Instagramが個人用募金キャンペーン機能をテスト

米国時間7月21日、Instagram個人が寄付金を募るための新しいツールを発表(Instagramブログ)した。同社によればこれは初期の小規模なテストで、ユーザーは自分のプロフィールページから募金キャンペーンに直接リンクすることができる。テストはまず米国、英国、アイルランドのAndroid版で開始し、その後iOS版に広げる。ユーザーは新しい目的を作ることも既存の目的を支援することもできるが、Instagramは既存のガイドラインと規約(Variety記事)に沿っているかどうか、すべての募金キャンペーンを最初に審査するという。

規約には、対象となる募金のカテゴリーと、承認されない募金キャンペーンの事例が詳しく挙げられている。この規約はFacebookの募金キャンペーンにも適用されている。

個人用募金キャンペーンを始めるには、この機能を使えるユーザーが「プロフィールを編集」→「募金キャンペーンを追加」→「寄付金を募る」と操作する。そして写真と募金キャンペーンのカテゴリーを選び、説明と寄付を募る文章を入力する。承認されると募金キャンペーンを30日間実施することができ、オプションで1回だけあと30日延長できる。

ということは、この機能は期間限定の目的を支援するものであり、継続的な募金にとって代わるものではない。

募金キャンペーンへの寄付にはFacebook Pay(Facebook発表)を利用する。Facebook PayはInstagramの新しいショッピング機能にも利用されている(未訳記事)。

Instagramは今後数カ月でこの機能を強化し、ユーザーのフィードとストーリーズの両方で募金キャンペーンを共有できるようにするという。

Instagramが募金を支援する方法はこれだけではない。

すでに同社は条件を満たす非営利団体やサポーターに対し、ストーリーズの寄付ステッカー(Engadget記事)での募金機能や、最近ではライブストリーム向けのライブ寄付機能を提供している。非営利団体に対しては同社が手数料を負担するが、個人用募金キャンペーンに対してはキャンペーン作成者の居住国に応じて手数料を差し引く(Facebookヘルプセンター)。

Facebookのプラットフォーム全般で募金活動は広く実施されている。例えば1月以降、新型コロナウイルス(COVID-19)関連の取り組みや目的に対してInstagramとFacebookの合計ですでに1億ドル(約107億円)以上の寄付が集まった。直近の30日間で、米国でのInstagram上の寄付は2倍になった。

個人用募金キャンペーンのテストは少人数のユーザーから開始されるが、Instagramは今後数カ月でこの機能を拡大していく計画だという。

画像クレジット:Instagram

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

アマゾンが米国でのプライムデーの遅れを認める、インドでは8月に開催すると発表

Amazon(アマゾン)の年に一度の大型セールイベント、プライムデーはこれまで世界中で開催されてきた。規模が大きく、アマゾンの販売サイトが落ちることもしばしばだった。しかし今年は新型コロナウイルス感染拡大によって、アマゾンの計画は混乱している。米国時間7月20日、アマゾンは米国でのプライムデーの開催が2020年内のいずれかの時点まで遅れるという報道を正式に認めた。また、インドでは8月6日〜7日にプライムデーを開催する。

プライムデーの対象となっているすべての市場で同一日程の開催にならないのは、今年が初めてだ。アマゾンはプライムデーの対象を米国以外にも年々広げてきた。

プライムデーは米国、英国、スペイン、シンガポール、オランダ、メキシコ、ルクセンブルク、日本、イタリア、インド、ドイツ、フランス、中国、カナダ、ベルギー、オーストリア、オーストラリアで開催され、2019年には新たにアラブ首長国連邦が加わった。

プライムデーの開催が遅れていることはすでに明らかだ。2019年のイベントは7月15日〜17日で、それ以前も同じ時期に開催されていた。

新型コロナウイルス感染拡大によってアマゾンの関心がシフトしたのは、驚くようなことではない。売り上げが低迷する夏にスペシャルイベントを開催してテコ入れする必要はなくなった。米国政府がロックダウンを実施したことでオンラインの注文が殺到し、当初は家庭用品や医療用品など注文の多い商品の需要に応えるために一部の商品の発送を制限せざるを得なかった(未訳記事)。またアマゾンは4月30日に、需要の増加に対応するためにフルフィルメントと配送ネットワークの業務にあたる従業員を新たに17万5000人以上雇用した(Amazonブログ)と発表していた。

パンデミックの影響でeコマース市場全体が急成長している。eMarketerによると、eコマースの売上は2020年は18%増えて7097億8000万ドル(約76兆174億円)に達し、米国の小売全体の14.5%を占める見込みだという。アマゾンは2020年に市場シェアを38%にまで伸ばすとeMarketerは予測している。

つまりアマゾンは今年、プライムデーを開催する必要がないのだ。順調にやっています、ありがとうございます。

プライムデーの遅れに関するニュースは、ここ数カ月間繰り返されてきた。

4月にはロイターが、プライムデーは新型コロナウイルスの影響で早くても8月になるだろうと報じた。7月にはCNBCが、プライムデーは10月に延期されると伝えた。

アマゾンは米国のプライムデーを今年も開催する意向であるとしているが、時期は明らかにしていない。また米国以外の市場でこれまでのように米国と同時に開催するかどうか、あるいはインドのようにそれぞれの市場で独自にプライムデーを開催するかどうかも発表していない。

インドのプライムデーは8月6日午前0時に開始し、8月7日まで開催される。エンターテインメントも含めた特別なサービスや割引を提供するとアマゾンは述べている。

アマゾンの広報は日程に関する発表の中で「過去5年間以上にわたってプライムデーは特別なお祝いで、プライム会員にとっては自分自身や友達、家族のために驚くほどお得に買い物ができる期間となった。我々も毎年楽しみにしていた」と述べた。そして「今年のプライムデーは従業員の安全を確保しお客様と販売パートナーを支援しながら、例年よりも遅く開催する。インドのプライム会員には8月6日〜7日にセールを実施し、世界中のプライム会員に対しても年内にプライムデーを開催することを楽しみにしている。詳しくは近々お知らせしたいと思っている」と付け加えた。

画像クレジット:Smith Collection/Gado / Getty Images

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

Spotifyがビデオポッドキャストをグローバル展開、まずは限定コンテンツで

Spotify(スポティファイ)は米国7月21日、ビデオポッドキャストをグローバルで立ち上げたと発表した。無料ユーザー、有料購読者ともにいくつかのグループのクリエイターによるビデオコンテンツを視聴できる。しかし有料ユーザーだけが、デバイスで他のことをしながらビデオコンテンツをバックグラウンドで聴けるYouTubeと違い、Spotifyではユーザーはビデオバージョンとオーディオバージョンをシームレスに行き来できる、と説明している。他のアプリを使うなど複数のことを同時に行うとき、あるいはスマホがロック状態になったときも、オーディオコンテンツはバックグラウンドで流れ続ける。

ビデオポッドキャストはデスクトップとモバイルアプリの両方に対応する。オーディオの代わりではなく、追加の要素となる。つまり、必要に応じてオーディオをストリームしたり、オフラインリスニングのためにポッドキャストをダウンロードしたりできる。

クリエイターにとって、ビデオポッドキャストの立ち上げはオーディエンスを増やすことにつながる、とSpotifyは話す。ポッドキャストにはすでにビデオオプションがあるが、これまでSpotifyはビデオコンテンツをSpotifyプラットフォームでシェアする方法をクリエイターに提供していなかった。これは、ポッドキャストクリエイターが音声ポッドキャストをSpotifyや他のサービスで配信し、ビデオはYouTubeで公開しているということを意味する。もちろん、こうした状態は続くかもしれない。特に、すでにYouTubeでファンを確保している場合は続けない手はない。

しかしSpotifyで直接ビデオを公開できることは、さまざまな種のコンテンツを扱うプラットフォームで競うのではなく、ポッドキャストのリスナーとこれまで以上にダイレクトにつながれることになる。一方で、Spotifyにとってビデオは広告を売る新たな場所になる。しかし同社はビデオ広告の取り組みはまだ「初期段階」にあるとして、広告戦略についてのコメントは却下した。

ビデオポッドキャストは今日から提供されるが、ひと握りのポッドキャストに限定されている。 Book of Basketball 2.0Fantasy FootballersThe Misfits PodcastH3 PodcastThe Morning ToastHigher Learning with Van Lathan & Rachel LindsayThe Rooster Teeth Podcastなどだ。これらはすでにポッドキャストが提供されているマーケットでのみ利用できるとのことだ。

これらのポッドキャストはオリジナル、独占、サードパーティのポッドキャストが混ざっている。現状では、クリエイターのみが自身のビデオコンテンツをアップロードできる。ゆくゆくは機能を拡大する、とSpotifyは話している。

Spotifyのビデオへの進出はほぼ不可避だった。2020年2月にSpotifyはポッドキャストスポーツコンテンツを拡大するためにThe Ringerを買収した(未訳記事)。この買収にはYouTubeベースのビデオオペレーションも含まれており、メディア拡大への興味を示すものだった。

Spotifyはすでに著名なポッドキャストと提携している。これらは簡単にビデオにも移せるものであり、ここにはDCスーパーヒーローにフォーカスしたWarner Bros.(ワーナー・ブラザーズ)との提携も含まれている。また、ウィールストリートジャーナル紙が2020年6月に報じたが、SpotifyはKim Kardashian West(キム・カーダシアン・ウェスト)氏との独占取引も結んだ。他の独占取引としては、The Joe Rogan Experienceがある。そして7月20日、SpotifyはTikTokスターのAddison Rae(アディスン・レイ)氏とのポッドキャスト契約を結んだ(Variety記事)。

Spotifyはこうした著名ポッドキャスターのビデオ計画は発表しなかったが、もちろん人材へのアクセスはある。そしてビデオ提供は将来のより良いディール交渉につながるはずだ。

Spotifyのビデオポッドキャストのテストは2020年初めに確認されていた(The Verge記事)。しかしそれはYouTubeスターであるZane and Heath: UnfilteredのZane Hijazi(ゼイン・ヒジャジ)氏、Heath Hussar(ヒース・ハッサー)氏とのものだった。今日の発表の中には彼らの名前はなかった(Spotifyリリース)。

ビデオポッドキャストはサポートされている地域で本日から展開される。すぐには現れないかもしれないが、直に追加されるはずだ。

画像クレジット:stockcam / Getty Images

原文へ
(翻訳:Mizoguchi

Googleマップがバイクシェアユーザーに借りるところ、返却する駐輪場を含む全行程のナビを表示

Googleマップが米国をはじめとした10の大都市で、バイクシェアのユーザーの便宜のために地図をアップデートした(Googleリリース)。Googleマップにはすでに、バイクシェアの駐輪場や、自転車のための2点間のナビ案内がある。今回のアップデートでは、徒歩と自転車のナビを統一し、複数の駐輪場間のルートを1回の指定で示せるようになった。

Googleマップはまず最も近いバイクシェアの駐輪場までの徒歩でのルートを案内し、次に目的地に最も近い駐輪場までの自転車による道順、さらにそこから目的地までの徒歩のルートを案内する。つまり「徒歩→最初の駐輪場→最後の駐輪場→目的地までの徒歩」となる。

これまでユーザーは、バイクシェアを利用するために3つの企画を行わなければならなかった。(1)最初のバイクシェアの駐輪場まで、(2)バイクシェア乗り捨てもしくは返却地点、(3)目的地までの3つだ。しかし今度からは、目的地を指定するだけでGoogleマップが最初から最後までの道順を教えてくれる。

また一部の都市では、Googleマップが適当と思われるバイクシェアサービスのモバイルアプリのリンクを表示する。さらにそのアプリから、利用登録や解錠もできる。

この機能は数週間前から10の都市で展開されている。そこでは交通情報サービスのIto Worldと、同社がサポートするバイクシェアサービスとパートナーしている。

  • シカゴ(米国) Divvy/Lyft
  • ニューヨーク(米国) Citi Bike/Lyft
  • サンフランシスコ ベイエリア(米国) Bay Wheels/Lyft
  • ワシントンDC(米国) Capital Bikeshare/Lyft
  • ロンドン(イギリス) Santander Cycles/TfL
  • メキシコシティ(メキシコ) Ecobici
  • モントリオール(カナダ) BIXI/Lyft
  • リオデジャネイロ(ブラジル) Bike Itaú
  • サンパウロ(ブラジル) Bike Itaú
  • 台北と新北市(台湾) YouBike

Google(グーグル)によると、同社は現在、パートナーを増やす努力をしており、数カ月後にはさらに多くの都市をサポートできるという。

この新機能でグーグルは、またApple Mapsをリードした。後者は最近、サイクリストのためにルートを最適化するオプションを加えてグーグルに追いつこうとした。Apple(アップル)の自転車用ナビは、険しい坂道の警告や近くの自転車修理店を表示できる。

Ito Worldは2020年3月にアップルのパートナーになり、Apple Mapsにバイクシェアのデータを統合した(Ito Worldリリース)。これによりiPhoneのオーナーは、179の都市でバイクシェアの場所を見つけることができる。

しかしバイクシェア情報の詳細さでは、相変わらずGoogleマップが上だ。グーグルはすでに数年前から、乗り捨てタイプのバイクシェアやLimeとのパートナーシップにより100以上の都市でのスクーターを統合し、そして一部の都市では、乗り捨てではない駐輪場に返却するタイプのバイクシェアのリアルタイム情報(Googleリリース)で、空き自転車の有無を教えてくれていた。

最近は新型コロナウイルス(COVID-19)のアウトブレイクで旅行や交通も変わりつつあるため、バイクシェアのナビ情報はマップサービスに差をつけるさらに大きな要素になってきた。例えば一部の人は、バスや地下鉄などの公共交通機関から、自転車に通勤手段を変更している。グーグルによると、最近は世界的に「近くの自転車修理店」といった検索が多く、2020年7月は2019年の倍にもなったこともあり、この傾向は世界的なものだという。

また、グーグルによると、アップデートされたバイクシェアのナビ機能は、今後数カ月間で展開されるとのことだ。

原文へ
(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

新型コロナの影響で米国のApp Storeダウンロード数が中国超え、ビジネスアプリは133.3%成長

米国のApp Storeのダウンロード数が中国のダウンロード数を2014年以来初めて上回った。米国時間7月16日に公開されたSensor Towerの2020年Q2レポートによると、同四半期の米国App Storeのダウンロード数が前年比27.4%増だったのに対し、中国のApp Storeの成長率は2.1%だった。四半期中に米国では22.2億回の新規インストールがあり、中国では20.6億回だった。

変化に影響を与えたのは、中国と米国両方を襲った新型コロナウイルスのパンデミックだ。「米国が中国のダウンロードを超えたのは4月に始まり、6月までずっと続いた」と同社は伝えている。

第2四半期の中国は、新型コロナのためにダウンロードが異常に多かった3月と4月から減少した。そしてダウンロード数が平常に戻りつつある中、パンデミックが少し遅れて米国にやってきた。

この結果米国ではダウンロードが急増した。人口の大部分が突然在宅勤務を強いられ、家で授業を受け、エンターテイメントもアプリやゲームやストリーミングサービスを家で楽しんだからだ。

Sensor TowerがTechCrunchに伝えたところによると、米国で特に伸びが著しかったのがビジネスと教育のアプリだった。2つのカテゴリーは米国が中国を追い越す最大要因だった。Q2にビジネスアプリは133.3%成長し、教育(84.4%)と健康・フィットネス(57.7%)、ニュース(44.9%)、ソーシャルネットワーク(42.4%)が続いた。

ビデオ会議アプリのZoomにとっては大ブレイクの四半期で、9400万近いダウンロード数はApp Storeの四半期インストール数の新記録でもあった。それまでの最高はTikTokで、2020年Q1に6700万ダウンロードを記録した。「それ以外の非ゲームアプリで1四半期に5000万インストールを達成したものはない」とSensor Towerは伝えた。

TikTokのQ2も好調で、App Storeのダウンロード数は7100万回近くで前年比154%だった。同アプリの2大ダウンロード市場は米国と中国で、中国では Douyin(抖音)と呼ばれている。

モバイルゲームも米国では大ヒット。その原因は、政府による都市封鎖のために人々が家にいたためだった。App Storeのダウンロード数で上位のモバイルゲームは、Save The Girl、Roblox、Go Knots 3D、Coin Master、Tangle Master 3D、Fishdom、ASMR Slicing、Call of Duty: Mobileなど。

この中ではRoboxが華々しい四半期を過ごした。学校とも友達とも切り離されて家にいる子供たちがオンラインゲームに走った結果だ。Robloxのゲームアプリは2020年Q1に米国内で11位だったが、Q2には2位に躍進し、四半期中に新記録となる860万回ダウンロードされた。

Rollic Gamesは、Go Knots 3DとTangle Master 3Dという2つのヒット作品が、それぞれApp Storeで500万回以上ダウンロードされた。同社のRepair Master 3Dも20位に入った。

ZoomとRollic Gamesの2社は、トップメーカーとしてQ2に初めてApp Storeでトップ10入りした、とレポートに書かれている。

米国は中国を数年ぶりに四半期で上回ったが、残るトップ5は日本、英国、ロシアで変わらず、対前年比では成長した。新規ダウンロードの急増に関連して、米国は消費者がApp Storeで消費した金額でも、2018年Q4以来初めて中国を上回った。前回の差はわずか1.6%(約5300万ドル)だったが、2020年Q2に米国は中国を14%、約7.17億ドル上回った。

新型コロナ禍の中、米国は対前四半期の消費金額も大きく伸ばし、Q1とQ2の間で20%成長した。一方中国は、ウイルスの影響が最も大きかった2020年Q1のApp Storeの消費金額は2019年Q4と比べて5%増にとどまった。

画像クレジット:Sensor Tower

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

グーグルがモバイル用動画ショッピングプラットフォーム「Shoploop」をローンチ

Google(グーグル)の最も新しい試みは、90秒以内の動画で新製品を消費者に紹介できる動画ショッピングプラットフォームだ。米国時間7月16日に同社は、Shoploop(ショップループ)をローンチした。これは、新しいアイデアを一般のユーザーベースでテストするグーグルの社内研究開発部門Area 120(エリア・ワントゥエンティー)で生まれたプロジェクトだ。

Shoploopの創設者であるLax Poojary(ラックス・プジャリ)氏は、以前、これもまたArea 120から生まれたオンライン旅行プランナーTouring Bird(ツアリング・バード)に勤務していた。昨年、Touring Birdは、Area 120を卒業してGoogle自身に統合された(Googleブログ記事)数少ないプロジェクトの仲間入りを果たした。

プジャリ氏によれば、この新しいインタラクティブな買い物方法のアイデアは、今の消費者が商品の購入を検討する際に、ソーシャルメディアと電子商取引サイトを併用していることにヒントを得たという。例えば、ユーザーはInstagram(インスタグラム)などのソーシャルメディア・アプリの中を飛び回り、次にYouTube(ユーチューブ)でチュートリアルやデモを見て、その後(気に入れば)実際に購入するといった具合だ。

もちろん、動画でショッピングというアイデアは斬新というわけではない。いくつものスタートアップや、大企業までもが、すでに動画と商品販売とを結び付けている。

画像クレジット:Google

例を挙げると、Amazon(アマゾン)はその販売サイトでライブストリーミング配信プラットフォームAmazon Live(アマゾン・ライブ)を運営(未訳記事)している。YouTubeも、新しい購入可能な広告フォーマットを導入した。動画の下で商品の購入ができる仕組みだ。Facebook(フェイスブック)でもライブショッピングが可能になった。Facebookは2019年にこの分野の企業を買収(Bloomberg記事)している。Instagram(インスタグラム)も、独自のショッピング機能を導入している。

動画を取り入れたモバイルショッピングのスタートアップも数多く存在する。昨年1200万ドル(約13億円)を調達したDote(未訳記事)。1月に300万ドル(約3億2000万円)を調達したPopshop Live(未訳記事)。NTWRKはショッピングとライブイベントを合体(未訳記事)させている。Depop(ディーポップ)はInstagramのように写真と動画の両方を使って販売を行っている。

ほかにも、Yeay(未訳記事)やSpinといったアプリがいくつもある。また、ブランドに技術を提供してこの分野への参入を手助けしているスタートアップもある(Pymnts記事)。ほんの一部の名前を挙げるならば、BambuserMikMakBuywithなどだ。

言ってしまえば、Shoploopは手つかずの新しいトレンドを掘り当てたわけではなく、単に参入しただけのことだ。Shoploopの買い物はインタラクティブだ。ユーザーは画像や文章をスクロールするだけでなく、ネイルステッカーヘアケア製品コスメなどの商品を紹介する動画が見られる。同社によれば、最初は、化粧品、スキンケア、ヘアケア、ネイルといったカテゴリーの商品を対象に、クリエイター、パブリシャー、その市場の店舗オーナーと共同してコンテンツを制作するという。

現在、クリエイターが契約したブランドの商品紹介のための動画コンテンツ制作に勤しんでいる。Shoploopの製品そのものは、収益化されない。

このエクスペリエンスはYouTubeでチュートリアル動画を見るのに似ているが、一番の見せ所に凝縮されており、その意味ではTikTokのほうが近い。デモ動画は、消費者にブランドと商品を現実的な形で感じとってもらえるよう、信頼性の高さを旨とする。ユーザーがその商品を気に入れば、その動画を保存してもいいし、クリックして商品のウェブサイトに移動して購入することもできる。またこのアプリでは、好きなShoploopクリエイターのフォローや、友だちや家族に動画をシェアすることも可能だ。

こうした製品は、大きく注目を集めることができれば、ショッピングに関連するグーグルの大きな使命にとって重要な存在となり得る。同社は最近、ショッピング・バーティカル(未訳記事)のデザイン変更(未訳記事)を行い、ほとんどの無料の商品リスティングを加える方向に切り替えた(未訳記事)。これはAmazonの広告事業が拡大していることへの対応だ。オンラインで顧客とつながる新しい手段を増やせば、このインターネットの巨大企業の収益は上がる。そして、動画とインフルエンサーによって強化されるショッピング・エクスペリエンスは、特に若い顧客層を引きつけることになるだろう。

Shoploopは本日、モバイル用にローンチされ、デスクトップ版も現在準備中だ。

画像クレジット:TechCrunch

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

InstagramがTikTok的ショートビデオのReelsを米国で8月に開始

Facebookの広報担当者は、InstagramがTikTokのライバルとなるショートビデオプラットフォーム「Reels」を米国で8月にスタートさせることを明らかにした。InstagramはインドでTikTokが禁止された直後に同国でReelsをスタートさせている。またブラジル、フランス、ドイツでもReelsのテストが続けられている。

事情筋によると、Instagramは米国だけでなく数週間のうちに他の50カ国でもReelsをスタートさせる(NBC記事)ものと見ている。

Facebookの広報担当者はReelsを国際的にスタートさせる準備を進めていることを確認し、「我々は8月にReelsを米国を含む世界の多数の国でスタートさせる計画だ」と述べたが、具体的な国名などの詳細は明らかにしなかった。

また広報担当者は「我々がテストを実施した各国ではReelsコミュニティはショートビデオで素晴らしいクリエイティビティを発揮した。またそれ以外の世界各国でもクリエイターや視聴者はショートビデオのプラットフォームが利用できるようになることを熱望している」と述べた。

Reelsは、現在ショートビデオで圧倒的に優勢なTikTokのライバルとなるべくInstagram内に追加されたプラットフォームだ。ReelsはTikTokによく似ており、ユーザーは15秒間の短いビデオを制作しこれに音楽その他のオーディオを含めることができる。またTikTokと同じくReelsにもクリエーターを助ける編集ツールが用意されており、再生速度を調整したりカウントダウンタイマーを表示したりできる。ただしTikTokが7月15日にリリースした2つのタブがありスクロールできるフィードはReelsにはない。

Reelsのロールアウトをスピードアップしてカバー地域もさらに拡大するのは、TikTokの中国政府との強い結びつきに一段と厳しい目が注がれるようになったことと関連している。インドは6月にTikTokに加えて中国製モバイル・アプリ58種類も禁止した。米国でも最近トランプ政権が安全保障上の観点から同様の禁止措置を検討(Public Pool記事)しており数週間のうちにこうした措置が取られるかもしれない。

TikTokが禁止される可能性があるというニュースは、Byte、Triller、Dubsmash、Likeeなどショートビデオのライバルを大いに勢いづけた。SnapchatもTikTok的なサービスをテストしているし、YouTubeも小規模なテストを行っている。

Instagramの巨大なユーザーベースを考えれば、TikTokのユーザーが数百万の単位でReelsに移るかもしれない。しかしTikTokが禁止されても全ユーザーが1つのサービスに移動するということはなさそうだ。TikTokのコミュニティはすでに多様な動きを示しており、ダンスビデオ派はDubsmash、Trillerに向かい、Z世代と呼ばれる若い層はByteを好んでいるようだ。

Reelsが米国で一般公開される日付はまだ発表されていない。

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

7月第1週に2500本超のiOS用ゲームが中国App Storeから削除される

7月の第1週に2500本超のモバイルゲームが中国のApp Store(アップストア)から削除された。アプリストア調査会社であるSensor Towerの最新レポートで明らかになった。ライセンスのないゲームに対する計画通りの取り締まりで削除は予想されていた。しかしこれはアプリ経済への影響を示すデータとしては初めてのものとなる。

比較材料として、7月に削除されたアプリの数は4月第1週の4倍、5月第1週の5倍、6月第1週の4倍超だ。アプリ削除は、中国のゲーミング規則へのApple(アップル)の新たなコンプライアンスと関係がある。

今年初め、アップルはアプリのデベロッパーに6月30日までにモバイルゲームに関する中国の法律に則るよう案内した。2016年に施行されたこの法律では、有料ゲームとアプリ内課金のゲームを提供しているゲームデベロッパーに、中国の検閲団体の1つ、広報出版総局からライセンスを取得することを義務付けている。

何年もの間、iPhoneゲームデベロッパーは、ゲームをリリースした後にライセンス承認を待つことで法律を回避してきた。ライセンス承認は時間がかかる退屈なプロセスで、2018年にあったように審査作業の一時停止があれば数カ月以上もかかる。中国当局がポルノやギャンブル、暴力、その他の政府が不適切とみなすコンテンツを含んでいるゲームをさらに取り締まるために業務を見直した時、ライセンス発行が9カ月間止まった。

メジャーなAndroidアプリストアはすでに2016年ルールを適用していたが、アップルでは抜け道があり、モバイルゲーム業界は中国のiPhoneプラットフォームで何年も生き延びていた。

画像クレジット:Sensor Tower

アップルの対応から、App Storeで何千ものゲーム削除が7月に始まることが予想されていた(Engadget記事)。Sensor Towerのデータはそのときがきたことを示している。しかしSensor Towerのデータは、サブカテゴリーチャートを含むApp Storeのチャートにランクインするほどダウンロードが多かったゲームのみをとらえている。

削除された2500本あまりのゲームのうち、2000本のゲーム(80%)は2012年以来のダウンロードが1万回以下だったとSensor Towerは推定している。それらのゲーム合わせて計1億3340万回のダウンロードがあった。削除されたゲームの総売上高は合計で3470万ドル(約37億円)で、うち1つのゲームが1000万ドル(約11億円)超、そして100万ドル(約1億1000万円)超を売り上げたゲームは6つあった。

削除されたゲームの中で有名なものには、GluのContract Killer Zombies 2、ZyngaのSolitaire、Crazy LabsのASMR Slicing、FlaregamesのNonstop Chuck Norrisがある。直近では、SupercellのHay Dayも削除された。

ゲームマーケットへの変更、そしてアプリ経済への新型コロナウイルスの影響により、第2四半期におけるiOS消費者の消費額においては米国が再びトップとなっている。App Annieによると、第2四半期の米国iOS消費者の消費額は前年同期比30%増だった。

中国は世界で最も儲かるモバイルゲームマーケットだっただけに「ゲーム削除による長期的な影響がアップルの収支に表れるかもしれない」とSensor Towerは指摘した。2019年に中国のApp Storeのゲームは推定126億ドル(約1超3500億円)を売り上げた。これはアップルのマーケットプレイスでの昨年のグローバルゲーム支出の33.2%を占めるという。

画像クレジット: Sensor Tower

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi

ライブスビデオでインフルエンサーマーケティングを強化するAmazon Live

Amazon(アマゾン)がスタートさせたAmazon Liveはソーシャルメディアのインフルエンサーが商品を紹介することによって手数料の配分を受けることができる新しい方法だ。現在の同社のインフルエンサープログラムでは、アマゾンで販売されているお気に入りの商品をFacebook、Twitter、Instagram、YouTubeなどに投稿してファンに紹介することでコミッションを得ることができる。

アマゾンがインフルエンサープログラムをそっとデビューさせた(未訳記事)のは2017年だった。これはインフルエンサーマーケティングの進展に応じてアマゾンもこの方式を採用したものだ。インフルエンサープログラムはアソシエイトプログラムの強化版で、参加には承認が必要だが承認された場合、アマゾンから独自のURLが提供される。インフルエンサーはこのURLを利用して商品の紹介とデモができる。

アマゾンは従来のインフルエンサープログラムでもビデオに対応していたが、今回はライブストリーミングに力を入れ、インフルエンサーがAmazon Liveを利用できるようにした。このサービスはビデオをショッピングサイトに直接ストリーミングができるもので、テレビショッピングチャンネルのQVCのアマゾン版だ。マーチャントが消費者を引き付ける助けとなるようアマゾンはこのサービスを昨年スタート(未訳記事)させていた。

Amazon Liveではテレビのホームショッピングチャンネルと同様、ビデオで商品を紹介し、デモをすることができる。ビデオの下に左右に動かせるカルーセルが表示され、消費者は気に入った商品があればここから購入ができる。

アマゾンはこれ以前にもライブビデオを実験していた。最初のライブストリーミングはStyle Code Liveという番組(未訳記事)で、専門家が美容とファッションについてのヒントを紹介するものだったが、短期間で止されてしまった。

しかし今回のAmazon Liveのテーマは美容とファッションという狭い範囲に限られておらず、料理、フィットネス、ベビー用品、ホーム機器、自動車、電子ガジェット、おもちゃ、ペット、流行、テレビ番組、ビジネスなど多様なカテゴリをカバーする。またテレビのショッピングチャンネルとは異なり、Amazon Liveにはテーマに応じて多数のチャンネルが存在する。

Amazon Liveでビデオストリーミングを配信する際に、クリエイターやインフルエンサーはAmazon Live CreatorのiPhone用アプリを使ってファンにデモを見せ、チャットできる。Amazon Liveのホームページではファンはライブビデオの横のTwitch的なサイドパネルを通じてホストとチャットできる。

Amazon Liveはすでにアーリーアダプターのインフルエンサーが利用している。例えば、ファッションのMirror & Thread,、メークアップのBeauty by Carla、ガジェットのセールのThe Deal Guy、任天堂Switchを中心としたBrickinNickなどのストリーミングをAmazon Liveで見ることができる。

新しくAmazon Liveでライブストリーミングを始めるインフルエンサーは、Amazon Liveと同時に自分のサイトにもストア専用ページが提供され、ビデオを配信できる。インフルエンサーはファンが増えるにつれて、ライジングスター、インサイダー、Aリストとレベルアップする。

 

こうした階層をアップするにつれてメリットも大きくなる。ストリーミングから購入が行われた場合、「ライジングスター」はアマゾンのオンサイトアソシエイツプログラム,を通じてコミッションが提供される。さらに上のレベルでは、商品を詳しくを紹介するためにビデオを独自の販売ページに配信できる。同社によれば「Aリスト」にランク付けされると、優先サポートおよびAmazon Liveが開催するスペシャルイベントへのアクセスも提供されるという。

Amazon Liveのディレクターを務めるMunira Rahemtulla(ムニラ・ラヘムトゥラ)氏は声明で「アマゾンはカスタマーに対話的で楽しいショッピング体験を提供することに力を入れている。同時にインフルエンサーがアマゾンでビジネスをする手助けもしたい。ライブストリーミングは創造的であり、人々をつなげ、インスピレーションを与える。ビジネスのアイディアは無数に生まれるだろう。Amazon Live Creatorアプリをインフルエンサーに提供できることとなって嬉しい。インフルエンサーがアマゾンのカスタマーのために何ができるか大いに期待している」と述べた。

現在ソーシャルメディアのセレブがブランドから利益を得る方法は極めて多様だ。例えば、YouTubeではBrandConnect,、Facebookでは Brand Collaborationsなどのプログラムがある。 TechCrunchではインフルエンザがストリーミングからどのような報酬を受け取ることになるのか詳細を知りたいと考えてアマゾンに取材を申し込んでいる。まだ同社からは回答がないが、何か明らかになればアップデートしたい。

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

Amazonが購入品を自ら識別するスマートなショッピングカート「Dash Cart」をテスト

Amazon(アマゾン)は米国時間7月14日、最新のスマートストア技術であるAmazon Dach Cart(ダッシュカート)を披露した。これは食料品スーパー用のショッピングカートで、中に入れた商品を識別し代金を請求するというものだ。このカートはまず、2020年中にカリフォルニア州ウッドランドヒルズに開店予定のAmazonの食料品スーパーに導入される。

今のところこのカートは、カート一杯に商品を積み上げるようないつもの買い物には向かず、ショッピングバッグ1つか2つの少量から中量の買い物に対応するとAmazonは説明している。

これは、カートに入れられた商品の識別に関する技術的な制約によるものだ。

Amazon Dash Cartは、コンピュータービジョンアルゴリズムとセンサーフュージョンの組み合わせでカートの中の商品を識別すると、Amazonは話している。そして店内のDash Cart専用レーンを抜けるとセンサーがカートを識別し、Amazonアカウントに登録したクレジットカードで精算が行われる。

カートを使用するには、まずAmazonアプリで示されるQRコードをカートのリーダーに読み取らせる。そしてカートにショッピングバッグを1つまたは2つセットすれば、買い物を始められる。カートに商品を入れたら、ピーという確認音を待つ。確認に失敗するとカートがオレンジ色に光るので、そのときはやり直す。

センサー技術に加えてこのカートの上面には、自分のAlexa(アレクサ)買い物リストにアクセスできる画面もあり、そこでリストに印を付けたり、現在の合計金額の確認ができる。クーポンのスキャナーも備えているので、買い物をしながらクーポンを使うことも可能だ。

Amazonが提供している動画(非常にざっくりした内容だが)によると、商品のバーコードをカートに見せる必要があるようだ。例えばこの動画には、買い物客が商品をカートに入れる前に、指でバーコードが見えるようにしている場面がある。また、買い物客はバーコードを自分とカートの画面に向けてからカートに入れている。

別の場面では、野菜など「バーコードのない商品の入れ方」も示されている。この場合は買い物客が画面でPLUコードを入力して、重さを確認している。

Amazonのウェブサイトではバーコードの読み取りに関する詳細は説明されていないが、カートが「コンピュータービジョン」と「センサーフュージョン」を利用していることが書かれている。それは、このカートがAmazonの既存の技術を一歩先に進めたものであることを示唆している。「Just Walk Out(そのまま店を出られる)」というのがAmazzon Goストアの売り文句だ。だがJust Walk Outの店舗には、商品の陳列棚に組み込まれたセンサー技術とカメラを搭載したシステムからのデータをコンピュータービジョンで処理し、商品を取ったり戻したりを認識している。それに対してDash Cartは、Amazon Goストアではなく一般の食料品スーパーでのテストが予定されている。

このカートが単なる車輪付きのバーコードリーダーではないことは明らかだが、Amazonはそのバーコードの読み取り技術を完全には明らかにしていない。

この新技術の仕組みついてAmazonに問い合わせたところ、実際にカートは「素早く商品を特定するために、最初にバーコードを探す」のだと教えてくれた。

買い物客の手でバーコードが隠れて読み取れない場合などは、コンピュータービジョンのアルゴリズムが商品の特定を試みるという。

コンビニ程度の広さのAmazon Goストアと違い、Just Walk Out技術を一般の食料品スーパーに持ち込むのは大変な困難がともなう。食料品スーパーの商品点数は多く、すべてを識別できなければならない上に、新しい商品がどんどん入ってくるからだ。

2020年3月にAmazonは、「レジなし」ストアの技術を他の小売店に販売すると発表した。スマートカートの技術がテストを重ね改良されたなら、この技術にも同様の計画が進められるかも知れない。そこを聞いてみたが、Amazonは将来の計画については何も話さなかった。

画像クレジット:Amazon

原文へ
(翻訳:金井哲夫)

SnapchatがTikTokスタイルの垂直スワイプで移動する操作をテスト中

Snapchatが、TikTokに対するより直接的な挑戦の準備をしているようだ。同社は、Snapchatの公開コンテンツを垂直方向のスワイプで移動できる新しい操作方法をテストしていることを認めた。この操作はTikTokによって普及したビデオ切り替え方式だ。Snapchatによると、この機能はコミュニティコンテンツのための、さまざまな没入型ビジュアルフォーマットを探究する実験の1つだ。

このテストは友達のプライベートストーリーではなく、Snapchatディスカバーに公開されているコンテンツに焦点を当てている。ただし、ストーリーは様々な要素で構成されているので、ユーザーはこれまでと同様にタップしてストーリーを進めることもできる。しかし今回の新しい実験では、左右を問わず水平方向にスワイプすると、これまでのようにストーリーの切り替えを行うのではなく新機能は終了してしまう。

TikTokに多くの時間を費やすようになった人にとっては、いまや垂直スワイプが、ビデオを移動するためのより自然な方法のように感じられるようになっている。そうしたユーザーは、水平スワイプが使用されているSnapchatやその他のアプリに戻ると、方向感覚を失ったような気分になるのだ。

このテストの存在は、ソーシャルメディアコンサルタントのMatt Navarra(マット・ナバラ)氏によって、Twitterユーザーの@artb2668からの投稿を引用する形で最初に報告された(Twitter投稿)。そこでシェアされた写真の上には、新しい機能をどのように操作すれば良いかを示すアプリのポップアップが示されており、そしてその操作感覚を示すビデオも添付されている。

Snapchatはこのテストが初期段階にあることと、ごく少数のユーザーにしか提供されていないこと以外の、テストに関する具体的な詳細を提供することを拒否した。

「私たちはいつでも没入的で魅力的なコンテンツを、モバイルファーストのSnapchatコミュニティに投入する方法を試しています」と広報担当者はTechCrunchに語った。

もちろん、Snapchatによるテストのタイミングは興味深いものだ。

トランプ政権は現在、TikTokが中国と緊密な関係を持っていること、そしてアメリカ人の個人ユーザーデータが最終的に中国共産党の手に渡るのではないかという恐れから、TikTokを米国で禁止するぞという圧力をかけている(The Wall Street Journal記事)。このアプリは、同様の理由ですでにインドでは禁止されている。米国時間7月10日には、Amazonは従業員に対して、会社が発行したスマートフォンからTikTokアプリを削除するように指示した(The NewYork Times記事)が、5時間後にはその要請を撤回した。2020年初めにはペンタゴンの警告を受けて、米軍の各部門も同アプリへのアクセスをブロックしている(The NewYork Times記事)。一方、Musical.ly(このアプリがTikTokとなった)は、中国のByteDance(バイトダンス)による買収により、米国の国家安全保障レビューを受けている(The NewYork Times記事)。

TikTokが削除の脅威に晒される中で、競合するソーシャルアプリであるByte、Like、Triller、Dubsmashなどが、アプリストアチャートで上昇している。一方Instagramは、TikTokに似たReelsをインド(未訳記事)を含む新しい市場に拡大している。最近はYouTubeでさえ、TikTokのようなエクスペリエンスのテストを開始した(未訳記事)。

TikTokの米国ユーザーをすぐに手に入れられる可能性を考えると、Snapchatが自社のユーザーベースでも同じことをやりたがるのは当然のことだ。

このテストは、ソーシャルアプリのユーザーエクスペリエンスの支配力に対して、TikTokがどれだけ影響力を持つようになったのかも示している。Snapchatはかつて、Instagramを含むほとんどすべての他のソーシャルアプリによってそのショート形式のストーリーのコンセプトを盗まれたが、いまやTikTokのスワイプ可能な垂直フィードがみんながコピーする対象となったのだ。

画像クレジット:Denis Charlet / AFP / Getty Images

原文へ
(翻訳:sako)

アップルが教育者向けにSwiftとXcodeが学べる無料のプログラミング教材を拡充

米国時間7月9日、Apple(アップル)は、あらゆるスキルレベルの教育者がSwift(スイフト)とXcode(エックスコード)の両方を教えることができるようにするための、新しい無料教材の計画を発表した(Appleリリース)。米国時間7月13日には、アップルは「Develop in Swift(Swiftで開発)」カリキュラムの入門編として役立つ無料のオンライントレーニングを、教育者に提供し始める。

アップルによれば、このカリキュラムは学生の学習スタイルに合うように、ユーザーのフィードバックに基いて完全に再設計されたものだという。

この結果、新しいシリーズには「Develop in Swift Explorations」(探究)「Develop in Swift AP CS Principles」(上級コース)および「Develop in Swift Fundamentals」(基礎)という3つのコースが含まれることになり、いずれもすぐに利用可能となる。また4冊目の本「Develop in Swift Data Collections」(データコレクション)は、今秋後半に発行される予定だ。すべてApple Booksから入手できる。

カリキュラムは高校および高等教育の学生を対象としており、アップルが設計したオープンソースのプログラミング言語Swiftに焦点を当て、Mac上でXcodeを使用して行う。

画像クレジット:Apple

4年生から8年生(日本の中学2年生に相当)の若い学習者向けには、アップルのEveryone Can Code(誰でもプログラミングができる)カリキュラムが用意されていて、そこではSwift Playgroundsアプリを通じて、パズルとゲームを使いSwiftのブロック式コーディングが教えられている。このコースも、現在拡張されている最中だ。

「Everyone Can Code Puzzles」本をすでに完了している学生は、新しい本「Everyone Can Code Adventures」に進むことができる。この本は、学生が重要なプログラミングの概念について学びながら、Swiftでの開発を練習できる、より高度なアクティビティを含んでいる。

同社は、新しく拡張されたコースの意図を、しばしば必要とされる米国でのコンピューターサイエンス教師たちのニーズを補足することだという。

アップルはComputer Science Teachers Association(CSTA、米国コンピューターサイエンスティーチャーズアソシエーション)が、今日コンピューターサイエンスのクラスを提供している高校は全体の半分にも満たず、多くの大学生が教師不足のために卒業に必要なコンピューターサイエンスコースに参加できないと主張している点に着目している。

さらに、これらのコースは保護者にも提供されている。多くの保護者は現在、新型コロナウイルス(COVID-19)によるパンデミックの中で、自宅スクールで教師の役割を果たしている。

またアップルは自宅学習者の保護者向けに、iPadまたはMac上での10のコーディング課題を含む「A Quick Start to Code」などの、10歳以上向けの新しいリモート学習リソースセットを加えた。さらに、今春にローンチしたアップルの Learning from Home(リモート学習)ウェブサイトにも、リソースが置かれている。このサイトには、オンデマンドビデオやリモート学習に関する仮想会議、および無料の1対1の仮想コーチングセッションをスケジュールするオプションが含まれており、アップルの教育者によってホストされる。

アップルによって推し進められているコーディング教育の強化の長期的な影響は、まだわからない。例えば「Everyone Can Code」は2016年に開始されたばかりで「Develop in Swift」カリキュラムは2019年に始まったばかりだ。合計すると、現在それらのプログラムは、世界中で9000を数える高等教育機関で採用されている。

「誰もが」コードを学ぶことができ、そして学ぶべきであるという考えは、まだ議論の余地がある。多くの人がコーディングの基礎を学ぶことはできるかもしれないが、誰もがコーディングを楽しんだり、それに優れているわけではない。さらに、人はしばしば間違った理由でコーディングに目を向けたり(Bloomberg記事)、わずか2、3週間のトレーニングで簡単に年収数千万円を手にすることができると煽るブートキャンプに騙されたりしている。

その一方で、より多くの子供たちをコーディングの概念を教えることで、見過ごされていた可能性のある、潜在的な才能とプログラミングへの関心を発見できる可能性もある。そうした関心は、子供が成長する中で、将来のコースや教育によって育むことができる。

「アップルは40年の間、教育者の方々と協力してきました。特にDevelop in SwiftとEveryone Can Codeが、教師と生徒のみなさんがコミュニティに影響を与えるお手伝いをできたことを誇りに思います」と、アップルのマーケット、アプリ、ならびにサービス担当副社長であるSusan Prescott(スーザン・プレスコット)氏は声明で語った。「私たちは、コミュニティカレッジの学生がキャンパス向けの食品安全アプリを作成したり、中学校の先生たちが夏休みに仮想コーディングクラブを主催したりするのを見ました。コンピューターサイエンス教育への関与を拡大する取り組みの一環として、これまでの経験に関係なくより多くの教育者がコーディングを学び、次世代の開発者やデザイナーに教える機会を提供できるようする新しい専門学習コースを追加できることを、うれしく思っています」と彼女は付け加えている。

画像クレジット:Apple

原文へ
(翻訳:sako)

Spotifyがヨガやランニングなどユーザーのワークアウトに合わせたプレイリストの提供を開始

Spotifyは一人ひとりに合わせたプレイリストのコレクションを新たに始めた。ワークアウトをしながら新たに出会う音楽を楽しみたいユーザーのための新機能だ。ただし再生履歴に基づいて自動で表示されるフラッグシップのサービスである「Discover Weekly」とは異なり、ワークアウト用プレイリストはマイクロサイトの「Soundtrack Your Workout」で質問に答えるとそれに基づいて作られる。

ユーザーはこのサイトでエクササイズの種類、ワークアウトの所要時間、一緒にワークアウトをする人(子供と、ひとりで、パートナーとなど)、強度、気分などの質問に答えていく。するとSpotifyはワークアウト用プレイリストをその人に合わせてカスタマイズするために、回答した情報と音楽の好みを同期させる。音楽とポッドキャストを組み合わせたプレイリストにすることもできる。

ワークアウトのアクティビティを変更するときはいつでも質問に回答し直して、パーソナライズされたプレイリストをさらに作ることができる。こうして作られたプレイリストはSpotifyアプリのプレイリストのコレクションに追加されるので、あとから簡単にアクセスできる。

ストリーミングサービスではワークアウト向けの音楽が、特に若年層のユーザーの間ですでに大人気になっている。例えばSpotifyの調査では、ワークアウト中に音楽やポッドキャストを聴いたリスナーの半分以上(53%)は18〜29歳のユーザーだった。しかも新型コロナウイルス(COVID-19)の影響によるロックダウンでユーザーがジムに行けなくなっているにも関わらず、ワークアウト用音楽への関心は衰えない。例を挙げると、Spotifyのリスナーはこの2カ月間でワークアウト用プレイリストを100万以上作った。

Spotifyのトレンド専門家であるShanon Cook(シャノン・クック)氏は今回の発表の中で「Spotifyユーザーは新しい環境下でも活動的かつ健康的でいられる方法を模索している中、ワークアウト用の音楽に注目が集まっています」と述べている。

この新機能の開発にあたって、Spotifyはセレブのトレーナーを務めるCorey Calliet(コリー・キャリエト)氏の協力をあおいだ。キャリエト氏はオリジナルのサウンドトラックを作って共有している

Spotifyがサービスのプロモーションのためにマイクロサイトを利用するのは今回が初めてではない。最近では一部の市場で、ユーザーに質問に答えてもらい、オプションでSpotifyと連携してその地域の音楽を紹介する「Listen Local」という試みを始めた。また、同じ曲を同時に再生し始めた人々を表示する「Listening Together」も公開している。

ただし、ユーザー自身ではなくSpotifyがプレイリストをカスタマイズ前に質問によって情報を収集する方法は、あまり多くは使われていない。ワークアウトの場合はユーザーそれぞれで大きく異なる可能性があるため、質問に答えてもらう必要がある。ヨガのセッションで集中するときに聴きたい曲やテンポと、トレッドミルでランニングをするときに聴きたい音楽は、たいていかなり違うものだ。

Spotifyはこうして収集した情報を別のところで使える可能性がある。おそらくユーザーの関心に沿ったプレイリストを今後提案したり、広告の目的で使ったりすることができるはずだ。

もちろん、Spotifyがパーソナライズして作成するプレイリストはどれでもそうだが、自分がすでにSpotifyに提供したデータを反映したものになる。子供や家族が自分のアカウントを使っていたり、別のサービスを使っていてSpotifyはあまり使っていない場合、プレイリストは自分の好みを完全に反映したものにはならないだろう。

新しい「Soundtrack Your Workout」は日本でもすでに公開されている。

画像:stockcam / Getty Images

原文へ
(翻訳:Kaori Koyama)

新型コロナ下の第2四半期のモバイルアプリはダウンロード数、利用時間、売上いずれも新記録達成

新型コロナウイルス(COVID-19)による危機に世界が対処を続ける中、2020年第2四半期のテクノロジービジネスはモバイルアプリのダウンロード数、使用時間、消費者支出のいずれも新記録を作る結果となった。

モバイルビジネスのアナリティクス企業であるApp Annieの最新レポートによれば、第2四半期にモバイルアプリの使用量は前年比40%アップした。トータルの利用時間は2020年4月に過去最高の2000億時間以上となった。消費者支出は270億ドル(約2兆8900億円)でこれも過去最高となった。アプリのダウンロード数は約350億を記録した。

世界中でソーシャルディスタンスの確保とロックダウンによって新型コロナの流行を抑え込もうとしていることが、モバイルアプリの利用に強い追い風となったようだ。

画像クレジット:App Annie

例えばインドでは2020年第2四半期のアプリ滞在時間は2019年第4四半期以降35%増加している。イタリアで30%、インドネシアでも25%の増加だ。米国ではアプリの滞在時間が15%増加している。

App Annieによると、平均的ユーザーはスマートフォンを毎日4時間20分使っているという。

画像クレジット:App Annie

消費者はスマートフォンにあるアプリを起動するだけでなく、新しいアプリをダウンロードする。第2四半期の新アプリのダウンロードは350億回に上ったがこれも史上最高だった。

このうちGoogle Playが250億回を占め、前年比10%の成長だった。今四半期、Google Playの最大のマーケットはインドとブラジルだった。

画像クレジット:App Annie

iOSのダウンロード数は前年比20%アップで100億回近くとなった。iOS最大のダウンロード市場は米国と中国だった。伸び率が大きかったのは米国とサウジアラビアだった。これは、全国的なロックダウンと学校閉鎖に原因があるだろう。アプリのダウンロード数は2020年4月に史上最高となり、iOSで前年比100%アップとなっている。

App Annieによれば、この四半期のゲームのダウンロードは記録的なものとなり合計140億回となった。第2四半期の第1週はモバイルゲームのダウンロード数が12億回を超えて新記録になった。四半期を通しての週あたり平均ダウンロード10億回、対前年比で20%増加した。

画像クレジット:App Annie

ゲーム以外のアプリは、Androidにおける新規ダウンロードの半数(55%)、iOSにおける70%を占めている。

ゲーム以外のトップカテゴリは、Google Playでは「ツール」と「エンターテインメント」、iOSでは「写真とビデオ」と「エンターテインメント」だ。しかし他のカテゴリーの伸びも大きかった。Google Playのダウンロードでは、直前の四半期と比較して「ビジネス」が115%、「健康とフィットネス」が75%、「教育」が50%それぞれアップしている。

一方、iOSでは前四半期に対して「健康とフィットネス」が30%、「ショッピング」が25%、「医療」が20%と大幅に増加している。

記録的なダウンロードと使用時間が新記録となったので消費者支出、特にストリーミングビデオに対する支出も大幅に増加した。

画像クレジット:App Annie

第2四半期の消費者のアプリへの支出額は過去最高の270億ドル(約2兆8900億円)で、iOSが前年比15%アップの170億ドル(約1兆8000億円)、Androidが25%増の100億ドル(約1兆1000億円)だった。

ゲーム支出は190億ドル(約2兆円)、前四半期に対して15%アップとなった。Google Playは25%と大幅に成長しており、これはiOSの成長率の2倍だった。

画像クレジット:App Annie

iOSへの支出額のうちゲーム以外が35%を占めた。この四半期のiOSのゲームアプリ、ゲーム以外のアプリの双方で最大の貢献をしたのは米国と中国の市場だ。これまで消費者向けゲームの最大市場は中国だったが、今回は米国がトップの座を奪い返した。第2四半期の対前四半期の成長は30%に達した。

Google Playでは非ゲームが支出の15%だった。ゲームとゲーム以外の双方で米国、日本、韓国がトップ市場だった。

Google Playのトップカテゴリーは「ゲーム」以外に「ソーシャル」「エンターテイメント」が含まれた。App Annieでは「エンターテインメント」のアップは主としてDisney+とTwitchによるものとみている。

iOSでは「ゲーム」「エンターテイメント」「写真とビデオ」が最大のカテゴリだった。「写真とビデオ」の拡大はTikTokが牽引し、ビデオストリーミング制作者に対する投げ銭に使うバーチャルギフトの販売によって売上高のトップを占めた。

画像クレジット:App Annie

パンデミックを追い風としたモバイルデバイスの大半はビデオストリーミングやゲームなどエンタテインメイント関連だったが、ビジネスアプリもいくつか四半期のランキング入りしている。例えばZoomはこの四半期にダウンロードされたアプリの2位に入った。Google Meetは7位だった。

ショートビデオのTikTokはダウンロード数と支出でトップとなり、月間アクティブユーザーでも7位だった。しかしインドでのTikTokの禁止は次の四半期に大きな影響を与えるはずだ。また米国でもTikTokの締め出しが検討されていることがショートビデオのライバルに勢いを与えている。この波乱のなかで、インドではローカルのライバルの利用が急増している(Reuters記事)。他の地域ではByteやLikeeのような競合サービスが成長している。

画像クレジット:TechCrunch

原文へ
(翻訳:滑川海彦@Facebook

Amazon Fire TVにYouTube Kidsアプリが登場

YouTubeのファミリー向けバージョンで、ペアレンタルコントロールと子供向けコンテンツを備えたYouTube KidsがAmazon Fire TVに対応した。このアプリは、Google(グーグル)とAmazon(アマゾン)が相互の利益のために合意した結果、昨年YouTubeがFire TVに入り、Amazon Prime VideoがChromecastとAndroid TVに登場したのに続くものだ。

両社の合意は、YouTube TVやYouTube KIdsなどほかのYouTubeアプリもFire TVプラットフォームに対応することを意味していた。しかし、昨年9月にYouTube TVがFire TVに登場したあと、YouTube Kidsは2019年中という約束から大きく遅れた。

ともあれYouTube Kidsアプリが利用可能になり、多少リスクの小さいバージョンのYouTubeサービスを親に提供する。親は子供一人ひとりに個別のプロフィールを作り、年齢層ごとにカスタマイズして、未就学児童、低学年、高学年などに分けることができる。しかし、アプリのコンテンツは手動で選ばれるわけではない。何が年齢相応かをYouTubeの自動化システムが決定する。その結果間違いが起きることもあり、その場合は親がアプリ内のツールで通報できる。

もっとカスタマイズや管理の行き届いた選択を希望する場合は、子供が利用できるチャンネルを親が個別に選ぶこともできる。YouTube Kidsアプリは「米国時間2020年7月9日からFire TVユーザーに提供開始される」とアマゾンは説明する。Fire TV以外では、YouTube KidsはApple TVでも最近スタートした。Rokuではまだ利用できない。

YouTube Kids公開のほか、Amazonは7月9日に、米国および一部地域のFire TV Cubeユーザーが、地上波テレビの視聴とAlexa(アレクサ)を使ってチャンネルを変えることが可能になったことを発表した。ユーザーはそのために自分で地上波チューナーを接続し、Fire TV Cubeで設定する必要がある。設定が済むと、ユーザーはAlexaに頼んでチャンネルを番号や名前を使って変えることができる。

Fire TVは昨日にも、YouTuve TV、Sling TV、およびHuluライブTVという有力ライブストリーミングサービスを有力ライブストリーミングサービス(未訳記事)の追加を発表した。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

【現在は復旧】米国からの追放が検討される中でTikTokの「いいね」数と再生回数に異常

TikTokの「いいね」の数と再生回数が米国時間7月9日の午後、人数不明の一部ユーザーで異常を示した。該当ユーザーは自分のものもほかのユーザーのものも含めてTikTok投稿の「いいね」数が「ゼロ」になり、再生回数も「ゼロ」になった。同社は問題を認めたうえで修正中であると言ったが、問題の原因は説明しなかった。

TikTokのTwitterサポート・アカウントは、米国東部標準時午後2時43分(日本時間7月10日午前4時43分)に問題について返信して、至急修正すると語った後、午後3時35分(日本時間7月10日午前5時35分)に修正作業が進行中であることを投稿した。問題は内部で解決し、まもなく表示は正常に戻ると同社は語った。

一般にこの種のバグはさほど大きな問題にならない。そもそもオンラインアプリはときどき壊れるものだからだ。しかしTokTokの問題は、中国とのつながりが米国で非難を浴びている最中に起きた。

今週、Mike Pompeo(マイク・ポンペオ)国務長官の声明から米国が TikTokをはじめとする中国製ソーシャルメディアアプリの禁止を検討しているというニュースが浮上した。すでにインドではTikTokをはじめ58本の中国製アプリが同様の理由で禁止されている

米国時間7月9日、The Wall Street Journal(ウォール・ストリート・ジャーナル)は、TikTokの親会社であるByteDanceの経営陣がTikTokの企業体制の変更を検討中であり、TokTokを中国から遠ざけ、アプリが中国当局に侵入される可能性を防ぐために本社を中国以外に置くことも視野に入れていると報じた。この種の議論がなされたのは初めてではない(CNCB記事)。

その意味で、本日の「いいね」数を巡る問題を禁止の前兆だと見るユーザーもいた。しかしそれは当たらない。何人かのユーザーが、TikTokはアルゴリズムに何らかの変更を加えたという説を唱えている。それは、いいねの数が戻ったあとも「For You」ページが、ユーザーの興味を反映していないからだという。しかし、現時点でそれを検証するのは不可能だ。

しかし米国でTikTok廃止というニュースは、TikTokコミュニティーを心配させている。このためすでに一部のユーザーは、Byte、Dubsmash、Likeeなどの米国製アプリに逃げ始めている。たとえばByteは、米国App Storeのソーシャルネットワーク部門で210位だったが、7月5日に同部門1位となり、9日にはアプリ全体のトップになった。Z世代が中心のTikTokユーザーの集団脱出のおかげだ。

【アップデート】米国東部時間午後8時49分(日本時間7月10日午前10時49分)、TikTokは問題が解決したと伝えた。

画像クレジット:TechCrunch

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

米アマゾンの出店者は2020年9月1日から名前と住所の表示が必須に

米国時間7月8日、Amazon(アマゾン)は米国の出店業者に通知を送り、近いうちに売り手のプロフィールページへの業者名と住所の掲載を義務付けることを伝えた。個人の場合は、自分の名前と住所を載せることになる。似たようなシステムは各国の法律のもとで、すでにヨーロッパ、日本、およびメキシコのアマゾンで実施されている。同社はこの変更について「プラットフォームに一貫した基準を設けることで、オンラインショッパーが情報に基づく購入判断をできるようにするためだ」と説明している。

もちろん変更の目的は、透明性だけではない。米アマゾンのマーケットプレイスは最古かつ最大で、全世界のアクティブ出店者220万店のうち、46万1000店が米国(marketplacepulseレポート)だ。全世界では860万件店の登録出店業者が存在し、毎年約100万件増えていることがMarketplace Pulseのデータからわかる。

しかもアマゾンのマーケットプレイスは、同社の売上の約半分を占めている(statistaレポート)。しかし、成長するにつれて、詐欺、偽製品などさまざまて問題に悩まされるようになった。同社は長年こうした問題を避けて通ってきたことを非難されてきた(Forbes記事)、最近になって問題解決に数十億ドルをつぎ込むことを誓約(Fox Business記事)した。同社はここ数年、詐欺業者や偽造品業者と法廷でも戦っており(未訳記事)、デザイナー(GeekWire記事)や、アクセサリーメーカー(未訳記事)、さらにはフェイクレビュー(未訳記事)経済に加担する連中(未訳記事)も相手にしている。

昨年、同社はブランドやメーカー向けに、先行して偽物を取り締まる取り組みである「Project Zero」の一環としてツール群を提供した(未訳記事)。

そして今年4月、ビデオ通話を使ってサードパーティー業者の身元を確認する新システムのパイロットテストを進めていることを発表した。これまでの対面による確認から新型コロナのために変更したものだ。このシステムを通じて同社は、売り手の識別情報が本人や申請時の書類と一致しているかどうかを検証する。

そして今、米国の出店者に対して2020年9月1日までに業者の名前と住所をプロフィールに記載しなければならないと伝えている。この変更によって、詐欺との戦いや偽物を巡る訴訟がやりやすくなる。消費者は、商品に問題があったり、売り手に連絡を取りたいとき、さらには自身で訴訟を起こす場合などにも住所を知ることができる。

新システムが有効になると、Amazon.comの売り手ページには、業者に関する詳しい情報が表示されるようになる。以下のMarketplace Pulseの画像で、英国と米国の出店者のページを比較してみることかできる。

画像クレジット:Marketplace Pulse

同社は声明で、この変更はシステムの一貫性を保ち、オンライン詐欺を防ぐためであると語った。「当社は過去数年にわたり、出店者が自らについてより多くの情報を公開する方法として、売り手のプロフィールページやブランドオーナーの『Store』(ストア)ページ、Handmade(ハンドメイド)の 『Maker Profile』(メーカープロフィール)ページを利用する方法を開発してきた」と広報担当者は語った。「こうした機能によって、買い手は売り手の事業や製品をもっとよく知ることができる。9月1日から、Amazon.comの販売者のプロフィールページには名前と住所を表示することで売り手情報の一貫性を保ち、顧客が情報に基づく購入判断をできるようにする」。

画像クレジット:Lisa Werner / Getty Images

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Amazonプライム・ビデオにユーザープロフィールが加わる、子供用含め最大6人ぶん

以前からストリーミング・ビデオの定番となっている機能、ユーザープロフィールがやっとAmazonプライム・ビデオに設定できるようになった。プロフィールが作れればプライム・ビデオのユーザーは自分のウォッチリストや個人向けにカスタマイズされたオススメにアクセスできる。またNetflixのような主要なライバルと同様、プロフィールで自分の視聴履歴を確認できるようになる

ユーザーはAmazonアカウントをベースにしたプライマリプロフィールに加え、子供用のプロフィールも作成できる。プライマリープロフィールと大人用、子供用を組み合わせて一世帯で最大で6種類のプロフィールが作れるようになった。

Amazonのプライム会員は新しいプロフィールをiOS、Android、Fireタブレット(Gen 10以降)、Fire TVで利用できる(他のWi-Fiデバイスのプライム・ビデオ・アプリでも利用可能)・

 

今年に入ってプライム・ビデオのプロフィールのテストが開始されたことはNDTVが報じていたが、今回は正式な機能として発表された。実はAmazonはこの機能もまずインドとアフリカで公開していたが、いよいよ米国を含む全世界のユーザーが利用できるようになったわけだ。

「子供向け」で設定されたプロフィールの場合、対象年齢を12歳以下としたにコンテンツのみ視聴できる。検索や候補もフィルタリングされ子供向けのタイトルだけ表示される。
また子供向けプロフィールからはコンテンツの購入はできない。

一方、大人のプロフィールではプライムビデオのタイトルやチャネル、ライブ配信コンテンツ加え、購入、レンタルを含めてすべてのプライムビデオコンテンツをプライマリアカウントから視聴できる。

両親がアカウントにペアレンタルコントロールを設定して、リビングのテレビなどの共有デバイスでコンテンツにアクセスできないようにしたいなら、そのような設定も可能だ。この場合、閲覧は制限されるが、両親は現在と同様、PINコードを入力してコンテンツを再生することができる。

両親はプライム・ビデオの設定で制限を有効にして子供たちが大人のプロフィールを使って購入するのを防止できる。この場合にも購入手続きの完了にはPINコードの入力が必要になる。

子供向けプロフィールの動作は、スマートフォンやタブレット端末などのモバイルデバイスでは異なる部分がある。モバイルのプライム・ビデオでは子供向けプロフィールからも大人のプロフィールのダウンロードにアクセスできる。これはデバイスがオフラインになった場合でもプロファイルの切り替えができるようにするための仕様のようだ。

さらに、AmazonプライムのAmazon Householdでウォレット共有を有効にした場合、プライム・ビデオは家族ユーザーのプロフィールを自動的に作成する。このプロフィールはプロフィールの管理から無効にできるが、一度オフにすると再度有効にすることはできないので注意。

2011年にスタートしたというのに,ユーザープロフィールが設定できなかったのはプライム・ビデオで最大級の欠陥だった。 多数のユーザーがこの機能の追加を要望していた。

現在、各種のビデオストリーミングサービスでは、ライブラリ、お気入り、ユーザーの視聴履歴に基づいたお勧めなど各種のツールを揃えてユーザー体験の向上を競っている。これまでプライム・ビデオはこうしたニーズを無視し、家族アカウントではメンバー全員が単一のアカウントを共有するしかなかった。つまりAmazonにとってプライム・ビデオはAmazonプライムのオマケであり、Netflix、Hulu、Disney+のようなストリーミング専門サービスのライバルとは考えていないのだろうとユーザーは感じていた。

今回のアップデートでついにこの問題が修正されたのは、最近リリースされたHBO Max、NBCU、また近く登場するPeacockなどビデオストリーミングの市場に多数の有力ライバルが参入してきたためだろう。

Amazonは「プロフィールl機能はまだ全ユーザーが利用できるようになっていない」と注意している。この機能は順次公開が進められているので現在利用できなくても数日で利用できるようになる。

画像:Amazon

【Japan編集部追記】7月9日早朝時点で訳者の環境では日本のAmazonプライム・ビデオではまだプロフィールは表示されない。

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

アマゾンがAlexaモバイルアプリに「ハンズフリー」機能を追加

Amazon(アマゾン)はモバイルユーザーが同社のバーチャルアシスタントであるAlexa(アレクサ)を外出中でも簡単に使えるようにする。アマゾンは米国時間7月7日に、iOSおよびAndroidのAlexaアプリでAlexaを「ハンズフリー」で利用できる機能を追加したことを発表した。ユーザーはAlexaを使ってプレイリストを作ったり音楽を再生したりスマートホーム機器を制御したりといった操作を、端末に触れることなく実行できることになる。

ハンズフリー体験を始めるには、まずSiriやGoogleアシスタントなどのデジタルアシスタントに指示を出してAlexaアプリを立ち上げる。あとはいつものように「Alexa、温度を22度に設定して」とか「Alexa、明日の12時にジェンに電話するように言って」とか「Alexa、明日の天気は?」などと話しかければよい。Alexaアプリから直接、音楽ストリーミングをリクエストすることもできる。

これまでAlexaに話しかけるには、アプリ画面下にあるブルーのAlexaボタンを押す必要があった。

ウェイクワードが検出されると、アプリ画面の下に青い線のアニメーションが表れて、Alexaがリクエストをクラウドに送っていることが示される。

これまでアマゾンはメインのショッピングアプリ(未訳記事)やAmazon Music(アマゾン・ミュージック)などにAlexa体験を統合してきた。Musicアプリには2018年にAlexaのハンズフリーオプション(未訳記事)が追加され、タップすることなく音楽を再生したり曲を選んだりできるようになった。しかし、Alexaアプリはこれまで「タップして話す」方式を続け、Amazon EchoスピーカーやタブレットなどほとんどのデバイスにおけるAlexaの操作と一致していなかった。

アプリをアップデートすると、ハンズフリーを有効にするオプションが表示されてこの機能を利用することができる。ユーザーはいつでも設定変更して機能をオフにできる。

Amazonによると、この機能は端末のロックが解除されていて、Alexaアプリが画面に表示されているときだけ機能する。ロック状態のときやアプリ画面が閉じていたりバックグラウンドで動作している時には、Alexaを呼び出せない(本誌ではまだアップデートを入手していないので確認できていない)。

新機能を利用するには、AppleのApp StoreかGoogle PlayストアでAlexaアプリを最新バージョンにアップデートする必要がある。

アップデートは今後数日かけて全世界のユーザーに配信されるので、今すぐは新機能を使えないかもしれない、とAmazonはいう。

画像クレジット:Amazon

[原文へ]
(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Instagramが「アクティビティ」の代わりに「ショップ」タブを配置するテストをグローバルで実施

米国時間7月7日、Instagramは5月に発表した「ショップ」タブに関する小規模なグローバルテスト(Facebookリリース)を開始した。「ショップ」はアプリのナビゲーションバーに配置される新しいタブで、Instagramユーザーはこのタブを見て、1回タップするだけで人気のブランドやクリエイターから買い物をすることができる。買い物をする際には、商品をカテゴリーで絞り込めるようになる。

Instagramは2020年5月に、新たに設計する「ショップ」は現在実装されている「検索」の中の「ショップ」とは異なるレイアウトになる予定であることも発表していたが、現時点ではその変更はテストされていない。今回のグローバルテストでは、米国のユーザーが「検索」内の「ショップ」ボタンをタップしてすでに利用できるようになっていたのと同じエクスペリエンスが利用されている。

主な違いは、Instagramのメインのナビゲーションに、ハートアイコン(アクティビティ)の代わりに「ショップ」アイコンが置かれることだ。

画像クレジット:Instagram

ありがたいことに、「アクティビティ」セクションは完全になくなってはいない。今回のテストでは、「アクティビティ」タブは自分のフィードの右上(ダイレクトメッセージを送信する紙飛行機のアイコンの隣)、または自分のプロフィール画面のハートアイコンからアクセスできる。

メインのナビゲーションバーからアクセスするこのバージョンの「ショップ」では、ユーザーはフォローしているブランドやカテゴリーで絞り込みをすることができる。カテゴリーにはビューティー、洋服とアクセサリー、ホーム、ジュエリーと時計、トラベルなどがある。また、このバージョンの「ショップ」では、表示されたすべての商品をInstagramの汎用のカートから直接購入できるわけではない。代わりに、ブランドによっては購入のためのタグを商品に付け、ユーザーを自社のウェブサイトに誘導して購入手続きをする。

企業がInstagramの購入手続き機能をテストする場合には、少額の販売手数料がかかる(Facebook for Businessヘルプ記事)。

今後登場するInstagramの「ショップ」エクスペリエンスは、少し異なるものになるようだ。5月にInstagramは、ユーザーが好きなブランドやクリエイターを選ぶだけでなく、「@shop」アカウントでコレクションを紹介することを発表していた。こうしたショッピングのオプションが、さらに購入意欲をそそるように表示される。画面上部にはこれまでより大きな画像があり、下へスクロールしていくとブランド、さらに「あなたにおすすめ」セクションにパーソナライズされたコンテンツが並ぶ。

この新しいエクスペリエンスは2020年中に登場するものと思われるが、日程はまだ明らかにされていない。

Instagramはすでに米国の一部のユーザーに対してこのテストを実施していた。今回、テストの範囲が拡大され、米国を含む世界中の一部のユーザーに対してこの変更が反映されている。

Instagramは、今回のテストの結果を基に「ショップ」機能をどのように広げていくかを判断するとしている。「ショップ」のトラフィックやコンバージョンが増えなければ、「アクティビティ」の代わりに「ショップ」を置くというアイデアを再検討するかもしれない。

「今回の小規模なグローバルテストは、5月に発表したInstagramの『ショップ』タブを試すものだ。我々は今回のテストで、この機能を今後どう展開するかを評価する予定だ」と同社の広報は述べている。

Instagramが「アクティビティ」タブをダウングレードするのは、これが初めてではない。2019年には、友達や同僚が「いいね!」した投稿を見る機能が排除された(Business Insider記事)。

画像クレジット:Instagram

[原文へ]
(翻訳:Kaori Koyama)