高解像度観測画像をリアルタイムで取得できるCapella Spaceの最新衛星技術

人工衛星と地球観測のスタートアップであるCapella Space(カペラ・スペース)は、既存の試験用ハードウェアプラットフォームを改良し、0.5メートル以下の分解能による高解像度観測画像を提供する新しい衛星技術を発表した。Sequoia(セコイア)という開発コード名で呼ばれているこの新しい衛星は、リアルタイムの要求に対応し、Capella Spaceのクライアントは基本的にオンデマンドで希望のエリアの観測画像を取得できる。

Capella Spaceの衛星は合成開口レーダー(SAR)による観測衛星で、撮影領域が雲に覆われていたり、夜間であっても、地上の2次元画像を提供できる。通常、SARによる画像の分解能は、同社の新型衛星による0.5メートルの分解能よりもはるかに低く、Sequoiaのような小型衛星で同様の性能を実現することも難しい。

Capella Spaceによると、新しい衛星デザインは「顧客からのフィードバックの結果」であり、高速充電や迅速なリサイクルのために改良されたソーラーアレイや、一度に長時間の撮影を可能にする進化した温度管理、顧客のニーズに応じたより高速なターゲット設定の切り替えといった改良が含まれるという。またダウンリンクの帯域幅が広いため、他社が提供するこのサイズのどのSARシステムよりも、軌道パスあたりのデータ転送量が多い。

このアップグレードにより、Capella Spaceはアメリカ空軍やアメリカ国家偵察局(NRO)を含む、米国政府の主要顧客との契約を獲得した。この技術は、3月に打ち上げが予定されている6機の次期商用衛星に搭載される。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

クラウド上のデザインツールFigmaがプラグインとそのAPIをローンチ

デザインツールをクラウドに置くFigmaは米国時間8月1日、ユーザーが自分のワークフローをリセットして掃除できるプラグインを発表した。

Figmaの共同創業者でCEOのDylan Field(ディラン・フィールド)氏によると、このプラグインは同社の立ち上げ以来、最も要望の多かった機能だ。そこでチームは昨年、2018年3月にローンチしたFigmaのAPIにプラグインの機能性を構築することに注力した。その際、3つのプライオリティを掲げた: 安定性、スピード、そしてセキュリティだ。

同社がプラグインのテストを始めてからかなり経つ今日、40個のプラグインがローンチOKとなった。それらの中で、とくに目立つのを以下にご紹介しよう。

ユーティリティとしては、まずRename Itは、デザイナーが今自分がやっているレイヤーを自動的にリネームして編成できる。一方Content Buddyは、適当なプレースホルダーとしてのテキストを置く(電話番号、名前など)。それらはあとで自動的に見つけて内容を入れ替えられる。StarkColorBlindはどちらもアクセシビリティのためのプラグインで、自分の仕事がWCAG 2.0のコントラストの指針に合ってるか確認できる。そのために、8段階の色弱を疑似体験できるレンズが提供されている。

そのほかに、アニメーションを加えるFigmotion、テーマを変えるThemer、デザインに地図を加えるMap Makerなどのプラグインがある。

だれでもFigmaのプラグインを作って一般公開できるが、企業など用にプライベートなプラグインも作れる。例えばMicrosoft(マイクロソフト)のある社員は、WordやOutlookなどMicrosoft製品をベースとするテーマに変えられるプラグインを作った。

microsoft themes final

今のところ、プラグインで収益を得る計画はない。むしろプラグインを加えたのは顧客の幸福と満足に寄与するため、とField氏は言う。しかもFigmaのウェブサイトへ行くと、そこにはこのプロダクトが顧客と共に急速に進化する仕組みがある。個々の機能をそれぞれ別に作るのではなくて、今のFigmaはプラットホームをパワーユーザーに開放して、好きなものでウェブページを作れるようにしている。

Crunchbaseによると、Figmaはこれまで8300万ドル近くの資金を調達している。半年前のSequoiaがリードする4000万ドルのラウンドでは、調達後の評価額が4億4000万ドルだった。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

倉庫サービス〜邪魔物保管サービスのClutterがSoftBankのリードで2億ドルを調達

目下、SoftBankのVision Fundの投資家たちの不満気な様子をめぐっていろんな憶測が溢れているが、しかしドラムは鳴り続けているし、小切手もどんどん書かれている。この1000億ドルのメガファンドの最新の取引相手はオンデマンドの倉庫サービスClutter、このほど成長資金として2億ドルを獲得した。

目ざとい読者は覚えておられると思うが、本誌TechCrunchは早くも1月に、この巨額投資を特ダネで報じた。そしてそれが今日(米国時間2/20)、公式になった。

Clutterは、一般消費者が捨てたくはないけど家が狭すぎて置けない、と思っている物を貸し倉庫にしまってくれる。この業態は、今とても多い。Clutterの場合はアプリで呼びだせばスタッフが来て荷造りをして品物を持ち去る。もちろん、後で返してくれる。しかし長期保管だけでなく、引っ越しのときなどの一時的な“物置”としても利用できる。物の搬入先として、同社の倉庫ではなく自分の引っ越し先である新居を指定してもよい。主なコンペティターは、MakeSpaceOmniTroveLivibleClosetboxなどだ。

SoftBankがリードするラウンドに参加したのは、Sequoia、Atomico、GV、Fifth Wall、そしてFour Riversだ。Four Riversは、2年近く前の6400万ドルのラウンドをリードした。今回の2億を合わせると、同社の調達額は2億9700万ドルになる。

Clutterの評価額について確定情報はないが、本誌TechCrunchの、いつも良い位置で獲物を狙っている筋によると、今回の評価額は4億から5億ドルだろう、という。ひとつだけ確実なこととして、SoftBankのJustin WilsonがClutterの取締役会に加わる。

この資金は、発表声明によると、アメリカ国内での事業拡張に充てられる。でも、海外進出の匂いもかすかにある:

この資金により、同社の2019年における新しい市場への拡張が加速される。新市場は、フィラデルフィア、ポートランド、そしてサクラメントだ。また、ニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルス、シカゴ、シアトル、サンディエゴ、オレンジカウンティ、ニュージャージー北部など既存の市場でも業務を拡大し、アメリカの50大都市のすべてに拠点を置くという目標達成を目指すとともに、国際的な拡張も行なう。

SoftBankのWilsonは、声明でこう言っている: “倉庫サービスは市場規模がきわめて大きく、これからディスラプトしていける既存市場もその潜在的規模は巨大だ。Clutterのテクノロジーと優れた消費者対応は同社の将来の成長を支え、スペースが貴重な都市地域で市場を拡大していけるだろう”。

関連記事: Sources: Clutter is raising $200-250M led by SoftBank for on-demand storage and moving…ClutterがSoftBankのリードで$200-250Mを調達(未訳)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Confluentが$50Mを調達してApache Kafkaの商用化にますます邁進…巨大テク企業の不可欠の構築ベースへ

オープンソースのストリーミングデータベースプロジェクトApache Kafkaの商用サービスを提供しているConfluentが今日(米国時間3/7)、5000万ドルの資金調達を発表した。

そのラウンドはSequoiaがリードし、BenchmarkとIndex Venturesが参加した。SequoiaのMatt Millerが、これを機にConfluentの取締役会に加わる。これで同社の資金調達総額は8000万ドルになる。

Kafkaは一種のメッセージングシステムだが、LinkedInがこれを最初にオリジナルで作ったときは、大量のデータをアプリケーション間、システム間、オンプレミスとクラウドの間などでスムーズに移動することが目的だった。一度にものすごく大量のメッセージを扱えることが、要件とされた。

ConfluentのCEO Jay Krepsによると、LinkedInのチームは、企業内のすべてのデータを、それらがどこにあろうと扱えて、またデータへのアクセスや応答がどこからでもできることを目標とした。“毎日1兆件のメッセージをリアルタイムで処理できるそのシステムをわれわれはオープンソースにして、シリコンバレー全域に普及させた。今の巨大テクノロジー企業の中には、Kafkaを軸として構築されているところが少なくない”、という。

内部システムの中核としてKafkaを使っている企業の例として、Netflix, Uber, Cisco, Goldman Sachsなどが挙げられる。リード投資家SequoiaのMatt Millerは、事前にこれらユーザー企業に聞き取りをして、Confluentの今後の市場が巨大であることを確信した。“Confluentは次の10年でもっともインパクトの大きい企業になりうる、とわれわれは見ている”、と彼は語る。

Confluentには無料のコミュニティエディションもあるが、企業ユーザーの多くは補助的ツールの揃った有料エディションを使いたがる。それらのツールは、複雑な企業内におけるデータフローを管理しモニタするツール、Kafkaのクラスタ上におけるデータフローの最適化と均衡化のために全社的なデータフローを追跡するツールなどだ。さらにConfluentは、いくつかのサポートプランを用意している。

Millerによると、社内の多様なシステムをKafkaを使わずに接続することはできるが、それは効率が悪くて費用も大きい。“多くの企業が、場当たり的な統合化や、時間のかかるバッチ処理でお茶を濁してきた。Kafkaを使えば、もっと安上がりに大量の情報を共有できるし、古いシステムから乳離れしてマイクロサービスへの移行もできる”、と彼は説明する。

大量のデータを扱えてしかもさまざまなシステムと迅速にコミュニケートできるKafkaは、IoTにもすごく向いている。数年後にはIoTが生成するデータが膨大な量になり、しかも企業は、それらのデータを迅速有効に利用するための方法を必要とするのだ。

今度の5000万ドルの使いみちとしてKrepsは、急速に成長している市場への対応能力の完備を挙げる。“この動きの激しい分野で先頭を走っているのだから、今後も先頭を維持しなければならない。順位が下がることは許されない。これからも、このカテゴリーの定義といえばこれ!、と言えるような技術を作り出し、それを世界中の市場に持ち込む必要がある”、と彼は語る。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ビッグデータ分析で営業に序言と予見を与えるモバイルアプリClariがステルスを脱して$6Mを調達

SalesforceやOracleなど、CRMの巨人たち、それにDomoのような成熟したスタートアップが、このところモバイルに大々的に侵入してきて、とくに営業の人たち向けのアプリを売り込んでいるが、モバイルファースト*でよりすっきりとしたソリューションの方が良いのだと主張する新進のスタートアップもいる。ここでご紹介するClariは、リアルタイムのビッグデータ分析で営業を支援するモバイルファーストのアプリだが、今日(米国時間4/2)はSequoia Capitalなどから600万ドルの資金を調達したことを契機に、ステルス状態を脱した。今“数十社”といわれる顧客にはFortune 500企業が多く、VMware、Juniper、Cisco、Box、Nimble Storageなどもその中にいる。〔*: mobile-first, 最初からモバイルで行くこと、デスクトップからのポート(移植)などではないこと。〕

CEOでファウンダのAndy Byrneによると、大手の競合他社たちとClariとの重要な違いは、前者が良いレポートを作成することに力点を置いているのに対し、Clariはもっとよく売れる営業活動の実現に集中していることだ。

この違いは大きい。Clariでは情報が、ユーザがそれを必要としているまさにそのときに提供されるが、他社のアプリでは情報分析が営業が会社に帰ってデスクに向かったときに行われる。まったく別人が情報分析を行うこともある。

Byrneはこう語る: “前にいた会社では、営業がものすごくやり辛かった。CRMも使い辛かった。個別ばらばらのアプリケーションがたくさんあり、また仕事のやり方にも、至る所に謎めいた“黒魔術”があった。しかし、営業からこれらの苦痛を取り除いてあげることが、われわれの機会だと感じた。しかもBYODというトレンドとモバイルによって、その機会を開拓する絶好の環境が企業内に生まれていた”。

Clariには、効果的かつ効率的な営業活動を支えるための、重要な機能がいくつかある。

まず、営業データやCRMのデータを分析してデータマイニングを行うクラウドサービスがある。今の企業が使っている主なCRMや、そのほかの主要アプリケーションのデータがすべて、マイニングの対象になる。それらは、Salesforce、Microsoft Sharepoint、Microsoft Exchange、Box、Dropbox、LinkedIn、Gmail、ニュース、そしてTwitterだ。

“Deal assistant”(営業活動アシスタント)は営業のためのパーソナルアシスタントで、コンピュータのサマンサのように出力は声、そしてユーザからの入力も音声だ。

“CRM accelerators”(CRMアクセラレータ)という、プッシュ通知を利用する機能は、タイミングが重要な、つまり今伝えておいた方が(見ておいた方が)良い、と思われる情報やアドバイスなどを、営業のモバイルに送る。その中には、今進捗中のほかの営業活動からの情報もある。

“deal progression dashboard”(営業活動進捗ダッシュボード)は、営業の部屋によく置かれているホワイトボードの電子版で、クラウドや重要なリンクから豊富な情報が配達される。

これらの機能のデモが、ここにある

そして、Clariの着眼点は、以下のようなところにある:

・ビッグデータ分析の効能をデータサイエンティストと呼ばれる専門家のものから、営業というエンドユーザのものにすること。

・スタートアップが、疑いの目ではなく、期待と好奇心の目で見られるようになったという、時流に乗ること(大企業からもバカにされないようになった)。

・有名企業数社を顧客として確保したあとで、ステルスを脱すること(その方が今後の営業がやりやすい)。

(Clariの営業も、確実に、Clariを利用しているのだろう。)

・セールストークには、顧客/見込み客が前のめりになって関心を示す、実際の体験談経験談を必ずまじえること。

Sequoiaが今回Clariへの投資に踏み切ったのは、Byrneという人物を高く評価しているためだ。Clariの前には、長年Clearwellの役員(同社はその後Symantecが買収)。Clearwellは、ビッグデータ分析の実用化におけるClariの先輩企業でもある。その前はTimestockのファウンダ…同社はその後Wily、さらにComputer Associatesが買収した。

Clariのステルス期の顧客に有名企業が多いのも、やはりByrneの名声と信用のせいだ。なお今回の投資で、SequoiaのパートナーAaref HilalyがClariの取締役会に加わる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))