遊びを通して子供たちにプログラミングを教えるArduinoロボットのPrimo

子供たちを遊ばせるのに、単に面白おかしいということ以上のものを求める親が多いようだ。Kickstarterに登録されたDan ShapiroのRobot Turtlesというボードゲームを以前紹介した。これは2万5000ドルの資金調達を目指して登録されたものだが、なんと63万ドル以上の資金を調達することとなった。そちらも遊びながらプログラミングの基礎を教えてくれるものだった。どうやらギーク系の親たちはお金に余裕があり、教育への投資には非常に積極的である様子。

Kickstarterコミュニティの反応を見る限りにおいて、プログラミング系教育系玩具の評判は非常に高いものであるようだ。本日取り上げるPrimoも、Arduino制御のロボットを動かすためのプログラミング作成を、積み木を組み合わせることにより行っていく玩具だ。

Primoのエレクトロニクス系要素はすべて木製のボックスの中に隠されている。これは子供たちにシンプルな木製ブロックで遊んでいるのだと思わせるためだ。ロボットも、プログラミングを行うタイルも、双方ともに普通の木製ブロックに見える。しかしカラーブロック(命令用ブロック)をボードにセットすると、実はプログラミングを行っていることになるのだ(フィジカル・プログラミングインタフェース)。こうしてプログラムを作成し、最後に大きな赤ボタンをクリックすると、プログラム通りにタイヤのついたロボットが動き出す。作ったプログラムにしたがって、ロボットが部屋の中を動き回るわけだ。

命令用ブロックは4つの色で分類されている。ロボットを前に進めるための「前進」ブロックをはじめ、「左」「右」、そして緑色の関数ブロックもある。サブルーチンのようなもので、呼び出すと制御はいったん関数ブロックの中に移り、ブロックの処理が終わると本体に制御が戻ってくることんある。これにより、少々複雑なプログラミングを愉しむことができる。

関数を使うことにより、より長いコマンドを扱えるようになるとともに、プログラマ側には一層の論理的思考力を要求することとなる。遊びを通じて、思考能力の向上などにも役立つものを提供したいというのが、本プロダクトの狙いだ。

先日紹介したKickstarterプロジェクトのKano DIYコンピュータにくらべれば遥かに基本的なものではある。こちらの方は、4歳から7歳くらいの子供たちを対象に、ごく単純なところからスタートさせようとするものだ。

「スキルというのは徐々に身についてくるものです。山に上るのに一歩一歩進んでいくのと同じことです。Primoはプログラミング教育の最初の第一歩となるものなのです。言わば、プログラミング教育のいろはを提供するものなのです」と、イギリスに拠点をおく(イタリア人の)クリエイターは述べている。

このキットを市場に送り出すため、3万5000ポンドの資金調達を狙ってKickstarterに登録した。初期特典で、135ポンドで自分で組み立てるDIY版が提供されている。これまでのところ、27日を残したところで9000ポンド近くの資金を集めている。資金調達に成功すれば、プロダクトは来年8月から出荷していきたい考えなのだそうだ。

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(翻訳:Maeda, H


スマートフォンをArduino用の多目的シールドに変身させる1SheeldがKickstarterに登場, その日のうちに目標額を達成

ArduinoはDIYのハードウェアマニアにとって、天の恵みのようなものだが、でも単体ではほとんど何もできない。そこで、何をやりたいかに応じていろんなアドオンボード、いわゆる“シールド”を付けることになるが、それにはけっこうお金がかかる。音を出したいなら20ドル、インターネットに接続したいなら50ドル、GPSが欲しければそれも50ドル、…というぐあいに。

10月のDisrupt Europeで、エジプトから来た8名のチームが、みんなをびっくりさせた製品で会場賞に選ばれた。その製品1Sheeld(ワンシールド)は、スマートフォンからコントロールする多目的シールドで、だいたいArduinoにやらせたいことは何でもできる(上の画像のスマートフォンの画面のメニューに機能のリストの一部が映っている)。本日(米国時間11/21)、そのプロジェクトがKickstarterに登場したが、その日のうちにたちまち、目標額を達成してしまった。

そのアイデアは、うそみたいにシンプルだ。Arduinoで何かを作るためには、いろんんなセンサや、入力(スイッチ、スライダーなど)、出力(画面、スピーカなど)が要る。センサは、いろいろ探さなくてもスマートフォンの中にたくさんある。入力も、スマートフォンの画面のタッチインタフェイスで十分だろう。スイッチやスライダーやキーパッドなど、なんでも演じられる。出力は、画像音声ともに、完璧だ。だからスマートフォンをシールドにしたらいいじゃないか。というわけで1Sheeldが誕生した。

1Sheeldは、Arduinoをスマートフォンに接続する(今はAndroidのみ)。そしてスマートフォンのディスプレイや加速度計や磁気センサやWiFiや電話、GPS、ジャイロスコープなどなどの機能を利用する。またそのアプリにより、スマートフォンのディスプレイ上でスイッチやスライダーやキーパッドをエミュレートし、出力としてはスマートフォンにLCDディスプレイを演じさせる。スマートフォン上のアプリは、Bluetoothで1Sheeldとデータのやりとりをするし、ユーザのやりたいこと/やらせたいことのインタフェイスでもある。

今の1Sheeldのアプリにできないことは、近くそのAPI/SDKが公開される予定だから自分で機能を実装できる。あなたのカスタムアプリ(1Sheeldにやらせる新機能)をアプリストアにアップロードして売ってもよい。

ただし、あなたのArduinoプロジェクトが実用段階に入るときには、そいつにスマートフォンを取られっぱなしでは困る。スマホに代わって恒久的なソリューションを作るためのソフトウェアライブラリも、すでに用意されている。その作業を容易にするために、できるかぎりシンプルなライブラリ作りを心がけたそうだ。

今朝Kickstarterに登場したこのプロジェクトは、目標額1万ドルを掲げていたが、宣伝も何もしないのに、その目標は6時間足らずで達成された。ぼくがこの記事を書いている時点では、集まった額は2万ドルを超えている。お値段はDisruptのときの発表価格よりやや高いが、でもわずか50ドルだ(初期の出資者向けのサービス価格もあったがそのぶんは売り切れ)。生産のためのパートナーはすでに中国で見つけたから、正規の発売は来年の5月を予定している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ボールペンで紙に線を描くと電子回路が完成するCircuit Scribe, Kicistarterで資金募集中

あのすばらしいPCB用3DプリンタEx1の、次に登場したのがCircuit Scribeだ。このKickstarterプロジェクトは、電子回路のプロトタイプをブレッドボードもハンダ付けもなしで、簡単に作れるプロダクトだ。しかも、ものすごいローテクとローコストを意図的にねらっている。それは一見、ふつうのボールペンだが、使用するインクの原料が銀なので、ノートやメモ用紙などの上に回路を描ける。

その銀インクは、伝導性がある(50-100ミリオーム/S/m)だけでなく、水性で毒性がない。したがって子どもが学校で使うこともできる。このプロジェクトは、メーカーたちやライフハッカー、アーチストなどに加えて、子どもたちも市場としてねらっている。

作者はアメリカ人で、彼によると、このインクはほかのすべての伝導性インクよりも優れている。ボールペンタイプのCircuit Scribeにインクを入れて描くと、最初から最後までなめらかに線を描け、途中でペンを振ったり押したりする必要がない。またインクが乾くのをしばらく待ったり、生乾きの線をシャツの袖などで消してしまう心配もない。

Circuit Scribeはいくつかの既製のコンポーネント(部品)を提供しているので、それらを利用して回路を完成させることができる。LED基板、コイン(硬貨型)電池、9V電池のコネクタなどのほかに、ポテンショメータ(可変抵抗器)、RGB LED、感光素子など、やや高度なものもある。100ドルのデベロッパキットには、モーター、DIY用ソルダーボード、DPDTスイッチなどもあり、Circuit Scribeで作った回路をArduinoやRaspberry Piなどのボード製品と併用することも可能だ。

伝導性インクで描いた回路にコンポーネントをつなぐために、冷蔵庫のドアにメモを貼り付けるとき使うような、小さな磁気素材を利用している(下のビデオ参照)。

“とりあえずコインバッテリーとペーパークリップ(部品保持用)とLEDがあれば回路を作れるが、もっといろんな部品を使えば複雑な回路も作れる”、と同社はKickstarterのページの上で説明している。

未開封のペンは貯蔵寿命が約1年、開封したペンでスムーズに線を描けるのは半年あまりだ(キャップをしっかりかぶせたか、など、保存状態にもよる)。描ける線の長さは60から80メートル、線の伝導性は“数年”はもつ。

目標額は85000ドルだが、残り40日の時点で22000ドルあまりが集まっている。目標額に達したら、多くのコンポーネントを同梱したペンを2014年6月に発売できる予定だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


iPhoneでギターを正確にチューニングする自動調弦器Roadie

ご存知のように、ローディーの仕事は、ステージのセットアップ、その取り壊し、飲み物の用意、そしてギターのチューニングだ。でもこれからは、ローディーの仕事が一つだけ楽になり、何かほかのことができる。こちらのローディー(Roadie)は、弦を張って使う楽器のための自動チューニングマシンで、iPhoneがギターの音を聞き、そしてモーターがマシンヘッドを回して正しい位置に調弦する。これで、たくさんのローディーが失業するだろう。

Band IndustriesのBassam JalghaとHassane Slaibiが作ったRoadieは、深圳のインキュベータHaxlr8rで生まれ、今では製品としてほぼ完成している。マシンヘッドとモーターのホルダーのサイズがほぼ合えば、ギターに限らずどんな弦楽器でも調弦でき、代替チューニングもできる。単純に、弦を外したり巻いたりにも使える。速いから、演奏中でもたぶんOKだ。今ならKickstarterで69ドルで買える。

ギター(など)用のチューナーは前からいろいろあるが、コンピュータが音をチェックして、いろんな構成(~音階)をセットアップできるのは、たぶんこれが初めてだ。Instrument Doctorという機能を使うと、弦やギター本体の不良や劣化を指摘してくれる。充電はMicroUSBで行い、一回の充電で6000回調弦できる。Bluetoothでスマホと通信し、アプリはiOS用とAndroid用が用意されている。

発売は6月を予定している。夏のロックシーズンに間に合うように。ぼくは自分の耳でチューニングするから、つねに不正確だ。ぜひ、こいつを使いたい。ぼくのへたくそなギターも、かなりましな音になるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Toymailは、スマホから音声メッセージを送れるおしゃべり郵便ポスト人形

また一つ、デジタル通信をもっと楽しくするメッセージング方法が生まれた。ToymailはWi-Fi内蔵の人形で、スマートフォンアプリを通じて親子で会話ができる ― メッセージは人形の声で再生される。安い携帯電話を与えて電話すればいいだろうって? もちろんそれも可能だが、Toymailの「メールマン」人形ほど可愛いくもないし楽しくない。

アイデアは、親と子のデジタル対話にちょっとマンガ的な楽しみを注入し、子供たちが早くから画面や携帯にハマらないよう、実物のおもちゃで遊ぶチャンスを与えようというものだ。メールマン人形には5種類のキャラクターがあり、いずれもメールボックスと動物をかけ合わせたような格好をしている。

遠方からメッセージを送れる可愛いらしい物体は、Toymailが初めてではない。今はなきNabaztagが思い出される。Toymailのメールマンたちには、Little Printerと重なる部分もある ― ただし、あちらが小さなロール紙を吐き出していたのの対して、メールマンの指令は純粋な音声だ。

Toymailの会話は一方向だけではない。子供たちはメールマンの背中にあるボタンを押して、最後のメッセージに返信できる ― 子供からの返信はアプリで再生される。アプリを通じて承認された人だけがメールマンとつながることができるので、見知らぬ他人がメッセージを送ることはできない。

そして、もし言うことがなくなった時には、Daily Toymailerサービスに登録しておけば毎日人形宛にメールが送られ、子供の名前を呼んだり歌ったりお話や有名なセリフを教えてくれる。

Toymail開発チームの片方、起業家でMIT出身のGauri Nandaは、かつてあのキュートだが厄介なClockyを考え出したことがある。目覚し時計に車輪のついているので、手の届かないところに転って、止めるにはベッドから出なくてはならない。

Toymailは、市場に出すためにKickstarterで6万ドルの調達を目標にしている。本稿執筆時点で、2万ドルを達成しつつあり、残るは14日間だ。

メールマンは、Kickstarterで50ドル支援すると手に入りiOSアプリは無料(Android版は計画中)だが、日々使用するための費用が別にかかる。人形にメッセージを送るためには、バーチャル切手を買う必要がある。切手1枚でメッセージを送ることができ、50枚綴りの切手は99セント ― あるいは、月間2.99ドルで無制限に送れる。

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(翻訳:Nob Takahashi)


簡単に、しかし本格的にライト・ペインティング(長時間露光写真)を愉しむPixelstick

カメラの長時間露光によって「絵を描く」様子を見たことがあるだろうか。

安い懐中電灯などを使い、暗い夜空に(見事とは言い難い)名前を描いてみたような経験をした人も多いことだろう。うまくできたか気になって、半分も書き終わらないうちにカメラを確認してみるということを繰り返した人も多いだろう。普通の写真に飽きたらなくなった人々が、かず多くライト・ペインティングを楽しんできた。

そして、今回紹介するPixelstickは、ライト・ペインティングを徹底的に愉しむためのツールだ。

Pixelstickという名前の通り、Pixelstickとはピクセルを並べたステッキだ。

もう少し詳しく紹介しよう。長さ6フィートの棒に、198個のフルカラーLEDが搭載されている。ハンドヘルドコントローラー、SDカードリーダー、カードから読み取ったイメージをパースするための電気的な仕組み(回路)から構成されている。

画像投影時、Pixelstickは画像を1列ずつ再現していく。目で見ていても、単に光が見えるだけで意味をなさなない。これを開放モードにしたカメラの前でゆっくり動かすことにより、それぞれのピクセルが画像となって記録されることになる。Pixelstickの描く光の軌跡により、使う人のイメージが写真上に実現されていくのだ。

これだけでもかなりクールな存在なのだが、実はアニメ画像を作成することもできる。連続イメージをSDカードに読み込み、それぞれの撮影シーンをコントローラー側で制御して再現する。まだ見ていない人は、ぜひ上のビデオを見てみてほしい。サンプルを見ればどれほど面白いことができるのかを感じてもらえるはずだ。Pixelstickは回転(スピン)させて使うこともでき、ぐるぐると目の回るような螺旋状のアニメーションも作成できる。

PixelstickはKickstarterにて11万ドルの資金調達をゴールとしていた。しかしこの目標額はあっという間に達成されてしまった。登録4日目にして既に倍以上の額を調達してしまった(翻訳記事作成時点で26万6764ドルを調達している)。最も安くPixelstickを手に入れる額はEarly Bird割引の250ドルに設定されていたが、こちらは当然ながら既に申込み終了となっている。現在の入手可能最低額は300ドルということになる。

(購入する場合には、きっともう少しお金を出してリチャージャブルバッテリーなども入手しておいた方が良いかもしれない。動かすには単三電池8本が必要で、開発者によれば1晩ないし2晩利用すると、電池交換が必要になるとのことだ)

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(翻訳:Maeda, H


IndiegogoのCEOが教える、クラウドファンディングで成功するためのヒント集

私はデータを掘り返してちょっと変わったトレンドを見つけるのが大好きだ。物事が実際に〈動く〉しくみはそうやって理解する。もう一つ私は、クラウドファンディングのコンセプトを本当に〈本当に〉気に入っている。2つを合わせれば私の注目する的がわかるだろう。

今日(米国時間10/29)Disrupt EuropeでのJohn Biggsとの会話の中で、Indiegogo CEOのSlava Rubinは、溢れるばかりの知識を次々と繰り出した。もしあなたが、どんな種類であれクラウドファンディングのプロジェクトを考えているなら、恐らくこれは知っておくべき内容だ。

Slavaが与えたヒントは、その殆どがIndiegogoで過去数年集められたデータから直接得られたものであり、当て推量ではない。「かつて私は色々な意見を持っていた。幸い今は、意見を持つ必要がなくなった。データに基づいて語ることができる」

以下の指摘はIndiegogoのデータを基にしているが、全体的なコンセプトはどこのクラウドファンディング・プラットフォームにもよく当てはまるはずだ。

Slavaは、アドバイスを以下のカテゴリーに分類した。売り込み、早い行動、観衆の見つけ方の3つだ。

売り込み:

  • ビデオのあるプロジェクトは、ない場合と比べて平均114%多く資金を集められる。
  • 支援金額は何種類がいいか迷っている人へ。マジックナンバーは3~8のようだ。
  • 成功したキャンペーンが目標金額を達成するまでの平均日数は36日。
  • 成功したキャンペーンの平均支援金額は約70ドル。
  • 4人以上のチームは、1人だけより70%多く資金を集められる。

早い行動:

  • 支援者(および支援者候補)には頻繁に最新情報を提供すること。「5日以内毎に情報を更新すると、20日以上更新しないプロジェクトの4倍多く資金を調達できる」
  • 支援者候補に連絡を取りたい? Indiegogoでは、メールによるキャンペーンが最も成功している。次がFacebookで、Twitterがその次。
  • 初めが肝心:最初の1週間で目標の25%以上を集めると、達成率は5倍に上がる。

観衆を見つける:

  • 「われわれは、1/3、1/3、1/3という考えが好きだ。Indiegogoは、あなたの成し逐げたいことを倍増する。もし、0ドルしか集められなければ、Indiegogoはゼロ倍しかできない。まず、少なくとも金額の1/3は[自分のネットワークを通じて]自力で集める必要がある。次の1/3はあなたのネットワークの友達を通じて集まることが多い。そして、最後の1/3をIndiegogoが見つけてくるのが平均的だ」
  • はじめは家族や友達に手伝ってもらおう。「空っぽのキャンペーンを支援したい人はいない」
  • プロジェクトは、出来る限り洗練させるべきか? 「その必要はないと思う。大切なのは本物であること。・・・もっと磨くべきプロジェクトもある。それが売ろうとしている商品なのだから。FlipのビデオやiPhoneだけでいいプロジェクトもある。それぞれだ。データからは、洗練さが重要かどうかまだ証明されていない」
  • 英語を使うことの重要性について。「それは議論のあるところだ。海外から出来るだけ多く資金を集めたいなら、キャンペーンの一部にでも英語を使うべきなのは間違いない。だが、もちろん、まず地元のコミュニティーに集中したいのなら母国語を使うべきだ」

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(翻訳:Nob Takahashi)


一日に一定量の水を確実に飲めるインテリジェント水筒H2O-Pal, 腎/尿結石を防げるか

合衆国の国立水飲健康研究所(実在しない)は、国民が毎日大量の水を飲むことを推奨している。そこでH2O-Pal(実在する)は、一日に飲んだ水の量が分かる水筒H2O-Palを開発した。これを使うと、生きるために必要な一日2~5ガロンの水をその日に飲んだか飲まなかったかが分かる(警告: そんなに大量に飲まなくてもよいだろう)。

この電子水筒には目盛と加速度センサがついていて、一日に飲んだ水の量が分かる。水を入れたら、電子回路のスイッチを入れ、そして会社(など)へ行く。洗うときはパックのような形をした装置部分を外す。それをBluetoothでiPhoneにつなぐと、自分の水飲み習慣が分かる。

Kickstarterでの資金募集目標は95000ドル、お値段は一つ59ドルからだ。2月の正式発売時には69ドルになる。同社はスロベニアの首都リュブリャナにあり、この夏プロトタイプを見せてもらったが、なかなかいい。われわれ人間も、ほとんど水でできている生命体だから、その水分を維持するための発明は、何であれ立派だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


腕時計型オシロスコープがKickstarterで資金募集中

未来の考古学者は今のわれわれの文明の遺跡を見て、なぜこんなにたくさんのスマートウォッチがあったのか不思議に思うだろう。たとえばこの、Gabriel Anzzianiが作ったオシロスコープウォッチは、本格的なオシロスコープを人の手首につける。なぜそんなことを? そうしてはいけない理由は、どこにもないからだ。

このウォッチのオシロスコープはXProtolab製の本物で、表示部(オシロスコープ本体)、波形生成、ロジックアナライザー、周波数コントローラなどの部分から成る。Anzzianiが3Dプリントで手作りしたプロトタイプはあまりぱっとしないが、60000ドルの目標額に達したら、ちゃんとした製品がお目見得するだろう。

アナログ入力が2、デジタル入力が8あり、最終的に腕時計型になるか懐中時計タイプになるかはまだ決まっていない。128×128のディスプレイが波形を表示し、時刻も表示する。ご自分のArduinoプロジェクトのための測定ぐらいは、すぐにできるはずだ。100ドルの投資で1台もらえるが、発売予定は来年の4月だ。

あなたはオシロスコープウォッチが必要かな? 必要な人は世界中に一人もいないと思うが、でもこういうものを実際に作ってみようとするハードウェアハッカーがいること自体は、おもしろいよね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Kickstarterで目標額調達間近のFlyKly。後輪交換で、手持ちの自転車を「電動アシスト」化

Kickstarterに登録されているFlyKly Smart Wheelは、手持ちの自転車を電動アシスト自転車に変身させるものだ。後輪にモーター等の必要機器を埋め込んでいる。

Smart Wheelを、いま利用している自転車の後輪(ギア付/ギア無しを問わない)と交換して、スピード設定などを行うアプリケーションを用意すれば準備完了となる。アプリケーションは、このSmart Wheelのロックやロック解除にも用いる(ホイールをロックして、自転車自体が動かないようにするのだ)。それでも盗まれてしまった場合には、追跡用のGPS機能も備わっている。

このFlyKlyを開発したのはニューヨークに拠点をおくスタートアップだ。開発者によると、26インチから29インチのホイールに対応した自転車になら取り付けることができるのだそうだ。取り換えの作業も非常に簡単であるとのこと。但しチェーンオイルには注意が必要だ。取り替えた後輪に搭載されているモーターはアプリケーションによりコントロールされ、上り坂でギアを軽くしたり、あるいは平坦地でスピードを増したりという操作も自動で行うようになっている。

FlyKly搭載自転車の最高速度は20mph(25km/h)から30mph(50km/h)のレンジで設定する。バッテリーは36Vのリチウムバッテリーを使っている。バッテリーの充電は電源ソケットにつないで2、3時間で完了する。また、モーターを切ってペダリングを行ったり、あるいは坂を下ったり、はたまた設定速度を超えてスピードを出すことでも充電することができる。

速度設定などはスマートフォンにダウンロードしたアプリケーションで行うようになっている。ペダリングを開始すると、設定した速度までモーターが回ることになる。そして一定の速度でクルージングを楽しむことができる。意図的に速度を落とすとき、あるいはバッテリーの残量がなくなったときに、スピードは低下することとなる。尚、ペダリングをやめた場合も、モーターは停止する。

また、Smart Wheel搭載のGPS機能を使って、ツーリングルートを管理したり、それを誰かとシェアしたりといったこともできる。また内部パーツの管理を行う機能も持っていて、パーツ交換などの必要性が生じた際には、アプリケーションを通じてアラーとを流すようになっている。

FlyKlyのフルシステムにはスマートフォンマウント用のフォルダーも含まれる。ここにスマートフォンを搭載しておくことで、運転中でも簡単に速度設定を変更することができる。また夜間走行用にLEDも搭載されており、またダイナモによる発電で、スマートフォンを充電することもできるようになっている。

このFlyKly以前にも、普通の自転車を電動自転車にしてしまおうとするKickstarterプロジェクトは存在した。たとえばRubbeeというものも、面白い仕組みだった。但し、FlyKlyの方が、より統合的なアプローチであると言えそうだ。Rubbeeの方は、後輪の上にモーター駆動装置を取り付けて、後輪を「押し回す」ような仕組みだった。FlyKlyの方は後輪自体を交換するもので、モーターはホイールの中央部に配置されている。

むろん仕組みにも興味の集まるところだが、値段も大いに気になるところだ。Rubbeeの1,240ドルという値段を見て、即座に考慮から外したという人も多かったはずだ。もちろんこれは自転車抜きの値段だ。確かに便利なのだろうが、しかし決して安い買い物ではない。

一方で今回紹介しているFlyKlyは値段も抑え目だ。初期割引価格の550ドルは既に予定数を満たしてしまっているが、現在でも590ドルで入手できることになっている。もちろんこれでも、バッテリーの充電回数が1000回程度とされる中、「お手頃」な価格とはとても言えないが、同種の製品群と比べるとかなり抑えられたものとは言える。

尚、FlyKlyはずいぶんと軽量化もしており(4kg)、導入も簡単だ(ホイールを付け替えるだけ)。比較的安価で、かつホイール部分のみを変更するという方法で、手持ちの自転車を電動アシスト化するというのはなかなか面白いアプローチではある。

Kickstarterでの設定目標額は10万ドルだが、29日を残して既に8万1000ドル以上の資金が集まっている。FlyKlyが良いところを突いたということなのだろう。目標額達成の確率も上がっているところだが、達成できれば来年の5月から出荷を開始したいとのことだ。

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(翻訳:Maeda, H


Tikkerは、死をカウントダウンする腕時計。人生は一度きりだから

あなたは診察室で、暗く打ち沈んで待っている。戻ってきた先生は、重苦しい顔で目の前のカルテに集中している。

「あまり時間は残されていません」と申し訳なさそうに言う。「死ぬ前に何かやりたければ、今がその時です」

これこそ、Tikker、死のカウントダウン時計が、あなたに腕を見下すたびに味わってほしい体験だ。このKickstarterプロジェクトには、地球上であなたに残された推定年数がわかる特別なハンドブックがついてくる。ただし現実とは殆ど関係なさそうだ。ユーザーはその値をこの時計に入力する。

本当の時刻を告げる以外に、Tikker は、あなたがあと何年、何ヵ月、何週間、何日、何時間、何分、何秒生きられるかを知らせてくれる。

そこにあるアイデアは、あらゆる瞬間に、人生は短いことをあなたに思い出させることだ。

TikkerのKickstarterプロジェクトは、22日を残して目標額2万5000ドルの2倍に迫る勢いだ。これは控え目に言っても革新的テクノロジーではなく、スタイリッシュでも魅力的でもない。ではなぜ成功したのか?

答えは、Slateが指摘しているように、YOLO[You Only Live Once:人生は一度だけ] だ。

あなたのいちばん怖いものが何であれ、ヘビでもハチでも高所でも閉所でも、何よりも恐ろしいのは、自分のなりたいものになることも、やりたいことをすることも、行きたいところに行くもともなく、人生を終えることだ。

良き幸せな人生を過ごすための継続的なリマインダーとして、Tikkerは自動的に消費者の心に触れる。

もし、あなたの心に届けられた言葉が”Carpe Diem”[その日を摘め]だったなら、今すぐKickstarterでこれをチェックしよう

少々薄気味悪い紹介ビデオはこちら。

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(翻訳:Nob Takahashi)


手作りロボットのための汎用コンポーネントとしてのスマートモーターMoti, Kickstarterで苦戦

ロボットを、まるで子どもの遊びのように簡単にDIYしよう、というプロジェクトは、前にもあった。今回ご紹介するMotiは、スマートフォンでコントロールするスマートモーターで、今Kickstarterで資金を募集している。このモーターを、ボール紙で作った箱や、3Dプリントで作ったオブジェクトなどにくっつけると、スマートフォンでコントロールできるロボットを子どもにでも(あるいは大きな子どもにでも)作れる。SpheroをDIYする、と考えてもよい。

Motiを作っているトロントの企業は、こう説明している: “Arduino互換のマイクロコントローラや多くのセンサ、プログラムによる制御、拡張のためのI/Oピン、Web API、Moti同士のネットワーキング、Bluetoothインタフェイスなどを内蔵しているので、サーボとして理想的だ”。

Motiのコントロールは粒度が細かいので、ユーザはたとえば、回転する回数や、急停止命令などを指示できるという。この細かい粒度があるために、相当細かい自由な動きをスマートフォン側のAndroidアプリにプログラミングできる。

またプログラムからではなく、ライブで動きを制御するためのグラフィカルなインタフェイスもあるから、ユーザはタッチスクリーン上のホィールやスライダーを使ってモーターの回転を制御できる。このように、ソフトウェアのアクションとハードウェアの動きとのあいだに、直接的な連係があるので、作者たちは、Motiは子どもたちの想像力をかきたて、遊びが仕事のおチビさんたちを小さなハードウェアハッカーにしてしまう、と言っている。

複数のMotiをデイジーチェーンして、大きなロボットプロジェクトを作れる。あるいは、一つのMotiで個々のオブジェクトをコントロールしてもよい。後者のこれまでの作例としては、窓のブラインドの角度をリモートコントロールする、カメラを乗せた移動車をコントロールしてストップモーション撮影をする、などがある。

ほかの電子回路や電子装置をMotiにつないで、より高度なロボットにできる。MotiにはArduino互換のマイクロコントローラがあるので新たなセンサやシールドを加えて、それらも含めたプログラミングができる。

それに、Web-APIがあるから、WebアプリケーションやWebサイトからMotiで動くロボットをコントロールすることも可能だ。“新しい種類のビデオゲームを作れるだろう。それに、視覚化やチュートリアルなどを、機器や装置などの実物と連動させることも可能だ”、と彼らは言っている。

Kickstarterの目標額は16万5000ドルとやや大きい。最初の生産量を2000基としているが、投資家たちの理解は得られるだろうか。今は総額12000ドルしか集まってないし、期限まであと12日しかない。〔日本時間10月9日18時で14000ドル弱。なかなか厳しい。〕

60ドルを出資(約束)するとMotiを一つもらえる(電源などのアクセサリはなし)。90ドルなら、Bluetoothシールドつきだから、無線でコントロールできる。発売は、2014年の7月となっている。

〔参考記事: 機能型ブロック玩具

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Kickstarterに登場した299ドルのオイル缶ギターがばか売れ…独特の共鳴音が魅力

おもしろい記事ネタに慢性的に飢えているわれわれは、Kickstarter詣での常連だ。もちろん、人気と宣伝につられてライターが自分のポケットマネーを投ずることも多い。この前見つけたおもしろいKickstarterプロジェクトは、Bohemian Guitar Companyの“オイル缶”ギターで、目標額32000ドルを大きく上回る54000ドルを集めた。ジョージア州の同社から今日、その巧妙なデザインのギターが送られてきたので、早速試してみた。

そのギターは、ピックアップが一つ、それをボリュームとトーンのダイヤルでコントロールする。底に木製のブリッジがあり、メープルウッド製の上質なネックが缶の底まで達している。ボディーは、いかにもリサイクル品に上塗りしました、という風情だが、人がピックした弦に優れた共鳴音(ビヨォ~~~ン)を加える。ヘッドはよくできているが、ぼくのはややきつかった。ピックアップは、シンプルだが最良の共鳴と音質が得られる場所にある。

音はこんな音だが、ぼくのギターのヘタクソは我慢していただきたい:

音は共鳴倍音の多いビヨンビヨンだが、そのため、アコースチックのスチールギターとしても通用する。名人のギタリストなら、これを最高に効果的に使えるだろう。Iron City JazzのCharlie Appicellaに見せたら、軽くて弾きやすいがプロのジャズギタリストが使うには、ちょっとかわいいすぎる、と言った。でも。サーフバンドやカントリーの人なら、逆にステージ映えするだろうし、Bo Diddleyっぽくすらなるだろう。

お値段は299ドルだが、一部は子どもたちを音楽好きにするためのボランティア活動に寄付される。それは立派な目標だし、作者のAdamとShaun Lee兄弟はKickstarterで見事にビジネスを作り上げた。今はどのモデルも売り切れだが、現在はヒップスター的なデザインの缶を使ってBohoファッションに挑戦している。なにしろ、写真を見ただけでも強い説得力のある、そして意外にもクールなプロジェクトだ。ビジネスとして好調なことも、おもしろい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


初めての一般消費者向け3Dプリンタを目指すZimがKickstarterの資金募集で好調

3Dプリンタの市場は、これから先急成長するようだ。3Dプリントの魅力が一般に知れ渡り、“メーカー”呼ばれる人たちやホビイスト、それに本誌のJohn Biggsのような人たちの専有品ではなくなり、一般消費者や企業ユーザが気軽に手を出せるものになってきた。でも3Dプリンタがその広い市場に入っていくためには、使いやすさが重要だ。そこらのおじさんおばさんたちを、びびらせない雰囲気も必要。

消費者向けを意識した製品の例が、タッチ画面で操作するZeusのオールインワンコピー機で、今Kickstarterで資金を募集している。そして今回ご紹介する自称“消費者指向の3Dプリンタ”は、そこら中にプラスチック原液を吐き散らかすようには見えないプリンタを売り出すべく、同じくクラウドファンディングを求めている。そのZimと呼ばれる製品は、Zeusと違って機能は3Dプリントだけだ。3Dオブジェクトブのためのスキャナーやコピー機能はない。でも一般大衆に新しい技術を売り込むためには、できるだけシンプルであるべきかもしれない。

“今売られている3Dプリンタは、かなり技術や知識のある人でないと使えないものが多い。しかも実際に最初の3Dオブジェクトのプリントを開始するまでに、組み立てや調整で数時間もかかる”、Zimを作っているコネチカット州StamfordのZeepro社は、Kickstarterのページでこう主張している。“私たちが作りたいのは、買って箱から出したらすぐに使えるパーソナル3Dプリンタだ”。

Zimは、消費者製品に必要な、完全なプラグ&プレイを目指している。プリント工程に余計なものがなく、プリンタをインターネットに接続→モデルをダウンロード→Zimのアプリケーションを開く→プリントする、…それだけだ。すっきりとしたアルミ製の筐体、プリンタに付いているカメラが撮影するプリントの進捗状況を、スマートフォンのアプリで見られる(長時間プリンタのそばにいなくてもよい)、フィラメントの色はカートリッジ方式で簡単に変えられる(カートリッジはユーザが充填可能)、などなど、消費者向けの配慮が行き届いている。

ネット接続はEthernetとWiFiの両方を提供、Zimのアプリからだけでなく、Webブラウザからリモートでも操作できる。プリントヘッドがデュアルエクストルーダなので、同時に2色プリントができる。また、ワンエクストルーダ方式で素材に水溶性のPVAを使うと、下のビデオのように、複雑なオブジェクトを単純な工程でプリントできる。

Zimのプリント精度は1レイヤが50ミクロン、最大体積は205立方インチ(5.9”x5.9”x5.9”)だ。そしてプリントの最大速度は110 mm/s。

しかし3Dプリンタは、お値段も普及を阻んでいる要因だが? Gartnerの予想では、今後大型の多国籍小売り企業が扱うようになり、需要が増えると価格は大幅に下がるというけど。

ZimのKickstarter支援者特別価格は599ドル、発売予定は2014年3月だ。一般小売価格は、これより高いだろう…899ドルぐらいか。今Kickstarter上では目標額30万ドルの約2/3が集まり、締切りまであと20日を残している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


スキャナー機能内蔵でエクストルーダ8基搭載の3DプリンタLionheadがKickstarterで資金募集中

ぼくは、あの高貴な大型猫(lion)も3Dプリントもどちらも好きだから、Lionheadは気になる。この1600ドルの3Dプリンタは3Dスキャナー機能を内蔵している。本格生産を始められるために今、Kickstarterで6万ドルの資金を募っている。

このLionhead Bunnyを作っているRadiant Li社は、2011年にオールインワンの3Dプリンタを発想し、今年の10月にベータ製品を出せるまでにこぎつけた。この機種はプリントベッドがプリントされたオブジェクトを乗せるだけでなく、スキャンされるアイテムを回転させる。二つのLEDとレーザが物理オブジェクトをスキャンし、そのデータをユーザは編集でき、エクストルーダ4基のプリントヘッドが二つあるので、最大8色でプリントできる。スキャナのない単なるLionheadは2400ドルだが、こちらはプリントベッドのサイズが100x200mm、対してBunnyは150x150mm だ。

スキャナの精度は2mmだから、ちょっと粗いが(下図)、研磨努力などによって.25mmのプリントに仕上げられる。

3Dのプリンタとスキャナのセット製品ではこれがベスト、とは言えないまでも、プリントヘッドが複数あって1600ドルはお買い得だ。お値段の点では既存のメジャーな製品を引き離している。ストレッチゴール(拡張目標額)の12万ドルを達成したら、botObjectsのプリンタのように一つのオブジェクトを多色でプリントできるようになる。なお、現状は悪魔でもベータ製品なので、まだ最小限の機能しかない、と考えた方がよい。ただしエクストルーダ8基は、最初から実装される。

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iPhoneのカメラ用外付けフラッシュNovaはワイヤレスの本格派(近くAndroid用も)

iPhoneのカメラのフラッシュには、誰もが不満だ。今度の最新機iPhone 5S(名前はどうでもいいが)ではLEDが2灯になるそうだが、それは問題の解決にならないどころか、露出過度の写真では画像が洗い流されたようになるリスクもある。あとでInstagramなどのアプリ(のフィルタ機能)を使って修正する手はあるが、要するにユーザとしては、少々暗いところでも、ふつうに写真を撮りたい。…という願いに応えてくれるのが、Novaだ。クレジットカード大のワイヤレス外付けフラッシュで、光量や色温度を調節できるから、暗がりでもまともなスナップ写真を撮れるだろう。

Novaの前にも、たとえばiblazrという外付けフラッシュはあったが、これはiPhoneのヘッドフォンジャックにケーブルをつないで使った。でもNovaはBluetoothを使うから、より自由な置き方ができる。最大距離がiPhoneから20フィートだから、被写体の直近にかざすことすらできるし、あるいは友だちにフラッシュを持ってもらうこともできる。

Novaの作者たちは今、Kickstarterで、生産に要する費用25000ドルを募金している。今写真に写っている(上図)のは、プロトタイプ機だから、今後の変更はあるだろう。付属のアプリで光量や色温度をコントロールできるから、温かい色調やギラギラした色調、などなどを実現できる。Novaの40個の光源(65ルーメン、ホワイトLED)の色温度を個々にコントロールできる、高度なモードもある。

電池は、一度充電(microUSB)すると、待機モードで4週間もち、最大で150回フラッシュできる(状況や使い方による)。実際に目標額が集まったらオープンソースのSDKを公開するつもりなので、デベロッパはBluetooth Low Energyプロトコルによる独自のNovaアプリを作れる。

Androidアプリも開発中だが、それはBluetooth LE対応のAndroid 4.3以降のデバイスのみだ。Novaのお値段は、Kickstarterの出資者には49ドル、その後は54ドルだ。出資者に発送できるのは2014年の2月を予定している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google社員が世に問う、子供にプログラミングの基礎を体感させるためのボードゲーム

子供たちにプログラミングを教えようとするオンラインリソースは数多く見つけることができる。ここで紹介するのは、そうしたものとはちょっと違って、言わば「昔ふう」に家族ゲーム(1980年代には、家族で遊ぶといえばボードゲームが多かった)を楽しみながら、プログラミングの基礎を身につけさせようとするものだ。名前はRobot Turtlesで、ゲームの作者は、アントレプレナーであり、かつGoogle ComparisonのCEOを務めるDan Shapiroだ。現在は日々の業務からは距離をおいていて、こうして自分の気に入ったプロジェクトに時間を割くことができるようだ。

プレイヤーは自分の駒(亀)を、何種類かの命令カードを使って動かす。この「命令」に従った動作を行わせることで、プログラミングの基礎を学ばせようとするわけだ。ゲームの観点からするボード上を動き回る目的は、迷路を抜けて宝石をゲットすることだ。しかし真の目的は、プログラムとは何なのかを感じさせることなのだ。たとえば命令カードの種類は限られていて、そのカードを使って思ったとおりに動かそうとすれば、各命令をうまく組み合わせる必要がある。動作の順序にも気を配る必要がある。また失敗に気づいた時には命令を組み替えるという動作を通じて、デバッグ能力も身につけさせようとする。これもまた、プログラミングにはなくてはならないスキルだ。

ゲームに慣れてくれば、一度に1枚の命令カードを使うのではなく、3枚のカードを適切に組み合わせて一回の指示とするといった使い方もできる。最終的には目的達成のための手順をすべてまとめて「プログラム」として提示するレベルまでいけば素晴らしい。もちろん(必ず発生する)バグを潰す練習も将来に向けて重要なものとなる。ゲームに慣れてくれば、「Function Frog」というカードを使えるようにする。このカードはプログラムにおける「関数」のように使い、あわせてなるべく少ないカード枚数で迷路を抜け出せるようにする。

「プログラミングというのは、子供に身につけさせてあげることのできる素晴らしい能力のひとつだと思うのです。将来的に経験するさまざまなイノベーションにも対応する力を身に付けることになるでしょう」とShapiroは言っている。Shapiroは、自身の4歳になる双子の子供にコーディングの楽しさを伝えようと、このゲームを発案したのだそうだ。

ところでShapiroは本プレジェクトをKickstarterプロジェクトとして登録した。そこでRobot Turtlesを世に出す資金を集めようとしたわけだ。資金はすぐに集まり、登録後わずか一日で、目標としていた2万5000ドルのほぼ倍額が集まることとなった。そこで彼は面白いことを言っている。「Kickstarterは本当に面白い仕組みだと思います。『プロジェクト』を外部の人々が支えてくれることというのは、これまでに経験したことのない体験でした。私は人生のほとんどを企業人として活動してきました。OntelaではVCから3000万ドルの資金を預かっていました。Sparkbuyは、最終的にGoogleによって買収されました。そうした中で私は、日々戦略やビジョン、今後の進むべき方法などに頭を悩まし続けてきたのでした。当時は世の中に出すべきものは『プロダクト』であり、『プロジェクト』は自らの力のみで実行すべきものでした」とのこと。

Robot Turtlesは3歳から8歳を対象とするもので、Kickstarterでの支援者は29ドルで入手できる。支援者に対する商品の発想は12月を予定している。すなわちホリデーにはゲームを楽しめるというわけだ。

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(翻訳:Maeda, H)


あらゆるArduino機器用汎用無線通信モジュールFlutter, レンジ1000m強+メッシュネットワーク内蔵でKickstarterに登場

このKickstarterプロジェクトが成功したら、Arduinoを使ったデバイス間の長距離通信が、これまでよりも安く容易にできるようになるだろう。この、Arduino用のワイヤレス開発プラットホームFlutterは、通信可能な距離が半マイルあまりで、WiFiでは通信が難しいようなアウトドア活動に向いている。

想定される用途は、ホームオートメーション、クァドコプターのような飛行ロボット、環境監視システム、無線で制御する自動車などだ。要するにある程度の長距離で通信を必要とするArduinoデバイスなら、何でもよい。レンジは1000メートル強だがメッシュネットワーキングの機能が組み込まれる予定なので、複数のデバイスによってこのレンジを超えた距離をカバーすることも可能だ。

Kickstarterで8万ドルの目標を達成すると商用の生産が可能になり、Flutterのボードがペアで売られることになる。予価は20ドル、アンテナ付きのプロ仕様が30ドルだ。プロセッサはARM系のAtmel SAM3sを使っている。

Flutter Basicのボードには内蔵アンテナがあり、部品を裏表両側に載せているのでサイズが小さい。電源とプログラミングのためにマイクロUSBがあり、LED、ボタン、デジタルとアナログ用のI/Oポートもある。Proボードには電池充電器や、外付けアンテナがあり、ボタンの数もメモリもBasicよりは多い。

Flutterの製作者は、ボードのほかに簡単にプラグ&プレイできるキットもいろいろ企画している。たとえば家庭用基地局はEthernetやWiFiのルータに接続できる。スマートフォンと通信できるためのBluetoothシールドもあるので、将来的にはFlutterのモバイルアプリも可能だ。

単価が20~30ドルだから、かなり大規模な利用プロジェクトも比較的安上がりに実装できるだろう。

Kickstarterで資金を提供した者には、最低で25ドルのBasicボードから、最高475ドルまでのいろんなオプションが提供される。そのメニューは、Flutter Basic 5、Flutter Pro 5、RC Shield 4、Shield shield 2、Flutter Network Shield 1、Bluetooth Shield 1、Starter Kit 1、USB 10、Breakouts 12などだ。

暗号チップを内蔵していて、通信はすべて暗号化される。長距離の通信がどこかで傍受されても安全だ。

ファームウェアがすべてオープンソースであるだけでなく、設計図面も回路図も材料部品仕様書もすべて公開される。それは、現状をベースとしての改良やフォークを誰もが容易にできるためだ。ワイヤレス開発のためのチュートリアルも提供されるから、ユーザレベルでの今後の多様な開発が期待される。

…という相当意欲的なプロジェクトだが、まだまだ今後やることは多い。商用化に向けてのデザイン、ワイヤレスハードウェアがFCCの認可を取る、サポートのためのソフトやモバイルアプリ(iOSとAndroid)を作る、などなど。でも資金募集の方は、あと27日ある段階ですでに目標額の半分に近いから、明らかにメーカーたちコミュニティの広いニーズにフィットしたのだ。これだけの支持があれば、成功間違いなしだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


物のインターネットをJavaScriptで動かせるDIYボードEspruinoがKickstarterで資金募集中

Arduinoはすばらしいけど、初心者が手を出すには少々難しい。Espruinoは、“世界で初めてのプロアマ両用のJavaScriptマイコン”としてここ2年ほど一部のマニアたちに人気があったが、イギリスのケンブリッジに住む作者のGordon Williamsは、これをさらに磨き上げるためにこのたびKickstarterに登場させた。

Kickstarterで資金募集を開始したWilliamsの目的は、このオープンソースのハードウェアのためのソースコードを完成させて、正規のオープンソースコードとしてリリースすることだ。EspruinoプロジェクトのページでWilliamsは、Kickstarterに‘上場’したもう一つの目的は、Espruinoのソフトウェアをプレインストールしたボードを発売して、買った人がすぐにプログラミングを開始できるようにすること、と言っている。

このような、“物のためのJavaScript”というコンセプトは、デバイスが実際に目的どおりに動くようになるまでの過程を大幅に単純化するから、ハードウェアハッカーにとっては大歓迎だ。Williamsは、LEDを点滅させるだけ、という簡単な例で、EspruinoとArduinoを比較している。後者は、こんな簡単なものでもコードはかなり複雑になる。EspruinoのJavaScriptは、Web開発をちょっと経験した者には親しみやすいだけでなく、変更も拡張も容易にできる。Arduinoでは、同じことをやるために大量の作業が必要だ。

Williamsはソフトウェアデベロッパで、過去にAlteraやMicrosoft、Nokia Collbaoraなどで仕事をした経験がある。そして今は自分の会社で、音楽を3Dで視覚化するソフトMorphyreを作ってている。彼はケンブリッジ大学のコンピュータ科学出身だが、ハードウェアDIYのマニアでもある。彼がEspruinoを作ったのも、イベント駆動型のプログラミングにより、彼と同じ楽しみを分かち合える人びとを増やしたいからだ。

これを欲しい出資者は19ポンド以上を出す。発売予定は2014年の1月だ。Williamsは、ハードウェアの製作では経験豊富なので詳細な生産計画もすでに作ってある。出資額の多い人には、低電力消費の無線ラジオや多色LEDライトなども提供される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


クラウドファンド: トップKickstarterと二位Indiegogoの差が拡大; Kは少額案件, Iは大型案件が多い

IndiegogoはいつもKickstarterに比べて影が薄いが、クラウドファンドを最初に始めたのは前者だ。今回、両者の違いを数字で表そうと思いついた連中がいる。クラウドファンドの世界でフリーの仕事をしているJonathan LauとEdward JunprungがIndiegogoのWebサイトをひっかいて、Kickstarterが無料で提供している統計データと比較できる数値を作り出したが、その結果はなかなかおもしろい。

Kickstarterにこれまで登場した資金募集案件は11万あまりだが、LauとJunprungがIndiegogoでかき集めた数字は44000件だ。この前の某記事では14万2301件となっているが、44000の方は不成功事案と獲得額が500ドル未満の案件が除かれている。つまりKickstarterの数字は全数だが、かき集め方式のIndiegogoの数字はそうでない。

これまでの成功事案の資金調達総額は、Indiegogoの9800万ドルに対しKickstarterはそのほぼ6倍の6億1200万ドルだ。Kickstarterは調達額100万ドルを超えたのが40件、Indiegogoは3件だ。資金募集の成功率はKicstarter 44%に対しIndiegogoは約34%だ(目標額500ドル未満の案件を除く)。今回のかき集め数値でなく前の記事の14万2301件をベースにすると、その記事どおりの9.3%になる。

一方、目標額に達しなかったので中途キャンセルになった寄金額の合計は、Kickstarter 8300万ドルに対しIndiegogo 7000万ドルで、ほぼ横並びだ。また、同じ調達総額に対し、事案数が、Kickstarterは比較的「少額多数」であるのに対し、Indiegogoは「高額少数」だ。後者(Indiegogo)では、調達総額の40%が総額10万ドル以上のプロジェクトだ。

KickstarterはWeb上のクラウドファンドサイトのトップとみなされているが、数字もそのことを証明している。Indiegogoはやり方が下手だとか間違ってる、と言うつもりはない。むしろIndiegogoの方が簡単に載せてもらえるし、資金募集の方式に柔軟性があり、ときにはばかばかしいほど高望みの案件もある。でもすでにこれだけの数字の違いが出ているということは、今後さらに差が拡大することを意味しているのだろう。そもそも案件のタイプが、Ind…とKic…ではかなり違うし、また投資者のタイプも違うようだ。

Lau and Junprungが作り出した数字の詳細はここにある。より詳しく分析してみたい方や、彼らと議論したい方は、ぜひ見ていただきたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))