多拠点住み放題「ADDress」が社会的インパクト投資として資金調達、逗子・習志野などに拠点をオープン

月額住み放題の多拠点居住プラットフォーム「ADDress」を運営するアドレスは1月31日、社会変革推進財団リノべるアイティーファームを引受先とする増資と、日本政策金融公庫からの融資による資金調達の実施を明らかにした。金額は非公開。今回の調達は、2019年にJR東日本スタートアップほかを引受先として実施したシリーズAのエクステンションラウンドに当たり、ラウンドは継続中ということだ。

ADDressは月額4万円からの定額で、全国の拠点に自由に住める多拠点コリビング(Co-living)サービスだ。個室を確保しながら、シェアハウスのようにリビングやキッチンなどを共有。空き家や空き別荘のオーナーと契約することで、遊休不動産の活用とコスト抑制を図っている。

今年1月には、初のホテル提携拠点としてJR東日本ホテルズが運営する群馬県みなかみ町の「ホテルファミリーオ みなかみ」、初の旅館拠点として長野県山ノ内町の「志賀高原幸の湯」をオープン。ほか栃木県益子町や逗子、茂原、習志野、千倉、大網白里、一宮にも拠点をオープンした。今後も拠点を増やし、4月までに45拠点展開を予定しているという。

また月額制のホステル泊まり放題サービス「Hostel Life」を運営するLittle Japanとの提携により、月額プラス1万円でホステルパスサービスが利用できる実証実験も2月1日より開始することになっている。

ADDressは「住まい」だけでなく、「移動手段」との連携も行うことで、多拠点を回遊するライフスタイルの拡大を図ろうとしている。目的は、人口減少によって発声する空き家増加などの課題を背景に、多拠点居住を通じて都市と地方の人口をシェアし、関係人口の増加・地域活性化を進めることだ。そのために同社は、移動の定額化、国内のMaaS経済圏の実現も図ろうとしている。

具体的には、ANAホールディングスとの連携により、本日から航空券サブスクリプションサービスの実証実験を開始。ADDress会員は月額プラス3万円で、ANA国内線の指定便について、月に2往復することができるようになった。

今回の資金調達でアドレスは「今後、多拠点コリビングサービスを広げるとともに、全国で進行する人口減少や空き家の増加、都市部への人口集中等の社会課題解決に向けて関係人口を創出し、社会的インパクトの創出を目指す」としている。

出資者とは一部、事業連携も進める予定だ。社会変革推進財団は、インパクト評価の知見やネットワークを生かして、ADDressの社会的インパクトの可視化を支援する。

リノベるは、リノベーションのノウハウや不動産会社・金融ネットワークを生かして、空き家活用のパートナーとしてアドレスと協業。またリノベるで住宅設計・施行してきたオーナーへ、ADDressによる多拠点生活の利用を推進していく。2月下旬以降は、空き家を活用したい戸建オーナー向けに、ADDress拠点とリノベるの戸建てリノベーションを共同で案内するセミナーなども順次展開していく予定だ。

ソフトバンクは大赤字のポートフォリオ企業間の衝突に介入していた

ソフトバンクは、ポートフォリオ企業同志が競争して莫大な赤字を積み上げる現状にとうとう業を煮やし、合併の可能性を探ることも含めて密かに介入をしていた。

ともあれ、米国時間1月30日のFinancial Timesの記事によれば、同社は昨年、UberとDoorDashの合併を取りまとめるようと努力していたという。このときは合併交渉はまとまらなかった。両社ともソフトバンク(ソフトバンク・ビジョン・ファンド1号)から多額の投資を受けており、料理の宅配事業で激しく競い合っている。

Uber Eats2019年第3四半期期の純収入3億9200万ドル(約427億円)に対して、同期の調整済み赤字は3億1600万ドル(約344億円)にも上っている。この赤字の大海に比べるとDoorDashが予測している2019年の通年の赤字である4億5000万ドルでさえ穏当な額に見える。両社が合併すれば赤字幅が圧縮できることは間違いない。株式上場維持路線であろうと非公開化して現在の会社評価額を維持する路線であろうと、現在よりはるかに強い立場で臨めるだろう。

Uberが株式公開後、株価維持に苦しんできたことはよく知られている。現在の株価は公開直後の高値に比べて半額だ。DoorDashも人気を集めたものの最近大型資金調達に成功していない。がっぷり四つに組んだまま競争を続けているこの2社が合併することにはメリットがある。両社が同一の大株主を持っていることを考えればなおさらだ。

カオス状態は他にも

UberとDoorDashはSoftBankのVision Fundからのキャッシュを元手に互いにレンガを投げつけてあっている唯一の例ではない。本日のWall Street Journalの報道によれば、ラテンアメリカではいずれもソフトバンクが大株主である企業間の競争が激化しているという。

ラテンアメリカでUberはライバルのRappiや中国の滴滴出行(Didi Chuxing)などの挑戦を受け激しい値下げ競争に巻き込まれている。しかしここに奇妙な現象がある。この競争者グループの最大株主はいずれも同一の会社、日本のソフトバンクグループなのだ。ソフトバンクはトータルで200億ドル(約2兆1800億円)をこれら3社に投じている。

ユニコーン(評価額10億ドルのスタートアップ)が次々に生まれる前の時代には「1つのベンチャーキャピタルは競争関係になり得る複数のスタートアップに投資してはならない」という金言があった。1つの会社に投資して、同じく自分が投資している別の会社を叩くのを助けるのは道理に合わない。ソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資はこのルールを無視した結果、南北アメリカ大陸でベンチャー投資の大失敗の見本のような状態に陥った。ちなみに、米国で有名なベンチャーキャピタルであるSequoia CapitalもUberと滴滴出行の双方に投資しているのだが。

これがソフトバンクがDoorDashがUberに統合される可能性を探った背景だ。実現すればすくなくとも頭痛のタネが1つ減るわけだ。しかし次に同社はUberと滴滴出行がライドシェアリングという本業でバッティングする現状をどうにかさばかねばならない。またラテンアメリカでUber EatsとRappiが繰り広げている破壊的競争を止めさせる方策を考える必要がある。

ライドシェアリングと料理宅配の各社をすべて合併させ単一の巨大企業とするのがソフトバンクの立場からの理想だろう。もちろんこんな合併はどこの国だろうと反トラスト法による規制にひっかかかる。それでも赤字と収入を一箇所にまとめれば財務書類を大幅にわかりやすくする効果はあるだろう。

画像:Tomohiro Ohsumi (opens in a new window)/ Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

2021年の黒字化を目指すLyft、90人レイオフ報道で株価1.5%下げ

人気のライドシェアリング企業、Lyft の株価が 1.5%下がった。これは同社がレイオフを計画しているとNew York Timesが報じたことを受けたものだ。TechCrunchの取材にLyftは計画しているリストラによって90人が影響を受けると認めた。同社の株価は報道の後、3%下がった後で持ち直した。

Lyftは声明で「慎重に検討した結果、2020年のビジネス上の目標を達成するためには部門(複数)のリストラが避けられないことが判明した。しかし当社は依然高成長を続けており、今年だけで新たに1000人を採用する計画だ」と述べた。

LyftはライバルのUberと激しく競争しており、これまでのようにベンチャー資金を大量に燃焼させて赤字を重ねる経営を改めて黒字化を達成しなければならないという強い圧力を受けていた。

直近の決算報告である2019年第3四半期決算でLyftは「2021年第4四半期には調整済みEBITDAでの黒字化を達成する」と黒字化の時期をそれまでより前倒しした。Lyftの上場時売出し価格は72ドルだったが、その後低迷を続け現在は47ドル台だ。

同社によれば、マーケティングとエンタープライズセールス部門が今回の見直しの対象組織だという。

Lyftの最大のライバル、Uberも最近数カ月で米国内でレイオフを実施している。他のユニコーン(会社評価額10億ドル以上のスタートアップ)も最近次々にレイオフを行った。投資家のマインドが変化し、赤字の累積に厳しい目を向けるようになってきたためだ。どれほど巨額の赤字が積み上がっていようと急成長のためには惜しみなく投資するという太っ腹な時代は過去のものになった。今や赤字幅の急速な圧縮、それどころか黒字化をもたらすような急成長が求められている。

8四半期のうちに調整済みEBITDAで黒字化するという約束を掲げたLyftもその例に漏れない。次の四半期決算の発表に向けて容赦なく時計の針が進んでいる。

Lyftは直近の四半期決算で赤字幅の圧縮に成功している。赤字額は2019年第3四半期には1億2160万ドルで2018年第3四半期の2億4530万ドルから半減している。同時期に売上は5850万ドルから9556万ドルにアップした。総コストでのLyftの赤字が累積を続けた。特に 2019年の第3四半期にはストックオプションなど株式ベースの報酬支払いに加えて保険関係の費用増大も8660万ドルに上った。調整済みEBITDAにせよGAAPベースにせよ、これを改善と見るかどうかは投資家次第だ。しかし同社の営業キャッシュフローはこの時期に間違いなく改善されている。

2019年第3四半期の調整済みEBITDAベースの赤字は1億2810万ドルで、もちろんゼロからは遠い数字だが、上で触れたように前年同期と比較すれば半減していた。

Lyftは2019年第4四半期の決算を2週間後の2月11日に発表する予定だ。赤字幅の圧縮がさらに進んでいるかが注目される。

画像:Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

滞在を快適にする旅行者向け荷物保管アプリのStasherが約2億7500万円を追加調達

旅行者向け荷物保管アプリのStasherが、新たに250万ドル(約2億7500万円)を調達した。このラウンドを主導したのはVenture Friendsで、Expedia傘下のHotels.com代表取締役社長だったJohan Svanstrom(ヨハン・スヴァンストローム)氏などさまざまなエンジェル投資家も参加した。

Stasherは2015年にイギリスで設立され、現在は荷物保管の「シェアリングエコノミーソリューション」と自称している。Stasherのマーケットプレイスとアプリは、旅行者やイベント参加者、民泊利用者と短期または中期に荷物を預かることのできる各地の店舗やホテルをつなぐ。

予約には保険が含まれ、StashPointに保管された荷物は破損、紛失、盗難の際に最大1000ポンド(約14万4000円)の補償を受けられる。

保管するホストには、利用料金の約50%が分配される。シェアリングエコノミーのおかげで、実店舗は新たな収益を得ることができる。

大まかにとらえると、旅行中に荷物を持ち歩くことによる時間の無駄という問題をStasherは解決しようとしている。同社共同創業者のAnthony Collias(アンソニー・コリアス)氏は2018年に筆者に対し「午前10時にAirbnbをチェックアウトしなくてはならない経験をした人なら、この問題をよく理解できるだろう」と語っていた

Stasherのネットワークは当初の20都市から250都市へと大きく成長してきた。ヨーロッパのほか、米国とオーストラリアなどにも荷物保管アプリを展開している(訳注:同社のウェブサイトには東京など日本のポイントも掲載されている)。

Klook、Sonder、Marriott、Hotels.comのほか、Premier Inn、Expedia、Holiday Express、OYO、AccorなどのサービスがStasherのパートナーになっている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

くらしのマーケットが総額40億円を調達、ゼンリンデータコムとの連携も

くらしのマーケット」を運営するみんなのマーケットは1月21日、総額40億円の資金調達を発表した。第三者割当増資と融資(デットファイナンス)による調達で、第三者割当増資の引受先はシリーズAラウンドからのリード投資先であるニッセイ・キャピタルのほか、新たにグロービス・キャピタル・パートナーズ、ソニー、大和証券グループの大和キャピタル・ホールディングスが運営するInnovation Growth Ventures、ゼンリンデータコムが加わっている。これに日本政策金融公庫からの融資を加えて総額40億円となる。調達資金の割合は非公開。

くらしのマーケットは、エアコンや洗濯機、換気扇などの清掃、引っ越し、家事代行、遺品整理などのサービスを個人からネット経由で直接プロに頼めるスキルシェアのマーケットプレイス。サービス開始は2011年で、最近ではテレビCMも放映されているので知っている読者も多いことだろう。2019年12月末時点における累計出店登録店舗数は3万3000店超となっている。

今回調達した資金は、くらしのマーケットの認知向上、プロダクト開発、関連スタートアップへの投資、人材の採用と教育に当てるとのこと。

また同社は、第三者割当増資の引受先として名を連ねている、位置情報サービスを提供するゼンリンデータコムとの業務提携も発表。高精度な地図データや位置情報サービスなどをくらしのマーケットに参加する出店者やユーザーに向けに活用していく計画だ。

1日70円で傘を借りられるアイカサが水戸市で面展開、行政との初協定締結も

LINEを使って傘を1日70円、1カ月420円で借りられるシェアリングサービス「アイカサ」を運営するNature Innovation Groupは1月20日、茨城県水戸市と観光活性化事業に関する協定を締結したことを明らかにした。同時に、水戸市役所や千波湖・保和苑などの施設約10カ所と、JRの水戸駅、赤塚駅、内原駅の6カ所にアイカサスポットを設置する。

アイカサは、LINE上で傘のレンタルから決済、返却までを処理できるシェアリングサービス。アイカサ専用の傘はダイヤル錠を搭載しており、そのままでは使えない。傘に張り付けられているQRコードをLINE上で読み込むことでレンタル・決済が可能だ。決済後は、該当の傘のロック解除番号が通知され、実際に使えるようになる。返却時もアイカサスポットに掲示されているQRコードをLINE上で読み取ることで返却処理が完了する。料金は1日あたり70円ごと加算されていくが、6日目以降は420円のまま1カ月借りられる。そのほか月額280円で傘が使い放題になる定額サービスもある。

アイカサの登録人数は1月20日時点で7万3443人、加盟店舗数は770店。今回は水戸市との提携で、JRの駅については3駅、6カ所に留まるが、市内の観光施設に面展開して居るのが特徴だ。水戸駅などを起点として観光施設を巡る際にアイカサを使ってもらおうという考えだ。具体的にアイカサスポットが設置される場所は以下のとおり。

  • 水戸市役所本庁舎
  • 千波湖西駐車場
  • 常盤町駐車場
  • 保和苑
  • 水戸市植物公園
  • 水戸市森林公園
  • 七ツ洞公園
  • 水戸芸術館
  • アダストリアみとアリーナ
  • 弘道館東側広場
  • JR水戸駅(3カ所)
  • JR赤塚駅(1カ所)
  • JR内原駅(2カ所)
  • ファーストトラスト管理駐車場20カ所(2019年11月上旬以降に設置済み)

     

スキマ時間シェアの「タイミー」が2月から名古屋に進出

アルバイトへの応募や面接などが不要で、空いた時間にすぐ働けるマッチングサービスを運営するタイミーは1月20日、2月から東海エリアでサービスを提供開始することを明らかにした。首都圏、関西圏、福岡県周辺に続き、4エリア目となる。

1月いっぱいはテスト運営期間とし、2月1日からまずは名古屋市でスタートする。また同社は名古屋でのサービスインに併せて名古屋支店も開設している。昨年10月に20億円超の大型調達に成功したタイミーは、橋本環奈をイメージキャラクターに採用したテレビCMを放映中で認知度アップを図っている。

関連記事:スキマ時間シェアのタイミーが20億円調達、22歳学生起業家が1年2カ月で

電動スクーター充電専門のスタートアップ出現、業界の収益性アップなるか

ユニットエコノミクスが低い業界にあって、スクーターや自転車のシェアリングを展開している事業者は、乗り物の信頼性と低料金を維持しながら利ざやアップを図る方法を模索している。もしかすると充電ステーションがそのソリューションの1つになるかもしれない。シェアリング事業者に加え、いくつかの企業がすでに充電ステーションを展開し、この問題を解決しようとしている。そして最近TechCrunchの注意を引いたのがChargeという企業。同社はつい最近、自転車とキックスクーターのための充電ハブをロサンゼルスで立ち上げたばかりだ。

「Chargeは、Limeが参入しようとしているいくつかのマーケットでのトレンドに気づいていた2人のLimeの投資家から生まれた」とChargeでコミュニティのグローバル責任者を務めるQuemuel Arroyo(ケムエル・アロヨ)氏はTechCrunchに語った。「彼らは充電インフラの欠如が弱点だと感じていた。充電インフラがあればスクーターは常に充電された状態となり、世界中で散見されたような、スクーターが街中でゴミのようになったり障害物になったりすることもなくなる」。

私有地にあるChargeのハブは、ギグワーカーが複数のスクーターを同時に充電しやすいようにデザインされている。ワーカーは1回につき24時間ハブのスペースを予約できる。鍵のかかる小部屋は最大18台のスクーターに対応し、ハブとしては一度に72台に対応できる。充電が完了したら、ワーカーはスクーターをピックアップして配備する。

「充電場所を提供するというソリューションであるのに加え、ジューサー(充電作業を行うワーカー)の作業効率を高めている」とアロヨ氏は話した。

Bird、Lime、Spin 、そしてそのほかのマイクロモビリティ事業者は、スクーターの回収や夜間の充電、そして翌朝のスクーター配備といった作業を独立請負人に頼っている。つまり事業者はそうした乗り物を充電するのに自前のガソリン、労働、電気などを使う必要がない。

スクーター充電作業による収入に頼っているギグワーカーにとって、たくさんのスクーターを充電するのに自分の家以外の場所を使えるというのはかなり便利だ。しかし注意すべきなのは、Chargeは使用に30ドル(約3300円)かかること。BirdやLimeはスクーターの充電と配備の作業にワーカーに1台あたり3〜5ドル(約330〜550円)、場所によってはもう少し多く払っている。

例としてSpinで考えてみよう。同社はスクーター1台の充電にワーカーに5ドル(約550円)払っている。もしワーカーが15台回収してChargeのハブに持ってきたら、スクーター充電と配備の対価としてSpinから75ドル(約8300円)をもらう。だがChargeに30ドルを払わなければならず、儲けは実質たったの45ドル(約5000円)だ。

「料金はワーカーにとってかなり安いというものではない。しかしジューサーは1晩にスクーター12台ではなく、24台超を充電できると言う」とアロヨ氏は語った。「そうしてジューサーは収入を増やすことができる」。

スクーター24台で再度計算してみよう。ワーカーはChargeに30ドルを払い、Spinから120ドル(約1万3000円)を得るので、儲けは90ドル(約1万円)だ。これはすごくいい額ではなさそうだが、ジューサーの状況にもよるだろう。1度に充電するスペースを5台ぶんしか確保できなければ、Spinから得られる手間賃はたったの25ドル(約2800円)だ。もしひと晩に24台のスクーターを充電できれば、Chargeを利用することでもう少し儲けることができる。Charge利用では儲けが増えるのに加えて、生活空間をスクーターに占領されずに済み、火災のリスクもなくなる。

マイクロモビリティはまだ歴史の浅い産業だが、そうした乗り物の充電を専門とするかなりのスタートアップが存在する。そうしたスタートアップは合計で1900万ドル(約21億円)をこれまでに調達している。

ロサンゼルスで立ち上げたハブに加え、Chargeは歩道上に設置する最大12台対応のスマート充電ステーションの展開でパリと協議中だ。

「我々はパリ市と独占契約を結んだ。パリ市長いわく、パリの歩道は惨憺たる状態になりスクーターが歩道を占有するのをこれ以上許すわけにはいかない、とのことだ」とアロヨ氏は話した。

この種のモデルでは、ユーザーは乗り物を借りたり返したりするのにドックを使用する。これはSwiftmileと似ているモデルで、Swiftmileは10基の一般向け歩道ステーション展開でオースティン市と協業している。ステーションは80の駐車スペースを備え、Swiftmileは今年末までに設置を完了させる予定だ。このモデルでは充電専門の会社は使用量に基づいてオペレーター(スクーターなどの事業者)に課金する。

例えば、マーケットにもよるが、Swiftmileはオペレーターに分単位で課金し、しかし上限を設ける。当初は、使用方法やメリットなどを示すためにドッキングシステムを全オペレーターにオープンにする見込みだ。そして一定期間後は、Swiftmileは顧客のスクーターの充電にのみ対応する。SwiftmileはまたSpinのスクーター専用の充電ハブを作ることでSpinと提携を結んでいる。

「自治体や当局者はスクーターが散らばっている状態にかなり懸念を示してきた。Spinはこの問題に真っ先に取り組んでいる。マイクロモビリティを真に持続可能な人々の足にするのがゴールだ」とSpinの共同創業者兼CEOのDerrick Ko(デリック・コ)氏はTechCrunchに語った。「充電・駐車のソリューションであるSpin Hubsに我々はかなり投資してきた。また決められた返却ゾーンやHubに駐輪するよう、ライダーにインセンティブを与えるなどの取り組みも拡大してきた」

この分野で有力なのがPerch Mobilityで、充電作業を行うチャージャーによって設立された。Charge同様にロサンゼルスで展開しているPerchは3タイプのプロダクトを提供している。ポッド、トリポッド、そしてスイートだ。これら3つとも、固定料金で無制限に充電できるサービスが用意されている。ひと晩でスクーター14台を充電できる25ドル(約2800円)のサービスと、スクーター21台を充電できる45ドル(約5000円)のサービスだ。

再びSpinを引き合いに出すと、ワーカーが14台を充電するのに25ドルを払い、Spinから70ドル(約7700円)もらう。すると儲けは45ドル(約5000円)だ。

「ユーザーに持続可能な収入と、地域社会の持続可能性の両方を提供することに注力している」とPerch MobilityのCEOでTom Schreiber(トム・シュレイバー)氏は話した。「我々は低所得エリアを含む、コミュニティの全域でサービスを展開する」。

Perch Mobilityを使うとワーカーはより多く稼げる。しかしChargeはリチウムイオン電池を活用してグリーンな電気を提供している自社のシステムの方が環境に優しいと話す。

「マイクロモビリティをより成功させるのに欠けている要素の取り込みに真に役立つ、完全に環境に優しい施設を持っている」とアロヨ氏は語った。もし筆者が充電ワーカーなら、もちろんん環境のことは気にかけるが、いかに最大限稼ぐかに関心がいくだろう。

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(翻訳:Mizoguchi

登録者3万人超のデイワークアプリ「ワクラク」が全国約700店舗の飲食店へ導入

デイワークアプリ「ワクラク」を提供中のWakrakは1月7日、全国約700店舗の飲食店を運営するジーテイg-tasteストへのサービス導入を発表した。ジーテイストはワクラクの活用により、各店舗のアルバイト人員不足の解消を目指す。

ワクラクは面接なしで1日単位で働け、即時に給与が支払われるデイワークサービス。アプリ内で雇用契約締を締結・発行できるのが特徴で、利用者は好きな日に職場に直行すればすぐに働ける。利用するにはアプリをダウンロード後、プロフィールを入力して契約書の発行するだけ。現在、登録者3万人を超えているという。店舗側は、募集日時や内容を専用の管理画面で入力しておくことで、条件に合致する契約者が現れると通知が届き、契約書と顔写真や名前、年齢、プロフィールを確認するだけでいい。

ジーテイストは、焼肉専門店「焼肉屋さかい」などの焼き肉店のほか、回転寿司、大衆居酒屋、イタリアンなどの外食店舗をフランチャイズ事業を手掛けている企業だ。チェーン店を中心に飲食店はシステム化、平準化が進んでおり、初めて働く店舗であっても経験者であれば即戦力として活躍できることが多いだろう。

ワークシェア系サービスとしては昨年20億円の資金調達を発表した時間単位で働けるタイミーもある。人手不足が深刻で黒字閉店する店舗も増えている中、こういったサービスはこれから重宝されそうだ。

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地元の掲示版のジモティーが東証マザーズ市場に2020年2月7日に上場予定

各地域に特化した掲示版を運営するジモティが東証マザーズ市場に上場予定であることが明らかになった。JPX(日本取引所)グループのウェブサイトで詳細を確認できる。上場予定日は2020年2月7日。

同社の掲示版はクラシファイドサイトと呼ばれるサービスで、地域や目的によって分類された募集広告を一覧形式で掲載する広告媒体。一般的に掲載料が無料で、個人・法人を問わずユーザーとして利用でき、誰でも手軽に広告掲載ができる点が特徴だ。具体的には、物品の個人間売買、助け合い、仲間募集、正社員募集、宣伝、イベント告知などに使われている。ジモティ自体はユーザー間の取引に直接関与しないが、費用の一部が補償される保険機能も利用できる。

一方で同社はこれらの掲示版内にアドネットワーク広告枠を用意し、広告がクリックされた回数や表示された回数などに応じて、収益を得るビジネスモデルを構築。また、ジモティの有償プランを利用することで投稿が優先席に上位に表示されたり、ハイライト表示されるといった機能を使うことも可能だ。

最近の業績は、2017年12月を期末とする第7期(2017年度)決算は、売上高が6億6029万8000円、経常損失が3億8073万円、当期純損失が4億1228万9000円。第8期(2018年度)は、売上高9億8364万3000円、経常利益が706万1000円、当期純利益が1894万5000円となっている。

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モバイルバッテリーシェアのINFORICHが総額30億円を調達

INFORICH(インフォリッチ)は12月26日、総額30億円の資金調達を完了したことを発表した。主な調達先は、ゴールドマン・サックス、日本郵政キャピタル、GMCMベンチャーキャピタルパートナーズ、チャートウェル キャピタル、ホリプロ。

同社は現在、「ChargeSPOT」(チャージスポット)と呼ばれるバッテリースタンドを日本国内に1万台以上設置しているほか、台湾や香港、タイにも進出している。導入もしくは導入が決定している法人・団体は、イオングループ、ローソン、ファミリーマート、TSUTAYA、近畿日本鉄道、小田急電鉄、森ビル、神戸市、福岡市、郵便局などとなっており、2021年までにChargeSPOTを10万カ所に設置する計画とのこと。

ChargeSPOTでのレンタル方法は、専用アプリ、もしくはLINE公式アカウント内からバッテリースタンドに記載されているQRコードをスキャンするだけでOK。レンタルしたバッテリーの返却先は利用者が自由に選べるので、職場近くで借りて、自宅近くで返却も可能だ。税別の利用料金は、1時間未満が150円、その後48時間未満が300円、それ以降は最大7日間(168時間)を1日(24時間)あたり150円で利用できる。なお、レンタルしてから168時間を超えた場合は、それまでの利用料と違約金1230円を含む合計2280円を支払う必要がある。

バッテリー容量は5000mAhなので、一般的なスマートフォンであれば1〜2回のフル充電が可能だ。スマートフォンなどとは、マイクロUSB、USB-C、Lightningで接続できるので、別途ケーブルを用意する必要はない。スマートフォンのバッテリーが切れてローソンやファミリーマートに駆け込む際、その場しのぎに数千円のバッテリーや充電器を買うことなく、ChargeSPOTを使うことで低コストですぐに充電できるのはありがたい。

携帯基地局シェアリングのJTowerが東証マザーズ上場、公開価格1600円、始値は2620円

携帯基地局のシェアリング事業を展開するJTowerは12月18日、東証マザーズ市場に上場した。主幹事証券会社は、SMBC日興証券、大和証券の2社。公募298万7000株、売り出し290万600株、オーバーアロットメント88万3900株。オーバーアロットメントとは、当初の募集・売出予定株数を超える需要があった場合に実施される株式の販売方法。主幹事証券会社が対象会社の株主から一時的に株式を借り、売出予定株数を超える株式を、募集・売出しと同じ条件で追加販売すること。

同社株の公開価格1600円だったが、初値はそこから1020円高い2620円となった。12月18日11時30分現在の最高値は11時1分に付けた2748円で、時価総額は466億600万円。現在は少し値を下げて2410円前後で株価が推移している。

同社の既存株主は、関連会社のカルティブが29.14%、NTTグループの持株会社である日本電信電話が21.21%、JTower社長の田中敦史氏が10.69%、JA三井リースが6.85%。以下、三菱UFJキャピタル(三菱UFJキャピタル4号投資事業有限責任組合)、日本郵政キャピタル、アイティーファーム(アイティーファームのぞみ投資事業有限責任組合)、INCJ、DBJキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル(SMBC戦略出資1号投資事業有限責任組合)、みずほキャピタル(みずほ成長支援ファンド)など通信・金融機関系ファンドが名を連ねる。社長の田中氏は、イー・アクセスで常務執行役員などを務めていた人物だ。

同社は、2012年6月設立のスタートアップ。携帯基地局の建設にかかわる基地局本体やアンテナ、工事などの設備投資を請け負い、国内のほかベトナムやミャンマーなどの海外の携帯キャリアへ屋内基地局のシェアリング事業を展開している。なお、2019年1月にはマレーシアの携帯基地局のシェアリング事業最大手であるedotco(イードットコ)グループとの戦略的事業提携を締結。そして9月には、第5世代移動通信システムでのシェアリングモデルの推進に向け、日本電信電話と資本提携と業務提携を結んでいた。

詳しくは同社のプレスリリース一覧で確認できるが、2019年だけでも病院や大学、ホテル、オフィスビル、商業施設、劇場など40件以上の建物で基地局のシェアリングサービスを提供している。

関連記事:携帯電話の通信設備を屋内に設置するスタートアップ、JTOWERが10億円の資金調達を実施

そのほか、不動産事業者向けのクラウドWi-Fiソリューション、基地局の設置許可を得られたビルなどを所有する不動産事業者情報を集約したデータベース「SITE LOCATOR」などの提供している。

直近の業績は、2019年3月を決算期とする2019年度(2018年4月〜2019年3月)は売上高13億7700万円、営業損失1億6900万円、経常損失1億6600万円、当期純損失は2億1400万円。2020年度(2019年4月〜2020年3月)の予想は、売上高24億3900万円、営業損失1億6500万円、経常損失2億5800万円、当期純損失2億8900万円。

業績はすべて連結で、子会社・関連会社としては、ナビック、SOUTHERN STAR TELECOMMUNICATION EQUIPMENT JOINT STOCK COMPANY(ベトナム)、GNI MYANMAR COMPANY(ミャンマー)などがある。2019年3月期の連結売上高構成比は、国内事業62.7%、ベトナム事業33.0%、ソリューション事業4.3%となっている。

赤字状態でのマザーズ上場だが、初値の高さからも5G時代の同社に対する市場の期待値の高さがうかがえる。

 

クラウドソーシングサービス運営のランサーズが東証マザーズ上場、公開価格730円で初値842円

クラウドソーシングサービス事業を展開しているランサーズは12月16日、東証マザーズ市場に上場した。主幹事証券会社は大和証券で、公募160万株、売り出し100万8700万株、オーバーアロットメントによる売り出しが39万1300株となる。オーバーアロットメントとは、当初の募集・売出予定株数を超える需要があった場合に実施される株式の販売方法。主幹事証券会社が対象会社の株主から一時的に株式を借り、売出予定株数を超える株式を、募集・売出しと同じ条件で追加販売すること。

公開価格は730円で初値はそれを100円超上回る842円となった。12月16日午前10時30分時点の最高値は9時34分につけた960円で、10時12分に791円の最安値となり、10時30分現在は初値より少し下がった820円前後に回復して株価が推移している。

同社は、フリーランスや副業を考えている個人と企業をマッチングさせるサービスを展開。経営コンサルタントやライター、エンジニアなどのスキルを持つ個人が希望時間単価を提示して、企業などから仕事を請け負うことができる。

直近の業績は、2019年3月を決算期とする2018年度(2018年4月〜2019年3月)は売上高25億2200万円、営業損失2億200万円、経常損失9300万円、当期純損失は1700万円。2020年度(2019年4月〜2020年3月)の予想は、売上高34億4100万円、営業損失5億1000万円、経常損失5億4900万円、当期純損失2億2500万円。

主な株主は、同社代表取締役社長CEOの秋好陽介氏が56.79%、グロービス4号ファンド投資事業有限責任組合(グロービス・キャピタル・パートナーズ)が8.97%、KDDIが5.24%などとなっている。

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スキマ時間シェアのタイミーが西鉄グループと提携、沿線の人手不足解消にIoTバス停を活用

空き時間に面接なしですぐに働けるサービス「Timee」を展開するタイミーは12月10日、福岡を拠点とする西鉄グループとの提携を発表した。YE DIGITALが開発・展開する「スマートバス停」を活用して、西鉄バス沿線の人手不足解消を目指した取り組みを開始する。

スマートバス停とは、従来のバス停に設置されている案内板がデジタルサイネージになっているバス停のこと。時刻表はもちろん、特別ダイヤなど時期に応じた情報・広告を配信できる。通信機能も備わっており、表示内容を遠隔操作で変更することも可能。なお首都圏では、YE DIGITALと西鉄エム・テック、国際興業の3社が、さいたま市桜区にある「埼玉大学」のバス停でスマートバス停の実証実験を2020年11月30日まで実施中だ。

具体的な取り組みとしては、西鉄グループの西鉄バス北九州のバス運行エリアにおいて、スマートバス停などでの「Timee」アプリのダウンロードの促進や、バイト時のバス利用促進の共同プロモーションを実施する。将来的には、スマートバス停で沿線の企業や店舗の求人情報をリアルタイムに確認できるようにするとのこと。

タイミーは2019年8月より福岡エリアでのサービス提供を開始。今回の提携は、西日本鉄道が実施したオープンイノベーションプログラム「西鉄Co+Lab『BUS STOP 3.0~夢を描く未来のバス停を創ろう~』」にて、沿線沿いの人手不足を解消するアイデアとして同社のサービスが採択されたことによるもの。

同社は現役大学生の小川 嶺氏が2017年8月に設立したスタートアップ。少子高齢化による労働力不足という大きな社会問題を解決するため、2018年8月に空いている時間にすぐに働けてすぐ報酬を受け取れるサービスとしてタイミーを開始した。2019年10月には20億円の資金調達にも成功、11月25日から関東地区で橋本環奈をメインキャラクターとしてテレビCMも放映中だ。

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福岡県を中心に鉄道とバスを合わせた巨大な公共交通網を擁する西鉄グループと組むことで、地方都市での人手不足解消にタイミーのサービスがひと役買いそうだ。個人的には西鉄グループとの連携をさらに深めて、バイト先まで移動手段に西鉄バスを使えば運賃はタダといった施策があっても面白いと感じた。

1日70円の傘シェアサービス「アイカサ」が1周年、東京駅周辺41カ所に新たに展開

Nature Innovation Groupは12月9日、同社が運営する傘のシェアリングサービス「アイカサ」を東京駅周辺に展開することを明らかにした。JR東京駅の各出口、八重洲地下街、東京スクエアガーデン、日本橋高島屋S.C、日本橋三越本店、COREDO室町1など41スポットで1日70円で傘を借りられるようになる。なお今回のエリア展開には、東京ステーションシティ運営協議会、東京建物、八重洲地下街、三井不動産、三越伊勢丹 日本橋三越本店、高島屋 日本橋高島屋S.C、あいおいニッセイ同和損害保険の各社の協力のもとで実現した。

同社では今回のエリア拡大に併せて東京駅オリジナル傘も各スポットに設置する。日本橋、八重洲、京橋、大手町、丸の内、有楽町の6エリアが描かれた実際の古地図をモチーフとしたデザインで、江戸の雰囲気が伝わるような配色になっているとのこと。なおこのオリジナル傘は、東京ステーションシティ運営協議会と東京建物がスポンサーとなって制作されたものだ。

アイカサを利用する際に専用アプリのインストールは不要で、LINEでアイカサと友だちになることですぐに使えるのが特徴だ。アイカサスポットに設置されている施錠状態の傘に張られているQRコードをスマホで読み取ることで解錠・決済が可能になる。2019年12月5日時点で、登録人数は6万3927人、加盟店舗数は約700店となっている。

傘を借りると1日ごとに70円が加算されていくが、6日以降から1カ月間は420円。ゲリラ豪雨など想定外の雨であっても、コンビニエンスストアで傘を購入するより安価に利用できる。借りた傘は最寄りのアイカサスポットに返却すればいい。決済方法は、クレジットカードのほかLINE Payを選べる。

アイカサは約1年前の2018年12月3日に渋谷エリアを中心とした50カ所でサービスを開始。その後、京急アクセラレータープログラムの第2期に採用されるなど鉄道会社との連携を積極的に進めてきた。現在では、品川駅周辺で京浜急行電鉄の所有不動産、小田急電鉄の新宿〜町田間の各駅(参宮橋駅を除く)、西武鉄道の西武新宿線全線(西武新宿〜本川越)、西日本鉄道の所有ビル14棟などに導入されている。もちろん、新宿や池袋、秋葉原などの人が集まる地域も対応エリアだ。地方展開では福岡市との提携も記憶に新しい。そしてサービスイン1周年を迎えた2019年12月に首都圏の鉄道網の玄関口ともいえる東京駅周辺にスポットを増やした。エリア拡大を急速に進めるNature Innovation Group、今後はどの鉄道沿線をコンプリートするのか楽しみだ。

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1つのIDで複数のシェアサービスを使える小田急の「オーネ」プラットフォームが12月10日スタート

小田急電鉄は12月9日、シェアリングエコノミーに関わるサービスを軸とした地域密着型サービスプラットフォームとして「ONE」(オーネ)を、12月10日から運用開始することを発表した。ONEは、小田急が管理する1つのID「ONE ID」(オーネID)を使って、複数のシェアリングサービスを利用できるのが特徴だ。

ONEでは16社のシェアリングサービスが利用可能になる予定で、家具シェアのairRoom、洋服シェアのaiCloset、ダンボール単位で倉庫に荷物を預けられるサマリーポケット、農家直送の有機野菜の通販サイトである食べチョクなどがある。

今回のONEの運用開始と同時に利用可能になるのは、出張シェフのサブスクリプション型サービスのシェアダイン、ベビーシッターのシェアリングサービスを手掛けるキズナシッター、子供向けの習い事をサブスクリプション型サービスで体験できるスクルー、LINE経由で1日70円で傘を借りられるアイカサの4サービス。

小田急では、ONEの運用開始に合わせたキャンペーンも実施する。2020年3月31日までにONEの会員登録を済ませ、ONE IDを小田急のポイントカードと連携させることとで、200ポイントの小田急ポイントがもらえるほか、12月10日から利用できる3社のサービスについては以下の特典が用意されているほか、それぞれのサービスの利用料金に応じて小田急ポイントも加算される・

  • シェダイン:1500円オフ
  • キズナシッター:Amazonギフト券3000円ぶん
  • スクルー:1チケット

もちろん、今後追加される各社のサービスについてもさまざまな特典が用意される予定だ。

さらにONEでは会員特典として、アイカサを最大3カ月無料で使えるほか、2020年12月31日までの約1年間「小児科オンライン・産婦人科オンライン」サービスを無料で利用可能だ。アイカサは参宮橋を除く小田急線の新宿〜町田の各駅に傘スポットが設置されているので、小田急沿線に住んでいるユーザにとって利便性は高い。ちなみに小児科オンラインは、小田急電鉄の福利厚生制度として導入されている。

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電動キックボードシェアのBirdが買収したScootの技術系従業員を一部解雇

The San Francisco Chronicleが最初に報じたところによると、電動キックボードのシェアリングサービスを展開しているBird(バード)は24人未満の従業員をレイオフしたという。レイオフの対象となるのは、今年初めにBirdが2500万ドル(約27億円)で買収したScoot(スクート)の従業員だ。Birdによると、レイオフの対象となったのは技術系の従業員だったという。

「BirdとScootの統合は、サンフランシスコの居住者と旅行者に最高の品質かつ信頼性の高いシェア・マイクロモビリティ・ビークルとサービスへのアクセスを提供するという、我々の以前または将来の取り組みに影響を与えたり、変更したりするものではない」と、Birdの広報担当者はTechCrunchに語っている。「Scootのチームはサンタモニカの本社に配置される予定だが、サンフランシスコにも運用とメンテナンスのチームや地域ごとの役割のためのオフィスを残す」。

Scootは現在、4社のうちの1社としてサンフランシスコでの電動キックボードとモペットの運営を認められており、またサンティアゴとバルセロナでも他の車種を運用している。

今回のラウンドはBirdにとって今年2回目のレイオフとなる。3月には、Birdは従業員の4〜5%をレイオフした。このレイオフはBirdの年次業績評価プロセスの一環であり、影響を受けたのは米国の従業員だけだった。

昨年10月、BirdはCDPQとSequoia CapitalがリードしたシリーズDラウンドで2億7500万ドル(約300億円)を調達し、投資前の評価額は25億ドル(約2700億円)だった。また同月、BirdのCEOであるTravis VanderZanden(トラビス・ヴァンダーザンデン)氏はTechCrunch Disrupt San Franciscoにて、Scootブランドを存続させたいと語った。

「(Scootは)特に都市部で強力なブランドなので、存続させたい考えている」と、ヴァンダーザンデン氏は語る。「サンフランシスコでは、間違いなく続くだろう。そしてブランドにとって何が最も適しているのかを、他の都市でも探るつもりだ」。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

家具の月額レンタルサービスのCLASが関西進出、返却手数料無料キャンペーンを開始

家具や家電を月額定額、いわゆるサブスクリプションで利用できるサービスを提供するクラスは12月9日、サービスエリアを大阪府・京都府・兵庫県・奈良県の2府2県に拡大することを発表した。従来の東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県とあわせて1都2府5県で利用可能になる。対象地域拡大に伴い、2019年12月25日までの期間限定で関西の対象地域に住んでいる利用者に向けて、利用4カ月目から返却手数料が無料と2000円ぶんポイント贈呈という2つのキャンペーンを実施する。同社は、2020年末までに関西地域で会員登録数20万人を目標にする。なお、対象エリアは今後も拡大していく予定とのこと。

上記のキャンペーンに応募するには、専用ページ https://clas.style/contents/27から会員登録を済ませて家具を借りるだけでいい。会員登録すると2000円ぶんのポイントが自動的に付与され、利用開始から4カ月目が経過した家具は解約時の返却数料が無料になる。なお返却数料は通常、1年以上の利用で半額、2年以上の利用で無料となる。

関西エリアの具体的な対象市町村は以下のとおり。

  • 大阪府:岬町、阪南市、泉南市、泉佐野市、貝塚市、南河内郡、泉南郡、泉北郡、豊能郡豊能町を除く全域
  • 京都府:京都市、亀岡市、宇治市、向日市、長岡京市、八幡市、京田辺市
  • 兵庫県:神戸市、姫路市、西宮市、尼崎市、明石市、加古川市、宝塚市
  • 奈良県:奈良市、生駒市、橿原市、大和郡山市、天理市、香芝市

Uberが昨年の性的暴力事例2936件を公表

Uberは初の安全レポートを発表し、性的暴行事件にも言及した。2017年にUberは性的暴行に関連する報告を2936件受け取った。2018年は3045件だった。数字は増えているが、平均発生率は16%減少しており、これは同社が最近安全対策を強化していることと関連があることをうかがわせる。

Uberは性的暴行を以下の5つのサブカテゴリーに分類している。非合意の非性的身体部分へのキス、非合意の性的挿入未遂、非合意の性的身体部分への接触、非合意の性的身体部分へのキス、非合意の性的挿入。

最後のサブカテゴリーについて言えば、これはレイプである。Uberはレイプの報告を2017年に229件、2018年に235件受けている。2017年、2018年を通じて、乗車1回当たりの事象発生率は0.00002%だったとUberはコメントしている。

「このような報告は稀ではあるが、いずれの報告も著しい痛みを伴う体験を進んで報告した人たちを代弁している」とUberが報告書を記載した。「たとえ1件でも、あってはならない報告だ」。念のために言うと、報告された暴行事例の被害者は乗客の場合もドライバーの場合もある。Uberによると、5つの性的暴行カテゴリー全体で、加害者の半数近くが乗客だった。

「このように扱いの難しい安全問題のレポートを自主的に発行するのは容易なことではない」と Uberの最高法務責任者Tony West(トニー・ウェスト)氏がブログに書いた。「ほとんどの会社は性的暴力などの問題について語らない。そうすることでマイナスイメージが広がり世間の批判を受けるからだ。しかし我々は新しいアプローチをとるべき時期が来たと感じている。25年以上にわたって性的事件を訴追し、このような問題を扱ってきた者として、私は新しいアプローチが絶対に必要であることをみんなに伝えたい」

Uberは長年その安全対策について厳しい視線を注がれてきた。2017年には、インドでUberドライバーにレイプされた女性が、Uberをプライバシー侵害で訴えた。CNNが独自に実施した調査によると、Uberドライバー103名が乗客に対する性的暴行や不法行為で訴追されている。

過去何年にもわたり、Uberはこうした状況を防止するために数々の安全基準を設けてきた。2018年5月、Uberはアプリに緊急通報する機能を追加した。その後Uberは、運行中にドライバーの携帯電話のGPSセンサーが異常に長い停車や予定外の停車を検知した際に起動されるRide Checkという機能を追加した。

「性的暴力の扱いには公正さが必要であり、それはこうした問題に光を当てることによってのみ実現できる。我々は社会のあらゆる部分に透明性を与えることから始める」とウェスト氏は書いた。「そして最も大切なのは、信頼できるデータを提供することによって、Uberの利用をドライバーにとっても乗客にとってもより安全にできるということだ」。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Airbnbが正式に宿泊施設でのパーティーやイベントを禁止

Airbnbリストにある全宿泊施設を検証する計画を明らかにしてから1カ月が経ち、民泊大手の同社はホストとゲストを守るためのさらなる策を発表した。過剰な騒音、清潔さに関する懸念、認められていないゲストや駐車、喫煙などを含むあらゆるシーンに対応するための「透明性があり、かつアクションを起こせるフレームワーク」を導入するというものだ。来年上場を予定しているAirbnbは、同社のプラットフォームで予約した施設での「誰でも参加できる」パーティーを全て禁止している。

認められていないパーティーは長い間、Airbnbの施設では禁止されてきた。新たな策では、つい最近カリフォルニアのAirbnb施設で開催され、5人が殺害されたハロウィンパーティーのような、ホストに許可されていないイベントをゲストが開催するのを禁止しようとしている。

Airbnbはまた、新たな策について行政トップや当局が同社と協議するためのホットラインも新設する。「住宅シェアは、世界中の多くのカルチャーで昔から行われてきた一方で、Airbnbのようなデジタルプラットフォームの興隆でかつてないほど人々にとって身近なものになった」とAirbnbの責任担当副社長Margaret Richardson(マーガレット・リチャードソン)氏は今日の声明文に書いている。「それと引き換えに、Airbnbは何百万という人が互いに信用できるフレームワークを創出するために世界中の都市、ホスト、ゲストコミュニティと協力して取り組んできた」。

2008年に設立されたAirbnbは、個人の宿泊施設のルールを考案するために数多くのホストに注意を向けるのではなく、リストにある物件の検証やより厳しいゲストルールの適用を長らく回避してきた。同社は成長していて、また上場への道筋を整えている最中であるため、ホストやゲスト、コミュニティを守るためのさらなるポリシー刷新が見込まれる。

先月初めにAirbnbは「全施設の写真や住所、リストに記された詳細、清潔度、安全性、ベーシックなアメニティが正しいものであるかどうかを確かめる」と話した。同社の新たな基準をクリアした物件だけが、今年12月15日までに「お墨付き」となる、とCEOのBrian Chesky(ブライアン・チェスキー)氏は先月全社員に向けたメールに記している。今月からAirbnbは新スタンダードに適合しない物件を予約しているゲストの予約を取り直したり、返金したりする。

同社は先月、ゲストが年中いつでもどこからでもAirbnbの従業員に連絡をとれるホットライン「24/7 Neighbor Hotline」を立ち上げる計画も示した。同社はこのサービスを来年本格展開する。

リチャードソン氏は上記の変更を、元警視庁長官でオバマ大統領(当時)の警察部門タスクフォースの共同議長を務めたCharles Ramsey(チャールズ・ラムジー)氏、そして地域治安維持活動局法務部の前ディレクターRonald Davis(ロナルド・デイビス)氏と共に考案した。

画像クレジット:Phillip Faraone / Stringer / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)