BMWが車のオプション機能をサブスクで提供開始へ、中古車も対応

米国時間7月1日、BMW(ビーエムダブリュー)は、仮想現実記者発表会を開き、一連の車載ソフトウェア体験の更新を公開し、ミュンヘン市内の仮想ドライブを通じて、そのいくつかの機能が紹介された。これらの機能は、Operating System 7(オペレーティングシステム・セブン)搭載のBMWの最新型車種に対応するもので、今年後半から提供される。なお、新車にはあらかじめ組み込まれる。

同社は、自動車情報システムの更新を可能にしただけではなく、現代の自動車に欠かせないさまざまなコンピューターシステムの、プログラムの各行の書き換えもバーチャルでできるようにした。これにより、以前から話題になっていたBMWのいくつかの新機能の市場投入がやっと実現する。

なかでも注目すべきは、特定のハードウェア機能のサブスクリプションを可能にするプログラムの更新だろう。たとえばシートのヒーターや高度な運転支援システムなど、BMW車に最初から備わっていながら、購入した時点では使えない状態にしているものもある。

BMWはずいぶん前からこの話をしていたのだが、ようやく現実化したわけだ。例えば新しいBMWを買ったとき、ハンドルやシートを温めるオプションを付けなかったとしても、3カ月間の無料お試しが可能になる。気に入れば、一定期間この機能をサブスクリプションとして購入することができるようになる。

画像クレジット:BMW

「新車も中古車も区別なく、BMWのオプション機能を選択される際に、最大限の自由度と安心感をお客様に提供したいと私たちは考えています」と本日の記者会見で同社の広報担当者は話していた。「オプション機器に関しては、ご自身の意志でいつでも簡単に購入でき、すぐにお使いいただける、大変に柔軟で素早いご提供となります。我々は20年以上前から接続性を重視しており、2014年からはデジタルサービスをオンライン予約できるConnected Drive Storeを運営しています」。

ただ、そのほとんどは情報機能だった。それが今回、車両の機能やオプション機器もオンデマンドのネット接続で選べるようになったということだ。同社は手始めに、停止発進機能を備えたアクティブ・クルーズコントロール、ハイビームアシスタント、BMW IconicSounds Sport(アイコニックサウンド・スポーツ)へのアクセスを提供する。今後、ラインアップに他の新機能が追加されていく予定だ。

意外なことに自動車メーカーにすれば、たとえ使われなくても、ハードウェアを車に組み込むほうが早くて安いのだという。理由は簡単。それにより製造時の手間が省かれるからだ。だが、今回BMWが話題にしている内容は、その多くがソフトウェアとハードウェアの組み合わせになっている。

新しいのは、特定の機能をサブスクリプションによって短期間だけ使えるという仕組みだ。

「近い将来、ここに新しい機能を追加するだけでなく、一定期間その機能を使いたいお客様のための、さらなる柔軟性を高めていく考えです。例えば、あるオプションを3年間だけ、1年間だけ、あるいは数カ月という短期間だけ使用するといった具合にです」

画像クレジット:BMW

同社はまた、中古車を購入する人は、その柔軟性の恩恵がさらに大きいと話している。Apple(アップル)のCarPlay(カープレイ)の対応についても話しておくべきだろう。この機能は、もともと年間80ドルというサブスクリプションで提供することになっていた。少しでも金を浮かせたいドライバーのための配慮のように見えるが、CarPlay対応が有料という自動車メーカーは他にない。BMWオーナーには大変に不評だったため、去年の12月に同社はこの決定を取り下げた。

新しく加わるサブスクリプションサービスにBMWオーナーがどう反応するかは興味深いところだが、重要なのは、普通なら新車購入時に決なければならないオプションが後からでも選べるという利便性だ。そう思えば、追加サービスへの反応は、あまり問題にならないだろう。

BMWが本日発表した、新規または更新されたデジタルサービスには、アップルの新サービスであるCar Keys(カーキーズ)も含まれていた。BMWではこれを「BMW Digial Key」(デジタルキー)と名付けている。また、BMW Personal Assitant(パーソナル・アシスタント)の更新も披露された。この新しい支援機能に、装飾的なものや車内ディスプレイの表示方法を変えられるものも含まれている。

もうひとつ面白い支援機能として、自動車用のIFTTT(イフト)のようなものがあった。これを使えば、たとえば会社の駐車場に入ると自動的に窓が開くようにプログラムできる。社員証をスキャナーにかざしてゲートを開けるときなどに便利だ。

画像クレジット:BMW

その他、BMWの内蔵GPSシステムMaps(マップス)の更新もあった。同社によれば「大きな飛躍」とのことだ。

これは、クラウドベースのサービスで、ルート検索が高速になり、より詳細な交通情報や、駐車場の空き状況が確認できるようになる。そしてその駐車場機能は、数多くのBMW車両から収集したセンサーデータと格闘してきたBMWの努力の賜物でもある。現在すでにドイツのハイウェイ網の99%近くがカバーされ、毎日、高精度マップに落とし込まれている。

画像クレジット:BMW

マップと言えば、BMWは現在、ハイブリッド電気自動車の販売に力を入れているが、現在はハイブリッド車のドライバーが充電ステーションを探しやすくする機能と、欧州の80の街に設定されている低排出ゾーンで自動的に電気走行に切り替える機能も発表された。将来的には、他の街にも対応させていく予定だ。

「高級車においては、ハードウェアとソフトウェアは同等の重要性を持つため、デジタルテクノロジーは、BMWの中核を成しています」と、BMW役員会会長Oliver Zipse(オリバー・ツィプセ)氏は言う。「私たちの使命は、高度なデジタルテクノロジーを卓越した最高級の製品に統合し、お客様のエクスペリエンスと運転の楽しさをさらに高めることにあります」。

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(翻訳:金井哲夫)

Lyftがカリフォルニア州で自動運転車の路上テストを再開

Lyft(リフト)の自動運転車両部門は、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックで数カ月間中止していたカリフォルニア州での公道試験を再開させた。

Lyftのレベル5プログラムチームは6月30日、自動走行車両の一部がパロアルトの公道と同社のテストトラックに戻ると明らかにした。パロアルトの同社従業員に乗車を提供するパイロットプログラムはまだ再開させていない。

テスト再開にあたっては、個人用防護具の活用や表面のクリーニングなどCDC(米疾病予防管理センター)のガイドラインに沿っているとLyftは話した。同社はまた、新型コロナ感染拡大を予防するための追加の安全策も取っている。各自動走行車両には、乗り込むオペレーター2人の間にパーテーションを設置している。オペレーターはフェイスシールドを着用しなければならず、体温も報告する。そしてオペレーターは2週間同じペアを組む。

Lyftのレベル5プログラムは2017年7月に立ち上がったが、カリフォルニアの公道でのテストは2018年11月まで始まらなかった。レベル5はSAEの自動運転レベルで、あらゆる状況で自動運転できることを意味する。Lyftはその後、テストプログラムと車両を展開した。2019年後半までの四半期の自動走行マイル数は、その6カ月前の四半期の4倍超になった。

カリフォルニア州で自動運転車両を管轄する同州車両管理局によると、Lyftは2019年に同州の公道で自動運転車両19台をテストした。2018年12月から2019年11月までの期間に稼働した19台は、自動運転モードで計4万3000マイル(約6万9000km)走行した、と同社が2月に発表した年間レポートにある。同様のテストを展開しているArgo AI(アルゴAI)、Cruise(クルーズ)、Waymo(ウェイモ)に比べるとその数字はかなり小さいが、Lyftのプログラムにおいては進展となる。

Lyftはシミュレーションで路上テストを補い、新型コロナによる一時停止期間中はそれまで以上にシミュレーションに頼った。そしてカリフォルニア州が規制を緩和し、経済を再開させていても、引き続きシミュレーションを活用する。

6月30日に掲載された同社レベル5プロジェクトのエンジニアリング担当ディレクター、Robert Morgan(ロバート・モーガン)氏と、プロダクトマネジメント担当のディレクター、Sameer Qureshi(サミア・クレシ)氏によるブログによると、シミュレーションはコントロールや同時再現性、安全性をさらに高めるのに費用対効果が高い方法だ。2人は、シミュレーションによりレベル5のチームが車両を使ったり、従業員がデスクを離れたりすることなく、そしてここ数カ月は自宅を離れることなくテストできた、と話した。レベル5部門はロンドン、ミュンヘン、米国に従業員400人超を抱える。

自動走行車両テクノロジー開発でのシミュレーション活用は、この業界では確立されたツールだ。シミュレーションを改善するために活用しているデータへのLyftのアプローチは競合相手と大きく異なる。Lyftはシミュレーションテストや3Dマップ作成、人間の運転パターンの理解のために、配車サービスアプリのドライバーから収集したデータ(未訳記事)を使っている。

レベル5プログラムは、長期リースの代替としてドライバーがプラットフォーム上で車をレンタルできる同社のExpress Driveプログラムで使っている何台かの車両からデータを集めている。

画像クレジット: Lyft

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(翻訳:Mizoguchi

NearMeの特定少人数を乗せる通勤専用シャトルが九州で実証実験、トヨタ自動車九州と共同で

タクシー相乗りサービスや空港ゴルフ場までの相乗りシャトルサービスなどを展開するNearMeは(ニアミー)は6月30日、トヨタ自動車九州と共同で九州エリアでの通勤専用シャトル「nearMe.Commute」の実証実験を開始した。複数人が相乗りする際、各人をピックアップするために最適なルートを独自開発のAIが提案するのが特徴だ。

今回の実証実験では、福岡県宮若市にあるトヨタ九州の宮田工場と福岡空港を結ぶ。九州自動車道を利用すると45分弱、約35kmの道のりでシャトルを運行する。工場の従業員や県外からの出張者の交通手段としての利用を想定している。新型コロナウイルスの感染拡大を避け、特定の少人数で移動できるのが最大のメリットだ。サービス詳細は以下のとおり。

  • 利用方法:指定URLより2日前までに予約
  • 発着点:宮田工場、福岡空港、九州の指定エリア(福岡市東区、博多区、中央区、糟屋郡新宮町、久山町、古賀市、福津市、宗像市、飯塚市、宮若市)
  • 使用車両:アルファードやハイエースなどの車両(未訳記事)最大9人乗り)
  • 利用料金:無料(従業員や関係者が対象)

もちろんシャトル自体も以下のような感染症対策を実施している。

  1. 乗車中の車内換気
  2. 全乗務員の運行前検温、マスク着用
  3. アルコール消毒液を設置、乗客に利用を促す
  4. 前日までに乗客を決定、感染者が出た場合は早急に対応
  5. 降車後の清掃の際に乗客が触れた箇所をアルコール消毒
  6. 乗客同士が隣接しないように少人数を大型車で運ぶ
  7. 乗客にマスクの着用を促す

自動運転トラックのスタートアップTuSimpleが約270億円調達へ

TuSimple(ツーシンプル)は、Sina、Nvidia、UPS、ティア1サプライヤーのMando Corporationが投資する自動運転トラックのスタートアップだ。同社は投資家からの新しい資金を求めて市場に戻る。この動きに詳しい複数の情報筋によると、同社は投資銀行のMorgan Stanley(モルガンスタンレー)を起用して2億5000万ドル(約270億円)を調達する。

モルガン・スタンレーは最近、投資家候補に情報パッケージを送った(TechCrunchも目を通した)。パッケージには、会社概観、ビジネスモデルの概要、会社が成功する理由についてのピッチが含まれている。投資家を探す会社のピッチとしては標準的な内容だ。TuSimpleはコメントを避けた。

新しい資金の探求は、潜在的なライバルの数がますます増える中、TuSimpleの成長を加速させるために行われる。同社は、自動運転トラックというニッチな分野のユニークな会社だ。 自動運転車産業の金と関心のほとんどが乗用車、具体的にはロボタクシーに向かっていた2015年という時期に設立された。

自動運転トラックは、Google(グーグル)の著名なエンジニアがOtto(オットー)というスタートアップを立ち上げるまで、比較的ぼんやりとした存在だった。Ottoは2016年8月にUberに買収された。スタートアップのEmbark(エンバーク)と、今はなきStarsky Robotics(スタースカイロボティクス)も2016年創業だ。その間、TuSimpleは静かに拡大した。2017年後半にTuSimpleは、中国と米国でフルトラック2台のテストを拡大することを目的に5500万ドル(約59億円)を調達した。そして2018年までに、アリゾナ州のツーソンとフェニックスを結ぶ120マイル(193km)の高速道路、および上海で公道試験を開始した。

過去2年間に、IkeやKodiak Roboticsなど他社製品も登場した。Waymo(ウェイモ)も自動運転トラックを追求している。Waymoは少なくとも2017年からトラックについて口にしていたが、事業を急速に拡大し始めたのは2019年4月以降だ。Waymoの自動運転トラック部門は、消費者ロボット工学のスタートアップであるAnki Robotics(アンキロボティクス)の元CEOと1ダース以上のエンジニアを雇った。最近ではAmazon(アマゾン)が支援するAurora(オーロラ)がトラック分野に足を踏み入れた。

TuSimpleはいくつかの理由で際立っている。10億ドル(約1070億円)以上のバリュエーションで2億9800万ドル(約320億円)を調達し、ユニコーンのステータスを獲得した。豊富な労働力を抱え、UPSなどの有名なパートナーがいる。また、中国と米国にR&Dセンターがありテストオペレーションをを行っている。TuSimpleの研究開発は北京とサンディエゴで行われている。上海とアリゾナ州ツーソンにテストセンターがある。

中国との関係や中国での事業は、現在の米中間の緊張を考えると、メリットとも思えるし潜在的なリスクとみることもできる。TuSimpleの初期の投資家には創業メンバーのみならず中国からも参加している。中国最大のミニブログサイトWeibo(微博)を運営しているSina(新浪)はTuSimpleの初期の投資家だ。香港を拠点とする投資会社であり、既存の投資家であるComposite Capitalも投資家として加わっている。

近年、同社は投資家基盤の多様化に取り組み、確立された北米のプレーヤーを獲得した。顧客であるUPSは、2019年にTuSimpleの少数株主となった。同社は、Sinaが主導したシリーズDの資金調達ラウンドに追加で約1億2000万ドル(約130億円)出資すると発表した。同ラウンドには、CDH Investments、Lavender Capital、ティア1サプライヤーのMando Corporationなどの新しい参加者が含まれていた。

TuSimpleはオペレーションを拡張し続けている。2020年3月の時点で、同社はアリゾナ〜テキサス間を毎週約20回、40台を超える自律型トラックで自動走行していた。すべてのトラックで、人間のセーフティードライバーがハンドルの後ろに備えている。

画像クレジット:TuSimple

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(翻訳:Mizoguchi

アマゾンが配車サービス向け自動運転のスタートアップ「Zoox」を買収

Amazon(アマゾン)は、米国時間6月26日に2014年創業の自動運転スタートアップZoox(ズークス)を買収することを発表した(Amazonリリース)。Zooxはこれまで約10億ドル(約1070億円)を調達し、配車サービス向けのフルスタックソリューションを提供するために、車両を含む自動運転技術を開発することを目指してきた企業だ。

アマゾンの発表によれば、Zooxは独立したビジネスとして存続し、現在のCEOであるAicha Evans(アイシャ・エバンス)氏もCTOで共同創業者であるJesse Levinson(ジェシー・レビンソン)氏とともにその役割を継続する。リリースノートにはまた、彼らの会社の全体的な使命も同じだと記されている。 Financial Timesの報告によると、この取引は12億ドル(約1290億円)相当で行われたという

The Wall Street Journalは2020年5月末の段階で、アマゾンはZooxを潜在的な買収ターゲットとして検討しており(未訳記事)、その取引がより進んだ段階に達したと報じていた。

Zooxは、自動運転業界で最もお金がかかる道の1つを選択した企業だ。自動運転機能を提供するためのソフトウェアやAIとともに、目的に合った自動運転の乗用車をゼロから構築することを目指している。Zooxはこの1年間でいくつかの目立ったコスト削減を行っており、2019年初めにインテルからCEOのエバンス氏を迎え入れた(未訳記事)。これは彼女の経験を商用化に向けた動きに役立てたいという思惑からだろう。

アマゾンのような資金に余裕のあるオーナーを得たことで、Zooxはその主たるライバル である Waymo(ウェイモ)に遅れを取らないような力を得ることができるに違いない。ちなみにWaymoは、Google(グーグル)の自動運転車プロジェクトとして始まり、現在ではGoogleのオーナーであるAlphabet(アルファベット)がオーナーである。

アマゾンは、独自の自動運転車両技術プロジェクトに取り組んできた。これには、小さなパッケージを顧客の家に運ぶようにデザインされた6輪の歩道走行ロボットのようなラストマイル配送ロボットなども含まれている。 同社は自動運転のスタートアップ企業であるAurora(オーロラ)にも投資しており(未訳記事)、また自動運転貨物車のスタートアップEmbarkの自動運転トラックのテストも行ってきた

アマゾンによれば、今回のZooxの買収は特にスタートアップの「自動運転配車のビジョンの実現」を支援することを目的としているため、アマゾンの荷物配送業務に直接焦点を当てていないようだ。しかしZooxがゼロから開発した技術、例えば特に自動運転利用のために開発されたゼロエミッション車などの技術は、アマゾンの業務に簡単に転用することができる。

その一方で、Zooxが本気で配車サービスに留まり続けた場合は、アマゾンはまったく新しい市場を開く可能性が出てくる。自動運転技術が成熟した暁には、UberやLyftと真っ向勝負を行う存在になるだろう。

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(翻訳:sako)

Aclimaとグーグルが研究者にカリフォルニアの大気汚染の新データセットを公開

Collision from Homeカンファレンスの一環として、AclimaでCEOを務めるDavida Herzl(ダビダ・ヘルツル)氏は、Google(グーグル)と協力して作成した新しいデータセットを発表した(Collisionリリース)。

科学コミュニティに無料で提供される今回のデータは、4年間のデータ収集と集計の集大成であり、カリフォルニア州全体で4200万回の大気質測定が行われた。

Aclimaのセンシングと分析ツールはGoogleストリートビューの撮影車両に統合され、ジョイントベンチャーでサンフランシスコのベイエリア、ロサンゼルス、カリフォルニアのセントラル・バレーの大気汚染物質と温室効果ガスレベルを測定した。

撮影車両は二酸化炭素、オゾン、二酸化窒素、一酸化窒素、メタン、ブラックカーボン、微粒子汚染物質のデータを収集した。両社は今回のデータセットの公開で、大気汚染や温室効果ガスのデータ測定によって前進する分野の研究を支援できるはずだと述べている。

一連のデータはテキサス大学オースティン校と環境防衛基金(EDF)の研究者たちによって2017年に発表された論文で使われている。それによると汚染の度合いは、都市ブロック間で5倍から8倍にもなるという。2018年にEDFとKaiser Permanenteは、オークランドの路上における汚染と心臓病の発生率の上昇とを結びつける研究を発表した。2020年には、Aclimaのデータのサブセットを用いて渋滞課金による環境利益を推定した。

カリフォルニア州の大気に関する完全なデータセットを研究者が利用できるようになったことで、健康に悪影響を及ぼし、気候を変化させる排気ガスの量を明らかにし削減するためには、街頭レベルの大気の質を測定して分析することが不可欠であると、Aclimaとグーグルは主張している。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Waymoとボルボが電気ロボタクシー開発で「独占」提携

Waymo(ウェイモ)の自動運転ソフトウェアが勢力範囲をさらに広げている。今度はVolvo Car Group(ボルボ・カー・グループ)との提携だ。米国時間6月25日、両社はWaymoの自動運転ソフトウェアを配車サービス用に開発する新型電気自動車に組み込むための「独占」提携を発表した。

ボルボとWaymoは、「まず共同でWaymo Driver(ウェイモ・ドライバー)を、配車サービスのために新規開発する業務用電気自動車プラットフォームに組み込む」という以外に、今回の提携に関する詳細や具体的な方向性などはほとんど示さなかった。「まずは共同で」という言葉からは、その後がまだまだあることを推察できる。この新しい車両プラットフォームは、SAEの定位によるレベル4の自動運転に対応することを私たちは把握している。つまり、特定の地域内、または特定の天候や道路状況において、あらゆる運転操作が行えるというものだ。

この提携には、高性能電気自動車のブランドPolestar(ポールスター)やLynk & Co. International(リンク・アンド・カンパニー・インターナショナル)など、ボルボグループ傘下のすべての企業も含まれると、ボルボグループのCTOであるHenrik Green(ヘンリク・グリーン)氏は、あらかじめ用意された声明の中で強調していた。

「完全自動運転車には、これまでにないレベルで道路安全性の改善をもたらし、人々の生活、仕事、移動に革命を起こす可能性があります」とグリーン氏は声明の中で述べている。「Waymoとの提携により、Volvo Cars、Polestar、そしてLynk & Co.に新しいエキサイティングなビジネスチャンスの幕が開きます」

「独占」とは、提携関係を説明するときに使われる言葉でもある。しかし、具体的な詳細情報がなければ、それが何を目標とし、この「独占」が実際に何を表すかを知るのは難しい。ここでは、Waymoのレベル4自動運転ソフトウェアを説明する際に独占という言葉が使われていた。つまり、この2つの企業は共同開発を進めるか、あるいはその技術スタックの内部作業で秘密情報を共有する可能性を示唆している。また、この提携が、ライセンス契約の可能性を含む形式になっていることもうかがわせる。

これまでWaymoは、自動車メーカーと提携するという戦略を採ってきた。Waymoが、ハードウェア一式、ソフトウェア、コンピューターシステムのデザインを取り仕切り、その後、自動車メーカーと共同で、Waymo Driverと呼ばれるシステムの組み込みに対応した車両を開発するというものだ。こうした提携は、主に配車サービスでの利用を念頭に置いているが、地域ごとの配達、トラック輸送、さらには自家用車に適した形にカスタマイズすることも可能だ。

両社間のライセンス契約が成立すれば、それはWaymoとFiat Chrysler Automobiles(フィアット・クライスラー・オートモビルズ、FCA)との提携に似たものになるだろう。2018年5月、FCAはWaymoとの契約を拡大し、クライスラーのミニバンであるPacifica Hybrid(パシフィカ・ハイブリッド)を最大6万2000台、Waymoに供給すると発表した。さらに同時にFCAは、一般消費者向け車両にWaymoの自動運転車技術を組み込むための、同技術のライセンス契約の道を探っているとも話していた。

Waymoは、Jaguar Land Rover(ジャガー・ランドローバー)と、同社の完全電気自動車I-Pace(アイペース)を最大2万台を購入するサプライヤー契約を結んでいる。また2020年6月には、Waymoは、Renault(ルノー)と日産との間で、商用自動運転車による人や荷物の輸送をフランスと日本で行う可能性を研究するための提携も結んだ。

だがVolvoには、Uber(ウーバー)の自動運転部門Uber Advanced Technologies Group(アドバンスト・テクノロジーズ・グループ、ATG)との契約もまだ継続していることを忘れてはいけない。VolvoもUber ATGも、4年間の提携関係は今も続いていることを認めている。この提携の下で、Volvoは、自動運転車用に開発した車両をUberに供給している。この特製Volvo XC90には、Uberの自動運転ソフトウェアの利用に必要なハードウェアが搭載されている。Uberはそれを受け取り、自動運転ソフトウェア・スタックを統合する。Volvoは「自動運転対応車両を数万台供給する包括協定をUberと結んでいる」と話している。

画像クレジット:Waymo

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(翻訳:金井哲夫)

新型コロナで延期していたテスラの大規模バッテリーイベントと株主総会は9月15日に仮決定

Tesla(テスラ)のCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏はかなり前から「Battery Day(バッテリー・デイ)」を宣伝してきたが、とうとう数カ月以内には実現する見込みだ。マスク氏はTwitter(ツイッター)で、2020年9月15日が「テスラの株主総会とバッテリー・ディ」の「仮予定日」となり、これには通常の株主総会とテスラ車両に電力を供給するバッテリーのセル生産システムの案内が含まれると語った。

もともと2020年4月に予定されていた 「バッテリー・ディ」 は、すでに何度か延期されている。5月そして6月へと延期されたが、マスク氏が明かした最新の9月というスケジュールは、現在進行中の新型コロナウイルスによる世界情勢と、テスラ社内での新型コロナウイルス(COVID-19)への対応、地方自治体によるロックダウン、従業員の健康と安全に関する複雑な問題(Bloomberg記事)を考えると、はるかに現実的に思える。

パワートレインのコンポーネントを含む予定だった以前のイベント内容は変更され、バッテリー・デイはバッテリー性能と出力の改善に焦点が絞られる。Tesla Model Sは、走行距離400マイル(約640km)以上のEPA認定を得た最初かつ唯一の電気自動車であり、またテスラは低コストで長寿命の新しいバッテリー技術に取り組んでいることが報じられており、2020年中か2021年初めに中国向けのModel 3に導入される計画だとReuters(ロイター)が2020年初めに報じている。

これはテスラが2019年にサイバートラックを発表して以来、初めての重要なイベントとなるだろう。同社のバッテリー技術に関する革新は、内燃式燃料車からより多くの顧客を移行させ続けるという点で、テスラにとって最も重要な優位性となる可能性が高く注目を集めることになるだろう。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

さよならセグウェイ、20年の歴史に幕が閉じる

Segway(セグウェイ)のストーリーは、21世紀初期において最もセンセーショナルなテック製品の登場を抜きにしては語れない。「Ginger」と「IT」という開発コードネームが付けられたパーソナルモビリティのデバイスの登場によって、未来派の人たちは歩道と街を一変させ得る方法について真剣に話を交わすことになった。

しかし最初のプロダクトのリリースから20年が経ち、二輪車Segway PTの歴史は幕を閉じる(FAST COMPANY記事)。親会社Ninebot(ナインボット)は、Dean Kamen(ディーン・ケーメン)氏の最も知られた発明である製品の生産を終了し、生産していたニューハンプシャーにある工場の従業員21人を解雇する。よくあるように、物事は想定したようには運ばなかった。

これまでSegwayはツアーガイドや警官の間で愛されてきた。もちろん、 みんなのお気に入りであるKevin James(ケヴィン・ジェームズ)の映画はSegwayがなければ違うものになっていただろう。結局、同社は20年あまりで14万台を販売し、ニッチなパーソナルモビリティとなった。

2015年4月にSegwayはNinebotに買収された。中国のロボティックスタートアップであるNinebotは、スタンダードなキックスクーターからCESで発表された座るタイプの卵型モビリティ製品まで、すべての万能パーソナル移動デバイスの生産を継続した。一方、ケーメン氏は他のものに移った。ちょうど先週、同氏が細胞から臓器をつくるエンジニアリングに取り組んでいることが明らかになった(CNBC記事)。こちらは、セルフバランススクーターよりも大きな変革を起こすイノベーションになるかもしれない。

「20年前は素晴らしいイノベーションだった」とSegwayの副社長Tony Ho(トニー・ホー)氏はCNNに語った(CNN記事)。「現代では少し時代遅れのようだ」。同氏はまた、Segway PTがNinebotの全売上高に占める割合は1.5%だとも述べた。

このプロダクトはケーメン氏がセルフバランスの車椅子に取り組む中で派生した。立ち上げ当初、Steve Jobs(スティーブ・ジョブズ)氏を含むテック界の多くのスターたちにもてはやされた。ジョブズ氏は発明に部分的に関与している。Segwayはリリース後、忘れられないニュースをいくつか生み出した。その1つが英国の起業家であるJimi Heselden(ジミ・ヘーゼルデン)氏の死だ。ケーメン氏からSegwayを買収した数カ月後、ヘーゼルデン氏はSegwayごと崖から落ちた(The New York Times記事)。

尋ねる人にもよるが、Segway PTは技術のはやり廃りやこの世界にとってあまりにも美しすぎる革新的な製品についての訓話だ。いずれにせよ、Segwayは時代に痕跡を残した。

画像クレジット:Mario Tama / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

2020年ベントレー新型フライングスパー:極上の乗り心地とパフォーマンス

なんと言ってもBentley(ベントレー)なのだ。最高である。

ベントレーの新型フライングスパーはラグジュアリーを極めた高級セダンである。ほとんどのスポーツカーよりも大きなエンジンを搭載し、極上の座り心地の4つの座席を備え、まるでシャワーフロアを滑る石鹸のようになめらかに道路を滑走する。27万9000ドル(約3000万円)という価格を掲げたさすがの仕様である。

パワフルであるにもかかわらずこの上なく快適なのがこのセダンの特徴だ。ベントレーによると、同車はW型12気筒エンジンを搭載しており時速は207mphに達するとのことだが、それを確かめようという気にはなれなかった。速く走るということは、目的地に早く着いてしまうということだからだ。新型フライングスパーを試乗した1週間、ずっと運転していたいとどれほど願ったことか。

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レビュー

新型フライングスパーはベントレーのセダンにおける長い歴史を反映している。ベントレーの4つのラインナップの中でフライングスパーは、豪華なミュルザンヌモデルのひとつ下のより手頃な価格のモデルとして格付けされており、よりドライバーにフォーカスしたセダンである。サイズは若干小さく少し控えめではあるものの、それでも仕上がりは秀逸である。

ボンネットのクリスタルオーナメントに至るまで、フライングスパーの全ては極上の体験を叶えるためにデザインされている。後部座席のヘッドレストのピローは、著者のベッドにある枕よりも柔らかくサポート力がある。マッサージシートの機能は的確。オーディオは響き渡る低音とクリアな高音が楽しめる驚きのクオリティだ。

フライングスパーが持つ快適性は、格下クラスの車種でも提供されている。大型セダン向けのマッサージシート、贅沢な素材、大型セダンにして卓越したドライビングダイナミクスは、8万ドル(約860万円)のキャデラックや15万ドル(約1600万円)のメルセデスベンツでも体験できるのだ。私はこれらの車を全て運転したことがあり、どれも素晴らしいのだが、フライングスパーはどの点においても少しずつ他社を上回っている。しかし、他社よりもはるかに高額なこの価格が正当性を持つか否かは、お金を払う人が決めれば良いことである。

ラグジュアリーで惹きつけ、パフォーマンスで心を掴む

フライングスパーの走りは堂々たるものだ。ボンネットの下に搭載されたW型12気筒エンジンがクルージングに十二分なパワーを提供。最高出力626hpと663フィートポンドのトルクを発揮し、パワーは底なしだ。これこそが堂々たるセダンに必要とされているものなのである。車両の俊敏性を高めるために再構成されているものの、過去のモデルと同様、今回アップデートされた フライングスパーも全輪駆動を採用している。今回の仕様では、ほとんどの動力が後輪に送られる。前輪に動力が供給されるのは、主に車が後部のスリップを検出した場合だ。その結果、高速のスタートを切っても十分な安定性を確保できるようになった。

高速時にフライングスパーはその実力を発揮する。なめらかなシフトと驚くほどの惰性能力で道路を走り抜ける。アクセルオフ時には余力で延々と惰性走行を続けていられるような感覚だ。実際に機械面で同社は卓越した成功を収めており、ドライバーと同乗者双方に比類ない乗り心地を提供している。フライングスパーの乗車体験を極上のものにするために熟練した運転手は必要ない。ベントレーはあらゆる問題点を細やかに解決。アグレッシブな運転であっても乗り心地を快適なものにしてくれる。

新型フライングスパーでの居眠りは禁物だ。この車は3.7秒で時速60マイルに達するのだ。これより速い車はあるが、このベントレーほど大きな車でこの実力はほぼ存在しない。スピードを出してもサイズ感が安定感をもたらし、音の遮断効果のおかげで運転席のすぐ目の前で起きているエンジンの激しいドラマからドライバーを隔離。誤解のないよう言うと、フライングスパーは高速ではあるものの素早いという感覚とは違う。これは素晴らしいことである。ベントレーがもたらすエクスペリエンスは、首の折れるような高速スタートとは一線を画すものなのだ。

ヘッドレストピローが最高だ

インテリアには期待通りの設備が整っており、広さも余裕のある造りだ。ドライバーは快適かつ見晴らしの良い位置にゆったりと収まり、後部座席の乗客は5つ星ホテルにある枕と同じくらい柔らかいヘッドレストで快適に過ごすことができる。

セダンにモダンな要素をプラスすべく、車載インフォテインメントスクリーンが中央に埋め込まれている。超ワイドスクリーンにユーザーコントロールのほとんどが表示されるが、これは少し時代遅れに感じられる。フォルクスワーゲンブランド全体(VWはベントレーを製造している)の他のトップクラスの車両と比較すると、触覚フィードバックやエアージェスチャーなどの先進的な機能やデザインの洗練性において同システムは劣っている。

しかし画面自体には驚かされる。ボタンを押すだけで画面が逆回転し、木製のトリムに埋め込まれた3つのアナログダイヤルが姿を表す。モダンな要素を隠し、ベントレーが誇る時代を超えたエレガンスを演出する上品なクラフツマンシップである。

ベントレーフライングスパーの車内はある意味、馴染みのあるものだ。回転するインフォテインメントシステムを除くと、フィット感やトリムは、アウディ、メルセデス、レクサスによるトップクラスのセダンと変わらない。他とは違うインテリアを望む場合は、ベントレーミュルザンヌにステップアップするしかない。

後部座席にもリクライニングリアシート、マッサージャー、車内温度とメディアを調節するタッチスクリーンを備え、前部座席と同様の心地良さを実現。しかし大型セダンにしては後部座席の足元の余裕は少ない。快適ではあるものの、身体の大きい大人は予想よりも窮屈に感じるかもしれない。少なくとも現時点では、フライングスパーでは拡張ホイールベースを備えていない。後部座席に座ると前部座席よりも特別な体験を得ることができる。何せこのヘッドレストピローが極上なのである。

フライングスパーの約27万9000ドル(約3000万円)という価格は、BMW、アウディ、メルセデスのトップクラスのセダンをはるかに上回っている。これら自動車メーカーのスーパーセダンも同レベルのパフォーマンス統計と豪華な仕様を備えているため、売り上げは難航するだろう。生で見るとフライングスパーは競合他社とは異なる威厳を放っているのが分かる。フライングスパーはテクノロジーを内部に秘めつつ、時代を超えたエレガンスを体現しているのだ。

フライングスパーはドライバーと同乗者双方に素晴らしい体験をもたらしてくれる。一部の高級車は豪華さかパフォーマンスかのどちらかに重点が偏っており、これを両立させるのは簡単なことではないが、ベントレーのセダンは見事にこれを実現してくれた。ドライバーはほとんどのスポーツカーに劣ることのない素晴らしいスポーツセダンを運転することができ、同乗者はこの上ない快適な乗り心地を体験できるのだ。

関連記事:フォードがハンズフリー運転機能を2021年導入、まずはマスタングEVに

カテゴリー:モビリティ

タグ:ベントレー 自動車 レビュー

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(翻訳:Dragonfly)

フォードが新型SUV「ブロンコ」の発売日を延期、OJシンプソン氏の誕生日を回避

Ford(フォード)は、人気SUV(スポーツ用多目的車)である2021年型Bronco(ブロンコ)の発売日を再度延期した。予定していた7月9日がO.J. Simpson(O・J・シンプソン)氏の誕生日に当たるためだ。アメリカンフットボールの元スター選手は、この看板SUVの最も悪評高い利用者である。

米国時間6月19日、メーカーは新たな発売日を7月13日に決めたことをツイートした。

シンプソン氏の誕生日とBroncoに何のつながりがあるのか理解できない読者のために、簡単に歴史を紹介しよう。1994年、シンプソン氏は妻のNicole Brown Simpson(ニコール・ブラウン・シンプソン)氏とその友人、Ronald Goldman(ロナルド・ゴールドマン)氏の二人を殺害した罪に問われた。シンプソン氏は自首することなく、友人の運転する白の1993年型ブロンコに乗り、警察による低速度の追跡を受けた。この様子は地元局とケーブルテレビで放映され、ブロンコはポップカルチャー現象になった。シンプソン氏は無罪を言い渡された。

フォードは、発売日の一致は偶然だと語った。ブロンコの再発売は数年前から予測されていた。2017年、同社は長年にわたる顧客の要望と憶測を受け、ブロンコの復活を発表した。30年続いた販売を1996年に終了したミッドサイズSUVは今年3月にデビューする予定だった。しかし、新型コロナウイルスのために、多くの新車発表とともに中止されていたのだ。

画像クレジット:Ford/screenshot

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

BMWとメルセデス・ベンツは合意発表から1年未満ながら「長期」自動運転アライアンスを打ち切り

BMW Group(ビーエムダブリュー・グループ)とMercedes-Benz AG(メルセデス・ベンツAG)は、次世代自動運転技術を共同開発するために結んだ長期的なコラボレーション合意を、発表後1年も経たないうちに諦めることとなった。

ドイツの自動車メーカーたちは、この合意解消を「双方にとって友好的なもの」と呼び、それぞれが現行の開発路線に集中することに同意した。それぞれの新しい路線には、新規または現在のパートナーとの連携が含まれる可能性がある。両社はまた、後日協力が再開される可能性があることも強調した。

2019年7月に発表されたこのパートナーシップは、決して排他的なものではなかった。独占が目的ではなく、自動運転技術の開発、テスト、検証という、投資を集約しなければならない作業を共有することを目的にして、既存のメーカー間で緩やかな開発契約を結ぶという、増え続ける一般的アプローチを反映したものだったのだ。

両社はしっかりとした高い目標をいくつか掲げていた。このパートナーシップが目指していたのは、ドライバー支援システム、高速道路での高度に自動化された運転、自動駐車を開発し、2024年に発売される予定の一連の車種にこれらの技術を搭載することだった。

両社のコメントからは、どうやら期待されていた共同作業によるメリットが共有テクノロジープラットフォームの作成が予想よりも複雑で費用のかかる作業だという現実によって霞んでしまった様子がうかがえる。BMWとメルセデス・ベンツAGは、昨年契約が締結されるまでは、専門家による詳細な話し合いを行い、技術ロードマップについてサプライヤーたちと話をすることができなかったのだという。

「こうして行われた議論と、広範な検討の結果、両社は、共有テクノロジープラットフォームの作成に関連する費用、および現在のビジネスと経済状況を考慮して、協力を成功させるためのタイミングとしては適切ではないという結論に達しました」と両社は述べている。

BMWとメルセデスはそれぞれ他のプロジェクトやパートナーを抱えている。例えばBMWは、Intel(インテル)、Mobileye、Fiat Chrysler Automobiles(フィアット)、Ansysたちと行なうコラボレーションの一員だ。またDaimler(ダイムラー)と Bosch(ボッシュ)は2019年に、サンノゼでロボタクシーのパイロットプロジェクト(未訳記事)を開始した。

一方、両社はまだ他の分野では協力を行っている。5年前には、BMWとメルセデスベンツの親会社であるダイムラーAudi AGと3社共同で、位置情報ならびに技術プラットフォームであるHEREを買収した。その後、その所有コンソーシアムはより多くの企業を抱えるように成長した。

また2019年には、BMWグループとダイムラー AGはNOWファミリー傘下の合弁事業にモビリティサービスを統合している。

なお、以上の話題とは別に、ドイツ時間6月19日にBMWは、ドイツ労働評議会との間で6000人の雇用削減の合意に達したと発表した。新型コロナウィルス(COVID-19)のパンデミックによる販売の低迷が引き金となったこの削減は、早期退職、一時契約の非更新、余剰ポジションの手仕舞いと空ポジションに対する採用を行わないことによって達成されるとMarketwatchは報告している

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(翻訳:sako)

フォードがハンズフリー運転機能を2021年導入、まずはマスタングEVに

Ford(フォード)はハンズフリー運転機能の提供を2021年下半期に開始し、まずは新Mustang Mach-E(マスタング・マッハE)電気自動車に搭載する。

Active Drive Assist(アクティブ・ドライブ・アシスト)と呼ばれるハンズフリー運転機能は、 Ford Co-Pilot360 Active 2.0 Prep Packageという高度なドライバーアシスタント機能を集めたパッケージの一部。しかしその中で最も注目を集めるのがハンズフリー機能だ。

ハンドルに運転監視システム(未訳記事)が搭載されているMustang Mach-Eが昨年発表されて以来、ハンズフリー機能は予想されていたものだった。

同社の発表には重要な注意点がある。技術は目を見張るものである一方で、あらゆる環境で、そしてあらゆるフォード車両で利用できるものではない。この機能を利用したいドライバーは2021 Mustang Mach-Eと追加でActive 2.0 Prep Packageを購入する必要がある。このパッケージにはシステムをサポートするセンサーなど専用のハードウェアが含まれている。そして用意が整ったら、ハードウェアとは別にソフトウェアを購入する。「ソフトウェアは2021年第3四半期にディーラー店で、あるいは無線アップデートで追加できる」と同社は説明する。これらはそれなりの費用がかかるが、価格はまだわかっていない。

ハンズフリー機能は、あらかじめマッピングされた米国とカナダの10万マイル(約16万km)の中央分離帯のある高速道路で利用できる。監視システムには、ドライバーの顔をとらえる高度な赤外線カメラが含まれる。このカメラは、ドライバーが運転に注意を払っているかを確かめるために視線や頭の位置を追跡する。DMSはハンズフリーモードと、ドライバーがレーンの中央を走行するレーンセンタリングモードを選んだときに使用される。レーンセンタリングモードは、線が引かれているあらゆる道路で利用できる。視線を前方に向けていないドライバーには計器パネルでのビジュアル表示で注意を促す。

この「Prep Package」にはまた、最新の駐車アシストも含まれている。駐車アシストは水平あるいは垂直のスペースへの駐車をコントロールする。また駐車スペースで誰かがあなたの車の隣にぴったりと駐車したときに、側面センサーで駐車スペースから車を出すのを手伝ってくれる「Park Out Assist」機能も用意されている。

フォードはMustang Mach-EのシステムをTesla(テスラ)のModel Yと比較した。そして「Mustang Mach-Eはハンズフリーだが、テスラのドライバーアシスタンスシステムのAutopilotはそうではない」と強調している。しかしこの比較は厳密には公平ではない。

もっといい比較対象はおそらくライバルのGM(ゼネラル・モーターズ)だろう。GMもまたSuper Cruiseというハンズフリー運転システム導入で同様の慎重なアプローチを取っている。Super Cruiseにはドライバー監視システムも含まれる。GMはSuper Cruiseの搭載をCadillacブランドのフルサイズCT6セダンのみとし、特定の中央分離帯のある高速道路での使用に限定している。これまでGMはこの機能の性能を向上させ、活用できる場所を拡大してきた。そして他のモデルにも導入しようとしている。

画像クレジット: Ford

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(翻訳:Mizoguchi

Lucid Motorsが初のEVの生産を2021年初めにも開始

Lucid Motors(ルシード・モータース)は、新設するアリゾナ工場での高級電気自動車の生産を2021年早々に開始する。新型コロナウイルス(COVID-19)による影響で、当初予定から3カ月オーバーとなる。

同社は9月9日に開催されるオンラインイベントでLucid Airの生産バージョンを公開する予定だ。アリゾナ州カサグランデでの工場建設が数週間前に再開したことも明らかにした。今年中の第1段階完成を目標としている。同社はまた、カリフォルニア州にある施設での車両開発作業も再開した。こちらは外出禁止令の影響で一時中断されていた。

同社は米国6月17日、車両のインテリアやエクステリアの最終デザイン以上のものを9月9日のイベントで披露すると述べた。製造規格やコンフィギュレーション、価格なども発表する見込みだ。

「前例のない時代を経験しているが、ゲームチェンジャーとなる電気自動車を開発するという社の決心はこれまで以上に揺るぎないものとなっている」とLucid MotorsのCEO兼CTOのPeter Rawlinson(ピーター・ローリンソン)氏は声明で述べた。

新型コロナウイルスによる閉鎖は少なくとも今は過去のものとなり、Lucid Motorsは従業員の増強と工場建設の完了に注力しつつ、引越しと生産設備の準備に着手した。車両組立のための主な部品や施設は、工場完成を待たずしてインストールされる。そして工場が完成したら、同社はプロトタイプの製造を開始する。組み立てラインを2020年中に稼働させてプロトタイプを製造するが、プロトタイプは販売されない。同社によると、顧客向けの車両の生産は2021年初めに始まる見込みだ。

同社は現在1000人超を雇用しているが、Air生産開始に向け採用を強化している。過去3カ月で新たに160人超を採用した。そして今年末までに700人超を追加する計画だと述べた。

アリゾナ州カサグランデにあるLucid Motorsの工場(画像クレジット:Lucid Motors)

グローバルでの車両披露とアリゾナ工場第1段階完成はLucid Motorsにとって重要なマイルストーンとなる。同社は11年前に異なる社名とミッションのもとに設立された。当時はAtievaという社名で、電気自動車のバッテリー技術の開発にフォーカスしていた。その後電気自動車の開発にシフトし、2016年に現在の社名に変えた。

Lucid Motorsは当時好調だった。資金調達がうまくいき、Airを発表し、アリゾナに7億ドル(約748億円)の工場を建設する計画を明らかにした。そしてSamsung(サムスン) SDIとリチウムイオンバッテリー供給の契約を結び、広いオフィスに移った。その後、突然同社は1年ほど沈黙し、金のかかる工場建設とAir生産を実行するために必要な残りの資金の調達に取り組んだ。

2018年に同社はサウジアラビアの政府系ファンドから10億ドル(約1069億円)の資金を確保した。その際同社は、調達した資金はエンジニアリング開発、Lucid Airのテスト、アリゾナでの工場建設、北米を皮切りとする小売戦略のグローバル展開、生産開始にあてると述べていた。

画像クレジット:Lucid Motors

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(翻訳:Mizoguchi

Lyftがプラットフォームの全車両を2030年までに電気自動車にすると約束

Lyft(リフト)は米国時間6月17日、同社のプラットフォーム上のすべての車、トラック、SUVを2030年までに電動もしくは他のゼロエミッション技術を活用したものにすると明らかにした。このためには同社はドライバーがガソリン車からEVに移行するよう誘導する必要がある。

環境防衛基金(EDF)やほかのパートナーの支援を得ながらLyftは複数のプログラムで取り組みを展開する。ここには、同社の自動走行車両、ライドシェアドライバー向けのExpress Driveレンタカーパートナープログラム、消費者向けのレンタカー、Lyftアプリでドライバーが使う専用車が含まれる。専用車部門は巧妙なものだ。

Lyftの目標達成を難しくする要注意点がある。同社は、ドライバーが電気自動車を持っていなかったらLyftプラットフォームを使うことができないようにするつもりはなく「そうした条件が必要とは思わない」とTechCrunchに語った。つまりLyftはドライバーがそうしたくなるよう、電気自動車への移行を魅力的なものにしなければならない。

「目標を達成するためにインセンティブを提供したりする計画はない」ともLyftは語った。「我々はドライバーがインセンティブ基金にアクセスするよう積極的に促進する」と広報担当は述べた。「もし政策立案者たちが今後数年間協力すれば、電気自動車は5年以内にコスト面でガソリン車と同等となるはずだ」。

競合相手や政策立案者、自動車業界の電動化への移行を推進するためにLyftは自社プラットフォームのスケール展開を活用する計画だ、と同社創業者で代表取締役のJohn Zimmer(ジョン・ジマー)氏は6月17日の記者会見で述べた。

「Lyftは創業8年で、これまでの時間の大半は社の生き残りやLyftが影響を及ぼしうる存在になることに費やされてきた。そしていま我々はリードする立場になり、責任を感じている」。

2030年までの達成という目標に向け、同社は2つの大きな問題に直面している。電気自動車はガソリンで動く大半の乗用車、トラック、SUVよりも高価だ。また電気自動車の充電インフラは広く普及していなかったり、ライドシェア用に最適化されていない。Lyftは目標を達成するためにEDFやほかの環境リーダーのロビー活動力に頼ることになる。

ドライバーの電動への移行サポートにはポリシーロードマップの促進やツール開発が含まれるとするが、詳細は6月17日に発表された「ゼロエミッションへの道のり白書」に書かれている。

Lyftはまた、気候グループのEV100イニシアチブにも加わった。そして電気自動車への移行の加速と「電動乗り物による輸送を2030年までにニュー・ノーマルにする」ことを約束している企業グループとコラボするとも話した。

画像クレジット: Lyudinka / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

Audiが米市場にレベル2の自動化運転システムを研究、販売するためのオフィスをシリコンバレーに開設

Audiは高度な運転者補助システムを米国市場に適合させ、開発していくために、シリコンバレーにオフィスを開設した。

Audi Automated Driving Development(A2D2)と名付けられたR&Dオフィス はサンノゼにあり、まず約60名の社員が勤務する。同社によると、A2D2には「新しいソフトウェアを迅速に開発し、近所にあるスタートアップと協力して生産性の高いアプリケーションを開発する柔軟性がある」という。

この新しいR&Dオフィスは、Society of Automobile Engineers(米国自動車技術者協会、SAE)が定義する自動運転車のレベル2システムの開発にフォーカスする。レベル2システムは、2つの主要機能(ステアリングと加減速)が自動化されるが、常に人間のドライバーがいるというものだ。SAEの定義には5つのレベルがあり、レベル4は一定の条件下で運転のすべての要素を自動車自体が扱い、人間は介入しない。Argo AIやAurora、Cruise、Waymoなどはこのレベルに取り組んでいる。一般的にはるかに遠い目標だと考えられているレベル5では、あらゆる環境と条件下で運転のすべてを自動車自体が行う。

レベル2へのフォーカスは重要な決定だ。Audiはレベル3の自動化システムであるTraffic Jam Pilotを開発し、2017年にデビューする新世代車のA8に搭載するはずだった。しかし何度も延期を繰り返し、2020年5月にAudiはレベル3の自動化運転システムの実用化を諦めた。Traffic Jam Pilotは理論的には人間ドライバーが注視していなくても車両自体が自ら運転できるレベルだが、結局それが商用化されることはなかった。

同社は5月にTechCrunchに対して、法的フレームワークがないので明確なメーカー責任の定義ができない、と語っている。さらに厄介なことに、A8の世代は終わろうとしていた。Audiは、フレームワークの進捗の約束もないままで、A8のための自動運転車機能に資金を注ぎ込み続けるという事態に直面してしまった。

そこでAudiは方向を変え、実際に乗用車に実装できる高度な運転補助システムに資本と関心を向けることにした。同社によるとA2D2は、北米の道路と運転行動に向けたADASハードウェアおよびソフトウェアの開発に特化する最初のR&Dオフィスになる。

Audi of AmericaのADAS担当ディレクターであるFrank Grosshauser(フランク・グロシャウザー)氏は「北米地区の運転者補助技術は急速に進歩しているため、自ら最新のブレイクスルーの一部になり、最先端のスタートアップたちと協働して、優秀な人材を引きつけることが重要だ」と述べている。

Audiのスポークスパーソンはメールに「A2D2のオフィスは、当面の間、ここ米国における今後の前進のために極めて重要な存在であり、しかも運転補助だけでなく、ありとあらゆるセンサーシステムとそれらの組み合わせ、それによる運転体験と安全性の向上および近未来における顧客の利用のためにも重要なのだ」と記している。

A2D2のオフィスは、複数のAudi Q7開発車にデータ収集用のルーフ搭載型センサーキットを提供している。それらのデータにより、2023年に導入予定のクラウドベースの自動化運転手補助ファンクションが開発される。A2D2の開発車はQRコードでウェブページにリンクし、そこでは人びとがAudiの進歩とアップデートを手に入れることができる。

Audiは現在、Volkswagen Groupが新たに作った部門であるCar.Softwareとともに、自動化運転技術の研究開発を行なっている。今やVolkswagen Groupのすべてのブランドが、自動化運転技術の開発をこの新部門に集中させている。

画像クレジット:Audi

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

RV版Airbnb「Outdoorsy」で家族旅行に出かける人たち、急増中

世界中がかつてない不安感に包まれる中、何か手段があれば今年の夏は休暇にでかけたいと考えている人たちがいる。

新型コロナウイルスへの感染が引き続き懸念される今の状況では、多くの人にとって飛行機もホテルも選択肢からは外れるだろう(費用については言うまでもない。飛行機とホテルを利用する金銭的余裕がある米国民は4000万人減少する見込みだ)。そうなると、今年の夏は旅行先でAirbnb(エアビーアンドビー)を利用するしか方法はなさそうだ。あるいは、遠くに住む親族に会いに行くための交通手段と宿泊場所を確保するにはRV(レクリエーショナルビークル:キャンピングカーやキャンピングトレーラーなど)またはキャンパーバンのレンタルしかないと考えて、そのような車を初めてレンタルしようと計画する人も増えている。

TechCrunchは先週、後者のトレンドの波に乗りそうなOutdoorsy(アウトドアジー)の共同創立者兼CEOで連続起業家でもあるJeff Cavins(ジェフ・ケイヴィン)氏にインタビューを行った。アウトドアジーは2015年に設立されたRVの個人間レンタルサービス会社だ。起業後数年を創業者の自己資金で運営した後、8800万ドル(約95億3000万円)をベンチャーキャピタルから調達した。そのうち1300万ドル(約14億800万円)は、今年初めに静かに完了した5000万ドル(約54億1500万円)のシリーズB資金調達ラウンドの追加分だ。

レンタルプラットフォームを利用する車両オーナーからもレンタル利用者からも手数料を取るアウトドアジーに、顧客の変化や今夏の旅行先に関する最新トレンドについて意見を聞いた。以下がインタビューの内容だ(長さを調整するために多少の編集を行っている)。

TechCrunch(以下、TC):新型コロナウイルスによってアウトドアジーのビジネスモデルはどのように変化しましたか。

ジェフ・ケイヴィン氏(以下、JC):以前は、当社のレンタルサイト利用者の平均レンタル期間は約6日間でした。それが現在では9日間を超えるようになっています。他の多くの企業と同じく、当社も新型コロナウイルスの影響を受け、レンタルサイトでのキャンセルが相次ぎましたが、ある時期になるとものすごい勢いで予約件数が回復し、その後ある程度の件数で落ち着きました。新型コロナウイルスによる影響で一番落ち込んだ3月下旬と現在を比較すると、予約件数は2645%増加しています。

TC:予約全体のうち初回利用者の割合はどれくらいですか。

JC:5月は全予約件数のうち88%が初回利用者でした。これは当社史上、最高記録です。さらに、初回利用者の半数以上がリピーターとしてすでに次のレンタルを予約しています。つまり、5月に当社のレンタルサービスを利用してメモリアルデーの連休に旅行にでかけ、数日で戻ってきてすぐに、例えば7月の独立記念日や6月中の旅行のために予約した利用者が多かったということです。ご存じのとおり、多くの人は子どもたちと一緒に自宅で過ごしています。そのため、米国ではみんなが長い夏休みを過ごしているようなものです。さらに、子どもがいる家庭は特に、RVで移動すればより安全に旅行できると感じているようです。

TC:初回利用者が求めるサービスに何か特徴はありますか。RVを持つキャンプ熟練者だったら要求しないようなサービスを求めていますか。

JC:RV業界で見られる大きなトレンドとして、米国に限ったことではないのですが、新しい消費者は、大型キャンピングカーは求めていません。彼らが求めているのは、キャンパーバンです。なぜなら、当社のレンタルサイト利用者の平均年齢は40歳以下だからです。それまでベビーブーム世代や退職者世代が多めだったRV業界にとってこれは驚きの発見でした。また、当社のレンタル利用者はキャンプに電気設備を求めません。自分たちにとって快適で、資源の無駄が少なく、環境により優しい車を利用したいと思っているのです。そのため、ソーラー発電設備、可搬型の飲料水タンク、マウンテンバイクやスポーツギア用のフックなどが人気です。また、インスタ映えするユニークな場所に行きたい人も増えています。当社は以上のようなトレンドが出てきていると感じており、このトレンドは世界共通だと思います。

TC:昨年1月のインタビュー時、アウトドアジーのプラットフォームに登録されているレンタル用RVは3万5000台でした。現在の登録台数は何台ですか。

JC:現在、個人間レンタル用に登録されている台数は4万8000台です。米国外のユーザーも加えて、API経由でつながっているIndies Campers(インディーズ・キャンパーズ)やJucy(ジューシー)などから利用できる台数を含めると合計6万8000台になります。

TC:レンタル車両の消毒や病気の感染防止のためにどのような対策を実施していますか。

JC:どんな形態の宿泊施設でも衛生管理は重要な要素です。当社では、レンタルRVオーナー向けに、衛生管理に関するCDC(疾病予防管理センター)ガイドラインをまとめたものを作成しています。さらにオーナーには、次のレンタルまでに十分な時間を空けて、車両の消毒を手作業で丁寧に行うようにお願いしています。当社の投資家の中に、ハーバード大学での博士論文でノーベル化学賞を受賞した分子生物学者がおり、入手しやすい最新型紫外線ランプを使った消毒方法について当社の車両オーナーに周知するのを助けてくれています。この紫外線ランプは救急車でも使われていて、一定の時間照射すると、照射された範囲を完全に消毒できます。

レンタル利用者にも、消毒用品の持ち込み利用を勧めています。自分がいる環境は自分でコントロールできた方が安全だと感じる人が多いためです。当社では、レンタル時のキー引き渡しの非対面化を導入したため、今後は、オーナーがキャンプ場まで運転して車を運び、キャンプ用の日よけシートやアウトドア用チェアなどを設置した後でレンタル利用者がその場所に来る、といったことができるようになります。

TC:レンタル利用者の動向が変化しているとおっしゃいました。ちなみに、RVをレンタルしてもヨセミテやイエローストーンに向かうのではなく、例えば小さい子どもがいて在宅勤務が難しい人がRVをレンタルして近場の駐車スペースで仕事をする、というようなケースはありますか。

JC:そうですね、例えば、私はサンディエゴに住んでいますが、祖母はカンザスシティにおり、子どもたちが祖母に会いに行く手だてはありません。でもキャンパーバンやRVをレンタルすれば、自宅待機期間中でも愛する親族に家族で会いに行くことができ、家族の絆も強まります。このような用途でレンタルする利用者が増えています。

TC:今年の初め、予約キャンセルが続いたとおっしゃいました。レイオフをしなければなりませんでしたか。

JC:新型コロナウイルス感染症が流行する前、当社には160人の社員がいました。確かに、多少の組織再編は行いました。当社はイタリア、ドイツ、フランス、英国、オーストラリア、ニュージーランド(後に閉鎖)にもチームを置いていました。そして、新型コロナウイルスによって当社が受けたインパクトのほとんどは、米国外のマーケットからのものでした。米国内では人員をカットするのではなく、社員と一緒に座って話し合い、「もしすべての社員が減給を承諾してくれれば、その報酬として会社の株を譲る。今は会社の雇用を守るべきときではないだろうか」と提案しました。

私は無収入で働いています。給与は受け取っていません。他にも数名の役員が給与を辞退してくれました。社員に減給の見返りとしてより多くの自社株を渡すことで、社員と投資家が協力できるようにしました。

TC:ビジネスが持ち直してきている現在、次の資金調達の計画はありますか。

JC:今すぐにさらに資金を調達する計画はありません。5月は黒字でしたし、6月も黒字になると思います。現在のレンタル予約状況を見ると、新型コロナウイルスの第2波が来て再びロックダウンが実施されない限りは、7月、8月、9月も黒字になる見込みですので、今年は会計年度全体でも前年比増益になるかもしれません。

当社へのインバウンド投資打診はほとんどがレイトステージ・グロース投資家によるものです。会社としてそのような投資を受けたいのか、それとも、自分たちだけで決定して迅速に動ける今の環境を維持したいのかは、役員たちと十分に話し合って決めたいと思います。

関連記事:「RVのAirbnb」のOutdoorsyが2500万ドルを調達

Category:モビリティ シェアリングエコノミー

Tag:自動車 Outdoorsy

中国のBYDが「電気自動車のCPU」とも呼ばれるIGBTの生産で120億円相当を調達

米国の投資家であるWarren Buffett(ウォーレン・バフィット)氏が投資している中国の自動車大手BYD(比亜迪)は、電気自動車の生産で中国を自給自足にさせようと急いでいる。米国時間6月15日、同社は投資公告書面で半導体部門のBYD Semiconductorが8億元(約120億円)のシリーズA+を確保したことを発表した(BYDリリース)。

BYD Semiconductorの中核的製品である絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor、IGBT)は、EVの電力管理システムにシリコンコンポーネントで、その開発競争が問題となっている。この電子スイッチは電力損失の低減しと信頼性向上させるため業界の専門家たちは「電気自動車のCPU」と呼んでいる(蔚来記事)。EVの部品の中でバッテリーに次いで2番目に高価な部品で、市場調査によると総コストの7〜10%を占めている(CCF-GAIR2020記事)。

BYDはドイツの半導体大手であるInfineon Technologies AGと激しく争っており、2019年時点で中国の電気自動車で使用されるIGBTの58%がInfineonの製品だった。この年のBYDのシェアは、Citic Securitiesの記事によると18%だった

IGBTの生産には明るい未来があり、現在ブームになっているEVだけでなく、エアコンや冷蔵庫、高速列車など、その他の高エネルギー用途でも広く利用されている。IGBTの世界市場は2020年で100億元(約1520億円)近いと推計されている。同じくCiticの記事によると、2025年にはその4倍の400億元(約6070億円)になる。

この特大サイズの投資のわずか2カ月前には、深圳で上場しているBYDがそのチップ部門を分離し、独立の企業として上場した。投資家たちからの応募超過のため、この新子会社は19億元(約290億円)のシリーズAの直後に新たにA+のラウンドを調達した。

2回のラウンドの結果、親会社のBYDがBYD Semiconductor株の72.3%を所有することになり、同社の時価総額は102億元(約1550億円)となった。

IGBTを独自に開発できる唯一の中国企業である同社は、多方面から有力な投資家を集めている(CHINA SECURITIESリリース)。A+ラウンドにおける同社の投資家はSequoia Chinaを筆頭にシリーズAに参加した国営のCICC Capital、韓国の複合企業SK Group、スマートフォンメーカーのXiaomi(シャオミ)、Lenovo Group、ARM、中国最大の半導体ファウンドリSMIC、中国の自動車メーカーの共同投資となったSAICとBAICなどとなる。

BYDが電子部品の製造を始めたのは1995年で、主に自動車と再生可能エネルギーの分野に拡張してきた。本社は深圳にあり、同市の電動バスとタクシーのすべてに電力を提供している。同社はまた、電気自動車に対する政府補助の衰退にともない、海外市場への拡張も目指している。

画像クレジット:BYD’s new design center

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

テスラが米国産Model 3にもワイヤレス充電とUSB-Cポートが標準装備に

Tesla(テスラ)のカリフォルニア州フリーモントで生産されるModel 3にワイヤレス充電パッドとUSB-Cポートが標準装備されるようになるようだ。このアップグレードは最初にテスラ専門メディアのDrive Tesla Canadaが取り上げた。自動車専門メディアのElectrekもこの変更を報じた。

今回のアップグレードにより、テスラの中国工場で生産されるものと同じModel 3になる。ワイヤレスのスマホチャージャーとUSB-Cポートは3月から納車が始まった新Model Yにまず搭載された。 以来、この新機能を古いModel 3にも持ってくる取り組みを展開し、最初に中国工場で組み立てられたModel 3に登場した。Drive Tesla Canadaによると、6月4日以降に組み立てられたModel 3で標準装備となった。

Teslaはまだ、2020年6月4日以前のModel 3のオーナーには125ドル(約1万3000円)で新機能搭載を提供している。アフターマーケット企業のJeda ProductsもQiワイヤレスチャージャーを99ドル(約1万1000円)で販売している。

アップグレードはおそらく、組立をより効率的にすること、それから新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックで販売がスローダウンしているために、潜在顧客を引きつけられる車両にするのが狙いだろう。

Teslaは今年第1四半期にアナリストの予想を上回る8万8400台を販売した。それでも、新型コロナパンデミックにより需要が抑制され、またロジスティック面で問題が生じるなどしたために前四半期比21%減だった。同社は第1四半期に前四半期比2%減の10万3000台を生産(テスラのプレスリリース)した。

3月31日までの第1四半期には、新型コロナで中国と欧州のサプライチェーンや販売に混乱が生じた。期末に向かうにつれ、パンデミックによる経済への影響は米国に波及し、第2四半期はひどいものになっている。同社は通常、四半期末から数日して生産台数と販売台数を発表する。第2四半期は6月30日までだ。

画像クレジット: Tesla

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(翻訳:Mizoguchi

経営破綻の米レンタカー大手のHertzが最大1070億円の新株発行へ、なぜ?

米連邦破産法11条に基づく手続き中のHertz(ハーツ)は現在、最大10億ドル(約1070億円)相当の株式を発行できる。同社が狙うマーケットは、投機的な短期の賭けを好むトレーダーだ。

米デラウェア州破産裁判所による米国6月12日の決定は、Hertzに最大2億4680万株の未発行株を投資銀行のJefferies(ジェフリーズ)に売却することを認めた。6月11日に緊急要請を行ったHertzは「Jefferiesとの契約を結んでいない」と同社は米証券取引委員会への提出書類に記載した。

そう、ニューヨーク証券取引所と上場廃止を巡って争っている同社が、間もなく完全に消滅する可能性のある株式を新しく発行することができるのだ。そしてこのスキームに喜んで飛びつく用意がある個人投資家が多数いるようだ。

Hertz株は6月12日金曜日に2.83ドル(約300円)で取引を終え、前日終値から37.38%上昇した。同社の株価は、5月26日に終値で過去最低の0.56ドル(約60円)まで下げた後、400%以上上昇した。

Hertzは先月、米連邦破産法11条に基づく破産保護を申請(Hertzのプレスリリース)した。申請は決して驚きではなかった。レンタル業を営む同社は新型コロナウイルスのパンデミックに押しつぶされた。旅行や企業の出張がなくなり、Hertzには突然、未使用の資産、つまりたくさんの車が残された。収入の口がなくなっただけではない。中古車価格も下落の一途をたどり、車両の価値をさらに下げた。

同社は5月の申請で、破産手続き中は手元にある10億ドル(約1070億円)以上の現金を使って事業を運営し続けると説明した。その後、注目すべき資金源が現れた。株取引アプリのRobinhood(ロビンフッド)を使っているトレーダーらだ。

Hertzは今週、Robinhoodのデータを分析するウェブサイト「Robintrack」の人気チャートで2位になった。このチャートは、特定の銘柄を1日、3日、1週間、1カ月間保有しているユーザーの数を示す。今週、トレーダーの増加数で最も人気のあった株は電気自動車メーカーのNikola Motor(ニコラモーター)だった。Nikola Motorは少なくとも2021年まで売上がまったくないと予測されているものの、株価は急上昇した。

この不可解なトレンドにどっぷり浸かるために、TechCrunchのタイムマシンで2020年2月21日に遡ってみたい。Hertz株は、2018年1月以来の最高値である20.29ドル(約2200円)で取引を終えた。このとき、約1064人のRobinhoodユーザーがHertz株を保有していた。

新型コロナウイルスのパンデミックが景気を後退させ、Hertz株もそれに追随し2月21日から3月18日までの間に83%超下落した。その後株価は一瞬上昇し、再び下落を始め、5月26日には0.56ドル(約60円)で取引を終えた。2月の最高値から97.24%の下落だ。一方Robinhoodでは、Hertz株が購入するタイミングを迎えたように見え始めていた。株価が下がったため、RobinhoodのトレーダーはHertzに投資し始めたのだ。3月18日までに3500人を超えるRobinhoodユーザーがHertz株を保有していた。1カ月後、その数は1万8000人を超え、5月21日にはほぼ倍増して4万3000人を超えた。

画像クレジット:Robintrack

Hertzは5月22日、米連邦破産法11条の破産申請を行った。6月12日金曜日の時点で、17万46人のRobinhoodユーザーがHertz株を保有している。

はっきり言えば、Robinhoodは個人投資家が利用する多くのツールの1つにすぎない。Robinhoodで人気がある銘柄には幅広い投資家の市場心理が反映されていない可能性がある。だが、そこには若い投資家や新しい投資家の関心が投影されている。

画像クレジット:David Paul Morris/Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi