デジタル素材のマーケットプレイスを展開するピクスタがマザーズ上場へ

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ピクスタのコーポレートロゴ。PIXTA会員のクリエーターがデザインした

写真や動画などデジタル素材のオンラインマーケットプレイス「PIXTA」を提供するピクスタは8月10日、東京証券取引所マザーズ市場に新規上場を申請し承認された。上場予定日は9月14日で、証券コードは3416。

ピクスタでは上場にともなって、18万株を公募し、27万7900株を売り出す。ピクスタ代表取締役の古俣大介氏が5万株、取締役の遠藤健治氏が3万株、同じく取締役の内田広太郎氏が1万3000株、Globis Fund III,L.P.が9万8500株、Globis Fund III(B),L.P.が2万7700株、SocialEntrepreneur投資事業有限責任組合が5万3000株、関西インキュベーション投資事業有限責任組合が5700株をそれぞれ放出する。オーバーアロットメントによる売り出しは6万8400株。

公募・売り出し価格の仮条件の決定は8月26日、ブックビルディング期間は8月27日~9月2日。価格の決定日は9月3日。主幹事証券会社は野村證券となっている。

同社の2013年12月期の売上高は7億8232万円、経常利益は4645万円の赤字、純利益は4698万円の赤字。2014年12月期の売上高は10億6876万円、経常利益は9844万円、純利益は9053万円となっている。

ピクスタは2005年8月の設立(当初の社名は「オンボード」)。2006年よりPIXTAを展開してきた。

PIXTAはプロ・アマチュアのクリエーターがPIXTA上に素材を投稿して販売。代金の一部をPIXTAが手数料として徴収し、クリエーターに報酬を支払うというもの。当初は写真に限定してサービスを展開していたが、現在ではイラストや動画など様々なデジタル素材を購入できる。2014年度の数字では、素材点数が983万点、単品販売の月間購入者数の累計は17万人、平均月間単価は5979円となっている。また2014年からは定額制販売も開始しており、2015年度第2四半期時点の契約件数は435件となっている。

アジアを中心にした海外展開も進めており、2013年には英語版サイト(7月)と中国語版サイト(12月)を開設。同年11月にはシンガポールに現地法人、2015年7月には台湾支店をそれぞれ立ち上げている。

「内部統制の有効性に関して確認すべき事項を発見」健康・美容メディア運営のリッチメディアが上場取り消し

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東京証券取引所(東証)は8月6日、東証マザーズ市場への新規上場を承認したリッチメディアの上場承認を取り消した。東証では「同社の取締役会において、予定していた新株式発行及び株式売出しの中止が決議され、有価証券上場規程に定める形式要件を満たさないこととなったため」と説明している。

リッチメディアは「ヘルスケア大学」をはじめとする健康・美容情報を取り扱うメディアのほか、ヘアサロン予約サービス「Kamimado」、ヘアスナップSNS「HAIR」などを展開している。これまでにリンクアンドモチベーションやKDDI、日本アジア投資、みずほキャピタルなどが出資をしている。7月6日に上場が承認され、上場を8月10日に控えていた。

ではなぜリッチメディアは上場の要件を満たせなくなったのか? 同社コーポレートサイトでは、以下のようなアナウンスがされている。

平成 27 年7月6日及び平成 27 年 7 月 17 日開催の各当社取締役会において、当社普通株式の株式会社東京証券取引所マザーズへの上場に伴う募集株式発行並びに株式売出しについて決議いたしましたが、当社内部統制の有効性に関して確認すべき事項が発見され、本日開催の当社取締役会において、当該確認に時間を要するものと判断したことから、募集株式発行並びに株式売出しの中止と、それに伴う上場手続きの延期を決議いたしましたので、お知らせ申し上げます。

なお、今後の上場手続きの再開時期につきましては、当該確認の結果を踏まえ、状況を慎重に見極めたうえで総合的に判断する予定です。

こういったケースはそうあるわけではないが、例えば2012年にはジャパンケーブルキャストが「コンプライアンス体制の有効性に関して確認すべき事項が発見され、当該確認に時間を要するものと判断した」として、同様に上場を取り消している。

リッチメディアの発表では「内部統制の有効性に関して確認すべき事項」があったということなので、財務報告の信頼性や法令遵守などに関わる課題が出てきたと見るのが妥当だろうか。

承認後に上場を取り消す理由とは

ここからはリッチメディアの話ではないが、これまでに上場を承認された会社が上場を見送ることになったケースについて紹介しておく。

まずは雇用や労働に関する課題が上場承認後に見つかるケースがある。上場審査の過程では、コーポレートガバナンスや内部管理体制の有効性などが厳しく審査される。しかしその審査を通過しても、あとから元従業員が「以前にこの会社パワハラを受けた」「賃金の未払いがある」なんて内容のメールやファックスが証券取引所や主幹事証券会社に送ればどうなるだろうか。その体制の見直しが求められるだろう。

また、事業上のトラブルに起因するケースもある。2006年にはゲームオンが上場を取り消しているのだが、この背景には顧客情報流出事件があった。同社は上場の約1カ月前、自社で運営していたゲーム情報ポータルサイトにおいて、新規登録ユーザーに対して、本人のメールアドレスとパスワードに加えて他のユーザーのメールアドレス・パスワードを記載したメールを送ってしまい、3900件近い情報が流出したのだという。これを受けて「内容を確認するとともに、投資家に周知徹底することが必要と判断した」とアナウンスし、上場をいったん取り消すことになった。ほかにも2011〜2012年には、東日本大震災や当時の市場状況を鑑みて上場を中止するというケースもあった。

上場後に株価が上がらない企業を揶揄して「上場ゴール」なんて言うことが増えたが、そもそも上場自体が大変なことを忘れてはいけない。市場と向き合うには信頼性や健全性が求められるということだろう。

アプリ分析サービスや決済サービスを手がけるメタップス、8月28日にマザーズ上場

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アプリ分析サービスを中心に事業を展開するメタップスが7月24日、東京証券取引所マザーズ市場への新規上場申請を実施し承認された。上場日は8月28日、証券コードは6172。

同社は上場にともない115万2000株を公募し、157万8000株を売出す。オーバーアロットメントによる売出しは27万3000株。主幹事証券会社はSMBC日興証券。価格の仮条件決定日は8月12日。ブックビルディング期間は8月13日〜8月19日まで。公開価格決定日は8月20日。

メタップスはアプリ分析・収益化サービス「metaps」を中心に、決済サービス「SPIKE」、ロボット開発者マネタイズ支援の「Metaps Robotics」などを提供する。

メタップスの創業は2007年9月(当時の社名はイーファクター)。当初はSEOや共同購入クーポンなどの事業を中心にしていたが、2011年からは前述のmetapsの事業を開始。社名もメタップスに変更。2011年以降はシンガポールやアジア圏、米国サンフランシスコにも進出している。2015年2月にはFenox Venture CapitalおよびFidelity Growth Partners Japanなどを引受先とした総額43億円の資金調達を実施。あわせて元金融担当・経済財政政策担当大臣の竹中平蔵氏をアドバイザーに迎えた。5月には、スクウェア・エニックス元社長の和田洋一氏を社外取締役に迎えている。

メタップスの連結業績は2013年8月期が売上高が13億167万円、経常利益は205万円の赤字、純利益は1226万円。2014年8月期は売上高22億6507万円、経常利益は5億1013万円の赤字、純利益は5億1081万円の赤字となっている。単体での業績は2013年8月期が売上高10億3617万円、経常利益は1979万円、純利益は3410万円。2014年8月期が売上高9億9679万円、経常利益は4億939万円の赤字、純利益は4億969万円の赤字となっている。

今回の上場承認を受けてか、メタップス代表取締役の佐藤航陽氏は自身のTwitterで「時間だ、始めよう。」というツイートを残している。

 

IPO企業数増加、公開時パフォーマンスも好調―、JVRが2014年の調査結果を公表

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「上場ゴール」という本末転倒な上場案件を憂う声が各方面から聞こえてくる昨今だが、ジャパン・ベンチャー・リサーチ(JVR)が今日発表したレポートによれば、gumiのような一部の事例をのぞくと、2013年、2014年と、IPO企業は数の点でもパフォーマンスの点でも上向きのトレンドにあるようだ。

国内新興市場での2014年のIPO企業の社数は80社と、2013年の58社から37.9%増加。2007年のライブドア事件後に続いた新興企業の不祥事により投資家離れが始まり、2009年のリーマン・ショック時にIPO件数は底を打った。しかし、まだ2004〜2006年の半数のレベルとはいえ過去5年は一貫してIPO件数は増加傾向にある。

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2009年の谷の前後にあたる2007年から2012年の6年間では、公募による資金調達額がIPO前の資金調達額を下回っている。つまりIPOするメリットが出にくかったが、この傾向も2013年からは逆転。2013年には1.37倍、2014年には1.44倍と資本市場からの調達額が上回り、IPOすることにメリットが出る傾向が続いている。

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IPO時のパフォーマンスということでいえば、初値PER、初値時価総額とも2006年以降で最高値となっていて、2013年でPERは約50倍、2014年で約63倍となっている。

スタートアップ界隈にとって朗報といえるのが、公開後の株価の推移を示す初値騰落率が、一昨年、昨年と高水準にあること。2006年から2012年までは50〜60%と100%割っていたものが、2013年、2014年と125%、126%と推移している。IPO前の時価総額と初値時価総額の比は、4.77倍(2013年)、4.58倍(2014年)となっていて、これは最終ラウンドの資金調達で投資ができていれば、IPOによってVCが4倍や5倍のリターンを得られることを示している。

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良い意味で、VCが儲かる構図に

甘い売上予測や上場審査で株価が一時だけ過剰に上がり、結局はその瞬間に売り抜けたVCや証券会社だけが得をして個人投資家が損をするという資本市場の信頼性を損なう動きがあったのだとしたら、「VCが儲かる構図」というのも否定的なニュアンスを帯びてくる。しかし、スタートアップ企業にリスクマネーを投資する主体であるVCが儲からないようでは、エコシステムとして活性化しないのだから、これは歓迎すべき傾向だと言えるだろう。2008年や2009年だとせいぜいIPO前の2倍程度の時価総額にしかならない上に、ロックアップ期間の3カ月を抜けたときにはリターンが残らない状況だった。そういう状況に比べれば、IPO市況は良いと言えそうだ。

ところで、新興市場の浮沈を見てきた証券市場関係者や投資家、経営者に話を聞いていると、その多くが口を揃えるのが上場審査厳格化の必要性だ。といっても上場ハードルを上げろという話ではない。むしろ取引所の審査体制の「正常化」という意見であることが多い。スタートアップ企業や経営者が背伸びをするのはある意味では当然だし、証券会社に新規上場数を増やすインセンティブがあるのも自明だ。となれば、いつでも黒字化できる体制にあるなり、安定したビジネスモデルを築くなりしている企業かどうか、それをゲートキーパーとしていちばん注意して見るべきなのは、上場審査をする取引所ではないのか。いくつか問題が連続して発覚したからといって証券会社や監査法人、まして経営者に注意喚起をするだけでは困る。これでは部下のミスを叱りつけるだけで自分では重たい仕事をやろうしないイケてない上司みたいではないか、ということだ。

ともあれ、一部の企業の業績の「盛りすぎ」や、情報開示方法の問題によってIPO市場や新興市場が冷え込まなければ、と心配するのは、ほとんどの関係者の声であるのは事実。こうした中で考えると、今回のJVRの調査は明るい材料と言える。資本市場、特に新興市場が健全に機能して、社会に必要な変革の力が日本に満ちることをメディアの立場からも願ってやまない。

下方修正や不適切な取引などIPOを巡る問題、JPXが異例の対応発表

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日本取引所グループ(JPX)は3月31日、新規公開(IPO)会社経営者による不適切な取引など、株主や投資者の信頼を損ないかねない事例が散見されるとして、異例とも言える対応策を発表した。

JPXが発表したのは次の3点だ。

1.新規公開会社の経営者による不適切な取引への対応
経営者の不適切な取引について、上場審査を強化
上場申請会社の経営者・社外役員等に対して、不適切な取引防止のための啓発セミナーを実施

2.上場直後の業績予想の大幅な修正への対応
上場時に公表される業績予想について、前提条件やその根拠の適切な開示を要請(上場直後に業績予想の修正開示を行う場合には、それらに関する特に丁寧な説明を要求)

3.上場時期の集中への対応
上場予定時期について、東証における集計及び周知を通じて全体日程を共有し、集中緩和を要請(2014年は年間計80社のうち28社が12月に上場している)

上場から3カ月もたたずに業績予想の大幅な下方修正を発表したgumiを思い浮かべるかもしれないが、同社に限った話ではない。日本経済新聞の報道にもあるように、エナリスの不正会計やジャパンディスプレイの3度にわたる下方修正だって記憶に新しいところ。また2014年11月にはみんなのウェディングが「実体の伴わない売上が含まれていた」なんて開示をしていた。

JPXでは、あわせて日本証券業協会や日本公認会計士協会を通じて、証券会社や監査法人あてに協力の要請を行っている。その文面には以下のような文言が並んでいる。

(日本証券業協会向けに)対応の実効性の確保には、引受証券会社における適切な上場指導及び引受審査の実施を欠くことができません。貴協会では、新規公開における引受審査に際し、経営者の法令遵守に対する意識や、利益計画の策定根拠の妥当性などについて厳正な審査を行うよう引受証券会社に求めておられますので、昨今の動向を踏まえ、引き続きお取組みくださいますようお願い申し上げます。

(日本公認会計士協会向けに)新規公開会社の経営者による不適切な取引への対応の実効性の確保には、とりわけ公認会計士及び監査法人における適切な監査の実施や不正リスクへの適切な対応を欠くことができません。監査の品質確保を担う自主規制機関のお立場として、監査実務の点検や実効性の確保に引き続きお取組みくださいますようお願い申し上げます。

gumiの下方修正はスタートアップに何をもたらすのか

2015年4月期 第3四半期決算の開示日前日である3月5日に営業赤字となる大幅な下方修正を発表したgumi。同社は海外展開をはじめとした今後の方針について説明し、代表取締役である國光宏尚氏の役員報酬を6カ月間100%減額(ゼロ円)にするとした。

3Q決算は純利益が2億2500万円の赤字に

gumi代表取締役社長の國光宏尚氏

3月6日に開示された2015年4月期第3四半期業績は、売上高が206億2100万円、営業利益が4億2000万円、経常利益2億9200万円が、純利益が2億2500万円の赤字となった。

gumiは決算と合わせて金融機関から30億円の借入を実施したと発表している。3月6日の株価は前日比500円減で2081円のストップ安。時価総額は603億7900万円となった。

上場前にTechCrunchで取材した際は「クソみたいに小さいIPOはすべきではない」と語っていた國光氏。ソーシャルメディアやオンライン掲示板には、「VCや役員が上場時に株式を売り出していて、何かあると思っていた」「國光氏は報酬ゼロとは言え上場時に12万株を売り出して4億円近くを得ている」「買い支えている株主を見ていないのではないか」など、厳しいコメントが並ぶ。

僕もさすがに上場3カ月でのこの発表には驚いたし、本来「速やかに開示する」とされている下方修正が決算日前日に開示されたことに違和感は感じた。

そのあたりをどう考えているかという話は来週開催の決算説明会でも聞けるはずだ(今日はアナリスト向けのミーティングだけ開催されたようだ)。また同時に、gumiが叩かれていたとしても、ここで終わる訳ではないだろう。

gumiでは新タイトルやパブリッシング事業での業績回復を狙っていると発表している。また業界関係者からは、ゲーム以外の領域、例えば動画などに重点を置いた投資の準備をしているという話も聞こえてくる。

さらに、ゲームであればヒットタイトル1つで大きく流れも変わるはずだ(ヒットタイトル依存の体質がいいかどうかは別として)。2013年、業績不振だったミクシィだって、追い出し部屋を作ってリストラ(同社は「リストラではなく人事異動」と説明している)をしたが、その後ゲーム「モンスターストライク」で業績を大きく回復させている。

今後の新規上場はどうなる?

僕がgumiの業績以上に気になったのは、同社の下方修正が結果的に新規上場にどんな影響を与えるかということだった。

そこで投資や金融サイドの複数関係者に接触したところ、いくつかの話を聞くことができた。

まず1つ、実は昨年後半から上場審査に通らない企業が増えつつあるのだそうだ。ある関係者は「gumiは上場直前の2014年9〜12月時点で業績が下降トレンドに入っていた。そんな状況で主幹事証券会社(野村證券)が東京証券取引所に上場を押し込んだようなもの。そういった背景もあってゲームやウェブサービスに関わらず、公開審査で予実管理の審査を厳しくする傾向にあるようだ」と語る。

ちなみに今回のgumiの件とつながりがあるかは分からないが、野村證券は3月3日付けで公開引受部の人材を含めた人事異動を発表している。

gumiの決算資料。2015年4月期1Q以降、売上は減少傾向に

また別の関係者は「2006〜2007年頃の新興市場に似ている」と振り返った。メンバーズやフラクタリスト(現在は吸収合併ののちユナイテッドに)など、当時名証セントレックスや大証ヘラクレスに上場した企業は、初年度に相次いで下方修正を発表している。

関係者は「当時は事業基盤より今後の成長性を期待して上場するというケースが少なくなかった。だが各社軒並みに下方修正した結果、証券会社の審査が厳格化。2007〜2008年の新規上場数が下がることになった」と語り、来年以降の上場数が減る可能性を示唆した(ちなみに新規上場数は2006年が114社だったが、2007年は68社、2008年は54社と減少している。また2009年は23社と大幅減になったが、これは2008年9月に起こったリーマンショックの影響が大きいとみられる)。

さらに「自戒も込めて言うが、日本のベンチャーキャピタルまわりには浮ついた空気はあったかもしれない」「こういう状況で最終的に損するのは投資家。そうなるとIPO銘柄への信頼が揺らぐことになる」「ゲームセクターに対する市場の見方が厳しくなるのはやむを得ない」「マーケット全体に影響は少ないかも知れないが、IPO時のバリュエーションが下がることは想定される」とそれぞれ語る関係者がいた。

関係者に共通する意見としては、「上場はその企業や彼らに出資したベンチャーキャピタルにとっては1つの出口かも知れないが、ゴールではない。上場すれば、市場や投資家とも向き合わないといけない」ということだった。

すでに証券会社で審査を受けている企業にはまだ直接的な影響はないかも知れない。だが来年以降に上場を目指すスタートアップは、ここからその真価が問われることになりそうだ。


gumiが大幅な下方修正、黒字から一転し営業赤字4億円に

2014年12月、東証1部市場に直接上場したgumi。2013年7月にサービスを開始したスマートフォン向けゲーム「ブレイブフロンティア」はこれまで60カ国以上で配信。ダウンロード数は2015年1月時点で国内500万件、全世界合計2000万件を達成している。

そんな同社が3月5日、2015年4月期業績の下方修正を発表した。修正後の予想は、売上高は265億円(前回予想は309億7200万円)、営業利益は4億円の赤字(同13億2900万円)、経常利益は6億円の赤字(同12億7700万円)。純利益はゼロ(同8億800万円)としている。

海外でブレイブ フロンティアや新規タイトルの売上計画が未達となったほか、 パブリッシングサービスの立ち上がりが遅延したことなどが影響したとしている。今後は既存タイトルおよび新規タイトルでの売上増と海外展開の加速、コストの合理化などを進め、業績回復に努めるとした。

この責任を取るかたちで、gumi代表取締役社長 國光宏尚氏は役員報酬を3月からの6ヶ月間100%減額(つまりゼロ円に)する。同社では3月6日に第3四半期の決算を開示する予定だ。


29年前、Microsoftは上場申請書中でおそるおそるWindowsなる新製品に言及

Microsoftは今から29年前、1985年11月20日にWindowsをリリースした。Microsoftは1986年3月13日に上場している。つまりMicrosoftは最初のWindowsを市場に送り出して数カ月後に株式も公開したわけだ。

今日まで私はWindowsと上場がこれほど近い時期に行われたとは気づいていなかった。もっとも私はそのころまだ生まれていなかったのだが。

それはともかく、MicrosoftのS-1(上場申請書)を読むと愉快な文章に行き当たる。今日の巨大企業がまだごく小さかった頃を後知恵という利点を生かして回顧するのはなかなか面白い。

MicrosoftのS-1ではその後30年以上にわたってテクノロジーの世界に絶大な影響を与えることになる新製品を次のように説明している。

1985年11月20日にMicrosoftはMicrosoft MS-DOSオペレーティング・システム上で作動するグラフィカル・オペーレティング環境であるMicrosoft Windowsを出荷した。MS-DOSのエクステンションであるMicrosoft Windowsはキーボード、スクリーン、プリンターなどのハードウェアを制御する。この製品はアプリケーション・プログラムを、個々のビデオその他出力装置とは独立に、標準的あるいいはグラフィカルに表現することを可能にする。 Microsoftはサードパーティーのソフトウェア開発者に対し、Micorosoft Windowsのグラフィカル・インタフェースを利用したアプリケーションの開発を推奨している。Lotus Developmentは最近、Windows上で作動するアプリケーションの開発に興味を示している。Microsoft自身の新しいアプリケーション・ソフトウェアは今後Microsoft Windowsベースとなる。現時点ではMicrosoft Windowsが市場においてどの程度の普及をみせるかまだ推測することはできない。

なるほど。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


早期出資者が明かす、Alibabaの進化から得た教訓

GGV Capitalの共同ファウンダー、Thomas NgとJoel Kellmanは、1999年にJack Maと知り合った。Alibabaが中国、杭州の小さなアパートの一室でスタートしたばかりのことだった。

15年後、GGVの共同ファウンダーでマネージング・ディレクターのHany Nadaは、彼のパートナーの投資がもたらした成果に驚嘆するしかなかった。もはやその会社の運命を左右する存在ではなくなったが、GGV CapitalはAlibabaの黎明期を知る証人であり、いかにしてJack Maが、その買い手と売り手のためのマーケットプレイスを、ウェブサービス、支払い、Eコマース ,オンライン・ツー・オフラインショッピング、モバイルOSへと拡張し、さらには相乗りサービス会社、オンラインビデオ会社、音楽ストリーミングサービス等々に投資するまでに育ててきたかを見てきた。

「初めてJackと会った時、彼のビジョンは出来る限りパイを広げることだった」とNadは言う。それは、Maが一起業家としての初期の日々から、ニューヨーク証券取引所のフロアーへと登りつめるまで持ち続けた気持ちだった。MaはCNBCのインタビューに答えてこう言った。

「今日私たちが得たものはお金ではなく、人々の信用だ。何百万ものスモールビジネス、そして数多くの株主たち。今この株主の人たちを前に、今後5年、10年、彼らを間違いなく喜ばせることの責任を、光栄に感じ、また感動している。

GGV Capitalは当初Alibabaに投じた800万ドルを40倍に増やした。AlibabaはGGVの初期ファンドの配当を出資額の4倍に伸ばした(Alibabaがいなくても2.5倍の配当はあった)。

Nadaによると、Maが彼の顧客に対するビジョンを、他の幹部やパートナーへも拡大したことが、この結果を生んだという。

そこには、AlibabaとYahooの少々騒がしい関係もあった。Yahooが2005年に行った10億ドルの投資についてNadaは、欧米企業による中国に対する最も成功した投資だと考えている。

「中国に進出しようとした殆どのIT企業は・・・やり方を間違えていた」とNadaは言う。「何億ドルをも費しては、地元のライバルにしてやられていた。

Yahooは非常に鋭い観察によって成功を収めたが、それは同社が中国市場参入のために強力なパートナーを立てるという決断だった。「Alibabaから得た最大の教訓は・・・もしアジアで成功したかったら、YahooがAlibabaで行ったような戦略的投資を通じて行わなければならないことだ」

Nadaは、海外企業が中国で強い牽引力を得ることは難しいという。なぜならこの国のエコシステムがあまりにも保護されているからだ。しかし中国企業も、国による文化の違いのために、国際市場への参入は同じように難しい。はっきりしているのは、Maと彼の経営チームは米国の動向調査を始めたばかりだということだとNadaは言う。

「彼らは米国で何十もの投資をしてきた。上場したものも、そうでないものもある・・・まだ彼らは本格的な攻めに入っててはいない。ひとたび答を見つけてビジョンを追及し始めれば、彼らは実行するだろう。実行するなら何か大きなことを」

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


クソみたいに小さいIPOはすべきではない–gumiが50億円を調達した理由

ソーシャルゲームの開発とパブリッシュを手がけるgumiが、WiLなどを割当先とする総額50億円の資金調達を実施した。日経新聞の報道や関係者からの話を総合すると、gumiの2014年4月期決算は、子会社エイリムのゲーム「ブレイブフロンティア」が好調で売上高が100億円超になっているという。また調達の発表後には、ブルームバーグにて年末にも東証1部に上場するという報道もなされた。

そんなgumiの今後について、代表取締役社長の國光宏尚氏と、WiL共同創業者でジェネラルパートナーの松本真尚氏の2人に話を聞いた。

3つの機能を持つWiL

WiLの設立は2013年8月。今回話を聞いた松本氏に加えて、元ベンチャーキャピタルDCMの伊佐山元氏、元サイバーエージェントの西條晋一氏が立ち上げたベンチャーキャピタルファンドだ(ちなみに松本氏は自身の会社の買収合併に伴いヤフーに参画。CIOを務めた)。全日本空輸やソニー、日産自動車などの大手企業、産業革新機構などを中心に、3億ドルという大規模なベンチャー投資ファンドを立ち上げている。gumiへの出資について話を聞く前に、まず松本氏にWiLの目的やミッションを聞いた。

–gumiのほかにもトライフォートやトレタなどがWiLのファンドからの資金調達を発表しています。あらためて投資スタンスを教えて下さい。

松本氏:WiLではすでに日米両国で複数の企業に投資しています。米国で2社ほど、日本で6社ほどです。米国では、例えばOculusと同じ大学で仮想現実を研究していたスタートアップ(Surviosと思われる。詳細はこちらの記事を参照)などに出資しています。

WiLは3つの機能を持っています。まず1つめは日米でのベンチャー投資です。日本からは世界で戦える産業に挑戦しているスタートアップに、また米国であれば日本に進出できるようなスタートアップに投資をしています。

2つめはビジネスクリエーションです。ビジネスクリエーションと言っても、プロダクトをゼロから作るというよりは、カーブアウトを考えています。実は大企業のR&D部門には、たくさんの特許やサービスが使われずに眠っています。さまざまな企業でお蔵入りしたプロダクトを組み合わせていったら面白いことができるという可能性がありますよね。

そのため、今は企業のR&D部門の方と毎週のように会っています。今僕らの時間の使い方は、ベンチャー50%、大企業(のR&D部門)50%くらいになっています。基礎技術だったりするので、今日明日どうこうするというスピードで進めている話ではありませんが、チームビルドも含めて我々がやり、カーブアウトさせるということをやっていきます。

3つめは日本のベンチャーの底上げをしっかりするということです。とは言ってもインキュベーション、アクセラレーションという形でサポートをする人たちは増えてきていますし、そこをやるつもりはありません。

日本のベンチャーの底上げと考えると、ヒト・モノ・カネを持っている大企業を通してベンチャーが世界に飛び出すということが大事です。そういうこともあって、実はLP(リミテッドパートナー:有限責任のファンド出資者、出資企業)の社員を我々のシリコンバレーオフィスに受け入れていたりします。そこでベンチャーのビジネスプランを考えたり、技術評価をしたりしています。エデュケーションとまではいかないのですが、底上げに向けた動きはしています。ただいずれにしても僕らは基本的にPRはあまりしていません。VCは裏方じゃないですか。

–gumiへの投資を決めた理由について教えて下さい。

松本氏:國光さんがこのあと話してくれると思いますが、「グミノミクス」ですよ。(國光氏がTwitterに投稿していた内容を挙げて)時価総額8兆円を実現してくれると思っています(笑)

冗談はさておいて、國光さんはストラテジストなんです。それに、イーロン・マスクやスティーブ・ジョブズにはなれないと思いますが、実は孫さん(正義氏)には性格が近いところがあります。それは7割方ものごとができあがると、ゴールに向かって進んでいくところです。「ここは勝てる」となった時にアクセルをかけるということをやってのけるし、ダメだとなった時にはすぐに軌道修正もする。しっかりしたボードメンバーもいるし、自社ゲームアプリの一発勝負ではなく、グローバルでゲームのパブリッシングもやっている点も評価しています。

gumiの成長戦略「グミノミクス」

–先ほど松本さんの話にあったグミノミクスについて教えて下さい。

國光氏:グミノミクスはgumiの成長戦略のことです。例えば2年前にはブラウザゲームからネイティブゲームへの移行、海外進出、内製アプリのヒットといったことを指針に掲げていました。

今最新のグミノミクスの指針は3つあります。1つめは「Conquer rest of the world」。ヨーロッパやロシア、中南米など、まだリーチしていない地域をどう攻めるかということです。

今gumiには、国内外合わせて800人弱の社員がいます。国内と海外の比率で言うと、半分は海外です。まだ場所は言えませんがさらに海外も拠点を拡張します。ブレイブフロンティアは現在15言語で展開していますが、こちらは年内にも全世界で展開していきます。

またgumiは自分たちでゲームを作るデベロッパーであり、他社のゲームを世界に展開するパブリッシャーでもあります。デベロッパーとしては、前述のとおり拠点を作っているところです。世界中でいい人材が居れば、チームごと引き抜いてきます。M&Aはやりません。M&Aしても買った会社に価値があるのではなくて、チームが大事です。人に投資しないといけません。

パブリッシャーはとしては取りあえず各国でゲームを出してみて、数値がよければ本格的に進出するという形で展開しています。多くのパブリッシングビジネスは、自分の国の小さいデベロッパーのコンテンツをパブリッシャーが出すことがメイン。金もある、ユーザーもある、と言ってくる。ただしgumiではグローバルでマーケティング、運用といった体制があります。最近ではセガとも組みましたが、我々はクロスボーダーでのパブリッシングに強いという大きい特長があります。

グミノミクスの2つめですが、「ミッドコアゲームへの注力」です。例えば韓国などはカジュアルが好調ですが、もう少しコアなゲームにもチャレンジしていきます。ブレイブフロンティアは世界でもいけると思えたので、パブリッシングゲームでもそこを狙っていきます。

そして3つめは、引き続きヒット作品を出すということです。

クソみたいに小さいIPOはすべきではない

–年内上場という報道もあります。gumiはこれまで何度かIPOの噂もありましたが、改めてIPOについてどう考えているか教えて下さい。

國光氏:gumiの目標は「ゲームで世界一をとる」ということがダントツです。そう考えるなら、たとえ年末にIPOできてたとしても、「攻める」ための資金を集めるには遅いじゃないですか。それがあっての今回の資金調達です。IPOはしかるべきタイミングでと考えています。

松本氏:IPOから逆算するようになると、世界一は実現できないでしょう。Dropboxだって上場のためにお金を集めるわけではないです。そしてFacebookだってTwitterだってずっと赤字でした。中途半端な上場をするくらいならしない方がいい。

國光氏:ここは声を大にして言いたいんですが、クソみたいに小さいIPOはすべきではないんですよ。

IPOするといろんな情報を公開していかないといけないし、計画を大きく変えることには問題が出てきます。そうなると、少なくとも売上はIPO後2年間は右肩上がりになるようなビジネスモデル、そして組織力が必要になります。

そこを考えるとgumiの戦略はシンプル。どんなに行っても日本のマーケットはいつかは底を打つことになります。それで我々は海外に展開しています。グローバルのゲーム市場はまだまだ右肩上がりです。

IPOまでに考えないといけないのは、グミノミクスとしても話しましたが、デベロッパーとしての「(ブレイブフロンティア以外という意味で)アナザーヒット」と、パブリッシャーとしての成功です。

そしてそのヒットを出すための公式は「打席数(金)×打率(人材とIP)」です。お金があっても、人材がいないと始まりません。また、すべてのゲームをIPものにするつもりではないのですが、IPには金がかかります。打席数を増やす、IPをとる、とすべてお金が必要です。いざ何かをやろうとしたタイミングに(今回の調達で)お金を持っている必要があります。

–すでに國光さんは自社の株式をすで3割切る程度しか持っていないとも聞きました。

國光氏:あくまで最優先するのは世界一。自分の持ち株比率は、それより優先度が下になります。株式が希薄化してもお金を集めるというのにそれほど躊躇はありません。ただし、意思決定のために個人筆頭(株主)であることはこだわっています。

松本氏:シリコンバレーでは多い考え方ですよね。会社としての成長に重きを置くというのは。

創業社長がずっと社長である意味はありません。ナンバーワンになることを最優先するなら、ステージステージで最適なボードメンバーが必要です。そうなると社長が國光さんじゃないかも知れない。自分の会社を大事にしたいのか、会社を世界一にしたいのか。例えば後者であれば、みんなが認めたバトンタッチであればいいのではないでしょうか。しかしながら日本ではあまりそういう考え方がありません。

–すべてのゲームとは言いませんが、この30年盛り上がっていたコンシューマ機からスマートフォンへの移行があります。ではスマートフォン中心のゲームビジネスはどれくらい続くと見ていますか?

國光氏:エンタメ産業の市場規模は結局のところ「可処分所得×人口」で決まります。これはなくらないし、市場規模だってきわめて安定している。それを誰が取っていくかの話だと思っています。

国内でいくと2、3年でスマートフォンゲームの市場は成熟化するでしょう。そこからはデバイスの進化に合わせて、5〜10年というところではないでしょうか。

ですが海外では、今まさにスマートフォンが普及し始めて、世界中が豊かになっているところです。向こう5〜6年は完璧な右肩成長が続くでしょう。先進国でこのペースであれば、新興国を含めると10年は伸びていくでしょう。

その後はスマートフォンやタブレットに続き、スマートTV、さらにはOculusのようなデバイスを使ったゲームも出るでしょう。そんな中でどんな手を打つかです。gumiが目指すのはエンタメの世界一です。例えばブレイブフロンティアだってタブレットやスマートTVでも出すし、コンシューマ機でだって出すし、アニメも映画も興味あります。例えばディズニーのミッキーマウスのように、ありとあらゆるところにプロダクトを出すイメージがあります。

あと、Eトイなんかは挑戦したいと思っています。テクノロジーは進化しています。時代ごとに、ハードとの連携なども考えていかないといけません。そこに手を打っていないと、一気に環境が変わったときに対応できなくなります。gumiはこれまで3回ピボットして、3回会社がつぶれかけたのですが、それでも生き残れてきたのは会社のビジョンで言っている「勝つためには誰より早く挑戦して、誰より早く失敗して、誰より早く復活する」ということをやれたからです。

松本氏:國光さんの、gumiのいいところは「無形資産に投資している」というところもあります。皆さんコンテンツではなくプラットフォームに挑戦をするので、いざそれをスイッチングしようとしても硬直化してしまいます。ですがディズニーだって無形資産、コンテンツです。それでさまざまな形でユーザーの可処分時間を取っています。

プラットフォームは変わって当たり前、ゲームにこだわらなくていいんです。gumiはこれまでのピボットでSNSもブラウザゲームも捨ててきました。いつかはネイティブアプリのゲームも捨てられるでしょう。そうして例えばリクルートのように「イズム」を作る会社になれば、100年だって続いていくはずです。


GoPro、S-1上場申請書を提出―2013年の売上高は9億8570万ドル、前年比87.4%アップ

今日(米国時間5/19)午後、GoProはSEC(アメリカ証券取引委員会)にS-1上場申請書を提出した。それによると、同社は上場によって公開市場から1億ドルの資金を調達する計画だという。上場先はNASDAQで、略号はGPROとなる。

GoProの事業拡大のスピードは印象的だ。2011年の売上高が2億3423万ドルだったのに対して2012年には5億2601万ドル、2013年には9億8573万ドルに急成長している。

GAAP利益も急上昇中だ。2012年に3226万ドルだった利益は2013年に6057万ドルと2倍近くアップした。GAAP基準とはまったく異なるが、2013年のEBITDA利益は1億3372万ドルだった。

GoProカメラの販売台数については2011年が114.5万台、2012年が231.6万台、2013年が384.9万台だった。

順調な数字が並ぶが、懸念される点がゼロというわけではない。2014第1四半期は2013年の同期と比べて精彩を欠いた。今期の売上は2億3571万ドルと、前年同期の2億5505万ドルからわずかにダウン、利益も2013年第1四半期の2303万ドルから1104万ドルに減少している。

他のS-1申請書同様、GoProも投資家に対し、「近年の売上の伸びは将来の成長を約束するものではない」と断っている。 これはS-1申請書に必ず挿入されるの決まり文句だが、同時に真実でもある。投資家は基本的な急成長と、今年第1四半期の急ブレーキのどちらが長期的に影響するものか慎重に見極める必要がある。

いずれにせよ10億ドルに迫る売上高とGAAP利益の数字からしてGoProが巨大優良企業であることは疑いない。毎日、同社のGoPro Studioには2万本、YouTubeには6000本のGoProビデオがアップロードされているという。

上場を引き受ける金融機関にはJ.P. Morgan、Citigroup、 Barclaysなどが含まれる。

画像:FLICKR USER giovanni CC BY 2.0 LICENSE (IMAGE HAS BEEN MODIFIED)

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


中国最大のEコマース、アリババのIPOは8月に

CNBCによると、中国のEコマース最大手AlibabaのIPOは、8月の第一週に実施されるらしい。SECから聞かれる可能性のある、同社ビジネスや将来予測に関する質問に答える時間が十分にとれるタイミングだ。

TechCrunchは、この上場時期の正確性について、IPOやベンチャーキャピタル分野に詳しい情報源に確認した。その人物によると、Alibabaの審査期間は一般の米国企業よりも長く取られる可能性があり、それが申請時期を遅らせたのかもしれない。

さらに、現在の不安定な市場を踏まえれば、多少のIPOの遅れは問題ではない.

AlibabaのF-1書類申請時にTechCrunchが報じたように、同社の利益率は高く、直近の会計年度(2013年) で売上65.1億ドルに対し、28.5億ドルの利益を上げている。同社は評価額は1600億ドル以上で、最大200億ドルの資金調達を目指している。

ここから導かれる実績PER(株価収益率)は約60であり、最近上場したIT企業の中では控え目な数字だ。多くのIPO企業が、GAAP、非GAAPいずれでも利益を出していない状態だ。その意味でAlibabaは、投資家の不信を買うことは少ないかもしれない。

現在Facebookは、実績PER 76.68で取引きされており、Twitterの予測PERは128.64だ。

なお、このIPOのタイミングであれば、Alibaba株を大量に保有するYahooは、第3四半期に大枚を手に入れ可能性がある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


中国版Twitterのウェイボー、IPO初日に19%高

今日(米国時間4/17)午前、Weibo(微博)が上場した。予想よりも発行株式数は少なかったが、初値は17ドルで前日の報道と一致していた。

上場初日は絶好調で、19.06%高の20.24ドルで引け、ソーシャルに限らず他のIPOを考えているIT企業に追い風を吹かせた。IPO価格による時価総額34億ドルに基づくと、Weiboは3.76億ドル相当の価値を高めた。

WeiboのIPO初日の好調は、最近のIT企業数社の成功に続くものだ。TechCrunchは4月6日にこう報じた:「金曜日はウォール街がIT企業で賑った。GrubHubFive9IMS Healthが揃って同じ日に上場した。結果は上々で、GrubHubは30.77%、Five9は9.14%、そしてIMS Healthは15%、それぞれ株価を上げた」。

Weiboの公開企業としての初日は以下の通り。

ゲームの巨人、King DigitalはIPO以来苦戦を強いられている。同じく最近IPOしたAerohiveも、株価が崩壊している。Boxは、S-1書類で公開した財務状況の損失が予想以上だったことから、一部で特定IT分野における評価額に対する不安を募らせている。

しかし、WeiboのIPOは、成長見込みさえ堅固なら投資家はIT分野に賭ける気が満々であることを示した。歓迎、Weibo! 収支報告で会おう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


速報:Twitter、上場手続き開始―証券取引委員会にS-1申請書を提出

今日(米国時間9/12)、Twitterは証券取引委員会(SEC)にS-1書式(上場申請書)を提出したことを確認した。つまり公式に上場手続きが開始されたわけだ。Twitterにとってのみならずテクノロジー業界全体にとって重要な瞬間だ。今後Twitterに続いて上場するテクノロジー企業が数多く出そうだ。

以下がTwitterのツイートだ。

これには「上場準備のためSECにS-1申請書を非公表で提出ずみ。このツイートは株式の販売を申し出るものではない」とある。今のところわれわれにもこれ以外に情報はない。Twitterの上場規模は150億ドルから200億ドルぐらいになると予想されている。最後の資金調達の際の会社評価額は100億ドルだった。

Facebookの上場は1000億ドルだった。Facebookのファウンダー、CEOのマーク・ザッカーバーグがTechCrunch Disruptで昨日、「株式上場を恐れるべきではない」とステージ上で発言したばかりなのが興味深い。Twitterはマークのアドバイスに従ったようだ。

Facebookの上場は上場初日にNASDAQのエラーもあって波乱に満ちたものとなった。株価の下落で時価総額からあっという間に数百億ドルが消えた。しかし現在Facebookは上場時の株価を取り戻したばかりか新高値をつけており、Twitterの上場に道を開いたといえる。Twitterは非公開で巨額の資金を調達しており、投資家からの上場圧力は日毎に強まっていた。株主待望の日がいよいよ近づいてきた。

S-1申請書がSECから公開されればTwitterの売上、利益など詳しい財務状態が判明する。興奮が拡大中だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+