Apple、売上新記録達成もiPhone “5c” は成長の鍵ではなかったようだ

Appleの2014年Q1のiPhone売上は過去の記録を破り、2012年のSamsungと同じく、四半期にスマートフォン5000万台を出荷する能力を示した。しかし、前年同期と比べてわずか300万台、7%しか販売台数は増えていない。これは過去数年と比べてはるかに少なく、同社を見守る人々の注目をすでに集めている。

iPhone 5cがAppleの期待ほど売れていないという疑惑は、平均販売価格(ASP)が裏付けている。ASPの低下は、より高価なiPhone 5sがはるかに多く売れていることを示唆しており、収支会見でApple CFO Peter Oppenheimerが、iPhone 5sの供給不足に触れたのに5cについては言及しなかったこととも符合する。Appleは北米でiPhone 5sを予想以上に販売したとCEO Tim Cookは説明した。その結果適切な「配分」が困難となり、北米市場は前年より縮小した。さらにCookは、キャリアの機種変更ポリシーの変更も北米における売上に影響したことをほのめかした。

https://twitter.com/asymco/status/427923677271695360

AppleaのiPhone戦略変更に関して、いくつか可能性が考えられる。第1に、Appleは低価格iPhoneというアイデアをもっと明確に示す必要がある ― iPhone 5cがそうなるはずだったが旧機種と変わらない価格だった。第2に、最近Wall Street Journalが報じた、Appleが今年発売するiPhoneには、プラスチック筐体を使わないだろうとする記事の根拠を示すことだ。

最上位機種と豪華なメタル仕上に再度焦中することは、iPhone 5cに対処する一つの方法だが、それが成長プランにどう影響を及ぼすかは不明だ。新興市場は、今もスマートフォン成長の鍵を握る主要ターゲットであり、そこでは低価格機が注目を浴びる。Appleが今後iPhone 5cについて何かを語るかもしれないので、引き続き注目されたい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


意外と人気がないiPhone 5c, Appleは年末商戦に向けて減産を決定

Appleは第四四半期におけるiPhone 5cの発注量を減らす、とWall Street Journalの最新の記事が報じている。状況に近い筋の話としてWSJ紙は、AppleはiPhone組み立てパートナーPegatronとHon Haiの二社に対し、同社のローコストスマートフォンの年末までの発注量を減らすよう求めた。P社は20%減、H社は1/3減、といわれる。

ただしHon Haiの役員がWSJに語ったところによると、iPhone 5cの減産にはiPhone 5sの増産が並行して伴う。Appleはとくに、iPhone 5sのゴールドバージョンの売れ行きが予想以上に好調だったことに着目している、と記事は報じている。それが増産決定の契機でもある、と。一方iPhone 5cの発注減は一部の部品供給社にとっては50%の減産に結果する、というから、最終的な減産の規模はもっと大きいのかもしれない。

Wall Street Journalからのこの新しい情報は、アナリスト企業Consumer Intelligence Research Partnersが今週初めに述べた主張を支えるものだ。その主張は、iPhone 5sはiPhone 5cの倍売れている、というものだった。またモバイル方面の分析企業Mixpanelは、両機のローンチからわずか1か月あまりでiPhone 5sの採用数はiPhone 5cの倍以上だ、と自らの分析結果を発表している。

上と同様の話を、各地のApple Storeやキャリアのショップの従業員からも聞いている。iPhone 5sは在庫を確保できないことが多いが、5cはいつでも在庫がある、と。最初それは、低価格機の供給過剰のせいか、とも思ったが、徐々に需要レベルの問題だと分かってきた。

それでもAppleはローンチしたその週に900万台のiPhoneを売ることに成功し、そしてiPhone 5cには目玉商品や旗艦機の意味合いはなかった。より妥当な見方としては、iPhone 5cはゆっくり着実に売れていくタイプの商品だ。ローンチ日のお祭り騒ぎに乗って売れるタイプではなくて、もっと堅実な消費者向き。そして今後5cの契約が切れるころには、店内特売品やキャリア/リテイラーのディスカウント製品に廉価品としての座を奪われていくこともありえる。

この件に関してAppleのコメントを求めているので、得られ次第この記事をアップデートしよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


iPhone 5c純正ケースを自慢する時がやってきた! ケースの丸い穴を使うゲーム、Flipcase登場

確かにiPhone 5cのケースは「ホームラン」ではなかったかもしれない。丸い穴など必要ないと思うのだ。しかしこの穴に魅力を感じる人もいるようなのだ。ストリーミングやソーシャル機能も備えた音楽発見アプリケーションを世に送り出しているDave McKinneyとStuart Hallのオーストラリア人デュオが、Flipcaseというゲームをリリースしたのだ。このゲームはiPhone 5cのケースがなければ楽しめない。

このFlipcaseはMcKinneyとHallが趣味で作り上げたものだ。そのせいもあってか、決して「奥の深い」ゲームというわけではない。上のビデオでもおわかりのように、タッチ対応の「四目並べ」(Connect Four)に過ぎない。しかし、iPhone 5c用ケースをひっくり返して、画面側につけて遊ぶのが面白い。ケースの穴をドットの置き場所として、4目並べを遊ぶわけだ。ひとりないし2人で遊ぶことができる。

画面をロックさせずにケースを画面側に付けるのにちょっとしたコツが必要かもしれない(実は何度かロックさせてしまった)。しかしなんとか成功すると、5cの穴あきケースを完璧に活かしたUIを持つ、これまでにないゲームを経験することができる。「革新的」ということはできないかもしれないが、シンプルで面白い。どのように感じるのが正しいのかよくわからなかったiPhone 5c用公式ケースだった。しかしCaseCollageやFlipcaseの登場で、ついに公式ケースを「自慢」できる時がやってきたのかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H


iPhone 5cのケース購入を後悔している人へ。救いはある!

いろんなカラーで楽しめる。プラスチックの手触りもちょっと面白い。そしてぴったりマッチしそうだということで、穴ぼこだらけのケースも買ってみる。

ケースは30ドル程度。装着してみて初めてApple TVリモート以来の失敗作であることに気付いて愕然としたりするわけだ。でもそんなに恥ずかしがる必要はない。誰でも失敗することはあるのだ。

おまけに。考えなしにiPhone 5cにあわせてケースも購入してしまった人々を救うためのアプリケーションも登場した。そのアプリケーションはCaseCollageというものだ。

アプリケーションをリリースしたのはLunarLincolnだ。Facebook、Instagram、Flickr、Picasaなどのソーシャルストリームから使いたい写真などを持ってきて、それをケースの穴の部分に表示するようにできるのだ。「non」だか「hon」だかの文字は表示されなくなり、また個性をアピールすることもできる。

自由に持ってきた写真を配置することもできるし、あるいはアプリケーションに同梱されている画像ないしテキストコレクションをカスタマイズしていくこともできる。文字が妙な具合に見えることが気に入らないのであって、純正ケースによるカラースキームは大好きなのだという人は、クロックス・ホールを色で埋めることもできる。

好み通りにアレンジしたら、デザインをプリントアウトして利用する。ケースに収まるサイズにカットして、iPhone 5cとケースの間に挟むのだ。取り敢えず恥ずかしくない状態にして、同様な過ちは決しておかさないと誓っておけばいい(iPhone 5c自体が間違いだったのかは置いておこう)。

このアプリケーションのおかげで救われる人も多いのではなかろうか。

アプリケーション本体は無料で、こちらからダウンロードできる。

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(翻訳:Maeda, H


アプリのクラッシュはiPhone 5sの方がiPhone 5/5cよりも多い

今や最新最速、そして最ゴールドのiPhoneもあるけれど、ちょっと困ったことに気づいている方もおられるだろう。アプリが、前よりも頻繁にクラッシュするのだ。

しかもそれは、あなたの使い方のせいではない。

ピカピカでめちゃ速いiPhone 5sは、新しいハードウェア、すなわち強力な64ビットプロセッサを導入したために、サードパーティのアプリケーションとやや相性が悪い。

Crittercismが調べた結果がAllThingsDに載っているが、それによると、アプリはiPhone 5sで動かすと100回に2回クラッシュするが、同じ構造を共有するiPhone 5とiPhone 5cでは、100回に1回しかクラッシュしない。

その原因は、デベロッパたちはiOS 7への対応では苦労したけれど、新しいハードウェアアーキテクチャ、とくに64ビットプロセッサに関しては、何もしなかったからだ、と思われる。

でも、5sは、ハードウェアの上位移行としては上出来の部類だ。デベロッパたちは、64ビットへの移行に際してコードをほとんど書き換える必要がなかったからだ。

しかもAppleはすでにこの問題を知っていて、OSのアップデートを二度もリリースしている。だから、あわてずに、待てば海路の日和あり、だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


NTT Docomo、ついにiPhoneの取り扱いも開始するも(在庫不足もあり)加入者流出が止まらず

日本の通信キャリアであるNTT Docomoは、9月に加入者が大幅に減少したことを発表した。NTT Docomoは、これまで日本のメジャーキャリアの中では唯一iPhoneを提供していなかった。しかし今回のiPhone 5sおよびiPhone 5cにあわせて、9月からのiPhoneの提供を開始した。iPhoneを求める利用者の流出を防ぐ狙いもあったはずだが、どうやら奏功しなかった形だ。NTT Docomoは、むしろiPhoneこそが顧客流出の原因になった可能性があるとしている。つまりiPhoneの取り扱いを決定したことで顧客層の心に火がついたものの、販売店では品薄が続き、それにより待ちきれなくなった顧客が流出してしまった面もあるようだ。

ロイターのレポートによれば、DocomoはiPhoneの在庫不足により66,800名の加入者を失ってしまうことになったそうだ。ライバルのKDDIやSoftbankと明暗がわかれてしまったかっこうだ。両者ともに新しいiPhoneの登場を受けて、加入者数を伸ばしているのだ。こうした状況をみてDocomoは、両者については十分なiPhoneを供給されていたのではないかとしている。

スタートダッシュには完全に失敗したように見えるDocomoの状態ではあるが、しかし結局のところはiPhoneを扱うことにしたのは成功と出るのではないだろうか。アメリカの状況を見てみても、当初はiPhoneの販売を独占していたAT&Tのライバルたちが、利用者を取り戻し始めたのはしばらくたってからのことだった。在庫については、あるいは今回の初期販売台数については、既存取り扱い2社に対して優先割り当てがあったのかもしれない。あるいはDocomo側の見積もりに甘さがあったのかもしれない。iPhoneの吸引力を理解するにも、やはりそれなりの時間がかかることだろう。

ともかく、この日本の動きを見て、世界の携帯キャリアは、iPhoneの「力」を再認識することになったのではないだろうか。iPhoneを使うためにキャリアを乗り換え、そして手に入れられるとわかっていても、待ちきれなくなってしまう。これまでのデバイスを、馴れたキャリアで使い続けて数週間待つことよりも、すぐに他のキャリアで使い始めたいという気持ちになってしまうものなのだ。各国のキャリアは寺社サービスの「土管化」(dumb pipe)を危惧している。しかし、日本のマーケットを見ると、まさにそうした事態になりつつあることがよくわかる。

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(翻訳:Maeda, H


iPhone 5sおよび5c、発売3日で全iPhone中1.5%を占めるまでの急成長。中でも5sが絶好調

AppleのiOS 7は、かなりの勢いで広がりつつあるようだ。Mixpanelのレポートによると、モバイルサイトおよびアプリケーションへのトラフィックベースでは、既にiOS 6を凌駕しているところもあるのだそうだ。新しいOSの普及速度もさることながら、ハードウェアも急速に普及しつつある。Localyticsの調査によると、iPhone 5sも5cも非常によく売れているようだ。発売後3日もたたないうちに、アメリカにおける全iPhoneのうちの1.36%を占めるまでになったようだ。

Localyticsの調査は、iPhone 5sおよび5cの発売日である9月20日から、日曜日である9月22日の午後8時(ET)までの期間、アメリカにおける2000万台のiPhoneを対象に行なったものだ。ちなみに現行のiPad(第4世代およびiPad mini)が発売された時は、発売後1ヵ月たった時点で、全iPadトラフィックの4%を占めるのみだった。

調査ではキャリア毎のiPhone率についても調査している。中ではAT&Tの割合が最も高くなっている。AT&Tでは、5sと5cをあわせて全体の0.67%となっている。

尚、iPhone 5sが大いに在庫不足状態になっているという話からも想定されるように、Localyticsの調査の中でも、米国内iPhoneの中で5sが占める割合は1.05%となっており、5cは0.31%となっているようだ。Twitterなどのソーシャルメディアでも5sの需要が高く、それによって品薄状態になっているということが言われている。イギリスにおいても、コヴェント・ガーデンのAppleストア店員が、土曜日段階で5sは早々に売り切れ、そして5cの方はまだ在庫が残っていると話をしていた。

5sに関しては供給が追い付いていないということもあるのだろうが、世界中で売り切れが続出しているというのは、ともかく需要があまりに大きいことを意味しているのだろう。今回集めているデータはごく初期の販売動向を示すだけのものであり、表面的なデータを見ているだけであるかもしれないが、取り敢えずここからは5cの販売が伸びていないらしいことがわかる。但し、価格を抑えた5cが、従来とは違った層を狙ったものであることも考慮しておいて良いかもしれない。すなわち登場してすぐに端末を手に入れに走る人々とは異なる層をターゲットにしているという見方もあるわけだ。

Appleのプレスリリースでも好調な売上状況と、5cに対する5sの優勢が伝えられている。

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(翻訳:Maeda, H)


Apple、iPhone 5sとiPhone 5cの先週末の合計販売台数は900万以上と発表―iPhone 5の500万台を大きく上回る

Appleは先ほどプレスリリースを発表し、先週末に新モデルのiPhone 5cとiPhone 5sを合わせて900万台販売したと述べた。Appleはこれまで同じく、モデル別の販売数内訳は発表しなかったが、他の情報から推測すると、ハイエンド・モデルのiPhone 5sの人気の方が5cより高かったようだ。新モデル発表の週末の売上としては昨年のiPhone 5の500万台を大きく上回る新記録となる。

iPhone 5sが発売開始後すぐに売り切れたという報道が世界中から届いた。現在Apple Storeのウェブサイトでは5sの発送予定日が「10月」という漠然としたものになっている。しかし5cは世界中の大部分のオンラインストアで在庫があり、24時間以内に発送可能だ。

アナリストは最初の週末のセールスを合計500万台から800万台程度と予測していた。KGIのMing-Chi Kuoは安価なiPhone 5cの方が売れると予測した。5sが売り切れ状態のためKuoの予測は結局当たるかもしれないが、 Localyticsのデータからはやはり5sの方が売れていることが示唆される。

Appleはまた先週発表されたiOS 7を、現在すでに2億台のデバイスが搭載していると発表した。これは史上最速のOSアップデートだ。デベロッパーや調査会社から当初発表された「アップデートは急速」という予測を裏付けるものだ。Appleによれば、iOS 7と同時に発表された新しい音楽ストリーミング・サービスのiTunes Radioは先週末だけで1100万人のユーザーを獲得したという。アメリカ国内のみのサービスであることを考えると驚異的な数字といえるだろう。Pandoraが2億人の登録ユーザーを得るまでに6年かかっている。

なおiPhone 5は当初、世界で9カ国で発表されたが、iPhone 5sと5cは旺盛な需要が見込まれる中国を含む11カ国で同時にローンチされた。中国では iPhone 5の場合、発表直後の週末で200万台売れている。今回も中国での販売数はかなりの割合を占めているはずだ。.

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


iPhone 5sとiPhone 5c, どちらを買うべきか

iPhoneの新機種にはiPhone 5ciPhone 5sがある。だから、その日のために苦労してためたお金をどっちに投ずるべきか、迷う人も多い。本誌のリビューで詳しく述べたように、どちらも魅力的な製品だが、5cを選ぶべき、あるいは5sを選ぶべき、絶対強力な理由はあるだろうか? 以下に、迷っている人のための主な検討要素を挙げてみた。

カメラ

スマートフォンのカメラというものを大幅に改良しているPhone 5sは、カメラをとくに重視するユーザにとっては、これでキマリの機種だ。高価な傘を使わなくてもよいフラッシュ撮影やオフカメラユニット、ソフトボックスなどは基本的にまずいが、5sのTrue Toneフラッシュは5cのフラッシュよりも圧倒的に優れている。

フラッシュ以外にも、5sのセンサとレンズ部品はずっと良い。またプロセッサが高速なのでオートフォーカスやシャッターの起動も速い。ビデオのスローモーションやバーストモードも、人によっては絶対に5sを選ぶ決め手になるだろう。つまり、ほかの機会だけでなく、スマートフォンを使っているときでも写真に真剣な人は、お値段が高くても5sできまりだ。

コストパフォーマンス

コストパフォーマンスに関しては、iPhone 5cは非常に優れている。同じストレージサイズなら5sより100ドルも安いが、上に述べたカメラとプロセッサ(A7+M7)の速度や付加的能力(後述)を除けば、大きな違いは何もない。

iPhone 5cのデザインは意外なほど魅力的だ。ぼくなら5sにカラー版があれば(5sを選ぶとしたら)そっちを取るだろう。結論としては、iPhone 5, 4S, 4の現ユーザが、ごくふつうのアップグレードを望むなら5cだ。カメラやプロセッサを初め、いろいろ最先端を望むなら5s。

未来性

5sには、SoCのA7の上にモーションコプロセッサM7が載っているという秘密装備がある。A7は64ビットの処理能力を提供し、M7は省エネや動き追跡機能を提供する。これらの機能をフル活用したアプリが将来登場したとき、それを絶対に欲しいと今から思う人は、5sだ。

結局のところ、あなたに合ったスマートフォンは、あなたが個人的にいちばん魅力を感じたスマートフォンだ。それがAndroid機である可能性も、もちろんある。Androidはだめ、という点は何一つないが、でも二機種同時に出すというAppleの新しいやり方は、多くの消費者に、どっちかに決めなければならないという心の負担をもたらした。この記事で述べたことが、その負担解消のお役に立てば、幸いである。


iPhone 5sのビデオリビュー


iPhone 5cのビデオリビュー

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


iPhone 5cは「廉価版」にあらず。Jony IveがiOS 7搭載用としての理想を追求したデバイスだ

ご存知だろうか。iPhone 5cの「C」は「cheap」(安い)の「C」ではない。実は「clueless」(何も分かっちゃいない)という単語の頭文字なのだ。

部外者の誰もが、Appleがこのデバイスにこめた思いを見損じている。Appleはそれを見越して「clueless」を名前に組み込んだのだ。

(本当は「color」の「C」。記事を派手に初めてみたかっただけだ)。

新iPhoneの発表イベントを見て、さらにiPhone 5cのビデオを見てみれば、AppleがiPhone 5cに込めた思いを理解できるはずだ。その「思い」とは、すなわちJony Iveによるものだ。

これまでにJony Iveのビデオは数多く見てきた。その中で、iPhone 5cの説明をしているIveこそ(iPhone 5sに比べても)エキサイトしているように見える。もちろんIve(そしてApple)は認めないだろう。これまでのビデオも含め、Iveはすべて自分の子(Appleのプロダクト)について語ってきたわけだ。しかしiPhone 5sのビデオなどとも比較して、何度も見てみて欲しい。

双方のビデオにおける態度が対照的であると感じないだろうか。Appleが投入した次世代の主役はiPhone 5sだ。しかしiPhone 5sはiPhone 5とほぼ同じデザインを踏襲している。すなわち、Iveがハードウェアのみに関わり、ソフトウェアのデザイン面に関わるようになる前に生み出されたものであるのだ。

つまり、IveがiPhone 5を生み出す時点からiOSのデザインに関わっていたのなら、きっとiPhone 5をこのようにデザインしただろうというものが、まさにiPhone 5cであると思うのだ。昨年冬の組織改編から、より広い範囲でのデザインを担当するようになり、それでIveは思うままのデザインを実現してきたのではないだろうか。

「iPhoneというのは“エクスペリエンス”を提供するものです。そして“エクスペリエンス”は、ハードウェアとソフトウェアの生み出すハーモニーにより提供されるものです。ハードウェアとソフトウェアをより一体化することにより、さらに素晴らしい“エクスペリエンス”を提供していきたいと考えているのです」と、Iveはビデオ中で語っている。ハードウェアおよびソフトウェアのデザインを一手に引き受ける責任者としての発言であり、その責任者がiPhone 5cを世に問うているわけだ。

今年の夏、WWDCにてiOS 7がはじめてお目見えしたとき、そのカラフルなパレットUIに皆が驚いたものだった。しかし、長くApple製品を使っている人(あるいは長くAppleおよびIveに注目している人)は、初代iMacを思い出し、確かにこれもAppleないしIveのやり方だと納得したのだった。13種類のカラーバリエーションを用意して、Apple再生に大いに役立った。まさにカラーこそAppleのウリとなっていたのだ。

確かにIveはそれからしばらく、プラスチックからユニボディのアルミニウム(Iveの口調で言えばアリュミナムのように聞こえるだろうか)へと路線を変更していった。しかしそういう時代を経て、Iveは原点に戻ってきたのではないかと思うのだ。芸術家が、異なる時代を過ごすようなものとも言えるだろう。

ソフトウェア面にも関与できる立場となり、今ならば、色彩を一層活用できると判断したのだろう。ますます思いのままの「エクスペリエンス」を提供できるようになるからだ。

「一貫性のあるデザインとは、形状、素材、そして色合いなどのミックスによって生まれるものです。それぞれが関係しあって、お互いを求める関わりあいの中でプロダクトが成立するのです」とIveは言っている。Iveの上司でありまた仕事仲間でもあったスティーブ・ジョブス曰く、デザインというものは表面的なものではなく、あるいは見かけだけのものでもなく、実は機能面に強く関わっているのだとのことだった。そしてこうしたデザインを行うためにはハードウェアとソフトウェアの双方に関わる必要がある。IveはiPhone 5cにおいて、その地位を獲得し、そして理想を実現したわけだ。

しかし、果たしてこのiPhone 5cは中国やインドといった、普及途上国での売り上げを伸ばすのに役立つのだろうか。おそらくさほど役に立たないに違いない。実は、廉価なiPhoneを途上国に売り込むのが目的だというのは、何もわかっていないレポートによるミスリードなのだ。プラスチック素材であることを見て、なるほど新興国用の廉価版iPhoneだと騒ぎ立てたのだが、実はAppleの目的はそこにはない。

iPhone 5cは、iPhone 5に代わるものとして登場してきているのだ。Appleは、4Sの販売は続けるものの、iPhone 5は店頭から引き上げることになっている。Iveは、自分でデザインしたソフトウェアの入れ物としてのハードウェアをデザインし、iPhone 5にとってかわるiPhone 5cに自分の思いのたけを詰め込んだのだ。

iPhone 5cを投入したことで、Appleは「前年モデル」などよりもはるかに魅力的な(販売助成値引きして99ドルという、手に入れやすい価格)モデルを提供できるようになった。また、デザイン面でほとんど変更のないiPhone 5とiPhone 5sが(色こそ違うものの)混乱を招くような自体も避けることができる。すなわちiPhone 5cの投入はまさに良いことずくめな話なわけだ。

但し、テック系の「専門家」や、ウォール・ストリート方面には、Appleの選択を「良いことずくめ」とはみない人も大勢いる。そうした人はともかく「安いiPhone」を期待していたのだ。また、キーボードを登載したiPhoneの登場を待ち続けている人もいるらしい。

Appleは、ライバルに強いられて何らかの行動をとるといったことのほとんどない企業だ。周りの動向を気にしてばかりいては、戦略を見失うことになる。Appleは常に自らの戦略を大事に育んできた。もしAppleが「安い」iPhoneを出せば、Appleが収支報告で利益率の低下をアナウンスするまではAppleを「評価」するのだろう。そうした「評価」を受ける「イノベーション」は、実のところ誰も得をしない選択であるのだ。

もちろんAppleも、中国などの新興市場を無視しているわけではない。Tim Cookはなんども繰り返して新興市場に言及している。しかしAppleは、自分たちがここぞと思ったタイミングで、自分たちが良いと思うプロダクトを投入するだけだ。もしかするとそれは新興市場の獲得という面でみれば遅すぎる行動になるかもしれない。しかしそれはまだ評価すべき時ではないだろう。ともかく、iPhone 5cが新興市場向けの安価なデバイスというわけではないことは明らかだと思うのだ。

iPhone 5cは「Jony IveのiPhone」とでも言うべきデバイスだ。色彩豊かで、そして美しく、何らかの代替物としてではなく、プラスチックの魅力を前面に押し出したデバイスだと言える。

「ハードウェアとソフトウェアがお互いに高め合ってひとつのデバイスとして結晶しているのです」。

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(翻訳:Maeda, H)


Apple iPhone 5cに触ってみた:プラスチック筐体は手に馴染んで意外に快適

iPhone 5cおよびiPhone 5sが発表になった。iPhone 5cは価格を低く抑えたモデルではあるが、しかしながら非常に印象的なデバイスに仕上がっている。発表プレゼンテーションの直後にさわってみる機会があったので、報告しておきたい。簡単にまとめておけば、プラスチック筐体の本機は一体感あるデザインで、また非常に軽く、なかなか好印象を持つこととなった。

iPhone 5Cはブルー、グリーン、ピンク、イエロー、そしてホワイトの5色モデルが発表された。チップとディスプレイはiPhone 5と同じA6およびレティナディスプレイが搭載されている。iPhone 5との比較でもっとも進歩したところは、iPhone 5Cが過去最多のLTEバンドに対応したことだ。またバッテリーのもちも大幅に改善している。

もちろんパフォーマンスもよく、そのおかげもあって外見も一層可愛らしく見えてくる。また筐体はしっくりと手に馴染み、ラバーのような感じのタッチは、従来のどのiPhoneよりも安定して感じることでしょう。壁紙も本体の色に合わせて設定することができ、全体としての統一感をもたらします。何のカスタマイズをすることもなく、箱から出した瞬間から、他のデバイスとはちょっと違う可愛らしさを楽しむことができるだろう。

一緒に発表になったケースについても、ぱっと見の印象よりは良さそうに思える。なかなか頑丈そうで、それなりの衝撃からもiPhoneを守ってくれそうだ。裏地には柔らかなマイクロファイバーを採用し、iPhone 5cと組み合わせて楽しめる6種類が発表されている。ケースに開けられた穴から本体が見えるのも、色を組み合わせて楽しんでもらおうとする遊び心だろう。

いろいろと触ってみて、個人的に最も印象に残ったのはその軽さと、堅牢そうな様子だ。iPhone 5の金属とガラスからなる高級な印象とはまた異なるが、決して安物の印象はない。価格は抑えられ、搭載チップなども以前のモデルで利用されたものではある。しかしそれでもある種の「高級デバイス」に仕上がっていると思う。9月13日に予約受付が始まれば、おそらくはiPhone 5Cは多くのファンを獲得するのではないかと思っている。手に入れやすい価格の中で多くのバリューを提供しており、またiPhone 5から進化してさえいる。Appleが初めて行った価格戦略の行く末を注目していきたい。

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(翻訳:Maeda, H)


TechCrunch版「今日のAppleイベントまとめ」

Appleのクパチーノでのイベントがやっと終わった。すでに大量の記事が書かれているが、さらに多くの記事がこれからアップロードされる。読者がいささか混乱しても責められないところだ。そこでAppleがこの数時間で発表した内容を以下に簡単にまとめてみた。TechCrunch版の「Appleイベントのまとめ」というところだ。

ハードウェア

AppleはiPhoneを2種類発表した。iPhone 5SiPhone 5Cだ。名前からも察することができるが、5SはiPhone 5の後継となるハイエンド機で、64ビットの強力なA7CPUに加えて、モーション処理用のM7コ・プロセッサを装備している。Touch ID指紋センサーがホームボタンに内蔵された。5Sの筐体はiPhone 5とほとんど同じ寸法だが、カラーバリエーションが増えて印象が変わった。白(いや銀らしい)、黒に加えて長らく噂に上っていた金が加わった。

カメラも大きく改良された。5Sのカメラはスペックとしては依然8メガピクセルだが撮像素子面積は拡大され、画質は向上した。720pのHD画質で120コマ/秒のスローモーションが撮れる。True ToneデュアルLEDフラッシュで写真が青みがかったり白飛びしたりするのを防ぐ。バーストモードでは毎秒10枚の静止画が撮影できる。

これらはすべて重要かつ歓迎すべきアップグレードだが、今回新たに搭載されたTouch ID指紋認証がもたらす影響が長期的には非常に大きいものになるかもしれない。

あと、面白いことに、今回の5Sの投入で製品ラインから消えたのは4Sではなく1年前に発表されたiPhone 5だった。これまではいちばん古いモデルが製品ラインから落とされていたのだが、今回AppleはiPhone 5と5Sの間で販売が分散することを嫌ったのだろう。キャリヤ契約ありの場合、16GBiPhone 5Sが199ドル、32GBが299ドル、64GBが399ドルとなる。発売開始は9月20日だ。

ここ数ヶ月無数の噂やリークの対象となってきた5CはApple初のiPhone廉価版モデルだ。予想通り5Cはカラフルな出で立ちで登場した。Appleはプラスティック・コートされたスティールフレームで筐体を強化し、アンテナとしても使っている。5Cの外観はこれまでのiPhoneと大いに違うが内部は4インチのRetinaディスプレイ、A6プロセッサなどiPhone5ほとんど同一だ。

5Cにもキャリヤ値引きはあるが、単体購入の場合、16GBの5Cは549ドル、32GBが649となる。たしかに5Sやこれまでのモデルに比べれば安いが、この価格ではこれまで言われていたように5CによってAppleが途上国の市場で大きくシェアを伸ばせるかどうかは疑問だ。

われわれのDarrell Etherington記者はクパチーノの会場で新モデルを短時間手に取ってみることができた。両モデルともに好感を持ったようだが、特に5Cに将来性を見出してる

9月18日にiOS 7公開

AppleはiPhoneの新モデルだけでなく、新しい強力なソフトウェアも発表した。iOS 7は9月18日から一般にダウンロードできるようになる。ただしすべてのiOSデバイスがアップグレードの対象となるわけではない。iOS 7はiPhone 4以降、iPad 2以降、iPad mini、第5世代iPod touchで作動する。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Apple、iPhone 5Cを発表―CPUはA6、色は緑、黄、青、白、赤、金

今日(米国時間9/4)、AppleはiPhoneに史上初めて新しいシリーズを追加した。iPhone 5Cは緑、黄、青、白、赤、金の5色のプラスティック筐体で提供される。フレームはスティール製だがやはりプラスティックでコーティングされている。

プロセッサーはA6、カメラは8メガピクセルだ。Facetimeビデオチャット用のフロントカメラはHDにアップグレードされた。スティール・フレームはアンテナとして機能する。

iPhone 5Cの価格は2年のキャリヤ契約つきの場合、16GBが99ドル、32GBが199ドルだ。BlueTooth 4.0 LE、Wi-Fiはデュアルバンドの802.11a/b/g/nが内蔵される。またiPhone5Cはスマートフォンとしては対応するLTEバンドの数がもっとも多い。Appleがグローバル市場を強く意識していることが分かる。


iPhoneついに拡張される

iPhoneが登場して6年になるが、 これまでAppleは単一モデル政策を固く守ってきた。しかし市場セグメントの多様化とAndroidデバイスとの競争の激化にともない、シリーズを拡張しなければならないという圧力がAppleにかかっていた。キャリヤ契約にともなう大幅値引きによるマーケティングがうまく働かない市場向けに廉価版を投入する必要があった。

そうした市場の一つが中国だ。Appleは中国で確固とした地位を築いているものの、最近はSamsungなどのライバルに追い上げられている。また中国国産メーカーにもシェアを侵食されている。

Appleはこれまで最高級モデルのみを製造し、各市場のトップ・キャリヤにある種ブランドの代表の役割を担わせるという販売戦略を取ってきた。このキャリヤ補助による割引は先進国の大市場では今後も続けられるだろうが、割引なし廉価版iPhoneの投入は市場を大きく広げる可能性がある。9億人のユーザーを持つChinaMobile(中国移動通信)に提供されるならその影響は大きいだろう。

〔日本版:日本のAppleサイトのトップはiPhone 5Cになっている。〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Apple、9月10日のiPhoneイベント招待状を報道陣に発送

先ほどAppleは、9月10日のiPhone特別イベントの招待状を発送した。イベントは、西海岸時刻午前10時から、クパチーノのAppleキャンパス10階で行われると案内に書かれている。同社や同社の来たるべき製品発表をめぐる噂に注目してきた人にとっては、何ら驚きはないだろう。

Appleは、この日に複数のデバイスを発表すると言われている。報道でiPhone “5C” と呼ばれている低コストiPhoneと、より高価なiPhone 5後継機種でこちらはiPhone “5S” と呼ばれるかもしれない。5Sは、カメラおよび内部の改善に加え、新たなゴールドカラーモデルが出ると言われている。iPhone 5Cは背面カバーがプラスチックになり、内部はiPhone 5と変わらないと報じられている。招待状には「これがみなさんの一日を明るくするはずです」というテキストと共にマルチカラーのドットが描かれており、iPhoneのカラーバリエーションという噂が的中していたことを暗示している。

Appleがこのイベントで何を発表するかには多くの注目が集まっている。Appleが初めて複数のiPhoneモデルを同時に発表するからだけではない。iOS 7もある。これはApple初のモバイルOS大改造で、iPhoneの出荷とほぼ同時期に公開される可能性が高い。噂が本当なら、その日は9月20日かその前後になるだろう。

ショウのその他のハイライトとしては、iTunes Radioの詳細が入るだろう。米国ユーザーには遅くともiOS 7と同時に提供される予定だ。しかし、やはりショウの中心はハードウェアだろう。これまでAppleの一貫した高価格モバイルに手の出なかった市場に進出することによって、iPhoneの世界市場を広げようというAppleの計画に世界は注目している。

本誌は同イベントに参加し、Appleの新スマートフォン計画の最新情報をお送りする予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


iPhone 5Cはアメリカのためにあらず。これはその他の国々のためのiPhoneだ

複数の報道が、Appleは9月10日に低価格なプラスチック筐体iPhone 5を発表すると予想している。この4インチiPhoneは、現製品ラインのiPhone 4およびiPhone 4Sを置き換えるためのものだ。同社がこれで、米国の低価格スマートフォン市場で一定のシェアを獲得することは間違いないが、それは副次効果すぎない。新機種は、世界のその他の国々にとって理想的なiPhoneだ。多くの国で、キャリアーは奨励金のない、SIMのみのプランに切り替えつつある。そして、iPhoneは一般の人々にとって高価すぎる。

米国キャリアーは例外であり、標準ではない。AT&T、Verizon、およびSprintは、電話機を持ち込んだからといって安くはしない。以前はカナダでも同じだったが、徐々に変化している。しかしヨーロッパでは、通常の奨励金プランまたはずっと安いSIMのみのプランを選択できる。例えばフランスでは、通話、テキスト、データ無制限(3GB以降は速度制限あり)のブランを月額25ドルで使える。唯一の難点は、電話機を正価で買わなければならないことだ。

同じことは英国にも言え、本誌のNatasha Lomasは現在23ドル(15ポンド)でデータ無制限プランを使っている。そしていつでも好きなときにキャリアーを変更できる。T-Mobileは同じ体験を米国にも持ち込もうとしているが、価格はヨーロッパのキャリアーに遠く及ばない。

16GB iPhone 5に一括で900ドル払いますか?

ヨーロッパ市場の変化は数年前に現れた。安価な奨励金付携帯電話で顧客を誘うのではなく、Freeなど新進気鋭のキャリアーは、高額プランの顧客を奪おうと試み、これに成功した。これらの新プランは、そこそこ安いのではなく、価格は半分から1/3だ。奨励金なしプランは年々人気が増すばかりだ。フランスでは契約者の39%、7480万人がSIMカード契約で、これは小さな市場ではない。

しかし、あなたは16GB iPhone 5に一括で900ドル(679ユーロ)払うだろうか。計算すれば、奨励金付プランよりもずっと安い。しかも、多くの人々は月々の高額な請求書をもう見たくない。唯一の選択肢は、900ドルを受け入れるか、別の電話機を選ぶかだ。メールとFacebookを見て、Instagramで写真を撮るだけのために最新のiPhoneが必要であると自分を説得するのは難しい。殆どの人はガジェットブログを読まない。インターネットを使える携帯電話が欲しいだけだ。

昨今、顧客の多くは、旧型iPhone 4または4Sと、Androidのどれかを選ばなくてはならない。Galaxy S4は665ドル(497ユーロ)で買える。安くはない、しかしそれでもiPhone 5より250ドル以上安い。店頭で3.5インチのiPhone 4Sを見ただけで、AndroidかWindows Phone、あるいはBlackBerry 10を買うべきだと説得されるだろう。

Appleは、奨励金なしプランへのシフトを覚悟することになる

人気のAndroid機と戦えて、iPhone 4Sより画面が大きく、誰もが「新機種」だと認識する低価格iPhoneを発売することは、Appleにとって正しい戦略だ。同社はヨーロッパで市場シェアを再度獲得するとともに、奨励金なしプランへのシフトを覚悟することになる。

しかし、ヨーロッパは物語の一部でしかない。そこは今も北米に続く第二の市場だが、中国はAppleにとって紛れもない第3の市場だ。中国市場ではゴールドiPhone 5Sも売れるかもしれないが、多くの顧客はもっと安い電話機を好むだろう。iPhone 4と4Sが米国より中国でずっと人気なのはそのためだ。現在中国でiPhone 4の価格はAppleストアで500ドルだ。生産コストは未だに高い — Appleは今でもガラスとアルミニウムを使っている — ため、これは利益を圧迫する。プラスチック筐体なら生産コストを下げられる。

iPhone 5Cは、iPhone 5Sより200〜300ドル安くできるかもしれないが、5Cの鍵となる要素はこれが「新しい」機種であることだ。Appleは、新たな市場区分を模索することによって市場シェアゲームを戦おうとしている。iPod mimiやnano、iPad miniの時と同じように。しかし、すべては感覚の問題に帰着する。なぜ私はあれではなく、この携帯電話を買うのか? Appleはこう考えてほしいと思っている:これはiPhoneであり、他の機種と同じ値段で、しかも新しい。

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Appleは9月のイベントでiPhoneのハイエンド機とローエンド機の新製品を発表するとWSJも報じる

今日(米国時間8/19)のWall Street Journalの記事によればAppleは9月にiPhone次世代モデルを発表するという。これにはハイエンド機とローエンド機が含まれる。これまでもわれわれはAppleが9月10日にイベントを開催し、そこでiPhoneを2機種発表するという情報を何度も聞いている。しかし今回のWSJの記事はこれをほとんど確定した事実という調子で報じているのが注目される。

WSJは発表される機種の内容については詳しく触れていないが、おそらくiPhone 5の後継機となる従来通り金属ボディーの5S(デュアル・フラッシュの内蔵やスペックの向上などが期待される)とカラフルなプラスティック製ケースで低価格のiPhone 5C(Sonny Dicksonからリークされた 上の写真のような)になるものと予想される。最終的な製品名がどうなるかはまだわからないが、基本的な内容は上記のとおりで間違いないはずだ。

もう一つ確からしいのは、iPhone 5Sにゴールドのケースが加わることだ。週末にわれわれが報じた後、AllThingsDも今朝確認した。発売開始が9月下旬になるというのも、これまでのiPhoneの発売スケジュール(発表後2週間で出荷開始)に合致する。

iPhoneを2種類一度に出荷するというのは供給上の困難が予想されるが、これまで何度も正確な観測を発表してきたアナリストのMing-Chi Kuoによれば、AppleはiPhone 5の製造能力を全面的にiPhone 5Cに振り向ける計画だという。

Appleのイベントに前後して最大のライバル、Samsungも新製品を発表するらしい。9月は仕事が忙しくなりそうだ。.

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+