MicrosoftのWindows Story Remixは、機械学習を使って素敵なビデオを作成する

もし単にビデオ、写真、音楽を指定して、あるアプリケーションにこれらを素敵なビデオにしてくれと指示することができたら、素敵なことではないだろうか?Windows Story RemixでMicrosoftが実現しようとしているのは、そのようなことだ。今年後半に、Windows 10 Fall Creators Updateと共に登場する予定の、この新しいアプリケーションは、Windows 10の新バージョンのすべての新機能を使いやすい機械学習ベースのアプリケーションとして統合して、まるでプロが作ったかのようなビデオを自動的に作成することができる。

このようなプロダクトはもちろん、ステージ上のデモとしては素晴らしいもののように見えるが、もし最終プロダクトが本当に今日同社が見せたようなものになるのなら、間違いなく注目に値する。

アプリケーションに対して、あなたが使いたいビデオクリップや写真、そしておそらくサウンドトラックを与えると、ビデオを生成する準備が整う。そうするとアプリは、例えば動きが派手なシーンや、皆が笑顔をみせているシーンなどを探す。もしそうしたビデオ上に複数の人がいる場合には、最終カットの「スター」が誰なのかを指定することさえ可能だ。もし複数の人が同じイベントのビデオを、複数の角度から撮っていた場合には、Story Remixはそれらすべてを一貫性のあるビデオとして統合しようとする。もちろん、すべての画像やビデオは自動的にタグ付けされるので、簡単に人や物を検索することができる。そうしたことのすべてが、MicrosoftのAI機能によって強化されている。

デモでは、それらのビデオは素晴らしいものにみえていたが、Microsoftがそうした機械生成ビデオを簡単に編集したりカスタマイズできるようにしたということそのものが、ある意味このアプリケーション最大の資産なのかもしれない。タイトルのフォントを変更したり、クリップを少し長くしたりといった作業は簡単だ。しかし、それ自体は全く特別なものではない。他のすべてのビデオアプリでもそれを行なうことができる。Google Photoでさえ自動的に生成されたビデオに対して似たようなことを行なうことが可能だ。

Story Remixを特別なものにしているのは、Surface Penでビデオ上に書き込みができるということだ、そして人や物に対してテキストをアンカーすると、ビデオがパン(カメラの向きを変える)しても、テキストはもとの人や物の場所にとどまったままにすることができる。Story Remixと緊密に統合されているRemix 3Dの中にある3Dオブジェクトを用いて、さらに面白いことをすることができる。たとえばサッカーボールを火の玉に変えたいとしよう。 単に素晴らしい火の玉をRemix 3Dライブラリで見つけて(その火の玉も別の複雑なRemixシーンの一部である可能性もある)、それをボールにアンカーすれば、それで完了だ。物を地面に固定することもできる。

最新のウェブ技術を使用することで、ユーザー作品を簡単にウェブ上で共有することができる。

Story RemixはWindows 10 Fall Creatorsアップデートで公開されるが、手元のPCで使えるようになるのは9月頃だと思われる。

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(翻訳:Sako)

この秋、Widows 10にメジャーアップデート――Microsoft、Creators Updateを発表

シアトルで開催されたBuild 2017デベロッパー・カンファレンスで、今日(米国時間5/12)、MicrosoftはWindows 10 Fall Creators Updateを発表した。これはWindows 10の次のメジャーアップデートのデベロッパー版だ。

Windows 10は2年に1回のメジャーアップデートのサイクルに従っている。Microsoftは一般ユーザー向けアップデートの時期については明かさなかったが、デベロッパー向けバージョンが発表されてから半年後というのがこれまでの例だ。今日Creators Updateが発表されたのでこの秋、一般向けアップデートが開始されることは間違いない。

メジャーアップデートといってもそれほど大きなアップデートではないだろう、もしそうならもっと派手な発表やネーミングがあるはずだと思うかもしれない。しかしそうではない。次のアップデートでは多数の新機能が追加され、Windowsの使い方が変わる。それだけではなく、われわれが毎日使うスマートフォン・アプリも大きな影響を受けるはずだ。

今日のキーノートでMicrosoftのTerry Myersonは「プラットフォーム戦争の激化はデベロッパーにもユーザーにも負担をかけている」と述べた。Windows 10のアップデートは複数のOSを使う際の問題を軽減することを念頭に置いているという(つまりWindowsとiOSを使うような場合だ)。

Fall Creators UpdateではMicrosoftが今日発表したデザイン言語、Fluent Design systemによる新しいUIも採用されるはずだ(Fluentについてはリンク先の記事参照)。Fluent言語は複数プラットフォームおよびVR、AR環境のサポートに重点が置かれており、GoogleのMaterial Designに似ているが「それより進歩している」というのがMicrosoftの主張だ。

新しいアップデートには今回拡張されたMicrosoft Graphも利用されており、異なるOSのデバイス間を移動して作業するのが容易になる。たとえばタイムラインを利用すれば別のデバイスで作業した後。、元のデバイスに戻って作業を続けることがで簡単になる。スマート・バーチャル・クリップボードははiOSとAndroidデバイス間でクリップボードの内容を共有できる。新しいOneDriveはクラウドからローカルにダウンロードしたファイルについてユーザーがさらに柔軟にコントロールできる。またこれらのファイルは通常どおりWindows Explorerに表示される。

アップデートにはMicrosoftのクリエーティブ・アプリケーションが各種付属するはずだが、当面同社は詳細について明かすことを避けている。


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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Microsoftから新しいデザイン言語、Fluent Design System――Material DesignのMS版

シアトルで開催されたBuildデベロッパー・カンファレンスで今日(米国時間5/12)、MicrosoftはFluent Designを発表した。このデザイン・システムを用いればクロスプラットフォームでユーザーインターフェイスを開発することができる。

いろいろな意味でFluentはGoogleのMaterial Design Systemに似ている。この新しいデザイン言語の主たる目的は、デベロッパーがあらゆるプラットフォーム上で単一のデザイン・システムを利用できるようにすることにある。

Microsoftの副社長でWindows Developer Platformorの責任者、Kevin Galloは私のインタビューに答えて、「われわれのチームはデベロッパーがもっと『素敵なアプリ』を簡単に書けるシステムの提供を試みた」と述べた。

Fluentシステムのポリシーは単にデザイン素材を提供するだけでなく、見た目が軽快で 多層のレイヤーを縦深的に利用でき、アニメーションもサポートするユーザーインターフェイスを確立することにあるようだ。アイコンなど共通する素材の提供は、最近のWindowsが複雑化、巨大化によって失っていた透明性を取り戻すために役立つだろう。

Galloによれば、同種の他の試みとは異なり、Fluentは2Dだけでなく3D環境にも適合しているという。 Microsoftが3D環境に強い関心を抱いていることはHoloLensや「混合現実」への巨大な投資でもはっきりしている。「われわれはFluentがデベロッパーが使うあらゆるプラットフォームに対応するデザイン言語となるよう努力した」とGalloは述べた。

Microsoftは次のWindows 10でのペンのサポートのアップデートにもFluentを用いる予定だ。Fluentをサポートするペンを用いるとペンでしかできない機能が使えるようになる。たとえば、ユーザーはそう望めばテキスト・ボックスにペンでテキストを書き込める。

Fluentは多様な入力方法をサポートする。MicrosoftがWindows 8向けに開発したデザイン言語のMetro(何かごたごごたがあって名前を変えたが、変えた後の名前は誰も覚えていない)はタッチ操対応に重点があった。Fluentの場合はクロスプラットフォーム対応に重点が置かれている。これには仮想現実、拡張現実の環境が含まれる。またタッチ操作だけでなく、視線やペンによる入力もサポートする。「(VR、AR空間のサポートではGoogleの)Material Designより桁違いに進歩している」とGalloは述べた。

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Featured Image: microsoft

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

WindowsでiOSアプリを開発、テスト、公開できる――MicrosoftがXamarin Live Playerを発表

これまでもiOSのデベロッパーはMicrosoftのXamarinを利用してC#でアプリの開発ができた。 これにはXamarin.iOS for Visual Studioのような便利な開発環境が含まれていた。ただし依然として開発やテストにはMacが必要だった。今日(米国時間5/12)、MicrosoftがBuild 2017で発表したところによれば、デベロッパーはMacを使う必要がなくなった。

新しいXamarin Live Playerを利用すれば、iOSアプリの開発、導入、テスト、デバッグのすべてをWindowsパソコン上のVisual Studio環境から実行できる。

これによりMicrosoftはほぼ「円環を閉じた」ことになる。つまり多くのデベロッパーにとってWindows 10をクロスプラットフォーム開発のデファクト標準にするという最終目標にMicrosoftは大きく近づいた。

この機能を利用するには、デベロッパーはまずターゲットのiOSデバイスにXamarin Live Playerアプリをインストールし、表示されるQRコードをスキャンして開発用Windows 10パソコンとペアリングする必要がある。Xamarin Live PlayerはVirtual Studio自身に埋め込まれているので、デベロッパーはこのIDEが持つすべての機能を利用できる。たとえば、iOSデバイスでアプリを作動させながらパソコン側でそのソースコードを書き換えるライブ編集が可能だ。色の指定を書き換えると同時に結果をiOSデバイスで確認できる。

Microsoftによれば、同社はあらかじめAppleと協議しており、Live PlayerがAppleの通常のコーディングの規則に完全に準拠していることをAppleが確認したという。

画像: Gh0stman/Flickr UNDER A CC BY 2.0 LICENSE

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

MicrosoftがAzure上で行なう、ディープニューラルネットワークトレーニングサービスを発表

Buildビルドデベロッパーカンファレンスで、本日(米国時間5月10日)Microsoftは、Azure Batch AI Trainingを発表した。長ったらしい名前だが、その内容をよく表現している名称だ。これはディープニューラルネットワークのバッチトレーニングを、Azureクラウドコンピューティングプラットフォーム上で行なう新しいサービスだ。このサービスは現在プライベートプレビュー中だが、いつ公開プレビューで利用できるようになるのかは不明だ。

Batch AI Trainingとは、基盤となるインフラストラクチャの運用を心配することなく、開発者たちがモデルに集中できるようにするマネージドAIトレーニングサービスだと考えるのがおそらく良いだろう。

現在のところ詳細には欠けるものの、基本的なアイデアは、開発者たちに機械学習モデルを訓練するためのサービスを提供することだ。Microsoftによれば、このサービスはあらゆるフレームワークをサポートするとしている。このため開発者たちは、例えばGoogleのTensorFlowや、マイクロソフト自身のCognitive Toolkit、もしくはCaffeなどを使用できるようになる。

開発者やデータサイエンティストたちは、もちろん、モデルを訓練するために使用する環境を構成することが可能だ(もちろろんプライベートプレビュー後に、このサービスを使用するにはどれくらいの費用がかかるかの因子が決定される)。Microsoftは、開発者たちがその作業負荷を、複数のCPU、GPU、そして長期的にはFPGA上で実行できるという点にも言及している。

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(翻訳:Sako)

Microsoft Teamsの開発者たちが、自分たちのアプリを公開できるようになった

Microsoftは、本日(米国時間5月10日)Build 2017カンファレンスにおいて、すべての開発者がOffice Storeを通じてMicrosoft Teamsアプリケーションを公開できるようになったことを発表した。公開されたアプリは、新しいアプリ発見機能によって、Teamsの中で紹介されるようになる予定だ、と同社は言っている。

今回のイベントでは、MicrosoftはTeamsの機能の一部に関するデモを行ったが、その中にはボットや他のコネクターを利用できることだけでなく、タブ、モバイルアプリ、Cortanaとの統合なども含まれていた。

Teamsで同社が目指すのは、Microsoft独自のSlack対抗製品を提供することでもあるが、それ以外にもExcel、Word、PowerPoint、OneNote、SharePoint、Power BIなどのMicrosoftの他のアプリケーションとの連携はもちろん、Asana、Hootsuite、Zendeskなどの企業環境で頻繁に使用されている約150のサードパーティサービスとの統合も実現できるようにデザインすることも目標だ。

Buildにおけるデモでは、これらのアプリケーションたち同士とCortanaがどのように連携して動作するかを示すことに、Microsoftの力点は置かれていた。たとえば、あるミーティングデモの後、モバイルユーザーが彼女自身のラップトップに戻って、Cortanaを通してアクションアイテムを見つけたりするデモだ。CortanaはOutlookに送られてきた彼女宛のミーティングサマリーからその情報を見つけている。ミーティングサマリーには、出席者リスト、ビデオリンク、使用されたタブ、Teamsからのボットインタラクション、などと一緒にユーザーのアクションアイテムが含まれている。このアクションアイテムは、電子メールそのものの中で完了マークを付けられるようになっている。

Teamsのデモに加えて、同社はDeveloper Previewに2つの新機能が追加されたことを発表した。これは来月すべてのユーザーに提供されるものだが、統合拡張機能と、アクティビティフィード内でのサードパーティ通知機能である。

統合拡張機能によって、ユーザーたちは他の画面を切り替えることなく、他のアプリやサービスからの情報を、Teamチャットに持ち込むためのコマンドを発行することができるようになる。

一方、開発者たちは、新しい通知のサポートによって、アクティビティフィード内で自分たちのサービスから重要なお知らせや更新に関する情報を流すことができるようになる。これを可能にするために、開発者には新しいTeams APIが提供される。またチームとチャネルの情報にアクセスするためのAPIもプレビュー中だ。

これらの追加によって、開発者たちは、タブ、ボット、コネクター、統合拡張機能、そしてアクティビティフィード通知などを、1つのTeamsアプリの中にパッケージできるようになる。

MicrosoftはBuildにおいて、Wrike、Sapho、Adobeなどのパートナーからのものを含む、いくつかのアプリの実演を行ってみせた。

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(翻訳:Sako)

MicrosoftがAzure Portal上でクラウドベースのフル機能Bashを提供

Microsoftは本日(米国時間5月10日)、Buildデベロッパーカンファレンスにて、Azure上で動作するアプリケーションを管理するための中央ダッシュボードである、Azure Portalの新機能を発表した。新しいAzure Cloud ShellではPortalで完全なBashシェルを利用することが可能になる。Microsoft独自のPowerShellへのサポートもこの先提供される予定だ。またAzureモバイルアプリからでもこのシェルへのアクセスは可能だ。

Cloud Shellのセッションは永続的ではないが、セッション間でデータは維持される。もちろん、Azureのコマンドラインツールはプリインストール済だ。セッションは自動的に$Homeディレクトリ(ここにはファイルやスクリプトを再利用のために保存することができる)に同期される。つまり、例えばAzure Portalからviを利用することができるようになったということだ。また例えば、Dockerコマンドラインツールを使ってコンテナを起動することもできる。

訂正 :当初Cloud Shellセッションは永続的であると誤って報告した。実際には永続的ではない。データはセッション間で保存されるものの、ログアウトすれば実際の環境はリサイクルされる。

MicrosoftのScott Guthrieは「Azureのすべてのリソースを管理するための素晴らしい方法を提供できます」と述べ、この機能が開発者の生産性向上に役立つと考えていると付け加えた。

同社は昨年12月に、新しいクラウドシェルの初期プレビューを提供していた。

現在すべてのAzureユーザがこの機能を使えるようになっている。

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(翻訳:Sako)

Visual Studio for Macが公式リリース

数ヶ月のプレビューを経て、Visual Studio for Macが公式に利用可能になった。ご存知のようにVisual StudioはMicrosoftの主力開発ツールだが、今回のバージョンは、昨年3月に買収したXamarinのクロスプラットフォームIDEに基づいている。

もちろんこれは驚くようなことではない。昨年のBuildで説明されていたように、ほぼすべてのレベルでXamarinをVisual Studioファミリに組み込むことは既定路線なのだ。しかし、それでもなお、Visual Studioが本当に嘘偽りなくmacOSで利用可能であるという事実に当惑する人もいるだろう。

Macの上のVisual Studioを用いて、ネイティブモバイルアプリや、WindowsやMacのアプリケーションを開発することができる。このことについて否定する人もおそらくいるので、そうした人たちのために改めて繰り返しておくことにする。

Microsoftはこれに対してホットなAzure統合を行っているので、今日アナウンスされている全ての新しいクラウドインフラストラクチャと互換性のあるものとなる。とはいえこれ以外についてはあまり言うべきことがない。新しいバージョンはVisual Studioサイトから入手できる。

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(翻訳:Sako)