWebサーバをハードリブートして、それが自動リスタートできるかチェックする。できなければ、問題が起きている。

ログデータはきちんと保存することが重要。そして、古いコードは消さない方がよい。どちらも、あとになって必要になることがあるからだ。“消す必要のないものはそのまま残せ”、が鉄則だ。そして初期の経験から学んだのは: 新しい技術の導入には疑いの気持ちをもって…眉に唾をして…臨め、だ。

Erankiは、自分が犯した間違いからも学んだ。

ダウンタイムやパフォーマンスの劣化を、詳細に記録しなかった。

新規雇用は早めに。土壇場になって人を雇っても、ほとんど役に立たない。前もって、会社やシステムのことをよく知る期間が必要である。また、そういう人が多くなれば、今後の新規雇用も楽になる。

Erankiが初期のDropbox経験から学んだことの核心は: “前もってアーキテクチャに関してクレバーであることは難しい”、そして、“円滑なスケーリングのためには、プロジェクトの正しい優先順と、それらの構築プロセスが重要”、ということだった。

Dropboxは今の1億7500万から10億にスケールできるか、と聞かれた彼は、できる、と答えた。だって、今の5倍大きいだけだからね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


DropboxのDatastore APIとDrop-Ins APIでアプリからのデータシンクが確実に

今日(米国時間7/9)Dropboxは、デベロッパのアプリケーション内でユーザのデータをシンクしたり見たりできるための強力なAPIを二つローンチした。これでいよいよ同社は、最初の単純なストレージサービスという姿から、大きく変身していくようだ。

最初のDatastore APIでは、アプリケーションが各種の構造化データやメタデータを保存できる。ユーザがオフライン状態でそれらのデータに変更を加えても、Dropbox上にシンクできる。だからもっと分かりやすい名前は、Syncing APIかもしれない。ユーザが、連絡先やTodoリストなどを、どんなデバイス/プラットホームの上で、オンライン/オフラインで書き換えても、正しく保存されるのだ。

二つめのDrop-Ins APIとネイティブのChooserは、デベロッパがこれらを使ってユーザのDropboxからファイルを自分のアプリケーションに引っ張り込み、アプリケーション内で表示できる。しかもそれらのファイルは…上記APIにより…Todoでも写真でも何でも、つねに最新状態にシンクされているファイルだから、それらを見るユーザも大満足だ。

目標はデベロッパにクロスプラットホーム性を与えること(iOS、Android 、JavaScript)だから、環境が違うたびに異なるAPIを使う必要がなくなる。またこれらのAPIは、ほかのデベロッパのアプリケーションとの衝突に正しく対応でき、”Datastore Explorer”によりデベロッパは、アップデートされたデータをすぐに見ることができる。

この二つのAPIは、同社のバックエンド環境をデベロッパに提供して、複数のプラットホームとデバイスにまたがるデータの移動やシンクを可能にする。Dropboxはクラウド上に汎用のファイルシステムを持っているようなものだが、これからはこれらのAPIを利用したアプリケーションにより、ユーザのDropboxアカウント…そしてその上のファイル…がなお一層有効利用されることになる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Dropboxのユーザー数は1.75億人。2012年11月には1億人だった

「今日のテーマはみなさん全員の生活を便利にすることがすべて」と、CEO Drew Houstonが同社初の開発者向けカンファレンス「DBX」の開会に際して言った。現在同サービスには1.75億人のユーザーがいる。2012年11月には1億人だった。さらにDropboxは、同プラットフォーム上のアプリ10万本のために、新たなAPIをいくつか公開した。

このプラットフォームこそが、Houstonのキーノートのテーマだったようだ。あらゆるアプリと端末で使うデータを統合することがゴールだ。Houstonは「多くの会社が驚くような製品を作っているが、互いの顔を殴り合っている」と言った。続けて彼は、スマートフォンとアプリはわれわれがデータを落としてしまう小さな割れ目のようなもので、落としたデータは身動きがとれない。Dropboxは、それをどこからでも瞬時にアクセスできるようにしたいと考えている、と説明した。

Houstonは、サンフランシスコ、Fort Mason Centerのカンファレンス会場に誰かがスカイダイビングしてくることはないが、座席の下にDropboxのストレージ100GBの生涯無料クーポンがあると教えてくれた。

同イベントの発表には他に、端末がオフラインの間に追加・変更されたユーザーデータの保存と保護を行うDatastore APIもあった。一方、ネイティブのChooserとSaverを含む新しいDrop-Inを使えば、Dropboxから簡単にファイルを取り出して自分のアプリで使える。「今日は、みなさんの人生でこのことを気にする必要のなくなった最初の日。すばらしいアプリを開発することに集中してほしい」とHoustonは語った。

DBXのキーノート講演では、Android向けYahoo MailのDrobox連携や、Dropboxに買収されたMailboxもDropboxを統合した新しいiOS版を公開することが発表された。

しかし、何より驚かされるのはDropboxの成長ぶりだ。報道によれば真剣な買収提案をいくつか断わり自らに賭けたということだが、それが報われたかたちだ。日常のストレージはもはやオタクのためのニッチサービスではない。現代生活にとって不可欠になりつつある。

Houstonの本日のキーワードは、会社の新しいスローガンとして何度も口にしていた “sync not save”[同期せよ保存するな]だ。そのアイデアは、Dropboxが単にユーザーのファイルを保管するだけではなくなるという意味だ。データとクラウドをリアルタイムで双方向に繋ぐことによって、あなたはデジタル装備を失ったり、置き忘れたり、アクセスできなくなったりすることがなくなる。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Drobox、プラットフォーム機能を強化。デベロッパーが毎週「数万」社増加中

Dropboxは、デベロッパーを巻き込んでユーザーがどこででもファイルの追加やダウンロードができるようにするため、”Chooser” 機能を全面改訂した。

昨年11月に導入された Chooser は、デベロッパーが一から作ることなく簡単に「Dropboxと連繋」できるよう設計されている。アプリにDropboxのChooserを追加するためには、小さなJavaScriptのコードを挿入するだけどよく、デベロッパーはOAuthを実装したりアップロードやストレージを管理する必要がない。

この新機能とDropboxの拡大するユーザー基盤のおかげで、毎週「数万」ものデベロッパーが追加され、毎週「数十万」ものファイルがChooserを使って共有されているとDropboxは言っている。さらに「数千」ものアプリが作られつつある、とYC出身企業でプラットフォームを担当するDaniel Levineは言った。

本日(米国時間4/15)DropboxはChooserを改訂し、複数ファイルの同時選択およびChooser経由でパソコンからの直接ファイルアップロードができるようになった。これからはパソコンから写真を10枚でも直接アップロードできる。

「Dropboxにあるファイルの中ににDropboxが作ったものはない。われわれはユーザーが使いたい場面でいつでもファイルを利用できる方法を提供したい」とLevinは言った。

Chooser経由でアップロードされたファイルは自動的にユーザーのDropboxに保存され、自動的にサードパーティーのウェブアプリが利用できるようになる。他に小さな改善点としてファイルのドラッグアンドドロップが可能になった。

Dropboxのプラットフォーム化の努力によって、いくつか重要な提携関係が生まれた。数週間前、Yahoo MailがDropboxと大々的な統合を行い、ユーザーはYahooの受信箱の中から直接Dropboxにアクセスできるようになった。昨年秋、FacebookもDropboxのクラウドベースのストレージを用いて、Facebookグループで直接ファイル共有できるようにすると発表した。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Yahoo! Mail、添付ファイルでDropboxと提携。新規ユーザー送り込みに期待

ご存じの通りYahoo!は全主要プロダクトの総点検中で、メールサービスも類にもれない。ウェブ版、モバイル版の両メールシステム改訂に続き、同社はファイルバックアップ・共有サービスDropboxとの提携を発表した。

この提携によって、Yahoo! Mailでの添付ファイルのやりとりが簡単になる。お忘れかもしれないが、Yahoo! Mailは今でもGmail、Hotmailに続く世界で3番目に使われているメールサービスだ。しかし、本誌で最後に調べたデータによると、米国ではYahoo!がトップだ。こうした提携を利用して小さな改良を迅速に重ねていくことによって、ライバルとの戦いを優位に進めることができるだろう。

これは両社にとって朗報だが、Dropboxにとっては特に重要だ。今や職場や協業する小グループの人々にとって主要なツールとなっているDropboxに、この提携によって新しいユーザー層がもたらされる。Yahoo!には、そうでなければDropboxに手を出さなかったかもしれない新鮮なユーザーがたくさんいる。Dropboxアカウントを持っていないユーザーは、Yahoo! Mailを通じて簡単に登録できる。Dropboxにとっては、無料の2GBを使い切った後に収益を得るチャンスでもある。

Yahoo! Mailのプロダクト担当シニアディレクター、David McDowellが提携について語った。

今日から、DropboxかYahoo! Mailの中で使えるようになった。この統合によって、休暇の写真、確定申告の重要書類、論文などどんなファイルでも、簡単に共有や保存ができる。ファイルはネット上のDropboxアカウントに保存されるので、デスクトップを離れている時でも簡単にファイルを利用できる。

Dropboxは、Yahoo! Mailの英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、およびイタリア語版の中で利用可能。Dropboxを使ったことのない人は、Yahoo! Mailの中から簡単にアカウントを作れる。

Dropboxのブログには、あらゆる添付ファイルをDropboxで扱うことのメリットが挙げられており、ファイルサイズを気にしなくてよいことも書かれている。さらに、最近買収したSnapjoyチームのおかげでフォトアルバム全体をメールで共有することも可能になり、これは実に便利だ。新機能は今日全員に提供開始される。

Dropboxにとってこれは2度目のメール分野への大きな進出で、最初は、人気の、かつ手に入りにくいモバイルアプリ、Mailboxの買収だった。情報筋によると、Yahoo!は以前Mailboxの買収を真剣に進めていたというから いずれにせよ両社が手を組んだことは興味深い。

買収できないときは、提携してしまえ。

本誌はYahoo!に対して、基本的にDropboxと同様の機能を提供しているYouSendItとの提携関係を打ち切るのか尋ねている。回答があり次第本稿を更新する予定だ。

アップデート:Yahoo!広報担当者によると、YouSendItは「各アプリケーション」下、および「大型ファイルの添付」の際に今後も利用可能とのこと。

[写真提供:Flickr

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(翻訳:Nob Takahashi)


Google、Dropboxをみならってドライブのデザインを改良―共有フォルダが見やすくなる

クラウドでのファイル保管サービスを魅力的なものにするにはいろいろな方法がある。他のアプリとの連携、モバイルとデスクトップがシームレスにつながることなどに加えて、そう、デザインも重要だ。

デザインではDropboxがトップといっていいだろう。UIはまったくシンプルで非常にクリーンだ。白とライトブルーはDropboxのシンボル・カラーになっている。最近GoogleドライブもDropboxのデザインの優秀さに気づいたらしい。

今日(米国時間4/2)、Googleドライブのチームは共有フォルダのデザインのリニューアルを発表した。正直、これまでドライブの共有フォルダのユーザー体験はひどいものだった。また今回のアップデートでユーザーは自分のドライブに共有アイテムを1クリックで追加できるようになる。

来週中に、共有フォルダを開くよう招かれたユーザーにフォルダの内容がこれまでよりずっと見やすいレイアウトで表示されるようになります。アイテムをクリックするだけで次々にプレビューを見ていくことができます。

共有フォルダの内容を保存したい場合は、右上端の“ドライブに追加”ボタンを押せばユーザーのドライブに直接追加され、どのデバイスからでもアクセスできるようになります。

こういう具合になるということだ。

Googleドライブはファイルの保存と共有に加えて、スプレッドシート、ワープロ、プレゼンテーションなどのウェブアプリが利用できる統合サービスだ。Dropboxによく似ているが、Dropboxにはファイルの編集機能はない。この点ドライブには大きな優位性がある。またGoogleの巨大なユーザーベースと一般ユーザーの間での信頼性もDropboxには欠けている。この点はDropboxとYahoo!の提携についての今朝のわれわれの記事でも触れられている。

こちらはDropboxの見慣れた軽快なデザインだ。

一方、Boxは世界中の企業のファイルを保管することを狙っている。これはGoogleのBusiness App版のドライブのライバルということになる。DropboxとBoxはGoogleでは小回りが効かないような分野に次々に進出していけるという優位性がある。またAmazonもこの分野への参入を始めた

Googleは検索の分野では絶対的な優位性を保っているが、世界中のあらゆるユーザーのファイルの共有と保管ということになれば、大いに競争の余地が生まれてくる。CEOのラリー・ペイジのイニシアチブで、Googleは保管、共有、生産性アプリなどをドライブにひとまとめして一般ユーザーにとっての使いやすさを狙っている。これは賢明は戦略といえるだろう。しかしいくらテクノロジーが優れていてもUIがみすぼらしく使いにくかったらユーザーは集まってこない。

クラウドストレージは地味だが、十分に利益を上げることが可能なビジネスだ。まず無料のストレージを提供し、それがいっぱいになったら追加ストレージを売るというのはなかなか効果的ビジネスモデルだ。しかし数十メガバイトもあれば大容量ハードディスクとされていた時代からはるかに来たものだ。

[写真:Flickr]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Googleドライブのパワーユーザー向け高機能デスクトップクライアントのInsyncがいよいよ製品版を公開

Insyncは高機能なGoogleドライブのデスクトップ・クライアントだが、今日(米国時間3/26)、ベータを脱してMac版とWindows版の製品版をリリースした。

アップデートされたクライアントには多数の新機能(もちろんオリジナルのGoogleドライブにもない機能)が追加されている。その中には複数のGoogleアカウントのサポート、フォルダやファイルの選択同期、デスクトップへの通知、Googleドライブ以外のネットワーク・ドライブのサポート、柔軟な共有オプションなどが含まれている。

Insyncはシンガポールとフィリピンに本拠を置くスタートアップだが、当初はGoogleユーザー向けのDropboxに似たサービスを目指していた。当時GoogleドライブはGoogleドキュメントと呼ばれており、まだ本格的なクラウド・ストレージ機能を備えていなかった。しかしその後Googleはドライブにデスクトップクライアントを用意してDropbox風のサービスを自ら提供するようになった。そこでInsyncは方向を変えてGoogleのクライアントにまだない機能を開発し始めた。

「開発中にわれわれは非常に多くの人々がこういう機能を望んでいることに気づいた」と共同ファウンダー、CEOのTerence Puaは語る。 2008年にInsyncを創業するまでPuaはフィリピンのFriendsterを運営していた。

ユーザーのターゲットはGoogleドライブのパワーユーザーで、右クリックでフォルダやファイルの共有を開始できる機能も備えられている。その他フォルダやファイルの選択的同期などパワーユーザーが必要とする機能が多数ある。さらにギークな機能としてこの1.0にはシンボリック・リンクやエイリアス機能が含まれている。Puaは「これによってユーザーはInsyncのフォルダにいちいちドラッグアンドドロップでファイルやフォルダを移動することなくフォルダ階層を保ったままで利用できる」と説明する。

今回発表されたv1.0はMac版とWindows版で、Linux版はまだv0.9だという。しかしこれも近くリリースされる予定だ。Insyncは現在各プラットフォーム合計で数十万人のベータ・ユーザーがおり、その40%はGoogleAppsを利用しているビジネス・ユーザーだという。

今回の製品版のリリースにともなって料金も発表された。すべての機能が利用できるプロ・プランは9.99ドルの1回払い、数週間後に発表予定のビジネス・プランには企業のIT部門が利用状況をひと目で把握でき、社員別のアクセス管理ができるダッシュボードや優先サポート、 高度な検索などの機能が付加される。

Puaは「われわれの目的は単にGoogleドライブのクライアントを開発することではない。高度なクラウド・ストレージ・サービスの構築にある。ドライブのクライアントは第一歩にすぎない」と語る。

Insyncは2011年1月に80万ドルのエンジェル資金を得た。2009年にはad Reid Hoffman(LinkedInのファウンダー、CEO)、Tovio Annus (Skypeの共同ファウンダー)、Joi Ito(ネオテニーのファウンダー)、Santosh Jayaram(Twitterの元ビジネス運営担当副社長)らの投資家から30万ドルの.シード投資を受けている。

共同ファウンダーのMarte Solizaを含めてInsyncの社員は現在9人 で人材を募集中だ。

Insync 1.0はこちらからダウンロードできる

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


OrchestraからMailboxへ。 奇跡の転換を可能にした7つの理由

編集部注:Semil ShahTechCrunchの非常勤ライター。Twitterアカウントは@semil

先週金曜日(米国時間3/15)のDropboxによるMailboxの買収は、2012年4月にFacebookがInstagramを買収して以来、テク業界にとって最大の驚きだった。実際それは注目に値する出来事だった。金額の大きさ以外のさまざまな理由によって、Mailbox買収の陰にはテクコミュニティーの心を把む興味深い物語がたくさんある。

その1。Mailboxが資金調達したのは、2011年秋の1度だけだ。2011年11月に調達が発表された時、同社は“Orchestra”という共有可能なto-doリストアプリの会社として知られていた。製品公開前の初回ラウンドでの500万ドルは高いと思われ、小さく始める「リーン・スタートアップ」の概念からは外れていた。正確なところはわからないが、当時500万ドルは同社の約20%に相当していたと思われる。

その2。Mailboxは驚くほど良く考えられた転換だった。Orchestraのチームは、自分たちの製品が突如としてメジャーなヒットになることはないと計算した。これは実に難しい選択だった。一つの製品から全く異なる製品へと転換する際、Orchestraのチームは素早く状況を見直しMailboxを一から作った。過去の学習結果を生かしつつ、会社の中核から再スタートを切った。

その3。MailboxはiOSから始められた。OrchestraにはiOS版とウェブ版があり、同社のデザインおよびクロスプラットフォームでの同期技術も極めて優れていたにもかかわらず、MailboxはiOSでのみ公開され、他のプラットフォームに展開することなく、爆発的な話題を呼び買収された。InstagramはAndroid版の開発までしばらく時間をかけ、買収される少し前に公開してインストールベースを大きく増やすきっかけとなった。Androidは順調に伸びている(iOSを超えたという見方もある)が、アプリケーションの価値を決めるのは未だにiOSだ。

その4。Mailboxは鮮やかなマーケティング手法を用いて、iOS App Storeの厄介な配布の壁を乗り越え、多くの話題を生みだした。Mailboxの悪名高き「予約システム」によって、利用者はApp Storeからアプリをダウンロードできるものの、番号を呼ばれるまで待たなくてはならない。このしかけは、製品公開を控えた多くのモバイル系スタートアップ(Tempoなど)の間で、話題作りの方法として噂の的になった。

その5。この買収に向けてDropboxの行動も同社の戦略に光を当てることになった。2011年秋に非常に高額な評価額で現金2.5億ドルを調達したDropboxは、単なるストレージサービス以上の何かを求めて手の込んだ行動に出ていた。懐疑的な人たちは、Dropboxの評価額の高さが原因で交渉のチャンスを逃がしているかもしれないことから、成功を疑問視している。ブロガーを2人お薦めしておく。一人は、TechCrunchのIngrid Lundenで、Dropboxの進む方向について優れた記事を書いている他、数ヶ月前には同社によるSnapJoyの買収を分析した。もう一人Spark CapitalのAndrew Parkersは、ファイルシステムの歴史とDropboxの方向性について先見性のある記事を書いている。

その6。Mailboxは、メールの「スワイプアウェイ」と「スヌーズ」というユーザー操作に関して賞賛を欲びているが、こうしたジェスチャーの多くは、カラフルなiOS用to-doリストアプリ、Clearに触発されている。これらのジェスチャーをMailboxの発明だとする人たちもいるが、このケースには「平凡なアーティストは模倣する、偉大なアーティストは奪う」という言葉が似合うだろう。そしてMailboxのチームは、偉大なジェスチャーを見つけ、新しいアプリが待望されていたモバイルメールという製品カテゴリーに持ち込んだことを評価されるべきだ。

最後に、その7。それはあまりにも速かった。Instagramが立ち上がり、爆発的に広がり、急速に成長し、そして5000万ドルのシリーズB調達ラウンド完了のわずか2日後に買収されたように、Mailboxの物語もまた年ではなく月単位で語られる。2012年8月、Orchestraのファウンダーは、なぜメールが未だに問題なのかを分析する論評を本誌に寄稿している。非常に長期のベータテストらしきものの最中、影響力のある技術系ユーザーたちがMailboxを使う機会を得て公開の場で絶賛した。当時は検索もなく同期やプッシュ通知も不安定だったが、それはすばらしいバージョン1製品だった。2013年2月、Mailboxは正式に公開されたが、殆どのユーザーは行列に並ばなければならなかった。それ自身が物語となった戦術だ。そして、ご存じのように、3月15日、MailboxはDropboxに買収され、その対価は多くの人々がかなり大きいと感じる現金と株式だった。

以上7つの理由によって、この物語は人々の心を捉えている。そこまですごい製品ではないとか、もはやスタートアップは独立性を捨て大きくなりたがっているとか、スタートアップは騒がれるためにあるなど、何とでも言うことはできるが、OrchestraとMailboxの成し遂げたことは快挙と言う他はない。転換の決断は実に難しい。チーム全員を納得させることも実に難しい。それまでの成果を捨てることはモラル低下をもたらす。これまで十分な資金と数百万人のユーザーを持つ小さなスタートアップが、同じような転換を試みるところを何度も見てきたが、いずれも失敗に終っている。実際のところ重要で意味のあるブランドや製品を新たに作り出すことは、ほぼ不可能だ。長期ベータテストと予約システムと共に製品を公開するまでのマーケティング計画を発明した人は、まさしく天才だ。そしてMailboxを別のプラットフォームでも使えるようになることを多くの人々が夢見る中、このチームはDropboxの気前の良い申し出を受ける決断を下した。それは株主全員を幸せにし、上に挙げた状況を踏まえれば、石炭をダイヤモンドに変えるものだ。これこそがOrchestraからMailbox、そしてDropboxへの物語が人々の注目を集める理由だ。大きくて頑強な会社を作り上場させることは、雑誌の表紙を飾る成功例の1つだが、他の多くの人々にとって、魅惑的な出口 ― 各自にとっての「未読ゼロの受信箱」― を1つ見つけることが夢の実現だ。

写真提供: Digital Game Museum / Flickr Creative Commons

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(翻訳:Nob Takahashi)


Dropbox、Mailboxの買収価格は1億ドル前後か

TechCrunch Disrupt出身のDropboxは、実に抜け目のない早期段階買収によって、話題沸騰のメール管理アプリ、Mailboxを手の内にした。われわれはこれを “DropMail” と呼んでいる。

本誌では、Mailboxが資金調達に動いていて、Andreessen Horowitzらの関心を引いていたことを伝えられていたので、今日同社が名前も調和のとれたDropboxに売却したニュースを聞いても、大きな驚きではなかった。時として、成長の糧を得る最も簡単な方法は買収されることである。メールのように金のかかる問題に取り組んでいる時はなおさらだ。しかも待ち行列に6桁の人数が並ぶアプリなら。

さらに本誌は、この買収が安いものでないことも聞いている。すでに話題の中心にいるスタートアップのために、Dropboxは5000万ドルの「はるか上」を行く金額を必要としていると複数の筋が言っている。さらにわれわれが把んだ情報によると、現金と株式を合わせて1億ドルという価格とも言われている。

実はYahooも、IDEOの古参、Gentry Underwoodが立ち上げたこのメールプラットフォームに興味を示したことがあった。Yahoo Mailブランドの衰退やMailboxがモバイルで苦戦を強いられていたことを考えれば意味のある選択肢だった。しかしDropboxの魅力的なビジョンの方が、生まれて間もないこのスタートアップにとって一層理にかなっていた。Mailboxの目覚ましい数字は、Droboxの共同ファウンダー、Drwe Houston、Arash Ferdowsiの2人に、メール界への一撃を加える勇気を与えた。

いずれせよ、Dropboxで添付ファイルを扱える日は近そうだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Dropbox、デスクトップクライアントを改訂。「共有」を前面に押し出す

Dropbox社のクラウドストレージおたくたちは、かなりの時間を費してモバイル機器向けに(もちろんモバイル開発者向けにも)サービスを最適化してきたが、デスクトップクライアントはここ数年間殆ど変わっていなかった。

そんな状況はもう終りだ。同社はデスクトップ版Dropboxバージョン2.0のベールを剥がし、待ち望まれていたグラフィックスタイルを加え、共有プロセスを整備した。

探るべきことは山ほどあるが、まずは改訂されたデザインのすばらしさを伝えるべきだろう。かつての質素なメニューが一掃された新鮮な変更だ。私はかなり気に入っているが、便利な機能(残り容量の表示等)が奥に隠れていてクリックしないと見えないことなど、まだ完璧とはいえない。

Dropboxは、この数ヵ月間ファイルやフォルダーの共有を大いに強調しており、新メニューでも共有機能が前面に押し出されている。メニューに表示される〈最近変更されたファイル〉にマウスをかざすと、共有ボタンが現れてワンクリックで他の人と共有できる。また、友達や大切な人がファイルやフォルダーを自分と共有すると、リアルタイムで通知される。この種の通知はデスクトップだけのものではない。Dropboxの説明によると、iOSおよびAndroidアプリのユーザーも通知を受けるようだが、これ以上モバイル通知が増えるのを喜ばないユーザーもいるだろう。

改訂されたクライアントはここからダウンロードできる。ただし、このフォーラム記事によると、Linuxユーザーはまだ新しいデザインを見ることがないようだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)

Dropbox、PDFの閲覧性能を大幅にアップした新しいiOS版アプリケーションを公開中

dropbox-logo先日掲載したDropbox for Teamsの新機能は使ってみただろうか。新機能が登場したばかりに思うのだが、新しいiOS版も出ていて、そちらも大いに使い勝手が良くなっている。たとえばPDFの閲覧では、サムネイルをクリックして見たいページに直接ジャンプするような機能も加わっている。またAndroid版に実装されていた、誰かがフォルダを共有指定した際のプッシュ通知機能も追加されている。

Dropbox-PDF-Viewer今回実装されたPDFビュワーの機能は、とくにビジネスユースに便利なものだろう。PDFドキュメントをマルチページで表示してくれるだけでなく、キーワードによる検索もできるようになっているのだ。ところでDropboxのStephen Polettoが興味深いことをツイートしていた。すなわち新たに実現したPDF関連の機能は、PSPDFKitという有料のサードパーティー製コンポーネントを利用して実現されているそうだ。

また、Dropbox内のファイルを変更日でソートできるようになったのを喜ぶ利用者も多いことだろう。フォルダを共有して、コラボレーションプラットフォームとして活用している人も、簡単にリビジョン管理が行えるようになったわけだ。

今回のバージョンアップは機能全体からみれば少しのアップデートだということになるのかもしれないが、しかし多くの人が便利になったと感じるものであると思う。

さらに言えば、Dropboxがビジネス利用についても真剣に考え始めていることを示すアップデートであったということにもなるのかもしれない。ビジネスユースについてはやや苦手とする面であったと思うが、多少なりとも挽回することができたと言えそうだ。

プッシュ通知は、誰かがフォルダを共有した際に送られるものだ。これはビジネス用途でも個人用途でも便利な機能だ。Android版に続いてiOS版でも実装された。但しPDF関連の新機能は、Android版にはまだ実装されていない。しかし昨今、DropboxはiOS版とAndroid版の機能差を少なく、かつ両者間のリリース間隔を短くする傾向があるように見える。すなわちAndroid版にPDF関連の新機能が追加されるのも、そう遠い日のことではないように思われる。

iOS版のアップデートはこちらから入手できる。Android版はこちらから。

Image credit: appadvice.com

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(翻訳:Maeda, H)

Dropboxはエンタープライズ市場を目指す―管理者がユーザーを詳細にモニタできるようDropbox For Teamsをアップデート

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Dropbox for Teamsに新しい機能が追加された。これによってユーザーである企業IT部門は、個人であれ組織であれ、Dropboxサービスの利用状況を細大漏らさずモニタし、コントロールできるようになる。

こうしたアップデートは、Dropboxが今後の主要なビジネス・ターゲット企業IT向けに定め、会社成長の新しい段階に入りつつあることを示すものだ。

Dropbox For Teamsは2011年後半にリリースされた。昨年8月には2段階認証機能を導入、続いて10月にはこの認証機能を用いて誰がどのようにサービスを利用しているかをIT部門がモニタできるようにするなど可視性を高めた。今日(米国時間2/12)追加された各種のモニタ機能と合わせて、個々のユーザーの行動、アクセス元のデバイス、ユーザー別のストレージ使用容量、リンクされたデバイスやインストールされたアプリケーションのリストなどをIT部門がモニタすることができるようになった。

IT部門の管理者が個人、グループのアクセス、認証、共有などの設定と管理を簡単に実行できる新しいUIもリリースされた。管理者はユーザーのログイン、グループへの招待、共有などの活動履歴をすべて見ることができる。またそれらの記録をレポートに一括ダウンロードすることも可能になった。

3. Activity Tab

ユーザー個人のモニタ・ビューでは管理者はユーザーがアクセスにどんなデバイスを利用しているかモニタできると同時に、必要があればデバイスを削除することもできる。

4. Authentication Tab

2段階認証によってDropboxのセキュリティーはきわめて強固なものとなっている。管理者はパスワードをリセットすることもできるし、特定のグループのデータに「持ち出し禁止」を指定してグループのメンバー以外との共有を禁止することもできる。.

単なる「魔法のクラウド・フォルダ」以上の存在へ

Dropboxはなんでもクラウド上に保存できる、いわば「魔法のフォルダ」というコンセプトの下に出発した。次の章はバックエンドの強化だ。そのカギになるのは先日公開された同期APIのさらなる拡充だろう。同期APIを利用するとモバイル・アプリのデベロッパーはDropboxに保存されたファイルをデバイス内に存在するファイルと同様に簡単に呼び出し、同期し、オフラインで編集し、バージョンを管理することができる。これによってますます多くのアプリがDropboxと連携するようになるだろう。今回のIT向け機能強化と相まってDropboxのエンタープライズ市場への参入の道筋が大きく開けたといえそうだ。

Dropboxはライバルとの競争に勝つカギをエンドユーザー向けアプリのデフォールトのクラウド・ストレージとなることに置いている。一方、現在Box、SugarSync、Mozyを始め多数のクラウド・ファイル共有サービスが存在するようになった。Boxは共同作業環境の強化に力を入れ、Jiveと提携している。またVMwareはVMwareHorizonコラボレーション環境の一環としてDropbox的なファイル共有サービス、Project Octopusを立ち上げている。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

Dropbox、モバイル・デベロッパー向けに同期APIを公開―クラウド上のファイルにローカル・ファイルのようにアクセスが可能に

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今日(米国時間2/6)、Dropboxはまったく新しいAPIをデベロッパー向けに発表した。モバイル・アプリの開発にあたって非常に強力なツールとなることが期待される。

Dropbox Sync APIはiOSとAndroidプラットフォーム向けで、ユーザーがDropboxのアカウントに保存したファイルをデバイスのローカルに保存したファイルと同じ手続で利用できるようにする。デベロッパーはこのAPIを利用して同期、キャッシュ、オフライン・アクセス、バージョン管理などのさまざまな機能を簡単に実装できる。デベロッパーはファイルへのアクセスや管理に神経を使う必要がなくなり、アプリの機能の開発にリソースを集中できるわけだ。

私はDropboxのプロダクト・マネージャー、Sean LynchにこのAPIについて取材した。Lynchは「一言でいえば、昨年11月に発表したDropbox Chooser同様、このAPIもデベロッパーの苦労を軽減しようというDropboxの努力の一環だ。このAPIはどんなプラットフォームでもアプリがシームレスにクラウド上に保管されたファイルを処理できるようにする」という。

Lynchはこう説明する。

Dropboxの使命はユーザーがどこにいようと自分のデータに自由にアクセスできるようにすることにある。これは地理的な場所のことだけでなく、利用しているデバイスやプラットフォームによってもアクセスが制限されないようにすることが含まれている。つまり自宅やオフィスでパソコンを使っていようと、出先でiOSやAndroidのスマートフォンやタブレットを使っていようとDropbxoに保存した自分のデータが利用できなくてはならないということだ。そのためアプリがDropboxに容易にアクセスできるようにするツールをデベロッパーに提供することは非常に重要だ。

あらゆるデベロッパーがDropboxサービスをアプリから簡単に利用できるようにするためにはどんなAPIを提供すべきか、われわれは長い間検討してきた。アプリからDropboxのファイルを呼び出したり共有したりする機能をもたせたChooserはこの方向への第一歩だった。われわれは木曜日にChooserをリリースしたところ、金曜から週末の間に多くのデベロッパーがソースコードに数行のJavaScriptをコピー&ペーストし、月曜には多数のDropboxと連携したアプリが登場していた。

新しいSync APIは要するにDropboxストレージをごく簡単にアプリに統合する役目を果たす。以前のAPIではデベロッパーはアプリでファイルを利用するためにまずファイルをローカルにダウンロードする必要があった。中途で障害が起きた場合はリトライし、それでもダメなら一旦ローカルに保存してその場所を記憶しておく。またアップロードでも同様の手間がかかった。ユーザーがオフラインでファイルに変更を加えた場合、変更された箇所を探し出し、オンラインになると同時にDropboxに再アップロードしなければならない。そうした処理をデベロッパーがすべてコーディングする必要があった。

新しいSync APIはこうしたファイル管理の負担をデベロッパーから取り除く 。ネットワーク接続の中断、オフライン・キャッシング、バージョン管理と自動アップロードなどをデベロッパーに代わって処理してくれる。Squarespace Noteのデベロッパー、Chris Coxはリリース・ノート中で「Sync APIのおかげでDropboxをアプリに統合するために必要なコードの行数がおよそ半分に減った」と証言している。

Lynchは「モバイル・デバイスでDropboxのファイルを呼び出し、編集を加えた結果が整合性をもってリアルタイムで他のデバイスやプラットフォームからも利用できるようにするのが目的だが、それ以外にもデベロッパーが創造性を発揮してこのSyncAPIを利用してくれるのではないかと期待している。 われわれのAPIは部分的には AppleのiCloudの同期APIに似た機能を持っている。しかしわれわれのAPIはユーザー自身のDropboxアカウントにアクセスするので、単にiOSやMacばかりでなく、事実上あらゆるコンピューティング・プラットフォームから利用できるところが強みだ」と述べた。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

Dropboxでドキュメントをダウンロードせずにプレビューできるようになった―バーチャル写真アルバム機能も追加

Dropbox Photo SHaring

今日(米国時間1/30)、Dropboxはアップロードしたファイルを直接プレビューできる機能をリリースした。ユーザーはいちいちファイルをダウンロードしなくてもファイルの内容をすぐに確認できる。また、ウェブ版のDropboxには写真タブが追加され、アップロードした写真の閲覧、共有がより簡単になった。

プロダクト・マネージャーのChrisBeckmannによれば、「われわれは保管の対象を各種のファイルと考えることを止めてユーザーの所有するコンテンツと考える方向に動きつつある。今回リリースされた2つの新機能もこの考えに基づくものだ」と説明した。

それぞれの機能を詳しく見てみよう。

ドキュメントのインスタント・プレビュー

Dropboxのドキュメント・プレビュー機能を利用すると、内容を確認できるポップ窓が表示される。これまで、たとえば同僚とWordを共有しようとした場合、必要なファイルを選ぶためには、いちいちファイルをダウンロードして開いてみる必要があった。新機能のおかげで、Word、PowerPoint、PDFなど多くのポピュラーなファイルがダウンロードせずにプレビューできるようになった。DropboxではExcelのプレビュー機能も開発中だという。

ドキュメント・プレビューはDropboxの全ユーザーに対し、数ヶ月かけて順次公開される予定。下のスクリーショットはPDFファイルのプレビューのようす。

Dropbox Quick Start

写真タブ

Dropboxに追加された写真タブは、写真のブラズを容易にする。アップロードされた写真を日や月で自動的にグループ化するだけでなく、写真タブ内ではファイルは単なるファイルではなく写真として認識され、ユーザーがさまざまな操作を直接行うことができる。

また写真の共有も容易になった。以前は、写真は一枚ずつ共有するか、もし複数の写真を一括共有しようとするなら、新しいフォルダを作ってそこに写真を集め、フォルダを共有するしかなかった。これが写真タブでは複数の写真を選択してバーチャル写真アルバムを作成し、そのアルバムをFacebook、Twitterで公開したり、メールで共有したりできる。

このバーチャル・アルバム機能はウェブ版のDropbox、iOSアプリに近く追加される予定だが、Androidアプリではすでに利用可能になっている。昨年12月にDropboxは写真アプリのデベロッパー、Snapjoyを買収した。今回ローンチされたDropboxの写真機能は以前にSnapjoyが提供していたものによく似ている。SnapjoyチームはDropboxのために熱心に仕事を始めているようだ。

Dropbox Photo Tab

写真処理に関する新しい機能の開発はDropboxがメディア機能に力を入れていることの表れだ。Dropboxは昨年発表したカメラ・アップロード機能について「信じられないほどの大成功だった」と述べている。この機能はモバイル・デバイスで写真をを撮影すると自動的にユーザーのDropboxにアップロードされるというもの。すでに何十億枚もの写真がDropboxにアップロードされている。今日のアップデートで、ユーザーはネコにせよ風景にせよ、写真の共有がもっと簡単にできるようになった。

今朝のアップデートで Dropboxの将来の計画も見えてきた。ユーザーはクラウド上のファイルをプレビューするだけでなく、ダウンロードせずに簡単な修正が加えられたら便利だと思っている。将来Dropboxでは、たとえばWordファイル中のテキストを修正するなど、簡単な編集も可能になるかもしれない。またDropboxは昨年12月に人材採用を目的としてAudiogalaxyという音楽のスタートアップを買収した。これからするとオーディオ・ファイルをプレビュー再生できるようになる日も近そうだ。

[訂正:Dropboxは当初、ドキュメントをプレビューする新機能の名前をQuick Startとしていた。スクリーショットでもわかるように、デモでもその名前が使われていたが、その後、名称は正式に「ドキュメント・プレビュー(Document Preview)に改められた。]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+