70年以上も労働生産性の成長が停滞する建設業界のDXを進めるAgoraがTiger Global主導ラウンドで36億円調達

CEO兼共同設立者マリア・リューミン氏(画像クレジット:Agora)

請負業者向けの資材管理プラットフォーム構築を手がけるスタートアップAgoraが、Tiger Global Managementが主導するシリーズBラウンドで3300万ドル(約36億円)を調達した。

今回の資金調達には、8VC、Tishman Speyer、Yahooの共同創業者Jerry YangJerry Yang(ジェリー・ヤン)氏、Michael Ovitz(マイケル・オーヴィッツ)氏、DST、LeFrak、Kevin Hartz(ケヴィン・ハーツ)氏も参加しており、同スタートアップの2018年創業以来の調達総額は約4500万ドル(約49億円)となった。

建設テックは、きらびやかなテクノロジーを好むことが多いスタートアップの世界では、これまで「魅力的」とは考えられてこなかったセクターの1つだ。しかし、建設業は商業や不動産業の原動力ともなっており、私たちすべてに何らかの形でインパクトをもたらしていると言えるだろう。

一方、10兆ドル(約1097兆円)規模の建設業界は長い間、生産性の問題に悩まされてきた。事実、マッキンゼーによると、この業界における労働生産性の成長は1947年以降停滞しているという。

画像クレジット:Agora

Maria Rioumine(マリア・リューミン)氏とRyan Gibson(ライアン・ギブソン)氏がAgoraを設立したときのミッションは、商業取引の請負業者向けに、資材の発注と追跡、手作業でのデータ入力の自動化、そして調達プロセスに関わるすべての人への相互通信可能な単一プラットフォームの提供といった取り組みを推進することにあった。

最終的な目標は、プロジェクトの迅速な進行を支援し、請負業者が建設コストを削減して不必要な遅延を回避することに置かれている。Agoraが期待する、より大きなインパクトは、同社のSaaSプラットフォームが「建設環境をより迅速かつ効率的なものにする」ことであり、それによって都市が「より手頃になり、すべてにアクセスしやすくなる」ことだ。

サンフランシスコに拠点を置くAgoraは、極めて限定的でニッチな方法でこの問題に取り組んでおり、請負業者だけでなく投資家にも支持されていることが示されている。Agoraは、すべての取引を一括して解決しようとするのではなく、特定の垂直市場に焦点を絞っている。例えば、最初は電気関連でスタートしたが、現在は機械関連に移行している。

「2020年、1010億ドル(約11兆円)を超える規模の電気関連の案件に対応しました。当社の顧客は、あらゆる種類のプロジェクトに取り組んでいます」とリューミン氏はTechCrunchに語った。「例えば、発電所に従事する顧客、病院の建設を行う顧客、学校の教室や大学のキャンパスの建設を手がける顧客、教会やスタジアムの建設に携わる顧客がいます。これらの請負業者の仕事は、欠くことのできない重要なものです」。

Agoraの年間経常収益(ARR)は前年比で760%増加しており、顧客ベースも6倍の伸びを示しているという。従業員数もこれまでの3倍の45人に増員され、現在は顧客向けの年間資材ボリュームとして1億4000万ドル(約153億円)を処理している。

同社はシリーズBに向けて活発な資金調達を行ったわけではなく、代わりに投資家たちが積極的にタームシートを提供してくれた、とリューミン氏は説明する。

「私たちのことを十分に理解していた数人の投資家たちが、このラウンドを先取りすることについてアプローチしてきました」と同氏はTechCrunchに語ってくれた。「最初の対話から12日が過ぎた頃、複数のタームシートが用意されていました」。

Tiger GlobalのパートナーであるJohn Curtius(ジョン・カーティウス)氏は、Agoraの「独自」の取引に特化したアプローチに惹かれたと語っている。

同氏の見解によると、このスタートアップは「建設における調達の未来を定義している」という。

「Agoraは巨大かつクリティカルな問題を解決しようとしています」とカーティウス氏はメールで述べている。「調達プロセスの非効率性とサプライチェーンの破綻により、年間数十億ドル(約数千億円)が無駄になっています」。

同社のプラットフォームが提供する具体的な機能としては次のようなものがある。テンプレートのカスタマイズ、事前に承認された資材リストの作成、頻繁に必要とされるアイテムの容易な再注文、40万以上のSKUを提供するカタログからの注文、そしてエラーを減らし基本的なプロセスを自動化する、手作業によるデータ入力の排除などだ。

Agoraによると、現場チームとオフィスチームの両方を1つのデジタルプラットフォームに統合することで、オフィスチームが発注処理に費やす時間を75%、現場チームが資材管理に費やす時間を38%削減できるという。全体として、同社の技術は平均的な顧客に年間最大30万ドル(約3290万円)の節約をもたらす可能性があるという。

今回調達した資金は、複数のチームにわたる人材の雇用に充てる他、30の州を越えて事業を拡大し、他の垂直市場への進出を図っていくために活用する計画だ。

「建設業界では長い間、テクノロジーへの投資不足が続いてきました」とリューミン氏はいう。平均すると、建設収入に占めるテクノロジー支出の割合は約1.5%で「これは実際、中央値が3.3%を示す業界の中で最も低い水準です」と同氏は付け加えた。

「この業界の規模と、ここ最近における生産性向上の低調さを考えると、テクノロジーに真に投資し、それを現場や請負業者に提供していくすばらしい機会が私たちに訪れているのだと感じます」。

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Dragonfly)

Tiger GlobalがインドのフィンテックSliceへの約110億円超の投資を主導する交渉を開始

インドのクレジットカード市場でシェアを拡大しようとしているフィンテックスタートアップSlice(スライス)への投資を、知名度の高い投資家たちがこぞって追い求めている。

Tiger Globalは、ベンガルールを拠点とするこのスタートアップの1億ドル(約110億円)を超えるラウンドをリードするための交渉を進めていると、この件に詳しい情報筋が語った。

Insight Partners、Ribbit Capital、Greenoaksなど、他の多くの企業もこのスタートアップに関わっていると情報筋は語っているが、この件が非公開であることから情報筋は匿名を希望している。

交渉は続いていて、条件は変更される可能性があると情報筋は付け加えた。

これまでのラウンドで約3000万ドル(約33億円)を調達し、2021年初めのラウンドでは2億ドル(約224億円)を下回る評価を受けたSliceはコメントを控えた。Sliceの投資家にはBlume Ventures、Gunosy Capital、Better Capitalが名を連ねている。

Tiger Globalもコメントを却下した。

現在、インドの何億人もの人々が銀行口座を持っているにもかかわらず、クレジットカードを持っているのは約3000万人にすぎない。インドのほとんどの人がクレジットカードを持つことができず、また、クレジットカードを持つことができる人でも、登録が面倒で時間がかかり、それに見合う報酬が得られないため、わざわざクレジットカードを持とうとしない。

Sliceは、従来のフルタイムの仕事に就いていない人でもカードを取得しやすくし、登録プロセスも迅速に行えるようにした。この2年間で、Sliceはインド最大のカード発行会社の1つに成長した。

また、潜在的な顧客を獲得するために、積極的に動いてもいる。Sliceは9月、インドの潜在的な獲得可能な最大市場規模である2億人の人々を開拓するために、デフォルトの限度額を2000インドルピー(約2990円)に設定したカードを発行した。

今週初めの別の発表では、Sliceは9月に11万枚のカードを発行したと述べた。元Flipkart社員のRajan Bajaj(ラジャン・バジャージ)氏が設立したこのスタートアップには300万人以上が登録しており、会員の平均年齢は27歳だという。

また、バジャージ氏のLinkedInや同社の採用案内によると、同社はブロックチェーン上のアプリケーションを模索している。先週、同社は新入社員に安定した給与と福利厚生付きの週休3日制を提供し、他の機会に取り組みたい、あるいは他の好きなことをしたいと希望する人材を採用することを発表した。

Tiger Globalはここ数四半期の間に、インドで最も積極的なグロースステージの投資家として台頭してきた。2021年、インドでは20社を超えるスタートアップを支援し、その多くを憧れのユニコーン・クラブに押し上げている

画像クレジット:CBインサイツ

インドのスタートアップは2021年9月までの四半期に519件の取引を記録したと、調査会社のCB Insights社が10月7日に発表した。同四半期のスタートアップ企業の資金調達額は99億ドル(約1兆1110億円)で、2020年全体では103億ドル(約1兆1560億円)だったという。Sequoia Capital Indiaは、同四半期中、世界第2位のインターネット市場であるインドで最多となる33件の投資取引を行った。

画像クレジット:Slice

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(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

問い合わせ対応ソフトShelf.ioが過去1年間でARR4倍に、57.7億円という巨額のシリーズBを完了

上場企業の取材に少々気が重くなることがある。上場企業というものは毎年そこそこ成長し、担当アナリストは粗利益率の改善や営業担当者の効率性について質問攻めにする。やや単調にもなり得るのだ。一方、スタートアップ企業の成長は早く、語るのも楽しい。

それはShelf.io(シェルフ・アイ・オー)にも当てはまる。同社は米国時間8月23日、2020年7月から2021年7月までの間に年間経常収益(ARR)を4倍に伸ばしたことなど、一連のすばらしい指標を発表した。また、Tiger GlobalとInsight PartnersがリードするシリーズBで5250万ドル(約57億7500万円)を獲得したことも発表した。

シリーズA以降のスタートアップとしては早い成長だ。Crunchbaseには、シリーズBの前に820万ドル(約9億円)を調達したとあるが、PitchBookでは650万ドル(約7億円)となっている。いずれにせよ、同社は今回の資金調達の前に、限られた資本で効率的に事業を拡大していた。

同社のソフトウェアは何をするのか。Shelfは、企業の情報システムに接続してデータを学習し、従業員が検索などで情報収集をしなくても、問い合わせに対応できるようにする。

同社はまず、カスタマーサービスをターゲットにしようとしている。ShelfのCEOであるSedarius Perrotta(セダリウス・ペロッタ)氏によると、Salesforce(セールスフォース)、SharePoint(シェアポイント)、従来のナレッジマネジメントプラットフォームや、Zendeskなどから情報を吸収することができるという。そして、モデルやスタッフのトレーニングを経て、サポートスタッフが顧客とリアルタイムで会話をしながら、顧客の質問に対する回答を提供することができる。

また、同社のソフトウェアは、人間のエージェントに向けられたわけではない顧客からの質問に対する回答を提供したり、企業のナレッジを検索可能なデータベースとして提供したりすることで、従業員が顧客の問題を迅速に解決できるようにする。

ペロッタ氏によると、Shelfが次にターゲットにしているのは営業市場で、その他の分野も追いかけるという。Shelfは営業にどうフィットするのだろうか。同社のソフトウェアは、スタッフに対し、すでにある類似案件の提案書やその他の関連コンテンツを提示できるかもしれないという。要するに、Salesforceをクリックしたり、サポートの問い合わせに答えたりと、多くの従業員が同じような仕事をしている企業では、Shelfがそうした活動を学習して、従業員の仕事をより賢く支援できる。ソフトウェアの学習能力も、時間とともに向上していくものと思われる。

現在100人程度のShelfは、年内に規模を2倍にし、2022年にはさらに2倍にしたいと考えている。

そこで新たな資本が投入されることになった。機械学習やデータサイエンスの分野で人を雇うのは、非常に高くつく。また、採用規模を早く拡大したいなら、銀行口座に多額の残高が必要になる。

Shelfが、少なくともそれまでの資金調達額と比較し、今回のような桁違いのシリーズBを確保できた理由は、ARRの急成長だけではない。ペロッタ氏によると、同社は純額で130%の契約保持を達成しており、解約もない。これは、同社の顧客が定着し、有機的に拡大していることを意味している。

現在のShelfは興味深い存在であり、現在の形で販売できるニッチな分野を見つけたことは確かだが、筆者はMerlinAIと呼ばれる機械学習システムをどこまで進化させることができるかに興味がある。もしこの技術が十分に賢くなれば、従業員を促したり、助けたりする機能によって、新入社員研修の時間を短縮し、従業員の研修にかかるコスト全般を削減することができるだろう。それは巨大な市場になると思われる。

これはいかにもTigerが入り込んできそうな取引だ。過去のラウンドと比べて大規模な高成長企業への投資で、その企業が向かう市場には大きな空白がある。Tigerがこの会社の株をいくらで買ったとしても、数年間の継続的な成長があれば、投資のリスクを打ち消すはずだ。筆者の読みでは、Tigerは、ソフトウェア市場の長期的な成長に関して強気なファンドで、その点でまさに市場をリードしている。Shelfはその仮説にきちんと合致しているのだ。

画像クレジット:Vladyslav Bobuskyi / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nariko Mizoguchi

中小企業向けERPプラットフォームの独xentralがTiger Globalなどから82.2億円のシリーズB調達

エンタープライズ・リソース・プランニング(ERP)システムは、従来は大企業が使うものだったが、近年では中小規模の企業が生成するデータ量が増加し、中小企業(SMB)でもERPの世界に参入できるようになってきた。特にオンラインだけのビジネスでは、その傾向が顕著だ。

年初に、オンラインの中小企業向けERPを開発するドイツのスタートアップxentral(ゼントラル)が行った、2000万ドル(約21億9000万円)のシリーズAラウンドについて取り上げたが、もちろんxentralはそれだけで終わらせるつもりはなかった。

今回xentralは、既存の投資家であるSequoia Capital、Visionaries Club(ベルリン発のB2Bに特化したVC)、Freigeistに続き、Tiger GlobalとMeritechから7500万ドル(約82億2000万円)のシリーズB調達を行った。

今回の資金は、製品の強化、スタッフの雇用、2023年には320億ドル(約3兆5000億円)に達すると予想されるグローバルなERP市場を睨んだ、英国事業の拡大に使用される。

xentralの創業者でCEOであるBenedikt Sauter(ベネディクト・ザウター)氏は、電話で次のように語った。「わたしたちはShopify(ショッピファイ)、eBay(イーベイ)、Amazon(アマゾン)、Magento(マジェント)、WooCommerce(ウーコマース)、そしてPipedrive(パイプドライブ)のようなCRMシステムに接続してソフトウェアを1カ所に集め、企業が本当に業務に集中できるようにバックグラウンドですべてを自動的に行うようにしています。私たちの目標は、金曜日に柔軟なERPが必要だと判断した経営者が、その週末にxentralを導入・設定し、月曜日にはチームに引き渡せるようにすることです」。

同スタートアップは、受注・倉庫管理、パッケージング、フルフィルメント、会計、販売管理などのサービスをカバーしており、現在、1000社の顧客の大半がドイツ国内にいる。顧客には、YFood(ワイフード)、KoRo(コロ)、the Nu Company(ニューカンパニー)、Flyeralarm(フライヤーアラーム)などのダイレクト・トゥ・コンシューマー(D2C)ブランドが名を連ねている。

Tiger GlobalのパートナーであるJohn Curtius(ジョン・クーティウス)氏は次のように語っている。「私たちの調査によれば、xentralの顧客から喜びの声が寄せられていること、そして世界中のeコマース事業者にとって真のミッションクリティカルなプラットフォームに進化した製品を提供していることが明らかになりました。今後、ヨーロッパだけでなく世界中のお客様にサービスを提供するために事業を拡大していくにあたって、ベネディクトやクラウディアのような製品のビジョンを持った方々とパートナーになれることをうれしく思っています」。

xentralは、Sequoiaが2021年ヨーロッパで正式に事業を開始して以来、初めての投資案件だ。Sequoiaはこれまでには、Graphcore(グラフコア)、Klarna(クラルナ)、Tessian(テシアン)、Unity(ユニティー)、UiPath(ユーアイパス)、n8n、Evervault(エバーボルト)などの欧州の スタートアップを支援してきたが、これらの取引はすべて米国で行われてきた。Sequoiaとその欧州における新しいパートナーであるLuciana Lixandru(ルシアナ・リキサンドル)氏は、VisionariesのRobert Lacher(ロバート・レイチャー)氏とともにxentralの取締役会に参加すると考えられている。

MeritechのゼネラルパートナーであるAlex Clayton(アレックス・クレイトン)氏は次のように語る「Meritechは、ERPをクラウド化するというビジョンのもと、2008年にNetSuite(ネットスイート)に投資しました。xentralは、何十万もの中小企業に自動化をもたらし、成長を続けるeコマース市場におけるマルチチャネルプロセスとデータ管理を劇的に改善すると信じています」。

ベネディクト・ザウター氏と共同創業者であるClaudia Sauter(クラウディア・ザウター)氏(妻でもある)は、もともとは彼らの最初のビジネスであるコンピューターハードウェア販売のために、xentralの初期プロトタイプを作ったのだ。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:xentralTiger Global資金調達中小企業ERPドイツ

画像クレジット:Xentral

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(文:Mike Butcher、翻訳:sako)

Tiger GlobalがフィンテックBharatPeへの投資に向け交渉中、バリュエーションは約2750億円

インドのフィンテックスタートアップのBharatPe(バラペ)は、Tiger Globalがリードする新たな資金調達ラウンドで約2億5000万ドル(約275億円)を調達する交渉が進んでいると、この件に詳しい2人の関係者がTechCrunchに語った。

消息筋によると、この新しいラウンドはシリーズEで、創業3年目のニューデリーに本社を置く同社のプレマネーのバリュエーションは25億ドル(約2750億円)とのことだ。同筋はこの件が非公開であることを理由に匿名を希望した。本ラウンドはまだ終了していないため、条件が変更される可能性があると同筋は注意を促した。

BharatPeは、今回のラウンド以前に、株式で約2億3300万ドル(約256億円)、負債で3500万ドル(約39億円)を調達した。バリュエーションは、2021年2月のシリーズDラウンドで約9億ドル(約990億円)、2020年は4億2500万ドル(約468億円)だった。

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インドのニュースサイトCapTableがTiger GlobalとBharatPeの交渉について最初に報じ、今回のラウンドでBharatPeの価値は20億ドル(約2200億円)以上になると述べた。BharatPeはコメントを控えた。同社は、Coatue、Ribbit Capital、Sequoia Capital Indiaなどを既存の投資家として抱えている。

BharatPeは、オフラインの加盟店がデジタル決済を受け入れ、運転資金を確保するための同名のサービスを運営している。インドはすでに6億人以上のユーザーを抱える世界第2位のインターネット市場として台頭しているが、国内の多くの地域ではまだオフラインのままだ。

その中には、道端のお茶屋や近所のお店など、インターネットが届かない場所で小さなビジネスを営む商人がいる。BharatPeは、こうした商人にデジタル決済を気持ちよく受け入れてもらうため、政府が支援するUPI決済インフラをサポートするQRコードとPOSマシンを利用している。

600万以上の加盟店にサービスを提供しているBharatPeは、2020年11月までに5万台以上のPOSマシンを導入し、毎月1億2300万ドル(約135億円)以上の取引を可能にしているという。同社は、ユニバーサルQRコードへのアクセスで加盟店に利用料金を請求しておらず、資金の貸し出しによって収益を得ようとしている。今や、その目標の多くを簡単に達成できるようになるはずだ。

銀行になる

インドの中央銀行RBIは現地時間6月18日、2021年初めに経営難に陥った銀行を買収したCentrum Financial Servicesに、小口金融銀行の設立を許可する仮ライセンスを付与した。Centrum Financial Servicesは、BharatPeと協力してこのライセンスを取得した。BharatPeは2社が「対等」なパートナーであると声明で述べた。

Centrumグループのエグゼクティブ・チェアマンであるJaspal Bindra(ジャスパル・ビンドラ)氏は声明で、2社は「新時代の銀行」の創造のために努力すると述べた。

BharatPeはさらに、2つの新しいアプリの立ち上げにも取り組んでおり、そのうちの1つ「PostPe」はQR UPIでの与信を可能にし、もう1つのB2Cアプリは最大12%の金利でピアツーピアの貸し出しを可能にするものだ(担保なし、ただしBharatPeが仲介役を務める)。消息筋によると、これらの新製品は早ければ6月中にも展開される。

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カテゴリー:フィンテック
タグ:Tiger GlobalインドBharatPe

画像クレジット:ANNA ZIEMINSKI / AFP / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

インド物流市場システムのデジタル化を進める最大手DelhiveryがIPOに向け約304億円調達

インド最大の独立系eコマース物流企業であるDelhivery(デリバリー)は、年内のIPO申請に向けた最終となる見込みの資金調達ラウンドで、2億7700万ドル(約304億円)を調達した。

グルガオンに本社を置くこのスタートアップ企業は、規制当局への提出書類の中で、ボストンに本社を置く投資会社のFidelity(フェデリティ)が主導するラウンドで、2億7700万ドルを調達したことを明らかにした。この名称が特定されていないラウンドには、シンガポール政府投資公社(GIC)、アブダビの投資会社であるChimera(キメラ)、英国のBaillie Gifford(ベイリーギフォード)も参加している(最初にこの申請を報じたインドのニュースサイトEntrackrは、シリーズHラウンドであることを示唆している。しかし、Tracxnによると、DelhiveryにはシリーズGラウンドの記録はない。米国時間5月30日の時点で、このスタートアップはコメントを出していない)。

この新ラウンドで、創業10年目のDelhiveryの評価額は約30億ドル(約3290億円)となった。同社には、SoftBank Vision Fund(ソフトバンク・ビジョン・ファンド)、Tiger Global Management(タイガー・グローバル・マネジメント)、Times Internet(タイムズ・インターネット)、The Carlyle Group(カーライル・グループ)、Steadview Capital(ステッドビュー・キャピタル)なども投資しており、これまでに約12億3000万ドル(約1350億円)を調達している。

Delhiveryは当初フードデリバリーの会社としてスタートしたが、後にインドの2300以上の都市と1万7500以上の郵便番号を対象としたフルスイートの物流サービスにシフトした。

同社は、貨物交換プラットフォームを通じて、物流市場の需要と供給のシステムをデジタル化しようとしている数少ないスタートアップ企業の1つだ。

調査・画像クレジット:Bernstein

そのプラットフォームは、荷主と取扱業者、そして道路輸送ソリューションを提供するトラック事業者をつなぐものだ。Delhiveryは、このプラットフォームによってブローカーの役割が軽減し、(同社にとって最も一般的な輸送手段である)トラック輸送などの資産をより効率的に運用でき、24時間体制のオペレーションを保証すると述べている。

このようなデジタル化は、国の経済を長年にわたって停滞させてきたインドの物流業界の非効率性に対処するために非常に重要だ。インドでは、需要と供給の計画や予測が不十分であることが、輸送コスト、盗難、損害、遅延を増加させていると、Bernstein(バーンスタイン)のアナリストは、インドの物流市場について2021年4月に発表した報告書の中で指摘している。

Delhiveryのウェブサイトによると、同社には10億件以上の注文を配送した実績があり「インド最大のeコマース企業や大手企業のすべて」と提携しており、その顧客の数は1万を超えるという。配送の最後の区間を受け持つ同社の配達員には、2平方キロメートルを超えることのないエリアが割り当てられているので、時間を節約しながら1日に何度も配送を行うことができる。

インドの物流市場のTAM(獲得できる可能性のある最大の市場規模)は2000億ドル(約22兆円)を超えると、Bernsteinのアナリストは述べている。

このスタートアップは2020年後半、新型コロナウイルス感染が流行する中、オンラインで買い物をする人が増えたことから、増大する注文需要に対応するため、2年以内に4000万ドル(約43億9000万円)以上の投資を行い、配達隊の規模を拡大することを計画していると語っていた。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Delhiveryインド物流IPO資金調達SoftBank Vision FunTiger Global Managementeコマース

画像クレジット:Nasir Kachroo / NurPhoto / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

インドのフィンテック「Zeta」がソフトバンクのリードで約272億円調達、待望のユニコーンに

Zeta(ゼータ)は、銀行やフィンテックのサービス開発を手助けするスタートアップだ。このほど調達ラウンドを完了し、待望だったユニコーンの地位を獲得した。

このバンキングテック会社は、インドの連続起業家、Bhavin Turakhia(バーヴィン・トゥラキア)氏が共同設立した。現地時間5月24日に同社は、SoftBank Vision Fund(ソフトバンク・ビジョン・ファンド)がリードしたシリーズCラウンドで、2億5000万ドル(約272億円)調達したことを発表し、TechCrunchが4月中旬に報じた内容が確認された。既存出資者のSodexo(ソデグソ)もラウンドに参加した。

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この最新ラウンドによって、ベンガルールとドバイにオフィスを構える同スタートアップの企業価値は14億5000万ドル(約1576億円)となった。Zetaが2019年7月に報告した企業価値3億ドル(約326億円)を大きく上回る金額だ。(トゥラキア氏は前回のラウンドを誤ってシリーズCと呼んでいたことを話した)。

Zetaは、銀行やフィンテックスタートアップ、およびその他のオンライン消費者プラットフォームに提供するテクノロジースタック(ツールのセット)を開発した。背景には、現代の銀行の多くが旧態依然のテクノロジーで運用されており、膨大な数の顧客やフィンテック企業に最高の体験を与える時間も専門知識も持っていない、という現状がある。

「銀行は1980年代のままです。その多くがCOBOLプログラミング言語をまだ使っていて、貧弱なユーザー体験を提供しています」とトゥラキア氏がこの日の記者会見で語り、それを改善するために銀行は何十というベンダーや技術パートナーの協力を得なくてはならないことを付け加えた。「銀行向けスタックを1から作ることなど誰も考えませんでした。今までは」。

顧客に金融サービスを提供するライセンスを持つ銀行は、ZetaのクラウドネイティブなAPIとSDKを使って、クレジットカード、デビットカード、ローンなどのサービスを開発し、顧客のユーザー体験を改善する。フィンテックもこれらのサービスを利用できる。

「あなたが思いつくどんな金融サービスでも、Zetaなら今すぐ提供します」と彼は言った。

現在同社は10社の銀行と25社のフィンテック企業にサービスを提供しており、新たな資金を使ってさらに顧客を拡大するとともに人員も増やす計画だ。

Zetaの道のり(画像クレジット:Zeta)

ZetaはSoftBank Vision Fund 2にとってインドで最新の投資先だ。日本のコングロマリットは2021年4月にもソーシャルコマースのMeesho(ミーショウ)をユニコーンに育てあげた他、インドのフードデリバリー大手Swiggy(スウィッギー)と交渉中で、さらにはSaaSのスタートアップWhatFix(ワットフィクス)への出資も検討している。

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「バンキングソフトウェアは世界で3000億ドル(約32兆6151億円)の業界です。ほとんどの銀行は顧客よりはるかに遅れたテクノロジーを現在も使っているため、ユーザー体験や顧客維持に影響を与えています」とSoftBank Investment AdviserのマネージングパートナーであるMunish Varma(ムニシュ・ヴァーマ)氏が声明で語った。

Zetaは2021年ユニコーンになった14番目のインド発スタートアップだ。Tiger Global(タイガー・グローバル)、Falcon Edge(ファルコン・エッジ)、SoftBankなどのベンチャーキャピタルが、世界第2のインターネット市場であるインドで出資のペースを加速した結果だ。

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トゥラキア氏は、弟のDivyank(ディヴャンク)氏とともに初めてのベンチャー企業を1998年に立ち上げた。その後2人は4つのウェブ企業を1億6000万ドル(約174億円)でEndurance(エンデュランス)に売却した。Zetaはそれ以降バーヴィン氏が共同開発した3番目のスタートアップで、あとの2つはビジネス・メッセージング・プラットフォームのFlock(フロック)とRadix(ラディックス)だ。

「デジタル世界は銀行に対して、セキュリティ、プライバシー、データ保護に関してますます多くの課題を突きつけています。業界はシステムを再開発してセキュリティ、プライバシー、スケーラビリティー、そして信頼性を中心基盤に据える必要があります。ZetaのOmni Stack(オムニ・スタック)はそのニーズに答えます」とZetaの共同ファウンダーで最高技術責任者、Ramki Raddipati(ラムキ・ラディパティ)氏が声明で語った。

カテゴリー:フィンテック
タグ:Zetaインド資金調達SoftBank Vision FundユニコーンTiger Global

画像クレジット:Zeta

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(文:Manish Singh、翻訳:Nob Takahashi / facebook

企業支出管理の戦い激化の中、Brexが460億円を調達し評価額は8010億円

企業支出管理スタートアップのライバルであるRamp(ランプ)が評価額16億ドルで合計1億1500万ドル(約124億4000万円)を2回に渡るラウンドで調達したことを発表してからわずか数週間後の米国時間4月26日、Brex(ブレックス)は4億2500万ドル(約460億円)のシリーズDをTiger Globalのリードで完了したことを発表した。

新たな資金はBrexにとってこれまで最大の調達額で、企業価値は直近の民間評価額の2倍以上だった。Crunchbaseのデータによると、Brexは2020年中頃のシリーズCで30億ドル(約3245億3000万円)をわずかに上回る評価額をつけられ、株式発行により1億5000万ドル(約162億3000万円)を調達した。

BrexとRampの資金調達合戦は、彼らのプロダクト・カテゴリーの対象市場がいかに活発であるかを顕著に示すものだ。成長する企業に特典付きコーポレート・カードを提供するだけだったその起源から大きく離れ、Brexと数多くのライバルたち(ユタ州のユニコーンであるDivvyAirbaseなど)は、コアビジネスであるクレジットカードを中心としたソフトウェアスイートを開発し、企業のあらゆる支出管理を支援している。

Brex、Divvy、Rampといったこの分野の最大手がソフトウェアやコンテンツに課金することを控え、収入源を取引手数料などに頼っているのに対し、Airbaseはソフトウェアで収益を得ている。

支出管理スタートアップのユニコーンらによるソフトウェア軍拡競争によって、これまで以上の支出管理スタートアップが現在の収入源に加えてソフトウェア売上を得ようとするとは思えない。いずれの収入も急速に伸びているので、短期的には顧客当たりの売上を増やさなくても顧客数の成長に頼っていられるからだ。

【更新】なんと、私は間違っていた。Brexは別のリリースで(だから当初見逃していた)、新たなサービスとして月額49ドル(約5300円)のBrex Premiumを提供すると発表した。詳しくは後報する予定だが、まずはこの記事を更新したかった。

ちなみにRampは、支出管理で年間予測10億ドル(約1081億8000万円)の売上を計上したことを公表した。この後輩スタートアップの数倍の企業価値をもつBrexは、その上を行くと想像できる。

TechCrunchはBrexに連絡を取り、2020年と2021年第1四半期の成長結果を尋ねた。当社はTechCrunch宛の声明を提供し「毎月数千社のテックおよび非テック顧客を獲得している」と主張した。Brexは第1四半期に「顧客総数」が80%増え、月間新規顧客数が5倍に増えたことも話した。

それこそが、レイトステージ投資家を喜ばせたタイプの成長だ。TechCrunchはBrex CEOのHenrique Dubugras(ヘンリケ・デュブグラス)氏に近々話を聞く予定だ。

カテゴリー:フィンテック
タグ:Brex資金調達Tiger Global

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nob Takahashi / facebook

eコマースのグローバルな荷物追跡プラットフォームを提供する香港AfterShipが71.2円調達

AfterShipは2012年に、主に中小のネットショップのための荷物追跡サービスとしてローンチしたが、その後同社は、メールによるマーケティングや顧客維持対策などのツールなどショッピング体験の一部始終をカバーする一連のデータ分析ツールを作った。香港に本社を置く同社は米国時間4月22日、Tiger GlobalのリードによるシリーズBのラウンドで6600万ドル(約71億2000万円)を調達したことを発表した。これにはHillhouse CapitalのGL Venturesが参加した。

AfterShipのこの前のラウンドは、2014年の100万ドル(約1億1000万円)のシリーズAだった。共同創業者のAndrew Chan(アンドリュー・チャン)氏によると、同社はローンチ直後から利益があり、主に口コミによる人気とパートナーシップで成長した。特にShopifyの統合で知名度が上がった。しかし同社は最近営業チームを作り、今回の資金も営業のための国際的な雇用とカスタマーサポートに充てるつもりだ。また同社は、新しいプロダクトのローンチを進めると同時に、すでにAfterShipの顧客の約70%がいる米国へさらに拡張していきたい、という。

同社のソフトウェアでセラーは、740社以上もの運送業者に対して荷物を追跡でき、同社は年間60億以上の荷物を扱っている。同社のパートナーは約1万社いて、中には5万店の出店者を抱えるShopifyやMagento、Squarespace、Amazon、eBay、Etsy、Groupon、Rakuten(楽天)、Wish、それにリテールブランドのDysonやInditexなど大物の名もある。

荷物追跡ページはブランドごとにあり、AfterShipのソフトウェアがメールを作る。(画像クレジット:AfterShip)

AfterShipのメインのプロダクトは荷物追跡プラットフォームだが、その他にセルフサービスの返品処理と顧客のためのパッケージ追跡、営業とマーケティングなどのツールも提供していて、マーチャントは荷物からのデータをさらに有効利用できる。チャン氏の説明によると、パッケージ追跡はセラーにとってユーザーエンゲージメントツールでもあり、いろんな商品の推奨や宣伝ができる。AfterShipのツールでマーチャントは、自分のブランド専用の追跡ページや通知を作れる。その他、各輸送業者のパフォーマンスを調べたり、メールによるマーケティングキャンペーンを展開したり、顧客の維持確保を増大したりできる。

CRM的な能力もあるので、AfterShipは他の荷物追跡情報集積企業とは一味違う。

「ビジョンを考えるときは、Salesforceがやってることを見ます。そして、営業の人たちが実際に使えるような、eコマースのためのSalesforceはあるだろうか、と考えます」とチャン氏はいう。

Tiger GlobalのグローバルパートナーであるPengfei Wang(ペンファイ・ワン)氏は、プレス向けの声明で次のように述べている。「AfterShipは、配送のプロセスを消費者と企業の両方にとってもっと透明かつ信頼性の高いものにすることで先頭を走っています。現在、eコマースの成長は急上昇しているため、AfterShipとパートナーできたことはありがたいし、特にそのリーダーシップチームは、この重要かつ拡大を続けている業界で、常にその技術が進歩していることがすばらしい」。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:AfterShip香港Tiger Globaleコマース資金調達

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(文:Catherine Shu、翻訳:Hiroshi Iwatani)

若者がビットコインのかけらに少額投資できる印CoinSwitchをTiger Globalが540億円超の評価で支援

インドの若年層ユーザーが暗号資産(仮想通貨)に投資できるようにするスタートアップCoinSwitch Kuber(コインスイッチ)は、世界第2位のインターネット市場であり、今のところ民間の暗号資産の将来が不透明な場所でもある同国での事業拡大に向けて、新たな資金調達ラウンドで2500万ドル(約27億円)を獲得したとインド時間4月22日に発表した。

関連記事:インド政府がビットコインなどの民間発行仮想通貨を禁止する法律を提出へ

Tiger Global(タイガー・グローバル)は、CoinSwitch KuberのシリーズB資金調達ラウンド全額を出資し、設立3年になるインドの同スタートアップを5億ドル(約540億円)以上と評価した。シリーズBの発表は、CoinSwitchがRibbit Capital、Sequoia Capital India、Kunal Shahから出資を受けた1500万ドル(約16億2000万円)のシリーズAラウンドをクローズしてからわずか3カ月後に行われた。バンガロールを拠点とするCoinSwitchは、これまでに総額4150万ドル(約44億9000万円)を調達している。

TechCrunchは先日、ニューヨークに本社を置くテクノロジーヘッジファンドであるTiger Globalが、CoinSwitchを含む多くのインドのスタートアップへの投資をすでに主導したか、あるいは主導する交渉が進んでいると報じた。

関連記事:【コラム】前代未聞のペースでインドにユニコーン企業を生み出しているTiger Global

CoinSwitch Kuberは現在、暗号資産分野で活動しているひと握りのスタートアップの1つだ。この暗号資産取引所では、ユーザーはいくつかの人気のある暗号資産の小片を購入することができる。例えばCoinSwitchのユーザーは、ビットコインなどの小袋を100インドルピー(約140円)という低価格で購入できる。

同社は450万人以上のユーザーを集めており、その半数以上は25歳以下だという。過去11カ月間で、CoinSwitch Kuberは50億ドル(約5406億円)以上の取引を処理した。

しかし、2021年末までに550万人のユーザーを増やすことを目標としているこのスタートアップが今後どのように業績を上げていくかは、完全に同社次第というわけではない。

インドでは現在、Bitcoin(ビットコイン)といった民間の暗号資産の取引が合法とされているが、政府当局が民間暗号資産をすべて禁止する法律を導入することが広く予想されている。

CoinSwitch Kuberの共同創業者兼CEOであるAshish Singhal(アシシュ・シンハル)氏は、インドが民間暗号資産を禁止しないことを楽観視しているとしながらも、同社がTiger Globalとの資金調達ラウンドをクローズしたのは、政府が法律の策定を示唆する前だったと述べている。

「今回の投資ラウンドにより、当社は世界で最も注目されている暗号資産企業と肩を並べることができ、長期的な展望を持つことができました」とシンハル氏は述べている。

ここ数カ月、インドの一部の暗号資産スタートアップは、同国が国内での暗号資産取引を禁止することになった場合の緊急時対策を検討し始めた。多数のスタートアップが現在インドで事業を展開しているが、その多くは海外の顧客へのサービスに重点を置いている。

Tiger GlobalのパートナーであるScott Shleifer(スコット・シュライファー)氏は、声明の中で次のように述べた。「CoinSwitchは、インドを代表する暗号資産プラットフォームを構築しており、個人投資家の間で高まっている暗号資産への多大な関心をとらえる態勢を整えています。当社は、CoinSwitchがこの新興資産クラスで革新を起こす際にパートナーとなれることを楽しみにしています」。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:CoinSwitch Kuberインド暗号資産資金調達Tiger Global

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(文:Manish Singh、翻訳:Aya Nakazato)

テック大手のクローンが続々登場しようとする中、Clubhouseが4326億円の評価額で調達額非公開のシリーズCラウンド実施

話題のソーシャルオーディオアプリClubhouse(クラブハウス)が、評価額40億ドル(約4326億円)と伝えられるシリーズCの資金調達を行った。Clubhouseによれば、今回の新ラウンドは、Andreessen HorowitzのAndrew Chen(アンドリュー・チェン)氏が主導しDST Global、Tiger Global、Elad Gilが参加したという。今回のラウンドが意味するのは、Andreessen HorowitzがシリーズBの資金調達を主導した2021年1月の時点と比較して、Clubhouseの評価額が3倍になったということだ。

今回の資金調達はTwitter(ツイッター)、Spotify(スポティファイ)、Facebook(フェイスブック)、Telegram(テレグラム)、Discord(ディスコード)、そしてLinkedInなどがみなClubhouse同様のライブオーディオストリーミングルーム機能を準備している中で行われた。こうした機能は、Elon Musk(イーロン・マスク)氏やMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏などのライブチャットを開催して注目を集めてきた。実際、Vox(ボックス)は、Facebookが一連の「ソーシャルオーディオ」製品を発表する予定だと報じたばかりだ

しかし、今回のような後期資金調達としては珍しく、Clubhouseは調達額を明らかにしていない。業界関係者によると、このシリーズCの資金調達ラウンドは「マルチステージ」であるため、公式には終了していないからではないかといわれている。あるいは「ホット」なスタートアップ企業によく見られるように、売り込みに向けて会社を「誇大宣伝」しているのかもしれない。Bloombergによると、Twitter社、40億ドル(約4326億円)の評価額でClubhouseを買収する交渉を打ち切ったと報じられている。

今回の資金調達ラウンドは、今週発表されるFacebookのClubhouseクローンに合わせて行われたように見えるものの、ある有力な情報筋によれば「今回の資金調達ラウンドは、この1カ月月半にわたって行われていた」そうで、40億ドルの評価額の「2倍以上」のオファーもあったという。言い換えれば、クラブハウスに80億ドル(約8653億6000万円)以上の価値があると考える投資家が存在するということだ。

これまでのところ、Clubhouseはこのような話題について肯定しておらず、メディアへの直接のコメントも拒んでいる。同社は、米国時間4月18日日曜日の夜に行われた毎週恒例の「タウンホール」チャットの中で、今回の資金調達に関するニュースを公開し、ブログ記事の中では、今回の資金調達がアプリの新たな成長を支えるものであると述べている。

ブログ記事には「2021年、チームの規模を4倍にし、インフラを安定させ、クリエイターの収益化を支援するPayment(ペイメント)のベータ版を開始し、Androidのローンチに向けて準備を進めてきましたが、世界中のより多くの人々にClubhouseを届けるためには、まだまだやるべきことがたくさんあります。この数カ月間、私たちのサーバーが少々苦戦していたことや、当社の小さなチームが最初に構築した初期の発見アルゴリズムを当社の成長が上回っていたことは秘密ではありません」と書かれている。

また「コミュニティに投資し、多様な背景と声を代表する人々と一緒に、こうしたことすべてを構築することが重要なのです」とも述べているが、ここ数日の間に反ユダヤ主義的なオーディオルームがプラットフォーム上で急増した、という問題に悩まされている。これまでClubhouseは、そのアプリ上で過激行動を抑制することができないように見えることを批判されてきた。

週間のアクティブユーザー数が1000万人に達している、誕生1年を迎えたこのプラットフォームは、人々が隔離され、直接会って会話することが難しいパンデミックの中で成長してきた。

米国時間4月16日金曜日に、Clubhouseの調達の詳細を初めて報じたのはテック系ニュースサイトのThe Informationだった。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Clubhouse資金調達Andreessen HorowitzTiger Global音声ソーシャルネットワーク

画像クレジット:NurPhoto / Contributor / Getty Images

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(文:Mike Butcher、翻訳:sako)

【コラム】前代未聞のペースでインドにユニコーン企業を生み出しているTiger Global

過去15年間、世界第2位のインターネット市場であるインドのスタートアップ企業を世界的に有名にしたとして名高い、ある投資会社の最近の勢いは、前代未聞のペースで地元の若い企業をユニコーン企業へと変貌させている。

Tiger Global(タイガー・グローバル)は、2021年中にインドのスタートアップ企業と25件以上の契約を締結する(一部は締結済み)。これらの投資のうち、約10件はこれまでに公表されており、残りは1000万ドル(約11億円)から1億ドル(約109億円)を超えるものまで、今後数週間から数カ月の間に準備が進められる。

ニューヨークに本社を持つ同社は、最近67億ドル(約7297億円)のファンドを完了し、先週、ソーシャルネットワークサービスを運営するShareChat(シェアチャット)ビジネスメッセージングプラットフォームのGupshup(ガップシャップ)投資アプリのGroww(グロウ)への投資を主導し、フィンテックアプリのCREDのラウンドにも参加して、これらのスタートアップ企業がユニコーンとなるのを支援した。

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(インドでの報道によると、Tiger Globalは新しいファンドのうち30億ドル、約3267億円)をインドのスタートアップ企業に投資する予定だと推測されているが、TechCrunchでは、この30億ドルという数字は的外れだと考える)

Tiger Globalは、2021年初めにユニコーン企業となったインドのスタートアップ企業であるInfra.Market(インフラ・マーケット)とInnovaccer(イノヴァッサー)にも投資している(インドでは2020年11件、2019年には6件のユニコーン企業が誕生したが、2021年はすでに10件のユニコーン企業が誕生している。Tiger Globalはインドのユニコーン企業47社のうち20社以上に投資している)。

関連記事:小規模メーカーと大手建設業者を結ぶInfra.Marketが106億円調達、インドの最新ユニコーンに

また、支援の発展段階にあるのは、先週ユニコーン企業になった電子薬局のPharmEasy(ファームイージー)、フィンテックのClearTax(クリアタックス、評価額10億ドル、約1090億円の可能性)、暗号資産取引所のCoinSwitch(コインスイッチ)、保険会社のPlum(プラム)、B2BマーケットプレイスのMoglix(モグリックス、評価額10億ドル、約1090億円以上)、ソーシャル企業のKutumb(カタム)とKoo(クー、評価額1億ドル(約109億円)以上、CapTable調べ)、ヘルステック企業のPristyn Care(プリスティンケア)、B2B電子商取引のBzaar(バザー)、アグリテックのReshamandi(レシャマンディ)などが含まれていると関係者は話す(一部の案件はまだクローズしていないので、条件が変わる可能性もある)。

関連記事:Tiger Globalがインドの若いSNSに約190億円規模の投資を検討中

2021年、あるいはこれまでに、インドの企業にこれほどの規模の投資をした企業は他にない。この大盤振る舞いには、何十人ものベンチャー企業の創業者がTiger Globalのパートナーを紹介してもらおうと躍起になっているほどだ。

Tiger Globalのインドの若い企業への信頼は、過去にさかのぼる。2009年のFlipkart(フリップカート)と2012年のOla(オラ)への投資は、両社がインドの大手投資家からの資金調達に苦戦していた時期に、米国のTiger Globalがインドで事業を展開する際のリスク許容度を示すものだった。

元パートナーのLee Fixel(リー・フィクセル)氏の下で、Tiger Globalは、オンライン食料品店のGrofers(グローファーズ)、物流ベンチャーのDelivery(デリバリー)、ファッションEコマースのMyntra(ミントラ)、フィードリーダーのInShorts(インショーツ)、電動スクーターメーカーのAther Energy(アザーエナジー)、音楽ストリーミングサービスのSaavn(サーブン)、フィンテックのRazorpay(レーザーペイ)、ウェブプロデューサーのTVF(ティーブイエフ)など、若い企業を支援してきた。

何人かのベンチャー企業の創業者たちは、匿名を条件にTiger Globalからの投資を振り返り、Tigerの投資は最初の連絡から2~3週間で完了したと話す。

しかし、2019年の幹部交代でフィクセル氏が離脱した同社は、インドにおける投資のペースを落とし、一時的に主にSaaS系ベンチャー企業にフォーカスを移した。

Tiger Globalとともにいくつかのベンチャー企業に投資してきたあるベンチャー投資家は、率直な意見を述べるために匿名を条件に「最近の状況は変わり、Tiger Globalはこれまで以上に積極的になっている」と語る。

後期段階の企業への投資を続けている同社は、設立数カ月のベンチャー企業への投資機会も模索しているという。

上述の投資家は、Tiger Globalの新しい戦略のもう1つの例としてInfra.Marketを挙げた。Tiger Globalは2019年、まだ設立2年目だったB2BベンチャーであるInfra.Marketに最初に投資をしている。

「Tiger Globalはそれから、このスタートアップ企業が成長できるかどうか、そして他の投資家から投資を引き出せるかを見極めたいと考えました。その年12月、Infra.Marketが約2億ドル(約218億円)の資金を調達すると、その2カ月後、Tiger Globalは評価額10億ドル(約1090億円)で新たなラウンドを完了しました」とその投資家は述べる。

スタートアップ企業にとってはすばらしいことである一方、一部の投資家にとっては課題となっていると2人の投資家が話す。

彼らによれば、Tiger Globalが、業界の他社が太刀打ちできないレベルでスタートアップ企業を評価し、その後のラウンドを主導しない場合、次の資金調達ラウンドに投資できる企業は非常に少なくなるとのこと。

非公開のフォーラムや最近のClubhouseでは、多くの投資家が「一部の投資家が共有している最近の楽観的な見通しが実現するのは難しい」と警告している。ある投資家は「Tiger Globalは2~3年周期で、インドで非常に楽観的な投資を行います。問題は、状況が楽観的でないときに、我々がツケを払う羽目になっていることです」と語った。

「Scott Shleifer(スコット・シュライファー、Tiger Globalのパートナー、上の写真)の下では、状況は変わるかもしれない」と、別の投資家は付け加える。Tiger Globalの最近のインド国外における活動を見ると、いくつかの市場ではより積極的になっているように見える。

Steadview(ステッドビュー)、Prosus Ventures(プロサスベンチャーズ)、Falcon Edge Capital(ファルコンエッジキャピタル)、さらにはGoogle(グーグル)などの企業が、世界第2位の人口を誇るインドへの投資戦略を強化している中で、米国企業であるTiger Globalもインドへの関心を高めている(ある投資家は、最近のClubhouseのセッションで、この投資の狂乱は市場で余っている資本の多さの表れでもあると語っている)。

Credit Suisse(クレディ・スイス)のアナリストは2021年3月、世界第3位のスタートアップ企業の拠点であるインドは、今後数年間で100社のユニコーン企業を生み出す可能性がある、と顧客向けの報告書に書いている。

インド企業の状況は、過去20年間の資金調達、規制、ビジネス環境の著しい変化が重なり、急激な変化を遂げている。さまざまな分野で前例のないペースで新会社が設立され、イノベーションが進んだことで、価値の高い、未上場の企業が急増している。

評価の高い企業の成長の背景には、以下のようなさまざまな要因がある。

(1)1人当たりの資産が少ない経済ではベンチャー企業への投資が不足するのは自然だが、(主に外国の)プライベートエクイティが急増して、過去10年間は毎年、公開市場での取引額を上回るようになった。

(2)携帯電話の普及率、スマートフォンやインターネットの普及率の向上。2005年まではインド人の15%以下しか携帯電話を持っていなかったが、現在では85%に達している。また、安価なデータ通信とスマートフォンの低価格化により、7億人以上の人々がインターネットにアクセスできるようになった(現在の普及率は40%)

(3)深く根差した物理的なインフラの変化。2000年には半分しかなかった舗装道路がほぼすべての居住地に整備され、2001年には54%しかなかった電力供給が全世帯に供給されるようになった。

(4)金融イノベーションが加速している。世界をリードする『インディア・スタック』は、データの可用性の向上にも助けられ、ユニバーサルバンク口座へのアクセス、モバイル、生体認証ID(アドハー)をベースに構築したUPIといった革新的なアプリケーションが備わっている。(5)いくつかの分野でエコシステムが発展し、現在では世界の競合他社に対して競争力を持っている。例えば、テクノロジー(450万人のIT専門家)や製薬・バイオテクノロジー(インド企業のいくつかは、年間2~3億ドル(約218億円~326億円)の研究開発費を確保できる)などが挙げられる。

カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:Tiger Globalインドコラム

画像クレジット:Amanda Gordon / Bloomberg / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Dragonfly)

Tiger Globalが同社最大のベンチャーファンドを約7351億円でクローズ

我々と同じように、資金調達の発表に目を通している人なら、2021年はあることに気づいたかもしれない。多数のメガラウンドが行われている中、Tiger Global(タイガー・グローバル)という投資会社が、その多くに共同リードとして参加しているのだ。

今週だけでも半ダースほどの企業の資金調達で、このニューヨークを本拠とする大手投資会社はリードまたは共同リードを務め、あるいは小切手を切っている。それらの中には、D1 Capital(D1キャピタル)と共同で主導し3億ドル(約332億円)のシリーズCラウンドを行ったHighRadius(ハイラディウス)や、Tiger Globalが主導した延長シリーズCで1億9200万ドル(約212億円)を調達したCityblock Health(シティブロック・ヘルス)、1億2500万ドル(約138億円)のシリーズDラウンドでTiger Globalからフォローオンチェックを受けた6sense(シックスセンス)などがある。さらにTiger Globalは、創業5年目のAIチップメーカーであるGroq(グロック)の3億ドルの資金調達ラウンドを共同リードする交渉を行っているとも報じられている。

関連記事:AI搭載フィンテックソフトウェアのHighRadiusが約340億円調達、評価額を3倍の約3400億円に

その資金がどこから来ているのかと不思議に思う人もいるかも知れない。Tiger Globalは2020年1月に、13番目のベンチャーファンド(迷信的な理由から「XIV」と名付けられた)のために37億5000万ドル(約4146億円)を調達するという手紙を投資家に送ったのだが、新たに米国証券取引委員会に提出された書類によると、この新しいファンドはその2倍近い金額、66億5000万ドル(約7351億円)でクローズしたばかりであることがわかる。

この金額はこの市場においても、またTiger Globalにとっても莫大な数字だ。同社は2020年、12番目のファンドを37億5000万ドルの資本コミットメントでクローズしたばかりだ。

さらなる情報を求め、我々は1月に同社の資金調達計画を取材したが、その際にも記したように、Tiger Globalは潜在的なリミテッドパートナーに対して強力な提案をしているように見えた。

その直近の成果としては、ポートフォリオ企業であるStripe(ストライプ)が2021月3月に6億ドル(約663億円)の資金調達を完了し、評価額を950億ドル(約1兆502億円)に伸ばした。また、Tiger Globalが株式の10%を保有していたゲーム会社のRoblox(ロブロックス)は、直接上場して上場企業となった。同社の時価総額は現在380億ドル(約4兆2050億円)だ。

関連記事:決済サービスStripeが評価額10兆円超で約655億円調達、欧州事業の拡大に注力

2020年には、ポートフォリオ企業の多くが上場するか買収されており、その中には中国の大手化粧品ブランド「Perfect Diary(完美日記)」の親会社で、設立5年を迎えるYatsen Holding(逸仙控股)や、クラウドベースのデータウェアハウス企業であるSnowflake(スノーフレイク)、オハイオ州コロンバスに本社を置く保険会社で6年近く前に設立されたRoot insurance(ルート・インシュアランス)などがある。

M&Aに関しては、2020年はTiger Globalが出資する少なくとも3つの企業が大手ハイテク企業に吸収された。Postmates(ポストメイツ)はUberに26億5000万ドル(約2932億円)で全株式売却。Credit Karma(クレジット・カーマ)はIntuit(インテュイット)へ現金と株式による70億ドル(約7745億円)で売却された。顧客サービスプラットフォームとチャットボットに注力するKustomer(カスタマー)はFacebook(フェイスブック)に10億ドル(約1106億円)で買収されている。

ヘッジファンド運用をルーツとするTiger Globalは、ヘッジファンドのパイオニアであるJulian Robertson(ジュリアン・ロバートソン)氏の下でTiger Management(タイガー・マネジメント)に勤務していたChase Coleman(チェイス・コールマン)氏と、Blackstone Group(ブラックストーン・グループ)に3年間勤務した後、2002年に入社したScott Shleifer(スコット・シュライファー)氏が中心となり、2003年にプライベートエクイティ事業を開始。後にビジネスに大きく貢献することになるLee Fixel(リー・フィクセル)氏が2006年に加わった。

シュライファー氏は中国を、フィクセル氏はインドを担当し、その他のサポートチーム(現在、22名の投資プロフェッショナルが在籍)は、ブラジルやロシアでの案件発掘を支援していたが、その後は米国におけるチャンスをより積極的に狙うようになった。

すべての投資判断は、最終的に3人それぞれが行っていた。フィクセル氏は2019年に退社し、自身の投資会社、Addition(アディション)を起ち上げた。現在はシュライファー氏とコールマン氏のみが会社の意思決定者を務めている。

Tiger Globalの投資家には、政府系ファンド、財団、基金、年金、そして自社の従業員が混在しており、現時点では従業員がまとめて同社の最大の投資家であると考えられている。

Tiger Globalのこれまでの最大の成功例としては、電子商取引大手のJD.comに2億ドル(約221億円)を賭けて50億ドル(約5530億万円)の利益を生み出したことなどが挙げられる。WSJによると、2018年に上場した中国のオンラインサービス・プラットフォーム、Meituan(美団)でも10億ドル(約1106億円)以上の利益を上げている。

また、Tiger GlobalはコネクテッドフィットネスのPeloton(ペロトン)への投資を通じて巨額の利益を得ており、Pelotonが2019年にIPOした時にはその20%を保有していた。

カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:Tiger Global Management投資

画像クレジット:Jeenah Moon/Bloomberg / Getty Images

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(文:Connie Loizos、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Tiger Globalがインドの若いSNSに約190億円規模の投資を検討中

新しいソーシャルネットワークが生まれる余地はないと、誰が言っただろうか?

Tiger Global Managementは設立から7カ月のKutumbに1500万〜2000万ドル(約16億〜22億円)のラウンドを行うための交渉を進めており、インドの新興企業である同社の評価額は約1億7000万ドル(約190億円)になると、この件に詳しい4人がTechCrunchに語った。

米国の投資会社であるTiger GlobalはKutumbに条件を提示したが、シリーズAの取引はまだ終了していないと、関係者の何人かが匿名を条件に語った。いつものことだが、条件が変更されたり、取引が実現しなかったりする可能性もある。

ヒンディー語で「家族」を意味するKutumbは「文化、信条、信念、興味、職業」に基づいてコミュニティをつなぐ「Redditのようなプライベートソーシャルネットワーク」を構築している。

モバイル調査会社のApp Annieによると、このスタートアップの名を冠した6カ月前のKutumbアプリの月間アクティブユーザー数は1100万人を超え、2020年12月の約55万人から増加している(このデータは業界幹部がTechCrunchに伝えたものだ)。

Kutumbは2020年末にSequoia Capital IndiaのSurgeアクセラレーターから資金を調達した際、約1500万ドル(約16億円)の評価を受けた。調査会社のTracxnによると、同社はシードファイナンスラウンドで約250万ドル(約27億円)を調達した。

Tiger Globalはコメントを控えた。またKutumbの共同創業者の1人もコメントに応じなかった。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:KutumbTiger Global Management投資インドSNS

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(文:Manish Singh、翻訳:塚本直樹 / Twitter