サムスン電子の李在鎔副会長に実刑判決、収賄で懲役9年

Samsung Electronics(サムスン電子)の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長は、朴槿恵(パク・クネ)元大統領を失脚させた贈収賄事件で懲役9年の実刑判決を受けた。検察は、サムスン電子が韓国最大の財閥であるため、刑の長さが正当だと主張している。

米国時間12月30日に行われた最終審問で「サムスン電子は、韓国企業がサムスン電子と非サムスン電子に分かれているといわれるほど、圧倒的な力を持ったグループだ」と述べたとKorea Heraldは報じている。最終判決は2021年1月18日に予定されている。

今回の贈収賄事件は、李容疑者が関与している別の裁判とは異なるもので、会計詐欺と株価操作の疑惑をめぐるものだ。この事件の公聴会は10月に始まっている。

李容疑者は2017年、朴被告と側近の崔順実(チェ・スンシル)被告に金品を渡した疑いで有罪となり、懲役5年を言い渡された。検察は、李会長が父親の李健熙(イ・ゴンヒ)会長(当時)からサムスンの経営権を継承しようとしたことに対して、政府の後ろ盾を確保するためのものだったと主張している。違法な支払いは、朴氏の弾劾、逮捕、25年の実刑判決につながった汚職事件の核心だ(NYTimes記事)。

判決が減刑され控訴審で執行猶予がいい渡された後、2018年に釈放された李氏は、2014年に父親が心臓発作を起こした(未訳記事)後に、サムスンの事実上のトップとして復帰した(NYTimes記事)。

しかし、2019年8月、最高裁は控訴審の判決を覆し、寛大すぎるとしてソウル高裁での再審を命じている。

韓国で最も裕福な国民といわれてきた李健熙氏は2020年10月に亡くなった。彼の資産価値は推定207億ドル(約2兆1350億円)で、同国の税制下では、相続人は約100億ドル(約1兆300億円)の遺産税を課される可能性があるとFortune誌の報道している

TechCrunchはサムスンにコメントを求めている。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

VMwareが辞めた2日後にライバル企業のCEOに就任した前COOを訴訟

2020年12月初めにNutanix(ニュータニックス)がVMware(ヴイエムウェア)の前COOであるRajiv Ramaswami(ラジブ・ラマスワミ)氏をCEOに迎える(未訳記事)と発表したとき、良縁のように思えた。それはライバルからの重要人物の引き抜きだった。しかし、VMwareは幹部を失うことに腹を立て、同氏を契約違反で訴えた(VMwareリリース)。

VMwareは、ラマスワミ氏が前職の重要計画のインサイダー情報を持っており、ライバル企業の面接を受けてることを会社に伝えるべきだったと主張している。

「ラジブ・ラマスワミ氏は、VMwareに対する信託および契約上の義務を果たしませんでした。会社を辞める前の少なくとも2カ月間、同氏は最高幹部の職権をもってVMwareの重要戦略計画と方針の決定に加わっています。さらにラマスワミ氏はNutanix, Inc.の最高経営責任者になるために、少なくとも同社のCEOとCFO、おそらく取締役会の全メンバーと秘密裏に会っています。同氏がNutanixにCEOとして加わったのは、VMwareを辞めたわずか2日後でした」と同社は声明に書いた。

ご想像通り、Nutanixは同意していない。「VMwareの訴訟は新たな職に就くための面接を不法行為にしようとしています。VMwareの見当外れの行動は、極めて評価の高い尊敬された幹部を失うことへの反応だと当社は考えています。ラマスワミ氏とNutanixはこの異動を、VMwareに対して十分先行的、協力的に進めてきました」。

Constellation ResearchのアナリストであるHolger Mueller(ホルガー・ミューラー)氏はこのニュースに際して、両社は主要なライバルであり、ラマスワミ氏の雇用はNutanixにとって大きな勝利だと語った。「ラマスワミ氏の入社によって、マルチクラウドのエキスパートがNutanixを率いることになるだけでなく、ライバルを人材面で弱体化させることになります」と同氏は語った(未訳記事)。

ミューラー氏は、この訴訟が成功する可能性は低いと見ている。「シリコンバレーで、テック系幹部引き抜きの裁判が最後に起きたのはかなり前のことです。『自由な雇用』の州でこの種の訴訟は成功しないのが普通です」と同氏は語った。

「VMware vs Nutanix裁判で興味深いのは、上級幹部がライバル会社の面接を受けること自体が守秘義務違反になるのか、それとも違反成立には重要情報の漏洩が必要なのかという点だ。伝統的に(内密な)面接の権利は法で保護されている。

こうした訴訟の結末がどうなるのかわからないが、Nutanixが新CEOを迎える上で事態が複雑になっていることはたしかだ。ラマスワミ氏は、同社の共同ファウンダーで2020年の夏に辞任を表明していたDheeraj Pandey(ディラージ・パンディ)氏を引き継ぐ。

訴訟は米国時間12月28日にカリフォルニア州サンタクララ群最高裁判所に提起された。

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AppleがバーチャルiPhone「Corellium」を訴えた裁判で一部敗訴

2019年8月、Apple(アップル)はバーチャルソフトウェア企業のCorellium(コアリウム)を著作権侵害で訴え、後に、同社製品がDMCA(デジタルミレニアム著作権法)に違反しているという主張を付け加えた。

DMCAに関する主張はこれから法廷で決着する必要があるが、フロリダ州裁判所はAppleの著作権侵害の主張を退けた。

さて、Corelliumとは何か?かなり端折っていえば、Corelliumはセキュリティ研究者がブラウザ上でバーチャル化されたARM端末(iOS端末を含む)を立ち上げ、内部を「詳しく」調べることで潜在的セキュリティバグを発見するためのツールだ。2019年に私は以下のように書いている

Corelliumは、たとえばセキュリティ研究者がシミュレートされたiPhoneをすばやく立ち上げ、バグを探すために利用できる。もしバグが見つかれば、iOSの以前のバージョンを立ち上げて、そのバグがいつから存在していたかをすぐに確認できる。仮にバグがバーチャルiOSを「文鎮化」したとしても、ブートし直すだけでいいので、新しいiPhoneを入手する必要はない。バーチャル化デバイスは一時停止させることができるため、研究者は任意の瞬間に正確な状態を観察することが可能になる。

Washington Postによると、Rodney Smith(ロドニー・スミス)判事は米国時間12月29日の訴訟一覧表に次のように書いた。

証拠を確認した結果、裁判所は誠実かつ公正な利用の欠陥を発見しなかった。さらに必要な要因を検討した結果、Corelliumは公正使用を達成する義務を果たしていたことを裁判所は認めた。よって同社によるCorellium製品に関連するiOSの利用は許容される。以上を踏まえ、Appleによる著作権侵害訴訟の略式判決をCorelliumに与える。

スミス判事はCorelliumに以下の行為を許可した。「1.  実行プロセスの監視と停止、2. カーネルの改変、3. システムコール監視ツールであるCoreTraceの使用、4. アプリブラウザーおよびファイルブラウザーの使用、5. ライブスナップショットの撮影」を、同製品が「iOSの単なる再パッケージバージョンではなく」公正使用であることの証拠として行うこと。

さらにスミス判事は、この訴訟はAppleがCorelliumの買収を考えた後に起こされたことを繰り返し摘した。

2018年1月から2018年夏の間に、両社はAppleによるCorellium買収の可能性に関する会議を複数回行なった。期間中、両社は対面および電話で顔を合わせた。CorelliumはAppleに対してCorellium製品を支えるテクノロジーおよび動作の仕組みを説明し、CorelliumのビジネスおよびCorellium製品を商品化する意志について検討した。

そして、

もしAppleがCorellium製品を買収していれば、同製品は社内の試験および検証(システムの脆弱性や端末の機能の検証)に使用されただろう。

この判決は著作権に関するAppleの主張を一蹴するものだが(上訴の可能性はある)、DMCAに関してそのような迅速な裁定はなかった。AppleはCorelliumがシステム内蔵の認証およびセキュリティ検査を回避していると主張しているのに対し、Corelliumはそれらはハードウェアレベルで実装されており、彼らが扱っているファームウェア(iOS IPSWファイル)は「非暗号化、非保護、非ロック状態で開放されており、一般人によるアクセス、コピー、編集、配布、実行、および表示が可能である」と主張している。

関連記事:アップルがバーチャルiPhoneのCorelliumを提訴

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タグ:AppleCorelliumDMCA裁判

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インドの裁判所がリテール大手Future GroupのパートナーAmazonに関する請願を却下

インドの小売り大手Future Groupが同社の約34億ドル(約3520億円)の資産をMukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ)氏のReliance Industriesに販売しようとしたことを、パートナーのAmazon(アマゾン)に妨害および阻止されようとしたことに対して起こした訴訟で、インドの裁判所はFutureの訴えを退けた。それは、世界で2番目に大きなインターネット市場に65億ドル(約6730億円)あまりを投資している米国のeコマース企業に、かすかな希望をもたらしている。

Future Groupは、パートナーのAmazonが規制当局やその他の機関に懸念を申し立ててインドの2つの大企業間の取引を停止させようとすることを禁じる暫定差し止め命令を求めていた。デリーの最高裁は米国時間12月21日に、Amazonが「修復不可能な損害の可能性」を理由として規制当局と諸機関に懸念を申し立てることを禁じることはできない、と裁定した。その取引が合法的で承認されるべきものかは、規制当局が決定するとその裁定では述べている。

しかしながら裁判所は、Future Groupの下のFuture Retailが起こしている訴訟は有効であり、Reliance Industrieとの取引の承認を求める試みも正当と裁定した。

「名誉あるデリー最高裁による、Future Retailの求める暫定差し止め命令と、緊急時仲裁人プロセスはインドの法の下では無効とする主張を退けた裁定を私たちは歓迎する」とAmazonの広報担当者は述べている。

この裁定は、AmazonとFuture Groupという冷え込んだパートナー間での賭け金の高い抗争における最新のエピソードだ。Amazonは2019年、その価値が1億ドル(約103億円)以上といわれる取引で、Futureの非上場企業の1つの49%を手に入れた(未訳記事)。その取引では、Futureは資産をライバルに売ることはできないとなっている。Amazonは、裁判所への提出文書でそう述べている。

2020年の新型コロナウイルスパンデミックで、インドの企業がキャッシュ不足になってから事態は変わった、とFuture GroupのCEOであるKishore Biyani(キショア・ビヤニ)氏は最近のバーチャル会議で話している。Future Gropuによれば、8月に同社はアンバニ氏のReliance Industriesとの合意に達し、インド最大の小売チェーンを持つRelianceにFutureの小売りとホールセール、ロジスティクス、および倉庫業ビジネスを34億ドルで売ることになった。

数カ月後にAmazonは、シンガポールに仲裁人を立ててこの取引に抗議し、インドの小売り大手間の取引を法廷がブロックすることを求めた。Amazonは10月終わりにシンガポールで仲裁裁判に勝ち、緊急救援を確保した(未訳記事)。それによりFuture Groupは、Relianceへの売却を棚上げされた。

しかし12月21日までは、裁定がインドの法廷で有効かどうか不明だった。シンガポールの仲裁裁判所の裁定が出てから数時間後にFuture GroupとRelianceは声明で、取引を「遅滞なく進める」と発表した。

一方、Amazonはインドの監視機関であるインド競争委員会に駆け込んで、この取引をブロックするよう求めた。しかしながらインド競争委員会は、2つのインド企業間の取引を承認した。初期の聴聞でFuture Groupの弁護士は、Future Groupの取引をブロックしようとするAmazonの努力を東インド会社になぞらえた。この英国商社のインド進出により、200年近くの植民地支配が始まった。

抗争の俎上にあるのは、コンサルタント企業BCGとインドの業界団体Retailers’ Association Indiaによると2019年の7000億ドル(約72兆5000億円)が2025年には1兆3000億ドル(約134兆6000億円)になるといわれているインドの小売り市場だ。現在、インドの小売業の全売上の3%がオンラインだ。

Future Groupはまだ、コメントの求めに応じていない。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アマゾンがマイクロソフトが獲得した1兆円超の米国防総省JEDI契約の差し止めを裁判所に要請

米国防総省が米軍に技術近代化の道筋を提供するとされていた100億ドル(約1兆300億円)、10年におよぶJEDIクラウドの契約を発表してから2年以上が経過した。Microsoft(マイクロソフト)が2019年10月に契約を獲得した一方で、Amazon(アマゾン)はその決定に抗議するために裁判所に訴え、それ以来、法的には中途半端な状態が続いている。

米国時間12月15日にはアマゾンが、マイクロソフトを選ぶという決定を差し止めるように、裁判官に求める最新の一手を法廷闘争で打ったとき、この政府調達を巡る長い物語に新たな変化が生じた。アマゾンの主張は以前にも行ったものと似ているが、今回は国防総省の再評価プロセスを狙ったものだ。この再評価時に、国防総省は契約と選定プロセスを見直した結果、マイクロソフトという決定に変わりはないと2020年9月に発表していた。

アマゾンは、この再評価に大きな欠陥があり、大統領からの不当な影響や偏見、圧力を受けていたと考えている。これを踏まえてアマゾンは、マイクロソフトが選ばれた契約の決定を差し止めるよう裁判所に求めている。

JEDIの再評価と再決定は、政治的な理由で官僚の誠実な分析と論理的思考を抑圧する政権の犠牲となり、最終的には国家安全保障と効率的で合法的な税金の使用を損なうことになる。国防総省はこの調達を客観的かつ誠実に実施していないことを改めて露わにしている。再決定は差し止められるべきである。

想像の通り、マイクロソフトのコミュニケーション担当本社副社長であるFrank X. Shaw(フランク・X・ショー)氏は、このアマゾンの主張に同意せず、自分の会社がベストプライスで落札したと信じている。

「入札で負けたアマゾンは、当社の価格設定を知らされ、当初の価格が高すぎたことに気づきました。その後、彼らは価格を下げるために入札を修正しました。しかし、すべての基準を同時に見渡したとき、国防総省のキャリア調達担当者は、優れた技術的優位性と全体的な価値を考えると、当社が最良のソリューションを提供し続けると判断したのです」と、ショー氏はTechCrunchに共有した声明の中で述べている。

アマゾンの広報担当者がTechCrunchに語ったところによると、「我々は単に、この契約先決定に露骨に影響を与えた技術的な誤り、偏見、政治的な干渉に関して、裁判所による公正で客観的な見直しを求めているだけです」とのことだ。

両者の立場からすれば、いい分はそうなるだろう。

国防総省は2018年に、JEDI(Joint Enterprise Defense Infrastructure)と名付けられた100億ドル、10年に渡る契約のために入札を行うと発表した。一般的な政府の契約に比べて、はるかに大規模なその金額と領域は広く注目を集め、その調達プロセスは最初から議論の的となっていた。この入札プロセスがアマゾンに有利になるように構成されていると不公正を主張する声が、特にオラクルから上がっていたからだ。

最初の発表から2年以上が経過し、マイクロソフトが当初の契約を勝ち取ってから1年以上が経過した。しかし、いまだに大手テック企業2社が互いに批判し合う法廷闘争では膠着状態が続いている(未訳記事)。どちらも譲歩しそうにないため、最終的な判断は裁判所に委ねられることになる。おそらくこれで長い戦いの物語に終止符が打たれることだろう。

【注記】国防総省はコメントを求める我々の要求に答えていない。状況に変化があればこの記事を更新する予定だ。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

株取引アプリRobinhoodが過去に「劣悪な価格」で顧客の注文を実行したというSECの告発で約67.2億円支払う

米国時間12月17日、米国の証券監視機関であるSECは、近年急速に成長している(未訳記事)手数料無料の株取引ブローカーのRobinhood(ロビンフッド)が、その歴史的なビジネス慣行の一部に対する告発を解決するために、6500万ドル(約67億2000万円)の罰金(SECサイト)を支払ったと発表した。問題の行動は2015年から2018年の間に発生したもので、SECは同社が「その最大の収益源」をどのように生成するかについて「顧客とのコミュニケーションで誤解を招くような記述や省略をした」と主張している。具体的には「ペイメント・フォー・オーダーフロー」と呼ばれるものについてだ。

SECはまた、この資金力豊富なユニコーンであるロビンフッドが、「2018年10月から2019年6月の間にウェブサイトのFAQで、その実行品質が競合他社と同等または勝っていると虚偽の主張をしていた」と述べている。実際に同社は「手数料を支払わないことによる節約を考慮した上でさえ、顧客から3410万ドル(約35億2000万円)を奪った劣悪な取引価格」で、顧客の取引を実行していたと、SECは主張している。

ロビンフッドはSECの告発を認めも否定もしなかった。

コメントを求められたロビンフッドの最高法務責任者Dan Gallagher(ダン・ギャラガー)氏は、6500万ドルの和解が「今日のロビンフッドを反映していない歴史的な慣行に関することだ」と電子メールで述べた。同社は、やや珍しい記事用発言で「最良の実行プロセスを大幅に改善し、実行品質を向上させるために追加のマーケットメーカーとの関係を確立した」と付け加えた。

ロビンフッドは、最新のペイメント・フォー・オーダーフローの書類で5つの取引企業をリストアップした。

TechCrunchは、最近の四半期にロビンフッドのペイメント・フォー・オーダーフローが、どれだけの利益を生み出したか追ってきた。同社はユーザーベースと取引量の両方を拡大し、顧客の注文をどのように実行するかによって成長する利益を上げてきた。

たとえば(未訳記事)、2020年第2四半期には、ロビンフッドのペイメント・フォー・オーダーフローによる収入は約1億8000万ドル(約186億2000万円)と、2020年第1四半期の約9000万ドル(約93億1000万円)から倍増している。もちろん、これらの数字は、和解の発表に記された時期より数年後のものだ。

【更新】このSECのニュースが発表されたのは、マサチューセッツ州証券部がロビンフッドに対して告訴状を提出してから1日も経っていないことは注目に値する。同州証券部はロビンフッドが「顧客の最善の利益を無視して積極的にマサチューセッツ州の投資家に自らを売り込み、急速に成長する顧客基盤の需要を満たすために必要なインフラと手続きを維持することを怠り、法と規則に違反する行為と慣行に関わった」と主張している。

マサチューセッツ州はロビンフッドの問責、その企業運営の改善とともに、金銭的賠償およびその他の金融罰則を求めている。マサチューセッツ州の訴状はここで読むことができる。

【更新2】ロビンフッドはマサチューセッツ州の状況について、「(同社は)マサチューセッツ州証券部による訴状の申し立てに同意しません。積極的に(同社自身を)守るつもりです」とコメント。同社は投資アドバイスを提供しておらず、「システムの規模を確保するために熱心に取り組み」、この数カ月の間にオプションサービスを改善してきたと付け加えた。

影響

ロビンフッドにはこれまで、特にこの不安定な年には一触即発の出来事があった。重要な市場の瞬間にシステムがダウン(未訳記事)したり、利用者の自殺をきっかけにオプション取引サービスの改革(未訳記事)を余儀なくされた。オーダーフローからの収入による成長が鈍化(未訳記事)しているのも見てきた。

しかし、それらの問題にもかかわらず、同社の2020年の軌道はほとんど印象的といってよい。その急速な収益により、同社は今年、拡大する評価で数億ドル(数百億円)を調達(未訳記事)し、2021年のIPO候補になった。

今回のニュースがロビンフッドの成長を完全に脱線させるとは想像しにくいが、告発が現在に近い過去の期間を対象とした場合、おそらく影響はより大きいだろう。ロビンフッドの競合他社で、先日6500万ドル(約67億2000万円)を調達したPublic.com(未訳記事)は、今回のニュースを利用することができるかもしれない。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Facebookがユーザーを監視するVPNアプリ「Onavo」を使用したと豪州が提訴

Facebook(フェイスブック)にまたも頭痛の種ができた。オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)は、商業目的でユーザーを監視するOnavo(オナボ)のVPNアプリを2016年と2017年に使ったとしてフェイスブックを提訴する。

ACCCは、フェイスブックがOnavo Protectアプリを奨励し、多くのオーストラリアの消費者に対して虚偽、ミスリーディングあるいは欺瞞的な行動を取ったと主張している。同アプリは、フェイスブックの事業をサポートするためにデータを集めていたとき、ユーザーの個人アクティビティデータをプライベートに保って保護し、他の目的では使わないとうたっていた。

「Onavo Protectを通じてフェイスブックは何千人ものオーストラリアの消費者のかなり詳細で価値ある個人アクティビティデータを商業目的で収集し、使っていました。これは、フェイスブックがこのアプリ奨励の中心に据えた、保護と秘密保持、プライバシーという約束に完全に反しています」とACCC会長のRod Sims(ロッド・シムズ)氏は声明文で述べた。

「消費者はオンラインプライバシーを気にかけているため、往々にしてVPNサービスを使います。これはフェイスブックのプロダクトが提供するといっていたものです。しかし実際は、Onavo Protectはかなりの量の個人アクティビティデータをそのままフェイスブックに送っていました」。

「そうした行為は、フェイスブックとOnavoが個人アクティビティデータを収集して使用していると知らされる機会をオーストラリアの消費者から奪ったと確信しています」とシムズ氏は付け加えた。

ACCCは、2016年2月1日から2017年10月までフェイスブックと同社の子会社Facebook Israel Ltd、Onavo, Incがダウンロード無料のOnavo Protectアプリの機能を偽って表示することでオーストラリアの消費者をミスリードしたと主張している。

裁判上の命令と罰金を模索していると当局は話している。

裁判についてフェイスブックの広報担当は「人々がOnavo Protectをダウンロードしたとき、当社は収集する情報について、そしてどのように使用するかについて常にクリアにしていました」と述べた。

そして「当社はこの件についてのACCCの調査にこれまで協力してきました。ACCCの訴状をレビューし、この件に対する当社の考えを引き続き主張していきます」と語った。

フェイスブックは2019年、ユーザーを詮索するために2013年に買収したOnavo Protectアプリをいかに使用してきたかについて激しい反発を浴びたのちに、同アプリを閉鎖すると発表した。

合法の証拠収集で入手されたフェイスブックの内部資料では、フェイスブックのユーザーがどのサードパーティのアプリをダウンロードして使っているかを知ろうと、商業目的の情報分析ソースとしてOnavoのチャートをフェイスブックが使っていたことが示されている。この資料は英国議会がオンライン誤情報についての調査の一環として押収し、2018年に開示された(未訳記事)。

Onavo経由で集められたデータでは、WhatsApp(ワッツアップ)がフェイスブックのMessenger(メッセンジャー)アプリの脅威となりそうなことが明らかになった。このマーケット洞察を得て間もなく、フェイスブックはライバルのWhatsAppを買収するために190億ドル(約1兆9700億円)という大金を払った(未訳記事)。

フェイスブックは現在、米国で膨大な独禁法訴訟に直面している。2020年12月初めに46州が独占的な事業慣行を通じて競争を抑制していたとしてフェイスブックを提訴した。独占的な事業慣行の主な例としてInstagram(インスタグラム)とWhatsAppの合併を挙げた。

米連邦取引委員会と議員らはそうした合併の解消とフェイスブックのソーシャル帝国の解体が不可欠だと要求している。

このほか、フェイスブックはドイツでも訴訟を抱えている。連邦カルテル庁(FCO)は、所有するサービス間でフェイスブックがいかにデータを統合できるか、制限を設けることを検討している(未訳記事)。

FCOはまた、新規のOculusユーザーはキットを使うためにフェイスブックアカウントを持っていなければならないと指摘したうえで、フェイスブックが最新のOculus VRキットの使用をFacebookアカウントと紐付けている件も調査していると2020年12月に発表した。今夏、フェイスブックは既存のOculusアカウントのサポートを2023年までに終了すると明らかにしている。

関連記事:Facebookが全米46州からの大型反トラスト訴訟に直面

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タグ:FacebookOnavoオーストラリアプライバシー訴訟

画像クレジット:Onavo Protect

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(翻訳:Mizoguchi

フェイスブックが全米46州からの大型反トラスト訴訟に直面

米国時間12月9日、膨大な数の州が反トラスト法(独占禁止法)訴訟を起こし、Facebook(フェイスブック)が独占的ビジネス手法で競合を抑圧していると主張している。46の州とグアム地区およびワシントンD.C.の各司法長官48名が本訴訟を形成しており、参加していないのはサウスダコタ、サウスカロライナ、アラバマ、およびジョージアの4州のみだ。

本訴訟はフェイスブックの創業以来の行動に注目し、同社が成長し市場支配力を維持するために、競合他社を「違法」かつ「略奪的方法」によって買収したと主張している。顕著な例としてフェイスブックによるInstagramおよびWhatsAppの買収が挙げられている。

原告団はコロンビア地区裁判所に対し、「今後、フェイスブックが原告州に事前に通知することなく1000万ドル(約10億4000万円)以上の価値の買収を行うことを抑制する」よう求めた。本訴訟はさらに、「法廷が適切と認めるあらゆる追加の救済命令、たとえば違法に買収された企業、あるいは現在のフェイスブックの資産もしくは事業分野の分割あるいは再構成」を裁判所に求めている。

訴訟はカリフォルニア、コロラド、フロリダ、アイオワ、ネブラスカ、ノースカロライナ、オハイオ、テネシーおよびワシントンD.C.の司法長官からなる委員会が中心となり、ニューヨーク州のLetitia James(レティシア・ジェームズ)司法長官が陣頭指揮する。

「国のほぼすべての州がこの超党派の訴訟に参加しており、それはフェイスブックの市場を支配するやり方が違法かつ有害だったからです」とジェームズ氏はいう。「本日の訴訟はフェイスブックだけでなく、競争を抑制、革新を阻害、あるいはプライバシー保護を軽視するあらゆる企業に対して、我々司法当局が全力で立ち向かうことを伝える明快なメッセージです」。

フェイスブックに対するこの国レベルの反トラスト訴訟は、ソーシャルの巨人に対してFTC(連邦取引委員会)が自ら反トラスト訴訟を起こすことを決議した同じ週に具体化した。委員会の決議はフェイスブックに対する20カ月に及ぶ捜査(POLITICO記事)を約束するものであり、2つ独立したアプリをソーシャルの巨人のビジネスに吸収した、WhatsAppとInstagramの買収についても追求する。

フェイスブックは、その並外れた影響力について常に批判を受けており、関連する問題について議会で幾度も証言してきたが、今回の国と州レベルの組織的反トラスト行動は、同社に新たな課題を突きつけるものだ。

関連記事:Facebookの独占禁止法違反を米連邦取引委員会が主張、買収した企業を切り離すよう要求

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タグ:FacebookInstagramWhatsApp裁判独占禁止法

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Faccebookの独占禁止法違反を米連邦取引委員会が主張、買収した企業を切り離すよう要求

米国連邦取引委員会(FTC)は米国時間12月9日、Facebook(フェイスブック)に対する新たな反トラスト法(独占禁止法)違反訴訟を発表した。このソーシャルネットワークが「深刻な競争上の脅威を抑圧し、無力化し、抑止する目的で」独占的地位を利用していると主張し、これを破棄しなければならないとしている。なお、この訴訟とは別だが、全米48州・地域の司法当局の1つも協調して調査を行ったと同日に発表した(未訳記事)。

どちらの訴訟も、Facebookが違法な行為に関与していると主張しており、州と連邦政府の調査官が協力してその特徴を明らかにした。しかし、州訴訟は州法レベルでの違反に関係しているが、FTCは連邦法の違反を主張している。そのため2つの訴訟は、Facebookによる同じ行動に異議を唱えながらも、別々に追求され、裁かれることになる。

どちらの申し立ても似たようなものだ。すなわち、FacebookによるWhatsApp(ワッツアップ)とInstagram(インスタグラム)の買収は、新興他社の競合を封じる違法な反競争的行為に等しく、Facebookはそのプラットフォームを、競合他社の台頭を防ぐために利用しているというものである。

FTCと州の訴訟はいずれも、InstagramとWhatsAppの買収を遡って違法と判断し、それらの企業のFacebookの本体から切り離すように求めている。

この分割に加えて、Facebookは今後のすべての合併・買収について、FTCと州当局の両方に事前通知と承認を求めることが義務づけられ、競合機能を提供しないようにAPIアクセスを停止させることなど、さまざまな行為も禁止されることになる。

Facebookはツイートで今回の訴訟について調査中と述べているが、「政府は現在、この前例が広範なビジネスコミュニティに与える影響を考慮せずにやり直しを望んでいる」と、この訴訟を軽蔑している。

確かに当然の疑問である。政府がInstagramとWhatsAppの買収を承認し、さらにそれらを遡及的に不承認するとなれば、FTCと他の規制機関の監視メカニズム全体に対する疑問を呼び起こすことになるだろう。

FTCがこの訴訟に関するQ&A(FTCリリース)で指摘しているように、これは実際には前例がないわけではないし、予想外のことですらない。ある企業が他の企業に買収されることを承認するプロセスは、その時点では明らかな違法性を感じさせないかもしれないが、裏では多くの違法性が絡んでいる可能性がある。たとえば承認されて完結した合併が、後になって偽りの口実で実行されたことが判明した場合、あるいは今回のケースのように、後になって違法行為のパターンの一部であることが判明した場合には、承認されて完結した合併が取り消される可能性があるのだ。

「我々の執行措置は、買収だけでなく、それ以上のことに異議を唱えるものです」と、FTCは説明する。「我々はパーソナルソーシャルネットワーキング市場の独占を構成する複数年に及ぶ行為に異議を唱えているのです。【略】FTCは、消費者取引が法律に違反している場合には異議を唱えることができるし、しばしば異議を唱えています。実際、反競争的な消費取引を特定することは、2019年2月にテクノロジー・タスクフォースとして執行部が設立されて以来、その任務の重要な部分となっています」。

今回の訴訟は、ほぼ確実に複数年におよぶプロセスの最初の一部に過ぎない。それは2つの政権にまたがることになり、そのため手続きが遅くなることは間違いない。次のステップはおそらく、無実を説明するFacebookからのPR攻勢になるだろう。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:FacebookFTCInstagramWhatsApp裁判独占禁止法

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(翻訳:TechCrunch Japan)

トランプ政権のTikTok禁止措置に対する米連邦判事の2度目の判決、米政府の制限一時差し止め

米連邦判事は、TikTok(ティックトック)の米国内での事業を事実上禁止する米政府の制限に対して、一時差し止めを命じた。

判決(下記参照)は、Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領、Wilbur Ross(ウィルバー・ロス)商務長官、および司法省に対してTikTokとByteDance(バイトダンス)が提訴した裁判において、米連邦地方判事Carl Nichols(カール・ニコルズ)氏が下したもの。ニコルズ判事は、政府に宛ててこう記している。「恣意的で一貫性のない処分であり、IEEPA(国際緊急経済権限法)に規定されている制限を逸脱している恐れがある」。

インターネットホスティングサービスを含む米国企業に対してトランプ政権が課したTikTokおよびByteDanceとの取引制限に対し、連邦判事が差し止めを命じたのはこれが2度目だ。最初の命令は、TikTokのクリエイターが3人がトランプ大統領と米商務省を提訴した裁判で、米連邦地方判事Wendy Beetlestone(ウェンディー・ビートルストーン)氏が2020年10月に下したものだった。

どちらの裁判も、トランプ大統領が8月7日に署名したByteDanceとの取引を禁じる大統領令への異議申立てだ。大統領令は、IEEPAと国家緊急事態法を引き合いに出し、TikTokの親会社が中国企業であることから、国家安全保障上の脅威だと主張している。

米国時間12月7日の判決で、ニコルズ判事は、もともと12月12日に発効される予定だったロス長官によるTikTokとByteDanceの禁止法は、IEEPAと行政手続法の制約に違反するとしたTikTokとByteDanceの主張が認められるだろうといっている。

商務省は、2020年11月すでに通知を発し(未訳記事)、同省はビートルストーン判事の判決に従い、今後の法的展開は保留する旨を伝えた。

ByteDanceは、この他にもTikTokを米国企業に売却せよとの企業売却命令にも直面している。この件に関しては、Oracle(オラクル)とWalmart(ウォルマート)からの提案を受け入れた(未訳記事)ものの、同社は11月、連邦控訴裁判所に命令の無効化を求めて提訴した。11月26日、トランプ政権は大統領令の期限を12月4日に延長したが、新たに延長されることなく期限切れを迎えた(Bloomberg記事)。

「裁判所が私たちの主張を認め、大統領令のすべての制限に対する一時差し止めに合意してくれたことを、うれしく思っています。私たちは、家庭やスモールビジネスを含む米国国民1億人の表現、つながり、経済的活性化、真実の喜びを支える家となるようTikTokの構築を進めてきました」とTechCrunch宛の電子メールで、TikTokの広報担当者は語っている。

米商務省の広報官は「当省は大統領令は法律に完全に準拠しており、国家安全保障上の利益の合法性を保っております。政府は今後も差し止め命令に従い、そのための措置を速やかに実施しましたが、大統領令と長官の履行努力を法的異議申立から精力的に擁護してゆく所存です」と述べている。

複数が重なり合うことの多いByteDanceとTikTokの米国政府との戦いを追跡する目的で、私たちは詳細な時系列をまとめた。継続的に更新していく予定だ。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:ドナルド・トランプTikTokByteDance裁判

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(翻訳:金井哲夫)

Amazonはパンデミック中に労働者に個人防護具を提供しなかったと訴えられる

米国時間11月12日、Amazon(アマゾン)の倉庫で働いていたChristian Smalls(クリスチャン・スモールズ)氏は、新型コロナウイルスのパンデミックの間に、黒人とラテン系の労働者に個人用防護具(personal protective equipment、PPE)を提供しなかったとして同社を訴訟した。

この集団訴訟では、アマゾンがその倉庫労働者を正しく保護せず、ニューヨーク市と連邦および州の人権法に違反したと申し立てている。

「私はアマゾンの忠実な労働者であり、すべてをアマゾンに捧げてきたが、突然解雇され、ごみのように放り出された。なぜなら私が、アマゾンがその献身的な労働者たちを新型コロナウイルスから守るよう主張したからだ。私はただ、アマゾンが労働者に基本的な保護具を提供し、仕事場を消毒するよう求めただけだ」と声明でスモールズ氏は述べている。

今日私は、アマゾンのすべての従業員と、このパンデミックの間に世界中で保護されていないすべてのエッセンシャルワーカー(必要不可欠で休めないワーカー)に代わって、ニューヨーク州で集団訴訟を起こした。最初に述べたように、これはアマゾン対クリスチャン・スモールズの問題ではなく、アマゾン対人の問題である。

この訴訟についてアマゾンはコメントしなかったが、黒人の従業員や顧客そしてパートナーとは連帯していると述べている。

「アマゾンのミッションは地球上で最も顧客中心の企業になることであり、そしてこのミッションは、多様性とインクルージョンにおける私たちの活動の中心となっています」とアマゾンの広報担当者であるLisa Levandowski(リサ・レヴァンドフスキー)氏はTechCrunchに対して語っている。「多様なチームは、私たちが顧客のために構築する製品やサービスや職場の日常的な性質について、より大きく、より異なった考え方をするのに役立ちます。このことは、私たちの「14 Leadership Principles(リーダーシップの14の原則)」で強化されています。この原則は、チームメンバーが多様な視点を求め、学び、好奇心を持ち、常に他人の信頼を得ることを思い出させるものです」。

Jesse Jackson(ジェシー・ジャクソン)牧師もこの訴訟を支持し、自分はスモールズ氏とその他のアマゾンの倉庫労働者と連帯すると述べている。

「新型コロナは倉庫や刑務所などさまざまなレベルで、黒人とブラウンのコミュニティに特に大きな被害を与えた。それは、私たちのコミュニティを脅かす目に見えない敵だ。クリスのケースは、企業の貪欲さと無神経さが文字通り、コミュニティを語られることのない不要なリスクにさらすという、典型的な例だ」とジャクソン牧師は声明で述べている。

スモールズ氏は、スタテンアイランドのフルフィルメントセンターでストライキを組織し、3月にアマゾンを解雇された(CNBC記事)。その結果、ニューヨークの司法長官はアマゾンが国の労働者安全法とニューヨーク州の内部告発者保護法に違反して、スモールズ氏を解雇したのではないか調べている(npr記事)。

スモールズ氏の解雇はそのほかの倉庫労働者を行動に駆り立て、後に彼らは国際的な組織を作ってアマゾンの倉庫の内部を変えるよう要求した。​主催者側は、労働者の報復行為がAmazon Workers International設立の推進要因の1つだと指摘している。一方、アマゾンの幹部らは、スモールズ氏の信用を失墜させ、彼を組織化運動の顔にすることについて議論したと報じられている(VICE記事)。

アマゾンのの1人はかつてTechCrunchに、スモールズ氏は抗議活動を組織化したために解雇したのではない、と述べた。代わりにアマゾンは、彼が「他の人びとの健康と安全を危うくし、雇用条件に違反した」から解雇したと話している。

「スモールズ氏は、ソーシャルディスタンスの指針に違反して何度も警告を受けた。彼はまた、検査で新型コロナウイルス感染者と確認された同僚と密に接触したことがわかり、14日間の有給での自宅待機を命じられた。有給での自宅待機は弊社が全世界の事業所で採用している措置だ。在宅の指示にも関わらず、彼は現場に来て、チームをさらに危険にさらした」と広報担当者は述べた。

関連記事:米アマゾンの倉庫作業員8人が新型コロナで死亡

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:Amazon訴訟

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

カリフォルニアの控訴裁がUberとLyftのドライバーを従業員とする下級裁の判決を支持

米国時間10月22日の控訴裁判所は、UberとLyftが彼らのドライバーを従業員に分類しなければならないと判決を下した。しかし、この判決は裁判所が送達を出した後、30日間延期されることになっている。つまりProposition 22の住民投票結果によっては、LyftやUberによるドライバーの分類の決定要因にならないこともある。

この訴訟全体を通じてUberとLyftは、ドライバーを従業員に分類すれば修復不能な被害が会社に生じると主張してきた。本日の判決では、裁判官はどちらの企業も「法律違反を禁止されていることによって重大なまたは回復不能な被害を被ることはない」と述べた。そして両社に生ずる財務的負担は「回復不能な被害のレベルと呼べるほどの大きさではない」とも述べた。

さらに裁判官によれば、仮差止命令はUberとLyftがドライバーに柔軟性と独立を与えることを妨げる要因ではないという。最後に裁判官は「今回の訴訟の契機となったAB5ギグワーカー法が決まったのは2年前の2018年であり、UberとLyftにはドライバーを独立した契約業者から従業員に移行させるに十分な時間があった」と述べている。

Lyftの広報担当者であるJulie Wood(ジュリー・ウッド)氏は本誌宛の声明で「この裁定によって、ドライバーの味方となりProp.22に賛成票を投じることが、ますます緊急になってきた」と述べている。

Prop 22は、ライドシェアのドライバーやデリバリーのワーカーを独立の契約労働者のままとどめるという、カリフォルニア州の住民投票で決まる条例案だ。これが成立すると、その企業のドライバーとデリバリーワーカーは、彼らをW-2級の従業員とする新しい州法の対象外となる。そうなると、アプリを使う旅客輸送やデリバリーのワーカーには、運転した時間に基づく最低賃金とヘルスケアの助成が給付される。

一方Lyftによると、同社はすべての法的選択肢を検討しており、その中にはカリフォルニアの最高裁への控訴も含まれるという。Uberもやはり控訴を検討している。

Uberの広報担当者は次のように述べている。「本日の判決が意味しているのは、Proposition 22が投票で否決されたら、ライドシェアのドライバーは独立の契約業者として働き続けることができなくなり、何十万ものカリフォルニアの住民が仕事を失い、州の大部分からライドシェアが姿を消す事態になるということだ。否決された場合の控訴も検討しているが、状況はむしろドライバーにとって分が悪い。彼らの72%がProp 22を支持している。カリフォルニアの経済はいまでも数百万人の失業者が存在し、今週だけでも新たに15万8000名が失業者支援を求めている」。

本日の判決の前には、カリフォルニア上位裁判所のEthan Schulman(イーサン・シュルマン)判事が2020年8月に、UberとLyftがドライバーを従業員へと分類変えするよう強制するために、仮差し止めを認めた。UberとLyftはその判決を控訴したが、しかしいまでは控訴裁判所が下級裁判所の判決を維持している。

この訴訟(未訳記事)は2020年5月に、カリフォルニアの司法長官Xavier Becerra(ザビエル・ベセラ)氏と、ロサンゼルスとサンディエゴとサンフランシスコ各市の弁護士たちが提起した。彼らは、労働者を独立契約労働者と誤分類することによって、UberとLyftが不公平で違法な競争上の優位性を得ていると主張した。そして6月に原告は、UberとLyftにドライバーの分類変えを強いるための仮差し止めを申請した。8月にシュルマン判事がそれを認めた

「本日の法的勝利は2社が対象だが、この戦いの範囲はもっと広い。これには、この国の労働の未来がかかっている。今後すべての世代が、真の福利厚生がある良質な雇用を確保できるかできないかがかかっている。もしUberとLyftがProp. 22の成立に成功し、人びとの意志を否定したら、他の数え切れないほど多くの企業もビジネスモデルを変えてワーカーを誤分類し、富める少数者が彼らの労働者の犠牲の上でさらに裕福になるだろう」とGig Workers Risingは声明で述べている。

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カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:UberLyftギグワーカー裁判

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フェイスブックがデータスクレイピングを実行する2社を提訴

Facebookは本日、「データスクレイピング」を国際的に実施していた2社を相手取り米国で訴訟を起こしたと発表した。このデータスクレイピングによる影響は、FacebookとInstagramの両方を含むFacebookのプロパティに加え、Twitter、Amazon、LinkedIn、YouTubeなどその他の大規模なウェブサイトやサービスにも及んでいる。「マーケティングインテリジェンス」を目的にFacebookユーザーのデータを収集したこれらの企業は、Facebookの利用規約に違反した行為を行ったとFacebookは伝えている。

訴訟で挙げられたその社名は、イスラエルを拠点とするBrandTotal Ltd.とデラウェア州で法人化されたUnimania Inc.だ。

BrandTotalのウェブサイトによると、同社は、メディアやインサイト&分析チームに競合他社のソーシャルメディア戦略や有料キャンペーンが可視化されるように設計された、競争力の高いインテリジェンスプラットフォームをリアルタイムで提供している。同社からの情報により、顧客は予算配分を分析してシフトし、新たなチャンスを見定めたり、新興ブランドのトレンドや脅威を監視したり、広告やメッセージングを最適化したりすることが可能となる。

一方でUnimaniaによると、同社のアプリを使用するとユーザーは異なる方法でソーシャルネットワークにアクセスできるようになると言う。例えば同社は、Facebookをモバイルウェブインターフェースで閲覧できたり、Twitterなど他のソーシャルネットワークと一緒に閲覧できたりするアプリを提供。その他にも匿名でInstagramのストーリーが見られるアプリなども提供しているとのことだ。

しかしフェイスブックによる今回の訴訟での焦点は、Unimaniaの「Ads Feed」とBrandTotalの「UpVoice」という2つのブラウザーの拡張機能についてである。

Ads Feedを使用するとユーザーはFacebook上で見た広告を保存して、後から閲覧することができる。しかし拡張機能のページで開示されているように、そうすることでUnimaniaの企業顧客の広告決定を知らせるパネルにユーザーをオプトインすることになる。一方でUpVoiceは、ユーザーが人気のSNSやショッピングサイトを利用したり、有名ブランドが運営するオンラインキャンペーンに対する意見を共有したりすると、ギフトカードがプレゼントされるというものだ。

Facebookは、これらの拡張機能はスクレイピングに対する保護とその利用規約に違反して運営されていると主張。ユーザーが拡張機能をインストールしてFacebookのウェブサイトを閲覧すると、拡張機能が自動的にプログラムを実行して、名前やユーザーID、性別、生年月日、交際状況、位置情報などアカウントに関連する情報をスクレイピングする仕組みだ。その後、それらのデータはBrandTotalとUnimaniaが共有するサーバーに送られる。

Facebook lawsuit vs BrandTo… by TechCrunch

データスクレーパーは、ボットやスクリプトのような自動化されたツールを使って、可能な限り多くの情報を収集することを目的として存在する。2016年の大統領選挙時、Cambridge Analyticaが誰に投票するか決めかねている有権者をターゲットとして、何百万人ものフェイスブックプロフィールをスクレイプしたという悪名高い事件がある。ボットを使用してコンサートやイベントのチケット価格を監視して、競合他社より安価で売れるようにするのもデータスクレイピングの一例だ。集められたデータはマーケティングや広告に使用されたり、単に他社に販売されたりすることもある。

Cambridge Analyticaのスキャンダルを受けて、Facebookは利用規約を破るさまざまな開発者に対して法的措置を取り始めた。

データスクレイピングにまつわるほとんどのケースは、コンピューターハッキングを起訴するために1980年代に制定されたコンピュータ詐欺・不正利用防止法に基づいて訴訟が行われている。「許可なく」コンピューターにアクセスした人は誰でも高額な罰金や実刑判決を受ける可能性があるわけだ。

しかし、法律では何が「許可された」アクセスで何が許可されていないのかが明確に定義されていないため、大手テック企業がデータスクレーパーを締め出すための努力は報われない場合もある。

2019年にLinkedInが、スクレイパーはインターネットで公開されているデータを収集しているに過ぎないとの控訴裁判所の判決を受け、HiQ Labsを相手にした訴訟で敗訴した事件は有名だ。電子フロンティア財団のようなインターネットの権利団体は「一般に公開されている情報へのアクセス方法が、パブリッシャーが異議を唱える方法でなされたからといって」インターネットユーザーが法的な脅威に直面すべきではないと主張しこの決定を称賛している

Facebookによる今回の訴訟は、実質的には公開されていないFacebookのプロフィールデータをスクレイピングしたBrandTotalを告発すると言うものであるため、これまでとは多少異なったケースである。Facebookによると、告発されているデータスクレイパーは、ユーザーのコンピューターにインストールされたブラウザー拡張機能を使用して、Facebookのプロフィールデータにアクセスできるようにしたという。

2019年3月、クイズアプリやブラウザーの拡張機能を使ってデータを収集し、プロフィール情報や友達リストをスクレイピングしていたウクライナ人の2名の開発者を提訴したとFacebookは伝えている。カリフォルニア州の裁判所は最近、この事件でFacebookに有利な判決を下している。昨年、マーケティングパートナーであるStacklaに対して起こしたスクレイピングをめぐる別件の訴訟でも、同様にFacebookに有利な結果となった。

そして今年、Facebookはスクレイピングと偽のエンゲージメントサービスに関与している企業や個人を相手に訴訟を起こした

ただし、Facebookはユーザーのプライバシーを保護するためだけにデータスクレイピング操作を取り締っているわけではない。そうしないと多額の罰金につながる可能性があるからだ。同社は今年初め、イリノイ州の個人情報保護法の体系的違反を疑う集団訴訟の和解のため5億ドル(約527億円)以上の支払いを命じられている。そして昨年はプライバシー侵害をめぐってFTCと和解し、50億ドル(約5270億円)の罰金を支払っている。政府がオンラインプライバシーとデータ違反の規制をさらに強化しようとしているため、このような罰金がさらに加算される可能性がある。

同社は、法的措置だけがデータスクレイピング防止のための処置ではないと言及。技術チームやツールにも投資しており、不審な活動や不正な自動機能を使ったスクレイピングを常に監視、検出しているとのことだ 。

関連記事:Facebook Groupsに新機能、ディスカッションの管理や公開コンテンツの表示が可能に

カテゴリー:ネットサービス

タグ:Facebook 訴訟 スクレイピング

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(翻訳:Dragonfly)

Teslaの訴訟は「中傷が目的」だとしてRivianが逆訴訟で反撃

Rivian(リビアン)はTesla(テスラ)が起こした訴訟を却下するよう裁判官に求めた。そこで訴えられた3つの主張のうち2つ、企業秘密の窃取と人材の引き抜きを立証するに足る表明がなく、従ってRivianの評判を貶め、求人努力を傷つけたという理由からだ。

もう1つの主張は、4人の前テスラ従業員に対する契約違反の問題だが、これに関しては「異議申立」も却下も求めなかった。なぜなら、Rivianには直接関係のないことだからだ。だが、この4人についても弁護士から同様の請求が出される可能性は残されている。

テスラにコメントを求めたが、返事は得られなかった。回答があり次第、更新情報をお伝えする。

2020年7月、テスラはRivianと4人の元従業員に対して、人材を引き抜き、企業秘密の窃取したと主張し訴えを起こした。テスラの訴えの具体的内容は、間もなくテスラを退職する従業員に、どのような機密情報が欲しいかを伝えていたというものだ。

Rivianは、8月10日にサンタクララのカリフォルニア州最高裁判所に起こした訴訟で、同社には「人材を雇用する際には、他社の秘密情報を持ち込ませないための厳格な規範と手順がある」と主張した。Rivianは、テスラが企業秘密としている情報は、Rivianにも同社のいかなるシステムにも一切使われいないと話している。

Rivianの主要な論点は、訴因構成に足る事実をテスラは明示していないということだ。この法律用語は、平たくいえば、テスラの主張には訴える権利を与えられるほどの十分な内容がないということだ。Rivianはテスラの訴訟の根拠は事実ではなく、憶測だと論じている。

「特に裁判所は、テスラの訴えの中に散見されるそうした明らかな憶測を信じないように」とRivianは訴えの中で求めている。

Rivianはテスラの訴えに反論したばかりではない。それは不当だとして自身も訴え返した。

Rivianの弁護団は、テスラの訴訟は、法的な知的財産権の防衛や保護が目的ではなく、Rivianの勢いを「弱めようとする不適切で悪意ある試み」のために訴訟を利用し、ブランドに傷を付けることが目的だと主張した。またテスラは、自社の従業員に会社を離れないよう脅しをかけるために訴訟を利用したとも訴えている。

残念なことに、Rivianの名前に傷を付けることだけがテスラの隠れた目的ではありません。むしろ彼らは、これは2つめの不適切な目的のために訴えをでっち上げたのです。その目的とはすなわち、自社の従業員に脅迫のメッセージを送ることです。テスラを離れようなどと思うなよ、と。カリフォルニア州には従業員の移動の自由を守る強力な公共政策があり、非競争契約が制限されていることを考慮すれば、テスラの苦情は、4人の元従業員に対する、テスラを離れてRivianに加わったことへの制裁が目的であることがわかります。

この反論はまた、訴訟のタイミングについても疑問を呈している。訴訟は、複数のファンドとRivianがT. Rowe Price Associates Inc.(ティーロウ・プライス・アソシエイツ)のアドバイザーアカウントから250万ドル(約2億7000万円)を調達(未訳記事)したことをRivianが発表した直後に起こされている。

画像クレジット:Rivian

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(翻訳:金井哲夫)

英国のUber運転手らがアルゴリズム説明責任をめぐりUberを提訴

英国のUber(ウーバー)運転手の一団が、オランダにある同社の子会社に対し、個人データを開示しアルゴリズムに関するアカウンタビリティー(説明責任)を果たすよう求める訴えを起こした

ウーバーの運転手とUber Eats(ウーバーイーツ)の配達業者は、同社がプロファイリング、およびデータに基づくアルゴリズムによって、欧州のギグワーカーをどのように管理しているかを公開するよう求めるこの訴訟に加わることができる。この訴訟を起こしたプラットフォーム労働者たちはまた、EUデータ保護法で定められている、データ開示に関する他の権利も行使することを求める考えだ。

折しも欧州委員会が人工知能の利用をリスクの重大さに基づいて規制するための枠組みを早急に策定しようとしている中で起きた今回の訴訟は、既存の法的な保護体制の下で、自動化された決定がどこまで規制されているのかを確認できる非常に興味深い事例になりそうだ。

AI技術の利用事例の多くに適用されるのは、今後も引き続き、現存の一般データ保護規則(GDPR)で定められている保護規制のみになると予想される。そのため、最先端のデータドリブン型プラットフォームという文脈において現行の保護体制の規制力がどこまで及ぶかを確認することは重要である。

欧州委員会はまた、今年末にも成立させたいと考えている「デジタルサービス法」によって、プラットフォーム運営企業の責任を明確化する規制の強化を図ろうとしており、その一環として、データモビリティやプラットフォーム労働者の権利などの関連事項についても積極的に取り組んでいる。そのため、今回のウーバーに対する訴訟は非常にタイムリーだと言える。

ロンドン、バーミンガム、ノッティンガム、グラスゴーのウーバー運転手で構成される原告団は、本日(米国時間7月20日)、アムステルダムの地方裁判所で申し立てたこの訴訟を通して、巨大テック企業ウーバーがGDPRを順守していないことを訴え、直ちにGDPRを順守することと、順守が遅れる場合には罰金として1日あたり1万ユーロ(約124万円)を支払うことを同社に命ずる判決を求める考えだ。

原告団はまた、ウーバーのプラットフォームが持つ個人データを、同原告団が設立を希望するデータトラスト(非営利団体が運営)に移すことを可能にする要求に従うよう同社に命じる判決も求める予定である。

Uber U.K.(英国ウーバー)側は、データ開示要求に従うべく鋭意努力していると話し、さらに、要求されたデータを開示できない場合はその理由を説明している、と主張している。

データ権はAIのブラックボックスをこじ開けられるか

EU市民には、GDPRに基づき、自分の個人情報の開示を求める権利が与えられている。これには、自分が提供したデータの複製を他の場所で再利用するために入手する権利も含まれている。

GDPRではさらに、完全に自動化された決定プロセスに服することによって法的あるいは類似の側面で重大な影響を受ける個人に付加的なデータ開示要求権を与えることが定められている。これは今回のウーバー訴訟にも関係している。なぜなら、同社のプラットフォームでアルゴリズムが配車・配達リクエストの中からどのように仕事を割り振るか(または割り振るのを控えるか)によって、運転手や配達業者の収入額が決まるからだ。

2年前にTechCrunchの記事でも書いたように、GDPR第22条は、AIブラックボックスが人間の動き方を決める力を制限する方法を定めた条項である。同条項では、影響を受ける個人のデータを処理する際のロジックについて情報を提供することをデータ管理者に義務づけている。しかし、データ管理者がどの程度詳しく情報を提供すべきかについては明確に述べられていないため、今回のウーバー訴訟は、GDPR第22条の限界はどこなのかを見きわめ、GDPRで規定されているより全般的な透明性およびデータ開示要求権についても確認できる機会になりそうだ。

ウーバーの運転手で、今回の訴訟を支持するひとりであるJames Farrar(ジェームズ・ファーラー)氏によると、この訴訟はGDPRに定められているすべての権利を対象にしているという。ちなみに同氏は、英雇用審判所がウーバーの運転手に雇用された労働者としての権利があることを認めるという画期的な判決が下された訴訟でも、原告団を代表する人物のひとりだった(関連する報道によると、2016年のこの判決後もウーバーが控訴を続けたため、この件については英最高裁判所で明日から審理が始まる)。

原告団のウーバー運転手たちは昨年、同社に対して「データ主体によるデータ開示要求」を行い、同社のアルゴリズムのプロファイルとパフォーマンスが運転手を管理している方法に関する詳細なデータを開示するよう求めた。しかし原告団はプレスリリースの中で「複数の運転手が、まったく不備のない要求を提出し、要求対象のデータについて明確で詳細な説明を提示したにも関わらず、データはほとんど、あるいはまったく開示されなかった」と書いている。

ファーラー氏は、昨年ウーバーが同氏に対していくらかのデータを開示したことを認めているが、それも同氏いわく「何度も継続して要求し続けた」末のことだったという。また、開示された情報には欠落している部分がいくつもあった。例えば、GPSデータは勤務した2年間のうちの1カ月分しか開示されず、乗車完了後に乗客が同氏に対して行った評価および同氏のプロファイルや関連付けられているタグについては、何の情報も開示されなかった。

ファーラー氏はTechCrunchの取材に対し、「ウーバーが私のプロファイル情報を持っていることは分かっているが、彼らはそれを開示したことがない」と語り、パフォーマンスタグについても同じ状況だと付け加えた。

「GDPRによると、ウーバーはデータ処理の根拠について説明する義務がある。しかし、運転手を管理するアルゴリズムや、そのアルゴリズムが運転手にどのように作用するのかについて、同社はこれまでまともな説明を行ったことがない。私自身も、例えば私のプロファイル情報に関連付けられている電子的なパフォーマンスタグがどのように処理されているのかという点について、ウーバーから説明を受けたことは一度もない」(ファーラー氏)

「偽の『不正使用』申し立てがウーバーのシステムによって検知された結果、運転手としての登録を解除された人がたくさんいる。これもまた法律で透明性を義務づけられている領域だが、ウーバーはその法律を順守していない」(ファーラー氏)

今回の訴訟は、App Drivers & Couriers Union(アプリ運転手および配送業者組合、ADCU)も支持している。ADCUはウーバーの運転手が業務中にパフォーマンスを監視されていることも争点として取り上げるつもりだという。

ADCUはまた、ウーバーがパフォーマンスに関する電子タグ(「到着遅延・到着予定時刻オーバー」、「乗車拒否」、「態度」、「不適切な行動」など)を運転手のプロファイル情報にどのように関連付けてきたかを示す証拠を提示する予定だ。

「このことは、ウーバー運転手の雇用形態について世界各地の裁判所で行われてきた数多くの訴訟の中で同社が繰り返してきた『運転手は自営業者であるため管理統制の対象にはならない』という主張と矛盾する」と原告団はプレスリリースの中で付け加えている。

原告団側の弁護士であるEkker Advocatuur(エッカー法律事務所)のAnton Ekker(アントン・エッカー)氏は、発表した声明の中で、「Uber BV(ウーバーBV)はウーバーのプラットフォーム運営者としてオランダで登記されている企業であるため、オランダの裁判所には今、ウーバーがGDPRを確実に順守するよう見届ける重要な役割が課せられている。今回の訴訟は、ギグエコノミーの労働者が、労働者としての権利を向上させるためにデジタル権に訴える画期的な事例である」と述べている。

さらに、International Alliance of App-based Transport(国際アプリベース運輸労働者連合、IAATW)に加盟している労働者も、ADCUが「史上初の国際的なコラボレーション」と呼ぶこの訴訟を支持している。

今回の訴訟に関してTechCrunchがウーバーにコメントを求めたところ、同社からメールで以下のような回答が得られた:

当社のプライバシー担当チームは、個人が知る権利を持ついかなる個人データも要求に応じて開示すべく、鋭意努力しております。データが存在しない場合や、そのデータを開示することにより他の人が持つGDPRに基づく権利を侵害する場合など、特定のデータを開示できない時にはその理由を説明いたします。GDPRの下で、個人はその懸念についてウーバーのデータ保護責任者に申し立てる権利または各国のデータ保護関連当局に再審査を求める権利を保障されています。

ウーバーはまた、同社の運転手らが昨年行った「データ主体によるデータ開示要求」に対してはすでに回答済みであり、その後、それらの運転手からは何の連絡もない、とTechCrunchに語った。

さらに同社は、実際に法廷で申し立ての内容を確認するのを待ちたい、と付け加えた。

今回の訴訟を支援している前述の各団体は、原告団の運転手らが運営したいと考えているデータトラストに運転手のデータを引き渡すようウーバーに強く要請している。

実は、ファーラー氏が運営する非営利団体Worker Info Exchange(労働者情報取引所、WIE)が、団体交渉を行うためにデータトラストを設立したいと考えているのだ。

「当団体はデータトラストを設立したい考えだが、ウーバーが一貫性のある方法で情報を開示せず、設立準備の妨害を止めない現在の状況が続く限り、実現は難しい。最善の方法はAPIだ」とファーラー氏は語り、「しかし大きな問題は、99.99%の運転手が適切なデータ開示またはアルゴリズムに関する説明をほとんどあるいはまったく受けていないことだ」と付け加えた。

運転手側の弁護士の事務所ウェブサイトに掲載されている声明の中で、同事務所は、他のウーバー運転手も、データ開示要求を本人の代理で行う権限をWIEに委任すれば原告団に加わることができるとしている。以下がその声明の抜粋だ。

労働者情報取引所(WIE)は、大手プラットフォームではなく、そのようなプラットフォームの運営企業が毎日好調な業績をあげる原動力となっている人々、つまり労働者たちに有利に働くように、勢力の均衡を変えることを目指しています。

ウーバー運転手の方は、本人の代理でGDPRにデータ開示要求を行う権限をWIEに委任することにより、この訴訟に加わることができます。

原告の運転手らはさらに、クラウドファンディングサイトのCrowdjustice(クラウドジャスティス)で、訴訟費用3万ポンド(約410万円)を集めるキャンペーンも開始した。

今回の訴訟とそれがウーバーに与える影響について、Newcastle University(ニューカッスル大学)法学部のLilian Edwards(リリアン・エドワーズ)教授は、「この訴訟の争点がGDPR第22条であることを考えると、ウーバーは同社のアルゴリズムについて『適切なセーフガード』を配置していることを示す必要がある」と指摘する。

「GDPR第22条は通常、例えばウーバーのアルゴリズムのように、自動化された情報処理にのみ基づく決定が行われないように要求する、あるいはそのような決定を人間が行うことを要求する権利を付与するものだ。しかし今回の訴訟では、ウーバーが、それなりの成果を出していることを理由に、運転手との関わりにおいて同社のアルゴリズムは必要不可欠だったと主張する可能性がある」とエドワーズ氏はTechCrunchに語った。

「しかしこれでウーバーにとって問題がすべて解決するわけではない。同社は依然として『適切なセーフガード』を設ける必要がある。そのうち最大のものは、これまで散々議論されてきた、アルゴリズムの仕組みに関する説明を受ける権利だ。しかし、それをどのように実現できるのか、具体的な方法についてはまだ誰も知らない」(エドワーズ氏)

「アルゴリズムが動く大まかな仕組みについて一般的な説明をするだけで十分なのだろうか。労働者が求めているのはそんなことではなく、アルゴリズムが本人のデータに基づいてどのように決定を下しているか(場合によってはどのように本人にとってマイナスになる、あるいは不利になる決定を下しているか)を具体的に理解することである。ウーバーは、そんなことは無理に決まっている、今でも企業秘密を十分すぎるくらい開示している、と反論してくるかもしれない。それでも、GDPR導入後、ついにこれらの争点が徹底的に議論される機会が開けたことはすばらしいと思う」(エドワーズ氏)

英国のデータ保護当局International Commissioner Office(個人情報保護監督機関、ICO)のウェブサイトに掲載されている、GDPR第22条の規定に関するガイダンスには、データ管理者は「特定の決定に至ったロジックと、その決定が個人に意味する重大性および想定される影響について、意味ある説明を提供しなければならない」と記されている。

さらに同ガイダンスには、自動化された決定に服する個人は、GDPR第22条により、希望すれば同決定の結果について人間によるレビューが行われるよう要求する権利を有することが記されている。同条項はまた、アルゴリズムによる決定に異議を申し立てることを可能にしている。該当する方法で決定を自動化しているデータ管理者は、偏見と差別を防止するための措置を講じなければならない。

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(翻訳:Dragonfly)