SpaceXが初の買収、衛星ネット接続のSwarm Technologiesを全額出資子会社に

SpaceX(スペースエックス)は衛星接続のスタートアップSwarm Technologies(スワームテクノロジーズ)を買収する。Elon Musk(イーロン・マスク)氏率いる創業19年のSpaceXにとって初の買収となる。

Swarmはサンドイッチサイズの衛星120基から成るコンステレーション​​ならびに地上ステーションネットワークを運用している。買収により、Swarmの保留中のライセンスに加えて地上と宇宙のライセンスの管理はSpaceXに移る。買収が承認されれば、SwarmはSpaceXの「直接の全額出資子会社」となる。

米連邦通信委員会(FCC)への書類提出で明らかになった今回の買収は、SpaceXの確立された社内技術開発戦略からの急な逸脱となる。

買収取引は米国時間7月16日に2社間で合意に達したと報道されている。取り上げられなかったFCCへの提出書類では買収金額や取引条件などの詳細は明らかにされなかった。SpaceX、Swarmどちらにもコメントを求めることはできなかった。

「Swarmのサービスは豊富な資本金と、SpaceXが利用するリソースへのアクセス、そして衛星のデザイン、製造、打ち上げサービスを手がけるSpaceXによる買収に関連する相乗効果の恩恵を受けます」と両社は提出書類の中で述べている。逆にSpaceXは「Swarmのチームによって開発された知的財産と専門性へアクセスでき、またリソース豊富で有能なチームをSpaceXに加えることで同様に恩恵を受ける」ことになる。

SpaceXのオペレーション、特に同社のStarlink衛星ネットワークにとって意味するところは不明瞭だ。というのも、これらの衛星はSwarmの衛星とは異なる周波数帯域で運用されているからだ。短期的には、Swarmは衛星150基のコンステレーションの展開という目標に向けて「まだ歩んでいる」と同社CEO、Sara Spangelo(サラ・スパンゲロ)氏は7月にTechCrunchに語った。

SpaceXと比較すると、Swarmは新しい会社だ。ほぼ3年前になる2018年8月にシリーズAで2500万ドル(約28億円)を調達したが、主要製品で商業展開を開始したのは2021年初めのことだ。Tileというその製品は、ユーザーがIoTデバイスを低コストで動かすことができるよう、さまざままな接続デバイスに埋め込んで衛星ネットワークにつなげられる小型のモデムだ。

SwarmのEvaluationキット(画像クレジット:Swarm)

Swarmはまた、2つめの製品となる499ドル(約5万5000円)のEvaluationキットを7月に立ち上げた。このキットは、Tile、ソーラーパネル、その他いくつかの部品を使って誰でもIoTデバイスを作れるようにするオールインワンのパッケージとなっている。

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SpaceXの大型ロケット「Super Heavy」と宇宙船「Starship」が初めて合体、全高120mは史上最大

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

SpaceXの大型ロケット「Super Heavy」と宇宙船「Starship」が初めて合体、全高120mは史上最大

SpaceX(スペースX)は、完全再使用型ロケットシステム「Starship(スターシップ)」の開発において、新たに大きなマイルストーンを達成した。同社は、29基のRaptor(ラプター)ロケットエンジンを全搭載したSuper Heavy(スーパーヘビー)ブースターのプロトタイプの上に、6基のエンジンを搭載したStarship宇宙船本体を設置するスタック試験を完了した。合体した宇宙船は、これまで開発されたロケットの中で最も全高の高い組立式ロケットとなる。

テキサス州南部にあるSpaceXの開発拠点で行われたこのスタッキングは、Starshipシステムを構成する2つの要素が初めて1つになったという点で重要な意味を持つ。これは、次のStarshipプロトタイプをテストミッションで打ち上げる際に使用される構成で、軌道到達が期待されている。

この巨大な複合ロケットシステムは、全高が約400フィート(正確には約390フィート、約119m)に達し、それが乗っている軌道発射台と合わせると、全体で約475フィート(約145m)となり、ギザの大ピラミッド(138.74m)よりも高い(牛久大仏は全高120m)。

スタッキングの実現は目覚ましい成果だが、この状態は長くは続かないはずだ。次のステップは、ロケットシステムの2つの部分を再び分離して、より多くの作業、分析、テストを行い、最終的な軌道飛行打ち上げテストに向けて再組み立てすることになると思われる。

軌道投入の打ち上げテストがいつ行われるかについては、現時点では明らかになっていない。解体、試験、再組み立てには時間がかかるはずだが、同社が年内の実現を目指していることは間違いない。

上のストリームはNASASpaceflightが配信したもの。

【更新】SpaceXのElon Musk(イーロン・マスク)CEOは、Starshipシステムの2つの部分が分離された後の次の作業についての詳細を明らかにした。同氏はツイートの中で、システムの次の課題はStarship宇宙船に最終的な耐熱シールドタイルを追加することであり、この作業は約98%完了していると付け加えた。他にも、ブースターエンジン、地上の推進剤貯蔵タンク、宇宙船のQDアームに熱保護を加えることも今後やるべきことのリストに含まれているという。

もちろん、SpaceXがStarshipを飛行可能な状態にするために越えねばならないハードルはそれだけではない。同社は、米国連邦航空局(FAA)から打ち上げライセンスを取得する必要がある。これは規制当局が環境アセスメントを完了するまで実現できないが、そのプロセスには数ヶ月かかる可能性がある。

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Aya Nakazato)

ネットフリックスが「SpaceX」のオール民間人宇宙飛行ミッション「Inspiration4」のドキュメンタリーを9月配信

ネットフリックスが「SpaceX」のオール民間人宇宙飛行ミッション「Inspiration4」のドキュメンタリーを9月配信

Netflix

Netflixは、SpaceXが計画する、民間人だけで構成されたクルーによる初めての有人宇宙飛行ミッション「Inspiration4」をドキュメンタリー・シリーズとして配信すると発表しました。『Countdown: Inspiration4 Mission to Space』は5話構成となり、最初の2エピソードが9月6日に配信されます。

Netflixはこれまでもいろいろなドキュメンタリーを製作していますが『Countdown: Inspiration4~』は、現在進行している出来事をほぼリアルタイムで追いかける格好になることから、制作側にはチャレンジングな番組になりそうです。

9月6日配信の2エピソードでは、船長の役を担うパイロットでオンライン決済企業Shift4 PaymentsのCEOでもあるジャレッド・アイザックソン氏をはじめとするクルー達の訓練の様子を追ったものとなる一方、最終回は長編エピソードとなり、離陸から帰還までを宇宙船Crew Dragon内の映像も盛り込んで振り返る構成になるとのこと。Inspiration4ミッションの打ち上げ予定日は9月15日ですが、様々な理由で打ち上げが延期になる可能性があります。そのため、フライトの様子を含む最終エピソードの配信日もNetflixは9月下旬とだけ記しています。

なお、このドキュメンタリーは監督のJason Hehir氏をはじめESPNで『The Last Dance Michael Jordan』を制作したチームが携わっています。またNetflixはInspiration4のクルーをフィーチャーした子ども向け単発番組『A StoryBots Space Adventure』も制作します。この番組では子ども達からの質問にクルーが答え、宇宙飛行とはなんぞやといったところを子ども達に指南するとのこと。配信日は打ち上げ予定日の前日、9月14日。

(Source:Hollywood ReporterEngadget日本版より転載)

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Netflix / ネットフリックス(企業・サービス)民間宇宙飛行(用語)

SpaceXが88機の衛星を軌道に乗せ、2021年初めて1段目の地上着陸に成功

SpaceX(スペースエックス)は、米国時間6月30日外部顧客向けの衛星85基とStarlink(スターリンク)衛星3基を軌道に打ち上げ、同社のライドシェアミッション(相乗りミッション)で2回目の成功を収めた。このTransporter-2(トランスポーター2)ミッションは、1回目のライドシェアミッションよりも宇宙に送り出す物体の数は少なかったものの(Transporter-1では143個の衛星を打ち上げ、新記録を達成した)、全部を合わせた質量はより大きなものになった。

このTransporterの打ち上げは、同社のライドシェアビジネスモデルの一環である。2019年に発表されたこれらのミッションは、ロケットのペイロード容量を複数の顧客に分配することで、それぞれの顧客のコストを低減させる。多くの顧客は、こうした手段を使うことなしには、軌道に乗せるための費用を支払うことが不可能な中小企業だ。それでも今回SpaceXは、ロケットを満載にし、運用をまかなうための収入を手にすることができた。

今回のFalcon 9(ファルコン9)ロケットは、米国東部時間6月30日午後3時31分(日本時間7月1日午前5時31分)頃、フロリダ州のケープ・カナベラルから離陸した。これは2021年における、20回目のFalcon 9の打ち上げで、ロケットの1段目を海上の無人船ではなく陸上に戻すことを狙った2021年最初の打ち上げだった。1段目のブースターは米国東部時間6月30日午後3時34分(日本時間7月1日午前5時34分)頃に分離してケープカナベラルに戻り、発射から約8分後には着地に成功した。今回は同ブースターにとって8回目の飛行となる。

画像クレジット:SpaceX

このミッションには10社近くの顧客が参加しており、その中には14社の顧客に代わって36機の小型衛星を打ち上げるSpaceflight(スペースフライト)のような顧客のペイロードを編成する打上げサービス事業者や、同社のSherpa-LTEという名の電気推進機なども含まれている。また、宇宙情報企業Umbra(アンブラ)の初の打ち上げ衛星や、Loft Orbital(ロフト・オービタル)の「ライドシェア」衛星であるYAM-2とYAM-3も搭載されている(それぞれの衛星には、別々の顧客のための5つの独立したセンサーが搭載されている)。

今回の打ち上げはSpaceXにとって2021年20回目にあたるものだったので(これまでの総ミッション数としては127回目)、2021年の打ち上げ回数は2020年の記録である26回をはるかに上回ると考えても良いだろう。

今回のTransporter-2の打ち上げは、当初米国時間6月29日に予定されていたものが延期された2回目の試行だった。1回目の打ち上げは、プロペラ機がフライトゾーンに侵入してきたために、発射11秒前に中止された。このことを受けて、SpaceX CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏は、規制システムが壊れていると発言した。

残念ながら、無闇に巨大な「立入禁止ゾーン」に他の航空機が侵入してしまったため、本日の打ち上げは中止となりました。

大規模な規制改革なしに、人類が宇宙飛行文明を手に入れることはできません。現在の規制システムは壊れています。

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画像クレジット:SpaceX

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(文: Aria Alamalhodaei、翻訳:sako)

「Starlink衛星通信端末は製造コストの半値以下で提供」とマスクCEO、黒字化までもうしばらく時間がかかりそう

Starlink(スターリンク)が黒字化するまでには、もうしばらく時間がかかりそうだ。この衛星ネットワークを利用して世界中に高速ブロードバンドを提供するというSpaceX(スペースX)のプロジェクトは、顧客にベータ版キットを約500ドル(約5万5300円)で販売しているが、実際にはそれ以上の製造コストがかかっていると、Elon Musk(イーロン・マスク)CEOは米国時間6月29日のインタビューで語った。

このベータ版キットには、顧客が衛星に接続してブロードバンドアクセスを可能にするユーザー端末(アンテナのようなもの)が含まれている。「率直に言って、現時点ではその端末で損しています」と、マスク氏は語った。「この端末のコストは1000ドル(約11万500円)以上するので、当然ながら私がその費用を補助しています」。SpaceXではそれと同じ機能を持ちながら、より低コストで製造できる次世代端末の開発に取り組んでいると、マスク氏は続けた。

このプロジェクトに対するSpaceXの全体的な投資額は、当初は50億〜100億ドル(約5530億〜1兆1055億円)の間になると見られていたが、長期的には300億ドル(約3兆3164億円)に達する可能性があるとのこと。それは同社が今後も改良を続け、携帯電話通信網の技術に対して競争力を維持していくためだと、マスク氏は語った。

バルセロナで現地時間6月29日に開催されたMobile World Congress(モバイルワールドコングレス)のバーチャル基調講演で、このように語ったマスク氏は、Starlinkの現在の状況について他にも詳細を述べている。このプロジェクトは今後12カ月以内に50万人以上のユーザーを獲得できる見込みで、約12カ国で運用されており、それは「毎月増えている」とのこと。

SpaceXは衛星バージョン1.5の打ち上げも間近に控えているが、これはレーザーによる衛星間リンクを備え、高緯度や極地での継続的な接続を可能にする。来年にはバージョン2の打ち上げが予定されており「性能は格段に向上する」とマスク氏は強調した。

望遠鏡で観測すると光の筋に見えるStarlink衛星(画像クレジット:SpaceX)

このプロジェクトでは、2つの大手通信会社との提携に取り組んでいるというものの、マスク氏はその社名を明かさなかった。

Starlinkは、SpaceXが成し遂げた再利用可能なロケットの飛躍的向上抜きには考えられないプロジェクトだ。「しかし、まだ私たちは、Starship(スターシップ)の開発によって、これを次の段階へと進化させる必要があります」と、マスク氏はいう。この新型ロケットは、迅速に再利用できることを目指している。つまり現在の航空機のように、一度の飛行を終えたら地上でそれほど時間を要せず、すぐに再発射が可能になるということだ。

Starshipは、月面に基地を建設したり火星に都市を建設するというマスク氏のビジョンの鍵となるものだ。SpaceXでは今後数カ月以内に、Starshipによる初の軌道への打ち上げを試みたいと考えていると、マスク氏は語った。SpaceXは、Starshipの打ち上げシステムと地上との間で「高データレートの通信を実証する」ために、Starlink端末を新しい宇宙船に搭載して飛行させる承認申請を、連邦通信委員会(FCC)に提出した。

関連記事:SpaceXがStarship軌道試験でStarlinkインターネットを使った接続品質の実証を行う予定

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タグ:イーロン・マスクMWCMWC 2021StarlinkStarshipSpaceX

画像クレジット:Mobile World Congress

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

SpaceXがStarship軌道試験でStarlinkインターネットを使った接続品質の実証を行う予定

SpaceX(スペースエックス)が予定しているStarship(スターシップ)軌道試験飛行は、同社の技術力を示す正真正銘の見本市になるだろう。なにしろ今回SpaceXは、連邦通信委員会(FCC)に対して、Starlik(スターリンク)端末を宇宙船に搭載し、宇宙へ往復する間に地上との「高速通信の実証」を行うための承認を申請したのだ。

SpaceXの計画は、再突入時に大気中の「イオン化したプラズマ」の存在によって通常は通信信号が失われる部分であっても、地球低軌道衛星Starlinkのネットワークが「これまでにない量のテレメトリーを提供し、大気圏再突入時の通信を可能にする」ことを示すことだ(Michael Baylor[マイケル・ベイラー]氏のツイートより)。もしこれが成功すれば、SpaceXの試験飛行中に、これまで以上に優れたライブデータを提供することが可能になり、StarshipやSuper Heavy(スーパーヘビー)ローンチシステムの開発に役立つはずだ。そして、よりよい画質でさらに壮観な光景を、ライブで私たちに見せてくれることだろう。

打ち上げ時のテレメトリーやその他の通信手段にStarlinkを利用することは、もし説明通りに機能するならばSpaceXにとっては間違いなく機能向上となるが、Starlinkの能力をアピールするという意味では、それ以上に役立つものとなる。FCCに提出した資料によると、宇宙船に搭載される端末は、基本的には既存の民生用端末に新しい外装を施したものだ、すなわちこれがうまく機能すれば、より多くの民生用ブロードバンド顧客の注目を集めることができるだろう。

さらにSpaceXは、Starlinkの機能を、旧式でより遠い距離にある静止衛星ネットワークに代わって、飛行機や船、その他の輸送手段に対する接続を可能にするシステムだと饒舌に語っている。ロケット打ち上げ時にもしっかりとした性能を発揮することを示すことで、その分野でのパートナーを増やすことになるだろう。

申請によれば、Starship上のStarlink運用の免許は米国時間8月1日から始まるとされている。これは、SpaceXのGwynne Shotwell (グウィン・ショットウェル)社長が「7月中に打ち上げたい」と発言したものの次の打ち上げを意味しているか、あるいは、その打ち上げそのものがすでに翌月にずれ込んでいる可能性があることを示唆している。

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(文: Darrell Etherington、翻訳:sako)

SpaceXが開発中の新型宇宙船「Starship」初軌道投入試験の7月実施を目指す

SpaceX(スペースX)は、開発中の宇宙船「Starship(スターシップ)」を7月に初めて軌道に乗せることを目指していると、同社社長のGwynne Shotwell(グウィン・ショットウェル)氏が語った。同氏は国際宇宙開発会議のバーチャルスピーチで、このタイムラインを明らかにした。

Starshipは数年前から開発が進められており、2020年から何度か短いテスト飛行を行っているものの、いまだ地球の大気圏内に留まっている。5月に行われた最近の飛行では、初めて完全着陸に成功した。これは、SpaceX初の完全に再利用可能なロケットシステムとなることを目指しているStarshipの開発にとって、必須の要素だ。

Starship初の軌道飛行を7月に行うというのは、野心的なスケジュールと言えるだろう。SpaceXは、テキサス州南部のブラウンズビル近郊にある同社の開発拠点(通称「スターベース」)から離陸し、最終的にはハワイ沖の太平洋上に着水して地球に帰還するというこの飛行計画のコースを、5月に提出したばかりだからだ。

初の軌道飛行では、5月の試験飛行のように、制御された着陸を行って終了というわけではない。目標は軌道に到達することであり、その過程を通して宇宙船のコンポーネントをテストすることにある。その後のテストには、Starship宇宙船で制御された着陸を行うことも含まれており、最終的には軌道への推進を助ける「Super Heavy(スーパーヘビー)」ブースターを含むシステム全体を、完全に再使用可能にすることを目標としている。

ショットウェル氏は、SpaceXがStarshipの軌道試験飛行を開始するために必要な技術的な準備をほぼ整えていると、高い自信を示しているようだが、SpaceXが現在取得しているライセンスは、準軌道飛行のみを対象としているため、軌道試験飛行を行うためには、連邦航空局(FAA)から新たにライセンスの承認を得なければならない。FAAは現在、周辺地域への環境影響評価を含め、ライセンス取得のための要件を検討しているところだ。

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

商業赤外線衛星で政府機関より細かい地表温度データを収集・分析するHydrosat、地球の危機に関するデータ提供を目指す

地表温度データをモニタリングするだけで、その地表エリアに関する多くの情報を学ぶことができる。Hydrosatの共同創業者兼CEOであるPieter Fossel(ピーテル・フォッセル)氏は、TechCrunchにこう説明してくれた。「例えば、作物畑にストレスがかかっている場合、植物自体のストレスの徴候より前に、地面の温度が上昇しているはずです」。今回、新たに500万ドル(約5億5000万円)のシード資金を獲得したことで、同氏はHydrosat初の地表面温度アナリティクス製品を顧客に提供したいと考えている。

今回のシードラウンドは、Cultivation Capitalが新たに立ち上げたGeospatial Technologies Fundが主導し、Freeflow Ventures、Yield Lab、Expon Capital、Techstars、Industrious Ventures、Synovia Capital、そしてミシガン大学が参加した。

2017年末に設立されたこの地理空間データ分析スタートアップは、熱赤外センサーを搭載した衛星を使って地表温度データを収集する予定だ。地表温度は農業データ以外にも、山火事のリスクや水ストレス、干ばつなどの情報を提供できる。フォッセル氏のように、気候変動がすでに地球に力を及ぼし始めていると考えるなら、これらはすべて重要な変数だ。

地上温度のデータはNASAや欧州宇宙機関(ESA)などのレガシー機関で収集されているが、あまり高い頻度では収集されておらず、時には特定の場所の地表温度が16日に1回程度しか読み取られないこともあり、高い解像度でもない。Hydrosatは、このような既存のデータギャップを埋めたいと考えている。同社はマルチスペクトル赤外線カメラを使って他の帯域のデータも収集しているが、主なバリュープロポジションはサーマルデータだ。

最初の衛星は、2022年後半にSpaceX(スペースX)のFalcon 9(ファルコン9)ロケットでLoft Orbitalと組み地球低軌道に向かう予定だ。このミッションは、約1年前に心臓発作で他界したHydrosatの前CEOであるJakob van Zyl(ヤコブ・ファン・ジル)氏にちなんで名付けられた。衛星打ち上げというと華やかさが増すようだが、フォッセル氏は同社が「コンテンツ企業であり、データ企業であることが第一」と強調している。

「当社はまた、地表面温度製品の上に、作物の収穫量予測、干ばつ検知、灌漑管理などを目的としたアプリケーションを開発しています。なぜなら、これらはすべて基本的に水ストレスが原因であり、ここで挙げたアプリケーションはすべて、基本的に当社のコア製品である地表面温度データによって実現されるからです」と同氏は語った。

Hydrosatの最初の顧客は、ESAとの契約や、米国空軍および国防総省との3つのSBIR(中小企業技術革新研究プログラム)契約など政府機関だった。しかし今回の資金調達により、同社は製品を商業顧客に提供することが可能になる。商業顧客には、農業関連企業や保険会社、さらには地表データの収集に加えて分析を行いたいと検討している企業などが考えられる。

「(Hydrosatは)おそらく、我々が注力している農業分野からスタートしますが、業界を超えて広がっていく可能性があります。というのも、気温は、環境、水、ストレス、食糧など、当社が対象としている分野以外でもさまざまな活動のシグナルだからです」とフォッセル氏は説明する。「気温は経済活動のシグナルでもあります。防衛やセキュリティの観点からも、温度には多くの優れた使用例があります」とも。

将来的には、Hydrosat社はグローバルなモニタリングを可能にするために、16機の衛星を打ち上げる予定だ。しかし、これはあくまでも中期的な計画だとフォッセル氏はいう。長期的な計画としては、さらに衛星を打ち上げたり、データを充実させるためにバンドを追加したり、分析レイヤーを構築することが考えられる。「その先にあるのは、干ばつ、食糧安全保障、水ストレス、山火事、防衛・安全保障などへの応用を可能にする基盤データを提供することです」と同氏は付け加えた。

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Aya Nakazato)

スペースXがDragon貨物輸送宇宙船を打ち上げ、新型太陽発電パネルやクマムシを宇宙ステーションへ

SpaceX(スペースX)のDragon(ドラゴン)カプセルが、再び国際宇宙ステーション(ISS)に向かっている。

同社は米国時間6月3日に、NASAから委託された22回目となる商用補給サービス(CRS)ミッションを打ち上げた。これはSpaceXが過去12カ月間にISSへ送ったカプセルとしては5回目になると、同社のDragonミッション管理担当ディレクターを務めるSarah Walker(サラ・ウォーカー)氏は、メディア向け会見で述べた。また、(再利用ではなく)新しいFalcon 9(ファルコン9)ロケットブースターを使った2021年最初の打ち上げでもある。

ロケットは米国東部時間午後1時29分にフロリダ州のケープ・カナベラルを、南と東から嵐の雲が迫っていたものの、予定どおりに離陸。第1段機体は計画どおりに分離し、打ち上げから8分後に大西洋に浮かぶ「Of Course I Still Love You(もちろん、今でも君を愛している)」と名づけられた無人船にタッチダウンした。カプセルを軌道に投入させる第2段は、打ち上げから12分後に分離、こちらも予定どおりだった。

今回のFalcon 9ロケットよる補給ミッションでは、新型太陽発電パネルを含む3.3トン以上の研究材料、物資、ハードウェアをISSのクルーに送り届ける。これは、SpaceXがNASAと結んだ新たな商業軌道輸送サービス(CRS)契約に基づく2回目のミッションで、1回目は2020年12月に行われた

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Dragonカプセルには、Colgate(コルゲート)の歯磨き粉を使って細菌の繁殖を調べる口腔内細菌、宇宙環境での生息と繁殖を試みる原始的な生物であるクマムシ(愛称、ウォーターベア)、宇宙飛行中に多くのクルーが罹患する腎臓結石の形成に対する微小重力の影響を調べる調査など、ISSで実施される多くの研究実験材料が積まれている。

また、りんご、ネーブルオレンジ、レモン、アボカドなどの生鮮食料品も運んでいる。

3328kgの積荷のうち、1380kgは宇宙インフラ企業のRedwire(レッドワイヤー)が開発した新しいロールアウト式の「flexible blanket(フレックスブランケット)」太陽電池パネルが占めている。「従来のリジッドパネル式太陽電池パネルと比べ、フレックスブランケット技術は質量や性能の面において利点があります」と、Redwireの技術ディレクターを務めるMatt LaPointe(マット・ラポイント)氏は、TechCrunchに語った。

この太陽電池パネルは、Dragonの非加圧トランクに収納されている。iROSA(ISS Rool-Out Solar Arrays、国際宇宙ステーション・ロールアウト式太陽発電パネル)をISSに送るミッションは3回予定されており、今回はその1回目だ。ラポイント氏によれば、各ミッションでは2セットずつ運ばれることになっているという。全部で6セットのiROSAが設置されれば、合計120KWを超える電力を生み出すことができる。2021年3月に特別目的買収会社との合併による上場を発表したRedwireは、新しいiROSAによって、ISSの発電量は20~30%向上すると述べている。

Dragonカプセルは6月5日の午前5時頃に宇宙ステーションに到着し、ISSのHarmony(ハーモニー)モジュールのポートに自律的にドッキングする予定だ。その後、1カ月以上を宇宙ステーションで過ごし、調査・帰還用の貨物を積んで地球に帰還、大西洋に着水することになっている。

関連記事:買収意欲旺盛な宇宙インフラ企業RedwireがSPAC経由で株式公開へ

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

スペースXが民間宇宙飛行士を国際宇宙ステーションに運ぶミッションを2023年までに4回予定

SpaceX(スペースX)は、2020年1月に実施するとすでに発表済みのミッションに続いて、さらなる民間宇宙飛行士を国際宇宙ステーション(ISS)へ送り込むための乗り物を提供することを発表した。計画されている4度のフライトは、すべて民間の商業宇宙飛行および宇宙ステーション企業であるAxiom Space(アクシアム・スペース)のためのもので、2022年はじめから2023年までの間に行われる予定だ。

SpaceXの宇宙船「Crew Dragon(クルー・ドラゴン)」と「Falcon 9(ファルコン・ナイン)」は、ISSへの人間の輸送を認可された最初の民間打ち上げシステムであり、すでに3組のNASA宇宙飛行士を軌道上の実験室に送り出している。そのうち1組目は最終的な認証取得試験のデモ飛行で、2組はISSに滞在し作業を行うための運用飛行だった。AxiomとNASAは5月に、初の民間人のみによるISSへの飛行となるAX-1ミッションの詳細を明らかにした。このミッションでは、4人の民間宇宙飛行士をCrew Dragonに乗せてISSに送り届ける。4人は合計8日間、宇宙に滞在しながら作業を行い、地球に帰還する予定だ。

NASAとSpaceXは、ステーションに向かうAxiomの4人のクルー全員にトレーニングを提供することになっている。SpaceXもAxiomも他の3つのミッションの内容や時期については、今のところ詳細を明らかにしていない。だが、2年間に4回のミッションを行うということは、これでNASAが2022年と2023年に年2回ずつ割り当てている民間宇宙飛行士ミッションがすべて埋まることになる。

民間宇宙飛行士によるISSへの飛行は、すでに2021年内に1度予定されている。日本の大富豪である前澤友作氏は、12月初旬にロシアのSoyuz(ソユーズ)ロケットでISSに向かうフライトを予約した。この宇宙旅行を手配したSpace Adventures(スペース・アドベンチャーズ)は、2000年代に何人もの大金持ちの民間人を宇宙へ送り出してきた。

一方でAxiomは、軌道上宇宙ステーションでの商業活動について、ニッチではなくより継続的に行う未来を思い描いている。同社は既存のISSに追加する商用モジュールの開発に取り組んでおり、将来的にはISSの後継となる完全に民間運用の宇宙ステーションの建設も視野に入れている。2年間に複数のクルーを乗せた4回の旅行の予約があるということは、物好きな富豪による気まぐれ以上の需要が、商用宇宙旅行にあることを示すのに大いに役立つだろう。

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

スペースXが初の海上スペースポートを建設中、2022年にStarship打ち上げを予定

SpaceX(スペースX)は、同社初の浮体式スペースポート(宇宙港)プラットフォームの建設をすでに進めており、早ければ2022年に打ち上げを開始する予定だという。SpaceXのElon Musk(イーロン・マスク)CEOは、同社が開発中の再使用型ロケット「Starship(スターシップ)」の浮体式発射・着陸施設に改造するために2021年初めに購入した、石油掘削リグ2基のうちの1つである「Deimos(ダイモス)」の進捗状況についてその詳細を共有した。

SpaceXが2021年1月に購入した2基の掘削リグは、火星の月にちなんで名付けられた2つの浮体式スペースポート「Deimos(ダイモス)」と「Phobos(フォボス)」を建設するためのものだった。これらの港は、Starshipの打ち上げ活動のための海上拠点として機能する。最終的な計画では、Starshipが地球と赤い惑星との間で人と物の両方の輸送を行うことになっているため、このネーミングは適切といえるだろう。

マスク氏とSpaceXはこれまでに、Deimosのようなスペースポートが世界中の主要ハブからアクセスしやすい場所に配置され、北京からニューヨークまで30分程度で移動できるStarshipを使った極超音速ポイントツーポイント飛行の世界的ネットワークを実現するというビジョンを語ってきた。しかしSpaceXはその前にまず、まだ開発中のStarshipとそれに付随するブースター「Super Heavy(スーパーヘビー)」の軌道上での飛行テストを行うことを目指している。

マスク氏は2021年初め、早ければ2021年末には海上プラットフォームからロケットを飛ばし始めることができると語っていた。今回の新しいスケジュールは、当初のバラ色の予想が裏切られたことを示しているが、これは複数企業のCEOである同氏に関しては珍しいことではない。しかし、テキサス州の開発拠点である「Starbase(スターベース)」での高高度の打ち上げ・着陸テストに成功するなど、同社のStarship計画は最近、順調に進んでいる。

SpaceXは現在、StarshipをSuper Heavyの上に載せて初めて飛行させる軌道飛行テストと、試験後にStarshipがハワイ沖で着水した後に回収する準備を進めている。また、次の大きなマイルストーンに向けて、燃焼時間がより長いRaptor(ラプター)エンジンの地上試験を行っている。

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タグ:SpaceXイーロン・マスク火星Super HeavyStarship

画像クレジット:SpaceX

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Aya Nakazato)

Firefly Aerospaceの月着陸船は2023年にSpaceX Falcon 9で月に飛ぶ

Firefly Aerospaceは、ロケットを開発しているだけでなく、並行して、同社の初めての月着陸船Blue Ghostを作っている。Blue Ghostは2023年に、別の打ち上げ企業SpaceXのロケットに乗って旅をする、と今日(米国時間5/20)同社が発表した。

Firefly Aerospaceも自社の打ち上げ機を開発中だが、最初の軌道飛行を目指しているAlphaロケットは、大きなペイロードを月に運べるロケットではない。一方SpaceXは、まだFalcon 9を月へのミッションで送り出したことはないが、そのほかのミッションでは何度も成功している。その仕様では月への配達も可能であり、商用月着陸船のそのほかの開発企業も、多くが打ち上げ機として同機を選んでいる。

関連記事: NASA issues new call for lunar payload deliveries from its commercial moon lander partners(未訳)

FireflyのBlue Ghostは、わずか2年後に旅立ち、NASAの月への商用ペイロードサービスであるCommercial Lunar Payload Services(CLPS)のために10個のペイロードを運ぶ。NASAはその事業を利用して、月面に実験装置を運ぶミッションを民間企業に与える。その一部は、人間による月探検と究極的には長期居住を目的とするArtemisミッションの準備でもある。

SpaceXが選ばれた理由の一部は、Falcon 9の性能仕様ではBlue Ghostが自分の燃料を多く節約でき、着陸船が約150kgの積荷を運べるからだ。他の多くのCLPSプロバイダーと同じくFireflyも、他の民間企業からNASAの実験装置と並ぶペイロードを奪い、節約で生じたスペース(積載量)を売上増に結びつけたいからだ。

CLPSの下(もと)での最初の着陸船の打ち上げは、今年の第四四半期を予定している。現在は計6社が選ばれているが、それらの打ち上げの予定は2023年内だ。

関連記事: As launch market matures, space opportunities on the ground take off(未訳、有料記事)

(文:Darrell Etherington、翻訳:Hiroshi Iwatani)
画像クレジット: Firefly Aerospace

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スペースXがStarlink衛星60基を追加打ち上げ、予約注文は50万件以上

SpaceX(スペースX)は、ブロードバンドインターネット衛星のStarlink(スターリンク)60基を追加で打ち上げた。その日はまさしく「Star Wars Day(スター・ウォーズ・デー)」であり、同社最後の打ち上げからわずか5日後だった。これで同社は2021年3月始め以来420基のStarlink衛星を打ち上げた。おそらくこの数字にSpaceXのCEOは気づいていない、なぜなら知っていればツイートしていたに違いないから。

打ち上げはフロリダ州ケープ・カナベラルで東海岸時刻午後3時01分(日本時間5月5日午前4時1分)に行われ、再利用されたそのFalcon 9ブースターロケットは過去8回飛行している。今回もブースターは大西洋に浮かぶドローン・シップに軟着陸し、SpaceXの再利用飛行プログラムのブースター回収で2021年3月に打ち立てられたばかりの記録に並んだ。これは同社にとって115回目のFalcon 9打ち上げだ。

SpaceXは、ブロードバンドサービスのために衛星群との信号送受信に使用されるStarlink消費者向けハードウェアに関する最新データも公開した。同社はこのサービスの事前予約を「50万件以上」受けつけた。予約にはハードウェアの前払金が必要だ。

この強い需要は、Starlinkの受注残がなぜあんなに多いのか説明している。同サービスを利用したい顧客は、SpaceXのStarlinkウェブサイトに登録し、Starlink受信機、ルーター、電源、自宅に設置するためのマウントが含まれているキットを予約注文する。

現在同サービスは、オーストラリア、ニュージーランド、英国、メキシコ、米国、およびカナダ6カ国のベータ版ユーザーに提供されているが、目標は提供範囲を拡大し、2021年末までにほぼ全世界でサービスを利用できるようにすることで、2021年いっぱい何回かの追加打ち上げが予定されている。

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タグ:SpaceXStarlink

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Nob Takahashi / facebook

米国連邦航空局がスペースXのStarshipのテストを3回分承認、早ければ今週打ち上げ

SpaceX(スペースX)はStarship宇宙船のテストと開発プログラムのペースを順調に維持しているが、米国時間4月29日午後、米国連邦航空局(FAA)よりテキサス州ボカチカの発射場から3回のテスト飛行を行う許可を得た。これまでの打ち上げテストの承認は単発的なものだったが、FAAは声明の中で「スペースXはロケットにほとんど変更を加えておらず、FAAが承認した一般の人々のリスクを計算する方法論にもとづいている」ため、一括して承認すると述べている。

スペースXは早ければ今週にも試験用StarshipのSN15を打ち上げる予定だが、その際にはFAAの検査官がボカチカの施設に立ち会うことが条件となる。FAAは米国時間4月29日到着予定の検査官を派遣したと述べており、今後数日のうちに打ち上げを試みる可能性が開けるかもしれない。

スペースXがボカチカから最後に試験飛行を試みたのは、2021年3月末に行われたSN11の打ち上げだった。約3万フィート(約9キロメートル)の高度までの最初の上昇とフリップマヌーバに成功した後、動力着陸を制御するラプターエンジンの1つにエラーが発生して爆発するという最悪の結末を迎えた。

FAAは次の3回のテストの認可に関する声明の中で、SN11で起きたこととその不幸な結末についての調査はまだ進行中であると指摘したが、それでもFAAは問題に関連する公共の安全上の懸念が緩和されたと判断したと付け加えた。

3回の打ち上げ許可にはSN15に加えてSN16、SN17の飛行が含まれているが、FAAはSN15の打ち上げで新たな「災難」が発生した場合には、次の2回の飛行では実際に離陸する前に追加の「修正措置」が必要になる可能性があると指摘している。

スペースXのElon Musk(イーロン・マスク)CEOは、Starshipの開発で同社が追求している反復とテストの迅速なペースに対して、FAAが十分な柔軟性と対応力を持っていないと批判していた。一方で米連邦議会の議員らは、FAAがStarshipの初期のテスト事故を独自に調査するにあたって、必要なほど徹底していなかった可能性があると示唆している。しかし、最終的に公共の安全に対する影響がないことは、これまでの同計画が成功していることを示していると政府は主張している。

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(文:Darrell Etherington、翻訳:塚本直樹 / Twitter

スペースXがStarlink衛星60機を追加打ち上げ実施、累計1500機以上が宇宙に

SpaceX(スペースX)はStarlink衛星を新たに打ち上げ、軌道上のコンステレーションに60機を追加した。これは24回目のStarlinkの打ち上げで、同社は現在1500機以上のStarlink衛星を打ち上げており、そのうち約1438機がまだ運用中である。今回は米国時間4月7日以来のStarlinkの打ち上げだったが、驚くべきことにこれは久々の打ち上げとなる。

スペースXは低軌道上のブロードバンドインターネットネットワークの可能性、品質、カバレッジの拡大を目指しており、2021年の打ち上げカレンダーはStarlinkの打ち上げが中心となっている。同社は2021年に入りStarlinkの提供を開始したが、現在はネットワークの容量や地域的な能力よりも、消費者向けの受信端末の供給がほぼ制限されているようだ。

Starlinkの打ち上げが数週間空いたことに関しては、スペースがその間に停滞していたわけではない。先週には国際宇宙ステーション(ISS)に向かう第2陣の宇宙飛行士を打ち上げた。さらに、2021面5月にも2、3回のStarlinkの追加打ち上げが予定されている。

今回の打ち上げは、米国時間4月29日水曜日の東部時間午後11時44分(日本時間4月30日午前1時44分)にフロリダ州のケープカナベラルから実施され、Starlinkの4回の打ち上げを含む過去6回のミッションで使用された、飛行実績のあるFalcon 9の第1段ブースターが使用された。

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タグ:SpaceXStarlink

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(文:Darrell Etherington、翻訳:塚本直樹 / Twitter

スペースXが再利用Dragon宇宙船で初めてISSにドッキング、宇宙飛行士11人揃う

スペースXが再利用Dragon宇宙船で初めてISSにドッキング、宇宙飛行士11人揃う

NASA

4月24日、日本人飛行士の星出彰彦氏ほから4人を乗せたSpaceX Crew Dragonが、再利用された宇宙船として初めての国際宇宙ステーション(ISS)へのドッキングに成功しました。このCrew-2ミッションは、再利用されたFalcon 9ロケットによる初の有人ミッションでもあります。

また、ISSで星出飛行士を迎えた野口聡一らが乗り込んで打ち上げられたときにCrew Dragonに登場したのはNASAと宇宙航空研究開発機構(JAXA)の飛行士でしたが,今回はそれに欧州宇宙機関(ESA)の飛行士も加えた3機関の飛行士が同時にCrew Dragonに搭乗した初のミッションであり、初物づくしのミッションになっています。

なお日米欧の宇宙機関の飛行士が同時にSpaceXの宇宙船でミッションを行うのもこれが初めて。NASAにとっても20年ぶりのことです。さらに言えば、日本の飛行士が2名同時にISSに滞在するのは、2010年の野口飛行士と山崎直子飛行士以来の出来事です。

今回のドッキングでISSに搭乗した4人を加えて、現在ISSには11人の飛行士が滞在していることになります。これもまた、スペースシャトルが現役だったころ以来の人口密度。ただし、Crew-1ミッションでこれまでISSに滞在していた野口飛行士ら4人は、約6か月の滞在を終えて28日に地球へ帰還の途に就く予定。ISSは星出飛行士が船長に就任します。

スペースXが再利用Dragon宇宙船で初めてISSにドッキング、宇宙飛行士11人揃う

NASA TV

再利用宇宙船によるISSへの人員輸送成功は、民間企業による宇宙飛行がさらに一般的になってきたことを示すものです。SpaceXは、2022年1月には民間だけでの宇宙飛行ミッションAX-1を計画しており、さらISSへの人員輸送も、すでに2023年までの予定が組まれているとのことです。

ちなみに、JAXAのリリースによると星出飛行士のISS滞在中の任務としては「次世代水再生システム構築に向けた技術実証、筋萎縮予防に貢献可能なバイオ素材の有効性検証や細胞内の重力感知メカニズムに関する宇宙実験、船内ドローンロボットを使ったプログラミング競技会」などが予定されています。

(Source:NASAJAXASpaceXEngadget日本版より転載)

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タグ:Crew Dragon(製品・サービス)JAXA(組織)SpaceX / スペースX(企業)NASA(組織)Falcon 9(製品・サービス)

スペースXが再利用Dragon宇宙船での宇宙飛行士の打ち上げに初成功

SpaceX(スペースX)は米国時間4月23日の金曜日朝、Crew Dragon宇宙船の打ち上げと軌道投入を予定通り実施し、またしても有人宇宙飛行を成功させた。Crew DragonはFalcon 9ロケットに搭載され、米フロリダ州ケープカナベラルから東部時間4月23日午前5時49分(日本時間4月23日午後18時49分)に離陸した。搭乗したのはNASAのMegan McArthur(メーガン・マッカーサー)飛行士、Shane Kimbrough(シェーン・キンブロー)飛行士をはじめ、JAXAの星出彰彦、ESAのThomas Pesquet(トーマス・ペスケ)氏ら4名の宇宙飛行士である。

これはスペースXにとって、2020年のCrew-1に続く2回目のNASA向けの正式な宇宙飛行士輸送ミッションだ。Crew-1とは異なりCrew-2では、Crew-1の打ち上げ時に使用された第1段ブースターや、ペースXが初めて有人宇宙飛行を行った際に使用されたCrew Dragonカプセルなど、宇宙船システムのうちの2つの再使用部品が使用された。Crew DragonカプセルはNASA向けの宇宙船認証プログラムの最終デモンストレーションミッションで、Bob Behnken(ボブ・ベンケン飛行士、このミッションのパイロットであるマッカーサー飛行士はベンケン飛行士の妻)とDoug Hurley(ダグ・ハーリー)飛行士をISSに送り込んだ。同社は再使用部品を使用することは新品部品を使用するよりも間違いなく安全であると指摘しており、Elon Musk(イーロン・マスク)CEOは4月22日の夜に行われたXPRIZEのPeter Diamandis(ピーター・ディアマンディス)氏との会話の中で「工場から出てきた宇宙船の初飛行」には参加したくないと述べている。

Crew Dragonは目標とする軌道に到達し、これから24時間弱かけて国際宇宙ステーション(ISS)とのランデブーを実施する。そして翌日の早朝には、スペースXのもう1機のCrew Dragonが2021年4月初めにISSの別のポートに移動した際に空けられたばかりのドッキングポートに取り付けられる予定だ。

今回の打ち上げにはブースターの回収も含まれており、スペースXのドローン着陸パッドを使って海上に着陸した。このブースターはすでに2組の宇宙飛行士を搭乗させており、改修後にさらに別の宇宙飛行士を乗せることができる。

スペースXとNASAとのCommercial Crewプログラムは、NASAが研究や宇宙開発ミッションのためにより多くの民間企業と提携する動きの中でも、重要な成功例であり続けている。アポロ計画以来初めて月に人間を帰還させるアルテミス計画の有人着陸システムの開発に、NASAはスペースXを起用した。同社の有人宇宙飛行計画にとって次の大きなマイルストーンは、現在秋に予定されている民間人のみで構成されたミッションの初飛行だ。

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タグ:SpaceXCrew DragonFalcon 9ロケットNASAJAXA

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(文:Darrell Etherington、翻訳:塚本直樹 / Twitter

SpaceXがFalcon 9による第2クルー打ち上げをライブ中継

SpaceX(スペースX)は、国際宇宙ステーションへの2回目の商用有人飛行を、太平洋夏時間4月23日午前2:49(日本時間4月23日午後18時49分)に発射する予定だ。このフライトではNASAから2名、JAXA(宇宙航空研究開発機構)から1名、ESA(欧州宇宙機関)から1名の計4名の宇宙飛行士がISSに向かい、科学実験の実施や軌道プラットフォームの維持・改良などの定期的なミッションを行う。

2020年に、Dragon宇宙船とFalcon 9ロケットの有人飛行を正式に認めたSpaceXにとって、今回のミッションは2回目の商用有人飛行となる。NASAは同年11月、SpaceXの有人飛行認定を受けた打ち上げシステムを使用して4人の宇宙飛行士を打ち上げ、2011年にスペースシャトルが退役して以来、米国の宇宙船として、そして民間企業として初めてISSに人を送り届けた。スペースシャトル退役後、NASAはロシアのソユーズロケットを利用していた。

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宇宙ステーションには、2020年に打ち上げられたCrew-1に搭載されたSpaceXのCrew Dragonがすでにあり、Crew-2に搭載されるCrew Dragonの到着に備えて、2021年4月初めにステーションの別ポートに移動されている。Crew-1 Dragonは、2021年4月28日に今回のフライトでクルーが交代した後、その宇宙飛行士を乗せて地球に帰還する予定だ。

今回の打ち上げで注目すべき変化の1つは、飛行実証済みのFalcon 9ロケットブースターの使用だ。SpaceXはこれまで、有人飛行の際には工場から出荷されたばかりの新しいブースターを使用してきたが、貨物飛行でのブースター再利用に関して申し分のない実績がある。これはCrew Dragon初の再利用でもある。この打ち上げシステムのどちらのコンポーネントも以前は人間の打ち上げをサポートしており、第1ステージはCrew-1の間に提供され、Dragonは宇宙飛行士のBob Behnken(ボブ・ベンケン)氏とDoug Hurleyn(ダグラス・ハーリー)氏を飛行させたDemo-2のためにされている。

本日の打ち上げに参加する宇宙飛行士は、NASAのShane Kimbrough(ロバート・キンブロー)氏、Megan McArthur(メーガン・マッカーサー)氏、JAXAの星出彰彦氏、ESAのThomas Pesquet(トマ・ペスケ)氏だ。

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Katsuyuki Yasui)

NASAがアポロ計画以来となる有人月面着陸システムの開発にSpaceXを指名

NASAの有人着陸システム(HLS)を受注する企業が、SpaceX(スペースエックス)に決定した。同社は、アポロ計画以来初めてNASAの宇宙飛行士が月面に降り立つ手段を開発する権利を、29億ドル(約3156億円)で落札した。SpaceXはBlue Origin(ブルーオリジン)や Dynetics(ダイネティックス)と並んで入札に参加していたが、The Washington Post(ワシントンポスト)によると、これらのサプライヤー候補を大幅に下回る価格で落札したという。

SpaceXは、現在開発中の宇宙船「Starship(スターシップ)」を、宇宙飛行士が月に到着した後の着陸手段として使用することを提案した。HLSは、NASAのArtemis(アルテミス)計画で重要な部分だ。このミッションは無人飛行から始まり、有人での月面接近を経て、最終的には2024年を目標に、月の南極に宇宙飛行士が着陸することを目指している。

NASAは2020年4月、HLSの入札に参加するベンダーとして、SpaceX、Blue Origin、Dyneticsの3社を承認したと発表。それ以来、Blue Origin(とそのパートナー企業であるLockheed Martin[ロッキード・マーチン]、Northrop Grumman[ノースロップ・グラマン]、Draper[ドレイパー]による「ナショナル・チーム」)とDyneticsは、各々のシステムの実物大モデルを製作し、機能的仕様の計画を詳細に記した提案書をNASAに提出して検討を受けていた。一方、SpaceXはテキサス州でStarship宇宙船の機能的なプロトタイプを積極的にテストしており、準備が整えば月に向けてStarshipを推進させるための「Super Heavy(スーパーヘビー)」ブースターの開発も進めている。

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この計画では、NASAは3社すべてを選んで契約の初期要件を満たす最初のバージョンを製造させ、最終的には、月面に到達する手段に柔軟性を持たせるために、3社の中から2社を選んで有人着陸機を製造させると一般的に考えられていた。これは基本的に、NASAが国際宇宙ステーションに向けてCommercial Crew Program(商用有人宇宙船計画)を実施した際に、SpaceXとBoeing(ボーイング)の2社に宇宙飛行士輸送用の宇宙船の製造を発注したのと同じやり方だ。SpaceXはすでに資格を取得して宇宙船の運用を開始しており、ボーイングは2021年の終わりか来年の初めには、SpaceXと並ぶ選択肢として稼働できるようにとたいと考えている。

SpaceXは信頼性が高くて再利用可能な有人宇宙船「Crew Dragon(クルー・ドラゴン)」で商用人員輸送を実現し、NASAから多くの信頼を得ている。魅力的な価格設定に加えて、NASAは人間だけでなく、大量の物資や材料を月へ、そして最終的には月より遠い場所にも飛ばせることを目指しているため、SpaceXの柔軟性と貨物容量に惹かれたと、ワシントンポストは書いている。

しかし、現時点において、SpaceXのStarshipはその目標からまだほど遠いところにある。SpaceXはラピッドプロトタイピングという手法を用いて、新たなテストを繰り返すことで迅速に開発を進めてきたが、直近のStarshipによる高高度飛行は、着陸前に爆発するという不運な結果に終わった。しかし、これまでのテストでは、空中で向きを変え、着陸に向けて減速を行うなど、他の要素では成功を収めている。とはいえ、これまでのテストでは地球の大気圏外に出たことはなく、有人飛行テストも行われていないため、ミッションに対応するためにはさらなる開発が必要だ。

SpaceXは、Lunar Gateway(月周回有人拠点)建設のための資材を搬送するロケット会社としても選ばれており、2024年に予定されている打ち上げに向けて、実際にPPE(Power and Propulsion Element、電力・推進モジュール)とHLO(Habitation and Logistics Outpost、居住・物流前哨基地モジュール)を製造するMaxar(マクサー)と協力している。だが、これらのモジュールは、すでに何度も打ち上げに成功している「Falcon Heavy(ファルコン・ヘビー)」で搬送される予定だ。

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タグ:NASASpaceXアルテミス計画Starship

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

月へNASAの水探索車を届けるためにスペースXがFalcon Heavyロケットの打ち上げを2023年に予定

SpaceX(スペースX)は、2023年に大型の(そしてあまり使われていない方の)ロケット「Falcon Heavy(ファルコン・ヘビー)」を使用して、月にペイロードを送り込むことを予定している。このミッションでは、宇宙ベンチャー企業のAstrobotic(アストロボティック)が製造した月面着陸船を打ち上げることになっており、それにはNASAのVIPER(Volatiles Investigating Polar Exploration Rover、揮発性物質調査極地探索車。この機関は、楽しい頭字語を付けるために言葉に無理させることを好む)が搭載される。

打ち上げは現在のところ2023年後半に予定されており、計画どおりに進めばFalcon Heavyにとって初の月ミッションとなる。しかし、それがSpaceXにとって初の月旅行になるというわけではない。同社はMasten Space Systems(マステン・スペース・システムズ)とIntuitive Machines(インテュイティブ・マシンズ)の委託を受けて、早ければ2022年に月面着陸機を打ち上げるミッションを予定しているからだ。これらのミッションでは、少なくとも現在の計画仕様のとおりであれば、どちらも「Falcon 9(ファルコン・ナイン)」ロケットが使用される。また、上記のスケジュールは今のところ、すべて書類上のものであり、宇宙ビジネスでは遅延やスケジュールの変更も珍しくはない。

しかし、このミッションは関係者にとって重要なものであるため、優先的に実行される可能性が高い。NASAにとっては、人類を再び月に送り込み、最終的には軌道上と地表の両方でより永続的な科学的プレゼンスの確立を目指す「Artemis(アルテミス)」プログラムの長期的な目標において、重要なミッションとなる。月面にステーションを設置するためには、その場にある資源を利用しなければならないが、中でも水は非常に重要な資源だ(VIPERは月の南極で氷結水を探索する)。

画像クレジット:Astrobotic

Astroboticは2020年、NASAから委託を受けてVIPERを月に届ける契約を獲得した。このミッションには、月の南極にペイロードを着陸させることが含まれているが、月の南極は有人宇宙飛行士が参加するNASAのArtemisミッションで目標着陸地点となる予定だ。Astroboticがこのミッションに投入する着陸船は「Peregrine(ペレグリン)」型よりも大型の「Griffin(グリフィン)」型で、VIPERを搭載するためのスペースが確保されている。そのため、SpaceXのロケットの中でも大型のFalcon Heavyを使用する必要があるというわけだ。

2024年までに宇宙飛行士を再び月に送り込むというNASAの野心的な目標は、新政権がスケジュールや予算を見直す中で流動的になっているものの、その達成のためには官民パートナーシップを活用して道を切り開くことが依然として約束されているようだ。このGriffinを使う最初のミッションは、先に予定されているPeregrineの着陸とともに、NASAの商業月面輸送サービス(CLPS)プログラムの一環である。このCLPSでは、NASAを1つの顧客として、月面着陸機を製造・提供する民間企業を求めている。

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タグ:NASASpaceXFalcon Heavyロケットアルテミス計画Astrobotic Technology

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Hirokazu Kusakabe)