シェアリング旅行の仏スタートアップBlaBlaCarが126億円を調達してプラットフォーム構築へ

フランスのスタートアップBlaBlaCarは9700万ユーロ(約126億円)の大型ラウンドを実施したことを発表した。同社はこれまで長距離移動のためのカープールのスタートアップとして知られていたが、最近Ouibusを買収したことにともない、長距離バスのチケットのマーケットプレイス事業にも進出していた。BlaBlaCarはOuibusに加えてオンラインのバス切符販売サービスBusforも買収している。

既存の投資家であるVNV Globalが今回のラウンドをリードした。新たな投資家としてOtiva J/F ABとFMZ Venturesの2社が参加している。Otiva J/F ABはAvitoの創業者であるJonas Nordlander(ヨナス・ノルトランダー)氏とFilip Engelbert(フィリップ・エンゲルベルト)氏が設立したファンドだ。Avitoはロシア市場向けの求人・案内広告を専門としている。ロシアではクラシファイド広告の大手として知られているが、世界的ハイテク投資家であるNaspersがAvitoを買収した。FMZ Venturesは、Alibabaの投資担当でLyftやTripadvisorの取締役を務めた経験を持つMichael Zeisser(マイケル・ザイサー)氏が創立したしたグロースファンドだ。

資金調達はコンバーティブル・ボンド(転換社債型新株予約権付社債)によったため、会社評価額は確定評価額ベースの資金調達ラウンドや株式上場などを待たねばならない。BlaBlaCarの共同ファウンダーでCEOのNicolas Brusson(ニコラ・ブルソン)氏は、BlaBlaCarがまだ十分な額のキャッシュを銀行口座に保有しており「プレIPOラウンド」だとしている。

同氏は、取材に対して「BlaBlaCarは今回のラウンド以前から十分なキャッシュの用意がありましたが、ラウンド後は2億ユーロ(約260億円)以上となっています」と述べた。

今回のラウンドには同社がすぐに上場しなくても(あるいは資金調達をしなくても)、一定の期限によって作動する条項がある。上場、資金調達ラウンドなどがない場合、社債は20億ドル(約2160億円)の評価額でBlaBlaCarの株式に転換される。

BlaBlaCarが今回調達した資金はカープール事業、バス事業、統合プラットフォーム構築という3つの戦略的分野に集中されるものとみられる。

コアビジネスであるカープール事業についてみる、と同社は15年前に自動車の空席と同じ方向に向かいたい乗客をマッチングさせるというシンプルな相乗りサービスからスタートした。2020年来のパンデミックによるロックダウンが逆風となったのは確かだが、カープール事業に与えた影響は電車や飛行機と比べものにならないほど軽微だった。

ブルソン氏は「BlaBlaCarには多額の固定費がありません。我々は自動車を保有していないので空車を走らせる必要はありません。すべてはコミュニティの力で成り立っています。とはいえ我々はトランザクションにともなう手数料から収入を得ているので2020年のロックダウンで売上は減少ししました」と述べた。

2020年夏には経営は回復したが、以後はパンデミックに対する規制に応じて経営はジェットコースター的に上下を繰り返している。しかし「自動車は鉄道や路線バスのような固定的サービスではなく、柔軟かつ普遍的に人々を結びつける要素です。これは今後もそうでしょう」とブルソン氏はいう。

カープールは安定した強力な収入源だ。2020年だけでもBlaBlaCarには22の市場で5000万人の利用者があった。つまりカープールは負け知らずの賭けだ。

ここ数年、第2の柱はバス事業となっている。バスは特に新興国、東欧で大きな事業がチャンスがある。

現在、バスは大量に運行されているが、多くの場合オンラインでチケットを購入できない。BlaBlaCarはこのカテゴリーでの市場の全体は巨大だとみており同社は現在オフラインでしか入手できない大量のサプライをオンライン化するプラットフォームの構築を目指している。

これが、バス座席の在庫管理システムを開発しているウクライナのスタートアップであるOctobusを買収した理由だ。ブルソン氏は「これによってBlaBlaCarのエンジニアの能力は全方位となります」と述べた。

BlaBlaCarの3つ目の柱は、プラットフォームに囲い込める忠実なユーザーの数を増やすことだ。BlaBlaCarは、カーブール、バス、将来的には電車などすべての移動方法について横断的にシェアリングによる旅行を発見できる「マルチモーダル旅行アプリ」を構築したいと考えている。

BlaBlaCarは、2021年末から2022年初めまでにマーケットプレイスに鉄道事業者を追加する予定だ。私はBursson氏に対しヨーロッパのすべての移動手段を対象とするOmioのような存在になろうとしているのかどうか尋ねた。Omio(以前のGoEuro)では、列車のチケット、バスのチケット、フライトを1つのプラットフォームで予約することができる。

ブルソン氏の戦略はこれと異なるとして「BlaBlaCarはまず特定の国に焦点を当て地域のすべての移動手段をプラットフォームに載せ、人々が期待するものをすべて販売できるようにしたいと考えています」と述べた。

BlaBlaCarアプリで「A地点からB地点への最適な移動手段を見つけることができる」ようにするのが最終的だ。つまり列車のチケット バスのチケット購入、相乗りなどユーザーのニーズ応じてさまざまなオプションがすべてプラットフォーム上で提供される。BlaBlaCarは広範囲な地域をサポートするため「2つの小さな町を結ぶ」最適な旅行手段を見つけるという困難な課題を解決するために非常に有利な立場にあるといえる。

カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:BlaBlaCar資金調達フランス旅行バスライドシェア

画像クレジット:BlaBlaCar

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(文:Romain Dillet、翻訳:滑川海彦@Facebook

よりパーソナルな感覚のフランス発ひと味違う新デートアプリ「Feels」

Feels(フィールス)をご紹介しよう。これはデートアプリの仕組みを変えようとしているフランスの新しいスタートアップだ。同社は、写真をスクロールしたり、説明文を読んだりするのは退屈になりがちだと主張する。Feelsは、プロフィール部分を改善して、TikTok(ティックトック)のビデオを見たり、ストーリーを閲覧するような感覚でアプリを操作できるようにしている。

共同創業者でCEOのDaniel Cheaib(ダニエル・チーブ)氏は「この10年、この業界にはほとんどイノベーションがありませんでした」と語る。「デートアプリをアンインストールする人が多い理由は『つまらないから』です。プロフィールがどれも同じように見えて、まるでカタログを眺めているような気分になります」。

ここでチーブ氏がまず念頭に置いているのはTinder(ティンダー)だが、同時にBumble(バンブル)やHappn(ハプン)など、Tinderに似ているけれどTinderとはまったく同じとはいえない他のデートアプリのことも語っている。

Feelsの創業チームは、何がうまくいき、何がうまくいかないかを見つけるために、2年間かけてアプリを繰り返し開発してきた。やっと利用継続指標が想定どおりになったことで、より広く展開することになったのだ。

画像クレジット:Feels

もしデートアプリでユーザーにおもしろいコンテンツを見せようと思ったら、プロフィール部分を見直さなければならない。開発段階で最も苦労したのは、間違いなくこの部分だ。このアプリをインストールしたときに、プロフィールの作成には約15分必要だ。

初期バージョンでは、この初期登録プロセスを終えた新規ユーザーは30%しかいなかった。現行のバージョンでは、新規ユーザーの約75%が登録フローを最後まで終わらせる。

では、Feelsのプロフィール表示は何が違うのだろう?多くの点で、このプロフィールは、ストーリーやTikTokの投稿に似ている。ユーザーは、ビデオの録画、テキストやスタンプの追加、写真の共有、質問への回答などをプロフィールに追加できる。

チーブ氏は「初期登録プロセスが完了すると、他のひとにコンテンツを公開できる一貫したプロフィールができあがります」という。

他のデートアプリと同様に、性自認に関して、女性か男性かに限られることなく、さまざまな選択肢が提供される。ユーザーは、全員のプロフィールを見たいのか、さまざまな条件に基づいて一部の人のプロフィールだけを見たいのかを指定できる。

そうした初期登録プロセスを終わらせたら、他の人たちのプロフィールを見ることができるようになる。繰り返しになるが、Feelsはデートアプリの基本的なインタラクションを変えようとしている。ほとんどのデートアプリでは、左右のスワイプや、親指の上げ下げで選択を行う必要がある。考えてみれば、それは膨大な数の細かい判断を必要とする二者択一の選択だ。

誰かに対して強い思い入れがない場合もあるし、あるいは、単に次のプロフィールに進みたいだけの場合もある。そして、このようにプロフィールを格付けしなければならないことによって、意識的であれ、無意識的であれ、多くのネガティブな感情がもたらされることになる。その結果人を拒絶し続けることになってしまう。

Feelsでは誰かのプロフィールを見ると、画面いっぱいにそのプロフィールが表示される。動画が再生され、そのことでその人が好きなものや、カメラの前にいる人の様子がわかる。コンテンツに反応することもできるし、上にスワイプして先に進むこともできる。ハートボタンやいいね!ボタンはない。

アプリがある程度完成してきたと考えたスタートアップは、110万ユーロ(約1億4000万円)の調達を行った。投資したのはBlaise Matuidi(ブレーズ・マテュディ)氏、Eric Besson(エリック・ベッソン)氏、René Ricol(ルネ・リコル)氏、Ricardo Pereira(リカルド・ペレイラ)氏、Yohan Benalouane(ヨアン・ベナルアン)氏、Nampalys Mendy(ナンパリス・メンディ)氏、Julien Radic(ジュリアン・ラディック)氏、Jean Michel Chami(ジャン・ミシェル・チャミ)氏といった、Atomicoのビジネスエンジェルプログラムに参加している人たちや、その他多くのビジエスエンジェルたちだ。

現在Feelsは、TikTokへの組織的な投稿やテレビ広告をすることによる、新規ユーザーの獲得を計画している。同社は、年内に100万人のユーザーを獲得したいと考えており、当面はフランス国内に重点を置いている。現在のユーザー数は10万人だ。

収益化に関しては、Feelsはより多くの機能を使えるプレミアムサブスクリプションの提供を開始した。その部分については、まだ繰り返し試行している途中だ。

Feelsは、競合が多く競争の激しい業界の中で、まだ始まったばかりだ。他社とは異なり、Feelsはユーザー獲得や有料化に取り組む前に、自社製品に多額の投資を行ってきた。それは野心的な戦略だが、真の意味で他とは違うデートアプリになる可能性を秘めている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Feelsデートアプリフランス資金調達
画像クレジット:Feels

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(文:Romain Dillet、翻訳:sako)

レストランの迅速会計フローを開発するSundayが26.1億円のシードラウンドを実施

Sunday(サンデー)をご紹介しよう。この新しいスタートアップは2400万ドル(約26億1000万円)のシードラウンドを実施し、1億4000万ドル(約152億5000万円)のポストマネー評価額となったことで、ちょっとした話題を集めている。これは数カ月前にスタートしたばかりの会社にしては大金だが、それはSundayが迅速に行動したいと考えているからだ。

Sundayが注目されているのは、Victor Lugger(ビクター・ラガー)氏、Tigrane Seydoux(ティグラン・セドゥ)氏、Christine de Wendel(クリスティーヌ・ドゥ・ウェンデル)氏の3人が設立したからだ。ラガー氏とセドゥ氏はBig Mamma(ビッグ・マンマ)の創業者であり、数年前から一緒に仕事をしている。またウェンデル氏は、フランスのZalando(ザランド)を率いた後、ManoMano(マノマノ)のCOOに就任した人物だ。

Big Mammaをご存じない方のために説明すると、彼らはフランスで十店舗以上のイタリアンレストランを立ち上げた企業だ。また、フランスのスタートアップキャンパスStation Fの、フードコートLa Felicità(ラ・フェリシタ)の運営も行っている。

料理が美味しくて、比較的リーズナブルなので、それらのお店のファンもいる。だがBig Mammaは特に長蛇の列で知られており、次のグループのために早く食べなければならないという圧力を常に感じるため、嫌っている人もいる。しかし、ここ数年にわたってうまくやってきたことは明らかだ。

パンデミックの中でBig Mammaの運営を行う中で、スピンオフ企業Sundayが米国で創業された。Sundayはメニュー検索や会計を無接触で行う手段を提供しようとしている。多くのレストラン同様に、テーブルにQRコードを置いて、顧客が携帯電話で読み取るとウェブサイトが表示されるようにするのだ。

しかし、Sundayは単にメニューを表示するだけではなく、レジシステムにも直結している。Sundayは、Oracle Micros(オラクル・マイクロ)、Brinks(ブリンクス)、Tiller(タイラー)、Zelty(ゼルティ)、Revo(レボ)、CashPad(キャッシュパッド)などをサポートしてる。顧客はまた、QRコードをスキャンして勘定を確認し、携帯電話から直接支払うことができる。食べ終わったら、その場でセルフで支払い、立ち上がって帰るだけだ。

Big MammaのレストランでそのSundayのシステムを試した結果、彼らはある程度有望な結果を得ることができた。顧客の80%がQRコードでの支払いを選択し、その結果レストランでは平均15分の待ち時間が短縮され、テーブルの回転率が向上したのだ。

そして、これがSundayを理解するための鍵だ。もし新しい決済システムを導入することで売上が上がるのなら、それをレストランに売り込むのは簡単だ。空きテーブルを探すのに苦労するような人気のあるレストランは、Sundayから大きな恩恵を受けることができるだろう。

また、新しい可能性も広がる。例えば、顧客全員がSundayをインストールして支払うことで、テーブルで直接割り勘を済ませることができる。現在Sundayは、QRコードをベースにしているが、特にQRコードに依存しているわけではない。RFIDチップやタブレットなどを使って勘定書を読み込むことも想像できる。

そのビジョンは明確だ、Sundayはレストラン向けのFast Checkout(迅速会計)システムを作りたいのである。スタートアップは、オンライン決済が、実店舗での会計システムとこの先融合すると考えている。

関連記事:オンライン決済各社への巨額投資が続くなかFastが105.8億円調達

Sundayの顧客は、月々の利用料やセットアップ費用を支払う必要はない。使用量に応じた処理手数料のみを支払うことになる。そしてその手数料は、現在店舗が使用しているクレジットカードよりも低い場合が多い。

今回のスタートアップのシードラウンドは、Coatueが主導し、New Waveが参加した。New Waveは、Pia d’Iribarne(ピア・ディリバーン)氏が率いるヨーロッパの新しいシードファンドで、Xavier Niel(ザビエ・ニエール)氏がバックアップしている。複数のホスピタリティならびにテック系の投資家も参加している。

その狙いは、パンデミックによるチャンスがある今のうちに、多くの資金を集め、多くのレストランと契約し、市場を掌握しようというものだ。すでに40人を雇用し、ヨーロッパではまだほとんどのレストランが閉店しているにもかかわらず、レストランとの契約を進めている。

Sundayは何らかの技術的な達成そのものではなく、実行そのものなのだ。こうした会計体験を他社よりも早く展開できた会社が、市場を制することになるだろう。

レストランの営業が再開されたときには、フランス国内のEataly(イータリー)、PNY、Paris Society(パリ・ソサイエティ)、Eric Frechon(エリック・フレション)、Groupe Bertrand(ベルトラン・グループ)のレストラン(Burger King France(バーガーキングフランス)、Hippopotamus(ヒポポタマス)、Groupe Flo(フロー・グループ)などでも、SundayのQRコードを見かけるようになるだろう。Sundayは、同様に英国でも、JKSグループ(Hoppers(ホッパース), Brigadiers(ブリガディエ)、 Gymkhana(ジムカーナ)やCorbin & King(コービン&キング)などと提携している。また、米国やスペインの企業とも交渉を進めている。

現在、Sundayを採用しているレストランは全体で1000店以上ある。

Sundayの共同創業者でCEOのビクター・ラガー氏は「私たちは、Big Mammaでレストランを立ち上げた時と同じモデルを採用しています。7年前、固定費を圧縮してより良い製品を提供するために、他社の3倍の投資を行いました」と語る。

スタートアップは、すでに野心的な製品ロードマップを持っている。最終的には、過去の請求書を記録しておいたり、アレルギーを追跡したり、お気に入りの支払い方法を登録したりすることのできる、個人Sundayアカウントを持つことが想像できる。繰り返すが、これは着実に実行に向かっているのだ。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Sunday資金調達レストランフランスQRコード

画像クレジット:Sunday

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(文:Romain Dillet、翻訳:sako)

レストランの迅速会計フローを開発するSundayが26.1億円のシードラウンドを実施

Sunday(サンデー)をご紹介しよう。この新しいスタートアップは2400万ドル(約26億1000万円)のシードラウンドを実施し、1億4000万ドル(約152億5000万円)のポストマネー評価額となったことで、ちょっとした話題を集めている。これは数カ月前にスタートしたばかりの会社にしては大金だが、それはSundayが迅速に行動したいと考えているからだ。

Sundayが注目されているのは、Victor Lugger(ビクター・ラガー)氏、Tigrane Seydoux(ティグラン・セドゥ)氏、Christine de Wendel(クリスティーヌ・ドゥ・ウェンデル)氏の3人が設立したからだ。ラガー氏とセドゥ氏はBig Mamma(ビッグ・マンマ)の創業者であり、数年前から一緒に仕事をしている。またウェンデル氏は、フランスのZalando(ザランド)を率いた後、ManoMano(マノマノ)のCOOに就任した人物だ。

Big Mammaをご存じない方のために説明すると、彼らはフランスで十店舗以上のイタリアンレストランを立ち上げた企業だ。また、フランスのスタートアップキャンパスStation Fの、フードコートLa Felicità(ラ・フェリシタ)の運営も行っている。

料理が美味しくて、比較的リーズナブルなので、それらのお店のファンもいる。だがBig Mammaは特に長蛇の列で知られており、次のグループのために早く食べなければならないという圧力を常に感じるため、嫌っている人もいる。しかし、ここ数年にわたってうまくやってきたことは明らかだ。

パンデミックの中でBig Mammaの運営を行う中で、スピンオフ企業Sundayが米国で創業された。Sundayはメニュー検索や会計を無接触で行う手段を提供しようとしている。多くのレストラン同様に、テーブルにQRコードを置いて、顧客が携帯電話で読み取るとウェブサイトが表示されるようにするのだ。

しかし、Sundayは単にメニューを表示するだけではなく、レジシステムにも直結している。Sundayは、Oracle Micros(オラクル・マイクロ)、Brinks(ブリンクス)、Tiller(タイラー)、Zelty(ゼルティ)、Revo(レボ)、CashPad(キャッシュパッド)などをサポートしてる。顧客はまた、QRコードをスキャンして勘定を確認し、携帯電話から直接支払うことができる。食べ終わったら、その場でセルフで支払い、立ち上がって帰るだけだ。

Big MammaのレストランでそのSundayのシステムを試した結果、彼らはある程度有望な結果を得ることができた。顧客の80%がQRコードでの支払いを選択し、その結果レストランでは平均15分の待ち時間が短縮され、テーブルの回転率が向上したのだ。

そして、これがSundayを理解するための鍵だ。もし新しい決済システムを導入することで売上が上がるのなら、それをレストランに売り込むのは簡単だ。空きテーブルを探すのに苦労するような人気のあるレストランは、Sundayから大きな恩恵を受けることができるだろう。

また、新しい可能性も広がる。例えば、顧客全員がSundayをインストールして支払うことで、テーブルで直接割り勘を済ませることができる。現在Sundayは、QRコードをベースにしているが、特にQRコードに依存しているわけではない。RFIDチップやタブレットなどを使って勘定書を読み込むことも想像できる。

そのビジョンは明確だ、Sundayはレストラン向けのFast Checkout(迅速会計)システムを作りたいのである。スタートアップは、オンライン決済が、実店舗での会計システムとこの先融合すると考えている。

関連記事:オンライン決済各社への巨額投資が続くなかFastが105.8億円調達

Sundayの顧客は、月々の利用料やセットアップ費用を支払う必要はない。使用量に応じた処理手数料のみを支払うことになる。そしてその手数料は、現在店舗が使用しているクレジットカードよりも低い場合が多い。

今回のスタートアップのシードラウンドは、Coatueが主導し、New Waveが参加した。New Waveは、Pia d’Iribarne(ピア・ディリバーン)氏が率いるヨーロッパの新しいシードファンドで、Xavier Niel(ザビエ・ニエール)氏がバックアップしている。複数のホスピタリティならびにテック系の投資家も参加している。

その狙いは、パンデミックによるチャンスがある今のうちに、多くの資金を集め、多くのレストランと契約し、市場を掌握しようというものだ。すでに40人を雇用し、ヨーロッパではまだほとんどのレストランが閉店しているにもかかわらず、レストランとの契約を進めている。

Sundayは何らかの技術的な達成そのものではなく、実行そのものなのだ。こうした会計体験を他社よりも早く展開できた会社が、市場を制することになるだろう。

レストランの営業が再開されたときには、フランス国内のEataly(イータリー)、PNY、Paris Society(パリ・ソサイエティ)、Eric Frechon(エリック・フレション)、Groupe Bertrand(ベルトラン・グループ)のレストラン(Burger King France(バーガーキングフランス)、Hippopotamus(ヒポポタマス)、Groupe Flo(フロー・グループ)などでも、SundayのQRコードを見かけるようになるだろう。Sundayは、同様に英国でも、JKSグループ(Hoppers(ホッパース), Brigadiers(ブリガディエ)、 Gymkhana(ジムカーナ)やCorbin & King(コービン&キング)などと提携している。また、米国やスペインの企業とも交渉を進めている。

現在、Sundayを採用しているレストランは全体で1000店以上ある。

Sundayの共同創業者でCEOのビクター・ラガー氏は「私たちは、Big Mammaでレストランを立ち上げた時と同じモデルを採用しています。7年前、固定費を圧縮してより良い製品を提供するために、他社の3倍の投資を行いました」と語る。

スタートアップは、すでに野心的な製品ロードマップを持っている。最終的には、過去の請求書を記録しておいたり、アレルギーを追跡したり、お気に入りの支払い方法を登録したりすることのできる、個人Sundayアカウントを持つことが想像できる。繰り返すが、これは着実に実行に向かっているのだ。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Sunday資金調達レストランフランスQRコード

画像クレジット:Sunday

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(文:Romain Dillet、翻訳:sako)

医者とすぐにチャットできる小児科アプリのBilobaが処方機能を追加し約1.9億円調達

フランスを拠点とるすスタートアップBilobaは、質問があればいつでも医者とチャットできる小児科アプリをローンチした数カ月後に、140万ユーロ(約1億8000万円)の資金調達ラウンドを実施した。資金調達に加えて、このスタートアップは最近アプリ内処方機能も追加した。

Bilobaのコンセプトは驚くほどシンプルだ。これはモバイルアプリで、子供の医療に関する質問があればいつでも一般開業医や看護師に連絡できる。このサービスは午前8時から午後10時の間に利用できる。

会話はメッセージアプリのようにも見える。メッセージの送受信だけでなく、写真やビデオの送信もできる。リアルタイムのビデオ通話や予約機能はない。Bilobaによると、通常は10分以内に回答が得られるという。

2020年、Bilobaは120万ユーロ(約1億6000万円)のプレシード資金を調達した。2021年の140万ユーロ(約1億8000万円)のシードラウンドをリードしたのはAglaéVenturesとID4で、既存投資家のCalm/Storm Ventures、Inventures、Acequia Capitalそして何人かのエンジェル投資家も再び参加している。

テキストでの会話は、小児科医の診察の代わりにはならない。また幼児が生まれた後も、多くの医療交流や節目がある。ただし質問がある場合は、次の予約を待ちたくはないだろう。

そして対面予約を必要としない比較的無害な問題であれば、Bilobaは処方箋を発行することができる。アプリでは処方箋を受け取り、フランスのすべての薬局で受け付けられる。同スタートアップはこの機能にOrdoclicを使っている。

フランスの国民健康保険制度と民間の健康保険が特に充実しているにもかかわらず、Bilobaは人々が診察ごとに支払うべきではないと考えている。その代わり、このスタートアップはサブスクリプションモデルを選んだ。

保護者は月額12.99ユーロ(約1700円)、3カ月で24.99ユーロ(約3300円)、年額79.99ユーロ(約1万円)を支払う。その後、好きなだけ会話を開始できる。Bilobaへの加入はフランスの国民医療制度の対象ではない。

基本的にBilobaの会費を払う余裕があれば、医師との交流の頻度を増やすことができ、より良い医療アドバイスにつながるはずだ。

画像クレジット:Biloba

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Bilobaフランス医療資金調達

画像クレジット:Biloba

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(文:Romain Dillet、翻訳:塚本直樹 / Twitter

仏ケータリングサービス大手Eliorが単一メニューデリバリーで成長中の仏Nestorを買収

企業・教育機関向け契約ケータリングサービスを提供するフランス発の多国籍企業Elior(エリオール)は、フランスのスタートアップNestorを買収したと発表した。買収額は非公開。Nestorは元々、DeliverooやUber Eats(ウーバーイーツ)などのフードデリバリー大手との差別化を図るため、シンプルなアイデアからスタートした企業だ。

当初このスタートアップは毎日、ランチに単一メニューを提供していた。その日のメニューが気に入れば、注文すると10分から20分後に配達されるというもの。単一のメニューを提供することで、配達員は1回の配車で複数の顧客に届けることができる。また、Nestorは自社のキッチンを運営することで、サードパーティーのレストランに支払う必要がなく、利益率を向上させることができた。

2016年に初めてNestorを取材して以来、同社は高い資本効率で、このユニークなサービスの提供に主眼を置いてきた。Eliorによると、Nestorは週1万食を達成したという。

ここ数カ月の間、Nestorはいくつか新しいサービスを展開しようとしてきた。例えば、企業は社員食堂をNestorに切り替えることができる。同社は、調理された食事を冷蔵庫に直接届ける。これは、食堂のようなサービスに焦点を当てたもう1つのフランスのスタートアップであるFoodlesを思い起こさせる。

Nestorはまた、クライアントとの大きな会議がある日のために、個別に包装されたランチボックスを届けることもできる。最近、Popchefもこの分野に注力するためにピボットした。

今回の買収により、NestorはB2B市場にますます注力することになる。Eliorはガラス張りのタワーに入居しているような大企業の数々と提携しているが、中小企業に対してオフィスに食堂を開設するよう説得するのは、かなり難しいことだった。

セールストークは、2文に集約することができる。Nestorのクライアントは、すべてが事前に調製されているので、自分のキッチンを持っている必要はない。そして従業員は、ランチタイムにDeliverooを見てハンバーガーやピザではないものを探さなくてすむ。

カテゴリー:その他
タグ:Eliorフランス買収フードデリバリー

画像クレジット:Markus Spiske / Unsplash

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(文:Romain Dillet、翻訳:Aya Nakazato)

フランスの10代向けチャレンジャーバンクVybeが約3.1億円調達

フランスを拠点とするスタートアップのVybeは、ティーンエイジャー向けのチャレンジャーバンクを構築するために240万ユーロ(約3億1000万円)の資金調達を行った。同社は現在、ソフトローンチで製品をテストしている。ユーザーはデジタルウォレットとペアになったMastercardの支払いカードを受け取る。

Vybeの各口座には専用のIBANが設定されており、ユーザーは送金やお金の受け取りができる。18歳未満が口座を開設する場合は、親と一緒にKYC(本人確認)の手続きが必要だ。

保護者はカードの支払いに制限を設けたり、カードをブロックしたりできる。さらに、保護者は取引を表示することもできる。Vybeはブランドとの提携や報酬システムに加え、交換手数料から収益を得る計画だ。

Vybeは技術的には稼動していないが、すでに37万5000件のダウンロードを達成している。そして全体では26万人の10代の若者がすでにカードを予約している。すでに何千枚ものカードが配送されており、最初の指標は有望である。早期利用者は2日に1回カードを使用する傾向がある。

米国時間4月9日のファンドは、既存の投資家からのラウンドの延長だ。投資家にはCréditMutuelArkéaの前CEOであるRonan Le Moal(ロナン・ル・モアル)氏、Kick Club、Manoel Amorim(マノエル・アモリム)氏らがいる。

ティーンエイジャー向けの金融商品は収益性の高いセグメントだ。フランスではKardPixPayXaalysなどの企業がこのセグメントに参入しようとしている。これらの企業のほとんどは、サービスにアクセスするために加入料を請求している。

特に若者をターゲットにしていない他のフィンテック企業も、ティーンエイジャー向けのビジネスで成功する可能性がある。例えば年齢の若いユーザーはRevolut JuniorLydiaのアカウントを作って、親からお金を受け取ることができる。

米国では、子ども向けのデビットカードを提供するスタートアップがユニコーンになろうとしている。The InformationのKate Clark(ケイト・クラーク)氏が報じたように、GreenlightCurrentStepは10億ドル(約1100億円)から20億ドル(約2200億円)の評価額で新たな資金調達ラウンドを行っている。

画像クレジット:Vybe

関連記事:Revolutが子供のお小遣い管理に役立つRevolut Juniorの提供を開始

カテゴリー:フィンテック
タグ:フランス10代チャレンジャーバンクVybe資金調達

画像クレジット:Amir Hosseini / Unsplash

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(文:Romain Dillet、翻訳:塚本直樹 / Twitter

「フランスの孫正義」も支援する女性のためのヘルスケアスーパーアプリ「Nabla」

フランスのスタートアップNablaは中央ヨーロッパ時間4月7日、女性の健康に焦点を当てた新しいアプリを発表した。同社は、ユーザーの健康維持に貢献するいくつかのサービスを提供している。要約すると、Nablaは医師とのチャットやコミュニティコンテンツを提供し、すべての医療データの一元管理を支援する。近々、遠隔医療の予約も提供する予定だ。

今のところNablaの主な機能は、医療従事者との会話を始められることだ。ユーザーは一般開業医、婦人科医、助産師、看護師、栄養士、理学療法士などにメッセージを送ることができる。

対面のアポイントメントに完全に代わるものではないが、テキストでのディスカッションは間違いなく参考になる。医療従事者との対話の回数を増やすことで、より健康的な生活を送ることができ、さらに対面の予約を増やすことにつながるかもしれない。

フランスの他のスタートアップも、医療従事者とのテキスト会話を提供している。例えば健康保険会社のAlanでは、一般開業医とメッセージのやり取りができるが、Alanの保険に加入している必要がある。また、Bilobaも医師とのチャットを可能にしているが、同社は小児科に特化している。

Nablaの場合は異なる位置づけで、この機能を無料で提供している。ただし、質問を送れるのは月に数回までという制限がある。よくある質問であれば、コミュニティから回答が得られるかもしれない。Nablaの医師がコミュニティコンテンツをキュレーションすることもある。

無料の製品を使って自分の健康について語るのは、怪しい感じがする。しかしそれが可能なのは、このスタートアップが潤沢な資金を持っており、プレミアム機能を立ち上げる予定だからだ。

画像クレジット:Nabla

同社は2020万ドル(1700万ユーロ、約22億円)の資金を調達しており、すでに医師のチームと協力して、同社の最初のユーザー(患者)たちからの質問に答える準備ができている。同社への投資家には、Station F(スタシオン・エフ)を創立しマクロン仏大統領に「フランスの孫正義」と呼ばれたXavier Niel(グザビエ・ニール)氏、Artemis、Zendeskに買収されたBIME Analyticsの共同創業者Rachel Delacour(レイチェル・デラクール)氏、Instagram(インスタグラム)の南ヨーロッパブランド開発リーダーであるJulie Pellet(ジュリー・ペレ)氏、エンジェル投資家でMatch.comに買収されたMeeticの元CEOであるMarc Simoncini(マルク・シモンチーニ )氏、そしてFirstminute Capitalなどが含まれる。

Nablaがアプリをリリースする前にこれだけの資金を調達できた理由の1つは、3人の共同創業者がテックエコシステムで実績を持っていることだ。

共同創業者でCEOのAlexandre Lebrun(アレクサンドル・ルブラン)氏は、これまでにNuanceに買収されたVirtuOzや、Facebook(フェイスブック)に買収されたWit.aiを創業してきた。最近では、FacebookのAI研究チーム(FAIR)に所属していた。

共同創業者でCOOのDelphine Groll(デルフィーヌ・グロール)氏は、2つの大手メディアグループ、AufemininMy Little Parisで事業開発とコミュニケーションを統括してきた。また、共同創業者でCTOのMartin Raison(マーティン・レゾン)氏は、Wit.aiとFacebookの両社でルブラン氏と肩を並べて仕事をした経験がある。

Nablaはテキストでの会話に加えて、過去のやり取りをすべてパーソナルログとして表示する。そのログを、Apple(アップル)のHealthアプリやClue、Withingsなどの他のアプリやサービスと連携させることができる。こうすることで、同じアプリからすべてのデータを見ることができる。

お察しの通り、このスタートアップは、予防医療やホリスティック・ケアに関して、機械学習が役立つと固く信じている。デフォルトでは、機械学習の目的でNablaと共有される情報はない。だがユーザーはオプトインして、プロセスやパーソナライゼーションなどの改善のためにデータを共有することができる。

いずれNablaは、医師とのやり取りを可能な限り最適化したいと考えている。医師に完全に取って代わるのではなく、医師が人間的で共感的な部分に集中できるように、医療現場でのやり取りを向上させたいと考えているのだという。

Nablaは、医師とリアルタイムで対話できる遠隔医療サービスや、より多くの機能を備えたプレミアムサービスの提供を予定している。それは意欲的なロードマップであり、Nablaが当初のビジョンを守り、忠実なユーザーベースを見つけられるかどうか、長い目で見守っていく必要がありそうだ。

カテゴリー:ヘルステック
タグ:Nablaフランス遠隔医療医療女性

画像クレジット:Hush Naidoo / Unsplash

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(文:Romain Dillet、翻訳:Aya Nakazato)

法務部門に契約書作成ワークフローのサービスを提供するフランスの「Leeway」

Leeway(リーウェイ)は、契約書に関するエンド・ツー・エンドのSaaSソリューションを構築しているフランスのスタートアップ企業だ。Leewayを利用すれば、すべての契約書を1つのリポジトリに集中させ、複数の交渉ステップを経て、1つのDocuSign(ドキュサイン)イベントで電子署名を行うことができる。

同社は先ごろ、HenQ(ヘンク)やKima Ventures(キマ・ベンチャーズ)といった投資会社や、Algolia(アルゴリア)、Eventbrite(イベントブライト)、Spendesk(スペンデスク)、MeilleursAgents(メイユールエージェンツ)、Livestorm(ライブストーム)、Luko(ルコ)の創業者などのビジネスエンジェルから、420万ドル(約4億6400万円)のシードラウンド資金を調達した。

法務部門で働いている人ならば、おそらく複数のツールを使っていることだろう。契約書を作成するためにMicrosoft Word(マイクロソフト・ワード)を使い、契約書を保存してチームメイトやビジネスパートナーと共有するためにクラウドサービスを使い、さらに電子署名やアーカイブサービスを使用しているのではないだろうか。

Leewayは、このワークフローをすべてのステップで最適化する。まず、すべての契約書はLeewayに保存することができる。これによって後で契約書を探すのが容易になるだけでなく、契約の期限が近づくとリマインダーを受け取ることができるので、契約を更新することができる。

2つ目として、Leewayから直接契約書を編集できる。例えば、マネージャーは契約書を確認し、変更点をLeewayのインターフェイスに書き込むことができる。社員は修正を施して、完了したら契約書の新しいバージョンをそのまま保存すればよい。

その後、同じインターフェイスから契約書を送信することも可能だ。契約書に署名される前に複数の人が承認する必要がある場合、管理者はその承認ワークフローを設定できる。すべてが一元化されているので、現在進行中のすべての契約書の概要を把握することができる。

画像クレジット:Leeway

Leewayは次の段階として、条件付きの条項を製品の中に組み込むことを考えている。通常、大企業では、同じ条項でも、非常に有利な条件、有利な条件、あまり有利でない条件など、いくつかのバージョンを持っている。Leewayの顧客は交渉する際に、例えば、非常に有利な条件から有利な条件に、切り替えることができるようになる。

現在、約30社が契約書の管理にLeewayを利用している。クライアントには、Voodoo(ブードゥー)、Evaneo(エバネオ)、IFOP(フランス世論研究所)、Fitness Park(フィットネスパーク)などがある。同社の共同設立者であるAntoine Fabre(アントワーヌ・ファーブル)CEOは「私たちは、従業員数100人から500人の企業の法務部という、非常に特殊な顧客層を持っています」と、筆者に語った。

それより小規模な企業や大規模な企業がLeewayを使うべきではないという意味ではない。しかし、従業員が100人未満の企業には、必ずしも本格的な法務部門があるとは限らない。営業チームや財務部門が、法務的なチームとして機能することもあるだろう。しかし、Leewayには、まだまだ成長の余地がありそうだ。

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カテゴリー:リーガルテック
タグ:Leeway契約書SaaSフランス法務資金調達

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(文:Romain Dillet、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Phantom Autoの遠隔操作フォークリフトがGeodisとの提携でフランスに到着、自動運転車から物流にピボット

世界的な物流企業であるフランスのGeodis(ジオディス)は、数百キロ、時には数千キロ離れた場所にいる人間のオペレーターが遠隔操作できるフォークリフトの導入を促進するため、スタートアップのPhantom Auto(ファントム・オート)と提携した。

Geodisによると、この技術を利用することで、オペレーターの疲労やそれによる怪我を減らし、倉庫内にいる人間の数を減らすことを目的としているとのこと。遠隔操作式フォークリフトの使用は、従業員に取って代わるものではなく、働く場所を置き換えるものだという。都心から離れた場所で事業を展開することが多いGeodisにとって、このようなディテールは魅力的だ。

Geodisの西ヨーロッパ・中東・アフリカ事業CEOであるStéphanie Hervé(ステファニー・エルヴェ)氏は、TechCrunchの取材に対し、遠隔操作のフォークリフトを使用することで、身体障害者を含む新しい労働者グループを獲得することができると述べている。この意図は、労働者を他国にアウトソースすることではなく、地域内でより多くの労働者を見つけることにあるという。

このパートナーシップの下、Phantom Autoの遠隔操作ソフトウェアがKION Groupのフォークリフトに組み込まれた。フォークリフトには双方向オーディオが搭載されており、Geodisが「デジタルドライバー」と呼ぶ遠隔オペレーターは、倉庫内の同僚とコミュニケーションを取ることができる。

画像クレジット:Geodis

Phantom AutoとGeodisは、2年以上前からフランスのルヴァロワとルマンでパイロットプログラムを実施し、協力関係を築いてきた。今回の発表は、Phantom Autoにとって有益になり得る、より深い関係の構築を示している。

当初はフランス国内での展開を予定している、とエルヴェ氏は語った。今のところPhantom Autoのソフトウェアは、最初のパイロットサイトであるルヴァロワとルマンでフォークリフトの遠隔操作に使用され、向こう1年の間にフランス全土に拡大していく予定だ。Phantom Autoの共同設立者であるElliot Katz(エリオット・カッツ)氏によると、初期の2つの拠点で働くGeodisの従業員は、すでにフォークリフトを遠隔操作するトレーニングを受けているという。

Geodisのフットプリントはフランス国内にとどまらない。同社は、120カ国に約16万5千の顧客を抱えている。世界各地に300の倉庫を所有し、Amazon(アマゾン)やShopify(ショッピファイ)など、他の何千もの顧客にもサードパーティロジスティクスサービスを提供している。

Phantom AutoがGeodisと提携したことは、同社が当初注力していた自律走行車以外のビジネスを模索していることの一例だ。2017年に設立された同社は、フォークリフトやロボット、トラック、乗用車などの無人車両のフリートを遠隔で監視して介入するための、車両に依存しないソフトウェアを開発した。

同社はAV(自律走行車)業界に隣接している。AV事業者が遠隔操作の必要性を公に語ることはほとんどないが、ロボタクシーを商業的に展開する際や、その他のAVアプリケーションに必要なサポートシステムとして捉えられている。しかし、自律走行車の開発者たちが技術を商業化するためのスケジュールを先送りにしたため、Phantomは新しい分野に進出したのである。

これまでに2500万ドル(約27億7000万円)を調達したPhantom Autoは、歩道、倉庫、貨物ヤードなど、今日、自律走行や遠隔操作が導入されている場所を対象とした物流事業を展開している。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Phantom AutoGeodis物流遠隔操作フランス

画像クレジット:Geodis/Francois Bouriand

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Aya Nakazato)

eコマースサイトが在庫切れの商品を共有在庫から販売できるようになるStockly

フランスのスタートアップStocklyは、さまざまなeコマースサイトの在庫を同期させている。eコマースサイトで在庫切れの商品を見つけた場合、そのサイトを離れて別のサイトで同じ商品を見つけられる可能性がある。

ECサイトを運営している場合、Stocklyを使えば在庫切れの商品でも販売できる。同スタートアップのサービスは、その商品を持っているサードパーティーのStocklyサプライヤーを自動的に見つける。

注文はそのサプライヤーから直接送られる。Stocklyはパートナーに対し、消費者が混乱しないようにニュートラルなパッケージを使うように指示している。

これは、サードパーティーの小売業者による健全な市場を持たない小規模なeコマース企業にとって、特に有用なものとなる。例えばAmazon(アマゾン)は、サプライヤーがアマゾンのマーケットプレイスにその商品を出品していれば、すでに在庫切れの商品を販売することができる。しかし、ほとんどのECサイトではそうはいかない。

Stocklyの主な課題は、さまざまなカタログフォーマットを分類し、異なる小売業者の異なる在庫をマッチさせることだ。同社はまず、衣料品に力を入れている。Stockly経由で注文が入ると、ロジスティクス、納期、履歴データなどの異なる基準に基づいて特定のサプライヤーが選択される。

これまでStocklyはGaleries Lafayette、Go Sport、Foot Shopなどと協力してきた。同スタートアップは最近、Idinvest PartnersDaphniTechstars、Checkout.com CEO Guillaume Pousazおよびさまざまなビジネスエンジェルから510万ユーロ(約66億円)の資金を調達した。

今回の資金調達によりStocklyはチームを20人に拡大し、新しいクライアントを追加して製品を改良する計画だ。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Stocklyeコマースフランス資金調達

画像クレジット:Brandable Box / Unsplash

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(文:Romain Dillet、翻訳:塚本直樹 / Twitter

フランスのVC「Breega」が約140億円の資金を調達

パリに拠点を置くベンチャーキャピタル(VC)のBreegaが、第3ファンドの最終クロージングを発表した。同社はこれまでに1億3000万ドル(約140億円)を調達している。

これはBreegaにとって3番目のファンドで、正式にはBreega Capital Venture 3と呼ばれている。Breegaの以前のファンドは2015年に4500万ユーロ(約58億円)でローンチした。

Breegaは特に垂直市場には焦点を当てていない。同社はマーケットプレイス、SaaS、アグテック、HRテクノロジー、ロボティクスなど、さまざまなカテゴリーに投資できるとしている。

投資チームはすでにBreegaの新しいファンド資金の一部を投入している。ポートフォリオのスタートアップにはStations-e、Trustpair、IoTerop、BeOp、Otodo、Humanity、Alice&Bob、Neobrain、Didomi、Ubble、Ponicode、reciTALが含まれ、いずれもシードあるいはシリーズAの段階で資金調達を行っている。

Breegaは投資先企業の運営を支援することができると考えている。同社は人事、事業開発、コミュニケーション、法務、財務に関して独自の専門家チームを保有している。

同ファンドのリミテッドパートナーには、起業家からビジネスエンジェルに転身した企業も含まれる。例えばFoodChériの共同創設者であるPatrick Asdaghi(パトリック・アスダギ)氏は、この新ファンドに投資している。FoodChériはSodexoに買収される前に、Breegaから資金を提供されていた。

その他のリミテッドパートナーにはBpifrance、European Investment Fund、Isomer Capital、そして複数の銀行や保険会社が含まれる。

カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:Breegaフランス資金調達

画像クレジット:Breega

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(文:Romain Dillet、翻訳:塚本直樹 / Twitter

ドイツに続き仏プライバシー監視当局も苦情・嘆願書を受けてClubhouseの調査開始

シリコンバレーのテック系知識層に人気のある招待制のソーシャルオーディオアプリClubhouse(クラブハウス)が、フランスのプライバシー監視機関によって調査されている。

CNIL(Commission Nationale de l’Informatique et des Libertés)は中央ヨーロッパ標準時3月17日、苦情を受けてClubhouseの調査を開始し、アプリを開発した米国のAlpha Exploration Co.から初期回答を得たことを発表した。

またCNILは、規制当局の介入を求める1万人以上の署名を集めた請願書がフランスで出回っていることも指摘している。

同規制当局によると、Clubhouseの所有者が欧州連合内のどこにも設立されていないことを確認したという。これは、EU市民のデータに関して苦情を受けたり、独自の懸念を抱いているDPA(データ保護当局)であればEUのどの国でも、同アプリを調査できることを意味する。

2021年2月にはハンブルグのプライバシー規制当局もClubhouseに懸念を示し、欧州のユーザーとその連絡先のプライバシーをどのように保護しているかについて、アプリに詳細な情報を求めたと述べている。

EUでは通常、テック巨人が関与する国境を越えたデータ保護のケースでは、EU一般データ保護規則(General Data Protection Regulation、GDPR)には苦情を主管データ監督機関、つまりEU内でその企業が事業を確立している国の機関に送る仕組みがあるため、このようなシナリオは避けられる。

この「ワンストップショップ(one-stop shop、OSS)」メカニズムは、アイルランドに地域本部を設置しているFacebookのようなテック巨人に対するGDPRの施行を遅らせる側面もあった。もしこのOSSが、Clubhouseのような新規参入企業(現在はOSSの対象外)に対する一方的なプライバシー保護の迅速な実施と組み合わされた場合、規制の堀の効果によって「ビッグテック」が有利になるリスクはさらに高まる。

フランスの監視当局は、Google(グーグル)やAmazon(アマゾン)のような巨大企業がOSSの影響を受けていない場合には、迅速に規則を施行する姿勢を示してきた。例えば最近では、Cookie(クッキー)の同意問題で1億6000万ドル(約174億2000万円)を超える罰金を科している。また、Googleが地域ユーザーの管轄をアイルランドに移す前の2019年には、同社に5700万ドル(約62億円)のGDPR罰金を科した。

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よってCNILがClubhouseを調査する際にも、同様にすばやく動かない理由はない(ただし17日のプレスリリースでは、欧州各国のDPAが「情報を交換し、GDPRの一貫した適用を確保するために、この問題について互いに連絡を取り合っている」と書かれている)。

Clubhouseは、ユーザーの電話帳に入っている連絡先データをアップロードし、取得した電話番号を使って利用状況のグラフを作成し、ユーザーがサービスに招待する連絡先を選択する際に非ユーザーの同アプリ上での「友達」の数を表示することができるなど、プライバシーに関わる問題を抱えていた。

また、CNILへの嘆願書は、Clubhouseが保有するユーザーの連絡先に関する「秘密のデータベース」が第三者に販売される可能性があるとしている。

嘆願書の著者はこう書いている。「政治家たちは長年、私たちのデータを吸い上げているFacebook(フェイスブック)を攻撃する勇気がありませんでした。今日、私たちの民主主義は大きな代償を払っています。Clubhouseは、私たちがFacebookのやり方から何も学んでいないこと、そして同社の疑わしい行為に気づかないことを願っています。しかし、ドイツのプライバシー保護機関は、すでに同社がEU法に違反していると非難しています。これから他の国の規制当局も追随し、Clubhouseに圧力をかける必要があります」。

「何千人ものみなさんがCNILに法律の施行を求めれば、私たちの私生活に対するこのあからさまな侵害に終止符を打つことができます。これはまた、巨大テック企業に「我々のデータは我々のものであり、他の誰のものでもない」という強いメッセージを送る機会でもあります」。

Clubhouseの開発元はプライバシーポリシーの中で「当社はお客様の個人データを販売することはありません」と書いているが、ユーザーデータを第三者と「共有」する理由として「広告およびマーケティングサービス」をはじめ、可能性のある幅広い理由を列挙している。

Clubhouseにコメントを求めたが、現時点で返答はない。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Clubhouseフランスプライバシー

画像クレジット:Rafael Henrique/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Aya Nakazato)

フランスの競争委員会がアップルのプライバシー保護施策に対する阻止要求を却下

Apple(アップル)は、サードパーティのアプリケーションがユーザーを追跡する前にユーザーの同意を得ることを義務づけるiOSのプライバシー保護施策の導入を予定しているが、これを競争法に違反すると申し立て、阻止しようとしていたフランスの広告業界による企てを回避した。

フランスの競争委員会(FCA)は現地時間3月17日、アップルの動きを阻止するために先手を打って介入するよう求めるIAB France、MMAF、SRI、UDECAMの申し立てを拒否したと発表した。App Tracking Transparency(ATT)機能の導入が、同社による支配的地位の乱用であるとは現時点では考えていないと述べた。

しかし同委員会は「本案に基づいて」アップルの調査を継続すると述べ、同社が自社のアプリにサードパーティーの開発者よりも制限の少ないルールを適用してるのではないかという疑いについて確認するとしている。

Reuters(ロイター)によると、フランス競争委員会は同国のプライバシー監視機関であるCNILと緊密に連携し、ATTの停止要求を却下したとのこと。

CNILにコメントを求めているところだ。

アップルの広報担当者は以下のように語った。

「iOS 14で導入するApp Tracking Transparencyが、フランスのiOSユーザーの利益になると認めてくれたフランス競争委員会に感謝しています。ATTは、アプリ開発者が広告目的で他社とデータを共有したり、データブローカーとデータを共有したりする前に、ユーザーの許可を得るように義務づけることで、ユーザーに強力なプライバシー保護上の利点をもたらします。私たちは、ユーザーのデータはユーザーのものであり、そのデータがいつ、誰と共有されるかはユーザーが管理すべきであると確信しています。当社は、ユーザーのプライバシーと競争に関するこの重要な問題について、FCAとのさらなる協力を期待しています」。

アップルは2021年1月、同年の春よりiOSにATTを適用すると発表した。

関連記事:アップルのApp Tracking Transparency機能はデフォルトで有効に、早春にiOSで実装

その後、フランスのスタートアップのロビー団体であるFrance Digitale(フランス・デジタル)が、同国のプライバシー監視機関に苦情を申し立て、アップルがプライバシーに関する「偽善的」行動を取っていると非難した。

関連記事:アップルのプライバシー対策にフランスのスタートアップのロビー団体が苦情

この苦情も同様に競争上の問題を提起している。アップルは、サードパーティのアプリケーションがiOSユーザーを追跡する前に同意を得ることを義務づけるのに対し、自身のアプリケーションについてはiOSのデフォルト設定で追跡を許可するようになっているというのだ。しかしアップルは、この申し立てを「まったくの誤り」とし、ATTは「アップルを含むすべての開発者に等しく適用される」と述べた。

デフォルトで「許可しない」ようになっているiOSのATT設定は、Facebook(フェイスブック)のようなアドテクノロジー企業には非常に不評で、それらの企業は開発者のアプリの収益化に悪影響を与えると主張している。また、フェイスブックは、アップルの動きが自社の収益を著しく低下させるであろうことも認めている。

関連記事:Facebookは2021年のターゲティング広告と収入に大きな障害を予測する

一方、アップルはこれを、アドテック業界のヒステリーと間違った主張であると非難し、インターネットユーザーに忍び寄って個人情報を搾取し、利益のために人々を操ろうとする「データ産業複合体」を糾弾し続けている。

アップルが自社アプリでiOSユーザーにパーソナライズされた広告を提供できることは事実だが「パーソナライズされた広告のための限定的なファーストパーティデータの使用」と称して、ユーザーにそのオプトアウトを許可しているため、アドテック業界のデータ産業複合体よりも「高い基準」を保っていると同社は主張し、その機能が「当社を一線を画したものにしている」と強調している。

Google(グーグル)に関しても最近同じような動きがあった。2020年末に英国では、Googleが同社のChrome(クローム)ブラウザで、ユーザーがサードパーティーから追跡される方法を変更するのを阻止しようと、競争法違反の申し立てが行われた。

Googleのいわゆる「Privacy Sandbox(プライバシー・サンドボックス)」計画は、広告主からも非常に嫌われている。広告主は、Googleがユーザーを追跡する機能を廃止しながら、自らは追跡を続けることで、支配的な立場を乱用していると非難している。

関連記事:Googleはウェブのプライバシーとフィンガープリントの新たな対策を提案

同時に、アドテクノロジー業界では、ウェブユーザーの行動を追跡する代替手段を考案するためのさまざまな取り組みが行われている。これは、市場で圧倒的なシェアを占めているChromeで、近い将来サードパーティcookieのサポートが廃止されるという見通しによって加速している。

英国の競争・市場庁は1月、プライバシーサンドボックスに関する多くの苦情を受けて、Googleによる競争法違反の疑いについて調査していると発表した。

この調査は現在も続いている。

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タグ:Appleフランス広告iOSiOS 14プライバシー

画像クレジット:Apple (livestream)

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

アップルのプライバシー対策にフランスのスタートアップのロビー団体が苦情

Apple(アップル)は欧州でまたもやプライバシーに関する苦情に直面している。スタートアップのロビー団体であるFrance Digitale(フランスデジタル)は、EUの規則に違反している疑いについて、同国のデータ保護監視機関調査を依頼した。

Politico(ポリティコ)が報じたこの苦情は、EUのプライバシー保護活動団体「noyb」が2020年、ドイツとスペインで訴えた2つの苦情に続くものだ。

これらの苦情はすべて、(直接および間接的に)Appleの「IDFA」と呼ばれる広告主のためのモバイルデバイス識別子を標的にしている。noybはAppleがその独自の識別子(その目的は、名前が示すように、広告ターゲティングのためにデバイスの追跡を有効化すること)をデバイスに割り当てる前に、ユーザーから同意を得るべきだったと主張している。

一方、France Digitaleによる訴えは、近々行われるAppleのプライバシーポリシー変更が、競争を阻害するという懸念を提起するものだ。この変更が実施されれば、サードパーティーのアプリ開発者は、ユーザーに追跡の許可を得なければならなくなるが、それと対照的に、Appleがユーザーを追跡することができるiOSの「パーソナライズされた広告」設定は、初期状態で有効になっていることをFrance Digitaleは指摘している。

関連記事:アップルのフェデリギ氏はユーザーデータ保護強化でのアドテック業界との対決姿勢を鮮明に

初期状態では、EUの法規(GDPR、EU一般データ保護規則)で求める要件に反しているのではないかと、France Digitaleは提言しているわけだ。

France Digitaleの苦情はまた、Appleが広告ターゲティングに利用するデータアクセスのレベルについての疑問も浮かび上がらせた。Appleは、提供されているiOSユーザーのデータは「一般的なデータ(出生年、性別、場所)」だけで、完全なターゲティングデータではないと述べている。

訴状に対応する声明の中で、Appleの広報担当者は次のように述べている。

この訴状における主張は、明らかに事実に反しており、ユーザーを追跡している人たちが、自分たちの行動から目をそらし、規制当局や政策立案者を誤解させようとする粗末な企てのように思われます。

ユーザーのための透明性と規制は、当社のプライバシー哲学の基本的な柱であり、Appleを含むすべての開発者に、等しく「AppTrackingTransparency(アプリのユーザー追跡の透明性)」を適用するようにしたのはそのためです。プライバシーは我々がプラットフォーム上で販売する広告に組み込まれており、ユーザーを追跡することはありません。

パーソナライズ広告のためのデータの使用は、ファーストパーティであるAppleに限定されており、ユーザーがこれをオフにすることができるようにすることで、より高い基準を維持しています。

CNIL(フランスの「情報処理と自由に関する国家委員会」)にも、この訴えについてコメントを求めているところだ。

今回のAppleに対するIDFA関連の苦情は、プライバシー保護団体によるものではなく、スタートアップのロビー団体からのものという点で少々珍しい。

しかし、サードパーティーのトラッキングをiOSユーザーが許可する必要があるように(「許可しない」を選ぶことができるようにしたのではなく)変更したAppleの決定が、強い反発を招いていることは明らかだ(この動きは、2020年フランスでパブリッシャーのロビー団体が不公正な競争を訴える事態にもつながった)。このあまりにも微妙な意味合いを含んだ行為によって、Appleは偽善という非難を受けている。

France Digitaleに、Appleに対してプライバシーに関する苦情を訴えた理由を尋ねると、広報担当者は次のようにTechCrunchに答えた。「スタートアップはルールに基づいて事業を行っています。世界最大のハイテク企業もそうであることを我々は期待します。競争の場に公平な規制がなければ、どんなに事業を拡大しても繁栄はないと、我々は信じています」。

「我々はCNILに法の執行を求めているに過ぎません。個人情報保護の番人は、私たちスタートアップのメンバーを常に調査しています。彼らの専門知識を、もっと大きな企業にも適用させようということです」と、彼は続けた。

同グループのCNILに対する訴えが急速に注目を集めている一方で、GDPRのワンストップショップのメカニズムの下、この問題はEU内でAppleのデータ運用を監督するアイルランドのデータ保護委員会による参照が必要だ。その後、調査するかどうかについての決定が下されることになる。

だから、この問題に何らかの迅速な規制措置が取られる可能性は低い。

関連記事:Appleのティム・クック氏がアドテックは社会の破滅をもたらすと警告、同社アプリトラッカーのオプトイン機能を擁護

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleフランスGDPRデータ保護プライバシー広告

画像クレジット:Apple (livestream

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Googleマップとフランス政府によるホテルの格づけに違い、同社は罰金を支払いと修正

Google(グーグル)はフランスのホテルの格づけについて誤解を招く恐れがあるとして、110万ユーロ(約1億4000万円)の罰金を支払うことに同意した。

Googleは同社の検索エンジンやGoogleマップ上で適用されるホテルの格づけについて、独自の(アルゴリズムによる)評価システムを適用していた。しかし2019年、ホテル経営者からの多数の苦情を受けて、フランスの競争・消費・詐欺防止総局(D.G.C.C.R.F.)がこの評価制度の妥当性に対する調査を開始した。

この調査では、Googleがフランス観光開発機構(Atout France)の標準的な分類システムを、独自の基準の格づけシステムに置き換えていたことを明らかにした。これは7500以上の施設に適用されていた。

Googleの「五つ星」ホテルという概念は、フランス観光開発機構と同じではないと言って差し支えない。また競争・消費・詐欺防止総局は、観光客の宿泊施設を分類するGoogleの表示 ( 同じ「星」 という用語を1から5までのランクで使っている)は、消費者を混乱させること指摘した。

「この慣行は特に消費者に損害を与え、宿泊施設を予約する際に期待できるサービスのレベルについて誤解を与えました。また、誤ってフランス観光開発機構の公式ランクよりも下に表示されたホテル経営者に対する偏見をもたらしました」と、競争・消費・詐欺防止総局は制裁に関するプレスリリースで述べている。

競争・消費・詐欺防止総局はGoogleが欺瞞的なビジネス慣行に従事していたと結論づけ、検察官とともに米国時間2月15日に発表された制裁措置をGoogle Ireland(同社のヨーロッパ本社)およびGoogle Franceに対して提案した。

罰金の支払いに同意しただけでなく、Googleはフランスのホテルの格づけを変更し、フランス観光開発機構の公式格づけを表示することに同意した。これによりフランスの観光客は、Google マップの5つ星ホテルはオンラインのハッキング戦略に影響されていない、公式基準によるものだと確信できる。

Googleの広報担当者はTechCrunchに対して「私たちは現在、競争・消費・詐欺防止総局と合意し、必要な変更を行い、Googleマップおよび検索におけるホテルのフランスでの公式格づけのみを反映させています」と述べ、競争・消費・詐欺防止総局の決定を確認した。

関連記事:Google Playがアプリのレーティング方法を変更

カテゴリー:ネットサービス
タグ:GoogleGoogleマップフランス

画像クレジット:Vincent Isore

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(文:Natasha Lomas、翻訳:塚本直樹 / Twitter

「スカイローラー」などのハイパーカジュアルゲーム開発Homa Gamesが15.7億円調達

フランスのスタートアップHoma Gamesは、e.venturesIdinvest Partnersが主導するシードラウンドで1500万ドル(約15億7000万円)を調達した。同社はゲームをプロトタイプからApp Storeで成功させるためのいくつかの技術を、社内で開発してきた。またHoma Gamesはサードパーティーのゲームスタジオと提携しており、社内にもいくつかのゲームスタジオを有している。

米国時間2月9日の資金調達ラウンドにはOneRagtime、Jean-Marie Messier、Vladimir Lasocki、John Cheng、Alexis Bonilloも参加している。これはかなり大きな資金調達ラウンドだが、Homa Gamesはすでにいくつかの印象的な指標を持っている。

同スタートアップのゲームは2018年に会社を設立して以来、全体で2億5000万回ダウンロードされている。またHasbroとIPパートナーシップを結び、Nerf(銃型のおもちゃ)をテーマにしたゲームを発売しているが、これはかなりうまくいっている。他にも「Sky Roller(スカイローラー)」や「Idle World」「Tower Color(タワーカラー)」などのゲームがある。

Home Gamesはモバイルゲーム制作を最適化するために、3つのプロダクトを開発した。1つはHoma Labではマーケットインテリジェンスとテストツールを使用して、競合他社の状況についてより詳しく学習できる。2つ目のHoma Bellyはゲームの反復と管理を支援するSDKだ。そして3つ目のHoma Dataはアプリ内購入と広告の両方のデータを使って収益化を最適化する。

サードパーティの開発者は自分のゲームを提出し、Homa Gamesをパブリッシャーとして選ぶことができる。両社は収益分配モデルで合意することになる。

サードパーティのゲームに加えて、Homa GamesはトゥールーズのIRL Teamを買収し、スコピエ、リスボン、パリに社内のゲーム開発チームがある。全体で80人がHoma Gamesで働いている。

Home Gamesの取締役にはIdinvest PartnersのBenoist Grossmann(ブノイスト・グロスマン)氏とe.venturesのJonathan Userovici(ジョナサン・ユーザーヴィッチ)氏が参加する。

関連記事:テキストアドベンチャー「AI Dungeon」のLatitudeが「無限の物語」を生み出すゲーム制作のために3.5億円調達

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Homa Games資金調達フランス

画像クレジット:Erik Mclean / Unsplash

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(文:Romain Dillet、翻訳:塚本直樹 / Twitter

フランス政府が選ぶフランスの有望スタートアップ120社

フランス政府と政府支援の取り組みであるLa French Techは、フランスで最も有望なスタートアップを示す新たなインデックスを発表した。上位40社のスタートアップはNext40と呼ばれ、トップ120はFrench Tech 120に分類される。

Next40とFrench Tech 120は比較的新しく、今回がまだ2度目の選出だ。2020年のFrench Tech 120に入った120のスタートアップのうち、90社が2021年もインデックスに入っている。30社が新加入だ。

これらのスタートアップを合わせて90億ユーロ(約1兆1401億円)近い収益と、3万7500人の職を生み出している。収益は2020年のFrench Tech 120と比べて55%増えている。

French Tech 120の一覧を下に貼った。赤いロゴはNext40に入っていることを示す。

画像クレジット:La French Tech

Next40に入るためには方法が2つある。

  • 過去3年間で1億ユーロ(約126億6000万円)以上の資金を調達、あるいはユニコーンである、即ち会社の評価額が10億ドル(約1048億4000万円)以上。
  • 500万ドル(約5億2000万円)以上の収益を上げ、過去3年間の対前年比成長率が30%以上。

French Tech 120の残る80社のうち、

  • 40社が過去3年間に調達ラウンドで2000万ユーロ(約25億3000万円)以上獲得した。
  • 40社は年間収益と成長率に基づいて選ばれた。

もちろんこのリストはフランス企業に限られている。French Tech 120の中には、国の地域圏ごとに最低2社のスタートアップが入っている。

このリストに基づくと、French Tech 120の中で女性CEOのスタートアップはわずかしかない。テック系スタートアップは多様性とインクルージョンにもっと力を入れるべきだとフランス政府は考えている。一部の人たちがこの数字を改善するために行動を起こしているのはそのためだ。

French Tech 120のスタートアップ6社の代表者と、SistaTech Your Place、およびFuture Positive Capitalの人たちがこの件について話し合いを行う予定だ。

ウェブサイトにクールなロゴを置けることに加えて、French Tech 120にはいくつか特典がある。対象企業はFrench Techのさまざまな行政機関のネットワークを利用できる。

たとえば外国人従業員のためにビザを取得したり、証明書や特許を取得したいとき、製品を政府機関に売りたいときなどに便利だ。

French Techネットワークに2名が新たに加わった。Conseil d’Étatの担当者は法令遵守に関する支援をしてくれる。政府はEruronext(ユーロネクスト)とも提携を結び、起業家に上場に関する教育を行う。

カテゴリー:その他
タグ:フランス

画像クレジット:Léonard Cotte / Unsplash

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(文:Romain Dillet、翻訳:Nob Takahashi / facebook

ドイツの低手数料・低リスク株取引アプリTrade Republicがフランスに進出

ドイツのスタートアップTrade Republicは2021年1月第5週から、フランスでアプリとサービスを展開する。Trade Republicはこれまでドイツとオーストリアでしか利用できず、これは大きな拡大の動きとなる。

Trade Republicのサービスでは低価格かつ透明性の高い手数料で、スマートフォンから株式やETF(上場投資信託)を売買できる。同社はあなたが100ユーロ(約1万3000円)の株式を購入した場合、あるいは1万ユーロ(約127万1000円)の貯蓄をETFに割り当てた場合でも、注文ごとに1ユーロ(約127円)しか請求しない。さらにTrade Republicは、この1ユーロに手数料を追加しないと約束している。

Trade Republicではヨーロッパの株式だけでなく、アジアや米国企業の株式も購入できる。全体で7500の銘柄とETFがアプリから購入可能だ。サービスは比較的新しいもので、Trade Republicは数年間インフラの整備に取り組んできた。

Trade Republicは舞台裏で、ドイツ当局が管理する同国の銀行型サービスプラットフォームであるSolarisbankと提携している。つまり、破産した場合に10万ユーロ(約1270万1000円) までカバーされることを意味する。ユーザーが注文を出すと、Trade RepublicはLS ExchangeおよびHSBC Transaction Servicesと連携してこれらの株式の処理を行う。

Trade Republicは、Robinhoodとは異なるポジションにいたいと考えている。同社は現在、取引には2つの選択肢があると考えている。

銀行や現地のブローカーから取引口座を開設することはできるが、多額の手数料がかかる。またはモバイルファーストのブローカーを使うこともできるが、彼らはリスクの高い資産とデイトレーディングを押し付けるだろう。そして先のGameStop騒動からわかるように、2番目の選択肢は反発を招く可能性がある。

Trade Republicは低手数料かつ低リスクという、第3の方法を推進している。たとえば同社は、貯蓄プランを推進したいと考えている。このプランでは段階的に株式を購入することができるため、ユーザーを変動から守れるはずだ。

同社は2020年、6200万ユーロ(約78億8000万円)の資金調達を行った。シリーズBラウンドはAccelとFounders Fundが共同で主導した。

フランスのユーザーは、税金を申告する際に外国の銀行口座を持っていることを申告する必要があることを忘れてはいけない。また外国のブローカーは、必ずしも税務当局に情報を送信して納税申告書に記入する必要はない。それでもよければ、Trade Republicの方が銀行よりも安い可能性が高い。

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タグ:Trade Republicドイツフランス

画像クレジット:Trade Republic

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(文:Romain Dillet、翻訳:塚本直樹 / Twitter

フランスの法人用クレジットカードスタートアップMooncardがエールフランスのマイルを付与、アメックス以外では初

フランスのスタートアップのMooncardは、エールフランス-KLMのロイヤルティプログラムであるフライング・ブルーとの提携によりエールフランスのマイルを顧客に付与する。フランスの決済カードでマイルを獲得できるのは、アメリカン・エキスプレスカード以外では初めてだ。

Mooncardは、法人用の決済カードを提供して経費処理を効率化している。フランスでは法人カードを使用する企業は少ない。しかしMooncardは経費処理を効率化する法人カードに取り組んでいる。

MooncardはVISAカードとして使えることに加え、領収書の写真を撮って詳細を追加し経理に経費を申告できる。さまざまな制限や検証プロセスの設定もある。

アメリカン・エキスプレスは長年にわたってフライング・ブルーとの提携に関して独占的な立場にあったため、このニュースは興味深い。フランスでは、特典としてマイルを貯めたい企業の選択肢はアメリカン・エキスプレスしかなかった。

Mooncardの価格設定は、以下の図のようにアメリカン・エキスプレスと似ている。

大きな違いが1つある。MooncardはVISAのネットワークを利用していることだ。アメリカン・エキスプレスを使えないレストランや店舗は多いため、アメリカン・エキスプレスの顧客を乗り換えさせる効果があるかもしれない。利用企業の従業員は獲得したマイルを個人の旅行に使用できる。

Mooncardを利用している企業は3000社で、多くの公共機関でも利用されている。

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タグ:Mooncardフランス

画像クレジット:Mooncard

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(翻訳:Kaori Koyama)