Twitter調査:モバイル・ファーストな利用者は、「理想のお客様」として振る舞う傾向があるようだ

Mobile Blog Post #2

Twitterが「モバイル・ファースト(モバイル主体)の利用者」についての調査報告をリリースしている。「モバイル・ファーストの利用者」とは、Twitterに、デスクトップPCなどからでなく、モバイルデバイスを用いて利用することの多い人を指している。調査はTwitterが委託してKanter MediaのCompeteがまとめたものだ。その調査報告によるとTwitterの「モバイル・ファースト」利用者は、一般の利用者と比べて年齢が若めで、ブランドコンテンツについて寛容な態度を持つ傾向があるそうだ。

ちなみに、このモバイル・ファーストな利用者たちは、一般とくらべてデスクトップからTwitterにアクセスする率が57%低い。しかしそれでありながら、たいていの人よりも高い頻度でTwitterをチェックしているのだそうだ。普通の利用者に比べて86%程度もTwitterでの活動時間が長い。多くはスマートフォンアプリケーションを利用している。ちなみにモバイル・ファーストの利用者の中には、主にタブレットからアクセスするという人も15%程度含まれているのだそうだ。

また、先にも触れたようにモバイル・ファーストの利用者層は、一般的な利用者よりも年齢層が低めであるとのこと。18歳から34歳の層が、他の年齢層に比べて52%ほど、モバイル・ファーストのグループに属する確立が高いのだそうだ。また、こうした利用者は1日の節目毎にTwitterにアクセスする傾向も高いのだとのこと。まず、目覚めたときにすぐにTwitterにアクセスする率が157%高めになっていて、ベッドに入ってからTwitterにアクセスする率も129%高いのだそうだ。また、学校や職場でTwitterを使う率も160%高く、ショッピング中の利用率も169%上回る。移動中の利用率は3倍ほどで映画を見る前や見た後にも積極的に利用する。

他にもモバイル・ファーストの利用者たちは、自ら発言することが全体平均よりも57%高率で、リンククリック率も63%高いのだそうだ。リツイート率は78%高く、ツイートをお気に入り登録する率も85%高くなっている。一般的に言えば、他の人ないしはブランドからのメッセージとでも積極的に関係性を保つ傾向があるようだ。Competeのレポートを見ると、こうした利用者はTwitterの広告を記憶している率も58%高いのだそうだ。

まとめておこう。Twitterはモバイルでの広告を増やそうと努力しているところだ。今回の調査結果は、Twitterの目的にとって心強い味方となるものだ。モバイル・ファーストでTwitterを利用している人というのは、結局Twitterにとっての最良のお客様という位置付けになるわけだ。平均的利用者にくらべてより多くTwitterを利用して、コンテンツにも注意力をもって接している様子だ。また自らも積極的に発言する傾向がある(UGCが生み出されなければTwitterの魅力は減じ、そして広告主にとってのアピール度合いも下がってしまう)。ツイートを多く眼にして、そしてそのツイートに対して積極的に反応するというのが、モバイル・ファーストの利用者たちの特徴であるようだ。

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(翻訳:Maeda, H)

LINEの2012年Q4の売上はおよそ41億円

主要な決算発表が終わっていて、すでに過去の話となってしまったが、昨週に韓国で発表されたLINEを運営するNHN Japanの親会社であるNHN Corprationの決算発表では、LINEの2012年10月から12月の売上が日本円でおよそ41億円だったとNHNのCFOのIn joon Hwang氏が語ったことを複数のメディアが報じている。曰くLINE自体は前期比200パーセントの成長でゲームとスタンプの売上が大半を占めているということだ。この売上の多くは日本からのもので、日本でのLINEの収益化が好調なことを示している。LINEは今年1月に入って1億ユーザーを突破している。

ただ、以前にNHN Japan代表取締役社長の森川亮氏が昨年のIVSで語った際には、マネタイズについては「現在は実験的にいろいろと開始していて、ドライブをかければもっと収益があがると思う」といった趣旨の発言をしているので、この売上は収益化を急いだ数字ではないのだろう。そう考えると、現ユーザー数のポテンシャルから考えてもまだまだ成長の余地はある。

韓国のKakaoはLINEに先んじてプラットフォーム化していたが、昨年7月にゲーム事業を開始してから昨年8月から10月の3カ月で585億ウォン(同約50億円)を売り上げたことを考えるとなおさらだろう。

なお、NHN Japanでも事業の分社化(ゲーム事業をHangame株式会社に、NHN JapanはLINE株式会社に)が進められているのはすでに発表されているが、韓国のNHN本社ではモバイル専門の子会社Camp MobileとLINE Plusの2社を立ち上げることを同時期に発表している(LINE Plusの株式の60パーセントの持分はNHN Japan)。LINEの急成長によって日本と韓国とでの同社の事業再編が行われているということなのだろう。

なお、あまり報じられることが少ないのでNHN corporationの決算も合わせて書いておくと、2012年の売上は約2,050億円で営業利益は約602億円。Q4の売上は約560億円で営業利益は約171億円。日本でのセールスは詳細な数字は記されてないが、売上はQ4で104億円でそのうち31パーセントがウェブサービスとなっている。売上は前四半期と比較して30.9パーセントの伸びを示している。ウェブサービス部分の成長度合いが高いのはゲームなどの複数のアプリがリリースされたLINEの事業が牽引しているからだと見られる。参考までに決算発表資料のデータを載せておこう。

Crocodoc、PDF、Word、およびPowerPointをHTML5文書に変換するサービスのプレビュー版を公開

CrocodocはPDF、ワードやPowerPointのドキュメントをアップロードして、同時にHTMLにコンバートしてくれるサービスだ。ドキュメントを簡単にウェブサイトにも掲載できるようになる。2010年のサービス開始以来、コンバートしたドキュメント数は6000万本以上にのぼり、Dropbox、LinkedIn、Yammer、およびSAPなども同サービスを利用している。このCrocodocが、HTML5へのコンバートにも対応する旨をアナウンスしている。これにより、画面表示品質が向上し、読み込み速度およびモバイルデバイス上でのパフォーマンスがアップするとしている。

HTML5およびスケーラブル・ベクター・グラフィックス(SVG)を使うことで、従来のコンバート機能とは大いに趣が異なるものとなった。共同ファウンダー兼CEOのRyan Damicoが昨日メールで教えてくれたところによると、これまでは、文字以外をすべて1枚の画像として表示していた。そこに文字のみを、ウェブフォントを利用してオーバーレイ表示していたのだ。しかし今回のアップデートよりラスタライズイメージの使用をやめ、すべてをHTML5およびSVGで表示するようになっている。これにより画像の線はよりクリアに表示されるようになり、コンバート後の画像も、とくにレティナディスプレイなどでは鮮明に見えるようになった(この下の画像をクリックすればどういう機能なのかを体感することができる)。

大きなラスタライズイメージを読み込む必要もなくなったので、ドキュメントの読み込み時間は大幅に改善している。「新たなコンバート技術を採用したことにより、各ページのダウンロードサイズは、ページデータのサムネール画像をダウンロードするのと同程度のものとなっています」とDamicoは言っている。

これはつまりモバイル環境でも大いなる快適さが期待できるということを意味する。当方にてiPhoneおよびSafariで試してみたところでは、データの読み込み速度はあたかもネイティブアプリケーションによるもののようだった。「ピンチしてズームしたり、スクロールさせたり、あるいは文字の選択も非常にスムーズに行うことができます。こちらもネイティブアプリケーションのようなエクスペリエンスを提供できているとおもいます」とのことだ。また、複雑なドキュメントを表示する際には、iOS標準搭載のビュワーよりもうまく表示できるはずだとCrocodoc側は主張している。

さらに今回のアップデートにより、ディベロッパーは自分のサイトでドキュメントを表示する際に、より細かな制御が行えるようになった。これまではiFrameで表示する程度のことしかできなかったが、Crocodocで生成されたHTMLを直接に扱えるようになり、必要に応じて変更を加えつつ利用できるようになったのだ(デモで利用する際も、生成HTMLファイルをダウンロードすることができる)。

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(翻訳:Maeda, H)

ご注意! iOS 6.1の画面ロック機能にバグ―パスコードなしで通話、写真、メール、メッセージ、 FaceTimeアプリが起動

iOS 6.1がインストールされているiPhoneは画面ロック状態でもパスコードを入力せずにいくつかのアプリに簡単にアクセスできることが分かった。写真ライブラリを開き、連絡相手を編集し、メールやテキスト・メッセージを送信したりFaceTimeでビデオチャットもできる。これはひどいバグだ。

下にエンベッドしたビデオで披露されているとおり、パワーボタンを長押しし、緊急通話をキャンセルすることによってパスコードをバイパスすることができる。私も実際に試してみて成功した。ただしタイミングを習得するのに少々練習が必要だ

このバグのため、誰でもロック状態のiPhoneからダイアラー、連絡相手、ボイスメール、通話履歴、写真アプリなどを呼び出すことができる。連絡相手を検索して音声通話をかけたり、メールやメッセージを送ったり、FaceTime通話を開始したりできるのだ。

やり方自体はごく簡単だが、タイミングが少々難しい。

  • iOS 6が搭載されているロック状態のiPhoneで緊急通話スクリーンを呼び出す
  • 電源ボタンを長押し、キャンセルを押す
  • 緊急通話をかけるふりをする。たとえばビデオのように112をダイヤルする
  • 即座に通話を切断する。
  • 電源ボタンを押してスタンバイ状態に戻す。
  • ホームボタンを押してロックスクリーンを表示する
  • 電源ボタンを長押し、3秒のところで緊急通話ボタンを押す。
  • 電源ボタンを押し続けると電話アプリが起動する。
  • 電源ボタンを押したままホームボタンを押す(スクリーンショットを取る操作と同じ)

タイミングが難しいのはこの最後のステップだ。ちょうどぴったりのタイミングでないとパスコードのバイパスに失敗する。私はタイミングを覚えこむまでに20分ほどかかった。

iOS 6.1でこの種のバグが発見されたのは今回が最初だが、実はパスコードのバイパスができる似たようなバグは iOS 4.1にも存在した。

当然Appleはこのバグに早急に対処するはずだ。iPhoneの中心的機能にこんな大きなバックドアが空いていては非常に困る。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

シェリル・サンドバーグはどこ? Facebookの社員が本社の庭で「江南スタイル」のパロディー、「ハーレムシェイク」を踊る

Facebookの何人かの社員が上のビデオをYouTubeで共有した。大勢の Facebook社員が本社の庭でハーレムシェイクを踊っているところだ。InstagramチームのメンバーとCOOのシェリル・サンドバーグも加わっていたということだが、私は確認できなかった(読者もシェリルを探してみていただきたい)。ザッカーバーグはレモン色のニコニコ仮面だろうか?

TechCruchのオフィスの同僚たちはFacebookのビデオが大評判になったことに大いに嫉妬している。Ryan Lawlerは「なぜわれわれは『江南スタイル』の後継となるようなインターネット・ミームを生み出せないのか? 今後がんばらなければいけない」と反省を口にしたほどだ。

ところでこのハーレムシェイク(Harlem Shake)をまだ知らないようだったら以下の対策を取るようお勧めする。 a) インターネットをよく利用する友人を増やすb) この「ハーレムシェイク・ビデオの作り方」を読む

「ハーレムシェイク」というのは最近Youtubeにアップロードされた「江南スタイル」のパロディーだが、あっという間に大評判になった。こうしたインターネットのミーム(流行りもの)についてはKnow Your Memeに詳しい。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

NCAA、男子バスケットトーナメント75周年を記念して、YouTubeにオンデマンドチャネルを開設

驚くべきことだと思うのだが、NCAAの男子バスケットトーナメントは、かれこれ75年間も行われてきた。これほどの長い間であるので、もちろん数多くの思い出が蓄積されてきている。ビデオとして残っているものも数多くある。

数年前、NCAAはMarch Madnessの映像を集めたNCAA Vaultリリースした。そしてこの度、NCAA OnDemandと名付けたYouTubeチャネルをオープンすることで、組織に蓄積された財産を一層有効に活用できるようにした。毎年のゲームの中から、何百ものベストクリップが登録されている。

ただ単に映像を集めただけでなく、プレイリストとしても用意されている。たとえば「ブザービーター」、「ベスト4ハイライト」、「大どんでん返し」、あるいは「ベスト・ダンク」などのリストがある。クリップやプレイリストには関連するタグ情報も付加されており、簡単に探しだして共有することができるようになっている。

NCAA OnDemand YouTubeチャネルは、もちろん75週年記念を祝うための一環として用意されたものだ。これまでの映像を公開して、同時にこれまでで最も印象に残るプレイヤー、チーム、プレイなどについての投票も行うことにしている。YouTubeのチャネルを通じて、一層多くのファンにNCAAのビデオを閲覧してもらおうとしているわけだ。

公開についてはT3 Mediaと協力して行なっており、時間に直すと2万時間分のビデオが公開されているようだ。NCAA Vaultの300試合から、数千もの注目シーンを抽出している。200万件ほどのメタデータが付加されており、検索機能も相当に強力なものとなっている。

T3のプラットフォームを使って、NCAAは簡単にビデオクリップの選択、およびアップロードを行うことができた。メタデータについても統一的なワークフローの中から、容易に指定して投稿することができたそうだ。既に登録している300件のビデオクリップに加えて、さらにハイライトコンテンツを追加していく予定だとのことだ。

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(翻訳:Maeda, H)

ニュースリーダーのPulse、「ハイライト」導入でソーシャル機能も徐々に追加中

デビュー以来、Pulseはブログやソーシャルネットワークのフィードをまとめて読みやすい形で利用者に提供して、2000万以上の利用者を獲得してきた。FlipboardやZiteが複雑なアルゴリズムを利用してパーソナライズ機能を充実させる中、Pulseはそうした動きとは一線を画し、あくまでトラディショナルな「フィードの提供」に拘ってきた。しかしついに、ソーシャル要素の導入を考え始めたようだ。友達がPulse上ないしFacebookでシェアした情報を主に掲載するPulse Highlightsを実装したのだ。

この新機能はまずAndroidアプリケーションで使えるようになった。iOS版については承認プロセスが進行中で、間もなく公開されるものと思われる。

Pulseで配信される記事を読んでいるときに、Facebookの友達が同じ記事をシェアしていればそれがわかるようになっている(もちろん自分でもシェアできる。記事の共有はFacebook、Twitter、ないしは従来通りにPulse限定で行うことができる)。友人たちが共有した記事は、「Highlight」にまとめて表示されるようにもなる。

Pulseの共同ファウンダーであるAkshay Lothariも言うように、今回のPulseでは「親しい人」が共有したものを表示するというところにある。従来は、自分で指定した信頼に足るニュースソースからの記事を閲覧するのにPulseを利用していた。しかし今回のリニューアルにより、Facebookストリームの中でもうっかり見失っていた面白そうな記事やニュースソースを発見できるようにもなったわけだ。

「これまでも、利用者の方が興味のある記事を提供して来ました」とKothariは言う。「しかし今回のリニューアルにより『発見』的な機能をもたせることができるようになりました」とのこと。PulseのHightlights機能により、Facebookのストリームから無駄を省いたエクスペリエンスを実感できるだろうとのことだ。また、Facebookでの共有情報をそのまま持ってくることで、Pulseを使っていない人からの情報も共有できる点がウリでもある(もちろん、今回のリニューアルをきっかけにバイラル効果が広がることは期待しているだろう)。

実のところPulseでは、ソーシャルおよびアルゴリズムによるレコメンドを、この1年ほど試してきている。単純にソーシャルネットワーク上で人気だからとレコメンドするのでは芸がないと判断しているようだ(Facebookで500のいいねを獲得していても、ある人にとっては全く意味がないということもあり得る)。またZiteと同様に、完全にプログラミングによるレコメンドも試してみた。しかしベータテスターたちは、なぜ自分にそのような記事がレコメンドされるのかよくわからず、あまり気に入ってもらえなかったようだ。結局Highlightsでは、発見は結局、人を介してもたらされるものとして定義したようだ。親しい友だちや家族がシェアしているものは、きっと興味深いものだろうという判断だ。

今後、Pulseは今回の機能に細かな調整を施して、全体をそのままシェアするのではなく、まとめ機能なども実装して行きたい考えだ。また、こうした共有オプションを活用することで、コンテンツに応じた広告配信などを行なえるようにして、広告主に対する魅力も高めていく考えだ。

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(翻訳:Maeda, H)

MicrosoftがXboxの販促に大規模注力, 社員数150名のビデオ制作スタジオを新設

【抄訳】

今日(米国時間2/11)のD: Dive Into MediaカンファレンスでMicrosoftの担当者たちが、同社の新しいビデオプロダクションスタジオの詳細を語った。それは視聴者に(というかXboxのユーザに)、これまでにない高いレベルの対話性を提供することを目的としている。そのL.A. StudiosのCorporate VP Nancy Tellemによると、そこにはすでに150名の社員がおり、同社のゲームコンソールXboxのためのまったく新しいタイプのコンテンツの制作に、総力を挙げて取り組んでいる。

Tellem自身もMicrosoftに入社したのは昨年で、同社の新しいコンテンツ努力を推進する部門の長として招かれた。そのTellemによると、通常の放送局タイプのビデオコンテンツに加えて同社は、対話的なコンテンツに重点投資をしていく。それはXbox Kinectなどの製品の今後のユースケース、ひいては顧客層を大きく拡大するために、対話性の濃い、新しいタイプのビデオコンテンツやゲームなどを提供していくためだ。“われわれは、これから、非常に高いレベルの対話性のあるコンテンツを作っていくという、過去に例のない立場にある”、とTellemは語った。

また、MicrosoftのInteractive Entertainment担当SVP Yusuf Mehdiによると、これまでに世界中で売れたコンソール(Xbox本機)の台数は7500万、XboxLiveの会員数は4600万である。ユーザが各月にXboxで過ごす時間は平均87時間、そしてその大半が、ゲームではないコンテンツだ。ユーザは男性が多いが、それでも38%は女性、そして全ユーザの51%が子持ちだ。今後ともコンテンツの提供はXbox Liveサービスから行っていくが、一般販売のための広告も打つ予定という。

【後略(ケーブルテレビはビデオコンテンツのチャネルとしない;Xbox 720に関してはノーコメント)】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

プロ仕様の撮影環境を提供するYouTube Space Tokyoが明日オープン

本日、東京・六本木ヒルズにてGoogleがYouTube Space Tokyoのオープンを発表した。YouTube SpaceとはYouTubeで活動するクリエイター向けの施設で、撮影・レコーディングスタジオ、編集室やグリーンスクリーンといった設備が整っている。設備に加え、技術的なアドバイスやセミナーといったトレーニングも受けられる。

YouTube Space自体は昨年7月にロンドン、11月にロサンゼルスと海外ではすでにオープンしているが、アジアでは東京が初めての試みとなる。日本を選んだ理由としては、2012年の間に日本におけるYouTubeパートナーの数は前年比で3倍となっていることが関係しているのだろう。

これにはスマートフォンの普及が日本でも進んできたこともひとつの要因といえる。というのも、日本人は世界に比べて圧倒的にモバイルからYouTubeを閲覧するからだ。昨年9月の発表では世界のYouTube動画再生のうちモバイルからの再生は25%を占めることに対し、日本では約50%がモバイルで再生されていた。この割合は世界でも最高値であり、半年近く経過した今ではもっと大きな割合をモバイルが占めていることだろう。そのため、スマートフォンが普及すればするほどYouTubeのユーザーは増えるだろう。

こうした背景もあり、Googleは日本のクリエイターに良い環境を提供し、質の高い動画を作ってもらうためにYouTube Space Tokyoをオープンした。気になる施設を使う条件だが、YouTube パートナープログラムに申し込み(YouTube チャンネルページからワンクリックだ)、その後、YouTubeスタッフとのスケジュールなどの調整を行うだけだ。後は動画を作ってYouTube上で公開する。料金はもちろん、無料だ。

記者会見ではYouTubeチャンネルで2万人の購読者を持つ「劇団スカッシュ」が登場し、実際に彼らがYouTube Space Tokyoで撮影し、編集した動画が放送された。この動画のセットやエフェクト、音声などはかなり本格的なもので質が高く感じられた。Spaceには技術者も居るので、専門的な機器の使い方も教えてもらえ、スキルアップにも役立つそうだ。

すでにSpaceをオープンしているロンドンでは購読者10万人のチャンネルがSpaceを使い始めてからは100万人にまで成長した事例もあるそうなので、YouTubeで人気チャンネルを作りたいユーザーには嬉しい施設だろう。

なお、YouTube Space Tokyoは六本木ヒルズ内に用意されており、明日から利用できる。以下に、施設内の写真をいくつか掲載する。

対話的リアルタイムアプリケーションのためのバックエンドサービスFirebaseが公開ベータへ

Y Combinator出身のFirebaseが昨年4月に同社のアプリケーションインフラストラクチャサービスを発表したときは、最初の一週間で4000名のデベロッパがサインアップし、そのしばらくあとには110万ドルの資金を調達した。その後は、協同ファウンダのJames Tamplinによると、さらにデベロッパ数が増え、また技術も改良された。同社は今日(米国時間2/13)から公開ベータに入り、関心のあるデベロッパは誰でもそのサービスにアクセスできるようになった。

Firebaseは、Envolveというチャットサービスからスタートした。昨年Tamplinが語ったところによると、むしろEnvolveのようなアプリケーションが使っているリアルタイムのインフラストラクチャを、多くのデベロッパたちが利用できるようにした方が、ビジネス機会が大きい、と彼は判断した。そうすればデベロッパは、サーバのことを心配したり、サーバ部分のコードを書いたりせずに、ものすごく短期間でアプリケーションを構築できる。

今Firebaseを利用しているデベロッパは14000人おり、彼らのアプリケーションに同時にアクセスしているユーザの数は最大で25万に達する。まったく新しいアプリケーションを構築するデベロッパもいるが、でもTamplinによれば、Firebaseは、KloutやTwitch.tvなど既存の企業が機能やサービスを新たに拡充するために利用するケースも多い。

今日から公開ベータを開始するのは、アップタイム99.9%という一つの節目に達したからだ。SSLをサポートするなど、セキュリティも良くなり、ほかのプラットホームやサービスとの統合も増えてきた。

今のインフラストラクチャはWebアプリケーション向けだが、Trigger.ioとの提携でモバイルの開発もサポートしている。Tamplinによれば、モバイルのサポートは今後なお一層充実させていくという。

“でも、ヴィジョンは最初と同じだ”、と彼は言う。“デベロッパたちが、「リアルタイムのバックエンドならここだ!」と言えるような、すばらしい開発体験を提供していくことだね”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ヴィンス・ヴォーンとオーウェン・ウィルソン、映画でGoogleのインターンを演じる

地理的に、ハリウッドとシリコンバレーは何百マイルも離れているが、精神的に両者は近づきつつあるようだ。

その最新の実例が、The Internship。ヴィンス・ヴォーンとオーウェン・ウィルソン主演の男の友情を描いたこの夏公開予定の映画だ。作品中ヴォーンとウィルソンは、リストラされた中年セールスマンがなぜかGoogleでインターンになったという男たちを演じる。眼鏡をかけた20代の天才が彼らのボスで、どうみても適合できない2人には、その後もちろん楽しい出来事が起きる。

現代のテク業界の奇抜な世界が、ショウビジネス人たちにとって魅力的なネタであることに不思議はない。ソーシャルネットワークは、この手のストーリーがいかに銀幕で人を呼べるかを証明した。さらに、FacebookやGoogleのような会社で働くことがどんなものであるかは、ここ数年一般の人たちにとっても特別な興味の対象になっている(私の情報開示ページにもあるように、夫はGoogleで働いている。そして毎年末、Googleの無料レストランや、他の広く報じられている社員特典について、一番テクノロジー音痴の親戚からもさえも質問されている)。

しかし少々驚かされたのは、この The Internshipの製作に対するGoogleの関与のレベルだ。出演者たちは撮影準備のためにGoogleのマウンテンビュー本社に立入ることができたと言われ、Google自身も熱烈な協力声明を発表し「ヴィンス・ヴォーン、オーウェン・ウィルソンの両名が、ウェディング・クラッシャーズ以来の共演作品の場にGoogleキャンパスを選んでくれたことは大変光栄である」と言っている。さらに昨日は〈日頃は空白だらけのページで知られ、稀に自社サービスまたは大きな慈善事案へのリンクを貼るだけの〉Googleトップページに、同映画の宣伝活動の一部と目されるヴォーン、ウィルソンとのGoogle+ Hangoutへの派手なリンクが貼られていた。

これは『ソーシャルネットワーク』に対するFacebookの反応とは対照的だ。同社は殆んど沈黙を続け、時として徹底した拒否反応を見せた。もちろん2つの作品は全くタイプの異なる映画だが、一方の会社がここまで協力しているところを見るのは興味深い。

ともあれ、予告編は今日ウェブで公開され、上に貼り付けてある。

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(翻訳:Nob Takahashi)

合衆国国防総省は兵士のバイオメトリックス(身体情報収集)に消費者向けスマホを利用

aoptix

スマートフォンは世界中のポケットや財布を侵略しているが、しかしAOptixはもうすぐ、それらのモバイルデバイスを遠方の交戦地帯に持ち込むかもしれない。カリフォルニア州Campbellの同社が、政府系ITパートナーCACIと共同で今朝(米国時間2/13)発表したところによると、同社は“スマートモバイルアイデンティティ”なるものを実現するための研究開発を、合衆国国防総省から300万ドルで受託した。

同社のプレスリリースは技術の詳細を明らかにしていないが、Wired誌に詳しい記事がある。その大きな目標は、市販のスマートフォンを利用した一種のアクセサリで、それが高精度なバイオメトリックデータを捕捉する。たとえば親指の指紋、顔や目のスキャン、録音された声、など。

ちょっと話を聞いただけでは、それほど画期的な研究開発テーマとは思えない。スマートフォン自身が数年前に比べて格段に強力になっているし、その傾向はこれからもますます続くだろう。だから近い将来は、スマートフォンと外部センサー群の組み合わせから継続的に大量のデータを送れる、と考えても無理ではない。しかも同社がWired誌に語っているところによると、今のスマートフォンを自分でも持って使っている兵士なら誰でもすぐに使えるような、“直感的なインタフェイス”をそのバイオメトリックシステムは備えるという。

AOptix社はモバイルのプラットホームを特定していないが、おそらくセンサーデバイスとAndroidデバイスを一体化したような最終製品になるのだろう。合衆国国防総省とGoogleのモバイルOSは、互いに他人の関係ではない。2011年の終わりごろには、DellのAndroidタブレットStreak 5 を、政府は公式に採用した。最近国防総省は、iPhoneがペンタゴンで広く使われていることを率直に認めたが、軍用の大量調達品ではコストの点からいっても、iPhoneは無理、Androidで行く、と考えるのが自然だ。コストだけでなく、Androidは開発面でもきわめてオープンなアーキテクチャだから、その点でも有利だ。

しかし、Androidスマートフォンという消費者製品を利用する兵士用バイオメトリックアクセサリ、という考え自体は、ちょっとおどろきだ。しばらく前から‘ITの消費者化’が流行語になっているが、その流れで、これからは‘軍用情報技術の消費者化’が進むのかもしれない。今年のCTIA MobileConカンファレンスでCIO副官Robert Wheeler少佐が、国防総省のモバイル戦略には、既存の問題に革新的なマスマーケット向け技術を利用することも含まれる、と言った。だから今回のAOptixのお話は、今後の長期的な傾向の端緒、にすぎないのだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

合衆国国防総省は兵士のバイオメトリックス(身体情報収集)に消費者向けスマホを利用

スマートフォンは世界中のポケットや財布を侵略しているが、しかしAOptixはもうすぐ、それらのモバイルデバイスを遠方の交戦地帯に持ち込むかもしれない。カリフォルニア州Campbellの同社が、政府系ITパートナーCACIと共同で今朝(米国時間2/13)発表したところによると、同社は“スマートモバイルアイデンティティ”なるものを実現するための研究開発を、合衆国国防総省から300万ドルで受託した。

同社のプレスリリースは技術の詳細を明らかにしていないが、Wired誌に詳しい記事がある。その大きな目標は、市販のスマートフォンを利用した一種のアクセサリで、それが高精度なバイオメトリックデータを捕捉する。たとえば親指の指紋、顔や目のスキャン、録音された声、など。

ちょっと話を聞いただけでは、それほど画期的な研究開発テーマとは思えない。スマートフォン自身が数年前に比べて格段に強力になっているし、その傾向はこれからもますます続くだろう。だから近い将来は、スマートフォンと外部センサー群の組み合わせから継続的に大量のデータを送れる、と考えても無理ではない。しかも同社がWired誌に語っているところによると、今のスマートフォンを自分でも持って使っている兵士なら誰でもすぐに使えるような、“直感的なインタフェイス”をそのバイオメトリックシステムは備えるという。

AOptix社はモバイルのプラットホームを特定していないが、おそらくセンサーデバイスとAndroidデバイスを一体化したような最終製品になるのだろう。合衆国国防総省とGoogleのモバイルOSは、互いに他人の関係ではない。2011年の終わりごろには、DellのAndroidタブレットStreak 5 を、政府は公式に採用した。最近国防総省は、iPhoneがペンタゴンで広く使われていることを率直に認めたが、軍用の大量調達品ではコストの点からいっても、iPhoneは無理、Androidで行く、と考えるのが自然だ。コストだけでなく、Androidは開発面でもきわめてオープンなアーキテクチャだから、その点でも有利だ。

しかし、Androidスマートフォンという消費者製品を利用する兵士用バイオメトリックアクセサリ、という考え自体は、ちょっとおどろきだ。しばらく前から‘ITの消費者化’が流行語になっているが、その流れで、これからは‘軍用情報技術の消費者化’が進むのかもしれない。今年のCTIA MobileConカンファレンスでCIO副官Robert Wheeler少佐が、国防総省のモバイル戦略には、既存の問題に革新的なマスマーケット向け技術を利用することも含まれる、と言った。だから今回のAOptixのお話は、今後の長期的な傾向の端緒、にすぎないのだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Siriを生んだSRIから魔法のカレンダー・アプリ、 Tempo登場―ミーティングに関する情報を自動収集して通知してくれる

私のような日程管理が苦手きわまる人間でなくとも会議の直前になって大慌てした経験が必ずやあるだろう。ミーティングの席についてから自分はいったい誰と何の話をするためにここに来ているのだろうと必死に記憶を探ったり、車で走りだしたはいいが正確な住所を知らないことに気づいたり、といった失敗だ。今日((米国時間2/13)リリースされたスマート・カレンダー・アプリのTempoはまさにこうした問題の解消を狙っている。

Tempoは名門の調査研究企業SRI Internationalからスピンオフしたスタートアップだ。SRIといえば最近ではiOSの音声認識アシスタント、Siriのオリジナル開発元(後にApple が買収)としても有名だ。 最近の他のSRIプロジェクトと同様、Tempoもパーソナル・アシスタントの一種だが、Siriとはまったく異なるアプローチのプロダクトだ。

ファウンダーでCEOのRaj Singhは「パーソナル・アシスタント・アプリには大きく分けて2種類ある。質問すると答えてくれるSiriのようなタイプと、もうひとつはユーザーが必要とする情報を必要とする瞬間に届けてくれるタイプだ。Tempoは後者に属する」と説明する。Tempoのようなアプリで重要なのは不必要な情報でユーザーをうるさがらせることなく的確に必要な通知だけをする能力だ。

「ユーザーが日常必要とする情報をわかりやすくひとまとめにするのにどんな方法が一番適しているかを考えた末、われわれはカレンダー形式を選んだ。カレンダーには誰にも直感的に理解できる整然とした構造があり、これからユーザーがなすべきタスクが管理されている。ここがユーザーが必要とするすべての情報を保管するのにもっとも適した場所だとわれわれは結論した」とSinghは語った。

たとえば、会議の前にTempoを開くと、関連するメール、資料、出席者のLinkedInプロフィールなどを見ることができる。もし車を運転してミーティングの場所に向かうのであればカーナビが起動するし、道が混んでいるなどで遅れそうならその旨のメッセージを自動的に送信できる。飛行機に乗るなら、フライト情報が通知される。カンファレンス・コールに参加する場合はTempoがダイアルインとパスコードを保管する。

もちろんいずれも有用な機能だが、個々に取り上げてみれば画期的というほどではない。たとえばXobniやRapportiveのようなプロダクトは友人やビジネスの相手のプロフィールやソーシャル投稿を自動的に取得してくれる。ミーティングに遅れそうなときに通知してくれるアプリにはTwistがある。しかしTempoの独自性は、こうしたさまざまな機能がカレンダーというフォーマットで整理されていることだ。Tempoはそれぞれの会合の役割を理解しようと努め、もっとも適切なツールを選んで情報を提供してくれるところにある(Tempoにいちばん近いアプリは私の知る限りEasilydoというto-doリストだろうと思う。しかしTempoほどカレンダーが決定的な役割を果たしているわけではない)。(Update: 読者から「これに似たCueというカレンダーアプリがある」という指摘があった。

Singhは「ユーザーはTempoを利用するために何か特別な作業を要求されることはない。 単にTempoにiPhoneカレンダーとメールその他の受信ボックスへのアクセスを許可するだけでよい。あとはアプリが自動的に処理する」と説明する。学習するにしたがってこのアプリは一層賢くなっていくが、が積極的にカスタマイズする必要はないまたTempoに日程の詳細をいちいち入力しておく必要もない。ミーティングの参加者の名前を入力しておくだけで、Tempoが自動的に関連情報を取得してくる。

私は短期間だがこのアプリをテストしてみた。なるほど設定は簡単だ(使い始めにTempoが各種の情報を収集して分析する間少々待たされる)。Tempoがミーティングの関連情報を教えてくれるので、直前になって必死にメールを検索したりせずにすむ。ただTempoはiPhoneのカレンダーを利用するのでこのカレンダーに存在する問題も全部引き継いでいる。大部分のユーザーにとってはさして障害にならないはずだが、私は時差をうまく理解させる方法を発見できない。今週は私はサンフランシスコからニューヨークに出張したが、Tempoは3時間前に終わったミーティングのリマインダー通知を送りつけてきた。

Tempoは無料アプリだ。Singhは後で有料のプレミアム機能を加えていくフリーミアム・モデルを考えている。iPhoneアプリのダウンロードはここから(Androidとタブレット版についても開発が進められている)。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

Microsoft CFO曰く、Bingは戦略的に重要な資産、「当社の全サービスを良くする」

今日(米国時間2/13)午前、Morgan Stanley Media & TelecomカンファレンスでMicrosoftのCEO、Peter Kleinは、同社にとってのBingの重要性について質問された。Kleinによると、Microsoftが独自の検索エンジンを立ち上げたのは「膨大なビジネスチャンス」があると考えたからであり、それは単独の検索エンジンとしてだけでなく同社の他部門の改善にも役立つからだ。

Bingは、「われわれの全サービスをより良くする機械学習エンジン」だと彼は言う。検索エンジンとしてBingは、当然同時に膨大なデータを収集しそれをMicrosoftは別のところで活用する。しかしKleinは、具体的な利用形態については詳しく語らなかった。

Kleinは、Bingを運用することによってMicrosoftはクラウドの規模拡大や、商用クラウドサービスの構築が可能になったことも指摘した。AzureやMicrosoftの他のクラウドベースツールについての具体的な話はなかったが、Bingを運用することによって、同社が近代的なクラウドベース運用について多くを学んだと考えるのは妥当だろう。

彼はまた、Bingが扱う大量のデータによって、同社がビッグデータサービスを市場に提供する際、有利な立場を得たと信じている。

Kleinから見て、今もBingは「実に有望なビジネスチャンス」でもある。MicrosoftはBingの運用におけるコスト管理を著しく向上させ、財務実績は前年より改善されたと、彼はMorgan Stanleyのカンファレンスに参加した聴衆の投資家たちに言った。

時間と共にBingは「[Microsoftの] あらゆるデバイスやプラットフォームにとって不可欠な要素になる」とKleinは考えている。MicrosoftはBingを売却したい、あるいはスピンオフさせたがっているという噂が時折出てくるが(実際Microsoftは過去にそれを考えたことがある)、Kleinの今日のコメントを踏まえると、近い将来にそれが起きることはなさそうだ。

Kleinが、Microsoftエコシステム全般にわたるさらに密接な統合を考えているのは、同社が2011年に買収したSkypeだ。彼はSkypeの統合には特別な関心がある様子だった。

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(翻訳:Nob Takahashi)

本物の卵より美味しい(と称する)純植物性卵Beyond EggsにKhosla Venturesが$2Mを出資

Hampton Creek FoodsのCEO Josh Tetrickのように、人間はなるべく動物性の食品を摂らない方が良い、と唱える人は必ずしも少なくない(ぼくが感謝祭の日に必ず食べるTofurkyを作っている人たちもそうだ)が、しかし彼は、今出回っているベジタリアン用加工食品に満足していない。

“今のベジタリアンたちが食べてるものは、ひどいね。そろそろ、率直に認めるべきだよ”、と言うTetrick自身も、ベジタリアンだ。

彼の主張によると、ベジタリアンに蛋白質を補給するための加工食品は今とても多い(たとえば大豆タンパク製の“ハンバーグ”など)が、それらは多くの場合、自分がベジタリアンだから食べてるのであって、おいしいから食べているのではない。これに対してTetrickが考えているのは、本物の動物性の食品よりもはるかにおいしい、植物性の食品だ。そして彼の会社が今日(米国時間2/13)発売した最初の製品が、Beyond Eggs〔仮訳: “卵を超えた”〕だ。

Beyond Eggsの最初のバージョンは、主に製菓製パン材料として使う卵の代替品だ。“Twinkieを食べないのも、単純に卵のせいだろ”、とTetrickは言う。“Beyond Eggsを使った製品は健康に良いし、安いし、それにおいしいから、本物の卵を使ってないことを怒る消費者はほとんどいないだろう”。Tetrickが考えている次のバージョンは、“スクランブルエッグもどき”や、そのほかの卵代替製品だ。

サンフランシスコのHampton Creekのオフィスでぼくが試食したのはTwinkieではなく、比較試食用のクッキーだった。どれもこれもBeyond Eggsを使ってる方がおいしい、とは言えないが、おいしいのもあった。それに、味はどちらもほとんど同じだから、それほど有意差のある比較試食ではなかった。

Hampton Creekのオフィスで撮った上のビデオを見ると、Tetrickの考えていることがある程度分かるだろう。なんだか、複数のビジネスが同時進行しているような会社だった。社員がみんなラップトップを使ってるところなんかは、典型的なスタートアップふう。でも、研究者たちがいろんな種類の蛋白質をテストしているところは、研究所ふう。そしてHampton Creekの製品を使ってクッキーやソースなどを作っているところは、食品会社ふうだ。

Beyond Eggsの原料は、エンドウ豆、ヒマワリレシチン、キャノーラ、天然ゴムなどだ。完全植物性であるだけでなく、グルテンフリー、そしてコレステロールフリーだ。詳しい説明はここにあり、無料のサンプルはここで申し込める。

Hampton CreekにはKhosla Venturesが注目しており、これまでに200万ドルを投資した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

LinkedIn、全社員にiPad miniをプレゼント

テクノロジーとはすばらしいものだ。とりわけ雇い主がガジェットを無料でくれるなら。今日(米国時間2/13)入った情報によると、LinkedInは全従業員にiPad mimiを配ることを決めた。なんだかオプラ・ウィンフリーが「iPadがもらえるのよ、iPadがもらえるのよ」と叫びながら聴衆に物をあげるところを思いださせる。

本誌は本件に関してLinkedInの広報担当者に確認をとった。これは真実でない限り記事にすべき話題ではないから。社員たちを悲しませてはいけない。

われわれは2012年中の当社全従業員による懸命の努力と実績に感謝の意を表したかった。今日行われた隔週の全社会議で、みんなの貢献に対する会社からのささやかな気持として、iPad miniで社員たちを驚かせた。

CEOのJeff Weinerが大量のminiを前にしているところ。

プレゼントの理由は、同社が2012年の全四半期で「ウォール街予測を上回る」すばらしい業績を上げたこと。現在同社の従業員数は3500人なので、1台の価格を329ドルとすれば、合計115万1500ドルになる。誰かがAppleで笑んでいる。

ディスカウントはあっただろうか?

これに直接反応して、かどうかわからないが、ある情報筋によるとIntelの研究開発部門の全エンジニアがフル装備Lenovo Yoga、1500ドル相当をもらったらしい。私はiPadを取る、あしからず。

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(翻訳:Nob Takahashi)

webOSで痛い失敗をしたHP、Androidスマートフォンとタブレットを開発中との報道

ReadWriteの最新の記事によると、HPはモバイル・ハードウェア市場に再参入しようとしているという。Vergeもこの報道を別の情報源から確認したとしている。HPはwebOSを買収してPalmプラットフォームを搭載するタブレットの製造に乗り出し、TouchPadをリリースした。しかしこの製品は無残な失敗に終わり、HPはモバイル・ハードウェア事業から早々に撤退した。

HPはwebOSを使ったスマートフォンVeer 4Gも売りだしたこともある。 しかしこれも消費者の関心を呼ぶことはできなかった。HPはこの失敗後もモバイル・ハードウェア市場への復帰を狙っていたようだ。ReadWriteの情報源によると、NVIDIATegra 4チップを搭載したAndroidタブレットが間もなくリリースされるという。またAndroidベースのスマートフォンも計画されているらしい。Vergeは「順序ほぼそのとおりだが、スケジュールはまだ変更の可能性がある」としている。

Meg WhitmanはHPのCEOに就任した際に、「途上国の多くの人々にとってスマートフォンが入手しうる唯一のコンピュータとなっている事実をも考え合わせ、HPは最終的にこのような人々をも助けるようなスマートフォンを提供していく」と語った。しかし、しかし後にWhitmanは製品のリリースは2013中には行われないと述べた。

しかし2011にWhitmanは「HPはwebOSベースのタブレットを2013年に再リリースする」という意味の発言をしている。HPがWhitmanのスケジュールに合わせるために、自社の独自OS(webOSは現在オープンソースになっている)ではなく、Androidベースの製品の開発に方針を転換した可能性は十分ある。

最初に痛い失敗を経験したとはいえ、HPがモバイル・ハードウェア市場に復帰を試みるのは不思議ではない。モバイルはまさにコンピュータ産業の未来であり、AppleのiPadは一夜にしてほとんど独力でノートなどの既存のモバイル・コンピュータを圧倒して巨大なタブレット市場を成立させた。HPは2012年第4四半期の業績が予測を下回るなどハードウェア事業の不振が続いている。

しかしタブレットもHPにとって救いの神となるかどうかは不明だ。Android版タブレット市場にはまだiPad’シリーズに対抗できるような人気機種が出ていない。しかも市場にはライバル製品は無数に出まわって消費者の注意を分散させている。HPであろうと誰であろうとAndroidタブレットで成功するには既存のライバルよりはっきり高性能で価格にも魅力がある製品を開発しなければならない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

Autodesk、iPadアプリ、123D Creatureを公開―誰でも3Dでモンスターをデザイン、彩色して、3D出力できる

私はモンスターと3Dプリントが大好きだ。そこでAutodeskの新しいiOSアプリ、123D Creatureに大いに興味をそそられた。これは3Dモデリングのビギナー向けのツールで、バーチャル粘土を画面上でつまんだり、ひっぱったり、回転させたりして自由にかわいい(それとも恐ろしげな)モンスターをデザインすることができる。

このアプリは無料だ(Autodeskはこれまでにも無料の3Dをシリーズで発表している)。 AutodeskはMaya、3ds maxなどの非常に高価で高機能な3Dソリューションを販売している。しかし123Dなら3Dモデリングにまったく経験のない初心者でも3Dオブジェクトをバーチャル空間でデザインして彩色できる。しかもそのファイルをエクスポートして3Dプリンタで出力することができ、3Dプリンタを持っていなくてもアプリ内から3Dプリント出力を発注することができる。

一般に3Dモデリングは難しいと思われているので、Autodeskが若い初心者層に自社のツールを無料で使わせ、将来もっと高価で利益の上がるアプリの販売への地ならしをしようというのは賢い戦略だろう。

さて、では本当に誰でも簡単に3Dモデリングができるのか? まずまず簡単だといってよい。

私は今日、短時間このアプリを試した。トンガリ頭の緑色の人形をデザインして手持ちのMakerbotで出力してみた(上の写真)。残念ながら腕の出力には失敗してしまったが、脚と頭はうまくいった。もちろん私は3Dアーティストではない。それでも、かわいい人形をデザインしてすぐに3Dプリンタで現実のものとして成形できたのはたいへん愉快な経験だった。

初心者が3Dデザインとはどんなものか手軽に体験するのによいだけでなく、作成したファイルをシームレスに3Dプリンタに送り込める点、3Dプリンタのオーナーたちにもうれしいアプリだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook

超高級スマートフォンのVertuが初のAndroid機を発売–お値段は1万ユーロ

以前はNokiaがオーナー企業だったVertuは、泣きたくなるほど高価な、革張りの、宝石をちりばめた、イギリスで手作りされている、‘超高級’スマートフォンのメーカーだ。同社がこのほど、Android搭載の機種、Vertu Tiを発売した。

10月にNokiaと別れた同社は、噂によると、Nokia時代にファンから切望されていたこと、すなわちSymbianを捨ててAndroidを採用することを計画していた。そして今日(米国時間2/12)Vertuは、その噂どおりに、初のAndroid搭載機をお目見えした。そのスローガンは、“イギリスで手作り, Androidで動く”だ。

Vertu TiはAndroid 4.0搭載だが、その上にVertuのUIを着ている。お値段は7900ユーロから最高が11000ユーロまで。画面は3.7インチ、結晶サファイヤで覆われ、“ほとんど擦過傷がありえない”という。ケースはグレード5のチタン合金製で軽量かつ強力。デュアルコア1.7 GHzプロセッサ、1GB RAM、8メガピクセルのリアカメラが1080pのビデオキャプチャ、フロントカメラは1.3メガピクセルだ。内部メモリは64GB、サウンドシステムは’Bang & Olufsen製’である。ございませんものは…、4Gだ。

BBCの取材に対してVertuのCEO Perry Oostingが説明して曰く、NokiaがWindowsなのになぜAndroidに決めたのか: “今後ほかのデバイスとの統合などを考えると、エコシステムの一員である必要がある。Windowsは成功するだろうが、まだマーケットシェアが小さすぎる。Androidのような、グローバルなリーチがない。全世界ベースで言えば、Androidのマーケットシェアは約60%もある”、ということだ。

Oostingは、Androidが自由にカスタマイズできることを挙げなかったが、Windows Phoneはデバイスのメーカーが独自のスキンを着せることをMicrosoftが拒否している。またホーム画面のLive Tile以外では独自のブランド化も許していない。

やっとエコシステムの重要性に目ざめたVertuだが、顧客層は言うまでもなく限られている。携帯電話に1万ユーロを払える、大金持ちの人たちだ。BBCによると、今年で創業10年になるVertuのスマートフォンのユーザは、わずかに32万6000人だ。同社の最大の市場は、なんと、中国だそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))