Apple、3月9日イベントの招待状を発送。Apple Watchに違いない


Appleは3月9日に行われる新たなメディアイベントの招待状を発送した。キャッチフレーズの “Spring Forward” [*]が「時」を想起させることから、Apple Watchがその日の主役であるというのは悪くない予想だ。イベントは、サンフランシスコのイエルバブエナ芸術センターで午前10時から行われ、最近の決算会見でTim Cookがほのめかした、Apple初のウェアラブルの4月発売について詳細が明かされるはずだ。
【* 訳注:”Spring forward, fall back”、夏時間で春には時計を進め、秋には戻すことを覚えるための掛け言葉】

Apple Watchが話題の中心になる可能性が高いことは、Appleが選ばれたApple Watchデベロッパーを、お披露目の準備にクパチーノへ招いたことからもわかる。他には、MacBook AirまたはiPadの進展についての発表もあり得るが、最近の噂を踏まえれば、Appleは昨年9月のiPhone発表イベントで正体を現した同社初のウェアラブルをハイライトにしたいに違いないので、別のデバイスに舞台を分け与えたくはないだろう。なお、イベント前日の3月8日に夏時間が始まることにも注目されたい。

すでに私たちは、Apple Watchに3種類の製品ラインがあり、それぞれに多数のバラエティーがあることを知っている。Apple Watch Sport、Apple Watch、およびApple Watch Editionは、この順番に低い方から高い方へと価格が設定され、Watch Sportが349ドルから始まる。Apple Watchがタッチ式で、新しいタイプの触覚フィードバックとデジタル竜頭を備え、アプリは接続されたiOSデバイスから事実上リモート実行されることもわかっている。バッテリーは通常の使い方で1日持続すると考えられている。

このイベントで個々のモデルの価格や予約および発売日の詳細が発表されることはほぼ間違いない。さらに、具体的なバッテリーの期待値やAppleおよびサードパーティー製アプリについても明らかにされると思われる。
TechCrunchは、サンフランシスコの情景をライブ中継でみなさんに届ける予定だ。

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Google Play Musicの私的ストレージMy Musicの容量が2万曲から5万曲に拡大

Google Play MusicのプライベートロッカーサービスMy Musicの最大曲数が、これまでの2万曲から5万曲へと倍増++した。ユーザは再登録などの手続きいっさいなしで、そのまま従来どおりサービスを利用すればよい。初回のアクセス時には「5万曲になったよ」という案内メッセージが表示される(上図のグリーンの部分)。

まだこのサービスを利用していなかった人は、次のようにしてGoogle Play Musicに自分の私的ライブラリを作れる:

  1. 自分のGoogleアカウントでGoogle Play Musicにサインインする—すなわちplay.google.com/musicへ行って、必要ならユーザ登録をする。
  2. 自分の無料ストレージを確保する—Google Playの音楽会員サービスの会員になるなら“Get Started”、ストレージを利用するだけなら“No Thanks”をクリックする。
  3. 自分の音楽コレクションをアップロードする—セットアップのときにChrome用アプリをインストールすると、シームレスなアップロードができるようになる※。iTunesのライブラリ全体をアップロードしてもよいし、あるいはローカル(自機上)の音楽用フォルダを指定する。無料でアップロードできるのは5万曲まで。
  4. 自分の音楽へは同時に複数のデバイスからでもアクセスできる—ストリーミングして聴くこととダウンロードしてオフラインで聴くことの両方ができる。パソコンなどではWebブラウザからのアクセスもできる。コンピュータやモバイルデバイスを新しい機種に買い替えても、My Musicへのアクセスとその中身は前とまったく同じだ。これからは、あなたのお好きなアーチストが、いつもあなたのおそばにいる!

※: Chromeを使ってない人には、上記ステップ3のところでMusic Managerアプリをインストールするご案内が出る。このアプリでも、5万曲までOKだ。

今はもっぱらストリーミングサービスを利用する人が多くて、曲をわざわざダウンロードする人は少ないが、でも最近の消費者調査などによると、ローカル(自機上の)ストレージに大量の音楽をためこんでいる人がまだまだ多い。Googleはそういう個人的なコレクションもクラウド化+ストリーミング利用にすることによって、未来の音楽享受形式をあくまでもストリーミングに統一したいのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Kickstarter、2時間のダウンはPebbleのせいではないと発表

Kickstarterは、今日(米国時間2/25)発生した約2時間にわたるシステム停止は、記録更新中のPebbleスマートウォッチへの支援による巨大トラフィックとは無関係であると発表した。同社広報担当者によると、サイトがダウンしたのは単なる偶然であるが、昨日がKickstarterにとって「過去最大のトラフィック」であったと話した。

同社は今日の東海岸時刻正午付近、サイトの問題をツイートで正式に認めた。Twitter上では多くのユーザーが、人気クラウドファンディングサイトが反応せず、kickstarter.comドメインを訪問すると、”503 Service Unavailable” ページが表示されると苦情を訴えていた。

本誌が見た最も人気の高かった説は、前日からのPebble支援者によるトラフィック負荷にサービスが耐えられなかったというもので、CNBCを含む複数のニュースサイトさえそれをほのめかしていた。

ご存じない方のために書いておくと ― スマートウォッチメーカーのPebbleは、昨日新しいハードウェアをひっさげてKickstarterに帰ってきた。Pebble Timeは、同社の旗鑑スマートウォッチの薄型軽量版で、カラーEインク画面、省電力、音声制御を備え、アプリでは通知機能を中心に据えた。

この新しいウォッチへの反応を熱狂的と呼ぶのは控え目すぎる。

Pebbleは目標の50万ドルをわずか17分で達成した。キャンペーン開始9時間後には、650万ドルを集め、調達金額歴代トップ5プロジェクトに名を連ねた。ちなみに他のキャンペーンは1ヵ月以上かかってそれぞれの記録を達成した ― Pebbleのように1日以内ではなかった。

今日、本稿執筆時点で、Pebbleはクラウドファンディングの金額を930万ドルまで伸ばし、今も刻々と上昇を続けている。

Kickstarterのウェブサイトは、EST 2 pmすぎに通常運用に戻った。同社のツイートおよびKickstarterステータスページによる。

現在同社はシステム停止の詳しい原因について詳細を語っておらず、エンジニアらは今も「集中」しており、Pebbleのキャンペーンとは無関係であるとだけ言っている。トラフィックの嵐だった火曜日のシステム性能は安定していたという。

Kickstarterは、この種の出来事のあと、同社エンジニアリング・ブログで事後分析を行う場合があるが、今日それがあるかどうかは不明だ。情報が入り次第続報する予定だ。

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Google、ビデオゲームを自力で学習しプレイする人工知能の開発に成功

Googleは自力でコンピュータ・ゲームを学習し、驚くべき成績を上げる人工知能の開発に成功したことを発表した。Bloombergの記事によれば、このプロジェクトはGoogleが昨年買収したロンドンの人工知能スタートアップDeepMindが担当したという。人工知能に与えられたのはAtari 2600の49種類のゲームだというが、多くの読者が子供の頃、最初にプレイしゲームが含まれていることだろう。

この発表はいかなる点からみても驚くべきものだが、特に重要なのは49ゲーム中29ゲームでAIが人間のプロのゲームテスターを上回るパフォーマンスをみせたことだろう。 また43ゲームで既存のゲームをプレイする人口知能のすべてを上回った。.

GoogleとDeepMindは別にゲームのリーダーボードに名前を連ねようとしているわけではない。長期的な目標は、一定の基準を与えられただけで、それに従って問題を最適化し解決する能力を持つ人口知能の実用化だ。これは、たとえば自動運転車の制御にも必須の能力だろう。 Googleは「単一の学習システムが経験から直接学習して問題を解決できるようになった最初の例だ」と評価した。当然ながらこのようなシステムの応用範囲は無限に存在する。

とはいえ、実用化に向けて第一歩を踏み出したところであり、あらゆる問題解決に役立つ汎用人工知能の完成までには数十年かかるとGoogleは考えている。だが人工知能がいちいち細部まで指示を与えなくても自ら学習する能力を備えたことの意味は決して小さくない。ある意味ではIBMのスーパー人口知能、Watsonよりも画期的なイノベーションといえるかもしれない。

人工知能にとってAtariのゲームの攻略に続くステップはおそらくDoomを代表とするような3Dバーチャル世界を舞台にしたゲームだろう。これによって自動運転など人工知能が現実世界で直面する問題の解決にさらに近づけるに違いない。もう一つ興味ある点は、Googleが人工知能に目的を達成させるため、Atariゲームで高いスコアを出すことに対して「報酬」を与えるという手法を用いたことだ。いわば犬を訓練するように人工知能に「おやつ」を与えたわけだ。そういえばGoogleには 異常にリアルな犬ロボットもいた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Motorola、新しいAndroid、Moto Eを発表―クアドコアで作りもよく、150ドルはお買い得

今朝(米国時間2/25)、Motorolaは新しいAndroidスマートフォン、Moto Eを発表した。われわれは午前中いっぱいテストしてみたが、契約なしで149ドルという低価格にもかかわらず、性能面での妥協は最小に抑えられたモデルだという印象を受けた。Moto Eは価格のわりに高性能で、細部まで注意深くデザインされており、楽しいカスタマイズ機能も用意されている。

クアドコア・プロセッサーのおかげでLollipopのアニメーションは非常にスムーズに表示される。ただしRetinaクラスのディスプレイに慣れたユーザーにはMoto Eの画面解像度には不満が残るかもしれない。5メガピクセルのカメラには今回オートフォーカス機能が追加されて使い勝手が大きく向上したが、室内や夜など暗いシーンの撮影は依然として苦手だ。とはいえ、150ドルの価格を考えれば、よく出来たデバイスではある。

Moto Eの優れた点の一つは機能的なデザインにある。きわめて実用性の高いしっかりしたデザインだ。 フラグシップ機種に比べればやや厚く、重いが、手にしたときにかえって信頼感を与える。ボディーの外周には交換可能なベゼル(バンパー)が附属しており、ボタンやカメラベゼルの作りにもこの価格帯のモデルとしてはプレミアム感がある。

QualcommのクアドコアはLollipopを作動させるのに十分なパワーがある。ソフトウェアに関してMotorolaはこれまでどおり「あまりいじくらない」方針を継続した。つまり、基本的に素のLollipopのままだ。これにMoto Xで好評だったいくつかの実用的な機能が付加されている。これにはボディーを握って強く2回振るとカメラが起動するダブルフリップ機能が含まれる。多少危ない感じもするが、別の作業をしている最中でも即座に片手でカメラを起動できるのは便利だ。またデバイスの付近の動作を感知してスリープから復帰するアンビエント機能もある。

私は好みに合わせてベゼルを交換するのが意外に楽しいことに気づいた。Motorolaはデザインに工夫を凝らしており、ベゼルの取り外しと取り付けは非常に簡単だ。小さなカスタマイズ・オプションだが、もっと高価なデバイスにもない機能ではある。

全体として新しいMoto Eはオリジナルモデルの優秀な後継機であり、この価格は圧倒的なお買い得だ。われわれはさらに時間をかけてテストし、フル・レビューをお届けする予定だ。

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Google、検索結果から店舗とライブチャットする機能を実験中


Googleは、検索結果画面の中から店舗とライブチャットできるサービスを実験している。現在その連絡可能かどうかを示す新たなリンクを通じて、相手がいればGoogle Hangoutですぐにチャットを開始できる(モバイル、デスクトップどちらても)。このサービスはPath Talkの地元店舗とのダイレクトメッセージング・プラットフォームと似ているが、Google.comに表示される検索結果カードの中に組み込まれており、価格レベル、住所、地図上の位置、電話番号、営業時間、評価、レビュー等と共に表示される。

本誌はGoogle広報にこれが同社が実際にテストしている実験機能であることを確認した。最初に見つけたのはMatt Gibsteinで、今日Twitterに画面イメージを投稿した。この新しい実験チャット機能は、テキストベースの直接対話を実現するもので、例えばレストランなら、今空席はあるか、予約は可能か、あるいはメニューに関する質問をして、リアルタイムに返事をもらうことができる。これは先に述べたPath Talkが大前提としる機能で、数多あるメッセージングアプリから同製品を差別化するために追加されたサービスだった。

Path Talkが昨年9月にデビューしたのは、テキストメッセージサービス TalkToの買収がきっかけだった。サービスを利用している店舗が地図上に接続状況と共に表示されるので、現在どの店とチャットできるのかがわかる。サービスは無料で、在庫を確認したり予約を取ったりするためを電話が不要になる。

Googleのテストサービスは、応答時間の予測を含め同様の利便性を提供するものと思われるが、Google自身が持つ膨大な場所データを使用している。もちろんGoogleが類似サービスを開始することは、Path Talkにとって悪いしらせであり、もし検索結果に続いてGoogleマップにも組み込まれればなおさらだ。しかし、今はまだごく初期段階なので一般公開されるかどうかも不明だ。それでも企業におけるメッセージングの重要性が高まる中、検索の巨人が探究するには賢明な分野である。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Apple、さらに多数の絵文字をサポート、ガジェットのアイコンもアップデートへ

iOSOS Xの新しいデベロッパー向けプレビュー版で、Appleがさらに多様な絵文字をサポートすることが判明した。新たに追加される絵文字には多様な肌色の人の顔や国旗などが含まれる。これまでも一部の国の国旗はサポートされていたがあまり数は多くなかった。

新たな肌色オプションを起動するには、顔や手などの絵文字の長押しすればよい。すると6色の肌色が選択できる。当然だが、幽霊、ドクロ、仮面などは「人間」のセクションの絵文字であっても肌色オプションがサポートされない。「旅行と場所」のセクションに新たに32ヵ国分の国旗が追加された。

Appleが絵文字のサポートを拡大することは昨年3月にMTV ActがAppleのCEO、ティム・クックに送った要請のメールにAppleの広報責任者、Katie Cottonが「われわれはUnicodeコンソーシアムに働きかけている」と回答したときから予期されてていた。その後Unicodeは絵文字の多様性を高めるための修飾オプションのサポートに関するテクニカル・ドラフトを公開した。このレポートの筆者はGoogleのMark DavisとAppleのPeter Edbergだった。どうやら絵文字の修飾オプションは正式に導入されるようだ。

AppleはまたiPhone 6を含むガジェットのアイコンのデザインをアップデートしている。

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Appleは昨年のOS Xに次いで今年はiOSでも公開ベータをやる…その大きな方針変更の意味は?

Appleは3月からiOS 8.3、今夏からiOS 9の、公開ベータを開始する意向だ、と9to5Macが報じている。昨年はMac OS Xの公開ベータを、Apple曰くシステムの容量制限により100万人の人たちに提供し、一般公開前のYosemiteを試食させた。そして今年は、その流れでiOSだ。

OS Xの公開ベータが成功したら、次はiOS、という噂は前からあった。だから今年のそれは、そんなに意外なニュースではない。公開ベータのビルドは、まだバグの多いDeveloper Previewビルドとは違う。Appleのねらいは、なるべく多数の、そしてなるべくふつうの(プロのデベロッパではない)ユーザからフィードバックを得ることにある。

日常的にMacを使っているふつうのユーザが、ローンチ前のソフトウェアの上でいろんな使い方をすることによって、現実的実際的な問題が露呈され、最終安定版が本当に‘安定した’バージョンになる。しかしiOSのユーザベースは、Mac OS Xとは比べ物にならないぐらい大きいし、他社製品との競合も激しく、メディアの扱い量も多い。ベータテストを行う場としてiOSは、OS Xのように安全ではないが、でも、そんな不安より得られる利益が大きいなら、やってみるべきだ。

iOSの最近のリリースは、バグいと批判されている。だからこそ大規模な公開ベータが、それを解決する助けになる。しかも今後のバージョン(iOS 9)では、ワイヤレスのCarPlayやBeatsの技術をベースとする音楽ストリーミングサービスなど、大物機能が続々登場する。安定性や信頼性向上のための、修正箇所も多い。だからタイミング的にも、正式ローンチ前になるべく多くの人からヘルプを得ることが、理にかなっているのだ。

9to5Macによると、iOSのベータは、対象がノンデベロッパのテスター10万名だそうだ。OS Xのときの100万に比べると、とても少ない。それは、OS XよりはiOSの方が、はるかに重要性が大きくて、テスターのグループに対するよりタイトなコントロールが必要だからだ。いずれにしても今後は、公開ベータの一般慣行化により、Appleのソフトウェア政策が大きく変わっていくと思われる。Appleのメディア戦略も並行して変わるだろうから、そのへんを見守りたい。

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大量の専門技術者をごっそり抜かれたLi-ion電池専門メーカーがAppleを告訴へ

Appleは、自動車など大型車両用のリチウムイオン電池を作っている企業と直接競合するような電池事業部を作っている…そういう事業部を作るためにその企業からエンジニアを引き抜いている、とAppleを非難する訴訟の訴状が、そう言っている。電池メーカーA123 Systemsが裁判所に提出したその訴状によると、Appleが同社(A123)のプロジェクトを指揮していたエンジニアたちを積極的に勧誘してきたため、2012年に倒産保護を申請せざるをえなかったA123 Systemsは、彼らが担当していたプロジェクトの一部を閉鎖しなければならなかった。

Reutersの記事によると、その訴訟の中では、Appleは“A123のものと同一ではないまでも類似の”電池事業部”を構築している、とされ、またAppleはLGやSamusung、Panasonic、Toshibaなどからも電池技術者を雇用しようとしている、と示唆している。AppleはTeslaからも、自動車製造技術の専門技術者を雇用し、そのことが、Appleは同社独自の電気自動車を作るらしいという噂が広まる原因になった。

Reutersの記事では、元A123の技術者11名が、今ではLinkedIn上でAppleの社員になっており、確かにこの電池メーカーからクパチーノに本社があるあの企業への、大量引き抜きがあったことをうかがわせる。A123の訴訟は、Appleの意図が自動車ないし自動車技術の構築にある、とは言っていないが、同社から技術者を引き抜くということは、その強い可能性を示唆している、と述べている。

しかしAppleがリチウムイオン電池技術の経験のある専門技術者を雇用していることは、それが車に使われるか否かとはかかわりなく、同社にとって十分な意義がある。またA123 Systemsの現在の経営状態からすれば、有能な社員がよそに機会を求めても不思議ではない。もちろんAppleは、ものすごく魅力的なオプションを提示しているはずだ。今回の訴訟の原告A123の勝ち目は、そこに挙名されている社員たちの唐突無断の中途退社が、同社と彼らが雇用時に交わした公式の雇用契約に違反していることにある。

この訴訟自体は意外でもないし、平凡な結果に終るだろう。しかし大型リチウム電池を通常の(良質な)サプライチェーンから入れずに、専門メーカーからわざわざ大量の人さらいまでして自分で開発することの、Appleの真のねらいは何だろう? われわれとして興味津々なのは、その点だ。事態の今後の展開を、ゾクゾクしながら見守りたい。

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Apple、2011〜2013年製MacBook Proのビデオ問題に対する保証を延長


Appleは新たな修理プログラムとして、2011年から2013年にかけて製造され、ビデオ関連の問題を起こしているMacBook Proに対てる保証を延長する。このプログラムは、対象モデルを無償で修理し、すでにユーザーが有償で修理した場合には費用を返金するものだ。自分のMacBook Proが対象かどうかを調べるには、Appleのサポートページに行って、OS Xの ‘’ メニューの「このMacについて」 に書かれているシリアル番号を入力すればよい。

影響が出る可能性のあるモデルは、15および17インチのMacBook Proと、15インチMacBook Pro Retinaディスプレイモデルで、2011年から2013年の間に製造されたものだ。影響のある場合に起きる症状は、画像の歪み、電源が入っているのに画面が表示されない、あるいは突然システムが再起動するなど。

Appleには、実際にこれらの症状が見られる場合にのみ連絡すべきであり、そうでない場合は問題を抱えていない可能性が高い。

一般にAppleは、保証期間が過ぎた後に問題が多数発見された場合の保証延長に関して非常に対応が良い。同社はTechCrunchに対して、本リペアエクステンションプログラムに関する正式声明を提供した。

2011年2月から2013年12月までの間に販売されたごく一部の MacBook Pro システムに、ビデオ (画像) に関する問題が起きる可能性があることが判明しました。弊社では対象となるシステムを無償で修理させていただくとともに、Apple または Apple 正規サービスプロバイダを通じて有償で修理したお客様には返金手続きのために連絡をとっています。修理プログラムの詳細については、
http://www.apple.com/jp/support/macbookpro-videoissues/をご覧ください。

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Appleの新規採用者には、カーインテリア、変速機、新型車、自動車安全性の専門家までいた


Appleの車に対する野望は、自動車技術の進歩を自社の既存製品に生かすことにとどまらない。 9to5Macが分析したところ、Appleの自動車部門のトップ、Steve Zadeskyの下に集まった社員の中には、ダッシュボード情報提供ソフトウェアのCarPlayの改良版を作ったり、将来のMacノートパソコンやiOSデバイスで使うためのリチウムイオン電池の改善に必要な範疇はるかに超える才能の持ち主が含まれていいた。

雇用者リストには、自動車に強く特化して応用の可能性が比較的小さいスキルの持ち主が見つかった。たとえば、Robert Goughは以前AutoLivの設計責任者として自動車の「能動的安全」技術に関わっていた。Hugh Jayは、モータースポーツ、商用車、および航空製品の変速機とギアポックスに関わっていた。Mujeeb Ijaz(最近のA123システム訴訟に名前が挙がっている)は、元A123システムの自動車製品責任者で、Fordでは電気および燃料電池自動車技術の責任者だった。David PernerもFord出身で、新型自動車のエンジニアリングに関わっていた。そして、Fernando Cuhnaは、GMで内装およびトリムのデザインを担当していた。

Appleの自動車への関心は、将来iOSが車内での存在感を高めるための準備以上のものではない、という意見もある ー そして、基本的な情報提供だけでなく、将来自動車メーカーが外部ソフトウェアパートナーにもっと自由を与えた場合の自動車診断や性能モニタリングを扱える総合的車載ソフトウェアを作るために、専門家チームを招集した可能性もある(社内から多くの人材がZadeskyのチームに異動したことも、9to5Macは伝えている)。

しかし、Appleが実際のハードウェア設計とエンジニアリングをテストするために、人を集めている可能性はいっそう現実味を帯びてきている。Appleが自動車市場に本気で参入することに驚くかもしれないが、Daring FireballのJohn Gruberは、その可能性を完全に捨て去ることの愚かさはいずれ証明されると、単純な理屈で説明している。

ただし、これまでAppleが結局追求をやめたプロジェクトの数々やその他の成り行きを踏まえれば、この規模で自動車技術の人材を集めていることに私はさほど驚かない。この問題は本稿の領域を超えるかもしれないほど大きなものだが、今のAppleにとって、成就するとは限らない研究開発プロジェクトであっても、そこへの投資リスクの許容範囲は、その膨大な保有現金、時価総額、および市場ボジションのおかげで、著しく大きくなっていることも忘れてはならない。

Appleは本件へのコメントを拒んでいる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Lenovo曰く、同梱していたアドウェアは1月の段階で動作/プレインストールを停止済み

Lenovoから、全世界を駆け巡ったSuperfishのニュースについてのコメントがあった。Superfishとは、LenovoのウィンドウズPCにプレインストールされていたアドウェアだ。LenovoのスポークスパーソンであるBrion Tingler曰く、このSuperfishは1月の時点でサーバーサイドにて完全に動作を停止しているとのこと。また、出荷PCへのプレインストールも1月に中止したとのことだ。今後もSuperfishをプレインストールすることはしないとも話している。

TinglerがTechCrunchに語ったところによれば、LenovoがSuperfishを採用していた期間はごく短期間であったようだ。Superfishを導入した目的は、利用者のショッピングセッションの手助けをするためであったと話している。

「10月から12月にかけての間、ノートPCにSuperfishをプレインストールして販売していました。これはショッピング時に、興味を持ちそうなプロダクトを探す手伝いをする目的で導入したものです」と説明している。「ただ、利用者からの評判は芳しくなく、これに応じて直ちにプレインストールを停止したのです」。

Lenovo社内のテストによれば、Superfishを機能停止させることでセキュリティ問題は解決しているはずであるとのこと。Tinglerは次のようにも語っている。

Superfishは画像のコンテクスト判断に基づいて処理を行なっているだけであり、利用者の行動を収集分析するようなことはしていません。利用者情報の蓄積も行なっていませんし、利用者を特定する仕組みももっていません。トラッキングやターゲティングしたりする機能も持っていないのです。情報はセッション毎に破棄されてもいます。Superfishの機能を利用するかどうかも利用者の判断に任されています。Superfishにより利益をあげようという目的はなく、利用者に便利な機能を提供しようという判断で同梱していました。結局、Superfishが私たちの目的にそぐわないことが判明しました。そこで私たちも直ちにソフトウェアの動作を停止し、またプレインストールをやめる判断を行ったのです。

依然として不安を感じる利用者のため、Lenovoはフォーラムにおけるサポートを行なっていくようだ。何か疑問があったり、あるいは知識を得ようとする人は、フォーラムの方で新しい情報を見つけることができるだろう。

The Next Webが報じてから、ブラウザに勝手に広告を表示するSuperfish関連のニュースが全世界を駆け巡ることとなった。このSuperfishの実装方法は、マルウェアが用いる中間車攻撃(man-in-the-middle attacks)と同様のものであるとされている。

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(翻訳:Maeda, H


世界中の13歳から18歳が競うGoogle Science Fair、本日より受付開始

Googleが今年もScience Fairを開催している。今年で5年連続の開催となるが、2015年については本日より応募の受付が開始された。このイベントはレゴエデュケーション、ナショナルジオグラフィック、Scientific American、およびVirgin Galacticなどと提携して実施しているものだ。応募できるのは世界各国の13歳から18歳の学生で、自分のプロジェクトについてのサイトを構築し、オンラインで投稿する。プロジェクトカテゴリーはさまざまのものが用意されており、優秀なものには10万ドルの奨学金やガラパゴス諸島への招待、あるいはVirgin Galacticツアーで最新の宇宙船を間近に見る機会などが与えられる。

Science Fairからは、これまでにも非常に優秀なプロジェクトが生まれている。たとえば手のひらの熱のみから電気を起こして点灯するライトや、アルツハイマーの親族のために製作し、高齢化社会問題に備えようとするウェアラブルなどだ。

このScience Fairは、粘土で火山を作って仕組みを理解するとか、あるいは縮尺モデルを作って波の発生原因を知るといったタイプのサイエンスフェアではない。何らかの支援を必要とする問題を、実際に解決していくためのプロジェクトを実際に産み出すためのものなのだ。募集カテゴリーも増え、より広い範囲での問題解決に向けたプロジェクトが評価されるようになっている。最優秀賞などが発表されるライブイベントは2015年9月21日に開催される。それに先立つ7月2日に、各地域のファイナリストが発表され、8月20日にグローバルファイナリストが発表される。

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(翻訳:Maeda, H


Amazon、P. K. ディックの傑作SF『高い城の男』のテレビシリーズ化を正式決定

Amazonがやってくれた! Amazonはフィリップ・K. ディックの傑作SF『高い城の男』を原作にしたテレビドラマを1シーズン製作することにゴーサインを出した。

われわれSFファンに朗報なのはもちろん、Amazonが力を入れているオリジナル・テレビドラマ・シリーズの将来にとってもグッド・ニュースだ。Amazonがこれまで製作したパイロット番組の中で『高い城の男』は断トツに視聴された作品だった。作品の完成度は非常に高かかったが、それだけにAmazonにとっても製作コストも撮影の技術的困難さもトップだったに違いない。

Amazonは同時に 最近のパイロット番組から4作をシリーズ化することとした。イギリスのテレビ番組をベースにしたMad Dogs、ドキュメンタリーのThe New Yorker Presents、それに子供向け番組が2本、Just Add Magiche Stinky & Dirty Showはいずれも優れた作品だと思うが、正直に言えば『高い城の男』はこれまでAmazonが製作した中で文句なしに最高傑作だと思う。

お気づきのとおり、私はだいぶバイアスがある。私が当初から『高い城の男』を激賞し、あちこちでそのことを告げてまわっていたことは同僚がよく知っている。ディックの原作は第二次大戦で枢軸側が連合国側に勝利し、その結果アメリカが日本とナチ・ドイツに分割占領されたパラレルワールドを異様なリアリティーで描いている。

しかしディックの原作を読んでいなくともテレビシリーズはよく出来ており、十分に楽しめる。パイロット版を見るかぎり、出演者は役柄に合っており演技も的確だった。シリーズを通してこの高い水準が維持されることを期待したい。とにかく私は良いSFテレビドラマには目がないのだ。

〔日本版〕主役の一人、サンフランシスコ日本大使館の書記官、田上信輔を東京生まれのベテラン日系人俳優ケイリー・ヒロユキ・タガワが演じる。Kindle版、高い城の男(早川書房) 

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Samsung、Galaxy S6に次世代ワイヤレス充電搭載か


Samsungは、次期Galaxy S6(あるいは名前はなんであれ2016年のフラグシップAndroidフォン)と無線充電技術の進化を誇示するティーザー広告を次々と繰り出している。 Samsung公式ブログ記事で同社のITおよびモバイル担当技術責任者、Seho Parkは、ここ数年の技術の進歩によって、ワイヤレス充電がより高速、効率的になり、デバイスへの組み込みも容易になったことを、部品の観点から説明した。最後に彼は、2015年がワイヤレス電源にとって重大な分岐点であり、「次期Galaxyスマートフォン」シリーズはその主役になることをほのめかした。

Galaxy Note 4とGalaxy S5はワイヤレス充電をサポートしているが、そのために作られたオプションのアクサセリーを使う必要がある。今年、Samsungの最新フラグシップ機は、Qi、PMA、およびWPCなどの標準をサポートして、本体だけでワイヤレス充電が可能になるかもしれない。Parkのブログ記事には、昨年開発されたワンチップで複数の標準をサポートする技術について書かれた部分があり、導入から半年か1年で商品化するだろうと説明しているので、今あるいは近い将来出てくるだう。

Samsungがワイヤレス充電をGalaxyシリーズに標準搭載するだけでなく、市場にあるすべての充電技術に対応する使いやすいものにすることは、同社のユーザーにとって大きな恩恵だ。私は今でも、ワイヤレス充電技術は約束したものを提供できず、消費者に現実的な恩恵を与えていないものの一つだと思っている。充電台は概して大きいか使いにくい。標準化バトルがあるということは、スターバックスに設置された充電器が市販されているほとんどの端末と互換性がなかったり、互換性があっても物理的形状の違いから、ある機種に向けて作られた充電台は他社のスマートフォンでは実用的に使えなかったりすることを意味している。

Samsungが次期Galaxyシリーズですべきなのは洗練だ。例えば、同社がオールメタル筐体で採用していると思われる新しい設計アプローチの採用や、長年Android OEMに提供されてきたテクノロジーを次のレベルへと引き上げ、一般ユーザーも恩恵を受けられるようにすることが必要だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Apple Watchの初期生産数は500~600万台


Apple Watchはもうすぐやってくる。誰あろうAppleのCEO Tim Cookが4月に発売と言ったからには、初期需要に答えるべくサプライチェーンが動きだしているのは当然だ。Appleは新発売に向けて500万から600万台の生産を発注したと、今日(米国時間2/17)の Wall Street Journalが報じた。Apple初のウェアラブルの予想需要は、初代iPadとほぼ似かよっている。

Appleのスマートウォッチは、他社製ウェアラブルに対する既存の欲求を消し去るであろうと多くの人々が予想しており、500万という初期発注は、2014年全体に全Android Wearメーカーが販売したと推測される72万台をはるかに上回る。しかしAppleの発注とサプライチェーンの動きは素早いので、発売時にどれだけの客がApple Watchに集まるかによって、すぐにずっと多くもずっと少なくも変わる可能性がある。

今回の新製品発売が全く新しいブランドカテゴリーであることに加えて、Appleの販売方法も他社と一線を画すもう一つの要素だ。Apple Watchは3つの製品ラインに分けて販売される。Apple Watch Sportがエントリーレベル、Apple Watchが中間層向け、そしてApple Watch Editionはおそらく途方もない価格帯を占める。WSJの記事は、初期生産量の半数が349ドルからのSportに向けられ、1/3がApple Watch、残りが18金製の本体ケースを含む高価なEditionモデルになるだろうと書いている。

Apple Watchは、Appleにとって全く新しいカテゴリーのブランドであり、しかもこのデバイスを使うためにはユーザーが既にiPhoneを持っている必要があるため、初期販売の数字がiPhone発売時のレベルに近づくことは考えにくい。それでもAppleが参入しようとしている市場は、個々のメーカーとしてこれまで最も成功したのがPebbleであり、2013年の発売から今年の初めまでの出荷数が100万台である。つまりAppleがこれまでのウェアラブルの記録を跡形もなく消し去ることはほぼ確実であり、あとは実際にライバルのどこまで先へ行くかだけが残された疑問だ。

Appleは、噂や臆測に対してコメントしていない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


たくさんためすぎて結局読めない‘あとで読む’記事群のまとめを作ってくれるShort

TodoistのEnric Enrichと友人のAlex Muenchが作ったShortは、ローカルに保存した大量の記事を、対応不能から対応可能に変えてくれる。このアプリはユーザのPocketやInstapaperのリストから‘いつか読む’記事を拾い上げ、それらすべてを一つの、10分で読める記事にまとめる。それを、スタバで行列に並んでるときの2分、一緒に昼飯を食べようと約束した友だちを待つあいだの5分、などで読み終える。

Shortには読むツールとしての機能が充実していて、たとえば昼間と夜とでは画面の明暗が変わる。読み終わるまであと何分、という時間量がプログレスバーで表示される。電話やワイヤレスの範囲外で読めるためのオフラインキャッシュもある。デフォルトではPocketとInstapaperとReadabilityとReading Packをサポートしているが、それ以外の‘あとで読む’保存サービスも指定できる。iOS 8の共有エクステンションをサポートし、シートのシェアも内蔵し、また記事中の画像もそのまま保存される。

このアプリは無料で、iPhoneとiPadの両方で使える。長くて良質な記事を推奨してくれるアプリとは対照的で、しかも最近のモバイルユーザの、ひとつのことへの関心・注意がますます短くなっている、という傾向にも対応している。Pocketなど既存の‘あとで読む’サービスを利用し、アプリ独自の保存機能を設けなかったのは、ファウンダたちによると、あくまでもユーザ体験のクォリティーを維持するためだ。興味ある記事をPocketなどに保存しても、結局、読む時間がない、という人がとても多いから、この‘まとめ読み’アプリはけっこう、ニーズがある気がする。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Apple Pay、9月から米国行政サービスで利用可能に


Apple CEO Tim Cookは、今日(米国時間2/14)行われたサイバーセキュリティーと個人プライバシーに関するホワイトハウス・サミットで、Apple Payが9月から連邦行政サービスで利用できるようになることを発表した。まず国立公園の入場料などから始め、将来は社会保障や退役軍人向けサービス等も対象にする計画だ。

「9月から多くの行政機関サービスでApple Payが利用できるようになることを嬉しく思う。例えばみなさんの好きな国立公園の入場料の支払いにも使える」と、スタンフォードのイベントで行われた10分間のプレゼンテーションでCookが語った。「また、われわれは政府職員向けに発行されたクレジットカードやデビットカードをApple Payで利用できるよう調整中であり、このテクノロジーを州と国両方の社会保障や退役軍人年金等の福利厚生サービスで利用するための取り組みを、大手銀行やネットワークと進めている」。

この発表はAppleにとって極めて重要だ。Apple Payが個人の世界から、公共サービスへと拡大されることを意味するからだ。Cookはさらに、Appleが米国政府と密に協力して、市民のプライバシーを守るためにパスポートや運転免許証のデジタル化を含むデジタル個人認証への移行をスムーズに行っていくことも話した。

今回の動きによって、CookはApple Payが単なるクレジットカード代わりよりもずっと大きなものになる可能性を示そうとしており、この取り組みにおけるAppleの真の狙いは、もはや「モバイル支払い」という言葉では十分に説明できないのかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Appleの自動車R&Dチームは総勢1000名、フォードやベンツからも指導的人材を確保

Appleは今本当に、自動車を開発している。Wall Street Journalの記事によると、それはミニバンタイプの電動車で、CEOのTim Cookがプロジェクトのゴーサインを出したのは1年近く前だ。今現在開発チームは“数百名”の陣容で、チームリーダーはAppleのVPでFord Motor出身のSteve Zadesky、車本体だけではなく、バッテリーの技術、ロボット工学、金属の製造技術、などの分野も対象とする研究開発が行われているという。

最初にAppleの自動車開発を特ダネしたのはFinancial Timesだが、その前にBusiness Insiderが、Appleの社員から聞いた、とする話を載せている。WSJの記事はFTの記事の数時間後だが、内容は詳しい。テクノロジ業界は今全般的にカーテク指向になっているから、Appleが車に手を出しても不思議ではないという記事を、ぼくも数時間前に本誌TechCrunchに書いた。

今はWSJの記事からさらに半日近く経っているが、出回っている最新の報道によると、Appleはそのプロジェクトに約1000名を投入、チームにはかつてMercedez-BenzのR&DのトップだったJohann Jungwirthがいる。Appleのターゲットは電動車だから、初期の報道が、Teslaから人材をスカウト、と書いていたのもうなずける。同時にTeslaも、Appleから社員を引き抜こうとしているのだけど。

WSJもFTも、設計と研究は進んでいるが、Appleにはまだ、具体的な製品発売計画やそのスケジュールはない、と報じている。Appleには前からいろんな製品の噂があり、たとえばテレビ受像機もあったけど、それは結局、製品の発売には至っていない(“まだ至っていない”、と言うべきか)。

車もそういう運命だ、と言う気はないが、でも同社の中核的事業からの乖離が激しすぎるし、製品としての本格生産となるとリスクも大きい。しかも、どれだけ利益の出る、どんな事業規模にするつもりなのか、それも不明だ。

アナリストの推計によると、iPhoneの粗利益率は50%弱だ。Elon Muskは、車の粗利率を25%と見積もっている(が必ずしも達成していない)。Appleの高価格高利益はどんな競合他社も真似できないが、iPhoneの生産などで培った高度なサプライチェーン管理技術を車にも応用するとなると、やはり高値高利のラグジュアリーカーで成功をねらうのかもしれない。

また車の研究開発には車関連のソフトウェアも含まれているはずだから、仮に車を一台も生産しなかったとしても、いろんなものから大きな利益を上げることができる。ソフトウェア以外に、バッテリーや素材の技術もあるだろう。だから、自動車、とりわけ電動車(EV)の開発に投じられるお金は、車の生産に結びつかなくてもAppleとしては無駄金ではない。

また、Apple Watchを見ると、Appleは高級品デバイスのメーカーとしての評判を、もっといろんなものに広げたいようだ。そしてとくに今接近しているのが、単純で分かりやすい小型マシン(ガジェット)のメーカーから、ファッションブランドへの変身だ。自動車のR&Dも、その路線上で見るべきものかもしれない。Appleは高級品メーカーとしてのレパートリーを、消費者用コンピュータ製品を超えて広げたい。多様化したい。自動車は、そのためのステップの一つだろう。,

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Samsungは自社製ソフトを引っ込めてGalaxy S6にはMicrosoftのアプリを揃える

Samsungが次の旗艦機からTouchWizをやめる、という話はすでに聞いているが、正しい報道で定評のあるSamMobileの今日の記事では、最初からロードされている内製のソフトウェアの多くをGalaxy S6から外して、その代わり大量のMicrosoft製スマートフォンアプリをインストールするらしい。それが本当なら、Samsungはモバイルの戦略の方向転換をして、同社の強いところを伸ばし、弱いところを小さくするという方針で行く気のようだ。

その記事によれば、TouchWizはパフォーマンスのネックになるので外し、ある程度はLollipopのデフォルトをそのまま使う。しかしビッグニュースは、これまでプレロードされていたアプリを“すべて”削除することだ。それらは、S Voice、S Health、S Noteなどなどだ。ユーザ自身がダウンロードして使うことはできるし、そのためにもっとカラフルなデザインにした。Samsung Galaxy Apps Storeからダウンロードできるが、最初から削除不可能なアプリとして載せることはやめる。

ただし、プレインストールされたアプリがすっかりなくなる、という意味ではない。Samsung内製に代わって、OneNote、OneDrive、Office Mobile、SkypeなどMicrosoftアプリの改造版が提供される。Office MobileではOffice 365を無期限かつ無料で利用できる。Microsoftは敵方(?)Googleのプラットホームの上でもソフトウェアのモバイル化改作に成功しているから、ユーザにとってはSamsung製の、どこかの馬の骨のようなソフトウェアが提供されるよりは、ずっと嬉しいはずだ。

Microsoftにとってはこれで、Windows Phoneでは望むべくもなかった広大な客層を、近くない未来に獲得できる可能性を掴んだことになる。同社はこのところ、あらためてソフトウェアやサービスに力を入れているから、Samsung/Androidへの進出は新世代のユーザからも注目されるだろう。そして最終的には彼らをWindows Phoneに宗旨変えさせたいという野望を持っているのなら、今現在彼らがいるところ(Android上)でMicrosoftブランドをアピールしておくことが肝要だ。逆に、そのモバイルOSが将来ポシャる運命にあるのなら、今からほかのプラットホーム上のユーザたちと、将来の商機になりそうな関係を築いておくことが、なお一層重要だ。

Samsungはこれらすべてを、3月1日にバルセロナで、Mobile World Congressが始まる前に行う特別なイベントで発表する。そのとき、すべての詳細が明かされるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))