スマホのデータトラフィックを最大で50%節約するアプリOpera Maxが14社の機種にプレインストールされる

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Operaが今日(米国時間11/8)、同社のデータ管理アプリOpera Maxが14社のスマートフォンにプレインストールされる、と発表した。前に発表されていたSamsungやXiaomiなどに加えて今回は、Acer、Hisense、TWZなども新たに加わった。これらのパートナーシップのおかげで2017年までには、このMaxアプリが1億台以上のAndroid機に載る、とOperaは考えている。

Opera Maxは、ユーザのスマートフォンからのトラフィック(暗号化されたものを除く)を勝手にリダイレクトする一種のプロキシサーバで、Operaのサーバへリダイレクトされたトラフィックはそこで帯域節約のための加工をいろいろ施される。たとえば画像やビデオは圧縮され、HTMLやCSSの無駄な部分は最適化される。

無制限のデータプランを契約していて毎月のデータ量が慢性的に多いユーザは、Opera Maxとは無縁な人びとだろう。一方、従量制のデータプランのユーザは、このサービスでいくらかお金を節約できるかもしれない。Operaによると、データの消費量は最大で50%節約できるそうだ。さらに、InstagramやYouTube、Netflixのようなデータの洪水の中で毎日スマホを使っている人は、節約量が60%にも達することがある。

OperaでOpera Maxを担当しているプロマネSergey Lossevはこう語る: “今では、毎月の料金を見てデータ恐怖症になっているスマートフォンユーザが多い。OEMたちはこの恐怖症をなくそうとして、いろいろな最適化をデバイスに盛り込んでいる”。

Opera Maxがプレインストールされるスマートフォンは、Acer、Cherry Mobile、Evercoss、Fly、Hisense、Mobiistar、Micromax、Oppo、Prestigio、Samsung、Symphony、TWZ、Tecno、そしてXiaomiの各機種だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

OperaがOpera SoftwareからただのOperaに、ロゴも一新…多面的なインターネット企業への変身を象徴

Opera Softwareという会社は、もはや存在しない。同社は今日(米国時間9/21)、新しいロゴとブランド名によるブランド変更を発表した。新しいブランド名/社名は、単純に”Opera”になる。

発表の中で同社は、Opera Softwareはソフトウェアのベンダとしてスタートしたかもしれないが、今では多様なプロダクトを提供しており、そのことを反映する新しいブランドが必要と感じた、と言っている。同社の広告事業Opera Mediaworksは毎月8億の人びとに到達している。同社のアプリケーション/アプリは、サポートしている全プラットホームを合わせて3億5000万のユーザに到達している。同社はさらに最近、モバイルアプリの有料会員制発見サービスBemobiと、VPNサービスのSurfEasyを買収した

発表声明の中ではさらに、“今日のOperaは優れた体験をオンラインで提供するインターネット企業であり、従来のような‘ソフトウェア企業’ではない”、と述べている。

同社によると、3Dの“O”のロゴは、ユーザをさらに多くのコンテンツと、さらに多くの発見と、さらに多くの答えと、さらに多くのコミュニティと、さらに多くの楽しみと、さらに多くのデータと、さらに充実した人生への入り口を表す。マーケターにしか言えないようなセリフだが、デザインはたしかにモダンだね。

このロゴによる最初の製品は、Opera Mini for iOSだ。そのほかのプロダクトも、近く続く。

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最新のOperaブラウザはパスワードのsyncをサポート、そしてVPN機能を最初から統合

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今年の早い時期にOpera Softwareは、仮想プライベートネットワーキング(virtual private networking, VPN)サービスのSurfEasyを買収した。VPNはインターネットの上にソフトウェアによりクローズドなネットワークを作り出す技術で、プライバシーの保護と安全なWeb閲覧を可能にする。今日(米国時間9/15)リリースされたデスクトップ版Opera 32では、SurfEasyが最初からWindowsやMac、そしてLinux用のOperaブラウザに統合される。

ただし当面、この統合はかなり軽い。Opera 32でプライベートタブを開くと、SurfEasyをダウンロードするためのポップアップが出る。ただしそれは当面だけのことで、今後はSurfEasyのもっとタイトな統合が提供される、という。ブラウザだけでなく、Android用の圧縮プロキシサービスOpera Maxも、当然ながらSurfEasyを統合するようだ。

SurfEasyはモバイルとデスクトップ両方のサービスを提供しているが、無料サービスは転送量500mbまでだ。無制限を希望するユーザは、デスクトップで月額3ドル99セント、モバイルアプリでは2ドル49セントを払う。

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このバージョンでは、syncオプションが改良されている。とくにこれからは、ブックマークやタブなどだけでなく、パスワードもsyncできる。

このほかOpera 32では、ブックマークをツリー状に見られるオプションが加わる。大量のブックマークを使いやすくまとめるのに便利だろう。

またバックグラウンドの画像が静的画像では物足りない人のために、Speed Dialのテーマとしてアニメーションを使えるようになる。Speed Dialは、ほかのブラウザでは‘新しいタブページ’と呼んでいるブランクタブページのことだ(トップ画像)。たとえばFirefoxなどでは「よく見るページを表示」などのオプションがある。Operaはこのアニメオプション用にGoogleの規格であるWebMやWebPフォーマットを使って、小さなファイルサイズの維持に努めている。

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Opera MaxがHTTPSをサポート―Androidユーザーは帯域制限がかかるまでに2倍のYouTubeを見られる

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だいぶ前からOpera のAndroid向けデータ圧縮プロキシー、Opera Maxはテキスト、画像、動画データを圧縮し、ユーザーがInstagramなどのサイトを訪問したときのデータ通信の量を大幅に節約してきた。残念ながら、これまでOpera MaxはHTTPSビデオの圧縮ができなかった。つまりYouTubeやNetflixには効果がなかった。

しかしながら、今日(米国時間8/18)のアップデートでHTTPSが新たにサポートされた。これでOpera Maxのユーザーは、同一のデータプランの制限内でYouTubeのネコ動画やNetflixの古いSFをこれままでの2倍も楽しめる。

Operaによれば、Maxはバッファリング時間を短縮し、画質の大きな劣化なしにデータ量を50%まで圧縮できるという(とはいえ、よく観察すればブロックノイズなどが多少増えている)。もちろん実際のデータの削減量は個々のユーザーのネットワーク環境と使用しているデバイスによって変わってくる。

通信量削減の仕組みはこうだ。ユーザーがOpera Maxを通じて動画ファイルを呼び出すと、Opera Maxはそのファイルをいったん自社のMax用サーバーに読み込む。そこでデータを圧縮してから改めてユーザーに送信する。ローカルのMaxアプリがそれを元に戻して表示する。つまりユーザーのトラフィックはすべてOpera Maxのサーバーを経由することになる。Operaは「ユーザーのプライバシーの保護を至上命題としている」と述べている。Maxを利用するのであれば、Operaを信頼するしかない。

Opera Maxがスタートしたのは2014年2月だが、Operaはそれ以前からデスクトップ向けの同様のサービスをOpera Turbo として提供していた。

データ量無制限のプランでキャリヤと契約しているユーザーにはあまりメリットのないサービスだが、もし読者のプランにデータ量の上限がある〔あるいはデータ量によって帯域制限がかかる〕なら試してみる価値が大いにあるだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Operaが会員制のモバイルアプリ発見サービスBemobiを買収、キャリア課金のマネタイゼーションをねらう

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WebブラウザOperaを作っているOpera社が今日(米国時間8/7)、主にラテンアメリカ市場に会員制のモバイルアプリ発見サービスを提供しているBemobiを買収した、と発表した。買収の完了は2015Q3とされ、その価額等は公表されていない。

そもそも、“会員制のモバイルアプリ発見サービス”って何だろう? Operaの説明によるとBemobiは、スマートフォンアプリのためのNetflixみたいなもので、ユーザは毎週小額の会費を払うことによって、有料アプリに無制限でアクセスできる。料金はキャリア課金になるので、クレジットカードやデビットカードが普及していない中南米でも便利に使える。Bombiによると、今、非休眠会員は約600万人いるそうだ。

Operaはデスクトップだけでなくモバイルのブラウザも広く使われているし、後者の場合キャリアが最初からデバイス本体にブラウザを組み込むから、キャリアとのご縁が浅くない。そこで、キャリアとの関係とBombiのサービスを結びつけたら、Opera曰く、“グローバル規模の革新的なアプリ発見とマネタイゼーションのためのサービスが実現し、Operaはこの分野のグローバルなリーダーになる”、のだそうだ。

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OperaのCEO Lars Boilesenは、今日の発表声明でこう言っている: “Operaはモバイルアプリのエコシステムで急速に成長し、この分野でみなさまのお役に立つイノベーションをご提供することを、重要な目標としている。Bombiはまさに、Operaのこの方向性に沿うものである。今回の買収によって、Operaのアプリ発見サービスに大きな構造性がもたらされ、また、有効性を実証されているマネタイゼーションモデルを、弊社の中核市場に導入することができる”。

2000年に創業されたBemobiは、今ではClaro、Telefonica、América Móvil、Telcel、Oiなどをディストリビューションパートナーとし、また多くのデベロッパともパートナーしている。同社はカタログ中のアプリを約500に絞ることによって、AppleのApp StoreやGoogleのPlay storeにない、“アプリの発見しやすさ”を実現している。それは対消費者のセールスポイントであると同時に、力作のアプリがどこかに埋もれてしまいがちなデベロッパにとっても、魅力になっている。Bemobiは彼らのアプリを自分のサービスから提供できるための簡単なラッパーを、アプリに着せるだけである。デベロッパがアプリに変更を加える必要性は、まったくない。

買収後もサービスはBemobiという名前で提供され、CEOも変わらないが、ターゲットはグローバルになる。同社にはすでに、サービスおよびサイトの英語バージョンがある。

BemobiのCEO Pedro Ripperは、こんな発表声明を述べている: “Bemobiはグローバルな拡張を計画している。そのために、Operaの戦略的資産と、弊社のラテンアメリカにおける会員制アプリ発見サービスの成功を、相乗的に活用していきたい”。

この買収により、すでに全世界に展開しているOperaの力が、Bemobiのグローバル進出を助けるだけでなく、Opera自身にとっては、ラテンアメリカ市場の一層の拡大の契機にもなる。いわゆる、win-winの良縁だ。

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OperaがSurfEasyを買収してブラウザからVPNができるようになる…とくに途上国ユーザがターゲット

【抄訳】

Operaは、モバイルデスクトップでWebを閲覧するためのソフトウェア、つまりブラウザを作っている企業だが、そのOperaブラウザには今、3億5000万人のユーザがいる(主に途上国のモバイル)。同社がこのほど、Webをもっとセキュアに閲覧するための仮想非公開ネットワーク(virtual private network, VPN)のアプリケーションを作っているカナダのトロントの企業SurfEasyを買収した。

Operaがセキュリティ関連の買収をするのはこれが初めてだが、それは近年、消費者の要求が、Operaが得意としてきた簡単容易にWebを閲覧できることから、プライバシーの保護に変わってきているためだ。

【中略】

Operaのユーザが圧倒的に多いのは途上国のしかもモバイル市場だが、ここのユーザはとくに、政府の監視や検閲をかいくぐったり、特別なコンテンツを見るために地理的条件を偽ったりするために、VPNというトンネル技術が日常的に重宝する。だからブラウザにVPNをくっつけてしまえば、この市場においてOperaは今後ますます有利になる、と同社は考えているのだ。

Operaの計画では、SurfEasyの製品は当分、SurfEasyの製品のままであり続ける。

それらはまず、Windows、Mac、Android、およびiOSデバイスのためのフリーミアムVPNアプリだ。USBスティックに収めたVPNプロダクトSurfEasy Private Broswerもあり、これは、いろんなデバイスをほかの人と共有しているような場合に便利だ。SurfEasyのブランドをそのまま残すOperaの戦略の根拠は、このブランドがすでに消費者のリビューなどで好評であるためだ。消費者が食いつくためには、OperaのVPN、という新ブランドより有利だろう。

VPN機能がOpera製品(とくにブラウザとデータ圧縮関連)に完全に統合化されてSurfEasyブランドがなくなる日は、まだ遠い先だし、Opera自身がそれには全然言及していない。しかしSurfEasyのままであっても、フリーミアムなどからはOperaとしての収益が得られる。

なお、買収の形式や価額などは、公表されていない。

【後略】

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Operaのクロスプラットホームなブックマークシンクが戻ってきた

数か月前にOperaは、デスクトップとAndroidのブラウザのベータバージョンに、ブックマークのクロスプラットホームな同期化機能を導入、というか再導入したが、今日(米国時間3/10)からそれはデスクトップとAndroidとiOSの正規安定バージョンで使えるようになった。

2013年にOperaがWebKitに移行したとき、新しい機能もいくつか獲得したが、失ったものの方が多かった。しかし同社は、それらのほとんどを取り戻す、と口癖のように言っていた。2013年に、黙っていなくなった者の一人が、ブックマークの同期機能だ。それは当時、OperaがOpera Linkと呼んでいたサービスの一環として提供されていた。

今回蘇ったOperaのブックマーク同期化ツールに、とくに意外な点はない。設定のメニューへ行ってOperaのアカウント情報を入力する(または新規にアカウントを作成)だけで、すぐに使えるようになる。

同社が行った調査によると、一人の人がブラウザで消費するコンテンツは、デスクトップとモバイルで大きな違いがない。“だから、ユーザが「自分のブックマーク」をどこでも見られることが重要だ、と考えた”、とOperaは言っている。

つまりユーザは、異なるプラットホームの上でも自分のブックマークがシンクしていてほしい、と期待するのだ。たとえば、Firefoxはそれをサポートしていない(そもそもiOS版がない)。でも、同じブラウザをデスクトップでもモバイルでも使うときは、ブックマークのシンクだけでなく、パスワードなどの設定も引き継がれてほしい。Operaも、まだそこまでは行っていないが、でもブックマークをそんな道への第一歩にしてほしい。

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Operaの元CEOが仕事でWebを酷使する人向けの高機能ブラウザVivaldiを立ち上げ

Operaの元CEO Jon von Tetzchnerが今日最初のプレビューを立ち上げるVivaldiは、もっぱらパワーユーザをねらったChromiumベースのブラウザだ。Vivaldiには、マウスを使わずコマンドをタイプ入力するQuick Commandsや、ブックマークに素早くアクセスするOperaふうのSpeed Dial、ノートを取る機能、複数のタブをスタックにまとめる機能、などなどがある。

von Tetzchnerは次のように言う: “ぼくらの友だちのためのブラウザを作ってるんだ。Vivaldiは、これまでのブラウザが物足りないと感じていた人たちに、使ってもらいたい”。

[pullquote author=”Jon von Tetzchner” align=”right”]友だちのためのブラウザを作ってるんだ。[/pullquote]

歯に衣着せぬタイプのvon Tetzchnerが、1995年に共同で創業したOperaのCEOを辞めてから、3年半になる。彼は今からちょうど1年前に再登場して、Vivaldiを立ち上げた。そのVivaldiは、Operaが閉鎖したコミュニティサイトの元ユーザたちのための、ソーシャルネットワークとフォーラムだった。でも、von Tetzchnerがフォーラムだけで満足しているとは、誰も思わなかった。

von Tetzchnerは辞めてからもずっとOperaを使っていたが、OperaがPrestoエンジンを捨てて別のユーザベースを追うようになったとき、再びブラウザの戦線に戻ろうと決意した。“Operaはコミュニティと一緒に育ってきて、ユーザと一体だった。その一体感が壊された、とぼくは感じた”、と彼は言う。

チームはこれまでの1年半、Vivaldiブラウザを作ってきた。まだ初期段階のプレビューだし、未実装の機能も多いが、すでに、仕上がり状態はかなり良い。VivaldiはOperaを参考にしている部分が多く、von Tetzchnerもそのことを率直に認めるが、でもOperaはWebKit(のちにBlink)に切り替えてから、元のOperaらしさの多くを捨ててしまった。

“ブラウザに多くを望まない人のための大衆的ブラウザは、すでにたくさんある”、とvon Tetzchnerは言う。“しかしわれわれは、毎日のオンライン時間がものすごく長くて、タブを大量に開き、大量のコンテンツを相手に効率的に仕事をしたい、と思っている人たちを、助けたい”。

ブラウザのベースとしてChromiumを使うことに決めたのは、エンジンをスクラッチで書けるほどの大人数のチームではなかったためだ。MozillaのエンジンやWebKitも検討したが、Mozillaはこのところユーザ数が減ってるし、WebKitには採用する積極的な理由が見当たらない。ということでvon Tetzchnerは、安全な選択としてChromiumを選んだ。

Vivaldiのプレビューをまる一日使ってみたが、すでに相当な安定感と完成感がある。正しい路線に乗っている、と感じた。シンプルなデザインを目指しているが、遊び心もある。たとえば、開いたサイトのファビコンの色に応じてタブやメニューの色が変わる(この機能はoffにもできる)。初期のOperaのようにウィンドウの左隅にメニューストリップがあるので、ブックマークなどのツールにアクセスしやすい。

細かい巧妙な機能もすでにたくさんあり、タブにはプレビュー機能と、ウィンドウ内の自由な移動機能がある。Quick CommandsツールはAppleのSpotlightのようにキーボードから言葉を入力するのだが、実際に使ってみるとかったるいどころか、頻繁に使うようになる。Chromeに戻ったときは、それがないことを不満に感じた。

日常的に使いたいものの中では、ブックマークバーがないし、エクステンションのインストールもまだできない。ただしそのためのフックはすでにメニュー上にあるので、次のプレビューでは実装されるのだろう。

今後Vivaldiにはメールクライアントが内蔵される。まるで昔のブラウザに戻るようだが、Operaはずっとサポートしていたし、von Tetzchner自身が、メールはブラウザ上で扱うのがいちばん良い、と感じているのだ。

彼曰く、“GmailやYahoo MailのようなWebメールは、万人向けではないね。とくに、複数のメールアカウントのある人の場合は、ブラウザ上で一括してメールを操作できるのが、いちばん便利だよ”。Vivaldi自身もユーザに@Vilvaldi.netのメールアドレスを提供するが、メールクライアントはどのメールアカウントでも扱える。

Vivaldiは今、社員が25名で、von Tetzchnerの自己資金だけでやっている。今後は検索やアフィリエイトを収益源にしたいと考えているが、それらに関して明確なプランはまだない。

 

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OperaのAndroid用データ節約アプリが合衆国と西ヨーロッパでベータへ

昨年の12月にOperaが発表した無料アプリMaxは、暗号化されていないデータをすべて、Operaのサーバをを使ってユーザのAndroidデバイスへ圧縮する。そのときは小規模な非公開アルファテストに登録できただけだが、でも今日からは、Maxのもうじき始まるベータへの登録を受け付ける。

Maxは、テキストでも写真でもビデオでも何でも圧縮してユーザの携帯に送るから、かなりの帯域節約になる。とくにビデオは帯域大食らいだから、このアプリによって、データプランの料金を相当節約できるだろう。

GoogleがChromeモバイルのためのデータ節約プロキシの展開を開始したのはごく最近だが、Operaはかなり前からデスクトップ向けに”Turbo“モードを提供してきたし、また一部のモバイルブラウザはOperaのサーバから圧縮データしか受け取らない。実は、Appleのブラウザエンジンを使っていないOperaのiPhoneアプリが承認されたのも、そのおかげだ。

Maxの技術的詳細はまだよく分からないが、同社によると、ブラウザのための圧縮技術をユーザのすべてのアプリに適用することにしたのだ。一部のアプリ、たとえばFacebookなんかは、つねにすべてのデータを圧縮していて、Operaのプロキシをバイパスしている。でも、Operaのスクリーンショットを見るかぎり(上図)、InstagramやFlipboard、Vineなど画像の多いアプリはこのツールで相当助かるだろう。

ただしすべてのデータがOperaのサーバ経由になるから、Operaという企業をかねてから十分に信用している人でないと、このツールは使い辛い。また、Operaのプロキシを使うことによって大きな遅延が生ずるなら、モザイク画像が多くなったりして困ることにもなりかねない。

このアプリはすでに、Google Playのストアで入手できる。インストールした人は、自動的にベータのユーザになる。ただし今のところこのツールを使えるのは、合衆国と西ヨーロッパだけだ。

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iPad向け新ブラウザ、Opera Coastが登場―すべてスワイプとタップで操作するタブレット最適化UI

半年前からOperaでは小チームでタブレット向けブラウザの開発を進めていた。 そしてついにOpera Coast for iPadが発表された。Chromeを無用のものにするかもしれない画期的な新ブラウザだ。

先週、Coastプロジェクトの責任者、Huib Kleinhoutは私の取材に対して「われわれがCoastを開発することに決めた動機は、現在のブラウザのUIがMosaicの時代から実質的に変わっていないことに我慢がならなくなったからだ。マルチタッチ・スクリーンがこれだけ普及したというのに、それがブラウザではほとんど生かされていない」と述べた。Coastはタブレットに最適化されたブラウザを世界で初めて作ろうとしたOperaの試みだという。

Kleinhoutは「タブレットのブラウザはそもそも生産性ツールとして使われるわけではない」と指摘する。Coastはこの基本的考えに基づいて、現在のブラウザに満載されている複雑でかつほとんどの場合に不必要な機能をすべて削除し、UI要素を大きくシンプルなものにしてタッチによる操作性の大幅な向上を図っている。

実際、Coastには画面下部のホームボタンと画面右下の最近訪問したサイトの履歴を表示するボタン以外に目に見える操作部分はない。ほとんどすべての操作はジェスチャーで行われる。たとえば 「進む」、「戻る」は左右のスワイプになる(もっともMicrosoftもGoogleもこのジェスチャーを採用している)。

Coastではブックマークに代わってよく訪問するサイトはiOSのホームスクリーン風の大きなアイコンで表示される。Coastはユーザーが最近訪問したサイトをすべて自動的に記録しており、ホームスクリーンの右下のボタンからリストとして呼び出せる。そこからブックマーク・アイコンを追加できる。ホームスクリーンには検索バーが用意されている。Operaのバックエンドがユーザーの入力をモニタして、インクリメンタルに3つの候補を表示する。

この極めて簡潔なデザインについてKleinhoutは「サイトに代わって勝手に共有ボタンを表示するのがブラウザの役目ではない」と語った(最近のMozillaのプロダクトへの遠回しな批判)。Kleinhoutは「ユーザーとどのように会話するかを決めるのは全面的にサイトの役割だ。われわれはユーザーのセキュリティの強化にも力を注いでいる。ユーザーがHTTPSや認証手続きについて知らなくても、ユーザーが危険なサイトにアクセスしようとした場合にはCoastが警告する」という。

Opera独自のサーバサイドのレンダリング・エンジンを利用していたOpera Miniや以前のiOSブラウザとは異なり、CoastはAppleの内蔵レンダリング・エンジンを利用する。

KleinhoutはAndroid版Coastについては開発しているかどうか明らかにしなかったが、iOS以外のプラットフォームへの拡張を計画していることは間違いないだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Operaがブラウザエクステンションの標準パッケージング形式NEXを提案–アドオンのブラウザ依存廃絶へ

Operaが今日(米国時間7/30)、同社が提案しているブラウザのエクステンションの形の標準規格NEX(Navigator Extension)形式の詳細を発表した。同社はこれが将来のW3Cの規格になり、ブラウザの種類に依存しない標準的なアドオンの開発が可能になることを期待している。

現在、Google ChromeやOperaなどChromiumをベースとするブラウザは、GoogleのフォーマットであるCRXを使ってブラウザのエクステンションを配布している。最近Chromiumに切り換えたばかりのOperaは、NEXを開発した動機は“CRX形式を軸として形成されている現在のエコシステムに新たな負担を強いることなくCRXの機能を拡張すること”、と説明している。つまり、ということは、NEXはデベロッパが今すでに使っているCRX環境のスーパーセットである。それは、Chromiumの標準APIのほとんどと、OperaのSpeed Dial APIで成り立っている。だからNEX対応エクステンションエンジンの上では、CRXを使っているエクステンションの多くがそのまま動く。

Operaによると、Chromium陣営ではないMozillaも現在、ブラウザアドオンのパッケージングとマニフェストの形の標準化努力を進めており、この方面で指導的な立場に立つことをねらっている。

Operaによると、NEXのようなオープンスタンダードがあれば、ユーザはある特定の、必要なエクステンションのために、特定のブラウザに縛られることがなくなる。そこでたとえば、ブラウザをユーザの望む性能(スピード、描画性能、ほか)で選べるようになる。またデベロッパにとっては、このシステムがあることによって、イノベーションを共有化し、健全で競争性に富むWebのエコシステムを末永く構築していける。

同社はさらに、このような取り組みにより、“System Applications API(参考記事)のレベルの共有やエンゲージメントが…多様なエクステンションからも行われることにより…ブラウザのベンダにとってより有益になり、将来ブラウザアドオンを作るデベロッパの仕事も楽になる”、と期待している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


WebKitの独占状態の是非

icon-goldOperaが自前のレンダリングエンジンの開発を停止し、オープンソースのWebKitエンジンを採用することにしたというニュースは各所から大いに注目を集めた。WebKitはGoogleのAndroid向けブラウザでも、またAppleのiOS向けブラウザにも採用されている。すなわちモバイル環境においては、既に事実上の標準の地位を獲得している。そしてさらにその触手をデスクトップ環境にも伸ばしつつあるところだ。既にChromeは、Tridentを採用しているMicrosoftのInternet Explorerや、MozillaのGeckoを採用しているFirefoxと比べてかなりのリードを獲得している。こうした状況の中で、頭に浮かぶ疑問がある。各社が独自のエンジンを開発して、競い合う環境の方が良いのか、それともWebKitを標準として各社に採用してもらう方向が望ましいものなのだろうか。

WebKitはオープンソースのプロジェクトであるので、誰でも開発に参加することができる。Google、Apple、Mozilla、Microsoft、Opera、あるいはブラウザ関連のさまざまな企業が参加しているので、標準的に採用される技術を即座に実装することができる。レンダリングエンジンが統一されることで、開発者の苦労は大いに低減されることとなる。レンダリングエンジンの違いによる細々とした表示スタイルの違いに頭を悩ませないで済むようになるわけだ。

Hacker Newsのスレッドにも多くのコメントが寄せられている。WebKitの開発に集中することで、多くのイノベーションが生み出されるのであれば、WebKit独占の状態は開発者にとっても利用者にとっても良いものとなる可能性があるという論調もみてとれる。

こうした独占に向けた流れに抵抗する筆頭はMozillaだ。これまで独自のGeckoエンジンおよび、その後継となるServoに多大なリソースを割いてきた。Mozilla CTOのBrendan Eich曰く、Mozillaの存在意義をかけて独占には抗っていくつもりだとのこと。また、MozillaエンジニアのSteve Finkは、モバイルかデスクトップかを問わず、WebKit独占を許してしまえばイノベーションが阻害され、少数企業によるプラットフォーム独占を惹起してしまうと述べている。そのような状況になれば、結局は各社利益を追求する迷惑な混乱に支配されてしまうことになるとも述べている。

しかしWebKitはオープンソースであるので、もし開発が滞ったりあるいは特定のステークホルダーが開発を政治的理由によって妨害するようなことがあれば、即時に開発の道筋を分岐させることができるので、独占による悪影響などはないと考える人もいる。

From Google's Chrome Launch Comic Book

但し、ウェブの世界ではこれまでにも「独占の弊害」を経験したことがある。IE5やIE6の時代(Netscapeが舞台を去り、そしてIEは6のリリースが2001年で、IE7が登場したのは2006年だった)には、完全に「停滞」状況になっていた。そうした状況の中、2004年あたりからはFirefoxがスタートし、そしてWebKitをベースとしたGoogleのChromeも2008年に登場してきたのだった。Chromeのミッションはレンダリングエンジンの標準化を試み、そしてJavaScriptの高速化を行うということだった。独占を崩す存在が登場してきたことにより、ウェブプラットフォームは現在のような応用環境に進化したのだとも言えるだろう。

「ウェブ」が今後戦っていく相手は?

Operaは、「独占状態は良くない」と主張しつつ、その言葉とは正反対にも見える道を歩むことになった。Operaもそれなりのシェアを獲得しているにも関わらず、「多くの開発者たちがWebKitのみをターゲットに開発をしているという現状があります」と述べ「先頭に立って独自の道を追求していくことにメリットは少ないと判断しました」とのこと。

Operaの選択した方向は興味深いものだ。結局のところ、ウェブ技術は各社のレンダリングエンジンの違いで競っていくのではないと判断したわけだ。今後の競合相手はネイティブアプリケーションであると判断したわけだ。Operaは「閉鎖的な“アプリケーション”に対抗して、オープンなウェブ技術を推し進めていくつもりだ」とのこと。その戦いを効率的・効果的に進めていくためにWebKitの採用を決めたということだ。

開発者と利用者の着眼点の違い

理想を言えば、さまざまなベンダーが「標準」に則った開発を行って、レンダリングエンジンの違いによる差異などを意識しないで済むというのが良いのだろう。同じコードは同じように表示されるべきだろう。しかし、「標準」を意識しつつも実装により細かな違いがあり、同じような表示を実現するなどということはできなかった。

但し、たいていの利用者はレンダリング方式の違いによるウェブページやウェブアプリケーションの見え方にはほとんど意識を払わなかった。利用者は利用可能な機能(ブックマーク、プラグイン、タブなど)によってブラウザを選択していただけなのだ。そうした機能の多寡や使い勝手によって、利用者はブラウザを切り替えてきたのだ(もちろんあまりに速度が遅いものなどは排除されることになる)。

Mozillaは、魅力的な機能を提供していくためには、ブラウザ全体を自ら手がけていく必要があると述べている。今やWebKitに対する唯一の対抗勢力と言っても良い存在になったMozilla陣営は、自らの言葉を証明するために、利用者にとって真に魅力的な機能を提供していく必要がある。

個人的には、「標準」に基づいた競合がある方がイノベーションサイクルも早まると考えている。ウェブ技術というのは、まだひとつのエンジンに集約してしまうような枯れた技術ではないと思うのだ。レンダリングエンジンが複数存在すれば、余計な作業も増えるだろうし、迷惑に感じられることすらあるかもしれない。しかし将来的にきっと実を結ぶ、「若い時の苦労」になると思うのだ。

原文へ

(翻訳:Maeda, H)