Olaがロンドンでのライドシェア免許更新に失敗、上訴して運用継続を表明へ

Uber(ウーバー)が英国・ロンドンでの運用を巡る裁判で規制当局から18カ月の延長を勝ち取ってからわずか6日後、有力ライバルの1社が苦境に立たされている。インド拠点のライドシェアリング・スタートアップであるOla(オーラ)は、ロンドンでのライドシェアリング免許更新に失敗した。ドライバーと車両のライセンシングに関して当局の公共安全要件を満たさなかったことが理由だ。

Olaはこの決定を上訴するとTechCrunchに話した。Uberの場合と同様、ロンドン交通局(TfL)の規則で決定に不服を申し立てている間は運用を継続できる。

Olaがライセンス更新できなかったニュースを最初に報じたSky Newsは、TfLがOlaの運用上の問題、具体的にはライセンスの無いドライバーと車両で1000回以上の乗客輸送を行ったことを発見(Sky News記事)したと書いている。TfLのライセンシング、規制、告発責任者であるHelen Chapman(ヘレン・チャップマン)氏は声明で、「乗客の安全を危険に晒す可能性のある」行為だと語った。

TechCrunchが得た情報によると、Olaはこれを規則の解釈に関わる問題であるとして上訴しようとしている。同社とTfLはドライバーと車両のライセンシングの管理にデータベースを異なる方式で用いていたため、Olaはライセンスの期限切れを適切な時期に知ることができなかった。ドライバーのライセンスの有無の相違は、TfLにとって十分大きな安全問題を生み出したようで、同局はOlaが問題解決を優先していないと認識している。実際それは、Olaが都合よく該当ドライバーを継続的に配置、運用できることも意味している。

Uberと同じく、OlaはTfLの決定に対する不服申立てをすでに準備している。

「Olaでは、TfLなどの規制当局と密接に協力的かつ透明性をもって仕事をすることを基本方針にしています」とOlaの英国マネージング・ディクターを務めるMarc Rozendal(マーク・ロゼンダル)氏が声明で述べた。「私たちは調査期間中TfLと協力して、問題をオープンで透明な方法で問題解決の保証と取組みの方法を探しました。Olaがこの決定に不服申立てを行うことで、当社が通常通り運用し安全で信頼できる移動手段をロンドンで提供し続けることを、乗客もドライバーも安心して信じられます」。

Olaはここ数年の間に約38億ドルを調達し、Uberらのライバルと激しく戦うべく事業を強化してきた。今年2月からロンドンで運用を開始し、2万5000人以上のドライバーが登録したが、乗車回数や乗車人数その他一切数値を公表していない。

Olaは自社の顧客以外にも、Gettなどのオンデマンドライドサービスと提携して他社の顧客にサービスを提供している。英国の他の都市でも運用しており、ソフトバンクが支援する同社にとって数少ないインド以外の国際進出先となっている(ほかにオーストラリアとニュージーランドがある)。英国、特にロンドンは、今もなお新型コロナウイルスによる事業縮小がある中、世界最大級のライドシェアリングサービス有望市場だ。しかし、ほかのライドシェアリング会社と同じく、英国市場におけるOlaの立場は常に確立されているわけではなく、議員への嘆願を繰り返している(未訳記事)。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Ola、ライドシェアリング

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

データアクセス権とアルゴリズムによる業務管理を巡り配車サービス運転手がOlaを提訴

2人の配車サービス運転手が、インドに本社を置く配車サービスOla(オラ)による、アルゴリズムを使ったギグワーカーの業務管理を巡り、オランダの裁判所に訴えを起こした。この手の訴訟はこれが2つめとなる。

App Drivers & Couriers Union(アプリ運転手および配送業者組合、ADCU)などが支援する今回のケースは、7月にはやりオランダの法廷で起こされたUber(ウーバー)を相手取った運転手による訴訟とよく似ている。

どちらのケースでも、運転手たちは、集団交渉の材料とするべく自分たちの個人データを組合のデータ信託に送るよう要求している。彼らによると、企業側は要求したデータを部分的にしか提供していないという。たとえばUberは、それ以上の情報を渡したくてもEUのプライバシー法によって制限されているとの根拠を持ち出した。

どちらの側も、ヨーロッパの一般データ保護規則(GDPR)に守られたデータアクセス権を掲げて主張している。そのひとつに、業務が完全に自動化された結果として重大な法的または同等の影響を被った個人の保護がある。

Olaの訴訟では、運転手はGDPRに基づき自身の情報の提示を求めたのに対して、一部しか応じられていないとADCUは主張している。例えば、日付入りのGPSのデータなどは提供されていない。

また別の苦情として、Olaがブロックしていると彼らが主張する走行距離レベルあたりの評価データが提示されていないこともある。

運転手たちは、提示されたデータには「膨大な欠落」があるため、運転手の業績をまともに分析できないと訴えている。

さらに、Olaのデータ保護ポリシーは、厳格な運転手の監視と業績管理を行う一方で、運転手を個人事業主と見なし、基本的な労働者の権利の否定を示唆しているとも申し立てている。

「Olaは、労働者の監視と管理をどの程度行っているかを示す詳細情報を出ししぶっています。たとえば、運転手の不正行為の可能性評価です。業績が配車の判断に影響することを認めてほしいのです」と、ADCUの広報担当者はTechCrunchに話した。

ヨーロッパのギグ・プラットフォームは、同地で拡大していく過程で、労働者の分類に関連する数多くの訴訟に直面してきた。この2の最新のケースでは、労働者の管理の度合いを示す手段として、プラットフォームのアルゴリズムによる管理を原告がどう持ち出してくるかに興味が持たれる。

今回の訴訟に関する広報資料で、ADCUはOlaが今年の初めにロンドンで「守護者」として紹介され、人工知能と機械学習を用いて「数百万のデータポイントをリアルタイムで分析し、不規則な移動行動を検知する」という同社の話を指摘している。Olaは「不正可能性評価を計算していることを公表しているにも関わらず、そうしたリスク・プロファイリングで処理された運転手の個人データに関して、一切の情報を提示していない」と述べている。

原告は、そのようなシステムには透明性が欠かせないと主張する。それが運転手の収入に大きく影響するからだ。事例報告を行った運転手の一人は、Olaのアルゴリスムにより走行距離が「不当」(これは正しくないと本人は言うが)と判断された後に給与が減額になったと話している。

この運転手が抗議すると、Olaは処理は自動的に行われていて人は介在していないと主張し、減額は正当であり取り消すことはできないと彼に伝えた。

しかしGDPR第22条は、EUのデータ主体に、重大な法的または同様の影響を及ぼす自動判断に異議を訴える権利を認めている。これには、判断の人による審査の権利も含まれる。そのためこの訴訟は、規制による法的保護がどこまで及ぶかを見極めるという、もうひとつの興味をもたらした。

この訴訟についてADCU委員長Yaseen Aslam(ヤシーン・アズラム)氏は、声明の中でこう述べている。「Olaは、運転手たちの高給、勤務中の保護と尊厳ある扱いのために、善意でテクノロジーを使うのは構わない。ところがOlaは、そのプラットフォームの力を支配できる優位な地位を利用して労働者を搾取し、彼らを貧困に追い込んでいる。今こそ運転手たちは実権を取り戻し、集団の力を高めるときだ。その第一歩が、自分自身の勤務データへのアクセス要求である」。

私たちは、この訴訟に関してOlaに意見を求めている。

原告は、アムステルダムの地方裁判所からOlaに対して、EUデータ保護規則に即刻準拠するよう命令し、それを行わなかった期間、1日につき2000ユーロ(約25万円)の罰金を課するよう求める予定だと話している。

オランダでこの行動を起こした理由は、プラットフォームと運転手のデータを管理しているのがアムステルダムの企業Ola Netherlands BV(非公開株式会社オラ・ネーデルランド)だからだと彼らは話している。

画像クレジット:Hemant Mishra/Mint / Getty Images (Image has been modified)

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(翻訳:金井哲夫)

インドの大手配車プラットフォームOlaが新型コロナ対策で政府に協力

インドが国民を新型コロナウイルス(COVID-19)から守るために緊急体制をとる中、配車サービス大手のOlaが支援に乗り出した。同社テクノロジープラットフォーム機能のうち、リアルタイムの追跡とナビゲーション、そして群衆に対応する機能を連邦政府と州政府に無償で公開する。

すでにパンジャブ州政府と連携しているOlaは、同社のプラットフォームを政府や公共サービス機関のリアルタイムの戦略に役立つよう調整できるとしている。

同社のプラットフォームでは多くの車両と人を追跡でき、人がマスクを着用しているかどうかをセルフィーの写真で確認する機能もある。後者のセルフィーの機能は、Olaでは運転席に座っている人が登録済みのドライバーパートナーかどうかを認証するために使っている。同社は「最高レベルのデータのプライバシーとセキュリティを保証します」と強調している。

Olaによれば、パンジャブ州政府は同社のテクノロジーを使って野菜市場で170万人以上の農業従事者の生産物と車両の動きを追跡管理し、対人距離の基準が確実に守られるようにしているという。

このような機能は州政府にとって有用だろう。地元メディアの報道によると、多くの地域でここ数週間に、野菜市場内や食料品店の外に大勢の人々が集まってしまうことがあったからだ。連邦政府は2020年3月に、全土に対して人の移動を制限する命令を出している。

パンジャブ州では、Olaのプラットフォームは州政府がデジタルの移動許可証を発行するのにも使われている。インド各州の政府は、医療従事者や緊急の業務のために家から出なくてはならない人に対して許可証を発行している。

政府機関のPunjab Mandi Boardの秘書官でガバナンス改革特別秘書官のRavi Bhagat(ラビ・バガット)氏は声明で「現在の危機的状況において、Ola CONNECTSは市民全体の利益のために政府関係者が迅速に展開できる強力なプラットフォームだ」と述べた。

Ola Connectというのが、危機的状況を支援するOlaの最新の取り組みの名前だ。ここ数週間で、同社はドライバーパートナーのリース契約を放棄した。また、新型コロナウイルスの検査で陽性と診断されたドライバーパートナーとその家族に対し、数百ドル(数万円)の支援をすることを明らかにしている。

Olaの共同創業者のPranay Jivrajka(プラネイ・ジブラージカ)氏は声明で「AI、追跡技術、配置とフローの管理にわたるOlaのイノベーションはすべて、CONNECTSプラットフォームに活かされる。我々は国のためにできる限りの方法で尽力する。先頭に立って新型コロナウイルスと戦っている多くの医師、医療従事者、最前線のスタッフのために、このプラットフォームを無償で提供する」と述べた。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Kaori Koyama)

インドのOlaが2月10日にロンドンで配車サービスを開始

インドの配車サービスOlaは、2019年ロンドンにオフィスを開設していたが、2月10日にそのロンドンでサービスを開始すると正式に発表した。同都市は世界最大の配車サービスマーケットの1つだ。Uberやソフトバンクが出資するその他の企業との競争が激しくなる中で、マーケット拡大はOlaの国際戦略において発展の鍵を握っている。

2019年11月以降、ドライバー2万人超がすでに登録しており、Olaは「サービス開始初日から本格稼働する」と話した。

これまでに35億ドル(約3790億円)もの資金を調達しているOlaは、年中無休のヘルプラインやアプリ内緊急SOSボタンといったあらゆるセキュリティ機能がそのプラットフォームに搭載されている、と強調した。

安全性は全世界で懸案のテーマとなっている。特に英国の首都ロンドンにおいてはその傾向が強く、Olaが2018年に英国マーケットに参入し、2019年7月にタクシー事業免許を取得したのち、ロンドンでのサービス開始にさらに数カ月要したのはそのせいかもしれない。

2019年11月、TechCrunchは政府ロビー活動を専門とするPR会社からOlaに宛てられた提案文を入手した。そこには、配車サービス企業が物事を首尾よく進めるために注意すべきことが書かれていた。OlaはPR会社の利用を否定した。

明らかにUberは積極的に拡大路線を追求するあまり安全ガイドラインの順守に失敗し、その結果、ロンドンでの事業免許を失った。地元当局のTfL(ロンドン交通局)がUberの事業免許を取り上げた。Uberの免許停止は2回目で、当局は2019年末にUberがプライベートハイヤー事業者の基準に達していないと裁定した。

裁定の中でTfLは、偽IDを使ったドライバーによるサービスが1万4000回以上も提供されていたことが明らかになった、と指摘した。UberのCEO、Dara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏はTfLの決定に不満を示した。その際、彼は「このTfLの決定は間違っている。過去2年にわたって我々はロンドンにおける事業形態を根本的に変えた」と語った。

同社は不服を申し立てており、Uberのタクシーはロンドンで今も営業している。Olaは「業界を引っ張るような、そして世界的にも最善の事例となるよう安全性に明確に照準を当てると同時に、地元当局と協同的なアプローチを続ける」と話す。

加えて、Olaは6週間コミッション(手数料)を課金しないことでドライバーに動機付けを与えている。Uber同様、Olaは乗客が最終的に払う金額のおおよそ20〜25%というコミッションを課している。同社はまたサービス開始から1週間の間にサインアップした顧客に25ポンド(約3600円)分のクレジットを提供する。

Olaインターナショナルのトップ、Simon Smith(サイモン・スミス)氏は、2018年の英国におけるサービス開始以来、Olaは「かなりポジティブ」な反応を得てきた、と話した。同社はバーミンガムやコベントリー、ワーウィックなどを含む英国の28自治区でサービスを展開している。前述の自治体では直近の四半期中の乗車が2桁成長したとのことだ。Olaはこれまでに、ドライバー1万1000人超による300万回あまりの乗車サービスを英国で提供した。

「ロンドンの人々に高品質で確かなサービスを提供しようと、我々はドライバーと緊密に連携をとっている。ロンドンでのサービス開始は我々にとって大きなマイルストーンであり、すべての顧客にファーストクラスの体験を提供したい」とスミス氏は声明文で述べた。

世界で最ももうかるマーケットの1つであるロンドンへの進出はOlaにとって大きなステップとなる。同社はオーストラリアとニュージーランドにも進出していて、250以上の都市でサービスを提供している。

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(翻訳:Mizoguchi

インドの配車サービスOlaが「数週間以内」にロンドンで事業開始

インドの配車サービス大手であるOlaは11月26日、「数週間以内」に英国ロンドンで事業を開始すると発表した。世界で最ももうかる都市の1つであるロンドンでの配車サービスをめぐっては、現地のロンドン市交通局(TfL)がUberの営業免許を昨日取り消したばかりだ。

関連記事:安全性懸念でUberのロンドンでの営業免許更新を当局が認めず

昨年英国マーケットに参入したOlaは、ロンドンでの立ち上げを前にロンドンにおけるドライバーの受付を開始した。同社はこれまでに35億ドル(約3800億円)あまりを調達していて、Uberの現在の規模を上回るドライバー5万人を集めることを目指している。

Uberのライバルであり、ソフトバンクグループからの出資を受けているOlaは、今年初めにTfLから営業許可を得ている。同社は「英国内27都市でユーザー700万人にサービスを提供できる」と語っていた。

ドライバーを集めるために、Olaはドライバーが売上の多くを懐に入れられるよう「都合のいいコミッション」に変更を加えている、と語った。ただ、正確な数字は明らかにしていない。インドではOlaのドライバーの取り分は運賃の70〜74%で、加えていくらかの「インセンティブ」も得られる。

Olaの国際事業を統括するSimon Smith(サイモン・スミス)氏は、同社のモビリティプラットフォームがTfLの基準を「完全に満たしている」と述べた。声明文でスミス氏は「過去数カ月にわたって我々は当局、ドライバー、ロンドンのコミュニティと建設的な対話を行なってきた。イノベーティブで意義のある方法でモビリティの問題の解決に寄与することを楽しみにしている」と付け加えた。

11月25日、Uberはロンドンでの営業免許の更新を却下された。却下は2回目で、Uberのプラットフォーム上で偽のIDを使ったドライバーが1万4000回以上の乗車を提供していたことを確認しての措置だ。この点に関してOlaは、Uberができなかったことすべてを実施しているかどうか、より明確にさせることはできなかった。

Olaは「さまざまな安全機能を提供する」としている。ドライバー本人確認のための「業界初」の顔認証システム、運転免許証写真とドライバー画像の照合、TfLの要件を満たし認可を受けたドライバーだけがプラットフォームを操作できるようにする確固としたテクノロジーシステム、客とドライバーのための年中24時間無休のヘルプライン、Olaの安全対応チームに緊急通報するアプリ内ボタンなどだ。

ロンドンへの事業拡大は、Olaの国際展開という野心を物語っている。特に、インドにおけるOlaの最大のライバルであるUberが独占しているマーケットにおいては、Olaは強い野心を抱いている。OlaはインドでUberを突き放している。

ニュージーランドの一部とオーストラリアでも事業を展開しているOlaはこれまでのところ英国では地方都市に照準を当ててきた。英国の首都が欧州における主要マーケットであることを考えたとき、ロンドンへの進出はOlaにとって意義のあるステップとなる。Uberは「ロンドンで350万人のユーザーと4万5000人の登録ドライバーを抱えている」としている。

TfLは昨日、Uberの事業に「乗客の安全とセキュリティを危険にさらす一連の過ちが見られた」と語った。認可されていないドライバーがプラットフォームを利用しているのに加えて、解雇されたり停職処分になったりしたドライバーがUberアカウントをつくって客を乗せることを招いた別の過ちもあった、とした。

UberのCEOであるDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏はTfLの決定について失望と不服申し立ての意向を表明した。コスロシャヒ氏は「TfLの決定は間違いでしかない。過去2年にわたって我々はロンドンでの事業形態を根本的に変えた」と語った。Uberは申し立ての手続きの間、ロンドンでの事業を継続できる。

画像クレジット: MANJUNATH KIRAN / AFP / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

インドのOlaがロンドンのタクシー事業免許を取得、9月サービス開始

配車サービスを利用して移動する消費者にとって、ロンドンは世界最大のマーケットの一つだ。そしていま、この移動手段を提供する企業にとってロンドンは最も競争の激しいマーケットになりつつあるようだ。今日、インドのOlaはロンドンでアプリベースの配車サービスを展開するために必要な事業許可を取得したことを認めた。同社の広報はTechCrunchに対し、2カ月後の9月に事業を開始する見込みだと語った。

「OlaはTfL(ロンドン交通局)からPHV運行ライセンスを取得した」とOlaの広報TechCrunchにあてた文書で明らかにした。「ロンドンは世界で最もアイコン的な都市であり、革新的モビリティ環境を有している。ロンドンでOlaを展開するというのは、これ以上の喜びはない。ドライバー、乗客、政府、地元当局と協力しながらワールドクラスのモビリティを構築することを楽しみにしている。サービス開始の準備を進め、サービス開始近くになったらロンドン市民に詳細を提供する」。

Olaの国際展開は興味深いシフトだ。(Lyftのように)Olaは、主要な競争相手であるUberが世界の複数のマーケットで事業拡大するのに何億ドルもの金を投入していたとき、地域のリーダーであることにフォーカスしていた初期の配車サービススタートアップの一つだった。

また、今週はOlaにとってロンドンの事業免許獲得の他にも国際展開に関するニュースがあった。同社のスピンアウトである電気車両事業を行うOla Electricが間もなく南米で事業展開することをほのめかした。

Olaは英国で2018年にローンチし、いくつかの大都市を含む5つの地域で配車サービスを展開している。5つの地域は、サウスウェールズ(カーディフ、ニューポート、ベール・オブ・グラモーガン)、サウスウェスト(バース、ブリストル、エクセター、ノース・サマセット、サウス・グロスターシャー)、マージーサイド(ノウズリー、リバプール、セフトン、セント・へレンズ、ウィラル)、ウェスト・ミッドランズ(バーミンガム、ダドリー、サンドウェル、ソリフル、ウォールソール、ウルヴァーハンプトン)、そしてリーディングだ。

ロンドンがこのリストに加わるのは、いくつかの理由でかなり意義がある。一つにはサイズだ。ロンドンに比べると他の都市は小さい。二つ目には、ロンドンの交通を管轄するロンドン交通局(TfL)がここ何年もタクシー会社への免許発行をかなり厳しくコントロールしていて、事業を始めるにあたって運行規則に則ることを強制するからだ。これは少なくとも、Uberに対する多くの抗議を企てたロンドンのブラックキャブ運転手のロビー活動のためではない。

TfLの対応に関しては、Bolt(旧Taxify)が先月サービスを再開するまでの22カ月間、サービスを一時停止する事態となった。この前には、TfLはUberへの免許更新にからみ、プラクティスを大幅に変えなければ却下するとして、Uberは法的にかなり困った事態に陥った(現在Uberは暫定的な免許で運営している)。

Olaがロンドンのタクシー事業免許を取得したというのは、同社(Didi、ソフトバンク、Accel、Sequoia、Kia、その他60社近くを含む投資家から40億ドル近くを調達している)がインドでサービスを立ち上げた後に国際展開を続ける中でのニュースだ。インドでのOlaの利用はこれまでに1億2500万回を数えている。

また、同社のスピンアウトで電動車両事業を展開するOla Electricは昨日、ソフトバンクから2億5000万ドルを調達し、企業価値が10億ドルになったと発表した。Ola Electricを立ち上げた一つの理由は、インドにおけるエミッション抑制の必要性に応えるためだ。二つめはOlaを海外展開(ソフトバンクインターナショナルのCEOで、グループのCOOであるMarcelo Claure氏と、Olaの創業者でCEOのBhavish Aggarwal氏とのやり取りによると、特に南米だ)するのにEV事業を活用するというものだ。

Olaの広報は、ロンドンではOlaが現在英国の他の地域で提供しているものに似た標準的なサービス、そして自分の車を使ってサービスを提供する契約労働者であるドライバーのネットワークを構築したUberやBolt、その他の小さなミニキャブ会社のような配車サービス企業で利用できるものを提供することにフォーカスする、と語った。

インドでは、Olaは圧倒的なシェアを持つ配車サービス企業だ。英国に加え、同社はインド外ではオーストラリア(シドニー、メルボルン、ブリスベン、アデレード、パース、キャンベラ、ゴールドコースト)とニュージーランド(オークランド、ウェリントン、クライストチャーチ)でサービスを展開してる。

イメージクレジット: Matt Brown / Flickr under a CC BY 2.0 license

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(翻訳:Mizoguchi)

中国の配車サービスDidi、オーストラリアでサービス開始へ

中国最大のライドシェア事業者Didi(滴滴出行)は、グローバル展開を拡大し、今月オーストラリアでサービスを開始すると発表した。

2016年にUberの中国事業を買収したこの会社は、メルボルンから75キロ離れた町Geelongで1カ月のトライアルを経て、6月25日にメルボルンでサービスを開始する。事業はDidiのオーストラリア子会社が行い、“ドライバー、そして利用客向けに一連のお得なサービス”ー割引やプロモーションであることは間違いないーを提供する予定だ。ドライバー登録の受け付けは6月1日から始まっている。

オーストラリアでの事業開始では、DidiはUberと直接的に競合することになるが、それは最近特に珍しいものではなくなってきている。インドのライドシェアOla、そしてDidiのどちらもDidi資本が入っている。Didiは今年、台湾、メキシコ、ブラジルへとサービスを拡大している。

Didiは昨年12月、AIやその他のテクノロジーの開発、そして海外展開のために40億ドル資金調達した。その後、海外展開の方策をいろいろと模索していたようだ。今回のオーストラリアでの展開にあたっては自らチームを立ち上げたが、台湾ではフランチャイズモデルを使い、ブラジルではUberのライバル的存在で評価額10億ドルだった99を買収した。

また日本でも、ソフトバンクとジョイントベンチャーを立ち上げて参入しようとしている。

「2018年、Didiは南米、オーストラリア、そして日本でマーケット開拓を続ける。ワールドクラスの交通AIと現地の専門という組み合わせにより、海外でもより良いサービスを提供できると確信している」とDidiは発表文で述べている。

今回の海外でのサービス拡大は、国際的に存在感を出しながらも、世界各地のライドシェア企業と提携を拡大してきていただけに、新たな混乱を招いている。

Uber事業の取得は株式の交換で行われーDidiとUberは競合相手という関係から株主という間柄に変わったーDidiはまた、東南アジアにおけるGrab、米国のLyft、インドのOla、中東のCareemにも出資している。最近では主に欧州とアフリカでライドシェア事業を展開しているTaxifyもその列に加わった。

オーストラリア事業に関していえば、DidiはUberとOlaーすでにメルボルンで、そして今年初めにパースとシドニーで事業展開しているーのライバルとなり、Taxifyも同様だ。UberとDidiは火花を散らすことが予想されー複雑な関係だーOlaに関して言えば、Didiは投資ディールで設立された企業と初めて直に競合することになる。

これは、DidiとOlaの関係でいえば些細なことかもしれない。Didiが出資を続けたGrabのときとは異なり、DidiはOlaが昨年行った最新の資金調達では口出しをしなかった。

「ライドシェア事業はまだ初期段階にあり、成長可能性を秘めている。すでに繁栄している産業のように、この事業でも競争はある。しかし、競争は良い商品、良いサービスにつながり、究極的には消費者が恩恵を受ける」。OlaとTaxifyとの競合について尋ねたのに対し、Didiは文書でTechCrunchにこう答えている。

これはTaxifyと似ている。「オーストラリアのマーケットサイズを考えた時に、複数の事業者がサービスを展開して成長するだけの余地はある」と広報者はTechCrunchに対し話した。

Olaはコメントを拒否している。

今回のオーストラリア事業の展開は、先月同社のサービス‘Hitch’を利用した客が殺害された事件が起こり、そのことでプレッシャーを受けている中でのものとなる。

同じ方向に向かう客がライドシェアするというこのHitchサービスをDidiは一時停止した。そして、このサービスを日中のみの展開に制限し、またいくつかの機能を削除した。今週、夜間のライドシェアも間もなく再開すると発表したが、ドライバーは自分と同じ性別の客だけを乗車させることができるという制限を設けている。

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(翻訳:Mizoguchi)

UberとOla、インドでオートバイタクシーを同時にスタート

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インドのバンガロールでは、Uberとインド拠点の強力なライバル、Olaとの決戦が始まろうとしている。この街で両社が共にオートバイによるオンデマンドタクシーサービスを開始する。

設立4年のOlaは、Tiger Globalの支援を受け、Lyftを始めとする世界のUberのライバル会社と提携して、昨夜パイロットサービスを開始した。一方Uberは今日(米国時間3/2)午前にタイで先月デビューしたUberMotoのバンガロールへの到来を発表した。

「インドの大きな弱点は渋滞である」とOlaのマーケティング・コミュニケーション責任者、Anand SubramanianがTechCrunchのインタビューに答えた。「オートバイは個人の移動手段として非常に人気が高い。インドには道が無数にあり、A地点からB地点へ行くためにはもっと早い方法がある」。

Olaの東南アジアのパートナーであるGrabは、オートバイタクシーを1年以上運営しており、そのことが、準備に「数ヵ月」を費したというOlaのサービスへのアドバイスに役立ったとSubramanianは言った。

Subramanianは具体的な数字を明かさなかったが ― サービスは開始したばかり ― 需要はすでに高いと語った。また、Olaは3~5分で乗客を迎えることを目標としており、乗客にはで運転手からヘルメットが標準で貸し出されることを付け加えた。当初Olaは、「訓練を受けた」登録オートバイタクシードライバーを使っているが、近いうちにそれ以外のドライバーにもサービスを開放する計画だ。

Uberはすでにバンガロール市内の関心のあるオートバイ所有者たちにサービスを開放しており、それが先行利益になるかもしれない。Olaのサービスがバンガロール全域で利用できるのに対して、Uberは当初市の中心部のみで運用される。

先月タイのバンコクで開業した際、同社もOla同様、乗客にヘルメット着用を義務付け、乗客には通常の自動車と同じく保険が掛けられると話した。

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現時点で両サービスの価格に選択の余地はあまりない。Uberの最低料金は15 INR[インドルピー]で、基本料金の15 INRの後、1 km毎に3 INRまたは1分毎にINRが追加される。Olaは、1 kmあたり2 INR、毎分1 INRで、最低料金が30 INRだ。

この利益率の低さから、同サービスは大規模で運用されることを前提としているとSubramanianは言った。

「そこには何百万人もにリーチできる可能性があり、オートバイはインド10億の人々の移動性を高めようとするわれわれのミッションと一致している。オートバイの運用コストは自動車よりずっと低く[ただし乗車料金は安い]、利益は規模と共にもたらされ、規摸拡大の可能性は著しく大きい」と彼は説明した。

オートバイタクシーの集団からどんなサービスが想起されるだろうか?Subramanianも、Uberに先月UberMotoについて聞いた時も、具体的なことは言わなかったが、多数のドライバーが運送レイヤーとして機能すれば、オンデマンド配達等の非乗客サービスを全国スケールで行うことができる。

Olaはすでに食用雑貨や食料オンデマンドサービスを実施しているが、主要都市に限定されており、― ある報告によると ― 少なくとも食品雑貨サービスは終息する可能性がある。多数のドライバーを待機させておくより、はるかに利益率は高く、サービス応答時間も速くなる。同じくUberも、世界でオンデマンドサービスを提供しているがインドではまだなので、多数のオンデマンドオートバイが、この国で新たな機会の鍵をあけるかもしれない。

インドネシアは、オートバイタクシーサービスにとって最大の目標だ。Sequioaが支援するGo-Jekは、しばしば「オートバイタクシーのUber」と呼ばれ、20万人以上のドライバーを有して、ジャカルタの混雑した道で乗客を運ぶだけでなく、食料品、雑貨、および文書配達のサービスも提供している。それは、目まぐるしく、密集したアジアの巨大都市、ジャカルタ、バンコク、バンガロールでは著しく有用なサービスだ。

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インドネシア拠点のGo-Jekは、食料品をはじめ様々な商品の配達サービスを提供している

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Uberの最大のライバルはSoftBankだった―アジア各地でタクシーアプリに大型投資

アメリカ在住の読者なら、Uberの最大のライバルはLyftとと考えるだろう。Lyftはアメリカの多くの都市でUberとサービスを激しく競い合っており、両社の戦術にはいかがわしいもの少なくない。しかし、意外にも、Uberにとってもっとも手強いライバルがアジアから現れた。さらに驚きなのはその相手が日本の巨大テレコム企業だという点だ。

2014年10月に2億1000万ドルをインドのOlaに投資するまで、SoftBankはスマートタクシー・ビジネスにはまったく関係していなかった。この投資はインドのスタートアップに総額100億ドルを投資するというSoftBankの一大プロジェクトの最初の例として発表された。

なるほどUberのライバルになり得るスマートタクシーへの最初の大型投資ではあったものの、OlaはSoftBankが投資した他の多くのインドのスタートアップの一つにすぎないと見られていた。

しかし、SoftBankの投資はOlaにとどまらず、東南アジアでは2億5000万ドルをGrabTaxiに、 さらに先週は6億ドルを中国のKuadi Dache〔快的打車、Quick Taxi〕に投資した。

これらのSoftBankAsiaの投資先はすべてUber的なスマートフォンを利用したタクシー配車サービスを運営している。SoftBankはこうした事業のアジア外への展開を狙っているに違いない。
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一方、Alibabaは2014年4月にアメリカでLyftへの2億5000万ドルの投資ラウンドを

リードした。Lyftによれば、この資金は「国際展開のために用いられる」とされた。当時、Alibabaがなぜアメリカのタクシーアプリのスタートアップに投資するのか、いささか奇妙なものと見られた。もっともAlibabaはアメリカでチャットアプリのTangoなど多数のスタートアップに投資しておりそうした北米市場進出の一環だろうと考えられた。

しかし、SoftBankとAlibabaは長く密接な関係を保っている。SoftBankがAlibabaへの最初期の投資家であることはよく知られている。しかも両社ともKuadi Dache(快的打車)に出資しているのだ。もしかするとSoftBankのタクシーアプリ戦略にはLyftも含まれることになるのかもしれない。今後SoftBankはLyftに直接に出資するか、あるいはAlibabaを通じて情報や戦略の共有を行い、タクシーアプリに関するSoftBankアライアンスの一環に組み込むことになるかもしれない。

ではSoftBankがこれほど大々的にタクシーアプリに進出しようとするその理由は何だろう?

大きな理由の一つは、SoftBankがアジアを中心とする新興のeコマース市場に進出しようとしているからだ。たとえば昨年はインドネシアのTokopediaに1億ドルを出資している。またインドのSnapdealの6億2700万ドルのラウンドにも参加しており、同じくインドのHousing.comも支援している。

SoftBankがこうした出資先を何らかの形でひとつのネットワークにまとめようとしていることは容易に想像される。その方式はアプリの統合かもしれないし、ゆるいアライアンスのような形になるかもしれない。あるいは情報やマーケティング戦術の共有などのなるかもしれない。

オンデマンド運輸が秘める巨大な影響力を考えれば、タクシーアプリを投資先に加えることは極めて重要だ。

オンデマンド運輸が秘める巨大な影響力を考えれば、タクシーアプリを投資先に加えることは極めて重要だ。

まず、タクシーアプリは何百万という人々が移動のために日々利用する。第二に、タクシーアプリを核とするオンデマンド交通システムはあらゆる種類のオフライン・サービスから利用される物流ネットワークのプラットフォームとなり得る。 たとえば、Uberのロジスティクス分野での可能性を考えてみるとよい

Andreessen HorowitzのBenedict Evansが的確に指摘したように、モバイル・アプリが将来も繁栄を続けるという保証はない。しかしモバイルの将来がアプリ・ベースになろうとウェブ・ベースになろうと、SoftBankはeコマースとオンデマンド交通のようなサービスの間には強力なシナジーが存在すると確信しているに違いない。このシナジーを具体化するもっとも手近な第一歩として選ばれたのがタクシーアプリなのだろう。

昨年Uberは25億ドルの資金を集めた。しかしSoftBankは時価総額は700億ドル(それでも孫正義CEOは「低すぎる額」と考えている)という巨人だ。SoftBankが参戦したとなれば、Uberは近々また資金調達を行う必要があるかもしれない。

SoftBankはこの件に関するわれわれの取材を断った。しかし広報担当者は、SoftBankが「世界各地で投資しているインターネット企業間のシナジーを最大化するよう努力している」ことを確認した。

また、「当面OlaとGrabTaxiの間で提携が行われる予定はない。しかしSoftBankは将来何らかのシナジーがあることを期待している」と付け加えた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+