Y CombinatorのW20デモデーに参加したスタートアップ(消費者向け事業)

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に対する懸念が高まる中、Y Combinator(Yコンビネーター)はこれまで慣れ親しんできた2日間にわたる米国サンフランシスコでの会合からイベントの開催方式を切り替え、デモデーのウェブサイトを通じて、招待された投資家とメディアにクラス全体を同時公開する方法で開催することを決定した。

さらに驚きなのが、投資家の動きが加速してきた事実を受け、YCがデモデー開催日を1週間前倒しにしたことだ。このため、デモデーのウェブサイトに録画したプレゼンを掲載するというプランは変更せざるをえなくなり、各事業は代わりにスライドに事業概要、今後の見通し、チームの経歴などの説明をまとめてプレゼンを行った。急速に進化する投資環境と相まって、この新たなスタイルがこのクラスにどのように影響するかは今のところはわからない。

プレゼンやウェブサイトのほか、場合によっては以前の記事から収集した情報をもとに、我々が集めたそれぞれのクラスの各事業のメモをまとめてみた。

読みやすさを優先し、全事業をすべて羅列するのではなくカテゴリー別にまとめている。以下は消費者向けの商品またはサービスの販売に焦点を当てた事業だ。そのほかのカテゴリー(ハードウェア、AI、フィンテックなど)に関してはこちらから読むことができる。

消費者向け事業

Apartio
Apart出張者をターゲットにした長期・短期レンタルサービスだ。同社はブラジルを訪問する従業員のいる企業をターゲットにして、AirbnbとBooking.comで直接旅行者を顧客とする予定だ。

Valienta
Valientaは中南米諸国での直接販売ネットワークプロセスの簡素化を目的としたソフトウェアだ。直接販売市場は270億ドル相当(2兆9100億円相当)を占めており、中南米では大きなチャンスと言える。1300万人の直接販売者は、主に個人的なネットワークに転売する女性達である。例えば米国のAvonレディのように、Valientaはこのプロセスを単一のアプリで近代化したいと考えている。

Trustle
子どもが夜寝てくれない時やかんしゃくを起こす時、途方もなく感じてしまうのが子育てだ。Trustleは保護者に向けた月額50ドル(5400円相当)のサブスクリプションで、育児と児童発達の専門家にいつでもアクセスできるサービスだ。創設者によると、インターネット上には育児に関する相反したアドバイスや意見が無数に飛び交っており、答えを求めて延々とグーグル検索を続けても、良い意見を得られることは少ないと言う。また、Trustleはほかの問題点も解決したいと考えている。児童発達における修士号を有する約18万人の幼稚園教師の年収は平均35000ドル(約380万円)と言われており、驚くほどに多くの専門知識が過小評価され、活用されていないことを示している。Trustleはこの2つの問題を結ぶシステムを築くことにより、保護者が子どもの認知、社会、感情、行動における発達について学び実行できるようにしたいと考えている。創設チームには、Google for Education反響部門の元トップ、臨床児童心理学者、およびEdTechスタートアップの元創設者が含まれている。

Viya
Viyaはモバイルファーストの中南米市場向けアパートレンタルシステムだ。テナントの生活を簡素化することを目的とし、クリーニング、メンテナンス、ランドリーサービスと併せて市内中心部の部屋やアパートのリースを提供している。

Jamiphy
Jamiphyのプレゼンは「ミュージシャン用のTikTok」とシンプルだ。世界中で相次ぐライブイベントの閉鎖に伴い、同スタートアップはミュージシャンらにショートビデオのライブミュージックを共有する場を提供するという潜在的な市場を得たと言える。同社は今月初めにインドネシアで事業を立ち上げている。

Breezeful
Breezefulは機械学習を用いて、顧客の住む地域で最良の住宅ローンを見つけてくれるサービスだ。同社が顧客に代わって貸し手と交渉し、取引が成立したときに貸し手から仲介手数料を得るシステムだ。9週間前のローンチ以来、7000ドル(約976万円)の収益を上げている。

Modern Village
Modern Villageは忙しい家庭の「補佐官」になれたらと考えている。月額30ドル(約3300円)で育児、掃除、食料品の買い物、食事などにおける計画を担う。このサービスにより利用者は1週間に約10時間を節約できると同社は見積もっている。現在はプライベートベータ版で運営中。

LegionFarm
eスポーツコーチング。Legionfarmは1時間毎の利用量を払うことで、『Apex Legends』『Destiny 2』『Fortnite』などのゲームの指導を一流プレイヤーやプロゲーマーから受けられるサービスだ。同社によれば、昨年だけでも35万時間以上のコーチング(プレイヤーの支払いは1時間あたり平均約16ドル(約1700円)と720万ドル(約7.8億円)のARR(年間収益予測値)を達成したとの事だ。Legionfarmに関しては以前にもこの記事で伝えている。

StayQrious
8〜15歳のインドの子供向けオンライングループクラス(コーディングクラスから開始)。同社によると、3か月前のローンチ以来生徒の定着率は90%に達している。

Yukstay
インドネシアでの長期レンタルを促進するプラットフォーム。仲介業者が新規物件を掲載し、顧客が閲覧と予約をできるシステムだ。同社によれば、3月の総収入は17万ドル(1850万円相当)になる見込みだ。

Refund Giant
多くの人は知らないが、英国への訪問者は出国時にVAT(付加価値税)還付を得られる。これをサポートするのがRefund Giantだ。ユーザーが領収書の写真をアップロードするとRefundGiantがすべての事務処理を行い、還付金額の25%が引かれるシステムだ。

Sayana
チャットボットのようなインターフェースを使用して、ユーザーが自身の感情の変化を記録できるようにするサブスクリプションベースのメンタルウェルネスアプリ。マインドフルネスにおけるアドバイス等を提供する。現在毎月の売上は約15000ドル(約163万円)で、月間で25%の成長率を達成している。

HelpNow
HelpNowはAHA認定のトレーニングと基本的な生命維持装置をUberドライバーに提供し彼らを活用することで、インドで救急車が到着するまでに必要な時間を短縮しようとする試みだ。ムンバイには347台の車両が存在し、9100件以上の支援の要請に対応した。創設者の1人の父親が心臓発作を起こし、45分以上救急車を待つことになると告げられたことをきっかけに同社が設立された。自分たちの車で病院へ運ぶことを選択し、幸いにも創業者の父親は一命を取りとめている。

Global Belly
インフルエンサーによるカスタムブランド製品を開発、販売する事業。ベーキングキットやレシピボックスなど、食品関連に焦点を当てた製品を皮切りに開始した。同社によれば、現在プラットフォームには17人のインフルエンサーがおり、今後200人のインフルエンサーが追加される予定だ。現在月間収益は約25000ドル(約272万円)を達成している。

Whatnot
プロによって認証された収集品を売買するための市場。FunkoPopフィギュアを皮切りに開始した。GOATの収集品版のようなものだ。同社によれば、GMV(流通総額)はローンチ後約3か月で月額3万ドル(約326万円)を上げているという。Whatnotについて以前書かれた記事はこちら

Pantheon
Science Bowlや英国のUniversity Challengeのような、大学生に向けた知識ベースのクイズショーイベントをモデルとしたPantheon。中高の生徒が集い競い合うだけでなく、同じような趣味を持つ仲間と出会って井戸端会議もできるアプリである。また、大学や企業が有望な候補者を見つけることができる一種の「採用」プラットフォームとしても機能する。

Glimpse
新型コロナウイルスの蔓延を遅らせるため自主隔離を行なっている最中、1人で過ごす孤独な時間を少しでも和らげることができるアプリがこれだ。Glimpseを使用すると、友達や友達の友達と2分未満の短いビデオチャットをセットアップできる。Instagramを無制限にスクロールするような受動的なものではなく、1日中費やす会議よりも短時間の対話のほうが価値を感じる場合がある。

Multiverse
独自のロールプレイングゲームを構築できるプラットフォーム。『Dungeons & Dragons』のようなオープンエンドのゲームやRobloxなどDIYのゲーム構築サイトに着想を得て設立された。

Nugget
ずばり「オーディオ版Instagram」。ユーザーは短いオーディオクリップを録音し、フィルターを適用してサウンドをアレンジし、ソーシャルフィードで共有することができる。自発的なスナップショット型のポッドキャスティングは、間違いなく我々の時代に合ったアプリと言えるだろう。

Together
Facebookはプライバシーにおいては改善されるべき点が多い。ユーザーのプライバシーを確保するため、Togetherはそのギャップを有料のソーシャルメディアアプリで埋めることを目指している。

Zelos
Zelosではゲーマーが無料で複数のビデオゲームにおいて報酬を獲得することができる。毎週32000人のプレイヤーがチャレンジを完了し(1分間に3人のキルを達成など)、バーチャルグッズ、割引、ガチャなどと交換できるポイントを獲得している。より多くのエンゲージメントを求めるゲーム開発者には、Zelosと統合することにより、ポイントスコアリングを高速化し開発者と分割する月額5ドル(約540円)のプレミアムサブスクリプションも用意している。

The Mercer Club
The Mercer Clubは高級ストリートウェアとシューズのメンズ向けレンタルサービスだ。月額75ドル(約8000円)を支払うと顧客は毎週2点までのアイテムを借りることができる。Instagramで1度着るだけのために10万円のグッチのパーカーを買う必要がなくなるというわけだ。「メンズ向けRent The Runway」の同事業モデルはすでにARR10万ドル(約1080万円)にまで成長している。

Adla
Adlaは試着してから購入できる服が詰められた箱を大学生の女の子に送り、購入したくない残りの服を受け取りに来るというサービスだ。同社はキャンパスコミュニティでの人口密度と人気の広がり早さで利益を伸ばしている。アイテムごとに7ドル(約760円)のマージンを請求し、最終的には顧客ベースを活性化させたいブランドを推奨することでコミッションを獲得したいと考えている。

Virgil Insurance
Virgil Insurance は65歳になる高齢者がメディケアの助成を受けた健康保険を購入するのを支援するサービスだ。オンラインブローカーを使用すれば、プランを簡単に比較することができ、コールセンターで延々と待たされることもない。毎日1万人の米国人が65歳を迎えるため、保険ブローカーは年間60億ドル(約6500億円)の手数料を稼いでいる。創設者らは以前に、サブスクリプションをキャンセルするためのTrimや、パワースポーツ車両購入のための資金調達をするOctane Lendingなどのフィンテックスタートアップを立ち上げた経歴を持つ。

Art in Res
Art In Resは、顧客が作品を予約購入できるファインアートのためのマーケットプレイスだ。同スタートアップは販売数よりも生産数の方が多いアーティストを登録し、割引や分割払いの価格付けや、ソーシャルメディアのフォロワーを収益化するためのツールを提供する。生計を立てるためにコーディングを学んだ画家としての過去を持つArt In Resの共同創設者は、現在新しいeコマースチャネルを探している125人のアーティストと提携している。

Hideout
米国のレストラン事業は8600億ドル(約93兆円)の市場であるが、全売上の59%はミレニアル世代によるもので、テイクアウトまたは配達用であるとHideoutは述べている。同スタートアップはデリバリーに特化したレストランブランドのポートフォリオを構築しており、日本のカツサンドやオーガニックボウルのブランドを皮切りに、イタリアのサブサンドや弁当ボックスに焦点を当てたコンセプトにも着手する予定だ。

Duffl
Dufflは大学生の「今すぐ欲しい」リアルタイムでの必需品需要をターゲットとし、10分以内にアイテムを届けるというサービスだ。キャンパス付近に学生が頻繁に購入する商品を保管し、学生を雇って電動スクーターで商品を届けるというものだ。収益は配送料のほか、大量購入によるマージンによって捻出されている。

Thunderpod
フィットネスを餌とするたまごっちのようなアプリ。各ユーザーはThunderpodアバターを取得し、アクティビティを実行するごとにそれが成長する仕組みだ。アプリはユーザーの動きを記録し、友達とフィットネスチャレンジで対戦したり、ユーザーが作成したダンスなどのフィットネスチャレンジの莫大なカタログから試すことも可能。インドで急成長中のテクノロジー市場から誕生した、増え続ける消費者向けソーシャルアプリの1つだ。

Carupi
中古車のP2Pマーケットプレイスを開発したCarupiはブラジルで事業を開始した。2021年の第1四半期までに米国に進出する予定だ。

Motion
MotionのチームはChromeユーザーがウェブ上での時間をより効率的に管理できるようにする拡張機能を構築している。より柔軟な構造を持つ同ツールは、単純なブラックリストやホワイトリストの域を超え、ユーザーがサイトを「非生産的」と指定することにより徐々に習慣を変えていくというものだ。現在このツールは無料で使用できるが、消費者に広く受け入れられるようになった後、より広範なB2B戦略に発展させることを望んでいる。

Cron
CronはGoogleカレンダーのための「超人」を構築している。Cronの共同創設者であるRaphael Schaadは以前、オリジナルのiA Writerアプリの作成に貢献した経験を持つ。彼の新しいスタートアップはGoogleカレンダーのパワーユーザーに月額19ドル(約2000円)をチャージし、ワークフローをクリーンアップしたり、ほかの生産性アプリと統合したりできる追加のパワー機能を提供する。

Moons
中南米版のSmileDirectClubとして自身を説明するMoons。2019年3月のローンチ以来、矯正治療とクリアアライナーを提供しており、SmileDirectClubの半額の価格であると主張している。同社の月間売上高は60万ドル(約6500万円)で、15の店舗で200人以上の人材を雇用している。Moonsについて以前書かれた記事はこちら

Chutney
インドの増加し続けるオンラインユーザー人口をターゲットとして、Chutneyは「インドにおける大衆市場向けのAmazon」になりたいと考えている。顧客はWhatsAppを使用して近くの小規模な店から新鮮な果物や野菜を購入し、翌日ピックアップするというものだ。

Yassir
Yassirはフランス語圏のアフリカ向けにデザインされたアプリだ。29か国に住む4億3000万人と推定される人口に一連の金融サービスを提供したいと考えている。

EduRev
試験勉強をしている2億人のインド人学生を対象とするエドテック企業がEduRevだ。試験準備プラットフォームのサブスクリプション費用は年間50ドル(約5400円)で、月毎のアクティブユーザーは45万人を超える。放課後の塾の代わりにと開発されたEduRevのアプリでは、生徒達にデジタル形式の受験コースを提供している。

Riya Collective
インドのウェディング衣装は高価なため、Riya Collectiveはウェディングに特化したRent The Runwayスタイルの事業をローンチした。2人のインド系米国人起業家によって設立された衣料品レンタルの同スタートアップは、データ駆動型のスタイリングおよびサイジングアルゴリズムを使用。同社の収益は3か月で月1万ドル(約110万円)から月5万ドル(約540万円)に成長している。

TagMango
「インド版Cameo」と言えるTagMangoは、トップインフルエンサーや有名人からのパーソナライズされたビデオメッセージを予約し購入できるというもの。同スタートアップは、単純に言えばボリウッドをよりインタラクティブで身近にすることで利益を得るという目論見だ。同社は1ビデオあたり平均20ドル(約2150円)をチャージしている。

FitnessAI
1万8000人の有料ユーザーを誇るFitnessAIは、パーソナライズされたウエイトトレーニングプランを提供している。創設者Jake Morは、10年間にわたるアプリ制作の経験を持ち、フィットネスアプリ制作に関しては4年の歳月をかけている。年間費用は90ドル(約9700円)となっている。FitnessAIについて以前書かれた記事はこちら

GiveAway
12か月前に設立されたGiveAwayは、中古品を提供するP2Pマーケットプレイスを構築している。5か国にまたがるユーザーベースで17万件を超える取引を成立させている。従来の市場とは異なり、ユーザーは入札を通じて仮想通貨で商品を購入する仕組みだ。

Deep Meditate
Deep Meditateでは個人に合わせたメディテーション(瞑想)のトレーニングを年額26ドル(約2800円)で提供している。同アプリは現在、月間15万8000人のアクティブユーザーを獲得している。

Pahamify
インドネシアのYouTubeサイエンスインフルエンサーによって設立されたPahamifyは、インドネシアの学生の大学入試をサポートするアプリだ。同スタートアップは従来の対面式個人指導などとは異なる指導方法を提案している。同社によると、年間約24ドル(約2600円)の同サービスは月間約6万5000人のユーザーを獲得している。

Edlyft
大学でコンピューターサイエンスを専攻した2人の高校の元同級生が、大学卒業後ベイエリアで再会したことから設立された同社。コンピューターサイエンスを勉強した経験がないものの、今後専攻したりキャリアにしたりしていきたいと思っている大学生を、メンターネットワークやチューターを通して支援するというものだ。

Y CombinatorのW20デモデーに参加したスタートアップ(ヘルスケア、バイオテック、フィンテック、非営利団体)

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に対する懸念が高まる中、Y Combinator(Yコンビネーター)はこれまで慣れ親しんできた2日間にわたる米国サンフランシスコでの会合からイベントの開催方式を切り替え、デモデーのウェブサイトを通じて、招待された投資家とメディアにクラス全体を同時公開する方法で開催することを決定した。

さらに驚きなのが、投資家の動きが加速してきた事実を受け、YCがデモデー開催日を1週間前倒しにしたことだ。このため、デモデーのウェブサイトに録画したプレゼンを掲載するというプランは変更せざるをえなくなり、各事業は代わりにスライドに事業概要、今後の見通し、チームの経歴などの説明をまとめてプレゼンを行った。急速に進化する投資環境と相まって、この新たなスタイルがこのクラスにどのように影響するかは今のところはわからない。

プレゼンやウェブサイトのほか、場合によっては以前の記事から収集した情報をもとに、我々が集めたそれぞれのクラスの各事業のメモをまとめてみた。

読みやすさを優先し、全事業をすべて羅列するのではなくカテゴリー別にまとめている。今回はヘルスケア、バイオテック、フィンテック、非営利団体だ。ほかのカテゴリー(B2B、コンシューマー、ロボティクスなど)に関してはこちらから読むことができる。

ヘルスケアとバイオテック

Simple Strips
専用の血糖値計を必要とせず、スマートフォンのカメラで読み取り可能なストリップを開発し、グルコース検査を安価により多くの人に提供することを目指している。同社は6月にこのストリップのFDAの認可申請を行う予定とのこと。

nplex biosciences
新薬開発に必要なタンパク質パネルの評価を迅速、安価に実施する方法を提供。大手製薬会社を含め400万ドル(約4万3千円)以上の基本合意書が予定されている。

Healthlane
アフリカのユーザー向けに医師とのコミュニケーション、予約、検査結果の追跡を支援するアプリ。すでに採算が取れており、顧客定着率は98%とのこと。

Breathe Well-being
インドの慢性疾患(糖尿病など)のあるユーザー向けに減量をサポートする16週間のプログラム。同社は体重、食事、活動などを記録し、認知行動療法でストレス軽減の指導を行う糖尿病の個人指導を提供する。現在のMRR(月間定額収益)は1万1200ドル(約120万円)。

Dropprint Genomics
個々の細胞活動の解析時間とコストを削減できる「シングルセルゲノミクス」ソフトウェアで創薬を支援。同社は2か月で100万ドル(約1億840万円)以上の基本合意書を締結した。

Newman’s
インドネシアの男性向けデジタル診療所。同社は恥ずかしく感じる悩み(毛髪の悩み、勃起不全)や途中で放棄されることが多い問題(禁煙)に特化し、遠隔受診を通じてより容易、安価、内密に診断を受けることを可能にする。Newman’sについて以前書かれた記事はこちら

Menten AI
同社は「量子コンピューティングと機械学習」を合成生物学と組み合せて新しいタンパク質性製剤を開発しているという。

Loop Health
Loop Healthによるとインドの健康保険の大半が「入院のみカバー、通院は適用外」である。同社は専用の「Loop Healthクリニック」への無制限のアクセスとアプリを利用した遠隔医療を提供し、この状況の改善を目指している。

Synapsica Healthcare
「AIレポート作成アシスタント」。現在脊椎MRIに注力している同社では、測定の注釈と椎間板変性症の所見を自動的に行うことで放射線医師のレポート作成時間の80%を削減する。同社によれば現在10万ドル(約1083万円)を投資した放射線医学でのパイロットプログラムは250のカイロプラクティック・クリニックに選ばれているとのこと。

Volumetric
Volumetricは血管新生化されたヒト組織を作成する3Dバイオプリンターを製造している。2人の博士により創設された同社は製薬会社や科学者向けに感光性組織を販売している。同社は機能性組織、さらには臓器まで生成できるバイオプリンターとバイオインクの製造に資金を投じている。Volumetricについて以前書かれた記事はこちら

Ophelia
Opheliaは米国の300万人のオピオイド依存症患者に遠隔医療でリハビリの代替治療を提供している。同システムでは、患者は遠隔医療で受診し、発行された処方箋でブプレノルフィン/ナロキソンなどの治療薬を配達してもらい、偏見にさらされることなく治療を受けられる。創設者は長年のガールフレンドがオピオイド依存症で亡くなった後、同社を立ち上げた。Opheliaはこれまでに40人の患者の治療に当たってきた。

Lilia
「将来、女性は卒業記念に卵子凍結するだろう」と主張するLiliaは、卵子凍結保存コンシェルジェ・サービスだ。このスタートアップ企業はコンシェルジュサービスに500ドル(約5万4千円)、クリニックでの体外受精時にさらに500ドル(約5万4千円)の支払いを受ける。Liliaによれば総市場規模は330億ドル(約3兆5760億円)だという。

Equator Therapeutics
同社はエクササイズをすることなくカロリー燃焼を手助けする薬品を開発している。アンチエイジング薬品を開発する企業での経歴を持つ2人の博士とデータサイエンティストによって創設されたEquator Therapeuticsは、肥満と2型糖尿病の人々をターゲットにしている。

Altay Therapeutics
サンフランシスコのBayer Collaborator内にあるAltay Therapeuticsは、病気を引き起こすDNA結合タンパク質(転写調節因子)をブロックする小分子療法を開発した。同社の初回治療は関節炎、線維症、潰瘍性大腸炎、肝癌に焦点を合わせている。

Tambua Health
Tambua Healthは「耳で聞く」聴診器と高度なイメージングが可能な独自のソフトウェアを使って、X線を照射することなく肺を画像化する。

Abalone Bio
ライフサイエンス領域のシリアルアントレプレナーによって創設されたAbalone Bioは、数十億の抗体バリアントを発現する酵母細胞のライブラリを使って、薬品の対象を活性化したり阻害できる特定の抗体を生成している。遺伝子配列、機械学習、合成生物学を活用して抗体の組み換えタンパク質を作成し、その有効性をヒト細胞アッセイで確認している。同社は痛み、炎症性疾患、希少癌、希少腎臓病の治療薬を皮切りとしてターゲットにしている。

Felix Biotechnology
イェール大学の著名な研究者であるPaul Turner氏によって創設されたFelix Biotechnologiesは、抗生物質の効かないバクテリアと菌類に対する治療法を開発している。同社によると、これらの病原体は米国だけで毎年280万件の感染症例と3万5000件の死亡例を引き起こしている。平均すれば、米国で15分に1人が抗生物質抵抗性の感染症により死亡していることになる。2050年までに抗生物質抵抗性による死亡者は癌による死亡者を上回るとの警告が、すでに研究者から出されている。

Genecis Bioindustries
同社は食品廃棄物を生分解性プラスチックに変えている。Genecisについて以前書かれた記事はこちら

Candid Health
Candid Healthは保険会社への手続きを行い拒絶された申請に自動的に不服申し立てを行う、ヘルスケア業界向けの自動請求ソフトウェアを開発した。同社は支払いの5%を徴収する。

Ochre Bio
Ochreによれば臓器提供された肝臓はその数が不足しているにも関わらず多くが廃棄されているらしい。脂肪が多すぎて移植が成功しないためだ。同社は移植の前に処置を施す方法を見つけることで「肝臓を体外で若返らせる」ことを目指している。

フィンテック

Facio
ブラジルの銀行は問題を抱えている。五大銀行が市場を寡占しており、手続きは遅くカスタマーサービスは最悪で、実質金利は高く中小企業は相手にしない。Facioは負債の餌食になることから労働者を守り、従業員向けの低金利の短期ローンで経済的自由を提供することを目指している。これは雇用者と一体になって給与から直接ローン返済額を天引きする仕組みだ。

delt.ai
Delt.aiはサービスを受けにくいメキシコの中小企業とフリーランス向けに支払い、請求、コーポレートカードを取り扱うデジタル銀行だ。このスタートアップはラテンアメリカの500憶ドル(約5兆4190億円)を上回る企業預金市場をターゲットにしている。Delt.aiはラテンアメリカをターゲットにしたBrexやMercuryだ。

Nexu
ラテンアメリカのほかの多くのパーソナルファイナンス業務と同様に、自動車金融は割高でローテクな、気の遠くなる手続きだ。ラテンアメリカの自動車販売代理店向けファイナンス・プラットフォームであるNexuは、動的な信用評価を使って自動車購入者にわずか数秒でローンの承認を与える。創設者チームの出会いは、ウォートン校のMBA在学中だった。

Fondeadora
Fondeadoraは飽和状態のメキシコのフィンテックシーンに、従来の銀行に代わるネオバンクデビットカードで参入する。同社はアプリで取引ができる完全モバイルのデジタル預金口座を提供する。同社には6万5000人のユーザーと650万ドル(約7億450万円)の月間取引がある。メキシコのもう一つのデビットカードであるAlboは、現在、プラットフォーム上で取引を行う月間20万人のアクティブカスタマーのシェアを持ち、2600万ドル(約28億1780万円)の資金を調達している。メキシコの銀行は、複数のスタートアップを大成させるのに十分な問題を抱えている。メキシコの人口1憶3000万人の45%は銀行口座を持たない。つまり借入と貯蓄により資産を形成するための金融商品を持たないのだ。

Jenfi
アジアの小規模事業に収益に応じて通常1万ドル~10万ドル(約108万円〜約1080万円)の資金を貸し出している。Jenfiに関しては以前にもこの記事で伝えている。

yBANQ
インドの大規模B2B企業向け代金回収・会計調整システム。同社によれば1月下旬の立ち上げからすでに18社の顧客を獲得し、流通取引総額は約1万8000ドル(約195万円)に達している。

ZeFi
米ドルによる預金と「ステーブルコイン」暗号通貨を内部的に換金する預金口座。ZeFiが換金された資金を貸し付けて利息を得る仕組みだ。

Grain
Grainは既存のデビットカードを「責任のある」クレジット金額(現在は収入やキャッシュフローに応じて上限500ドル(約5万4千円))に結びつける。長期間にわたって信用情報の信用評価が最小あるいは不良になっている人の援助になることを目指している。同社によれば立ち上げから3か月で1000人の顧客と契約し、顧客当たり年間約80ドル(約8600円)の収入が想定されている。

CrowdForce
アフリカで地域の商店主を銀行の支店として活用し、銀行が遠距離にしかない場合に取引の仲介を行う。同社によれば先月の純収益は7万ドル(約760万円)で、顧客当たり年間平均20ドル(約2170円)ほどの収益がある。

Stark Bank
ブラジルのテクノロジー企業向けのB2B取引を取り扱うバンキングAPI。同社は立ち上げから1年あまりで1200万ドル(約13億円)の月間総取引額を見越している。

Bamboo
世界中の有価証券を購入するアフリカの富裕層向けのオンライン仲買業務。同社によればおよそ5か月前の立ち上げからすでに2100人を超える投資家を集め160万ドル(約1億7340万円)以上の取引がプラットフォーム上で行われているという。現在の月間収益は1万ドル(約108万円)を超える。

Swipe
「アフリカのBrex」を自称するSwipeは、アフリカの中小企業に給与と支出をカバーするクレジットカードを提供している。無料の経費・請求ツールを提供することからビジネスを始め、次いでクレジットカードを提供した。現在顧客は30社、発行したクレジットカードで2万ドル(約216万円)の取引が行われている。

goDutch
ルームメイトなど、請求書をシェアしているグループ内で費用を分割できる支払いカードだ。インドに注力している。代金は1枚のカードに課金され、それぞれのグループメンバーの口座から自動で引き落としが行われる。

Paymobil
Venmo式のアプリで暗号通貨のステーブルコインを使って世界中に送金するシステム。創設者のDaniel Nordh氏はCoinbaseでカスタマーデザインを率いた経歴を持つ。

Karat
Karatは銀行業務、ローン、クレジットカードをインフルエンサーに提供している。同社は彼らの人気度のデータをリスク管理に活用して、ローンの実質金利40%を達成し、平均返済期間は45日だ。創設者のInstagramでのインフルエンサー・ツール構築とゴールドマン・サックスでの債務の構成の経験により、すでに1000万を超えるフォロワーを持つスターたちと契約を結んでいる。

Homestead
Homesteadは自宅を所有する人向けに初期費用なしでガレージの賃貸物件への転用をサポートする。工事、入居者捜し、管理の費用はHomesteadが負担し、賃貸収入を所有者と分配する。カリフォルニア州の新しい法律では、州内の800万のガレージを居住スペースとして賃貸できるようになり、巨大な市場機会が生まれている。Homesteadの創設者たちはマサチューセッツ工科大学の建設・都市計画大学院で出会った。すでに100万ドル(約1億840万円)の売り上げを上げてげているスタートアップである。

Benepass
Benepassはスタートアップと小規模企業向けに福利厚生カードを提供している。従業員はBenepassデビットカードで支払いをすると税制優遇と、医療費支出口座、子育て、通勤、フィットネスや教育などの福利厚生特典を受けられる。購買履歴はアプリに記録される。雇用者には無料で提供されているがBenepassのテイクレートは6%だ。それでも何千ドルもの所得税と給与税を節税できる。優秀な人材の獲得をめぐって大手のテクノロジー企業と競っているスタートアップには、Benepassで従業員に大きなサポートを実感させることができる。

GAS POS
米国のガソリンスタンドオーナーは、コンピューターチップを搭載したクレジットカードの国際標準であるEMVテクノロジーを採用し、給油ポンプのアップグレードを競っている。GAS POSは北米の18万のガソリンスタンドがEMVを導入してセキュアな取引を行うための最新のPOSシステムを提供するために創設された。同社にはいくつかの収益源があり、支払い処理金額の3%の手数料、機器購入者への無料のSaaS、顧客に提供される翌日資金調達サービスがある。

YearEnd
YearEndは数字の上ではリッチな人向けの税務ソフトウェアを開発し、顧客の株式を最適化してスタートアップの従業員の税務申告を支援している。 このスタートアップは個人ユーザーに年間330ドル(約3万6千円)を課金し、YearEndを従業員手当として導入したい企業に売り込んでいる。

GIGI Benefits
インドのGIGI Benefitsは同国のギグエコノミーワーカー向けの福利厚生プロバイダーを目指している。この事業は昨年最もホットなY CombinatorスタートアップのCatch、ベンチャーキャピタルの支援を受けたTrupoなどの事業を手本に、健康保険や退職資金口座などをギグエコノミーワーカーに提供している。

Easyplan
Easyplanはインド版のQapitalやDigitとして、ユーザーが具体的な目標に向けてシームレスに貯蓄を行えるようにしている。

Haven
Havenは住宅ローンサービスの次世代プラットフォームだ。最新のカスタマーインターフェース、貸し手向けのより優れた払いモデルなどを提供している。

WorkPay
WorkPayは「アフリカのGusto」を名乗る、当地の中小企業をターゲットとした次世代型の給与・関連サービスだ。

Spenny
Spennyはインドの消費者向け貯蓄ツールで、購入額の端数を切り上げて貯蓄に回すことで顧客は貯蓄を始めることができる。

Kosh
Koshはアルゴリズムで強化されたインド向け貯蓄・投資プラットフォームで、良好な信用評価を持つ人が評価の低い友人を実質的に保証することで借り入れを支援するシステムだ。

非営利団体

Potential
Potentialは服役した過去のある人を仕事や生活資源に結びつけたいと願う非営利団体だ。同社は拘置所と雇用団体と連携し、より人に優しい雇用環境を作ろうとしている。

Y CombinatorのW20デモデーに参加したスタートアップ(ハードウェア、ロボット、AI、開発者向けツール)

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に対する懸念が高まる中、Y Combinator(Yコンビネーター)はこれまで慣れ親しんできた2日間にわたる米国サンフランシスコでの会合からイベントの開催方式を切り替え、デモデーのウェブサイトを通じて、招待された投資家とメディアにクラス全体を同時公開する方法で開催することを決定した。

さらに驚きなのが、投資家の動きが加速してきた事実を受け、YCがデモデー開催日を1週間前倒しにしたことだ。このため、デモデーのウェブサイトに録画したプレゼンを掲載するというプランは変更せざるをえなくなり、各事業は代わりにスライドに事業概要、今後の見通し、チームの経歴などの説明をまとめてプレゼンを行った。急速に進化する投資環境と相まって、この新たなスタイルがこのクラスにどのように影響するかは今のところはわからない。

プレゼンやウェブサイトのほか、場合によっては以前の記事から収集した情報をもとに、我々が集めたそれぞれのクラスの各事業のメモをまとめてみた。

読みやすさを優先し、全事業をすべて羅列するのではなくカテゴリー別にまとめている。これらの企業は、ハードウェア、ロボット工学、AI、機械学習、開発者用のツールを手掛けている企業である。そのほかのカテゴリー(バイオテック、コンシューマー、フィンテックなど)に関してはこちらから読むことができる。

AIおよび機械学習

Datasaur
自動修正、自動提案、キーボードのホットキーなどを使用して、人間がマシンデータのデータセットをより正確かつ効率的にラベル付けできるようにするためのツール。個人のデータラベラーは無料、20名以下のラベラーからなるチームには月100ドル(約1万1000円)、それより規模の大きいチームには個別の使用料が適用される。

1build
建設会社向けの、データによる作業費用自動見積もり。ユーザーが作業計画をアップロードすると、1buildは正確な入札額を「数分で」準備できるとしている。同社は、60万ドル(約6600万円)を超える収益を予測しており、Amazon、スターバックス、セブンイレブンなどの大企業の見積もりは完了していると述べた。

Zumo Labs
ゲームエンジンを用いて、コンピューターのビジョンシステム向けに、事前にラベル付けされたトレーニングデータを作成する。同社は、現実世界の写真やビデオからデータを収集するのではなく、データを合成することにより、より迅速で安価に、またプライバシーの問題なく、大量のデータセットを作成できると述べている。

Teleo
既存の建設機械を改造して、オペレーターが遠隔操作できるサービスを提供。Teleoは3ヶ月前の創設以来「完全に機能する遠隔操作ローダー」を作ってきたと述べ、建設会社に、一台につき毎月定額で料金を課す予定でいる。この企業の共同創設者はHardware Engineeringの元責任者であり、またLyftのProduct Managerのディレクターでもあった。どちらの会社もGoogleのStreet Viewチームに関与していた。

Turing Labs Inc.
石鹸やデオドラントなどの消費者向け製品について、様々な配合率を試す自動化されたシミュレーションテスト。研究開発チームにとって、家庭用製品や化粧品に関する作業は、数ヶ月に及ぶことがある。Turingは、このプロセスを支援するAIエンジン(薬の開発に使用されるのと同様のAIエンジン)を開発し、数ヶ月を数日に短縮する。Turingはすでに世界でも有数のCPG企業と取引を行っている。Turingについて以前書かれた記事はこちら

Segmed
SegmedはAIによる医学研究のためのデータセットを構築している。研究者がそれぞれ個別に病院や画像施設と提携する必要を省き、Segmedがこれらの組織と提携して(現在50以上)データの標準化、ラベル付け、匿名化を行う。

Ardis AI
Ardis AIは、人間と同じように文章を読み理解するテクノロジーである、汎用人工知能の構築を目指している。Ardis AIは、ニューラルネットワーク、記号推論、新たな自然言語処理技術とを組み合わせることで、データの抽出やラベル付けを行うチームを雇用することを望まない企業にサービスを提供可能。

Agnoris
Agnoris はレストランの店頭でのPOSデータを分析し、価格設定、デリバリーメニュー、スタッフ配置の変更について提案を行う。Agnorisは、レストランの場所ごとに年間3600ドル(約39万円)で、利益を20%上げることができると述べている。同社は、創設者がレストランを開業した際、そのレストランが繁盛したものの損失がでていたため、マージンを改善するための機械学習ツールを構築し、現在、そのソフトウェアを飲食店に販売している、という経緯がある。

Froglabs
太陽光や風力を使ったエネルギー生産、配送の遅れ、人員不足、販売需要、食糧が入手可能かを予測するために、天気予報AIを企業に提供している。何ペタバイトもの気象データを処理して、企業における物流の中断を防ぎ、経費の節約につなげる。同社は、インターネットビーム気象バルーンを使ったProject Loonを立ち上げた古参Google社員によって設立され、現在はeコマース、小売、ライドシェア、レストラン、イベント企画会社と取引している。

PillarPlus
PillarPlusは建設プロジェクトの青写真設計段階を自動化するプラットフォームである。同プラットフォームは、建築家または請負業者から設計を取得し、機械、火、電気、配管の詳細を綿密に計画し、部品コストやプロジェクトコストを推定する。これらのステップには本来なら数ヶ月の作業を必要とする。

Glisten
Glistenはコンピュータービジョンと機械学習テクノロジーを用いて従来のものより優れたより一貫性のあるデータセットをeコマース企業向けに開発している。最初の製品は、希薄な製品データを取り込み充実させるAIベースのツールである。Glistenについて以前書かれた記事はこちら

nextmv
Nextmvにより、顧客は独自の物流アルゴリズムを自動で生成することができ、輸送用車両を最適化し、内部でルートを管理できる。

Visual One
動きを検出するセキュリティカメラは、必ずしも有害とは言えない動きを誤検知することがある。Visual Oneは、検出した特定の動きだけを「読み取る」、ホームセキュリティと一体になったAIプラットフォームを構築した。ユーザーはアラートをカスタマイズし、気になる動きに関する通知のみを受けるようすることができる。同社のソフトウェアで、家具にダメージを与えるペット、荷物を持ち去ろうとしている泥棒、幼児の危険な行動などをチェックできる。Visual Oneについて以前書かれた記事はこちら

PostEra
ここでのアイデアは「サービスとしての医療化学サービス」である。PostEraのプラットフォームを用いると、従来の研究開発室で行うよりも高速かつ低コストで分子を設計および合成できるため、創薬プロセスで新しい組み合わせをテストするために必要な研究時間を短縮できる。

ハードウェアおよびロボット工学

Cyberdontics
ロボット工学は、da VinciのメーカーであるIntuitiveなどの企業のおかげで、すでに手術に革命をもたらしている。Cyberdonticsは同様のことを口腔手術で行うことを意図し、まずは費用や時間がかさむ治療の1つであるクラウンをターゲットにしている。同社は、ロボットを使用すると、通常2時間の治療を15分で行うことができ、費用はたった140ドル(約1万5000円)で済むとしている。

Avion
Avionはアフリカの奥地の人々に焦点を当て、ドローンを用いた配送システムを構築している。中央ハブに接続された中長距離を飛ぶ医療用ドローンを使用する計画だ。当該ドローンはハイブリッドの自律型で、垂直離陸機能を備えており、5 kgの荷物を150kmまで運ぶことができる。

SOMATIC
トイレ清掃業は「つまらなく」「汚い」仕事とされ、自動化が待たれる主要な業種である。Somaticは、VRを介してトイレを掃除するように訓練された大型ロボットを製作している。ロボットはトイレ表面にスプレーを掛けて拭き、またドアを開けたりエレベーターで昇降する能力がある。SOMATICについて以前書かれた記事はこちら

RoboTire
車のサービスショップの待合室に座ったことのある人なら誰でも、そのプロセスにどれほど時間がかかるかを知っている。RoboTireは、タイヤ4本にかかる待ち時間を60分から10分に短縮することを約束している。同社は米国の複数箇所でこのテクノロジーのパイロット版を開始している。RoboTireについて以前書かれた記事はこちら

Morphle
古くなったアナログ顕微鏡に代わるシステムとして設計されたMorphleのシステムは、画像処理を向上させるためロボットオートメーションを用いている。同スタートアップ企業のシステムは高価なシステム以上に高解像度の画像を処理し、失敗率もはるかに低い。Morphleはインドの研究所に当該システムの販売を始めている。

Daedalus
DaedalusはOpenAIの元エンジニアによって創設され、CNCを手始めとして、人間によるプログラミング無しで工業用ロボットを運用できる自律ソフトウェアを製作している。同社は金属加工市場における生産性を最大5倍改善できると予測している。

Exosonic
Exosonicは大音量の衝撃音波を出さない、地上を飛行可能な超音速民間航空機を製造している。同社の目標は3時間でサンフランシスコとニューヨーク市を飛ぶ飛行機を作ることである。同社のCEOはロッキード・マーティン社でNASAの低爆音のX-59航空機製造に携わった経験を持つ。Exosonicは現在主要な航空会社と国防総省の2つのグループからの趣意書に加えて、米空軍との間に30万ドル(約3300万円)の契約を結んでいる。

Nimbus
Nimbusは、連続的に起業を行ってきたシリアル起業家によってミシガン州アナーバー市に設立された。同社は都市トランスポーテーション向けの次世代車両プラットフォームを製作している。創設者であるLihang Nong氏は、かつて燃料注入システムを開発するPicoSprayを立ち上げた人物である。現在「より快適な乗り心地を確保しながら、スペースとエネルギーの点で今現在の自動車よりも数倍の効率性を持つ自動車を実現できるか」という疑問に答えようとしている。

UrbanKisaan
UrbanKisaan はインドに拠点を置く垂直式農業事業を行う企業であり、家庭に予約購入による生鮮食品を提供している。同社の積み重ねられた水耕テーブル式農場は、従来の農場のわずか1%の土地しか必要としないため、都市近郊で運営でき、しかも農薬を必要としない。健康的な食品を求める中産階級が増えつつある市場において、UrbanKisaanは農場から直接家庭に届けるシステムによって、品質と利益をコントロール可能である。

Talyn Air
SpaceXの元エンジニア2名が、乗客および貨物用の長距離飛行で垂直離着陸機能を持つ電動式航空機(eVTOL)を開発した。同スタートアップ企業は、離陸と着陸の際に特製の翼付きドローンで中空に留まることの可能な電動式固定翼航空機を開発した。創設者によると、このアプローチにより当該航空機は競合他社航空機の3倍である350マイル(560km)を飛行することができる。

開発者向けツール

BuildBuddy
2人の元Google社員が、GoogleのBazelソフトウェア上にオープンソースのUIと機能セットを構築することで、「Googleスタイル」の開発環境を全ての人に届けたいと考えて創業。同社は、このソリューションによって構築時間が最大10倍スピードアップすると述べている。個人の開発者は無料で使用できるほか、チームの規模や必要な機能に応じて1人あたり4ドル(約440円)から49ドル(5400円)までの使用料が適用される。

Dataline
広告ブロックツールを使用しているユーザーからの分析データを、ウェブサイトに収集させることを意図している。同社は、広告ブロッカーを使用しているほとんどのユーザーが注意を払っているのはディスプレイ広告やクロスサイトトラッキングであり、ファーストパーティによる分析は「付随的な被害」として打撃を受けると述べている。Datalineは、サブドメインで実行される「スマートプロキシ」として機能することにより、ほとんどの広告ブロックシステムを回避する(現時点では、おそらく)。

Cortex
最新のオンラインソフトウェアアプリケーションの多くは、無数の独立した目的別のツール、つまり「マイクロサービス」により駆動されている。Cortexはアプリのマイクロサービスを監視し、1つが故障した場合に適切な人物(Datadog / Slack / PagerDutyなどに接続する)に自動的に通知する。

apitracker
ウェブサイトが正常に読み込まれているように見えても、それを機能させるために使用されているAPIに問題があり、はっきりとはわからない形で問題が発生している場合がある。Apitrackerは…APIを追跡する。Apitrackerは使用されているAPIを監視し、そのうちの1つに不具合が発生した時点で警告を発し、それらの全体的な性能についてのインサイトを提供する。

Freshpaint
Freshpaintの「自動追跡」システムは、サイト全体のすべてのページビューとクリック数などを収集し、開発チームが各イベントの手動トラッカーを作成することなく、Google AnalyticsやFacebook Pixelなどのツールに遡及的に割り込ませることができる。ベースプランは月毎のユーザーが3000人未満のサイトでは無料、最大50000人のサイトは300ドル(約33000円)、それ以上のサイトは個別の価格が適用される。

Datree
企業はDatreeを用いてコードベースのルールとセキュリティポシリーを設定し、それらのルールを確実に守った上で、コードをマージすることができる。開発者一人に付き28ドル(約3000円)(個人/オープンソースプロジェクトは無料)の使用料が課されており、現在までに最大で23000ドル(約250万円)の収益を上げた。Datreeについて以前書かれた記事はこちら

fly.io
ユーザーに物理的により近いサーバーにアプリを展開し、レンテンシーを低減し、ユーザーエクスペリエンスを改善する。アプリの人気が特定の都市で高まった場合、Flyがそれを検出し、それに応じてリソースをスケーリングする。

Sweeps
Sweepsは一行のコードを用いて、ウェブサイトが使用しているサードパーティーのツールをより効率よく読み込むことにより、ウェブサイトを40%高速化できると述べている。同社チームは、Sweepsのテクノロジーによりスピードが改善されるだけでなく、SEOも改善されるとしている。

Orbiter
OrbiterはSlackと組み合わされたリアルタイムの自動監視およびアラートシステムで、より優れた顧客サービスと収益管理を保証する。

Release
製品のリリースは一筋縄ではいかない。Release はステージング管理ツールキットを提供している。このツールキットはプルリクエストがあるたびにステージング環境を構築し、より速く/より協調的な開発サイクルを可能にする。

Signadot
Signadotは近年のスタートアップ企業が自らのアプリケーションやサービスを駆動するのに使用しているマイクロサービスを監視し管理するソフトウェアであり、エンドユーザーに明らかになる前に問題にフラグをたてることが期待されている。

Raycast
Raycastは開発者および開発者が使用する多くのツール向けユニバーサルコマンドバーである。ユーザーはJira、GitHub、Slackなどのアプリを統合し、フォームやタスクを完了するために「超人的」なアプローチをとることが可能だ。チームは、エンジニアがエンジニアリングと無関係の作業を迅速にこなすのを支援する方法として当該ツールを提案している。

Cotter
Cotterは電話番号ベースのログインプラットフォームを構築している。同社の創設者によると、このプラットフォームは、SMSベースのOTPの利便性を備えたワークフローでユーザーのデバイスを認証するもので、セキュリティの問題も無い。同スタートアップ企業は、電子メールの利用が少なく、ログイン方法として電子メールの利便性が低い開発途上国の顧客をターゲットとして考えている。

ditto
Dittoの創設者は、製品やワークフローを説明するのに使用するコピーをチームがより入念に計画できるよう、言葉向けのFigmaを作りたいと考えている。スタンフォード大学のルームメイトであるJolena Ma氏とJessica Ouyang氏により制作されたコラボレーションツールは現在の80社を超すユーザーに使用されている。

Scout
GitHubワークフロー内における機械学習実験向けの継続的統合および展開ツールキット。

ToDesktop
ToDesktopはデスクトップアプリケーションの公開ニーズを自動化するサービスを設計してきた。当該サービスはWindows、Mac、Linuxで使用でき、ネイティブインストーラー、自動更新、コードサイニング、クラッシュレポートを提供する。開発者向けのインフラストラクチャや構成は必要としない。

DeepSource
DeepSourceは開発者がPythonやGoにおけるバグリスク、アンチパターン、パフォーマンス問題、セキュリティの欠陥をチェックするためのコードレビューツールである。

Flowbot
FlowbotはPythonでのコーディングのための自然言語、オートコンプリート検索ツールである。これは、Python開発者が、自分が考えている正確な機能を思い出せないときに、平易な英語で入力できるようにするツールである。Flowbotはドキュメントを掘り下げ、コンテキストを検討して、開発者が探していると思われるコードを見つける。

PostHog
PostHogは開発者にユーザーが実際にどのように彼らの製品を使用しているかを理解できるようにするソフトウェアサービスである。これは、オープンソースプログラマー向けの製品分析ツールキットである。

Y CombinatorのW20デモデーに参加したスタートアップ(B2B企業)

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に対する懸念が高まる中、Y Combinator(Yコンビネーター)はこれまで慣れ親しんできた2日間にわたる米国サンフランシスコでの会合からイベントの開催方式を切り替え、デモデーのウェブサイトを通じて、招待された投資家とメディアにクラス全体を同時公開する方法で開催することを決定した。

さらに驚きなのが、投資家の動きが加速してきた事実を受け、YCがデモデー開催日を1週間前倒しにしたことだ。このため、デモデーのウェブサイトに録画したプレゼンを掲載するというプランは変更せざるをえなくなり、各事業は代わりにスライドに事業概要、今後の見通し、チームの経歴などの説明をまとめてプレゼンを行った。急速に進化する投資環境と相まって、この新たなスタイルがこのクラスにどのように影響するかは今のところはわからない。

プレゼンやウェブサイトのほか、場合によっては以前の記事から収集した情報をもとに、我々が集めたそれぞれのクラスの各事業のメモをまとめてみた。

読みやすさを優先し、全事業をすべて羅列するのではなくカテゴリー別にまとめている。以下は主に他の企業への販売に重点を置いているB2B企業である。その他のカテゴリー(ハードウェア、AI、フィンテックなど)に関してはこちらから読むことができる。

B2B企業

Alude
ブラジルの不動産テックはホットな市場であり、Loftのようなスタートアップ企業やユニコーン企業のQuintoAndarなどが大きな成長段階にある。Aludeはシンプルな住宅リース/購入プロセスで流通チャネルを管理しようとしている。そのシステムは、身元調査、文書収集、保険購入、オンライン署名のプロセスを自動化する。この最新テクノロジーは仲介業者に無償で提供され、同社は顧客への住宅ローンと保険の販売を収益化することを計画している。

Vori
Voriは、米国の食料品サプライチェーン向けオペレーティングシステムとなることを目指している。2020年になっても、スーパーでは依然として卸売業者との間で昔ながらの紙とペンの注文プロセスが行われている。Voriはスーパーや販売業者のB2Bマーケットプレイスとして機能し、店舗がベンダーからの仕入れ商品一覧をより効率的に作成できるよう支援する。Voriは、すでに24の店舗がその技術を使用しており、またカリフォルニア北部では150以上の販売業者をサポートしているとしている。Voriはスーパーの商品検索エンジンとしても機能し、Whole FoodsやAmazonとの競争力を保つために役立つ。

Linkana
Linkanaは、中南米におけるコンプライアンス主導型調達ソフトウェアである。中南米には年間6万ドル(約650万円)を調達ソリューションに費やす企業が4万社あり、25億ドル(約2713億円)の市場機会を生み出している。4人の共同設立チームには、10年間近く共に働いてきたメンバーがいる。

Weav
職場での新しい志望者の面接には時間がかかることがあり、チームからのフィードバックを整理して統合するよい方法もない。Weavは採用チームの面接を記録して書き起こすため、企業がより迅速に意思決定を行い、面接を減らすことができる。元Apple/Google/Microsoft社にいたチームが率いるWeavは、情報検索、トピックモデリング、エンティティ認識を活用した最先端のNLPツールを構築しているという。

ElectroNeek RPA
ロボットが自動化の未来であることには誰もが同意しているが、実際のテクノロジー導入には多くの専門知識が必要である。ElectroNeekは、ロボットの専門知識を持たないITスタッフや従業員向けに自動化プロセスを効率化するために設計された、デスクトップとクラウドベースのインターフェイスを構築している。

Reaktive
アニメーター、ビデオ編集者、エンジニアなどのクリエイティブな専門家向けにデザインされたReaktiveは、デスクトップハードウェアをクラウドベースのソリューションで置き換える。同社は、その製品が従来のソリューションよりも100倍高速で、例えば8時間のレンダリングジョブを45秒にまで大幅に短縮するとしている。同社はすでにスタジオから220万ドル(約2億3870万)の購入注文を獲得している。

Handl
紙の文書(手書きのものを含む)をデータベースまたはCRMにプランクし、構造化データに変換するためのAPIを提供する。同社によると、処理の約85%はAIによって行われ、AIの信頼性が低い部分のデータ検証を人間が支援する。発売から9か月で、年間経常収益(ARR)90万ドル(約9770万円)を見込んでいる。

Eze
Ezeは、商品交換所のような働きをする中古スマートフォン市場を構築している。このシステムは、さまざまな携帯端末の価格変動をリアルタイムで更新する。端末はまとめて卸売業者に販売され、卸売業者がそれらを小売業者に販売する。

Oda
不動産データをリスティングサービスと政府当局の記録から統合された1つのAPIに集約する。同社は現在4つのパイロット企業と協力しているという。

Okay
JIRA、GitHub、GCal、Pagerdutyなどのツールに接続してダッシュボードを提供し、チームがどのように仕事をしているかをエンジニアリングマネージャーが把握し、例えば、生産性を損なう可能性がある会議の減少などにより、効率を向上させることを可能にする。料金はマネージャー1人につき350ドル(約3万8000円)。

Tajir
パキスタンの小規模店が商品を取得する支援を提供するマーケットプレイス。同社によると、現在パキスタンの「夫婦経営」の店へのほぼすべての流通はオフラインで行われており、Tajirは無料翌日配達付きのモバイルアプリにプロセスを組み込む。

GuruHotel
ホテル向けのウェブサイトおよび資産管理/予約システムである。発売から8か月後には26のホテルで稼働しており、月間2万ドル(約217万円)の収益を上げている。基本プランは5%の予約手数料で基本的なホスティング/予約エンジンを提供し、プレミアムプランは手数料に加えて月額350~499ドル(約3万8000円〜約5万4000円)で資産管理ツールなど他の機能を利用できる。

Riot Security
最近発見されたフィッシング法に基づいた偽のフィッシングメールで従業員を自動的にテストする、フィッシング対策ツールである。従業員数が50人未満の企業の場合、月額200ドル(約2万1千円)から利用でき、その後料金はカスタムスケーリングに移行する。このツールは現在月間経常収益(MRR)1000ドル(約10万8千円)で、6社とパイロットテスト中である。Riot Securityに関する以前の記事はこちらを参照。

LabGrid
バイオテクノロジー企業やラボが電子メールよりも効率的にコミュニケーションできるようにするためのプロジェクト追跡およびコラボレーションツールである。

Trimwire
企業の銀行口座とクレジットカードに接続し、異常値のフラグを設定したり、経常経費の節約の可能性(忘れられた定期購読など)を探ったりすることで、毎月のコストを自動的に削減する。

Upflow
「B2BのVenmo」を目指し、Upflowは未払いの請求書を支払いに焦点を当てている。支払い処理のほか、カスタマイズした電子メールと登録済みの手紙を未払いのアカウントに自動送信したり、アカウントのステータスが変わった際には指定のチームメンバーに通知したりする。月間請求書数が30件未満の企業は月額50ドル(約5千円)、それ以上は年間300万ドル(約3億2550万)未満の企業で月額最大225ドル(約2万4000円)となっている。Upflowに関する以前の記事はこちらを参照。

Explo
Exploは、レポート生成に対してポイント発行したりクリックインターフェイスにすることで、SQLクエリの作成や実行方法を知らない技術者以外の従業員でも、大量のデータを分析できるようにすることを目的としている。チームによると、すでに400社以上が順番待ちをしているという。

Workbench
Workbenchは、ハードウェア企業向けにサプライヤーのソーシングと使用するコンポーネントに関する情報/仕様の保存という目的に特化したプラットフォームを開発している。

Jet Admin
コード不要で社内ツールを構築するためのドラッグアンドドロップツール。開発チームのリソース解放が期待できる。Stripe、Google Analytics、Salesforceなどのデータベースやサービスに接続し、事前構築済みのウィジェットを使用してチームがツールを組み合わせることを可能にする。独立開発者は無料、10人までのチームはユーザー一人当たり19ドルとなっている。

Battlecard
営業チームが不満を持つ顧客に対してどう対応すべきか、(不満を持つ顧客の合成音声付きの)シミュレーションを通じてトレーニングする。チームは、さまざまな状況での対応に関する「作戦書」を共同で作成し、最も効果的であると分かった答え/フレーズを共有する。発売から約1か月で、すでに年間35000ドル(約380万円)以上の経常収益が見込まれているという。

SnackThis
モーションデザインのためのコラボレーティブなブラウザベースのツールである。リモートのチームが動画の仕上がりや一画面ごとのアプリの動き方を微調整する様子を想像することができる。共同創設者の1人は以前、モーションデザインを中心とした自身の会社を8000万ドル(約86億8000万円)でGoProに売却している。

Zeo Auto
インドで車両を所有する企業向けに車両管理および追跡機能を提供している。現在の車両位置の表示、過去の移動のリプレイ、燃料費の計算などを可能にする。50以上の多様なGPSデバイスと互換性がある。同社は、2000の車隊所有業者がすでに利用しており、3万台の車両をプラットフォームで管理しているとしている。

Savvy
団体保険プランを提供できない企業向けに作られたSavvyは、代わりに従業員に非課税の手当を支給して、従業員が選択した個々の保険プランに充当させることを可能にする。同社によると、2か月前の発売以来30社以上と連携しており、ARRは約10万ドル(約1080万円)となっている。

Flowdash
「Human-in-the-loop(人間参加)」型のオペレーションとは、最終決定をするプロセスのある時点で人間を必要とするもので、例えばクレーム処理やユーザーがフラグ付けをしたコンテンツの管理などがある。Flowdashは、人間参加チームが最小限のコーディングで新しいツールを構築し、SlackやGmailなどのサービスに統合することを可能にする。基本プランは1ユーザー当たり月額25ドルからで、分析やオンプレミスの導入などの必要性に応じて増加する。

Dropee
Dropeeは、東南アジアの独立小売業者が大手ブランドから大量に商品を仕入れる支援をしており、その大手ブランドから1店舗につき8ドル(約800円)の料金で何が売れているか、何が売れていないかについてインサイトを提供する。同社は、月間収益4万ドル(約434万円)以上が見込まれるとしている。

NUMI
アフリカの小売業者および市場による米国商品の輸入に支援を提供し、貨物や税関に関連する問題を処理する。現在、Carrefourとのパイロットプログラムを実施中で、年間50万ドル(約5420万円)以上の売り上げを見込んでいる。

Pilot
Pilotは、リモートの請負業者を雇う際の給与、福利厚生、コンプライアンスを処理する。企業は一請負業者につき月額60ドル(約6,500円)をPilotに支払い、Pilotは福利厚生、ストックオプション、経費の払い戻しを提供することで、請負業者を正社員のように扱う支援をする。新型コロナウイルス感染症の検疫によって、より多くの企業がリモートワークに慣れるようになると、請負業者にチームの一員であると感じさせることで定着と生産性を確保しようとする企業が増え、市場が拡大する可能性がある。

SEND
SENDは、アフリカ向けのデジタルフォワーダーおよび通関業者であり、航空、地上、海上での貨物輸送を管理する。SENDは、書類をオンライン化するとともに、顧客が多くの配送業者とやりとりする必要なく、1つの業者とのみ取引することを可能にすることで、経路を最適化し、より迅速で信頼性の高い配送を実現する。SENDの創設者は兄弟で、評価額32億ドル(約3470億円)のスタートアップ、Flexportがアフリカ大陸に進出する前に市場を征服することにより、アフリカのFlexportになろうとしている。

Brokrete
デリバリーマーケットプレイスアプリのBrokreteは、請負業者と利用可能なコンクリートサプライヤーを最も競争力のある価格でつなげることを目的として開発された。このスタートアップ企業の創設者たちは、彼らの言う1200億ドル(約1兆3016億円)の市場機会の一部を獲得することを目指している。すでにその歩みを進めつつあり、まずは請負業者とアプリのデモを行い、続いて12月に製品を発売している。同社はカナダの市場から出発し、今春ヒューストンに拡大する。

Paneau
Paneauの創設者たちは、インタラクティブなタブレットをUberとLyftの車内に設置することで、企業が配車サービスの顧客に対して宣伝を行う新しい方法を確立しようとしている。乗車した客がタブレットを使用して買い物をしたり、車のルートを変更したりすることもできる。Paneauは1回の配車につき96セント(約104円)を徴収することで、すでに1か月に約11000ドル(約119万円)の収益を上げている。

Bego
Begoは、中南米・メキシコ市場に照準を合わせ、機械学習を利用して貨物の配達先を予測し、トラックと顧客のマッチングを通じて「空荷走行距離」を減らすためのアプリを作成した。現在、このスタートアップ企業はメキシコ全貨物の42%が運ばれる1つのルート、メキシコシティからヌエボラレドで利用されている。

99minutos
このラテンアメリカのスタートアップ企業は、インターネット販売の宅配に重点を置いている。99minutosは2か国で19の都市に広く展開し、1日に15000件の配送を行っている。今年後半にはコロンビアとペルーに事業を拡大する計画である。また現在、電気自動車による配送を開始しており、メキシコでは、Amazon、MercadoLibre、Walmartの宅配パートナーとなっている。

Farm Theory
Farm theoryは、「見栄えが悪い」ものの新鮮でまだ食べられる野菜をインドの農家から購入し、インドのレストランに直接販売・配送している。この野菜配達サービスの利用で、レストランは最大30%節約できるという。

HYPHY
広告と並行してユーザーが生成するソーシャルメディアコンテンツも成熟しているため、HYPHYは消費者が写真や動画をブランドに直接販売する市場創出を目指している。マーケットプレイスはブランドが広告やマーケティングキャンペーン用のメディアをより迅速に調達する手段として利用できる。

Zaam
Zaamは、可能な限り自動化することで、B2Bオンボーディングを簡素化し、複雑さを緩和するとともに、データと文書リクエストのうんざりするプロセスから顧客を解放するプラットフォームを構築している。このスタートアップ企業は過去2か月で1億2000万ドル(約130億円)のARRを達成したとしている。

HireSweet
HireSweetは、採用担当者が理想的な候補者を探す際に、あからさまには転職活動をしていない候補者も見つけることができる採用プラットフォームを構築している。このプラットフォームは、LinkedInを更新している人、Githubのオープンソースプロジェクトに追加している人、年金の一括型受給権付与が近付いている人などの行動を分析する。チームは先月MRRで15万ドル(約1626万円)を獲得している。HireSweetに関する以前の記事はこちらを参照。

Stryve
Stryveは、採用プロセスをビデオ中心にし、電話によるスクリーニングをビデオチャットのアンケートに置き換えようとしている。チームはプラットフォームに対して請求を行い、終わりのないスケジューリングのやりとりを削減し、ターンアラウンドを短縮する。

Paragon
Paragonは、ローコードのAPIビルダーで、API、APIベースのインタラクションおよび統合の構築時間を短縮する

Syndetic
「データのShopify」、Syndeticは組織が静的データセットをより動的で役立つものにするプラットフォームである

Cadence
Cadenceは、電子メールで済むはずの会議のためのプラットフォームである。早期のアクセスプラットフォームは、プロジェクトの最新情報共有に関連する会議をなくすことに重点を置いている。これはタスク管理ツールと統合し、従業員がSlackで取り組んでいる仕事の内容、仕事相手、処理予定表の内容を簡単に共有できるようにすることで実現される。

Zynq
Zynqは、企業が全社的により効率的に会議予定を組むために役立つ、エンタープライズ向けカレンダーツールを構築している。このサービスは会議を適した大きさの会議室に適切なタイミングで配置することで、企業がオフィスが手狭になったとあまり早くから感じることがないようにするために役立つ。

Castodia
CastodiaはデータベースをGoogleスプレッドシートに接続し、その情報が常に最新であることを確約するとともに、ユーザーが手動で何度もCSVファイルをインポートする必要性をなくすことができる。

Onetool
Onetoolは、スタートアップ企業がさまざまなベンダーを利用してニーズを満たしながら、単一のサブスクリプションに対して料金を支払う、サブスクリプションと保存が可能なオールインワン型のプラットフォームを構築している。同社はそのプラットフォームが新しいSaaSツールの発見を促進し、数多くのサブスクリプションサービスを管理する必要がある設立者の生活を簡素化することを期待している。

Dashworks
Dashworksは、さまざまなコラボレーションツールとデータベースからすべての情報をまとめることができる検索ツールの構築を目指している。このプラットフォームは、JIRA、Slack、Google Driveなどのさまざまなツール間の高度な統合に依存している。

Laserfocus
Laserfocusは、CRMに追加して営業担当者が見込み客との電話、メール、会議を迅速に完了できるようにするアプリを作っている。このアプリは、現在複数のアプリに分散されているタスクをまとめ、見込み客に関する情報収集がしたい営業担当者がその業務により集中できるようにする。

TrueNorth
断片化したトラック輸送業界の非効率性を改善するため、TrueNorthは独立トラック運転手向けにソフトウェアソリューションを提供している。燃料、メンテナンスから、ルートの最適化、積荷追跡まで、あらゆるものを支援する、トラック用のオペレーティングシステムと考えることができる。

Taiv
Taivは、地域のスポーツバーがバー内のテレビに表示するコマーシャルからより収益を上げられるようにすることを目指している。1つの場所につき年間4200ドル(約45万円)の料金で、Taivはライブのコマーシャルを特別提供や割引に関するビジネス広告に置き換えることを可能にする。Taivに関する以前の記事はこちらを参照。

Humanly
Humanlyは、求人に大量の応募が来る企業の候補者スクリーニング自動化を目指している。同社はその技術が偏見を排除しながら、スクリーニングの一貫性維持に役立つとしている。顧客にはFarmers Insurance、Feather、Grinなどが含まれる。

BuildPlane
BuildPlaneは、商業用不動産建設管理のための次世代ツールキットを設計した。同社のソフトウェアは、文書要求の追跡、変更要求の管理、下請業者の請求および支払い処理、見積りおよび価格の要求を行う。この業界カテゴリーは、ProcoreやPlanGridなど、数十億ドル規模のビジネスをすでに生み出している。

SINAI
SINAI Technologiesは、組織が二酸化炭素排出に関する戦略を計画することができる、次世代のソフトウェアプラットフォームである。社内のさまざまな部門とプロセスを追跡し、内部および外部の目標達成に向けてどこで二酸化炭素排出量を削減するかを提案する。SINAIに関する以前の記事はこちらを参照。

Logarithm Labs
Logarithm Labsは、データパイプライン、スクリプトインターフェイス、ポータル、ダッシュボードを含む、チップ設計者向けのプロジェクト管理サービスで、チップ設計の作業で生成されるデータを解析、構造化、分析する

Snapboard
Snapboardは、ダッシュボード、視覚化、アプリケーション作成のためのコード不要ソフトウェアツールを提供する。Snapboardに関する以前の記事はこちらを参照。

Slingshow
Slingshowは、カスタマーサービスと苦情解決に用いるダウンロード不要のビデオ録画および配信アプリケーションである。顧客は説明しながら問題のビデオを撮影し、それをSlingshow経由で送信することで問題を説明し、サポートを受けることができる。

Pulley
Pulleyは次世代の資本政策表管理ツールである。民間企業はこれを使用して従業員と投資家の株式を発行し、会社の規模に応じて所有権の記録を維持することができる。Cartaと同様に、小規模なスタートアップ企業向けに無料枠が用意されている。一方でCartaとは異なり、その焦点は投資家ではなく設立者にサービスを提供することを第一に(そして現在は唯一)している。設立者は以前会社をマイクロソフトに売却したことがある再起業家である。

Rosebud AI
企業のイメージキャラクターを使ったキャンペーンのディストピア的未来へようこそ。Rosebud.aiはあらゆる場面に対応したデジタルアバターとモデルを作成する。企業は人口統計、年齢、スタイルでフィルタリングすることができる。

Termii
Termiiは、マルチチャネルマーケティングおよびコミュニケーションサービスで、SMSのAPIおよびアフリカ企業向けのユーザー認証を提供する。

Able Jobs
Able Jobsは、インドで企業が最も必要とするスキルセットのトレーニングを候補者に提供し、企業がより優れた候補者をより迅速に採用できるようにする。2月には130件の斡旋をしている

Skypher
Skypherは、セキュリティアンケートの開発と回答のプロセスを自動化する。

Terusama
港湾での物流管理を可能にするTerusamaは、貨物の積み込みと運送業者のデジタルサインインのためのスケジューリングソフトウェアを提供している。

Mistro
Mistroを通じて雇用主は200か国以上のリモートのチームに福利厚生を提供できる。健康保険や協働スペース、能力開発のクラス、食品、IT機器、その他従業員がMistroクレジットカードで支払うことができるものを提供することができる。世界中のチームがコロナウイルスのためにリモートワークを受け入れている。この傾向はしばらく続く可能性があり、企業が優秀な在宅ワーカーを引き付けるための支援ができる者にとって大きな市場を作り出している。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳: Dragonfly)

新型コロナ対策でY Combinatorもデモデーをオンライン化する

シリコンバレーを代表するスタートアップアクセラレーターのY Combinatorが新型コロナウイルス、COVID-19に対する懸念から2020年のデモデーはオンラインで実施すると発表した。TechchCrunchはこれまでもデモデーを報じている。このイベントでは、100以上のスタートアップのデモにアメリカと世界のベンチャーキャピタリスト、ジャーナリストが参集してきた。

Y Combinatorはブログで「オンラインではデモデーのすべての側面を再現することはできないが、ファウンダー、投資家に最高の体験を提供すべく最善を尽くす」と述べた。この発表によれば、第30回のデモデーは事前に録画され、米国時間3月23日に投資家に公開される。

長い歴史があるデモデーは、独特の魅力があるイベントだ。Y Combinatorのアクセラレータークラスに参加したスタートアップのファウンダーたちにとって、この日は体験の頂点になる。大勢の聴衆が詰めかけ、小切手帳が開かれ、嵐のようにキーボードを打つ音がひびく。ファウンダーたちは何度も投資の申し出を受けるだろうし、ツイートされることも間違いない。リモート開催は残念ながらこうした興奮の一部を捨てることになる。

Work Life Venturesのファウンダー、Brianne Kimmel(ブリアン・キンメル)氏は、「YCに参加することができたスタートアップに対する投資家の意欲は高く、数十社の有望なスタートアップにはデモデーの数週間前にはすでに資金が提供される」と述べた。キンメル氏はYCの2016冬学期のクラスに参加しており、過去4回のデモデーには投資家として参加した。

「YCデモデーは初期段階のスタートアップエコシステムの頂点だが、多くの投資家はファウンダーがステージに登場するはるか前に支援したいチームを選び、支援している」とキンメル氏はいう。

キンメル氏は2019年のデモデーに先立ってTandemに投資した。2020年もすでにプロジェクト管理プラットフォームのAccordに投資しているという。

Y Combinatorはデモデーのオンライン化にともない、プレゼンのデジタル化以外にも、「各チームの経歴、背景をまとめた文書を追加し、プレゼンテーションスライドにアクセスできるようにする」という。また投資家とファウンダーチームが一対一のオンラインミーティングを実行することを支援するソフトウェアも提供する。

ベンチャーキャピタル、Fifty Yearsの創立パートナーであり、自身もY Combinatorの2012年夏学期のOBであるSeth Bannon(セス・バノン)氏は「ファウンダーはその投資家と今後10年間付き合っていかねばならないかもしれない。それを判断するには人と人との直接の対面が非常に重要だ」という。

バノン氏はTechCrunchのインタビューに対して「デモデーではごく数時間のうちに100人以上と直接話し合うことができた。とえはいえ、(オンライン化は)YCにとって正しい決断だと思う。ファウンダーとスタートアップコミュニティの安全を確保することが最優先だ。困難な決断を下したYCを称賛したい」と語った。

Handle(YC 2019冬)のCEOであるChris Woodward(クリス・ウッドワード)氏は「デモデーの当日に直接投資家に会えないことは打撃だと思うファウンダーもいるだろう。しかしデモデーの後に投資家とのもっと長いミーティングを設定するよいチャンスだと考えたほうがいいと思う」と語った。

他のテクノロジー系の大型カンファレンスも、新型コロナウイルス問題から開催をキャンセルしたりオンラインイベントに移行させたりしている。 米国時間3月5日に、B2Bソフトウェアを紹介するJason Lemkin(ジェイソン・レムキン)氏のカンファレンス、SaaStrが2020年9月に延期されると発表された。 アクセラレーターである500 Startupsもデモをオンライン化。参加チームのプレゼンはリアルタイムでストリーミングされるという。これらの決定は投資機会を完全に奪うことなくアクセラレーターを機能させていくことが狙いだ。

「過去15年間、スタートアップへの投資家はYCに参加したすべてのチームをサポートしてきた。今回のクラスでも同じことになると信じている」とY Combinatorは記事を結んでいる。

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滑川海彦@Facebook

Y Combinatorの最新スタートアップバッチは、多すぎて1つのDemo Dayステージには載りきらない

Y Combinatorは、これまで着実により多くのスタートアップをそのクラスに招き入れてきたが、今年このトップアクセラレータは、大きくなったスタートアップグループの面倒をみるために、いくつかの大きな物流上の調整を行う必要が出てきた。

2019年の冬バッチでは、YCは200を超えるスタートアップを擁しているのだ(!!)比較のために言うならば、2018年春のグループ数は、たったの132チームだった(統計の好きな人のために言うならば、こればバッチ間で51%の増加である)。この本当に大変な数のピッチに対応するために、アクセラレータは3月18日と19日に開催されるDemo Dayを、サンフランシスコの新しい会場に移動しようとしている。

すなわち、これが意味することは、その日投資家たちはマウンテンビューのComputer History Museumで、自分のTesla用の駐車スペースを探し回ったり、サンフランシスコからUberで1時間の道のりを移動する必要がないということだ。新しい場所であるPier 48(ここではDisrupt SF 2017が開催された)は12万平方フィート(約11148平方メートル)の面積を誇っているが、YC Demo Dayは総面積のほんの一部を使うだけになるだろう。実際、Y Combinatorは「席数がとても限られているために」、一部の投資家向けにオンラインストリームで「バーチャル」Demo Dayを提供する予定だ。

写真:Max Morse / TechCrunch

マウンテンビューからサンフランシスコへの移動そのものよりも注目に値するのは、全てのファウンダーたちがピッチを行っていた1つのステージが、丸2日にわたって平行にピッチを行う2つのステージに分かれることだ。

YC Demo Daysは大変な量のスターたちを1つの屋根の下に集める、だがYCが投資家たちにどのステージを見るかを自ら選ばせるというやり方は、創業者たちにとって最も理想的な状況とは言えないだろう。とはいえ投資家たちや創業者たちが受け入れなければならないのは、膨大な数のバッチがもたらす物流の現実である。YCの広報担当者は、ピッチを行う会社の時間と場所のリストを事前に公開すると言っているので、事前にどこへ行くべきかを検討できる時間が数時間は与えられる。

S14 YC Demo DaysのThe Computer History Museumの様子

興味深いことに、Y CombinatorはInvestor Dayも廃止する予定だ。これは投資家たちがスタートアップと、個別ミーティングを行う機会だった。YCのFAQページには、「その有効性を分析した結果、私たちは(W19バッチでは)Investor Dayをホストしないことにしました」と述べられている。

私たちはいつもどおり、今年のDemo Daysに参加する。そしてこの巨大なアクセラレータークラスからの最新情報を確実にお届けするために、私たちも少々気合を入れてタイプをする予定だ。

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(翻訳:sako)

Y Combinator 2018夏クラスのデモデーをビデオでチェック


先週マウンテンビューのコンピューター・ヒストリー・ミュージアムで開催されたY Combinator 2018夏のクラスのデモデーをビデオでまとめた。TechCrunchではすべてのスタートアップを紹介している。1日目のスタートアップ63チーム(ハイライト10チーム)、2日目のスタートアップ59チーム(ハイライト10チーム)。

会場の外にはUberやLyftの車が行列していたが、ドライバーたちは頭いい。Qurasense(1日目)は生理の血液から各種診断ができるというもの。Papa(1日目)は「オンデマンドでお孫さんを提供」というユニークなサービス。高齢者と大学生を結びつけて高齢者の社会的孤独という大きな問題を解決しようとしている。

2日目にはYCグループでスタートアップクラスを運営するYC CoreのCEO、Michael Seibel(Justin.tvの元CEO)に話を聞くことができた。スタートアップや投資家のビジネス成功に対する判断も社会的な要素を敏感になってきたという。クリプトやバイオのスタートアップが目立つようになったが、YCではどのようにスクリーニングしているのかと尋ねた。Seibelは「クリプトの場合は実際に何かの問題を解決するテクノロジーをもたらしているのかを見る」と答えた。バイオの場合、専門性が高いだけに判断はむしろ容易なようだ。実際バイオ関係のファウンダーは博士号保持者が多く超高学歴ぞろいだ。インタビュー全体は下のビデオを参照。


いずれにせよ、YCデモデーはシリコンバレーの最新のトレンドを一箇所で感じ取れるまたとないチャンスだと感じた。

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滑川海彦@Facebook Google+

Y Combinatorデモデー2日目からピックアップ10チーム

Y Combinatorのデモデー2日目には59チームのスタートアップが登壇した。アプリ内課金を処理するサービス、現実の対象を写した写真からアニ文字を作成するサービス、余剰医療機器の再販売プラットフォーム、それに、なんと大腸菌からまったく新しい生命形態を合成するスタートアップもあった。イノベーションはたしかに起きている。

以下、投資家の反応も加味し、TechCrunchが独自の視点からピックアップした10チームを紹介する。

こちらはデモデー1の全チーム紹介TechCrunchが選んだ1日目のトップ10だ。

64-x

バイオエンジアリングの一流のエキスパート( ハーバード大学Wyss InstituteのGeorge Church、Pamela Silver、Jeffrey Wayを含む) によって創立された64-xは通常の生命体が生存できないような過酷な環境でも機能する新しい生命形態を含め、最新のバイオエンジニアリングを利用した各種のプロダクトを準備している。CEOのAlexis Rovner自身、Wyss Instituteのポスドクのフェローであり、COOのRyan Gallagherは元ボストン・コンサルティング・グループのコンサルタントだった。チームはWyss Instituteのテクノロジーをビジネス化することを狙っている。

注目の理由:天才ぞろいのチームは新しい生命形態を創出するかもしれない。

CB Therapeutics

大麻の合法的利用研究とテストを行うSteep HillラボのディレクターだったSher Buttが創立したスタートアップはカンナビノイド(大麻の有効成分)が鎮痛やてんかん発作の抑制など慢性的症状に対して奇跡的効果があるとしてその薬用化を目指している。しかし植物由来のカンナビノイドは品質が一定せず、効果も不安定なため、Buttらはカンナビノイドの工業的合成により品質を安定させると同時に、コストを押さえようとしている。成功すれば収量は24倍、価格は10分の1以下に下がるという。世界的医薬品メーカーのNovartisで医薬品の商用化の経験を積んだButtら共同創業者はこうしたプロジェクトを推進するために理想的なチームだろう。

注目の理由:天然のもっとも効果的な鎮痛剤とされるカンナビノイドを新しいテクノロジーで工業的に大量に合成しようとするのはすばらしいアイディアだ。

RevenueCat

RevenueCat founders

RevenueCatはデベロッパーのアプリ内課金を助けようとしている。デベロッパーはこのチームが提供するAPIを利用してiOSとAndroidでアプリ内サブスクリプションを処理できる。つまり、デベロッパーはそれぞれのプラットフォームの細部やアップデートによる変更を気にする必要がなくなる。

またこのAPIによりデベロッパーはアプリ内サブスクリプションに関する情報を一箇所にまとめて管理できる。 誕生してから9ヶ月のスタートアップは現在、月額35万ドルの売上があるという。これ以外にも何かに取り組んでいるようだがそれが何かまだ明らかにされていない。

RevenueCat hereの記事.

注目の理由:アプリを開発したらすぐリリースする。収入はRevenueCatが管理してくれる。と、これはなかなか説得力があるビジネスモデルに思える。

Ajaib

インドネシアはあらゆる面で過渡期にある国だ。投資に十分な資産を持つ階級が急増しているが、既存の資産管理システムのハードルは高すぎてシャットアウトされている。この状況に対応しようとするのがAjaibだ。このスタートアップは中国で人気のオンライン支払サービス、Ant Financialの資産管理版を目指すという大きな野心を抱いている。 実際、中国は最近までインドネシアと状況がよく似ていた。4年前にAnt Financialがスタートして状況が大きく変化し、急増中の中産階級がオンラインで資産管理を行うことができるようになった。Antはすでに4億人のユーザーを抱えている。

中国と比較すればインドネシアは小さいが、2億6100万の人口がある。管理した資産から1.4%の手数料を徴収するだけでも可能性は巨大だ。

注目の理由:インドネシアの貯蓄は3700億ドルある。Ajaibの資産管理システムがターゲットとする国内マーケットは非常に大きい。

Grin

電動キックスクーターのブームはラテンアメリカにも広がっている。メキシコシティーを本拠とするGrinもその一つだ。共同創業者のSergio Romoらは.(Axiosの記事にもあるとおり)、アメリカでBirdのeスクーター共有事業に投資しようとして機会を逃した。そこでラテンアメリカをカバーするeスクーター事業を立ち上げたという。Sinai Ventures、Liquid2 Ventures、500 Startups、Monashees、Base10 Partnersらが投資している。

注目の理由:eスクーターは2018年を代表するホットな分野だ。 アメリカではBird、Limeの急成長を受けてUbe、Lyftrまで参入中だ。しかしまだ勝者は決まっていない。

Emojer

写真から動く絵文字を作成できるようにするのがEmojerの目的だ。写真を撮ると絵文字になって踊り出すというのはスマートフォンのカメラの面白い使い方だろう。Emojerのソフトは深層学習アルゴリズムによって人体のパーツを認識し、ユーザーは簡単な操作で撮った写真をアバターの動きに変換することができる。Photoshopの複雑なインターフェイスの操作もアニメーションに関する深い知識も不要だ。アバターの仕組みはクリスマのたびに口コミで人気が出るアプリ、Elf Yourselfに似ている。このアプリは友達の写真から顔をコピーして踊る妖精に貼り付けることができる。 Emojerのファウンダーは機械学習とコンピューター・ビジョンの分野で博士号を持っている。

注目の理由:EmojerのCEOは「人々がSnapを使うのはセクスティング(性的なメッセージや画像のやり取り)が大きな目的で、FacebookをHot Or Not(異性の写真を品定めする)に使う人間も多い」と語った。そういう「トロイの木馬」現象を考えるとEmojerは密かにセルフィーアニモジを流行らせるプラットフォームに化けるかもしれない。

Osh’s Affordable Pharmaceuticals

Osh’s Affordable Pharmaceuticalsは低価格の処方薬を提供することで医師と患者双方に利益をもたらすことを目的とする公益法人だ。同社では症例が少ないため探すのが困難だった医薬品の入手へのハードルを下げようとしている。3週間前に同社はウィルソン病に対する薬品を発表した。この症状に有効な薬品はこれまでブラジル、インド、カナダでは利用できなかった。また同社の新薬はコストを月3万ドルから120ドルへと劇的に下げた。Oshでは適用のある市場はトータルで170億ドルにもなると見積もっている。「ジェネリック医薬品の価格は決定的に重要だ。多くの患者が必要な医薬品を購入できないために死んでいる」とCEO、Alex Oshmyanskyは述べた。同社は解決策を提供できるかもしれない。

注目の理由:症例の少ない難病に対する有効な医薬品が入手できなかったか高価すぎた国々に低コストのジェネリック医薬品を提供するというのは単に優れたビジネスだというだけでなく世界を改善することができる。

Medinas Health

アメリカのヘルスケア・システムに存在する750億ドルもの頭痛のタネに解決策を与えるのがMedinas Healthの目標だ。同社は病院などの医療組織が使用ずみないし不要となった医療機器を再販売することを助ける。シード資金を提供したのはハリウッドスターでベンチャー投資家のアシュトン・カッチャー、Guy OsearyのSound Ventures、General CatalystのRough Draft Venturesファンドだ。 Medinas
Healthは資金不足に悩む地方のヘルスケアセンターの運営コストの引き下げにもなると期待している。

注目の理由:中古医療機器の流通はトータルでは750億ドルにもなる市場だというが、これまでビッグビジネスの目立たない片隅に追いやられていた。この分野をターゲットとして僻地の病院の運営を助けることができるならMedinasは応援すべきビジネスだろう。

And Comfort

大柄な女性のファッションの選択肢はNordstromやMacy’sのようなデパートでも限られている。ところがアメリカの女性の多数はこの「プラス・サイズ」のカテゴリーに入る。1億人のアメリカの女性が非常に少ない選択肢で我慢をしているという。And Comfortはこの状態を改革しようとしている。ハーバード大学でクラスメートだった2人の共同ファウンダーは、消費者直販のファッションブランドを立ち上げ、プラス・サイズの女性を悩ませているアイテムの供給不足という問題の解決を試みている。これにはスタイリッシュかつミニマリストなチュニックやエプロンドレスなどが含まれる。きわめて若いスタートアップだが、ブランドが販売を開始してから数週間ですでに2万5000ドルの売上があったという。

注目の理由:この直販のファッション・ブランドはこれまで無視されがちだった層に高品質でエレガントなアイテムを供給するという。これは有望だろう。

ShopWith

世界中のインフルエンサーの活動を一つのモバイル・アプリから見られるようにするのがShopWithの目標だ。ユーザーはバーチャル店舗に入り、通路に沿って並ぶファッション、コスメティックスなどのアイテムをショッピングすることができる。これらはお気に入りのブロガー、ユーチューバーなどのインフルエンサーが推薦しているアイテムだ。ユーザーはアプリから出ずにこインフルエンサーがフィーチャーしている商品を購入できる。ダウンロードは無料。

このサービスのビジネスモデルはテレビ通販のQVCにやや似ている。ただし〔90年代後半生まれの〕Z世代のユーザーの購入に影響を与えているのはテレビではなくYouTube、Instagram、Snapchatといったオンラインのソーシャルビデオだ。同社によれば、ある美容系インフルエンサーはShopWithプラットフォームを利用することで5時間で1万ドルの利益を得たという。共同ファウンダーはFacebook、Amazonでソーシャル通販ビジネスの運営の」経験がある。

注目の理由:Z世代向けQVC というキャッチフレーズもさることながら、これは着実に売上を伸ばせる方向だ。モバイル・ファーストでインフルエンサーをベースにしたショッピング・サービスは有望。

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滑川海彦@Facebook Google+

Y Combinatorデモデー1日目の注目10チームを紹介する

Y Combinatorの最新のデモデーでは乳がんを発見するウェアラブルから代替肉製品向け産業用サプライチェーンの構築まで多くのチームが多様なイノベーションを競った。ここでは1日目でわれわれが注目した10チームを紹介する(YC Demo Day 2018に登場した全63社の紹介はこちら)。

Oxygen

フリーランサーは口コミによるいっときのブームとその後の落ち込みというサイクルに縛られがちだ。 Oxygenは収入のないフリーランサーに簡単な審査で資金を融資する。 内国歳入庁1099号による契約社員は既存の金融システムの融資から閉め出されているが全体として1.4兆ドルもの収入がある。Oxygenはこうした社員の雇用者にも進んで融資する。Oxygenはモバイルバンキングだが手数料は一定だ。与信審査には機械学習アルゴリズムが用いられる。万国の契約社員よ、団結せよ!

注目の理由: オンライン・レンディングに新たな市場を開く可能性がある。適切に運営されればこの市場は数十億ドル規模に成長するはず

Higia

EVAとよばれるウェアラブル・デバイスは女性の胸部をサーマルスキャンし、非侵襲的方法で乳がんを発見できるものとHigiaでは期待している。スポーツブラなどの下にも装着可能で、現在のスクリーニングでは見逃されれがちな乳がんの早期発見に役立つ。同社はすでに今年中にアメリカで発売の予定。価格は299ドル。スタンフォード大学で治験中。

Higiaの記事はこちら.

注目の理由: このツールが消費者に負担をかけない手頃な価格で実際に乳がんを早期発見できるとなれば市場は大きい。投資家にとっても世界にとっても朗報となるはず。

C16 Biosciences

パーム(ヤシ)油は食用その他日常生活のあらゆる面で大量につかわれているが、製造過程で熱帯雨林の破壊などさまざまな環境問題を引き起こしている。C16 Biosciencesは温室効果ガスの大幅削減など世界規模でパーム油による環境破壊の防止を目指す。C16では醸造テクノロジーを利用による工業的なパーム油の製造によりコストも20%安くできると期待している。

C16はすでに多数の化粧品、食品企業と提携しており、これらの企業は合計で年間12億ドルもパーム油を購入しているという。

注目の理由: ベンチャー投資のサイクルでは最近、「クリーンテック」が再浮上している。もともと伝統と実績がある醸造技術をベースにしたテクノロジーをパーム油製造に応用した点が新しい。

JITX

JITXは回路基板の設計サービス。現在は熟練した専門家が手作業で回路基板をデザインしているが、JITXのソフトウェアではこれを機械学習に置き換えようとしている。ハードウェア・メーカーにとっては時間とコストの大幅節減となる。JITXはすでに回路基板の自動設計システムを販売しており、HPを含め(さらにもう1社の有力企業は匿名)多数の企業がユーザーとなっている。バークレーを本拠としており、市場は92億ドルといわれる。コストはマニュアル設計の20%程度。

注目の理由: このスタートアップはすでに投資家の間にセンセーションを巻き起こしている。最新のラウンドでは$80万ドルを調達する予定だが、予定の3倍の投資家が殺到したという噂だ。簡単に言って、あらゆるハードウェアの基礎を製造する技術を大きく改良するテクノロジーだ。

HoneyLove

HoneyLoveは安価で実際に効果がある製品によりシェイプウェア〔体型補正下着〕市場をディスラプトしようとしている。

89ドルからのプロダクトは シームに補強材が内蔵されており、(鯨のヒゲなどによる)ボーンを内蔵した昔のコルセットに似た構造だ。HoneyLoveの補強材は柔らかい繊維のチューブの中に通されており、不快感を与えない。これにより装着時にずり上がったりずり下がったりすることを防いでいるという。同社はすでに50万ドルの売上を得ている。

HoneyLoveの記事.

注目の理由: 市場が大きいだけでなく、同社の成長ぶりは今後に強く期待させるものがある。

Camelot

Cameloteスポーツを対象とするギャンブルを目的としたモバイル・アプリだ。ビデオゲームとスポーツギャンブルの交差点は高い利益を生むことが間違いない分野だ。

注目の理由: スポーツ・ギャンブルはすでに少なくとも10億ドル級のビジネスを生んでいることからしても、eスポーツのギャンブルも同程度の成長が見込める。

Inokyo

Inokyo〔トウキョウと似た発音〕はAmazon Goに似たキャッシャーレス店舗を実現しようとするスタートアップだ。多数のカメラが店内の消費者をモニターし、棚から何を取り出したかを認識する。ストアからの出入りの際にそれぞれ1度ずつモバイルアプリに表示されるQRコードをスキャンさせるだけで支払いは完了だ。

最初の店舗は最近マウンテンビューのカストロストリートにオープンした。スナック、昆布茶、プロテインパウダー、入浴剤などを売っている。

Inokyoの記事.

注目の理由: AmazonやAlibabaが独自技術で開発したキャッシュレス・ストアのテクノロジーをホワイトレーベル化して広く販売するというビジネスモデルは一般店舗に魅力的。大きな市場を開拓できるかもしれない。

Hepatx

Hepatxは重症の肝炎のあたらしい治療法の提供を目指す。慢性肝炎の患者はアメリカで390万人も存在し、毎年4万人の死亡原因となっている。同社では肝細胞に再生医療テクノロジーを適用して治療をする。肝細胞再生は肝臓全体の移植に比べてコストと死亡率を押さえる効果が期待できる。アメリカで肝臓移植が必要な患者は20万人もいるが、実際に移植を受けられるのは数千人に過ぎない。Hepatxは患者の脂肪細胞から肝細胞を再生し、患者の肝臓に戻すことによって肝機能の再生を図る。

注目の理由: 新しく肝細胞を作り出すというのは文字どおり生死を分ける重要なテクノロジーだ。ファウンダーチームは優秀であり、初期の治験結果も有望だ。ホームランになる可能性十分。

Cambridge Glycoscience

代替甘味料でクッキーなどを焼こうとして失敗したことはないだろうか? 甘みを真似することはできても高温でカラメル化したり飴化したりするのは砂糖に特有の現象だ。そこでYCのスタートアップ、Cambridge Glycoscienceでは文字通りおいしい解決策を提案している。 同社の代替甘味料は味を損ねずに低カロリーの料理をメインストリームにできる。コーンシロップなんか投げ捨てて新しい甘味料を試してみよう。同社の製造プロセスは大量生産に向いており、イノベーションの多くの部分は特許によって保護されている。

注目の理由: FortuneがLancetを引用した記事によれば74%前後のパッケージ食品や飲料にはなんらかの甘味料が使用されており、マーケットの規模は1000億ドルと見積もられている。 Cambridge Glycoscienceがその一部を代替できるなら大いに有望なスタートアップといえるだろう。

Seattle Food Tech

Photo: James A. Guilliam/Taxi/Getty Images

自然肉よりおいしい植物製の代替肉はもはや現実のものとなりつつある。投資家は何千万ドルもの資金をこの分野につぎ込んでいる。Seattle Food Techは植物性代替肉を大量生産するためのプロセスを低コストで構築できるようにることを目標としている。

「われわれは植物性チキンナゲットを製造するプロセスに宇宙航空テクノロジーを応用している」とCEOのChristie Lagallyは述べている。Lagallyは元ボーイング社のエンジニアでテクニカル・プロジェクト・マネージャーを務めた。

注目の理由: Seattle Food Techは代替肉の製造という大きなマーケットで産業レベルのサプライチェーンを確立できる可能性がある。

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滑川海彦@Facebook Google+

Y Combinatorの2018冬季デモデー2日目に発表した64のスタートアップたち

微生物叢治療薬、拡張現実のためのPhotoshop、および癌治療などが、スタートアップアクセラレータY Combinatorが主催した2018年冬季デモデーの2日目(米国時間3月21日)に発表されたものだった。YCは、危険性の高いフロンティア技術や超野心的なバイオテクノロジーに資金を提供するために、ますます大規模なクラス(現在は141ほどのスタートアップ)を採用しており、一方ではより予測可能なエンタープライズ向けの企業でそのポートフォリオのバランスをとっている。

投資家たちによれば、デモデー後の評価額の上昇は、最近激しいものになっているという。暗号通貨で一山当てた人たちが、その収益を何処かへ向けようとして、YCスタートアップへの需要が高まっているのだろうと、考えている者もいる。

アクセラレーターは、米国の成功を真似る国際的コピーキャットの存在を認めており、YC自身でも多少繰り返しが見られる。例えばThe Podcast Appは、丁度1年前にYCでデビューしたBreakerと全く同じような製品と戦略を発表した。しかし、今日マウンテンビューのコンピュータ歴史博物館のステージでは、数多くの野心的でユニークなビジネスが発表された。そして会場は、いつものように、本当に多くの投資家たちで埋められていた。

昨日(米国時間3月20日)発表された64のスタートアップについてはこちら。私たちが選んだ昨日のベスト7企業に関してはこちらを参照して欲しい(本日分から選んだベスト8に関してはこちらを参照)。

ではご紹介しよう。以下にご紹介するのがYC2018冬季デモデー2日目で発表された60以上のスタートアップだ。

Callisto

Callistoは、性的違法行為の犠牲者のために開発された、報告用ソフトウェアである。

同社の製品は、加害者の報告を行おうとする人に、LinkedInのプロフィールや電話番号などの、特定の一意の識別子を与えるよう求める。もし2人の犠牲者が同じ加害者を報告した場合、会社はそれぞれの被害者と連絡をとって、その状況をどのように扱うかに関するオプションを提示できる「オプションカウンセラー」を紹介する。同社によれば、Callistoのウェブサイトにアクセスした被害者たちは、5倍の確率で行動を起こすという。彼らは大学キャンパスで製品の展開を始めており、スタートアップコミュニティへのサービスを展開するための寄付を投資家から募っている。

Bump

Bumpは、ピアツーピアのストリートウェア市場である。

それは「Z世代のためのeBay」だ。彼らは迅速にオンラインコミュニティを構築していて、3月には既に43万ドル分のGMV(Gross Merchandise Value:流通総額)から2万5000ドルの収益を達成している。彼らは利益が出せていることと、強固なコミュニティの存在を主張している。Bumpによれば、毎週60万件のメッセージがユーザーに送られているということだ。彼らは最終的にはストリートウェア以外にも進出できると考えている。

TechCrunchによるBumpの記事はこちらを参照。

The One Health Company

One Healthは、犬のがん治療を改善したいと考えている。ゲノム検査と遺伝子シーケンス解析を使用することで、診断の改善と治療の有効性を改善するのだ。

現在2件の試験運用を行っており、約2週間で3万9000ドルを売り上げた。

Onederful

Onederfulは歯科保険のためのAPIである。

Onederfulによれば、歯科医院は保険クレームの問題によって、毎年収益の中から60億ドルを失っていて、さらには難しいクレームの検証のために毎年30億ドルを失っているという。OnederfulのAPIは、240の保険プロバイダーと統合されており、患者の保険を迅速かつ確実に確認し、歯科医が支払いを確実に受けられることを保証する。

Onererfulは個別の歯科医に対して販売する必要はない、その代わりに主要な歯科用ソフトウェアへの組み込みを介してパートナシップを開拓し、普及を狙っている。現在120の歯科医院に導入されている。

Anjuna

Anjunaは、パブリッククラウドの中で実行されているアプリケーションを保護する。

同社によればは、現在仕事の約30%がパブリッククラウド中にあるが、他の70%の移行を支援することが同社の目標だと語っている。スタートアップはメモリ暗号化技術を使用して、使用中、待機中、および移動中のアプリケーションを保護している。同社は、たとえ悪意のある人がホストシステムへのルートアクセス権を奪っても、保護が続くと主張している。

BioRender.io

BioRender.ioは、「生物学のための視覚言語とそれと編集するソフトウェア」を標準化したいと考えている。

彼らは、「醜い科学イラスト」を排除するところに110億ドルの市場機会があると考えているのだ。これまでのところ、彼らはライフサイエンス業界向けのSaaSビジネスを含む、300の機関と協力して来ている。彼らの製品は、科学雑誌でも特集されている。

Airship

Airshioは、小規模のスタートアップが巨大なテクノロジー企業と同じやりかたで製品を展開することができるようにする、機能切り替えフレームワーク(feature flagging framework)を開発している。

通常A/Bテストスタートアップが提供するのは、例えばヘッダの違いなどの小さなコンテンツの変更などだが、Airshipの場合は顧客が完全に違う機能群を一部のユーザー群に対して提供することを支援する。このことで企業は、エンドユーザーがリデザインやアップデートに対してどのように反応するかに関する情報を、より多く集めることができる。

TechCrunchによるAirshipの記事はこちらを参照。

Gainful

Gainfulはパーソナライズされたプロテインシェイク(タンパク質を効果的に摂取するための飲み物)を作る。

ほとんどのプロテインシェイクは、男性の運動選手やボディビルダーを相手にデザインされ、マーケティングされている。Gainfulは顧客に5分間の健康クイズを受けさせてから、パーソナライズされたシェイクを出荷する。事前に8万人がクイズに参加し、スタートアップのための膨大な健康データアーカイブが構築された。現在2700人の顧客がいて、その半数以上がボトルを購入している。Gainfulは2月に4万ドルを売上、月に85%の成長を遂げており、顧客1回目の購入から利益が出ている。最終的には、Gainfulは競合他社が収集していないデータを利用して、スポーツドリンク、代替食品、そしてパーソナライズされたフィットネスプランに拡大することができるだろう。

Quantierra

Quantierraは、開発者向けの不動産投資を提供している。

独自のデータベースとアルゴリズムを使用して、何が建設可能なのか、その価値はどれほどか、そして販売可能性がどれくらいあるかを判断する。販売を助けた物件の1.5%を徴収し、彼らは3ヶ月で14万1000ドルの収益を挙げた。そして31万ドル分の契約書を獲得したと語っている。

BloomJoy

BloomJoyは、「ライフスタイルコンテンツ関連のプレス」になりたいと考えている。

彼らは、ほんの数週間で500万人の週刊読者を得た(と彼らが主張している)コンテンツの制作と配信を行っている。これまでのところ、1万9000の出版社と協力しており、週間で2万5千ドルの広告収入を得ている。彼らはこれが50億ドルの市場機会だと考えている。チームはメディア経験を持ち、以前に1800万ドルでスタートアップを売却したこともある。

YouTeam

YouTeamは、コンサルティング会社で働いているが、現在手の空いているエンジニアを「賃貸」することができる。

同社は、それぞれの仕事の20%を報酬として受け取る。現在、月額総純収益が5万5000ドルになっているそうだ。

Substack

Substackはサブスクリプション型出版プラットフォームである。

サブスクリプション型の支払いは、ジャーナリストたちを、クリックと広告ビューを稼ぐためのクリックベイトやセンセーショナリズムから自由にする。Substackは、出版社や個人が簡単にサブスクリプションプロダクトを始められるようにする。Substackには7000人のサブスクライバーがいて、平均年間70ドルを支払っている。Substackの取り分は10%である。そのトップライターは現在30万ドルを稼いでいる。最終的にはSubstackはサブスクライバーベースをコミュニティに変えて、ポッドキャストやビデオに拡大して行きたいと考えている。KikのCTOと元ジャーナリストを創業者チームに擁し、Substackはソーシャルネットワークに逃げ去ってしまったジャーナリズムの収益を取り戻したいと考えている。

SubstackについてはTechCrunchの記事も参照のこと。

HelloVerify

HelloVerifyは、最近政府が、すべての個人記録の電子化を開始すると発表したインドで、即時のバックグラウンドチェックを行っている。

スタートアップは、この法律を最初に活用する者たちの中に入っている。同社は現在、年間売上高が300万ドルであり、過去60日間には100万ドル分の受注を完了している。同社の初期の顧客にはAccenture、Infosys、そしてCognizantが含まれている。

Look After My Bills

Look After My Billsは「苦労せずに月々の請求額を減らしたい」と願うひとたちのためのものだ。

英国を拠点とするこのスタートアップは、電力会社、携帯電話、ブロードバンドの精査を手伝い、節約のためのプロバイダの切り替えと最適化を支援することで、利用者は年間320ドルを節約できると主張している。ユーザーが企業を切り替えるたびに60ドルを手数料として徴収し、4000人のユーザーから今月は8万4000ドルを得ている。

Station

Stationは、仕事中に人びとが利用するウェブブラウザになることによって、SaaS(サービスとしてのソフトウェア)のアプリケーションストアになりたいと考えている。

それは仕事用アプリをブラウザのサイドバーに焼き込んで、無数のタブの中で迷わずに済むようにするものだ。これは500種類のSaaSアプリケーションを統合している。なおユーザーの平均ダウンロード数は12である。Stationには一日の4.5時間以上をアプリに費やすアクティブユーザーが、毎週1万1000人存在している。最終的には、大きなSaaS企業へのより深い統合と、そのアプリの積極的な発見のための機会を売りたいと考えている。

Torch

Torchは、全ての企業に、エグゼクティブコーチングを届けたいと考えている。

スタートアップは、ビデオベースの会議ソフトウェアを使用して、マネージャーたちに対して改善したいスキルのコーチを支援する。マネージャたちは、Torchの分析ダッシュボードでログインし、目標を設定し、進捗状況を追跡することができる。Torchは元エグゼクティブコーチとデータサイエンティストによって設立された。同チームによれば、スタートアップの収益は毎月45%ずつ増えているとのことだ。

Edwin

Edwinは、AIを使って英語を教える。

彼らはこれまでの3分の1の時間、3分の1のコストで英語を教えることができると言っている。Facebook Messengerあるいは音声アシスタントを介してEdwinと通信する。例えば、Facebookでは、すでに75万7000人のユーザーを獲得している。

Meitre

Meitreが目指すのは、「世界のトップレストランのためのOpentable」だ(Opentableはレストラン予約サイト)。

Meitreは、予約に困らない「トップ3%」のレストランに焦点を当てている。55軒のレストランがOpentableではなく、彼らに支払うことを選び、ノーショーを減らし、より多くの試食メニューを売り、そしてオフピークへの顧客の誘導を実現している。これにより、毎年「何十万ドルもの収入が得られる」と彼らは主張している。これまでのところ、彼らは顧客の離脱を招いておらず、このようなサービスを必要としているであろう世界中の約5万軒のレストランへと拡大するつもりだ。

Pathrise

Pathriseは、将来得る給与の一部を支払う契約と交換に、学生がより良い就職を行えるように訓練を施すことを助ける。

大学のキャリアカウンセラーは、平均して2900人の学生に対して1人しかおらず、そのオフィスは時代遅れなものだ。まず始めに、学生のことを知り、データを使って関連する求人情報を発見する。そのトレーニングは、学生の募集者へのメール、履歴書、面接スキル、給与交渉などを改善することができる。雇用される学生1人につき5000ドルの収入が期待されている。75万人のソフトウェアエンジニアリングの学生から始めて、Pathriseは37億5000万ドルの市場を期待している。最終的には他の種類の仕事にも拡大する予定だ。学生は教育に大金を費やしていて、ローンを返済するために仕事を得ることに必死だ。Pathriseは、学生たちが学んだことを活用し、自分にとって良い仕事を見つけるための手助けをする。

TrapFi

TrapFiでは月締めの小切手を待つのではなく、プルリクエストが承認されると即座に、プロジェクトへの貢献に対してフリーランス開発者へ支払いが行われる

彼らはプラットフォーム上で得られた収入の1.5%を請求する。2週間で500人のユーザーを集めて2万5千ドルのトランザクションが発生したということだ。

Sixfold Bioscience

Sixfoldは、癌やその他の疾患を治療するためのナノ粒子をデザインする。

CRISPRで開発された遺伝子編集薬を、健康な細胞に影響を与えずに、病変細胞を標的とする方法で送り込むことができると主張している。彼らは現在、マウスを用いてナノ粒子のテストを行っている。

Jido Maps

Jido Mapsは、永続性の問題に取り組んでいるARスタートアップである、または検知センサーが存在しない場合でも、デジタルオブジェクトを実際の環境に貼り付けることを可能にする。

同社は自身をARのための「保存ボタン」と呼んでいて、ユーザーがオブジェクトを置き、それを保存して、その情報を他のユーザーと共有することを可能にしている。1ヵ月間のベータ版の後、59社の企業がスタートアップのAPIを使用しており、間もなく月間の合計アクティブユーザー数は30万人に達する。

Atrium

かつてJustin.TVならびにTwitchを立ち上げたJustin Kanは、Atriumという名の「スタートアップのための、技術に明るい法律事務所」の立ち上げを発表した。

同氏は、スタートアップの共同創業ならびに投資の経験を通じて、「止むを得ず企業法務サービスのパワーユーザーとなった」と述べた。外部の法律事務所に費用がつぎ込まれるマーケット規模を1580億ドルと見積もる中で、KanはAtriumのソフトウェアが法的文書をデータ化するのに役立つと考えている。彼によれば、彼のサービスは、契約、M&A、その他の書類作成に対して時間請求される料金から、顧客たちを救うために使われているのだと言う。Atriumは「法的サービスを、速く、明朗会計で行う」のだ。

LUS Brands

LUSはカーリーヘア用のヘアケア製品を製造している。

何十年にもわたってメディアが人びとに髪をまっすぐにするべきというプレッシャーを与えてきたが、人びとはカーリーヘアを愛するようになった。しかし、それをケアするためには、高価な製品や時間を沢山投入する必要がある。LUSは、さまざまな民族性毎に異なる、特定のカールレベル向けの製品を製造していいる。17ドルの製品を売る同社は、ゼロから始めて今や年商100万ドルに迫るほどになった。売上総利益は70%で、同社は銀行に40万ドルの現金を持っている。そして今、年間500億ドルに達するカーリーヘア製品市場で、彼らのブランドLUS(”Love Ur Self”:自分を愛して)の存在感を増すために、増資を計画している。

TechCrunchによるLUSブランドの記事はこちら。

ZBiotics

ZBioticsは遺伝子工学を使った飲み物を製造しているが、それは二日酔いを防ぐ効果があるのだという。

スタートアップが製造したプロバイオティクス(人に良い影響を与える細菌やそうした細菌を含む食品/飲料)は、アルコール代謝の主な副生成物の1つであるアセトアルデヒドを分解する。アセトアルデヒドは二日酔いの原因と考えられているZbioticsによれば、その製品が1単位あたり5ドルで販売され始めたら、それは世界で初めて遺伝子工学利用のプロバイオティクスが市場に出ることになるのだという。

Shogun

Shogunは、企業がすばやく店舗サイトを立ち上げることを支援する。

ビジネスを立ち上げオンラインで製品を売ろうと考える小企業は、購買ボタンを表示する前に行うべき膨大な仕事の量に、途方に暮れてしまうかもしれない。Shogunは、Shopifyのようなプラットフォーム上で、オンラインストアを設定するページエディタのための、より簡単なワークフローを作成することを狙っている。このサービスは、特に技術者以外の人を念頭に置いてデザインされている。

TechCrunchによるShogunの記事はこちらを参照。

DearBrightly

DearBrightlyは、パーソナライズされたスキンケア製品をオンラインで提供する。

彼らの主力製品は「レチノイド」であり、これは、にきび、乾癬、および他の炎症性皮膚疾患の治療に役立つ。パートナー登録をした皮膚科医師に、肌の写真を送り、スキンケア療法を決定し、必要な処方箋を得る。

TechCrunchによるDearBrightlyの記事はこちらを参照。

Sketchbox

Sketchboxは、ARとVRのためのPhotoshopである。

彼らはいつか、今日のウェブならびにグラフィックデザイナーと同じだけの数の、AR/VRデザイナーが登場すると信じている。これまでのところ、彼らは2000人以上のデザイナーたちと仕事をしており、「パワーユーザー」たちは週に平均3.5時間をプラットフォームで過ごしている。Microsoft、Oculus、Eon Realityなどの企業がSketchboxをテストしている。それは60億ドルの市場機会になるとSketchboxは信じている。

TechCrunchによるSketchboxの記事はこちらを参照。

EnvKey

EnvKeyはAPIキーのLastPassになることを狙っている

企業がますます大きくなるにつれて、アクセスしなければならないツールやAPIの複雑なネットワークは、本当にすぐに手に負えなくなって行くだろう。EnvKeyは、それらのすべてのキーとパスワードを追跡し、それらが正しく更新されるようにしている。EnvKeyには、適切な人だけが内部でアクセスできるようにするためのツールも用意されている。

TechCrunchによるEnvKeyの記事はこちらを参照。

Tradewind Bioscience

Tradewind Bioscienceは、癌の転移を阻止する薬剤の開発に取り組んでいる。

その2人の創業者たちは、それぞれ独自に癌の転移中に生まれる癌タンパク質を同定し、この問題に取り組むためにチームを組むことを選んだ。彼らは、彼らの治療法が「ほとんどの」癌に有効だと言っているが、まずは卵巣癌に焦点を当てている。

TechCrunchによるTradewind Bioscienceに記事はこちらを参照。

Arrow

Arrowは拡張現実のためのInstagramを開発することを狙っている。

そのアプリは、ユーザーが、実世界のオブジェクトにテキストと絵文字を貼り付けることを可能にし、作成したARビデオを共有することを可能にする。そのAutoemoji(自動絵文字)機能は、一般的なオブジェクトと表情を識別し、関連する絵文字で画面を埋める。スタートアップは、2019年にはAR対応した最新携帯電話の数が5億台に達し、潜在的なユーザー基盤を拡大することを期待している。Arrowのパブリックベータ版では、2ヶ月で2万5000本の動画が共有されている。InstagramとSnapchatに対抗する新しいソーシャルコンテンツフィードを開発することは非常に困難だが、Autoemoji機能は革新的だ。

Wing It

Wing Itは、週末の旅行にあなたを誘う、Facebookメッセンジャーのボットである。

Airbnbや、地元のハイキング、その他のアクティビティを、あなたの嗜好(自宅からの距離、一人当たりの費用など)に基づいて推薦してくれる。既存ユーザーからの毎週のリピート率は70%である。

TechCrunchによるWing Itの記事はこちらを参照。

Tipe

Tipeは、無駄なテキスト編集を人生から取り除いてくれる、開発者のためのツールだ。

スタートアップが提供するのは、開発者以外に人間がコンテンツを素早く簡単に編集できるようにすることで、開発者がマーケティング目的のコンテンツ編集を絶えず行う必要をなくし、ただコードの開発に専念できるようにする仕組みだ。

Swayable

私たちの記者の1人であるJon Shieberが書いているように「Swayableは3人の元物理学者たちによって創業され、単なる扇動や宣伝を行うのではなく、実際に情報を伝え説得するための、政治的メッセージの作成を助けるもの」である。

彼らは、政治グループたちが自身のメッセージに対してA/Bテストを行い、どのメッセージが最も効果的かを判断する手助けをする。また同時に正確な情報のみが共有されるようにする。彼らは現在、毎月の売上が10万ドルに達しており、顧客にはDNC(民主党全国委員会)やACLU(アメリカ自由人権協会)が含まれている。

TechCrunchによるSwayableの記事はこちらを参照。

Quantstamp

Quantstampは、スマートコントラクトのセキュリティを自動的にチェックする。

ブロックチェーンに対する新たな人気によって、スマートコントラクトを使用する企業が増えている。しかし、そのセキュリティを手動でチェックすることには時間がかかり、コストがかかる。昨年は、スマートコントラクトがハッキングされたために、3億ドルが失われた。Quantstampは、スマートコントラクトの脆弱性を調べる自動化プロセスを開発した。

既に6回のエンタープライズ・スマートコントラクト監査で240万ドルの収益を挙げており、監査1件あたり50万ドルを支払う顧客が、50件待ち状態である。Quantstampが、企業にスマートコントラクトが乗っ取られることがないと安心させることで、スマートコントラクトを主流にすることができるだろう。

Glimpse K12

Glimpseは、学校における効果の低い支出を削減しようとしている。

教育機関の会計システムに学生の成績データを織り込むことで、生徒の成績を上げるためには、どこにお金をかければ良いかを教育機関が理解できるようにする。チームの究極の目標は、「教育に毎年費やされている8000億ドルの使われ方を根本的に変える」ことだ。

ClearBrain

ClearBrain は、サブスクリプションにサインアップしたり、製品を購入したり、アカウントをキャンセルしたりする可能性が高いユーザーたちに、的を絞って広告を出すことを支援する。

企業がすでに使用しているツール(Segment、Optimizely、Heapなど)からデータを抽出して、人工知能を適用し、特定のアクションを実行する可能性に基づいてユーザーを分析しグループ分けする。CEOのBilal Mahmoodによると、最終的な目標は「マーケティング担当者のためのAIの大衆化」である。

TechCrunchによるClearBrainの記事はこちらを参照。

Players’ Lounge

Players’ Loungeは、ゲーマーが現金の獲得で競争できるオンラインプラットフォームである。

プレイヤーは自分のアカウントに資金を入金し、FIFAまたはFortniteのゲームで数ドルを投じようという他のプレイヤーを検索することができる。スタートアップのレーティングシステムにより、ゲーマーたちは、相手が同様のスキルセットを持っているか、リーグ外かどうかを知ることができる。同社は賭け金の10%を徴収する。現在は毎週25%ずつ成長しているということだ。

Memora Health

Memora Health は、「患者のフォローアップを行う仮想看護師」を開発している。

医院を訪れた患者を、看護師が有料で治療についてフォローするということがある。Memoraは、人工知能を使ってそのやりとりを自動化することを目指している。これまでのところ、彼らは月々7万ドルを売り上げており、LOI(基本合意書)で380万ドルを確保している。彼らは「米国内の全患者をフォローアップするための基盤を構築した」と述べている。

Treasury Prime

Treasury Primeは、銀行向けのAPIを開発している。

ほとんどの銀行は今でも古いメインフレームのコンピュータと手動による変更を実行しており、銀行サービスの遅れにつながっている。Treasury Primeは、銀行口座開設の手続きを3日から3分に短縮できると語っている。スタートアップは、残高と取引履歴の確認、ACHと電信送金による送金や入金などのためのAPIを構築している。

今ではTreasury PrimeのAPIを使用して実際の銀行口座を開設しているとある銀行と、リアルタイムの統合が行われている。Silicon Valley BankとStripeのAPIを開発し、以前の会社を2億ドルで売却したチームと共に、Treasury Primeは銀行を近代化したいと考えている。

Hunter2

Hunter2は、大規模な漏洩の発生に備えて、エンジニアたちに模擬的なオンライン訓練を施すことを狙っている。

Hunter2は、エンジニアたちに対して、ウェブアプリのセキュリティのよりよい扱いをソフトに促し続けるものだ。半定期的に従業員たちに対してどのようなスキルが必要かを思い出すように促し、実際におきたEquifaxのような事例を元に作られた練習を課す。

TechCrunchによるHunter2の記事はこちらを参照。

Slite

Sliteは、チームのためのコラボレーティブツールを再考しようとしている。

もしGoogle DocsがSlackの誰かによって開発されていたらと想像して欲しい。Google Docsそれ自身も、既にかなりシンプルなものだが、Sliteは従来のノート型アプリケーションを中心にして、一連のコラボレーションツールを作成することを目指している。目標は、チームメンバーがやってきて様々なノートを書き込んで行けるようなハブを作り出すことだ。最終的には内部的なWikiに似たようなものになるだろう。

TechCrunchによるSliteの記事はこちらを参照。

The Podcast App

The Podcast Appは、ポッドキャストのためのNetflixになることを狙っている。

50万の番組と3000万話にエピソードが登録されている。 The Podcast Appは音声コンテンツの再生を行うが、最終的には独占的なコンテンツサブスクリプションの提供に移行したいと考えている。同社はこれからの5年で毎月5億人のポッドキャストリスナーを抱えて、トップクリエイターたちへの独占アクセスのために課金される月額10ドルのうちの10%を徴収したいと望んでいる。The Podcast Appは、この1年間で毎月50%成長し、今や毎日4万人のアクティブユーザーを抱えている。しかしそれは他にある無数のポッドキャストアプリたちの上を行く必要がある。その中には同様の戦略をとるYCスタートアップのBreakerも含まれている。

The TechCrunchによるThe Podcast Appの詳細記事はこちら。

Groww

Growwは、インドのRobinhood(株式売買サービス)になることを狙っている。

同社によれば、インド中産階級の数は2億5000万人だが、そのうちの約1000万人だけがオンラインで投資をしているという。スタートアップは、ミューチュアルファンドへの取り組みを開始しており、1取引について1%の手数料を徴収している。次に狙っているのは、株式、債券、そして暗号通貨だ。

Persephone Biome

Persephone Biomeは、腸内微生物の再調整を通して、癌治療薬の働きを助けようとしている。彼らは腸内細菌を含む薬剤を作っている。

2019年には臨床試験に入る予定だ。

Biobot Analytics

Biobot Analytics は「オピオイド(モルヒネに類似した合成麻薬)の消費量を推定するために」都市の下水を分析する。

現在得られる「最良のデータは、死ぬ人を数えること」であり、これは市当局が予測を行うのには不十分である。MIT出身の創業者は、「米国の歴史における最大の薬物危機に取り組むために、私たちのスキルを使用することに情熱を注いでいます」と述べている。これまでのところ、彼らは17通の基本合意書(LOI)を受取っており、米国とカナダだけで年間15億ドルの市場機会であると考えている。同社は薬物使用に加えて、医薬品、感染症、食物消費量も測定することも望んでいる。これは「企業が何十億ドルも支払うデータ」だということだ。

Nectome

Nectomeは、いつか科学者たちがあなたの記憶をコンピュータにアップロードする方法を発明する日に備えて、人間の脳を保存することを目指している。

問題点は(同社の共同創業者であるRober McIntyreの説明によれば)この手法は「致死率100%である」ということだ。同社の計画では臨終期の病人を麻酔下に置き、心肺装置を繋いで動脈に防腐剤を送り込むのだと言う。

TechCrunchによるNetcomeの記事はこちらを参照。

Promise

Promiseは、「保釈」を改革するスタートアップだ。郡や地方自治体に対して、単に保釈金を払うことができないという理由だけで拘束されている、危険性の少ない人びとに対して代替手段を提供する。

保釈者ごとに、Promiseは郡に対して包括的な受け入れ手続きを提供し、対象者毎に特定のケアプランを設定する。Promiseは保釈者の監視とサポートを行う。例えばいつ裁判所に出頭するのかを確認し、麻薬検査や薬物乱用治療などを受ける義務を思い出させる。アプリはまた保釈者に、職業訓練、住宅提供、カウンセリング、身元保証を提供する。

TechCrunchによるPromiseの記事はこちらを参照。

Beanstalk

Beanstalkは、屋外農業のコストで作物を育てることのできる、屋内農業のスタートアップだ。

同社は作業を簡素化しつつ、屋外農業でコストの嵩む部分を独自のカスタム機械を用いることでコストを削減する。Beanstalkにはいくつかの有利な点がある。特に天候を気にせず、農薬を必要としない点だ。彼らはまず、昔ながらのほうれん草のような価値ある野菜の栽培に力を入れ、栽培場所から100マイル(約160キロ)以内の顧客に焦点を当てる。

Nutrigene

Nutrigeneは、あなた自身の健康データに基づいてパーソナライズされたサプリメントを作る。

ユーザーが23andMe(または同等の)のデータをアップロードすると、それに応じてNutrigeneがカスタマイズされたサプリメントを作成する。最終的には、彼らは個人化された医療を手がけるつもりだ。2.5か月前に開始され、1万7328ドルの収益を挙げたという。なお1注文あたりのマージンは50%であるという。

TechCrunchによるNutrigeneの記事はこちらを参照。

Precious

Preciousは、AIを使って赤ちゃんの写真を厳選してくれるiPhoneアプリだ。

それは「雑多な写真をスキャンして、意味のある瞬間を見つけ出します」と、彼らはステージ上で語った。これまでのところ、彼らは5万4000人の月極有料会員を獲得し、「全ての子供の成長に合わせて、完璧なアルバムを作成し更新」している。特化したAIを使用して、最良の写真だと思われるものを判断し、顧客に定期的に送信する。これまでのところ、彼らは毎月の18万ドルを売り上げて、利益も出しているという。彼らはこれが200億ドルの市場機会だと信じている。

Zyper

Zyperは、「ブランドのソーシャルネットワークを再構築する」ことを狙っている。

ブランドにとって最も魅力的なユーザーを特定し、そのブランドに関するコンテンツの投稿と引き換えに、ブランドの製品に関連した報酬(お金ではない)を提供する。同社は、9ヶ月前に開始して以来、1億ドルの収益を上げたと述べている。

Cognition IP

Cognition IPは、テクノロジーを活用した特許法律事務所で、仕事をより迅速かつ安価に行うことに重点を置いている。

同スタートアップは、従来の法律事務所の半額の報酬を請求し、大きな事務所が30日かかる出願を、14日間で行うと言っている。同社はこれを、特許申請を読み込み類似のものを探すスマート検索エンジンなどの自動化ツールを開発することで達成した。また、自動的に文書整形を行い、ユーザーのために一連の記入用紙を埋めるソフトウェアも開発した。同社は3ヶ月前に立ち上げられれ、収益は20万ドルで、利益も上げている。

Mirror AI

Mirror AIは写真を撮り、あなたに似た何千もの絵文字を作成する。発表されて数週間たち、アプリは30万回以上インストールされている。

Tarjimly

Tarjimlyは、難民や移民をその言語のネイティブスピーカーたちと結びつけ、書類作成から災害対応までの難しい状況の手助けを行う。

これは匿名かつ無料で、Facebook Messenger内で完全に機能する。より多くのプラットフォーム対してもこの先対応が進む予定だ。

TechCrunchによるTarjimlyの記事はこちら。

OurMenu

OurMenuは、ウェイターからの注文をウェブサイトからの注文へと置き換える。

レストランの人件費は巨額である。OurMenuは、レストランの客が、ウェイターに話すのではなく、テーブルから携帯電話で、アプリをダウンロードすること無く注文を行えるようにする。客はテーブル上のQRコードをスキャンし、食べ物を選んで、注文し、支払いを行う。すると食べ物が運ばれてくるというわけだ。OurMenuは、技術利用料として月額300ドルをレストランに請求する予定だ。希望すれば有償で選ばれたメニューに関する情報も集計して提供する。

Archform

Archformは、歯科矯正医が自らの医院の中で、アライナーをデザインし、3Dプリントすることを可能にする、アライナーソフトウェアスタートアップである。

このアイデアは、歯科矯正医たちに、いくつかアライナー直販スタートアップたちに対抗するための良い選択肢を与え、またインビザライン(歯列矯正法の1つ)にかかるコストを削減しようというものだ。

TechCrunchによるArchFormの記事はこちらを参照。

Ropeo

Ropeoは、ラテンアメリカのStitch Fix(好みを伝えるとスタイリストとAIが自分好みのアイテムを何点か送ってくれて気に入ったら購入するというもの)を目指している。

同社は、その特定市場向けに最適化された機能を備えた、月額衣料品サブスクリプションサービスを提供する。同社はユーザーに購入前に試着させ、商品回収時に現金の支払いを受け取る。何故ならラテンアメリカにおけるクレジットカードの普及率はとても低いからだ。同社は成長するに従ってパートナーたちと有利な条件で取引できるものと考えている。また服の後には異なるタイプの服飾品に対象を広げるだろう。

Pulse

Pulseは、ITエグゼクティブのコミュニティにアクセスすることで、クラウドソース型で調査を行いアドバイザリーレポートを集めようとしている。

彼らは現在、プラットフォーム上に3000人以上のITエグゼクティブを擁しているが、同社によれば毎週100社以上が増えているということだ。そのレポートは無料だが、代わりにITバイヤーとベンダーを結ぶことで、お金を稼ぐことを目指している。

TechCrunchによるPulseの記事はこちらを参照。

Playbook

Playbookは、遊び相手を探したい大学生のためのアプリだ。

これは、ハーバード大で240人のベータユーザーを持つアプリだが、30%の利用者が毎日それを使用している。3月には集まりのためのイベントも開催した。そして「それまでお互いに知らなかった人たちが、一緒に活動し、楽しく過ごすことができた」ということだ。アプリはiOSとAndroidの両方で利用できる。

TechCrunchによるPlaybookの記事はこちらを参照。

Dana Cita

Dana Citaは、インドネシアで学生ローンを提供する。

これまでは、この人口2億6000万人の国にはローンが存在せず、76%の人は銀行口座も持っていなかった。Dana Citaは、学生ローンが大人の金融生活の始まりとなり、その他の金融サービスへの長期的な顧客として誘う手段になると考えている。これまでに52の借り手に対して10万ドルの融資が行われている。問題は、アメリカの学生ローンによる債務危機を見たインドネシア人たちが、スタートアップからお金を借りたいかどうかだ。

Tributi

Tributiは、ラテンアメリカのためのTurboTaxを開発したいと考えている。

スタートアップによれば、ラテンアメリカの大部分の人びとは、ソフトウェア製品を使うのではなく、個々の会計士に税金を計算させていると言う。同社は、今後の南米大陸で行われる税制改革が、彼らのソリューションのようなものへの需要を高めるだろうと語る。スタートアップは、創立以来毎週25%成長しているとのことだ。

EasyEmail

EasyEmailは、あなたの電子メールを分析して、あなたが使う最も一般的なフレーズを見つけ、オートコンプリートを行ってくれるChromeプラグインだ。

私たちが送るメールの多くは、まるで自動操縦で書かれているように感じられる。もし本当にそうできるなら、なかなか素晴らしいことではないだろうか?繰り返し大量のセールスやPRメールを送っているユーザーにとって、このサービスはコピーペースト地獄に陥ること無く、インテリジェントにメールを送り続けることを可能にする。

TechCrunchによるEasyEmailの記事はこちらを参照。

Ben

Benは、暗号通貨について学習し、購入し、販売し、保管するための統一化されたプラットフォームを目指している。

ブロックチェーン空間の中には、何百ものウォレットや交換所が漂っているため、初心者がその中で迷子になることは簡単だ。Benのモバイルアプリが他のウォレットを使った交換と違っている点は、暗号通貨に関する教育も含まれていることだ。プラットフォームを使って通貨に関するニュースも配信され、暗号通貨投資に関連したQ&Aも提供される。

Medumo

Medumoは、医療検査の当日キャンセルを削減することを目指している。

直前のスケジュール変更は、患者と医療施設の双方にとって費用がかかることがある。

しかし、そうしたキャンセルの多くは意図的なものではなく、患者が検査前の絶食や、特定の食物を避けることを忘れてしまったために起きる。Medumoはショートメッセージと電子メールによるサポートを提供し、必要なときに患者側の準備が整っているように指示を出す。彼らの顧客の場合、ノーショーが30%減ったということだ。

[ 原文へ ]
(翻訳:sako)

Y Combinatorの2018冬季デモデー1日目に登場した64のスタートアップたち

バイオテクノロジー、ロボティクス、フィンテックのスタートアップたちが今日(米国時間3月20日)、Y Combinatorの第26回デモデーでスポットライトを浴びた。今回は23の国から合計141の企業が参加していて、プレゼンテーションは2日間にわたって行われる。マウンテンビューのコンピュータ歴史博物館は、裕福な投資家たちで溢れ返り、一部の人たちは立ち見をしたり、床に座ったりせざるを得ない程だった。一方、マリファナソーダ、風力タービン清掃ドローン、および伝線しないパンストなどのスタートアップ達は、休憩室や駐車場で自社製品のデモを行っていた。

Y Combinatorは、スタートアップスクールの多様化をさらに推し進めた。今回の参加企業の35%は国際企業であり、27%は女性創業者が占め、そして13%の創業者は話題に取り上げられることの少ないマイノリティ出身者である。50人のYCチームには、現在18社のパートナーが参加している。PebbleのEric Migicovskyが、ハードウェア企業の支援と、アクセラレーターの中国での機会を探求するために参加している。

誰もが心に抱く疑問は、一体どのスタートアップが、先行するStripe、Dropbox、Airbnbといった10億ドルを超る15社の後に続くのだろうかということだ。しかしYCのポートフォリオがソーシャルアプリや企業ツールの範囲を越えて、ハード科学イノベーションに広がり、全体の18%がヘルスおよびバイオテックで占められる中で、多くのソフトウェア投資家たちは少々圧倒されているように見えた。1日目の今日行われた64のプレゼンの記録から、読者好みのスタートアップを選んで欲しい。なお、TechCrunchの選ぶ1日目のベストスタートアップについてはこの記事を用意した。また2日目のデモデーの様子については別記事(英語版:翻訳中)を用意した。

Bear Flag Robotics

Bear Flagは自動運転トラクターを開発している。彼らは投入コストを20%削減し、生産量を11%向上させることができると主張している。彼らはすでにカリフォルニアの農場でトラクターをテスト中だ。1台のトラクターに対して1ヶ月あたり4000ドルの課金を行う予定だ。

Universe

モバイルウェブサイトを構築するためのモバイルアプリだ。これまで誰も考えなかったのだろうか?Universeは、Instagramで写真を編集するのと同じ位簡単に、個人的なポートフォリオサイトを構築できるようにする。ユーザーは他のサイトをフォローすることが可能で、そうすることでTumblrのような個人用ブログのネットワークが生み出される。ユーザーたちはiOSアプリを利用して既に10万を越えるサイトを開設している。同アプリはここ数ヶ月で拡張され複数ページのサイトが作れるようになった。アプリは現在2200人の有料会員がいて、月額平均3.40ドルを支払って、アプリのプレミアム機能にアクセスしている。

TechCrunchが以前報告したUniverseの記事については、こちらを参照。

Juni Learning

Juniは、90億ドルの放課後市場を相手にした、子供向けオンライン教育プログラムである。基本的なアイデアは、子供たちにコンピュータサイエンスを、仮想的で1対1のスタイルで教えることだ。Juniによれば、過去6ヶ月間に毎月25%ずつ伸びているという。同社はまた、毎月の更新率が95%であることから、収益性が高いと述べている。

SafetyWing

インターネット上で仕事をしながら、世界を旅するデジタルノマドは2500万人に達する。そしてその就業形態によって医療保険は複雑なものになりがちだ。SafetyWingは月額37ドルの保険料で、180ヵ国(米国では30ドルの追加料金が必要)で使える医療保険を提供する。保険がカバーするのは病院での診察や薬の処方などだが、予防的治療や癌のような既往症に関してはカバーされない。SafetyWingは巨大保険会社である東京海上と提携し、プランを運営している。目標は、フリーランサーとデジタルノマドのための、グローバルセーフティネットを構築することである。スタートアップは将来的には銀行業務と所得保証も視野に入れている。スタートアップは旅行者たちに、健康保険がその価格と手間に見合うものだと納得させる必要があるが、年間150億ドルの市場規模と、5年ごとに倍増するデジタルノマドの数は、医療保険のビジョンの近代化が入り込む余地がある。

TechCrunchによるSafetyWingの記事はこちらを参照。

Macromoltek

Macromoltekは、抗体をデザインするソフトウェアを開発することにより、「創薬プロセスを変える」ことを狙っている。スタートアップは、製薬企業を支援するために、技術と組み合わされた学術研究を使用している。これまでのところMacromoltekには10件の有料顧客がいて、2017年には5万ドルの収益を挙げている。彼らはまた、新しい抗体をデザインするためのLOI(予備的合意書)で50万ドルを確保した。

Passerine

Passerineは鳥のように離陸し着陸する無人航空機を作っている。広いエリアのマッピング、軽量貨物の配送、ライダー(lidar)による測量、電力線のモニタリングといった用途を欲している企業向けに販売しようとしている。

Visor

Visorは、トップゲーマーたちをより熟達したプレーヤーにしたいと考えている。スタートアップは、eSportsのゲームプレイ映像を分析し、ユーザーに対して改善すべきゲームスキルをコーチする。チームは過去30日間に130万分の映像を分析し、3900人を超える月間アクティブユーザーを誇っている。今年の始めの開始以来毎月52%ずつ成長している。

Proven

Provenは、データ、人工知能、機械学習を使用して、個々人に特化した、消費者向けスキンケア製品をデザインしている。人びとに最高のスキンケア製品を提供するために、Provenはビューティーゲノムプロジェクトと呼ばれるデータベースを構築した。この構築に際しては人びとからの800万件に及ぶAIを使ったレビューが集められ、どの成分が人びとに効果があったかが解析された。基本アイデアは、人びとが自分の皮膚に最適な製品を発見することを手助けすることだ。

TechCrunchによるProvenの記事はこちらを参照。

Vena Medical

Vena Medicalは、患者の血管を見ることで、肝臓癌や脳卒中の治療に役立てることができる、「世界最小のカメラ」と彼らが呼ぶものを作成した。。彼らは病院での治験を行っており、彼らの使い捨て医療機器には50億ドルの市場機会があると考えている。「扱われる患者ごとに、別のカメラが使われます」。

Haiku

Haikuは、Unityがゲームのために実現したかったことを、アプリのためにやろうとしている。これは、開発者とデザイナーが一緒に使うことが想定された、簡単なアプリケーション作成ツールだ。それが作成するアプリは、iOSとAndroidのクロスプラットフォームとなる。

Patchd Medical

Patchdは、敗血症を検出するための、胸部に装着する装置を開発した。敗血症は患者が病院で死亡する原因の第1位を占めている。基本的なアイデアは、デバイスがバイタルサインを記録して、分析のために医師に送り返してくれるので、患者はもうモニタリングのために病院に留まっている必要がなくなるということだ。彼らは現在、オーストラリアで試験を行っており、現在20人に対してデバイスを予備テストしている。臨床試験は2019年に行われる予定だ。製品が確実にデータを記録して送信することができて、もし合併症が発生した場合に患者が適宜病院に戻るようにできるなら、Patchdのデバイスは、患者には居心地の良い自宅に戻ることを許しながら、病院と保険会社には膨大な費用を節約させることができるだろう。

Proof

Proofは、ウェブサイトの訪問客を購入客に変えることを助ける。一例として、ウェブサイトは、現在何人の人びとがある製品を見ているかを、訪問者に示すことができる。基本的なアイデアは、こうした通知を行うことで訪問者を購入者に変えようというものだ。Proofには現在、2700の有料顧客がいて、そのコンバージョンの上昇率は平均で10〜15%に達している。Proofの長期的な目標は、マーケティングファネル全体をパーソナライズすることだ。

Openland

Openlandは、土地所有者たちが物件を手に入れる際の、より良い方法を生み出そうとしている。そのサービスは使い易いインターフェイスを介して行われる。インターフェイスは、建築家が利用可能な土地を分類し、土地所有者と迅速に連絡して、資産を評価し、書類を作成できるようにするものだ。Openlandの共同創業者は、建築可能なスペースの90%が販売されていないことが、「不動産業界にとって最大の障害物」だと語る。

SharpestMinds

FAANGたち、すなわちFacebook、Apple、Amazon、Netflix、Googleといった米国最大のテクノロジー企業たちは、大学キャンパスや世界各地で大規模な求人を行っている。しかし、SharpestMindsは、そのような求人リソースを持たない、その他のハイテク企業たちが、他に奪い取られる前に人材を見つけることを助ける、一連のツールを作りたいと考えている。SharpestMindsは、自分のサイトに登録した学生を、トライアルベースで働くことができる企業とマッチさせ、その先の仕事につながる可能性のある、初期の関係を構築する、

TechCrunchによるSharpestMindsの記事はこちら。

Curious Fictions

Curious Fictionsは、読者が短編小説を探し、読み、そして支払うことのできるモバイルフレンドリーなサイトだ。読者は月額5ドル、10ドル、または15ドルを支払うことができ、そのお金は読者がその月に気に入った物語の作者に配布される。個々のストーリーの作成者に心付けを送ることもできる。

TechCrunchによるCuriousFictionについての記事はこちら。

Culture Robotics

Culture Roboticsは、バイオテック企業のために生き物を育てる。「史上初のクラウドバイオリアクターファーム」を構築したことを標榜し、自身をバイオマニュファクチャリングのためのAmazon Web Servicesだと呼んでいる。美容企業のためにバクテリアを生産している。Culture Roboticsは、それを合成生物学、マイクロバイオーム、および細胞療法に適用可能であると考えている。これまでのところ、3件の有料顧客を確保し、1か月に5万ドルの収益を上げている。

Qulture.Rocks

Qulture.Rocksは中南米向けの人事管理システムである。彼らは過去2年間にわたり、毎月約20%の成長を続け、損益分岐点に達している。

AesculaTech

より患者に優しい方法で薬を投与することを目指す、バイオテックのスタートアップである。AesculaTechはカスタマイズされた体内用医療デバイスを製造できるようにする、温度応答材料を発明した。同社の最初の技術の適用はドライアイ症候群の治療に向けられていて、創業者たちはアメリカの2000万人を超える人々に影響を与えることになると語る。彼らの目標は、医療デバイスの製造に使用される主要材料になることだ。

TechCrunchによるAesculaTechの記事はこちらを参照。

Evry Health

Evry Healthは、特定のタイプの顧客を相手にすることで、従業員向け健康保険市場に乗りだすつもりだ。スタートアップが特化するのは、200〜1000人規模の従業員を抱える顧客企業だ。彼らはその商品が競合他社より20%安く、より幅広い範囲をカバーすると主張している。来年の初めには業務を開始し、テキサス州の100億ドルのヘルスケア市場に切り込む予定である。

Aspire

Aspireは東南アジアの中小企業たちに融資を行っている。「クレジット専門家」のチームは、2時間以内に意思決定を行い、翌日までに現金を提供することを約束する。これまでのところ、彼らはわずか8週間で50万ドルのローンを実施している。またCiti、Maybank、HSBCなどの銀行をサポートしている。

Sudden Coffee

Suddenは、同社が「新鮮なスターバックスよりも優れている」と主張するインスタントコーヒーを製造する。主張の根拠はブラインドテストで10人中8人のコーヒーの飲み手が彼らのインスタント商品を選んだからというものだ。現在20の小売店舗に置かれており、程なくREIでも販売されるようになる。彼らの言う「秘密のレシピ」とは、沸騰させずにインスタントコーヒーを作り出す方法を見つけたことだという。

CoinTracker

CoinTrackerは、すべての取引所毎、ウォレット毎、さらには通貨毎に、暗号通貨を追跡するためのプラットフォームだ。現在、多くの暗号通貨愛好家たちが、複雑で膨大なGoogleスプレッドシートを使用してこれを行おうとしているため、自動化されたソリューションは多くの人びとの多くの時間を節約する可能性がある。CoinTrackerはまた、FIFO、LIFOまたはHIFOアカウンティングを使用してキャピタルゲインレポートを計算することにより、納税申告を最適化する機能を備えている。

TechCrunchによるCoinTrackerの記事はこちらを参照。

Supermedium

Supermediumは、仮想現実のために初めから構築されたWebブラウザである。ブラウザを開発するチームは、以前Mozillaで、WebVR標準を定義するためのA-Frameに取り組んでいた。このA-Frameは、アプリやゲームをハードドライブから引き離して、ウェブ上に展開させることを目指すものだ。Supermediumは、そのブラウザを迅速かつ効果的なゲームやデモのためのデフォルトハブにするために、開発者たちと協力している。このアプリのベータ版は、Oculus RiftならびにHTC Vive VRヘッドセットで利用できるようになった。

TechCrunchによるSupermediumの記事はこちらを参照

Sheerly Genius

Sheerly Geniusは、切り裂きや、かぎ裂きに耐え、50回以上の着用に耐える長寿命のパンティストッキングを製造販売している。このパンティストッキングは、防弾チョッキや、クライミング装備に見られるのと同じタイプの繊維で作られている。現在、Sheerly Geniusはベーシックな黒い薄手のパンティストッキングを販売している。将来的には、Sheerly Geniusは、いくつかの異なる色も伴って、「肌色」オプションも提供する予定だ。

TechCrunchによるSheerly Geniusの記事はこちらを参照。

Hexel

Hexelは、どんなWebコミュニティでもすぐに利用できる、独自の暗号通貨を開始することができる。基本的なアイデアは、サイトがそのユーザーたちに対して、アクセスの報酬として渡したり、他の目的のためにトークンを販売することができるようにするというものだが、その暗号通貨はHexelの交換所を経由して他のサイトの通貨と交換することもできる。たとえば、Quora(QAサイト)が、科学の質問に最上位の回答を行った回答者にトークンで報酬を与えることができる。その報酬は自身の答えや質問を広く宣伝するために使うことができるかもしれない。あるいは架空のRedditトークンと、Hexelを介して交換して専門家のために設けられたサブRedditsへの投稿に、用いることができるかもしれない。Hexelは交換所を利用する際に手数料を徴収する。6週間前にHexelが開始されて以来、300の通貨が創出されたが、スタートアップにとって、人気のあるWebプラットフォームたちを説得して、わざわざサイトを複雑にするようなトークンを採用させることは簡単ではないだろう。大部分の人は、いまだに暗号通貨を、Bitcoinのような価値を持たせるものとしてしか理解していないために、多くのユーザー教育も必要になるだろう。

TechCrunchによるHexelの記事については、こちらを参照。

Modern Health

雇用者とその従業員のための精神保健福祉プラットフォームである。Modern Healthは、うつ病や不安に対処するために、従業員たちを医療専門家やデジタルツールへと誘導する。

4週間前に開始されて以来、Modern Healthは年間換算で3万7000ドルを売り上げている。これまでのところ、従業員の利用率は3割ほどだ。

Volley

アメリカの家庭の5軒に1軒には、Alexa、Siri、またはGoogleという名前の新しい家族がいる。Volleyは、家庭用アシスタントハードウェア上で音声ベースのゲームのためのプラットフォームを構築したいと考えている。同社はAlexa上のナンバー1のゲームを所有しており、昨年4月に発売されて以来、900万人のMAUを抱えている。

TechCrunchによるVolleyの記事についてはこちらを参照。

Repl.it

Repl.itは、簡易サーバーレスコンピューティングプラットフォームである。ブラウザのためのアプリを書いて、配備することができる。彼らの主張によれば「コードを開始するための最も簡単な方法」だということで、ユーザーに何千行にも及ぶ複雑なアプリケーションの作成を可能にするものだ。Repl.itは、そのクラウドプラットフォームが、ゲームやその他のインタラクティブなプログラムを構築するために最適だと考えている。

TechCrunchによるRepl.itの記事ついては、こちらを参照。

Trusu

「アジアでの国境のないお買い物」。Trusuによれば、アジアで西洋の製品を手に入れることは困難なことが多い。コストのかかるプレミアムでパッケージ転送サービスを使用する必要があるためだ。彼らは週に1回、一括して製品を輸入し、他の代替サービスに比べて価格を最大75%安いものにする。

Leap

Leapは、テック業界の女性のためのプライベートソーシャルネットワークである。女性により女性のためにデザインされたLeapは、投資家、共同創業者、メンター、仕事その他のものを探す支援をする。Leapは実名を使用するが、匿名の投稿も許されていて、議論の管理は控え目だが、大部分の男性が管理するソーシャルネットワークにあるような乱暴な議論は見られない。Leapには2000人のユーザーがいるが、米国のテック業界に480万人の女性がいることを思えば、成長の余地は大きい。ソーシャルネットワークがそのユーザーを引き留め、ユーザーたちが何を買うかを理解することができたなら、その長期的な価値は、とても大きなものになる。
問題は、Facebookやそのグループの機能のような大規模なネットワークがある中で、このようなちょっとしたニッチなソーシャルネットワークが、乱用を阻止しつつより多くの人びとに対する議論空間の創出に焦点を当てながら、成功することができるかどうかであろう。Leapのプライベートベータ版はサインアップを受け付けている最中だ。

Avro Life Science

薬物投与のための皮膚パッチを開発するライフサイエンス企業である。皮膚パッチは、薬剤を皮膚を通して直接血流に届くようにすることで機能する。すなわち、Avroの皮膚パッチを使うことで、薬を飲み込む必要がなくなり、胃腸に負担をかける必要もなくなるのだ。

Avroは、Benadryl、Zyrtec、Claritin、Aeriusといった何百もの薬物向けのパッチを作成している。またAvroの研究は、季節性アレルギーの緩和という点でも有効性を示している。Avroは、2019年の第2四半期までにFDAの承認を得る予定だと語っている。

Sourcify

Sourcifyは、企業たちが製造パイプラインと関わる方法に取り組み、製品調達のためのFlexportになることを目指している。彼らは、製造の世界からExcelを追放し、そのソフトウェアを浸透させたいと考えている。スタートアップは、すでに700以上の工場を「事前調査」しているため、業界に視覚化と透明性を提供できると語っている。

Lawyaw

Lawyawは 「法律事務所のためのインテリジェントなテンプレート」を開発している。元法律事務所のパートナーと、元Googleのエンジニアによって開発されたもので、自然言語処理を使用して弁護士の既存の文書から新しい法的文書を作成し、後にそれをテンプレートとして再利用できるようにする。 800人以上の弁護士が現在このサービスを利用しており、これまでに2万3000件のテンプレートが作成されている。

The Lobby

The Lobbyは求職者が、様々な会社内部の人間と1対1で対話をする手助けをする。履歴書のレビューと、模擬インタビューにより、スタートアップは、求職者が 「自分が望む仕事をしている実際の人間からアドバイスを得る」ことを助けるのだ。同社はすでにJPモルガンやバークレイズのようなトップ投資銀行と協力し、総額10万ドルの取引を行い、対話料の45%をマージンとして徴収している。高度に熟練した仕事を探している米国人が4000万人いることを考えると、市場機会は24億ドルに達すると彼らは期待している。Lobbyは「雇用者をタレントスカウトに変える」のだ。

Vathys

Vathysは人工知能のスタートアップである。競争相手よりも10倍速いといわれる深層学習チップを作っている。計算そのものはチップの消費電力の8%を占めている。創業者によれば、残りはデータの移動に使われている。データの移動に対処することで、Vathysは競合製品よりも10倍高速なプロセッサを開発した。同社はすでに5万ドル分の購入注文を受けている。

California Dreamin’

California Dreaminは大麻成分が注入された、THC(テトラヒドロカンナビノール:大麻の幻覚成分)スパークリングジュース飲料だ。ビールを少し飲んだときと同様に、少々あなたを陽気にする。マリファナの合法化は、巨大な新産業への扉を開いたが、その中には、とにかく煙だったら何も吸いたくない人たちのための、精神活性製品も含まれていた。一本の小売価格は8から10ドルであり、10mgのエネルギーTHCが含まれている。これが標準的な量だ。味は甘いが、土っぽい植物のかすかな香りがある。そして1本に100mgほども有効成分を投入した競合製品に比べて、1本飲み切ったからといってソファーの上に倒れ込むようなこともない。もしCalifornia Dreamin ‘が、アルコールによる二日酔いを避けながらもなにかリラックスできるものを摂取したいと考える、ベビーブーマーやサッカーママたちにアピールできるなら、ビジネスチャンスは大きいだろう。California Dreamin ‘は、ベータプログラムで1万ドル相当分を売却した後、サンフランシスコの薬局に、娯楽用途として最初のロットを送り出し始めたところだ。合法的大麻ビジネスは年間100億ドルで、毎年30%ずつ増加しているが、California Dreamin’は、人びとを大麻に切り替えさせることで、210億ドルのアルコール市場の一部を奪いたいと考えている。

TechCrunchによるCalifornia Dreamin ‘の記事はこちら。

Rhythmm

Rhythmmは、専門家や興味深い人たちのライブチャットを、他の人たちにフォローさせることが狙いだ。スタートアップは、Telegramのチャットグループから人びとが得ている知見を集め、独自のプラットフォームで全てのノイズを取り除こうとしている。チャット作成者から招待された人だけがチャット参加でき、他のメンバーはすべてチャットをフォローするだけとなる。

Algosurg Inc

Algosurgは外科手術をシミュレートするアルゴリズムを構築した。彼らは「ロボットは手術の未来である」と信じており、Tabplan3Dと呼ばれるものを開発した。これは外科医がX線の代わりにクラウド技術を使い、3D仮想手術計画を使って準備を行うことを支援する。彼らは4件の特許を持ち、FDA承認手続きの最中である。

OSIMple

OSIMpleは、自動化されたインフラストラクチャ検査の構築を支援する。言い換えれば、ソフトウェアが、道路、鉄道、橋、そしてダムのようなものの検査の最適化を支援するのだ。彼らのソフトウェアを使い500の異なる橋が6ヶ月で検査された。そして彼らは2つの大企業から、基本合意書(LOI:letters of intent)を受け取っている。

Orangewood Labs

Orangewood Labsは、オンデマンドで家具を作るために、大型の3Dプリンタ風の木材切断ロボットを使用している。在庫を抱える必要がないため、Orangewoodは売れ残り商品や巨大な倉庫のコストを削減することができる。3Dデザインをクラウドソーシングすることで、自宅にピッタリとなるように、異なるスタイル、色、そしてサイズへの調整が可能になる。多くの商取引がオンラインに移行するにつれ、顧客が購入前にすべてを直接テストすることは不可能になった。おそらく、Orangewoodは、拡張現実を使って顧客が自宅で机や椅子を実質的に試してみることができるようにするだろう。スタートアップはすでに200万ドル分の注文を獲得している。

OpenSea

OpenSeaは、暗号資産やグッズを購入、販売、発見するためのピアツーピア市場である。Coinbaseが暗号通貨のための交換所として機能していることと同様に、これはそれ以外の全てのブロックチェーン上の資産タイプのための市場だ。対象として含まれるものには、ソフトウェアライセンス、グッズ、Cryptokitties、その他のブロックチェーン上の他のデジタル商品などがある。ここ2ヶ月で、OpenSeaは軽々と50万ドル分の取引を達成した。

Playing Viral

Playing Viralはインドネシアのスタートアップだ。広告主のための見込み客を集め、オンラインパブリッシャーを支援する。チームはビジュアル広告ユニットに関するアンケートを行い、テキストを分析することで、ユーザーが確かに自分の言語や方言でアンケートを受けていることを確認する。

Correlia Biosystems

Correlia Biosystemsは、UCバークレイのバイオエンジニアリングリサーチからスピンアウトした企業である。血液の微量サンプルを分析することができるために、「小さな血の一滴から、より多くのデータを得ることが容易になった」。彼らは、薬剤応用のための、タンパク質定量測定の時間とコストを削減することによって、「次世代タンパク質検出への扉を開きつつあるのだ」と主張している。これまでのところ、彼らは3ヶ月で5万5000ドルの収益を得て、基本合意書(LOI)によって930万ドルの資金も確保している。Correliaは、これが16億ドルの市場機会であると考えている。

Sqreen

Sqreenは、Webアプリケーションの中で実行され、攻撃を防ぐためのツールである。これは、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング攻撃を識別してブロックするために、アプリケーション内でユーザーの動作を監視する。現在、Ruby on Rails、NodeJS、そしてPython上に構築されたアプリケーションで動作する。

Sqreenは2016年のTechCrunch Disrupt SF Battlefieldに参加していた。TechCrunchによるSqreenの記事についてはこちらを参照。

Piccolo

音声アシスタントが、イマドキの家庭用品のありようなのかもしれないが、Piccoloは利用者のスマートフォンを、利用者の手でコントロールしたいと考えている。いや、いまあなたが既に行っているようなものではなく、ジェスチャーを使用するのだ。ライトを指差して点灯したり、テレビの前で手を動かすことで、ビデオを前後にブラウズしたり、などなど。会社は利用者の骨格の位置座標を取り込むことのできるスマートカメラを開発し、利用者がコントロールしたいと思っているものを判別する。

TechCrunchによるPiccoloの記事に関してはこちらを参照。

NexGenT

ブートキャンプは2010年代半ばに、大変人気を博したが、その後大きな打撃を受けてきた。NexGenTは、エンジニアが生産のための準備を整えることができるようにするという基本を抑えつつも、また異なるアプローチを採用している。NexGenTは、誰かを3ヶ月で万能の開発者にする努力をするのではなく、受講者をネットワークエンジニアにするための認証プログラムに集中している。プロセスの期間は長くなるものの、よりしっかりしたものになることが期待されている。

TechCrunchによるNextGenTの記事に関してはこちらを参照。

VOICERY

Voiceryは、自然な感情や抑揚を備え、囁きや冗談に利用できる超リアルなコンピュータの音声を合成する。 70%の人びとが、その声をAmazon Alexaよりも好むということだ。Voiceryは、コンピューターを1つの特定の声を模倣するように訓練するのではなく、数百の人間の声を分析して、ディープニューラルネットワークを訓練し、その製品に役立てている。ボイスオーバーはボイスオーバーの生成、ニュースの読み上げ、テレビ番組の吹き替えなどに使うことができるだろう。既にオーディオブックの制作に対して30万ドルの基本合意書(LOI)を得ている。多くの音声対応デバイスが毎日市場に登場していることを思えば、異なるブランドにそれぞれ独自の声を与える大きな市場が存在しているだろう。

TechCrunchによるVoiceryの記事についてはこちらを参照。

LetsDoThis.com

5キロ、ハーフマラソン、その他のレースのような、持久力を競うイベントのマーケットプレイスを提供する。Let’s Do Thisは、登場して以来2週間毎に収益が倍増していると語る。これまでのところ、IronManやThe Color Runのような850以上のレースと提携してきた。

Shone

Flexportは、貨物業界がどれほど改革のための機が熟していたのかを示した。Shoneは独自の技術で古い貨物船を改造して、出荷荷物の配送を自律化し、遠隔操作する。

Quit Genius

Quit Geniusは、「喫煙をやめるのを助けるためのパーソナライズされた療法を提供する」アプリだ。それは人びとが喫煙する理由を特定し、それを克服することを助けることを狙っている。彼らは、従業員を支援するためにQuit Geniusに対して支払いを行う「巨大テクノロジー企業」を含む複数の会社と協力している。スタートアップによれば、喫煙をやめようとする人びとのために100億ドルの市場があると言う。そしてやがて酒類やその他の中毒にまで拡大したいとのことだ。

Molly

MollyはAIを使用して、有名人や分野専門家など、同じ質問を頻繁に聞かれる人のためのQ&Aを生成する。

TechCrunchによるMollyの記事はこちら。

Flint

Flintは、スキャン可能なQRコードを使用して、商店や友人に支払いを行うことができる、メキシコのモバイルバンキングソリューションである。そして、全人口のなかで銀行口座を持たない56%の層に向けて、Flintはアプリのアカウントを介して、近隣の店舗やレストランで現金の入出金を行うことのできるサービスを提供している。それは実質的にはクラウドソース型のATMである。WeChatとAlipayが中国で行っているようなことを行うFlintによる支払い金額は、毎月5倍に伸びている

Tingles

リラクゼーションのためのビデオプラットフォームである。Tinglesは、リラックスして眠りにつくことができるようにデザインされた、iOSとAndroidのためのアプリである。これはASMR(autonomous sensory meridian response:脳がとろけるように気持ち良くなる現象)と呼ばれるビデオジャンルで、年間で130%ほど伸びているものと推定されている。現在、月間アクティブユーザー数は6万人で、毎日約1.3時間分のコンテンツを閲覧している。

TechCrunchによるTinglesの記事はこちら。

Runa HR

Runa HRは給与計算を自動化して、ラテンアメリカの中小企業を支援したいと考えている。スタートアップは、米国の競合他社と似たような価格設定をしているが、従業員の全てのニーズを解決していない、他社の高価で中途半端なソリューションに対して、ラテンアメリカならではのちょうどよいバランスを目指そうとしている。Runaのチームは、最終的にはラテンアメリカの中小企業向けソフトウェア事業全体を引き継ぐことができると考えている。

Aerones

Aeronesは風力タービンを清掃するドローンを開発した。彼らはこれが、人間が清掃するよりも安全で効率的な代替品であると信じていて、14億ドルの市場機会があると考えている。彼らは重量物を持ち上げることにできるドローンを所有しており、最終的には建物を清掃したり、石油、ガス、太陽光発電などの産業向けの応用を行うことを望んでいる。Aeronesによれば、これまでに5000回の清掃に対して、7つの基本合意書(LOI)を受け取っており、収益は500万ドルに上る。

Snackpass

Snackpassは、配達ではなく持ち帰りに焦点を当てた食品注文アプリである。彼らはイェール大学でフィールドテストを実施しているが、そこでは学生の50%が毎月利用していると言う。ソーシャルネットワーク主導のロイヤルティカードの側面が、彼らによれば、成長の一因を支えているということだ。

Reverie Labs

Reverie Labsは、機械学習を使用して、公開された分子研究をスキャンし、独自に分子を変更および開発し、創り出した薬を大手製薬会社にライセンス供与している。スタートアップは、分子ライセンスを1億ドルで売ることができると主張していて、すでに8700万ドル相当のマイルストーン契約を締結しているということだ。2019年末までに、臨床試験の準備が整うことが期待される3つの薬剤がある。これは、ほとんどの製薬企業が行う作業よりもはるかに迅速だ。このハーバード大学とMITのチームは、エンジニアリングに焦点を当てたスタートアップの性格を活用して、大手製薬企業が取り込むことのできない機械学習の人材を採用している。そして最終的には、完全な開発体制を整えて、自分自身の薬を売りたいともくろんでいる。

TechCrunchによるReverie Labsの記事はこちら。

Worklytics

Worklyticsは、退屈なチームミーティングを取り除きたいと考えているが、見るべき正しいレイヤーはおそらく管理層だ。このツールは、1対1レビューやコードコラボレーションのような適切なプロセスが行われているかどうかだけでなく、従業員の集中度なども同時に追跡する。個別の従業員は追跡しないものの、チームから集めたデータを使用して、企業の効率的な運営を支援するために最も効果的なものが何かを発見する。

TechCrunchによるWorkLyticsの記事についてはこちらを参照。

tEQuitable

職場のハラスメントを解決するための、第三者機密ソフトウェアプラットフォームである。従業員が差別または嫌がらせを受けていると感じた場合に、アプリを開いて専門のアドバイザーに相談することができる。その後、当該の問題にアプローチするか、正式な苦情として提出するかのアクションプランを選択することになる。

その後tEQuitableはデータを集約し、企業文化を修正するためのアイデアを提示する。同社の12万ドル相当のパイロットプログラムの顧客に含まれているのは、Twilio、GitHub、Obvious Venturesなどである。

Storyline

Storylineは、コーディングすることなく、Alexaプラットフォーム用のコンテンツアプリを、人びとが簡単に作成できるようにしたいと考えている。同社は、YouTubeがビデオに力を与えているように、Storylineを使ってAlexa全体のコンテンツに力を与えたいと言う。スタートアップのアプリは既に、500のアプリに使用され、毎月18万人のアクティブユーザーを抱えている。

TechCrunchによるStorylineの記事についてはこちら。

CaptivateIQ

CaptivateIQは、販売手数料を計算するソフトウェアである。彼らは、手数料計算の80%には間違いがあると考えており、それが正しく行えるように助けることができると信じている。まずはハイテク産業を相手に始めているものの、最終的には15億ドルの市場機会があると考えている。また同社は、手数料を超えて、さらに企業が収益を増やすことを助けることができるとも考えている。

Ovipost

現在のコオロギ飼育は職人芸の世界だが、Ovipostそのプロセスを支援し、やがて科学に変えたいと願っている。まずは孵化と卵の収量を最適化することを狙うことで、Ovipostはコオロギを生産するための労働コストを削減しようとしている。コオロギは直接消費者の食品源になる。

TechCrunchによるOviPostの記事はこちらを参照。

Veriff

Veriffは、オンラインIDの検証や、運転免許証、パスポート、およびウェブサイトのIDの処理に特化したStripeになりたいと考えている。彼らは2月に6万ドルの収入を得て、現在利益を上げている。彼らは検証ごとに1ドル以下の課金を行う。

ObserveAI

ObserveAIは、AIを用いて、コールセンターエージェントの品質保証を行うサービスである。彼らは、自然言語処理を使用して、コールセンターエージェントが顧客とどのように対話しているかを分析し、より効果的に行うための提案を行う。同社は顧客サービスエージェント1人あたり年間1000ドルを請求する。

[ 原文へ ]
(翻訳:sako)

YCの2017年夏学期デモデー2日目全チーム紹介――TCのオススメ7社も

Y Combinatorはスタートアップ・アクセラレーターのパイオニアであるだけでなく、最大の組織でもある。そこでここ数年、デモを1日で終わらせることは不可能になっていた。

そこでTechCrunchでは高速道路101号の混雑をものともせず、Y Combinatorデモデー2日目を取材するためマウンテンビューのコンピューター歴史博物館に向かった。なお2017年夏学期のクラスのデモの1日目についてはこちらの記事〔日本版ではTCがピックアップしたトップ7チームについて解説全文を訳出〕を参照のこと。


Standard Cognition – AIによる機械視覚利用した店舗支払システム

Standard CognitionはAIによる機械視覚を利用し、 店舗における未来的な支払システムを開発した。自動チェックアウトと呼ばれるこのシステムでは消費者は好みの商品を棚から取ってカートに入れ、そのまま店を出ることができる。いちいちレジで支払をする必要がない。Standard Cognitionではこのシステムは支払を効率化するだけでなく万引の被害の減少にも役立つと考えている。

Modern Fertility – 妊娠可能性を家庭でチェックするテクノロジー

Modern Fertilityは女性が家庭で妊娠可能性をテストできるテクノロジーだ。従来の専門クリニックでの検査にくらべてはるかにコストが低く、透明性も高い。ローンチしたのは1週間と少し前だが、Modern Fertilityはすでに7万人からの申し込みを受けている。申込者は毎年このテストを受けることとなる。現在同社は個人を対象としているが、企業との契約も考えているという。AngelList、Plaid、OpenDoorがすでに社員のためにこのテストを提供することを考慮している。

TechCrunch記事

Dharma Labs – ブロックチェーンを利用したp2pレンディング・サービス

Dharma Labsは資金貸付のために「始めてのプロックチェーン・プロトコルを開発」したとしている。同社は最近のICO〔暗号通貨のクラウドセール〕の成功を例に挙げ、「通常の株式同様に扱える暗号通貨資産に大きな需要があることは確実」としている。Dharmaではbitcoinテクノロジーを利用して少額資金の貸付を分散的に実行できるメカニズムを開発した。これにより「誰もが世界中の誰にでも資金を貸し付けることができるようになる」という。

Caelum Health – 「腹痛」などの軽い症状をAIで診断し処方箋薬より効果的な対策を提供する

Greo – 真剣なディスカッションを可能にするソーシャル・ビデオ・アプリ

WheelStreet – インド最大のオートバイ・レンタル・マーケットプレイス

Warren Payment – 支払などB2Bプロセスの自動化

OneLocal – 地域のスモールビジネスのためSalesforce的サービス

Flowspace – オンデマンドでスペースを貸し出す倉庫ビジネスのAWS

Goosebump – コンサート情報を教えてくれるメッセンジャー・チャットボット

Nimble – 学校向け入学希望者選別システム

Retool – 企業におけるプログラミングでコードの再利用を迅速、効果的に実行できるシステム

Dahmakan – 東南アジア市場におけるフル機能の食品配送サービス

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TechCrunch記事

Covetly – 各種収集家のためのeBayアプリ

TechCrunch記事

Original Tech – 金融機関向け融資申し込み審査テクノロジー

TechCrunch記事

Vanido – AI利用の音楽教師がまず歌唱を指導

Entocycle – 昆虫を利用した家畜飼料用再生可能タンパク源

TechCrunch記事

Guilded – eSports〔現実の選手データに基づくスポーツゲーム〕のチーム管理ソフト

TechchCrunch記事

Lambda School – Aプログラマー養成のオンライン・ブートキャンプ

TechchCrunch記事

Plasticity – 自然言語処理用API

TechchCrunch記事

Piggy – インドにおける退職資金投資プラットフォーム

TechchCrunch記事

Fat Lama – p2pテクノロジーを利用した保険付きレンタルのマーケットプレイス

TechchCrunch記事

Solve – 国際旅行者のための空港コンシェルジュ

TechchCrunch記事

Sunfolding – 太陽光発電施設向け太陽追跡ハードウェア

Enzyme – FDAの諸規定に対するコンプライアンスを提供するSaaS

Surematics –工場、油井など大規模なビジネス資産向け保険額見積もりシステム

Templarbit – サイバー攻撃からアプリケーションを防衛するシステム

Just Appraised – t自治体向け資産償却見積もりシステム

Advano – 現在よりエネルギー密度の高いリチム・イオン電池の開発

AutoHub – 中古車事業者向け自動車マーケットプレイス

Quilt Data – 企業のデータ利用のDocker

最近多くの大企業が「データ志向」を口にするようになったが、実際にはそのデータは企業の広い範囲に散らばっており、利用は容易ではない。Quiltでは効率的にデータソースを統合し、社内の誰もが共通認識を得られるようすることを目指す。このシステムはすでに大手銀行で採用されている。Quiltでは企業のデータ利用におけるDockerのような存在を目指している。.

Headstart – AIを利用した履歴書スクリーニング・システム

TechchCrunch記事

BillionToOne – 安全かつ確実な胎児の遺伝子診断

Bxblue – ブラジルにおける個人ローンのマーケットプレイス

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Gameday – 誰でも簡単にプレイできるファンタジー・スポーツ・アプリ

Draft KingsやFanDuelのような本格的eスポーツ〔現実の選手のデータを用いるオンライン・スポーツ・ゲーム〕 はカジュアル・ユーザーを無視しており、プレイが難しすぎるとGamedayでは考えている。このギャップを埋めるためにFacebook Messengerを利用したシンプルなファンタジー・スポーツ・ゲームが開発された。Gamedayの週間アクティブ・ユーザー5万人のうち70%はファンタジー・ゲームを始めてプレイしたという。また60%はGamedayを20週以上にわたって連続して利用している。Gamedayではファンタジー・スポーツ市場で世界的な存在となるためできるだけ多数の言語をサポートする努力を行っている。

Read our previous coverage of Gameday here.

VIDA & Co. – アーティストがオンデマンドでアパレルのデザインを行うマーケットプレイス

LotusPay – インドにおける定期支払のサービス

Contract Simply – 銀行向けの大型建築プロジェクトにおける支払い業務効率化サービス

PreDxion Bio – 緊急救命室における重症患者を救う迅速な血液テスト

CarDash – 自動車修理のマーケットプレイス

Read our previous coverage of CarDash here.

HotelFlex – ホテルにおける深夜、早朝のチェックイン、チェックアウト支払いサービス

Read our previous coverage of HotelFlex here.

Muzmatch – 独身のムスリム向け結婚援助アプリ

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Leon & George – 家庭、企業向け屋内植物の販売サービス

Value Voting – Tアメリカ政治の二極化を防ぐために政治グループがデータを共有、利用できるプラットフォーム

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AssemblyAI – 目的に応じてき簡単にカスタマイズできる音声認識書き取りソフトのAPI

TechchCrunch記事

Loop Support – カスタマーサポートのSaaS

FriendSpot – 次世代グループチャット

Disclosures.io – 雨漏り、下水管破損など物件の問題情報を適切に開示する不動産業者向けのソフトウェア

Helix Nanotechnologies –最新のAIを利用したDNA修復によるガンなどの疾病の遺伝子治療

CureSkin – インドにおけるAI利用の皮膚科の診断と治療プラットフォーム

Py – 新しいプログラミング技術を教えるモバイル・アプリ

PyはPythonからiOSまで各種のプログラミングを教えるモバイル・アプリだ。ソフトウェア・エンジニアは新しい開発技能をマスターできるだけでなく、そうした技能を必要とする職を探す役にもたつ。データ・サイエンスやアプリケーション開発などのカテゴリーごとに習熟の度合いを示すランキング・システムを採用している。これにより求職者は自分の能力を効果的に示すことができるとPyでは考えている。月間アクティブ・ユーザーはすでに10万人となっており、30億ドルといわれるプログラミング教育市場において意味あるシェアを獲得するのがPyの目標だという。

TechchCrunch記事

HealthWiz – 社員の医療コストと減らすための企業向けSaaSプラットフォーム

CocuSocial – クッキングスクールなど近隣活動のためのマーケットプレイス

TechchCrunch記事

Rev Genomics – 遺伝子操作によるマリファナ収穫の増大

Tpaga – ラテンアメリカにおけるモバイル支払システム

NextDrop – インド都市部における飲料水のマーケットプレイス

Mystery Science – VRを利用して専門家が小学校の科学の授業を支援

小学校におけるSTEM〔科学、テクノロジー、エンジニアリング、数学〕教育の重要性が叫ばれて久しいがMystery Scienceは教師に対してVRシステムを通じて科学の専門家による援助を提供する。教師はこの専門家の協力を得て効果的に科学を教えること可能になる。実はアメリカの小学校の94%には資格をもった科学の教員がいない。Mystery Scienceはこの問題を解決を目指している。科学専門家は毎日インターネットを通じて授業に協力する。

TechchCrunch記事

〔日本版〕TechCrunchが選ぶYCデモデー2日目のトップ7チームで選択されたスタートアップの紹介を訳出。ただしマリファナ増産を目指すRev Genomicsの記事は上記Mystery Scienceの記事に変更。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+