イーロン・マスク曰く、Teslaの労働組合は「結成されない」と思う

FEBRUARY 4, 2015 FREMONT, CA Workers assemble cars on the line at Tesla's factory in Fremont. David Butow (Photo by David Butow/Corbis via Getty Images)

TeslaのCEO Elon Muskは水曜日(米国時間2/22)の決算会見で、フリーモント工場従業員の代表者によるとされる労動組合結成の動きについて触れた。Muskは、工場の状況および組合化に対する従業員の考えを独自に調査した結果をブログに掲載する予定だと言ったが、調査結果についての大まかな印象を述べた。

Muskによると、Teslaの工場は他の自動車産業と比較して事故の危険性が半分であることがわかった。また、Tesla従業員の収入は通常の給与と株式報酬を合わせると業界最高だとも言った。

Muskはさらに、「今ここで組合が欲しいと発言することは、不利にしかならない」と信じていると語り、Tesla工場の労働状況や従業員が組合化を望んでいるなどと書きつらねたMedium記事の投稿者は、事実上組合の社員だという彼の主張を繰り返した。Muskは、投稿者は「他のどこの会社でも成績が悪かった」と言い、少なくとも自分の推測では、Teslaの生産ライン労働者が組合を作る可能性は低いと語った。

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イーロン・マスクは本気でトンネルを掘り始めた―ロサンゼルスで掘削デモ

A picture taken on January 25, 2016 shows a tunnel boring machine at the building site of the extension of the tramway of Nice.
The extension of the tramway in Nice will connect the city from West to East for a distance of 7.7 km. The line will be open to the public in 2018. / AFP / VALERY HACHE        (Photo credit should read VALERY HACHE/AFP/Getty Images)

TeslaとSpaceXのCEO、イーロン・マスクは本当にトンネル掘削会社をスタートさせる。会社の名前もThe Boring Companyだという。この会社の頭文字はTBCになるが、ご存知のようにこれは「次回に続く(to be continued)」の略語としても知られている。マスクはトンネル掘削に賭ける野心をまずTwitterに投稿し、続いてデモがBloombergの特集記事になった。

この掘削はロサンゼルス空港付近のSpaceX本社の駐車場という意外な場所で開始されたが、これは実用的な理由の他に、私有地なので法律的問題をクリアする必要がないという点もあったらしい。

現在のプランというのは、トンネル・ボーリング・マシンを設置できるよう駐車場に掘られた最初の穴を拡張することだという。ボーリング・マシンはその後地下15メートルのあたりで水平にトンネルを掘り進む。最終的には自動車が通行できる広さのトンネルになる。マスクがBloombergに語ったところでは、このトンネルは「新しい地下交通ネットワークの一環となる」ということだが、このトンネルが具体的にどこへ向かうのかは明らかにしなかった。

マスクは最終的に自動車と列車が利用できる上下30レベルにも上るトンネルネットワークを構想している。マスクが提唱する真空チューブ輸送―Hyperloop―ももちろん候補の一つだろう。マスクのビジョンは、現在のように地表に縛られた2次元ではなく、上下に自由に交差可能な3次元の地下交通システムを建設することだ。

都市交通の3次元化を進める上での選択肢はもう一つある。上空だ。UberやAirbusは「空飛ぶオンデマンド・タクシー」の構想を追求している。これも地上の渋滞を避ける有力な方法だろう。しかしマスクは安全性、実現性、輸送力、あらゆる面で空を飛ぶよりトンネルの方が有利だと考えている。

都市内の飛行輸送システムに関する最初のハードルは技術的なものだ。コスト・パフォーマンスに優れた機体を生産するためには今後数多くのテクノロジーを完成させねばならない。また航空は特に規制が厳しい分野だ。飛行経路などを含めて交通システム自体をゼロからデザインする必要もある。これと比較すれば、トンネルについては既存の知識が大幅に活用できる。もちろんマスクのビジョンは既存の枠組みをはるかに超えたものだが、それでも地下交通自体はゼロから構想されるわけではない。

マスクの計画にもテクノロジー上のイノベーションが多々必要だ。しかしマスクは既存のものよりはるかに掘削速度が速い「優れたボーリング・マシン」を開発する自信があるようだ。
マスクがBloombergに語ったところによれば、「トンネル掘削産業というのはSpaceXがスタートしたときの宇宙産業のような状態」にあるという。つまりレガシー・プレイヤーはほとんどテクノロジーを進歩させておらず公共事業の巨大な予算に頼りきっていた。技術革新を狙うスタートアップにとっては十分に成算がある分野ということだろう。

トンネルの掘削と利用に関してはすでに十分に先例もある。一見突飛に見えても一歩下がって検討すると、都市交通の改善にトンネルを活用するというマスクのアイデアは理にかなっているように思える。

画像: VALERY HACHE/AFP/Getty Images/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

イーロン・マスク、「脳とコンピューターの直結」を主張

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最近、ITの世界では人工知能の改良に大量の資源が振り向けられている。こうしたトレンドの中で時代に取り残されないためにはどうしたらよいだろう? TeslaとSpaceXのCEO、イーロン・マスクによれば「コンピューターと人間がさらに一体化すること」だという。

マスクは以前にも脳とコンピューターのインターフェイスが持つ大きな可能性を論じ、 「ニューラル・レース」〔SF作家、イアン・M・バンクスの創作に登場する脳・コンピューター・インターフェイス〕についても触れている。今週月曜にUAE〔アラブ首長国連邦〕が主催するWorld Government Summitに登壇したマスクはこの点をさらにはっきり述べた。マスクによれば人類は近い将来コンピューターとの一体化をさらに進めることになるという。

デュバイでのマスクの講演は、昨年のRecodeのCodeカンファレンスでの発言を想起させる。マスクはここで「ニューラル・レース」について触れ、こうした脳に埋め込まれたデバイスがコンピューターと人間を直結させ、思考でコンピューターを操作できるようになるとした。これにより現在のキーボードやマウスを利用するインターフェイスに比べて脳とコンピューターを結ぶ帯域幅は大きく拡大し、逆にレイテンシーは減少するという。CNBCによれば、マスクはデュバイの講演で「われわれは人間と人工知能を共生させるこうしたインターフェイスを必要としている。このような方向で〔人工知能につきまとう〕コントロール問題、有用性問題を解決することができるかもしれない」と述べた。

AIの有用性は単に特定の問題を解決する能力だけでなく、その処理速度の速さにもある。この場合、AIがネットワークを通じて他のデバイスと相互作用するスピードが重要だ。人間がテキストを読み書きするのにに比べて、コンピューター間の情報転送速度は1兆倍も速い。

マスクは「AI全般が持つ可能性は別としても、自動運転テクノロジーだけでも社会を根本的に変革するような影響を与える」と強調した。マスクよれば、自動運転テクノロジーは「人間にとって最大の雇用者になる」という。つまり自動運転が普及することによってどんな職が新た生まれるか、既存の職にどんな影響を及ぼすかを検討することが当面最大の課題だとした。

この点で、脳とコンピューターを直結するニューラル・インターフェイスは一つの解決の方法を示唆する。人間の脳は、さまざまな面で、現在最大のコンピューター・システムの能力を上回っている。マスクは「脳とコンピューターの間にある溝を埋めるようなインターフェイスが実用化されれば人類とコンピューターの間に起こるかもしれない齟齬を食い止めるために役立つだろう」という。rニューラル・レース・テクノロジーを実用化するための研究を続けているとマスク自身が繰り返し述べてきたのは興味ある点だ。

画像: DAVID MCNEW/AFP/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

イーロン・マスク、諮問委員会でトランプの移民拒否令に異議を唱えると表明

WASHINGTON, DC - JANUARY 23:  White House Senior Advisor Stephen Miller (L) and Klaus Kleinfeld of Arconic visit with Elon Musk (C) of SpaceX before a meeting with U.S. President Donald Trump in the Roosevelt Room at the White House January 23, 2017 in Washington, DC. Business leaders who also attend the meeting included Elon Musk of SpaceX, Mark Sutton of International Paper, Michael Dell of Dell Technologies, Marillyn Hewson of Lockheed Martin, Andrew Liveris of Dow Chemical and others.  (Photo by Chip Somodevilla/Getty Images)

Tesla CEO Elon Muskは、ドナルド・トランプの経済諮問委員会への関与および明日の定例会議の出席について声明を発表した。Muskは他の委員と共にこの機会を利用して、移民拒否に関する大統領令に反対を表明し変更案を提案する。

Muskは、自身が同委員会のメンバーであることは、委員会や政権を支持することを意味していないと明確に述べた。Muskが委員会に関与することについて、Teslaの内外から圧力を感じている可能性は高く、同委員会のメンバーだったUber CEOのTravis Kalanickが辞任したとあってはなおさらだ。

Muskの声明の全文を以下に引用する:

12月に私は大統領諮問委員会への参加に同意した。この国と世界にとって重要だと思う問題について意見を述べるためだ。明日の会議で私は他の委員の共に、最近の移民に関する大統領令に反対を表明し、政策変更案を提示するつもりだ。

諮問委員会は助言を与えるだけであり、そこに出席することは私が政権の行動に同意するという意味ではない。私のゴールは全世界が維持可能エネルギーに移行し、複数の惑星に文明を作り、その結果何十万もの職と誰にとっても感動的な未来を生みだすことだ。私がこの会議に参加することに反対する人たちの視点は理解するが、現時点では重要な諸問題に関与することの方が、結局は大義のためになるものと信じている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

イーロン・マスク、トランプの国務長官人選を評価―「レックス・ティーラソンはいいかもしれない」

WASHINGTON, DC - JANUARY 11:  Renda Tillerson (L) listens during the confirmation hearing for her husband and former ExxonMobil CEO Rex Tillerson (R), U.S. President-elect Donald Trump's nominee for Secretary of State, before Senate Foreign Relations Committee January 11, 2017 on Capitol Hill in Washington, DC. Tillerson is expected to face tough questions regarding his ties with Russian President Vladimir Putin.  (Photo by Alex Wong/Getty Images)

月曜日にTeslaとSpaceXのCEOはロッキード・マーチンやアンダーアーマーなど他の製造業のトップと共にホワイトハウスでトランプ大統領と会った。その翌日、マスクはトランプ大統領が国務長官にエクソン・モービルの元ECO、レックス・ティラーソンを指名したことを支持するツイートを投稿した。

マスクが―よりによって―ティラーソンに好意的な評価を下そたことに驚くものも多かった。40年以上化石燃料を生産するエクソン・モービルで働いてきたティラーソンはマスクの世界観にもっとも遠い人物のはずだった。しかしマスクはEconomistのツイートに答える形で、ティラーソンの国務長官は「悪くない人選かもしれない」と述べた。

@TheEconomist こう言えば驚かれるかもしれないが、私はEconomistに同感だ。レックス・ティラーソンは優れた国務長官になる可能性がある。

ひどく直感に反すると思える判断の理由を尋ねるフォロワーからの質問にマスクはこう答えた。まずエクソンでの仕事ぶりからして「ティラーソンはおそろしく優秀だ」という。またグローバル政治を深く理解している点も賞賛した。別のツイートではティラーソンは少なくとももともそうでないと分かるまでは仕事ぶりを判断する余裕を与えられるべきだと述べた。

@danahullt レックスは経営者として非常に優秀だ。地政学の理解も深い。自分のチームを勝たせる術を知っている。今や彼のチームはUSAだ。

ティラーソンは以前、エクソンのCEO時代に地球温暖化対策としてもっとも有効だとして炭素税の導入を支持したことがある。しかしエクソンはニューヨーク州から気候変動に関して公衆を誤らせたという疑いで調査されている。ティラーソンの批判者は炭素税支持は単にエクソンに対する批判の矛先をそらせることが目的で実効を伴う支持ではななかったのではないかとしている。

レックス・ティラーソンの指名は上院外交委員会で承認されることが確実となっており、正式な国務長官への就任にさらに一歩近づいた。しかしティラーソンはエクソンで長年ロシアを担当しており、12月のTIMEの記事によれば、2011年にはロシアとの間で北極圏における掘削権とテキサスおよびメキシコ湾岸の石油へのアクセスをバーターする取引をまとめたとされる。

マスクは月曜日以前にもドナルド・トランプと会っている。昨年末、当選後のトランプとテクノロジー・ビジネスのリーダーとがニューヨークで懇談したときのことだ。その後トランプは戦略政策フォーラム(Strategic and Policy Forum)のメンバーとしてペプシコのインドラ・ヌーイ、Uberのトラヴィス・カラニックと並んでイーロン・マスクを指名している。マスクは投資家向けQ&AセッションでTrumpが化石燃料に強気なのは必ずしも代替燃料の将来にとってマイナスとは限らないと説明した。

SpaceXとTeslaはどちらもほとんどの製造工程がアメリカ国内にある。アメリカ製造業の復権を後押しするために国内製造業への規制を緩和するというトランプ大統領の政策はマスクにとって有利なものとなる可能性がある。しかしマスクがこのように新国務長官について楽観的な見通しを述べるのを聞くと居心地悪く感じるし奇妙でさえある。ティラーソンの経営者としての経歴のほとんどすべてはTeslaともSolarCityとも正反対なはずだ。

画像: Alex Wong/Getty Images/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Tesla車のアップデートサイクルは1〜1.5年、Elon MuskがTwitterで発言

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TeslaのCEO兼ファウンダーであるElon Muskは、すぐに古くさくならないような車を買いたいと考えている人にこうアドバイスする。「他のメーカーの車を買ったほうがいい」

通称HW2を装備したTesla車に搭載されている新しいセンサー、コンピューター、パーツを、以前のモデルにも有料アップグレードという形で取り付けることを考えてくれないかというTwitter上での質問に対し、Muskは上記のように答えた。彼はさらに現行のモデルに搭載されたテクノロジーは、今後平均して1年から1年半の頻度で大幅に改良されることになると語った。

@elonmusk 現行モデルにAP2を追加するのにも8000ドル近くかかります。M3に力を入れていることもわかりますが、Teslaファンは改修用の組み立てラインの設置を求めています。

@dtweiseth Teslaは絶えずイノベーションを生み出そうとしています。もしも改修ラインを求めているならば、その人たちは買う車を間違っています。Teslaでは12〜18ヶ月ごとに大幅な改良が行われる予定です。

Teslaのアップデートの頻度は、GMやFord、トヨタといった従来の自動車メーカーに比べれば、かなりアグレッシブなものだと言える。通常あるモデルが発表されると、新しいオプションや細かな機能が追加されることはあっても、最大約5年間は大幅なアップデートは行われない。ましてや、TeslaのModel SとXがHW1からHW2へとアップデートしたように、”大幅な改良”が行われることはまずない。

Teslaオーナーの中には、この同社の戦略にいらだっている人もいるかもしれない。決して安くはないTesla車が、スマートフォンと同じくらいの頻度でアップデートされるというのは確かにもどかしいだろう。しかしこれは、もっと高いレベルのイノベーションを起こす上でTeslaがとった選択なのだとMuskは話す。

@dtweiseth もしも私たちが限られたリソースを使ってかなり複雑な改修を行うとすれば、Teslaのイノベーションのスピードは劇的に落ちてしまいます。

さらにMuskは、以前のモデルにHW2のキットを組み込むとなると、車をフレームまで解体して300種類以上のパーツを取り替えるという、極めて複雑な工程が必要になると言う。また彼は、既存モデルの改修にフォーカスすることが、新しいテクノロジーを生み出す上で障害になってしまうと付け加えた。

つまりTeslaはこれまで消費者が慣れ親しんできた自動車メーカーとは大きく違い、その違いは開発サイクルにまで及ぶということだ。長く使えるプロダクトは、ある意味では使っている人を過去に縛りつけてしまう。そしてMuskは、お金に見合った価値があると顧客に感じてもらうためだとしても、Teslaの動きを止めるようなことはしない。

私はTeslaが大手自動車メーカーと戦っていく上で、テック企業のようなスピード感を保つことが重要だと考えているため、Muskの今回の発言には安心している。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

イーロン・マスク、その名も「掘削企業」(boring company)を始めるとツイート―道路下トンネルで渋滞解消

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多数の会社のCEOを務めるビジョナリー経営者のイーロン・マスクだが、今度は交通渋滞にうんざりするうちに、また新しい会社を思いついたらしい。その名もまさにThe Boring Companyだという〔boringには「うんざりする」と「穴を掘る」の両方の意味がある〕。この会社は掘削機で道路下にトンネルを掘って地上の渋滞を解消するのだそうだ。

マスクは土曜に渋滞に巻き込まれて新しいベンチャー企業のインスピレーションを得たらしい。ボーリングという単語をネタにした駄洒落ツイートを連発していた。その後のツイートからから考えても企業創立はどうやら本気らしい。

TeslaとSpaceXで驚異的な成功を収めたマスクだが、同時にこれまでCEOとして失敗も多かった。しかし事業の上でしつこい冗談を言う性格だたとは知られていない。これほどはっきり何かをやりたりと言うならそれは真剣なのだろう。しかもマスクはTwitterの自己紹介欄の「現在の事業」にTesla、SpaceX、OpenAIに加えて「トンネル(そう、地中を掘るあのトンネルだ)」を付け加えた。

マスクのツイートについて言えば―渋滞で立ち往生した人間の反応としてはいささか子供っぽい。普通程度の想像力があるティーンエージャーだったら、渋滞の解消策として、A) 空飛ぶ車、B) 地下トンネル、を考えつきそうだ。しかしマスクの実績を考えると、実現可能性を考慮した上の発言かもしれない。すくなくとも実現に向けてなんらかのロードマップは準備しているのだろう。

そういうことであればマスクはTwitterで大掛かりなホラを吹いたりうっぷんを晴らしたりしているわけではないのだろう。ともあれマスクはこれまでテクノロジー起業家として信じられない成果を上げてきた。それならもうひとつの山に登る(掘る?)ことにしたとしても不思議はない。

画像: Brisbane City Council/Flickr UNDER A CC BY 2.0 LICENSE

〔日本版〕東京の山手トンネルは1992年着工、2015年完成。総延長18.2km。7割の区間で記事トップ写真のような掘削機を利用したシールド工法が用いられたという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

トランプ次期大統領の戦略政策フォーラムにUberのカラニック、TeslaとSpaceXのマスクも参加

SARASOTA, FL - NOVEMBER 07:  Republican presidential nominee Donald Trump holds up a rubber mask of himself during a campaign rally in the Robarts Arena at the Sarasota Fairgrounds November 7, 2016 in Sarasota, Florida. With less than 24 hours until Election Day in the United States, Trump and his opponent, Democratic presidential nominee Hillary Clinton, are campaigning in key battleground states that each must win to take the White House.  (Photo by Chip Somodevilla/Getty Images)

ドナルド・ J・トランプ次期大統領が設置する戦略政策フォーラム(Strategic and Policy Forum)が2人のスーパー経営者を選んだことが判明した。もっとも高い能力と成功への強い意思を持つ経営者のリストにテクノロジー界からトラビス・カラニックとイーロン・マスクが加わった。

今日(米国時間12/14)の発表によれば、カラニックとマスクの2人は非上場の巨大投資ファンドThe Blackstone Groupの創立者スティーブン・シュワルツマンが議長を務めるフォーラムに参加する。なお今回の発表ではPepsiCoのCEO、会長のインドラ・ヌーイもメンバーに加わっている。

今月初め、トランプ次期大統領のが設置を決めたこのフォーラムのメンバーにはアメリカ・ビジネスのビッグネームが並ぶ。 GMのトップ、メアリー・バラ、 JP Morgan ChaseのCEO、会長のジェイミー・ダイモン、資産運用会社BlackRockのCEO、会長ラリー・フィンク、Walt Disney Companのボブ・アイガー、Boston Consulting GroupのCEO、リッチ・レッサー、 IBMの会長、ジニ・ロメッティなどに加え、現役を退いていたGEの元CEO、ジャック・ウェルチ、ボーイングの元会長、ジム・マクナニーの名前もみえる。

フォーラムがどの程度ひんぱんに開かれるのかは明らかではないが、最初の会合は2月に予定されているという。

カラニックは声明で「このフォーラムのメンバーとなり、次期大統領にUberの乗客、ドライバー、運営している450以上の都市に影響を与えることがらについて意見を述べられることを楽しみにしている」と述べた。

SpaceXはマスクに任命を確認したがそれ以上のコメントは避けた。

マスクとカラニックの任命は、今日この後ニューヨークのトランプ・タワーで予定されているテクノロジー業界のトップとの会談の直前に発表されたことが興味深い。この会談にはOracleのサフラ・カッツ、Appleのティム・クック、Alphabetのラリー・ペイジ、Facebookのシェリル・サンドバーグ、Microsoftのサティヤ・ナデラらが参加する。

Kalanickが参加を決めたのはUberが株式上場を控えてそのプロセスをできるだけ円滑に進めたいという戦略的狙いがあったかもしれない。Twitterを活用し株式市場を操れるトランプとの衝突は避けたかったに違いない。一方、Muskの動機についてははっきりしない。

SpaceXとTesla Motors(7年前のクリーンテック・ブームの際のベンチャーキャピタルの投資先で生き残ったほぼ唯一のスター企業)の創業者でトップであるマスクは選挙期間中はトランプの激しい批判者だった。

マスク以外にも、特に地球温暖化に関して、トランプと見解を異にする参加者は多い。

エネルギーの専門家、ダニエル・ヤーギンは『石油の世紀―支配者たちの興亡』(The Prize)で ピューリッツァー賞を受賞しており、『探求――エネルギーの世紀』(The Quest)もベストセラーとなったが、代替エネルギーに関して詳しく述べている。Wal-MartのCEO、ダグ・ミロンはオバマ大統領の政策を支持する活動を行ってきた。またフィンクとアイガーは民主党の選挙運動への献金者だ。

現実を見れば、この委員会はビジネスの世界に向けた超党派的な飾り窓だろう。シリコンバレーが重視する課題についてのトランプ政権の態度は閣僚級人事をみれば明らかだが、テクノロジー系の任命はまったくない。

次期政権の閣僚は、たとえばエネルギー省長官の候補、リック・ペリー・テキサス州知事は以前その解体を主張していた(本人は忘れているのかもしれないが)。教育省長官候補のベッツィ・デヴォスは公立学校が非効率的だと主張してきた。国務長官候補のレックス・ティラーソンは非常に親露的人物だ(ロシア政府はハッキングによって統領選挙に影響を与えたことを疑われている)。

気候変動、教育、インターネットのセキュリティーはいずれもシリコンバレーが重視する課題だが、トランプ政権の閣僚候補はいずれも戦略政策フォーラムのメンバーの多くとは政策的にも倫理的にも反対の立場を取っている。

このような事実からすると、戦略政策フォーラムの提言がさほどの重みを持つとは考えにくい。

今月初めにこのフォーラムの設置を発表した大統領政権移行チームは、「重要な課題に関して…官僚主義を排し、率直かつ超党派的な意見を大統領にインプットする」ことが目的だと述べている

画像: Chip Somodevilla/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

イーロン・マスク、Tesla Networkについて:「これはTesla対Uberの話ではない。人々対Uberだ」

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Elon Muskが、完全自動運転に必要なハードウェアを今後Teslaの全モデルに装備すると発表したとき、オーナーは将来自分の自動運転TeslaをUberやLyftのために使うことはできない、という但し書きがついた。代わりにTesla自身の乗り合いサービス、Tesla Networkを使ってオンデマンドで車を貸し出すことができる。TeslaのQ3決算電話会見でMuskは、これをUbersへの威嚇だと指摘する主張に言及した。

電話会見で、Tesla NetworkはTesla自身の収益事業として考えられているのか、それとも車の購入インセンティブや市場シェア拡大のための付加価値なのかという質問に対して、Muskはどちらか一つというものではないと答えた。

「実際にはどちらも少しずつある」とMuskは会見で語った。「これは、車の所有コストを著しく軽減すると共にTeslaの収入源でもある。しかし収入の大部分はオーナーに渡る」

さらにMuskは、これをTeslaがUber(および他の相乗りサービス)と競合するための計画ではないかとする評論家の意見についても語った。

「Tesla対Uberの戦いとして描かれているが、実際にはTesla対Uberではない。ユーザー対Uberだ」

Muskが、Tesla Networkを所有者が自分の車で収益化をはかる手段として考えていることは明らかだ。そして、UberやLyftに車を提供して収益の一部を渡すよりも多くの収入を得られる条件が提示されるに違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Hyperloop Oneが追加で2億5000万の資金調達を検討中 高速輸送にはお金がかかる

NORTH LAS VEGAS, NV - MAY 11:  People look at a demostration test sled after the first test of the propulsion system at the Hyperloop One Test and Safety site on May 11, 2016 in North Las Vegas, Nevada. The company plans to create a fully operational hyperloop system by 2020.  (Photo by David Becker/Getty Images,)

Elon Muskが所有するプライベート企業の1つ、Hyperloop Oneが2億5000万ドル相当の資金調達を検討中だということがForbesが発見した資料により分かった。同社はElon Muskが構想するチューブ型の高速輸送システムを開発する企業だ。

これが本当であれば、今月初めに調達した5000万ドルに加わる大型の資金調達となる。

追加的な資金調達によって当初の予測よりも大幅に超過した開発コストを埋めることができる。チューブ型の高速輸送システムの詳細が書かれた調査レポートを発表した当初、Muskは開発にかかるコストは1マイルにつき1150万ドルだと推定していたのだ。

SpaceXとTeslaを運営し、そしてTeslaが買収交渉中のSolarCityの会長職も兼任しているMuskは忙しく、実際のプロダクト開発はHyperloop Oneに委ねる形となっている。

Forbesによれば、Muskの構想と同じルート(サンフランシスコとベイエリアの各地域を結ぶ)を通ると仮定してHyperloop Oneによって算出された開発コストは、1マイルにつき8400万ドルから1億2100万ドルだ。当初の推定よりもはるかに多い札束が必要だということは明らかだ。このコストは輸送システムが貨物専用のものなのか、または貨物に加えて人も輸送するのかによって大きく変わる。また、輸送システムのルートをどこに設置するかという点もコストを大きく変える要因だ。だが、大まかにいってもHyperloop Oneが算出した推定コストはMuskが算出したものよりもはるかに高く、これまでの資金調達額ではとても間に合わないということだ。

それでも、建設が完了して貨物を運ぶようになればHyperloop Oneは利益が上がるとMuskはプレゼンテーションのなかで発表している。Hyperloop Oneによれば、このチューブによって貨物輸送が開始するのは2020年で、人が乗れるようになるのは2021年になる予定だ。また、Hyperloopが最初に開通するのはドバイになる可能性が高いという。

共同創業者の間で繰り広げられている訴訟問題を含め、Hyperloop Oneにはまだ課題が残されている。だが、楽観的とも言える同社の利益予測に投資家が納得しさえすれば、Hyperloopがこの輸送システムを実現してくれる可能性は高いだろう。

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(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

イーロン・マスクの火星移住計画がもうすぐ明らかになる


Elon Muskは、今日(米国時間9/27)行われる国際宇宙会議の基調講演で、「人類を〈多惑星種〉にする」と題して1時間にわたって話をする。講演は午後2:30 ET からで、人類を火星(およびもっと遠く)に送り込むMuskの計画が詳細に語られる。

Muskは、地球外天体の表面に触れたいだけではない。SpaceXにかける彼の意図は、長期的には人類が他の惑星を植民地化し、火星(さらには他のふさわしい惑星も)に居住するための、実行可能な方法を見つけることにある。

SpaceXの火星行きの野望は誰もが知るところであり、Muskは2012年以来、赤い惑星に人を住まわせることを検討し続けてきた。当初の計画は、まず10名が居住コロニーを作り、最終的には8万人規模まで拡大するというものだった。

その後様々なことが起こり、例えばSpaceXはFalcon 9作戦を何度も成功させた。最近では、Muskが火星作戦の進捗状況を一部明らかにして、「火星植民トランスポーター」には新しい名前が必要である、なぜなら火星より遠くへ行けるからだと語り、続いてMCTを駆動するために作られたRaptorエンジンの発射テストを行った。

今日の講演で聞きたい大きな疑問は、Muskがどうやって火星に居住地を作るかという技術的な詳細と、非常に高価に違いないこのプロジェクトに必要な費用をどうやって捻出するかだ。まずは上のビデオを見た後、Muskの今日の講演に関する本誌のニュースと分析を読んでもらいたい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

イーロン・マスク、10月28日のTeslaとSolarCityの共同イベントを予告

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Elon Muskがまたまた世間の期待を膨らませている。TeslaのCEO・ファウンダーは、10月28日にベイエリアで、TeslaおよびSolarCityの新しいソーラールーフ製品を披露することを発表した。後者はTeslaの家庭用ソーラーバッテリー、PowerWallのバージョン2.0、およびTesla車用充電器と直結する。

ただしこれが、10月28日にお披露目が見られるという意味とは限らない。Muskは過去にもこの手の発表で期日を守れなかったことで知られている。しかし、SolarCityのソーラールーフ製品を近々見ることができるのは確かだ。以前Muskは、取締役会会長を務める同社の電話会見で同製品の存在をほのめかしていた。Powerballバージョン2.0の全貌を見るのもこれが初めてだ。こちらは今年5月のパリのイベントで、Muskが予告していた。

Teslaが見せたがっている、TeslaとSolarCity商品の統合は、関連会社である両社の自然なシナジー効果を示す以上の深い意味がある ― TeslaはSolarCityを買収する手続きを進めているのだ。しかし、同社は一部株主からの反対にあっており、複数の訴訟により契約が遅れる可能性もある。

しかし、合併はMuskの「マスタープラン:パート2」にとって重要だ。今年発表された将来へのビジョンには、Muskの家庭と輸送の排出ゼロ目標につながる完全自立型ソーラーエネルギーエコシステムの構想も入っている。システム全体がどのように融合し、潜在顧客にどんな価値をもたらすかを実演することは、TeslaとSolarCityの統合に対する反対の声を鎮める大きな力となるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

イーロン・マスクのSolarCity、全米500万世帯の屋根をソーラー化へ

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エネルギー市場に一石を投じるにはどうすればいいのか? SolarCityはその質問に答える良いアイデアを知っている数少ない会社の一つだ。計画の一つは全米500万世帯の屋根をソーラーパネルで置き換えることだと、 The Guardianは報じている。これはSolarCityの取締役会会長を務めるElon Muskが先月の電話会見で初めて明かした計画だが、もう少し具体的な内容がわかってきた。

その計画では、今ある屋根にソーラー機能を付加するのではなく、太陽電池を直接組み込んだ屋根材を、従来の瓦や金属板に代えて使用する。SolarCityのアプローチの核心は、一般的ホームオーナーにとってのソーラー導入の障壁をなくすことだ。そのために従来の屋根と変わらないプロセスと時間で設置ができ、場違いだったり魅力のない外観にならない製品を作ることだ。

The Guardianによると、SolarCityはソーラーパネルのコストやその他の詳細についてコメントしていないが、価格が大きな障壁になる可能性は高い。同じような製品に取り組んでいる他社の中で、2009年に立ち上げられたDowのプロジェクトは今年になって打ち切られた。従来の屋根と比べて著しく高価だったことが理由だ。

Elon Muskが支配権を持つ企業は、他社が失敗したグリーンテクノロジーを実行可能な消費者製品に変えることで定評がある。しかし、SolarCityの屋根ソーラー化計画の当初目標500万世帯という数字は、Tesla Model S以上に売らなくてはいけないことを意味している。そのModel Sは2012年の発売以来わずか数十万台しか売れていない。

Guardianが報じたSolarCityの目標に時間設定はなく、われわれは未だに製品も価格も目にしていない。しかし、SolarCityはTeslaとの合併も視野に入れて動いており、実現すれば消費者にホームエネルギー貯蔵を含めたパッケージを容易に提供できるようになり、車の充電もできることで完全な自家発電化が可能になる。両者の組み合わせ、特にTesla Model 3の投入による低価格化によるインセンティブが、強力な推進剤となるかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SpaceXのFalcon 9がケープカナベラルにて爆発炎上

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更新情報:SpaceXからの情報によれば、人的被害はないとのこと。ただしロケットおよび積荷はすべて失われた。

多くの目撃者情報によれば、SpaceX Falcon 9ロケットが、ケープカナベラルの発射台におけるテスト中に爆発したとのことだ。9月3日土曜日に発射される予定で、Facebook初となる衛星を打ち上げることになっていた。

衛星の名前はAmos-6で、FacebookのInternet.orgイニシアティブで用いるブロードバンド接続を提供する予定となっていた。Facebookおよびフランスの衛星プロバイダーであるEutelsatが9500万ドルと5年の歳月をかけて開発したKaバンドの通信システムが搭載されていた。

地元の防災対策室からの情報によれば、周辺地域に被害が及んだという情報はないとのことだ。

以下の各ツイートは英文のまま掲載しておきます。

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(翻訳:Maeda, H

SpaceX、年内にも再利用ロケットを使ってSES衛星を打ち上げへ

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ルクセンブルクに拠点をおく、衛星関連事業を展開しているSESが、初めてSpaceXのFalcon 9を再利用することで合意にいたったとアナウンスしている。

再利用ロケットを利用した打ち上げは年内を目処に行われる予定であるとのこと。実現すればSpaceXは新たな一歩を踏み出すこととなる。これまでにイーロン・マスク率いるSpaceXは、9機の第一段ロケット回収に成功している。しかしまだ再利用して、再度宇宙に向かわせるところまではいっていなかったのだ。

SpaceXの話によると、今回再利用するのは4月にISS関連のCRS-8のミッションに利用し、無人船により回収したものであるとのこと。無人船での回収に初めて成功したときのものだ。

静止衛星ビジネスで世界最大のSESは年初より、SpaceX初となる再利用ロケットにより宇宙に資材を打ち上げることに強い興味をもっていると表明してきていた。

ちなみに、SpaceXとSESのつながりは以前からのものだ。2013年にSpaceXを利用してSES初となる商用静止衛星を打ち上げたのだった。

3月にもSESは、SpaceXのロケットを使ってSES-9衛星を静止軌道に打ち上げている。これは第一段ロケットを無人船で回収しようとして打ち上げたものであったが、このときには回収に失敗している

数ヶ月のうちにも打ち上げられるSES-10は、ラテンアメリカの通信用途で用いる衛星を打ち上げることになっている。

ロケットを実際に再利用することで、新しい時代を切り開くことになると考えています。低コストで資材を打ち上げられるようになり、積荷の制限などももう少し柔軟に考えられるようになるでしょう。技術面および運用面で高い信頼性を誇るSpaceXと、今回の合意に至ったことを嬉しく思っています。
SESチーフ・テクノロジーオフィサーMartin Halliwell

再利用が可能となれば、打ち上げコストは大幅に下がることとなる。コストが下がれば宇宙ビジネスが大幅に拡大することになり、それを目指してSpaceXやBlue Originは数々の困難に立ち向かっているのだ。

SpaceXのプレジデントであるGwynne Shotwellは3月、Falcon 9の第一段ロケットを再利用することで、30%のコスト削減ができると見込んでいると述べている

宇宙船などを宇宙に送り出したあとのロケットを再利用することは、全体を迅速に再利用するための第一段階となるものです。SESは何年にもわたって、SpaceXの取り組みに積極的に協力してくれています。最初の再利用ロケットで、SES-10を打ち上げることになることを嬉しく思っています。
プレジデント兼チーフ・オペレーティングオフィサー Gwynne Shotwell

今回の打ち上げのコストについてはSESから情報を得ることはできなかった。「正確な金額については非公開としています。しかしSpaceXのFalcon 9を再利用することにより、信頼性のあるロケットを手軽に使えるようになり、発射コストを引き下げると同時に発射回数を増やすことになっていくでしょう。安価にかつ自由に宇宙にアクセスできることは私たちのビジネスにとって非常に重要なことであり、発射ロケとの再利用はまさに大きな可能性をひらくっことになるのです。

なおSpaceXは今年、2015年比で3倍のロケット打ち上げを行いたいと発表している。またファルコンヘビー(Falcon Heavy)の初打ち上げも計画されている。今年も残り4ヵ月。目標をすべて達成することとなれば、SpaceXにとってもとても重要な1年として記録されることになるのだろう。

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(翻訳:Maeda, H

これからは後付けのソーラーパネルでなく屋根全体が最初から“ソーラールーフ”になる、Elon MuskがSolarCityの株主総会で主張

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屋根全体が太陽電池でできていたらどうだろう? いやいや、お隣さんの家の屋根にあるようなソーラーパネルではなくて、屋根そのものが太陽光を集める素材でできているんだ。後付けで据え付けるような装置、ではない。Elecktrekの記事によると、昨日(米国時間8/9)行われたSolarCityの株主総会で、会長のElon Muskが、そんなビジョンを語った。

Muskは同社の執行役員ではなく取締役会の会長という立場だが、ゆくゆくは彼のTeslaがSolarCityを買収してTeslaCityを立ち上げるつもりだ。すでにその話は進んでおり、両社が合意している26億ドルの株式提供を、株主たちが承認するのを待っている。

その総会では、Muskのスピーチの前にSolarCityのCEO Lyndon Riveが、年内に二つの新製品を発表する、と語り、その一つは“屋根の上に載せるモジュールではなくソーラールーフ(solar roof, 太陽屋根)だ”、と述べた。Riveはその製品について詳しく語ったが、それを受けてMuskは、“屋根の上に何かが載ってるよりは、美しい屋根そのものの方が顧客にアピールする、とぶちあげた。

今の屋根素材に置き換わる製品を作ることによって、SolarCityの発電装置はアドオンではなく住宅の建築部材そのものになる。新築の家に対しても、また屋根のリフォーム需要(築後20年サイクルと言われる)に対しても、その方が売りやすいだろう。MuskとRiveはともに、新しい屋根作りにおける巨大な市場機会を示唆したのだ。

彼らのソーラールーフは、今のソーラーパネルより相当高いものになることが予想されるが、同社はたぶん、長期にわたる発電コストの比較で、売り込もうとするだろう。最初の建設費用の差は、それで帳消しにされる、と直感される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

イーロン・マスク、オートパイロットと「ベータ版」を巡る懸念に答える

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Elon MuskのTeslaマスタープラン第2章には、幹線道路交通安全局(NHTSA)が捜査中のオートパイロットを巡る懸念に対する、彼の最も強い返答が書かれている。当然ながら、Muskはオートパイロットのメリットとドライバーの安全に与える影響を支持する立場をとっている。

「最近発表された2015年のNHTSAレポートによると、交通事故死者数は8%増加して8900万マイル(約1億4300 km)に1人の割合だった。オートパイロットの走行距離はまもなくこの数字の2倍を越えようとしていて、システムは日々改善されている」とTesla CEOのElon Muskは “Autonomy” [自律性]と題した彼のプラン第2章に書いている。「誰かが要求しているTeslaのオートパイロットの無効化は、名前の由来でもある飛行機のオートパイロットを無効化するのと同じくらい意味をなさない」。

その後彼は、オートパイロットに付加されている「ベータ」という用語が、現時点の社内命名基準に沿った形式的なものにすぎないことを説明した。

「われわれがオートパイロットを『ベータ』と呼ぶ理由を説明することも重要だ」とMuskは続けた。「これは一般に言われるところのベータ版ソフトウェアではない。どのリリースも広範囲に及ぶ徹底した内部検証を経て顧客に届けられている。ベータと呼ぶのは、気を緩めず改善を続けていくことを示すためだ(オートパイロットは標準では常にオフになっている)。オートパイロットが全米平均より10倍安全になった時、ベータのラベルは外されるだろう」。

5月に起きたModel Sの死亡事故以来、オートパイロットは厳しい監視の目に曝されている。この事故をきっかけに先月NHTSAはオートパイロットの調査を開始した。Consumer Reports誌は、安全性の改善が確認されるまでオートパイロットを無効化するようTeslaに要求したが、NHTSAのトップであるMark Rosekindは今週サンフランシスコで行われたシンポジウムで、「1件の事象」によって同局が高度な自動化運転の開発推進をやめることはないと語った。

Muskが水曜日(米国時間7/20)の夜に説明した話の中にも、Teslaが自動運転システムの開発を中断する計画はない。実際、Muskは望ましい未来を描く中で、Teslaの自動運転車はオンデマンド乗車を必要とする人々のための車両連隊を構成すると説明している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SpaceX、打ち上げロケットの回収に再度成功(地上への再着陸は2度目)

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SpaceXが、再びロケットの回収に成功した。回収の成功は5度目となる。

Elon Musk率いるSpaceXがケープ・カナベラルより打ち上げた2段式のFalcon 9は、1段目のロケットを無事地上に再着陸させた。地上に再着陸させるのは2度目のことであり、洋上の無人船への着陸を含めると5度目のロケット回収となる。

Falcon 9の一段目は、打ち上げの8分後にフロリダのケープ・カナベラルにある「Landing Zone 1」に着陸した。

SpaceXはこれまでに、4度連続でロケットの回収に成功している。1度は地上への最着陸で、あとの3回は海上の無人船への着陸だった。今回行った地上での再回収は、12月以来となるものだ。

ふつうに考えれば地上での再回収の方が容易であるように思える。陸上に歳着陸する方が、着陸地点が圧倒的に安定しているからだ。また、低層への打ち上げ時には、海上最着陸を行うために、わざわざ海上に移動するための時間やエネルギーがかかることになるからだ。

しかし、実は陸上への最着陸がいつでも可能というわけでもないのだ。本日の打ち上げは、SpaceXにとって本年7度目の打ち上げとなるものだったが、これまでの発射では陸上への最着陸を行うことはできなかった。今年最初の機会に陸上再着陸を試みてみごと成功したわけだ。

今回の発射は他のケースと何が異なっていたのか。まず今回のロケットは2段目を低軌道に打ち上げることが目的だった。そのおかげで第1段ロケットをより簡単に地上に向けて誘導することができたのだ。

商用衛星の打ち上げなど、たいていの場合は、2段目のロケットをより高い軌道により高速で打ち上げることが望まれているのだ。当然ながら第1段ロケットも高速で遠くまで移動することとなり、地上に誘導するためのエネルギーなど残っていない場合が多いのだ。そうしたケースに対応するため、SpaceXは海上の無人船によるロケット回収に力を入れているのだ。

なお、今回の打ち上げは、再着陸を行うことを第一の目的に打ち上げてみたものではない。主目的はSpaceXのドラゴン宇宙船により、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を届けることが目的だったのだ。9度目の補給ミッション(CRS-9と名付けられている)にて、ドラゴン宇宙船は5000ポンド近くの貨物および研究実験機材を届けることになっている。

ドラゴン宇宙船は7月20日にはISSに到着する予定だ。ドラゴン宇宙船の帰還時には、ISSから地球に戻す必要のある物資を積載してくることになっている。現在、与圧環境でISSからの物資を運べるのはドラゴン宇宙船だけであり、その果たすべき役割は多い。

SpaceXは、ロケットの1段目を再利用可能として、ロケット打ち上げにかかる費用を抑えようとしているわけだ。回収したロケットの再利用はまだ行われていないが、Muskによれば9月ないし10月にはロケットの再利用を行いたいと間gな得ているのだそうだ。

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(翻訳:Maeda, H

Hyperloop One、ヘルシンキ/ストックホルム間340kmを30分で結ぶ真空ポッドシステムを提案

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Shervin Pishevarのスタートアップ、Hyperloop Oneは新たな記録を打ち立てた。といって先日のネバダの砂漠での実験線の成功ほど華々しくはないだろうが、ビジネス・プランを提案した。

Gizmodoによればビジネス・プランはエンジニアやコンサルタント企業のKPMGと提携してフィンランドのヘルシンキとスウェーデンのストックホルムをポッド式のHyperloop交通システムで結ぶ計画を投資家に説明するものだ。

Hyperloop Oneのプレゼンはシステムと投資の両面を説明するものだったが、 その中には2都市を結ぶ現在の交通ルートが3時間かかっているにのに対して、新システムが実現すれば30分に短縮されること示したスライドがあった。3時間という空路の所用時間には都心と空港の移動に通常必要とされる時間が含まれている(遅延や乗り遅れなどの障害なしの場合)。これに対してHyperloopは出発から到着まで正味28分となっている。

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Hyperloopシステムに馴染みがない読者のために説明すると、これはもともとイーロン・マスクが発案したテクノロジーで、減圧したチューブの中を高速でポッド式の乗客カプセルを走らせる新しい交通システムだ。真空に近いチューブの中は空気抵抗がゼロに近い。磁気浮上と組み合わせることによって大幅に抵抗を軽減し、従来の交通方式の速度限界を大幅にアップすることができるとされる。マスクは発案者ではあるものの、このシステムに割く時間がないとして、自身では実用化を手がけないと述べている。

PishevarのHyperloop Oneはマスクを継承してこのアイディアの実現を図るものだ。同社は上で触れたように、この5月、ネバダの砂漠で小規模ではあるが技術的には大きな達成である試験線の運転に成功している。またほぼ同時期に8000万ドルに資金調達し、社名もHyperloop TechnologiesからHyperloop Oneに改めた。最近同社は大規模なリストラを経験し、CTO、共同ファウンダーのBrogan BamBroganが離任している。

今回発表された案は計画の細部まで固めたものではない。しかし大まかな建設費用は計算されており、210億ドル〔2.1兆円〕をやや超える程度だという。年間の利益が8億8500万ドルと推計されており、これが正しければ建設費の回収にはそれほど長期間を要しない(国際的な公共交通システムの建設としては、という但し書きがつくが)。【略】

Hyperloop Oneの計画にいくらかでも実現の可能性が含まれるとしたら、われわれは「都市圏」という言葉の意味を考え直す必要が出てくるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

イーロン・マスク曰く、Telsa Model Sはボートになるくらいよく浮かぶ

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聞くところによると、先週カザフスタンで、1台のTesla Model Sが浸水したトンネルを走り抜けたらしい。下のビデオでは実際に車が浮いているのかどうか定かではないが、それでもElon Muskは、TwitterでこのビデオをちょっとしたTelslaマーケティングに使った。

[〈絶対に〉お薦めはしないが、Model Sは短い時間ボートになれるくらいよく浮かぶ。車輪の回転で進んでいる]

Muskは、どうやってModel Sが水に浮かぶのかを具体的に説明していない。しかし、電気自動車であるModel Sは、内燃機関のように空気に依存していないため、車のシステムは水中(あるいは水上)でも、水圧に耐えられるよう防水されていれば動作するはずだ。

ただし、あなたのModel Sで試してはいけない。Electrekが指摘するように、Teslaの保証は水による損害をカバーしていない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook