Bingが多様な環境への適応を目指しデザインを一新, 普遍的なデベロッパプラットホーム化を志向

最近は検索エンジンをデベロッパプラットホームとしても位置づけたいと志向しているMicrosoftが、そのBingのロゴとユーザインタフェイスを一新した。

Bingの新しいロゴと検索ページの新デザインは、Microsoftが全社的に徐々に行っているヴィジュアルのリフォームの一環だ。Bingのロゴのリフォームは、“シンプルでリアルでダイレクト”を志向し、Microsoft社のロゴと同じSegoeフォント(の別バージョン)を使っている。前のロゴではドットだけオレンジ色だったが、今度は全体がオレンジだ。Microsoftの、4色の旗の形をしたロゴの右下の配色が、これと同じオレンジ色だ。

検索結果ページのレイアウトも一新された。下図でお分かりのように、これまでのような単純なリンクのリストはなく、対話的な要素がいろいろ増えている。

しかも結果は単なるページのリンクではなく、ページ内の、クェリとの関連性の強い部分を見せる。だから逆に言うと、より詳しいクェリが可能だ。Autosuggestツールのビジュアルバージョン的でもある。検索結果ページのPole Positionと呼ばれる部分には地元の天気予報が表示され、1年前に発表されたSnapshotと呼ばれる場所には、何かのトピックや関連リンクに関する概要情報がある。Facebookなどのソーシャルネットワークからコンテンツを取り出すBingのソーシャル検索は、一つのサイドバーへと統一される。

Bingはこれらの新機能により、XboxのコンソールやWindows Phonesなど多様なプロダクトとの統合が容易になり、またユーザの将来の検索クェリも予測できるようになる。そしてさらに重要なのは、全社的取り組みによりBingは単なる検索エンジンからプラットホームにもなることだ。6月にMicrosoftは、Bingをデベロッパプラットホームとして公開し、Bingの普遍的な機能(ユーザインタフェイス、OCR、地図、データの視覚化など)を使ってWindows 8~8.1やXbox Oneも含む多様な環境向けのアプリケーション開発を可能にする、と発表した。当時、本誌のFrederic Lardinoisが書いたように、Bingを多様なアプリケーション開発が可能な普遍的なAPI集合としてデベロッパ向けに公開することは、今後MicrosoftのGoogleとの競合がよりやりやすくなることを意味する。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


MicrosoftのiPhone/iPad用メモアプリOneNoteが日本語入力を高速化, iPadバージョンは完全自立アプリに

MicrosoftのメモアプリOneNoteiPadiPhoneバージョンに今日(米国時間9/6)、小さいけど重要なアップデートが実現した。それによってiPadバージョンは、完全に自立的なアプリケーションになった。これまではiPad上で新しいノートを作れず、その都度デスクトップやWebバージョンを使う必要があった。本日のアップデートでやっと新規作成機能が加わり、またiPad上の既存のノートの編集機能は従来どおり維持される。

これまでと変わらず、ノートはSkyDrive上に保存されて、複数のインストール間で自動的にシンクされる。

iPhoneバージョンはこの新しい機能が加わらなかったので、ユーザは相変わらずデスクトップやWebに縛られる(既存のノートを加えたり編集したりはできる)。でもMicrosoftによると、iPhoneバージョンは今回のアップデートによってダウンロードサイズが従来の半分になった。Microsoftのかねてからの主張では、29の言語とレティナディスプレイ上のグラフィクスをサポートするとどうしてもサイズが大きくなる、ということだったが、どうやら今回、これまでの250MBの半分にまでダイエットに成功したようだ。たかがメモアプリで250MBは、大きすぎだよね。

またiPhone/iPad両バージョンとも、日本語入力が改良された。これまでは多くの顧客が、遅いと不平を寄せていた。

さらに両バージョンには、自動リスト検出機能が加わった。ノートの上で、何かのリストを書くことの多い人には朗報だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


MicrosoftのNokia買収に市場は冷ややかな反応―時価総額から166億ドルが消える

MicrosoftがNokiaの携帯電話事業と知的財産を買収するというニュースに対して、株式市場の反応を否定的だった。営業時間内取引でMicrosoftの株は6%下げた。

現時点で時価総額は166億ドルの減少だ。投資家はNokia買収に強い拒絶反応を示したことになる。ちなみに現CEOのスティーブ・バルマーが退任の予定を明らかにしたときのMicrosoftの時価総額の増加は180億ドルだった。つまりMicrosoftの株主はバルマーの退任を好感したのと同じ程度にNokiaの買収を嫌っていることになる。

MicrosoftはなぜNokiaを買収しなければならなかったのか? Nokiaは事実上Windows Phoneの唯一のメーカーだからだ。Windows Phoneでのシェアが90%にも上っているNokiaがMicrosoftから独立した存在であるのは、ユーザーインタフェースの統一性を守る上その他で、あまりにも危険だったということだろう。.

72億ドル払ってMicrosoftはハードウェアを含めたモバイル・プラットフォームのハードウェアの完全な支配権を得たわけだが、なぜ投資家にはこの決定が嫌われたのだろう? 

アメリカ国内の資金ではなく、税金対策のために海外にストックしてあるキャッシュが使えるので、実はMicrosoftにとってこの買収はまったく財政的負担にはならない。しかし一方でNokiaがこのところ赤字を垂れ流しているのも事実だ。Microsoftが買収したあとも収支が急に改善する見込みは薄い。

しかし市場の反応が否定的なのは、必ずしも財政面だけを考えてのことではないだろう。投資家はNokiaの現CEOでMicrosoft出身のスティーブン・エロップがMicrosoftの次期CEOに座ることを恐れたのだと私は思う。事前の拒絶反応だ。

画像:D.Begley

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


マイクロソフト、ノキアのデバイス・サービス部門を買収

Microsoftは米国時間9月2日夜、「Nokiaのデバイスおよびサービス事業すべて」を買収すると共に、Nokiaの特許をライセンスし、Nokiaのマッピングサービスを使用すると発表した。

取引総額は現金54.4億ユーロで、これは71.7億米ドルに相当する。デバイスおよびサービス事業の買収には、うち37.9億ユーロがあてられ、特許ライセンス契約は残りの16.5億ドルに相当する。

NokiaとMicrosoftは、去る2011年に提携関係を結んでいるが、今回は両社にとってはるかに重大な協業となることは間違いない。

また、契約の一環としてNokiaのCEO Stephen Elopは、同社の社長兼CEOを退き、Microsoftで「Nokiaデバイスおよびサービス担当執行副社長」の新役職に就任する。Elopは、近々空席となるMicrosoft指揮官の筆頭候補者と噂されていることから、これは未来のMicrosoftの経営リーダーを暗示する強いシグナルかもしれない。

同ニュースを発表するプレスリリースで、Microsoft CEOのSteve Ballmerは次のように語った。

これは未来への大胆な一歩だ ― 両社の従業員、株主、および消費者すべてにとってウィン・ウィンだ。すばらしいチームが一体となることによって、Microsoftの携帯電話のシェアと利益を加速し、Microsoftおよびデバイスとサービスのファミリー全体にわたって機会が増加する。Nokiaは、携帯電話のあらゆる価格帯における革新と強さに加え、ハードウェアデザイン、エンジニアリング、サプライチェーンおよび生産管理、さらにはハードウェアの販売、マーケティングおよび流通といった重要分野の優れた能力と人材をもたらしてくれる」

これは、われわれの知るNokiaの終りを意味しているように見えるが、現時点では同社は何らかの独立組織として前進しようと計画しているようだ ― ただし全く異なる戦略で。Nokiaの取締役会会長で、Elop退任後の暫定CEOを務めるRisto Siilasmaaは、リリースの中でこう引用されている。「これは重要な再発明の瞬間であり、わが社の財務的強みを生かし、次の章を構築していく・・・本契約は多くのNokia社員に対して、モバイル分野で成功するための戦略と財源を持つ会社の一員として将来の機会を与えるものだ」。

これは大きな影響を与える可能性のあるニュースであり、今後も本誌は追加情報、分析と共に続報する予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


MicrosoftがFoursquareに救いの手を差し伸べる意味

Foursquareが大手テクノロジー企業から戦略的投資を受けるという噂は、複数の情報筋が候補はMicrosoftらしいと報じて以来大きくなり、BloombergのDina Bassによると、交渉は「進んでいる」。

何でまた、MicrosoftがFoursquareを欲しがるって? と思うかもしれない。これは、プラットフォームのためのアプリケーションサポートではない。その取引は既に完了している。

そうではなく、私が思うにこの投資の目的は、MicrosoftがFacebookに数億ドルを注ぎ込んだのと同じ理由、Bingだ。Facebookで唯一の企業出資者になることによって、Microsoftはソーシャル巨人にマップと検索の機能を提供する長期契約を確定させた。

Foursqureの大部分を所有することは、やり方は違うが、Bingを後押しする。Bingはローカル情報とマップデータの提供においてGoogle、Appleと競合している。モバイル地図が多面的になり、道案内よりもどう暮すかが重要になるにつれ、これら2つの領域は重なりつつある。もちろん、Windows PhoneのBingには、地理情報と地域商業情報を組み合わせるツールであるLocal Scoutがある。

Foursquareは、Microsoftが欲しいデータを持っているというだけで、ぴったりと収まる。このスタートアップは何年もかけて、レストランやホテル、家屋、その他あらゆる物に関する情報をユーザーから集めてきた。それをBingに渡せば、BingはおそらくGoogle以上のものをモバイルユーザーに提供できるだろう。

BingはすでにFoursquareのデータを使っている。Microsoftが関心を持っていると私が思う理由はそこにある。彼らはその価値を知っている。加えて、データの流入が止まったり、誰か(Yahoo、等々)が買収してアクセスを遮断するような事態は避けたい。これは、攻撃と守備を兼ねた行動だ。もちろんYahooは、現在検索技術でBingに頼っているが、1年後もそうとだは限らない。

Windows 8、8.1、Windows Phone 8のユーザー体験、およびデスクトップのBing体験を改善することにもなる。

ではなぜ、Foursquareを完全に買収しないのか? Microsoftはそうする必要がないと私は思う。Foursquareは最新の資金調達ラウンドで6億ドルと評価された。投資家は利益が欲しいだろうし、Microsoftに現金があることはわかっている。今のFoursquareの弱さを考えても、安い買物にはなりそうにない。

しかし、例えば5000万ドルで、MicrosoftはFoursquareの最近の借金を帳消しにした上で、同社収益ある未来を証明するための資金を注入できる。MicrosoftはFoursquareデータの利用が可能になり、そのために意味のある対価を払う必要がない。そして、もしFoursquareが本当に倒れた時、欲しい物を拾い集めるのは、株主であるMicrosoftだ。

本誌ではYahooにも可能性があるという情報も得ている。さあ、ゲームの始まりだ。

トップ画像提供:Robert Scoble

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(翻訳:Nob Takahashi)


マイクロソフトの次期CEOが賭け屋の対象に(マリッサ・メイヤーの賭け率は33倍)

英国の賭事サービスが、Microsoftの近々空席になるCEOの候補者リストを発表し、投票を募っている。これは半分本気、半分ふざけたリストだ。MicrosoftのCOO、Kevin TurnerがCEOに? あるかもしれない。AppleのCEO、Tim CookがMicrosoftの新しいボス? たぶんないだろう。

しかし、Turnerの賭け率が6倍なのに対して、Cookは100倍の大穴なので、そこを考えて賭けること。

賭事グループ、Ladbrokesの考えによると、Steven SinofskyがMicrosoftに帰ってくるかもしれず(賭け率8倍)、Stephen ElopがNokiaを辞めて古巣を率いる可能性もある(33倍)。あるいはMarissa Mayerがビッグ・レドモンドのためにYahooを捨てるか(33倍)、Jack Dorseyが、彼自身恐らく何年もその製品を使っていないであろう会社のトップになるのか(40倍)。

そう、Bill GatesがMicrosoftの最高責任者となって戻ってくるのに賭けることもできるが、賭け率は50倍で、これはLadbrokerの連中が全くのバカではないことを示す、かなりまともな兆候だ。しかし、彼らは “Cheryl Sandberg”[ママ]を賭け率40倍でリストに載せているので、事情に精通しているとも考え難い。

CNETは冗談半分に、「賭け屋のアルゴリズムは第一バイオリンのストラディバリウスより正確にチューニングされている」と解説しているのが笑える。この賭け屋は支払うことがないとわかっている候補を何人か載せているからだ。どうせならCookを1000倍にすれば、それでも平均的顧客にとっては間違いなくマイナス期待値の賭けになるだろう。

最近ここTechCrunchでは、Ballmerビンゴを開催されたが、GoogleのVic Gundotraも候補に入っていたことをお伝えしておく。Lndbrokesは、もしそれが起これば25倍を支払うことになっている。

実際のところ、まともな候補者リストはまだリークしていない。おそらくMicrosoftの次期CEO選びプロセスは、まだ初期段階にあるのだろう。誰になるのか? 私やあなたでないことはわかっている。候補者 ― Microsoft規模のテクノロジー会社を経営するのに十分な経験とカリスマ性を持つ人物 ― の数は少ないが皆無ではない。今のところ、現Windows責任者のTerry Myersonが賭け率12倍でリードしている。

トップ画像提供:Aanjhan Ranganathan

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(翻訳:Nob Takahashi)


Microsoft、Windows 8.1の開発完了を宣言―ただし公開は10月18日

今日(米国時間8/27)、MicrosoftはWindows 8.1の開発が完了し、生産を開始したと発表した。しかしわれわれ一般ユーザーが手にうするのは10月18日まで待たねばならない。MSDNとTechNetの契約ユーザーも事前入手はできないという。

Windows 8.1はタブレット市場を目指した2度目OSであり、かつ低調を伝えられるパソコン市場の再活性化を狙う試みとして非常に重要な製品だ。Windows 8.1がユーザーを満足させる大幅なアップグレードになっており、かつハードウェア・メーカーにも魅力的であれば、Microsoftはパソコン市場の凋落をかなりの程度減速することができるかもしれない。そうでなければパソコンの衰退は加速し、社内でのWindows事業部の存在感もますます低下することになろう。

Windows 8.1でパソコンの退潮を止めることはできないだろうが、Microsoftがタブレット市場でシェアを拡大することはできるかもしれない。Windows 8.1がタブレットで成功すればWindowsはパソコン専用のOSではなくなる。Microsoftはパソコンの売上が落ちても、タブレットでWindowsの出荷本数の穴埋めができるかもしれない。

MicrosoftはWindows 8.1を「大幅なアップデート」だとしている。これは事実だ。またそうしたOSの大幅なアップデートを極めて短期間に実施できたことを自慢している。もっとも評判の悪いWindos 8をそのままにしてクリスマス商戦を迎えたらどうなっていたか容易に想像がつく。Microsoftとしては是が非でも早い時期にアップデートを実施する必要があったわけだ。

Windows 8.1は、数ヶ月前に私が書いたように、既存機能の改良、インタフェース・デザインの変更に加えて、Winows 8で問題になっていた箇所w修正する重要な新機能の追加などからなっている。Windows 8に対する実質的に重要なアップグレードといってよい。しかし、製品が公開されて一般ユーザーからのフィードバックが得られるまでは、この改良が十分だったかどうかは分からない。なるほど重要なアップデートだ。しかし十分だったかというのがポイントだ。

私はWindows 8.1だけでは十分とは言えないと予測する。つまりソフトウェアのアップデートに見合った魅力的な新しいハードウェアが登場しなければユーザーに財布のヒモを緩めさせることはできないだろう。しかしよく出来たタッチスクリーンを備えたデバイスとWindows 8.1の組み合わせには説得力あるユーザー体験になると思う。

いずれにせよあと2ヶ月だ。Windows 8.1はすぐそこまでやって来ている。

トップ画像:Dell Inc.

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


スティーブ・バルマー以後のMicrosoftは何をなすべきか?

編集部:この記事はBoxの共同ファウンダー、CEOのAaron Levieの寄稿。Twitter:@levie.

スティーブ・バルマーがMicrosoftのCEOを退任すると発表したことはテクノロジー企業の歴史でも10年に一度の出来事だ。ビル・ゲイツが基礎を築き、続いてゲイツとバルマーが、やがてバルマーが単独で拡大した帝国のひとつの章が終わったことを象徴している。

バルマーのMicrosoftについては対照的な2つの見方が存在する。マスコミにお馴染みのより広く知られた見方は否定的なものだ。いわく、バルマーのMicrosoftはGoogle AppsやAmazon Web Servicesのようなクラウド化の波に対応が遅れた。AppleとGoogleが開始したモバイル化への対応にも失敗し、Microsoftの独占的地位を大きく弱めた。Zune、Windows Vistaその他でも大失敗した…。

もうひとつの見方はそれほど広く知られていない。実はMicrosoftはバルマーの下で売上を220億ドルから780億ドルへと3倍以上に伸ばしている。

Office 365とAzureというクラウド・プラットフォームを開発し、成功させたのもバルマーの時代だった。またSkypeやYammerといったキー・テクノロジーを持つ企業の買収にも成功している。 またYahooとFacebookの検索エンジンとなるなどの巧妙な戦略によってMicrosoftの検索シェアをゼロ同然から30%に成長させた。またMicrosoftは創成期のFacebookに巨額の投資をして有力株主となった。Microsoftがオープンソースやサードパーティーのプラットフォームを採用するようになったのもバルマーの時代だ。

しかし白でなければ黒と決めつけずにはおかないテクノロジー市場にあっては、こうした数々の成功にもかかわらずMicrosoftは「敗者」とみなされている。

Microsoftは世界が以前に比べてはるかに多様化し、ユーザーの選好がはるかに重要になっていることを認識する必要がある

そういうことになったのはなぜだろうか? 答えは市場のあり方が劇的に変わったことを認めようとしない旧態依然たる戦略にある。今や司法省反トラスト局はMicrosoftに対して国務省がカナダに対するほどの注意も向けていない。Appleはより優れたデバイスを作っているし、Googleはより優れた検索サービス、クラウド・サービスを提供している。Microsoftは世界が以前に比べてはるかに多様化し、ユーザーの選好がはるかに重要になっていることを認識すると同時に、それに対応した戦略を採用しなければならない。

最近バルマーが実施した改革は組織の再編成という社内向けのものだった。それはそれで重要だが、社外の現実への対応はさらに重要だ。現在のソフトウェア産業もハードウェア産業もゼロサムゲームではない。こうした新たな現実を踏まえてバルマーの後継者が何をなすべきか、いくつかヒントを上げてみよう。

アプリのアンバンドル MicrosoftはOSの圧倒的成功によってアプリケーション産業を支配した。Lotus、Word Perfect、Netscape、Real Networks等々、競争相手はOSと密着したMicrosoftのアプリケーションによって踏み潰されていった。しかし現在では事情は変わった。今や「尻尾が犬を振る」時代だ。ユーザーは好みのアプリを使うために必要ならMicrosoftのOSから離れていく。

今やインターネットに接続しているデバイスのOSは圧倒的に非Windowsだ。だからMicrosoftはアプリケーションをWindowsという母艦から切り離なければならない。ところが依然としてMicrosoft Officeなどの主要アプリケーションはAppleやAndroidデバイスでは利用できないか、機能が限定されているかしている。数年後にはタブレットの出荷台数がパソコンを上回ることが確実な時代だ。Microsoftはぜひともアプリケーションを自立させ、それ自身で競争に耐えるものにしなければならない。

オープン化 クラウド化の最大のメリットの一つは、異なるベンダーのアプリケーションでもシームレスに協調動作できるようになったことだ。 以前のように、単一のベンダーからすべてのアプリケーションを買うのでなければ統合環境が整備できないなどということはない。APIを利用した連携によって、ユーザーは好みのアプリケーションを自由に組み合わせて使うことができる。NetsuiteやWorkdayのERP〔企業資源計画〕システムはZendeskの顧客サポートシステムと連携できる。ZendeskはJiveのソーシャル・ストリームと連携可能だ。クラウド・アプリケーションを相互に連携動作させるクラウド・スタックはソフトウェアのオープン化を強力に推進し、ユーザーのメリットを増大させる。しかし、現在Microsoftはこうしたクラウド・スタックで利用できるような新しいアプリケーションをまったく持っていない。

たとえばウェブ版Officeをサードパーティーのアプリ(たとえばBoxとか)と連携させようとしても、議会に法律を変えてもらえば別だが、APIをいじるだけではどうにもならない。こうしたクローズドなアプリケーションはOS独占が成立していた時代ならユーザーに選択肢がない以上合理的だったかもしれないが、IT資源が過剰なまでに溢れている現在では意味を失っている。Microsoftの新しい経営陣は、かつて「敵」とみなしていた企業のソフトウェアとオープンに協調動作していくことが決定的に重要だということを認識する必要がある。

プロダクト! プロダクト! プロダクト! (それにデベロッパーも) 全体としてみると、Microsoftのソフトウェア・プロダクトは過去の栄光にあぐらをかいていると言わざるを得ない。 ライバルがここ何年かで開発してきたiPhone、Android、Chrome、iPad、自動走行車、GoogleGlassといったプロダクトに比べると、Microsoftの成功しているプロダクトはすべてパソコン全盛時代にそのルーツがあるものばかりだ。

なんとかしてMicrosoftはサードパティーが次世代のスーパー・アプリ、スーパー・サービスを生み出せるようなプラットフォームを創設する方法を考えださねばならない

Microsoftが復活するためには、(再び)プラットフォーム企業となることが必要だ。Googleは検索をベースとした巨大なトラフィック、Chromeというブラウザの新たな標準、Androidによるアプリ市場などを提供することでいわば「善意の独占者」となっている。AppleもiOSによって巨大なアプリ市場を創設し、すでに多数の10億ドル級スタートアップを生み出している(Uber、Instagram、Angry Birds、Super Cell、Spotify等々)。なんとかしてMicrosoftはサードパティーが次世代のスーパー・アプリ、スーパー・サービスを生み出せるようなプラットフォームを創設する方法を考え出す必要がある。今回は成功したスタートアップをライバル視して片端から踏み潰すようなことをせず、エコシステムの育成に務めねばならない。

ビジョン 最近Microsoftが公にしている自社の定義は「Microsoftはデバイスとサービスの企業だ」というものだ。これはまるでディズニーが「われわれはテーマパークと映画の企業だ」と言うようなもので意味がない。「すべての家、すべてのデスクにパソコンを」というMicrosoftの創成期のビジョンは、当時としては「月に人間を送る」くらいの壮大なスケールの使命だった。株主やアナリスト向けの戦略を立案するだけでは十分ではない。消費者一般が理解し、共感できるようなユニークなビジョンを掲げることがぜひとも必要だ。

いくつか希望をもたせる兆候も現れている。Satya Nadella Qi LuTony Batesらの新しい幹部は従来とははっきり違うオープンなスタイルをMicrosoftにもたらしている。たとえば、今年のBuildデベロッパー・カンファレンスでデモ機にMacが使われた。10年前なら神聖冒涜行為と考えられただろうが、今ではMicrosoftも新しい現実を理解するようになってきた。ウェブやプラットフォーム・プロダクトについても従来よりアップデートnペースが早まり、四半期に数回もアップデートされることが珍しくない。数年前までの「アップデートは3年に1度」という体制から比べれば大きな進歩だ。

誰がレッドモンドの巨大タンカーの指揮を取ることになるのか分からないが、Microsoftを新しい現実に適応させるよう適切に舵取りができる人物であることを祈りたい。

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Microsoft CEOのスティーブ・バルマー、12ヵ月以内の退任を発表

寝耳に水のニュースが入ってきた。MicrosoftはながらくCEOを務めてきたスティーブ・バルマー(Steve Ballmer)が12ヵ月以内に引退することを発表した。後任CEOを任命する特別の委員会が設置され、後任が決まるまではバルマーが引き続きCEOを務める。

「このような話をするのにパーフェクトなタイミングというのはあり得ないと思います。しかしなかなか良いタイミングではないかと思うのです」と、Microsoftのプレスリリースにてバルマーは言っている。「新たな体制で、新しい方向を目指してきましたが、立派な上級管理職たちも育ってきました。デバイスおよびサービスを主力におく方向へと動き出してから引退しようと考えてはいました。しかし新たな動きを行うには、より長い目で動きを見据えることのできるCEOが必要であるとの結論に達したのです」。

Microsoftは7月11日に、一層ハードウェアに力点をおいた大規模な組織再編をアナウンスしている。この動きはスティーブン・シノフスキー(Steve Sinofsky)を退職に追い込み、しかる後に顕在化してきたものだ。その時点でバルマーは「全社的意思統一と、より統合した迅速な開発サイクルを実現すべきだ」と話していた。

会社を複数の事業部(Windows、Office、エンターテインメント、オンライン等)に分割しておくのではなく、ひとつの事業を支える機能体(OS、デバイス、アプリケーション、サービス等)として運用すべきだと考えたわけだ。これはApple風の運営方法と言えるものだ。

バルマーは、こうした大規模改革に乗り出したばかりだ。それであるので、本日の突然の引退発表が一層意外に感じられるのだ。もしバルマーが進めようとしていた「One Microsoft」ビジョンが継続されないということになれば、改めて大規模組織変革が行われることになる。

ちなみに、バルマーの引退がアナウンスされる前からも、時期CEOについてはいろいろと話があった。たとえば、結局Microsoftを去ることになってしまったが、スティーブン・シノフスキーは大いなるやり手であり、バルマーの後継であるという声も大きかった。またジュリー・ラーソン-グリーン(Julie Larson-Green)をおす声もある。後継が決まらないうちにバルマーの引退をアナウンスしたというのは、バルマーの引退が予定よりも早いものであることを意味するのだろう。時期CEO任命のための特別委員会でも、未だ候補者すら定まっていないという状況であるようだ。

バルマーは、共同ファウンダーのビル・ゲイツ(Bill Gates)が2000年1月に引退して以来、MicrosoftのCEOを務めている。以来Windows XP、Xbox 360などでは好成績を収めた。一方でWindows Vista、Kin、Zune、あるいは最近のSurface RTなどは失敗であったと評価されている。バルマーは、ステージでの熱いスタイルでも有名な人物だった。

この10年間、Google、Apple、Amazonなどの株価が大幅に上昇する中、Microsoftの株価にはほとんど動きがなかった。今回のニュースを受けて、プレマーケットにて9%の伸びを示している。

スティーブ・バルマーは以下のメモ(英文ママ)を発表している(強調はTechCrunchによる)。

I am writing to let you know that I will retire as CEO of Microsoft within the next 12 months, after a successor is chosen. There is never a perfect time for this type of transition, but now is the right time. My original thoughts on timing would have had my retirement happen in the middle of our transformation to a devices and services company focused on empowering customers in the activities they value most. We need a CEO who will be here longer term for this new direction. You can read the press release on Microsoft News Center.

This is a time of important transformation for Microsoft. Our new Senior Leadership team is amazing. The strategy we have generated is first class. Our new organization, which is centered on functions and engineering areas, is right for the opportunities and challenges ahead.

Microsoft is an amazing place. I love this company. I love the way we helped invent and popularize computing and the PC. I love the bigness and boldness of our bets. I love our people and their talent and our willingness to accept and embrace their range of capabilities, including their quirks. I love the way we embrace and work with other companies to change the world and succeed together. I love the breadth and diversity of our customers, from consumer to enterprise, across industries, countries, and people of all backgrounds and age groups.

I am proud of what we have achieved. We have grown from $7.5 million to nearly $78 billion since I joined Microsoft, and we have grown from employing just over 30 people to almost 100,000. I feel good about playing a role in that success and having committed 100 percent emotionally all the way. We have more than 1 billion users and earn a great profit for our shareholders. We have delivered more profit and cash return to shareholders than virtually any other company in history.

I am excited by our mission of empowering the world and believe in our future success. I cherish my Microsoft ownership, and look forward to continuing as one of Microsoft’s largest owners.

This is an emotional and difficult thing for me to do. I take this step in the best interests of the company I love; it is the thing outside of my family and closest friends that matters to me most.

Microsoft has all its best days ahead. Know you are part of the best team in the industry and have the right technology assets. We cannot and will not miss a beat in these transitions. I am focused and driving hard and know I can count on all of you to do the same. Let’s do ourselves proud.

Steve

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(翻訳:Maeda, H)


Google、Windows PhoneのYouTubeアプリをアク禁―「HTML5で書け」とMicrosoftに要求

今朝(米国時間8/15)、GoogleはMicrosoftのYouTubeのWindows Phoneアプリをアクセス禁止 にしたことを認めた。これはアプリが発表されてから50時間後の決定だった。Windows Phoneユーザーは当然ながら失望している。

いったいどういう事情があったのか? ここ数時間、私が状況を調べてみたところ、以下のようなことがわかった。

Microsoftが新しいYouTubeアプリをWindows Phone向けに最初に発表したのは5月だった。 Googleはこれに不満を抱いた。このアプリはGoogleの配信する広告を正常に表示せず、ビデオのダウンロードが許されていた他、Googleブランドの表示もGoogleが望むような仕様になっていなかった。Microsoftはいったんアプリを引っ込め、両者はアプリの修正に向けて協力していくことで合意した。

それなのに修正されたはずの新アプリが再度、アク禁となってしまったわけだ。問題の原因は、GoogleがアプリがHTML5で開発するよう要求したのに対し、Microsoftは機能面ではGoogleの3つの要求を容れたものの、Windows Phoneプラットフォームの技術的な制約のために不可能だとして、あくまでネーティブ・コードで開発を続行した点にある。

MicrosoftはまたGoogleに対して「将来、Windows Phone側の準備が整い次第HTML5に移行する」ことを約束した(つまりMicrosoftはWindows Phoneのメジャー・バージョンアップに取り組んでいる)。

しかしこの点に関して両者の合意ができないまま、Microsoftはアプリを公開してしまった。当然Googleは不快になり、YouTubeへのアクセス権を剥奪した。またMicrosoftはGoogle自身が利用しているモバイル広告APIへのアクセスを要求していたが、Googleはこれも却下した。

Googleは「YouTubeアプリの開発者は全員が同一のガイドラインに従うべきだ」というコメントを発表した。つまり全員がHTML5で開発せよということだ。それは理にかなっているように聞こえるが、全員というのはGoogleには適用されない。Google自身のiOS向けとAndroidのYouTubeアプリはネーティブ・コードで記述されている。

しかしそのぐらいでGoogleはたじろがず、Microsoftに「そいつをHTML5で書け」と要求した。そこでMicrosoftは困難な立場に立たされた。Windows PhoneにきちんとしたYouTubeアプリが必要なのはもちろんだが、Windows Phoneがアップデートされるまで正常に動作するYouTubeアプリはHTML5で書けない。そこでMicrosoftはGoogleにアク禁にされる可能性が十分あるのを知りながらネーティブ・コードのアプリを一方的に発表するという少々図々しい戦術を取った。で、予想どおりGoogleはアク禁にした。

テクノロジー界隈では「事実は小説より奇なりだ」。

いい迷惑なのは何百万人もWindows Phoneユーザーだ。もちろん、モバイル版Internet Explorerを使えばWindows PhoneでYouTubeを閲覧するのは可能だ。今後どう決着がつくか予想はできない。ともあれ今後もGoogleとMicrosoftは小競り合いを続けていくことになるだろう。

アップデート: MicrosoftはHTML5問題を詳しくブログ記事で説明している。

[画像:Flickr]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


MicrosoftがSurface RTの不調を正直に報告しなかったため株主たちから集団訴訟

【抄訳】

Microsoftは、Surface RTタブレットの実績に関して虚偽の声明を行い、同社第三四半期において製品の在庫状況を正しく評価しなかった、として集団訴訟のターゲットになった。

焦眉の問題は、Microsoftがその第四四半期において突然、Surface RTの在庫調整経費と称して9億ドルの損金を計上したことだ。Surface RTはMicrosoft初のタブレットハイブリッド機で、同社史上始めて、Microsoft自身がメーカーとして市場に参入した製品でもある。

しかし売れ行きはぱっとしなかったようだ。そこでMicrosoftは、9億ドルの借方計上をせざるを得なくなった。しかし今回の訴訟は、MicrosoftはSurface RTの不調をもっと前から知っていて、にもかかわらず、第三四半期においてそのことを投資家に告げないという虚偽を行った、と主張している。

9億ドルの損金発生はMicrosoftの収益減を導き、翌日の株価が11%下げ、総額で300億ドルあまりが虚空に消えた。訴えの主旨は単純だ: もしもMicrosoftがSurface RTの実績を口頭や書面、および宣誓を伴う会計証言において誠実に報告していなかったのなら、投資家はSurfaceプロジェクトに関して万事順調であると騙されていたことになる。あるいは少なくとも、10億ドル近い巨額の損金には相当しなかったはずだ。

そして、実際に騙されていたのなら、期末におけるわずか7セントの株価下落でも、問題視するに十分である。
【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Microsoftは、Windows RTの死を認めようとしない

Microsoftは苦しい立場にいる。Windows RTは溺死状態だ。しかしMicrosoftでは,無数のSurface RTタブレットが倉庫でほこりをかぶっている。そこでBalmerと仲間たちは、Appleに対する無知な戦いを続け、遥かに成功しているiPadと比較するテレビCMを作った。

ネタバレ:Surface RTは勝者であると宣言される

以前のCMと同じく、Surface RTのiPadとiOSに対する正当な優位性が繰り返し語られる。そして多くの場合、Microsoftは必ずしも嘘を言っていない。Surface、そしてWindows RTは、iPadに対して明確な優位性を持っている。一見、Windows RTは、iOSよりも生産性が高く進歩的に見える。しかし、スタート画面を何度か左右にスワイプしてみると、その新奇性は廃れる。

もちろんMicrosoftは、iOSに見られるようなアプリをWindows RTで揃えることに失敗している。

Windows RTは、初めから敗者だった。そして今、Asusが市場を引き上げ、このWindows 8の弟分は急速に存在感をなくつつある。Asusが去り、残るWindows RTハードウェア製造者は、DellとMicrosoftだけだ。Samsung、HTC、HP、およびLenovoは以前にWindows RTタブレットの計画を取り下げている。

「これは我々だけの意見ではない。業界全体がWindows RTは成功していないとという意見だ」とAsusのCEO Jerry Shenは、Wall Street Journalに語った。

現時点でWindows RTの支持は急速に消滅しつつあり、Microsoftは、スペックだけで購入する疑うことを知らない消費者を相手に失敗作のタブレットを押し付けようという仕打ちをしている。WIndows RTの製品区分は早々になくなり、現在のわずかなデベロッパーサポートもすぐに後を追うだろう。消費者の手に残るのは過去の遺物と化したタブレットだけだ。

6月に私が書いたように、Microsoftよ、Windows RTをあきらめろ

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Surfaceの通信簿:Microsoft製タブレットの2013年度売上は8.53億ドル、1日当たり340万ドル

今日(米国時間7/30)のSEC提出書類で、Microsoftは非常に興味深い事実を公表した。Surfaceタブレット製品ラインは、会計2013年度中同社に8.53億ドルの売上をもたらした。しかし、Surfaceの販売が開始されたのは10月26日なので、会計年度中の販売期間は247日間だ。

ここから、Surfaceの1日当たり売上は345万ドルと計算される。通年に換算すると、Surfaceは年間推定売上は126億ドルだ。しかし、Surfaceの売上は、Surface RTおよびProの発売時が最大で、それ以外は少ないと考えられるため、1日当たり、1年当たりの数字は変わってくると私は予想する。

この数字に対する評論は決定的にネガティブだ。Nex WebのJosh Ongは、この数字は本タブレット製品が「財政破綻」だったことを確認するものであると言い切ったThe VergeのTom Warrenは、同端末の総売上は、Microsoftが前四半期に計上した9億ドルの評価損よりも少ないと指摘した。そしてGeekWireのTodd Bishopも、8.53億ドルの売上は、Microsoftが「主としてWindows 8とSurface」によるとした8.98億ドルの新たなコストよりも少ないことを強調した。

もしSurfaceが単独ビジネスなら今頃死んでいる。しかし、Microsoftの一部門である限りそれはならない。

企業としてのMicrosoftは、過去の利益を現金の形で蓄えた構造的財産を持っている。同社はかつてOEMの世界に参入することを決意し、私が知る限り、Surfaceプロジェクトにこだわり続けており、スロースタートなどあり得ない。

この会社がそうやって投資を続けた最近の強固な先例がある。Windows Phoneだ。Windows Phoneが少しでも一人歩きできる体力をつけるまで丸々2年間苦闘の日々が続いた。言い方を変えれば、Windows Phone 8とNokiaの最新機種が出るまで、スマートフォン事業は空気を吸い込んでいた。

それでもSurfaceよりはましだ。このタブレット製品群はMicrosoftの短期的利益に著しい損害を与えた ― 9億ドルの債務は同社前四半期の1株当たり損失0.07ドルに相当する。

しかしMicrosoftは金を持っているので、望むならSurfaceに注ぎ込み続けることができる。Windows Phoneや、Bingや、その他彼らが戦略的に重要だと考えたサービスと同じように。Microsoftは、長年イノベーションや先進的アイデアを示すことに失敗してきた同社のOEMパートナー優先をやめたがっているのだろうか。

そうではないだろう。もちろんMicrosoftにとってSurfaceの損が少なければもっとよかっただろうが、まだこのプロジェクトは終っていないと私は思う。テスト方法:もし次世代Surface製品群の発表が低調だったら、われわれはドアが閉じるのを見ることになるだろう。

トップ画像提供:Vernon Chan

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(翻訳:Nob Takahashi)


やっぱりAndroidはモバイル時代のWindowsか?

柔軟で拡張性の高いOSがサードパーティーのハードウェア・メーカーに開放されて市場に独占的地位を築いた。どこかで聞いた話? デジャヴ?

実際、AndroidとWindowsの並行関係は驚くほどだ。ではAndroidはMicrosoftがWindowsで陥っているような落とし穴を避けられるだろうか?

ともあれまず現在のAndroidと95年のWindows 95の類似点をおさらいしてみよう。

  • Androidはほぼ無数のフォームファクターのハードウェアによって断片化(多様化といいたければそうも言える)されている。 サードパーティーのメーカーのAndroidサポートは(Windows同様)、きわえめて広範囲で、根強い。
  • Androidの柔軟性と自由性はありとあらゆる種類のアプリケーションが爆発的に生まれることを可能にしたが、アプリ市場にマルウェアや屑アプリが蔓延するなど無法状態も招いている。インターネット初期のWindowsも同様の無法時代を経てきた。
  • AndroidはAppleがパイオニアとして切り開いた市場に後発で参入した。その際にサードパーティーのハードウェア・メーカーを味方につける戦略を採用し、Appleのハードウェア製造、販売能力を凌駕することに成功した。世界市場でAndroidタブレットのシェアははiPadを2対1で上回っている。Windowsもよく似た道筋を通ってAppleを圧倒した。
  • サードパーティー・メーカーはデバイスごとの利益を最大にしようとして、Android OSに過剰なカスタマイズを行い互換性の障害となっている。またくだらない独自開発のアプリをプレインストールしてユーザー体験を損なっている。ハード・メーカーの過剰なカスタマイズとプレインストール独自アプリがユーザーを苛立たせているのは現在のWindowsも同じだ。
  • Androidデバイスは全体としてはiOSデバイスより安価だ。最小限の業務ができればよいというならWindowsノートはMacbookよりずっと安価だが、一方でおそろしく複雑なグラフィックス処理をリアルタイムで実行したいというゲームマニアは大金を投じてスーパー・ゲーム・マシンを買うことができる。Macにはそういう自由はない。iOSデバイスと巨大スクリーンのハイエンドAndroidデバイスの関係はこれに似ている。.

ただし、AndroidとWindowsを比較する上でもっとも重要な点は製品寿命だろう。 Windowsは1985年以来市場に君臨し続けている。ハードウェアで優位に立ったOSは驚くほど寿命が長い

1985年以来コンピュータは大きく姿を変えてきたが、Windowsも同様だった。スマートフォンとタブレットもこれから大きく変貌していくだろう。またモバイル時代が到来してもわれわれが依然としてPCを使っているのと同様、今後どのような新しいコンピューティングの波が押し寄せようと、10年後もわれわれがスマートフォンとタブレットを使っていることは間違いない。AndroidはMicrosoftのWindows戦略にならってハードウェアとソフトウェアのもっとも重要な2つのセグメントに支配権を打ちたてようとしているようだ。

「いやAndroidはシェアが大きいだけで、iOSこそユーザーに愛され、もっとも利益を上げているOSだ」という声も聞こえてきそうだ。しかし歴史が教訓となるならば、スマートフォン戦争は短期の利益率やアプリの数の競争ではなく、スマートフォンというプラットフォームを5年、10年、15年に渡って支配するのは誰かという戦いになる。その誰かは日増しにAndroidであるらしく思えてくる。

ここで決定的に皮肉なのは、Microsoftの過去の戦略をそのまま採用して大成功を収めたAndroidに対してMicrosoft自身が苦戦を強いられていることだ。Microsoftが早期にモバイル分野で自分自身のWindows戦略を採用することに気づいていれば状況は大きく変わっていただろう。 

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Windows Phone、アメリカにおける市場シェアの伸びは、年間で僅か1.1%

Microsoftはスマートフォン市場の活動を諦めるつもりはない。戦う武器として用意しているのがWindows Phoneだ。ただ、現状ではとても成功と呼べる状況にはなく、主戦場であるアメリカ国内においてもなかなか成長が見られずにいる。

Windows Phone 8をリリースし、そしてNokiaやHTCから発売されて、確かに販売台数の伸びは見られた。たとえば2012年の第2四半期にNokiaは、Windows Phone搭載のLumiaを400万台販売していた。それが2013年の第2四半期には740万台に伸びた。年間で見れば45%の伸びということになる。

この数字自体は悪いものではない。しかしNokiaは、他のOEMメーカーがWindows Phoneの世界から消えていく中、単一供給者となりつつあることも見逃してはならない。Nokia以外ではHTCがごくわずかなシェアを持っているに過ぎない。

Lumiaの販売台数の確認によりWindows Phoneも伸びを示したのではあるが、しかしアメリカ国内での市場シェアなどを見れば、決して喜ぶべき状況ではないことがわかる。最新のKantarレポートによれば、米国スマートフォン市場におけるWindows Phoneのシェアは4%に過ぎないのだそうだ。昨年比でも1.1%しか伸びていないことになる。

成長率の点から見ても、かなり問題があると言わざるを得まい。

1.1%の伸びというのが、昨年の伸び率との比較で言えば37%の伸びになるのだと言うようなことは可能だ。しかし、それももともとが非常に小さなものであるが故に達成している数値に過ぎないのだ。Windows Phoneの市場というのは、現在のところiOSやAndroidの十分の一の規模もない。

自らを第三勢力と位置づけてはいる。しかしWindows Phone 8が登場しても、Ballmerの「非常に小さな市場からスタートして、かなり小さな市場を獲得しつつある」というような冗談が、冗談にならないような状況にあるわけだ。

売れない理由がWindows PhoneがハードウェアやOS面にあるわけではないと思う。実際のところ、使ってみるとなかなか快適な機械だ。Nokiaはなかなか良い仕事をしていると言って良いだろう。しかしアプリケーションの面では先行他社に対して大きな遅れをとってしまっているのだ。WiredのAlexandra Changも指摘しているように、この状況には改善の兆しすら見られない。

そうした状況を招いている原因は何か。簡単に言ってしまえば市場シェアがあまりに小さく、開発者や企業にとってメリットのない環境になってしまっているということだろう。この面から見れば、4%の市場シェアはあまりに小さく、先行きはまだまだ険しいということになる。

WMPoweruserに面白い記事があった。「MicrosoftのWindows Phone部門のリーダーであるJoe Belfioreたちは、スプリント競技ではなく、マラソン方式でシェア拡大を狙っていくと言っている」というものだ。しかしマラソンとジョギングが別物であることもまた、意識しておいた方が良いと思うのだ。

Top Image Credit: Al Pavangkanan

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(翻訳:Maeda, H)


「タッチ第一」に賭けたMicrosoftの誤算

今週のMicrosoftは散々だった。壊滅的な四半期決算のおかげで株価は翌日11%も下げた。業績 悪化の大きな原因は9億ドルにも上るSurface RTの在庫処理だった。

しかしこの損失処理を別にしても、今期の状況は十分に悪かった。この決算でビジネス向け、企業向け分野(これは比較的好成績だった)を別にすれば、Microsoftは消費者が欲しがる製品を何一つ持っていないという事実が明らかになってしまった。

さほど遠くない以前にこれまでで最高のOSと評されるWindows 7という優れた製品を出した会社がいったいどうしてしまったのか? Microsoftは数年前から消費者向けプロダクトを「タッチ第一」で設計し始めた。

このことが最初に現れたのは2年前にD9カンファレンスでWindows 8のプレビューが公開されたときだった。「Windows 8ベースのデバイスはタッチのみの小さいスクリーンから大型のデスクトップまで、キーボードやマウスなしに操作できるユニークな体系となっている」と当時Windows体験担当コーポレート副社長だった Julie Larson-Greenが強調した。

それ以来、Microsoftは消費者がこぞってタッチスクリーンのノートパソコンを買うだろう、それどころかLenovo Yogaのようなノートとタブレットのハイブリッドのデバイスにさえ飛びつくだろうと期待していた。ところが問題は消費者はそんな製品に興味がないという点だった。タッチ体験の直感性を最大限に生かした究極多機能デバイスだというLenovoの宣伝文句とは裏腹に、Yogaの実態は消費者の大多数が嫌うWindows8のタッチUIが邪魔をするノートパソコンに過ぎなかった。

iPhoneとAndroidの驚異的な成功を見て、 当時のMicrosoftの誰かが「近くすべてのデバイスはタッチ化する。時代に遅れないためにはわれわれも全力でタッチ化を進めることが必要だ」と主張したのだろう。ともあれMicrosoftはその方向に突進した。Microsoftは以前にもタッチ化をちょっと試してみたことがあったが、今回はOEMパートナーも巻き込んだ全力投球だ。

ユーザーを面食らわせたSurface RTはもとも設計思想が間違っていた。消費者がタッチスクリーンに殺到するだろうというMicrosoftの予想は誤っていた。タッチスクリーンのWindows 8ノート、やChromebook Pixelを使ったことがあれば分かるはずだが、誰もめったにスクリーンには触りはしない。もちろん大型タッチスクリーンが意味がある場面も存在する(昨年Microsoftは非常に大きなタッチスクリーンのテクノロジーを開発したPerceptive Pixelを買収した)。しかしノートのタッチスクリーンはたいていの場合無用の長物だ。

Microsoftという会社は動きが非常に遅い。Ballmerは最近の組織再編でこの点を改革しようとしている。しかしその成果が現れるのはだいぶ先のことだろう。Microsoftがいったんある方向に動き始めたらそれを変えるのは容易ではない。機敏に誤りを修正できるような会社ではないのだ。Windows 8とSurfaceで始まった「タッチ第一」という戦略は間違っている。しかし船はその方向に出帆してしまった。Microsoftが正しいコースに戻るまでどれくらいかかるのだろうか? 

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Microsoft、誰もSurface RTを欲しがっていないことをようやく認める

Windows RTは失敗作だ。われわれは最初からそう言っていた。本誌だけではなかった。Windows RT、より具体的には生後9ヵ月のMicrosoft Surface RTに好意的なレビューを探すのは非常に困難だ。そして今Microsoftは、自社の最新収支報告で、ついにわれわれが正しかったことを公に認めた。

同社は前四半期に9億ドルという巨額の減損処理を、売り残ったSurface RTのために行った。もっと多くを物語るのは、Microsoftがこの損失を公表したという事実だ。それほど膨大だった。同社は投資家に向けて、なぜウォール街の予測を達成できなかったかを説明する必要があった。

悲しいかな、悪いのはSurface RTのハードウェアではない。むしろタブレットそのものは美しいマシンだ。スマートで堅牢でまさしく素晴らしい。これを手に取って感心せずにはいられない。Surface RTのデザイナーとエンジニアたちは自分たちの作品に誇りを持つべきだ。彼らの責任ではない。

Windows RTは消費者向け製品として存在すべきではなかった。それは、iPadや市場に溢れる数多のAndroidタブレットに対する反射的行動の産物だ。それは、Microsoftが立ち去るるべきだった戦場に放った一撃だった。Intelが、ARMチップの長所の大部分を迅速に同社のx86ラインに導入しているのに対し、Microsoftは、Windows最大の利点である従来アプリとの互換性を捨てた製品を作るのを我慢できなかった。Surface RTは、この失敗が約束されたエコシステムの不幸な部分だった。

Surface製品群はMicrosoftにとって大きなリスク要因だった。同社にとってオールインワンPCは全く初めての試みだ。そしてある意味で、それは成功した。Surface RTおよびProは、Windows 8タブレットに多くの注目を集めた ― HP、Dell、あるいはSamsungがやるよにもずっと多く。この強力な製品ラインは、多くの消費者向けエレクトロニクス企業に対してメッセージを放った。なにしろMicrosoft ― 歴史的にソフトウェア第一の集団 ― が自身で第一級ハードウェアの製作に取り組んだのだから。

Surface ProとRTがなければ、Windows 8タブレットの世界は陳腐で生気のないものになっていただろう ― Windows 8ノートPCのように。

あらゆる兆候が近々発表される新しいSurface製品ラインを指している。そして今日のニュースにもかかわらず、Microsoftが第2世代のSurface RTをさらに大きく価格を下げて発売する可能性は十分にある。結局Microsoftは、たとえ誰も買いたいと思わない製品であっても、やりたいことは何でもやる会社なのである。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Microsoftの2013年Q4決算、売上199億ドルで予測に届かず。Surface RTの在庫調整に9億ドル計上

先ほどMicrosoftは、会計2013年第4四半期の決算を発表した。売上は199億ドル、1株当たり利益は0.59ドルだった。これはアナリスト予測の範囲内だが、最近3ヵ月で彼らの予測が下方修正されていたことは留意すべきだ。

ウォール街の合意は、売上207.4億ドル、1株当たり利益0.75ドルだった。

今回のサプライズは、Microsoftが「Surface RT在庫調整に関連して」9億ドルを計上したことだ。これは、プロジェクトに大量のリソースを注ぎ込みながら、可もなく不可もない評価を得て消費者を捕えることのできなかったMicrosoftにとって大きな打撃だ。

1年前の同四半期、Microsoftは売上180.6億ドル、1株当たり0.06ドルの損失を記録した。これは同社史上初の赤字四半期であり、aQuantive買収の失敗による多額の減損処理が原因だった。

「当社の第4四半期は、パソコン市場低落に影響されたが、当社のエンタープライズおよびクラウド製品の需要は依然として高く、今期の前受収益は過去最高を記録した。さらには、Office 365、Outlook.com、Skype、およびXbox LIVEなどのサービスにおける消費者需要も伸びている」とMicrosoftのCFO、Amy Hoodは語った。「今後もやるべきことは残っているが、クラウドサービスをはじめとする長期的成長機会に必要な投資に集中していく」。

Microsoft ― および 半導体巨人のIntelらのPC事業会社 ― を苦しめているのは、 あまり芳しくないWindows 8の評判だ。調査会社Gartnerの報告によると、全世界のパソコン出荷台数はこの四半期に11%下落し、Microsoftは他の事業で補うことによって巨額の利益を上げたが、Windows部門に重くのしかかっていることは間違いない。この打撃を和らげている要素の一つは、多くの会社がようやく古いXP機をWindows 7にアップグレードしたことだ。

多くの評論家が注目する領域の一つが、Microsoftのオンラインサービス部門で、1年前の四半期には81億ドルの赤字だった。しかしそれ以来、同部門は徐々に損失を減らし、昨期は「わずか」2.62億ドルの赤だった。そして今期オンランサービス部門は、売上を9%伸ばしたが、それでも3.72億ドルの損失だった。

会計2013年度通年で、Microsoftの売上、経常利益、および希薄化後1株当たり利益は、それぞれ、778.5億ドル、267.6億ドル、および2.58ドルだった。

主要ビジネスユニットの業績は以下の通り。

  • Windows部門:利益10.9億ドル、売上44.11億ドル
  • サーバーおよびツール:利用23.3億ドル、売上55.02億ドル
  • オンラインサービス:損失3.72億ドル、売上8.00億ドル
  • ビジネス部門:利益48.7億ドル、売上72.31億ドル
  • エンターテイメントおよびデバイス:損失1.10億ドル、売上19.15億ドル

今月Microsoftは、「一つの戦略、一つのMicrosoft」を旗印に、事業部門の大規模な組織変更を行ったことを発表した。会社は機能別(エンジニアリング、マーケティング、事業開発およびエバンジェリズム、先進的戦略および研究、財務、人事、法務、およびCOO)に組織化された。もちろんこの再編は今期の業績には反映されていないが、Microsoftがより敏速になるためにこれを行っていることを踏まえると、今後の四半期で何らかの結果を出すことを同社自身期待しているに違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Microsoft、iOS版Outlookアプリを公開するも誰も使いそうにない

OutlookがiPhoneとiPadで使えるようになった。ある意味で。Outlookのフル機能を期待しないこと。これはMicorosoft OfficeのOutlookアプリ〈ではない〉。メール、カレンダー、連絡先の簡易版アプリで、Windows 8に入っているものとほぼ同じだ。今すぐiOSデバイス用に無料でダウンロードできる。しかし、いつものMicrosoftらしく、話はそう簡単ではない。

Outlook Web Appという紛わしい名前のアプリを使うには、Microsoftのクラウドベースの生産性スイーツであるOffice 365の定期購読が必要だ。これはiOS版Officeを使うために必要なものと同じで、年間100ドルが必要だ。どうやらMicrosoftは自社アプリを誰にも使わせたくないようだ。なぜなら、もしこのアプリが無料だと、MS Surface RTの主たるセールスポイントがなくなってしまうからだ。

これは残念な話だ。このOutlookアプリはWindows 8のフラットスタイルをiOSに持ち込む上質のアプリだからだ。さらに、プッシュ通知とリモートデータワイプをサポートするネイティブiOSアプリでExchangeをサポートできるようにもなる。

Outlook Web Appは、Oultook.com機能の大半を提供しているようだ。メール、カレンダー、および連絡先が使用できる。音声入力、2カラム表示、Bingマップの統合も。ルック&フィールはWindows 8版アプリとよく似ていて、両プラットフォームのユーザー(私のような)にとっては馴じみやすい。

もちろんこれはOutlookのフルバージョンではない。MicrosoftはiPad、iPhone用にそれを提供することはないだろう。これは単なるメールアプリなので、それ以上のOutlook.comでできることは望まない方がいい。

先月iPhone向けにOfficeが公開された時にも指摘したが、MicrosoftはiOSとのきわどい境界線上を歩いている。一方で自社の中核製品を新しいプラットフォームに持ち込もうとしている。しかし、そのために自身の巣立ったばかりのプラットフォームと共食いさせることはできない。結局、Officeのフルパワーをタブレットで使うためには、Windows 8またはRTのデバイスを買う他はない ― Microsoft Surfaceのような。

Microsoftは大衆を無視して、改宗者たちに向けて説教しているだけだ。年間100ドルのOffice 365購読が必要であることによって、Microsoftのアプリはバイラルに広がり新しいファンを把むチャンスを完全に失っている。今、iPhone用OfficeやiOS用Oultlookを使えるのは、有償Microsoftユーザーだけだ。そしてそれは、iOSユーザーのごく僅かな割合にすぎない。

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(翻訳:Nob Takahashi)


マイクロソフト、酸窒化アルミニウム素材のStar Trek風半透明スマートウォッチを開発中

ハイテク・ガジェットを扱うのなら、ぜったいにこの分野から外れてはならないということであるようだ。何の話かと言えば「スマートウォッチ」のこと。

AmongTechThe Vergeのレポートによれば、Microsoftがアルミニウム製1.5インチ画面のスマートウォッチを開発中なのだそうだ。この話題自体は、「おお、ついにきたか!」と、驚くほどのことではなかろう。

既にプロトタイプは完成しているのだとのこと。バンドは取り外し可能で、いろいろとカラーバリエーションが用意されているとの話。ここまではごくありふれた話だが、素材が面白い。酸窒化アルミニウム(oxynitride aluminium)というものを利用して、Star Trek IVそのままに、半透明なデバイスになっているのだそうだ。

この「半透明デバイス」という話で、この噂話に多少ミソが付いているかもしれない。しかしこの分野は多くの競合による参入が見込まれるところであり、未来派素材を利用することで差異化を目指すというのもあり得る話なのかもしれない。

デバイスでは、スマートウォッチ版のWindows 8が走り、LTEをサポートしてクラウドストレージを活用するものとなっているのだそうだ。ウェアラブルデバイス自身でLTEをサポートするのだそうだ。

噂の通りのデバイスが登場することとなれば、あるいはGoogle Glassがオモチャのように見えるほどのものになるかもしれない。

発売予定などについての言及はない。もちろんすぐにリリースされるというようなことにはならないはずだ。Appleのスマートウォッチも2014年後半になりそうだという話もある。Androidタブレットのリリースラッシュにおいては、多くのメーカーが「急いては事を仕損じる」という教訓を改めて学ぶことにもなった。一番乗りを目指しても、それが必ずしも長期に渡る成功に繋がらないことが多いのだ。

おまけにMicrosoftは独自の「SPOT」プラットフォームでも、同様の教訓を学んでいる。

「面白そうだ」という感じはする。ただ、このMicrosoft版のみならず、Samsun、Apple、LG等々のスマートウォッチ群はいずれも開発中のものだ。実際に出てくる前に、期待ばかりをふくらませてはがっかりすることになるかもしれない。じっくりと動きを見守っていこう。

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(翻訳:Maeda, H)