今日のApple MacBook Proイベントのライブ中継を見る方法はこれだ(日本では木曜午前2時から)

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今日(米国時間10/26)Appleはクパチーノ本社キャンパスでプレスイベントを開き、新しいMacBook Proを披露することが予想されている(キーボードの上に奇妙なミニディスプレイがついていることが既にリークされている)。13インチMacBook Airも改訂されるだろう。10 AM PT(ニューヨークでは1 pm、ロンドンでは6 pm、パリでは7 pm[東京では28日(木)午前2時])から、Appleの全デバイスでイベントを見られる。

AppleはiMacについても話すと思われるが、性能改善以上は期待しないほうがいい。さらには外部レティナ・ディスプレイについても聞けるかもしれない。Macが好きな人にとっては、Mac満載のたまらないイベントになりそうだ。

最新のApple TVを持っている人は、App StoreでApple Eventアプリをダウンロードできる。今日のイベントをストリーミングできる他、昔のイベントも見られる。古いApple TVのユーザーはスイッチを入るだけでいい。Appleが “Apple Evnets” チャンネルを薦めてくるのでそこでイベントを見ることができる。

Apple TVを持っていない人は、AppleのウェブサイトのApple Eventsセクションでライブストリーム中継を見られる。このビデオ中継は、SafariとMicrosoft Edgeでのみ利用できる。有難いことに、macOS、iOS、Windows 10のいずれでも動作する ― SafariかEdgeの動くデバイスを少なくとも一つは持っているだろう。

まとめると、今日のAppleイベントを見る方法は以下の通り。

  • MacまたはiOSのSafar
  • Windows 10のMicrosoft Edge
  • 第4世代Apple TVで、App StoreのApple Eventsアプリ
  • Apple TVの第2、第3世代は、イベント直前にApple Eventsチャンネルがやってくる

もちろん、TechCrunchのライブブログもある。職場を離れられない人や、本誌のコメントを楽しみたい人たちは是非ご覧あれ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

TC Tokyo 2015「バトル」勝者はクラウド労務手続き支援のSmart HR

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今年で5年目を迎えたTechCrunch Tokyo。毎年恒例の目玉企画「スタートアップバトル」の決勝が18日に行われ、100社以上の一次審査を勝ち抜いたチームが自社プロダクトをプレゼンで競い合った。

今年も800人規模の会場で立ち見が出るほどの盛り上がりを見せたバトルの頂点に輝いたのは、労務手続きを自動化する「SmartHR」を運営する株式会社KUFUだった。僅差で優勝を逃したスマホ専門のネット証券「One Tap Buy」には審査員特別賞が送られた。以下、優勝チームと次点チーム、その他のチームを登壇順にご紹介する。

SmartHR(株式会社KUFU ):優勝、IBM BlueHub賞、ぐるなび賞

社会保険・雇用保険といった労務手続きを自動化するクラウド型ソフト。提示されるフォームに入力し、「雇用契約書を用意しましょう」といったToDoをこなすだけで、必要書類を自動作成できることをうたう。電子政府のAPIを使うことで、まもなくウェブ経由で役所へ書類を届け出られるようになり、面倒な労務手続きがオンライン上で完結する。フリーミアムプランで月額利用料は980円〜。社労士に労務手続きを依頼する場合と比べて、手続時間も3分の1に抑えられるという。サービス開始から3カ月半ながら、すでに200社以上が導入していて需要の高さを感じさせる。

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One Tap BUY(株式会社One Tap BUY):審査員特別賞、AWS賞

わずか4タップで有名企業の株式を1万円から売買できるアプリ。世界中の株式に24時間、365日アクセスできる。自分が持つ株式のポートフォリオを円グラフで表示し、所有する株式をなぞるだけで株式を売買できるなど、洗練されたUIも特徴的。株式投資のハードルを下げるために、有名企業の創業ストーリーや投資を漫画で無料公開している。すでに有価証券の売買業務を認可する第一種金融商品取引業の申請が受理されていて、日本初のスマホ専門証券会社として2016年初頭にサービスを開始する。

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Popcorn(クービック株式会社)

当日予約できるサロンが見つかるサイト。都内を中心にネイルサロン、マッサージ、美容院などを、当日ならではのお得な価格で予約できる。事前登録したクレジットカードで予約時に決済する。気になる店舗を登録していけば、予約可能なタイミングでプッシュ通知が届く機能もある。店舗オーナーは事前決済のためキャンセルリスクがなく、成果報酬型で固定費がかからないのがメリット。

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キャスタービズ(株式会社キャスター)

人事や経理、リサーチなどの事務作業をオンライン秘書に依頼できるサービス。Facebookメッセンジャーやチャットワークなど、いつも使っているツールでやりとりすることが可能。さまざまなクラウドサービスを使いこなすアシスタントが在籍するため、例えば請求書作成サービス「misoca」と会計ソフト「freee」を使って会計業務がオンライン上で完結する。すでに50社が利用し、平均単価は月額12万円。3カ月目以降の顧客継続率は90%以上とサービス満足度が高いという。18日には、在宅勤務する人材を派遣する、日本初のオンライン限定在宅派遣サービスを開始した。

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シェルフィー(シェルフィー株式会社)

店舗を出店・改装したい人と、デザイン・施工会社をつなぐマッチングプラットフォーム。建築業界には業者の実績や費用といった情報が集まる場所がなかった。このため、悪徳業者の情報が広まることもなく、ぼったくりが常態化したり、反対に良い仕事をしても情報が広まらなかったという。シェルフィーは施工管理会社(建築案件の元請け)や施工専門業者、デザイン業者の情報をヒアリングで集め、建築業界を可視化しようとしている。施工管理会社から月額15万円を徴収するビジネスモデル。売上は非公表だが、シェルフィー経由で発注した10月の流通総額は1億2000万円に上る。

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TANREN(TANREN株式会社)

動画を主体としたクラウド型研修システム。飲食店やカーディーラー、モバイルショップ、旅行代理店など他店舗で接客する事業者がターゲット。導入企業は、マネージャーが研修のテーマを設定し、スタッフは営業のロールプレイを動画で撮影してアップロードする。マネージャーはTANRENのサーバーでロールプレイ動画を見て、「笑顔」「トークスピード」「言葉遣い」といった項目を評価する。時間がなく、属人的になりがちな社内教育を、どこでも可視化・共有化できることが特徴だ。

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WATCHA(株式会社WATCHA)

自分の好きな作品をもとに、オススメの映画、ドラマ、アニメを教えてくれるアプリ。ユーザーは自分が過去に見た作品を5点満点で評価すると、その点数や、好みが似たユーザーの評価をもとに、まだ見たことのない作品の点数を予想してレコメンドする。韓国では2013年にリリースし、160万人のユーザーが2億4000件の評価・レビューを投稿。好みに近い劇場公開映画の予告を配信したり、WATCHAの評価・レビューを動画配信サービスに提供することで収益を得ている。日本でもキネマ旬報から映画・DVD情報を提供してもらい、2015年9月に正式スタートした。

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スマートフォリオ(ウェルスナビ株式会社)

世界中の機関投資家や富裕層が利用する国際分散投資をサポートする資産運用サービス。5つの質問に答えるだけで、リスク許容度にあわせた金融商品のポートフォリオを提示する。「10年前に同じ投資したらどうなっていたか」といった結果を提示し、今後予想されるリターンとリスクを直感的に理解できる。日本には投資信託と株式だけでも9200種類の商品があるので、適切な金融商品を自分で選ぶのは困難。スマートフォリオは金融機関から手数料を受け取らないため、中立の立場でアドバイスできるという。来年1月に正式サービスを開始し、4年間で預かり資産3000億円を目指す。

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BONX(チケイ株式会社):さくらインターネット賞、PR TIMES賞、PayPal賞

スマホと接続したBluetoothイヤフォンを片耳に付けて使うウェアラブルトランシーバー。しゃべり始めたら勝手につながる音声認識システムを採用しているので、アウトドアでの激しい運動中でもコミュニケーションを取れる。会話中のみ通信するプロトコルの通話システムを開発し、切断されにくくバッテリーの節約につながっている。携帯電波を使って通信するため距離の制限がないのも特徴。スキーやスノーボード、自転車、カヌーなどでの利用を想定。10月15日にクラウドファンディングを開始。価格は1万5800円だが割引価格で購入でき、これまでの支援総額は1800万円に上る。

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SHOPCOUNTER(株式会社COUNTERWORKS)

期間限定の物販・イベント用スペースを貸し借りできるマーケットプレイス。最短1日単位でポップアップショップ(期間限定の店舗)を開きたいアーティストやクリエイター、EC事業者と、展示可能な空きスペースを持つオーナーをマッチングする。通常、店舗を開くには初期投資で約500万円かかるが、SHOPCOUNTER経由のポップアップショップだと約20万円に出費を抑えることができ、思い切った商品構成や見せ方が可能になる。予約代金の一部を手数料として徴収し、残りを空きスペースを持つオーナーに支払うビジネスモデル。

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Mijin(テックビューロ株式会社)

Bitcoinなどの暗号通貨で使われる要素技術「ブロックチェーン」を、自社またはパートナー間のみで利用できるプラットフォーム。導入企業が管理するネットワーク上で、指定したノードだけが参加するプライベートなブロックチェーンを構築する。企業のポイントや決済サービス、オンラインゲーム、航空会社マイレージ、金融機関など高度なシステム基盤での導入を想定している。秒間28トランザクション程度の某銀行の中央集権型サーバーでは初期費用数億円、月額数千万円というが、mijinは秒間100トランザクションで月額4万円に抑えられるという。

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VIDEO TAP(株式会社オープンエイト):Microsoft BizSpark Plus賞

延べ4000万UUの女性向けネットメディアを束ねるスマホ向け動画広告プラットフォーム。記事コンテンツの掲載面に沿って、動画を最後まで見るように促す「完全視聴型」、画面上部に表示する「画面占有型」、長時間のコンテンツを配信する「長尺配信型」、記事コンテンツにバナーをタップすると動画が出てくる「ネイティブ型」といった動画広告を配信する。すでに資生堂やP&G、LION、TOYOTAなど、全国規模で広告展開するナショナルクライアントが導入している。

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締め切りまであと1週間!「TechCrunch Tokyo 2015」スタートアップ向けデモブース出展者募集中

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スタートアップの祭典「TechCrunch Tokyo 2015」の開催まで、いよいよ1カ月を切った。これまでも登壇してくれるスタートアップの起業家たちを少しずつ紹介してきたが、ほかの登壇者も続々決まっているので、逐次紹介していきたいと思っている。

それとあわせてお伝えしたいのが、展示ブース「スタートアップ・デモ・ブース」の出展募集があと1週間で終了するということだ。

スタートアップ・デモ・ブースは、創業3年以内のスタートアップ企業に限定して、TechCrunch Tokyoの会場でプロダクトをお披露目できるスペースを提供できるというもの。昨年を振り返ると、TechCrunch Tokyoの来場者は約1700人。起業家や投資家といったスタートアップ関係者のほか、大手企業の新規事業担当者なども多く参加していた。こういった層に自社のプロダクトを紹介したい、というスタートアップに向けては非常に価値のある場所を提供できると思う。

また出展料には2人分のイベント参加チケットも含まれている。前売りチケットは1人1万9440円なので、実質的には2万円の出展料でイベント来場者にアピールできるわけで、それなりのお得感はあるはずだ。ただし前述の通り、このブースは創業3年以内のスタートアップに限定した優遇措置となっている。

スタートアップ・デモ・ブース申し込みはこちらから→

イベント名:TechCrunch Tokyo 2015(ハッシュタグ #tctokyo)
イベント開催日:11月17日(火)、18日(水)
会場:渋谷ヒカリエ(東京都渋谷区渋谷2−21−1)
出展料:5万8320円(税込み。2名分の参加チケットが含まれます)
販売数:30ブース
条件:創業3年以内の企業
主催:AOLオンライン・ジャパン株式会社
問い合わせ先:event@tc-tokyo.jp

イベントに参加したい、という人たちに向けては、現在前売りチケットも販売中だ。学生限定の学割チケットもあるため、学生の人は是非とも参加を検討いただければと思っている。

TechCrunch Tokyo 2015チケットはこちらから→

TechCrunch Tokyo 2015学割チケットはこちらから→

TCオフィスのある秋葉原で起業家とVC向けのサマーパーティー開催します

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僕たちTechCrunch Japan編集部は、東京・末広町(秋葉原からも徒歩数分だ)にある建物「3331 Arts Chiyoda」の中にある。この建物は中学校をリノベーションしたもので、アートスペースやコワーキングスペースがあったり、そして地下1階には僕らが入居するオフィススペースがある。いわば廃校の地下室で日夜記事を書いてるわけだ。今日は、そんな僕らがサマーパーティーをすることにしたのでお伝えしたい。

日時は8月27日(木)18時から、会場は僕らのオフィスがある3331 Arts Chiyodaのラウンジスペースだ。参加費は無料だけど、1つだけ条件がある。僕らが11月に東京・渋谷で開催するイベント「TechCrunch Tokyo 2015」の目玉企画、スタートアップバトルに8月24日(月)までにエントリーしてくれた企業に限定させていただく。該当するスタートアップには編集部からご連絡し、参加の詳細をお伝えする。

エントリーシートはすべて編集部が目を通し、個人的に気になったプロダクトはイベントに先駆けて記事でご紹介していたりするので、この機会にぜひ早めにエントリーして僕たちと暑気払いしませんか。当日はシード期のスタートアップに投資するVCも参加予定だ。

スタートアップバトルは創業3年未満で、今年ローンチもしくはローンチ予定のプロダクトを持つ企業が、プレゼンで競い合う企画。昨年は113社の応募があり、書類審査に通過した12社が決勝に進出、会場でプレゼンを披露した。今年も決勝には10社前後に登壇してもらう予定だ。応募資格は以下の通り。

応募資格

  • 未ローンチまたは2015年1月以降にローンチしたデモが可能なプロダクト(サービス)を持つスタートアップ企業(未公開プロダクトを歓迎します)
  • 創業年数3年未満(2012年11月以降に創業)で上場企業の子会社でないこと。なお、このイベント以前に開催された他のイベントで受賞をしていないプロダクトを優先します。

応募フォーム

スタートアップバトルの登録ページはこちらから(外部サイトにリンクします)
https://tctokyo2015.wufoo.eu/forms/techcrunch-tokyo-2015/

応募受付期間

2015年10月2日(金)23時59分まで(サマーパーティー参加希望の場合は8月24日まで)

審査について

  • 審査基準: 企業とプロダクトを対象にし、そのプロダクトの市場性やビジネスの成長性、またビジョンを実現していけるチームであるかを基準とします。
  • 事前審査:一次審査は書類審査とし、その後一部評価に必要な情報が足りない場合はインタビューやデモを見せていただく場合があります。選考を通った応募企業には運営事務局から10月9日までに審査結果を通知します。
  • 決勝戦: TechCrunch Tokyo 2015の2日目(11月18日午後)に行います。TechCrunch Japanが選んだ審査員によって最優秀企業を選出します。

北欧の若者が熱狂するスタートアップイベント「SLUSH」、アジア版は金曜日に東京で開催

フィンランド発のスタートアップ向けイベント「SLUSH」のアジア版となる「SLUSH ASIA」がいよいよ今週金曜日、4月24日に東京で開催される。

本家のSLUSHは、2014年実績で参加者は約80カ国・1万4000人以上、出展企業1300社、欧州各国の首相なども訪れるという大規模なイベントだ。

このイベントの特徴は「ライブ感」。よくあるカンファレンスとは異なり、起業家や投資家などの登壇者が音楽ライブのさながらのステージでプレゼンテーションやディスカッションを繰り広げる。より詳しい説明はこのスライドが参考になると思う。グローバルを意識したこのイベントでは、すべてのセッションは英語で行われる。

日本ではRovio Entertainmentの元日本代表であるAntti Sonninen(アンティ・ソンニネン)を中心にしたTEAM SLUSHがイベントを牽引する。この発起人チームには、Mistletoe CEOの孫泰蔵氏やAmano Creative Studioの天野舞子氏らも含まれている。ちなみに孫泰蔵氏は本家のSLUSHにも登壇しており、その話を日本で発起人チームと話したことが今回のSLUSH ASIA開催のきっかけになっているとか。

ではなんで日本でSLUSHを開催するのか? 孫氏は自身が参加した経験を振り返り「世界中にカンファレンスがある中で、SLUSHは他とは違うユニークなモノだったから」だと語る。

冒頭のとおり、ショーアップされたステージに登壇する起業家の姿はまるで音楽アーティストだ。そこで繰り広げられるセッショを見た若者たちが、彼らを尊敬し、賞賛することで、「起業はカッコいい、自分もやってみようとなることは大事」だと孫氏は説く。

同氏はこれまで「バンドのように起業をすべき」といろいろな場所で語っているのだけれど、これはバンド活動が最初はコピーから初めて、オリジナル曲を作って——となっているように、最初からすごいビジネスモデルやテクノロジーを持ってスタートするのではなくても、少しずつ事業を作り、それでダメだったら解散するくらいのカジュアルさであってもいいので、何よりもまずは「最初の一歩「を踏み出して欲しい」ということなんだそう。そんな考え方がSLUSHのテーマともマッチしたのだろう。

フィンランドの若者の多くもこのイベントに共感しており、1万7000人という参加者に加えて、2014年実績で1700人の学生ボランティアが関わっているそうだ。基本的には非営利で、今後は社団法人化も進めるとか。

フィンランドのSLUSHコミュニティにも参加していたSonninen氏いわく、SLUSHが若い世代に起業という選択肢を提示してきた影響度はかなりのものだそう。「今となっては『グローバル思考』は当たり前だが、8年前のフィンランドではほとんどそんなものがなかった。だが、SLUSHというイベントも起業という選択肢も認知されてきた。SLUSHは数年前からは首相が参加するまでになっている」

イベントの開催開催場所は東京の臨海地区にある青海。特設のドーム型ステージを5つ並べている。設営中の様子はTwitterにもアップされている。

最近は「上場ゴール」と揶揄される一連の新規上場企業の業績不振等でスタートアップやその支援者に対する風当たりは厳しいものになっている。僕も市場関係者から起業家までいろんな意見を聞いたし、そのあたりの話をの一部は記事としても書いている。

ただそういう時期だからこそ、起業について今までよりもちょっと身近な選択肢として考える場所があってもいいと思っている。僕たちがやっているTechCrunch Tokyoもそんな1つだと思っているし、SLUSHは日本で初開催だけれども、北欧ではそういった点でも非常に意味のあるイベントになっているそうだ。

僕自身は正直「誰でも彼でも起業しちゃえ」とまでは言えないのだけれども、まずは起業の意味をちゃんと理解している人が増えて欲しいし(同時に悪い大人にそそのかされない知恵も付けて欲しい)、人生の選択肢の1つとして考える人は増えていいと思っている。さらにそういう人の中から、世の中を変えるような起業家が生まれて欲しいとも。そういう意味でSLUSH ASIAは、起業についてあらためて考えたい人にとっても価値のあるイベントになるのではないだろうか。

テーマは「変わる決済」 次回TechCrunch Schoolは3月23日開催、読者の質問も募集中

僕たちが不定期で開催しているイベント「TechCrunch School」では、これまでに「学生の起業」「スタートアップのマーケティング」「大企業からのスピンアウト」「IoT」「シェアリングエコノミー」などのテーマでセッションを繰り広げてきた。8回目の開催となる次回は、3月23日月曜日午後7時から「変わる決済」というテーマで開催する。参加は無料で、本日よりこちらで参加登録を受け付けている

無料の参加登録はこちらから

LINEが買収「WebPay」と決済参入「BASE」の創業者が登壇

日本のスタートアップシーンでいま、盛り上がりを見せつつあるジャンルの1つは「Fintech(フィンテック)」だろう。TechCrunch読者であればご存じだと思うが、フィンテックとはFinanceとTechnologyの造語。日本でも、金融関連のスタートアップを指す言葉として、市民権を得てきている感がある。

そんな熱いジャンルの中でも、特に動きが激しいのが「決済」まわりだ。そこで今回は、開発者向けクレジットカード決済サービスを手がけるWebPay創業者の久保渓氏と、先日決済事業への参入を発表したBASE創業者の鶴岡裕太氏をお呼びして、決済にまつわる最新動向を語ってもらうこととした。

WebPayはわずか数行のコードを埋め込むだけで、ECサイトやスマホアプリにクレジットカード決済機能を導入できる開発者向けサービス。2月には、LINEに買収されたことで大きな話題を呼んだ。イベント当日は、開発者向けクレジットカード決済の可能性だけでなく、LINEとの取り組みについてもお聞きする予定だ。

BASEはウェブの専門知識を持っていない人でも、ECサイトを無料で開設できるサービス。昨年12月にはネット決済のPurecaを買収し、WebPayの競合となるサービス「PAY.JP」を今春にリリースする。鶴岡氏には、このタイミングで決済事業に参入した理由などについて聞きたいと思っている。

BASEとWebPayの創業者に聞きたい質問を募集

イベント当日は両社のサービスにとどまらず、ApplePayやBitcoin、LINE Payなどなど、決済を取り巻く動向について、識者の2人に質問する予定だ。そこで今回は読者から質問を募集し、いただいたコメントを読者に代わって質問したいと思っている。

お2人への質問は、TechCrunch JapanのTwitterアカウント「@jptechcrunch」あてに、ハッシュタグ「#tcschool」を付けて投稿していただきたい。イベント当日に採用した質問を投稿してくれた読者には、TechCrunchのオリジナルTシャツをプレゼントする。(該当者にはスタッフからダイレクトメッセージで連絡するので、@jptechcrunchをフォローしていただければと思う)。

当日はこのほか、無料POSレジアプリ「Airレジ」を手がけるリクルートライフスタイル執行役員の大宮英紀氏も登壇。サービス開始1年で10万アカウントをAirレジのこれまでを振り返るとともに、今後の展開についても語っていただく予定だ。

今回の会場は、リクルートホールディングスが東京・渋谷に開設したITクリエイター向けの会員制スペース「TECH LAB PAAK」。会員になるには審査が必要だが、会員になれば施設の利用料だけでなく、Wi-Fi、全席完備の電源、ドリンク、スナックまで全部タダという太っ腹な施設だ。場所は渋谷アップルストアと同じビルとなっている。

TechCrunch School #8
「変わる決済」

【開催日時】 3月23日(月) 18時開場、19時開始
【会場】 東京・渋谷 TECH LAB PAAK (地図)
【定員】 80名程度
【参加費】 無料
【ハッシュタグ】#tcschool
【主催】 AOLオンラインジャパン
【内容】
19:00〜19:05 TechCrunch Japan 挨拶
19:05〜20:05 パネルセッション「変わる決済」
パネリスト
久保渓氏(ウェブペイ株式会社 代表取締役)
鶴岡裕太氏(BASE株式会社 代表取締役社長)
モデレーター
増田覚(TechCrunch Japan編集記者)
20:05〜20:20 講演セッション「Air レジの取り組みについて」
登壇者
大宮英紀氏(株式会社リクルートライフスタイル 執行役員 ネットビジネス本部クライアントソリューションユニット長)
20:20〜20:30 ブレーク
20:30〜22:00 懇親会(アルコール、軽食も出ます)
【申し込み】イベントページから事前登録必須
【事務局連絡先】tips@techcrunch.jp

photo by
Oliver Symens


Windows 10のエンドユーザー向け新機能、1月発表へ


Windows 10は、デベロッパー・プレビュー版のおかげで、既にある程度内容を知られているが、Microsoftは1月後半にその消費者向け機能を正式発表するイベントを開催する予定であると、The Vergeの最新記事が伝えている。1月のイベントでは、エンドユーザー向け新機能や、新たなタッチ入力方式 “Continuum” の説明があるはずだ。

ほかにも、Windows 10がスマートフォンやタブレットでどのように動作するかの解説や、Xbox Oneダッシュボードの改訂等が話題になるだろう。Windows 10は、Microsoftの全ハードウェア製品を、単一プラットフォームの下に統合することを目的としているので、全機種で提供された時、どのように連携して動くのかを見る最初の機会になるかもしれない。

Windows 10は、「2015年中頃」に発売されると言われているので、この1月イベントで一般向けにこのOSが提供されることを期待できない。正確な日時等の詳細も近いうちにわかるはずだ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


今週のAppleイベントを予想する

Appleはこの秋第二の大型イベントを、10月16日木曜日にクパチーノの同社Town Hall Theaterで行う。イベントでは様々な新製品が発表されることが予想される。

iPad

新しいiPadは、主としてiPad Airの新機種になると見られており、噂やリーク画像によると、すでに十分薄い現行機が、さらに薄い7 mmになるらしい。これはiPhone 6とiPhone 6 Plusのちょうど中間の厚さだ。

他には、指紋認証でログインできるTouch IDがiPadにも導入される。Touch IDが最初に登場したのは昨年のiPhone 5sで、現在は5s、6、6 Plusの3機種で利用されている。iPadにTouch IDが加わることによって、セキュリティーが向上するだけでなく、Appleが推進するApple Payに利用できるようになる。

また、iPadの製品ラインにゴールドカラーが加わるとの情報もある。

iPad miniの改訂についてはあまり情報が入って来ないが、Touch IDが追加されたケースのリーク写真があることから、AppleがここでもApple Payを使える機種を増やそうとしている可能性は十分ある。iPad Airと共にプロセッサーがA8にアップグレードされるかもしれない。薄くなることも考えられるが、私が考えるに、iPhone 6 PlusがiPad miniの売上を食い始めている今、焦点はiPad Airだろう。

12.9インチのiPadという噂もあるが、殆どの情報源は来年まで出ないという意見で一致している。

Macハードウェア

新しいMacがこのイベントに向けて準備されていることは間違いない。Appleはいくつかの新しいMacを開発中と言われ、12インチのRetina MacBookという声もあるが、最もありそうなのが新しいiMacだ。

Appleのオールイン機はそろそろアップデートの時期に来ており、今年はスペックやプロセッサーの改訂だけではなさそうだ。iMacは長い間、AppleがデスクトップにRetinaディスプレーを持ち込む場所だと言われてきたが、ついに今年はそれを見られそうだ。Retinaについてはまだ疑問も残るが、いずれにせよiMacの新モデルが出てくることは間違いないだろう。本体のデザイン変更もあり得るが、テーパーのついた細いエッジのデザインは今も十分にモダンだ。

新しい12インチのRetina MacBookは来年になりそうだと多くの情報筋が言っている。AppleはしばらくアップデートされていないMac miniの新機種を発表するかもしれない。このラインアップはAppleがあまり力を入れていないカテゴリーであり、今後の成り行きが注目される。

OS X Yosemite

Appleは、間違いなくこのイベントでYosemiteの一般公開バージョンを発表する。プレビュー版は6月のWWDCで発表され、まずデベロッパーに、続いて特別プレビューベータが一部ユーザーに提供された。Yosemiteは、iPhone 6/6 Plusと共に9月に公開されたiOS 8と協働する機能を数多く含んでいるため、そろそろ公開されないとおかしい。

Yosemiteへのアップデートは無料であることを、既にAppleが発表しており、Mac App Store経由で入手できる。OS X Marvericksが動作するMac全機種で動作するので、古い機種のユーザーには郎報だ。Yosemiteが公開される正確な日時はまだ不明だが、ユーザーはハードウェアをアップデートに備えておくとよいだろう。

その他

Appleはこの機会を利用してApple Watchの最新情報を提供するかもしれない。発売予定は来年たが、9月のiPhoneイベントおよびパリのファンションウィークで披露された。デベロッパーがどうかかわれるのか、あるいは発売時期の詳細を聞けるかもしれない。

他に考えられるのが、Apple TVのハードウェアだ ― Appleはこのメディアストリーム機を長い間改訂しておらず、ソフトウェアだけがアップデートを続けているが、Siriの音声コマンドを使用できるマイク内蔵バージョンが出るという噂もある。ホリデーシーズン前にApple TVが発売され、HomeKit等のiOS 8機能と統合されればその意味は大きい。

イベントまであと数日に迫っており、本誌は現地からライブで状況を伝える予定なので、木曜日の西海岸時刻10 amにはチェックをお忘れなく。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Apple、10月16日iPad/Macイベントの招待状を発送

Appleは多くの人々が期待していた10月のイベントを正式に発表した。そこでは新しいiPadやMac、さらにはデスクトップOSの最新アップデート、OS X Yosemiteの公開バージョンがデビューすると思われる。日付は10月16日、本誌は現地からあらゆるニュースを入り次第レポートする。

イベントは、クパチーノにあるApple本社内のTown Hallシアターで行われる。これは、昨年iPhone 5sと5cが発表された場所と同じで、先月iPhone 6と6 PlusがデビューしたFlint Centerよりはるかに狭い。Appleは前回Town Hallで行ったイベントをストリーム中継しておらず、今回も全体的に非公開の出来事になるかもしれない。

このイベントに登場する新しいデバイスやソフトウェアも、iPhone 6、6 PlusやApple Watchの発表ほどの強裂なインパクトには欠ける可能性が高いが、それでも山ほどの新製品が出てきそうだ。例えば現行モデルよりさらに薄いiPad Air。iPadで他にありそうなのがスペックの向上で、ストレージの選択肢はiPhone 6に倣うだろうし、Apple PayのためのTouch IDも入るかもしれない。

Macに関しては、Apple初のデスクトップ用Retinaディスプレーが新しいiMacに塔載されるかもしれない。これらと共に発表されるはずのYosemiteは、直ちに一般公開されるか、イベント後間もない時期の公開がアナウンスされることは確実だ。

何が出てくるにせよ、すばらしいショウになるに違いないので、本誌のレポートに注目されたい。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


賞金100万円だけじゃない! TechCrunchスタートアップバトル出場のススメ

メディアはiPhone 6一色だけど、スタートアップのみなさん、忘れていませんか? 我々が11月18日、19日に東京・渋谷で開催する「TechCrunch Tokyo 2014」の目玉企画として、「スタートアップバトル」(以下、バトル)を実施することを。バトルは、スタートアップがステージ上でプロダクトを競い合い、優勝チームには賞金100万円を贈呈する。でも、それ以外にも参加するメリットがあるのでお伝えしたい。

ここ数年、スタートアップにスポットを当てるイベントが増えてきているのは、TechCrunch読者であればご存じのことと思う。例えば、IVPの「Infinity Ventures Summit」やB Dash Venturesの「B Dash Camp」、サイバーエージェント・ベンチャーズの「RISING EXPO」などが有名だ。

そして、こうしたVCが運営するイベントとTechCrunch Tokyoの大きな違いの1つは、来場者にあると思っている。

先に挙げたイベントの来場者は、VCや投資家、スタートアップの経営者層が中心。一方、TechCrunch Tokyoはこうした来場者に加えて、スタートアップの業界動向にアンテナを張っている企業の新規事業担当者や、読者、つまり一般ユーザーの注目が高いと自負している。

バトルに参加するスタートアップは、本戦に進出すればTechCrunchで取り上げることもあり、プロダクトのユーザー獲得にも一役買えるはずだ。さらに言えば、本家TechCrunchの編集者が審査員として米国からやってくる予定なので、全米にアピールするチャンスがあるかもしれない。

参加要項は以下の通りなので、条件に当てはまるスタートアップは是非、応募ページから申し込んでほしい。

応募資格

  • 未ローンチまたは2014年1月以降にローンチしたデモが可能なプロダクト(サービス)を持つスタートアップ企業(未公開プロダクトを歓迎します)
  • 創業年数3年未満(2011年11月以降に創業)で上場企業の子会社でないこと。なお、このイベント以前に開催された他のイベントで受賞をしていないプロダクトを優先します。

応募受付期間

2014年10月3日(金)23時59分まで

審査について

  • 審査基準: 企業とプロダクトを対象にし、そのプロダクトの市場性やビジネスの成長性、またビジョンを実現していけるチームであるかを基準とします。
  • 事前審査:一次審査は書類審査とし、その後一部評価に必要な情報が足りない場合はインタビューやデモを見せていただく場合があります。選考を通った応募企業には運営事務局から10月10日までに審査結果を通知します。
  • 決勝戦: TechCrunch Tokyo 2014の2日目に行います。TechCrunch Japanが選んだ審査員によって最優秀企業を選出します。

一次審査員(書類審査)

  • 今野穣氏(グロービス・キャピタル・パートナーズ パートナー / Chief Operating Officer)
  • 和田圭佑氏(インキュベイトファンド 代表パートナー)
  • 木村新司氏(個人投資家)
  • 有安伸宏氏(コーチ・ユナイテッド 代表取締役社長)
  • 西田隆一氏(B Dash Ventures シニア・インベストメントマネージャー)
  • 西村賢(TechCrunch Japan編集長)

スタートアップバトルの応募ページはこちら

残念ながら条件に当てはまらなかったスタートアップについては、格安料金で出展できるデモブースを会場に設けるので、そちらで大いにプロダクトを来場者にアピールしていただきたい。

スタートアップデモブースの申し込みはこちら


Appleは9月10日〔日本時間〕のプレスイベントをApple製品にライブストリーム配信する

Appleは来週9月9日太平洋時間午前10時〔日本時間9月10日午前2時〕から開かれるプレスイベントの模様もライブストリーミングすると発表した。視聴にはデスクトップの場合、OS X v10.6.8以降とSafari 5.1.10以降、モバイルの場合にはiOS 6以降とSafariが必要となる。Apple TVの2世代、3世代のソフトウェアv5.0.2以降でも視聴できる。

これまでAppleは招待されて来場するプレスその他の関係者のみにライブストリーミングを提供し、現に進行中のイベントをストリーミングでも見られるようにしていた。今回は一般公開となったもののMac、iOSデバイス、Apple TVなどApple製品のユーザーが対象だ。Apple製品を持っていない、あるいは勤務時間中にライブストリーミングを見ている口実が見つけられない読者はわれわれのライブブログをどうぞ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Apple、プレスイベントへの招待状を発送―いよいよ9月9日に新iPhoneのお披露目だ

Appleが「9月9日にスペシャル・イベントを開催する」という招待状を送ってきた。このイベントで次世代iPhoneが発表されるのは間違いない。9月9日、水曜日という日付は先ごろRe/codeが推測したとおりだった。iPhone 4S以後、Appleが毎年秋に新製品を発表してきたこととも合致する。

発表されるiPhoneが1種類なのか2種類なのかはまだなんともいえない。4.7インチ・モデルに加えて5.5インチ・モデルも発表されるという噂も流れている。しかしイベントの直後に出荷開始となるのは4.7インチ・モデルだけだろう。大型モデルの出荷はかなり先になると予想されている。新モデルの少なくとも一部にはきわめて強度の高いサファイアガラスが用いられると報じられている。ひび割れ、引っかき傷に非常に強い素材ということだ。

ひとつ異例なのは、このイベントがAppleのクパチーノ本社でもサンフランシスコのYerba Buena Center for the Artsでもないことだ。今回の会場はクパチーノのFlint Center for the Performing Artsだという。Appleの社内講堂は狭いので、大型イベントには向かない。今回はウェアラブル・デバイスの発表 もあるかもしれないとなればどうしても広い会場を使う必要があっただろう。

これまでのパターンに従うなら、このイベントでiOS 8の一般公開も発表されるだろう。iPhone 6(Appleはまだ正式名称を発表していないが)の出荷前に既存iPhoneのユーザーはiOSのアップデートができるはずだ。

われわれはもちろんこのイベントに参加し、ライブで経過を報告する予定だ。〔日本時間ではイベントは9月10日、午前2時ごろから開始となる見込み〕

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


RISING EXPO 2014優勝のスペースマーケット、今後はパートナーシップを強化

RISING EXPOのファイナリスト。前列中央がスペースマーケット代表取締役の重松大輔氏

サイバーエージェント・ベンチャーズ(CAV)が8月8日にイベント「RISING EXPO 2014 in Japan」を開催した。

このイベントでは、事前審査を勝ち抜いてきたスタートアップが、資金調達や事業提携を目指し、国内外のベンチャーキャピタルや大手事業会社の新規事業担当者を中心としたオーディエンスの前でプレゼンテーションを繰り広げる。

RISING EXPOは2012年から開催されており、2012年はコイニー、2013年はモイがそれぞれ優勝。その後両者は大規模な資金調達を実現するに至っている。また2014年には日本のほか、CAVが拠点を持つ東南アジア(シンガポール、インドネシアが中心)、韓国、中国の4地域でイベントを開催している。

今回登壇したのは合計15のスタートアップだが、見事優勝を勝ち取ったのは貸しスペースのマッチングサービス「スペースマーケット」を展開するスペースマーケットとなった。2位には鮮魚流通サービスを展開する八面六臂、3位にはインドネシアで女性向けアパレルのフラッシュマーケティングサービスを展開するVIP Plazaが入賞した。

スペースマーケットは4月のローンチ時にも紹介しているが、企業の持つ遊休スペースや利用時間外のスペースを、ミーティングや株主総会、研修、イベントなどで使いたい人に貸し出すためのマーケットプレイスだ。

イベント全部を見られなかったこともあって、イベント終了後に改めてスペースマーケット代表取締役 CEOの重松大輔氏に話を聞いたのだけれども、現在利用できるスペースはスタート時の4倍となる400スペース。利用時間外、遊休スペースを活用できるとあって、スペース管理者への営業も順調だという。

また重松氏の叔母が運営する東京・表参道のギャラリーがスペースマーケットに登録したところ、本来のギャラリーとしての利用以外に問い合わせ8件、成約3件、見積総額280万円と、それなりの実績を出しているそうだ。サービス全体での見積総額は1億円とのことだが、実績に関しては「まだまだこれから」(重松氏)とのことだ。

スペースマーケットでは今後、各種事業者とのアライアンスにも注力していく。例えば旅行代理店と組んで合宿プランを用意したり、ケータリング運営会社や研修運営会社と組んだサービス展開も予定しているそうだ。

RISING EXPOは応募条件に「1億円以上の資金調達を検討していること」という項目があるのだけれど、すでに同社も資金調達に向けて準備中とのことだ。

なお、今回のファイナリストは以下の通り。詳細はRISING EXPOのウェブサイトでも確認できる。

PurpleCow

iCARE

スペースマーケット

Pocket Supernova

ウタゴエ

オリフラム

グライダーアソシエイツ

トイロ

八面六臂

カブク

iCook.tw

必趣旅行

Tunedra

VIP Plaza

MatchMove Global


優勝賞金は100万円–TechCrunch Tokyo 2014スタートアップバトル参加者の募集開始

先日も告知したとおり、TechCrunch Japanは11月18〜19日にかけて、東京・渋谷の渋谷ヒカリエで「TechCrunch Tokyo 2014」を開催する予定だ。イベントページでは今後プログラムやチケットに関する情報を更新予定なので随時チェックして欲しい。

イベントの中では、例年の目玉企画の1つとなっている「スタートアップバトル」も、もちろん開催する予定だ。スタートアップがプロダクトについてのプレゼンテーションで競うこの企画だが、優勝チームには賞金100万円を贈呈する予定だ。

応募の締め切りは10月3日の金曜日まで。スタートアップ関係の方は、是非応募フォームから申し込み頂ければと思う。

TechCrunch Tokyo 2014スタートアップバトルの申し込みはこちらから→

 

今年も米国のTechCrunchからスタッフが来日するほか、起業家や投資家を中心にした審査員がプレゼンの審査に参加する予定だ。優勝チームはもちろんのこと、参加者は米国のTechCrunchでも取り上げられる可能性も高いチャンスとなる。世界デビューを目論むスタートアップの方は、ぜひご応募頂ければと思う。

応募資格

  • 未ローンチまたは2014年1月以降にローンチしたデモが可能なプロダクト(サービス)を持つスタートアップ企業(未公開プロダクトを歓迎します)
  • 創業年数3年未満(2011年11月以降に創業)で上場企業の子会社でないこと。なお、このイベント以前に開催された他のイベントで受賞をしていないプロダクトを優先します。

応募受付期間

2014年7月17日(水)〜 2014年10月3日(金)23時59分

審査について

  • 審査基準: 企業とプロダクトを対象にし、そのプロダクトの市場性やビジネスの成長性、またビジョンを実現していけるチームであるかを基準とします。
  • 事前審査:一次審査は書類審査とし、その後一部評価に必要な情報が足りない場合はインタビューやデモを見せていただく場合があります。選考を通った応募企業には運営事務局から10月10日までに審査結果を通知します。
  • 決勝戦: TechCrunch Tokyo 2014の2日目に行います。TechCrunch Japanが選んだ審査員によって最優秀企業を選出します。

一次審査員(書類審査)

  • 今野穣氏(グロービス・キャピタル・パートナーズ パートナー / Chief Operating Officer)
  • 和田圭佑氏(インキュベイトファンド 代表パートナー)
  • 木村新司(個人投資家 / Gunosy代表取締役)
  • 有安伸宏氏(コーチ・ユナイテッド 代表取締役社長)
  • 西田隆一氏(B Dash Ventures シニア・インベストメントマネージャー)
  • 西村賢(TechCrunch Japan編集長)

TechCrunch Tokyo 2014スタートアップバトルの申し込みはこちらから→

なお、イベントではスタートアップ用のデモブースも設ける予定だ。応募条件を満たしていないスタートアップであっても、そちらで大いにプロダクトを紹介してほしい。詳細は随時発表していく。


【告知】アキバでやるEngadgetの週末イベントに、Pepperやドローンがやって来る

TechCrunch Japan読者ならEngadgetをご覧の方も多いと思う。本国アメリカでは、この2つのメディアは特に仲が良いということはないが、日本ではAOL Japan傘下ということで東京・秋葉原のオフィスに両編集部が入っていることから、実は机を並べて記事を書いていたりする。新しいデバイスが発表されると、ぼくはいつも背後に座っているEngadgetシニアエディターであるIttousaiをつかまえて、ひとしきりギークトークをやるのが好きだったりする。

TechCrunch西村:あー、Lytroの新しいやつ! 期待してた技術なのに残念。こんな製品、売れっこないっすよねー
Engadget Ittousai:なに言ってるんですかっ! わたしは買いますよ、モチロン
西村:使い道ナシ! ニッチもニッチ! ドニッチ!
Ittousai:何を言ってるんですか! △?※+%!!!
西村:それより、もう遅いし中華でも食いに行きましょうよ
Ittousai:ファッ!? △?※+%!!!
西村:この間の鶏肉レタス、うまかったっすねー
Ittousai:△?※+%!!!

さて、その、いわば姉妹誌のEngadget Japaneseがこの週末に秋葉原でガジェット系イベント「Engadget Fes 2014」を行うので、TechCrunch読者にも是非ご紹介したい。

Engadget Fes 2014は6月28日土曜日のお昼12時から、東京・秋葉原(中央通りの端っこ、最寄りは末広町駅)にある「アーツ千代田3331」で開催される。参加費は5000円、小学生以下は無料なのでご家族連れでも是非どうぞ(チケット購入はこちら)。先日発表されたばかりのソフトバンクのロボ君「Pepper」が何人か来るらしいし、第1回全日本クアッドコプター選手権なるものが開催されるとかで、TechCrunch読者的にも遊びに来るといろいろ発見があるものと思う(クワッドコプターって、ドローンのことです。念のため)。Ittousaiを含むEngadgetスタッフも参加しているので、お立ち寄りのさいは是非スタッフにも声をかけてみて頂ければと思う。TechCrunchのぼくも参加予定だ。

ぼくが気になっている見どころとしては、ほかにも、

技適マークの疑問、アナタに代わって総務省に聞きます
トークセッション:JINSのメガネ型ウェアラブル『JINS MEME』実演決定
Surface Pro 3を展示決定
明和電機ライブについて

なんかがある。当日の詳しい情報は、会場図&タイムテーブルから確認できる。それぞれの出し物の詳しい説明は、Engadget Fesの関連記事一覧からたどることができる。まだチケットは若干の残りがあるようなので、土曜日のお出かけ先を決めていない人は検討してみてはいかがだろうか


1億円以上の調達を目指すスタートアップが競う「RISING EXPO 2014」、登壇希望者を募集中

サイバーエージェント・ベンチャーズ(CAV)が2012年から開催している資金調達を目指すスタートアップのプレゼンイベント「RISING EXPO 2014 in Japan」が8月8日に開催される。CAVでは、特設サイトにて参加を希望するスタートアップの応募を受付中だ。

RISING EXPOは、国内外のベンチャーキャピタルや大手事業会社の新規事業担当、スタートアップ関連事業者が集まる中で、資金調達や事業提携を目指すスタートアップがプレゼンテーションを繰り広げるイベント。2013年9月に開催された前回のイベントでは、事前先行を通過した15社がプレゼンを実施。ライブ配信サービス「ツイキャス」を提供するモイが最優秀賞に輝き、賞金200万円を獲得した。

2014年度のRISING EXPOは、日本のほか、東南アジア、韓国、中国の4地域で開催することが決定しており、すでに5月に韓国で開催されている。対象とするスタートアップの条件は、(1)IT・インターネット関連ベンチャー企業であること、(2)原則、サービスローンチをしており、一定のユーザー数もしくは一定の売上を獲得できていること、(3)1億円以上の資金調達を検討していること‒‒の3点。応募企業の中から業界の有識者による事前選考を経て出場が決定する。なお僕は2012年のRISING EXPO初開催時から事前審査員を務めさせて頂いており、今回もTechCrunch Japanの記者として事前審査に参加させて頂く予定だ。イベントの詳細は以下の通り。

名称:「RISING EXPO 2014 in Japan」
URL:http://www.rising-expo.com
開催日:2014年8月8日(金)9:30~20:30予定 ※懇親会含む
場所:東京都渋谷区道玄坂1丁目12番1号 渋谷マークシティウエスト13階
応募条件:
(1)IT・インターネット関連ベンチャー企業であること
(2)原則、サービスローンチをしており、一定のユーザー数もしくは一定の売上を獲得できていること
(3)1億円以上の資金調達を検討していること
※本店所在地は日本、海外を問わない。また事前選考を通過した企業のみが参加・登壇可能
ゲスト:国内外の有力ベンチャーキャピタル・大手事業会社(完全招待制)

TechCrunch School第4回は5月29日開催–テーマは「大企業を飛び出してスタートアップの世界に飛び込んだ理由」

1月から開催しているイベント「TechCrunch School」。3月に開催した第3回「スタートアップ企業のマーケティング戦略」は、天候にこそ恵まれなかったが100人超に参加頂くことができた。

そして5月29日木曜日の夕方6時から、これまでと同じく東京・秋葉原(末広町)で第4回となるイベントを開催する。今日から参加申し込みの受け付けを開始したのでお知らせしたい。

今回のテーマは「大企業を飛び出してスタートアップの世界に飛び込んだ理由」。前回はスタートアップ企業のマーケティング担当者やCMO、起業家などを対象にしたが、今回は大企業から中小企業までに勤めつつ、スタートアップを立ち上げたい、スタートアップに参画したいと考えている人。大企業からの内定を得ているが、スタートアップに参加することを考えている学生、さらにはそういったスタートアップにに挑戦したい人たちと出会いたい、一緒に働きたいと考えているスタートアップの起業家や人事担当者らを対象にしたい。

今回はゲストスピーカーとして、KAIZEN Platformの共同創業者でCEOの須藤憲司氏、freee代表取締役の佐々木大輔氏、みんなのウェディング代表取締役社長の飯尾慶介氏の3人をお呼びしている。

須藤氏は、新卒でリクルートに入社。マーケティングや新規事業開発部門を経て、アドオプティマイゼーション推進室を立上げ。リクルートマーケティングパートナーズで最年少の執行役員として活躍したのちに退職し、KAIZEN platformを創業した

リクルート時代から広告の最適化に取り組んできた同氏だが、KAIZEN platformでは、A/Bテストの実行と、テスト向けのクリエイティブ制作のクラウドソーシングを組み合わせた「planBCD」を展開している。また最近では元グーグルで、広告営業部門の立ち上げ、業界営業部門の立ち上げと責任者、広告代理店事業の責任者を歴任した小川淳氏や、グリーおよびGREE Internationalで、ゲームやアドテクノロジー分野のプロダクトマネジメントを手がけた瀧野諭吾氏などの参画を発表。さらに500万ドルの大型調達を実施して米国を中心に展開を本格化するとのこと。イベントでは、大企業とスタートアップの違いから、優秀な人材の“口説き方”までを聞いていきたいと思う。

またfreee佐々木氏は、大学在学時よりインタースコープ(経営統合を経て、現:マクロミル)にてリサーチ集計システムや新しいマーケティングリサーチ手法を開発。卒業後は博報堂、CLSA キャピタルパートナーズを経て、ALBERTの執行役員に就任。その後2008年にGoogleに参画し、国内のマーケティング戦略立案やGoogle マップのパートナーシップ開発、日本およびアジア・パシフィック地域における中小企業向けのマーケティングの統括を担当したのちに退職。2012年7月にfreeeを創業した。

2013年3月にサービスを開始したfreeeだが、現在のユーザーはすでに7万事業者以上。Windows XPのサポート期間終了や消費税率の変更なども追い風となりその数はさらに増加中だという。また直近には8億円の資金調達も発表し、機能強化やアジア進出についても準備しているという。以前、佐々木氏に起業の経緯を聞いた際、前職で中小企業との接点があったことからその課題を知ったのがきっかけだと語っていたが、イベントでは、Googleを飛び出して起業した理由や、過去の経験がスタートアップにどう生きているかについて聞いていきたい。

飯尾氏は、1999年にトーハンに入社。子会社直営店舗の店長、スーパーバイザー職などを経て、2006年にディー・エヌ・エーに入社。ECアドバイザー職を経て、社長室の新規事業としてウェディング情報の口コミサイト「みんなのウェディング」の立ち上げに携わる。その後、Mobageのオープンプラットフォーム立ち上げなども経験したのち、2010年10月にスピンオフ。みんなのウェディングを設立。同社は2014年3月に東証マザーズ市場に上場した。

「大企業の新規事業を持ってスピンオフして、上場を目指す」というIT系スタートアップはそう多くない。例えばこれが社内の事業として展開していたのであれば、このスピードでの上場を実現できていなかったのかもしれない。飯尾氏には、大企業から出て自らのサービスに注力した意味やその成果、さらにはスピンオフで得た経験や知識について聞いていきたい。

前回に引き続き、今回のパネルディスカッションでは、会場でのみ聞ける「オフレコタイム」を設ける予定だ。プレゼンテーションの模様は記事や動画でも紹介する予定だが、会場に来て頂いた人たちに限定して、登壇頂く起業家の生の声を届けたい。

今回は1人3000円の有料イベントとなる。19時半以降の交流会では食事とドリンクも用意するので、是非早めにお申し込みをいただければと思う。

TechCrunch School #4
起業志望者注目!
「大企業から飛び出してスタートアップの世界に飛び込んだ理由」
【開催日時】 5月29日(木) 17時半開場、18時開始
【会場】 東京・末広町 3331 Arts Chiyoda 3331 Arts Chiyoda地図
【定員】 100名程度
【参加費】 3000円
【参加資格】 起業を志す、もしくはスタートアップに興味のある大〜中小企業の社員および、学生の方。スタートアップへの参画を希望する人材と出会いたいスタートアップの起業家、CxO、人事担当者
【ハッシュタグ】#tcschool
【主催】 AOLオンラインジャパン
【内容】
18:00〜18:05 TechCrunch Japan挨拶
18:05〜18:50 講演セッション
須藤憲司氏(KAIZEN Platform共同創業者・CEO)
佐々木大輔氏(freee 代表取締役)
飯尾慶介氏(みんなのウェディング 代表取締役社長)
18:50〜19:30 パネルセッション「僕らが大企業を飛び出してスタートアップの世界に飛び込んだ理由」
パネラー:
須藤憲司氏(KAIZEN Platform共同創業者・CEO)
佐々木大輔氏(freee 代表取締役)
飯尾慶介氏(みんなのウェディング 代表取締役社長)
西村賢(TechCrunch Japan編集長)
19:40〜21:00 懇親会(アルコール、軽食も出ます)
【申し込み】イベントページから事前登録必須
【事務局連絡先】tips@techcrunch.jp

第1回TechLunch、3社のスタートアップが編集部に–5月からは月2回開催

4月10日に記事で案内したTechCrunch Japan編集部とスタートアップを結ぶランチ会「TechLunch」。募集開始から開催まで1週間しかなかったが、数十件の応募を頂くまでになった。応募頂いたスタートアップに感謝したい。

早速4月16日に開催した第1回TechLunchでは、東京・末広町の3331 Arts Chiyodaに、以下3社のスタートアップに来て頂いた。

・3.0incLive3」:「今夜何するか」を決めるために、当日のライブ情報などを配信するサービス。将来的にはチケット販売も予定。

・オープンロジオープンロジ」:小規模ECサイトなどを対象に、倉庫での商品保管から配送までを代行するサービス。5月にもサービスインを予定している。

・マスカチaorb」:表示される1つの画像が好みか苦手か、2つの画像のどちらが好きかをタップして回答していくアプリ。将来的にはマーケティングなどでの利用も検討する。

初回ということで少し準備に手間取ったが、当日はあいさつのあと、ランチをとりながらサービスに関する情報交換を実施。その後、3分間のプレゼンテーションと、質疑応答の様子を撮影させて頂いた。この内容は動画として紹介していく予定だが、第1弾となるオープンロジの記事を本日掲載しているので、是非チェックして欲しい。

さて今後のTechLunchなのだが、予想以上の応募を頂いたため、運営方針を変更して5月以降に継続することにした。まず今後の開催は毎月第2、第4水曜日としたい。次回の開催は5月14日、その次は5月28日の予定だ。応募は以前もお伝えしたページにて受け付ける。開催前週の前半にも応募頂いたスタートアップの中から2社程度に連絡させて頂きたいと考えている。

応募条件は前回お伝えしたとおり、法人登記後5年未満の起業家もしくは今後起業を予定する人物。参加者に対しては、11月に開催する「TechCrunch Tokyo 2014」内のプレゼンイベント「スタートアップバトル」への参加も呼びかけていきたい。TechLunchに興味を持った起業家たちは、まずは下記から申し込みをして欲しい。

TechLunch申し込みはこちらから

当日のプレゼンの様子


LINEはどのようにイノベーションを創出しているのか?–森川氏が掲げる3つの鍵

ITを核にしたビジネスで世界を変革させる国内外の経営者らが登壇する「新経済サミット2014」が4月9日から4月10日にかけて開催された。10日朝に行われたセッションでは、LINE代表取締役社長の森川亮氏、AME Cloud Ventures共同創業者のJerry Yang氏、Matt Wilsey氏が登壇。慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科特別招聘教授の夏野剛氏の進行のもと、「Accelerating the innovation」をテーマに語りあった。

ここではその中から森川氏が語った、LINEがイノベーションを創出するために重視している3つの「鍵」について紹介したい。

その1:意思決定の仕方について

森川氏がイベントに登壇する際やメディアへのインタビューに答える際にもよく話していることだが、LINEでは、長期の事業計画を立てないのだという。「昔はある程度決まったことを推進して成功する、まっすぐな道があった。しかし今は道が曲がりくねって先が見えない」(森川氏)。

特に日本企業は計画通りに物事が進まないことに違和感を持つが、世の中の変化についていくためには、そういった計画の通りに時間をかけることはできない。そのため、「3カ月先とか、身近なところを見て意思決定をする」のだという。

その2:組織の作り方について

何か決まった物事をトップダウンで動かすのではなく、常に物事に対して柔軟に対応できるように考えているという。

森川氏はこれを「サッカー型」の経営だと説明する。日本企業は野球型——先攻後攻が決まっていて、打順も決まっている——の経営をしていることが多いが、LINEでは、サッカーのように監督はいるがフィールドで意思決定をすることが多いのだと語った。ただし、バラバラに動いている訳ではなく、現場のリーダーがいかにその瞬間瞬間に意思決定できるかが重要になるという。「開発、デザイン、企画がコラボレーションしながら、分厚い仕様書でなく、リアルタイムで意思決定してモノを作っていく」(森川氏)

その3:サービスの考え方について

実はLINEでは、あまり会議をしないのだそうだ。森川氏は「(話し合うことで)アイデアを伸ばすことは必要だが、偉い人と会議をすると角が取れて丸くなって、良くも悪くもないものになる」と語る。

最終的にサービスの善し悪しを判断するのは経営者ではなくユーザーだ。そうであれば、作り手が考える「やるべきこと」「作りたいもの」ではなく、ユーザーが潜在的に求めているものをいかに顕在化させるかが大事になる。プロダクトを提供して、ユーザーの反応が見えれば、素早くニーズに合わせて形を変えることも大事になる。

このほかにも森川氏は「Aか、Bか」という形式で、イノベーションが起きる環境について持論を語ってくれた。

大企業か、ベンチャーか
昔ならば、体力のある大企業のほうがイノベーションを起こせたのかもしれない。しかし今は企業規模の大きい小さいではなく、変革を起こせるメンバーが居て、彼らのための環境があるかどうかが重要だ。

森川氏は現在イノベーションを起こすことに成功した事例について、「既存のプロダクトを持っており、それを壊すような正反対の性質を持ったプロダクトであることが多いのではないか」と指摘する。しかしそんなプロダクトを作ろうとすると、「内部に邪魔する人がいて、調整が必要になる」(森川氏)とのことなので、結局小さい組織が早く成長すると考えているそうだ。とにかく速いスピードでユーザーに価値を提供できることが重要となるという。

人か、金か
当たり前だが、もちろんお金は大事だ。ただしイノベーションはお金が起こすのではない。人が起こすものだ。アイデア、技術、スピード、すべての鍵は人にある。

また、イノベーションを起こすのは「頭のいい人」ではなく「変わった人」。こういった人をいかに受け入れるかも重要だとした。

サービスか、利益か
前述の金ではないが、当然利益も必要だ。しかしそれよりも大事なのは利用者へどう価値を提供するかだという。「これは投資家にも理解してもらいたい」(森川氏)。そして経営者は価値創造に注力すべきだとした。

技術か、スピードか
技術面での差別化は重要だが、つまるところは前述のとおりで利用者に価値を提供しているかどうかにある。特に技術者出身の経営者は技術を愛しすぎてしまいがちで成功しないケースがある。そして後発の会社がその要素だけをもってして成功してしまうケースもある。

潜在的なニーズをいかに顕在化するか。そこにまず求められるのはスピードだとした。


TechCrunch Japan編集部と起業家を結ぶランチ会「TechLunch」を始めます

2013年7月の編集長交代以降、日本国内の編集体制も強化してきたTechCrunch Japan。2014年に入ってからは、平日夜のイベント「TechCrunch School」も開始するなど、オンライン、オフラインを問わずに読者との接点作りを進めてきた。そんな編集部だが、今度は起業家とよりリアルな接点を作るべく、起業家限定のランチ会「TechLunch(テック・ランチ)」を定期的に開催していくことにした。

TechLunchでは、まだTechCrunch Japan編集部と接点のない起業家、新しいプロダクトを世の中に紹介したいと考えている起業家などを編集部に招待して1時間半ほどのランチミーティングをしていく。応募条件は、法人登記後5年未満の起業家、もしくは今後起業を予定する人物。1回3人程度の起業家にお声がけさせて頂きたいと考えている。応募多数の場合は抽選となる。

すばらしいプロダクトを手がけている起業家に対しては、11月に開催する「TechCrunch Tokyo 2014」内のプレゼンイベント「スタートアップバトル」への参加も呼びかけていきたい。また、プレゼンの様子は動画で撮影させて頂く予定で、内容によってはそのままTechCrunch Japanで掲載することも予定している(もちろんランチの場に限定した情報公開でも構わない)。

第1回は4月16日12時より開催する予定だ。今後は反応を見つつ、月1回程度定期的に開催していきたいと考えている。

なおTechCrunch Japan編集部は、東京・末広町(秋葉原からも徒歩数分だ)にある建物「3331 Arts Chiyoda」の中にある。この建物は中学校をリノベーションしたもので、アートスペースやコワーキングスペース、そして僕らが入居するオフィススペースなどがある。かつて運動場だった場所には大きな木が植えられ、緑も豊かでステキな場所だ。ちょっと情報交換をしつつランチしたいという起業家たちは、まずは下記から申し込み頂いて、気軽に遊びに来て欲しい。

TechLunch申し込みはこちらから