上場1年未満のメルカリがトヨタやソニーが名を連ねる国内ブランドランキングにランクイン

企業のブランディングを専門とするインターブランドジャパンは2月14日、「Best Japan Brands 2019」として日本企業のブランドランキングを発表した。インターブランドジャパンは、1974年に英国・ロンドンで設立されたブランディング専門会社の日本法人。企業のブランド価値を金銭的価値に置き換える独自の測定方法でランキングを作成している。この測定方法は、ISO(国際標準化機構)に認定されているものだ。

世界ランキングに日本企業は8社がランクイン

2018年に発表された「Best Global Brands 2018 Rankings」では1位から順に、Apple、Google、Amazon、Microsoft、Coca Colaとなっている。FaceBookは9位だがGAFA勢の勢いとMicrosoftの底堅さを感じるランキングだった。

インターブランドジャパンが発表した「Best Japan Brands 2019」は、海外売上比率が30%以上の「Japan’s Best Global Brands Top 40」、30%未満の「Japan’s Best Domestic Brands Top 40」の2つに分かれる。なお、企業名=ブランド名ではないため、企業の海外売上比率が30%満たない場合でも、ブランドとして海外売上比率が30%以上の場合はグローバル 、その逆の場合はドメスティックとなる。対象となるのは、財務状況が一般公開されている企業。調査期間は、2017年11月~2018年11月の1年間となっており、各社の第3四半期(2018年10~12月期)の業績は反映されていない。

インターブランドジャパンの代表取締役兼CEOの並木将仁氏

Japan’s Best Global Brands Top 40は1位から、TOYOTA(トヨタ自動車)、HONDA(本田技研工業)、NISSAN(日産自動車)、Canon(キヤノン)、SONY(ソニー)、MUFG(三菱UFJフィナンシャル・グループ)、Panasonic(パナソニック)、UNIQLO(ユニクロ)、Nintendo(任天堂)、SUBARUと続く。自動車メーカーがトップ3を独占したかたちだ。TOYOTAは11年連続でブランド1位となったほか、前年比プラス6%のブランド価値向上となった。3位のNISSANは、2018年11月に発生した金融商品取引法違反による元CEOのカルロス・ゴーン氏の逮捕が、来年以降どう影響してくるのか注目だ。

Japan’s Best Global Brands Top 40

上位40位でブランド価値成長が前年比で著しかったのは、15位のShiseido(資生堂)のプラス30%、Suzuki(スズキ自動車)のプラス23%、25位のYamaha(ヤマハ)のプラス20%、9位のNintendo(任天堂)のプラス19%、8位のUNIQLO(ユニクロ)のプラス19%となる。Nintendoは2017年度の連結海外売上高比率が75.3%で、企業価値は6億9600万ドルと試算。Nintendo Switchの引き続いての超大ヒットが貢献したと考えられる。

Japan’s Best Domestic Brands Top 40(10位まで)

Japan’s Best Domestic Brands Top 40では、NTT DOCOMO(NTTドコモ)、SoftBank(ソフトバンク)、au(KDDI)と大手キャリアがトップ3を占めたた。4位以降は、Recruit(リクルート)、Rakuten(楽天)、Suntory(サントリー)、Asahi(アサヒビール)、Kirin(麒麟麦酒)、nissin(日清食品)、Japan Airlines(日本航空)と続く。

ドメスティックの上位40位でブランド価値成長が前年比で著しかったのは、25位のZOZOTOWN(ZOZO)のプラス38%、KOSÉ (コーセー)のプラス27%、7位のAsahiのプラス25%、29位のMatsumotokiyoshi(マツモトキヨシ)のプラス21%、33位のNitori(ニトリ)のプラス21%。前述のように直近の10~12月期の業績は考慮されていないため、ミキハウスやオンワードホールディングス、ユナイテッドアローズなどが次々と撤退したZOZOTOWNが来年どうなるのか、前澤社長の手腕に注目が集まるところだ。

ドメスティックブランドでは、40位に滑り込みでMercari(メルカリ)が初ランクインしたのも注目。先日の2018年7~12月期の連結決算の発表では、純損益44億7500万円の赤字を発表した同社だが、国内に限って言えば営業利益44億円と力強い。上場から1年に満たない企業がランクインするのは珍しい出来事だ。

メルカリの小泉文明取締役社長兼COO

発表会の後半では、そのメルカリの小泉文明取締役社長兼COOが登壇。まず小泉氏は、メリカリは2019年2月1日で6周年を迎えたことに触れ、米国を足がかりに世界戦略を継続することを明言。「今後は米国以外の地域への展開、国を超えたマーケットプレイスを構築したい」と語った。現状、米国で苦戦を強いられているが、流通総額8700万ドルと前年比(YoY)では70%近く伸びており、先日の決算発表会でも流通総額が1億ドルに近づけば黒字化も見えてくる」と発言していた。なお、米国ではサービスのUI、ブランドロゴも変えるなど米国向けにローカライズして戦っている。小泉氏は、「メリカリを世界的ブランドに育てて、将来的にはベストグローバルランキングへのランクインを目指したい」と力強く語った。

国内については、1200万人超のアクティブユーザーがおり、40~50代やシニアの利用者も伸びている。そして、上場したマザーズ市場ではトップ3に安定して入っているとのこと。また、日本の隠れ資産(1年以上使われていないもの)は合計37兆円、国民1人あたり28万円という試算があり、メルカリは国内でまだ3倍ほどのポテンシャルがあるとコメント。最近では、新しい商品を買うときにメルカリを見て価格感を掴む人が増えているとのことで、自動車やブランド品などのように中古品を買うことによるネガティブな印象が薄まっていることを紹介した。

通常は上場セレモニーの際に5回打つ鐘を、メルカリ小泉氏は3回、インターブランドジャパン並木氏は2回鳴らした。

最後に2月13日に始まったばかりの子会社のメルペイのサービスについて触れ、「当初はiOSのみの対応となるが、メルカリ内の売上金を、銀行口座への振り込みだけでなくそのまま街中で電子マネーとして使える」と利便性を強調。PayPayやLINE PAY、Origami Payなど先行するモバイル決済サービスはキャンペーンが合戦で殴り合いの攻防を続けているが、ここにメルカリが参入するのか、独自路線を進むのかも気になるところだ。

スマホ決済サービス「メルペイ」始動、まずはドコモの非接触決済サービス「iD」対応でコンビニでも使える

メルカリ100%子会社のメルペイは2月13日、フリマアプリの「メルカリ」において、本日よりスマホ決済サービス「メルペイ」をiOS先行にて提供開始したと発表。第一弾として 、三井住友カードとの事業連携を通じ、NTTドコモ推進の非接触決済サービス「iD」に対応する。

メルカリiOSアプリのユーザーを対象に段階的に適用されるほか、メルカリのアプリを最新バージョン(4.0.0)にアップデートすることで利用可能となる。

メルペイを使うことにより、メルカリでは売上金・ポイントの確認や振込申請、ポイントの購入をメルペイ画面から行うことができるようになった。また、メルカリの売上金を、コンビニや飲食店、ドラッグストアなど、全国90万箇所以上のiD加盟店で利用することができる。

2019年2月1日より売上金の受領、管理主体、ポイントの発行はメルペイが行っているが、売上金の振込申請やポイント購入、ポイントでの支払いは今までどおり利用することが可能だ。

メルカリの発表によると、Android版についても今後対応予定だというが、具体的なスケジュールは明かされていない。

メルカリのスマホ決済「メルペイ」開始迫る? 売上金が移管

eng-logo-2015メルカリは2月1日より、フリマサービスの売上金を子会社の「メルペイ」に移管します。

決済サービス事業に関する権利義務等の一部を、2月1日付けで完全子会社であるメルペイが吸収分割により継承します。これに伴い、ユーザーが保有している売上金及びメルカリポイントについても、その管理がメルペイに移管されます。

メルカリは、フリマ売上金を実店舗などの決済に利用できる「メルペイ」の立ち上げに向けて、2017年に金融・決済子会社の「メルペイ」を設立。また2018年7月には、メルペイ加盟店開拓に向けた孫会社「メルペイコネクト」も設立しています。

なお、スマホ決済は「LINE Pay」や「PayPay」など群雄割拠の状態。既存プレイヤーと比較した強みについて小泉社長は『入金サイドにメルカリの売上金の存在があることが大きい。(中略)コンビニや金融商品など、生活のあらゆる場所でメルカリのウォレット機能が使われることで、ウォレットにお金を貯めるために、メルカリで商品をさらに売るという好循環が生まれる』とコメントしています。

メルカリ代表取締役社長COOの小泉文明氏

売上金の移管で、メルペイのサービスインが近づいた印象を受けます。肝心のサービス開始時期については現在広報担当者に問い合わせており、コメントがあり次第追記します。

なお、今回の変更によってメルカリのユーザー体験に変更はないとしています。

(追記:1/22 17:18)広報担当者はメルペイのサービス開始時期について「まだお伝えできない」とコメントしています。

Engadget 日本版からの転載。

メルカリ上場承認の記事が4位にランクイン(2018年5月ランキング)

2018年にアクセス数の多かった記事を月別に紹介していく年末企画。2018年5月を振り返ってみると、最も読まれたのは、GoogleマップのAPIに関する記事だった。

一般ユーザーにとってGoogleマップのAPIといってもあまりピンと来ないかもしれない。しかし、スタートアップはもちろんさまざまな企業がリリースしているアプリやサービスはこのAPIを使ってGoogleマップの機能を取り込んでいる。この記事では、従来は月額200ドル程度だった利用料が無料になることや、特定業界向けのMapsソリューションとして、Googleマップのデータを利用して現実世界を舞台とするゲームを作るゲームデベロッパーのためのプログラムを立ち上げたという内容が書かれている。

TechCrunchとして注目なのはもちろん、4位にランクインしたメルカリの上場承認に関する記事だ。メルカリはこのあと6月19日に東証マザーズ市場に上場。株式市場は上場初日に1株あたり5300円と評価した。同価格で算出した時価総額は約7172億円だった。なお、12月28日現在の時価総額は、12月下旬に米国から始まった株価の大幅下落の影響もあり、時価総額は2650億円程度となっている。

1位 Google MapsがAPI構成と課金方式を抜本的に変えて単純化
2位 新しいGoogle Oneはストレージ半額でサポートも充実
3位 機械学習研究者2000人がNatureの新しい有料論文誌への投稿を拒否
4位 メルカリの上場承認が正式に発表、直近決算期の売上高は220億円
5位 GDPR施行、同意の強制でさっそくFacebookとGoogleに対し初の提訴

メルカリ子会社ソウゾウが「mertrip」のサービスを1月で終了

メルカリのグループ会社であるソウゾウは12月20日、オープンβ版として提供している旅のストーリー共有アプリ「mertrip」(メルトリップ)のサービスを2019年1月31日で終了することを発表した。

メルトリップは、自分が撮った写真から自動で旅のストーリーが作れるアプリ。旅行先などで撮影した写真を撮影時間や位置情報などから旅程を自動でまとめてくれる。もちろんストーリーは共有できるので、知り合いや友人がそのストーリーを見て、自分の旅の参考にするといった使い方が可能だ。

オープンβ版として2018年11月から、会員登録は電話番号の入力のみで、月会費、その他の手数料なども無料で提供していたが、残念ながら3カ月程度でのサービス終了となった。

ソウゾウといえば、2018年7月に「メルカリNOW」「teacha」「メルカリ メゾンズ」のサービスクローズを発表。teachaに関しては2018年4月のサービスリリースからわずか4カ月というタイミングでの終了だった。メルカリグループといえども、新サービスを立ち上げて軌道に乗せるのはなかなか難しいようだ。

株式評価損は14.4億円、メルカリがロンドンの子会社を精算

メルカリは12月18日に開催された取締役会において、英国子会社のMercari EuropeとMerpayを解散し清算することを決議した。解散の理由としては、「期待する水準の事業の確立には至らなかったため」とのこと。なお、赤字が続いている米国を含むグローバル市場においては、マーケットプレイス関連事業の拡大に取り組んでいくという。

Mercari Europeは英国ロンドンを拠点として2015年11月に設立。2016年9月期に約4900万円(34万4000ポンド)、2017年6月期には約5億(354万7000ポンド)、2018年6月期には約10億(730万8000ポンド)と経常損失額が増加していたことから、今回の決定に至ったようだ。売り上げは2016年と2017年は計上されておらず、2018年6月期で約42万円(3000ポンド)だった。

欧州版メルカリのUI

Merpayも英国ロンドンに2016年4月に設立され、2017年6月期に約4000万円(28万7000ポンド)、2018年6月期に約4700万円(32万9000ポンド)の経常損失を出していた。売上は2018年6月期のみの計上で約14万2000円(1000ポンド)だった。

メリカリ本体には、拠点閉鎖に伴う諸費用などで概算2億円前後の費用が2019年6月期、または2020年6月期の連結決算で発生する見込みとのこと。

また同社はこれまでに、Mercari Europeに係る関係会社株式評価損を合計約13.5億円、Merpayに係る関係会社株式評価損を合計約0.9億円と認識しており、当該損失は、2019年6月期以降に税務上認容され、当社の連結及び単体の法人税などの金額が軽減される見通しだ。

本やCD特化の「メルカリ カウル」終了へ、メルカリ本体へ一本化

メルカリのグループ会社であるソウゾウは11月2日、本やCDなどの取引に特化したフリマアプリ「メルカリ カウル」の提供を終了することを発表した。終了時期は2018年12月17日の予定だ。

メルカリ カウルは2017年5月にローンチされたジャンル特化型のフリマアプリ。本・CD・DVD/ブルーレイ・ゲームといったメルカリの「エンタメ・ホビー」カテゴリに該当する商品の出品、購入体験を向上させるための姉妹アプリという位置付けだ。

出品した商品のバーコードを読み取ることで商品情報(タイトルや著者/アーティスト名、定価)を自動で入力できるほか、過去の取引傾向から売れやすい価格を自動で提案する「バーコード出品」機能が特徴。ユーザーからの反応も良かったため、2018年6月にはメルカリ本体にも同様の機能を取り入れている。

今回バーコード出品や新刊の販売など、メルカリ カウルが備える機能の大部分がメルカリにも追加されたこともあり、メルカリ カウルの提供を終了しメルカリに一本化することになったという。なお、メルカリ カウルで出品された商品については、同サービス終了後もメルカリに連携出品される。

メルカリでは2018年に入って5月に地域コミュニティアプリ「メルカリ アッテ」を、8月には「メルカリNOW」「teacha」「メルカリ メゾンズ」を終了。各サービス終了の背景は以前ソウゾウ代表取締役の原田大作氏に聞いているのでそちらを見て頂ければと思うけれど、今回はメゾンズの時と同様“メルカリに機能を追加していくことで、よりレバレッジを効かせていく” 狙いがありそうだ。

メルカリが目指すべき道は?TC Tokyo 2018初日に取締役社長兼COO小泉氏の登壇が決定

merucari0111月15日(木)と16日(金)に東京・渋谷ヒカリエで開催する日本最大級のスタートアップ・テクノロジーの祭典「TechCrunch Tokyo 2018」。既報のとおり、メルカリ取締役社長兼COOを務め、国内事業を率いる小泉文明氏の登壇が決定している。

TV CMなどでもおなじみのフリマアプリ・サービスで業界に革命を起こしたメルカリ。ここ数年、国内のスタートアップシーンを牽引し続けてきたが、2018年は同社にとってさらに飛躍する年となった。6月19日に東証マザーズ市場に上場。上場初日の株式市場はメルカリを1株あたり5300円と評価した。同価格で算出した時価総額は約7172億円となる。

メルカリの直近の動きとしては、10月18日に車×コミュニティアプリCARTUNE」を運営するマイケルを、簡易株式交換により子会社化

また小泉氏は10月17日に、クラウドファンディングサービス「Readyfor」を展開するREADYFORへ個人として出資している。

READYFORの経営陣および投資家陣。前列中央が代表取締役CEOの米良はるか氏

小泉氏に登壇してもらうのは、TechCrunch Tokyo 2018の初日にあたる11月15日。メルカリ上場までのストーリーや国内戦略、今後注力していく事業・サービスなどについて話を聞く予定だ。

TechCrunch Tokyo 2018では現在、一般来場者向けの「前売りチケット」(3万円)、5人以上の一括申し込みが条件の「団体チケット」(2万円)、創業3年未満(2015年10月以降に創業)のスタートアップ企業に向けた「スタートアップチケット」(1万8000円)、学生向けの「学割チケット」(1万8000円)、創業3年未満のスタートアップ企業を対象とした2日間のデモブース出展の権利と2名ぶんの参加チケットがセットになった「スタートアップデモブース券」(3万5000円)を販売中だ。前売りチケットは10月31日まで、スタートアップデモブース券は先着順で売り切れ次第販売終了となる。

チケット購入はこちらから

TC Tokyo団体・前売り券の販売開始!スタートアップの「いま」を知る絶好の機会

11月15日(木)と16日(金)に東京・渋谷ヒカリエで開催される日本最大級のスタートアップ・テクノロジーの祭典「TechCrunch Tokyo」まで2カ月を切った。9月19日からは、一般入場者向けの前売りチケットと、主に企業やまとめ買い向けの団体チケットの販売が始まっている。前売りチケットは1枚3万円、団体チケットは5枚以上の一括購入が条件となるが1枚2万円とオトクだ。

なお、前売りチケットは10月31日までの期間限定、団体チケットはTechCrunch Tokyoの開催当日まで購入できる。ここでは、改めて続々と決定している登壇者を紹介しておこう。現在、絶賛交渉中の登壇者も複数人いるので決定まであともう少し待ってほしい。

Julio Avalos氏(GitHubチーフ・ストラテジー・オフィサー兼ジェネラル・カウンセル)
GitHubは、ソースコードをホスティングするソフトウェア開発プラットフォーム。Avalos氏は、2012年にGitHubにジョイン。同社では経営陣および取締役会との連携を推進、ビジョンの定義および事業の管理運営を担うと同時に、法務や政策、人材、ソーシャルインパクト、戦略的パートナーシップを監督している。Avalos氏には今後のGitHubの戦略について聞きたいと思っている。

堀江裕介氏(dely代表取締役)
delyは、レシピ動画サービス「クラシル」などを展開するスタートアップ。2016年2月にサービス開始したクラシルは現在までに1200万以上のダウンロード件数、290万人を超えるSNSフォロワー数を獲得するまでに成長している。また、ヤフーによる連結子会社化が発表されて話題になった。堀江氏には、彼の頭の中にある1兆円企業になるまでのロードマップを聞く予定だ。

Long N. Phan氏(Top Flight Technologies CEO)
Top Flight Technologiesは2014年創業で、ドローンの研究開発と運用を進めることで、将来的に「空飛ぶクルマ」の実現を目指す米国スタートアップ。Long Phan博士からは、空飛ぶクルマというワクワクする話を聞けそうだ。

林 隆弘氏(HEROZ代表取締役CEO)
HEROZは、人工知能を活用したインターネットサービスの企画・開発・運営を手がける日本のスタートアップ。2017年には将棋AI「Ponanza(ポナンザ)」が現役将棋名人に勝利するなど、HEROZの技術力にいっそうの注目が集まった。林氏には、上場年となる今年に改めて創業当初を振り返り、氷河期と呼ばれる時代に起業家になることで得た経験、学び、苦労を大いに語ってもらいたいと考えている。

Harinder Takhar氏(Paytm Labs CEO)/中山一郎氏(PayPay社長)
paypay_nakayamapaytm_halisonPayPay(ペイペイ)は、ソフトバンクとヤフーの合弁会社で、2018年秋よりバーコードやQRコードを使って決済ができるスマホ決済サービスを開始する。同サービスを提供するにあたって同社は、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの出資先であるインドのPaytm(ペイティーエム)と連携。Paytmは、すでに3億人以上のユーザーと800万店の加盟店にサービスを提供している決済サービス事業者だ。TechCrunch Tokyoでは、元PaytmのCEOで、現在はPaytm LabsのCEOを務めるTakhar氏と、PayPayの中山社長に登壇いただき、モバイル決済の最新事情について語ってもらう予定だ。

芳川裕誠氏(Treasure Data CEO)
A1O8H0568.jpg2011年にCEO兼共同創業者の芳川裕誠氏ら3人の日本人がシリコンバレーにて立ち上げた。今年7月に、ソフトバンクグループ傘下のコンピュータチップ設計企業ARMホールディングスに買収されたことで、国内での認知度も一気に高まった注目の企業。芳川CEOには、日本人が異国の地で創業した理由や苦労したことなどの創業ストーリーだけでなく、近年あらゆる分野で重要度が増しているビッグデータ解析について興味深い内容を聞き出したいところだ。

小泉文明氏(メルカリ取締役社長兼COO)
メルカリについては、もはや説明不要かもしれない。フリマアプリで革命を起こした日本では希有なユニコーン企業。現在では子会社のソウゾウが「次のメルカリ級事業を創る」をミッションに掲げて、旅行領域での新規事業開発を進めている。さらに昨年には金融関連の新規事業を行うためにメルペイを設立したことも記憶に新しいだろう。小泉社長には、メリカリの上場について振り返っていただいたうえで、今後の展望についても語ってもらいたいところだ。

チケット購入はこちらから

いよいよTechCrunch Tokyo 2018のチケット販売開始、今ならお得な「超早割チケット」が買えるぞ!

先日発表した通り、今年もスタートアップ・テクノロジーの祭典「TechCrunch Tokyo」を11月15日(木)と16日(金)に渋谷ヒカリエで開催する。そして今日、今の時点でTC Tokyoに参加したいと思っているコアな読者のみなさんのために、「超早割チケット」を販売開始したのでお知らせしたい。

TechCrunch Tokyoは僕たちTechCrunch Japanが毎年開催している、日本最大級のスタートアップ・テクノロジーのイベントだ。今年で8回目の開催となり、昨年は約2500名が来場した。

ピッチバトルや展示ブースを通じて国内スタートアップのトレンドを知ることができるほか、国内外からの著名ゲストたちによる貴重な公演を見れる。多くの海外スピーカーによる登壇は、シリコンバレー発祥メディアの日本版が運営するTechCrunch Tokyoならではの特徴だ。

一般チケットの値段は4万円(税込)だが、本日発売の超早割チケットは半額以下の1万8000円(税込)だ。販売期間は9月18日までなので、このチャンスを逃さないでほしい。

TechCrunch Tokyoの最大の目玉は、何と言っても創業3年未満の新進気鋭のスタートアップがステージ上でピッチバトルを繰り広げる「スタートアップバトル」だ。例年100〜150社から応募が寄せられ、VCやTechCrunch編集部を中心としたメンバーが書類審査を行う。その書類審査をくぐり抜けたスタートアップだけが当日の本戦に進むことができ、11月の寒さを忘れるほどの熱いバトルをステージで繰り広げる。

また、TechCrunch Tokyoでは毎年、国内外のスタートアップ業界のコアにいるキーパーソンたちをお招きしている。昨年は海外からSlack共同創業者のCal Henderson氏やWeWorkのChris Hill氏、国内ではマネーフォーワードの辻庸介氏ソラコムの玉川憲氏らに登壇していただいた。かつてはUber共同創業者のTravis Kalanick氏メルカリ代表取締役会長兼CEO山田進太郎氏もお招きしている。

今年の登壇者も続々と決まっており、随時発表していくので期待して待っていてほしい。近日中に大きな発表がある、と一言だけ付け加えておこう。

チケット購入はこちらから

フリマアプリ、経済効果は年間最大約752億円ーーメルカリが調査結果を発表

メルカリを含むフリマアプリは個人間での物品売買をより手軽にした。だが、その登場は消費行動の変化や周辺サービス業界に一体どのような影響をもたらしているのだろう。そんな疑問をメルカリが調査し、結果を7月31日に発表した。

同調査によるとフリマアプリの周辺サービス市場への経済効果は最大で年間約752億円にもおよぶ。また、以前にも増して、梱包材などを買うために100円ショップに足を運んだり、衣類や靴の修理のためにミスターミニットなどのリペアショップに通うユーザーが増えてきているそうだ。

「フリマアプリの利用によって以前より増して使うようになった店やサービスは何か」という問いに対し、43.9%が商品発送の目的で郵便局の利用が増えたと回答。39.9%はコンビニの利用、33.3%は包装や梱包資材購入目的で100円ショップの利用が増えたと答えている。年間の利用頻度の変化が最も大きかったのが郵便局で1.8回増、次いで宅配便営業所とクリーニングが1.6回増だった。

そのような店やサービスの利用金額の変化は1人当たり年間平均で合計約4143円増加。クリーニングの利用金額変化が最も大きく683円、洋服の仕立て直しが538円、そしてホームセンターがハンドメイド・DIY資材の購入目的で533円増加している。

これらは「より良い状態で洋服などを次のオーナーに届けたい」といったユーザーの想いからきている。42.5%が「修理が必要だがまだ使えるモノを修理して出品してみたい」という意向を持っており、年代別にみると、20代の51. 9%、30代の43.4%、40代の39.1%が同様だった。

だが、上でも説明した「フリマアプリの利用によって以前より増して使うようになった店やサービスは何か」という質問に対し、クリーニングと答えたのは4%、靴・カバン・時計の修理は3.6%、洋服のお直しは2.5%、家電修理は2.4%にとどまっている。

メルカリの小泉文明社長兼COO

メルカリの小泉文明社長兼COOは当日行われた発表会で「リペアはまだ小さいパーセンテージ」だと話したが、「徐々に目に見える形になってきた。変化を感じた」と加えた。

調査を監修した慶應義塾大学大学院経営管理研究科の山本晶准教授いわく、上記パーセンテージは「過去1年間の利用経験者の数字」。同氏は「利用の”意向”を聞くともっと数字が高くなる」と捕捉し、「変化の兆しを感じる」と語った。

修理してフリマに出品して見たいと思う理由は「修理した方が高く売れるから」、と答えた人が65.1%。「修理した方が買った人が喜ぶと思うから」が36.7%、「修理した方が早く売れるから」が28.9%となっている。

本調査は全国のフリマアプリ利用者1032名を対象に7月6日から7日に行われた。対象は20代から50代。男女比は1対1となっている。

「そのサービスはメルカリを超えるか」ソウゾウ代表、サービス停止の背景と新事業の構想を語る

新サービスで取り組む「旅行」をイメージした服に身を包むソウゾウ代表の原田大作氏

つい先日の7月20日、メルカリグループのソウゾウは「メルカリNOW」、「teacha」、「メルカリ メゾンズ」のサービスクローズを発表した。なかでもteachaに関しては2018年4月のサービスリリースからわずか4ヶ月というタイミングでの判断だった。

それを報じた記事に対するTechCrunch Japan読者のSNSの反応をみても、同社の仮説検証のスピードに関心する声とともに、早すぎるとも感じるサービス停止に対して驚きの声も多くあがっていた。

TechCrunch Japanでは、2018年4月1日よりソウゾウ代表取締役に就任した原田大作氏にインタビューを行い、サービスクローズの背景、そしてこれからのソウゾウが取り組む新サービスについて聞いた。

怪物「メルカリ」の存在

原田氏が代表に就任した2018年4月の時点では、サービスのクローズについては何も決まっていなかった。「当然これからも伸ばしたいという思いはあったが、代表に就任した当時は、既存のサービスをどうするのかについては未定だった」と原田氏はいう。

「これまでスピード感をもってさまざまなサービスを立ち上げてきたが、ソウゾウとして何を目指すべきかという部分については手探りでやってきた感もある。メルペイがソウゾウから生まれたいま、ソウゾウとして何をすべきかというものを改めて考えたとき、メルカリに近しいものと遠いものを整理することになった」(原田氏)

その整理のなかで、原田氏はフリマアプリの「メルカリ」と近い性質をもつサービスについては、その機能をメルカリ本体に集約するという判断を下す。その例の1つが、ブランド品特化型のフリマアプリであるメルカリ メゾンズ(以下、メゾンズ)だ。この種のサービスについては、サービス独自の機能を切り出し、すでに大きなユーザー基盤をもつメルカリにその機能を追加することで、レバレッジを効かせたサービス運営が可能になるというのが、サービスクローズの理由だ。

「スマートフォンの時代は終盤に差しかかっていると思う。そのなかで、さまざまなサービスをアプリ単位で運営し、マーケティングをするというよりは、メルカリに機能を追加していく方が良いと思った。それぞれのサービスの機能的な部分が効果的だというのは分かっていたので、レバレッジを効かせた方が事業としても良いし、メンバーとしても良いだろうという判断だった」と原田氏は話す。

メルカリ本体と性質が似ているメゾンズについては、本体に機能を集約する。では、メルカリとは性質が大きく異なる、スキルシェアサービスの「teacha」即時買取サービスの「メルカリNOW」についてはどのような判断だったのだろうか。

teacha、メルカリNOWをクローズした具体的な理由について、原田氏は「teachaは“学び”をテーマにしたもので、もちろんそれなりのトランザクションも生まれていたが、この市場は時間がかかるという印象だった。メルカリNOWについては、100円のものから1万円のものまで扱うというサービス形態では、商品状態のボラティリティが大きく、それを判定するのに今のAI技術では難しいというところに壁を感じた」と話す。

こう原田氏が話すとおり、それぞれのサービスを継続していくうえで課題があったことは確かだ。しかし、サービスクローズの判断材料は最終的に1つの問いに集約される。「はたして、そのサービスはメルカリを超えるのか」という問いだ。

「ユニコーン級と言われるようなサービスが生まれるときには、それだけ初動の数字の伸びも大きい。これまで立ち上げたサービスが、メルカリに取って代わるサービス、メルカリを超えるサービスになるかどうかというのは、サービスをクローズするときの判断材料の1つだった」と原田氏は語る。

メルカリという怪物サービスを抱える彼らにとっては、新規事業が超えるべきハードルもそれ相応に高い。そして、これからもメルカリグループの新規事業を担うソウゾウは、その“怪物”を作り出すという目標がある。そのために原田氏は、あえてメルカリという存在から距離をとるという選択をした。

スタートアップとしてサービスをつくる

ソウゾウは現在、「旅行」分野の新サービスを開発中だ。残念ながら、この新サービスの全貌はまだ明らかになっていない。しかし、原田氏によれば、この新しいサービスはC向けのもので、最終的にはAI、フィンテック、ブロックチェーン、準天頂衛星、5Gなどのテクノロジーを活用したものになるという。

C向けサービスを作り、テクノロジーを中心にサービスを作る。ここまでは、これまでのソウゾウと変わらない。しかし、原田氏が代表を務める新生ソウゾウが掲げるのは、より“スタートアップらしい”サービス開発の方針だ。

これまでメルカリが発表してきた新アプリは、メルカリIDによるログインが必要というサービス設計になっていた。大きなユーザー基盤をもつ本体サービスを活用し、いわゆる“経済圏”を作り出すためには合理的な選択であり、他社でも同じようなシステムを採用することも多い。

しかし、今回の新サービスではメルカリIDによるログインを必要としない設計になる予定だと原田氏は言う。これはすなわち、メルカリ本体からの送客など、ソウゾウがこれまで得てきた恩恵を手放すことを意味する。

その理由として原田氏は、「メルカリのIDと連携していて、送客もしてもらえるなんてスタートアップは存在しない。スタートアップとしてのソウゾウは裸で勝負すべきだし、スタートアップは日々、そういう戦いをしている。メルカリのIDありき、送客ありきとなってしまうと、サービスが愛されているかという本質から少しずつズレてしまう。伸びないサービスでも伸ばせてしまうんです」と語る。

今や、メルカリの累計ダウンロード数は1億件を超える。でも、そのメルカリが誕生した2013年7月当時、メルカリIDなんて言葉は存在しなかったし、送客してくれるサービスもなかった。本当の意味でメルカリを超えるサービスを生み出すためには、本家からのサポートを断ち切り、当時のメルカリと同じ土俵で戦う必要がある。だからこそ原田氏は、メルカリという存在からあえて距離をとるという選択をしたのだという。

ソウゾウの新規事業チームは、メルカリ本社とは別のところにオフィスを構えている。上場企業メルカリのグループ会社ともあろうソウゾウがオフィスを構えるのは、コワーキングスペース「WeWork」の小さな一画。原田氏を含む約10名の新規事業チームは、そこで日々仕事をしている。この点からも、スタートアップとして事業をつくるという原田氏の意思が感じられるだろう。

ソウゾウは“スタートアップ”に、原田氏は“起業家”に立ち返る。その彼らが手がける新サービスは、今年秋をめどにリリースされる予定だ。

メルカリが3サービスを8月中に終了へ——「メルカリNOW」「teacha」「メルカリ メゾンズ」が対象

メルカリのグループ会社であるソウゾウは7月20日、現在提供している3つのサービスの提供を8月中に終了することを明らかにした。

対象となるのは2017年11月リリースの即時買取サービス「メルカリNOW」(終了日は8月20日)、2018年4月リリースのスキルシェアサービス「teacha」(終了日は8月21日)、2017年8月リリースのブランド品特化型フリマ「メルカリ メゾンズ」(終了日は8月31日)の3つ。提供終了までのスケジュールや詳細についてはそれぞれのサービスサイトにてアナウンスしている。

今回のサービス提供終了について、メルカリは「メルカリグループとして、これらのサービスを終了するとともに一部の機能を『メルカリ』のサービスに追加していくなどの経営資源の再配置を行い、『メルカリ』をはじめとする運営サービスのさらなる品質向上を目指します」とコメント。

同社では5月にも今回と同じく「グループ全体で経営資源を集中すべく」地域コミュニティアプリ「メルカリ アッテ」を終了していたが、今回は3サービスの終了を同時に発表。特にスキルシェアサービスのteachaは4月25日にリリースしたばかり。かなり迅速な意思決定といえるだろう。

なお上記のサービスは終了するが、ソウゾウでは今後もフリマアプリ「メルカリ」を超える新規事業の創出に取り組んでいくという。

メルカリ、上場初日で時価総額がマザーズ市場トップに——経営陣が展望を語る

ここ数年の国内スタートアップシーンを牽引してきたメルカリが、本日6月19日に東証マザーズ市場に上場した。

2013年7月にリリースされたフリマアプリの「メルカリ」の累計ダウンロード数はすでに1億DLを突破。アプリ内の年間取引高を合計すると、その額は2900億円を超える。そして上場初日、株式市場はそのメルカリを1株あたり5300円と評価した。同価格で算出した時価総額は約7132億円で、マザーズ市場で首位の規模となる。

メルカリは同日、都内にて上場記者会見を開催。代表取締役会長兼CEOの山田進太郎氏、取締役社長兼COO小泉文明氏、米国メルカリCEOのジョン・ラーゲリン氏が今後の展望について語った。

会見のトップバッターとして登場した山田氏は、「これから、社会の公器としての責任に真摯に向き合っていく。メルカリは写真をとるだけでAIが価格を算出するサービスを開発するなど、テクノロジーに力を入れてきた。日本を代表するテックカンパニーと呼ばれるようになりたい」と語った。

「メルカリの強みは、高い成長力とユーザーのエンゲージメント。このサイズになっても年間流通額の成長率は50%。利用時間は5.3時間で、国内ではインスタグラムやFacebookアプリ以上のエンゲージメントだ」と話す山田氏。今後は人、テクノロジー、海外への投資に注力し、「国をまたいで取引ができる世界的なマーケットプレイス」を作っていきたいとメルカリの目標を語った。

日本の成長戦略について語るのは、社長として国内事業を率いる小泉氏だ。同氏は「メルカリの成長にとって重要なのは、ユーザー数の拡大と1人あたりの売上高を拡大すること。そのためにもテレビCMなどを通して40代や50代の認知・利用を向上したい。スポーツ用品など、さまざまなジャンルの商品の取り扱いを増やす必要がある」と、メルカリが現状抱える課題を踏まえて成長の道筋を示した。

もう1つ、小泉氏が会見で強調したのはメルペイを中心としたエコシステムの構築だ。メルペイは、メルカリグループの金融ビジネスの担い手として設立された新会社。まだサービスの詳細は不明ではあるものの、フリマアプリ内の売買で生まれたお金をウォレットに貯め、それをコンビニなどの外部施設やサービスで利用できるモバイル決済機能をつくり、メルカリ独自の経済圏を構築していくという。また、将来的にはユーザーの取引履歴、評価情報など信用情報を活用し、総合的な金融サービスを提供するとした。

米国メルカリを率いるラーゲリン氏は、「メルカリに入ってすぐ、アメリカでも日本と同じように高い回転率で商品が売買されていると感じた。ただ、規模も認知もまだまだ。シリコンバレーで戦っていくためにはチームをさらに強化する必要がある」とアメリカ市場の現状と注力ポイントについて語った。

メルカリの上場承認が正式に発表、直近決算期の売上高は220億円

5月14日、メルカリが東京証券取引所マザーズ市場への上場を申請し、それが承認されたことが明らかとなった。上場予定日は6月19日になる予定で、証券コードは4385。

有価証券報告書によると、直近の決算期にあたる2017年6月期の連結売上高は約220億円、当期純損失は約42億円だった。2016年6月期の売上高は約122億円、当期純損失は約3億4000万円だった。

株式保有割合は創業者の山田進太郎氏が28.83%、ユナイテッドが10.59%、共同創業者の富島寛氏が7.20%、グローバル・ブレインが5.60%となっている。

メルカリは2013年2月の創業。同年7月にはフリマアプリの「メルカリ」をリリースした。最近では、シェアサイクルの「メルチャリ」など、みずから新事業を次々に立ち上げるほか、日本のスタートアップであるKitchHikeやポケットマルシェなどへの直接投資も行うなど、名実ともにここ数年のスタートアップシーンを牽引してきた存在だ。スタートトゥデイの時価総額が1兆円を超えるなど、インターネット企業の時価総額に注目が集まるなか、メルカリの時価総額はいくらとなるのか。上場初日の株価に注目が集まる。

メルカリが個人間でスキルをシェアする学びのフリマアプリ「teacha」をリリース

メルカリの子会社であるソウゾウは4月25日、知識やスキルを教えたい人と学びたい人をつなぐ学びのフリマアプリ「teacha」をリリースした。teachaは2017年12月に発表されていたサービス。まずはiOS版とWeb版の提供を本日より始める。

teachaは語学や資格の勉強、スポーツや料理などさまざまな分野のレッスンをフリマ形式で売買できるC2Cのスキルシェアサービスだ。

レッスンは最短30分から30分単位で時間の設計が可能。受講人数も最小で1対1のマンツーマンレッスン、最大で6人まで設定できるという。またオフラインだけでなく、オンラインのレッスンにも対応する。レッスン料金は500円からだ。

スマホアプリから最短5分でレッスン登録ができるのもウリのひとつ。教える側と学ぶ側双方のハードルを低くし、気軽に学びのやりとりをできる環境を目指す。

teachaはメルカリのIDと連携し、メルカリアカウントで利用が可能。ただし安全面に配慮して利用できるのは18歳以上(高校生を除く)に限定。365日24時間体制でメッセージ内容や通報を確認するほか、支払いトラブルを防ぐためにエスクロー決済システムを導入している(レッスン前に事前決済、レッスン後にレビューが登録されれば売上金が反映される仕組み)。

現時点で語学やプログラミングのレッスンに加え、コーヒーの淹れ方やフラワーアレンジメント、着物の着付け、料理など幅広いジャンルのレッスンが並ぶ。中には「UFOキャッチャーマスター講座」や「谷中銀座を案内します」などユニークなものもあり、この記事を書いているタイミング(4月25日14時20分)で450以上のレッスンが登録されていた。

またオフィシャルパートナーとして学研プラスとユーキャンが参加。今後はオフィシャルパートナーの講座で学んだことを活かす場所としてteachaを活用したり、教えたいユーザー向けのフォローアップ講座などを提供するなどの連携を予定しているという。

teacha発表時の記事でも触れたとおり、C2Cのスキルシェア関連では「サイタ」や「ストアカ」などすでに複数のサービスが存在している。メルカリファンドの投資先である「フラミンゴ」も語学学習領域に特化した教えたい人と学びたい人をつなげるサービスだ。

メルカリではサービスリリースにあたって「今後、teachaはメルカリとのシナジー効果を高め、オフィシャルパートナー企業と協力しあいながら、これまでの学び市場にはなかった新しいレッスンを創出することによる『学び』市場の拡大と誰もが簡単・気軽に学び・教える機会を享受できるサービスを目指していきます」としている。

 

メルカリ子会社ソウゾウで代表交代—— 新任は元ザワットの原田氏、旧代表の松本氏はメルペイに専念

メルカリは4月6日、100%子会社であるソウゾウの代表交代について明らかにした。4月1日付けで以前から同社の執行役員を務めていた原田大作氏が代表取締役に就任。旧代表の松本龍祐氏は同日付でメルペイの取締役CPO(Chief Product Officer)に就任したという。

新代表の原田大作氏

ソウゾウの新代表となる原田氏は、C2Cサービス「Wishscope」やフリマアプリ「スマオク」を展開していたザワットの創業者だ。2017年2月に同社をメルカリに売却した後、同年3月にソウゾウへ入社。ブランド査定付きフリマアプリ「メルカリ メゾンズ」の事業責任者を担ってきた。

一方の松本氏は写真加工アプリ「DECOPIC」を手がけたコミュニティファクトリーの創業者。2012年に同社をヤフーに売却したのち、ヤフーのアプリ開発室本部長などを務めた。2015年3月にヤフーを退職後、同年5月にメルカリに参画。9月にソウゾウを設立したタイミングで代表取締役社長に就任し、先日終了の発表があった「メルカリ アッテ」を始め複数の新規事業に携わってきた。

松本氏は2017年11月からメルペイの取締役を兼務していたが、今後はCPOとしてメルペイに専念するという。

旧代表の松本龍祐氏。TechCrunchでは以前、松本氏の「HARD THINGS」についても紹介している

メルカリでは代表交代について「新規事業の立ち上げ経験豊富な原田がソウゾウの代表になることにより、ソウゾウはこれまで以上に新規事業の創出へ注力してまいります」としている。

 

まずは福岡から、メルカリのシェアサイクル「メルチャリ」が2月27日にリリース

メルカリのグループ子会社であるソウゾウは2月13日、オンデマンドシェアサイクルサービス「メルチャリ」を2月27日より提供開始すると発表した。メルチャリの導入都市の第一号として選ばれたのは、福岡だ。

メルチャリは、フリマアプリなどを提供するメルカリグループが提供するシェアサイクルサービス。メルチャリの利用の流れは以下のようになる。ユーザーはまず、アプリ内にあるマップを見て近くの専用ポート(駐輪場)に行き、自転車をレンタルする。その際、アプリで発行されるQRコードにより自転車の鍵を解除する仕組みだ。

料金は1分あたり4円。例えば、新宿から渋谷まで自転車で行くと約20分ほどかかるから、80円と体力さえあればこの区間を移動できることになる。ちなみに、メルチャリに利用される自転車は折りたたみ自転車にも採用される小型の20インチタイプで、3段変速ギアが搭載されている。電動アシストはない。

先行する競合サービスにはセブンイレブン・ジャパンがソフトバンクグループのOpenStreetと共同で手がける「HELLO CYCLING(ハローサイクリング)」や2017年8月より日本にも上陸した中国の「Mobike(モバイク)」などがある。それらと比べてメルチャリが特徴的なのが、個人宅や店舗の軒先を自転車を駐輪するポートとして利用する点だ。

メルカリは同サービスを“ユーザー・地域参加型”と呼んでいる。その理由は前述のポートの運用だけではない。地域の目がサービスの質向上にもつながる仕組みがある。

メルチャリでは、ユーザーが違反報告や自主的な放置自転車の移動などのアクションをすることで、サービス内のマイルやメルカリポイントが付与されるという。

実際、シェアサイクル先進国の中国では同様のサービスが普及したことによる放置自転車の増加が問題視されている。それを防ぐ良い手となるかもしれない。

メルカリは今後、ユーザーにインセンティブを与えたり、運営の参加にゲーム性をもたせることで、ポートの清掃などその他のサービス運営にも個人を巻き込んでいきたい考えだ。

もちろん放置自転車対策などのサービス運営体制はそれだけに限らず、自転車に内蔵されたGPSで常時自転車の駐輪場所を把握し、サポートトラックが放置・違法駐輪の自転車や故障者を移動・回収することで各ポートを常に最適な状態に保つという。

メルチャリはまず、2月27日に福岡でサービスを開始する。リリース時点での自転車台数は400台、ポート数は50箇所だ。メルカリはこれを2018年夏までに2000台、200箇所にまで拡大するとしている。初めての導入都市に福岡を選んだ理由としては、メルカリのカスタマーサポート拠点が福岡にあること、坂が少ない自転車の移動に適した地形であること、公共交通機関のすきまを埋めることが期待できることなどを挙げている。

「メルカリはこれまでお客様同士の取引の場を提供してきたが、それはオンラインの場だけに限られていた。メルチャリを展開することで、それをオフラインの場にまで広げたいという思いがあった」と話す、ソウゾウ代表取締役の松本龍祐氏。

“個人と個人をつなぐ”ことが得意なメルカリだからこそ、個人をサービス運営に巻き込むというアイデアが生まれたのかもしれない。この仕組みは新しい取り組みだからこそ、どれほどの人々が自宅へのポート設置などに協力するのかという点に注目が集まる。

メルカリが年内にも仮想通貨交換業の登録申請へ――フリマアプリ内での決済に対応

2017年11月に設立されたメルペイ。メルカリが金融関連の新規事業を行うために立ち上げた子会社だ。同社の代表取締役には元グリーCFOの青柳直樹氏が就任し、役員には元WebPayのCTOでLINE Pay事業を経験した曾川景介氏らが名を連ねるなど注目を集めている。

今まで事業の詳細については明らかになっていなかったが、年内にも仮想通貨交換業の登録申請をして、メルカリ内の決済手段としてビットコインを含む仮想通貨に対応していくようだ。

これについては最初にITproが報じている。同記事によるとメルカリではメルペイを通じて2018年中にも仮想通貨交換業の登録を目指し、主要な仮想通貨を決済手段としてフリマアプリに組み込む方針だという。ICOにも興味を示しているということだから、独自のトークン(コイン)を発行しメルカリ経済圏を広げていく狙いがあるのかもしれない。

メルカリ広報に今回の背景について聞いたところ「仮想通貨についてはまだ社会的なルールを整備している段階と認識している。ただ、メルペイでは新技術を取り入れ色々な可能性を検討したいので、申請しておこうと考えた。まずは簡単に使える環境づくりからと考えている」という回答があった。

本件については新たなプロダクトをリリースするのではなく、メルカリ内の決済手段として仮想通貨に対応する。また具体的な内容は検討中であるものの「国内で6000万強のダウンロード数を持つメルカリの顧客基盤と取引データを活かした金融サービスを展開する予定」(メルカリ広報)だという。

なお昨年12月26日時点で、bitFlyerやQUOINE、テックビューロなど16社が仮想通貨交換業者として登録が認められている。

山田氏「技術で差別化するフェーズになってきた」——メルカリが実装までを想定した研究開発組織「mercari R4D」を設立

「mercari R4D」のメンバーら。中央がメルカリ代表取締役会長兼CEOの山田進太郎氏

フリマアプリを軸に、グループ、投資先を含めて広くCtoC領域のサービスを展開するメルカリ。今度は新領域へチャレンジに向けて研究開発を強化していくという。同社は12月22日、社会実装を目的とした研究開発組織「mercari R4D(メルカリ アールフォーディー)」の設立を発表した。

同日開催された発表会の冒頭、メルカリ代表取締役会長兼CEOの山田進太郎氏が登壇。今までのメルカリを振り返り、UI/UXへのこだわり(エンジニア経験のある創業経営陣がおり、ユーザービリティテストを積極的に活用。また早期に分析基盤を構築してきたことなど)や積極的なマーケティング(オンラインマーケティングだけでなく、テレビCMも活用してきたこと)という2つで成長してきたと説明。

さらに直近では、AIを活用し、写真撮影をすれば自動的に商品のブランドやカテゴリ、価格などをサジェストする機能を導入。これによって出品率や出品物の販売率を向上させたほか、偽ブランドや禁止出品物の検知などに取り組んでいる。米国では、従量の自動推定にも取り組んでいるという。

「技術で差別化するフェーズになってきた」——山田氏はこれからのメルカリについてこう語り、3つの方針を打ち出した。1つめはロードマップを作って戦略的に研究・投資を実施するということ。そして2つめは現在100人ほどのエンジニアチームを3年で1000人規模まで拡大。各機能ごとにマイクロサービス化して、スケーラブルな組織を作るということ。3つめは外部パートナーとの共同研究やその実装を進めるということ。今回発表されたmercari R4Dはこの方針に沿ったプロジェクトだ。

今後の方針について

メルカリ取締役CPO(Chief Product Officer)の濱田優貴氏が説明するところによると、R4Dの言葉の意味は「Research for」の「R」と、「 開発(Development)」「設計(Design)」「実装(Deployment)」「破壊(Disruption)」の4つの「D」なのだという。いわゆるR&D(Research & Development)、研究開発との一番の違いはDeployment、つまり実装をすることだ。今回の発表でメルカリは「社会実装を目的とする」とうたっているが、採算度外視でもまず世に出してみて、反応をみていくということに重点を置くという。

なお今回発表されたパートナーと研究テーマは以下の通り。またシニアフェローとして、
アーティストのスプツニ子!氏、京都造形大学教授 クロステックデザイン研究室、ABBALab代表取締役、さくらインターネットフェローの小笠原治氏が就任する。

シャープ 研究開発事業本部
「8Kを活用した多拠点コミュニケーション」

東京大学 川原研究室
「無線給電によるコンセントレス・オフィス」

筑波大学 落合研究室
「類似画像検索のためのDeep Hashing Network」
「出品された商品画像から物体の3D形状を推定」
「商品画像から背景を自動特定」

慶應義塾大学 村井研究室
「ブロックチェーンを用いたトラストフレームワーク」

京都造形芸術大学 クロステック研究室
「Internet of Thingsエコシステム」

東北大学 大関研究室
「量子アニーリング技術のアート分野への応用」

山田氏によると、R4Dの2018年の予算は数億円程度。だが再来年以降は寄り大きくしていくという。さらに今後対象とするテーマについては、「直近1〜2年のものというより、3〜5年かかるような中長期的になるものを基準にしている」(メルカリ R4Dオフィサーの木村俊也氏)とのこと。

今後の実装イメージ