車を捨ててハーフバイク(Halfbike)で健康的な通勤はいかが?

半分で足りるとき、全部を求める人はいるかな? Kickstarterに登場した、このとびきり奇妙なHalfbike〔直訳: 半分自転車〕は、軽量でスピーディー、自転車に乗ることと、ランニングをすることの合体を、ユーザに約束する。設計家のMartin AngelovとMihail Klenovが考えたこの自転車は、目標額8万ドルに対し、残り10日で5万ドル集まっている。

Klenov曰く、“Halfbikeは新しい自転車文化で、これまでの自転車に代わるものではない。都市内の移動に楽しさを取り戻し、通勤を退屈から快楽に変える”。

木製のステッキを握って坂を転がり落ちることは、ぼくの快楽の概念に当てはまらないと思うが、Klenovは自信満々だ。二人は、自転車の設計にもっと別のアプローチはないか、と考えているときに、これを思いついた。部品を減らす、そして効率を上げる、この二つの課題をともに満たすスタイルとして、三輪車に箒の柄をつけたような現在の形に落ち着いた。しかもこれは、健康に良さそうだ。

“立って乗ることは、人間にとって自然な姿勢なんだ。背筋がまっすぐになるし、胸郭を広げるから呼吸も良くなる。これに乗ると、体に負担を与えないランニング(low impact running style)と同じ形になる。つまり、膝と背中に無理な負荷がかからない、なめらかでシームレスな動きになる”、とKlenovは言う。

自転車やスクーターのクラウドファンディングは、よくある。昨年はLit MotorsのKuboがローンチしたし、CESにはスクーターの巧妙なハック、Urb-Eが登場した。でも今回のHalfbikeは、数少ない本物のイノベーションの一つだと、ぼくは感じる。でも、しかし、今あるリカンベント(recumbent)型の自転車に乗っているあなたと、これに乗っているあなたの、どっちがはたから見てよりお間抜けに見えるか、それについては何とも言えない。

二人によると、この自転車は5キロぐらいまでの軽いサイクリングに適している。今後も、アリゾナ州ツーソンのワークショップで手作りしていきたいそうだ。かなり職人芸的で、アートのようでもあり、しかもやさしさを感じる。どれも、ぼくたちが好きな性質だ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


自分で3D骸骨をプリントできるキットが新発売(Kickstarter募集中)

例えば、イヌの頭骸骨が欲しいけれども、あなたは生きている犬からそんな骨を外すのはイヤだ。どうするか? 3Dプリント可能なポーザブルドール、Quinnを作ったチームが、Makerbot等のデバイスを使ってプリントできる骸骨モデルのキットを作って売ろうとしている。

このKickstarterプロジェクトは実に興味深い。具体的に、あなたはファイルのセット ― イヌ、ドラゴン、ヤギ、ヒト、あるいはアリッサ・ミラノ(ウソだが)の頭骸骨 ― を購入し、それを使ってサポートを受けることなく自力でモデルをプリントできる。これは結構すごい。

35ドル出せば、全3種類のキットが完成した暁にメールで送られてくる。送り主はクリエーター集団の3DKitBashだ。

アーティストのNatalie MathisとQuincy Robinsonが共同設立した3DKBの目的は、楽しいものをダウンロードしてプリントできるようにすることだ。彼らは非常に珍しいもの ― 3Dオブジェクトファイル ― を売ろうとしていて、自分たちのモデルが成功することを願っている。すでに調達目標500ドルを達成して3000ドルの資金が集まっているので、彼らの狙いは間違っていなかったに違いない。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


音声による命令に応じて動くユビキタスコンピュータUbi

自分が所有する宇宙船のブリッジに立って、大声でコンピュータに命令する夢を見たことはあるかな? “おいコンピュータ、ブルックリンの明日の天気はどうだい?”なんて。The Ubiは、数年前に発表されてKickstarterで22万9000ドルの大金を集めたプロジェクトだが、‘常時動いていて常時待機しているコンピュータ’という夢を、ある程度実現している。

Ubiは何をするのか? 下のビデオのように、壁のコンセントなどから電源を供給して、WiFiに接続しておくと、Ubiは耳をそばだたせながらしずかに待っている。そして、あなたが”OK Ubi”と声をかけてやると、Androidの音声認識機能を使って命令を解読し、答を提供する。天気予報や、数学の問題、単位の問題などだ。メールやSMSのメッセージを送らせることもできる。ちゃんと仕事ができるのかな? この質問への短い答は“イエス”だが、長い答はもうすこしややこしい。

コンピュータが常時onで、いつでも何かに答えて(または応えて)くれる、という状態は、想像しただけでも魅力的だ。このデバイスは、それの第一歩だろう。デザインも良いし、小さいからどこにあっても目立たない。いくつかの例外を除けば、だいたい期待したとおりの仕事をしてくれる。ただし、多くの人がコンピュータにやらせたいと望むのは、ロケットを外宇宙に打ち上げたり、自分に代わって親に電話をしたり、トイレから大声で叫んだら自宅のNestをコントロールしてくれることだ。このような期待があると、話は必要以上に面倒になる。

ハードウェアを音声で動かすことは、それを正しくやることが難しい。Xboxのメーカーに、話を聞いてみよう。理論的にはグレートでも、現実は滑稽だ。しかもコンピュータと対話するためには、人間の声という認識が難しいものよりも、ずっと良い方法がいろいろある。Ubiも90%はまともに反応/応答するが、残る10%がわれわれに致命的なフラストレーションを与える。


[ここにスライドが表示されない場合は、原文を見てください。]

でも、そのほかのユビキタスコンピューティングのソリューションとUbiとでは、大きな違いが一つある。Ubiは、すでに実際に発売されている。いくら顧客が、自分のリビングルームからXXXXを核攻撃できないと不平を言っても、簡単なフレーズを認識できるコンピュータが実際に発売されていて、インターネットを介して対話もできるというだけで、十分に偉大だ。Ubiはあなたの宇宙船用のコンピュータではないけど、すでにそれに近いのだ。

Ubiを作っているトロントのチームは、難しい問題に取り組んでいる。彼らの取り組みは、まだ素朴ではあるが、今のところ時間と資金の量に制約されている。でもそのうち、必要な買い物を思い出させてくれたり(今でもある程度できるが)、ぼくのSonosオーディオの曲を変えてくれたりするようになるだろう。でもその声が、Scarlet JohanssonのHerの声*にはなってくれないだろうなぁ。〔*: 声だけの演技(コンピュータ役)でいくつかの映画賞を受賞/ノミネートされている。〕

Ubiは、時代の先端よりもさらにその先を行っている、クールなハードウェアだ。それは音声インタフェイスの隠れた人気ないし要望の証拠でもあり、Ubiを買ってUbiとして使わなかったら、そのボードはほかのDIYプロジェクトに利用できる(分解~取り外しが容易にできる作りになっている)。われわれはいつも、未来に向けて前のめりになっているが、Ubiはその足を一歩だけ前へ進めてくれる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


スマートフォンでビデオ撮影もできるバクテリア観察可能なMicrobeScope顕微鏡

追加ハードウェアを使って、スマートフォンでできることを増やそうとするプロダクトは、いろいろなものが出ている。しかしそんな中でもスマートフォンを顕微鏡にしてしまうこのKickstarterプロジェクトは非常に面白いものと言えるのではなかろうか。微生物の動きをリアルタイムで録画することもできるし、簡単に画像や動画をソーシャルネットワークで共有できる(ひとりで楽しみたい人は、もちろんそうすれば良い)。顕微鏡写真をシェアするなんて、タイムライン上で人気者になることは確実なのではなかろうか。

このMicrobeScopeプロジェクトは終了までの日数をまだ20日以上残しながら、Kickstarterでの調達目標である1万ドルのほぼ5倍にあたる額を集めている(本稿訳出時現在)。MicrobeScopeのマウントを使ってiPhoneないしその他のスマートフォンを接続して、微細な生物などをムービーにおさめることができるのだ。

顕微鏡部本体は800倍の固定倍率となっていて、バクテリアなどサブミクロンレベルでの観察を行うことができる(スマートフォン側のズーム機能を使って、2000倍まで倍率をあげて、回折限界レベルの観察を行うこともできる)。

尚、顕微鏡は倒立型で、観察対象はそのまま上部に置く仕組みとなっている(プレパラートは使えない)。光源は内部にあり、単4電池で光らせるようになっている。

スライドグラスを使った観察ができないので、専門家による使用には適していない。しかしそもそもMicrobeScopeは、趣味で観察を行いたい人や、あるいは子供にミクロの世界を楽しんでもらいたいとして考えだされたプロダクトなので、プロ仕様でないのは欠点にはあたらない(ちなみに、昨年夏にもよりシンプルで、同時に性能的にも劣るIllumoscopeがKickstarterで資金調達を狙ったが、ゴールに到達することはできなかった)。

また、MicrobeScopeの開発者はスライドグラスを使うことのできるものの開発も考えているようだ。但し、もともとは「手軽」な顕微鏡環境の実現を目指しているのだとのこと。曰く「イマージョンオイルやスライド、厳格なピント合わせなどを廃しつつ、高倍率の世界を楽しんでもらいたいと考えているのです」とのことだ。

スライド化して何度も見たいというリクエストには、ビデオを撮影しておいてそれを観察することで対応したいという考えだ。とくにiPhone 5sではスローモーション撮影の機能があり、これにより動きの素早いバクテリアなどでも細かく観察することが可能であるとしている。

手に入れるにはいくら必要だろうか。数量限定で115ドルおよび125ドルというオプションが用意されていたが、これらはすべて限定数を越えてしまっている。現在の入手可能価格は135ドルだ。5月ないし6月からの出荷を予定しているとのことだ。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


Arduinoを小さなOLEDモジュールに縮小したMicroview–画期的でとても多用途

Arduinoをうんと小型化して、それにとても小さなOLEDディスプレイをつけて使いたいと思ったことのある人、手を上げて。おや、ほどんど全員だね。ここでご紹介するMicroviewは、今Kickstarterに出ている“チップサイズの”Arduinoで、お値段は45ドル。何ができるのか? ありとあらゆることができるよね。

マイクロコントローラと、多種類の入力がある。そしてその出力、すなわちディスプレイをあなたのソフトウェアがドライブする。入力側にいろんなセンサをつければ、どんなに珍妙なプロジェクトでも作れるだろう。

〔ここにスライドが表示されない場合は、原文を見てください。〕

Microviewのプログラミングはいろんな方法でできるが、作者のGeek Ammoはシリアル→USB変換用のプログラマーを10ドルで提供している。小さいからウェアラブルに最適だし、ロボットの脳やセンサシステムにもなる。車やコンピュータやそのほかのツールの、環境データ表示用にもよいだろう。

作者は2012年のNinja Blocksプロジェクトと同じ人たちなので、とっても適任だ。

こういうちっちゃいArduinoは、ぼくも大ファンだ。日頃、大きな基板状のプロダクトばかり見ているから、こんなに小さくてフルサイズのモジュールと変わらない能力があるなんて、ほんとに感動的だ。Kickstarterの目標額はとっくに超えているようだから、8月発売も間違いないだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Arduinoで商用電源製品を制御できる応用ボードControllino, Kickstarterで資金募集中

Arduinoはお値段的にも気軽に使えるマイコンボードだが、しかし電池で動く小型モーターの制御やLEDのon/offといった低電圧回路でなく、用水路のポンプや家庭の家電製品など高電圧ラインの制御は難しい。それを助けてくれるのが、ここでご紹介するControllinoだ。

エンジニアのMarco Riedesserが作ったこのボードには、CE規格のリレーやそのほかの高電圧用の制御部品・回路が載っていて、しかもArduinoの標準のシールドに接続できる。つまり、ミニロボットのような小さなプロジェクトではなく、大型モーターや照明器具などをコントロールするプロジェクトにArduinoを使えるのだ。

Riedesserは語る: “妻の兄弟からコーヒーマシンの修理を頼まれたとき、Arduinoでやれば簡単だと思ったんだけど、でも高電圧で大電流のラインを制御できるボードは売られてなかった。だから、自分で作ろうと思った”。

ボードの予価は129ドルで、Kickstarterで10万ドルの資金を集めようとしている。特殊な用途の製品だから、目標到達は難しいかもしれないが、でもDIYで家庭などの高電圧を扱うアイデアは、これからも、けっこうあるのではないか。リレーの出力は250V/5A、デジタル出力は2A、そして通常のArduinoのデジタル/アナログI/Oがある。複数の入力を扱えるMAXIバージョンとMegaバージョンは、それぞれ169ドルと269ドルだ。

合衆国のULとヨーロッパのCE、この二つの規格に合格しているから、商用製品にも十分使える。コーヒーメーカーは言うまでもなく、無人機なども、これまでよりずっと安上がりに作れるだろう。このボードなら、壁のソケットに差し込んでも、燃えたりしないのだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


日本発、音と動きでカラダを使った遊びを実現するMoffがKickstarterキャンペーンを展開中

「キュートなウェアラブル」といえばこれを指すことになるかもしれない。何の話かと言えばMoffだ。子供用の腕輪で、これをつければありふれた日用品が、様々な音を発するオモチャになる。このカワイイプロダクトを生み出したのは、もちろん日本だ。

Moffはスラップベルトで巻きつけるようになっている(つまり紐などを使って結びつける必要はない。手首に勢い良く打ち付けるようにすると、自然に手首の周りに巻き付くような形になる)。そしてMoffはiOSデバイスとBluetooth 4.0で繋がり、iOS側のアプリケーションにて、鳴らす音を選択するようになっている(Android版も現在開発中だとのこと)。

Moffには加速度センサーとジャイロセンサーが搭載されており、Moffを身につけた人の動きを感知することができ、感知した動きに応じた音を鳴らすことができる。たとえばエアギターを演奏して実際に音を出すこともできるし、魔法の杖を振っていかにもそれらしい音を出すこともできればオモチャの拳銃の発射音などを鳴らすこともできる。

動力はボタン電池で、30時間ほどのプレイタイムになるのだそうだ。電池は利用者が自分で交換することができる。

現在Kickstarterでのキャンペーン中で、目標調達額は2万ドルとなっている。これまでのところ29日を残して既に1万1000ドル以上を調達している。

SDKやMoff利用者に対するアプリケーションを販売できるアプリケーションストアの開設も検討中で、またMoffの動作検知の仕組みを他のアプリケーションと組み合わせてジェスチャー対応にすることなどにもトライしていく予定なのだそうだ。

さらにはメジャーなアニメ・キャラクターとの連携も念頭においているとのこと。Kickstarterのページには以下のように記されている。

キャラクターなどのコンテンツ(音声コンテンツ等)を持っている企業の方は、それらコンテンツをアプリケーションストアで販売していただくことができます。Moffを使って消費者に新たな魅力をアピールすることで、キャラクターなどの人気が世界中で一層高まることも期待できます。

価格を見ると、早期割引の価格でひとつ45ドルとなっており、通常価格が49ドルに設定されている。資金調達に成功した暁には、7月より出荷を始めていく予定なのだそうだ。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


東大発のAgIC、インクジェットプリンターをプリント基板プリンターに変えるDIY KitプロジェクトをKickstarterで展開中

電子工学プロダクトのプロトタイプを作成するのに、ブレッドボード上にコードを這い回らせることすら無用にしてしまうプロダクトがKickstarterに登録された。

名前をAgIC Printというプロダクトで、以前にTechCrunchで紹介したアイデアを組み合わせたようなものとなっている。その2つとは、プリント基板を印刷するEx1 3D printerで、もうひとつは伝導インクにて回路を描くCircuit Scribeだ。これらプロダクトの直系というわけではないが、AgIC Printは、家庭用のインクジェットプリンターで伝導インクを使い、文字通りのプリント基板を作ってしまうプロダクトだ。

AgICはペンで利用することもできるようになっていて、その場合は前述のCircuit Scribeボールペンと同様の形で回路を描くことができる。

但し、このプロダクトの主な特徴は、やはりインクジェットプリンターをプリント基板プリンターに変身させてしまうことだろう。しかも299ドルという低価格にて変身させることができるのだ。299ドルのキットには以下のものが含まれる。

フィルターとシリンジ(注射器) x3 + 伝導シルバー・ナノパーティクルインク 25ml + 専用コート紙(A4) x20 + 伝導グルー(シリンジ3本分) + 伝導マーカー x1 + 伝導テープ x3

以上がプリント関連のものだが、これにさまざまなパーツがついてくる。

サーフェスマウントタイプのICソケット x4、電池 x2およびマウントケース、mbed MCU(LPC1114FN28) x2、サーフェスマウント・スライドスイッチ x2、チップレジスター x50+、チップLED x50+、そしてサーフェスマウント・ピンヘッダー(20×2ピン)

AgICのDIYキット購入者は、プリント基板プリンター化するためのインクジェットプリンターを自前で用意する必要がある。専用のインク注入器の利用できるプリンターが推奨される。また既に通常の印刷用途に利用しているものではなく、新たなものを購入した方が良いとのこと。既存のものを利用する場合には、内部に残ったインクを完全に除去する必要がある。

599ドルを出せば「完全版」を手に入れることができる。こちらにはインクジェットプリンターも同梱されている。この、プリンタ同梱版であっても、Kickstarter上で1499ドルであったEx1 PCBプリンターよりもはるかに安価となっている。

但し、Ex1の場合は木材、ガラス、プラスチック等、紙以外の素材にも印刷することができる。また印刷用回路を設計するためのソフトウェアも開発中で、よりトータルな用途への展開を考えているようだ。AgICの方はハードウェアプロダクトを提供するもので、設計にはAdobe IllustratorやCorel Drawなどを使うことになる。

AgICの目標調達額は3万ドルだが、既に2万5000ドルが集まり、締め切りにはまだまだ多くの日が残されている。目標額を調達できれば(おそらく調達できるだろう)、キットは8月までに出荷を開始したいとしている。

訳注:AgICは東大発ベンチャーで、ホームページはこちらになります。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


3D射出成形オモチャ、3Doodlerの可能性と限界

初めて3Doodlerのニュースを報じた時、私はすごく興奮した。それは子供たちに3Dプリンティングをもたらす簡単で楽しいツールだ。熟練オモチャ作者2人が作ったこの製品のヒットは約束されていた ― そしてその通りになった。Kickstarterで230万ドルを集め、ホリデーシーズンで予想外のヒットとなった。 そして今、これが一般販売され ― かつ私がこれで遊ぶ時間が増え ― 今でも楽しい製品であることに間違いはないが、当初私が予想したのとは違うものだった。

はっきりさせておくが、3Doodlerは3Dプリンターではない。これはABSまたはPLA樹脂を自由に絞りだす一種のグルーガンだ。ボタンが2つあり、樹脂の移動方向 ― 前進と後退 ― を制御できる。最良の使い方は、プラスチックをごく少量ずつ押し出し、樹脂が固化する時間を与えるように引っぱりながら3D作品を作っていくことだ。次善の方法は、平面で2D物体を作り、熱い樹脂でそれをつなぎ合わせることによって、エッフェル塔のような非芸術家には作ることが不可能だった作品を作ることだ。

私は、3Doodlerの制約に失望も驚きもしていないが、大喜びの10歳児にとっては違うかもしれない。デバイスは大人専用だが、これは、早い話が、おもちゃだ。親たちはこれを知った子供たちが欲しがることを覚悟しておくこと。大人は他をあたった方がいい。例えばこんな問題がある。

オモチャとしてはほぼ完璧だ。ノズルは高温になるが最少限のやけどで済むよう保護されており、射出プロセスは実にシンプルだ。プラスチック棒は専用品の他、Monopriceで買った安いフィラメントも使える。練習するだけで大量のフィラメントを消費することは間違いないので、少しでも使おうという人は材料をまとめ買いすることを薦めする。

「道具」としては、ちょっとバカバカしい。芸術的外科医の手を持つ人でない限り、出来上がりはよく言って不安定であり、イライラが募るだろう。アートや工作の非常に簡単な3Dラフスケッチには悪くない。ハムスターの家やArduinoのケースを作るには向かない。

これは試す価値がないという意味ではない。このデバイスの美点は、近頃のオモチャにあまりにも欠けている〈遊びの自由さ〉を独特な型で与えてくれることだ。あの火起こしセットや化学薬品セットと同じく、3Doodlerはちょっと危ないけれども、またやりたくなるほどに楽しい。Makerbotを置き換えることはないだろうが、3Dプリンティングに関心を持つためのドアを開くものだ。トールの実物大レプリカを作れないことに子供たちが気付いた後は、オモチャ箱の奥にしまわれるかもしれないが、それはあなたの子供たち次第だ。

そういうわけで、3Doodlerは楽しさいっぱいだ。多くを望みすぎた人たちにとっては失望もあるだろうが、額面通りのことは間違いなくできる。ヘンテコで気の利いた小物くらいは作れる。もしこれで印象的な作品を作ることができれば、それはあなたの才能と努力の証だ。それは何事においても真実なのだろうが。

【日本語版注:日本ではナカバヤシが発売予定




[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Kickstarterのクラウドファンディング総額が10億ドルの大台に

インターネットの住民がKickstarterに投じた金額はいったいどれくらいになるのだろう?

それは簡単に分かる。Kickstarterは定期的に統計を発表している。これによると数日後にはKickstarterがプレッジ〔投資の申し出〕を受けた資金の総額は10億ドルの大台に乗る

Kickstarterがウェブサイトに定期的に掲載している資金調達の実績によると、今朝(米国時間3/2)、Kickstarterのプレッジ総額は9億9920万9752ドルだった。つまり10億ドルまであとわずか79万1000ドルだ。おそらく数日以内に10億ドルを達成するだろう。

ひとつ注意しておくと、この金額はあくまでプレッジの総額だ。つまり募集目標額を達成して実際に資金が払い込まれたプロジェクト、現在募集中のプロジェクト、また募集目標額の達成に失敗して資金が払い込まれなかったプロジェクトすべてに対する出資の約束額の合計ということになる。Kickstarterではプレッジされた金額がキャンペーン目標額を上回ったときに限り、実際に資金が払い込まれる。Kickstarterによると、現在のプレッジ総額10億ドルのうち、8億5800万ドルはキャンペーンが成功して実際に資金が払い込まれたという。

その他興味ある事実は、次のとおり。

  • Kickstarterキャンペーンの総数は13万5270件
  • このうち5万7052件(43%)が目標額を達成。失敗したキャンペーンのうち相当の部分(10%)は1ドルのプレッジも受けられなかった。
  • ゲームのジャンル、成功したキャンペーンの件数としては6位(音楽、映画、美術、出版、演劇の各ジャンル次)だが、100万ドル以上のプレッジを受けた件数としてはf他を引き離して最大のジャンルだった。また資金調達総額でも最大のジャンルだった。
  • 目標額の20%まで資金が集まったプロジェクトは最終的に成功する率が80%ある。

ちなみに、Kickstarterは成功したキャンペーンで調達された資金の5%を手数料として得る。読者に電卓を叩かせる手間を省くために先回りすると、成功したキャンペーンの総額8億5800万ドルのうち、Kickstarterのフトコロに入った分は約4200万ドルとなる。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


電弧が直接空気を振動させるプラズマスピーカーARC, Kickstarterで早くも目標突破

音楽をどうやって聴いてる? ヘッドフォンかな? AirplayやBluetoothスピーカーのこともある? それも、まあ、クールだけどさ、ぼくは今や、プラズマで聴くね。二つの電極のあいだでスパークが飛ぶとき、少量のオゾンが発生する。それだけのことだけど、クールな人たちはそれで音を出すんだ。

実は、ぼく自身はそうやって音楽を聴いてるわけではない。KickstarterでARC Plasma Speakerに出資したらそうなる、ということさ。まだ、出てから24時間経っていないけど、すでの目標の1万ドルを突破している。今でも増加中だ。きわめて特殊な人たちしか魅力を感じないプロジェクトだと思うし、また意外性のある科学的プロジェクトや物理の実験をDIYするのが好きな人たち向けだと思うけど、今回は全員がそうなったみたい。

ARCは、電弧というものの性質をうまく利用している。それは電極間の空気をイオン化して圧縮するが、そのときに音、つまり空気の振動が発生する。ふつうのスピーカーに使用されている、磁力の変化で振動する振動板、コーン紙のようなものは要らない。ARCは木製のケースに収納され、それを手作りするためのキットが、Kickstarterの支援者には89ドルで提供される。木製じゃなくて、内部が見える透明アクリルなら119ドルだ。完成品なら225ドル。発売は、7月の予定だ。

Kickstarterには、前にもプラズマスピーカーが登場したことを、覚えておられる方もいるかもしれない。それは今回とは別のグループで、目標額は達成したけど続かなかった。今回のARCプロジェクトは、そのときのチームにいた二名が作った。ただしデザインなどはずいぶん良くなったから、今度こそ長寿かもしれない。

その二名、Matt ChapmanとDavid Stoyanovが作ったシアトルのExcelPhysicsが、ARCの会社だ。同社は、DIYの放射能測定器なども作っている。同社の目標は、クールな物理学的プロジェクトを、世の中にお安く提供することだ。

ARCへの入力は、これまでのふつうのスピーカーへの入力と同じでよい。だから今使ってるスピーカーと交換するのも簡単。また、ハンドルがついてるから可搬性もある。もっとふつうの、商品らしいデザインでもよかったのでは、と思うが、でも物理学ギークの友だちをビックリさせるためには、今の方が良いだろうね。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


1万5000mAhの大容量に加え、IP66の防塵防水性を備えたLimefuel製モバイルバッテリー

モバイルバッテリーの便利さは、いまさら言うまでもないだろう。毎日持ち歩いているし、旅に出るようなときも、とてもなしでは過ごせないようになっている。しかし何か大変な災害のようなものが起こった時、この予備バッテリーはどうなってしまうのだろう。豪雪に埋もれてしまったりしたときはどうなのだろう。さすがに隕石が落ちてきて全てが灰に埋もれるようなときのことを考えても意味はないだろうが、しかしいったいどのような環境にまで、予備バッテリーは耐えてくれるのだろう。

こんなことをいろいろと心配してしまうが、Limefuel IP66 Ruggedという予備バッテリーを用意すれば、もう何も考える必要はなくなる。この予備バッテリーは現在Kickstarterで資金調達キャンペーンを行っているところだが、あっという間に目標額の3万ドルは調達完了となっている。ハイエンドモデルタイプの供給可能容量は1万5000mAhに達する。他にも同様の放電容量をもつものはあるが(Amazonを探せば、低価格なものもみつかるはずだ)、しかし「頑丈さ」で、このLimefuel Ruggedに比肩し得るものはない。

まず防水(waterproof)かつ防塵(dirtproof)、さらに耐衝撃性(shock proof)を特徴としている。注意してもらいたいのは「耐性」(resistant)を持つのではなく、防御性能(proof)を持つ点だ。IP66規格に適合している。IP66というのは粉塵が内部に侵入しない防塵性を持ち、波浪およびいかなる角度からの暴噴流(powerful water jets)にも、最大で3分間は耐えることができるということを意味する。もちろん保護性能を最大限に発揮するのは、保管状態の場合であるのだが、それでも十分に注目に値する性能だといえよう。

もちろん電源容量も素晴らしい。スマートフォンを10回程度チャージできる容量をもち、また2台同時に充電することができる。また本体チャージも大きめの2Aにて行う(但し容量が大きいことからフル充電には9時間ないし15時間が必要となっている)。少し前にレビューしたMophie Powerstation XLではできなかったパススルー充電(本体を充電しながら、他デバイスの充電も行う)にも対応している。

Limefuelはコロラド州ボルダーにて2012年11月に設立された。既に充電用デバイスを世に送り出した経験を持ち、今回も予定通り2014年5月に出荷開始となるのではないかと思われる。プレオーダー価格は10400mAhの低容量版は50ドルからとなっており、15000mAh版が70ドルからだ(同等性能の他社製品と比べると、まず安い方になっている)。

おそらくはL150XRのハイレベルな耐久性などを必要としない人がほとんどなのだろう。ただ丈夫であるのならそれはそれで良いことだとも言える。スマートフォンの方が壊れてしまっても、あるいはUSB充電などという仕組みが遠い過去のものとなってしまっても、このL150XRはエネルギーを溜め込み、誰かのために待機を続けるのだろう。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


PIXELは、古き良きテレビゲームのピクセルアートを再現するフォトフレーム

古いLite-Briteを引っぱりだしてきて明るさを最大にする。Bluetoothを付けて、アニメーションをサポートして、スマートフォン経由で絵を描けるようにする。何ができるかって? それはPIXELのようなもの。

(その名もふさわしい)PIXELは、ピクセルアートを見せることに特化したディスプレイだ。ピクセルアート・フォトフレーム、と言ってもよい。

ソニック・ザ・ヘッジホッグがマントの上で足踏みしているアニメのループ? もちろん!あなたの家の風呂場から無限に出てくるマリオの行列? OK! パックマンに時間いっぱいワカワカ言いながら画面中を走らせたい? 当然。

画像を変えたい時はスマートフォンのアプリを立ち上げて描き直せばよい。少し複雑なこと ― アニメーション等 ― をやりたい時は、好きな編集アプリでデザインしてからUSBかBluetoothでPIXELに転送する。静止画ならPNG、アニメーションならGIFフォーマットで。

PIXELは、Kickstarterでこれまでに2万ドルを集めている。目標はその半分だった。実をいうとこれはこの製品のバージョン2で、2013年初めに、わずかに美しさで劣るバージョンで5万ドルを調達している。

残り少ない早割を確保できれば、完成版PIXELが260ドルで手に入る。その後は300ドルになる。あるいは、220ドルのDIYキット版で多少節約することもできるが、ハンダ付け等が必要なのでよく考えること。

もし2週間前に、ピクセルアートフォトフレームが欲しいか尋ねられていたら、こう答えていただろう。「何だそのピクセルアートフォトフレームって?」

2週間後、私は今〈どの〉ピクセルアートフォトフレームにしようか迷っている。

つい先週、Darrell[Etherington]がGame Frameを紹介した。驚くほどよく似たコンセプトの製品で、Kickstarterキャンペーンを3週間残した時点で6万ドルを集めた。

PIXELとGame Frameは多くの点で類似しているが、それぞれ独自の強味を持っている。Game Frameには、広く愛されているピクセル・アーティストのeBoyによるアートが付いてくるのに対して、PIXELには10人のアーティストによるアートが付いている。PIXELの方が解像度が高いが(1024ピクセル対256ピクセル)、Game Frameは巧みな光学的ワザを使って個々のLEDを大きくて均一に光る正方形のピクセルに見せている。結果的にそれぞれ全く異なる独自のビジュアルスタイルを作り上げている。

どちらもいらないか、両方欲しいか。うん、私は両方欲しい。

(上のリンクを逃がした人のために、PIXELのKickstarterキャンペーンはここにある

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


今度はKickstarterがハックされる―メールアドレスなどのユーザー情報漏えい

最近は毎週のように有名なサイトがハックされたというニュースを伝えねばならない。今回の被害者はKickstarterだ。

Kickstarterはブログ(とユーザー向けメール) でハッカーが同社のデータベースの一部に侵入したことを発表した。

良いニュースはクレジットカード情報は盗まれなかったことだ。また仮に盗まれたとしてもKickstarterはクレジットカード番号をフルに保存していないという。

それほどよろしくないニュースはというと、ハッカーがユーザー名、メールアドレス、メーリングリスト、電話番号、暗号化されたパスワードにアクセスしたことだ。パスワードが暗号化されていたことで多少救われる。しかしどんな暗号化も絶対に安全というものはないので、必ず パスワードを変更しておくことをおすすめする。

Kickstarterによるとハッカーの侵入は水曜の夜に捜査当局から教えられたのだという(どの捜査機関かは明らかにされていない)。Kickstarterはハッカーが利用した脆弱性を直ちに修正し、その後4日間何が起きたかを調査していたという。

アップデート: Kickstarterはいくつかの疑問についてアップデートを発表した。

  • パスワードは2種類の方法で暗号化されていた。古い方式ではSHA-1プロトコルでハッシュ化され、ソルトされていた。新方式ではbcryptが用いられていた。
  • 侵入を知ってから発表までに4日かかったのは状況を詳細に調査していたため。
  • 2個のアカウントで不当な侵入の証拠が認められたが、直ちに是正された。
  • Facebookアカウントを使ってKickstarterにログインしていた場合、FBアカウントの情報は一切漏えいしていない。Facebookのログイン・トークンはすべてKickstarter側でリセットされた。Facebookユーザーは再度接続を手動で許可する必要がある。

〔日本版:訳者はFacebookでログインしているが、Kickstarterからのメールには「われわれは用心のためにFacebookでのログイン情報をリセットした。ユーザー側での対応は必要ない」.とあり、事実いままでどおりKickstarterのトップページのログインボタンをクリックするだけでログインできた。〕

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Crunchies賞、受賞者決定―最優秀スタートアップはKickstarter、最優秀ハードウェアはOculus VR

第7回を迎えたわれわれのCrunchies賞の最優秀スタートアップ賞は、CloudFlare、Snapchat、Twitter、Uberという強敵を破ってKickstarterが獲得した。Chris Saccaが最優秀エンゼル投資家賞、DropboxのDrew HoustonとArash Ferdowsi が最優秀ファウンダー賞、Tinderが新スタートアップ賞、Oculus VRが最優秀ハードウェア賞をそれぞれ受賞した。

―受賞者の発表セレモニーの開始にあたってホストのJohn Oliverは(多少は激励の意味もあったろうが)「Crunchiesに敗者はいない。ノミネートされたものはすべて勝者だ。ただ受賞を逃したものがいるだけだ」と述べた。われわれはすべてのノミネーション対象者に深い敬意を払い、クレージーなイノベーションを日々生み出しているスタートアップとそのファウンダーたちを賞賛するものだ。

各部門の受賞者は以下のとおり。


最優秀テクノロジー
Apple A7 Processor – ―次点
Bitcoin – ―受賞者
Node.js
Planet Labs low-cost satellites
Project Loon

最優秀共同消費サービス
Airbnb – ―受賞者
Crowdtilt
DogVacay
Homejoy
Lyft – ―次点

最優秀eコマース・アプリケーション
BarkBox
Good Eggs
Polyvore – ―次点
Warby Parker
Wanelo – ―受賞者

最優秀モバイル・アプリケーション
Mailbox
Snapchat – ―受賞者
Tinder
VSCO Cam
WhatsApp
Vsco Cam – ―次点

最速成長スタートアップ
Lulu
QuizUp – ―次点
Tinder
Upworthy – ―受賞者
Whisper

最優秀ヘルス・スタートアップ
Fitbit
MyFitnessPal
One Medical Group – ―受賞者
Oscar – ―次点
Practice Fusion

最優秀デザイン
Exposure by Elepath
Nest Protect
Pencil by FiftyThree – ―受賞者
Hi
Yahoo Weather – ―次点

最優秀自己資金スタートアップ
Grammarly – ―次点
Imgur – ―受賞者
NerdWallet
SmugMug
TaskUs

最優秀エンタープライズ・スタートアップ
Box
ClearSlide
New Relic – ―次点
Optimizely
Zendesk – ―受賞者

最優秀国際スタートアップ
BlaBlaCar – ―次点
Huddle
Supercell
Waze – ―受賞者
Xiaomi

最優秀教育
Code.org – ―次点
CreativeLIVE
Duolingo – ―受賞者
Khan Academy
Treehouse

最優秀ハードウェア
3D Robotics – ―次点
Oculus VR – ―受賞者
SmartThings
Sonos
Square

最優秀エンタテインメント
Candy Crush Saga – ―受賞者
Netflix – ―次点
Tinder
Vibease
Vine

最大ソーシャル・インパクト
Code.org – ―次点
Crowdtilt
Edward Snowden’s NSA Revelations – ―受賞者
StopWatching.Us
Watsi

最優秀エンゼル投資家
Steve Anderson
Michael Dearing
Keith Rabois
Babak Nivi & Naval Ravikant – ―次点
Chris Sacca – ―受賞者

最優秀ベンチャーキャピタリスト
Peter Fenton (Benchmark) – ―受賞者
Jim Goetz (Sequoia Capital)
Reid Hoffman (Greylock Partners)
Bill Maris (Google Ventures)
Bijan Sabet (Spark Capital) – ―次点

最優秀ファウンダー
Arash Ferdowsi & Drew Houston (Dropbox) – ―受賞者
David Karp (Tumblr)
Aaron Levie (Box) Lee Holloway , Matthew Prince & Michelle Zatlyn(CloudFlare) – ―次点
Deena Varshavskaya (Wanelo)

最優秀CEO
Jeff Bezos (Amazon)
Dick Costolo (Twitter) – ―受賞者
Travis Kalanick (Uber) – ―次点
Marissa Mayer (Yahoo!)
Elon Musk (Tesla Motors & SpaceX)

最優秀2013年創立スタートアップ
Anki
Coinbase – ―次点
Glow
Tinder – ―受賞者
Whisper

最優秀スタートアップ
CloudFlare
Kickstarter – ―受賞者
Snapchat
Twitter
Uber – ―次点

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


デジタル一眼の持ち運びを便利にするMiggo。ストラップとプロテクターの機能をミックス

新たにKickstarterに登場してきたMiggoは、便利な道具をさらに便利にしようとするツールだ。基本的にデジタル一眼レフカメラの「ストラップ」として利用するものだが、撮影を終了すればカメラバッグ風にカメラを守ってもくれる。プロのようなカメラバッグを持ち運ぶ必要はないものの、しかしそれなりの耐衝撃性を確保したい場合などに便利に利用することができる。場面に応じて、ストラップになったり、あるいは保管して持ち運ぶためのツールになったりするのが嬉しいところだ。

このプロダクトはイスラエルのインダストリアルデザイナーであるOhad Cohenの手になるものだ。実はカメラバッグメーカーであるKataのファウンダーでもある。Kataはプロにも、そして趣味用途の利用者にも人気のカメラバッグメーカーだ。Cohenは当初プロダクトデザインを行っていて、後にR&Dを担当していた。すなわちカメラ用のプロダクトを作るのにはまさにうってつけの人物であるということになる。

スマートフォンが普及したことで、多くの人々にとって写真というものが一層身近なものになった。しかし高性能なカメラ機材を持ち歩くのは大変であり、そのせいでDSLRなどを持ち歩く人が少ない現状となっている。少なくともCohenはそのように考え、この状況を変えようとMiggoをデザインしたわけだ。利便性を意識して、カメラ利用時のストラップと、そしてカメラ携行時の持ち運びツールの2つの役割を合体させたのだ。尚、好みに応じてStrap&Wrap版とGrip&Wrap版を選ぶことができる。双方ともにレンズとボディを安全にくるむ移動用プロテクターとして機能する。プロテクターモードでカメラを包み、あとはショルダーバッグないしバックパックなどに放り込んで持ち運ぶわけだ。レンズ収納のための区切りスペースのついた本格的カメラバッグや、梱包材の入ったカメラバッグを持ち運ぶほどでもない場合に、非常に便利に使うことができる。

尚、三脚用のアダプターも装備されていて、セルフタイマーなどで三脚を利用する場合にもMiggoを取り外さずに済むようになっている。通常のデジタル一眼用の他、ソニーのNEXシリーズのようなミラーレス用も用意されている。先行申込み割引は30ドルから提供されていたが、これはすでに規定申込数を完了している。今はGrip&Wrap版が35ドル、そしてStrap&Wrap版が40ドルにてプレオーダーを受け付けている。

個人的にも空港などで70ポンドもあるカメラバッグを持ち歩くのにうんざりしているところだ。交換レンズなどを数多く持ち運ぼうと思わないとき、このMiggoが便利に使えるかもしれない。プロトタイプはほぼ出荷可能状態にまで仕上がっており、6月には出荷を開始したいとのこと。実用性と利便性、そしてデザイン面での魅力をバランスよく備えているプロダクトだと思う。おそらくは2万ドルの調達ゴールはすぐにも達成するのではないかと思われる。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


魔法のような滑り心地を体感させてくれる1輪スケートボードのOnewheel

こういう仕事をしていると、ただただ驚かされるというモノに出会うことがある。「いったい何を考えているんだろう」というだけでも相当なものだが、それがさらに「ほんとにやっちゃったのか」という衝撃に繋がるケースもある。

今回紹介する「Onewheel」は、まさに発想の面でも実装の面でも大いに驚かされるプロダクトだ。自分でバランスをとってくれる一輪スケートボードで、現在Kickstarterで資金調達を行っているところだ(訳注:10万ドル目標だが、訳出作業時点で既に約5倍となる47万9000ドルの資金を集めている)。

プロダクトを考えだしたのはKyle Doerksenだ。電気機械系のエンジニアであり、またボードスポーツの愛好家でもある。以前はIDEOに務めていた。個々数年、彼は滑らかなパウダースノーの上でスケートボードやスキーを楽しむような感覚を味わうことのできるスケートボードは作れないだろうかと考えていたのだそうだ。

その結果うまれてきたのがこのOnewheelだ。見かけはシンプルながら、不思議な高性能で、乗ってじっとしていてもきちんとバランスが取れる。どちらかに重心をかけると、最高時速12マイルで走行する。

このOnewheelはボードの一方の側にバッテリーを搭載し、そしてもう片方にコントロールユニットを搭載する。コントロールユニットにはiPhoneにあるのと同様のモーションセンサーも積まれている。モーションセンサーの機能も利用して、速度やバランスの調整をモーターに通知するようになっているのだ。タイヤの動作はインホイールモーター(ハブモーター)により行われる。消費電力はピーク時に2000ワットで、通常は500ワットとなっている。ボードはタイヤの上に乗っかる形になるわけだが、このタイヤはゴーカート用のものだ。

ちなみにDoerksenの目論見としては、このOnewheelは移動手段等、実用の目的を持つものではなかった。しかしKickstarterで出資した人の間では、実用的に使いたいという話が出ているようだ。こうした動向をうけて、Doerksenは移動手段として便利に使うためのモバイルアプリケーションの開発も考えているようだ。

「もともと、趣味で楽しむためのものとして考案したものです。たとえばサーフィンをするのに、どういう目的でサーフィンをするのかということを考える人は少ないと思うのです。ただ、サーフィンが楽しいからサーフィンをするのでしょう。このOnewheelも同じような方向性で考えていました」とDoerksenは言っている。「しかしKickstarterで出資してくれる人の意見をきくと、実用的な移動手段としての利用を考えたいという人が多くいるのです。そうした目的にも沿うような形で、今後の開発を考えていきたいと考えています」とのこと。

動作については上のビデオを確認していただきたい。興味を持った人は、こちらのKickstarterページにてプレオーダーを申し込むこともできる。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


今Kickstarter上ではニキシー管時計がフィーバーしている

Kickstarterは今、熱病だ。唯一の治療手段は、管時計がもっと増えることだ。太古の昔を知らない人に説明すると、これはニキシー管時計と申しまして、ニキシー管とは真空管の一種。陰極~陰極板が複数あってそれぞれに0~9の数字のパターンなどがあり、電圧をかけると放電発光する。放電をしやすくするためのガスが充填されている。今Kickstarterには、ニキシー管時計のプロジェクトが二つもあり、どちらも先週登場した。

二つとも技術的には同じものだが、デザインセンスは相当違う。レトロマニアの人は、スティームパンクふうと、モダンふうの、どっちかを選べる。スティームパンクらしき方は登場したばかりのバンクーバーのプロジェクトで、6000ドルを求めている。ややモダンなBlubは、すでに目標の5000ドルを超えている。

シンプルなのが好きな人は、Blubだ。変な名前だが、’bulb’(真空管)をひっくり返したのか。コーナーを丸めたアルミケースは、なんとなくMac的だ。通電状態を示すライトと、時間を表す4つの管がある。写真の印象よりも実物は小さくて、片手に十分乗る。時間表示とアラームのほかに、ボタンを押すと気温を表示できる。

Blubは、お安くない。予約は320ドル+送料だ。Blubを設計したDuncan Hellmersは、発売は2014年5月と言っている。

骨董品的な雰囲気が好きな人は、木や金属、鋲やネジやグリルやつまみをたくさん使ったスティームパンク管時計だ。そもそもスティームパンクにはまる人は、その何の役にも立たないファンタジーが好きなのだ。このスティームパンクニキシー管時計は、複雑だからお値段も高くて、予約は549ドルだ。

お高いだけあって、いろんな工夫がある。まず、LEDのバックライトがあり、またニキシー管の発光色を変えられる。そして、すべて手作りだ。こういうのは、凝り出すと数千ドルぐらいすぐ行ってしまうから、作者のKyle Millerは、ほどほどの線に抑えた、と言えるだろう。

発売予定は2014年の6月だから、Blubとほぼ同じだ。このような製品の標準工期についてぼくは無知だが、でも、どっちに出資するか心を決めるのに、それほどの時間は要らないだろう。

参考サイト。〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


美しいスピーカー、HiddenRadio 2は美しい音を生む(Kickstarter募集中)

HiddenRadioは、クラウドファンディング最初の成功例の一つだ。初期モデルは2012年にKickstarterで100万ドル近くを集め、多くのファンを集めた。製作者のJohn Van Den NieuwenhuizenとVitor Santa Mariaは、完璧な周波数特性と十分な低音を生み出す小さなBluetoothスピーカーを、非常にクールなデザイン美学で作り上げた。彼らが大きくなって帰ってきた。

HiddenRadio 2は、2人組の最新作で、資金調達に向けて準備が進んでいる。新モデルは驚くほどリッチなサウンドを、スープ缶ほどの大きさの箱から送り出す。しかし、スープ缶とは異なり、このHiddenRadioは外観もすばらしく、その落ち着いたスタイリングとタッチ式トップとシンプルなセットアップは、あの新Mac Proを彷彿させる。

先週私はVan Den Nieuwenhuizenと話す機会を得て、新しいHiddenRadioをほぼ空っぽのバーで試聴した。彼はJamboxなど他の人気スピーカーシステムと比べてみせ、私はまさしく感動した。あまり大きな音は出せなかったが、HiddenRadio 2のプレゼンスとすばらしい低音を確かに聴くことができた。

2人は新機能もいくつか追加し、ポート位置は大きく改善され、119ドルのHidenRadioと接続してステレオペアを作る機能も付いた。ライバルの中にこの機能を持つものはない。ノイズキャンセル付マイクを内蔵しておりスピーカーフォンにもなることはオマケにすぎない。

デザインは非常に魅力的だ。外殻はクロムメッキが施され、タッチ式のトップは、指のスピンで音量をコントロールしたり、タップで音楽をオン・オフしたりできる。1回タップするとスピーカーグリルの蓋が持ち上がって準備が整う。

このような量産家電がKickstarterに登場することは実にすばらしい。本格的なギーク作品 ― PebbleウォッチやUdooボードは驚くほどの人気だ ― は成功する傾向にあるが、スピーカー分野となると一気に興味がしぼむ。しかし、高度なデザインと低価格のHiddenRadioのような製品を見ると、新しい方向も見えてくる。例えば、SonyやSamsungが自社製品をクラウドファンディングに出すことを、私は心から望んでいる。多くの関心を呼ぶことは間違いなく、大きく成功する可能性がある。

昔から言われているように、人は夢を見ることができる。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Bringrrは、忘れ物を教えてくれるシガーライター充電器

私はかなり忍耐強い人間だが、その私を〈一瞬〉にして激怒させるものが一つある。車で遠く家を離れたところで大切な物を入れ忘れたことに気付いた時だ。あれは敗北感と言える。間違いに気付いた時すでに遅れそうになっていたら、また汚い言葉を口にしてしまう。

Bringrrは、私のような人のためのガジェットだ。車のシガーライターの口に差しておくと(充電もできる)、何を荷物に入れたかを静かに見守っていてくれる。もし何かが足りないことに気付けば、〈今〉それを知らせてくれる。10マイル走った後ではなく。

実はBringrrが最初に発売されたのは2010年のことで、一つの物 ― 携帯電話 ― を忘れないための製品だった。車のエンジンをかけた時、携帯電話がBluetoothの範囲にないことにBringrrが気付くと、ランプとアラームで知らせる。

しかし、電話はまだ簡単な方だ。今や多くの人々は携帯と〈共に〉暮らしているので、ポケットの中か手に持っているか充電中のいずれかの状態にある。それ以外の物 ― ピーピー雑音を出し続けない物 ― こそが難しい。財布、カメラ、今日の打ち合わせに必要なファイル等は、渋滞を目の見にした〈その時〉に思い出す品々だ。


そんな物すべてのために、Bringrrはオブジェクトタグ・システムを導入した。Tileとよく似たしくみだ。携帯電話に加えて、彼らが”BringTags” と呼ぶ小さなBluetooth LEタグシールを付けた物なら何でも見張っていてくれる。スマホと財布とバックパックとノートPCを忘れたくなければ、Bringrrとスマホをペアリングし、財布とバックパックにタグをぶらさげ、ノートPCのフタにタグを貼ればよい。次回このうちどれかを持たずに車に乗ると、シガーライター充電器が鳴って教えてくれる。

もちろん中には、毎日は必要としないものもある。仕事用のノートPCは週末には持ち歩きたくないかもしれない。大丈夫。設定アプリで、どのデバイスがどの曜日に必要かを充電器に教えておける。

車の外でも、Bringrrはあなたの物忘れを助けてくれる。それぞれのタグが近くにあるかどうか確かめられるので、失くした鍵を三角測量で見つけられる。それでも見つからない時は? 緊急パニックボタンを使えば、タグが音を立てて鳴り響く。すべては上に書いた Tile と非常によく似ているが、車のエンジンをかけた瞬間に探すところが気の効いた工夫だ。

私の忘れ物(即ち怒り)を減らしてくれるコンセプトは何であれ大好きだが、一つ欠点がある。タグを付けようと思う物ほど、忘れにくい物だということだ。つまり、最も忘れやすいのは、われわれが毎日は持ち歩かないもの(重要な仕事のファイルフォルダー等)なので、あらゆる物についてタグシールを貼ったり剥がしたりしない限り、偶発事故は防げないだろう。

Bringrrは、Kickstarterで7万5000ドルの資金調達を目標にしており、21日を残してあと少しで半分に到達するところだ。チャージャーだけなら39ドル、タグを含むキットは49ドルから。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook