GMが「米国とカナダのすべての舗装道路」で使用可能になる新ハンズフリー運転支援システムを2023年より導入

General Motors(ゼネラルモーターズ)は、新しいハンズフリー運転支援システムを2023年に導入する予定だ。このシステムは、運転中に予想される状況の95%に対応でき、最終的には米国とカナダのすべての舗装道路で使用できるようになる。

GMは、米国時間10月6日から開催されている2日間の投資家向けイベントで、この新しい「Ultra Cruise(ウルトラクルーズ)」システムとそのいくつかの機能を発表した。ただし、GMはこのシステムの価格や使用料金、買い切り型になるのかそれともサブスクリプション制になるのかということは、明らかにしなかった。

GMは2017年に発表したハンズフリー運転支援システム「Super Cruise(スーパークルーズ)」を導入した際と同じように、今度も慎重にゆっくりと展開していく戦略を採るようだ。つまり、この新しいシステムはまず、高級車ブランドのCadillac(キャデラック)の新型車にオプションとして導入され、後にChevrolet(シボレー)やGMCなど、他のブランドでも徐々に利用できるようになるということだ。

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また、先代のシステムに比べればはるかに少ないものの、当初は利用できる場所が制限されることになる。Ultra Cruise搭載車の発売時には、まずは米国およびカナダの200万マイル(約322万キロメートル)以上の道路で、ドライバーはこのシステムを使用できる。GMによれば、使用できる道路は最終的に340万マイル(約547万キロメートル)にまで拡大される予定だという。Super Cruiseの初期仕様とは異なり、Ultra Cruiseは高速道路だけでなく、市街地や住宅地の道路、地方の舗装された道路でも利用できるように設計されている。

ただし、Super Cruiseがなくなるわけではない。最近では車線変更の自動化や牽引時のサポートもできるようにアップグレードされたこのシステムは、今後もGMの各ブランドのクルマにオプションとして提供される。

Super CruiseとUltra Cruiseの比較

Super Cruiseは、LiDARによるマッピングデータ、高精度GPS、カメラ、レーダーセンサーを組み合わせて使用する他、運転者が注意を払っているかどうかを監視するドライバー・アテンション・システムが搭載されている。Tesla(テスラ)の「Autopilot(オートパイロット)」運転支援システムとは異なり、Super Cruiseのユーザーはハンドルに手を置いておく必要はない。しかし、目線はまっすぐ前方に向けていなければならない。

この点はUltra Cruiseも同様だ。GMの自動運転グループでチーフエンジニアを務めるJason Ditman(ジェイソン・ディットマン)氏は、記者に向けた説明の中で、Ultra Cruiseがいわゆるレベル2の自動運転システムとして設計されていることを何度も指摘した。その機能はSuper Cruiseよりも信頼性が高く、より多くの道路で利用できるようになるにしても、ドライバーが常に注意を払っている必要があることに変わりはない。

つまり、Ultra Cruiseは「完全な自動運転」が可能なレベル4のシステムではないということだ。レベル4システムとは、特定条件のもとであれば、人間の介入を一切必要とせず、すべての運転操作を自動で行うことができる機能レベルのことで、GMの子会社であるCruise(クルーズ)などの企業が、ロボットタクシーという形を通じて実用化に取り組んでいる。

Ultra Cruiseは、Super Cruiseシステムの能力をさらに高めるように設計されている。Ultra Cruiseでは、カメラ、レーダー、LiDARの組み合わせを通して、車両周辺の環境を正確に360度、3次元で統計的に把握し、重要なエリアには冗長性を確保している。ただしGMでは、マッピングよりもセンサー類に大きく頼っているという。

このような仕組みによって、Ultra Cruiseシステムは、信号機への反応、ナビゲーションルートへの追従、制限速度の維持・遵守、自動およびオンデマンドによる車線変更、左折・右折、物体の回避、住宅地のドライブウェイへの駐車などを自動で行える。

さらにUltra Cruiseでは、フロントガラスの裏側に組み込まれたLiDARも使用する。この次世代システムを作動させるのは、5nmの拡張性が高いコンピューター・アーキテクチャで、これはGMの「Ultifi(アルティファイ)」ソフトウェア・プラットフォームや、車両ハードウェア・アーキテクチャ「VIP(ビークル・インテリジェンス・プラットフォーム)」と連携して機能する。

GMは先週、Ultifiという新しいエンド・ツー・エンドのソフトウェア・プラットフォームを開発しており、2023年から生産が始まる新型車に搭載すると発表した。同社によれば、このソフトウェアは、ドライバーがサブスクリプションで提供される車載機能を利用したり、無線アップデートを使って新しいアプリケーションやサービスを導入することが可能になるなど、広範囲にわたるさまざまな機能を提供できるようになるという。このソフトウェア・プラットフォームは、車両のデータ処理能力を向上させるハードウェア・アーキテクチャであるVIPの上に組み込まれる。

関連記事:GMが新しいソフトウェアプラットフォーム「Ultifi」を2023年から生産される次世代車に搭載

Super Cruiseと同様に、Ultra Cruiseにも車内カメラを使ったドライバー監視システムは搭載されることになる。さらに、GMはドライバーが必要とする情報を提供する新しいHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)を、Ultra Cruise搭載車に採用するとしており、これはドライバーが車両を操作する必要がある時にも使用される。その中心的な装備である「Ultra Cruise Dynamic Display(ウルトラ・クルーズ・ダイナミック・ディスプレイ)」について、GMではドライバーの視線の先に情報を直接表示できる「自由形式のディスプレイ」と表現している。

GMは、駐車時に車載センターディスプレイに表示できるUltra Cruiseアプリも開発している。このアプリは、ドライバーの統計情報、走行履歴などを見ることができるという。

画像クレジット:GM

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Qualcommがマグナを退け、先進運転支援技術を手がけるヴィオニアを約5000億円で買収

Qualcomm(クアルコム)が、スウェーデンの自動車技術会社Veoneer(ヴィオニア)を買収することに決まった。より高い入札額を提示して、Magna International(マグナ・インターナショナル)を退けたことになる。

クアルコムと投資グループのSSW Partners(SSWパートナーズ)は、米国時間10月4日、ヴィオニアを1株あたり37ドル(約4100円)、総額45億ドル(約5000億円)で買収すると発表した。買収が完了したら、SSWはヴィオニアのArriver(アライバー)技術(センサーとソフトウェアを含む先進運転支援システムスタック)をクアルコムに売却し、他のティア1サプライヤー事業は維持すると述べている。

ヴィオニアは以前、マグナ社へ自社を売却することに合意していた。社がマグナより18%すなわち8億ドル(約890億円)高い金額で入札を行うまで、この取引は前進するかのように見えた。しかし、クアルコムの時価総額1648億ドル(約18兆3000億円)に対し、253億ドル(約2兆8000億円)のマグナは応札しなかった。

関連記事:自動車技術会社VeoneerにQualcommがMagnaを上回る約5000億円で買収を提案

これはクアルコムにとって、2021年最初の大型買収というわけではない。同社は半導体や通信機器の設計・製造で知られているが、現在はその事業領域を拡大しつつある。1月には、高性能コンピューティングのスタートアップ企業NUVIA(ヌビア)を14億ドル(1560億円)で買収することで合意し、通信以外の市場を模索していた。今回の買収は、自動車メーカーが当たり前のように新車に搭載するようになっているADAS(先進運転支援)技術にとって、特に好材料のニュースと言えるだろう。

クアルコムがヴィオニアの買収提案を行ったのは、マグナの提案から約1カ月後のことだったが、まったくの驚きというわけではなかった。両社は2021年の初めに、運転支援システム用のソフトウェアとチップを開発するための提携を結んでいたからだ。

ヴィオニアは買収合意を解消することになったマグナに対し、1億1000万ドル(約122億円)の違約金を支払う。この買収の完了は2022年になる見込みだ。

関連記事:創業2年アップルとグーグルで活躍したチップ開発者のNUVIAをQualcommが約1460億円で買収

画像クレジット:Veoneer

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

MITがテスラ車ドライバーは「オートパイロット使用時に注意散漫になる」研究結果を発表

今週末までには、数千人のTesla(テスラ)車ユーザーが、同社の「Full Self-Driving(フル・セルフ・ドライビング)」と呼ばれる機能の最新ベータ版ソフトウェア(バージョン10.0.1)を、公道で試すことになる可能性がある。だが、米国の規制当局や連邦政府は、いくつかの顕著な事故が起きていることを踏まえ、このシステムの安全性を調査している

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テスラの「FSD」や「Autopilot(オートパイロット)」システムは、名前から想像するのとは違い、実際には完全な自動運転が可能なシステムなどではなく、いわゆる先進運転支援システム(ADAS)に過ぎない。マサチューセッツ工科大学(MIT)は、このシステムが実際にはそれほど安全ではないのではないかという懸念を裏づける新しい研究結果を発表した。人間のドライバーが開始させた同社の運転支援システムが解除されるエポックのデータ290件を調査した結果、部分的にこのシステムを使用している場合、ドライバーが不注意になる傾向があることがわかった。

「視覚的な行動パターンは、『Autopilot』の解除の前後で変化する」とこの研究報告には書かれている。「システム解除前のドライバーは、手動運転に移行した後と比較して、路上を見る回数が少なく、運転に関係のない領域に集中している。手動運転に切り替わる前は、視線が道路から外れている割合が大きく、より長く前方に視線を向けて補われることはなかった」。

テスラのElon Musk(イーロン・マスク)CEOによれば、(オプションとして設定されている)FSDソフトウェアを購入したすべての人が、より多くの自動運転機能を約束するこの新しいベータ版を利用できるわけではないという。テスラはまず、ドライバーが十分な注意力を維持していることを確認するために、テレメトリーデータを使って、7日間にわたって個人の運転指標を取得する。このデータは、所有者の車両を追跡する新しい安全性評価ページにも使用される可能性がある。このページは保険にリンクされる。

MITの研究は、ドライバーがテスラのAutopilotシステムを推奨通りに使用していない可能性があることを示すものだ。Autopilotには交通状況に合わせて機能するクルーズコントロールや、自動的にハンドルを制御するオートステアリングなどの安全機能が搭載されているため、ドライバーは注意力が低下し、ハンドルから手を離すことが多くなる。このような行動が起きるのは、ドライバーがAutopilotの機能やその限界を誤解していることが原因である可能性があり、この機能がうまく働くほど、それらの誤解は強化される傾向があることを研究者たちは発見した。タスクが自動化されたドライバーは、視覚的・身体的な注意力を維持しようとすると自然と飽きてしまい、それがさらに不注意を生むと、研究者たちは述べている。

「A model for naturalistic glance behavior around Tesla Autopilot disengagements(テスラオートパイロット解除時の自然な視線の行動モデル)」と題されたこのレポートは、テスラの「Model S(モデルS)」および「Model X(モデルX)」のオーナーの日常生活を、1年以上にわたってボストン全域で追跡調査した後にまとめられたものだ。調査対象となった車両には、CAN-BUSとGPS、そして3台の720pビデオカメラから継続的にデータを収集する「Real-time Intelligent Driving Environment Recording(リアルタイム・インテリジェント運転環境記録)」データ収集システムが搭載されていた。これらのセンサーは、車両の運動、ドライバーと車両制御装置の相互作用、走行距離、位置情報、ドライバーの姿勢、顔、車両前方の景色などの情報を提供する。MITは約50万マイル(約80万キロメートル)分のデータを収集した。

この研究に関わった研究者たちは「自然主義的なデータに基づき、自動運転下におけるドライバーの注意力の変移の特徴を理解し、ドライバーが運転タスクに十分に従事し続けるためのソリューションの開発を支援することができる」という視線行動のモデルを作り上げた。これは、ドライバー監視システムが「不規則な」視線に対処するために役立つだけでなく、自動化がドライバーの行動に及ぼす安全上の影響を研究するためのベンチマークとしても利用できる。

Seeing Machines(シーイング・マシーンズ)やSmart Eye(スマート・アイ)のような企業は、すでにGeneral Motors(ゼネラルモーターズ)、Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)、Ford(フォード)などの自動車メーカーと協力して、カメラを使ったドライバー監視システムを、ADAS搭載車に導入するだけでなく、飲酒運転や運転障害による問題にも対応している。技術はすでに存在しているのだ。問題は、テスラがそれを使おうとするかどうかである。

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画像クレジット:Bloomberg / Contributor under a license.

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

2022年型シボレー・シルバラードに大規模なテクノロジー系アップグレード、ハンズフリー運転支援機能も採用

GMは米国時間9月9日、フルサイズ・ピックアップトラック「Chevrolet Silverado(シボレー・シルバラード)」の2022年モデルを発表した。ハンズフリー走行が可能な先進運転支援システム「Super Cruise(スーパークルーズ)」や、Google(グーグル)サービスを組み込んだインフォテインメントシステムなど、大きなテクノロジー系のアップグレードを受けた他、インテリアが一新されている。また、新たなフラッグシップモデルとして、工場出荷時にサスペンションのリフトアップを施したオフロードトラック「ZR2」もラインナップに加わった。

シルバラードのリフレッシュは、シボレーとGMCのピックアップトラックを含む、GMの電気自動車攻勢に先駆けて行われた。GMは2025年までに30台の新しい電気自動車をグローバル市場に投入し、2035年までに全車をゼロエミッション(排ガスを一切出さない)車に移行することを目指している。GMによれば、この新しいシルバラードは2022年春よりディーラーに並ぶ予定だという。

2022年モデルのシボレー・シルバラードは、エクステリアもリフレッシュされ、新しいフロント・フェイシアや、ドライバーが車両に近づいたり離れたりすると光がアニメーションするデイタイム・ランニング・ライトなどが採用された。しかし、本当の意味での変化は、このトラックのキャビンと、そこに搭載されたハードウェアとソフトウェアの根幹に見出すことができる。

2022年型シボレー・シルバラード ZR2と新型ヘッドライト(画像クレジット:GM)

最もベーシックなエンジンは、2.7リッター直列4気筒ガソリンターボ「High-Output(ハイアウトプット)」エンジンで、その最大トルクは前モデル比20%増の420 lb.-ft.(569Nm)を発生する。これを搭載する2輪駆動モデルの最大牽引力は9500ポンド(約4.3トン)。組み合わされる8速オートマティック・トランスミッションはシフトスケジュールが見直され、シフトがスムーズになっただけでなく、すばやくシフトダウンして必要なパワーを引き出せるようになった。

3.0リッター直列6気筒ターボディーゼル「Duramax(デュラマックス)」エンジンも改良され、最大牽引力が1万3300ポンド(約6トン)になった(2輪駆動車)。グレードによっては、5.3リッターと6.2リッターのV8ガソリンエンジンも選ぶことができる。

より広々とした印象に刷新されたインテリアには、13.4インチのタッチスクリーンと12.3インチの表示変更可能なデジタル・メーターパネルを「LT」以上のグレードに標準装備。オーナーはリアカメラミラーやヘッドアップディスプレイを追加することもできる。

2022年モデルで追加されたシボレー・シルバラード ZR2(画像クレジット:GM)

インテリアは新色が用意され、シートのデザインも変更を受けた。新たにプレミアムな素材も採用されている。バケットシートを装備するモデルでは、センターコンソールに電子制御式シフトコントローラーが内蔵された。

シボレー・トラックのリード・インテリア・デザイナーを務めるAlexandre Scartezini(アレクサンドル・スカルテジーニ)氏は、より現代的で洗練された「デザインのDNAにCorvette(コルベット)からの影響を感じさせる」ものになったと述べている。

すべてGoogle

車内のさらに奥、すなわちインフォテインメントの部分では、Google、さらに言えばAndroid Automotive(アンドロイド・オートモーティブ)がオペレーション・システムの中核を担っていることにユーザーは気がつくだろう。つまり、Googleアシスタント、Googleマップ、Google Playが、すべてインフォテインメント画面に統合されているのだ。

Android Automotive OSと、Android Auto(アンドロイド オート)を混同してはいけない。後者はオペレーション・システムの上に載せる二次的なインターフェースだ。ユーザーのスマートフォン上で動作するアプリであり、車両のインフォテインメントシステムと無線で通信する。新型シルバラードは、Android AutoとApple CarPlay(アップル カープレイ)の両方に対応している。GMによると、このシステムはAmazon Alexa(アマゾン アレクサ)とも連携するという。

一方、Android Automotive OSは、Linux上で動作するオープンソースのモバイルOSを原型としているる。しかし、スマートフォンやタブレットを動かす代わりに、Googleは自動車メーカーが自動車内で使えるように改変した。Googleは以前から、このOSのオープンソース版を自動車メーカーに提供してきた。近年では、自動車メーカーはグーグルと協力して、Googleのすべてのアプリやサービスが組み込まれたAndroid OSをネイティブに構築している。

ハンズフリードライブ

シルバラードの全車には、自動緊急ブレーキ、車線逸脱警告および車線逸脱防止支援、前方衝突警告、車間距離表示、ハイビーム自動切り替え式ヘッドライト、前方歩行者検知ブレーキという6種類のアクティブセーフティ機能が標準装備されている。

今回の大きな変更は、さらにハンズフリー運転支援技術「スーパークルーズ」が追加されたことだ。これは最上級トリムの「High Country(ハイカントリー)」にオプションとして設定される。シルバラードのスーパークルーズは牽引中でも使用できるのが特徴だが、レーンチェンジ・オン・デマンドやオートマティック・レーンチェンジなど一部の機能は、牽引中には制限される。

スーパークルーズは、LiDARマップデータ、高精度GPS、カメラ、レーダーセンサー類の組み合わせで実現する機能だ。併せて、運転者が注意を払っているかどうかを監視するドライバー・アテンション・システムも搭載されている。Tesla(テスラ)の運転支援システム「Autopilot(オートパイロット)」とは異なり、スーパークルーズのユーザーは、ハンドルから手を離しても大丈夫だ。ただし、目線は前方に注意を向けていなければならない。

GMは2017年にスーパークルーズを導入して以来、着実に改良を重ねてきたが、その採用は何年もの間、同社の高級ブランドであるCadillac(キャデラック)に限定されており、ハンズフリー運転が可能な場所も特定の高速道路の定められた区間に限られていた。しかし、それは2019年にGMがより多くのモデルやユースケースに拡大する計画を発表してから変わった。現在、このシステムは米国とカナダの20万マイル(約32万キロメートル)以上の道路で作動させることができる。

他にもシルバラードには、牽引するトレーラーの長さも考慮に入れて、車線変更時に死角にある車両を警告する機能など、牽引時に役立つ運転支援機能が採用されている。

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画像クレジット:GM

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

インテル子会社モービルアイとレンタカー大手Sixtが2022年にドイツで自動運転タクシーサービスを開始

Intel(インテル)の子会社で先進運転支援システムの開発で知られるMobileye(モービルアイ)と、レンタカー / カーシェアリング大手のSixt SE(シクストSE)は、2022年よりミュンヘンでロボタクシー(自動運転タクシー)サービスの開始を計画している。両社のCEOが、9月7日にドイツで開幕したIAA MOBILITY 2021(IAAモビリティ2021)ショーで発表した。

このロボタクシーサービスは、近年開発または買収してきたIntelの(そして特にMobileyeの)資産をすべて活用したものになる。それらの中には、2020年に9億ドル(約990億円)を投じて買収したMoovit(ムーヴィット)の技術も含まれる。このイスラエルのスタートアップ企業は、都市の交通パターンを分析し、公共交通機関を中心とした交通手段の提案を行うアプリを提供している。

このパートナーシップにより、乗客はMoovitのアプリを使ってロボタクシーのサービスを利用できるようになる。また、このサービスはSixtの「ONE(ワン)」アプリを介しても提供される。これはユーザーが配車やレンタカー、カーシェアリング、サブスクリプションなど、Sixtのモビリティサービスを利用するためのアプリだ。

当初は大規模な商用サービスとして展開されるわけではない。Mobileyeのロボタクシーは、2022年にミュンヘンの街中で、アーリーライダー(先行乗客)によるテストプログラムを開始する予定だ。他のアーリーライダープログラムと同様、まずは小規模なグループの乗客を募って試験運用を行い、それからサービスを拡大していくことになるだろう。その後、規制当局の承認が得られれば、試験運用から商業運用に移行する予定だと、両社は述べている。

IntelとMobileyeは、このサービスをドイツ全土に拡大し、10年後には他の欧州諸国でも展開を計画している。両社がドイツを選んだ理由は、同国では最近、運転者なしの車両の公道走行を許可する法律が制定され、Mobileyeがすでに自動運転技術のテストを行っているからだ。

「ドイツは、重要な自動運転法を促進することで、自動運転モビリティの未来に向けて国際的なリーダーシップを発揮しました」と、IntelのPat Gelsinger(パット・ゲルシンガー)CEOはIAAで語った。「私たちが来年、ミュンヘンでロボタクシーの運行を開始することができるのは、この新しい法律のおかげです」。

IAAの基調講演で、MobileyeはMoovitAVとSixtのブランドが施された車両も公開した。Mobileyeの自動運転システムを搭載したこれらの車両は量産され、ドイツでロボタクシーサービスに使用される予定だと両社は述べている。

2020年の売上高が約9億6700万ドル(約1066億円)だったMobileyeは、高度な運転支援システムを実現するコンピュータビジョン技術を自動車メーカーに提供していることでよく知られるが、自動運転車技術の開発にも取り組んでいる。

現在は「Mobileye Drive(モービルアイ・ドライブ)」と名付けられている同社の自動運転システムは、システムオンチップベースのコンピューター、カメラやレーダー、LiDAR技術をベースとする冗長性を持たせたセンシングサブシステム、REMマッピングシステム、論理規則ベースのResponsibility-Sensitive Safety(RSS、責任感知型安全論)運転ポリシーで構成されている。MobileyeのREMマッピングシステムは、100万台以上の車両に搭載されているREM技術を活用することで、基本的にデータをクラウドソーシングし、先進運転支援システムや自動運転システムのサポートに利用できる高精細な地図を作成する。

そのデータは、動画や画像ではなく、1キロメーターあたり約10キロビットで収集される圧縮テキストだ。MobileyeはBMW、日産、Volkswagen(フォルクスワーゲン)など6つのメーカーと契約し、先進運転支援システム用の画像処理チップ「EyeQ4」を搭載した車両でそのデータを収集している。フリート車両では、Mobileyeが商用事業者に販売しているアフターマーケット製品からデータを収集している。

Mobileyeの社長兼CEOであるAmnon Shashua(アムノン・シャシュア)氏が、過去にTechCrunchに語ったように、同社はこの戦略のおかげで、商用ロボタクシーサービスを効率的に立ち上げて運営することが可能であり、また、2025年までには一般向け乗用車にもこの技術を導入することができるという。

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画像クレジット:Intel

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

米交通安全局がテスラに運転支援システム「Autopilot」の詳細な情報提供を命じる

New York Times紙によると、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)はTesla(テスラ)に対し、同社の運転支援システム「Autopilot(オートパイロット)」の詳細データを10月22日までに提出しなければ、最大1億1500万ドル(約126億円)の罰金を科すと命じた。NHTSAは8月に、Autopilotを作動させたテスラ車が、駐車中のライトを点滅させた救急車両に衝突した事件を調査していることを発表している。同局は当初、2018年以降に合計17人の負傷者と1人の死亡者を出したこのような11件の事故を挙げていたが、先週の土曜日に12件目の事故が発生したばかりだ。

NHTSAは、この電気自動車メーカーに送った書簡の中で、同社の運転支援システムがどのように機能するのかについて、詳細な情報を提供するように指示した。Autopilotが作動している間、人間のドライバーが道路から目を離さないことをどうやってチェックしているのか、また、場所によってAutopilotの機能に制限が加えられるかどうかということを、NHTSAは知りたがっているのだ。連邦政府は長い間、テスラが人間のドライバーにハンドルから手を離させないようにする安全装置を備えていないと批判してきた。数カ月前、同社はようやく「Model 3(モデル3)」と「Model Y(モデルY)」のリアビューミラーの上に取り付けられたカメラを作動させ「Autopilot作動中のドライバーの不注意を検知して警告する」ようにした。Autopilotは高速道路での使用のみを想定しているものだが、ドライバーが一般道路でAutopilotを使用することを妨げるような仕組みは何もない。

NHTSAは、Autopilotの詳細なデータに加えて、テスラが米国で販売した車両の台数についても情報を求めている。さらに同社が関与したすべてのAutopilot関連の仲裁手続きや訴訟、Autopilotに関して顧客から受けたすべての苦情についても知りたいとしている。

編集部注:本記事の初出はEngadget。執筆者のMariella Moonは、Engadgetの編集委員。

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画像クレジット:Spencer Platt / Getty Images

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(文:Mariella Moon、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

HAAS Alertが自動車衝突防止システム拡張のために5.5億円のシードラウンドを実施

リアルタイム自動車衝突回避システムを公道上の車両に提供するSaaS企業のHAAS Alert(ハーズアラート)が、500万ドル(約5億5000万円)のシード資金を調達した。同社はその資金を、販売やマーケティングの拡大、そして車対車間および車対インフラ間(V2X)技術の研究開発 / 提携を加速するために使用するという。

このラウンドは、R^2とBlu Venturesが主導し、TechNexus、Stacked Capital、Urban Us、Techstars、Ride Ventures、Gramercy Fundが参加した。

HAAS Alertは、携帯の電波を使うセンサーを利用して、車両周辺の環境から道路のハザードデータを取り込み、その予測技術によって車両システムを通じてドライバーにデジタルで警告を発する。HAAS Alertが独自に開発したデジタル警告システムSafety Cloud(セーフティクラウド)は、消防車、救急車、警察車両、レッカー車、建設車両、廃棄物処理車両、スクールバスなど、官民を問わずさまざまな車両に搭載されている。

HAAS Alertのコネクテッド・ビークル担当上級副社長のJeremy Agulnek(ジェレミー・アグルネク)氏は、TechCrunchの取材に対し「緊急対応要員、けん引業者、建設・作業現場の作業員、および類似の役割を果たす自治体職員の車両は、衝突による死傷率が極めて高いのです」という。「同時に彼らは、地域社会のバックボーンとなる存在であり、すべてのドライバーが毎日のように道路で出会う存在でもあるのです。これらの仕事の多くはもともと危険をともなうものですが、それでも衝突されることによる事故は、すべての死因の上位にランクされています」。

HAAS Alertは、先進的運転支援システム(ADAS)とV2Xを、課題に対するソリューションとして捉え、道路上で最もリスクの高い人たちからサービスを始めて、そこから発展させていくことを目指している。

「私たちにとって、この活動はコネクテッドビークルをエンターテインメントや一般的なコネクティビティのために使用するということではなく、特に安全性に注力するということなのです」とアグルネク氏は述べている。「こうした人びとをつなぎ、保護することで、すべてのドライバーとインフラ対してコネクテッドビークルの体験をすぐに提供することができ、コミュニティの安全性も高めることができるのです。私たちは、緊急応答者や道路作業者の安全性課題を解決することが、モビリティを次のステージに進めるための最も重要な要素だと考えています」。

現在、Safety Cloudは750以上の公共機関や民間企業の車両に搭載されており、合計で10億回以上の警報を送信している。

HAAS Alertは、V2X技術を活用して衝突のリスクを低減しようとするスタートアップの増加を象徴しており、資金調達はパズルの大きなピースとなるだろう。ソフトウェアの開発や保守にコストがかかるだけでなく、公共のインフラや車内にセンサーを設置するためのハードウェアや人的コストも安くはない。HAAS Alertは、2022年までにドライバー安全警報100億回を達成したいと考えているが、そのためには、自動車業界をもっと巻き込む必要がある。現在、同社は主に緊急 / 専門車両群を相手に仕事をしているが、同社のプラットフォームを利用する車両群が増えれば、より多くの一般自動車顧客を獲得することができ、その逆もまた成り立つだろうという。

「緊急 / 専門車両群や代理店経由のお客様には、Safety Cloud上で路上資産を有効活用するために納得していただける料金をお支払いいただき、一般自動車利用のお客様には、当社が提供する安全警告、ソフトウェア、その他のサービスに対するライセンス料をお支払いいただいています」とアグルネク氏はいう。

同社によれは、緊急車両が点滅信号を作動させた際に、接近してくるドライバーたちに自動的にデジタル警報を一斉に送ることができるハードウェア「HA-5トランスポンダ」を、全国の車両に積極的にインストールしている最中だという。これらの警報は、道路上や道路付近に緊急応答要員がいることを他の道路利用者たちに知らせ、ドライバーに減速や回避の時間を与える。

アグルネク氏によると、彼らのハードウェアのセットアップは迅速かつ簡単に行うことが可能で、ダウンタイムも最小限に抑えることができるものの、車両にすでにインストールされている配車システムやGPSやテレマティクスシステムを介して追加のハードウェアなしでSafety Cloudを統合するオプションも用意されているという。

「Safety Cloudの警報を車両に追加するために必要なのは、車両の既存のテレマティクス機能を介してデータを受信し、インフォテインメント画面や機器部分にドライバーへのアラートを表示するためのソフトウェアアップデートだけです」とアグルネク氏は説明する。「現在、ある自動車メーカーとのプロジェクトを進めていますが、彼らの車にアラート機能を実装するのに1週間もかかりませんでした」。

各種の計算は、クラウドまたはハードウェア内のエッジチップで行われる。つまり、警告ロジックは、HAAS Alertのクラウド、車両OEMのクラウド、車両搭載ユニット、またはハイブリッドのマルチロケーションアーキテクチャ上に配置することができる」とアグルネク氏はいう。

Safety Cloudには車両管理プラットフォームのSituational Awareness Dashboard(状況認識ダッシュボード)が標準提供されており、行政機関同士が管轄区域を超えた連携ができるように設計されている。またHAAS Alertは、特定の業界向けのアドオンも可能だ。例えば、R2R(レスポンダートゥーレスポンダー)は、車内に取り付けられたライトが、他のSafety Cloud搭載車がアクティブレスポンスモードで同じ交差点に近づいてきたときに、レスポンダー(緊急応答要員)に対して通知を送る機能だ。またFleetFusion(フリートフュージョン)は、Safety Cloudのリアルタイムデータを組織内のダッシュボード、サードパーティアプリケーション、交通管理センターに統合することができる。

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画像クレジット:HAAS Alert

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(文: Rebecca Bellan、翻訳:sako)

フォードが完全EV版に先駆けてハイブリッドの「2021 F-150」発表、オプション満載モデルから見える同社のEVトラック戦略

フルサイズのピックアップトラックは、米国自動車業界の中核を成し、非常に注目を集める部門である。この部門では、Ford(フォード)F-150が販売台数で首位に立ち、Chevrolet Silverado(シボレー・シルバラード)とRam(ラム)のピックアップトラックが急速にシェアを伸ばしている。

しかしトップへの道は厳しい。トラックに関しては、自動車メーカー各社がオプション機能と標準機能をパッケージ化して、目の肥えた顧客を獲得しようと激しくしのぎを削っていることはあまり知られていない。そして現在、これらのパッケージ化されたバンドルは、これまで以上に車載技術に大きく依存している。

トップセラーであるフォードは、最も目の肥えたお得意様を失うことなく、オプション機能を追加しなければならない。最近の試乗で気づいたのだが「2021 F-150」はこの取り組みを象徴しており、今後発表される完全EV版ピックアップトラック「F-150 Lightning(ライトニング)」に何が搭載されるかを示唆している。

筆者は同モデルが開発・製造された場所から約32キロ離れたデトロイト郊外で、3.5L V6 PowerBoost Full Hybrid(パワーブースト・フルハイブリッド)エンジンを搭載した2021 4×4 SuperCrew Lariat(スーパークルー・ラリアット)を試乗した。

ピックアップトラックの細部へのこだわりは、自動車メーカーのカスタムパッケージング技術によって実現している。目がくらむような数のオプションパッケージがあるのもそのためだ。筆者が試乗したF-150も例外ではなかった。F-150では、6つの異なるパワートレイン、3つの荷台の長さ、3つのキャブオプション、8つのトリムレベル、二輪駆動と4輪駆動オプションを用意している。

こうしたオプション重視の戦略は、フォードのような自動車メーカーには良い結果をもたらした。しかし自動車メーカーが技術やソフトウェアを追加することにより、最も忠実な顧客に混乱を招くリスクがある。

スクリーンセーバー

フォード2021 F-150の車内(画像クレジット:Ford Motor Company)

コアとなる顧客にとって機能的テクノロジーは非常に重要である。F-150がそのラインナップの他の車両と一線を画しているのはそのためだ。筆者が試乗した新しいモデルでは、標準装備のインフォテインメントシステム「Sync4」を搭載した12インチディスプレイがダッシュボードと顧客体験の中心に据えられている。

Sync4は、Mustang Mach-E(マスタング・マックE)と新型のFord Bronco(フォード・ブロンコ)に導入された。Syncは、2007年のリリース以来、よりシンプルなユーザー体験を実現するために着実に改善されてきた。Sync4では、計算能力が倍になり、無線でのソフトウェア更新が導入された。

同システムは、2万の都市と150の国の交通、工事(ミシガン州の夏では常に行われている)、天候、駐車場の空き状況に関して、INRIXからデータを入手している。

同システムで使用されている自然言語処理は、音声ベースの問い合わせや受信したSMSメッセージに対して、かなり正確に応答した。1つ注意すべき点は、筆者の試乗車両は直近の数週間、複数のドライバーによって使用されたため、機械学習アルゴリズムの良し悪しを判断するのが難しかったことだ。

インフォテインメントについては、筆者はどの試乗でも大抵、呼び出しやすいApple CarPlay(アップル・カープレイ)をAndroid Auto(アンドロイド・オート)とともに利用している。Apple CarPlayはF-150にワイヤレスで接続し、不注意運転を最小限にしてくれるからだ。2014年にCarPlayが、2015年にAndroid Autoが量産車両に搭載され始めて以来、AppleとGoogleがミドルウェアのインフォテインメントシステム競争で優位に立つのは避けられないように思われてきた。

Syncでは、サポート対象のアプリであるWaze(ウェーズ)とFord+Alexa(フォード+アレクサ)も設定できる。

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運転技術

フルサイズのトラックを初めて運転するときは不安を覚えるかもしれないが、フォードはカメラ技術を使用して大型トラックを操作しやすくしている。画面が分割されているため、気弱なドライバーでも自信を持って狭い空間を移動できる。

5台の車載カメラがハンドル操作と駐車を支援するガイドとして機能する。上部からの360度ビューに組み込まれた鮮やかなグラフィックにより、ミラーでは不十分な位置の確認が可能だ。

ハンドルの後ろには約30センチのデジタルクラスタがある。筆者の心の片隅には、クラシックなピックアップトラックの昔ながらの計器を懐かしむ気持ちがあるが、それはフォードが目指している方向ではない。フォードが目指しているのは、Mustang Mach-EのAppleデザインにインスパイアされた美学に象徴される、未来志向の雰囲気である。

フォードは車内のデザインを通して、フォードが第一にテック企業であり、第二に120年の歴史を誇る自動車メーカーであることを主張しようとしている。このように熱心に美学を印象付けようとすることは、時間の経過とともに製品が古くなると、少々鼻につくようになるかもしれない。

フォードは「Active Drive Assist(アクティブドライブアシスト)」と呼ばれていた先進運転支援システム「Blue Cruise(ブルークルーズ)」を、ソフトウェアの自動アップデートにより2021年後半に車両に導入する予定だ。このシステムは、筆者が6月に試乗したモデルではまだ有効になっていなかった。ただしハードウェアは塔載されていた。

フォードによると、このシステムは、北米の道路16万キロの区間でハンズフリー運転を可能にし、Ford Co-Pilot360 Active 2.0 Prep PackageオプションでF-150 Limited車両に標準搭載される。またLariat(ラリアット)、King Ranch(キングランチ)、Platinum(プラチナ)の各モデルのオプションとして販売される。このシステムでは、GMのSuper Cruise(スーパークルーズ)に対抗して、ドライバーの方を向くカメラを使用して視線の方向と頭部の位置を追跡し、集中力を監視する。

最も重要な装置

2021フォードF-150車内の作業台(画像クレジット:Ford Motor Company)

長さ約30センチのスクリーンの下には昔ながらのノブやスイッチがある。これは顧客が依然としてさまざまな操作を手動で行うことを好んでいることを、フォードが知っているからだ。その下にはシフトレバーがあり、折り畳むと約38センチの作業スペースになる。筆者はそのスペースでノートパソコンを使っていた。

車内には豊富な充電ステーションとワイヤレス充電設備がある。F-150室内は広々としており、隅々まで配慮が行き届いている。シートはフラットにできるため、車内で快適に昼寝をしたり、積み荷スペースを広げたりできる。

ダークグレーの革製シートは、特にフル装備の車両の場合、高級感よりも実用性が重視されているように感じられる(運転の楽しさと内装の美しさでは、ライバルのラムがフォードを凌ぐ傾向にある)。外装・内装とも機能性そのものを重視している。筆者は2つのカヤックを後ろに積み込んだとき、トラック荷台のバンジーコードにつなげるためのフックを見つけた。これは気が利いている。

トラック荷台の後部には240ボルトのコンセントが多数あり、車内にもさらに2つのコンセントが搭載されている。荷台のテールゲートには、メートル単位とインペリアル単位の両方の計算ができる便利な定規が組み込まれている。ハイブリッドモデルには、2.4キロワットの発電機が標準装備されており、オプションで搭載できる7.2キロワットの発電機は満タンのガソリンで32時間稼働する。

筆者はF-150の牽引能力をテストしなかったが、トラック運転手にとってはこの数字は不可欠だ。積載量は約961キロで、最大約5760キロを牽引できる(この数字は荷台の長さとドライブトレインによって多少異なる)。またトレーラーとの連結をサポートするバックアップ牽引アシスト機能も備えている。筆者が運転したモデルの価格は6万8095ドル(約749万円)で、基準価格の5万980ドル(約560万円)から大きく跳ね上がっている。その一方で、フォードはよりハイエンドなF-150トリムであるLimitedを生産しており、その価格は7万3000ドル(約800万円)からとなっている。

優れた機能性

完全に電気自動車に移行するまでの間、すでにハイブリッドモデルを販売しているラムやシボレーと競争できるようにフォードを後押しするのがハイブリッドパワートレインだ。ハイブリッドオプションは、2022年に発売予定の完全EV、F-150 Lightningを受け入れる準備ができていない顧客向けの理にかなった妥協策である。すでに注目を集めていて、予約台数は12万台に達している。筆者の試乗では約37キロメートル / 3.8リットルを記録した。これはガソリン車よりも良い記録で、ディーゼル車以外のクラスでは最高の数値である。しかしこの数値でも、優れた排出量報告には遠く及ばない。だからこそF-150 Lightningが非常に重要になる。

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新たなEV顧客を獲得するために、フォードは、現在道路で目にするあらゆる種類のトラックを購入する既存の顧客を満足させる必要がある。ピックアップトラックには2種類の顧客がいる。毎日の仕事や週末にピックアップトラックの機能を使いたい人たちと、災害時に役立つ機能を求める人たちだ。筆者が試乗したトラックは、その両方にアピールすることができる。

F-150はこれまでも、家の修繕計画、アウトドアの趣味、牽引を目的とする購入者に適していた。またピックアップトラックは頑丈で機能的な車両を必要とする労働者もサポートする。フォードがこのモデルに何か新しい機能を導入するときは、大々的に宣伝して、こうした顧客がマイナーチェンジをどのように感じるかについて大きな賭けをする。

黒で統一された2021 F-150 Lariat車内(画像クレジット:Ford Motor Company)

6月下旬にF-150を借りているとき「安全を求める買い手」という言葉が頭に浮かんだのだが、最後にそのことについて書こうと思う。実は、筆者の試乗期間中に夏の嵐がミシガン州を直撃し、主要な高速道路は閉鎖され、何日も立ち往生した車もあった。

嵐の前、大きくゆったりしたハンドル操作、幅広い旋回、ハイブリッドエンジンの回生時に起きる静けさのリズムに慣れるために、筆者は街を疾走していた。

嵐が来たとき、筆者はスロットルを緩め、安定した確実なペースで、手を2時と10時の位置に置いて運転した。ロッジフリーウェイでは、乗用車と、F-150より性能の劣るクロスオーバーSUVが約60センチの水に浮かんでいた。F-150は、泥の中を何事もないかのように突き進んだ。筆者は横滑りやエンストは経験しなかったが、筆者の友人は、Uberのドライバーが立ち往生してしまい、歩いて帰らなければならなかった。F-150は、自然災害時に安全を確保したい人にとって試験台のようなモデルだ。F-150には発電機が装備されているため、気持ちがさらに落ち着く。

フルサイズのトラックはドライバーに無敵感を与える資質がある。それが結局のところ、F-150が人々に愛される理由であり、フォードが「Ford tough(フォードはタフ)」というキャッチフレーズを多用している理由である。フォードは、余分な飾りのないシンプルさを備えながら、力強さと実力、心の平安を感じさせるトラックを顧客にとって魅力的な価格で提供するという、絶妙なバランスを保っている。

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画像クレジット:Tamara Warren

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(文:Tamara Warren、翻訳:Dragonfly)

ドライバー監視システム需要を喚起する米国の新しい飲酒運転規制条項

2702ページに及ぶ10億ドル(約1106億4000万円)規模のインフラストラクチャ構築法案に、ドライバーがビールを2、3杯飲んだかどうかを検知するテクノロジーを新車に組み込むことを義務付ける条項が新しく追加され、ドライバー監視テクノロジーの開発に取り組んでいるメーカーにとって追い風となる可能性がある。

2021年に導入されたReduce Impaired Driving for Everyone Actと呼ばれる超党派の法律に追加されたこの条項により、米国運輸省は、各自動車メーカーに対して、テクノロジー安全基準を3年以内に確立するよう指示することになる。これを受け各メーカーは、その後2年以内に、同基準に従って、飲酒運転の検知 / 予防テクノロジーを実装することになる(ロイター通信社の記事による)。

この条項には、どのようなテクノロジーを組み込むことが求められるのかまでは明記されていないが、業界の専門筋によると、カメラベースのドライバー監視システム(DMS)を開発しているメーカーが最も有利になるという。DMSシステムはすでに自動車業界では成熟した技術であり、自動運転開発の副産物として生まれたものだ。自動車業界は将来的に死亡事故を大幅に減らす方法として自動運転車の開発に取り組んでいるが、提唱者や規制当局は、この技術には、飲酒運転や不注意運転など、存在する問題を解決する方法として利用する余地があると唱えている。

「今週上院で起こったことは、カメラベースのリアルタイムソリューションへの道を開く可能性を秘めています。今回の新条項の追加で、米国の自動車メーカーは初めて、飲酒によって人体に生じる生理的な変化をリアルタイムで監視する技術を保有し、それを要求されることになります」とSeeing Machinesの科学イノベーション最高責任者のMike Lenné(マイク・レンネ)博士はTechCrunchのインタビューに答えて語った。「飲酒後は、人が周囲の環境をスキャンする方法、目が刺激に反応する方法が信頼できるレベルで明らかに変化します。警察が飲酒の疑いのあるドライバーに「指の動きを追わせる」テストを実施しているのもそのせいです」。

こうしたシステムには、ドライバーの動きを監視して機能障害を検知し、検知されたら車の動きを予防 / 制限するタイプ、BAC(血中アルコール濃度)が法的上限値以上に達しているかどうかを調べ、必要なら運転を強制的に禁止するタイプ、両者を組み合わせたタイプがある。

近年登場した飲酒運転ソリューションはカメラを使ったものだけではない。

Automotive Coalition for Traffic SafetyとNational Highway Traffic Safety Administration(NHTSA)が共同で開発したDriver Alcohol Detection System for Safety(DADSS)プログラムでは、呼気または接触ベースのアプローチを使ってBACレベルを決定する方法を提唱している。接触ベースのアプローチでは、ドライバーの指先に赤外線を当てることで皮膚の表面を介してBACを計測する。DADSSによると、呼気ベースのアプローチは2024年までに、接触ベースのアプローチは2025年までクルマに搭載可能となる予定だ。

レンネ氏によると、BACレベルは上昇するまでに数分かかる可能性があるため、呼気や接触ベースのアプローチよりもカメラベースのアプローチのほうがはるかに精度が高いという。理論的には数杯飲み干した直後に運転しても、数値に現れるまでに数分はかかる。あるいは、運転中にアルコールが分解されてしまう可能性もある。それに、BAC検知では、薬物による運転能力の低下はまったく検出できない。

欧州と米国の比較

欧州では、カメラベースのDMSアプローチを使った飲酒運転検知テクノロジーを搭載するよう各自動車メーカーを促す動きがすでに始まっている。しかし、米国では、この種のテクノロジーに関する議論の大半は、ごく最近まで、運転支援およびレベル2以上の自動運転のためのDMSに重点が置かれていた(Society of Automotive Engineersによると、レベル2の自動運転とは、ステアリングや加速などの機能は組み込まれているが、ドライバーも運転に参加している必要があるというレベルである)。

DMS分野は、GMやフォードなどがハンズフリーの高度なドライバー支援システムを実装するなど、近年成長を遂げているが、上記の条項により、この成長が加速される可能性がある。

「組み込みという観点からすると、今回のテクノロジーは、現在OEM各社が、カメラベースのDMSで不注意運転や居眠り運転を防止するために行っていることとほどんど変わりありません。チップに新たな機能を提供するアルゴリズムが追加されるだけです」とレンネ氏はいう。

今すぐ使えるテクノロジー

「自動運転を実現するテクノロジーの開発にはすでに数十億ドル(数千億円)が費やされていますが、まだ実現には程遠い状態です」とMothers Against Drunk Driving(MADD、飲酒運転根絶を目指す母親の会)の政府業務担当最高責任者のStephanie Manning(ステファニー・マニング)氏はTechCrunchのインタビューに答えて語った。「しかし、その過程で、自動車メーカーは命を救うという意味で今すぐに使えるたくさんのテクノロジーを開発しました。この法案が通過すれば、救われる人命の数という点で米国国家道路交通安全局(NHTSA)がこれまでに行った最大の安全性規則が制定されることになります。今が絶好のタイミングです。これ以上待ったり、策定を遅らせたりすれば、それだけ死者の数が増えるだけです」。

このテクノロジーが市場に出るのはそれほど先ではない、とレンネ氏はいい、その点を認識している。Seeing Machinesは、GMのハンズフリー高度ドライバー支援システムSuper Cruiseで使用されているDMSを提供している。Super CruiseはCadillac(キャデラック)の1つのモデルのみで採用されていたが、機能拡張されてGMの製品ラインに組み込まれ、今ではキャデラックCT6、CT4、CT5、エスカレード、シボレー・ボルトでも採用されている。Seeing Machineのテクノロジーは、メルセデスベンツのSクラスおよびEQSセダンでも使用されている。

「これが規制化されれば、トップダウンで需要が生まれることになるため、この市場への参入企業が増えると予想されます」とレンネ氏はいう。「消費者の需要があるからではなく、すべてのクルマが一律にこうした安全性機能を備える必要が生じるため、市場規模は劇的に拡大し、ビジネスチャンスも広がります」。

IndustryARCによると、世界のDMS市場は、2021年から複合年間成長率9.8%で成長し、2026年までには21億ドル(約2323億円)を超えると予想される。こうしたインフラストラクチャ法案による規制によって生じるトップダウンの需要によって確実に需要は増大するものの、それによって問題の解決が容易になるわけではない。

「人の頭の中で起こっている反応を査定しようとするわけですから、30メートル前方にあるモノを見る前向きのレーダーとはまったく異なります」と同氏はいう。「ある人が安全に運転できるかどうかを判断しようとするわけですから、極めて難しい技術的な問題です。当社は創業21年になります。Smart Eye(スマートアイ)は創業10年以上になります。市場規模は急激に拡大しているものの、新規参入組にとってはハードルの高い難題です」。

新規参入組は、Seeing Machinesやスマートアイ(スウェーデンのコンピュータービジョン企業で業界筋によるとフォードと提携しているというが、フォードはこの点について明言を避けている)などの実績のある大手サプライヤーとの競争に直面することになる。IndustryARCは、他にも、Faurecia、Aptiv PLC、Bosch、Denso、Continental AGといったこの分野の主要プレイヤーの名前を挙げている。その一方で、イスラエル本拠のCipia(旧称Eyesight Technology)、スウェーデン本拠のTobii Techといった新興企業も市場への参入を図っている。

市場の成長余地

市場に参入する企業が増えるとテクノロジーの進歩が加速する。スマートアイが最近、感情検知スタートアップAffectiva(アフェクティバ)を7350万ドル(約80億円)で買収した事実は、将来、乗用車に搭載されるDMSがどのような形になるのかを示唆している。現在DMSが対象としているのは、不注意運転、居眠り運転、飲酒運転のみだが、数年以内に、薬物による身体機能障害、(アルツハイマーなどの)認識機能障害、さらには(あおり運転などの)ロードレイジも対象になると考えられる。

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アイトラッカーテクノロジー企業Tobii(トビー)は、先ごろ、DMS市場への参入を宣言した。DMS分野は、まず欧州、そして米国で法改正が行われる中、ここ数年、同社が研究を進めてきた分野だ。

トビーは、自動車分野へは新規参入組だが、アイトラッキング分野には2001から存在しており、マーケティング、科学研究、バーチャルリアリティ、ゲームなどの業界で事業を展開してきた。トビーの部門CEOであるAnand Srivatsa(アナンド・スリーヴァッサ)氏はTechCrunchに次のように語った。「最も難しいのは、目の形の異なるさまざまな民族を含め、さまざまな人口層にまたがって規模を拡大していくことです。当社は、自動車業界での経験はほとんどありませんが、こうした多様な需要に対応するという点では有利だと思います」。

「当社は創業以来の長い経験を経て、コンポーネントレベルからエンドソフトウェアまで、すべてをカバーする完全なソリューションの実現に必要な要素を備えています。当社の他の業務でこうした要素をこなしてきたからです」とスリーヴァッサ氏はいう。「自動車業界の当社の一部のパートナー企業は、この点をトビー独自の能力とみなしてくれています。例えば当社は独自のasix(モーションセンサー)やセンサーを作成しているため、アイトラッキングに必要なコンピューターについて説明することができます。当社はエンドユーザーソフトウェアも自社開発しているため、スタックの各構成部分が他に及ぼす影響や制約についても把握しており、それらを操作してより革新的なソリューションを実現することもできます。私はそれこそがこの分野で極めて重要な点になるのではないかと思っています。つまり、ソリューションの総コストを削減しながら、すべての車種に効率的にスケールさせるにはどうすればよいか、という点です」。

スリーヴァッサ氏はまた、アイトラッキングによって生成されるバイオメトリクスまたは生理的なシグナルは他の分野に応用する余地があることも指摘する。こうしたシグナルを使えば、外の道路の状況や車内で発生していることに基づいて情報を再構成し、ドライバーが道路状況に意識を集中できるようにシステムを最適化できる。

「私が理想としているのは、前方衝突警告、死角警告、車線逸脱警告などによって最も必要としているときにドライバーを支援してくれるテクノロジーです。つまり、ドライバーが独り善がりになったり、疲れたり、注意散漫になっていないかを察知し、そのときの状況に応じてシステムの動作、警告のタイミングなどを調整してくれる、そんなテクノロジーです」と Consumer Reportsの車両インターフェイス試験プログラムマネージャー兼車両接続 / 自動化担当責任者のKelly Funkhouser(ケリー・ファンクハウザー)氏はTechCrunchのインタビューに答えて語った。「と同時に、ドライバーが集中しているときに邪魔をしたり、うるさく言ってイライラさせたりしないテクノロジーにしたいと思っています。例えば歩道の歩行者に接触しないように意識的にレーンからはみ出して走行することはよくありますから」。

レンネ氏によると、車内で起こっていることを察知してドライバーの好みに合わせた快適な運転体験を提供するドライバー監視システムには大きな可能性があるという。

「こうしたシステムを作るには、より良い運転体験が描けることが何より重要です」と同氏はいう。「そうでなければ、消費者に受け入れられない危険を犯すことになります」。

既存のADAS(先進運転支援システム)の進歩

各自動車メーカーは、長年、飲酒運転テクノロジーに関していろいろと話題を提供してきた。2007年には、日産が飲酒運転コンセプトカーを発表した。これはアルコール臭センサー、表情監視、運転操作などによってドライバーの異常を検知するものだ。

同じ年、トヨタも同様のシステムを発表し、2009年までに搭載するとした。最近では、ボルボが2019年に、ドライバーが飲酒運転または不注意運転をしていないかを監視し、必要に応じてシグナルを送信して運転に介入できるようカメラとセンサーを搭載すると発表したが、このテクノロジーはボルボSPA2のハンズフリー運転アキテクチャー用に設計されたもので、まだリリースされていない。要するに、飲酒運転の防止と検知を義務付ける法律が制定されていない現状では、メーカーは、システムの構築に必要な大半の構成ブロックはすでに用意できているものの、実装のゴーサインを出すまでには至っていないということだ。

マニング氏は、これは安全機能を搭載するなら、何らかの見返りが欲しいというメーカー側の思惑があるからだと考えている。

「メーカー側は公道で最新テクノロジーを搭載した自社の車両をテストしたいが、飲酒運転の撲滅に金と時間とエネルギーを使いたくないのです。それは自分たちの責任ではないと感じているからです。彼らはこうしたルール作りには否定的なのです」と同氏はいう。「彼らはこのルール作りの過程で我々と必死で戦うつもりだということが十分に予測できます」。

GMやフォードの広報担当のコメントは得られなかったが、DADSSプログラムについてNHTSAと協力しているAlliance for Automotive Innovationの社長兼CEO John Bozzella(ジョン・ボゼラ)氏は「自動車業界は、路上の安全を脅かす飲酒運転の脅威に対応するための国と民間企業によるあらゆる取り組みを支援することに尽力しています」と答えた。

「我々は、連邦規制の選択肢としてNHTSAにすべての潜在的なテクノロジーの評価権限を与え、Motor Vehicle Safety Actに従って特定のテクノロジーが乗用車向けの規格を満たしているかどうかを十分な情報に基づいて判断できるようにする、議会指導者やその他の利害関係者による法律制定の取り組みを評価しています」。

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画像クレジット:Volvo Car Group

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Dragonfly)