Thimbleはロボティクス・キットとZoom授業による自宅学習で子どもたちにSTEMスキルを教える

パンデミックの間、自宅学習に縛り付けられている子ども持つ親たちは、バーチャル授業で失われた手を動かす実践学習を行う新たな活動を探さなければならなかった。ニューヨークを拠点とするエドテックのスタートアップThimble(シンブル)は、STEM(科学、技術、工学、数学)学習が行えるキットをサブスクリプションで提供し、この問題に対処している。これに参加した子どもたちは、送られてくるロボットや電子回路などのプロジェクト実習用キットを使って学べるほか、ライブのオンライン授業を受けることができる。

Thimbleは2016年、Kickstarter(キックスターター)のプロジェクトとして始まった。そのとき、STEM教育向けロボティクスとプログラミングのキットは45日間で30万ドル(約3100万円)の資金調達に成功している。翌年、そのキットの販売が、おもにニューヨークの学校に向けて開始され、授業や放課後の課外活動で使われるようになった。それから数年が経過し、Thimbleは顧客ベースを、ニュヨーク、ペンシルベニア、カリフォルニアのおよそ250の学校に拡大し、キットの販売と、教師向けトレーニングを提供してきた。

しかし、COID-19(新型コロナウイルス)のパンデミックにより、Thimbleの事業の方向性が一変した。

「多くの学校がパニックモードでした。何が起きているかもよくわからず、そのため予算もしばらく凍結されていました」と、Thimbleの共同創設者でCEOのOscar Pedroso(オスカー・ペドロソ)氏は話す。彼は教育畑の出身だ。「私たちがトップの顧客と見なしているところでも、『いや、今はそれどころじゃない。学校を閉鎖することになりそうだ』と言うのです」

ペドロソ氏は、学校ではなく子どもの保護者に直販するよう、すぐに方向転換すべきだと悟った。

写真クレジット:Thimble

4月ごろに、同社は切り替えを断行した。実質的に、初めてB2C市場に参入したことになる。

現在同社は、サブスクリプション型のサービスを保護者に提供している。それには、15種類のSTEMプロジェクト学習用キットと、教育者によるライブ授業などのカリキュラムが含まれる。ひとつのキットは3カ月かけて送られてくるが、もっと早く手に入る迅速なプログラムもある。

最初のキットは、たとえばドアベル、キッチンタイマー、作曲ツールといった単純な電子回路の作り方を子どもたちに教えるエレクトロニクスの基礎編。キットは、子どもたちの興味と、もっとやりたいという気持ちを持続させるために、「即座に成功」を体験できるようデザインされている。それが、Wi-Fiロボット、小型ドローン、光るLEDコンパス
、自分でDJ遊びができるシンセサイザーといった将来の高度なキットにつながってゆく。

写真クレジット:Thimble

子どもたちのエレクトロニクスやロボティクスの実践学習を支援するこれらのキットは、どの家庭でも使えるが、サブスクリプション登録者のおよそ70パーセントは、すでにロボットや電子回路の工作に慣れている子どもを持つ家庭だとペドロソ氏は話す。残りの30パーセントは、これを使ってロボティクスやエレクトロニクスの概念を子どもに教え、興味を示すかどうかを確かめたいと考えている家庭だ。また利用者の約40パーセントが女の子だという。

個別にDIY工作を行うのに比べて、月額59.99ドル(約6200円)というサブスクリプションは高価だが(1年契約なら月あたり47.99ドル:約5000円)、毎週1時間のZoomを使ったライブ授業が含まれているためでもある。Thimbleには、プロジェクトの教え方の専門家というだけでなく、情熱的でエネルギッシュで、子どもが問題を抱えていたりイライラしているとわかればすぐに手を差し伸べる、子どもたちを惹きつける授業が行えるパートタイムの講師が揃っている。5人いる講師のうち2人が女性。2カ国語を操り、スペイン語で授業できる講師も1人いる。

授業中は、1人の講師がプロジェクトの進め方を教える間、別の講師がチャットルームを担当し、授業に関する子どもたちからの個別の質問に応じる体制になっている。

ひとつのライブ授業は15〜20人の子どもを対象にしているが、もっと少人数のグループのためのパッケージも用意されている。これは、ホームスクーリングの「ポッド」などのグループで利用されている。

写真クレジット:Thimble

「私たちは、ポッドから、そしてマイクロスクールから意見を聞くようになりました」とペドロソ氏は話す。「そこでは、つながりを持った保護者たちが、同じクラスで子どもたちを学ばせたいと望んでいます。そうしたグループでは、概してもっと親密な授業やカスタマイズが求められます」と彼は言う。

これに対応したサブスクリプションは月額270ドル(約2万8000円)と高くなるが、グループの保護者たちで折半できるため、家庭ごとの費用は安くなる。顧客ベースのほとんどが個別の家庭だが、全体のおよそ10パーセントがこのプランを利用している。

Thimbleはまた、子どもへの資金援助でサブスクリプション費用をさらに安くできるよう、一部の市場のコミュニティーや非営利団体とも協力している。こうした機会は、利用が可能になったときに、学校、ニュースレター、その他の販促方法を通じて知らされる。

サブスクリプションに方向転換してから、Thimbleは顧客ベースの再構築を行い、現在は有料顧客数が1110件を数える。だが一部には初期の価格設定のまま継続されているものもあるため、Thimbleは事業規模を拡大する必要がある。

Kickstarterの他にも、その年Thimbleは資金調達を行い、ボストンのLearnLaunch、ワシントンD.C.のHalcyon、コロラドのTelluride Venture Acceleratorなど複数のアクセラレーターの協力を得て事業を進めている。

ピッツバーグのJoel Cilli(ジョエル・チリ)氏と共同創設したこのスタートアップは、現在、100万ドル(約1億300万円)のシードラウンドで60パーセントほどの調達を行っているが、現時点の詳細は明らかにされていない。

画像クレジット:Thimble

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(翻訳:金井哲夫)

KiZUKAIが「toCサブスクリプションサービスのカオスマップ」2021年版を公開

KiZUKAIが「toCサブスクリプションサービスのカオスマップ」2021年版を公開

サブスクリプション事業者向けLTV/解約率を改善するサービス「KiZUKAI」を提供するKiZUKAIは1月12日、「toCサブスクリプションサービスのカオスマップ」2021年版を公開した。

同カオスマップでは、動画などのデジタルコンテンツ」と、教育などの「サービス・健康・教育」、家具・家電の「物品・レンタル」の3つを大枠カテゴリーと設定。2021年版の特徴は、特にコロナウイルスの影響が大きく、在宅の時間が増えている中で、それに適するサービスが拡大しているという。

  • デジタルコンテンツ:「動画共有サービス」「無料の動画配信サービス」「有料の動画配信サービス」などインターネット上の動画の利用が大きく伸びた。外出自粛による影響や、1年を通して各サービスでTVCMなどのプロモーションがより一層強化されたこと、各サービスとも話題となるオリジナルコンテンツが配信していること、見逃し配信の浸透による認知度の向上などの要因から利用率、利用経験者の比率が伸びたと考えられる
  • サービス・健康・教育:コロナ禍で在宅勤務の機会が増え、ビジネスに役立つ講義の動画をインターネットで視聴できる社会人向けオンライン学習が伸びている。利用者数が前年比で5倍以上に増えたサービスもあり、多くの企業では通常勤務に戻りつつあるものの、これを機に自身の能力向上に取り組む動きが浸透していく傾向にある
  • 物品・レンタル:新型コロナウイルスの感染拡大により消費活動が落ち込む中、サブスクリプションサービスを使用して、生活に彩りを添える新たな分野に人気が集まっている。提供ジャンルは、車・家具・衣料品・絵画・花など多岐にわたる

KiZUKAIが提供する「KiZUKAI」は、国内初のサブスクリプション事業者向けLTV/解約率を改善するサービス。顧客データの収集・蓄積と顧客分析を自動化するとともに、複雑な顧客データの活用を容易にし、LTV/解約率の改善を支援している。

今後様々なサービスがサブスクリプション化していく中で、顧客のサービス利用の「継続率」を高めることは最重要テーマとなると指摘。サブスクリプション事業者はKiZUKAIを活用することで、顧客の理解をより深めるとともに、顧客ごとに応じたコミュニケーションを実現し、顧客にとって必要なサービス改善に取り組めるようになるとしている。

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タグ:カオスマップ(用語)KiZUKAIサブスクリプション(用語)日本(国・地域)

衛星データ活用の宇宙スタートアップSynspectiveが災害時の浸水被害を評価するサブスク発表

衛星データ活用の宇宙スタートアップSynspectiveが災害時の浸水被害を評価するサブスク発表

衛星データ解析によるソリューション提供および小型SAR(合成開口レーダー)衛星の開発・運用を行うSynspective(シンスペクティブ)は12月11日、水害発生時に、全天候・高頻度観測による信頼性の高いSARデータによる、被害情報を迅速に提供する「Flood Damage Assessment Solution」のサービス提供を開始したと発表した。

Flood Damage Assessment Solutionは、災害対応のための浸水被害(浸水域、浸水深、被害道路、被害建物)を評価するサブスクリプション型サービス。

災害が発生した際は、広範な被害状況の一次情報に基づいて迅速に対応する必要がある。その際SAR衛星は、従来の光学衛星や飛行機・ドローンでの観察方式と違い全天候型の地上観測が可能なため、発災時の天候や時間帯に関わらず、より広範な地域の浸水被害の有無を迅速に把握できる。

さらに、AI技術など最先端分析手法を活用することで、より迅速に道路・建物などの施設への影響範囲を特定可能。

洪水発生時に、被害状況を一次情報に基づき迅速に評価する必要がある保険・金融業界・政府向けとして、SAR衛星による安定した高頻度データ、AI技術など最先端分析手法を活用し、サブスクリプション型サービスとしてウェブ上で提供。ユーザーの視点に立ったUI/UX構築にこだわり、衛星データの知識がなくても直感的に解析結果を理解できるソリューションとして実現させている。

Synspectiveは、自社初の実証衛星である小型SAR衛星「StriX-α」(ストリクス アルファ)を2020年内に打ち上げ予定。将来的にはこの「StriX」によるコンステレーション(衛星群)を構築し、そこから得たSARデータをソリューションに用いることで、より高頻度で安定したモニタリングが可能となるとしている。

2018年2月設立のSynspectiveは、データに基づき着実に進歩する世界の実現を目指し、衛星による観測データを活用したワンストップソリューション事業を行うスタートアップ企業。内閣府「ImPACT」プロジェクトの成果を応用した独自の小型SAR衛星により高頻度観測を可能にする衛星群を構築。その衛星から得られるデータの販売、および、それらを利用した政府・企業向けのソリューションを提供している。

リスク管理をテーマに開催された「UNDERSTANDING RISK FORUM 2020」カンファレンスにおいて、Singapore Space and Technology Ltd(SSTL)は、世界銀行が支援する東南アジア災害リスク保険施設(SEADRIF)と共に、洪水の範囲とその結果として生じる被害とニーズをより適切に分析するのに役立つソリューションを選定するため「SSTL x The World Bank HADR Challenge Pitching Session」を実施。

同HADR Challengeに参加したチームは、衛星画像から得られたリアルタイムの洪水範囲を、他の既存のデータセットやリアルタイムのデータソースからの洪水深度情報を活用したソリューション開発に挑戦。Synspectiveは「Flood Damage Assessment Solution」を活用した提案で、ファイナリスト4社に選ばれた。

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カテゴリー:宇宙
タグ:サブスクリプション(用語)Synspective日本(国・地域)

最初の1杯が毎日無料になるBARのサブスク「mellow」運営のJapanFuseが資金調達

最初の1杯が毎日無料になるBARのサブスク「mellow」運営のJapanFuseが資金調達

最初の1杯が毎日無料になるBARのサブスク「mellow」提供のJapanFuseは12月9日、資金調達を発表した。引受先は、サムライインキュベート運営の「Samurai Incubate Fund 6号投資事業有限責任組合」。

京浜急行電鉄とサムライインキュベートが共同運営するオープンイノベーション・コミュニティ「AND ON SHINAGAWA」(アンドオン)において提供している、起業支援プログラム「AND ON Startup Garage」の第1号出資として、JapanFuseに対してプレシード出資・成長支援が実施される。

調達した資金は、サービス基盤の構築により一層力を入れ、BAR経営者と利用者双方にとって価値あるサービスにすべく邁進する。

同社は、mellowについて、店舗経営と顧客体験の双方の視点から飲食業界の最適化を志すサービスとして位置付け。個人経営BARの集客システムにおける課題や、BAR利用者における入店・注文・決済における課題の解決を通して、飲食に関わる人々の日常がより豊かになる世界を目指すとしている。

mellowは、「自分に合ったBARの探し方がわからない」「どのようなカクテルを注文すれば良いかわからない」「お会計の料金が高そうで不安」というBAR初心者と、「客数の減少」という課題を抱える店舗側をつなぐことを目的に、加盟店において月額2000円で最初の1杯が毎日無料になるサブスクサービスおよびアプリ。

ユーザーは、各BAR店舗内で流れている音楽をはじめとしたより詳細な情報や、ユーザー属性から最適なBARをレコメンドする機能によって、自分に合ったBARを探すことができる。店舗側は、アプリへの情報掲載に加え、オンラインチケット機能を使った顧客情報管理の一元化が可能となる。

なお現在mellowでは、招待制のクローズドβ版でアプリを運営しており、横浜・みなとみらいエリアを対象としたリーン検証を実施中という。渋谷エリアでのテスト拡大の準備をしており、「iOS(iPhone)ユーザー」「横浜または渋谷に生活エリア(住居、職場など)があること」の条件に該当するテスターを募集している。詳細は、プレスリリースを参照。

AND ON SHINAGAWAは、「デジタル時代のモビリティ×ライフスタイル」を生み出すイノベーション創出に向け、モビリティやその周辺領域(=Urban Tech)に特化し、スタートアップや大企業などによる事業共創の加速を目指す「オープンイノベーション・コミュニティ」。

品川駅至近の拠点におけるスタートアップ向けのオフィススペースの提供や、ピッチイベント・ワークショップなどの開催を通じ、関係プレーヤーのネットワーク化を図っているという。

現在、AND ONには30社以上のスタートアップが会員として加入。また「AND ONパートナー」としてアセットを持つ大手企業や自治体が参画している。

京急電鉄が、東京都におけるイノベーション・エコシステム形成促進支援事業「認定地域別協議会」に品川・蒲田・羽田空港エリアの主幹事企業として認定されるなど、同コミュティは地域のエコシステムの中核として進化を続けている。

AND ON Startup Garageは、常設・出資即決型の起業支援プログラム。応募事業に対し、サムライインキュベートによる事業創造レクチャー、約1ヵ月間のメンタリングの実施、ピッチ審査を経て、サムライインキュベートが運営するファンドから最大1000万円の出資判断を行う。

出資に至った企業へはAND ONが継続的にサポートを行い、京急グループやAND ONのコミュニティ・ネットワークを活用し、1年以内の「社会実装」を目指す。

Samurai Incubate Fund 6号投資事業有限責任組合は、サムライインキュベートが2018年に組成したオープンイノベーションファンド。創業期の起業家・スタートアップへの出資・成長支援に特化しながらフォローオンも実施。京急電鉄は、同ファンドへの事業シナジーを目的とする戦略的出資を実行している。

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カテゴリー:ネットサービス
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カーボンオフセットを推進するドイツの自動車サブスクプラットフォームfnn.autoが25.2億円調達

所有する代わりにサブスクリプションで自動車を提供し、カーボンオフセットを推進するFinn.auto(フィン・オート)は、シリーズA投資ラウンドで2000万ユーロ(約25億2000万円)を調達した。Tier Mobility(ティア・モビリティー)にも出資しているWhite Star Capitalと、Zalando(ザランド)の共同創設者Rubin Ritter(ルービン・リッター)氏、David Schneider(デイビッド・シュナイダー)氏、 Robert Gentz(ロバート・ジェンツ)氏が今回このラウンドに新規に参加している。以前からの投資者も全員参加した。

この資金は、設立1年に満たず、自動車サブスクリプションをわずか1000件販売しただけの時期にもたらされた。同社は、Deutsche Post AG(ドイツポスト)とDeutsche Telekom AG(ドイツテレコム)とも提携している。

同様のサブスクリプションサービスは、 Drover(ドローバー)、LeasePlan(リースプラン)、Wagonex(ワゴネクス)といったプロバイダーを通じて数多くの自動車メーカーからも提供されている。

英国に拠点を置くスタートアップDorverは、5つのラウンドを通じて合計4000万ドル(約4160万円)を調達した。最新のシリーズB投資ラウンドには、Shell VenturesとCherry Venturesも参加している。さらに、Audi on Demand(アウディ・オン・デマンド)、BMW、Citroën(シトロエン)、DS、Jaguar Carpe(ジャガー・カルペ)、Land Rover Carpe(ランドローバー・カルペ)、Mini(ミニ)、Volkswagen(フォルクスワーゲン)、Care by Volvo(ケア・バイ・ボルボ)といったブランド自動車メーカーによるサービスも存在している。

デジタルで推進されるサブスクリプションサービスには、従来型の自動車販売モデルを崩壊させる潜在力があり、常に新しいスタートアップが市場参入を果たしている。

finn.autoのモデルは、環境意識の高いミレニアル世代に訴えるものとなっている。サブスクリプション1件ごとに、同社はその車両の二酸化炭素排出量をオフセットする。つまり、利用者はカーボンニュートラルなかたちでクルマに乗れるということだ。現在同社は、純電気自動車の車種も増やし、ClimatePartner(クライメットパートナー)と組んで、一部地域の気候保護や開発プロジェクトを支援している。

ミュンヘンを本拠地とするこのスタートアップで重要な役割を果たしているのが、車両管理工程と顧客対応の自動化だ。つまり、こうしたサブスクリプション関連の作業を、ずっと簡単かつ安価で行うこgとができる。

Finn.autoのCEOであり創設者のMax-Josef Meier(マクス・ヨーゼフ・マイヤー)氏はこう話す。「このような高い手腕を持つ投資家に参加してもらえたこと、そして以前からの支援者である投資家のみなさんが今回のラウンドで信頼を固めてくれたことに、大変にうれしく感じています。自分のクルマで移動することは、インターネットで靴を買うのと同じぐらい手軽なものとなります。私たちはすでに、豊富なブランドの自動車を取り揃えていますが、どれも私たちのプラットフォームで、わずか5分で柔軟なランタイム環境からオンライン注文いただけます。その後も、車をご自宅の玄関先までお届けする利便性を誇ります」。

White Star CapitalのジェネラルパートナーであるNicholas Stocks(ニコラス・ストックス)氏は「自動車販売分野には、時代遅れの顧客体験を全体的に洗練させる、また自動車業界のAmazon(アマゾン)になるという大きなチャンスがあります。その点において、利便性、柔軟性、価値、持続可能性を提供するFinn.autoは、投資対象として秀でています」と付け加えた。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Finn.autoサブスクリプションカーボンオフセット

画像クレジット:finn.auto

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(翻訳:金井哲夫)

乳幼児向け知育玩具・おもちゃのサブスク「トイサブ!」運営のトラーナが約1億円を調達

乳幼児向け知育玩具・おもちゃのサブスク「トイサブ!」運営のトラーナが約1億円を調達

乳幼児向け知育玩具・おもちゃのサブスクリプションレンタルサービス「トイサブ!」を展開するトラーナは12月7日、既存株主からの追加投資(フォローオン投資)による総額約1億円の資金調達を発表した。引受先は、ANOBAKA、サムライインキュベートの2社が運営する各ファンド。

調達した資金により、4年後の2024年に「トイサブ!」ユーザーを10万名にまで増やすべく、高機能な社内管理システム開発の加速、ユーザーのサービス体験を向上するプロダクトの提供を目指す。また、ユーザーに提供する価値を最大化するために、テックリードエンジニア、プロダクトデザイナーを迎え、テクノロジーとデザインによるサービス価値増強を図る。

システムエンジニアリングへの投資を一層強めていくと共に、既存ユーザーを含めた「親子時間」の当事者である、すべての子どもとともにある人々への認知・関心を届けるマーケティング施策も進めていく。

さらに、同社経営組織をより強固なものにしていくため、経営管理体制の充実への投資を惜しみなく行い、しなやかな組織体制の実現に向けて邁進するとしている。

トイサブ!は、2015年11月より運営を開始した、0歳3ヵ月〜満6歳の乳幼児向け知育玩具・おもちゃのサブスクリプションレンタルサービス。2020年11月時点で約7000名のユーザーが利用しているという。

同サービスでは、最短2ヵ月ごとに乳幼児向け知育玩具・おもちゃ6点(4歳以上はおもちゃ5点)の交換が可能。申し込み時やおもちゃ返却時のアンケートをもとに、同社専属プランナーが各家庭に最適なおもちゃを選定し、成長の著しい乳幼児に定期的におもちゃを届ける。

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カテゴリー:ネットサービス
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コーヒー豆サブスク「PostCoffee」運営のPOST COFFEEが資金調達、ポップアップストア開催

コーヒー豆サブスク「PostCoffee」運営のPOST COFFEEが資金調達、ポップアップストア開催

コーヒー豆のサブスクリプションサービス「PostCoffee」運営のPOST COFFEEは12月1日、第三者割当増資による資金調達を2020年11月に実施したと発表した。引受先は、丸井グループ子会社D2C&Co.、三井住友海上キャピタ(MSIVC2020V投資事業有限責任組合)、サムライインキュベート(Samurai Incubate Fund 6号投資事業有限責任組合)、既存株主のセレス。

また同社は、コーヒーボックスのカスタマイズを体験し購入できるポップアップストア(期間限定ストア)の開催を明らかにした。開設場所は渋谷MODI(渋谷モディ) 1F。期間は12月12日~15日。

  • 場所:渋谷MODI(渋谷モディ)1F 〒150-0041 東京都渋谷区神南1-21-3
  • 日時:2020年12月12日~15日
  • 営業時間:11時〜20時

今回の資金調達により、資本業務提携を行ったD2C&Co.をはじめパートナー企業との連携、コーヒーやRTD(Ready To Drink。購入後すぐ飲める飲料)製品の生産・製造体制の強化、マイクロロースターと消費者を結ぶプラットフォームの構築、エンジニア、マネージャークラスの人材採用などを加速し、企業価値を向上させる。

またD2C&Co.との資本業務提携により、渋谷モディでのポップアップストア出店を皮切りに、全国のリアル店舗でも新しいコーヒー体験を提供し、オンラインとオフラインがシームレスにちながったユーザー体験の構築を目指す。

PostCoffeeは、コーヒーの定期便サービス。「ライフスタイルを進化させる」をミッションに、「毎日のコーヒーを、もっと美味しく、スマートに」をビジョンとして、おいしいコーヒーとの出会い、新しいコーヒーライフを提供している。

同サービスでは、10個の質問からなるコーヒー診断により、約15万通りの組み合わせからライフスタイルに合ったコーヒー3種類・淹れ方・頻度・価格を提案。

ユーザー専用のコーヒーボックスとして、診断から導き出された3種類のコーヒー、カスタマイズした砂糖・粉末ミルク・フィルターなどのセットを1ヵ月ごと(または2週間ごと)に送付する。コーヒーがなくなってしまった場合は、追加での注文も可能という。欲しいコーヒーを選んで購入(1280円/150g)すると、最短翌日で届けるという。

2020年2月より正式にサービスを開始したところ、ベータ版(2019年3月〜2020年1月)と比較し、半年で会員登録数が10倍に成長したという。またリリースしてからのコーヒー診断が行われた回数が累計10万回を突破。コロナ禍でのテレワーク推進や巣篭もり消費の影響もあり、自宅でコーヒーを淹れる生活をスタートする方が増えているそうだ。

コーヒー豆サブスク「PostCoffee」運営のPOST COFFEEが資金調達、ポップアップストア開催

今回開催のポップアップストアでは、コーヒー診断をもとに顧客それぞれに合わせたオリジナルのコーヒーボックスを作り、プロのバリスタのレクチャーで試飲や抽出を体験できる(体験には事前予約が必要)。プロのバリスタとコミュニケーションを取ることで、さらなる好みの探求が可能という。

コーヒー豆サブスク「PostCoffee」運営のPOST COFFEEが資金調達、ポップアップストア開催

この際に、PostCoffeeが常時揃えている約30種類のコーヒー豆の中から、自分に合ったコーヒー3種類をセットにしたボックスを作り、持ち帰ることができる。ポップアップストア限定のPostCoffeeオリジナルマグカップ、グラス、おすすめコーヒー3種類のコーヒーボックスなども購入できる(物販は予約不要)。

コーヒー豆サブスク「PostCoffee」運営のPOST COFFEEが資金調達、ポップアップストア開催

コーヒーボックス作成体験(要予約)

  • 予約サイト:「PostCoffee Offline Popup Store 体験予約」で予約
  • 料金:1名あたり税抜1980円。1つの予約につき、2名まで来店可能。代表者のみ事前決済を行い、別途1名は当日店舗で決済
  • 体験時間:45分程度

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カテゴリー:フードテック
タグ:コーヒーサブスクリプション(用語)資金調達(用語)D2C(用語)POST COFFEEPostCoffee日本(国・地域)

おやつのサブスク「snaq .me」のスナックミーがおつまみサブスク「otuma .me」をローンチ

おやつのサブスク「snaq .me」のスナックミーがおつまみサブスク「otuma .me」をローンチ

おやつのサブスクサービス「snaq .me」(スナックミー)を運営するスナックミーが、11月23日よりおつまみのサブスクリプションBOX「otuma .me」(オツマミー)の販売を開始した。

otuma .meは新型コロナウイルスの感染拡大により、自宅での「宅飲み需要」が増えたことがきっかけで誕生したサービス。2週間または4週間に1度、おつまみ7種類の入ったBOXが自宅のポストに送付される。現在用意しているおつまみは全50種類。理論上の組み合わせは1000万通りあるため、お酒の種類と掛け合わせれば長期的にも飽きずに楽しめそうだ。ちなみに会員登録時に「嫌いな食べ物」を入力できるため、それを避けたラインナップで届けてもらえるのもうれしいポイント。価格は1BOXあたり税込1980円(送料込み)。

おやつのサブスク「snaq .me」のスナックミーがおつまみサブスク「otuma .me」をローンチ

扱っている商品はsnaq .me同様、素材にこだわり人工添加物を使用せずオールナチュラルがメイン。たとえばドライスライスサーモンは北海道産の新鮮な鮭を味わえるよう、昆布・かつお・しいたけの3種の出汁と、さんま魚醤・米黒酢といったナチュラルな調味料で味付けしている。現在はジャーキーやドライフルーツなどの乾き物がメインだが、今後はレトルトや缶詰などのおつまみも加わる予定だ。

同サービスの今後の展開についてスナックミー代表取締役の服部慎太郎氏は、「snaq .meと同様にブランドを育てていきながら、食品・飲料メーカーとのコラボレーションなどとの共同開発も検討している。お酒とのペアリングに最適なおつまみやアルコールドリンクなどを開発し、晩酌の楽しみを広げていきたい」と話す。

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カテゴリー:フードテック
タグ:otuma.meサブスクリプション(用語)食品(用語)スナックミーsnaq.me日本(国・地域)

フォートナイトに月額約1250円のサブスクバンドル追加

Fortnite(フォートナイト)の無料プレイモデルが、同バトルロイヤルタイトルの大成功の大きな原動力となったことは間違いない。Epic Gamesがこのゲームの収益性に大きな問題を抱えていないことは明らかだ。2019年は収益が落ち込んだものの、それでも18億ドル(約1880億円)という巨額の利益を得ることができた(24億ドル、約2500億円という驚異的な収益を下回るが)。

Epicは投資に事欠かなかったが(未訳記事)、常にいくらかの余分な現金を使用することができた。以下の理由のために。

米国時間11月24日、Epic Gamesは標準的な小額の支払いに加えて、新たなサブスクリプションプランを発表した。また、いくつかのアイテムの割引も提供される。

月額11.99ドル(約1250円)のFortnite Crewは、プレイヤーにフルシーズンのバトルパス、1000V-Bucksの月額報酬、そして専用のコスチュームがセットになったクルーパックを提供する。通常のバトルパスは数ドル安く、一般的には数カ月程度の使用が可能で、それに比べるとかなり割高だ。また1000 V-Bucksの場合も同様で、約8ドル(約840円)の価値がある。

このプランはゲームのChapter 2、Season 5とともに12月2日に発売される。最初のパックにはGalaxiaのコスチュームが含まれている。これは宇宙をテーマにしたスーツで、ユニコーンヘッドのツルハシも付属する。スター・ウォーズシリーズの「The Mandalorian(マンダロリアン)」のような人気コンテンツも、いずれ登場するかもしれない。確かに有名なIPへの独占的なアクセスは、月額課金の魅力をさらに高める方法になるだろう。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:FortniteEpic Gamesサブスクリプション

画像クレジット:Epic Games

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

完全キャッシュレスカフェ運営のカンカクが資金調達、新店舗出店に加えサブスク・EC拡充

完全キャッシュレスカフェ運営のカンカクが資金調達、新店舗出店に加えサブスク・EC拡充

ジェネシア・ベンチャーズは9月7日、同社運営のGenesia Venture Fund 2号(GV-2)が、「カンカク」のシリーズAラウンドにおいて出資したと発表した。同ラウンドの出資者は、コーラル・キャピタル、Heart Driven Fund(アカツキ)。またカンカクは、資金調達ととともに、コーヒー豆のオンラインショップ運営のCotteaをM&Aにより事業買収した。

カンカクによる調達資金の主な用途は、以下の通り。

  • 2021年春頃までをめどに、渋谷と六本木にて新店舗を出店予定。サブスクおよびECの拡充
  • エンジニア・デザイナー・PMなどの職種を中心に採用本格化
  • 店舗運営とアプリ開発のノウハウを生かし、様々な領域の企業との提携を視野に入れながら、飲食業界のDX推進

またカンカクは、資金調達ととともにCotteaをM&Aにより事業買収。Cotteaは、アンケートに回答するだけで16種類のコーヒー豆から自分の好みに合った味が見つかる、コーヒー豆のカスタマイズオンラインショップ。今回のCottea買収により、カンカクとしてEC事業を強化することに加え、店舗運営との連携および店頭商品の拡充に取り組む予定。

カンカクは、「Building the next city.」(新しい都市をつくる)をビジョンに掲げ、インターネットと非インターネットの垣根がなくなることを目指し「リアル業態」での事業を展開。完全キャッシュレスのパーソナライズドカフェ「TAILORED CAFE」では、専用のモバイルオーダーアプリ「COFFEE App」で事前注文を行うと、待ち時間なくスムーズに商品を受取れる。2020年2月、月額定額プラン「メンバーシップ」を開始した。

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「ストンジャー・シングス」などNetflixがパソコンとAndroidで映画、ドラマの人気作品を無料配信中

ビデオストリーミングの大手、Netflixはこれまでも新規ユーザー獲得のために一部の国で1、2作を無料で公開してきた。しかしこのほど同社は世界中で人気作品多数を無料公開し始めた。

無料公開されているのはNetflix自身が制作したオリジナル作品で、映画では「マーダー・ミステリー」、「バード・ボックス」、「2人のローマ教皇」、テレビシリーズでは「ストンジャー・シングス」、「エリート」、「ボス・ベイビー」、「ボクらを見る目」、「グレイス&フランキー」、「私たちの地球」などが含まれ、同社がカバーする200カ国近い国々で配信が開始されている。

ただしシリーズ番組の場合、無料で視聴できるのは第1話のみだ。その後、視聴を続けたい場合はメンバー登録するよう勧められる。映画は全編が視聴できる。本編視聴前に30秒の広告が流されるがこれはスキップできる。

広報担当者はTechCrunchの取材に対して「Netflixの素晴らしさを体験してもらうことで新しいユーザーを獲得しようとこのキャンペーンを始めた」と述べた。

Netflixによればユーザーは無料視聴を開始するためにアカウント作成などの手続きをする必要はない。無料視聴が開始されたことに最初に気づいたのはOnlyTechブログでウェブブラウザからのみアクセスができた。NetflixのサポートページによればAndroidのブラウザからもアクセスできるという。ただしiOS上のブラウザはサポートされていない。

ユーザー獲得のためにNetflixが人気タイトルを無料公開するのはこれが初めてではない。同社は今年の第2四半期末で1億5100万人のサブスクリプション登録者を持つ巨大ネットワークだが、ロマンティックコメディの「好きだった君へのラブレター」を米国マーケットで無料公開した(未訳記事)ことがある。

Netflixはオリジナル作品の「Bard of Blood」を制作国であるインドで無料公開したことがある。またコメディの「Patriot Act with Hasan Minhaj」をYouTubeにアップしている。同社では最初の2本だけの予定だったがその後、全編をYouTubeで公開した。

しかしこのような実験的試みとは違って、今回Netflixは看板番組多数(正確には10コンテンツ)を全世界で公開した。この無料公開がいつまで続くのか同社では明らかにしていない。

インドといえばアジア最大のエンターテイメント市場でもあり、同社ではこの地域で多数の新しい試みを行なっている。例えば新しいユーザーは最初の1カ月が数セント(数十円)でサービスを利用できるようにすることを検討しており、また現在非常に手ごろなプラン(未訳記事)も試している。

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カテゴリー:ネットサービス

タグ:Netflix サブスクリプション

画像クレジット:Netflix

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

D2Cのキャットフードのスタートアップ「Smalls」が約9.5億円を調達

犬の飼い主がドッグフードをオンラインで注文しようと思ったらD2Cの選択肢がたくさんあるが、キャットフードにはそうしたスタートアップの波は来ていないようだ。しかしこの状況は変わりつつあるのかもしれない。

2020年3月に筆者はCat Personという企業に関する記事を書いた(未訳記事)。フードをはじめとする猫用の製品を幅広く提供するHarry’s Labsが支援しているスタートアップだ。そして2018年に創業したキャットフードのスタートアップであるSmallsは、米国時間8月5日にシリーズAで900万ドル(約9億5000万円)を調達したことを発表した。

共同創業者のMatt Michaelson(マット・マイケルソン)CEOとCalvin Bohn(カルビン・ボーン)COOは、D2Cのドッグフードのモデルを単純に猫に適用するわけではないと語る。

ボーン氏は「これまでずっとペットケア業界の企業がまず手がけるのは犬で、その後、猫用の製品に手を広げる」という。

マイケルソン氏は、企業は猫の栄養に関するニーズを見過ごしてきたという。特に「我々が本当に成功するためには、もっと幅広い製品が必要だということがわかった。猫は頂点捕食者なので食べ物の好みがうるさい」と同氏は述べる。

そこでSmallsは、ヒューマングレードの新鮮な鶏肉や牛肉、フリーズドライの鶏肉や七面鳥、鴨肉といったバラエティに富んだフードの他、おやつ、そしてトイレ砂やおもちゃなどフード以外の製品も提供している。

マイケルソン氏とボーン氏の出発点は、フードを調理していたニューヨーク市のアパートのキッチンだった。その後、調理系の起業支援をしているThe Brooklyn Food Worksに移った。Smallsは現在、シカゴにある設備でキャットフードを生産している。

猫の飼い主がこれまで支払ってきた代金よりも若干高くなることを両氏は認めている。正確な比較は現在購入している製品のブランドや品質によるので一概にはいえないが、Smallsのウェブサイトで筆者が簡単な質問に答えてみたところ、1日、猫1匹あたり3〜4ドル(約320〜420円)ほどのサブスクリプションプランを提案された。マイケルソン氏は「リテンションは所得と相関関係にない」(つまりSmallsの顧客は裕福な飼い主とは限らない)と説明し、猫にヘルシーなフードを与えることは長い目で見ればお金の節約になると主張する。

同氏は「これを裏付ける研究はまだないが、品質の良いものを食べるのは自分への投資だと考えるのは自然なことだ」という。

ボーン氏は、猫の飼い主がSmallsのフードに乗り換えればすぐに違いに気づくと補足する。「数週間で、猫は夜によく眠り、毛並みのツヤが良くなり、トイレのにおいも改善した」とのことだ。試用したジャーナリストは同意しているようだ(BuzzFeed記事)。

シリーズAにより、Smallsのこれまでの調達金額の合計は1200万ドル(約12億7000万円)となった。シリーズAを主導したのはLeft Lane Capitalで、Founder CollectiveとCompanion Fundが参加した。Left Lane CapitalのパートナーはJason Fiedler(ジェイソン・フィードラー)氏で、これまでにドッグフードデリバリーのThe Farmer’s Dogに投資している。

フィードラー氏は発表の中で「ヘルシーなドッグフードのブランドの大成功が増えている一方で、キャットフード市場は完全に無視されてきた。Smallsはブランド、製品ラインナップ、サプライチェーン、そしてこれまで誰も手がけていない猫に特化した顧客体験を順調に構築している」と述べた。

マイケルソン氏によれば、Smallsのアクティブなサブスク利用者は現在「数千人」で、前年比の4倍に増えたという。新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大によりサプライチェーンの課題は生じたが、その一方で「ペットの里親が大幅に増加」し、近隣のペットショップに代わるものを探すべきだという飼い主に対する働きかけも起こっている。

マイケルソン氏は「新型コロナウイルスの影響でD2Cは大きく動いていると我々は見ているので、まさにこれを機に急速に成長するチャンスだ」と述べている。

画像クレジット:Smalls

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(翻訳:Kaori Koyama)

電動スクーターのUnagiがニューヨーク市とロサンゼルス市でサブスクを提供開始

セレブやポップスターが注目する先進的なデザインのポータブル電動スクーター企業(未訳記事)、Unagi(ウナギ)がサブスクリプションサービスの提供を開始した。

Unagiオールアクセスというこのサービスは、ニューヨーク市とロサンゼルス市で提供される。顧客からのフィードバックを集めサービスを改善しながら対象地域を広げていく計画だという。

顧客は2つのプランのどちらかを選べる。月額39ドル(約4100円)のプランか、1年契約で月額料金が34ドル(約3600円)に割引されるプランだ。初回のセットアップ費用が50ドル(約5300円)かかるので、開始月の支払額は89ドル(約9400円)になる。月額料金にはメンテナンス費用とスクーターの盗難や破損に備えた保険料が含まれる。

サブスクを申し込んだ顧客には、24時間以内に組み立て済みのModel Oneスクーターが発送される。Model Oneを購入する場合の価格は990ドル(約10万5000円)だ。

サブスクをキャンセルした顧客からUnagiに返却されたスクーターは、80カ所の点検を受ける。同社がTechCrunchに語ったところによると、工場で実施されているのと同じ点検が実施されるという。サブスク利用者に新品のスクーターが届くと明記されているわけではない。しかし同社は、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大以降の需要に応えるために生産を増やしているので、新品のスクーターが届く可能性が高いと説明している。

これはUnagiにとってリスクではあるが、同社は新型コロナウイルス流行の最中、そして収束後の効果に期待している。

このサービスを発表した同社のブログには「このモデルは現在の状況に適している。都市の活動が再開され、人々はスーパーマーケットや郵便局、公園にどうやって行こうかと改めて考えている。新型コロナウイルスに対して慎重な消費者は、地下鉄やUber、共有スクーターなど、他人と共用する交通機関に不安を感じているというデータがある。こうした人々はもっと安全な代替手段を求めている」とある。

CEOのDavid Hyman(デビッド・ハイマン)氏によれば、同社は新型コロナウイルスの感染が世界中で広がる前からサブスクサービスについて調査していたという。

同社は2019年秋にこのアイデアをテストしていた。2020年春にはカリフォルニア大学バークレー校ハース・スクール・オブ・ビジネスの協力を得てさらに詳しい研究を開始し、予想よりも需要が大きいと判断した。

ハイマン氏はTechCrunchへのメールの中で「サブスクリプションサービスを始めたいという我々の意欲が新型コロナウイルスによってさらに強くなり、ロサンゼルスとニューヨーク市の両方で同時にサービスを開始する弾みがついた」と述べた。

スクーターのサブスクへの転換、つまりハードウェア・アズ・ア・サービスと呼ばれる方式の提供を目指すのはUnagiだけではない。電動バイクのDanceやVoiなども同様のビジネスモデルを成功させようとしている。

画像クレジット:Unagi

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(翻訳:Kaori Koyama)

家具サブスク「airRoom」が総合インテリア販売の大塚家具と業務提携

家具 インテリア サブスク Elaly エラリー 大塚家具

家具・インテリアのサブスクリプションサービス「airRoom」運営のElalyは7月16日、総合インテリア販売の大塚家具との業務提携契約を発表した。airRoomにおいて大塚家具の家具・インテリアのレンタルを開始する。

airRoomは、人気家具ブランドの商品を月額定額で利用できる家具・インテリアのサブスクリプションサービス。2018年10月のサービスリリース以降、国内家具メーカーと連携し、職人の卓越した技術や能力に裏打ちされた高品質な家具を提供してきた。

家具 インテリア サブスク Elaly エラリー 大塚家具

しかし、「家具を揃えたいが、仮住まいなので高価なものは手を出しづらい」という単身赴任の方、「質の良い家具を使ってみたいが、まだ早いかなと思ってしまう」という若い世代などは、上質な家具の購入は経済的な負担も大きく諦めてしまいがちという。

そこで、日本最大級の老舗家具ブランド大塚家具と業務提携を行い、airRoomを通じ、大塚家具が世界中から厳選した約70種類の家具のレンタルを開始すると決定した。airRoomでは、購入前のお試し利用、気になった家具の継続的レンタルに加えて、レンタル後に気に入った場合は購入が可能。

家具 インテリア サブスク Elaly エラリー 大塚家具

既存の「購入だけ」という選択肢だけではなく、サブスクリプションを通じ買わずに手軽に様々な手段で利用できるようにした。また、両社の顧客ニーズに応えることが可能となり、両社の企業価値の拡大に結びつくとしている。

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サブスク向けLTV・解約率改善ツールのKiZUKAIが総額8000万円を資金調達

KiZUKAI キヅカイ LTV サブスクリプション

AI活用のLTV(Life Time Value)・解約率改善ツールを提供するKiZUKAIは7月13日、STRIVE(ストライブ)とReality Acceleratorから、総額8000万円の資金調達を実施したと発表した。

同社は、LTV・解約率を改善するための専門ツール「KiZUKAI」(キヅカイ)を提供。AIにより「解約の可能性が高い顧客」を抽出し、対象顧客に先読みしたアプローチを行うことで、解約率の改善に取り組める。データ分析のリテラシーがなくても簡単に高度分析が行えるという。

KiZUKAIのAIアルゴリズムは、顧客行動から顧客の解約傾向(顧客ニーズ)を自動分析するとともに、同様傾向の顧客リストを自動作成。それぞれに適したコミュニケーション施策の検討・実施が可能になる。また解約の要因も把握できるので、サービス改善にも有効としている。

KiZUKAI キヅカイ LTV サブスクリプション

サブスクリプションサービスにとって継続率(=解約率)は非常に重要なテーマとなっており、膨大な顧客データの分析・要因把握を行った上で、顧客との関係構築をしていく必要がある。しかし顧客分析には、高度なシステムおよびそれを扱うハイスペック人材が必要となり、なかなか企業活動に根付かないというボトルネックがあった。

KiZUKAIを利用することで、高度な分析の自動化、顧客の状態の可視化が可能となり、分析にかかる時間を低減し、継続率(解約率)改善に注力可能となるという。

BMWが車のオプション機能をサブスクで提供開始へ、中古車も対応

米国時間7月1日、BMW(ビーエムダブリュー)は、仮想現実記者発表会を開き、一連の車載ソフトウェア体験の更新を公開し、ミュンヘン市内の仮想ドライブを通じて、そのいくつかの機能が紹介された。これらの機能は、Operating System 7(オペレーティングシステム・セブン)搭載のBMWの最新型車種に対応するもので、今年後半から提供される。なお、新車にはあらかじめ組み込まれる。

同社は、自動車情報システムの更新を可能にしただけではなく、現代の自動車に欠かせないさまざまなコンピューターシステムの、プログラムの各行の書き換えもバーチャルでできるようにした。これにより、以前から話題になっていたBMWのいくつかの新機能の市場投入がやっと実現する。

なかでも注目すべきは、特定のハードウェア機能のサブスクリプションを可能にするプログラムの更新だろう。たとえばシートのヒーターや高度な運転支援システムなど、BMW車に最初から備わっていながら、購入した時点では使えない状態にしているものもある。

BMWはずいぶん前からこの話をしていたのだが、ようやく現実化したわけだ。例えば新しいBMWを買ったとき、ハンドルやシートを温めるオプションを付けなかったとしても、3カ月間の無料お試しが可能になる。気に入れば、一定期間この機能をサブスクリプションとして購入することができるようになる。

画像クレジット:BMW

「新車も中古車も区別なく、BMWのオプション機能を選択される際に、最大限の自由度と安心感をお客様に提供したいと私たちは考えています」と本日の記者会見で同社の広報担当者は話していた。「オプション機器に関しては、ご自身の意志でいつでも簡単に購入でき、すぐにお使いいただける、大変に柔軟で素早いご提供となります。我々は20年以上前から接続性を重視しており、2014年からはデジタルサービスをオンライン予約できるConnected Drive Storeを運営しています」。

ただ、そのほとんどは情報機能だった。それが今回、車両の機能やオプション機器もオンデマンドのネット接続で選べるようになったということだ。同社は手始めに、停止発進機能を備えたアクティブ・クルーズコントロール、ハイビームアシスタント、BMW IconicSounds Sport(アイコニックサウンド・スポーツ)へのアクセスを提供する。今後、ラインアップに他の新機能が追加されていく予定だ。

意外なことに自動車メーカーにすれば、たとえ使われなくても、ハードウェアを車に組み込むほうが早くて安いのだという。理由は簡単。それにより製造時の手間が省かれるからだ。だが、今回BMWが話題にしている内容は、その多くがソフトウェアとハードウェアの組み合わせになっている。

新しいのは、特定の機能をサブスクリプションによって短期間だけ使えるという仕組みだ。

「近い将来、ここに新しい機能を追加するだけでなく、一定期間その機能を使いたいお客様のための、さらなる柔軟性を高めていく考えです。例えば、あるオプションを3年間だけ、1年間だけ、あるいは数カ月という短期間だけ使用するといった具合にです」

画像クレジット:BMW

同社はまた、中古車を購入する人は、その柔軟性の恩恵がさらに大きいと話している。Apple(アップル)のCarPlay(カープレイ)の対応についても話しておくべきだろう。この機能は、もともと年間80ドルというサブスクリプションで提供することになっていた。少しでも金を浮かせたいドライバーのための配慮のように見えるが、CarPlay対応が有料という自動車メーカーは他にない。BMWオーナーには大変に不評だったため、去年の12月に同社はこの決定を取り下げた。

新しく加わるサブスクリプションサービスにBMWオーナーがどう反応するかは興味深いところだが、重要なのは、普通なら新車購入時に決なければならないオプションが後からでも選べるという利便性だ。そう思えば、追加サービスへの反応は、あまり問題にならないだろう。

BMWが本日発表した、新規または更新されたデジタルサービスには、アップルの新サービスであるCar Keys(カーキーズ)も含まれていた。BMWではこれを「BMW Digial Key」(デジタルキー)と名付けている。また、BMW Personal Assitant(パーソナル・アシスタント)の更新も披露された。この新しい支援機能に、装飾的なものや車内ディスプレイの表示方法を変えられるものも含まれている。

もうひとつ面白い支援機能として、自動車用のIFTTT(イフト)のようなものがあった。これを使えば、たとえば会社の駐車場に入ると自動的に窓が開くようにプログラムできる。社員証をスキャナーにかざしてゲートを開けるときなどに便利だ。

画像クレジット:BMW

その他、BMWの内蔵GPSシステムMaps(マップス)の更新もあった。同社によれば「大きな飛躍」とのことだ。

これは、クラウドベースのサービスで、ルート検索が高速になり、より詳細な交通情報や、駐車場の空き状況が確認できるようになる。そしてその駐車場機能は、数多くのBMW車両から収集したセンサーデータと格闘してきたBMWの努力の賜物でもある。現在すでにドイツのハイウェイ網の99%近くがカバーされ、毎日、高精度マップに落とし込まれている。

画像クレジット:BMW

マップと言えば、BMWは現在、ハイブリッド電気自動車の販売に力を入れているが、現在はハイブリッド車のドライバーが充電ステーションを探しやすくする機能と、欧州の80の街に設定されている低排出ゾーンで自動的に電気走行に切り替える機能も発表された。将来的には、他の街にも対応させていく予定だ。

「高級車においては、ハードウェアとソフトウェアは同等の重要性を持つため、デジタルテクノロジーは、BMWの中核を成しています」と、BMW役員会会長Oliver Zipse(オリバー・ツィプセ)氏は言う。「私たちの使命は、高度なデジタルテクノロジーを卓越した最高級の製品に統合し、お客様のエクスペリエンスと運転の楽しさをさらに高めることにあります」。

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画像クレジット:BMW

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(翻訳:金井哲夫)

Huluが数年ぶりにデザインを刷新、Netflixにより近づいたデザインに

Huluは米国時間5月20日より、ここ数年で最大規模のデザイン変更を展開し始めた。同社のデザインはより標準化された、いわばNetflix(ネットフリックス)のようなユーザーインターフェイスに一新される予定だ。コレクションはホーム画面内に縦方向に配置され、コレクション内のタイルはスクロール可能で、横並びに配置されている。しかし、同社はNetflixのクローンを目指したわけではない。Huluは編集画像を用いて選択した作品を強調表示するこれまで通りの機能に加え、さまざまなタイルサイズでおすすめのコンテンツ情報を伝える新たな機能を追加した。

Huluはまた「TV」、「映画」、「スポーツ」などのカテゴリーを画面の上部に移動させ、トップ部分のナビゲーションを簡素化。ユーザーが視聴したいコンテンツタイプが簡単に絞り込めるようになった。

ライブTVのローンチと共に実施された、同社にとって初となる2017年の大規模デザイン変更に続いて行われる今回のリニューアル。当時のアップデートはHuluを他のストリーミングサービスと差別化させるのに一役買ったが、ユーザーインターフェイスが複雑になりすぎるという問題も併発した。Huluの顧客フィードバックフォーラムには、インターフェースの操作が難しすぎてレイアウトがわかりにくいという苦情が多数寄せられた

今回の変更は、Huluのインターフェースに改善の余地があったことを十分に理解した上でのものだろう。また、Disney+(ディズニープラス)やESPN+(イーエスピーエヌ・プラス)など、ディズニーが所有するその他のサービス間を行き来するユーザーにとって操作が簡単になるようデザインされたものだと同社は述べている。

「約3年前に展開したデザインリニューアルはかなり大胆なものでした」と同社の製品管理ディレクター、Jason Wong(ジェイソン・ウォン)氏は言う。「人々がストリーミングにより慣れ親しむにつれ、スタンダードが形成されたのだと思います。これはディズニーファミリーのみに言えることではありません。大多数のユーザーが3つから5つの異なるサービスを使用していることが分かっており、これらのサービスの全てがリビングルームにあるデバイスにこの方向性を採用しています」。

ディズニーの他のストリーミングサービスとの統一性を高めるという考えはリニューアル計画の一部としてあったが、Huluによると全体的な再設計プランは1年半前から進んでいたと言う。1年半前と言うと、ディズニーがFoxを買収Huluの運用管理をするようになる前である。

今回再設計されたユーザーインターフェイスは、他のストリーミングサービスで使用されている方法とHulu独自の機能を組み合わせたものだ。

たとえば、コンテンツ整理には横にスクロールできる一般的に馴染み深いデザインを取り入れたが、以前と同じようにタイトルは印象的な映画風の画像とともに目立たせて表示し、タイトルデザイン、カラーサンプリング、大きなタイルにあしらわれたグラデーションデザインなどはそのまま維持している。ただし、新しいインターフェースでは、Huluのコンテンツのすべてがこの大きなテンプレートに組み込まれるわけではない(以下を参照)。

huluの新しいインターフェイス

代わりに、Huluのオリジナル作品や人気番組などの新しいコンテンツにユーザーを引き付けるために、大きなテンプレートが使用されている。現在視聴中の番組や「お気に入り」に入れたコンテンツなど、より身近なコンテンツは通常そのようには表示されない。

Huluの新ホーム画面を下にスクロールしていくと、コンテンツがさまざまなサイズのタイルに分割されていることが見て取れる。大きな冒頭のテンプレートに加え、ミディアムサイズやより小さな標準サイズのテンプレートなどが全体を通して現れる。このデザインによってユーザーを効果的に引きつけ、ユーザーは大量の作品のリストをむやみにさまようことなく、おすすめの作品などを簡単に見つけることができるようになる。

タイル状に並べられた作品

さらにHuluは、推奨エンジンを用いてコレクションとタイルの選択に役立てている。画面上のすべてのモジュールには編集キュレーションやアルゴリズム、またはその両方の組み合わせが使用されている。

ホーム画面の上部に「あなたにおすすめの映画」や「あなたにおすすめのTV」などのコレクションが全ユーザーに向けて表示されるが、下にスクロールするにつれ、提案されるコレクションは個人の興味に合わせてよりパーソナライズされたものになる。Netflixにある「〜をご覧になったあなたへ」ほどHuluのコレクションは細やかではないが、ユーザーが視聴しているコンテンツに基づいた提案ができるよう強化し続けている。

たとえばSF映画の一覧において、SF映画を頻繁に観るユーザーにはそのユーザーがすでに視聴したSF映画やマイナス評価をした映画がそこから取り除かれている場合がある。また、SF/ホラーのような見たことのないサブジャンルからもそれらを削除し、より頻繁に見ている別のサブジャンルからそれらを宣伝する場合もある。

Huluの編集画面では、特定の作品を最初にランク付け(または範囲内で)をすることもできる。あるジャンルにとって目玉になるような作品が新たにリリースされる場合など、その作品を大きく宣伝したい場合などにこの機能が活躍する。

この結果として、個人の好みに基づいてパーソナライズ、ランク付けされた、ヒューマンキュレーションからも恩恵を受けた一連の提案が実現するわけだ。

Hulu副社長兼製品管理責任者であるJim Denney(ジム・デニー)氏によると、ユーザーインターフェースのデザイン変更によって、ユーザーがストリーミングサービスをより簡単にナビゲートできるようになるだけでなく、作品の検索方法も改善すると言う。

「私たちが改善したかったことの1つは見た目の密度に関する点です。既存のサービスの中でもHuluは最大のカタログ数を誇っているので、カタログをより見やすくしたいと考えていました」とデニー氏は説明する。「現在のユーザーインターフェイス上では、あることを実行するための方法がいくつか存在します。ユーザーが迷子にならないように、どの方法をとるべきかがより明確になるように、こういったギャップを埋めたいと考えています」。

これらの変更は何年も前からのユーザーの苦情をもとに取り組んできたものであり、今後のさらなる改善のための土台を築き上げた。

将来的にHuluは個々のユーザーに向けて、おすすめしたい作品だけでなくその表示方法にも推奨エンジンを活用しようと考えている。つまり推奨エンジンが大きいモジュールや小さいモジュールに表示される作品を選択したり、それらのモジュールがいつどのように表示されるかを選択したりするということだ。例えば新規ユーザーの画面には既存ユーザーの画面と比べて、Huluの人気番組を宣伝するためより多くの大きなタイルが表示されるかもしれない。Huluは2021年中にこの機能を展開できるようにする予定だ。

Huluの新たなインターフェース展開は今週から始まり、最初はtvOSとRokuに登場する。7月には他のプラットフォームや、より大きなユーザーグループに向けて拡大する予定だ。

関連記事:ディズニーは2021年にはHuluの世界的サービスを目指す

Category:ネットサービス

Tag:Hulu 動画配信 サブスクリプション

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(翻訳:Dragonfly)

Netflixがアクティブではないゾンビ顧客に対してサブスクの自動キャンセルを開始

Netflixは米国時間5月21日、同社のオンデマンドビデオストリーミングサービスを1年以上何も視聴していない顧客に対して、サブスクリプションを継続したいかどうかを尋ね、連絡がない場合はメンバーシップをキャンセルすることにしたと発表した。

同社によれば、加入者になってからの12カ月以内にプラットフォーム上で何も見ていない顧客に対して、メンバーシップを維持したいかどうかの確認の通知を開始したとのことだ。同社はまた、2年を超えて何もストリーミングしていない人々に対しても連絡していると言う。

「何かにサインアップしたのに、それを何年も使っていなかったことに気付いたときの、あのどんよりした気持ちは、だれでも知っていますよね?Netflixが最も望んでいないことは、使っていないものに対してお金を払っていただくことです」と同社は説明する。

このあまり例を見ない動きは、実のところNetflixが忠実な顧客ベースにどれだけ信頼を置いているかを示しているのだ。ほとんどの企業は、できる限り長期間に渡って会員の銀行口座またはクレジットカードから割り前を引き出すことに満足している。

Netflixによると、これらのアクティブではないアカウント(一般的には業界ではゾンビアカウントとして知られている)は数十万人、あるいはメンバーベース全体の1%の半分未満のユーザーにすぎない。なおこのことはすでに財務情報として報告済みの事実である。

3月31日の時点で1億8200万人以上の加入者を数えるNetflixは、アカウントがキャンセルされたユーザーが再びプラットフォームに戻って来たいときには、簡単に戻れるようにしたいと述べている。10カ月以内に再入会した場合には、退会した時点と同じ、お気に入り、プロフィール、表示設定、アカウントの詳細を継続して利用することができる。

「それまでの間、この新しいアプローチによって、皆さまが苦労して稼いだお金を節約できることを願っています」と声明で述べたのは、Netflixの製品イノベーション担当ディレクターであるEddy Wu(エディ・ウー)氏だ。

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(翻訳:sako)