健康なサンゴ礁から出る音を死んだサンゴ礁で鳴らすと海域に活気が戻る

ワシントンポスト紙が紹介しているNature Communications誌上の研究論文によると、健康なサンゴ礁から出る音を録音して瀕死のサンゴ礁で鳴らすと良い効果がありそうだ。それはまるでインチキ健康食品の宣伝のようだが、でもこの前の研究では、まわりの魚の種類や個体数が増えて賑やかになると、辛い状況を抱えるサンゴ礁を助けることができた。つまりサンゴが死んでいくだけのネガティブなトレンドを、少し上向きに変えることができそうだ。

英国とオーストラリアの研究者が6週間、グレートバリアリーフのサンゴが死んだ区画の海面下にスピーカーを置き、録音された音を再生した。その音は、サンゴが健康な区画で録られ、生命が栄えているサンゴのコミュニティに特有の音を含んでいた。それは、魚やエビや甲殻類、軟体動物などサンゴ礁の住民たちが作り出す音だ。若い魚はそれらの音を聞いて、そこが自分が落ち着いて自分のコミュニティを作れる場所だと判断する。

研究者たちがスピーカーから流した音によって、死んだ海域であるそこに集まる魚の数がそれまでの倍になった。また、魚種など生物の種類も50%増えた。そして人工的な音に惹かれてサンゴ礁に集まった新住民たちは、そこに定住した。

魚の人口が増えただけでは、死んだサンゴや死にゆくサンゴが生き返ることはなかった。しかし、このテクニックをほかのテクニック、例えば新鮮な珊瑚の移植や、高い海水温に強い珊瑚種の導入などと併用すれば、その死んだ区画に活気がよみがえり、それまで人間がさんざん痛めつけたサンゴたちに命が戻るだろう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

日産自動車曰く、イギリスでは2020年にガソリンスタンドよりEV充電スポットの方が多くなる

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日産自動車が行った最新の調査研究によると、イギリスでは2020年までに、電気自動車のための充電スポットの方がガソリンスタンドよりも数が多くなる、と予測される。2020年というとわずか4年後だから大胆な予言だが、この調査研究がファクターとしているのは、実際に稼働しているガソリンスタンドの近年の減少傾向と、同じく充電スポットの増加傾向だ。

イギリスのガソリンスタンドの減少率は大きい。日産自動車の調査によると、40年前に稼働していたスタンドの75%が今は無く、新設も見られないから、最多だった1970年の37539軒に対し今はわずかに8472軒だ。この率で行けば、2020年のガソリンスタンドの数は7870軒になる。

一方、継続的に増加している充電スポットは、現在はわずか4100箇所だが、現状の増加率を4年後に延ばすと、2020年には7900箇所になる。電気自動車の登録台数も、急速に増加している。メーカーだけでなく政府までもが、排気ガスの少ない車の宣伝に努めており、彼らの数字によると、2016年の前半では13分に1台の率で電気自動車が登録された。

日産自動車がEVのインフラストラクチャの成長を吹きまくるのには理由がある。同社は電気自動車の大量生産車種(LEAF)を最初に作った企業であると自負し、イギリスの都市の通勤者には同社の完全電気自動車が理想のソリューションである、と主張し続けている。

しかし日産ほど強烈な市場動機のない者にとっても、同社の楽観主義は一考に値する。仮にEVインフラストラクチャの支持者がそれほど増えず、またイギリスのような国〔小さな島国〕では長距離ドライブの際の距離をそれほど心配しないとしても、それでも、徐々に多くの車が化石燃料を燃やさなくなるのは、めでたいことだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

BBCが100万人の子どもたちに配布するプログラマブルマイコンボードmicro:bit、いよいよ一般予約の受付を開始

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イギリスの公共サービス放送局BBCが配布する、子どもたちがプログラミングを学ぶための小さなプログラマブルボードが、いよいよ一般公開予約を開始する。当初の配布予定台数は100万台だ。

このmicro:bitと呼ばれるマイコンボードは、Element14のWebサイトで予約を受け付け、配布は7月を予定している。

お値段は、ボードだけなら£12.99(12ポンド99ペンス)、miniUSBとバッテリーパックと4つのプロジェクトアイデア含むスターターキットは£14.99、これら10セットから成る‘BBC micro:bit Club’パックは£140だ。学校のクラスなど、複数の子どもを相手にプログラミング教室を開講する場合は、Clubパックを利用できる。

micro:bitプロジェクトのねらいは、定款により‘放送’だけでなく‘教育’も事業とするBBCの、‘Make it Digital’イニシアチブの一環として、“新世代にプログラミングとデジタル技術による創造力を涵養する”ことだ。デバイスの配布は、当初の100万台以降も継続的に行われる。

このボードは、最初からいろんなセンサーがついていて、センサーに対するプログラミングができることが特徴だ。Bluetoothをはじめ、多様なI/Oも用意されているから、ほかのデバイスやセンサーなどとの接続も容易だ。サポートソフトウェアはWebサイトから提供され、さまざまなコードエディターやチュートリアルを利用できる。

イギリスにはmicro:bitの大先輩、Raspberry Piがいる。これも最初の意図は、子どもたちがプログラミングを自力で学んでいくためのデバイス、だった。その後本格的なプロダクション用途が発達していったRaspberry Piと違ってmicro:bitはもっとシンプルで、メインのターゲットは11歳以上(イギリスの7学年以上)を想定している。

Piは2012年に世に出てから今日まで800万台以上も売れているが、結果的にメインのユーザーは学童ではなく大人のメイカーたちだ。そこでBBCは、micro:bitが伸びる余地がある、と見ている。

Piを子ども向けの教材プラットホームにしようと頑張っているKanoのような企業もいる。これらに対してBBCは、micro:bitはオープンソースであり、売れることより、たくさんの子どもたちのあいだに広まることが目的、としている。

このデバイスの設計や生産に協力したパートナーの数は、とても多い。企画のスタートから学校への配布開始まで1年半もかかったのは、パートナーの数が多すぎたためかもしれない。

いよいよ一般的に可利用となったmicro:bitは、Piのユーザー層よりも若い世代にねらいどおり広まり、多くの子どもたちにプログラミングの能力を育み、‘Raspberry Piの弟’と呼ばれるほどの成功を、果たして収めるだろうか。

 

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

子どもたちはますます、ネット上の情報に騙されやすくなっている…イギリスの調査報告書より

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イギリスでは初等教育の標準カリキュラムにプログラミング教育が含まれるなど、青少年に普遍的にデジタルスキルを身につけさせようとする政府の姿勢がこのところ目立つが、一方イギリスの通信業界を監督するお役所である情報通信庁(Office of Communications, Ofcom)の最新の調査は、それと並行して、情報過剰の現代においては、批判的な思考力をもった子どもたちを育てることが絶対的に必要だ、と示唆している。

現状では、オンラインで消費するメディアをあまりにも過信し騙されやすい若者たちが増加傾向にある、というのだ。Ofcomの調査によると、イギリスの子どもたちは、自分が見ているコンテンツが真実であるか、偏向していないかを、まったく気にしない場合がある。

2015年にイギリスの子どもと親たちを調査したその「メディアの利用と態度に関する調査報告書」は、オンライン情報に対する子どもたちの信頼や信用が上がっていることを示している。8〜15歳の層では10人に一人が、ソーシャルメディアのWebサイトやアプリで見る情報を“すべて真実”と信じているようだ。この10%という率は、昨年の調査から倍増している。

その原因の一つとして、近年ではますます、サイト本来のコンテンツとマーケティングや広告のためのコンテンツの境界が、曖昧になっていることが挙げられる。また企業は、Facebookなど広告に支えられている大手ソーシャルメディアが日々大量に生み出すユーザ生成情報を、広告などのマーケティングコンテンツをユーザの心に点滴するための、‘信用の支え’として利用している(例: だれだれさんがxxxと言ってる…)。

しかし、子どもたちに、彼らに供給されるデジタル情報に関してもっと批判的であれ、と教えるべき理由は、ほかにもある。必ずしも、政府がそれを重視しているから重要なのではない。たとえばソーシャルメディアマーケティングの技法を無料で教える、と称するオンラインのコースがある。デジタルビジネスは、そんなスキルのある人材を必要としている。しかしそんな教科の中に、メディアリテラシはないだろう。

ふつうのコンテンツのふりをしたマーケティングコンテンツが、ますます粗製濫造される。正しく教育すべき対象は、情報の受け手である子どもたちだけではない。

Ofcomの調査によると、12〜15歳層のなんと5人に一人(20%)が、GoogleやBingなどの検索エンジンが返す情報が絶対に真実だと信じている。しかし検索結果の中にある有料の広告を見分けられる者は、わずかに1/3だった。

Ofcomの調査結果は、YouTubeがイギリスの子どもたちをますます虜(とりこ)にしていることも、示している。YouTubeもまた、広告の巨人Googleの保有企業だ。子どもたちはYouTubeを、今世界で起こっていることを知るための“真実で正確な情報”として利用している。子どもたちの8%近くが、YouTubeをそんな情報を得るための場所、と見なしている。2014年の調査では、そんな子どもたちの率はわずかに3%だった。

しかしYouTubeが広告収入で成り立っていることを知っているのは、その12〜15歳層の半分にすぎない。また、ビデオブロガーが製品やサービスを推奨してお金をもらっていることを知っているのは、半分弱だ。

現代は、マーケティングと意図的な誤報(真実らしく見せるマーケティング情報)の黄金時代だ。

この調査は、イギリスの若者たちが、個人情報をオンラインで共有することに対し、ますます平気になりつつあることも、示している。そもそも、ユーザ情報を(ターゲット広告のために)広告主に売ることが重要な経営基盤であるソーシャルメディアが、そんな風潮を作り出してしまったのだ。

調査報告書は、自分の位置情報や、趣味、自分の写真やビデオなどを、友だちなど他人に見られたくないと思うティーンが昨年に比べて少ない、と述べている。

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ただし、これらの個人情報を誰となら共有するか、という問に対しては、「友だちだけ」という答が昨年より増えている。それはおそらく、最近の子どもたちはメッセージングアプリによる少人数の共有の機会が多く、反比例的に、オーディエンスが多くて親が見ているかもしれないソーシャルメディア上の共有が、減っているためかもしれない。

Ofcomの今年の「メディアの利用と態度に関する調査報告書」は、ここで見られる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

いよいよクラウドファンディングが“寄付”から“投資”へと大人になる…SECのReg A+規則で

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クラウドファンディングが、これまでよりもおもしろくなってきた。SECのレギュレーションA+(Regulation A+)によると、本日より企業は、一定の法と規範を守ることを条件に、クラウドファンディングで資金を調達できることになった*。〔*: これまでの米クラウドファンディングの法的定義は“寄付”。リターンがない。〕

SECのMary Jo White議長は2015年3月25日付のプレスリリースで、“これらの新しい規則は、資本調達への効果的で実行可能な経路を与え、また、強力な投資家保護をも提供する”、と述べている。“この規則によって小企業の資本調達がより容易になるための方策を、当委員会が継続的に探究していくことが、とくに重要である”、との言葉もある。

SECによると、新しい規則には二つの層がある:

層1 “12か月間に最大2000万ドルまでの株式を提供し、発行者の協力関係者が保有する株式の売り提供が600万ドルを超えないもの”。

層2 “12か月間に最大5000万ドルまでの株式を提供し、発行者の協力関係者が保有する株式の売り提供が1500万ドルを超えないもの”。

共に要件は似ているが、層2では情報開示の要請がより厳しい。

SECの新規則にかねてから注目していたIndiegogoのSlava Rubin CEOは、大きな可能性を感じている:

“われわれはSECの新しい株式クラウドファンディングの規則に、尻を押されているような気分だ。それによってスタートアップや小企業はより多くの資金を確保でき、同時により強力な投資家保護を提供できる。うちのビジネスモデルで株式クラウドファンディングが演ずる役割について、継続的に探究していきたい”。

実際にはどんな仕組みか? 株式発行に関する法的手続きを終えた者は、この新しいSEC規則の下(もと)で、Kickstarter的なキャンペーンにより、株式を売ることを“テスト”できる。テストというのは、投資するかもしれない者が関心を示すが、まだ実際に株式を買わない…単純に言うとそれは、投資の可能性のある人たちが集まったメーリングリストを作ることだ。そのリストが集まったら、ブローカーのライセンスを持っているディーラーに頼んで、それらの投資家に株を売り始める。

Kickstarterで実際に株を売るわけではないから、この場合は一種のKickstarter-liteだ。法を順守しながら、太鼓をドンドンと叩いて関心を喚起するのだ。利口なマーケターなら、この段階であなたのプロジェクトの真価を嗅ぎ分けるだろう。

イギリスとEUでも同様の規則が作られつつあるから、この株式クラウドファンディングを使って標準的な投資の世界をバイパスする動きが、どこまで広まるか、興味津々だ。SECのプレスリリースの全文を、以下に引用しよう:

〔以下、英文ママ〕

FACT SHEET

Regulation A+

SEC Open Meeting

March 25, 2015

Highlights of the Final Rules

The final rules, often referred to as Regulation A+, would implement Title IV of the JOBS Act and provide for two tiers of offerings:

Tier 1, which would consist of securities offerings of up to $20 million in a 12-month period, with not more than $6 million in offers by selling security-holders that are affiliates of the issuer。
Tier 2, which would consist of securities offerings of up to $50 million in a 12-month period, with not more than $15 million in offers by selling security-holders that are affiliates of the issuer。
In addition to the limits on secondary sales by affiliates, the rules also limit sales by all selling security-holders to no more than 30 percent of a particular offering in the issuer’s initial Regulation A offering and subsequent Regulation A offerings for the first 12 months following the initial offering。
For offerings of up to $20 million, the issuer could elect whether to proceed under Tier 1 or Tier 2. Both tiers would be subject to basic requirements as to issuer eligibility, disclosure, and other matters, drawn from the current provisions of Regulation A. Both tiers would also permit companies to submit draft offering statements for non‑public review by Commission staff before filing, permit the continued use of solicitation materials after filing the offering statement, require the electronic filing of offering materials and otherwise align Regulation A with current practice for registered offerings。
Additional Tier 2 Requirements

In addition to these basic requirements, companies conducting Tier 2 offerings would be subject to other requirements, including:

A requirement to provide audited financial statements。
A requirement to file annual, semiannual and current event reports。
A limitation on the amount of securities non-accredited investors can purchase in a Tier 2 offering of no more than 10 percent of the greater of the investor’s annual income or net worth。
The staff would also conduct a study and submit a report to the Commission on the impact of both the Tier 1 and Tier 2 offerings on capital formation and investor protection no later than five years following the adoption of the amendments to Regulation A。
The Commission is exploring ways to further collaborate with state regulators, including a program for a representative of NASAA or a state securities regulator to work with the staff in the SEC’s Division of Corporation Finance in implementing these rules。
Eligibility

The exemption would be limited to companies organized in and with their principal place of business in the United States or Canada. The exemption would not be available to companies that:

Are already SEC reporting companies and certain investment companies。
Have no specific business plan or purpose or have indicated their business plan is to engage in a merger or acquisition with an unidentified company。
Are seeking to offer and sell asset-backed securities or fractional undivided interests in oil, gas or other mineral rights。
Have been subject to any order of the Commission under Exchange Act Section 12(j) entered within the past five years。
Have not filed ongoing reports required by the rules during the preceding two years。
Are disqualified under the “bad actor” disqualification rules。
The rules exempt securities in a Tier 2 offering from the mandatory registration requirements of Exchange Act Section 12(g) if the issuer meets all of the following conditions:

Engages services from a transfer agent registered with the Commission。
Remains subject to a Tier 2 reporting obligation。
Is current in its annual and semiannual reporting at fiscal year-end。
Has a public float of less than $75 million as of the last business day of its most recently completed semiannual period, or, in the absence of a public float, had annual revenues of less than $50 million as of its most recently completed fiscal year。
An issuer that exceeds the dollar and Section 12(g) registration thresholds would have a two-year transition period before it must register its class of securities, provided it timely files all of its ongoing reports required under Regulation A。
Preemption of Blue Sky Law

In light of the total package of investor protections included in amended Regulation A, the rules provide for the preemption of state securities law registration and qualification requirements for securities offered or sold to “qualified purchasers,” defined to be any person to whom securities are offered or sold under a Tier 2 offering。
Background

Under the Securities Act of 1933, when a company offers or sells securities to potential investors, it must either register the offer and sale or rely on an exemption from registration. Regulation A is a longstanding exemption from registration that permits unregistered public offerings of up to $5 million of securities in any 12-month period, including no more than $1.5 million of securities offered by security-holders of the company. In recent years, Regulation A offerings have been relatively rare in comparison to offerings conducted in reliance on other Securities Act exemptions or on a registered basis。
The JOBS Act amended the Securities Act to require the Commission to update and expand the Regulation A exemption. In particular, the JOBS Act directed the Commission to:

Adopt rules that would allow offerings of up to $50 million of securities within a 12-month period。
Require companies conducting such offerings to file annual audited financial statements with the SEC。
Adopt additional requirements and conditions that the Commission determines necessary。
Effective Date for Regulation A+

The rule amendments become effective 60 days after publication in the Federal Register.

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa