コンテンツマーケティングのイノーバがセールスフォースと提携、2.2億円調達

TechCrunch読者であれば、コンテンツマーケティングという言葉をご存じだろう。企業が自らメディアとなり、顧客が興味を持ちそうなコンテンツを継続的に出すことで、自社のファンになってもらう手法だ。アメリカに続いて日本でも関心が高まってきているようだが、コンテンツマーケティングの導入を支援するイノーバが2日、セールスフォース・ドットコムとの資本・業務提携を発表。あわせて、セールスフォース、Draper Nexus Venture Partners、日本ベンチャーキャピタルから、総額2億2000万円の資金調達を実施した。

過剰なSEOに頼らない本質的なSEO

イノーバは、企業がターゲットとする顧客のペルソナ設計から、コンテンツの企画・制作までを手がける。コンテンツは主に企業のオウンドメディアに掲載するもので、これまでに1万本以上を制作。4月時点ではヤフーや楽天、ディー・エヌ・エー(DeNA)といったネット大手や中小企業など72社が導入している。料金は10〜20本のコンテンツで月額30万円前後という。

コンテンツを制作するのは、合格率50%以下という課題文の審査を通過した1200人の登録ライター。能力や過去の実績に応じて仕事をマッチングしている。最近ではクラウドソーシングで安価に執筆依頼するケースも増えているが、「紙媒体の執筆経験があったり、学歴や職歴が高い『ハイスペック主婦』も多く、ライターの質はクラウドソーシングよりも高い」と、イノーバ代表取締役の宗像淳は語る。

コンテンツマーケティングへの関心が高まってきている背景には、PandaやPenguinの名前で知られるGoogleの検索アルゴリズム変更がある。以前まで有効だった有料の被リンクによるSEOが通用しなくなり、内容が薄っぺらいサイトの検索表示順位を下げたためだ。

そうした中でイノーバは、過剰なSEOに頼らない本質的なSEOを実現することを謳っていて、「オウンドメディアを始めたいけど、コンテンツを内製する人手が足りない」という企業からの引き合いが多いようだ。

イノーバの顧客

コンテンツマーケに特化した日本初のクラウドソフト投入へ

今後はコンテンツ制作に加え、コンテンツマーケティングに特化した「日本初のクラウドソフト」(宗像)をまもなく投入する。同ソフトは専門知識が不要で、オウンドメディアの構築やコンテンツの制作・配信、顧客管理までを一貫して行えるというもの。セールスフォースのモバイル向けプラットフォーム「Salesforce1」とも連携し、コンテンツマーケティングで獲得した見込み客への営業活動を強化する。

今回の業務提携は、イノーバがセールスフォースの知名度を生かし、顧客を獲得できるのがメリット。一方、セールスフォースは自社のCRMサービスにイノーバのコンテンツマーケティングを組み込めるのが利点といえそうだ。


B2Bのマーケティング行事を助けるDoubleDutchがついにシリーズD、$19Mを調達

イベントやカンファレンス(カンファレンスもイベントだけど)の運営管理をモバイル上で行うアプリDoubleDutchが今朝(米国時間8/21)、シリーズDで1900万ドルを調達したことを発表した。この投資のリーダーはMithril Capital Managementで、これにBessemerIndexBullpen Capitalが参加した。新たな資金は同社のグローバル化のさらなる拡大と、技術力のアップ、同社の市場支配力の強化に充てられる。BessemerとBullpenは、これまでのラウンドにも参加している

Mithrilの協同ファウンダで社員パートナーでもあるAjay Royanが、DoubleDutchの取締役会に加わる。

DoubleDutchによると、イベントやカンファレンスをやる側が使っている金額はグローバルで5000億ドルに達する。Forrester ResearchのアナリストLaura Ramosは曰く、“B2Bのマーケティングで今でもいちばん大きな予算が組まれるのがトレードショウだ。だいたい総予算の20%近くが、人が集まるイベントに使われる。B2Bのビジネスでは個人的な信頼関係と、それを築くために何度も会うことが重要だ。そのために、マーケターたちは、マーケティングの予算を組むとき、これからもトレードショウを外せない”。

しかしカンファレンスをやるとなると、担当者に大量の事務負荷が生ずるので、DoubleDutchのようなアプリがお助けする。同社の資金調達総額は、3750万ドルに達する。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


【初心者向け】 アクセス解析を売上につなげるカギは「目標設定」と「現状分析」

スタビライザー小松氏による寄稿5記事目。今でこそアクセス解析を行っていないWebサイト自体少なくなりましたが、一方でツールを導入していてもなんとなく数字を眺めているだけ、、というケースも少なくないのでは。基本に立ち返り、なぜアクセス解析が必要なのか?改めて見直してみてはいかがでしょうか。

「アクセス解析って、何のために行うんですか?」

さて、この質問、あなたならどう答えますか?

これは、最近私のクライアントの方から立て続けに聞かれた質問です。この記事を見られている方の多くはアクセス解析をしてる人のほうが多いかもしれませんね。

Webサイトじゃなくて、自分の体でまずは考えてみましょう。

「アクセス解析って必要なの?」という質問は「健康診断って受けないといけないの?」によく似てます。

ちなみに、会社の健康診断は安全衛生法により定められている為、会社は健康診断を受けさせなければなりません。

では、皆さんは、法律で決まっていなかった場合、健康診断は受けますか?受けませんか??

「悪いところあったらやだから、受けようかな・・・」という人、「体調悪くないし別に受けなくてもいいや」と思う人など、様々かと思います。ただ、あくまで「現状確認」にすぎないと思います

今の自分のカラダがどうなっているのかな?というのを知りたい、そしてなにかしら対策をするべきなのか?それを知りたい方が多いかと思います。

「Webサイトのアクセス解析、よくわからないけどちゃんとやった方が良いのかな?」という方は、この状況に近しい方が多いです。

アクセス解析して悪いところを直そうと思う人もいますが、見たって別に修正しないし、修正すると費用かかるし…。

そういうことであれば、売上や問い合わせが増えない、急激に落ちたと体感した時に原因を探る一つとして参考程度に見ればよいのです。まさに、自分のカラダの健康診断と一緒ですね。

売上をWebサイトであげよう!と思っている場合はどうするか?

一般的なサラリーマンの健康診断に例えると上記のような話ではあるのですが、Webを活用して売上を上げよう!と考えている場合はまた少し違います。つまり多くの場合はこちらの話です。

この場合はアスリートの体力測定です。

皆さんがアスリートとして大会に向けて例えば背筋力、持久力、肺活量Upの為にトレーニングに励んでいた場合、体力測定って受けますか?受けませんか?

この場合はおそらく積極的に受けるはずです。

トレーナーの方がつく場合もありますが、まずは、トレーニング前に一度は体力測定を行い、一定期間トレーニングを行った後、改めて同じ項目を測定します。そして、数値を測った結果、

  • もっとここの筋肉をつけたほうが良い
  • このトレーニングをもっと増やしたほうがいい
  • こっちは達成しているから別のトレーニングにしよう

と、まず

  1. 現状を分析し、
  2. 結果をもとに差異を測り、
  3. 今後の計画をたてる

といったようなことをされるのが普通ではないでしょうか。そして、Webで売上をあげるためのアクセス解析は、このアスリートの体力測定と同じです。

大事なことは目標設定と現状分析

CV(コンバージョン)目標を決めて、まずは現状分析を行います。その上で、例えば

  • アクセスを増やす施策を行った、広告出してみた、SEOに取り組んだ
  • サイトの改善を行って直帰率の高いページを改善した
  • CVRが1%だったので、エントリーフォームを改善することで1.2%を目指したetc

など、あくまで【現状】を元に【目標】を設定し【計画】を立てる

アクセス解析は【現状(結果)】しか分かりません。大事なのは目標を目指して何かをした結果をどう捉えて、どう次のアクションに結びつけるか?ということです。

アクセス解析で改善点を見つけ、手を打つ。また、アクセス解析して打った手がどうだったか検証する。この繰り返しです。

アクセス解析に必要なのはGoogleアナリティクスのテクニカルな使い方とか、タグマネージャーの高度な使い方を細かく知ることではありません。

アクセス解析をすることは、Webサイトの目標設定と目標を達成する為の手法です。目標設定なしにアクセス解析のデータをいじくり回しても何の価値もありません。

理想と現実のギャップを埋めるのがアクセス解析のやり方の一つですから、まずは現状分析から初めて、その上で、目標設定してみることが大事だと言えます。

目標なしにWebサイトを運営するのはただ、その辺をうろうろと散歩しているのと同じです。決して目的地に着くことはありません。登る山(目標)が決まれば必要な装備(施策)も決まってきます。

まとめ:目標なしにアクセス解析をしても無意味

とはいえ、下記のような方も多くいらっしゃるのが現実です。

  • 現状Webサイトはあるが、何となく運営していて目標が明確でない
  • Webサイトを全面リニューアルしたいが、どのような戦略で進めていいのか分からない。
  • アクセス解析は実施しているが、何を見ていいか良く分からない

そのような方は、お気軽にご相談ください。

Excelでは辛抱強い営業活動の進捗管理ができないと悟った元営業マン二人が自動文書化ツールPersistIQを起業

インキュベータY Combinatorで育ったPersistIQは、これまで自分たちも含めて多くの営業が、コールドコールによるドリップマーケティング(ドリップ営業)の調整作業をExcelのスプレッドシートでやってきたが、もっと良い方法がほしい、という願望から起業された。外回りのドリップ営業の調整作業〜進捗管理を自動化するソリューションを提供したい、と彼らは考えている。

〔*: コールドコール(cold-call), 見込み客発掘のためのめくら撃ち電話やメールなど; ドリップマーケティング(ドリップ営業), drip marketing(drip sales), 電話やメールなどの繰り返しによる見込み客発掘…drip(しずく)を何滴も落としていくようなやり方。〕,

外回り営業では、顧客を営業が自分で見つけなければならない。それは何らかのリストに載っている住所氏名に対してコールドコールやメールを行い、まず見込み客を見つけるところから始まる。それは、人に会うという難しい仕事で、脈があった人、なかった人、次回はいつコールするかなどを、記録し管理しなければならない。それが上で言う、営業活動の調整、という仕事だ。

協同ファウンダのPouyan Salehiによると、今は明らかに呼び込み営業が主流だが、何らかのコンテンツを作って人の気持ちを惹きつけ、顧客に積極的なアクション(例: サイト上で何かを買う)を起こさせることは、難しい仕事だ。むしろ、気持ちを惹きつけることに成功したら、その人のアクションにスコアをつける(ブログを読んでくれた、ホワイトペーパーをダウンロードした、価格表のページを見てくれた、など)。 そしてスコアの高い人を営業の対象とし、その人たちへの営業活動をやはり継続的に調整して、彼らが積極的に応答するよう仕向けなければならない。

どんな方法で獲得した見込み客でも、すべての営業のチャレンジは最初のリプライをもらうことであり、それには粘り強さと、テクノロジからのささやかな助けを要する。Salehiによると、見込み客から最初の反応を得るまでに平均して7回はドリップ(電話やメールなど)が必要だが、そこまでの辛抱ができない営業が多い。多くの営業が、わずか二度のコンタクトでポジティブな反応がないと、ギブアップしてしまう。彼らを責めるのは酷だが、でも、そういう複数回の声かけを自分で思い出し、スケジュールを決め、自己管理し、各回の反応と最終結果を記録できるためのツールがあれば、それほど面倒がらずにできるようになるだろう。そんな考えから、PersistIQが生まれた。

そしてSalehiが言うように、“見込み客が存在するようになったら、一挙に苦労が始まる。今まで電話やメールばかりしてたのが、外回りに行かなければならなくなるが、でも、どこから始めるのか? そして、フォローアップにも相当な時間がかかる”。

Salehiと彼のパートナーは、この苦労を楽にしようとする。これまで、CRMツールやマーケティングを自動化するプラットホームやそのほかのツールが、Salesforce.comやMarketo、Hubspotなどなど、いろんなところから出ており、いずれも、営業のこの過程を自動的に記録追跡する。しかし、多忙な営業マン/ウーマンはそれらを無視する。そういうツールは大きなパッケージの一部だからだ。Salehiが言うには、そういうややこしい状況と悪戦苦闘して大きなツールの中に何かを見つけようとするよりも(それがあると知ってる場合でも)、オールドファッションなExcelのスプレッドシートを安易に使おうとするのだ。ただしそれでは、ご想像通り、アップデートがたいへんな作業になる。

営業活動のこれまでの過程や現況を記録追跡する、という管理的な仕事が、営業活動の邪魔になるほど負担になってくる段階で、PersistIQはその仕事を単純化するツールを提供する。見込み客のリストをインポートする、重複を取り除く、すでにコンタクトした見込み客について自動的に文書化を行う、リストの適切な分割をする、そしてキャンペーンを作る…ツールは、これらの仕事を助ける。一定の時点までに反応しない人がいたら、それから一定の日数ののちに、自動的にドリップを再送する。メールの受信箱に応答が来たら、その見込み客にいつものやり方でコンタクトする。

今このツールはメールによるドリップが主だが、今後は電話やソーシャルメディアによるドリッピングも加えていく予定だ。Salesforceとも統合しているので、Sf側の見込み客へのコンタクトの記録を自動的にPersistIQが行う。

今同社の社員は二人で、Y Combinatorに支えられている。秋にはベータに入り、シード資金の獲得も目指したい。同社へのユーザ登録はこのWebサイトで。

〔IQは‘知能’、persistは、諦めずに繰り返すこと。〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


韓国のマーチャントロイヤリティプラットホームSpoqaが$3.9Mを調達して日本に進出

TechCrunch Disrupt Tokyo 2011で審査員特別賞を取ったソウルのモバイルロイヤリティプラットホーム*Spoqaは、Daesung Private EquityグループとBokwang Investmentsが率いる投資ラウンドで390万ドルを獲得し、それを新たな燃料として韓国と日本での事業拡張に拍車をかける。〔*: ロイヤリティサービス、ロイヤリティプラットホーム、“ポイント屋さん”、loyality(忠誠心)とは、お店の継続的リピーターになる/すること。〕

Spoqaが運用するDodo Pointsは、地域の商業者(マーチャント)のためのタブレット上のロイヤリティプラットホームで、韓国のユーザが250万と言われる。2012年4月にローンチしたSpoqa自身の言によると、韓国で同社のDodoを使っている商業者は1500社という。.

顧客は買い物が終わって清算するときに電話番号をタブレットに入力してDodoのポイントを稼ぐ。そして後日、各店でそのポイントを使える。Dodoの、類似サービスとの差別化要因は、顧客のサインアップやアプリのダウンロードを必要としないこと。またお店はお客にSMSでクーポン(バーゲンチケット)を送れる。収益源は商業者が毎月払うライセンス料だ。

SpoqaのファウンダRichard Choiによると、もっと大きなアジア市場でなくまず日本への進出を選んだ理由は、日本は[地域商業者/フランチャイズ店]の比率が、他の地域よりも高いからだ。フランチャイズ店はとっくにどっかのポイントサービス(POP統合型)を使っているが、地域のパパママストアはまだまだこれからだ。というわけで、日本はSpoqaから見てビッグな市場なのだ。

Choiは曰く、“日本よりでかい市場はいくらでもあるが、うちで計量分析を行った結果としては、日本に大きな機会が輝いているのだ。まだサービスを日本語に翻訳する前から、日本にはわが社の得意先である商業者が何社もいる。テスト的にパイロットを行った結果としても、日本の機会と市場性はきわめて確実だ”。

日本のRakutenKakaoなどはモバイルファースト、オンラインファーストでオンラインツーオフライン(online-to-offline (O2O))のトランザクションをねらっているが、Choiによると、Spoqaのやり方は逆だ。

“うちはオンラインではなく、店頭、すなわちオフラインのトラフィックをタブレットで集める。そしてそのオフライントラフィックを、電話番号を利用してオンライン/モバイルのコンテンツに結びつける。うちはアジアにおける、このO2O(offline-to-online)のパイオニアだ。ここまで来るのに2年かかったが、今やユーザも商業者もJカーブで伸びている”、とChoiは意気軒昂だ。

Spoqaの競合相手はプラスチックカード(磁気カード)や紙製パンチカードによるロイヤリティ方式だが、カードを家に忘れてももらえるDodoポイントの方が、これからは有利かもしれない。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ライターに「良いコンテンツ」を書いてもらうために必要なこと

昨日に引き続き、寺田です。改めて語るまでもありませんが、コンテンツマーケティングだとかオウンドメディアといった言葉がバズワード的に流行しているように、コンテンツにどのような戦略的役割を持たせるか?はみなさんにとっても大きな課題となっていることでしょう。

しかし一方で、コンテンツの制作量が増えるほど「書いてほしかった原稿とイメージが違うかも?」「なんか、このコンテンツ…微妙。」といった、制作するライター側と依頼するディレクター側の間でズレが生じる機会も増えていきます。

コンテンツ制作の現場で日々起こりうるそのようなズレをなるべく少なくし、より良い文章を書いてもらうためにはどうしたら良いのでしょうか? 雑誌制作を10年以上続けてきた経験から「良い文章をライターに書いてもらうための方法」をみなさんと一緒に考えてみたいと思います。

人によって「良い文章」の定義が違う

意外と見落としがちですが、文章ほど人の好みが出るものは無いかもしれません。

ある意味、料理の味付けに通じるところがあります。ラーメンとかわかりやすいですね。「あそこの店のコッテリ感がたまらない」「いやいや、こっちの店は麺と絡んで…」といったように、“味覚”は人によって左右されます。文章も近いものがあります。

それでも一般的には、下記のような文章が「良い文章」の最低限を満たしていると言えるのではないでしょうか。

  • 読みやすい
  • わかりやすい
  • 読み手に伝わる

作家の井上ひさしは、

「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、ゆかいなことをいっそうゆかいに」

と、座右の銘を語ったといいます。なんかイメージはできますね。

でも、ここで「日本語」について考え始めてしまうと、どれだけ時間があっても足りません。結論を言うと、100%発注者のイメージ通りという文章は発注者が自分で書かない限りは世の中に存在しません(想像以上という、うれしい場合はけっこうあります)。

例えば、上の文章を

「難しいことを易しく、易しいことを深く、深いことを面白く、面白いことを真面目に、真面目なことを愉快に、愉快なことをいっそう愉快に」

と漢字に変えてみたらどうでしょう?

パッと見て意味がわかりやすくなったと思いますが、なんだか堅い印象になってしまいましたね。同じことを書いていても文章は文体や語彙で雰囲気がけっこう変わってしまうものなのです。

つまり、文体や語彙など文章表現のレベルで「良い文章」は定義できないのです。

大事なことは文章表現よりも文章構成

話を少しビジネスの方に戻すと、Webコンテンツで重要視すべきことはターゲットユーザーに何を伝えられるか、彼らにどう行動してほしいのかという部分です。

コンテンツマーケティングで語られるように、多くのコンテンツはユーザーごとに異なる不安や需要を満足させるためのものであり、大切なことはその文章によってどれだけの「気づき」があったかという点です。

これは表現に左右される部分もありますが、それよりも何が書かれているか論理的に筋が通っているかという文章構成によって決まります。つまり、大切なことは文章のネタ(材料)です。

やってはいけない依頼方法の代表例:「とりあえず書いてみて」

ところで、これをやったら必ずライターに嫌われるという発注方法があります。

それは「とりあえず書いてみて。それに修正の指示を入れていくから」というもの。こう言われてしまうと、ライター側としても「どうせ修正されるんだから…」と100%のエネルギーを注ぎにくくなります。

そもそも「とりあえず書いて」と言われても、何を書いてほしいのかわからないですしね。必然的に納品されるコンテンツのクオリティも下がります。地雷担当者とライターの間で繰り広げられる会話というのは、だいたいこんな感じでしょう。

発注者 :とりあえずテーマは” ○○○”で書いてみて。それに修正の指示を入れていくから
ライター:はーい。わかりましたー。(どうせ修正されるんだから、サクッと書こうっと)
発注者 :コレじゃないんだよなぁ。修正。もっとユーザーを意識した原稿に…と。よし。
ライター:ユーザーって…何をどう書けって言うんだよ!? (たぶん、こういうことだろう)
発注者 :うーん。微妙だなぁ。このへんとか書き直してもらおうかー。
ライター:うわっ! 直した意味ないじゃん! もう言われた通りの仕事しかしない! 送信!!
発注者 :もらった原稿、ユーザーを意識した原稿になってないけど?
ライター:いや、指示通りユーザーを意識して書きましたよ!
発注者 :いやいや。ユーザーってさぁ

不毛ですね。デスマーチ一直線です。さすがにここまで極端なケースは少ないと思いますが、ここでの問題点はライターと担当者、どちらも①ターゲットユーザーと、②伝えたいこと(気づいてほしいこと)の認識共有ができていないという部分にあります。

書いてみてから気づきましたが、これはライティングだけではなく、Webデザインなども全く同じことが言える気がしますね。

重要なのは依頼の事後よりも事前

「後始末より前始末」という言葉があります。これはトラブルやクレームになった後始末よりも、そうならないための事前準備をしっかりと行うことで仕事の効率化をはかった方が、結果として成果もあがりますよねという考え方です。

Webライティングにおいては少なくとも、以下の4項目は事前に共有した上で、ライターに書き始めてもらうことが大切です。

  • ターゲットユーザー
  • 伝えたいこと(気づいてほしいこと)
  • 競合他社と差別化したい(特筆したい)点
  • 上記を満たしたうえでの文章の着地点

例えば、弊社では、コンテンツ制作の際、事前にクライアントからヒアリングした内容を元にライターへ制作指示を出します。

上記の4項目はもちろん、全体でだいたい20~30項目ほどになるでしょうか。それらをディレクターが理解した上でヒアリングシートと呼ぶ製作依頼書にまとめ、ライターと打ち合わせて制作業務に入ります。

弊社は社内にライターを抱えているので、クライアントが抱える課題やサイト全体のコンテンツ戦略など依頼の背景についても顔を合わせて話をしながら、互いのイメージをすり合わせることができます。(弊社のサービスページにそれらしき図があったのでそのまま持ってきました)。

社内でワチャワチャやってあれこれやりとりしてようやく記事が納品できます

一見、ライティング業務以外に比重を置き過ぎているように思えるかもしれませんが、実はこのすり合わせこそが、文章構成(材料)だけではなく文章表現(味付け)まで含めた仕上がりの質を向上させることに大きく影響します。

例えば、あなたがもしクラウドソーシングなど外部ライターに制作を依頼する場合でも、できるだけ「文章にした依頼」と「口頭での説明」を併用することをおすすめします。

特に初めて一緒に仕事をする場合は、人によって「良い文章」の考え方は大きく異なります。例えば電話1本、数分だけ言葉を交わすことでも互いに見落としていた部分に気づけ、「後始末」に必要な時間を数十分単位で少なくすることができるはずです。

ライターのスキルを最大化するには?

ライターは機械ではありません。どれほどベテランのライターであっても、感情を害されれば納品物の質が下がることはあっても上がることはあまり期待できませんね。

逆に気持ちよく仕事に取り組んでもらうことで、期待以上の働きをしてくれる可能性も高まります。では、ライターに気持よく仕事をしてもらうためにディレクターが今すぐできることとは何でしょう?

  1. 最初に1~2記事を書いてもらって、互いの理解が共有できているかを確認する
  2. ズレていると感じた場合、どこがどのように違うのか具体的に修正依頼する
  3. 細かい表現についてはライターに任せる
  4. 原稿が納品されたら早めにチェック、遅くとも翌日には返す
  5. 返した原稿の修正点について電話でもいいので簡単に話す

書き出してしまえば珍しいことではないですね。メールと一緒で、早めに返事をもらえると人間誰しもうれしいものです。(5)まで当然のようにできれば、たとえ修正が多くなってしまってもライターはよろこんで次の仕事の相談に応じてくれるはずです

ライターは「育てる」意識が重要

雑誌制作の現場においては、ライターは編集者と個人の結びつきが強い存在です。お互いに「育てた(育ててもらった)」という、ある種の職人的な関係性があるからでしょうか。

これは「良い文章」という主観的な成果物を制作するための、ある意味で効率的な仕組みなのかもしれません。Webコンテンツは紙媒体に比べて単価や制作時間が軽くなる傾向があるためか、ライターとディレクターの関係もその場限りになってしまいがちです。

しかし今後企業サイトのオウンドメディア化が普及すると、コンテンツの差別化をはかるためには、より専門性の高い、或いは他と違う視点で作られた、など”他にはない”コンテンツが必要となります。その時に頼りとすべきライターチームがいるかいないかは、サイト運営戦略のキーポイントになりそうです。

チルチルとミチルではありませんが、良い文章を書いてもらうためにはまず自分のまわりを見渡してみることが大事かもしれません。一朝一夕で実現できることではありませんが、ぜひこの機会にライターとの関係を考えてみてはいかがでしょうか。

ライターさん、随時募集してます

ライターの方、弊社で一緒に仕事をしませんか?ご興味ありましたら是非ご連絡下さい。経験やスキルに応じて、ライティング、校正、編集、取材、様々なお仕事があります(結構、あります)。Webライティング実績のある方は特に大歓迎です。

詳細:Webライター(メディアライター) | 採用情報 |ヴォラーレ株式会社

コンテンツは誰のため?何のため?コンテンツマーケティングを成果に導く5つの質問

コンテンツ制作チームの寺田です。前回、コンテンツマーケティングに関してWebと雑誌という業界の違いに着目した記事を書かせてもらいましたが、多くの方から反響をいただき「コンテンツマーケティング」に対する皆さんの関心の高さを改めて実感しています。

そこで今回は、コンテンツマーケティングの思考にもとづくコンテンツ拡充策で間違ってしまいがちな5つのポイントを取り上げつつ、価値あるWebコンテンツについてより深く考えていきましょう。

コンテンツマーケティングを成果に導くための5つの質問

1. そのコンテンツは誰のために書いている?
2. そのコンテンツは何のために書いている?
3. そのコンテンツはビジネス上の成果につながる?
4. どこでユーザーとコンテンツは接点を持つ?
5. 上記を踏まえて、運営できる体制は整っている?

1. そのコンテンツは誰のために書いている?

SNSでは毎日のように「ホントっ!?」という記事やニュースがシェアされています。いわゆるバズるというやつですが、サイト運営やメディア展開に不慣れな方が話題性を重視して同じようなことを企画しても必ずと言っていいほど成果につながりません。

個人的に大好きな「前田建設ファンタジー営業部」というコンテンツがあります。ご存知の方も多いと思いますが、これはゼネコン大手の前田建設さんが、架空の部署のストーリーとしてサイト上に立ち上げた「ファンタジー営業部」の苦闘が描かれています。

前田建設ファンタジー営業部
URL: http://www.maeda.co.jp/fantasy/

例えば、宇宙戦艦ヤマトの発進準備に必要な基地建造を前田建設が行うとしたらどのように実現するのか? といったような奇想天外なプロジェクトがとても具体的に紹介されています。

企画も文章も非常にクオリティが高い、良質なコンテンツとなっていますが「じゃあ、ウチの商品を同じように空想ネタで…」みたいなことを考えても、絶対にうまくいきません。

仮にキャッチ感のある写真やインパクトあるタイトルコピーで瞬間的に目を引くことはできたとしても、それはあくまで一時的なこと。多くは商品を購入する「お客さん」にならず、「一見さん」で終わってしまいます

まず大事なことは「誰のためにコンテンツがあるのか?」ということ。あなたのサイトが本当に仲良くなりたい(なるべき)ターゲットユーザーに、伝えたい内容が届くかどうかです。

2.そのコンテンツは何のために書いている?

上記と関連性の高い内容ですが、目的が明確でないコンテンツを量産してもターゲットユーザーには届きません。

届くか届かないかは単純にコンテンツひとつひとつのクオリティという問題もあるかもしれませんが、むしろ表面的な文章の品質よりも重要なのは「何のためのコンテンツなのか?」、つまり「何を伝えたいか(=ユーザーに気づいて欲しいか?)」という視点です。

前述した「ファンタジー営業部」の記事を読んでいただければ気づくと思いますが、プロジェクトが奇想天外な反面、実現するための手段は驚くほど現実的に受け取れます。「こんなことが出来るのか!」と、素人ながらに感心してしまいます。

私はダムを作るわけでもビルを建てるわけでもありませんので前田建設のターゲットユーザーではありませんが、意図は伝わっていますし、ド素人の私ですら、このコンテンツをきっかけに企業に興味を持ち、結果として好感を持っていとことは間違いありません。

3. そのコンテンツはビジネス上の成果につながる?

「これからはリンクじゃなくてコンテンツ」という文脈でホワイトハットSEOやコンテンツSEOが語られる際に、わりとありがちな話なのかもしれません。

ただ「コンテンツマーケティング」とか「コンテンツSEO」なるものを、「コンテンツをたくさん作ること」と勘違いしていると、期待するような効果はまったく得られないでしょう。必要なのは、ビジネス上の成果につながるかどうか? という視点です。

上で述べたように、ターゲットユーザーへサイトの魅力を伝えて「お客さん」になってもらうためにはいくつかのプロセスが必要です。「必要だから今すぐ買いたい!」というユーザーにしても「何でもいいから売ってくれ!」というわけではないですし。

当たり前ですが、商品の魅力を的確に伝えて「これなら悩みが解決できる!」とユーザーが納得してもらわないと購入にはつながりません。その商品が必要かどうか、自分の悩みを明確に理解していないユーザーにはなおさらですね。

参考:“ホワイトハットSEOが上手くいかない”という人へのアドバイス

4. どこでユーザーとコンテンツは接点を持つ?

先に述べた3つと比べると、これは若干テクニカルな領域です。コンテンツ戦略として、どのターゲットユーザーとどこで出会うか?は意識しておく必要があります。

それがFacebookなどSNSを流入経路に設定するコンテンツであれば、目を留めたくなるような写真は必須でしょう。シェアや拡散もされやすくなります。また検索や広告を流入チャネルに設定するのであれば、当然キーワードに応じたコンテンツマップも考えておくべきです。

大事なことは、これらのマップが何かしらの形で用意された上で、関係者の共通認識のもとでコンテンツ制作がスタートできるということです。

全体の事前設計を描いた上で、例えば最新事例を取り上げたコラム記事で外部リンク獲得やソーシャル拡散を狙い、独自ノウハウを盛り込んだQ&A記事は検索キーワードから、期間限定キャンペーンLPはリスティング広告で効果的なキーワードを、といった感じで各コンテンツの流入経路までを決めておく必要があります。

5. 上記を踏まえて、運営できる体制は整っている?

身も蓋もないのですが、上記の1~4を満たしてコンテンツマップを事前に描いていても狙い通りの成果があがるとは限りません。作ることと平行して、定めた目標に対する効果検証を行っていくような体制づくりも重要なポイントです。

この点で誤解を恐れずに言えば、大事なことは以下の2つだけです。

・コンテンツを書くのは誰か?
・コンテンツの解析と戦略を行うのは誰か?

手を動かす人と、頭を動かす人が必要ということです。小さなサイトやブログであれば担当者1人でも両方カバーできるでしょうが、ある程度の事業規模が必要な場合は、それぞれに専門の人間を置いた方が効率的です。内部リソースに限りがあるのであれば外部の協力者に一部業務を委託することも検討しても良いとは思いますが、ただし丸投げは禁物です。

まとめ

どれほどコンテンツの中身が素晴らしいものでも、それが検索流入に反映されたりやユーザー認知が高まるまではある程度の時間がどうしてもかかります。

「成功の秘訣は、成功するまで続けることだ」という名言もありますが、根気よく世の中に対して価値ある情報を発信していくことはエネルギーが必要です。

ただ、おそらく最後までこの文章にお付き合いいただいたあなたのサイトには、何かしら他にはない魅力を持った商品やサービスがあるはずです。その1点をまずは明確にして、競合他社には出来ないようなコンテンツを考えることから始めてみてはいかがでしょうか?

戦略のあるコンテンツは必ず資産としてサイトの中で効果を発揮し続け、中長期的に相当な投資対効果をもたらしてくれます。

サイトの成果に不満がある、またはコンテンツマーケティングにもとづくサイト運営を導入しようと考えている方は、ぜひ冒頭の5つの質問を投げかけてみてはいかがでしょうか。

なお、弊社でもコンテンツ戦略と関連したSEOコンサルティングコンテンツ作成支援サービスなどサイト運営のサポートを行っています。何かお困りの際にはぜひお気軽にご相談ください。

Appleが本の内容解析サービス、BookLampを極秘で買収した理由

〔アップデート〕「Appleはアイダホ州Boiseに本拠を置く本のビッグデータ解析のスタートアップ、BookLampを買収した」というTechCrunchの以下の記事に対し、Appleは「われわれはときおり小規模なテクノロジー企業を買収するが、通例、その目的や将来計画については論じないこととしている」という定形をコメント寄せ、事実上、買収を確認した。

別の情報源によると買収金額は「1000万ドル以上、1500万ドル以下」 だという。

BookLampの主要なプロダクトはBook Genomeプロジェクトで、選択、分類、検索などに役立てるため、自然言語処理テクノロジーを用いて本の内容を解析するサービスだ。BookLampのテクノロジーはAppleのiBooksサービスのユーザー体験を強化するために役立てられるのだろう。

BookLampチーム:(左から)Matt Monroe、Sidian Jones、Aaron Stanton、Dan Bowen

買収に先立ってBookLampは地元投資家から90万ドルを調達していた。BookLampはAppleの最初のアイダホ州での買収となったもようだ。一時AmazonもBookLampに関心を示し交渉を行っていたらしい。結局Amazonは別の本のディスカバリー・エンジンであるGoodReadsを買収した。

Book Genomeプロジェクトとは?

BookLampが有名になったこのプロジェクトは多数の小説の内容をスキャンし、読者が読んで好んだものに似たスタイルや内容の小説ないし著者を推薦するというものだ。このスキャンはテーマ、プロット、内容も抽出でき、推薦や検索の精度を向上させるのに役立てることができる。AppleがBookLampを買収した大きな要因はeブックの検索、推薦能力でAmazonに対抗したかったからだろう。

TechCrunchは2011年にBookLampを紹介している。当時BookLampは「われわれは本のPandoraを目指す」としていた。つまり多数の本をスキャンしてその内容を数値化し、類似性を判定して推薦に使うテクノロジーの開発だ。昨年、CEOのAaron StantonはBook Genomeプロジェクトについて、われわれは毎週4万冊から10万冊の本をスキャンしていると語った。

BookLampのテクノロジーがどう働くのか例を見てみよう。上のスクリーショットはDigital Book WorldがBookLampのテクノロジーを利用してスティーブン・キングの『呪われた町(Salme’s Lot)』の内容をビジュアル化したものだ。‘吸血鬼、超自然現象’、‘葬儀/死 ’、‘家庭、家庭環境’、‘苦痛、恐怖/ 否定的感情’などが要素として抽出されている。

下は同じくスティーブン・キングの『キャリー』の分析。

BookLampは小説の内容について、たとえば性的コンテンツの表現の程度や表現されている場所を特定するなどの解析もできる。下はDigital Book Worldが掲載したBookLampのデータによる官能小説の大ベストセラー、50 Shades Of Greyの分析だ。最初はおとなしく始まるがやがて強烈にエロティックなシーンが現れる。一番下は『愛しの伯爵と秘密のひとときを』(His Mistress By Morning)の分析で、ところどころにエロティックなシーンがあるものの全体としてはピューリタン的だ。 真ん中はペントハウス誌に寄せられた体験談という体裁の短篇集、“Letters To Penthouse XXVIII”で、まちがいなく全編ノンストップのエロだ。

読者が自分の好きな小説を選ぶとBookLampはその内容をスキャンして「本のDNA」を抽出し、それに基づいて読者が好みそうな小説を推薦する。たとえば『ダビンチ・コード』のファンには『テンプル騎士団の遺産』を推薦するという具合だ。両者は‘カトリック教会’、‘歴史/学問の世界’、‘戦略的計画’‘図書館’などの要素が共通している。

iBooksの強化に向けて

Appleが自社のeブック・プラットフォームの強化のためにBookLampを利用する方法はいくつか考えられる。

まず最初にAmazon X-Rayのような機能を提供するためにBookLampが使えるだろう。X-Rayは登場人物を始めとして特定の単語が本のどこにどれほど登場するかをグラフィックに示してくれる。これは本を詳細なカテゴリーに分類したり性的、暴力的コンテンツの有無や程度を判断したりするのに大いに役立つ。ペアレンタル・コントロールには必須の機能だ。現在AmazonはX-RayをKindleデバイスだけでなくiOSのKindleアプリにも提供している。

また「本のDNA」を抽出するテクノロジーはeブックの個人出版が盛んになった場合、市場性を判断し、適切にカテゴリー化するのに役立つだろう。

しかしもっとも有用ななのは、もちろんiBooksへの推薦機能の導入だ。

現在AppleのiBooksにはユーザー別のカスタマイズ機能があまりない。App Storeと同様のベストセラー・チャートはあるが、「これを読んだ人はこちらも読んでいます」という推薦機能はない。信頼できる推薦機能はユーザーをつなぎとめ、繰り返し購入させるのに非常に有力なツールだ。

AppleとAmazonのeブック戦争でBookLampはAppleの秘密兵器として活躍しそうだ。

この記事はDigital Book Worldの図へのクレジットを正しく入れるためにアップデートされている

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


自分のツイートのパフォーマンスの全貌を知るためのダッシュボードをTwitterが提供…広告主以外も利用可能

自分のツイートがどうなってるのか、詳しく知りたかったら、Twitterが今日(米国時間7/11)リリースした分析ダッシュボードのユーザになるのはどうだろう。このダッシュボードは広告主とTwitter Cardのパブリッシャーと、Twitterが認めたユーザが利用できる。

Twitterはすでに、宣伝のためにお金を払っているツイートに関しては、広告主たちにデータを提供している。それを見るとインプレッション数やリプライ数、リンクのクリック数などが分かるが、宣伝目的でないふつうのツイートに関しては何もなかった。そこで今回のダッシュボードでは、ひとつのアカウントのTwitter像の全体が分かる。

TwitterのBuster Bensonが今日のブログ記事で言ってるように、Twitterの広告は広告主が特定のオーディエンス向けの宣伝のために料金を払っている‘ふつうのツイート’にすぎないのだから、もっと全ツイートの全オーディエンスに関する全体的な状態を知ることは、広告という観点からも重要だ。

新しいダッシュボードには、インプレッション総数、エンゲージメント総数と各ツイートのエンゲージメントレート、過去1か月の集計データ、などがあるから、各月の成績を比較することもできる。

Bensonによると、Twitterはおよそ200社の活発な広告主たちのデータを調べて、一定のパターンを見い出した。そしてそこから得られた最大のメッセージが、頻繁にツイートしなさい、だ。“Twitter上でブランド名などが有料宣伝を介さずに広まるための最大の要因が、≪ツイートの恒常性≫である”、と彼は述べている。

そのほかのベストプラクティスは:

  • 高いエンゲージメントやインプレッション数が得られる曜日や時間帯を明確に意識せよ。
  • ツイートの頻度を分析せよ。ツイートのリズムと成績との関連を知ろう。
  • アクションの呼びかけ、リッチメディアの紹介、コピーの長さなど、ツイートの構成要素のそれぞれについて、その効果を調べよ。

本誌TechCrunchの一部のライターたちも、このダッシュボードに対し興味津々になっている(今ぼくがこの記事を書いてるときに!)。おっと、この記事の冒頭パラグラフで述べた、‘Twitterが認めたユーザ’になれるための要件はこれだ。失格だった人は、広告主としてのアカウントを作ればよい。

詳細は、Twitterのブログ記事を読もう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ブログを更新することで得られたメリットと、逆に大変だと思っていること

土居です。2014年に入って、特に3月くらいから割とまじめにこのブログを更新しています。

目的はいくつかありますが、色んな人にこのサイトとかうちの会社のことを知ってほしいとかいうこともありますし、もちろんサービスに関する問い合わせとか個別の相談とかが増えれば嬉しいなとも思っています。トラフィックを増やすとかSEOを強化するとかいうのももちろん狙いには入ります。

あとコンテンツ大事ですよという提案してる身ですので自分たちが最低限は実践してそれなりの結果を見せていないと説得力がないよなというのもちょっとあります。

あとは、「ああこの会社はこういう感じでSEOやってるのね」という印象を持ってほしいというのがあります。少なくとも「どんな依頼内容、どんな条件でも喜んでお受けします!」とはいきませんので、ある程度は自分たちの特徴を知ってもらえると良いことがたくさんあります。

ということで、色々とメリットはありますが、一方でそんなに「みんなとにかく書いたらいいよ!」とは決して思っていません。ということで「ブログ論」みたいでどうかなとも思いましたがブログ論にならないようにこのあたりまとめてみました。

ブログを書くことでメリットと感じていること

もちろんSEOとかWebとか企業向け、っていう条件に依存する部分も大きいのですが、半分くらいは汎用的に参考にできる内容ではないかと思います。

トラフィックが増えて知ってもらえる機会が増える

まあ、これはもう言うまでもなく、というか記事を作って告知すれば人が見に来てくれますし、検索エンジンに認識されれば検索結果にも表示されるようになりますし、何にしてもトラフィックが増えます。

そして、トラフィックが増えるということはリンクやシェアも得られる可能性が増えます。誰も見てくれないコンテンツは誰からもリンクもシェアもされません。

言いかえればトラフィックが増えたら増えた分だけ、検索やらソーシャルやら色んなところからトラフィックが更に増えやすくなるということです。リンクが増えればリンクを通じたトラフィックも得られます。という正のサイクルが出来ますので通常ではトラフィックが増えることのデメリットは特にありませんね。

コンテンツを公開していくことでの直接的に最も分かりやすい成果地点はここです。実際にはブログ含めて月10~15くらい(3月以前は月2~5くらい)の地味なコンテンツ更新ですがトラフィックはこんな感じでちょっとずーーつ伸びております。

SEO HACKSサイトのトラフィック推移。過去1年間徐々に成長し、2014年3月以降は伸び幅も大きい

数字は自慢できるほどの規模ではありませんので内緒にしておきますが、更新を頑張り出した3月以降は検索トラフィックも検索以外トラフィックも増えていることはなんとなく分かっていただけるかと思います。

問い合わせとかセミナー参加が増える

トラフィックが増えるので、集まるユーザーが自社のターゲットと大きくズレていなければ、当然何かしらより深い接触を持つ機会も増えます。具体的にはうちで言えば、SEOのお仕事の相談とかセミナーへの参加とかです。

ここが少しずつでも目に見えて増えてくると、ビジネスインパクトという大義名分だけではなく単純なモチベーションの維持と会社として一定のコストを割く根拠付けになります。

ブログ更新においては「どういう記事が人気が出てPVを稼げるか、バズらせられるか」ではなくて「自分のサイトを見に来てほしいと思う人たちが日常的に調べそうな話題、あるいは今まさに困っていそうなこと」にスポットを当てて情報を更新していくのがおそらく誰にでも出来て、ターゲットとしたいユーザー層にリーチできて、しかも効果に繋げられる考え方です。

前者は慣れとかセンスとかにも依存する部分が多いと思いますが、後者は実際にお客さんと触れ合う機会が多い人であれば、時間さえ取れれば絶対無理!ってことはないでしょう。

僕は派手なコンテンツのプロモーションとか全く得意ではありませんので後者みたいな考え方を推奨しています。前者がダメとかでは決してありません。前者みたいなことをやるのも選択肢に入れ、やるならそういうことが得意な人に頼む方が良いと思います。

リンクがもらえるのでSEOもちょっとずつ良くなる

ただブログ記事を作って告知するだけではなくて、短期的な反響を得るだけでもなくて、「リンクをもらう」ことももちろん視野にいれないといけないのですが、一応そういうときに頭の片隅でいつも考えていることは

  • 人気とか影響力のあるサイトにリンクされたい
  • なるべく多様なサイトからリンクされたい
  • できれば継続的にリンクを得たい

などのことです。話題とか自分たちに書けることによってどういうポイントに重きを置くかは変えています。「あーこのテーマだと多分キツイな」とか「この記事なら継続的にリンクもらえるな」とかそういうのは何となく想像しています。さすがに自分が得意な分野では6割くらいは想像通りになります。

得意な分野だと上手く言って不慣れな分野だとうまくいかないのは、読者のことをよく知ってるかどうかが分かれ目だと思っています。読者のことをある程度でもわかっていれば読者の反応は予想できますし、分かっていなければ予想するのは難しいですよね。という理屈です。

だからこういうのは自分個人の提案というよりも色々勉強したりクライアントから教えてもらったりとにかくユーザーを知ることから始めないとなかなかいい提案できないです。だからこういうコンサルはとても大変で、ジャンル問わずうまく出来る人はすごい人だと思っています。

リンク数の推移としては、ahrefsという調査ツールだとだいたいこんな感じです。

ahrefsによるリンク獲得推移データ。過去1年間、着実に伸ばし特にここ最近は伸び幅も少し大きくなっている。

まあ特段多くはないですけど、書いた分だけ少~しずつ増えているくらいの感じでしょうか。本音を言えばもっと爆発的にガツーンと行きたいのですがまだそこまでのサイトでもなければ僕の文章力もないので仕方ないのでしょうが。

ちなみに、人気とか影響力のあるサイトに掲載されるためには、そういうサイトを運営してる人とかその周辺にリーチして読まれて「へーこいつ中々いいこと言ってんじゃん」という評価をもらえることを前提に記事を書くのですが、そのためにまずはその人が好みそうなテーマで記事を書いてみたり。話の主旨をその人の好みに合わせたり。とか少しは工夫しています。

また、多様なサイトからリンクされるには、SEO関係者しか興味ないマニアックなネタばかりを公開しても仕方ない(リーチできる属性が限られる)のでいくつか工夫が必要で。

例えば、「SEOだけどめっちゃ業者向けに書く」とか「すごい初心者向けに書く」とか「制作とかの仕事をしてる人向けに書く」とか「リスティングの人に興味持ってもらえそうな話題を書く」とか「アクセス解析とかの人に向けて書く」とか、関連業界だけどちょっとSEOの記事じゃないところに向けて書きます。

例えば

この辺りの記事はまさにそんな感じですね。

高速化、とかステータスコード、とかユニバーサルアナリティクス、とかタグマネージャ、とかその辺はSEOにも関わる話題ですが、それを本業としている人達にもリーチしやすくなります。こういう記事はトラフィックと普段もらえない層からのリンク集めが主な目的です

公開後の情報拡散がある程度うまくいくとそれなりに反響があり、反響があると検索結果が向上して、その後そのテーマで調べてくれた人がちょくちょくリンクしてくれたりが継続的に発生します。ただこのあたりはこのブログのテーマ的にもブログとかソーシャルとかの利用者層が多いのでそうなりやすいという側面があるのは間違いないのですが。

1つのコンテンツで何十本も毎回リンクがもらえるわけではありませんが(そういうコンテンツだけを価値とするのであれば、ほとんどのコンテンツの価値が適性に評価されなくなってしまう)、5本のリンクを10回集められれば50本のリンクなので、そう考えれば難しい感じではないですね。これはいつも自然リンク集めに困っている企業さんにアドバイスしている内容でもあります。

  • 情報源としてそれなりに信頼しても良さそう
  • ある程度まとまって網羅された情報 or 細かく具体的なニーズにこたえる内容
  • 検索結果で上位表示されている
  • 見てくれる人がブログとかソーシャルメディアを日常的に利用してる

この条件が満たされることだけ考えて運営していけば割と継続的にリンクは伸ばせそうですね。先ほど紹介したような、「出遅れた感ある話題をけっこう大げさに網羅してまとめたりしてる」ような記事ってぶっちゃけこの辺が目的だったりします。断片的な情報はめちゃくちゃ多くても、網羅してる記事は割と限られているのでそこを狙ってるだけといえばそうなのですが。

本筋から外れますが一番最後の要件だけ、そのサイトのジャンルに大きく左右される要素だったりしまして。

自然リンク<<ブラックハットなリンクなキーワード市場、かつそもそも自然リンクを貼ってくれる人が比較的少ない、という条件ですと頭をひねらないとホワイトハットでは今はまだ厳しいです。

サイトの利用者そのものがリンクを貼ってくれることを期待できないのであれば、リンクを張ってくれそうな人(属性?)に焦点をあてて、その人たちに情報をリーチしていくような取り組みが必須になります。「集まる」よりも「集める」にフォーカスするわけですね。

例えば、賃貸物件の一般的なポータルサイトを立ち上げて自然なリンク集めをしようと思っても、「この物件マジ良かったよ!おすすめ!」「品川区のILDKの新築マンションは、例えばこういう物件があるようです。」なんてリンクはまず期待できませんね。

でもそういうサイトに自然リンクを集めたいのであれば、リンクのターゲットを変えて、彼らがリンクをくれる理由をあの手この手で作らないといけないのですね。特に小規模な事業者であればあるほど、この辺のリンクを取りに行く工夫と貪欲さが必要になります。

そして正直に言えば、どんなジャンルでも工夫すればある程度までは行けると思いますが、それだけで検索結果の面取り合戦でバチバチ戦えるかと言えばそれはテーマ次第かなあと思います(少なくとも僕のスキルだとそうです)。

既にある程度知ってもらえている分、営業コストは下がる

これは、「いつもブログ見させて頂いてます」とか「ちょくちょくセミナー行かせてもらってます」っていうところから始まる商談がどれだけ話が早くてお互いに助かるかというのを体験している人は分かると思いますが。

受注が決まる、だけではなく出来ること出来ないこと、得意不得意が割と明確な状態をスタートラインに仕事の話ができるので、仕事受ける受けないの話も早いということです。

相談いただくサイトも、「あーこれなら自分らが上手いことアドバイスできそう」みたいなサイトが割合として多くなります。ココらへんは表面的な数字で現れにくいのですが、確実にそういう効果もあるとは感じます。

大変だなと思っていること

ここからは、ありきたりな内容かもしれませんが。

書くのにめっちゃ時間かかる

まあ一番のネックはここですよね。僕が書く場合ですとだいたい1記事あたり3~6時間くらいです。他の人が3~4時間くらいかけて書いたものを校正するには、内容によりますが1~5時間程度です。まあどのみち平均5時間くらいかかるんですね、きっと。

大半の時間は構成考えるのと内容のチェックと、場合によっては記事を書くにあたっての調査や事実確認です。書くことが決まれば書くのはそんなに時間かかりません。

その割には記事は大したことないね、と感じる方も多いかもしれませんが、結構色々気をつけて書いたりまとめたりすると、僕だとこれくらいかかってしまったりします。完全にそれのみに集中できればもっと短縮できると思いますが他業務の合間を使って書いているのでなおさらですかね。

例えば、意見や見解なのか事実なのかの区別とか、明確な因果関係とか根拠があるのかないのかとかも分かるようにしたいです。あとは曖昧な場合とか断言できない場合はそういう表記を心がけています。「誤解を恐れずに言えば」とか言い回したまに使いますが、正直言えばかなり誤解を恐れています

このサイトの記事全般がちょっと回りくどくて読みづらかったり補足説明だらけの文章になっているのは、文章力が欠如している以外にもそのせいもあると思います(多分)。

一応、ポリシー的なところで言えば、簡潔でキャッチーでライトで読みやすい文章よりも、ちゃんと読んでくれたら役に立つ、とか逆に誰かの迷惑にならない、みたいな文章にすることを優先しています。まあこの辺は運営者の意図次第なので僕が無駄に気にしすぎなのは間違いないと思います。「生」が付くほど真面目な性分なのが玉にキズですね。もっと言えば「は」がつくほど緻密なのも玉にキズです。

専門分野なので記事の品質を担保するのが大変

ある程度は話せる、実務ではちゃんとやってる、というのと、ブログという形式のアウトプットとして一定以上の品質で出せるというのはスキルとして全然違うと思っています。つまりそれなりの文章を安定して書き続けられる人はどこの会社も限られていると思うのです(スキルだけではなく業務的な事情も含めて)。もっとライトなテーマなら別ですけどね。

ですので社内の他の人に書いてもらう場合でも、テーマを決めたり、予め骨格を決めたりして、あとは書く人の得意分野に合わせて書いてもらって、文章とか表現でちょっと気になるところから修正したり、事実に反することが書いてないか、とか誰かが誤解してしまう表記になってないか、とかそういうところも基本的にはけっこう細かく見ます。妥当なツッコミや指摘を頂いたらその旨追記したり引用させて頂いたりします。

ということで、とにかく分担してみんなで書こうぜ!というのがそんなに簡単にできないというのもまあひとつの悩みですね。現場のメンバーはやっぱり実務を優先しないといけないのでここにリソース割きまくるとかも出来ないですし。

逆にインターン生とかに勉強がてらSEO用語集とかまとめて記事にしてもらったりはしてますし(もちろん最低限は全てチェックします)、信頼できる方に寄稿して頂いていたりもありますので、現実的な運用に耐えうる体制を組んで更新量を担保することは工夫すれば出来るとは思います。

その人(その会社)の底が知れることのデメリットも考慮する

あんまり浅い内容の記事とか変な内容の記事ばかり出してしまうと、検索を中心にトラフィックは増えていくと思いますし一時的に成果と言われるようなものが出ると思いますが、やっぱり印象とかブランドとかいう意味でいうと長期的には何かしらは損ねてしまうんだろうなとは思います。

ある意味、自分の手の内を多少明かすことなんてのは別に問題ないと思いますが、読者から見てその人(とか会社)の底が知れるというのは微妙かなあと思います。さすがにある程度のリタラシーがある読者さんであればその辺りの分別はつくでしょうし。

僕個人としては、こういう商売で「広告」という形式ではなくて「情報発信」を通じてユーザーとの接点を増やしていく以上は、こういう目にみえない「読者が受ける何かしらポジティブな印象」みたいなものを少しずつ積み重ねていくことも大事にすべきと思っているんですね。もちろんこのサイトはまだまだですので今後もそういうのを積み重ねていくために頑張ろうと思います。

逆に、トラフィックがいくらあっても、自分たちにとって重要な読者層に「こいつら、微妙だわ」って思われたら、獲得したトラフィックの価値は激減します。数字だけ見ていたら見えない部分ですので、なおさら自分たちがそうなってしまわないかビクビクしてるという側面も少しあります。ドメイン名でのエゴサーチは欠かせません。

ですので、SEOについては全ての読者に一定のリタラシ―や判断能力があるわけでは決してないテーマですので、企業としての情報発信にはそれなりの覚悟と責任を持ってやっています。特にWebコンテンツの場合はそれがずっと残ってしまい将来に渡り多くの人に見られる可能性があるのでなおさらかと。一対一でしゃべるのはそういう意味ではある程度気楽なのでいくらでもペラペラしゃべりますけどね。

ちなみに:「ブログとかでいろいろ情報公開しちゃって大丈夫?」みたいな話

そもそも本とかブログで書けるような、逆に言えば調べようとすればみんなが調べられる内容などは、ほとんどが一般論ですし手の内というほどのものでは決してないのでいくらでも放出して問題ないという認識です。受験勉強で言えば参考書読めば分かる、一般的な定理とか公式とか汎用的な解法とかが予備校や塾の重要なノウハウと言えないのと同じで。

本当に大事なのは一般論としての情報ではなく、個々のケースでの施策をどうプランニングするかと、その根拠となる知識と経験です。それは多くの場合で一般化して話せることでは決してありません

運営してる母体やその規模、ビジネスモデル、掲載されている情報の性質、担当者のスキル、予算、時間的制限、事業的制約など色んな要素が同一でない限り、同じようなサイトでも優先して行う施策は変わるはずです。

なので一般的なこういう話題はいくらでも出して良いんじゃないかなと個人的には思います。少なくともなんの役にも立たない情報だとは思っていませんし。

まとめ

ということで、僕はSEOみたいなテーマでブログを更新する、それによって何かしらビジネス上の成果を得る、というのはけっこう大変なことだと感じています。成功例と失敗例でいえば後者が圧倒的かなと。うちもめちゃくちゃ成功しているかといえばまだまだこれからの積み重ねだと思いますし。

もちろん良い情報が増えることはとても良いことですので大歓迎ですが、SEOについては明らかに間違った情報(ちょっと違う、はもちろん、ぜんぜん違う、というレベルまで幅広く)が発信される可能性が極めて高いのと、一方でそれを誤った情報として認識できる人が少なすぎる点から、情報の流通はよりカオスになりがちなテーマだと認識しています。なので余計に気を遣います。

ただ、総合すれば、色々大変なことはあるけど、ちゃんとやれば得られるものは多いので、何だかんだやるべきで、やるならしっかりコストをかけてやるべきと思っています。ただ上記のような理由から、適当な情報をまき散らさないためにできる努力を怠らないことも、情報を積極的に出すことと同じくらい大事なことという認識でございます。

このブログもいつの間にかそろそろ40記事くらいになりますので、もっともっと成果に繋がると良いなと思います。ということで何かお仕事ありましたら是非くださいますと幸いです。

以上、今後共よろしくお願いします。

“ネット上でうちの会社はなんと言われているか”…レビューを集積管理するReviewTrackersが$2Mを調達

シカゴに本社を置くReviewTrackersは、顧客企業のネット上の評判や評価を集めて管理するサービスだ。同社は今日、合衆国中西部を拠点とする多数の投資家たちから200万ドルの資金を調達した。その投資ラウンドを仕切ったのはミルウォーキーのCSA Partners、これにAmerican Family VenturesSymphonyAlpha Ventures、そしてエンジェル投資家Jeff Rusinowが参加した。

同社のファウンダで調査担当最高責任者であるChris Campbellによると、得られた資金の約半分は、年内に技術者チームの人員を倍増して、予定されている機能を完全に実装することに充てる。そして、残る半分は営業の強化による顧客獲得努力に充てる。

サービスの利用料金は月額29ドルからで、OpenTableやGoogle+、TripAdvisorなどメジャーなサイト上のレビューのほかに、マイナーでニッチなフィードバックサイトからもレビューを集める。

Campbellはマーケティングの仕事を10年近く経験し、その後ReviewTrackersを始めた。“あるクライアントが、自分の会社のネット上の評判を知りたいし、それらに対応管理したい、と言ったんだ”、と彼は語る。“調べてみると、既存のソリューションの中には、その全国規模の小売企業が抱える問題を解決するところがない、ということに気づいた”。そこで彼は2012年にStartup Chileに参加し、そこで得た最初の資金を基に2013年にReviewTrackersを立ちあげ、さらにその後、ウイスコンシン州MadisonのアクセラレータGener8torの育成事業に参加した。

“この会社を始めたのは、企業のネット上の評判管理にはもっと良いソリューションが求められている、と感じたからだ”、とCampbellは語る。ReviewTrackerはとくに企業のカスタマサービスへの消費者やエンドユーザの評価を重視し、企業が実際に抱える問題に関する知識を活用していく。“うちは、企業の具体的なニーズに具体的に対応していきたい。そして、問題が解決するまで最後まで面倒を見ていく”、と彼は述べる。

同社は今のところ順調で、昨年の各月の売上は前月比で約80%成長した。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Googleより容赦無し?Appleのアプリランキング操作の『即アウト』的な排除規制が、実際わりと厳しい模様

同じ”ランキング”に関わるテーマでも、今回はiPhoneやiPadを代表とするiOSアプリを主題とした話題です。つまりGoogleでの検索ではなく、「App Store」の中の話です。とりわけ新情報というわけではありませんが、「本格的な動きが見られた」という意味では新しいかなと。

App Storeのランキング操作に関わる仕組みを持つiOSアプリがゴッソリとストアから排除されるように規制強化

ランキングの人為的な操作を排除することでユーザーの利便性の向上を図りたいのは、なにもGoogleだけではありません。ランキングの品質改善は、ユーザーにランキングを提示する仕組みを持つ多くのプラットフォームにとって、避けては通れない課題の一つなのです。

Appleのアプリストア「App Store」でも、ランキングの公正化のための取り組みとして、人為的にランクの操作をする目的のプロモーションを排除する動きが厳しくなっているということがつい先日、話題になりました。まとまっている記事としてはこのようなところをご覧頂ければと思います。

※2つ目、3つ目のURLについては、訂正も入れられていますが「規約がずいぶん厳しくなった」ではなくて「もともと言われてたことが本格的に実行されてきているようです」という意図ですね。タイトル内の「規約厳格化」の表記で誤解する人も中にはいそうでしたので、念のため補足。

“記事の公開時、「規約を発表」とありましたが、「すでにある規約を厳密に運用し始めた」の誤りでした。”

“以前からAppleはリワード付きの広告を禁止していた。しかし、実際には規約は厳格に運用されず、「厳密には違反しているようだが、何も言われない」という状況になっていた。”

 
さて、挙がっている話題をまとめますが、

“規制の対象となるのは、報奨で誘ってビデオの視聴をすすめるツール、ソーシャルに共有するとおまけがもらえるもの、プレイしているゲームの中でほかのアプリを見つけさせるもの、などだ。この規制はアプリ業界全体に影響を及ぼし、アプリの成長や市場拡大のためにこれまで一般的に使われていた方法を“リセットする”効果を持つだろう。”
ビデオを見たりソーシャルな共有で“ごほうび”をくれるアプリはApp Storeから締め出しへ…iOS 8の大改革

ということで、何かしらのインセンティブ(報酬)と引き換えにユーザーに何らかのかアクション(広告の閲覧、アプリのインストール、Facebookでのシェアなど)を求める仕組みを持つアプリは、アプリストアからリジェクトされる、つまりストアに掲載されなくなるということですので、その間は一切新規のインストールを獲得出来ません。重めです。

そういう規制がここにきて本格的に運用され始めたようです、というのが今回の話題の主旨となります。ここからは、この話題を背景から掘り下げて行きましょう。

App Storeの人気ランキングってどうやって決まるの

Appleのアプリストア「App Store」は、利用したことがある方は分かると思いますが、アプリの人気ランキングには、「総合」「有料アプリ」「無料アプリ」のような全体的なランキングと、「仕事効率化」「ビジネス」のようなカテゴリ毎のランキングが存在します。

アプリのランキングには、総合的なランキングとカテゴリごとのランキングがあり、有料アプリ、無料アプリ、どちらも含むランキングから探すことが出来ます

こうしたランキング決定ルールについてはGoogleと同様公表されてはおりませんが、やはり「一定期間内にどれだけ多くの人がインストールしたか」という要素は大きいようです

※もちろんGoogle検索と同じで、インストール数が全てではありませんが、主たるランキング決定要因の一つにはなっている、ということです。だからApple側としても本腰入れて規制をせざるを得ないわけです。

 

そして、iOSでアプリをインストールするユーザーのうち、App Storeの人気ランキングを参考にインストールするアプリを選ぶユーザーはやはり多く存在します。

従って、「一定期間のうちにどれだけインストールされるか」でランキングが上がるか上がらないかが決まり、ランキングが上がればその後のインストールの促進にもなるわけです。

つまり、iOSアプリにおいて継続的にインストールを増やすために、

  • 短期間でのインストールを増やし、人気ランキング上位に食い込む
  • App Storeユーザーへのリーチが増え、オーガニックなインストールも増える
  • その後も継続的に一定量のインストールを獲得し続け、ランキングを維持する

大きくこのような施策が一般的に行われています。

従って、まずは「短期間でのインストール促進」というのはこの流れの起点となることですので、ここが上手くいくかどうかがアプリマーケティングの鍵を握る、と言っても過言ではない状態でした。

何かしらの報酬を対価としてアプリのインストールを促進するプロモーションが普及

「何かしらの報酬を対価としてアプリのインストールを促進するプロモーション」て何やねん、ということですが、砕けて言えば「ここからこのアプリをインストールしてくれたら、コイン○枚プレゼント!」みたいなやつです。

逆に、「コイン○枚あげるから、その代わりこのアプリインストールしてよ」とも言えますね

そしてこういう形式でインストールを増やしまくったアプリが人気ランキング上位にいるというのは、何か本質的な「人気ランキング」と言うには違和感ありますよね、というのはWeb検索に関わる仕事をされている方であれば慣れ親しんだ文脈だと思います。

また直接的なインストール促進以外にも、同じような意図で、ポジティブなレビューの投稿やソーシャルメディアでのシェアを報酬付きで促すようなプロモーションも広く行われています。

とにかく、このようなランキングの人為的な操作につながるような行為を何かしらの報酬を対価としてユーザーに促すような仕組みについては、実はもとから規制するとされていました

しかし、Googleのかつてのガイドラインと同じく、「そんなこと言ったっていくらでもやれちゃうし、やってるやつたくさんいるし、現にランキング上がりまくりじゃん」状態であった、ということですね。

Google検索とApp Storeの違い

Google検索ランキングとの大きな違いとして、掲載されているコンテンツ(アプリ)は全てAppleの規定に基づく人的な審査を通過したものですので、Web検索よりも掲載時点でのコンテンツ品質をある程度は担保しやすい、という点が挙げられるかなと(App Storeの場合は審査時に体裁整えて通してしまえば、、という抜け道はあるのでしょうけど、さすがにいずれはその辺も対応されるかと思いますし)。

また、それに付随し、コンテンツ量はGoogleのように”兆”とかの規模にはなり得ませんので、あくまでアナログな規制であっても機能しやすいという点も今回の話題には直結します。(ちなみにApp Storeの場合は特定の仕組みを自動検出する精度とかはどうなんでしょうかね?)

したがって、Googleのようなアルゴリズム依存ではなく、プラットフォーム側の運用ルールをどのように引くか、どのように運用するか、という改善のみで大きく規制を加速することが可能ということです。

その前提で、Google検索のリンク売買のアレと比較すると

若干こじつけだったりしますが概ねこんな対比は分かりやすいかなと思います。

App StoreとGoogleで対比して考えます。  App Storeの事情。 ・インストールが多いアプリは人気があるというロジック ・だからインストールが増えるとランキングが上がりやすい ・何らかの報酬と引き換えにインストールを促す機能を持つアプリがある ・何らかの報酬を払って得たインストールでランキングをあげようとしているアプリがある ・ユーザーの自発的なインストールでないのであればランキングに反映したくない ・報酬と引き換えにユーザーにアクションを促す機能を持つアプリに規制を入れる ・アプリストアからのリジェクト(排除):ストアに掲載されない ・問題となる部分を修正して再審査を行い、問題がなければ規制解除  Google側の事情。 ・リンクがたくさんあるサイトは人気があるというロジック ・だからリンクが増えるとランキングが上がりやすい ・何らかの報酬と引き換えにリンクを提供しているサイトがある ・何らかの報酬を払って得たリンクでランキングを獲得しているサイトがある ・ユーザーが自発的に貼ったリンクでないのであればランキングに反映したくない ・報酬と引き換えにリンクを提供しているサイトに規制を入れる ・検索結果からのインデックス削除:検索結果に表示されない ・問題となる部分を修正して再審査を行い、問題がなければ規制解除

という感じですね。Googleに慣れている方であれば特に違和感なく飲み込める話題だと思います。

今回のケースはGoogleのリンク売買の例に例えれば「リンクを売っているサイトは問答無用でインデックス削除ね(=検索結果に表示されなくなるよ)」ということになりますので、Googleで言えば最も重度のペナルティを、割とバシバシ行っているということです。

現実には、Googleのインデックス削除は、本当に低品質なサイト(アフィリエイトリンクばっかりとかリンク提供以外の目的がないとか)を除いては、よほどのことがない限りは一般的なサイトでそう起こりうるものではないのですが、Appleの場合はその辺は容赦ないみたいですね。

しかもGoogle検索で言えば、大事に作ってきたメインのサイトがそうなる、とかそういうレベルのことですので、アプリ関係者としてはそれなりに大きい変更と言えそうです。

ちなみに:実際この規制運用の強化によりどうなったか

ちょっと又聞きの情報なので不確かではありますが(関係者の方、もしも不適切でしたら訂正追記しますのでご指摘頂けますと幸いです)、結構色々話は聞きます。

結論から言えば、とりあえず、Appleは割と本気出してきているようです。

少なくとも上記の規制の対象と言われている

  • インセンティブ付きで他アプリのインストールを促進する仕組みを持つアプリ
  • インセンティブ付きでソーシャル拡散等を促す仕組みを持つアプリ

のような代表的な規制対象の仕組みを持つアプリは割とガシガシリジェクトされているみたいです。

また、ユーザーにインセンティブ付与が有りだろうと無しだろうと、アプリの中で他のアプリインストールを推奨するようなものも含めてアウトになっている的な噂もあります(これはあくまで噂)。

インセンティブの有無に関わらず、アプリの中で他所のアプリをプロモーションするのはヤメレ、という意図がそもそもあるのかもしれません。ぶっちゃけそれくらいはええやんとか思ってしまいますが。普通に広告してるだけだし。。(※もちろんそれ以外でアプリ内に表示される通常の広告ネットワークなどは特に規制の対象ではありません)

ちなみに、Webを通じたインセンティブ付与の広告とかについては特に規制とかないんですけどね。アプリの中にそういう仕組みを持ってたらダメよ、ということなので。

※この辺については、アプリ内でのインセンティブ付与の排除の背景として、「ランキング操作の禁止」だけではなく「そんなところでインセンティブとして付与しちゃったら、Appleに課金してもらえないじゃないの」という意図も多分にあるのかなと思いますがどうなんでしょうね。媒体(アプリ)としてはアドオンで課金されるより広告で得られる報酬が高いのであれば普通そちらを選びますし、事実今でもインストール成果報酬型の広告って単価かなり高く設定されますし。

 

まとめ

アプリの関係者の方々にとっては何だかんだ言ってもそれなりにはインパクトのある規制強化なのではないかなと。少なくともGoogleがここ何年もかけて取り組んできた規制レベルを、それに比べれば結構な短期間でズバンと進めてきたのが今のAppleということですので。

実際には、監視をかいくぐってうまいことやることが出来ないわけではないと思いますので、どこまで厳密にこの規制をAppleが運用していけるか分かりませんが、Googleのそれに比べれば現実的に運営側の努力と工夫である程度対応できるコンテンツ量ではないかな、などと考えますと、

アプリマーケティングの世界では、定められたルールの中でちゃんとプロモーションするにはどうしたらよいか、というのを考えていかなきゃ行けないよね、がキレイ事ではない時代はそんなに遠くないかもしれないですね。

※今回の件、おそらく「そういうプロモーションをしてるアプリを規制する」だとめちゃくちゃハードル上がると思うんですけどね。外的要因が絡むので検知と判断が難しいので、今Googleが右往左往してることと似たようなことを何だかんだすることになると思いますし。あくまで、「そういう仕組を持っているアプリ」への規制、ということで、根本からそういうプロモーションをやりづらくしようとしているのが現状でしょう。Googleも、最近のリンク系ペナルティの話題を聞くに、表面的なリンク対策への対応よりも、根本的な原因の検出と排除に注力するポイントをシフトしてきているようにも見えますし。

 

ともかく、GoogleにしてもAppleにしても、特定のプラットフォームに依存したビジネスを行うにあたっては、プラットフォームが許容する中でどうやって勝っていくか、を考えるのは普通です。

その中で、現時点での勝ちパターンを追求することで勝てている勝負も多くあると思いますが、一方で、プラットフォーム自体のルールや仕様の変更によりその勝ちパターンが一気に破綻する、といった可能性は常に考慮しておかないといけませんよね。

ということで、普段と違った話題をお伝えしました。別事業でアプリ紹介サービスを運営しておりますのでたまにはアプリ界隈の話題も良いかなと。(長い割に薄い内容ですみません)

最後に:SEOセミナーのお知らせ

すみませんただの告知でしかないのですが6月24日(火)に僕とグループマネージャーの實川の2人でセミナーやります。Googleのこれまでとこれから、SEOのこれまでとこれから、実際に業務としては何をしていくべきか、事例を交えてポイントに分けてお話します。ご興味ある方は是非。
セミナー詳細:“リンクを買わないSEO”を成功させるための、Web担当者向け実践SEOセミナー

[寄稿] 初心者でも失敗しない、リスティング広告代理店の上手な選び方

株式会社スタビライザー小松氏による寄稿3記事目、リスティング広告代理店の選び方について。やろうと思えば自社でもできることを外注するのであれば、そのメリットを十分に享受するために良い代理店を選ぶポイントを知っておくことは特に不慣れな発注担当者にとっては非常に重要ですね。

リスティング広告代理店選びは難しい

以前こちらのブログでSEO会社の選び方についての記事を寄稿したところ、「リスティング会社の選び方はどうするんだ?」というご意見を頂きましたので、私のこれまでの経験をもとに失敗の少ない比較方法や選ぶためのポイントをお伝え致します。今回はリスティング広告を初めて外注しよう方向けの記事です。

※リスティング広告運用に関するテクニカルな話題は別なサイトに多数掲載されているのでそちらを参照してください。

さて、SEO会社選定では要約すると以下のポイントで選んだ方が失敗が少ないという話をしました。

  1. しっかりとした情報を発信しているかを見極める
  2. 信頼出来る人と交流を作り、人づてに紹介をもらう
  3. 順位の提案ではなく収益につながる提案かを見極める
  4. 明らかな新人に単独で担当させない。

それに比べると、リスティングの外注先を選ぶのは私の経験上ホントに難しいと思います。

以下、SEO会社の選び方のポイントと比較しながら説明します。

「しっかりとした情報を発信しているかを見極める」について

SEO会社の担当者や中の責任者がSEOに関するブログで情報を発信していたり、SEOのセミナーを開催しているところもあります。

積極的にそういうことをしている会社(人)は、そうでない場合に対して、信用できる確率が比較的高い。あまりメディアに登場しない凄腕のSEO会社ももちろんあるのですが、初心者ではそれはなかなか判断しづらいです。

リスティング広告運用はSEOよりもはるかに属人的要素が強いと思っています。特に、外部に向けて情報発信している人がアカウントを作成し運用まで行うとは限らない(そうでない場合が多い)ので、会社選定が間違ってはいなくても、SEOに比べると精度が落ちがちです。

編集者注:
もちろんSEOでも属人性を完全に排除することは出来ませんので同様の側面はあります。ただし広告運用はあくまで運用実務担当者がスキルがダイレクトに結果に反映されやすいという点でより属人的、というのは間違ってはいないかなと思います。属人性を排除するためのルール作りはSEOもリスティングも重要だと思いますが、ここも属人化することのメリットデメリットのバランスの問題で、個人的には属人化の排除で失われるものは大きいかなと思う派です。

「信頼出来る人と交流を作り、人づてに紹介してもらう」について

自分の友人・知人でSEOを実施している会社はたくさんあると思います。取引実績のある会社からの紹介だと丁寧に対応してもらった、というケースは多くの方が経験されていることかと思います。

SEOも例外ではなく取引実績のある会社の紹介だときちんと対応してくれる可能性は高くなります。

どうしても知り合いがいないなどの場合は、インハウスのSEO担当者が集まるイベントが定期的に開催されているのでこちらで知り合った方から実際の評判を聞いたり、紹介してもらうのも手です。

これは、リスティング広告の話題で行ってもやはり正しいです。実績のある会社からの紹介であれば紹介された方も最大限、失敗しないよう対応して頂けます。

「順位の提案ではなく収益につながる提案かを見極める」について

そのキーワードで上位表示されるとキーワードの意図とサイトはマッチしているので収益が上がるとか、そのキーワードでは上位表示されても収益につながらないからこっちのキーワードが良いなど、依頼者の利益につながる話が出来ない会社や担当者と付き合っても、絶対にろくなことがありません。

こちらは、リスティング広告は検索順位の話ではないので該当はしませんが、収益に繋がる提案か?と言う部分は同じと言えます。

「明らかな新人に単独で担当させない」について

新人が担当の会社に依頼する場合でも、コンタクトは担当の人とするにしても必ずその人を単独で担当させないことです。出来れば、そのプロジェクトの責任者は誰で、施工項目の監修は誰が行うのか、なども教えてもらい、早い段階で顔合わせはしておくべきです。

営業担当とアカウント運用者は別なことが多いのでできれば運用者に会うor直接コンタクトを取るようにしましょう。新人営業でもベテラン運用者が成果を出す場合もあるし、ベテラン営業が来て、物凄い期待感を持って始めても運用者が新人というケースもあります。

これらの理由から、SEO会社とリスティング会社では、同じWebマーケティングというくくりではありながらも、違うという部分がご理解いただけると思います。

端的に言うならば、SEO会社は「実績(※1)」リスティング広告代理店は「人(※2)」。で選ぶ、と言いかえてもが良いかと思います。

※1:「上位表示○○%の実績!」「難関キーワード『○○』で1位!」という実績ではありません。自社と類似したケーススタディを持っているか、過去のSEO施工内容は信頼できるものか、という意味です。そういう意味で有識者や経験者からのポジティブな紹介は失敗率を大幅に下げてくれます。

※2:人とは、営業担当者ではなく、あくまで「誰が運用するか」「誰が監修するか」という意味での運用面での「人」を指します。

補足:SEOとリスティング広告では業務内容も求められるスキルも全く違う

どちらにしても、まずは、SEO会社とリスティング広告代理店では、それぞれの仕事が「全く違う業務」ということをご認識ください。

「検索」「売上を上げるという使命」は共通ですが、その業務内容や求められるスキルは全く異なります。そのため、上記のように選定基準も全く変わってきます。

例えば、カラダに異常があったときに、体にメスを入れる外科医と、投薬で治す内科医では、「医療」「体を正常にするという目的」は共通ですが、その手法は全く異なりますよね。

SEM(検索エンジンマーケティング)の現場でも、同じことが起こっているとご認識ください。

違うのは分かった。じゃあ、どうすればいいんだ??

ここまではSEO会社とリスティング広告代理店の比較のもとで解説を行いました。じゃあ、どうすればいいの?ということについてこれから解説をしていきます。

少額で良いので、まずは自分でリスティング広告を運用してみる

これです。とにかくまずはこれが重要です。

SEOと違って自分でアカウント作って運用することはそこまで難しくありませんし大きな時間やコストを要する取り組みでもありません。とにかくまずは自分でやってみるのです。

そうすると、多くの場合は上手く行きません。というか、上手く行ってるのかどうかすら分からない、という方が正しいと思います。

ですが、ひとまずはそれで良いのです。これはプロモーションではなく、学習に対する投資と考えた方が良いかもしれません(許容できるコストの中でやるようにしましょう)。

ある程度の試行錯誤を重ねた上で、「もう自分たちでは無理!」という状態のアカウントを見せてどう改善するのか代理店の方から提案をもらうと良いです。

少しの期間や金額でも、自分で経験していると、代理店の方が今のアカウントの内容や結果をどのように捉え、今回の提案をしているのか?という様に、提案の理解度が格段に変わってきます。

自社での運用がどうしても出来ない場合はどうするの?

もちろん、全てのケースでそうした学習投資が出来るとは限りません。人的余力の問題、社内的な事情や時間的な緊急度などにより、なかなか学習のためのテスト運用にコストを割けない場合もあるでしょう。

  • 土日対応、年末年始どうする?
  • LPのアドバイスくれるの?
  • アカウント構成の提案ある?
  • アクセス解析まで見てくれるの?別料金なの?
  • (運用の)担当者はどういう実績のある人なの?

リスティング広告代理店の営業を呼んで聞きたいことはこのように山ほどあっても、自分に知識や経験が乏しい場合、聞いてもそれが良いのか悪いのか、場合によっては本当なのか嘘なのかの判断も出来ないと思います。

そういう場合でしたら、(実際やるやらないは別にして)、自社のビジネスやターゲット層について理解してもらった上で、

「GDN(Googleディスプレイネットワーク)やYDN(Yahoo!ディスプレイネットワーク)であればどういう訴求でどういうサイトに出していくのか?」

こちらを担当者に質問してみてください。いわゆる「ディスプレイ広告」のマーケティングについて、提案を求めてみるのです。

その回答を聞いて、「うちの顧客やマーケティングをちゃんと理解してくれている」「問い合わせがありそう、売れそう」という感覚を持てれば、その人はおそらくターゲットの行動が推測出来ていて、リスティング広告でも成果が出すことを期待できます

GDNやYDNについての質問に的確な回答が返せない、ターゲットの行動をあまり想像できていない、という人ですと、検索も含めてリスティング広告でコンバージョンを上手に取っていくのは難しいかもしれません。

編集者注:
これはなるほどーと思いました。GDNやYDNでどういう面に出すかとか誰に出すか、とか、どんな広告をどのタイミングで見せるか、とかをパパっと話せる人って、最低でもそれなりに広告とかマーケティングに慣れてる人か実力ある人だと思いますし。ちなみにこれは自社で運用したことがある無しに関わらず聞いてみるべき質問かなと思います。

そういう意味ではSEOでも同じような質問が色々考えられそうですね。もちろん必要なスキル領域が割と広いので何パターンか質問用意しておく必要がありそうですけど。

まとめ

それでは、今回のおさらいです。リスティング広告の代理店を選ぶ時は、

  1. まずは少額で良いので自分でやってみる
  2. その上で、(できれば紹介してもらった)代理店から改善提案をもらう
  3. GDN・YDNで広告を出す場合のターゲット選定が間違っていないか聞いてみる

これらを確かめてみてください。

SEO会社の選び方のときにもお話しましたが、全てをSEO会社・リスティング運用会社におまかせするということは、正解にも不正解にもなり得ます。

まるっとお願いすることでパフォーマンスが上がるということはもちろんよくあります。しかしながら、自身の知識・知見が無い場合、担当者とキャッチボールを行うことができません

その結果、機会損失・営業損失が生まれ、仮に優秀な広告運用担当者がついても、良い結果が得られないことも少なからずありえます。

もちろん、全ての機能を知り、全ての運用を出来る必要はありません。そんなことが出来るWeb担当者はごく一部です。ただし、これから始めることをまずはご自身でも少しずつ理解を行うことは大切なことです。

Webマーケティングの世界は目まぐるしく変化します。事業をきちんと回すためにも、優秀な担当者と付き合うことはプラスになります。

そうした「人選び」ができるようになるためにも、まずはご自身から初めて見る。というのは是非チャレンジしてみてください!

Googleマイビジネスは「御社の情報を無料でGoogleに掲載」するダッシュボード〔日本語化ずみ〕

今朝(米国時間6/10)、Googleはスモールビジネスのオーナー向けの新しいツールをリリースした。ビジネスのオーナーはこのツールを使ってGoogle検索を始め、Googleのさまざまなサービスに企業情報や写真を提供し、ユーザーレビューなどのフィードバックを得ることができる。このGoogleマイビジネスはスモールビジネスがGooogleを利用するためのワンストップ・ダッシュボードだ。もちろんGoogle+のアカウント管理もできる。

Googleマイビジネスの主なターゲットはいってみればまだ「Googleに登録」していないビジネス・オーナーのようだ。マイビジネスのホームページにはまさにそういう表現のボタンがある。

今日の発表にさりげなく埋め込まれていた興味深いニュースは、 GoogleプレイスやGoogle+のダッシュボードのような既存のビジネス向けサービスもすべて新しいGoogleマイビジネスに統合されるという点だ。「これらのサービスのユーザーはマイビジネスにアップグレードされます」とGoogleは告知している。

Googleマイビジネスに登録して必要な事項を入力すると、その情報はGoogle検索、Googleマップ、Google+に掲載される。どんなデバイスないしサービスからでも、ユーザーが検索すればその情報が表示されるようになる。ビジネスは住所、電話番号、営業時間などに加えて写真やバーチャル・ツアーを掲載することもできる。またGoogleレビューを読んで回答することもできる。

またこのサービスはFacebookページに対抗するGoogle+ページの作成や管理にも利用できる。マイビジネスのダッシュボードからGoogle+に顧客に知ってもらいたいニュース、イベント、写真などを簡単に投稿できる。

マイビジネスにはまたGoogle+ページのアクセスを表示するGoogle Insightsや地域密着型広告のAdWords Expressも統合されている。ビジネスのオーナーは自分のGoogle+ページの記事の表示回数、読者層、広告のクリック数などの情報を簡単に得ることができる。 (Google+のInsghtsについてはこちらが詳しい)

GoogleマイビジネスのAndroidアプリはすでにGoogle Playで公開されている。iOS版も近くリリースされる。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


[寄稿] SEO?リスティング広告?限られた予算の中で投資するならどっち?

寄稿記事の第2弾です。今回は、SEOとリスティング広告、どっちがいいの?どっちに予算を割くべき?というよくある質問に対する解説を、株式会社スタビライザーの小松氏にまとめて頂きました。

投資するべきことはいくらでもあるけれど…

SEOに取り組むべきか?リスティング広告に予算を割くべきか?サイトを作り変えるべきか?ランディングページを作るべきか?

限られた予算の中で、何をするべきか迷った経験された方は多いと思います。予算も時間も限られていれば、「失敗したら次行けばいいよ!」とはいきません。

そういう時こそ、客観的に自分のサイトの現状を把握し、できるだけ適切な判断をしなければなりません。そのためにどんなことを考えればいいの?というのが今回のテーマです。

「売上増やす為に何から手を付ければいいんだよ~」という方に読んで頂きたい内容です。

編集者注:
・この記事内では、リスティング広告=検索連動型広告としています。
・主に、アクセス数が~数千という規模のサイトを想定して書かれた内容です。

何も分からず悩んでいる方へ

  • まずはSEOにしようか
  • それともリスティング広告を出稿しようか?
  • そもそもサイトをリニューアルしないとダメなんじゃないか?

などなど。。Web担当者の方なら一度は迷われた事があるんじゃないでしょうか。でも、

SEO会社に相談すると、
「そのキーワードなら上位表示出来て売上上がるのでSEOやりましょう。」

リスティング広告の代理店に相談すると、
「そのキーワードなら、○○に関連したもの入れてCV取っていきましょう。」

Web制作会社に相談すると、
「リニューアルしないとアクセスを集めても無駄になりますよ」

ということになりますよね。

良くも悪くも、どの会社も自分の会社の商品でクライアントの悩みを解決しようとします。いわゆる自社のポジショントークです。

おそらく、それは普通のことなのでしょう。普通なのはわかりますが、インハウスの担当者が知りたいのは「やれば効果が見込める施策の中でどれが一番売上に貢献するのか??」ということです。

実際に、弊社にも最初に何をすべきか?という相談はよくあります。そんな時、私がいつもアドバイスしているか?について、ここから解説していきます。

まずは現状把握から

こういう相談をされた場合、多くのケースでは現状把握が出来ていないことが多いので、まず現状を把握してください。それほど難しいことではありません。

まずは現状のサイトが、

  • そもそもアクセスがないのか
  • アクセスはそこそこあって、コンバージョン(お問い合わせ)につながっていないのか

まずここからです。すごくシンプルに考えれば、「母数を増やす」ことと「コンバージョン率を改善する」こと、突き詰めれば、新規集客の改善ポイントはこの2点に集約されるのです。

※どれくらいが、「アクセスがある」と判断して良いか分からない方は、自社のサイトから目標の売上が上がっているか、いないか。の2つでも結構です。

サイトにアクセスがない場合

そもそもアクセスがない状態でSEOかリスティング広告か悩む場合、多くの場合、どちらもやるのがベストですが、どちらかにのみ投資する、であれば少額で動かすリスティング広告から始めるのが良いでしょう。

もちろんこれには理由があり、

  1. リスティング広告を運用してからSEOをやっても遅くない
  2. まずは、どのキーワードが当たるかを把握できる

などのためです。特に、どういうキーワードが有効なのか?ということを把握する(キーワードレベルで市場を調査する)ということからでも遅くありません。

また、

  • すでに同業種のSEOをやったことある
  • 過去に同じ商材でリスティングをやったことがある

など既にそのジャンルでの知見を持っている方もいらっしゃいます。こういう方に予め話を聞けるかどうか、というところも、初めての方には非常に大きなポイントと言って良いと思います。

前回の記事でも同じようなことをお伝えしましたが、ご自身でいろんなセミナーやイベントに参加して知識のある人と知り合いになる、代理店の担当者や上長と話を聞く、というのはやはりどんなときでも大切です。

さて、話を戻します。

リスティング広告を運用してからSEOをやっても遅くない

リスティング広告でどういうキーワードでCVするのかデータを溜めてから本格的にSEOを実施しても遅くありません。

なんの知識も無いまま、SEOに取り組むのは、釣具も釣場も選ばずに魚釣りをしに海に出るようなものです。きちんと「狙い」を定めることは少なからず必要です。

まずは、どのキーワードが当たるかを調べる

先ほどお伝えした内容でいうところの、釣具と釣場をきちんと知りましょう。ということです。

なにも知らずに施策を行うと、SEOでターゲットとしたキーワードがCVを生むものなかどうかも不明な為、仮に結果的にそういうキーワードで上位表示出来たとして、売上にほとんどつながらないという事態も起こりえます。

リスティング広告であればキーワードの軌道修正は容易です。また、リスティング広告の運用を通じて得られたキーワードのデータは、自社の資産になるため、次の施策に活かすことができます。

編集者注:

補足しますと、SEOでは(not provided)の問題もあり、キーワード毎のパフォーマンス測定とか意外なCVキーワードの発見などが以前に比べかなり困難になっています。

それに加えて、どうしてもサイト側のコンテンツに流入キーワードが依存するという制限もありますので、リスティング広告のような柔軟性やスピード感はSEOでは難しいんですよね。。

SEOで大半が(not provided)となっているケースでは、キーワード軸の分析ではなく、自然検索経由のランディングページ→CVなどといった経路の分析を中心にシフトすることも多くなってきました(例えばこのサイトは85%くらいが(not provided)です)。

アクセスはあるがコンバージョン(お問い合わせ)に至っていない場合

そこそこアクセスがあってコンバージョン(お問い合わせ)が目標に到達していないという場合、

  • サイトに来ているユーザーのニーズとサイトの内容が合致していない
  • CVが取れると予測しているキーワードと違うキーワードでのアクセスが多い
  • SEOでの最適化ができておらず、望まないページが上位表示されてしまっている。
  • スマホのアクセスが多いのに対応していない

などなど理由はさまざまです。

月間で数十万とか数百万のアクセスがあれば、解析専門の方に分析を依頼することが最も有効な方法となりうることもありますが、一般的な中小企業の場合、月間で数百~数千という小さい規模のアクセスをどのように売上につなげるか、ということを考えなければならないのです。

その場合は、まずは自社のアクセス解析を見て、下記の点を確認してみましょう。

  • 流入元(どこからのアクセスが多いか?)
  • 検索キーワード(どんなキーワードで検索しているか?)
  • デバイス(PCとスマートフォンのどちらが多く見られているか?)
  • エリア(ターゲットとなるエリアの人に見られているか?)

ということです。アクセスが無い場合でもお伝えしましたが、まず、大事なことは何より現状把握です。すると、問題点が浮き彫りになってきますので、そこから対応策を考えることが必要です。

例えば、これまでWeb担当者がいない会社の場合、スタッフ全員(できれば、受付の方やバイトの方なども一緒にいると良いです)で、一度、自社の状況をお話してみましょう。
普段意識をしていない人でも、インターネットに触れない人は少ないので、

  • あれ、うちの会社このキーワードで出ないんですか?
  • 僕、このサイト使うんですけど、ここに出せないんですかね?
  • 私はこんな感じのサイトだったら信頼感が出るわ〜。

など、結構色んな意見が出てくることが多いのでオススメです(もちろん、意見が出やすいように、ある程度の準備はしましょう)。

この場合、

  • コンバージョンに至りそうなキーワードでリスティングをやってみる、
  • SEOを見直す
  • リニューアルしてみる

という選択肢は変わりませんが、実際の生の声が聞けるので、優先度をつけて行動することができます。

リスティング広告の推奨書籍

もしもリスティング広告をしっかりと学びたいと言う方は、まずこちらの書籍を読まれることをおすすめします。

書籍:新版 リスティング広告 成功の法則

リスティング広告の世界で知らない人はいないであろう、アナグラムの阿部氏の著書です。基礎的な考え方から実務的なテクニックまで網羅されていますので、読まれていない方は是非手に取ってみてください。

本日のまとめ

インハウスで始めるにしろ外注するにしろ、仕組みを理解することが成功への第一歩です。

何度もいいますが大事なことは、現状把握です。その上で、下記手順で進めてみましょう。

  1. 自社のサイトがお問い合わせがとれているか?アクセスが足りてるかを把握する
  2. どのキーワードでコンバージョンが取れるかわからない場合、まずはリスティング広告で調査を行う
  3. その上で、SEOで対策を行うキーワードを決める

さて、いかがでしたでしょうか。

Webマーケティングを実践されてきた方にとってはとても基本的なことかもしれませんがが、ネットに蔓延している新しい技術やテクニックに目を奪われるのではなく、まずは足元をしっかりと見つめる事から始めてみることをおすすめします。

株式会社スタビライザー 小松 雅直

元雑誌編集者が語る、あなたの”コンテンツマーケティング”が上手くいかないワケ

コンテンツが重要、という考え方が徐々に浸透しつつありますが、ここでは元雑誌編集者、という視点から、Web媒体のコンテンツ制作の現場についての「それってどうなの?」な色々について取り上げて解説します。今回はコンテンツ制作部門の寺田による執筆です。

コンテンツを作ることがコンテンツマーケティングではない

「オウンドメディア」「コンテンツマーケティング」などというキーワードが注目を集めています。SEOの現場でも、GoogleがブラックハットSEOについて厳しいアップデートでのぞむ一方、「これからはコンテンツマーケティングだ!」「オウンドメディアで自社サイトをメディア化するんだ!」と、”ユーザーの役に立つ”コンテンツが重視される傾向にあります。

この流れ自体は誰の目にも素晴らしいことです。ただ、とりあえずコンテンツをジャンジャン書いてページをたくさん作ったところで、思ったようにアクセスが取れなかったり、アクセスは増えても商売につながらなかったり、ということも珍しくはないでしょう。

でも、実際に多くのWebのコンテンツを見ていると、これって実は当たり前というか。

結論から言うと、「メディア」って相応の労力(またはお金)や時間をかけたり、伝え方ひとつとっても様々な工夫をしていかないと、十分な効果は得られないんですよ。なのに、「何でもいいからコンテンツを作る」で走ってしまっているから失敗しているだけなんです。冷静に考えれば、それって”マーケティング”でもなんでもないですよね。

元雑誌編集者から見たWebコンテンツ制作現場

以前、10年ほど雑誌制作の現場にいました。そこからWeb業界に移籍してきたので、すべてが新しいことだらけなのですが「コンテンツを作る」という業務は同じなので考え方は同じというか。要は「人が読みたくなる文章を書く」ということは同じですからね。

雑誌からWebへと媒体が変わっても引き続きコンテンツ制作に関わっているのですが、Web業界で仕事をしていると「アレ?!」と感じることがあるので違いを軽くまとめてみます。

1. 誰が書いたかわからない記事・・・って大丈夫?

最近はクラウドソーシングって流行ってますよね。この業界に移籍して初めて知りましたが、文字単価0.2円(500文字書いても100円!)とかでの発注もあるみたいです。とにかく安い。。

クラウドソーシングという世界そのものについては、発注者にとってもクリエイターにとっても様々な課題を解決し得る、画期的な仕組みだと思っています。ライターとしても、空いた時間を有効活用できるので人気を集めてます。発注者側としても、コストを抑えてコンテンツが制作できてWin-Winです。

ただ、それをどう活用するかというのは利用者次第だと思っていまして。例えば、用途によりますが、どこの誰が書いたかわからない、何を情報ソースにしているかも不明な記事を、ロクにQAもせず自社名義のサイトに掲載されているものをしばしば見かけますが、それって皆さん怖くないんでしょうか?

もちろん、クラウドソーシングに登録されている方の中にもきちんとしたライター経験者も多くいます。でも少なくともしっかりした実績と実力のある方で、文字単価0.2円みたいな報酬で一生懸命文章を書きたいという人はそこまでいらっしゃらないと思います。

また、なにか問題が起きても「しーらない」でドロンされちゃったらどうするんだろうと。雑誌の現場だと、たまに聞くんです。いわゆる「飛んじゃった」ってやつで。

徹夜続きのデスマーチな現場だとありがちです。いきなり会社に来なくなったり、連絡が取れなくなったりする人。デスマの現場で誰か飛んじゃったら炎上どころの騒ぎじゃないので、やっぱり信頼できる人と仕事したいですよね。

2. 何を伝えたいのかわからない、ゆるい原稿

紙媒体だと誌面に限りがあるので、文字数との戦いは避けて通れない苦悩です。ガッツリ2時間かけて取材して聞いてきた内容を400文字にまとめてくれ、なんてことも多々あります。一方でWeb系の制作は物理的な文字数の制限がなく、「1000文字以上であればOK」といった発注も多いですよね。非常にざっくりしています。

それで、前述のクラウドソーシングみたいな文字単価の設定だと、ネットの情報を切り貼りしたような内容の浅い記事ができあがります。まぁ、これも必然というか。ボランティアではありませんから、ギャラ200円の原稿に何十分も時間かけてリサーチとかインタビューなんてなかなか出来ないですよね。

そうすると、どこかのまとめサイトとかWikipediaとかの内容を集めてきた薄ーい1000文字の原稿ができあがります。極端に言えば「伝えたいこと?そんなの関係ないよ」の世界です。

しかし、その文章はサイトに掲載することだけが目的なのでしょうか?違いますよね。そのコンテンツによって誰かの問題が解決したり、サイトを訪れたユーザーがあなたのサービスや商品のことを好きになったり、そういうことが目的なのですよね。であれば、それが伝わるように文章を作らなければいけません。

3. そもそも、見直ししてる…?

紙媒体だと印刷したらやり直しが効かないので、何度も何度も、これでもかというくらい校正確認をします。書いた本人はもちろん、ディレクター>編集担当者>取材対象者>デスク>クライアント>校閲者>編集長…といった感じで初校・再校と校正確認がまわるのです。

校正を経て、最終的には納品時の原型を留めていないことだってあります。それはそれでどうなんだという話もありますが、電話番号ひとつ、値段の桁ひとつ、間違えるだけで大変なことになると徹底的に叩き込まれるので穴のあくほど何度も校正が鉄則です。

ところがWeb サイトの場合、掲載後だって修正が可能なためか「この記事、見直し…してるよね?」という初歩的なミスがあるのにそのまま掲載されているものが多いです。読めばわかるレベルの大量の誤字脱字がそのまま、明らかに論理的な飛躍があるのにスルーというのは・・・残念ながら、悪い意味で行間から書き手の気持ちが伝わってきます。

ただでさえ、モニターで確認する原稿は、紙に出力して確認する原稿よりも間違いを見落としやすいという特性があります。それを考えると、納品前に数分程度の見直しだったら何度やってもいいと思うのですけど。

「編集者のように考えよう」とよく言われるけれど

簡単に3つほど挙げてみましたが、要はWebの場合、記事の質が「軽い」んです。コンテンツマーケティングの文脈ではよく「編集者のように考えよう」と言われていますが、自社サイトをメディア化するのであればしっかりとユーザーに“刺さる”コンテンツが必要です。

前述したような幾多のチェックを突破して掲載される雑誌の記事は、企画から取材・校正と膨大な時間と人件費を使って鍛えられ、磨き上げられます。

例えば、「東京○✕△グルメ」のような120ページくらいの情報誌であっても、制作費だけでウン百万円とかは必要になります。それでも雑誌になって800円くらいで2万部も売れたらOK、という感じでしょうか。

さらに企画から制作、印刷まで終えて本屋さんに届くまでには3ヶ月~半年とか時間が必要です。つまり何がいいたいかというと、メディアにはお金も時間も労力もかかるということです。それでも紙媒体はご存じの通り「出版不況」なので、利益を出すのは大変です。

ここで例えば、1つの雑誌(メディア)を創ると考えて上記と同じリソースを1サイトの「コンテンツ」として投下したらどうでしょうか。

じっくりと練られたクオリティの高いテキストと写真。例えばあなたのサイトにそういうレベルの1000文字の記事が100本200本あるだけで、それなりの集客効果が期待できるのではないでしょうか。

雑誌とWebのメディアが大きく異なるのは、日本全国で実売2万部の雑誌を手にすることができる場所は限られますが、Webコンテンツはいつでもどこでも、極端な話では何年後にも多くの人に見てもらえる可能性があるということです。つまり、そのコンテンツは資産として長く有効活用できるのです。

SEOの世界でもかつて通用したテクニック的な手法が通用しなくなっていますので、なおのこと、こういうところに積極的に投資しない手はないのでは、と思います。

問題は、ユーザーに何を伝えたいか

そもそも論になってしまいますが、企業のオウンドメディアで大事なのは「サイトへの流入が増えるだけの記事」ではなく「あなたのサイトが大事にしたいユーザーによろこばれる記事」ではないでしょうか。

今日もどこかでユーザーは困っています。困っているからこそ検索などを活用して解決策を探し、よりベストな方法を検討しているのでしょう。

彼らに伝えなくてはいけないのは、どこかで聞いたような解決方法の切り貼り記事ではなく、知識や経験に裏打ちされた「役に立つ情報」です。

それは新製品を使ってみた体験レビューかもしれないし、リアリティのある見積もりデータかもしれないし、あなたの会社が信念を持って取り組んでいる商品やサービスに関する知識を深めるためのコンテンツかもしれません。

ただ、少なくとも確実なのは「伝えたい」という気持ちの無い原稿からは何も伝わらないということです。逆に言えば、「伝えたい」という気持ちがあれば、それは必ず伝わるものです。

「伝える」ための5つのヒント

長くなってしまいましたが、「コンテンツマーケティング」だ「オウンドメディア」だと流行りのWebマーケティングに便乗したところで、「伝えたいもの」がない浅いコンテンツをどれだけ投下したところで、あなたのビジネスやサイトを訪れたユーザーを取り巻く問題は解決しません

一方で、慈善事業ならまだしもビジネスの観点から考えると「いつか伝わると思います」ではプロダクトとして社内コンセンサスも何も得られないでしょう。

気持ちだけではなく、実践的なWebライティングの経験やサイト構築の戦略といったナレッジが必要となります。メディアとして、想いを伝えるためにはテクニックが必要です。例えば、

  • あなたのサイトに来てほしいターゲットユーザーは、どんな人ですか?
  • あなたは彼らのどんな問題をどのように解決できますか?
  • そのターゲットユーザーには何をしてほしいですか?
  • 競合他社と差別化したいポイントはどこですか?
  • 上記の目的を果たすために、どんな記事をユーザーに読んでもらうべきですか?

といったことを常に心がけながら、コンテンツの制作・運営を進めることが重要です。そうすれば、オウンドメディアに必要なリソースは大きく削減できることでしょう。

そのためには制作チーム内で、それがたとえクラウドの向こうにいるライターだとしても、しっかりとビジョンを共有してみてはどうでしょうか。また出来あがってきた文章に、編集者はひと手間もふた手間も加えて、情報発信側の熱のこもったコンテンツとして公開してみてはどうでしょうか。

ぜひこの機会に、こうしたことを改めて一緒に考えてみて下さい。

最後に宣伝ですが、もし、こういうことを相談できる人が周囲にいない、考えてはいるんだけど手が回っていない、そういう方がいらっしゃいましたら、私たちはそうしたコンテンツ制作や企画の後方支援的なお手伝いもしておりますので、何でもお気軽にご相談ください。きっと何かの力になれると思います。

※よろしければこちらも合わせてお読みください※
Webサイトに必要なコンテンツとSEOについて
「ユーザー」から出発するWebコンテンツ企画の5ステップ【基本編】(外部サイト)

ヴォラーレ株式会社 寺田

Oracleがクラウド上のマーケティング総合ショップMarketing Cloudを立ち上げ, 顧客のクラウド移行促進を積極化

Oracleが今日(米国時間4/30)、マーケティングの何でもあり総合ショップOracle Marketing Cloudを立ち上げた。そこには同社がこれまで買収した各社…EloquaCompendiumResponsysBlueKaiなどなどの技術が盛られている。

これらの顔ぶれからも分かるように、Marketing Cloudが提供する機能は相当幅広くて、ユーザは自社自店のマーケティングキャンペーンをWeb上、ソーシャルメディア上、モバイル上、それにメール利用で展開・管理できる。Oracleの既存のSocial Cloudとも統合されていて、コンテンツマーケティングのためのツールもある。

とくに重要なのは、これまでばらばらに提供してきたいろいろなマーケティング機能を、Marketing Cloudという傘の下にまとめたことだろう。プレスリリースでOracleは、三つの重要なセールスポイント… 単純性、エンタプライズ対応、顧客中心主義…を強調している。

とくに上の最後の点については、Marketing Cloudはマーケターに、顧客データの統一、多様なメディアからの最適オーディエンスの動員、パフォーマンスの分析(マーケティングキャンペーンの成績)などに関し、もっとも進んだクラウドベースのソリューションを提供する、と言っている。

また、同じく同社によれば、Marketing Cloudの初期のユーザはすでに成果を上げている。すなわちThomson Reutersはキャンペーンの成果と見なせる売上増が175%と報告し、Golden State WarriorsはTwitterのフォロワー数が300%増加した。そしてZurich NAでは、顧客リテンション(維持率)が10%増加した。

Oracleはこのプロダクトをニューヨークのイベントでローンチする。SVPのReggie Bradford(Oracleに買収されたVitrueのCEOだった人)に事前に聞いたところによると、今後は、顧客に対する移行費用の援助も含む、彼らの従来システムからの(クラウドへの)マイグレーション促進策を強力に進めていく。

Marketing CLoudに関する詳細はここに。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Webサイトに必要なコンテンツとSEOについて

SEOの強化のために、これからコンテンツを頑張る!で失敗するケースはよく見ます。単純にコンテンツとして貧相というのもありますが、方向性や優先順位を誤っていることも多いとは思います。ここでは「どんな順番で」「どんなコンテンツを」「どんな目的で」「どんな感じで」作りましょうか、をまとめてみました。

買いに来てる人が買うにあたって有用な情報を提示するのが最優先

さてSEO全然関係ないんですけど、うちに過去にアパレル販売を長年やってたメンバーがいまして、ブランドをいくつか渡り歩きつつ大手ショッピングモール内で全国店舗でTOPの売上をコンスタントに叩いてたみたいな感じです(ただし本人談かつ未確認情報)。

そんな彼がショップ店員時代になかなか売れない後輩がいて相談された時のエピソードについて少し前に話をしていたんですけれども、その話がなかなかよかったんですね。

「どれだけ接客下手なんだろうって思って、彼(後輩)がデニムを売るところを後ろから見てたんですけど、デニムについての蘊蓄とかを一生懸命お客さんに語ってて。でもそんなもん買い物に来てるお客さんはほとんど興味ねーだろって。接客がんばる方向が全然違うよね、って。」

「もっと、色とか履き心地、シルエット、素材感とか、組み合わせとか、そういう買うとか選ぶにあたってダイレクトに知りたいことをきちんと説明してあげたり提案してあげて、お客さんがほしいものを買うための選択肢となるような情報として提示しないといけない。」

本当その通りだしWebでもSEOでも同じだなあって思って聞いていました。

お客さんの反応を直に見る仕事してるとこういう感覚って結構養われると思うんですけどPC向かってるとこの感覚って薄れますよね。どうもデータとか見ながら機械的、テクニカルに考えちゃったり。

Webでも優先順位が違う場合が多い

商用のWebサイトについても同じことが言えて、第一に必要とされるコンテンツって間違いなくこういうところだと思います。少なくとも売りたい商品を掲載していてユーザーが買うものを探しに来てるのに、どんな情報をもとにどう選んで良いかわからない、とかじゃ本末転倒ですよね。

でも実際には、そんな状態なのに検索キーワードをベースにして用語集とかハウツー系のコンテンツばっかりを投下して蓄積するとかっていうケースは意外にあったりします。それ自体に意味がない、ではないんですけど普通に考えて順番は違いますよね。

もちろん、「そういう情報を日常的に探してるようなユーザーを優先的にサイトに集めたい」「日常的に情報収集をするようなユーザー層がコアなターゲット層なのでそこは厚くしておきたい」という場合であればそれで良いのでしょうけど。

ただし、商品を買いにきたユーザーがそこに来ているのであれば、まずは最優先で彼らが目的の商品を探せて選んで見つけられて購入できる、それがいい感じに実現できるためのコンテンツなり機能を十分に用意することが求められるはずですよね。

「売ることを主眼としたコンテンツ以外のコンテンツ」を用意することの意味

ここまで話ましたけど、売るためのコンテンツ、だけじゃいつかプロモーションとして先細りすることも実際には多いです。市場によりますが競合と少ないパイの奪い合いになりやすいですし、SEOを考える上でも限界がありますよね。

そこでその状況から脱却してマーケティングの可能性を広げていくためにサイトに掲載するコンテンツの範囲を拡張していく、ということが求められるわけですね。

なんでマーケティングの可能性が広がるかと言えば、その入り口としては

「売ることを主眼としたコンテンツ以外にコンテンツを用意することで、今サイトに用事のない(=今買おうと思っていない)ユーザーもサイトを訪れる理由やきっかけが出来る」

から、と言い切ってよいと思います。つまりコンテンツの範囲を拡張することで、その分サイトを訪れるユーザーが拡張するという具合です。

サイトを訪れるユーザーの幅が広がれば当然ユーザーの母数も増え、例えばですが、サイト内で打ちだすキャンペーンの効果が増したり、リターゲティング広告の配信リストが拡張できたり、リピートユーザーも増えたりリンクとかシェアを得られる機会も増えたり、まあ色んな可能性が広がるわけですね。

もちろん、ユーザーの幅を広げると言っても全くビジネスに関係のないユーザーばかりを集めてもそれはやはり徒労に終わるので(PV増やすことが目的のサイトは除く)、あくまでもその延長線上に売上なり何なりビジネスへの貢献がある、ということは求められます。

どういうコンテンツを用意するべきか

何でもかんでもコンテンツを広げて作ろうとすれば、それは失敗することも多いと思います。例えば、そのコンテンツが目的を持たないから、あるいはユーザーを想像して作られていないから、などの理由で失敗します。

そうならないように、まずは最低でも次の2つのことをを考えてみるとよいです。

  • どんなユーザーと接点を持ちたいか?(=どんな人にサイトに来て欲しいか?)
  • その人たちってどんな情報に興味があるのか?

これだけみると当たり前じゃんとしか思えないですけど、じゃあどのサイトもコンテンツ作るときこういうこと考えてる?と聞けば多分ですけどそうではないことも多いんじゃないかなと思います。

そしてこの2つを考慮してコンテンツを作ろうとすれば、少なくとも何でもかんでもページを増やしましょうという話にはなりませんよね。この視点は、コンテンツをどう展開しようかとかを考えるときには必ず持つべきことと思います。

そして、サイトに来て欲しい(自分たちが接点を持ちたい)ユーザーが興味ある情報を、一定以上の品質で展開できれば、少なくともそのコンテンツって絶対に無駄にはならないんですよね。

じゃあ品質って何よ、という話なんですけれども。

一定以上の品質って何だろう?

コンテンツの品質の定義って曖昧だし色々あると思いますけど、ここでは便宜的に文脈に合わせて都合良く決めてしまいますね。何かこんな感じかなと。

  • 訪れたユーザーにとって望ましい内容が書いてあるかどうか
  • コンテンツを通じてユーザーに何かしらのポジティブな態度変容があるかどうか
  • それがWebサイトの目的に直接的または間接的に貢献できるものかどうか

要は、コンテンツに辿りついて読んでみたけど「読む気がしない」「で、だから何?」「意味わかんない」「つまんない」で終わったらダメってことですね。

「へーそういうことなんだなるほどねー」とか「明日会社の人に教えてあげよー」とか「へーこれ面白いねー」「この会社に興味出てきたわ」「とりあえずブックマークしておくか」「クッソワロタwww」とか、そういう何かちょっとでもポジティブな変化を起こせるかどうか、だと思うのです。

もちろんそれがWebサイトの目的に近づくような態度変容であれば良し、ということですね。

こういうところを気にしていけば低品質な記事ってほとんど生まれないですし、つまるところ

  • あなたが接点を持ちたいと思うユーザーが
  • 興味関心または課題感をもつようなコンテンツを
  • 彼らが(顕在的または潜在的に)望んでいたような内容で作り、
  • ユーザーに何かしらのポジティブな態度変容が起こり、
  • Webサイトの目的に近づくことが出来る

ということが起きるわけですね。無理やり理屈にすれば、ですけれども。まあこの辺りはまた別記事でまとめてみようと思います。

ちなみに、少し話それるかもしれませんがこういうことを一生懸命考えていくと、どういう形でリンクをもらえるか、とかちょっとずつイメージできるようになります。何故かというと画面の向こう側にいるユーザーがイメージできるからです。

例えば、「●●業界用語集」とかよく見ますけど、適当に書いたものがリンクされるわけないですよね。そもそも誰が見るんだそれ、みたいなものも多いですし。

でもWikipediaは皆に見られていて恐ろしいくらいリンクされてますよね。その違いは何?とか、Wikipediaがリンクされる瞬間ってどういう瞬間?「おぉ、なんて素晴らしい用語解説だ!」とか「この用語解説に激しく同意!」みたいな感じでリンクすることってあんまりないよね?みたいなことを考えるわけですね。

じゃあ、どこまでコンテンツを広げればいいの?

今でしょ!

ではなくて、この辺も考えていかないといけないことです。皆が皆、コンテンツを広げていくことがサイトにとって重要というわけではありません。優先順位や投資バランスを間違えれば単なる回り道になることもあり得ます。

例えばApplivといううちが運営しているメディアにおいては、力を入れているコンテンツは今も昔もアプリの紹介です。何故かと言えばこのサイトはアプリを探すユーザーをターゲットとしているのでアプリを探すユーザーが必要な情報に軸を置いてコンテンツを展開しています。

それで、アプリを探すユーザーってどれくらいいるの?と言えば、めちゃくちゃたくさんいるわけです。なのでここをおろそかにして、「アプリを探してないユーザーにも見てもらえるコンテンツを」とかいってそればっかりを作ってたら、サービスにとって肝心なところが薄くなってしまうわけですね。

この辺は優先度とバランスの問題と考えるべきなのですが、無理やり言語化するなら

  • 拡張しなければ先細りするとか激戦区過ぎて勝負が苦しいなら「広げる」という選択肢を持つ
  • 「今すぐ」のユーザーがすごく多いのであれば、まずはそこに注力する

こういうことかな、と思います。まあ、後者のような場合には、競合とのコンテンツとしての差別化がなかなか難しいものも多く、言うは易しだったりもするのですが、、そういう場合は同様に広げることの優先度を少し上げるべきかなと思います。

最後に、SEOはどう考えるのか?

記事タイトルを見直して、SEOに何も触れていないことに気付きました。先ほどのコンテンツの考えるべき要件に加えて、以下のことを追加で考えてみてください。

  • 検索して探されるような情報か?どれくらい検索されるか?
  • 検索する人がはどのような言葉で探すか?またそういう言葉で文章が書かれているか?
  • 検索エンジンが正しく理解・評価できる形式で書かれているか?
  • 新しいリンクの獲得に貢献できているか?

ここまでの内容が「そりゃそうだろ」と思う方については、コンテンツ×SEOの考え方は特にハードルの高いものではないと思います。この辺の話題は “ホワイトハットSEOが上手くいかない”という人へのアドバイス という記事でも多少触れているので参考までに。

逆に、こういうことを何も考えずにコンテンツを作ってきた方、これから作ろうと思っていた方は、こういう考え方をするかしないかで、コンテンツのテーマ、書き方、文章構成、言葉選び、効果検証、色々と変わってくると思います。

完璧なコンテンツなんてありませんし皆がハイレベルなコンテンツを作れるわけではありませんし(僕が身をもって実証中)、ただ、何も考えずに作るのと、こういう思考のもと何かを作るのでは全然違います。伝えようと思えば、伝わる人には伝わるものです。

少なくとも、こういうことを日常的に考える癖がつけば、「どれくらい記事をアップしたら上位表示できますか?」というようなSEOの呪いからは解き放たれるのではないでしょうか。

是非、参考にしてみてください。

ヴォラーレ株式会社 土居

起業してWEBサービスで10万ユーザー獲得までの半年で行った7つの事

今年は、ソーシャルメディアと連携したWEBサービスが日本でも多数生まれた。 そして、その中には、多くのユーザーを獲得し収益化に成功したものもあれば、日の目を見られなかったものもあるだろう。 そんな中、弊社は当バズ部で多く [...]

[[ これはコンテンツの要約です。全文を読みたい方は、私のサイトに来てください! ]]

バカ売れサイトがやっているお客様の購買心理に基づくサイト分析法

サイトやブログを運営して結果を出し続けるためには、ユーザー目線に立って深く分析して、ロジカルに解決策を導き出し、繰り返しテストすることが重要だ。 そして、テクノロジーの移り変わりの速いこの業界では、「分析→解決策の提示→ [...]

[[ これはコンテンツの要約です。全文を読みたい方は、私のサイトに来てください! ]]