TwitterがインドのShareChatを買収、MojをTikTokの世界的ライバルにすることを模索

Twitter(ツイッター)は最近、同社が世界第2位のインターネット市場でのプレゼンスを拡大し、TikTokの世界的なライバルを構築する方法を模索している中、インドのSNSスタートアップShareChat(シェアチャット)を買収するための交渉を行ったと、この件に詳しい3つの情報筋がTechCrunchに語った。

バンガロールを拠点とするShareChatにすでに投資している同社は、設立して5年になるインドのスタートアップを11億ドル(約1155億円)で買収することを申し出、9億ドル(約945億円)の追加投資を約束したと2人の関係者は語った。Lightspeed Partners India、Elevation Capital、India Quotientなどの支援を受けたShareChatは、これまでに約2億6000万ドル(約273億円)を調達している。

今回の協議は取引には至らなかったと、この件は非公開であるため匿名を要求している情報筋2人は語った。TechCrunchは、両社が協議を終了した理由を特定できなかった。

2つの情報筋によると、TwitterはShareChatが所有するショートビデオアプリMojを国際市場に展開し、中国のTikTokのライバルとして位置づける意図を表明していたという。

この件についてTwitterはコメントを差し控えており、ShareChatにもコメントを求めたが同社は応じなかった。

2020年のインドでのTikTok禁止は、国内のスタートアップや国際的なテック大手によるショートビデオ分野への進出を促した。

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すでに8000万人以上のユーザーを持つMojは、このカテゴリの最大手の1つとして浮上している。2021年2月初め、Snap(スナップ)はShareChatとMojショートビデオアプリにCamera Kitを統合する契約を結んだ。Snapがインドの企業とこの種のパートナーシップを結んだのは初めてのことである。

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買収の交渉は決裂したため、ShareChatは新たな資金調達ラウンドのために他の投資家との協議を再開した。これらの投資家にはGoogle(グーグル)やSnapが含まれていると情報筋は述べている。

TechCrunchは2021年1月に、ShareChatが2億ドル(約210億円)以上を調達するために、GoogleやSnapだけでなく、Twitterを含むいくつかの既存の投資家と協議していると報じた。Twitterによる買収の可能性があったことで、投資協議は長期化した。

同社によれば1億6千万人以上のユーザーを擁するShareChatは、インドの15の言語でSNSアプリを提供しており、インドの小さな都市や町に多くのファンを持っている。Blume VenturesのベンチャーキャピタリストであるSajith Pai(サジット・パイ)氏が「インド2(India 2)」と呼ぶユーザー層だ 。インドのスタートアップエコシステムの中で、このセグメントにリーチしているプレイヤーは非常に少なく、「インド3(India 3)」と呼ばれるより小さな田舎町や村のユーザーの貢献もあり、近年オンライン利用が拡大しているという。

2020年のTechCrunchインタビューに対し、ShareChatの共同創業者兼CEOであるAnkush Sachdeva(アンクシュ・サクデバ)氏は、同社の主力アプリは「飛躍的」な成長を遂げており、ユーザーは平均して1日30分以上をアプリに費やしていると述べた。

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Twitter自体は、インドの大都市や町以外での進出に苦労してきた。業界の幹部がTechCrunchと共有したモバイルインサイト会社AppAnnieのデータによると、Twitterアプリは、2020年1月にインドで約7500万人のユーザーに達した。また同社は、インドのニュースソーシャルアプリDailyhuntと契約を結び、ニュースやその他のローカルイベントに関するキュレーションされたツイート集である「Moments(モーメント)」をGoogleが投資しているDailyhuntアプリに導入した。

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Twitterは、アクティビスト投資家から成長を加速させるよう圧力がかかる中、この1年製品提供を拡大してきた。

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(文:Manish Singh、翻訳:TechCrunch Japan)

インドで貯め込まれるばかりの情緒的な資産である「金」を市場流通させるindiagold

インドの人々のほとんどは、どのような形式であれ、信用力を証明するクレジットスコアを持たないために、正規の金融機関からの融資にアクセスできない

その代わりに、質店などの非正規の機関を利用するか、あるいは最近ならば、書類の手続きなしでローンを提供するアプリが候補になる訳だが、時には1000%もの高額な金利を請求され、また返済が遅れでもすれば、スマホの連絡先の誰かに迷惑がおよぶこともある。

(Googleは最近、このことを察知し、2021年1月にインドのPlay Storeからこうしたアプリを何百個も削除したのだが、残念なことに家族、同僚、社会の厄介者になることを恐れて自殺する人が現れるまで、こうしたことが表沙汰になることはなかったのだ)

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そこでゴールドの出番である。

何世代にもわたり、どのような社会経済的な立場のインド人でも、蓄えたお金の少なくとも一部をゴールドに換えて密かに隠すことを好んで行ってきた。実際、インドにはゴールドに対する高い需要があり、インド国民は他のどの国の人たちよりも多くのゴールドを貯め込んでいる。この南アジアの国は、世界有数の貴金属の輸入国でもあるのだ。

インドの人たちはゴールドを、金融市場の浮き沈みから身を守るための貯蓄の手段として利用するだけでなく、借り入れを起こすための資産としても利用している。ただし、ゴールドをジュエリーなどのかたちで売り払うことにはスティグマがある。貧困のあまり、生活のために取っておいた最後の持ち物を質入れしなければならなかった、ということになってしまう。

家庭内に封印されたこうしたゴールド(World Gold Councilの推計によれば、インド人は2万5000トンのゴールドを密かに保有し、これは現在の価値にして約147兆円以上にもなる)は、経済の引き上げにもひと役買っている。3分の1でも現金化すれば、GDPの成長率を2%押し上げられるとアナリストはいう。ゴールドは何十年も価格が下がらないすばらしい安全資産として、銀行などの金融機関が好む資産だ。

インドで最も価値あるスタートアップのPaytmの元幹部、Deepak Abbot(ディパック・アボット)氏とNitin Misra(ニティン・ミスラ)氏の2人は、ゴールドを担保とした融資にデジタトランスフォーメーションを起こすことで、この問題を解決できると信じている。

ニューデリー市もやはり、ゴールドマネタイゼーションスキームのような取り組みを通じて、貯め込まれたゴールドを市場に流通させようといくつかの試みを行ってきたものの、今のところあまり成功しているとは言えない。

ゴールドを手放すよう説得することの難しさの本質は、それが情緒的な資産だからだ。ミスラ氏とアボット氏はTechCrunchのインタビューに答えてそのように説明している。インドでは、金のジュエリーは力強さと誇りの象徴であり、家族が未来の世代へと受け継がせるものなのだ。

「インドでは州、宗教、コミュニティに関わらず、ゴールドにある種の慶事の感情が込められています。それは崇高なものであって、免税やプレミアム価格などと引き換えに、ネックレスなどのジュエリーを溶かして、その形をなくしてしまうなどということは、想像すらできません」とミスラ氏は説明する。

これとは別の難しさがある。家族の非常事態やその他の抜き差しならない事情により(それはしばしば最後の手段になるのだが)どうしてもゴールドを売らなければならない人がいるとして、その売却プロセスでは、一族の大切な財産を質に入れるというスティグマゆえに、多くの人が気まずく恥ずかしい思いをすることになる。

近年、一部の企業とスタートアップが銀行と協働し、顧客の玄関先まで訪問することで、こうしたスティグマを取り払う試みを実践しており、部分的には成功をおさめている。

ディパック・アボット氏とニティン・ミスラ氏(画像クレジット:indiagold)

アボット氏とミスラ氏(写真)には、もっと良いアプローチと大きなアイデアがあるという。

インドでは多くの人々がゴールドの貯蔵やその他の貴重品を銀行の貸金庫に預けて保有するのだが、その料金は月額65ドル(約6800円)にもなる(とはいえ、銀行からは年払いを求められる)。銀行の貸金庫にはデメリットもある。こうした貸金庫にたどり着くには長いプロセスがあって、最短でも半日はかかる。貸金庫の中の物品に対する保険もない。また、サービスを利用するには数百ドル(数万円)のセキュリティデポジットがかかる上、サービスを受けられるにしても長い待機期間を経なければならない。

アボット氏とミスラ氏は彼らが新しく発掘したスタートアップのindiagoldを通じて、同じような貸金庫サービスを月額わずか1.36ドル(約142円)で提供している。これには中身の貴重品のすべてに対する保険も含まれている。2人によれば、これは貴金属を安全に貯蔵するための手段をより簡単に便利に提供するというアイデアだ。

「indiagoldアプリにサインアップすると、当社のエージェントがご自宅へ伺い、ゴールドの検査と計量を行い、すり替え防止用のバッグに保管します。当社ではこのバッグにRFIDタグも貼付しており、一度スキャンした後は、開封しようとするとすぐにわかります。このバッグを鋼製のボックスに入れ、お客様の指紋を使ってロックします。一連の作業は当社のエージェントがすべてボディーカメラでキャプチャします。お客様の自宅を離れて指定の金庫に到着するまで、カメラフィードがリアルタイムでお客様にストリーミングされます」とミスラ氏はいう。

犯罪率が上昇する中、ジュエリーの安全を守るアイデアに異を唱える人はほとんどおらず、財産に保険がかけられるとすればなおさらだ、と2人は説明する。indiagoldでゴールドを預ければ、このスタートアップのアプリに財産の価格がリアルタイムで表示され、融資限度額を提示してもらえる。審査には数秒しかからない。

「お客様がローンを希望しない場合はそれで良いのです。必要になったときには、ゼロタッチのオプションがあるのです。ご自分のゴールドがご自分の指紋で、貸金庫に安全に保管されているとわかっていますから、ジュエリーを溶かされたり壊されたりする心配はありません。融資限度額を知りたければ30秒以内に知ることができます。誰かと話したり、誰かに訪ねて来てもらったりする必要はありません」と同氏。

「複数のジュエリーを預けた場合、その一部を担保にして融資を受けることができます。近々行事があるからネックレスが必要になるとわかっていれば、同じ貸金庫の別のジュエリーを担保にしてローンを組むことができます。当社が請求するローン金利は最高で1%です」。

これは、2020年後半に運営を始めたばかりのindiagoldが取り組もうとしている問題の一部に過ぎない。

同社は、顧客の信用力を判定するプラットフォームを構築し、この未開拓のマーケットに手を伸ばそうとしている銀行やその他の貸手向けにAPIを提供している。

現在デリー首都圏で運営しているこのスタートアップは近年、Leo Capitalが主導した資金調達ラウンドで200万ドル(約2億939万円)を獲得した。このラウンドに参加した大物投資家にはCredのKunal Shah(クーナル・シャー)氏、PineLabsのAmrish Rau(アムリッシュ・ロウ)氏、SnapdealのKunal Bahl(クーナル・バール)氏とRohit Bansal(ロヒット・バンサル)氏、BharatPeのAshneer Grover(アシュニール・グローバー)氏とBhavik Koladiya(バービック・コラディヤ)氏、CredのMiten Sampat(ミテン・サンパット)氏およびMX PlayerBoatのSameer Mehta(サミール・ミータ)氏、Innoven CapitalのAshish Sharma(アシッシュ・シャーマ)氏、Alteria CapitalのAnkit Agarwal(アンティック・アガーワル)氏、MyMoneyMantraのRahul Soota(ラウール・スータ)氏、LivspaceのRamakant Sharma(ラマカンタ・シャーマ)氏、そしてBlume Founders Fundが名を連ねている。

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「この巨大なマーケットに本気で取り組むには、これしか方法がないと思います。私たちはより多くの労力を傾け始めています」と、ミスラ氏は語っている。

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タグ:インドゴールドindiagold資金調達

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(文:Manish Singh、翻訳:Dragonfly)

全インド商業者連合がアマゾンの事業禁止を政府に要請

数千万人規模の小売業者を代表するインドの有力な商業団体が、インド政府にAmazon(アマゾン)の同国における事業禁止を求めた。この米国の電子商取引企業グループが、インドの少数の販売業者を優遇し、それらの販売業者との関係を公に虚偽表示して、国内の外資規制を回避するためにそれらの販売業者を利用していたと報じられたためだ。

全インド商業者連合(The Confederation of All India Traders、CAIT)は米国時間2月17日、Reutersの記事で明かされたことを受け、インド政府にAmazonに対して深刻な措置を取るように「要求」した。「CAITは何年もの間、AmazonがインドのFDI(外国直接投資)規制を回避し、不公正で非倫理的な商活動を行っているのを見過ごしてきました」と、CAITは述べている。

インドの8000万人の小売業者と4万の商業団体の代表だと主張するCAITのPraveen Khandelwal(プラヴィーン・カンデルワル)事務局長は、「Amazonが故意にルールを弄んでいることは公然の事実です。これ以上何を待つことがあるでしょうか。インドでは即刻事業を禁止されるべきです」と語った。

CAITは何年もの間、インドでAmazonとWalmart(ウォルマート)傘下のFlipkart(フリップカート)が利用している違法なビジネス慣行と彼らが主張しているものについて懸念を表明している。これらの行為が、小規模な小売業者に実存的な脅威をもたらしていると、CAITは述べている。

インドはAmazonにとって重要な海外市場であり、この世界第2位のインターネット市場における事業に65億ドル(約6900億円)以上を投資することを同社は約束している。

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Amazonの広報担当者は声明の中で、同社はロイター通信の記事にある内部文書というものを見たことがないため、同記事に書かれた情報や主張の信憑性などを確認することはできないと述べた。「その記事は根拠のない、不完全な、および/または実際のところ間違った情報に基づいているように思えます。おそらく世間を騒がせ、Amazonの信用を落とす意図で供給されたものでしょう」と、広報担当者は述べている。

「Amazonは、インドのすべての法律を遵守し続けています。過去数年の間に、同国では商業界を管理する規制の変更が何度もあり、Amazonはその都度、遵守を確実にするために迅速な対応をとってきました。この記事には古い情報が含まれているようで、何らかの違反行為を示すものではありません。私たちは、インドの消費者にファーストクラスのサービスを提供し、インドの製造業者や中小企業が、インド国内だけでなく、世界中の顧客にリーチできるよう支援することに引き続き注力しています」と、声明は続いている。

インドでは長年の法律により、Amazonをはじめとするeコマース企業が、在庫を保有したり、消費者に直接商品を販売することを制限している。これを回避するため、同社は在庫を保有する企業として機能する地元企業との合弁事業を介して運営を行ってきた。インドは2018年後半に、この抜け穴の修正に乗り出した。

ロイター通信は、非公開の内部文書を引用し、Amazonが大手販売業者の一部の在庫を大幅にコントロールしていたと書いている。記事では、33の業者がアマゾンで販売されている全商品の約3分の1を占めており、2019年初頭にはアマゾンが間接的に出資していた2つの業者が、インドにおけるAmazonの売上高の約35%を占めていたと主張している。

この新たに掲載された記事と、そしてその潜在的な反響は、Amazonにとってインドでまた1つ増えた頭痛の種に過ぎない。

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タグ:Amazonインドeコマース

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(文:Manish Singh、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

母国の信用履歴利用を可能にする銀行取引プラットフォームZolveが15.8億円調達

毎年、何万人もの学生や専門家が高等教育や仕事のためにインドを離れる。新しい国では、何カ月も過ごした後であっても、その国の銀行からクレジットカードを取得するのに苦労したり、他のさまざまな金融サービスにアクセスするために割高な料金を支払うことになることもある。

米国やその他ほとんどの国の銀行は、申請者の信用を判断するために銀行所在国のクレジットスコアを使う。たとえばある個人がインドで優れたクレジットスコアを持っていたとしても、外国の銀行にとっては意味をなさない。

それは、配車サービス会社TaxiForSure(インド大手のOlaに売却された)の創業者であるRaghunandan G(ラグナンダン・G)氏が、旅行からインドに戻ったときに学んだことだった。何カ月にもわたる調査とチーム編成を経て、ラグナンダン氏は解決策を得たと考えている。

同氏は米国2月17日、インドから米国に(またはその逆に)移動する個人のための新しい銀行取引プラットフォームであるZolve(ゾルブ)を発表した。

Zolveは米国とインドの銀行と協力して、消費者がプレミアムを支払ったり保証金をせき立てたられたりすることがないよう、金融商品へのシームレスなアクセスをサポートする。

ラグナンダン氏はTechCrunchとのインタビューで、同社がリスクを引き受けていると述べた。これにより、海外の銀行はZolveの顧客にサービスを提供できるようになった。「消費者は当社のサポートで口座を開設することができ、母国の銀行と取引を行うようにすべての銀行サービスにアクセスできます」と同氏は語った。

発表の一環としてラグナンダン氏は、創業2カ月のZolveがAccelとLightspeedがリードしたシードラウンドで1500万ドル(約15億8000万円)を調達したと述べた。Blume Venturesの他、著名なエンジェル投資家が参加した。エンジェル投資家にはCredの創設者Kunal Shah(クナル・シャー)氏、Helionの元MDであるAshish Gupta(アシッシュ・グプタ)氏、TwitterとRippleへの投資で知られるGreg Kidd(グレッグ・キッド)氏、DST GlobalのマネージングパートナーRahul Mehta(ラフル・メータ)氏、Coatue CapitalのシニアマネージングディレクターRahul Kishore(ラフル・キショア)氏が含まれる。Founder Collective(AirtableとUberに投資している)も、同社への投資がインドのスタートアップへの初めての投資となった。

「複数の地域で金融のアイデンティティを持つ個人は、シームレスなグローバル金融ソリューションを必要としています。Zolveのチームが問題をしっかりと認識し、魅力的で革新的な金融体験を提供できると信じています」とLightspeed India PartnersのBejul Somaia(ベジュール・ソマイア)氏は声明で述べた。

ラグナンダン氏はZolveを始める前に配車サービス会社であるTaxiForSureを創業し、後にOlaに2億ドル(約210億円)で売却した(画像クレジット:Zolve)

ラグナンダン氏は、他の複数のスタートアップもこの課題を解決しようとしていると認めたが、他の企業は出身国の消費者の信用履歴を利用していないと述べた。「この問題をまったく別の観点から見ているのは私たちだけです。私たちは、消費者が課題に直面している外国で問題を解決しようとはしていません。消費者がすでに評判と信用履歴を持つ母国で解決策を見つけようとしています」と同氏は説明した。

顧客が新しい国でクレジットカードやその他の金融サービスにアクセスできるようになると、母国での信用履歴をすばやく拡張することができる。通常はそれに何年もかかると同氏はいう。

「地球市民のコミュニティは、金融サービスへのアクセスに関してほとんどサービスが提供されておらず、Zolveには大きな市場機会があると信じています。ラグナンダン氏には創業者としての確かな実績があり、彼の最新のベンチャーで再び彼と提携できることをうれしく思います。チームの情熱とコミットメントは称賛に値するものであり、Zolveがこのコミュニティーに多大な価値をもたらすと確信しています」とAccelのパートナーであるAnand Daniel(アナンド・ダニエル)氏は声明で述べた。

サンフランシスコとバンガロールに本社を置くZolveは、外国を訪れる予定がない人にも、さまざまな魅力的な機能を提供している。たとえば顧客はインドにいるときは、Zolveを利用して米国の証券取引所に上場している企業の株式を購入できる。ラグナンダン氏によると、Bitcoinやその他の仮想通貨を米国または欧州の証券取引所から購入することもできる。

すでに5000人以上の顧客を集めたこのスタートアップは、銀行パートナーと収益分配の取り決めを結んだ。ラグナンダン氏によると、Zolveは現在インドの顧客を受け入れており、米国の銀行パートナーから多額の収益を生み出しているため、すでに収益性の高いモデルで運営されている。

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( 文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

インドのTata Groupが食料品宅配BigBasketの過半数株式を取得に合意、アリババは撤退か

インドのコングロマリットであるTata Group(タタ・グループ)は、食料品宅配のスタートアップBigBasketの過半数株式を取得することで合意に達したと、この件に詳しい2つの情報筋がTechCrunchに語った。

塩からソフトウェアまで幅広く手がける同グループは、インドのスタートアップであるBigBasketを18億ドル(約1908億円)から20億ドル(約2120億円)の間で評価する取引で、株式の60%以上を購入する、と取引はまだ非公開であるため匿名を要求した情報筋は語った。BigBasketはTata Groupとの取引に先立ち、7億5000万ドル(約795億円)以上の資金調達を行っている。

BigBasketの30%近くの株式を所有している中国のインターネット大手Alibaba(アリババ)と他の一握りの投資家は、Tata Groupとの取引の一環として、同スタートアップからほぼ完全に撤退する、と情報筋は述べている。インド政府は昨年、中国の投資家がインド企業に投資することを困難にする規制を導入した

1つの情報筋が明かした取引条件によると、BigBasketは早ければ来年までに上場を目指すという。BigBasketの共同創業者2人とTata Groupからは、コメントを求めたが得られなかった。

インドのニュースネットワークET Nowは現地時間2月16日に、2つの企業が事前交渉を行っていると報じたが、その兆しは2四半期前から地元メディアが報じ始めていた。

この動きは、2019年に1130億ドル(約12兆円)の収益を報告し、ジャガーランドローバーや紅茶メーカーのTetley(テトリー)などいくつかの人気ブランドを運営する、ムンバイに本社を置くTata Groupが、より多くの消費者向け事業に進出しようとしており、世界第2位のインターネット市場で、いわゆるスーパーアプリの開発に取り組んでいる中でのことだ。

バンガロールに本社を置くBigBasketは、ソフトバンクが出資するGrofersReliance Industries(リライアンス・インダストリーズ)のJioMartと競合している。同社はインドの25都市で事業を展開しており、プラットフォーム上での売上が急上昇したことで、新型コロナウイルスによるパンデミックが始まって数ヶ月後に黒字化した。近年、BigBasketはアイテムの自社ラベルを拡大しており、これが利益率の改善に役立っている。

BigBasketとGrofersのユーザーベースは昨年、80%も急増したとCitibank(シティバンク)のアナリストは最近推定している。インドの最も裕福な実業家Mukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ)氏が経営するJioMartが、すでに強力なライバルとして台頭し始めているとも。

Bank of America(バンク・オブ・アメリカ)のアナリストは、クライアントへの最近のレポートの中で、オンライン食料品配達市場は2023年までにインドで120億ドル(約1兆2720億円)の価値が出る可能性があると推定している。

「BigBasket/Grofersのような大規模な垂直セクターや、横並びのAmazon/Flipkartのような競争が激しくなり、組織化されていない市場を組織化されたものに変換しようとしています。最近まで、この分野のNo.1プレーヤーはBigBasketで、年商10億ドル(約1060億円)のGMVを達成し、毎日30万件以上の注文を販売していました。Reliance Industriesは、2020年5月に200都市でJioMartアプリを立ち上げ、この競争に名乗りを上げました」と彼らは書いている。

昨年、インド最大級の工業企業であるReliance Industriesがeコマースに進出したことで、Tata Groupはデジタルへの取り組みを加速させたのかもしれない。アンバニ氏は昨年、Facebook(フェイスブック)やGoogle(グーグル)などの著名な投資家から、通信・小売事業を展開するJio PlatformsとReliance Retailのために260億ドル(約2兆7570億円)以上の資金を調達した

Tata Groupは、早くも2016年には複数の消費者向けデジタルサービスへの拡大に取り組んでいたが、役員会でのクーデターにより、これらの計画はすべて後回しにされたとThe Information誌は2020年12月に報じていた。

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カテゴリー:フードテック
タグ:インド フードデリバリー

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(文:Manish Singh、翻訳:Nakazato)

インド政府が自国企業の支援を狙いマッピング・地理空間データの制限を限定解除

インド政府は現地時間2月15日、国内企業が同国の地理空間データを収集、生成、保存、共有する際にライセンスやその他の許可を必要としなくなると発表した。当局は技術革新を妨げていると認めたことになり、これは以前のスタンスに抜本的な改革をもたらす。

これまでインド政府は、インド企業が地形データを作成・公開する際には、ライセンスや追加の承認を求めるよう義務づけていた。インドのNarendra Modi(ナレンドラ・モディ)首相は、今回の「規制緩和」の一歩は、インドがより自立し、5兆ドル(約527兆円)のGDP目標を達成するのに役立つだろうと述べた。

「地理空間データと地図に適用される規制は、今後、抜本的に自由化されます。科学技術省は、特にインド企業のために、インドの地図政策を大幅に改革することを発表します。世界的に容易に入手可能なデータについてインドで制限する必要がないため、これまで制限されていた地理空間データがインドで自由に使えるようになります」と当局は声明で述べている。

インド政府当局はそのガイドラインの中で、現地企業にはインドの地上局へのアクセスや、リアルタイム測位のための拡張サービスなどを含む「グラウンドトゥルーシング / 地上検証」へのアクセスが許可されると述べている。インド企業には、地上モバイルマッピング測量、ストリートビュー測量、そしてインド領海の測量へのアクセスも許可される。

当局はガイドラインの中で、前述の測量へのアクセスはインド企業のみに許可すると述べている。Google(グーグル)は以前、インドでストリートビューサービスを立ち上げようと試み失敗に終わったことがある。TechCrunchの取材に対してGoogleの広報担当者は、同社はガイドラインを検討中であり、現時点ではコメントできないと述べた。

「外国企業および外国人が所有または管理するインド企業は、インド国内の顧客にサービスを提供する目的に限り、インドの事業体から閾値以上の空間精度・値のデジタルマップ・地理空間データのライセンスを取得することができる。かかる地図・地理空間データへのアクセスは、地図・地理空間データがライセンシー企業またはそのサーバーを通過することを許可しないAPIを介してのみ利用できるようにするものに限る。ライセンシーによる当該地図データの再利用や再販は禁止とする」とガイドラインはつけ加えている。

GIS分野で活動するDevdatta Tengshe(デブダッタ・テンシェ)氏はTechCrunchの取材に対し、以前の制限では何が正確に許可されているか不透明であったため、今回の政府の動きは国民を含む地域のエコシステムにとって重要なものだと語った。

「今日(2月15日)の発表により、インドの事業体はあらゆる位置データ収集を行うことができ、我々は独自にデータを収集することができると明確になりました」と同氏は語った。「さらに、地方自治体などの機関が持つ位置データをインドの事業体が利用できるようになります」。

Flipkartが支援する設立25年の企業MapMyIndiaは、政府の今回の動きは、地図と地理空間セクターを開放し、「地図という戦略的分野で13億人のインド人すべてに力を与え、インド企業に前例のない機会と成長を与える」自立時代の到来を告げる「歴史的な」ものだと述べた。

モディ首相はこう述べた。「今回の改革は、我が国のスタートアップ企業、民間企業、公共機関、研究機関がイノベーションを推進し、スケーラブルなソリューションを構築するための大きなチャンスを開くことになるでしょう。また、インドの農民も、地理空間データとリモートセンシングデータの可能性を活用することで恩恵を受けることになります。データを民主化することで、農業や関連セクターの効率化を推進する新しい技術やプラットフォームの台頭が可能になります。これらの改革は、規制緩和によってインドでのビジネスのやりやすさを向上させるという我々のコミットメントを示すものです」。

カテゴリー:その他
タグ:インド地図

画像クレジット:Raj K Raj / Hindustan Times / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Aya Nakazato)

TwitterのCEOとラッパーのジェイ・Z氏がアフリカとインドにビットコイン開発基金を設立、500BTC(24.8億円相当)を投資

Twitter(ツイッター)とSquare(スクエア)のCEOであるJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏は、ラッパーのJay-Z(ジェイ・Z)氏とともに、当初はアフリカとインドでBitcoin(ビットコイン)開発に資金を提供するための基金を設立した、と米国時間2月12日に発表した。

2人は、現在2360万ドル(約24億7700万円)相当の価値がある500BTCを「₿trust」と呼ばれる基金に入れようとしている。この基金は白紙委任で取消不可能な信託として創設される予定で、ドーシー氏は、両氏がチームに指示を与えることはないとつけ加えた。

₿trustは、3人の理事を募集しているという。この基金のミッションは「Bitcoinをインターネットの通貨にすること」だと、応募要項には記載されている。

インド政府はこれまでのところ、Bitcoinやその他の暗号通貨の導入に消極的だった。米国時間2月12日の動きは、ニューデリーが、国内で民間の仮想通貨を禁止する法律の導入に少しずつ近づいている中でのことだ。また同国は、独自のデジタル通貨の創設も視野に入れている。

関連記事:インド政府がビットコインなどの民間発行仮想通貨を禁止する法律を提出へ

TechCrunchの取材に対し、アジア系米国人向けにインド発のデジタルバンキングプラットフォームを構築しているOnJunoの共同創業者Varun Deshpande(バルーン・デシュパンデ)氏はこう説明した。「インドは世界のソフトウェア開発の中心地であるにもかかわらず、Bitcoinのコア開発には大きな貢献をしていません」。

「インドは常に貢献するスキルを持っていましたが、適切なインセンティブがありませんでした。今回のイニシアチブは、世界最大の民主主義国の開発者がBitcoinのプロトコル開発に貢献し、Bitcoinのプロトコル開発に発言権を持ち、通貨の未来をかたち作るために多様な考えをもたらすための適切なインセンティブを提供するため、より重要なものです。皮肉なことに、インドがBitcoinを禁止する法案を準備する中、世界はBitcoinネットワークを安全に保護するために、インドの膨大な技術人材に目を向けようとしています」。

一方、アフリカ、特にナイジェリアでは、近年仮想通貨の取引が急増している。2020年、ナイジェリア人は地元の主要な仮想通貨取引所で4億ドル(約419億9000万円)以上の仮想通貨を取引しており、過去5年間のBitcoin取引量では米国に次ぐ2位となっている。

アフリカの人々は仮想通貨を取引することで、通貨の切り下げや国境を越えた取引での価値交換を防ぐことができるため、仮想通貨に依存している。ナイジェリアでは、2020年、国を揺るがした#EndSARSの抗議活動の間、Bitcoin取引が社会に定着した。抗議のための寄付金が国内各地や在外ナイジェリア人から流入し始めたとき、ナイジェリア政府は抗議活動に使われていた銀行口座を閉鎖した。しかしそのとき、Bitcoinはクラウドファンディング活動を継続させる生命線となった。

それ以来、ナイジェリア政府が国内で仮想通貨を規制する意図があるのではないかとの懸念が高まっていた。そして先週、ナイジェリアの中央銀行が銀行や金融機関に対して、仮想通貨の取引や仮想通貨取引所プラットフォームへの支払いを容易にすることを禁止する指令を出したことで、こうした疑念は現実のものとなった。

ドーシー氏は長い間、仮想通貨の採用を支持してきた。SquareはすでにBitcoinをサポートしており、2020年は約5000万ドル(約52億5000万円)相当のBitcoinを企業財務のために取得しており、Twitterは従業員やベンダーへの支払いにBitcoinを利用する可能性を検討している。

今週初めにCNBCとのインタビューで、TwitterのCFOであるNed Segal(ネッド・シーガル)氏はこう語っていた。「従業員がBitcoinでの支払いを希望した場合にどのように支払うか、ベンダーがBitcoinでの希望した場合はどうするか、また、そのようなことが起こった場合にバランスシートにBitcoinが必要かどうかを検討するために、率直に多くのことを考えてきました。それは当社が研究し続けていることであり、時間をかけて考えていきたい事項ですが、まだ何も変更はしていません」。

多くの著名な業界幹部が、各国にBitcoinの導入を呼びかけている。エンジェル投資家であり、CoinbaseのCTOを務めた起業家でもあるBalaji Srinivasan(バラジ・スリニヴァサン)氏は、2020年2月初めに、インドがBitcoinを受け入れるべき理由をこう述べた。

「インドはそれを成功させる(技術)人材を持っています。このような動きは世界のメディアで大きく取り上げられ、世界中の技術者や金融機関から支持を集め、米国や中国が推し進めるゼロサム経済政策とは一線を画し、インドを1兆ドル(約105兆円)規模の産業の最前線に立たせることになるでしょう」と同氏は書き、Bitcoinのブロック解除がインドにもたらす可能性を想定している。

一方、ケニア中央銀行は今週、対ドルでケニアシリングが乱高下する中、Bitcoinを準備通貨として使用すると述べた。同国は2020年、アフリカでのBitcoin取引ではナイジェリアに次ぐ第2位だった。ドーシー氏の計画は、2019年に同氏がアフリカ大陸を訪問した際に、主要な政治・技術関係者との会合の中で、アフリカ大陸で始まったばかりだった仮想通貨の利用について驚くべき言及をしたことに続くものだ。「アフリカが将来を決定づけるだろう(特にBitcoin分野で!)」と彼はそのときの発言だ

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(文:Manish Singh、Tage Kene-Okafor、翻訳:Aya Nakazato)

943.6億円と評価されたインドのQRコード決済サービスBharatPeが新たに113.1億円調達、新たなフィンテックユニコーン誕生か

インドでもうすぐ、また新しいフィンテックユニコーンが生まれるかも知れない。インド時間2月11日、ニューデリーに拠点を置く金融サービススタートアップのBharatPe(バラピ)は、9億ドル(約943億6000万円)の評価額の下に1億800万ドル(約113億1000万円)を調達した。なお2020年の評価額は4億2500万ドル(約444億9000万円)だった。

この創業3年のスタートアップのシリーズDラウンドを主導したのはCoatue Managementだ。Ribbit Capital、Insight Partners、Steadview Capital、Beenext、Amplo、Sequoia Capitalといった既存の機関投資家も、今回のラウンドに参加している。これによってBharatPeの株式による調達総額は2億3300万ドル(約243億9000万円)となり、負債額は3500万ドル(約36億6000万円)となった。

同スタートアップは、今回の新たな資金調達ラウンドの一環として、1717万ドル(約18億円)をエンジェル投資家と従業員にストックオプションとして還元したと述べている。

BharatPeの共同創業者であり最高経営責任者のAshneer Grover(アシュニー・グローバー)氏は「バランスシートに十分な資本(銀行に約209億4000万円以上の現金)を持つことになりました。この先着実に事業を進めて、2023年3月までに取引総額300億ドル(約3兆1000億円)を実現し、小規模加盟店相手の貸付残高を7億ドル(約732億8000万円)とする予定です」と語る。

BharatPeが運営しているのは、その会社名が表しているが、オフライン型加盟店がデジタル決済を受け入れ運転資金を確保できるようにするためのサービスだ。インドはすでに、6億人以上のユーザーを抱える世界第2位のインターネット市場として台頭しているが、国内の多くはオフラインのままだ。

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インターネットの届かないところで、ロードサイドのティースタンドや近隣のお店が、小規模に営まれている。こうした商店がデジタル決済を簡単に受け入れられるようにするために、BharatPeは政府がバックアップするUPI決済インフラを利用する、QRコードとPOS機を利用している。

インドでは、多くの大手企業やスタートアップが、近隣の小規模店舗にサービスを提供しようとしている

BharatPeは、2020年11月までに5万台以上のPoSマシンを設置し、1億2300万ドル(約128億8000万円)以上相当の月次取引を可能にしたという。同社は通常のQRコードアクセスに対しては加盟店への請求を行わないが、一方貸付で収益を得ようとしている。グローバー氏は、スタートアップの貸付事業が2020年には10倍に成長したという。

「この成長は、小商いの方々や近隣店舗のオーナーのみなさんから寄せられている信頼を、改めて証明しているものです。これは私たちの旅の始まりにすぎません。私たちは小規模店舗のみなさまにワンストップサービスを提供できる、インド最大のB2B金融サービス会社を構築することを真剣に目指しています。BharatPeにとって、商店のみなさまは常に、構築するすべてのものの核となる存在なのです」と同氏は述べている。

BharatPeの成長は、特にそれが商人を支援する最初のスタートアップではなかったことを考えると、すばらしいものだ。Bank of America (バンク・オブ・アメリカ)のアナリストは、顧客に対する最近のレポートの中で、フィンテックは勝者がすべてを取る市場ではないことを、BharatPeの存在が証明したと述べている。

TechCrunchがレビューしたそのレポートの中には「おそらくBharatPeは、この分野では後発者としての優位性を持っている。同社はUPI上でのQRコード利用を最初にサポートした業者の1つであり、商店に1つのQRコードを持つ利便性を提供した(最終的にはPaytmのような他の企業もそれに追随した)。フィンテックの同業者たちとは異なり、BharatPeは商店を教育するのではなく、すでに商店を教育した大規模な同業者のやり方に従っている」と書かれている。

現在75の都市で事業を展開している同スタートアップは、新たな資金を得て、全国でのネットワークをさらに拡大することを計画している。

カテゴリー:フィンテック
タグ:BharatPe資金調達QRコード決済インドユニコーン企業

画像クレジット:BharatPe

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(文:Manish Singh、翻訳:sako)

Twitterがインド当局のさらなる警告を受け500以上のアカウントを停止

Twitter(ツイッター)はインド時間2月10日、インド政府が同社の幹部に対して法的措置を取ると警告したのを受け、インド当局からの「いくつかの」命令に従うために、同国内で500以上のアカウントに停止措置を講じ、いくつかのハッシュタグの視認性を低下させたと述べた。

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Twitterは先週初め、インド政府の要請により、農業改革に関する農民の抗議活動へのリンクを含む数百のアカウントを停止していたが、その後、ユーザーの言論の自由を理由に数時間以内にその決定を取り消した。同社は2月10日に、それらのアカウントの大部分を再び停止したと述べ、そのうちいくつかのケースは恒久的に凍結するとともに、特定の表現が「トレンド」セクションに掲載されることを防ぐと公表した。

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同社は、それらのTwitterのアカウントはインド国内でのみブロックされていると述べ、同国政府による指示が国内法と矛盾していると考えているため、同国の外では表示されたままになるとしている。また停止されたアカウントの中に、ニュースメディア団体、ジャーナリスト、活動家や政治家に属するアカウントは含まれていないとも述べた。「そうすることは、インドの法律の下での表現の自由に対する基本的権利を侵害することになると考えています。当社は本日、MeitY(Ministry of Electronics and Information Technology、電子情報技術省)に我々の執行措置を通知しました」と同社は述べている。

同社はブログでこう書いている。「過去10日間にわたり、Twitterはインド政府電子情報技術省から情報技術法第69A条に基づき、複数のブロック命令を受けました」。

「このうち2つは緊急のブロッキング命令で、当社は一時的にこれに応じましたが、その後、インドの法律に合致すると思われる方法でコンテンツへのアクセスを回復しました。このことをMeitYに伝えた後、コンプライアンス違反の通知を受けました」と、サンフランシスコに本社を置く同社はつけ加えている。

インドでは何百万人もの農民が2カ月以上、ニューデリーの新法に抗議してきた。同社のアプリを通じて7500万人以上のユーザーにリーチしているTwitterは、この問題について意見を述べようとする人々にとって、最も重要なオンラインフォーラムの1つとして浮上している。

インドの俳優や政治家よりも多くのフォロワーを持つ歌手Rihanna(リアーナ)は先週、抗議行動を伝えるCNNのニュース記事を投稿し、「なぜ私たちはこのことについて話していないの!?」と質問を投げかけた。インド政府は、新法は農業のサプライチェーンを合理化することで農家や消費者を助けることを目的としていると主張している。同政府はまた、2021年1月、首都周辺の抗議行動の近くでインターネットサービスを一時的に停止した。

ニューデリーの農業改革を指したハッシュタグ「#modiplanningfarmersgenocide」(モディは農民大虐殺を計画中)を使ってツイートしたユーザーも多くいた。同社は、いくつかのアカウントやハッシュタグが、暴力の扇動、乱用、危害の希望とオフラインでの危害のリスクを誘発する可能性のある脅迫に関するTwitterのルールに違反していたと述べた。

TechCrunchの取材に対しTwitterの広報担当者は、単に農民や彼らの抗議を支持しているだけのハッシュタグは制限されていないと語った。

2021年2月初めにTwitterへ出した通知の1つで、インド政府は多くのユーザーが虚偽の威圧的な発言や挑発的なメッセージを共有していることへの懸念を表明していた。先週、同社が命令を遵守していた短い期間中、Twitterは著名人のアカウントをいくつか停止した。その中には、調査報道を行うニュース誌のCaravan(キャラバン)、政治評論家のSanjukta Basu(サンジュクタ・バス)氏、活動家のHansraj Meena(ハンスライ・ミーナ)氏、俳優のSushant Singh(スシャント・シン)氏、公共放送局Prasar Bharti(プラサール・バラティ)の最高経営責任者Shashi Shekhar Vempati(シャシ・シェカール・ヴェンパティ)氏、そして少なくとも2人のアーム・アードミ党の政治家、Preeti Sharma Menon(プレティ・シャルマ・メノン)氏とJarnail Singh(ジャルナイル・シン)氏などが含まれていた。同党は、デリーの首都特別地域を統治している。

Twitterがそのブロックを解除した後、インド政府は、同国の第69A条を引用して、Twitterとその幹部に対してより深刻な警告を発した。同法により、「7年まで延長することができる期間の懲役刑と罰金を科すことができる」というものだ。インド政府は、Twitterはインドで「裁判所の役割を担い、コンプライアンス違反を正当化することはできない」と述べた。

「当社は、我々がサービスを提供する人々を代表して表現の自由の権利を主張し続けるとともに、Twitterと影響を受けたアカウント両方のために、積極的にインドの法律下での選択肢を模索しています。当社は引き続き、Twitter上で発生している会話の健全さを守ることを約束し、ツイートは流れる(自由に動く)べきだと強く信じています」と同社は現地時間2月10日に述べている。

【更新(インド時間2月10日午後10時40分)】Twitter幹部のMonique Meche(モニーク・メシェ)氏(グローバル公共政策担当副社長)とJim Baker(ジム・ベイカー)氏(副顧問兼法務担当副社長)は現地時間2月10日、インド政府の電子情報技術省長官とバーチャル会議を行った。

インド政府が現地時間10日の夜に発表したプレスリリースによると、長官は「米国のキャピトルヒル(国会議事堂)での出来事の際にTwitterが取った措置を同社に再認識させ、インドのレッド・フォートでの騒動とその余波と比較した。2つの事件におけるTwitterの差別的な扱いに不満を表明した」という。また、「Twitterが『表現の自由』ではなく、むしろそのような自由を乱用し、公序良俗の乱れを挑発しようとする者たちの味方をしているのを見て、深い遺憾の意がTwitterの代表者に伝えられた」とも。

長官はまた、「インドの不和と不安を煽るために作り出された」運動を展開するためにTwitterが悪用されている疑惑について懸念を表明した。同省は、これは「容認できないものであり、Twitterは、インドに対するこのような組織的な運動に対して、現地の適用法を遵守し、強力な措置を取らなければならない」と述べた。

声明はこう付け加えている。「インドの恵まれたビジネス環境、オープンなインターネット、表現の自由への確固たるコミットメントにより、プラットフォームとしてのTwitterはここ数年でインドで大きく成長しました。Twitterはインドで活動する事業体として、インドの法律や民主主義的な制度も尊重しなければなりません。Twitterは、他の事業体が行うように、独自のルールやガイドラインを策定するのは自由ですが、インド議会によって制定されたインドの法律は、Twitterの独自のルールやガイドラインに関係なく守られなければなりません」。

「合法的に可決された命令は、どのような事業体にも拘束力があります。それらの命令には直ちに従わなければなりません。数日後に実行された場合、無意味になります。長官は、Twitterが不本意に、渋々、そして大きな遅れをとって命令の実質的な部分を遵守してきたやり方について、Twitterの幹部に深い遺憾を表明しました。彼はこの機会に、インドでは、その憲法と法律が最上位であることをTwitterに認識してもらいました。責任ある事業体であれば、国法を再確認するだけでなく、遵守することが求められます。インド政府は、Twitterが公式に偽、未検証、匿名、自動化されたボットアカウントのプラットフォーム上での運用を許可している管理方法は、同プラットフォーム上での透明性と健全な会話へのコミットメントに疑問を投げかけるものであることをTwitterの幹部に伝えました」とプレスリリースはつけ加えている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Twitterインド

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(文:Manish Singh、翻訳:TechCrunch Japan)

米SnapがインドでShareChatの動画アプリMojと提携しCamera KitのAR技術を展開

世界第2位のインターネット市場での成長を加速させようとしている米国のSNS・カメラアプリ大手Snap(スナップ)は、同社のCamera KitをインドのShareChatが運営するMojアプリに統合するパートナーシップを発表した。

さまざまな拡張現実(AR)機能をアンロックするCamera Kitの技術において、Snapがインドの企業と提携したのは今回が初めてであると両社は述べている(Snapは世界的には、Trillerを含む数社の企業とCamera Kitのため提携している)。

TechCrunchの取材に対し、Mojのクリエイターはアプリ内からSnapのAR技術を利用できるようになり、クリエイターが制作したレンズの一部はSnapユーザーが利用できるようになると、両社の幹部が語った。

米国時間2月10日の動きは、インドで人気のソーシャルネットワークであるMojを運営しているShareChatが資金調達のための努力を続けている中で発表された。Mojは十数カ国語の現地語に対応してユーザーを集めており、Google(グーグル)やSnap、Twitter(ツイッター)などの投資家と交渉中であると先にTechCrunchが報じていた。

関連記事:グーグルとSnapがインドの都市部以外でも人気のSNS「ShareChat」への投資を協議中

SnapのSVPであるBen Schwerin(ベン・シュヴェリン)氏はインタビューで、今回のコラボレーションは2つの企業間の関係の始まりであると語ったが、投資の件についてはコメントを避けた。

シュヴェリン氏は、8カ月のMojとのコラボレーションによって、Snapはインドのより多くのユーザーにAR技術のリーチを拡大できるようになると述べた。何年もインドへの進出に苦労してきたSnapは、ここ数四半期、インドで目覚ましい成長を遂げている。

Snapは2020年12月のインドにおける月間アクティブユーザー数が約8000万人(業界幹部がTechCrunchと共有した、モバイルインサイト会社App Annieのデータによる)で、1年前の約2500万人から増加している。

ShareChatはインドで1億6000万人以上の月間アクティブユーザーを獲得しており、2020年6月にインド政府がTikTok(ティックトック)を禁止した後に立ち上げたMojアプリは、同スタートアップによると同年9月には約8000万人のユーザーがいたという。

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インドでは多くのスタートアップが、同国でのTikTokの禁止に乗じてチャンスを生かそうとしている。インドのコングロマリットであるTimes InternetのMX PlayerはMX TakaTakを立ち上げ、ニュースアグリゲーターのDailyHuntはショート動画にJoshで拡大した。彼らの親会社(VerSe Innovation)は今週、1億ドル(約105億円)以上の資金調達を発表したが、これはGoogleが同スタートアップの別の1億ドル以上のラウンドに参加してから2カ月後のことである。

関連記事:GoogleがインドのスタートアップGlanceとDailyHuntに投資、世界第2位市場へさらに注力

世界的な大手企業もまた、この機会を利用しようとしている。Facebook(フェイスブック)は2020年、インドでInstagram Reelsを立ち上げ、YouTubeはShortsを立ち上げたが、これはすでにインドで毎日35億以上のビューを集めていると同社は先月述べた。

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Mojは、ローンチ時点でコミュニティ向けに30のSnapによるレンズをリリースしたが、今後数年間で400以上のレンズを開発し、その一部はインドのSnapchat Official Lens Creatorsと共同で開発する予定だと述べている。

「Mojのオーディエンスのためにカスタマイズされ、ローカライズされたARレンズのすばらしい選択肢が出てくるでしょうし、Snapだけでは見られなかったようなイノベーションやユースケースがたくさん出来てくると思います」とシュヴェリン氏は語り、これまでクリエイターたちはSnap用に150万以上のレンズを開発していると付け加えた。

ShareChatの製品担当SVPであるGaurav Mishra(ガウラフ・ミシュラ)氏は、インタビューの中で、このパートナーシップはMojユーザーたちがコミュニティとより深く関わり、群衆の中で際立つことを可能にするだろうと述べている。彼は、ShareChatがレンズの作成のために展開することを計画していたリソースのレベルを共有することは避けた。両社は、取引の財務条件を開示することを辞退している。

インド最大級のARクリエイティブ企業であるSuperFan Studioで働くHardik Shah(ハーディク・シャー)氏は、SnapのAR技術の普及は、インドのほとんどの人が利用できるレンズやフィルターの品質を向上させるだろうとTechCrunchに語った。

「ブランドは『あなたはどのディズニーキャラ?』という質問は2019年のものであり、2021年には捨てるべきだと気づく必要があります。時代遅れで陳腐な演出をするんだったら、AR体験はしない方がいい」と彼はいう。以下の動画は、SuperFan StudioがSnapプラットフォーム上で行った作品の一部だ。

 

カテゴリー:ネットサービス
タグ:SnapMojARインド

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(文:Manish Singh、翻訳:Aya Nakazato)

インドのジャンムー・カシミール地域で18カ月ぶりに4Gインターネット回線が復活

インドは、ジャンムー・カシミール連邦直轄領の4Gインターネットサービスを復活させていると、同地域の政府高官が現地時間2月5日に語った。2019年8月にインド政府がジャンムー・カシミール州の特別自治権を取り消す決定を下したことに対する潜在的な反発の広がりを抑えるため、このイスラム教徒が多数を占める地域に大規模な通信遮断を課してから18カ月後のことだった。

ジャンムー・カシミール政府のRohit Kansal(ロヒット・カンソール)主席秘書官は、4Gインターネットサービスが地域全体で復旧していると述べた。

インド政府は2020年、「同地域のインターネット無期限停止は不当である」とする最高裁の判決によって、Narendra Modi-led(ナレンドラ・モディ)首相率いる政府による「権力の乱用」が証明された後、同地域の20地区のうち2地区でインターネット規制を部分的に解除したが、速度制限(2Gインターネット)は維持していた。

関連記事:インド最高裁がカシミールのインターネット遮断は不当で「権力の乱用」と裁定

当時の制限解除は、Netflix(ネットフリックス)やAmazon(アマゾン)などのエンターテインメントプラットフォームや、The New York Times(ニューヨーク・タイムズ)など一部の報道機関を含む301の「ホワイトリスト」に入れられたサービスに適用されたが、多くのインドの報道機関や、すべてのソーシャルメディアはブロックされたままだった。住民の多くは、2G回線の速度が遅いため、メールやWhatsApp(ワッツアップ)のメッセージをチェックするのがやっとだと不満を漏らしていた。

1300万人以上の人々が暮らすジャンムー・カシミールにおけるインターネット禁止令は、民主主義国の中で最も長いものとなっている。

2020年8月、インド政府は最高裁に、ジャンムーとカシミール渓谷の1地区で「試験的に」高速インターネットの提供を開始すると述べた。同年末、政府はこの地域におけるブロードバンドサービスを再開した。インターネットの禁止は、ジャンムーとカシミールの市民にとって、数十万もの仕事に影響をおよぼし、数百万ドル(数億円)もの損失になっているとの批判を受けている。

非営利のインターネット擁護団体Access Now(アクセス・ナウ)の上級国際顧問でアジア太平洋政策ディレクターを務めるRaman Jit Singh Chima(ラマン・ジット・シン・チマ)氏は、今回の動きは歓迎できるが、しかし「以前の遮断は過剰であり、愚かにも繰り返されたことをはっきりさせておきましょう。すべてのジャンムー・カシミールの住民に間もなくインターネットが復活することをうれしく思います。彼らからそれを奪うことは、インドの憲法の下、彼らの権利を侵害するものです」と述べた

ジャンムー・カシミール州のOmar Abdullah(オマル・アブドラ)元首相は、「2019年8月以来初めて、ジャンムー・カシミールの全域で4Gモバイルデータ通信が復活します。遅かったけれど、解除されないよりは良いでしょう」と付け加えて、このニュースを祝福した。

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:インド

画像クレジット:HABIB NAQASH / AFP / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

PayPalが激戦地インドでの決済事業から撤退へ

米国の決済サービス大手PayPal(ペイパル)は、世界第2位のインターネット市場であるインドでの事業を開始してから4年足らずで、同国での国内業務を終了すると発表した。

「2021年4月1日からは、インド企業の国際的な販売を可能にすることに専念し、インド国内の製品から焦点を移していきます。これは、4月1日よりインド国内での決済サービスの提供を終了することを意味します」と同社の広報担当者は述べている。

PayPalは長い声明の中で同社のインドでの優先事項がシフトしたと述べたが、業務を縮小する理由は詳しく説明していない。最近のニュースでは、同社はインドで36万以上の加盟店と契約したものの、インド市場に浸透するには苦戦していると報じられていた。

インドの報道機関The Morning Contextは2020年12月に、PayPalがインドでの現地決済事業を見限ったようだと報じていたが、同社は当時この主張を否定していた。

同社の広報担当者はTechCrunchにこう語った。「優先事項のシフトにともない、一部のPayPal従業員は新しいチームに配属されました。当社は常に、可能な限り従業員への影響を最小限に抑えることを重視しています。全体的に、当社がインドで雇用している従業員は増加しており、減少してはいません。我々は現在、インド各地のオフィスで多数スタッフを募集しています」。

それにしても、この動きは意外だといえる。同社は2020年の時点で、インドのUPI(Unified Payment Interface、統一支払いインターフェース)を利用した決済サービスを構築していると述べており、インドへの投資の増加を示唆していた。

PayPalはまた、長年にわたり、チケットサービスのBookMyShowやMakeMyTrip、フードデリバリープラットフォームSwiggyなどの多岐にわたるインドの人気ビジネスと提携し、より迅速なチェックアウト体験を提供してきた。本稿執筆時点では、インドのPayPalのウェブサイトは、そうした参照をすべて削除してあるようだ。

インドは近年、モバイル決済企業にとっては世界最大の激戦地の1つとして浮上してきた。
Paytm、PhonePe、Google(グーグル)、Amazon(アマゾン)、そしてFacebook(フェイスブック)を含む多額の資金に支えられた企業の数々が、 2023年には1兆ドル(約105兆円)の価値があるだろうと推定されるインド市場でのシェアを増やそうと競合している。これらの企業のいくつかは、加盟店向けの様々な決済サービスも提供している。

2020年、インドの加盟店向けに14億ドル(約1475億円)相当の国際売上を処理したとする同社は、「インドの企業が世界で3億5000万人近くいるPayPalユーザーにリーチし、国際的に売上を伸ばすお手伝いをし、インド経済の成長回帰を支援するための製品開発」に今後も投資していく、とつけ加えた。

PayPalは10年以上前からインドでクロスボーダー決済サポートを提供している。インドに進出してからは、インドの消費者がオンライン加盟店で買い物をする際、現地通貨で支払うことを可能にしていた。

この記事は、PayPalから提供された追加の詳細を元に更新された。

カテゴリー:フィンテック
タグ:PayPalインド

画像クレジット:Yichuan Cao/ NurPhoto / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Aya Nakazato)

インドのゲームプラットフォームMobile Premier Leagueが100億円調達、評価額は5ヶ月で2倍

インドのゲームプラットフォームMobile Premier League(MPL)は新たな資金調達ラウンドで9500万ドル(約100億3000万円)を調達した。バンガロールを拠点とする、設立2年半のeスポーツとモバイルゲームの同プラットフォームが国際市場での成長を目指す中、前回のラウンドで9000万ドル(約95億円)を確保してからわずか5ヶ月である。

新しい9500万ドル(約100億3000万円)のシリーズDラウンドは、Composite CapitalとMoore Strategic Venturesによって主導され、同社によると、ポストマネーのバリュエーションは9億4500万ドル(約997億4000万円)となった。(2020年9月に行われた前回の資金調達ラウンドでは、約4億6500万ドル(約490億8000万円)と評価されたとTechCrunchが報じていた)。今回のラウンドにはBase Partners、RTP Global、SIG、Go-Ventures、Telstra Ventures、Founders Circle、Play Venturesも参加しており、これまでの資金調達総額は2億2500万ドル(約237億5000万円)にのぼる。

Times Internetにも支援されているMPLは、さまざまなトーナメントをホストする専業ゲームプラットフォームを運営している。インドで6000万人以上、インドネシアで350万人以上のユーザーを獲得しているこのアプリは、他のゲーム会社のための公開プラットフォームとしても機能している。MPL自身はゲームを開発していないが、現在アプリ上で複数のスポーツにまたがる約70種類のゲームをホストしている。

「当社が存在感を増し、拡大していく中で、今回の新たな資金調達は、我々のコアとなる価値提案である、ゲーマーにとって最高の機能を備えた安定しているプラットフォームと、最高のeSportsタイトルのオンボーディングに焦点を当てるのに役立ちます。インドのesportsコミュニティは著しく成長しており、インド製のゲームを世界に向けて発信し、インドのゲーマーがその才能を認められるようにするには絶好の機会だと考えています」と、MPLの共同設立者兼CEOであるSai Srinivas(サイ・スリニバス)氏は声明で述べている。

バンガロールに本拠地を置く同社は、近年インドの多くの地域で流行り始めたファンタジースポーツ(実在スポーツ選手の統計データに基づき、ユーザーが仮想チームを組んで仮想対戦を行うゲーム)も提供している。ファンタジースポーツはビジネスの一部に過ぎないため、現実世界の試合のほとんどをシャットアウトした新型コロナウイルスの流行は、同社の最近の数四半期の成長を妨げるものではなかった。

MPLの成長は、そのアプリをPlayストアで利用できないことから見ても、特に目覚ましい。Androidオペレーティングシステムはインドのスマートフォンの99%に搭載されているが、この世界第2位のインターネット市場において、GoogleはPlayストア上でファンタジースポーツアプリを許可していないのだ。

「当社は、もっと、もっとはるかに資金力のある、長い歴史のある、百戦錬磨の企業と競合していますが、我々の若いチームはここ数年で信じられないほどのことを達成しました。数年前にPlayストアに公開されたとき、MPLはインドで史上最速で100万人のDAU(日間アクティブユーザー)に到達したアプリでした!」と、MPLのマーケティング担当SVPであるAbhishek Madhavan(アビシェーク・マダヴァン)氏は昨年ツイートしている

「我々はまだ設立3カ月だったときに、Virat Kohli(ヴィラット・コーリ)選手と契約しました!Playストアから退出したときには、成長を続けるのは非常に難しいだろう、すべてのマーケティング指標が下降するだろうと言われました」とも。

MPLは、新鮮な資本を投入して国内でより多くのeスポーツトーナメントを開催し、今年は国際的な展開を加速させると述べている。同社は最近、100以上の大学から1万3000人以上のゲーマーが参加したCollege Premier Leagueを開催した。

Composite Capitalのマネージングディレクター、Kanush Chaudhary(カヌシュ・チャウダリ)氏は声明の中でこう述べている。「私たちは、MPLチームと提携し、彼らの継続的な成長をサポートできることに興奮しています。ゲーム市場における業界のリーダーとして、同社は、インドだけでなく国際的にeスポーツの進化を革新し、推進し続けると信じています」。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:インド

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(文:Manish Singh、翻訳:Dragonfly)

インド当局がTwitterによる同国農民の抗議運動に関するツイートのブロック解除に警告

インドが、Twitter(ツイッター)に通知を出した。その内容は、この米国のソーシャル企業が、ニューデリーの命令を遵守し、インドの農民による抗議運動に関連するアカウントやコンテンツをブロックすることを求めるもので、「裁判を想定したり、命令の不遵守を正当化しないように」とある。命令に従わない場合は、Twitterに対する罰則措置を求めることができると、この通知は警告している。

この警告の数日前に、Twitterはニューデリーの要求に従ってインドで知名度の高い数十のアカウントをブロックしたが、後に解除している。

Twitterは「裁判を想定し、不遵守を正当化することはできません。媒介であるTwitterは、情熱を喚起し、公の秩序に影響を与える扇情的なコンテンツについて、当局の求めに応じて指示に従う義務があります。公の秩序を乱す潜在的な影響についての当局の求めに対し、Twitterは上訴することはできません」と、通知には書かれている(TechCrunchはその概要のコピーを確認した)。

インドの電子情報技術省はまた、軽蔑的で事実に反するとみなしたツイートやハッシュタグが、今週インドで拡散していることに懸念を表明している。「問題のあるツイート / ハッシュタグはパブリックドメインに残っており、公序良俗に対する危害や損失および犯罪の遂行を扇動する危険をともないながら、何度もツイートやリツイートされていたに違いないことは明らかである」と、通知は述べている。

Twitterはコメントを拒否した。

3カ月以上にわたり、インドでは数万人の農民(に限らないが)が、2020年にNarendra Modi(ナレンドラ・モディ)首相の政府によって可決された農産物取引の自由化を目指す3つの法律に抗議してきた。

インドで7500万人以上のユーザーを抱えるTwitterは、この問題に対して意見を述べようとする人々の唯一最大のオンラインフォーラムとなっている。インドの俳優や政治家よりも多くのフォロワーを持つ歌手Rihanna(リアーナ)は、現地時間2月2日、インドの抗議行動を伝えるCNNのニュース記事を投稿し、「なぜ私たちはこのことについて話をしていないのか」とツイートした。

リアーナ
なぜ私たちはこのことについて話していないの!?

グレタ・トゥーンベリ
私たちはインドの#農民運動と連帯して立ち上がります。

Akshay Kumar(アクシャイ・クマール)氏、Ajay Devgn(アジャイ・デブグン)氏、Karan Johar(カラン・ヨハール)氏、Ekta Kapoor(エクタ・カプール)氏など、複数のインドの政治家や著名な俳優は、現地時間2月3日水曜日に「プロパガンダ」にだまされないようにとインド人に注意を促した。

アクシャイ・クマール
農民は我が国にとって極めて重要な存在です。そして、彼らの問題解決に向けた努力は明らかです。紛争の種を生み出す人に注目するのではなく、円満な解決に向けて支援していきましょう。

非営利のインターネット擁護団体Access Now(アクセス・ナウ)のシニア国際弁護士でアジア太平洋政策ディレクターのRaman Chima(ラマン・チマ)氏は、一連のツイートの中で、インドの電子情報技術省は、ソーシャルメディアプラットフォームを脅すのではなく、「なぜハンドル全体をブロックしたり、ハッシュタグの禁止を求めたりすることがインドの憲法に違反しないのかを説明する必要がある」と述べた。同省は透明性も権利も尊重していない、と同氏はいう。

「このような懸念と暴挙には反対、訂正、嘲笑、あるいは従事することのいずれかを自分で選ぶことができます。そのような議論を禁止、事前検閲するように求めることは、インドの憲法と国際人権法の茶番です。これは21世紀のインドが許すべきことではないし、我々の創設者たちが想定していたことでもありません。電子情報技術省は、実際の命令と政府の決定の背後にあるすべての文書を公開し、Twitterや他のソーシャルメディアのプラットフォームでこの問題を議論するべきです。隠すのではなく、これが違憲ではないことを説明し、正当化してください」。

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(文:Manish Singh、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Twitterがインド政府からの「法的要求」を受け、同地の著名人アカウントを停止

Twitter(ツイッター)は米国時間2月1日、インドで数十のアカウントへのアクセスをブロックした。そのうちのいくつかは、著名人のものだ。この動きは「法的要求」を遵守するためとされており、説明を求めるユーザーたちの間に混乱と怒りを巻き起こしている。

インドで停止されているアカウントには、調査報道を行うニュース誌のCaravan(キャラバン)、政治評論家のSanjukta Basu(サンジュクタ・バス)氏、活動家のHansraj Meena(ハンスライ・ミーナ)氏、俳優のSushant Singh(スシャント・シン)氏、公共放送局Prasar Bharti(プラサール・バラティ)の最高経営責任者Shashi Shekhar Vempati(シャシ・シェカール・ヴェンパティ)氏などが含まれている。

デリー連邦直轄地を統治するAam Aadmi Party(アーム・アドミ党)の少なくとも2人の政治家、Preeti Sharma Menon(プレティ・シャルマ・メノン)氏とJarnail Singh(ジャルナイル・シン)氏のアカウントも公開停止されている。

インドで進行中の農民による抗議活動に関連した、Kisan Ekta Morcha(キサン・エクタ・モルチャ)とTractor2Twitr(トラクター・トゥー・ツイッター)という少なくとも2つの人気アカウントも制限されている。

現地時間2月1日では、誰がこの法的措置によって、Twitterにインドでこれらのアカウントを制限するように促したのかは未確認のままだ。これらのアカウントは、国外のユーザーからは引き続きアクセスできる。少なくとも、政治評論家のバス氏の場合、Twitterはインド当局が彼を含むいくつかのアカウントに対して法的要求を出しているため、話し合いを行っていると、同氏に伝えていたという。

政府筋からの情報として、AFP通信のジャーナリストBhuvan Bagga(ブワン・バガ)氏は、インドの電子情報技術省(Ministry of Electronics and Information Technology)が、ハッシュタグを使って週末に虚偽、脅迫的、挑発的などの疑いがある投稿をした、約250のツイートやアカウントをブロックするよう、Twitterに指示を出したと、現地時間2月1日の朝に報じていた。「暴動への扇動は、公の秩序に対する重大な脅威であり、したがって電子情報技術省は、情報技術法のセクション69Aの下で、これらのTwitterアカウントやツイートのブロッキングを命じました」と、同氏はつけ加えた。この件に詳しい人物がTechCrunchにこの主張を裏づけた。

Twitterの広報担当者は声明の中で、次のように述べている。「多くの国には、ツイートやTwitterアカウントのコンテンツに適用される可能性のある法律があります。世界中の人々が当社のサービスを利用できるようにするための継続的な努力の中で、権限のある機関から適切な範囲の要請を受けた場合、特定の国においてある種のコンテンツへのアクセスを保留する必要がある場合があります。表現の自由を守るためには透明性が不可欠であり、当社では保留されたコンテンツへの通知ポリシーを設けています」。

Caravanの編集長であるVinod Jose(ヴィノッド・ホセ)氏は、TwitterはCaravanの出版社にアカウントを保留していることを通知していないと述べている。

Twitterがキャラバンの公式アカウントを停止しましたが、本誌へのアクセスはWebサイトから可能です。定期購読をしていない方はこちらから。caravanmagazine.in/subscribe

インドは今、これまで以上に果敢で公正なジャーナリズムを必要としています。

ということで、@thecaravanindiaのTwitterアカウントはインドでは停止されています。

信頼できるメディア、俳優、農民の擁護者など、何十ものTwitterアカウントがインドで今日ブロックされました。彼らに共通していたのは、政府の農民に対する扱いを批判することだったようです。

「セクション69A条とITブロッキング規則は、Twitterのような媒介がアカウントやツイートのブロッキングに関する情報を開示することを禁じています。ITブロッキング規則の16条の下に定められた秘密保持要件では、市民はオンラインコンテンツのブロッキングに抗議する権利を持っていますが、法的命令に訴える手段を持っていないため、それができないという奇妙な状況を作り出します」。ニューデリーを拠点とする権利擁護団体「Internet Freedom Foundation(インターネット・フリーダム・ファウンデーション)」は、市民がインド国内で直面するこの法律の限界を説明している。

今回の件は、数人のインド人ジャーナリストが、先週の農民による抗議行動に関する報道やソーシャルメディアへの投稿をめぐり扇動罪で告発されている時期に行われたものだ。訴えられているジャーナリストの中には、注目度の高いニュースキャスターのRajdeep Sardesai(ライディープ・サルデサイ)氏や、前述のCaravan編集長ヴィノッド・ホセ氏などがいる。

インドで約7500万人のユーザーを持つTwitterは、同国内での運営方法について長い間批判に直面してきた。

米国とは異なり、Twitterはこれまで、悲惨なことにインドでコンテンツの最低限の節度を保つ取り組みに失敗してきた。インドのほとんどのトレンドトピックは作為的なもの、集金目当てのもの、下品なもの、罵倒的なもの、役に立たないもの、時代遅れのもの、危険なもののいずれかであり、時にはそのすべてが表示される。

Twitterや他のプラットフォーム企業が、これと同じようなことを米国、フランス、ドイツで行いAtlantic、Nouvel Obs、Spiegelなどの投稿を隠して、法的な要求を受けたことについてきちんと説明を行わないなんて事態が想像できるでしょうか?

プラットフォームの運営に深遠な不平等が見られるのは困ったことです。

8月からインターネットが遮断されているカシミールについてのこの部分の「トレンド」はどうなっているのか非常に興味があります。広告というレッテルが貼られていません。ここで何が起こっているのですか、 @Jack?

【更新(インド時間2月1日午後11時30分)】Twitterはインド国内のユーザーのアカウントを制限してから12時間以上が経過した月曜日の夜(現地時間)、静かにそれらのアカウントを復活させた。同社は声明を発表していないが、事実確認サイト「Alt News(オルトニュース)」の共同創設者であるPratik Sinha(パトリック・シンハ)氏の以下のツイートが、この日の出来事を正確にまとめている。

何十ものアカウントを保留にした上で、ひっそりと元に戻したTwitterの不均衡な行動。いつものように、きちんとした説明はないでしょう。先日、右派は「lath bajao」としてデリー警察に農民に対する暴力を求めたが、Twitterはその間、すやすやと寝過ごしていました。

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(文:Manish Singh、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

インドが21/22年度予算案でギグワーカーへの社会保障給付を提案、最低賃金の保証も

インドのNirmala Sitharaman(ニルマラ・シタラマン)財務相は現地時間2月1日、同国が新型コロナウイルスの流行で深刻な打撃を受けた経済を復活させようとする中、予算演説でスタートアップのエコシステムとデジタルサービスの成長を加速させるための援助をいくつか提案した。

シタラマン氏は、政府はデジタル決済の採用を奨励するために1500クロール・インドルピー(2億5,530万ドル、約268億円)を確保していると述べた。市場のリーダーであるPaytm、Google Pay、PhonePeは、インドの人々のデジタル支払いを促進するために激しい戦いを演じているが、それと同時にこれらの企業は、中核となる決済サービスの実行可能なビジネスモデルを見つけるのに苦労している

多くの企業は、加盟店に対し取引手数料を請求することを防ぐために、加盟店割引率(merchant discount rate、MDR)を廃止するよう政府に求めていた(インドの企業は、支払いを処理する際に個人には課金しないことを合意しているが、加盟店に対しては課金できるようにする必要があると合意している)。この点についての発表はなかった。

今回の予算案はまた、ギグワーカーやその他のプラットフォーム・ワーカーに社会保障給付金を拡大適用し、これらの労働者の就職を支援するウェブサイトを立ち上げることも提案している、とシタラマン財務相は述べた。これらの労働者は最低賃金で保護されると、同氏は演説の中で述べている。さらに、女性はすべてのカテゴリーで働くことが許され、夜勤中も十分な保護を受けながら働くことができる、とも。「同時に、登録・免許の一元化、オンラインでの申告により、事業主のコンプライアンス負担も軽減されます」。

予算案の中で、シタラマン氏はまた、スタートアップの従業員が株式を売却する際に適用される、いくつかの減税措置を提案した。

「スタートアップは、その形成期には、一般的に従業員株式所有制度(Employee Stock Option Plan、ESOP)を利用して、優秀な従業員を惹きつけ、維持します。ESOPは、これらの従業員の報酬の重要な構成要素となっています。現在ESOPは、行使時に特典として課税されています。これは、すぐに株式を売却せず、長期的に保有し続ける従業員にとっては、キャッシュフローの問題につながります。スタートアップ企業のエコシステムを後押しするために、そして従業員の税金の負担を軽減するために、納税義務を5年間延期するか、または退社するか、株式を売却するかのいずれか早い方まで課税を延期することを提案します」と同氏は述べた。

同国はまた、中小企業の定義を拡大し、資本金の基準値を現行の50ラッハ・インドルピー(約68750ドル、約721万円)から2クロール・インドルピー(約275000ドル、約2885万円)に引き上げることを提案している。これにより、より多くの企業が中小企業の傘の下に入り、税制上の優遇措置などの関連する恩恵を受けられるようになる。

「また、初期の数年間は、スタートアップ企業がこの控除を利用するのに十分な利益を出していない可能性があるという事実を考慮して、控除対象期間を従来の7年から10年に延長することを提案します」とシタラマン氏は言った。

予算案はまた、一人会社の設立のためのインセンティブを提案し、シタラマン氏は、企業が「払込資本金と売上高に制限されることなく成長し、いつでも他のタイプの会社への転換することを可能にし、インド国民が一人会社を設立するための居住制限を182日から120日に削減し、また、非居住者の国民がインドで一人会社を法人化することを可能にする」動きを支援すると述べた。

業界の幹部たちはここ数週間、インドが昨年から外国企業に課し始めたデジタルサービス税に対処することも期待していると述べていた。これは新予算では取り上げられなかった。

シタラマン氏はまた、インド政府は国内製造業を強化し、エレクトロニクスのバリューチェーンへの大規模な投資を誘致することを目的とした計画を策定する予定だと述べた。同氏は「ここでは、携帯電話、エレクトロニクス、半導体パッケージングの製造を促進することに焦点を当てた計画を提案します。詳細は後日発表されます」と述べている。2021/22年度予算案の完全な要約はこちらで読める。

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カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
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(文:Manish Singh、翻訳:Nakazato)

インド政府がビットコインなどの民間発行仮想通貨を禁止する法律を提出へ

インドはBitcoin(ビットコイン)といった民間の仮想通貨を国内で禁止し、公的なデジタル通貨を創設する枠組みを提供する法律を、今国会の予算会期中に導入する予定だ。

下院のウェブサイトで公開されたアジェンダでは、同法は「インドにおけるすべての民間仮想通貨を禁止する」ことを目指しているが、「仮想通貨の基礎となる技術(ブロックチェーン)とその利用を促進するための一定の例外を認める」 としている。

また同法案はインドの中央銀行であるReserve Bank of India(RBI、インド準備銀行)が発行する「公式デジタル通貨の作成を促進する枠組みを作る」ことも求めると、アジェンダに記載されている。

2018年、インド政府の委員会はすべての民間の仮想通貨を禁止するよう勧告し、違反者には最長10年の懲役刑を求刑した。また同委員会は、政府が電子版の法定通貨とその導入方法を検討するように提案した。

当時RBIは、この動きは国の金融システムの「リングフェンシング」を抑制するために必要だと述べていた。またビットコインやその他の仮想通貨は金属でできておらず、物理的なかたちで存在しているわけでもなく、政府によってスタンプが押されているわけでもないため、通貨として扱うことはできないと主張していた。中央銀行による2018年の通知は、仮想通貨を取引するサービスを提供するいくつかの国内スタートアップや企業にパニックを起こした。それらの企業のほとんどは廃業したり、他の市場にサービスを提供するために転業したりしている。

この提案に対して、複数の取引所やトレーダーが最高裁判所に提訴した。最高裁判所は2020年、彼らに有利な判決を下した。この判決は「歴史的」だと評価されたが、政策レベルでは、初期の通達に影響を与えなかった。

「政府は今議会中に法案の導入を検討しており、決定を下す前にすべての利害関係者の意見に耳を傾けると確信しています」と、インドの仮想通貨取引所であるCoinDCXの共同設立者兼最高経営責任者Sumit Gupta(スミット・グプタ)氏は述べている。

「我々は他の利害関係者と話し合っており、政府とのより深い対話を開始し、どうすれば私たちが団結して健全なエコシステムを作ることができるかをアピールしていくでしょう」。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:仮想通貨インドBitcoin

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(文:Manish Singh、翻訳:塚本直樹 / Twitter

グーグルがゲームのロイヤリティプログラムを巡るインドの混乱を受けてPlayストアの規約を更新

Google(グーグル)は、開発者が許可されている行為と禁止されている行為を理解しやすくするために、ゲームを使ったロイヤルティプログラムに関するPlayストアのポリシーを更新・拡大した。数カ月前、この規約をめぐる混乱が、Android最大の市場であるインドで、ユーザーによる反発を引き起こした

同社は米国時間1月28日、アプリ内で現金または現実世界の現金に相当する特典の賞品を提供する、ゲームを使ったロイヤリティプログラムに関して、アプリ内の適切な金銭取引に基づくガイダンスを規定すると発表した

多くのアプリが、ユーザーを引きつけて獲得するために、アプリ内でゲーム要素を利用したロイヤリティプログラムを実行している。Googleは2020年に、Paytm(ペイティーエム)、Zomato(ゾマト)、Swiggy(スウィギー)など、いくつかのインドのスタートアップ企業に、アプリ内における賭博行為を禁止する規則に違反しているとの通知を送った。Googleはこれらの企業に対し、このようなギャンブル性の高いゲーム機能を削除するように求めていた。更新されたポリシーは、世界中の開発者を対象にしていると、同社は述べている。

インドで最も評価されているスタートアップであるPaytmは、Googleが自社アプリであるGoogle Payでインドのユーザーを獲得するために使っているのとまったく同じ手法を、Paytmが使うことをGoogleは妨害したと主張していた。規約違反と見なされた後、PaytmのアプリはGoogleによって一時的にPlayストアから削除されていた。

この2社間のやり取りのみならず、その数週間後に起こったPlayストアにおける同様の措置は、Googleが同国で保持している力を規制するように政府の介入を求める、インドのスタートアップ企業による連合を誕生させた。

「インドのアプリ開発者は、インド独自の機能やサービスを積極的に構築しています。ミニゲームやクイズなどのゲーム化技術を利用して、ユーザーを喜ばせ、得意客に変えることもその一例です。これらの体験は、重要なお祭りやスポーツイベントの期間中に開始されることが多く、特定の時間枠内で適切に行うことが非常に重要です」と、Googleの製品とAndroidのセキュリティ&プライバシーを担当するSuzanne Frey(スザンヌ・フレイ)副社長はブログ記事で書いている。

同社は依然としてインドで本当の賭博アプリを許可していないが、世界中の開発者は、より明確なルールを持つことになるため、それぞれの戦略を伝えることができるようになると述べている。

「これは、過去数カ月の間に、インドや世界中のスタートアップのCEOと話し合った際に、議論したことの1つです。そして、2021年の最初のポリシーアップデートの一環として、ロイヤリティプログラムと機能に関するポリシーを明確にし、簡素化することにしました」と、フレイ氏は書いている。

Googleの広報担当者は間もなくガイドライン全文の要点を発表すると、TechCrunchに語った。

【更新】Googleが新しいガイドラインを発表した。米国と他の数カ国(インドを除く)ではデイリーファンタジースポーツアプリを許可するようになったが、そのようなアプリがPlayストアの課金システムを利用することは許可されない。ポリシー変更は2021年3月1日から適用される。

今回の更新の一環として、Googleは開発者を支援するための有益な情報やベストプラクティスを収めた「How Google Play Works」も公開した。「このサイトには、開発者が成功と規模拡大のために活用できるプログラムに関して、インド固有の情報も含まれています。ユーザーにとって、このサイトはGoogle Playプラットフォームの重要な側面を理解するのに役立ち、いかにユーザーのセキュリティと保護が、我々の全業務の中心にあり続けるかを説明しています」と、レイ氏は書いている。

米国時間1月28日に行われたオンライン発表で、今回のアップデートはGoogleが2021年に計画している発表のうち最初に行われるものであり、今後もより多くの業界からのフィードバックに耳を傾けることを約束すると、GoogleのAndroidとGoogle Play担当VPのSameer Samat(サミーア・サマット)氏は語った。

GoogleとJio Platform(ジオ・プラットフォームズ)の次期スマートフォンについて

スタートアップネットワークのTiE Delhi-NCRが主催したイベントで行われた幅広い討論の中で、サマット氏は、Androidを搭載したスマートフォンをインドのより多くの人々に届けるために、Googleが行っている取り組みについても語った。2020年、Googleはインドの通信事業者Jio Platformsに45億ドル(約4700億円)を投資すると発表した。この提携の一環として、両社は低価格のAndroidスマートフォンに取り組むとしている。

「インドは世界で最も急速に成長しているスマートフォン市場ですが、一定の価格帯の端末が不足しており、多くの消費者の購入を妨げています」と、サマット氏は述べた。「我々はAndroid Goでエントリーレベルの端末向けにAndroidを最適化してきました。このプロジェクトの要点は、価格を抑えたエントリーレベルのハードウェアでAndroidを実行できるようにすることです。現在、1億台以上のAndroid Goスマートフォンが市場に出回っていますが、我々はそれ以上のことをする必要があります」。

サマット氏は、同社がJio Platformsと開発している「エントリーレベル」の端末に、ハイエンドのスマートフォンに備わっている数々のサービスをもたらそうとしていると語った。「より手に入れやすい価格の携帯電話が、より品質の低い携帯電話という意味であってはいけません」と、サマット氏は語り、これらの端末が、これまでスマートフォンを使用していなかったユーザーを直接対象とした異なる消費者インターフェースを持つことを示唆した。

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(文:Manish Singh、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

進出から7年半で6775億円投じたインドでアマゾンは多くの問題に直面している

2014年にインドを訪れた際、Amazon(アマゾン)のCEOであるJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏は派手な発表を行った。同社が業務を開始してまだ1年しか経っていないインドに20億ドル(約2080億円)投資するというものだ。

Amazonの発表は、インドがいかに外国企業に対してオープンになったかを印象付けた。1947年の独立から1991年の自由化までの間、外国大手企業にほぼ門戸を閉ざしてきたインドは自らをゆっくりと世界最大のオープンマーケットへと変身させていた。

2014年にテレビで放映されたインタビューで、ベゾス氏はインドが事業を行うのに簡単な場所ではないとの認識はあったと述べた。しかし同国におけるAmazonの成長は、そうした考えが正確でないことの証しだったと語った。

「障害があるでしょうか。常にあります。どこへ行こうとも、どの国にも規制や規則があります」とベゾス氏は述べた。

それから6年、追加で45億ドル(約4690億円)投資したAmazonは現在、これまでになくインドで障壁にぶつかっているようだ。インドは6億人超のインターネットユーザーを抱える世界第2位のインターネット市場だ。

インドの長年変わっていない法律は、まだインドで黒字化を達成していないAmazon、そして在庫を持たない、あるいは消費者に直接販売する他のeコマース企業を縛ってきた。こうした状況を回避するために企業は在庫を持つ会社として操業しているインド企業との合弁会社という迷路を通じて事業を展開してきた。

インド政府は2018年後半にそうした抜け穴を塞ぐ動きに出た。当時、インド国内ではAmazonに対するそれまでで最大の反対運動があちこちで見られた。AmazonやWalmart(ウォルマート)傘下のFlipkart(フリップカート)は急いで数十万ものアイテムを店舗のリストから除外し、関連会社への投資をより非直接的なものにした。

そしてインドは現在、アプローチをさらに厳しいものにしようとしている。ロイターは先週、関連会社が親会社を通じてセラーの非間接出資を持つことすら禁じる対策に変更を加えることをインド政府が検討していると報じた

8000万の事業者を代表しているとうたうインドの商業団体である全インド商業連合は、インドの商務大臣Piyush Goyal(ピユシュ・ゴヤル)氏が現在のルールの違反疑いについての懸念をすぐに解決すべく取り組んでいると同連合に保証したとロイターに語った

来るべき政策変更は、世界最大のeコマース会社がインドで抱える多くの頭痛の種の1つにすぎない。

インドの実在店舗小売事業者はAmazonがインドで不平等な慣行を採用していると長らく懸念を示してきた。2020年のベゾス氏インド訪問中に小売事業者たちは抗議を展開した(画像クレジット:SAJJAD HUSSAIN/AFP via Getty Images)

Amazonは同社と仲違いしているパートナーであるFuture Group(フューチャーグループ)とReliance Retail(リライアンスリテイル)の提携を阻止しようと果敢に戦っている。Future GroupとReliance Retailはインド第1位と第2位の小売業者だ。

2020年、Future Groupは小売、卸売、ロジスティック、倉庫業をReliance Retailに34億ドル(約3550億円)で売却すると発表した。2019年にFuture Group傘下の非上場企業の1社の株式を購入したAmazonは、Future Groupが契約を破り、インサイダー取引を行ったと主張している。

過去10年にテック大企業や投資家がインドにeコマースマーケットを創り出すために200億ドル(約2兆800億円)超を投じてきたにもかかわらず、オンライン小売がインドの小売全体に占める割合はまだ1桁だ。

近年、Amazon、Walmartそして数多くのスタートアップがこの事実を受け入れ、インド全国に点在する何万もの街角の小売店との協業を模索している。

インド最大の企業の1つ、Mukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ氏)のReliance Industriesの子会社であるReliance Retailと通信大企業Jio Platformsはeコマースに参入し、2020年にFacebook(フェイスブック)やGoogle(グーグル)といった世界の大企業から出資を受けた。Future Groupへの大きな投資を追求することはAmazonがインドでの成長を加速させることができる方法の1つだ。

インド企業同士の取引を覆そうとする試みにおいて、これまでのところAmazonの旗色は芳しくない。2020年、Amazonは取引を阻止しようと、インドの独占禁止監視機関であるインド競争委員会(CCI)とインド証券取引委員会(SEBI)に判断を求めた。どちらの組織もFuture GroupとReliance Retailの取引を認めると裁定した

Amazonはこの結果を予見していたに違いない。というのも、法的手続きをシンガポールの仲裁裁判所で開始したからだ。同社がインド国外で法的手段を取ることを選んだのは驚くことではない。

シンガポール国際仲裁裁判所(SIAC)に持ち込まれるケースのほとんどは近年インドからのものだ。同裁判所で扱われているケースで有名なものとしては、インドに200億ドル超を投資し、そして何十億ドルもの納税を同国に求められたVodafone(ボーダフォン)がある。インドで敗訴した後、同社は2020年にシンガポールの仲裁裁判所で勝訴した。

Amazonは1月25日、デリー高等裁判所に請願を出した。請願の中で同社はSIACの裁定の執行(SIACは2020年、取引は一時停止されるべきと命じた)と、インド企業がCCIとSEBIの判断に基づいて取引を進めるのを防ぐことを求めている。

Amazonは、Future Groupが「故意に悪意を持って」SIACの国際仲裁の裁定に従わなかった、と主張している。請願の中でAmazonはFuture Groupの創業者で会長のKishore Biyani(キショール・ビヤニ)氏の拘束も求めている。

「自国のために声を上げる」

2020年、インドが新型コロナウイルス(COVID-19)の封じ込めに格闘していたとき、インドのNarendra Modi(ナレンドラ・モディ)首相は国民13億人にインドが「自立」して「声を発する」ことができるようにしようと呼びかけた。

内向きへの進路変更は、2014年に首相に就任してからの数年で約束したものとは対照的だ。かつてモディ首相はこれまでよりも外国企業を受け入れるようにすると約束した。近年、インドは米国企業を弱らせる規制を提案したり施行したりしたが、Amazonほどに苦しんでいる企業は他にない。

2020年にインド政府は同国で提供されるデジタルサービスの外国企業の請求書に2%の税金を課した。米通商代表部(USTR)は2021年1月初め、インドが「世界中で導入されている他のデジタルサービス税の対象ではない」デジタルサービスの数々の部門に税を課している、と述べた。

インドでの米国企業に対する税金の総額は年3000万ドル(約31億円)を超えるかもしれないことがUSTRの調査で明らかになった。結局、インドのデジタル税は国際税の原則と一貫性がなく、不合理で、米国の商業を苦しめたり制限したりするものだった。

モディ首相のインドにとっての新しい生き方は、Reliance Industriesの会長でモディ首相の仲間、そしてインドで最も裕福なアンバニ氏の耳に心地よいものとなるだろう。

200億ドル超のJio Platformsの株式、60億ドル(約6250億円)超のReliance Retailの株式を多くの海外投資家に売る前、アンバニ氏は2019年にかの有名なスピーチを行い、愛国的な言葉でインド人のデータを守る必要性を主張した。

「我々はデータの植民地化に対して、共同で新たな運動を立ち上げなければなりません。このデータ駆動型の革命でインドが成功するには、インド人のデータの所有をインドに移行させる必要があります。インド人の富をあらゆるインド人の手に戻すのです」とアンバニ氏は述べた。

なぜそんなにも多くの海外企業がReliance傘下の企業に投資したのかは、いまだに大きな疑問だ。米国企業のシニアエグゼクティブは匿名を条件に、4億1000万人超の契約者を抱えるインド最大の通信ネットワークであるJio PlatformsとReliance Retailへの投資はインドにとって既視体験であり、数十年前、インドで事業を展開する方法の1つが、政治的に大きな影響力を持つ地元企業との提携だった、とTechCrunchに語った。

Google(グーグル)の元ポリシー担当役員で現在は非営利のデジタル支援団体Access Nowで働くRaman Chima(ラマン・チマ)氏は一連のツイートの中で、Googleが2011〜2012年に「インド政治のリスクについて調べる」のにRelianceのような企業と提携し、投資することを検討していたと主張した。

この考えはGoogleの価値についての懸念を呼び起こした、と同氏は述べた。「その議論に加わっていた複数のエグゼクティブがRelianceの評判、特に政策に関わる公務員や政治家への影響力に対する問題のあるアプローチ、金、政府とビジネスの関係における倫理について懸念を示しました」。

Amazonは2020年にReliance Retailの数十億ドル(数千億円)もの株式の取得に興味があったと噂されたが、両社は互いに関わることを止めたようだ。

インド人民党(BJP)の議員Ram Kadam(ラム・カダム)氏と同党を支持する労働者によるバンドラクアラ警察署の外でのAmazon PrimeウェブシリーズTandavに対する抗議、2021年1月18日、インド・ムンバイ(写真:Pratik Chorge/Hindustan Times via Getty Images)

Amazonがこうした問題を整理している中で、先週、別の問題が持ち上がった。Amazon Prime Video向けミニシリーズのインドの制作会社とその上級役員が刑事訴追の恐れにさらされている。モディ首相が率いる党が、その番組がインドで大多数を占めるヒンドゥー教徒に不快感を与えるものだと判断した。

ヒンドゥー教の愛国主義者グループ、インド人民党の政治家、インドの下層カーストを代表するBJPグループのメンバーはミニシリーズ「Tandav」の9パートとAmazonを相手取って警察署に被害届を出した。同社は圧力に屈し、いくつかのシーンに手を加えた。

「『Tandav』に対する苦情の真の理由は、番組が不快なほどにインド社会やモディ氏の政権による問題を映し出しているからだろう。オープニングエピソードで番組は抗議する学生や不満を持った農民を取り上げ、ここ数カ月の出来事を映し出していた」とニューヨークタイムズ紙は書いている

Amazonの別の番組「Mirzapur(ミルザープル 〜抗争の街〜)」もまた信心や地域的な感情を傷つけ、町の名誉を毀損したとして先週、刑事告訴された。インド最高裁判所は「Mirzapur」の制作会社に通知を出し、回答を求めた。

前述のインタビューの中でベゾス氏は、Amazonの仕事は遵守が求められる各国独自のすべての規則に従い、「そうした規則に事業慣行を適合させる」ことだと語った。

インドで同社は、一体どれくらい事業慣行を進んで適合させようとしているのか尋ねられることが増えている。人々が気にかけるAmazonでなくなるのに、一体どれくらい事業慣行を進んで曲げるのだろうか。

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(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

インド政府のTikTok禁止継続を受けてByteDanceが現地従業員を解雇

中国インターネット大手ByteDance(バイトダンス)は、インド政府が先週TikTok(ティクトック)と他の中国のアプリの禁止措置を維持したことを受け、同社のインド従業員にチームの規模を縮小すると伝えた。この件に詳しい情報筋が明らかにし、またTechCrunchも内部メモを入手した。報道を受け、TikTokの広報担当は従業員の解雇を認めている。

インドで2000人超を雇用している同社は現地時間1月27日午前10時に従業員に情報を共有し、重要な職務のみ維持されると伝えた、と情報筋は述べている。従業員の3分の2以上が解雇される見込みとのことだ。2020年6月下旬に大量のアプリを禁止したインド政府がいつTikTokが復活できるのか方向性を明確に示さなかったため、ByteDanceは他に選択肢がなかったと述べた、と情報筋は匿名を条件に語った。

「インドで2000人超の従業員を半年以上サポートしてきましたが、従業員数を削減するより他にないことを大変遺憾に思っています。TikTokを再び展開できる機会を得てインドの数億人ものユーザー、アーティスト、ストーリーテラー、教育者、パフォーマーをサポートすることを楽しみにしています」とTikTokの広報担当はTechCrunchに話した。

禁止前、世界第2位のインターネット市場であるインドでのTikTokの月間アクティブユーザーは2億人で、TikTokにとってインドは最大の海外マーケットだった。インド政府は、中国との地政学的緊張が高まっていた2020年、中国と関連のある200以上のアプリを禁止した。これらのアプリは「究極的にはインドの主権と高潔さを損なう、インドの国家安全保障と防衛にとって脅威となる活動に関与した」とインド政府は述べている。

先週、インド政府はByteDanceと数十の中国企業に、最初に提起した懸念がまだ残っていて禁止措置を維持すると伝えた。

TikTokのCEOであるVanessa Pappas(ヴァネッサ・パッパス)氏とグローバルビジネス担当VPのBlake Chandlee(ブレイク・チャンドリー)氏は1月27日に従業員に宛てたメモの中でより詳細に流れを伝えた。「我々は当初、措置が短期的なものになることを、そしてこの問題をすばやく解決できることを願っていました。しかし7カ月が経ち、そうはなりませんでした。みなさんの多くがどのような結果につながるのか辛抱強く待ちました。かなりのストレスをともなうものでした。当社を信頼し続けてくれたことに感謝しています」と2人は書いている。

「想像できるかと思いますが、この大きな決断は簡単なものではありません。ここ数カ月間、経営チームは解雇を回避しようと精力的に取り組んできました。経費を削減し、その一方で福利厚生は提供し続けています。しかしながら、アプリが禁止されている間は全従業員を雇用し続けることはできないのです。今回の決断がインドの従業員に及ぼす影響を十分に承知しており、我々の思いはチームとともにあります」。

解雇の動きは、インドのByteDance従業員にとっての奇妙で混乱の日々を締めくくるものだ。禁止措置後も従業員はインドで禁止されていないByteDanceの生産性アプリLarkのような他のさまざまなアプリの開発に専念するよう言われていた。

しかし、そうしたByteDanceの他のアプリが憂き目にあうリスクを回避するために、これらアプリについて公では話さないよう従業員は求められていた。情報筋はByteDanceがインドでの他のサービスの販促をすべて停止した、とも語った。

「インドにいつ戻ってこれるかわからない一方で、回復力には自信を持っていて、その時が来たら復活します」とパッパス氏とチャンドリー氏はメモに書いた。

1月27日の声明の中で、在インド中国大使館の広報官Ji Rong(ジ・ロン)氏はインドの中国アプリ禁止措置は世界貿易機関(WTO)のガイドラインに反していると述べた。「WTOの無差別の原則と市場経済の公正な競争の原則に違反するこうした動きは、中国企業の正当な権利と利益を著しく損なっています。中国は断固反対します」。

「中国政府は常に、中国企業が海外で事業を展開するときに国際ルールと地域の法律・規則の遵守を求めています。インド政府はWTOのルールと市場原則に従い、中国企業を含む海外投資家の正当な権利と利益を保護する責任があります。また、インド政府が取ってきた行動は同国の事業環境の改善と産業関連のイノベーティブな開発を妨げています。中国とインドの経済・通商での協力は本質的に双方にとって有益です。我々はインドにただちに差別的措置を是正し、二国間協力にさらなる害を与えないよう求めます」。

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カテゴリー:ネットサービス
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(翻訳:Mizoguchi