iOS 8が公開された、しかしまだ忍耐が必要だ

AppleのiOS 8 モバイルオペレーティングシステムは、対象デバイスをアップデートすべく、公開が始まった。WiFi経由でもiTunesとケーブルで接続しても可能だが、今すぐ見つからなかったり、ダウンロードがうまくいかなくてもパニックになってはいけない。概してAppleは、今回のような大型アップデートの公開は、アクセスの集中を避けるために段階的に行っており、また少なくとも今後何時間かは途方もないアクセス要求がサーバーに寄せられるはずだ。

iOS 8アップデートに備えて、電源につなぎバックアップしておくことが大切だ。iCloud経由でもよいしパソコンと同期してもよい。データが失くなることを極度に恐るなら、両方やっておくのも良い考えだ。私は「白紙」アプローチが好きだ ― 真っさらの状態にしてから必要なアプリだけを再インストールする。

ワイヤレスアップデートの場合、「設定」-「一般」-「ソフトウェアアップデート」と進む。あなたのデバイスで利用できる状態になっていれば、ダウンロードしてインストールするよう促される。フル充電に近いのでい限り、アップデートを始める前にケーブルをつないでおくことをお薦めする。

スムーズなアップデートのためのもう一点のアドバイスは、手順が始まってからのプロンプトに注意することだ。中でも、iCloudドライブにアップグレードするかどうか尋ねる質問は非常に大切だ。現在あなたが使っているクロスプラットフォームのiCloudデータ同期を、あなたの全デバイスでiOS 8またはOS X Yosemiteが動いている時のみ、同期が行われるようにするというもの。Yosemiteはまだ公開されていないので、もしこれをやるとiOSとMacの間でデータをシェアしているアプリの同期が壊れる可能性がある。タクス管理アプリのClear等を使っている人は要注意。

iOS 8には数多くの新機能が追加されているので、お気に入りのアプリをiOS 8対応にするためのアップデートが次々とやってくることを予定しておくこと。他のアプリとの共有を行うための拡張も導入されているかもしれない。様々なサードパーティー製キーボード ― iOSユーザーに与えられる新たな自由だ ― にも注目されたい。

今回Appleは、一種の待ち行列システムを導入しているようで、デバイスのアップデートが承認されると、実際にダウンロードが始まるまで、「アップデートが要求された」というメッセージが表示される。

また、新iOSは膨大な空き容量を要求するが、主としてその理由は、インストールプロセスが始まる前にアップデートファイル一時的に保管するためだ。十分なスペースがなく、メモリーやアプリを削除したくない人は、パソコンにつないでアップデートすれば、ファイルはパソコンにダウンロードされるので大丈夫だ。

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iOS 8のSMS転送機能は10月までおあずけ

iOS 8がやって来る! iOS 8がやって来る!今週のiPhone 6イベントで発表されたように、iOS 8は9月17日に、対応機種を持つ全ユーザーのところににやってくる。

iOS 8の〈ほぼ〉すべては確かにやって来る。最近発見されたAppleサイトの注記によると、iOS 8の目玉機能の一つはあと何週間か作業が必要のようだ。

9to5macの指摘によると、iOS 8のSMS連係機能(iPhoneに送られてきたテキストを、iMessege以外の通常テキストメッセージを含め、ノートPCやiPadで受信、返信できる)は、10月になるまで利用できない。

連係機能が、他のiOS 8機能より少し遅れるであろうことは以前から予想されていた。なぜならこれまでAppleが説明してきた機能の多くはOS X Yosemiteを前提にしているからだ。Yosemiteの正式公開時期は、「秋」という以外、明らかにされていない。

不思議なことに、SMS転送機能は、現在「10月に提供」の注記が書かれている〈唯一の〉連続性機能だ。HandOff(例えば、Macで書きかけたメールの続きをボタン一つでiPhone上で書ける)や、WiFiが届かない場所での自動テザリング、iPhoneからMacへの電話転送などの機能は、時期未定のままだ。

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AppleはHealthKitで人間の福利全般をプラットホームのアドバンテージにする気だ

AppleのHealthKitがiOS 8にやってくるが、このソフトウェアの現在のベータバージョンに関する報道の多くは、これを空の容器として描写している。この入れ物にいずれデベロッパが、ユーザの健康データを何らかのハブに結びつけたり、ほかのアプリから提供されるデータを利用したり、ユーザの医療健康ソフトウェアやフィットネスソフトウェアに情報を提供したりするためのフックを構築していく、というのだ。しかしAppleは、誰かが何かを構築することを待ってはいない。すでに楽屋裏で同社は、Mount SinaiやThe Cleveland Clinic、Johns Hopkins(大学病院)などの大病院や、EHRプロバイダのAllscriptsなどとの話し合いを開始している、とReutersの最新の記事は報じている。

AppleはこのプラットホームのパートナーとしてこれまでにもMayo ClinicやEHRソフトウェアのメーカーEpicを発表している。しかしAppleが上位のヘルスケアプロバイダたちとの協議を、それよりもさらに拡大している現状は、AppleがHealthKitの内容についてきわめて真剣であることを物語っている。’NikeFuel’などのフィットネスデータでその空の容器を満たしても、人間の健康にそれほど本格的に貢献するわけではないからだ。

Appleが本格的な医療機関や研究機関をパートナーにしたがっていることは、大きな課題を同社にもたらすだろう。医師をはじめ、これらの専門機関の職員たちの多くがすでにiPadのユーザだが、今後iPadがますます、本格的な医療情報デバイスになってくれば、政府の規制という名の傘の下に入らなければならないし、また顧客や患者のデータを保護するための安全ネットも要求される。たとえばAppleのHealthKitが本物の医療記録を保存し、ほかのアプリに提供するようになれば、当然、HIPAAへのコンプライアンスが必要になる。

スタートアップたちが保健医療関連のソフトウェアやサービスでイノベーションを実現しにくいのも、こういったハードルがあるからだ。議会への影響力も強く、1600億ドルのキャッシュをはじめとしてリソースにも恵まれているAppleが、どこまでのイノベーションを実現できるだろうか。

そもそもHealthKitは、保健医療関連の規制に触れる部分を今および今後あちこちに分散させたくない、一箇所に閉じ込めたい、という動機から設計された。その初期にAppleがFDAと協議したのも、HealthKitに政府方面から要求されるであろう要件について、打診するためだった。

HealthKitが本格的な医療目的に役立つようになるためには、今後の時間と投資が必要だが、そうなったときにAppleが獲得する利益は巨大だ。Googleなどの競合他社がせいぜいフィットネスのハブのような機能(Google Fit)を提供している中で、Appleはユーザに、そんなささいなものではない、生涯の本格的な福利(wellbeing)のためのデバイスとシステムを提供できることになる。そうなるともう、カメラが良いとか、画面が大きいとかの、従来までの競合要因は、どうでもよいものになってしまうのだ。

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iOS 8ベータに、新機能の使い方を教えてくれるアプリが登場


先月のApple Worldwide Developers Conferenceで発表されたiOS 8では、昨年デビューしたデザインを洗練すると共に、通知との対話、iPhoneとMac間でのスムーズな移動、メッセージ方法の改善等、数多くの機能が追加された。

発表以来、Appleは定期的なベータ版アップデートでこれらの新機能、新アプリを公開してきた。9to5Macを始めとするApple系ブログが今日見つけたところによると、最新リリースには、新アプリ、Tipsが含まれている。ユーザーの気付きにくい機能やショートカットを教えてくれるもので、新機能をオン/オフする手順も紹介されている。

同アプリに加えて、AppleはiPhone、iPad、およびiPod touchを使う上でのヒントとコツを紹介する専用ウェブページを立ち上げた。[訳注:日本語ページもあるが中身は翻訳時点で英語のまま]。アプリとサイトの内容は同じで、iOS 8の通知からiMessageに直接返信したり、Siriをボタンを押すことなく使う方法などが説明されている。

いずれの方法でヒントを見る場合も、ユーザーはフィードバックを残すことができる。iOSアプリでは、ヒントに「いいね!」をつけることができ、ウェブページでは「役に立った/役に立たなかった」のボタンが、各ヒントに下に用意されている。

現時点では6種類しかヒントが載っていないが、Appleは、毎週1件ずつ追加していくと言っている。そのペースなら、秋の正式リリースまでにiOS 8の主要な新機能はカバーされるだろう。

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iOS 8最新ベータに、(ほぼ)リアルタイム書き起こし機能がついた

つい先ほどAppleのiOS 8 beta 4が公開され、新機能の一つとしてビジュアル化された書き起こし機能が加わった(上のビデオはMacRumorsより)。話した言葉が、ほぼリアルタイムでテキスト変換されているのがわかるだろう。これは以前Siriに登場した機能だが、メッセージその他のテキスト入力ボックスの音声入力オプションとしては初めてで、かなりクールだ。

ライブテキスト変換は、MicrosoftがCortanaで大々的に宣伝しているが、これには誰かを驚かせる以上の価値がある。話した言葉をシステムがどう解釈したかをその場で見られるので、エラーを見つけたり、言い間違えたりしたことがすぐにわかり、しゃべり終えて変換されるのを待つ必要がない。

これでエラーが少なくなり、テキスト変換を使うフラストレーションも減ることが期待できる。これは、見た目がカッコいいという副次効果以上のものだ。

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iOS 8最新ベータで、Healthアプリに内蔵歩数計がついた

AppleはiOS 8の新ベータ版を開発者に公開した。お楽しみの一つは健康とフィットネスの中核となる内蔵Health機能だ。HealthアプリはiOS 8で新たに登場する。サードパーティー製のセンサーから信号を受け取ったり、ユーザーの設定に応じて、他の健康やフィットネスのアプリとデータを共有できる。これまでのベータ版ではアプリを立ち上げても中身がなかったが、今回、サードパーティー製のハードウェアがなくても、歩数とカロリーを測定できるようになった。

新機能は、iPhone 5sのM7コプロセッサーを使って歩数を測り、ユーザーは日、週、月、年毎にデータを見られる。測定に誤りがあると思った時には、一部のデータを削除することもできる。歩数は他のアプリとシェアできる。この機能を発見した9to5Macが試してみたところ、歩数は正確に測定されていた。

iOS 8の新機能には、カフェイン追跡もある。カフェイン摂取量は手動入力する必要があるが、これは他の同じことをするサードパーティーアプリでも同様だ。このデータも他のアプリとシェアできる。

これらの新機能が重要なのは、iOSにおける健康全般に関する今後の道筋を示すものだからだ。Appleは市場を見渡して、さらにヘルス&フィットネス追跡機能を自社アプリに追加しつつ、サードパーティーには隙間を埋めさせていく。同社は過去のiOSでもこれをやる意志を明らかにしており、かつてサードパーティーに任せるのが良いと言っていた、マップの乗り換え案内にも乗り出しているとも噂されている。、

結局サードパーティーデベロッパーのために豊かなエコシステムを構築することは、Appleにとってもユーザーにとっても良いことであるが、デバイスの所有者が使いたい内蔵機能を利用できるようにすることが最優先だろう。最新ベータ版でのHealthアプリは、正式公開までにさらに充実していくに違いない。Appleとしてもわずかな機能しかない状態で新アプリを公開することは避けたいはずだ。

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FiftyThree製のPencilがiOS 8向けアップデートで”面圧”に対応、自由な描画が可能に

Pencilは、アプリのメーカーからハードウェアの製造に転向したFiftyThree作のiPad用スタイラスだが、このほどアップデートし、Paperアプリで描く線の性質を、iPadの面に対するペン先の角度を変えることによって、変えられるようにした。ただしこのアップデートはiOS 8が対象で、OSのこのバージョンからタッチのサイズを変えられるようになったことを利用する。iOS 8ではアプリのデベロッパが、ここはピンポイントのタッチ、ここはかなり広い範囲のタッチに対応、というようにタッチの広がりを変えられるのだ。

そもそもPencilは、最初からそれを前提として作られたような製品だ(もちろん守秘性の強いAppleが未来のiOSについてFiftyThreeにだけ秘密を教えたはずはないが)。Pencilのペン先は一種のコンデンサになっていて、それが人間ユーザのタッチ圧を感取する。そのほかのスタイラスはどれも、ただ一点で人間ユーザの圧力を感知するだけだが、Pencilのペン先は点ではなく幅の広い矩形領域を感知する。

そのためiPad上でPencilを使うと、木炭や5B以上の鉛筆で画用紙の上にスケッチを描くときのように、線の太さを変えられる。一回のストロークで、細い線から太い線へと徐々に太くする描線もできる。また消しゴムなら、やはり消す箇所の太さをコントロールできる。それは、描くとき線の太さを変えるのと、同じ仕組みだ。

FiftyThreeによると、Pencilのペン先はもっと多様なクリエイティブな描き方を念頭においてデザインされているのだが、今回はたまたまその一つが、iOS 8の新機能のおかげで可能になったのだ。そのほかのスタイラスメーカーも、いずれこの機に乗じた製品を出してくるかもしれないが、今のところはFiftyThreeだけで、これによってデジタルアーチストたちのiPadの使い方が変わるだろう。Pencilの描画アプリにはすでに、人間の手のひらを拒否する機能や、複数の線のブレンド機能などがあり、これらもクリエイティブな活用ができる。

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iOS 8マルチウィンドウの不出来なデモビデオは、この機能がないことを証明

iOSデベロッパのSteven Troughton-Smithは、iOS 8のコードをほじくって、実際にそこにスクリーン上のマルチウィンドウを伴うマルチタスクの機能があることを、最初に見つけた人物だ。ただしそのことはなぜか、iOS 8の公式発表の中には含まれていない。水曜日(米国時間6/11)の夜にTroughton-Smithはその機能のビデオをアップロードして、iOSのマルチタスクの対象が、リアルタイムI/Oの要らないバックグラウンドジョブだけではないことを、疑い深い人たちに見せつけようとした:

ご覧のように不完全でバグいデモだが、でもだからこそこれは、この機能が一度計画されて放棄されたか、または今後のアップデートのために今なお開発中であることの、さらなる証拠だ。Troughton-Smith自身もこのビデオをややまともなものにするために、コードをちょっといじっているから、完動の実装はまだ遠い先の話だ。

Appleがマルチウィンドウ(画面分割)のマルチタスクをやる、という話はiOS 8の正式発表の前に、機能予想談義の一環として漏れてきた。最初にそれをリークした9to5Macは、この機能は遅れてiOS 8.1に載るか、または廃棄される、とも報じていた。 WWDCにおけるiOS 8の公式発表でこの話がまったくなかったのは、たぶんそのためだ。

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iOS 8で、iPhoneはあなたのデジタルハブになる

Macworld 2001で、スティーブ・ジョブズは有名な「デジタルハブ」戦略を紹介し、Macを動画撮影や音楽再生等のあらゆる単目的ガジェットを管理するデバイスにすると語った。今年のWWDCイベントで、AppleはiPhoneが新しいハブになり、Mac、iPad、そしてクラウドにあるものすべてが、単なるアクセサリーになることを示した。

これはAppleにとって大きな転換だ ― スティーブ・ジョブズは最後のWWDC基調講演で、iCloudはあらゆる人々にとってデジタル生活の新たな中心になると宣言した:「われわれは、PCとMacを単なるデバイスへと格下げする」

今のところ、iCloudはあの約束を果たすに致っていない。デバイス間の連絡先の同期等はiOSでスムーズに働いているが、iCloudにデータを保存しようとするデベロッパーにとって、Appleの約束通りにはなっておらず、自身で解決するか、Dropbox、Amazon、Google等の統合ソリューションを利用する結果となっている。

一方、デバイス利用時間の膨大な部分が、ノートPC、デスクトップ、タブレットから、スマートフォンへと移りつつある。Andreessen Horowitzのアナリスト、Benedict Evansは4月にこう言っていた:「タブレットやノートやデスクトップは『ビッグスクリーン』という一つのカテゴリーとしてスマートフォンと戦っていると考えた方がよい。そして、そのチャンスはスマートフォンよりも小さい」

Facebookの月間平均ユーザー数を見れば、このトレンドが実世界での利用にどう反映しているかがわかる。モバイルだけでアクセスする人数は、デスクトップだけ ― あるいはノートPCだけ ― の人数より多い。そしてユーザーの79%は、利用の一部がモバイル経由だ。

Graph courtesy of Andreessen Horowitz analyst Benedict Evans.

iOS 8でAppleは、モバイルに集中する生まれたてのエコシステムを推進することによってこのトレンドを後押ししている。今週Appleが披露した「新」エコシステムのほぼ全てが、ユーザーのデジタル体験の中心にiPhoneを据えている。

  • Mac OS Yosemiteで電話をかけたり、SMSメッセージを送るためにはiPhoneが必要。
  • HealthKitおよび新しい健康アプリで、iPhoneはあらゆるフィットネス・ダイエット用アプリやセンサーの主要情報格納場所であり、Appleはエコシステム全体の中心にiPhoneを置いている。
  • 同様に、HomeKitはiPhoneをあらゆるホーム用スマートデバイスの制御に使う。特に、HomeKitでAppleは、初めてデベロッパーにSiriの語彙を増やす機会を与えた ― ユーザーは「Siri、キッチンの明かりを全部消して」とか「Siri、1階の明かりを全部つけて」などをSiriに命令するために、家の中の部屋と「ゾーン」を定義できる。
  • CarPlayは、車内のインフォテイメントシステムを、iPhoneが制御を乗っとるための無能なインターフェースへと変え、“Hey, Siri”コマンドによって充電中のiPhoneが完全ハンズフリー体験を提供する。
  • Touch IDをサードパーティーデベロッパーが利用できるようになり、iPhoneをバンキングやプライベートメッセージ等を行うための最も安全な手段にする。
  • AppleがiOS 8でAirPlayのピアツーピア接続を使用することにより、ビデオやゲームのコンテンツをApple TVに送るためにWiFiネットワークすら不要になる。

iPhoneはあなたのホームパソコンほど強力ではないかもしれないが、十分能力があり、ほぼいつでもそばにいて、デスクトップ機では殆ど意味のないソフトウェア機能やセンサーを満載している。

iOS 8でマジックを起こすのはiCloudだが、それは、ユーザーによる自分や自分のデバイスのすぐ近くの世界とのやりとりを利用することによって行われる。これは、デスクトップ(そしてクラウド)から離れることによって可能になることだ。こうして、コンピューティングは、よりパーソナルに、そして私たちが実際に生きている世界とより密接なものになる。

Appleの最新CMのキャッチフレーズは、「iPhone 5sのパワーを得たあなたは、自分で思っているよりパワフルだ」。彼らはそれがどのように、創造性を表現したり、身体をより良くケアする ― より人間らしくある ― ために使われているかを示した。

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AppleのiCloudに対する新しいアプローチは、全員を幸せにする

先週のWWDC基調講演で、AppleはCloudKitを発表した。これは、アプリ開発者がAppleのiCloudを「事実上フリー」に使える開発フレームワークで、これまで以上にモバイルアプリでの利用が簡単になる。

今日(米国時間6/6)午前、QuartzのDan Frommerはこれを、ようやくAppleがクラウドを「モノにした」ことを示す兆候のひとつだと言った。

しかしそれは、AppleがiOSおよびMacデベロッパーの懸念をこれまでになく真剣に受け止めている証しでもある。昨年、本誌のMatthew Panzarinoが、iCloudsは事実上2つあると書いた。一つは巨大で概ね信頼のおけるインフラストラクチャーで、Appleが自身のアプリを載せているもの、もう一つは、デベロッパーが最初のバージョンのiCloudで手渡された寄せ集めのネットワークや同期のプロトコルだ。

Apple自身は、同じテクノロジーを使っていなかったため、例えばCore Data同期等の機能で一般iOSアプリが遭遇するようなトラブルを経験したことがなく、問題を真剣に捉えてこなかった。Panzarinoがこう書いている。

望むらくはAppleが自社アプリでiCloudのデベロッパーAPIをもっと使うことだ。会社が自社の機能を内部で使うことはドッグフーディングとも呼ばれ、iCloudのような複雑なシステムでは特に、成熟と安定を確かめる優れた方法た。現在Appleは、Core Data同期機能を、iTunes Trailersアプリでしか使っていない。これは多くのビデオを配信するが決して複雑なアプリではない。AppleはこれらのAPIをあまり使っていないために、デベロッパーたちが出くわす問題を体験していない。

その結果、多くのデベロッパーは自身のアプリでiCloudを使うことを諦め、自前でクラウド同期を行ったり、Amazon、Dropbox、Google等のライバルを統合している。

Appleはそれを変えたがっているようだ。Andreessen Horowitzのアナリスト、Benedict Evansは水曜日(6/4)に、AppleはiOS 8で数多くの魅力的なクラウドベース機能を披露した ― そしてデベロッパー全員が使えるCloudKitフレームワークを構築した、と書いた。

Appleがウェブ(URL)だけでなく、クラウドを大切に思っていることがわかる。これはGoogleとは対照的で、あちらは完全に逆のアプローチを取っている。Googleにとってデバイスは無能な容器にすぎず知能はクラウドにあるが、Appleにとってクラウドは単なる無能なストレージであり、デバイスが知能のための場だ。そのために、全く新しいAPIセット、CloudKitを使り、デベロッパーがそれを実行することを可能にした。そして写真アプリの開発では、(おそらく初めてと思われる)ドッグフーディングを行っている。

誰もが利用できるフレームワークの上に作られた機能は、iOS 8の新しい写真編集ツール群だけではない。同社は他にもKeynote、Safari、メール、マップ、連絡先、メモ、およびリマインダーの「ハンドオフ」機能(iPhoneのMacの間でやりかけの作業をスムーズに継続できる)が、サードパーティーデベロッパーが利用できるものと同じ公開APIの上に構築されていると言っている。

Appleとサードパーティーデベロッパーが同じ条件で開発できることは、全員の利益だ。Appleは、自社アプリの水準を守るためにも、今まで以上にデベロッパー向けフレームワークの品質向上に注力するようになり、デベロッパーも「安心して動く」便利なクラウド部品を使うことに尻込みしなくなる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


曲面OLEDディスプレイを搭載し、健康情報管理などに利用できるApple製iWatchは10月に登場(日経記事より)

Appleは今年もWorldwide Developers Conferenceにて、いろいろな情報を提供してくれた。ただiWatchに関しての情報は出てこなかったようだ。しかし日本の新聞社である日経からの情報によれば、iWatchは10月リリースにむけて着々と準備を行っている最中なのだそうだ。曲面OLEDディスプレイを搭載して、OSにはiOS 8を採用していると、日経はレポートしている。

これまでにもiWatchに関する情報は流れてきていた。iWatchは着信履歴やメッセージの通知を行うのみならず、睡眠時の心拍数や、また消費カロリー、あるいは血中糖度および血中酸素濃度などを利用者に通知するようになっているとのことだった。さらに、NikeがFuelBand部門のレイオフを行っているとの情報が流れて以来、これはAppleとNikeが協業していることによるものだという噂があった。日経の報道はこの点についても肯定的な情報を流している。

これまでに流れた噂を肯定するだけの記事のようでもあるが、リリース日を予測している点で新たな情報であるということができよう。曰く、新型iPhoneと同時に、10月にリリースされるというのだ。いつか登場するはずだという話は何度も出てきていたが、これまでで最も限定的な期日を予測した記事であるといえるだろう。ちなみに日経は以前にも公式アナウンス以前にリリースデートを正確に言い当てたことがある。

WWDCではHealthおよびHealthKitがアナウンスされた。健康およびフィットネス管理を行うためのプラットフォームとなるものだ。HealthKitを通じて、Healthで収集した各種データを活用するプログラムを作成できるようになっている。健康/フィットネス関連の情報を統一的に扱う仕組みが用意されたのだ。またAppleの提供したアプリケーションだけでも、各種健康関連の情報を入手することができ、また必要なときに医療関係者などに示すための情報を集約することができるようになっている。

そうした情報を一括で管理して活用するために、Apple発のウェアラブルが出てくるという「噂」が、そろそろ現実化しそうだという話なわけだ。

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(翻訳:Maeda, H


フィリップス、iOS 8の通知センターから照明を制御するコンセプトを披露

Philips Hueは、つながるホームライティングシステムを作る、実に効果的で簡単な方法として既に知られているが、AppleがiOS 8で加えた変更のおかげで、いっそう簡単になりそうだ。iOS 8では、通知センターの「今日」画面に、サードパーティーデベロッパーが「ウィジェット」を追加できる。つまり、天気や株価を見る以上のことができるようになる。Philips Hueは、今秋やってくるアップデートで動くウィジェットのコンセプトを早くも作った。

ウィジェットには、すぐに押せる「全消灯」ボタンの他、いくつかのカラー画面があり、アプリを開くことなく、照明をいくつかのプリセットした構成に切換えられる。Androidのホーム画面ハックにはまだまだ及ばないが、画面上端を下にスワイプするだけでHueの制御ができることは、現在のiOSでHueアプリを立ち上げるのと比べてかなり手数が減る。
正式バージョンがどうなるかを知るにはまだ早いが、iOS 8のAPI利用方法が拡張されたことを喜ぶデベロッパーを見るのは楽しい。ウィジェットは、iOS 8およびOS X Yosemiteの両方で利用できるので、Appleデバイスのオーナーは、この秋から全く新しいタイプのソフトウェアを体験できるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


iOS 8ベータのロック画面で、位置情報に応じたアプリが「おすすめ」される

AppleのiOS 8には、ロック画面の左下隅に、位置情報に応じてお薦めアプリを表示する新機能が入っていることが、MacRumorsフォーラムへのデベロッパーの書き込みでわかった。これは、既にインストール済みのアプリの場合も、持っていないアプリが薦められる場合もある。

おすすめが表示されるのは、iOSデバイスとMacの間をスムーズに移動するためのContinuity(連続性)機能アイコンと同じ位置だ。ただしこちらは、コンテキスト的に関連のあるソフトウェアが表示される。例えばスターバックスに入った時、スターパックスアプリを簡単に開くことができたり、駅に着いたら、その駅専用のアプリがお薦めされるといった具合だ。既存のアプリにも有効と思われるので、デベロッパー側が修正する必要はないが、現実世界のATMや券売機、レジスター等とやりとりするアプリが対象になっているようだ。

あるユーザーに聞いたところ、UCSCキャンパスに入ったらUCSCアプリがお薦めされたが、インストールされていなかったためApp Storeへのリンクが表示されたそうだ。MacRumor読者からも似たような話があり、Costcoに行った時に、App StoreのCoscoアプリのリンクが出たと書いていた。ロック画面のアイコンを上にスワイプするとApp Storeのそのアプリが表示されたが、ストア内の別の場所へは行けなかった。

Appleは昨年iOS 7で、App Storeに「近くで人気」機能を導入し、同じ地域のApp Storeユーザーがよくダウンロードしているアプリのリストが表示されるようになった。しかし、今回の追加は全く新しいレベルのコンテキストを利用したアプリ発見を提供するもので、インストールはしたがあまり使っていないアプリを思い出させる効果がある。メンバーカードアプリ等、他のPassbookアプリの利用促進にも大いに役立つだろうから、デベロッパーは対応する価値がある。

高度なコンテキスト利用は、スマートフォンプラットホームにとって益々重要性が高まっており、様々な意味でGoogle Nowと機能的に競合するが、特定の位置に応じてユーザーに直接行動を起こさせる点で、一歩先を行っている。また、ユーザーがお薦めを押しつけがましく感じない程度に目立たない。初期ベータの機能が全て最終版iOSに採用されるわけではないので、今後どう発展するのか、どんなアプリが対応するかは、正式公開を待つしかない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


FleksyのiOS 8用サードパーティキーボードがベータテスト参加者を募集中

このときが来るのを待ってました!とばかりFleksyはいち早く、iOS 8用の同社製サードパーティソフトウェアキーボードをリリースした。Appleが、個々のアプリ固有ではなく全システム的な入力ソフトもOKだぞ、と発表してからまだ数日も経っていない。同社は今ベータテスターを募集しているから、iOS 8のプレリリースビルドを使っている人は、試してみたらどうだろう。

Fleksyのキーボードのユニークなところは、デバイス本体やキーボードのキーを実際に見なくても文字をタイプできることだ。元々視覚障害者がスマートフォンなどを使えるために考案されたシステムだが、今ではFleksyは、これからの時代のインターネット接続製品全般のための、普遍的な次世代型入力方式になることを、ねらっている。

FleksyはすでにKPCBやHighland Capitalから400万ドルを調達して、これまで主にAndroid方面に注力してきたが、ぼくは協同ファウンダのIoannis Verdelisに会うたびに、iOSを話題にしてきた。今度のAppleの方針転換によって、いずれユーザは自分好みのソフトウェアキーボードをデフォルトのキーボードに指定できるようになるだろう。これまでは特定のアプリ内でキーボードをカスタム化できる、というオプションはあったが、これからはFleksyのようなプロダクトをもっと多くのユーザがもっと一般的に利用して、会社を成長させてくれる、というシナリオもありえるのだ。

Appleはまだ、音声入力や自動大文字化、自動修正の提案、などのAPIを公開していないから、そのぶん、サードパーティにとってのハンディはある。必要なら、それらの機能を自作しなければならない。でもFleksyは最初からそのつもりで、いろんな機能の自作に取り組んでいる。だから、競合他社に比べて同社はすでに、相当有利な位置につけているかもしれない。

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iOS 7はiOSを変えたがiOS 8はコンピューティングを変える

Appleは今日(米国時間6/2)大量の新料理を出してきたので、それを消化するわれわれの方もたいへんだ。でもその全体を一望に収めてマクロで見れば、明瞭なものが一つ見える: 実はiOS 8は、昨年のiOS 7に比べてはるかに大きな変化を表している。むしろiOS 7は、ヴィジュアルな変化でユーザや評論家たちをびっくりさせただけかもしれない。

でもその結果、幅広い受け入れと利用という点では、障害がほとんどない。すでに見慣れたUIや、大きく変わった、あるいはまったく新しい機能の数々、それにデベロッパがアクセスできる範囲と深さの拡大も、ルック&フィールの驚天動地の変化がないので受け入れやすい。しかしiOSのプログラミングを支えている土台にはとても大きな地殻変動が起きて、Appleのモバイルデバイス像というものを、いやおそらくコンピュータの概念そのものを、完全に変えてしまった。

モバイルの変化の中でもとりわけ大きいのが、Extensionsパラダイムでデベロッパに与えられる自由だ。これによってデベロッパは複数のアプリ間をつなぐフックを構築でき、デスクトップ的な柔軟性が近似できるとともに、消費者にとってはシンプルなモバイルUXが維持される。

また通知ウィジェットは、デベロッパがこれからさまざまに探求していける、まったく新しい創作の舞台を与える。通知トレイのソフトウェアが、これまでのような、スタンドアロンのアプリのための単なるアドオン、見るだけのもの、ではなくなる。

キーボードをサードパーティのプロバイダに公開して全システム的なインストールを可能にしたことも、これまでそんなことを伝統的に避けまくってきた同社としては巨きな一歩だ。

でもこれらの中でもっとも注目すべき部分は、iOSとMacの連続性を表すContinuityだ。これからは、モバイルとデスクトップをそれぞれ別のもの、別世界と考える必要がなくなるのだ。しかもそれは、Appleのネイティブのアプリやサービスに組み込まれているだけでなく、サードパーティのデベロッパにも公開される。二つのデバイスをWiFiネットワークの共有という形でペアにしてもよいし、ご近所同士ならBluetoothのキューやレンジを利用してもよい。デスクトップ上のSMSや電話の入呼起呼もContinuityになるから、いわばモバイルとデスクトップがシームレスにブレンドされる。しかも、そのための不格好なつぎはぎ細工…MicrosoftのWindows 8的?…は要らない。

iOS 8とOS X Yosemiteで、スマートフォンの使い方ががらっと変わる。しかも表面的な細かい部分ではなく、もっと本質的な部分で。これは、ほかのモバイルOSの最近のアップデートには見られない特質であり、その衝撃と影響は、この秋までどころか、今後数年間持続するだろう。

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Apple、ついにキーボードをサードパーティーに開放。iOS 8でタイピングを全面改訂

Appleがついに、不遇のiOSキーボードに少々〈本気〉の愛を注ぎはじめた。

今日(米国時間6/2)午前のWWDC 2014イベント壇上で発表された、次期iOS 8アップデートには、次の単語を予測するQuickTypeという機能が追加される。そして ― もっと大きなニュース ― iOS 8は、システムレベルでサードパーティー製キーボードをサポートする。即ち、Swypeをはじめとする代替キーボードが、iPhoneとiPadにやってくる。

QuickType

まず、Appleは独自の機械学習技術であるQuickTypeを導入する。これはiOSユーザーの言語利用状況に応じて、次に入力する単語を予測する機能だ。

予測される単語3つが、iOSキーボードのすぐ上に表示されるので、ユーザーは正しい単語を選ぶだけで、残りの文字をタイプしなくてよい。

候補単語はアプリ単位にもカスタマイズされる。「アプリ毎にユーザーの入力傾向を学習する」とAppelのCraig Federighiは説明した。

予測は、ユーザーが話す相手、使う言語によっても変化する。さらに、「どちらがよいか」という質問に対する回答候補も提示する。例えば、’dinner or a movie’ という質問には、’dinner’、’movie’ および ‘not sure’が候補に出てくる。

単語予測はデバイス内でローカルに処理されている、とFederighiは話した。

次単語予測は、Android端末ではSwiftKey等のサードパーティーキーボードアプリによって、数年前から提供されている必須機能の一つだ。BlackBerryの最新OS、BlackBerry 10にさえ、次単語予測が組み込まれており、ここではAppleが完全に遅れを取っている。

ともあれこれは、iOS端末のタイピングスピードを多少でも早くする、大いに必要とされていた追加だ。AppleがQuickTypeの機械学習技術を他社からライセンスしているのか、自社開発したのかは不明だ。

サードパーティーキーボードがやってくる

そして、Appleはさらに大きなキーボードサプライズを披露した。ユーザーのiOSタイピング体験を全面的にくつがえす可能性を持つ変更だ。iOS 8ではシステムレベルでサードパーティー製キーボードがサポートされる。

これは非常に大きい。

これはiOSユーザーが、入力メカニズムを変更できることを意味している。例えば、Swypeスタイルの入力メソッドを、タイプライター由来のApple標準QWERTYキーボードの代わりに使うことができる。

実際、Appleはステージ上でSwypeを例にデモをしてみせた。

SwiftKeyの共同ファウンダーらも、同社のキーボードをiOS用に開発することを、TechCrunch宛のメールで表明した。「iOS 8にSwiftKeyキーボードを開発するかって?もちろん。もうスタートしている」と彼らは答え、この瞬間を4年以上待ち/望み続けていたことを打ち明けた。

「Appleがサードパーティーキーボードにプラットフォームを開放することの重要性を認め、決断を下したことを喜んでいる … 当社の技術はすでに2億台以上の端末で利用されており、これを増やせることを大いに喜んでいる」と付け加えた。

これは、iOSを所有するキーボードオタクが、長年にわたって切望してきたものでもある。iOSキーボードは、事実上2007年の初代iPhone以降停滞している。そして、Androidエコシステムで進行中のあらゆる魅力的キーボード開発から、置いてきぼりを食ってきた。もうそれも終りだ。やったぁ!

この変更によって、Androidの彼方で働き続けてきたキーボードソフトウェア開発者たちが、ソフトをiOSへと移植する堰が切られる。SwypeやSwiftKeyというAndroidに膨大なユーザーベースを持つビッグネームだけでなく、新しいアイデアを持つ小さなデベロッパーたちも、Appleの塀の外に閉め出されることはない。そしてiOSは、もはやキーボードイノベーションの不毛地帯ではなくなった。それが圧縮Qwertyであれ透明Qwertyであれ。あるいは全く違う何かであれ。どんなものでも、iOSは受け入れることができる。

最後に。これらのキーボード変更は、iOSユーザーにとって最高のニュースだが、カルト的タイポサイト、Damn You Autocorrect!にとっては、おそらくあまり嬉しいニュースではなさそうだ。

iOS 8は、今秋公開予定。それに続くキーボード破壊をお楽しみに ― ようやく。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Apple、iOS 8をデベロッパー向けに即時公開―一般ユーザー向けリリースはこの秋

今日(米国時間6/2)の午前中のWWDCイベントで、Appleが発表した次期のモバイルOS、iOS 8が一般ユーザー向けにリリースされるのはこの秋となる。

一方デベロッパーは今日からさっそくダウンロードが可能だ。また新しいデスクトップ版OS、OS X Yosemiteも公開された。Appleが一般公開に先立ってOSのベータ版を公開するのはこれが初めてだ。

iOS 8に盛り込まれた数多くの新機能についてはこちらを参照。またiOS 8にアップデート可能なデバイスは下の写真のとおり。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


iOS 8発表―通知、写真、クラウド同期、キーボード、ヘルス・アプリなど重要な新機能が多数

昨年、AppleはiOS史上最大のアップデートを実施した。今年、進化はさらに新たな段階を迎えた。ジョニー・アイブのチームはユーザーからのフィードバックに耳を傾け、機能を深めていく時間が十分にあったはずだ。ついにiOS 8が登場した。

WWDCでの発表は続いており、われわれは現在も取材中だ。この後もWWDC関連記事をアップするのでお読みいただきたい。

AppleはまずiOS 8の概要を説明した。以下、その要点を報告する。

通知センター: 大きな変更があった。通知が対話的になり、下にスワイプするとメッセージにすぐに返事ができるようになった。この機能はロックスクリーンでも有効だ。OS X Mavericksの対話的通知によく似ている。

ダブルタップで「お気に入り」の相手を表示できる。日頃よく連絡を取り合っている相手がすぐに探せる。

iPadのSafariの場合、右上隅のタブ・ボタンをクリックするとタブ表示に切り替わる。 これは今回同時に発表されたOS X Yosemite搭載版と同じだ。

メールを書いているときに、下スワイプする受信トレイにジャンプできる機能が加わった。メールを書きながら関連のメールをチェックできる。終わったら画面下をタップすると編集中のメールに戻れる。

クイック・タイプ:iOS 8では新しいキーボードが搭載された。このキーボードでは初めてキーワード候補が表示されるようになった。これはコンテキスト感知タイプで、ユーザーが以前に入力した単語を自動的に候補として表示する。

しかもこのキーボードは会話の相手が誰であるかをコンテキストとして考慮に入れる。これによって入力される単語の候補を予測する精度がアップしているという(チャットの相手が上司か恋人かで会話の内容も大きく変わる)。

連続性(Continuity): これはiOS 8からOS X YosemiteまでAppleの全ソフトウェア・エコシステムの新たな核ともなるべき機能だ。iPHone、iPad、Macは常にお互いの存在を意識するようになる。ユーザーはどんな作業をしている場合でも、一つのデバイスから別のデバイスにごく簡単に移動できる。

たとえばMacでメールを書いているとしよう。iPhoneの左下隅に小さなアイコンが現れる。ユーザーが上スワイプすると、さきほどまでコンピュータで書いていたメールの下書きが表示され、編集を継続できる。逆にiPhoneからMacにも同様に移動できる。

iMessage: iPhoneで一番よく使われるアプリの一つだろう。これにも改良が加えられた。

グループ・メッセージの場合、Facebookメッセージのようにスレッドに名前を付けられるようになった。またスレッドに新たな相手を追加したり、既存の相手を削除したり、また個別に相手を指定して一時的にメッセージを受け取らないようにすることもできるようになった。

また音声メッセージ機能が追加された。入力窓の右側にある小さなビーコンを左にスワイプすればよい。また通知センターに表示されたメッセージに音声で返信したい場合はiPhoneを耳に当てるだけでよい。

もうひとつ重要な点は、音声、ビデオのメッセージの場合、一定時間後に自動的に削除されるように設定できることだ。

ヘルス(Health): われわれはAppleがヘルス関連の発表をすることを予期していたが、アプリの名前がシンプルに「ヘルス」となるとは思わなかった。このアプリは、iOSを利用したヘルス・アプリをひとまとめに登録し、バックグラウンドで動作させるためのプラットフォームだ。ユーザーはヘルス関連のアプリの操作やデータの閲覧をすべてここから行える。

ヘルス・アプリにはHealthKitと呼ばれるSDKが用意されており、デベロッパーだけでなく、医療機関などもアプリを開発できる。

ファミリー共有:これもiOS 8の重要な新機能だ。ユーザーは家族が所有するすべてのデバイスを同期できる(ただし単一のクレジットカードに関連付けられている必要がある)。ファミリー共有を設定すると、コンテンツ、カレンダー、リマインダー、連絡相手などが全デバイスで自動的に同期するようになる。また家族所有のデバイスの位置を追跡できる。これはよく忘れ物をする子供を持つ親にはありがたい機能だ。

しかしファミリー共有機能でいちばん重要なのは子供がお金を使うのをチェックできることだ。子供の買い物のせいでとんでもない額の料金支払に青くなる心配はもうない。子供がiTunesとAppStoreでなにかを買おうとすると、両親のデバイスに承認を求める通知が行く。

写真:

これまでAppleの写真ギャラリーには最大1000枚までした保存できず、それ以上の写真を保管したければ、Macに移動するしかなかった。今回AppleはiTunesがユーザーの音楽と映画を保管するように、ユーザーの写真とビデオをクラウドに保管し、どのデバイスからでもアクセスできる機能を提供した。

また写真にアクセスできるだけでなく、ビデオと写真に対して驚くほど高度な編集ができるようになった。もちろん編集結果もすべてのデバイスで同期する。

また写真アプリの検索機能を大幅に強化した。また最近撮った写真、最近見た写真が候補として優先的に表示されるようになった。

また写真アプリの全体的なデザインもかなり変化した。写真の余白スペースが広くなったところなども含めてYosemiteに似た印象だ。.

Siri: こちらも大きなバージョンアップがあった。「ヘイ、Siri」と呼びかけるだけで、デバイスに触れることなく起動できる。私はSiriが登場したときからこの機能がサポートされるのを切望していた。またSiriはShazamと連携するようになり、iTunesで買い物をしたり22カ国語でディクテーションができるようになった。

デベロッパー:

今年はデベロッパー向けの新機能も数多く提供された。TouchIDによる認証はすでにサードパーティーのデベロッパーに公開されているが、今回はキーボード・アプリをAppStoreに登録できるようになった。これでSwypeもiOSデバイスについに登場するかもしれない。カメラのAPIも公開されたのでサードパーティー・アプリによってカメラをマニュアルで細かくコントロールできるようになりそうだ。

今回公開されたHomeKitも大変興味深い。HomeKitはApple版のホームオートメーションのプラットフォームだ。デベロッパーはHomekitを利用してモノのインターネット(IoT)をコントロールし、iOSベースのさまざまなホームオートメーション・アプリを開発できる。 Siriと組み合わせると、たとえば「もう寝る!」とiPhoneに呼びかけるだけでエアコンの温度設定を下げ、家中の電気を消すなど、さまざまな就寝準備が一度に命令できるようなるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


iOS 8はNotification Centerを単純化, アプリ間通信を改良, Game Centerを廃止

9to5Macの最新の記事が、iOS 8の細かな特徴を詳細に報じている。これらがすべて最終的にiOS 8に載るとは限らない、と断ってはいるが、でもこれらの新機軸が実際に今後のiPhoneなどに導入されたら、ユーザ体験が大きく変わりそうだ。

9to5MacのMark Gurmanが書く記事はだいたいいつも信頼性が高いが、今回は、iOS 8をより使いやすくし、またリソース効率を良くするために、何かを取り去るとか、単純化する、という話が多い。それらはいずれも、これまでのデバイスでそれなりの効果を発揮していた機能だ。

まず、Notification Centerから”Missed”タブがなくなる。タブはiOS 7で”Missed”と”All”と”Today”の三つになったばかりだ。しかしユーザから混乱を招くと苦情が殺到したため、”Missed”を特別扱いする必要はない、という結論に達したようだ。

Voice Memosはインタフェイスが整理されて、必要なコントロールを見つけやすくなった。またメッセージに1か月または1年という有効期限をつけると、期限が来たら自動的に削除される。そして、ストレージの空き容量が増える。これまで機種のバージョンアップのたびに、同じバックアップを使い続けてきた人には、このストレージ大掃除機能がありがたいだろう。

Game Centerもリストラの対象になる。すなわちiOSとOS Xからこのアプリを削除し、Game Centerの機能を(それをサポートしたい)ゲーム本体に含める。ぼくみたいに、最近Game Centerをまったく使わないユーザは、ホーム画面がすっきりして、気持ちもすっきりするだろう。しかも、機能そのものは生き残るのだから。

人間社会と同じく、去りゆく者があれば、新たに生まれる者もある。まず、複数のiOSアプリ間のデータ転送や通信の機能が改良され、たとえばコンテンツを編集してそれをほかのアプリへプッシュして使わせることができる。今でもそれは、iOSの”Open in…”機能である程度できるが、今度の新しいAPIはずっと本格的なもののようだ。

さらに、AppleはCarPlayをWiFi対応にする、という噂もある。Lightningのケーブルに依存しなくなるのだ。でも実は、Volvoのパンフレットにはすでに、WiFi接続が予告されている。iOS 8でそれが実際に実現すれば、車に乗った途端にCarPlayが使える状態になるのだから、ユーザ体験の大幅向上だ。

9to5Macの一連のiOS 8記事は、これまでも本誌で取り上げてきた。これらがすべて事実なら、AppleがiOS 7で築いた土台の上に、見事な建物が建つことになる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Apple、iOS 8でマップを大きく改良へ―新しいデータと乗り換え案内を追加

AppleはiOS 7.1でいくつかの機能を追加し、古い機種でのパフォーマンスを相当に改善した。一方でiOS 8のリリースへ向けての準備が進んでいるようだ。Apple情報については実績のあるブログ、9to5Macに今日(米国時間3/11)、Appleの次世代iOSではマップが大幅に改良されるという記事が掲載された。

iOSマップの波乱の物語はOS 6でAppleがGoogleマップの標準搭載を止め、独自の地図アプリを搭載することにしたときに始まった。しかしユーザーの反応は良好とは言えなかった。ビジュアルデザインは良いが、データの正確性ではGoogleマップに大きく劣っていた。地図アプリではGoogleが何年も先行していたのだからこれは止むをえないことだった。だが9to5Macの記事によると、iOS 8でそのギャップは縮まることになるそうだ。

BroadMap、Embark、HopStopなど地図専門企業を買収し、iOSの地図情報データベースを根本的に作り直したことで大きく信頼性を向上させるのに成功したのだという。

iOS 8のマップでは正確性と同時、データの種類や表現も向上している。新しいスポットの追加、地名や通りの名前の表示の改良、その他ビジュアル・デザインの向上などが図られている。2年前に独自マップをスタートさせて以来、公共交通機関の乗り換え案内が欠けていることが弱点として指摘されてきたが、iOS 8ではいよいよ乗り換え案内が登場する。これは上記の地図企業の買収の成果だ。特にEmbarkとHopStopは乗り換え案内で長年の実績があるから、われわれはiOS 8の乗り換え案内の質については大いに期待してよいだろう。

iOS 8では鉄道、地下鉄、バスがサポートされる他に主要な空港については「さらに詳しい情報」も得られるという。これはシャトルバスなどの交通手段を意味しているのかもしれない。新しいマップはアメリカの主要都市についてまず公開され、順次世界に広げられているということだ。新しいマップではユーザーの位置の近くの駅やバス停がはっきり目立つように表示される。また乗り換え案内では現在より後の時刻を指定できる。このときは運行終了時刻などが当然考慮される。

iOS 8で健康管理アプリ‘Healthbook’が準備されているという9to5Macの以前の記事と合わせて考えるとiOS 8はメジャー・アップデートになりそうだ。デザインががらりと変わったiOS 7のときほどドラマチックではないかもしれないが、機能や利用体験の面ではそれを上回る改良になるようだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+