ティム・クック氏はEpic Games対アップルの反トラスト裁判でしらを切る

Apple(アップル)CEOのTim Cook(ティム・クック)氏は米国時間5月21日、初めて証言台に立った。おそらくEpic Games(エピックゲームス)対Appleの反トラスト訴訟で最も期待されていた証言だ。しかし、クック氏はEpicの偽りや申し立てを激しく非難するのではなく、重要な質問の多くに対して答えなかったり答えられないとして、注意深く準備された穏やかな無知を装った。

この期待はずれの結果は派手な報道にはならないものの、AppleのApp Store(アップ・ストア)が独占に当たるとする少々疑わしいが危険な主張を無力化する効果はあるかもしれない。

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アップルがApp Storeの反トラスト訴訟でEpicの秘密プロジェクトを告発、Epicは独占を批判

Appleの弁護人に呼ばれクック氏は証言台に立った、と法定に入ることを許されたメディア関係者2名のうちの1名であるLaw360のDorothy Atkins(ドロシー・アトキンス)氏が自身の詳細な証言ライブツイートで言った。クック氏からの引用は報じられたものであり逐語的ではないことに注意されたい。裁判所の速記録は後にまとめられて公開される予定だ。ちなみに、アトキンス氏による舞台装置の描写は魅力的かつ人間味あふれるものだが、EpicのCEOであるTim Sweeney(ティム・スウィーニー)氏は少々風変わりに見える。

スウィーニー氏はEpicの弁護人席に座り手元のペンを見つめている。弁護士のGary Bornsten(ゲリー・ボーンステン)氏が時折耳打ちしている。クック氏はリラックスした様子で脚を組んでいる。たった今隣に座っている人の方を向き、何かを言った後、笑った。

自社の弁護士によるクック氏に対する質問は穏やかで、AppleのApp Storeが優れていてiOSユーザーにとって十分である理由を繰り返す一方で、厳しい競争が存在していることも説明した。クック氏は少数のデベロッパーとの確執が存在していることを認め、優先度のち外や発見の改善が必要であることなどを挙げたが、デベロッパーとユーザーを維持するために会社は努力を続けていると語った。

うわべだけの無邪気な無知は、クック氏がAppleの研究開発費の数字(最近3年の年額が150~200億ドル[約1兆6330億〜2兆1770億円])を尋ねられたときに始まった。具体的には、Appleはその金額のうちどれだけがApp Storeに向けられたかを推定できない、なぜなら「当社はそういう割当て方をしていないから」だと同氏は言った。つまり、個々のプロダクトのための研究予算は、それ以外と区別されていない。

いやいやそれは納得できない、そうだろう?Appleのような会社は自社の製品や研究にいくら使っているかを1セント単位で把握している。仮に完全に分類できないとしても(MacOSコードの進展がApp Storeの一機能に取り入れられるなど)、会社は自社のリソースがどう割り振られ、どんな効果を得ているかをある程度知らないはずがない。App Storeの研究開発費の控えめな見積もりとリベラルな見積もりの違いは少なくない可能性がある。おそらく数億ドル(数百億円)単位で。しかも、そうした見積もりは間違いなく社内では行われている。そうでなければ企業として愚かである。

しかし、その数字は公表されず分類されていないため、そしてその数字はある程度曖昧であるに違いないため、クック氏は「App Storeの2019年の研究開発費は5億ドル(約540億円)である」というような具体的数字はない、と堂々と語ることができる。

確かな数字がないことはEpicの拠り所をなくす。数字はどちら向きにでも使うことができた。もし大きければ、会社は金の卵を生むガチョウを守っている(市場支配力を行使している)。もし小さければ、卵を集めている(市場支配力を通じて家賃を集めている)だけだ。Appleにとって唯一勝つ方法は何も演じないことなので、クック氏は沈黙を演じ、その結果Epicの主張は憶測のように見える(そして、Appleがいうように、作り話のように見える)。

次にクック氏は、利益に関する指摘の先手を打って、競争の激しさを訴える同様の戦略を展開した。彼は約2750億ドル(約29億9380億円)の純売上高と21%の利益率だけを挙げ、AppleはApp Storeの売上を独立事業として評価していないと語った。

たしかに、App Storeが大きなビジネス構造と非常に強固に結合された部門であるというのはわかる。しかし、独立事業として評価できないという考えはばかげている。Appleのあらゆる部門や製品ラインと同じく、App Storeの業績が社内で詳細に分析され報告されていることは間違いない。しかし、法的な目的においては「App Storeの売上と利益はこれこれである」と言えるほど単純でないこともまたたしかであり、結果的にEpicの前提はくずされる。

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しかし、これはEpicが独立した調査が必要だと考えたほど重要なことだった。そしてEpicの弁護士は、証人尋問の最初に、裁判の初期に専門家が証言したAppleのApp Storeの営業利益は約79%であるという供述を持ち出した。

こうした数字を認めることも否定することもAppleの利益にはならいので、クック氏はここでも無知を貫いた。ただし、わずかに本性が覗いたのは、Epicの弁護士がクック氏に対し、MacとiOS App Storeを合わせた機密の売上数値を分割するよう依頼した時だった。Appleがこれに反論し、それは部外秘であり非公開裁判でのみ公開できるとした一方で、クック氏はiOSの数字はMacの数字より「ずっと大きい」と発言した。

ここに見られるのは、もう1つの財務上の巧妙なごまかしだ。iOSとMacの売上を混ぜ合わせることで、Appleはそれぞれいくら金が使われいくら稼いだかを曖昧にしている。それらを分離しようとしたEpicの試みは成功しなかったが、裁判官の目は節穴ではない。彼女はEpicと同じものを見ている、ただしぼんやりと。Appleは曖昧で操作しているように思われるリスクを取ってでも、Epicの法的勝利を否定しようとしている。

これは、クック氏がAppleとGoogle(グーグル)と結んでいる検索エンジンをiOSのデフォルトにする契約について質問されたときにもあらわになった。クック氏は、具体的数字は覚えていないと語った。

世界最大のテック企業のCEOが、もう1つの世界最大級のテック企業との10年に渡る数十億ドルの契約の詳細を覚えていないと言ったら、あなたは信じるだろうか?

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それ以外の証言はほとんど何も明らかにしなかった。クック氏は、中国などの現地法が技術的、政治的な障害になる地域での経営の複雑さを述べ、Appleが30%の手数料をとっているアプリ内購入の範囲を拡大したことについての議論を最小化した。非公開法廷での証言がもう少し行われたが、機密情報に関わるため我々が知ることはないだろう。

裁判は終わりに近づき、そこに驚きはほとんどなかった。双方が最初に主張を展開し、そのほとんどは裁判長による事実の解釈に委ねられる。劇的な驚きも決定的な証拠もなかった。それは何が独占的行為を構成するかに関する新たな主張にすぎなかった。AppleはAndroidとの競争は存在し熾烈であり、ゲームの世界ではWindowsとゲーム専用機とも競争していると頑なに主張した。

判決がどちらに傾いたとしても、控訴されて上級裁判所に行くことはほぼ必然だが、判決は、Epicの主張(とAppleのぼやかし)がどこまで受け入れられたかを示す強力な指標になる。いずれにせよ、EpicやAppleのApp Store手数料(会社がどう隠そうとも莫大な利益を挙げている)を批判するその他の人々にとって、目的はすでに達成されている。Appleが最初の100万ドル(約1億1000万円)に対する手数料を15%に引き下げたことは、デベロッパーの騒動とマスコミの酷評に対する答えであることは明らかであり、今Appleはソーセージがどうやって作られているかを守る立場に立たされている。

Appleの陽極酸化アルミニウムの塔を曇らせることは、少なくとも目的の一部なので、勝っても負けてもEpicは、払った金に見合うものを手に入れた気分かもしれない。ヨーロッパでの再戦はまだこれからだ。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:AppleEpic Games反トラスト法裁判ティム・クックApp StoreFortnite

画像クレジット:Josh Edelson/AFP

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Nob Takahashi / facebook

アップルがiTunesストアの「購入」について集団訴訟に直面、「購入」と「レンタル」の区別が欺瞞的との主張

アップルがiTunesストアの「購入」について集団訴訟に直面、「購入」と「レンタル」の区別が欺瞞的との主張

電子書籍や音楽などDRM(デジタル著作権管理)がかかったものは、一般にあくまで「アクセス権」を購入しているにすぎず、ストアがサービスが終了したりアクセス権を停止すれば読んだり視聴できなくなるリスクがあります。

そうした文脈のもと、アップルがiTunesストアで映画やテレビ番組につき「購入」が詐欺的だとして集団訴訟に直面していると報じられています。

米メディアHollywood Reporterによると、本訴訟はカリフォルニア州の連邦地裁に提起されたものです。主席原告のデビッド・アンディーノ氏は、「購入」と「レンタル」の区別が欺瞞的だと言い、なぜならアップルが「購入した」コンテンツへのアクセスを停止する権利を持っており、実際に何度も行ってきた(だから「買う」と「借りる」の違いはない)と主張しているとのことです。

この裁判を担当するジョン・メンデス判事いわく、アップル側は「購入したコンテンツがiTunesプラットフォーム上に無期限に残ると信じている合理的消費者はいない(つまり永遠にアクセス権を取り消されないと信じてはいない)」と主張して訴訟を却下させようとしたとのことです。

しかし判事は「一般的な言い回しでは、『購入する』という言葉は何かの所有権を獲得することを意味しています」「合理的な消費者は自分のアクセスが取り消されないことを期待すると考えるのが妥当だと思われます」として、訴訟を却下せずに継続を認めています。

ほか、アンディーノ氏の主張に対してアップルは、原告が「デジタルコンテンツを買うのをやめたとも言ってないし、デジタルコンテンツが改善されたと思えるようなiTunes Storeの変更も申し立てていないので、有効な将来の脅迫侵害を主張していない」と反論したとのこと。これを判事は、原告が購入したコンテンツがいつか消える可能性があるという損害は具体性を欠き、むしろ憶測にすぎないと主張しているとまとめています。

アップルの主張につき判事は「原告が主張する損害は、アップルが言うような『購入したコンテンツへのアクセスをいつか失うかもしれない』というものではない。むしろ購入時に高額な金額を支払ったこと、または不当表示がなければ使わなかったであろうお金を払ったことが損害です。この経済的損害は、アップルが主張するような憶測ではなく、具体的かつ現実的なもの」だとコメントしています。

メンデス判事は、原告の主張のうち不当利得返還請求を棄却したものの、アップルにコンテンツ販売方法の変更を迫ることができる差止命令の余地は残したとのこと。つまりアンディーノ氏ら原告は払ったお金を返してもらうことはできないが、iTunesストアの「購入する」など表記の修正命令を勝ち取れる可能性はあるわけです。

こうしたデジタルコンテンツにまつわる問題は、アップルのみならずAmazonなどにも深く関係があり、実際に米Amazonプライムビデオは不公正な競争と虚偽の広告があるとして訴訟を起こされています。今回の訴訟もゆくえによっては、デジタルコンテンツ業界に広く影響を及ぼすのかもしれません。

(Source:Hollywood ReporterEngadget日本版より転載)

カテゴリー:ネットサービス
タグ:iTunes(製品・サービス)Apple / アップル(企業)訴訟 / 裁判(用語)DRM(用語)ネットショッピング / eコマース(用語)

試験監督ソフトのProctorioを大学生が提訴「批判を抑えるために著作権法を乱用した」

米国のある大学生が、試験監督ソフトウェアをてがけるProctorio(プロクトリオ)を提訴した。同社が批判に対する「不愉快な活動」を鎮めるために、著作権法を乱用して同社製品に批判的なツイートを削除したと告発している。

電子フロンティア財団(EFF)は、このマイアミ大学の学生でセキュリティ研究も行っているErik Johnson(エリック・ジョンソン)氏の代理人として訴訟を起こし、Proctorioが「DMCAを不当利用してジョンソン氏のコメントを弱体化させた」と非難した。

Proctorioは、ジョンソン氏のツイート3件が同社の著作権を侵害しているとして、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)に基づき削除要請を通知。これを受けてTwitter(ツイッター)はそれらのツイートを非表示にした。

新型コロナウイルス感染流行が拡大する中、学校や大学では学生の試験をリモートで行い、そのバーチャルな監督として試験監督ソフトウェアを用いるケースが増えている。学生は学校が選んだ試験監督ソフトウェアをインストールし、PCのマイクやウェブカメラへのアクセスを許可しなければならない。学校側は、この試験監督ソフトを通じて、学生の不正行為の可能性を発見することが可能になる。しかし、有色人種の学生からは、このソフトウェアが白人以外の顔をきちんと認識できないことについて不満が出ている。また、このソフトウェアには高速インターネットアクセスが必要だが、低所得者層の家庭にはそれがないことも多い。これらのチェックに失敗すると、その学生は試験に落ちてしまうこともある。

このようにソフトウェアが不正を防ぐための監視を行っているにもかかわらず、Viceは2021年3月、Proctorioが監視している試験で簡単に不正行為を行う学生がいると報じた。いくつかの学校では、プライバシーの問題を理由に、Proctorioやその他の試験監督ソフトウェアの使用を禁止または中止している。

Proctorioの試験監視ソフトウェアはChromeの拡張機能であり、一般的なデスクトップ用ソフトウェアとは違って、バグや欠陥がないか、簡単にダウンロードしてソースコードを調べることができる。ジョンソン氏は、このソフトが不正行為の兆候を検出した場合、どのような状況で学生のテストが終了するのか、疑わしい目の動きや異常なマウスクリックをどのように監視しているのかなど、コードを調査して発見した内容をツイートした。

これらのジョンソン氏のツイートには、このChrome拡張機能のソースコードの一部が公開されているPastebin(ペーストビン)へのリンクが含まれていた。

Proctorioは当時、ジョンソン氏が「Proctorioのソフトウェアコードの抜粋をコピーして自身のTwitterアカウントに投稿した」ことで、同社の権利を侵害したと、危機管理会社のEdelman(エデルマン)を通じて主張。しかし、Twitterは、Proctorioの削除要請が「不完全」であると判断し、ジョンソン氏のツイートを復活させた

「ソフトウェア企業は、自社に対する批判者を弱体化させるために著作権法を乱用することはできません」と、EFFのスタッフ弁護士であるCara Gagliano(カーラ・ガグリアーノ)氏は述べている。「自分の研究を説明したり、批判的なコメントを裏づけるためにコードの一部を使用することは、書評で本を引用することと何ら変わりません」。

訴状では、Proctorioの「根拠のないDMCA削除要請のパターン」が「自分の研究結果を報告することでさらなる嫌がらせを受けるのではないか」という不安を抱かせ、ジョンソン氏のセキュリティ研究活動に萎縮効果を与えたと主張している。

「著作権所有者は、批判者が著作権侵害をしていると虚偽の告発をした場合、特にその目的が脅迫や弱体化であることが明らかな場合には、責任を問われるべきです」と、ガグリアーノ氏は述べている。「私たちは、ジョンソン氏が自身のコメントを裏づけるためにコードの抜粋やスクリーンショットを使用したことに対する、さらなる法的脅迫や削除要請を防ぐため、侵害はないという宣言的判決を裁判所に求めています」。

EFFは、これが批判に対応するためにProctorioが広く用いている手法の1つであると主張している。2020年、ProctorioのCEOであるMike Olsen(マイク・オルセン)氏は、学生のプライベートなチャットログを許可なくRedditに掲載した。この事件の後、オルセン氏は自分のTwitterアカウントを非公開にしている。また、Proctorioはブリティッシュ・コロンビア大学の学習技術専門家であるIan Linkletter(イアン・リンクレター)氏が、同社の試験監督ソフトウェアを批判するツイートを投稿したとして提訴している。

今回の訴訟はProctorioの本社があるアリゾナ州で行われている。Proctorioのマイク・オルセンCEOは、コメントの要請に応じていない。

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カテゴリー:EdTech
タグ:Proctoriomデジタルミレニアム著作権法(DMCA)裁判Twitterプライバシー

画像クレジット:Alex Edelman / AFP / Getty Images

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(文:Zack Whittaker、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

フェイスブックが2019年の個人情報流出で集団訴訟に直面する可能性

Facebook(フェイスブック)は2019年の大規模なユーザーデータ流出をめぐって訴えられることになりそうだ。このデータ流出は最近明らかになったばかりで、5億3300万超のアカウントの情報がハッカーフォーラムで無料でダウンロードできる状態だった。

Digital Rights Ireland(デジタル権利アイルランド、DRI)は現地時間4月16日、欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)にある個人情報流出に対する金銭賠償を求める権利を引用しながら、Facebookを相手取って「集団訴訟」を開始することを発表した。

GDPRの82条では、法律違反によって影響を受けた人に「賠償と責任の権利」を認めている。GDPRが2018年5月に施行されて以来、関連する民事訴訟は欧州で増えている。

アイルランド拠点のデジタル権利のグループは、EUあるいは欧州経済圏に住むFacebookユーザーに、haveibeenpwnedウェブサイト(電子メールアドレスまたは携帯電話番号で確認できる)を通じて自身のデータが流出しなかったかどうかチェックし、もし該当するなら訴訟に加わるよう促している。

流出した情報には、FacebookのID、位置情報、携帯電話番号、電子メールアドレス、交際ステータス、雇用主などが含まれる。

訴訟についてFacebookにコメントを求めたところ、広報担当は以下のように述べた。

当社は人々の懸念を理解しており、引き続き許可なしのFacebookからのスクレイピングを困難なものにすべくシステムを強化し、そうした行為の裏にいる人物を追跡しています。LinkedInとClubhouseが示したように、完全にスクレイピングをなくしたり、スクレイピングによるデータセットの露出を防ぐことができる企業はありません。だからこそ当社はスクレイピングとの戦いにかなりのリソースをあてていて、引き続きこの問題の一歩先を進むよう対応能力を強化します。

Facebookは欧州本部をアイルランドに置いている。今週初め、同国のデータ保護委員会はEUとアイルランドのデータ保護法に基づき調査を開始した

国境をまたぐケースの調査を簡素化するためのGDPRのメカニズムにより、アイルランドのデータ保護委員会(DPC)がFacebookのEUにおける主なデータ規制当局だ。しかしながら、GDPR申し立てと調査の扱いやアプローチをめぐっては、クロスボーダーの主要ケースについて結論を出すまでの所要時間などが批判されてきた。これは特にFacebookの場合にあてはまる。

GDPRによるすばやいアプローチが導入されて3年になるが、DPCはFacebookの事業のさまざまな面に関する複数の調査を行っているものの、いずれもまだ結論が出ていない。

(最も結論に近いものは、FacebookのEUから米国へのデータ移転に関して2020年出した仮停止命令だ。しかし申し立てはGDPR施行のずいぶん前のことで、Facebookはただちにこの停止命令を阻止すべく裁判を起こした。解決は訴訟人がDPCプロセスの司法審査を提出後の2021年後半が見込まれている)。

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2018年5月以来、EUのデータ保護規制では、最も深刻な違反をした企業に対し、グローバル売上高の最大4%の罰金を科すことができる。少なくとも書面上はそうだ。

ただし繰り返しになるが、DPCがこれまでにテック企業(Twitter)に対して科したGDPRの罰金は理論上の最大金額には程遠いものだ。2020年12月に規制当局はTwitterに対し、45万ユーロ(約5860万円)の罰金を発表した。この額はTwitterの年間売上高のわずか0.1%ほどにすぎない。

この罰金もまたデータ流出に対するものだった。しかしFacebookの情報流出と異なり、Twitterのものは同社が2019年に問題に気づいたときに公表された。そのため、5億3300万のアカウントの情報流出につながった脆弱性にFacebookが気づいたものの公表せず、2019年9月までに問題を修正したという主張は、Twitterが科されたものよりも高額な罰金に直面すべきと思わせる。

ただ、たとえFacebookが情報流出でかなりのGDPRの罰金を受けることになっても、監視当局の取り扱い案件の未処理分と手続きのペースが緩やかなことからして、始まってまだ数日の調査のすばやい解決は望めない。

過去の案件からするに、DPCがFacebookの2019年の情報流出について結論を出すのに数年はかかりそうだ。これは、DRIが当局の調査と並行して集団での訴訟を重視している理由だろう。

「今回の集団訴訟への参加を意義あるものにしているのは賠償だけではありません。大量のデータを扱う企業に、法律を順守する必要があり、もしそうしなければその代償を払わなければならないというメッセージを送ることが重要なのです」とDRIのウェブサイトにはある。

DRIは2021年4月初め、Facebookの情報流出についてDPCにも苦情を申し立てた。そこには「アイルランドの裁判所での損害賠償のための集団訴訟を含め、他の選択肢についても法律顧問と協議している」と書いている。

GDPR施行までのギャップによって、訴訟資金提供者が欧州に足を踏み入れ、データ関連の損害賠償を求めて一か八かで訴訟を起こすチャンスが増えているのは明らかだ。2020年、多くの集団訴訟が起こされた

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DRIの場合、どうやらデジタル権利が支持されるようにしようとしている。しかしDRIは、プライバシーの権利が踏みにじられたユーザーに金を支払うようテック大企業に強制する損害賠償を求める主張が法に則った最善の方法だとRTEに語った。

一方、Facebookは2019年に明らかにしなかった情報流出について「古いデータ」だと主張して軽視してきた。これは、人々の出生日は変わらない(そして、多くの人が携帯電話番号や電子メールアドレスを定期的に変えたりもしない)という事実を無視する歪んだ主張だ。

Facebookの直近の大規模な情報リークで流出した多くの「古い」データは、スパマーや詐欺師がFacebookユーザーを標的にするのにかなり使い勝手のいいものになる。そして訴訟の関係者がデータ関連の損害でFacebookをターゲットとするのにも格好の材料となっている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Facebookデータ漏洩EUヨーロッパGDPR裁判個人情報

画像クレジット:Jakub Porzycki/NurPhoto / Getty Images

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Nariko Mizoguchi

アップルがApp Storeの反トラスト訴訟でEpicの秘密プロジェクトを告発、Epicは独占を批判

Epic Games(エピックゲームス)対Apple(アップル)の後者による独占的慣行を巡る裁判は2021年5月に始まり、4月8日に両者の主張が発表された。裁判所の意向により一部削除されている。基本的事実の合意を踏まえ、両者はそれぞれの解釈について争う、そのために両CEOが(バーチャル)証言台に立つ可能性は高い。

先にTechCrunchでも報じたように、Epicの主張の論旨は、Appleのアプリ市場支配と30%の手数料が反競争的行動であり、反トラスト法で規制されるべきだというものだ。同社は、自社のゲーム内通貨ストアを人気のゲーム「Fortnite(フォートナイト)」に忍び込ませてAppleの支払い方法を回避するという、不法行為とされる行動で反逆した。CEOのTim Sweeney(ティム・スウィーニー)氏は後日、うかつにもこれを悪法に抵抗する公民権運動になぞらえた。

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Appleは市場独占の訴えを否定し、同社が自身のApp Storeだけでなく、市場全体で膨大な競争に直面していることを主張した。そして手数料の割合に関しては、ある程度調整の余地はあるだろうが(Appleは2020年を通じて批判を浴びたあと、デベロッパーの最初に100万ダウンロードについて取り分を15%に引き下げた)違法である可能性は低い。

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一方Appleは、反トラストの申立て自体も、関連した言いがかりも、Epicの人目を引くための宣伝行動にすぎないと主張した。

実際Epicは、訴訟を提起した時点で広報戦略の準備をすべて整えており、訴状には「Project Liberty」 と呼ばれる長期的社内プログラムがあった(Appleは下落しているFortniteの売上を強化するため、としている)。EpicはPR会社に30万ドル(約3300万円)ほどを払い「アプリ公正性のための連合」を通じたAppleとGoogleに対する複数企業による告発キャンペーンを含む「2フェーズのコミュニケーション計画」を指示したと見られている。

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Project LibertyはAppleの訴状の中で1つの節全体を占めており、Epic Gamesとスウィーニー氏による「Googleを(おそらくAppleも)反トラストを巡る法廷闘争に引き込む」計画が詳しく述べられており、内部のメールによると、決済システムを回避してアプリストアから追放されることをきっかけにしようとしていた。EpicはProject Libertyにはわずか1段落でのみ言及し、プロジェクトを秘密にしていた理由を「Epicは、AppleにFortnite Version 13.40を拒否されることなく、これを公表することが不可能だった」ためだと説明した。つまりそれは違法な決済システムが組み込まれたバージョンだったという意味だ。およそ説得力のない反論だ。

果たしてAppleの手数料は高すぎるのか、また果たしてEpicはFortniteの儲かる期間を伸ばすためにこれをやっているのか。裁判は反トラスト法と方針に基づいて裁定されるが、その点でこの裁判はAppleにとってさほど恐ろしいものには思えない。

双方の法的議論と事実の概要は数百ページにわたるが、要点はEpic Gamesの訴状の最初の一文に十分要約されている。「本訴訟はAppleによる同社iOSエコシステム内の2つの市場における市場独占を告発するものである」。

具体的には、Appleが自ら作り当初から管理し、デジタル配信およびゲーム分野においてあらゆる競合相手から明確に非難されているそのエコシステムの上で、Appleが支配者であると言えるのかどうかを争う裁判だ。

しかし、一介の記者の意見などあまり役に立たない。だから裁判が行われるのであり、2021年5月に予定されている。示すべき根拠はたくさんある。Epic Gamesの主張の説明は、Appleの反論と同じくらい正確でなくてはならない。その意味でも、Apple CEOのTim Cook(ティム・クック)氏、Epic CEOのティム・スウィーニー氏、Appleの元マーケティング責任者でおなじみの顔Phil Schiller(フィル・シラー)氏らによるライブ証言が楽しみだ。

証言と質問のタイミングと内容は後日までわからないが、聞くに値する興味深いやり取りがあることは間違いない。裁判は5月3日に始まり、約3週間続く。

これに関連して他にもいくつか裁判が進行中であり、AppleがEpicを契約違反で訴えている対抗訴訟もその1つだ。多くの訴訟がこの主要な訴訟の結果に全面依存している。すなわち、もしAppleの契約条件が違法であれば、契約違反そのものが成立しない。そうでなければ、Epicが自ら規則違反を十分認めていることから裁判は事実上終わっている。

双方が提出した「事実認定案」の全文はこちらで読むことができる

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Epic GamesApple独占禁止法App StoreFortnite裁判

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Nob Takahashi / facebook

飛行モビリティWisk Aeroが特許侵害と企業秘密盗用の疑いでArcher Aviationを提訴

Kitty Hawk(キティ・ホーク)とBoeing(ボーイング)の合弁会社で、飛行モビリティを手がけるWisk Aero(ウィスク・エアロ)は、米国時間4月6日、Archer Aviation(アーチャー・アビエーション)を相手取り、特許侵害と企業秘密の横領を主張する訴訟を起こした。

Wisk Aeroは訴状の中で、Archer Aviationが機密情報と知的財産の「大胆な窃盗」を行ったと主張している。この訴訟では、2021年2月にArcher Aviationが初めて発表した電動航空機のデザインが、Wisk Aeroの潜在的なデザインの1つをコピーしたものであると指摘。そのデザインは2020年1月に米国特許商標庁に提出されており、類似点があまりにも多く、偶然の一致ではないとWisk Aeroは主張している。

さらにWisk Aeroは、Archer Aviationが同社の元エンジニア10名を雇用した後に行われた捜査で、そのうちの1名が退職前に数千ものファイルを密かにダウンロードしていたことが明らかになったと主張。別のエンジニアもファイルをダウンロードしていたと訴えている。

盗まれたファイルに含まれる情報には、システム設計、テストデータ、航空機のデザインなどが含まれていると、Wisk Aeroは4月6日に投稿したブログ記事で述べている。

「訴状で説明しているとおり、Archerが公開したデザインには、Wiskの長年による実験とモデリングに基づいた広範な空力試験と評価データに関する内部知見が反映されています」と、同社はブログ記事で述べている。「航空機全体のデザインが類似していることから、航空機の推進機関、電力管理、航空電子工学、飛行制御、製造方法に関連した特徴を含む、さらに詳細な設計上の特徴を、Archerが利用していることは明らかです」。

Archer Aviationは2021年、特別買収目的会社であるAtlas Crest Investment Corp.(アトラス・クレスト・インベストメント)との合併を2月に発表し、時価総額が38億ドル(約4171億円)に達するなど、いくつかの大きな勝利を掴み取っている。同じ2月に、このカリフォルニア州パロアルトを拠点とするスタートアップ企業は、顧客および投資家としてUnited Airlines(ユナイテッド航空)から10億ドル(約1100億円)の注文を獲得している。

関連記事:eVTOL開発のArcherがユナイテッド航空から受注、SPAC経由で上場も

Archer Aviationの広報担当者は、TechCrunchに宛てたメールで次のように述べている。「Wiskが、従業員数名の離職の原因となったビジネス上の問題から目を逸らすために、訴訟を起こすことは遺憾です。原告がこれらの問題を提起したのは1年以上前ですが、徹底的に調べた結果、Wiskの独自技術がArcheに渡ったと信じるに足る理由はありませんでした。私たちは精力的に自らを弁護するつもりです」。

また、同社の広報担当者は、次のように続けた。「当社では、政府による調査と、ある従業員に対して出された捜査令状に関連して、その従業員を休職させました。この捜査は、その従業員が当社に入社する前の行為に焦点を当てていると、我々は考えています。Archerと、当該従業員が一緒に働いていた他の3名の従業員も、この捜査に関連した召喚状を受け取っており、全員が当局に全面的に協力しています」。

この刑事捜査のニュースを受けて、Wisk Aeroの広報担当者は「Archerがこの件に関する刑事捜査を開示したことは承知しており、当社は政府に全面的に協力しています。現時点ではそれ以上のコメントはありません」と述べた。

この訴訟は、カリフォルニア州北部地方裁判所に、ケースNo.5:21-cv-02450として提訴されている。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Wisk AeroArcher Aviation訴訟特許eVTOL

画像クレジット:Wisk Aero

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

米最高裁がトランプ前大統領がTwitterの批判者をブロックしたのは違憲との判決を無効に

米国の連邦最高裁判所は、Trump(トランプ)前大統領がTwitter(ツイッター)で自身に反対する投稿をブロックしたことが合衆国憲法修正第1条に違反するとした過去の判決を無効にした。

2019年にマンハッタンの連邦控訴裁判所は、トランプ氏の行為が違憲であるとの判決を下していた。同裁判所は、トランプ氏がTwitterを「公務の遂行」と「一般市民との交流」のために使用していたことから、ユーザーをブロックするという同氏の決定が憲法修正第1条に反すると判断した。

「憲法修正第1条は、ソーシャルメディアのアカウントをあらゆる公務に利用している公務員が、その公務員に反対する意見を述べたことを理由に、その人物をそれ以外のオープンなオンライン対話から排除することを認めていない」と、3人の裁判官はこの判決で述べている

最高裁が先行判決を無効としたことは、まったく予想されていなかったというわけではない。トランプ氏はもはや大統領ではなく、現時点でTwitterのアカウントを永久停止されているからだ。

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予想外だったのは、Clarence Thomas(クラレンス・トーマス)最高裁判事が出した付随意見で、それは問題の本質をはるかに超えて、大手テックプラットフォームに対する斬新な批判にまで及んでいた。

トーマス氏は12ページの意見書の中で、トランプ氏のTwitterにおける行動から離れ、TwitterやFacebook(フェイスブック)などのデジタルプラットフォームが持つモデレーションの力が本当の問題であるとの主張を展開した。「言論が妨げられないようにすることを目的とするならば、より顕著な問題は、支配的なデジタルプラットフォームそれ自体ということにならざるを得ない」と、トーマス氏は書いている。

さらにトーマス氏は、ひと握りの意思決定者によるデジタルプラットフォームの「集中管理」に対する懸念を示し、デジタルプラットフォームがモデレーションの決定においてあまりにも大きな力を行使していると主張。「通信事業者の場合と同様に、この集中によって一部のデジタルプラットフォームが言論に対して巨大な支配力を持つことになる」と書いている。

米国時間4月5日に発表されたトーマス氏の意見は、通信品位法230条によってデジタルプラットフォームに与えられている保護を、もっと狭義に解釈して「削減」するべきであるというこれまでの同氏の主張を反映したものだった。

民主党が議会で主導権を握る中、一部の共和党員は、ビッグテクノロジーに対する批判を、そのモデレーションの力から、それらのサービスが精神的な健康にどのような影響を与えるかといった別の問題へと移しつつある。しかし、トランプ大統領が就任してから4年の間に醸し出された一連の不満は、最高裁判事のクラレンス・トーマス氏の中で生き続けている。

2021年1月には、トーマス氏の妻であるGinni Thomas(ジニ・トーマス)氏が熱烈なトランプ支持者であり、米国連邦議会議事堂に暴力的に侵入したトランプ支持派の群衆を応援したことで、批判にさらされた。

トーマス氏の意見に他の判事は参加していないが、同氏がテックプラットフォームのモデレーション決定に言及したことは、この問題がまだ枯れていないことを示している。

「我々は近いうちに、デジタルプラットフォームのような高度に集中した民間所有の情報インフラに対し、我々の法理がどのように適用されるかを議論せざるを得なくなるだろう」と、トーマス氏は警告している。

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タグ:Twitterドナルド・トランプ裁判SNS

画像クレジット:Justin Sullivan / Erin Schaff – Pool / Getty Images (Image has been modified)

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

米最高裁がオラクルに対する壮大な著作権侵害訴訟でグーグルを支持

米国の最高裁判所は今週、テクノロジーに関して多くの意見を述べた。同最高裁判所は米国時間4月5日の月曜日、Google(グーグル)とOracle(オラクル)による長期にわたる法廷闘争に対し、オラクルに80億ドル(約8800億円)の賠償金が支払われる可能性があった勝利をくつがえした。

最高裁は6対2の判決で、グーグルがオラクルのソフトウェア言語ことJavaの一部を自社のスマートフォン用OSに組み込んでも、著作権法に違反していないと判断した。グーグルはオラクルのAndroid用Java APIのコードをコピーしており、この裁判は確立されたAPIの再利用と著作権に関する1年に及ぶ議論の口火を切った。

2018年に連邦控訴裁判所は、グーグルがAPIを使用することで実際に著作権法に違反しており、その実装はフェアユースに該当しないとの判決を下していた。

「この決定を検討するにあたり、私たちは議論のためにその素材が著作権による保護の対象であると仮定します。しかしここで問題となっているコピーはそれにもかかわらず、フェアユースを構成していたと判断します。したがって、グーグルのコピーは著作権法に違反していないのです」と、Stephen Breyer(スティーブン・ブレイヤー)判事はオラクルへの以前の勝訴をくつがえした判決文の中で述べている。なお、Samuel Alito(サミュエル・アリト)判事とClarence Thomas(クラレンス・トーマス)判事は異議を唱えた。

関連記事:OracleがJavaの著作権侵犯裁判でGoogleに勝利

「グーグルがJava SE APIをコピーしたことは、プログラマーがその才能を活かして新しい変革的なプログラムを開発するために必要なコードだけを含んでおり、法律上はその素材の公正な使用にあたります」とブレイヤー氏は記している。

グーグルのグローバル問題担当シニアヴァイスプレジデントを務めるKent Walker(ケント・ウォーカー)氏はこの判決について、下に埋め込んだドキュメントのように「イノベーション、相互運用性、コンピューティングにおける大きな勝利」と述べている。

判決文はこちらで確認することができる。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:GoogleOracle裁判著作権

画像クレジット:Knotel / Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:塚本直樹 / Twitter

Fleksyの共同創設者がApp Store詐欺による売上減でAppleを提訴

キーボードアプリFleksyの共同創設者であるKosta Eleftheriou(コスタ・エレフセリウ)氏(後にPinterestが買収契約で獲得)は、自身のアプリFlickTypeが詐欺の標的になったことを受け、偽レビュー、評価、サブスクリプション詐欺、悪質なクローンアプリなどのApple App Storeの問題に注意を呼びかけてきた。そしてこの開発者はApp Store改革の次の一歩を踏み出し、Appleを相手に訴訟を起こそうとしている。

関連記事:Appleは蔓延するアプリの評価詐欺を根絶するよう開発者に迫られている

米国時間3月17日にサンタクララ郡のカリフォルニア州上級裁判所に提出された同氏の訴えでは、Appleは、安全で信頼できる場所であると宣言して、iOSアプリケーションを合法的に販売できる唯一の場所であるApp Storeのためのアプリケーションを作るよう開発者を促しながら、合法的なアプリ開発者が手にすべき利益を搾取する詐欺行為から開発者を保護していないと申し立てている。

さらに訴状によるところでは、詐欺師たちがサブスクリプションを利用して収益を生み出しており、そこにはAppleとの収益分配が含まれているため、Appleはそのような行為に対して無関心になっているとされている。

エレフセリウ氏は個人的にApp Store詐欺師の影響を受けてきた。同氏はPinterestでの高収入の仕事を辞め、Apple Watch用のスワイプ型キーボードの1つであるFlickTypeアプリの開発に努めてきた。ローンチ後、このアプリは模倣アプリ制作者たちの標的となった。彼らは、自分たちのアプリがFlickTypeと同じ機能セットを提供していると主張しながら、貧弱なデザインのソフトウェアを提供し、ユーザーに高価なサブスクリプションを押し付けている。さらに偽の評価やレビューを大量に表示することで、ユーザーがこの分野でアプリを探しているときにはるかに優れた選択肢であるように見せかけることも行っている。

一方、FlickTypeは3.5星の評価を受けており、開発者によるコントロールの及ばないApple Watchプラットフォームの問題や、ユーザーの関心を引きそうな機能が欠けていることなどがたびたび指摘されている。しかし、エレフセリウ氏は自身のアプリのユーザーと関わりを持っている。苦情に対応し、ユーザーが要求した機能が追加されたりバグが修正されたりしたことを知らせている。詐欺師たちは、アプリの総合的な評価を高く保つために5つ星のレビューを十分な数購入するだけだ。

言い換えれば、エレフセリウ氏がApple Watch用のスワイプ式キーボードのカテゴリを築くApp Storeの開発者として懸命に働いている間、潜在的な収入はApp Store上の偽アプリが横取りしているというわけだ。

関連記事:Google Playの手数料が30%から15%に値下げ、2020年のAppleに倣って

Appleは何年も前から、アプリの品質問題に真剣に取り組んできた。同社は、疑わしいサブスクリプションアプリを一掃し、定期的なスイープを通じてApp Storeからクローンやスパムを削除した。かつては、アプリの品質基準を高めるためにテンプレートを使って作られたアプリを禁止したこともあったが、これはより専門的なアプリを作るためのリソースや資金がない小規模事業者の怒りを買った。(Appleはその後、ポリシーをより公平なものに変更した。)

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しかし新たな訴訟では、Appleは開発者の不正行為から利益を得ているため、詐欺師のアプリを取り締まっていないと指摘されている。エレフセリウ氏はまた、自身の会社であるKPAW, LLCを通じてこれらの問題をAppleに提起しているが、Appleはこの問題を解決するために「ほとんど何もしなかった」と述べている。

だが、エレフセリウ氏のストーリーはさらに複雑だ。同氏のアプリは、Appleの特別プロジェクトマネージャーを務めるRandy Marsden(ランディ・マースデン)氏と買収の可能性について話し合った後、App Storeから何度も却下されているからだ。エレフセリウ氏はTechCrunchに対し、Appleと数字についても協議され、会議にはディレクターやバイスプレジデントなどが参加したと語っている。訴状によると、AppleはFlickTypeをApple Watchの機能にすることを検討していたという。

その直後、競合他社のアプリが承認されたにもかかわらず、FlickTypeはApp Store Reviewガイドライン違反でApp Storeから削除された。エレフセリウ氏はDeveloper Relationsを通じて抗議したが、今後同じ問題を防ぐ方法については何も指導を受けなかったという。

その後数カ月にわたって、FlickTypeはApp Store Reviewから拒絶され続けた。このアプリは多くのメディアの技術系ジャーナリストたちが称賛しており、Appleも購入を検討したことがあるにも関わらず、AppleのApp Store Reviewは「貧弱なユーザー体験」を提供するものだと伝えている。App Reviewは開発者に「フルキーボードアプリはApple Watchには適さない」とも伝えているが、競合他社によるキーボードアプリの公開は認めている。

AppleのApp Reviewチームは、FlickTypeの統合可能バージョンのキーボードを使っているサードパーティーアプリも問題なく承認した。その中には、RedditのNano、TwitterのChirp、WhatsAppのWatchChat、InstagramのLensなどのWatchアプリが含まれている。

Appleが2020年1月にFlickTypeを承認した後、常に拒否されていたわけではない競合他社のキーボードによって、FlickTypeの収益はすでに1年にわたって損なわれてきたと同社は主張している。それでもFlickTypeはApp Storeの有料アプリトップ10に名を連ね、最初の1カ月で13万ドル(約1400万円)を稼いでいる。その成功の結果、すぐに詐欺師たちの標的になり、彼らは水増しされたほとんど使い物にならない競合アプリをローンチし、FlickTypeの収益を減らしたのだ。FlickTypeの月間売上は2万ドル(約220万円)に落ち込んでいる。競合各社はまた、偽のレーティングを使って人気を保ち、疑いを持たないユーザーにアプリをインストールさせていた。

エレフセリウ氏のストーリーは、結果的に特殊なものではなかった。同氏はここ数カ月、App Storeにおける数百万ドル単位の詐欺行為記録してきたが、その中には同氏が直面したものだけでなく、同様の苦労を体験した開発者たちのケースも含まれている。ソーシャルメディアでの同氏の記述によると、Appleが何らかの対応をしたケースもあり、そうでないケースもある。また、詐欺アプリの1つを削除するだけで、同じ開発者アカウントの他のアプリが動作し続けることを許可しているようだ。

今回の新たな訴訟は、エレフセリウ氏が直面した問題についてAppleに責任を負わせることを目的としており、同氏が失った収益の回復と、裁判所が裁定したその他の損害賠償金の支払いをAppleに求めている。

Appleにコメントを求めたが、現時点で回答は得られていない。

訴状のコピーは以下の通り。検証のための公的記録検索にはまだ現れていない。この訴訟がオンラインで表示されるようになったら、状況に応じて更新する。

Kpaw, LLC対Apple, Inc、Scribdより、TechCrunch提供

カテゴリー:ネットサービス
タグ:AppleApp StoreアプリFleksy裁判

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Dragonfly)

AppleとEpic Gamesの裁判の証人候補はいずれもほぼ役員リスト

AppleがゲームメーカーEpic Gamesとの裁判に向けて提出した証人リストには、まるで両社の役員リストのような顔ぶれになっている。この長期にわたる戦いは、モバイルアプリの決済にとって重要な分岐点になるかもしれない。

両者の対立は、Epic Gamesが「Fortnite(フォートナイト)」がAppleによる手数料徴収をバイパスするようデザインされたゲーム内支払いシステムを追加し、Appleがそのプロフィールをカットし、さらにApp Storeから追い出された2021年8月に始まった。

関連記事:アップルがフォートナイトを筆頭にEpic GamesのApp Storeアカウントを完全削除

Epic GamesはAppleに対して、モバイル決済に関する独占的慣行だと訴えている。一方、AppleはEpicが収益を上げるためにApp Storeの契約を破ったと主張している。

この文書は、Appleが2021年3月19日の夜遅くに提出したもので、両社のトップエグゼクティブの名が並んでいる。AppleはCEOのTim Cook(ティム・クック)氏、ソフトウェアエンジニアリング担当SVPのCraig Federighi(クレイグ・フェデリギ)氏、そしてAppleフェローのPhil Schiller(フィル・シラー)氏が、Epic GamesのほうにはTim Sweeney(ティム・スウィーニー)氏と副社長Mark Rein(マーク・レイン)氏、さらにMicrosoft、Facebook、NVIDIAの幹部の名前もある。

TechCrunchに提供された声明の中で、Appleは次のように述べている。

当社の上級幹部は、App Storeが過去12年間にわたって革新、世界の経済、顧客体験に与えてきた非常に好ましい影響を法廷で共有することを楽しみにしている。Epicが意図的に契約を破ったのは収益を上げるためだけだということが証明されると確信している。これによってEpicはApp Storeのセキュリティ機能を回避し、競争を減らし、消費者のプライバシーとデータセキュリティを大きなリスクにさらすことになった。

裁判は2021年5月3日に始まる予定だ。TechCrunchはEpic Gamesにコメントを求めている。

関連記事:フォートナイトのEpic Games創設者、Appleとの闘争を公民権運動に例えて語る

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:AppleEpic GamesApp Store裁判

画像クレジット:Andrew Harrer/Bloomberg via Getty Images / Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)

「気まぐれな」ツイートを続けるイーロン・マスク氏とそれを監視できないテスラ取締役会を同社株主が提訴

Tesla(テスラ)のCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏のツイートが、またしても訴訟の対象となっている。

マスク氏が、米国証券取引委員会(SEC)との間で交わされた和解案に違反する「気まぐれなツイート」を投稿し続けているとして、テスラの投資家の1人がマスク氏とテスラの取締役会を訴えている。この和解案では、同社の取締役会がマスク氏のソーシャルメディア活動を監視しなければならないことになっていた。Bloomberg(ブルームバーグ)が最初に報じたこの訴訟は、マスク氏が規制当局から罰金や罰則を科せられる可能性に会社をさらしており、株価を下落させるおそれがあると主張。取締役会はマスク氏の行動を制御できておらず、会社を危険にさらしていると指摘している。

投資家のChase Gharrity(チェイス・ガリティ)氏によるこの訴訟は、米国時間3月8日にデラウェア州の衡平法裁判所に提出され、3月12日に開示された。コメントを求められたテスラは返答していない。

テスラおよびマスク氏とSECは、先の裁判所命令に違反したとして侮辱罪に問われることなく、マスクCEOに一定の制限範囲内でTwitter(ツイッター)を使える自由を与えることで、2019年4月に合意に達した。この合意により、特定の出来事や財務上のマイルストーンに関する内容を除き、マスク氏は好きなようにツイートすることができるようになった。上記のような内容を含むツイートをする場合、マスク氏は証券弁護士から事前に承認を得なければならないと、マンハッタンの連邦裁判所に提出された契約書にある。

2019年4月の合意は、マスク氏とSECとの数年にわたる法廷闘争の成果だ。両者の戦いは、2018年8月7日にマスク氏が1株420ドル(約4万6000円)でテスラを株非公開化するための「資金を確保した」と述べた悪名高いツイートから始まった。この時、SECはマスク氏が証券詐欺を行ったとする訴状を提出している

マスク氏とテスラは不正行為を認めずにSECと和解した。テスラは2000万ドル(約22億円)の罰金を支払うことに合意し、マスク氏はテスラの会長職を辞任して、少なくとも3年間は復職できないことに同意しなければならなかった。テスラは2人の社外取締役を加えることと、マスク氏のTwitterを含む同社に関する公の場での発言を監視する方法を導入するよう求められた。

関連記事:速報:イーロン・マスク、Tesla会長を辞任――SECと和解、CEOには留まる

この争いが再燃したのは、マスクが2019年2月19日に、テスラがその年に「およそ」50万台を生産するというツイートを投稿し、数時間後に訂正して、年内に年産50万台のペースに達するという意味だということを明らかにした時だ。

今回の訴訟では、マスク氏のツイートが2019年4月の判決に違反し、自身と取締役会の善管注意義務に背いていると主張。105ページに及ぶ訴状は、マスク氏のアカウントから投稿された複数のツイートを挙げており、その中にはSECの判決から1年以上経った2020年5月1日の「Tesla stock is too high IMO.(私の意見を言わせてもらうと、テスラの株価は高すぎると思う)」というツイートも含まれている。

このツイートによってテスラの株価は急落。マスク氏の株価ツイートから30分後に下落幅は12%近くに達した。このツイートは、同日に矢継ぎ早に発信された数多くのツイートの1つで、さまざまなトピックを取り上げたこれらのツイートの中には「人々に自由を返せ」という要求や、米国国歌の一節、詩人Dylan Thomas(ディラン・トマス)からの引用、そして自分の所有物をすべて売り払うという主張などがあった。その後、マスクはウォール・ストリート・ジャーナル紙に電子メールで、ふざけていたわけではなく、自分のツイートは事前に吟味されたものではないと語っている。

12日に明らかにされた訴訟では、テスラの取締役会が「マスク氏に汚染されていないアドバイスを提供できる」法務統括責任者の確保にも失敗したと主張している。2019年には3人の法務統括責任者が同社を離脱しており、訴状ではこれを、マスク氏の「望む結果」と異なる自主的なアドバイスを行える者がいなかったことの証拠として指摘している。

マスク氏の「気まぐれな」行動は、数十億ドル(数千億円)の時価総額の損失を含む「実質的な損害」をテスラに与えたと、訴状は述べている。

この訴訟は「Gharrity v. Musk, Del. Ch., No. 2021-0199」となる。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Teslaイーロン・マスク裁判TwitterSEC

画像クレジット:Yichuan Cao/NurPhoto / Getty Images

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

フェイスブックがイリノイ州のプライバシー保護法をめぐる集団訴訟で約694億円支払う

Facebookはイリノイ州の州民をプライバシーの侵犯から護る州法に違反したとして米国時間2月26日に、6億5000万ドル(約693億9000万円)の支払いを命じられた

Biometric Information Privacy Act(生体認証情報私権法、BIPA)は、近年テクノロジー企業がつまずいて転倒している強力な州法だ。Facebookに対する訴訟は2015年に始まり、Facebookが顔認識を利用して写真の中の人に同意なくタグを付けているのは州法に違反していると同社を告訴した。

カリフォルニアの連邦裁が下した最終示談によると、160万人のイリノイ州住民が1人あたり345ドル(約3万6800円)以上を受け取ることになる。この最終的な数は、2020年にFacebookが提示し判事が不当と判断した5億5000万ドル(約587億2000万円)よりも1億ドル(約106億8000万円)高い。Facebookは2019年に、自動顔認識によるタグ付け機能を無効にして、自動でなくオプトインにし、イリノイの集団訴訟で広まったプライバシーへの批判の一部に対応した。

2020年、イリノイ州住民の顔が同意なく顔認識システムのトレーニングに使われていたため、同法の違反としてMicrosoftとGoogle、Amazonが、それぞれ個別の訴訟で訴えられている。

関連記事:顔認識のプライバシー侵犯でマイクロソフトやグーグル、アマゾンがイリノイ州住民に告発される

イリノイのプライバシー法は一部のテクノロジー大手を紛糾させたが、このBIPA法は、疑わしいプライバシー行為を行っている小規模な企業に対しても効力は大きい。議論の渦中にある顔認識ソフトウェアの企業Clearview AIは現在、州内でBIPAによる独自の集団訴訟に直面している。同社は訴訟を州外に持ち出そうとしたが失敗した。

関連記事:顔認識スタートアップのClearview AIがイリノイ州法違反で集団訴訟に発展

6億5000万ドルの示談は、通常の企業を倒産させるには十分な額だが、しかしFacebookは2019年の、50億ドル(約5338億5000万円)というFTCの記録的な罰金のときと同じく、平然と対応できるだろう。しかしイリノイ州の法律には牙がある。Clearviewの場合は、企業の事業活動を州外に追い出すこともできたのだ。

Facebookのような巨大な怪物を同じ方法で罰することはできないにしても、何年間もビジネスを行ってきたテクノロジー世界のデータブローカーたちにとって同法は、今後ますます無視できない脅威だ。連邦、州、そして議会のレベルで規制当局は、テクノロジーを抑制するための強力な措置を提案している。そしてイリノイ州の画期的な法律は、他の州が参考にするに十分な説得力のあるフレームワークを提供している。テクノロジー大手が国の監督に従うことを悪夢と思うならば、テクノロジー企業のやり方を州ごとに決めている先進的な州法の寄せ集めでも十分に彼らの口には合わないだろうが、未来にとって役に立つ規制になりうるだろう。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Facebookプライバシーイリノイ顔認証裁判

画像クレジット:Design Cells/Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hiroshi Iwatani)

NY州司法長官がアマゾンを提訴、新型コロナ対策の不備と従業員への報復的措置を指摘

ニューヨーク州のLetitia James(レティシア・ジェームズ)司法長官は、Amazon(アマゾン)が同州にある2つの施設で適切な健康安全対策を怠ったこと、そして苦情を言った従業員を不当に懲戒解雇したことを主張し、ニューヨーク州最高裁判所に提訴した

ジェームズ氏は2020年3月にAmazonの調査を開始した。同氏の事務所によると、当初はスタテン島の発送センターとクイーンズ区の配送センター(合計5000人以上の従業員を雇用)の状況に焦点を当てていたが、後に従業員の解雇や懲戒処分にまで調査を拡げることになったという。

関連記事:NY州司法長官がAmazonの新型コロナ対策を不適切でぞっとする労働方針と呼ぶ

声明の中で、ジェームズ氏は次のように述べている。

AmazonとそのCEOは、この危機の間に数十億ドル(数千億円)の利益を上げましたが、勤勉な従業員は危険な環境に耐えることを余儀なくされ、そしてこれらの懸念を正当に表明した従業員は報復を受けました。新型コロナウイルス感染流行が始まって以来、Amazonが人々よりも利益を重視し、従業員の健康と安全の確保を怠ったことは明らかです。パンデミックの間も、この国を動かし、それを維持してきた労働者が、最悪の待遇を受け続けているということです。私たちがAmazonの行動に対して責任を追及しているように、私の事務所は、あらゆる形での搾取や不公正な扱いからニューヨークの労働者を守ることに、引続き専念していきます。

Amazonは先週、ジェームズ氏を先制して提訴し、職場の安全は米連邦に属する問題であり、彼女には提訴する権限がないと主張していた。

「先週の提訴で示した通り、私たちは従業員の健康と安全を深く気にかけており、司法長官の提訴は、Amazonの業界をリードするパンデミックへの対応を正確に表現したものではないと考えています」と、Amazonの広報担当者であるKelly Nantel(ケリー・ナンテル)氏は声明で述べている。

今回の訴訟では、Amazonが適切な清掃・消毒や接触者追跡について定めた州法に違反し、従業員が「保健、衛生、社会的距離、必要な清掃に取り組める時間が取れるように」生産性の方針を改めなかったことなどを訴えている。

この訴訟はまた、Christian Smalls(クリスチャン・スモールズ)氏の解雇(自身も同社を提訴している)と、Derrick Palmer(デリック・パーマー)氏への警告を「労働者の不満に対する迅速な報復的措置」であると指摘している。

関連記事:Amazonはパンデミック中に労働者に個人防護具を提供しなかったと訴えられる

ジェームズ氏の事務所によると、この訴訟ではAmazonの方針の変更、スモールズ氏への未払給料および損害賠償の支払いと同氏の復職、パーマー氏への損害賠償、そして「Amazonが違法行為の結果として得た利益の放棄」を求めているという。

関連記事:2020年の注目すべき労働問題を振り返る

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:Amazon新型コロナウイルス裁判ニューヨーク

画像クレジット:ANGELA WEISS/AFP / Getty Images

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(文:Anthony Ha、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ファーウェイが米商務省による「安全保障上の脅威」指定をめぐり提訴

今週初め、Huawei(ファーウェイ)のRen Zhengfei(任正非)CEOは、同社が望む米国の新政権との会談について、やや外交的な発言をした。このハードウェアの巨人はまた、FCC(米連邦通信委員会)が同社を国家安全保障上の脅威として指定したことに異議を唱え、あまり互譲的ではない路線をとっている。

Huaweiは今週、米国第5巡回区控訴裁判所に提訴し、FCCの裁定を「恣意的、気まぐれ、裁量の乱用であり、実質的な証拠に支えられたものではない」と主張した。

このスマートフォンメーカーと中国政府との関係には長年疑惑が渦巻いていたが、米国はDonald Trump(ドナルド・トランプ)政権時代にHuaweiに対する行動を大幅に硬化させていた。米国政府は、実質的に同社を狙い撃ちするための多くの路線を敷いてきた。中でも特筆すべきは、米商務省が同社を「Entity List(エンティティリスト)」に記載し、米国企業との取引を事実上禁止したことだ。

関連記事:ファーウェイCEOはバイデン新大統領との会談を歓迎

Huaweiは米国の政権移行を、権力者による再評価を受ける機会と捉えているようだ。同社は長い間、スパイ行為やその他の安全保障上の容疑を否定してきた。「私が歓迎するのは、共同開発や成功の共有を回復させる電話やメッセージです」と、今週初めに任氏はJoe Biden(ジョー・バイデン)大統領との会談を熱望していることをメディアに語った。「米国は経済成長を望んでおり、中国も同様に経済成長を望んでいます」。

しかし、FCCの広報担当者は、The Wall Street Journal(ウォール・ストリート・ジャーナル)における声明の中で、2020年の決定に固執し「FCCは2020年、当委員会と多数の米国の国家安全保障機関によって示された実質的な証拠に基づき、Huaweiを国家安全保障上の脅威として特定する最終的な指定を発行しました。我々はその決定を引き続き守っていくつもりです」と述べている。

関連記事:バイデン政権のジーナ・ライモンド商務長官にはファーウェイをエンティティリストから外す理由がない

これまでのところ、バイデン政権はHuaweiに対する規制を緩和する計画を示していない。共和党議員の反対に対し、商務長官に指名されたGina Raimondo(ジーナ・ライモンド)氏は、「これらのリストに記載されている企業を、記載されるべきではないと考える理由は現在のところありません」と強調し、「もし承認されたら、これらの企業や懸念される他の企業についての説明が設けられる機会を楽しみにしています」と述べた。

バイデン政権は、トランプ政権時代に行われた中国企業に対する他の措置を見直しているようだ。なお、ホワイトハウスが安全保障上の懸念を再評価している間、計画されていたTikTok(ティックトック)の米国事業の強制売却は保留されている。

関連記事:TikTok米国事業のオラクルへの強制売却が棚上げ

カテゴリー:ハードウェア
タグ:HuaweiJoe BidenアメリカエンティティリストFCC裁判

画像クレジット:VCG / Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

TikTokの親会社ByteDanceが市場独占疑惑をめぐりTencentを提訴、中国の裁判所が受理

中国政府が同国のインターネット大手による独占的な動きを阻止しようとしている中、ByteDance(バイトダンス)がライバルのTencent(テンセント)との戦いを裁判所に持ち込んだ。

TechCrunchがByteDanceの広報担当者に確認したところ、北京の知的財産裁判所(知識産権法院)は、Tencentに対して提起されたByteDanceの訴訟の進行を許可したという。新興のメディア企業ByteDanceは、TikTok(ティックトック)の中国版であるDouyin(抖音)に対するTencentの制限が中国の独占禁止草案に違反していると主張している。Douyinは北京に本社があるのに対し、Tencentの拠点は深圳にある。

Tencentは3年前から、Douyinを同社の主力SNSアプリであるWeChatとQQからブロックしており、ユーザーがDouyinアプリのコンテンツを閲覧したり共有したりすることを禁止している。Tencentの行動は「間違いなく」独禁法草案で禁止されている「市場支配を悪用して競争を排除し、制限することで達成される独占的行動」に該当すると、Douyinは述べている

「当社は、競争は消費者にとってより良いものであり、イノベーションを促進すると信じています。我々の権利とユーザーの権利を守るために、この訴訟を提起しました」。

Tencentはこれに対し、今回の告発は虚偽で悪質な名誉毀損であると述べている。さらに、毎日6億人のユーザーが利用しているDouyinは、WeChatのユーザーデータにアクセスするために違法で反競争的な方法を使っており、同社のプラットフォームエコシステムとユーザーの権利を侵害したとして、ByteDanceを提訴する予定であると主張している。

ByteDanceとTencentは、それぞれがお互いの縄張りを狙っている。ByteDanceは、ソーシャルネットワーキングにおけるTencentの支配に対抗するためにチャットアプリをデビューさせ、Tencentは多数のショートビデオアプリを導入してDouyinの人気に対抗しようとした。どちらも、それぞれの分野で他方の優位性を脅かすことはできていない。

関連記事:中国人が熱狂するショートビデオにネットの巨人も気が気ではない

20年間の比較的緩い規制に続いて、中国政府は中国のインターネット大手の独占的行為を抑制しようとする姿勢を強めていることが、早期の兆候として示されている。

2020年11月には、中国のトップ市場規制当局が初の独占禁止法の草案を発表し、訴訟や調査への門戸が開かれた。12月には、規制当局がAlibaba(アリババ)のプラットフォーム上での独占販売をベンダーに強要したとして、Alibabaに対する独占禁止法の調査を開始した。そして2021年2月になって、北京の裁判所は、反競争的な行為を行ったとして、ファッションeコマースサイトのVipshopに300万元(約4900万円)の罰金を課した。今後数カ月の間に、中国のインターネット大手がさらに独禁法違反で打撃を受けても不思議ではないだろう。

関連記事:中国eコマース大手アリババの独禁法違反調査始まる

カテゴリー:ネットサービス
タグ:ByteDanceTencent裁判中国独占禁止法

画像クレジット:Greg Baker / Getty Images

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(文:Rita Liao、翻訳:Aya Nakazato)

アップルが古いiPhoneの性能を意図的に落としていた問題に対しイタリアで新たな集団訴訟

欧州でApple(アップル)に賠償を求める第3次集団訴訟が提起された。イタリアの消費者保護団体であるAltroconsumo(アルトロコンスーモ)は、iPhone 6シリーズについて「計画的な陳腐化」が行われたと訴えている。

この訴訟は、数年前発覚したAppleがバッテリーの劣化した古いiPhoneの性能を、ユーザーに知らせることなく、意図的に落としていた問題と関連している。同社は後にこれを認めて謝罪している。

Altroconsumoが属する消費者団体のEuroconsumers(ユーロコンシュマーズ)が発行したプレスリリースによると、このイタリアにおける集団訴訟は、補償としてiPhoneの所有者1人につき平均60ユーロ(約7600円)と計算し、総額で6000万ユーロ(約76億円)を求めている。対象とされている機種はiPhone 6、 6s、6 Plus、6s Plusだ。

欧州ではこれに先立ち、ベルギーとスペインでも、この問題を巡る集団訴訟が、2020年12月に提起されている。さらにポルトガルでも、間もなく提訴が予定されている。

この巨大テクノロジー企業は2020年、米国で同様の告発を解決した。米国ではAppleが消費者に新型iPhoneの購入や新しいバッテリーへの交換を促すために、意図的に古いiPhoneの性能を落としていると訴えられ、(任意の不正行為であることは否定しながらも)1台のiPhoneにつき約25ドル(約2600円)、総額で5億ドル(約52億円)もの大金を、和解のために支払った。

「消費者はAppleのiPhoneを購入するとき、持続可能な品質の製品を期待します。残念ながら、iPhone 6シリーズはそうではありませんでした。消費者は騙されただけでなく、フラストレーションと金銭的な被害に直面しなければなりませんでした。環境の観点から見ても、これはまったく無責任なことです」と、Euroconsumersで施策と施行の責任者を務めるEls Bruggeman(エルス・ブルッグマン)氏は、声明の中で述べている。

「この新たな訴訟は、欧州における計画的陳腐化に対する我々の闘争の最前線です。我々の要求は単純です。米国の消費者は補償を受けたのだから、欧州の消費者も同じ公正さと敬意をもって対応されたいということです」。

Euroconsumersは、この集団訴訟に対するより広い支持を呼びかけるための動画を作成した。その中でAppleを、巧みに製品の寿命を早める方法を思いつく「天才」と皮肉を述べている。

Appleは欧州の集団訴訟についてコメントを求められている。

ほぼ1年前、同社は古くなったiPhoneの性能を制限するiOSのアップデートをめぐって、フランスの競争監視委員会から2500万ユーロ(約31億5000万円)の罰金を科せられた。また、同社のウェブサイトに1カ月間、この措置に関する声明文を掲載しなければならなかった。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:AppleiPhone裁判イタリア

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(翻訳:TechCrunch Japan)

企業秘密窃盗で18カ月の実刑判決を受けていた元Googleエンジニアにトランプ前大統領が恩赦

企業秘密を盗んだ罪で18カ月の実刑判決を受けていた元Google(グーグル)のエンジニアで起業家のAnthony Levandowski(アンソニー・レヴァンドウスキ)氏が、Donald Trump(ドナルド・トランプ)前大統領から恩赦を受けた。

米国時間1月19日深夜に発行されたこの恩赦は、レヴァンドウスキ氏が刑務所の独房入りを免れることを意味する。このほか、同氏を含む全部で73人に恩赦が与えられ、70人が減刑された。レヴァンドウスキ氏は2020年8月に刑期を迎えたが、この事件を担当したAlsup(アルサップ)判事は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の脅威が過ぎるまで、刑務所に出頭する必要はないと述べていた。

「私の家族と私は前に進む機会を与えていただいたことに感謝し、そして大統領と私を支持し弁護してくださった方々に感謝しています」と、レヴァンドウスキ氏はTechCrunchに語った。

レヴァンドウスキ氏の恩赦は、Founders Fund(ファウンダーズ・ファンド)の共同創設者Peter Thiel(ピーター・ティール)氏やOculus(オキュラス)の創設者Palmer Luckey(パーマー・ラッキー)氏、裁判弁護士のMiles Ehrlich(マイルズ・アーリッチ)氏とAmy Craig(エイミー・クレイグ)氏、実業家で投資家のMichael Ovitz(マイケル・オヴィッツ)氏など、テクノロジー企業の創設者や投資家によって支持された。他にも、Founders FundのパートナーであるTrae Stephens(トレイ・スティーブンス)氏や、Thiel Capital(ティール・キャピタル)のCOOであり、The Thiel Foundation(ティール財団)の会長でもあるBlake Masters(ブレイク・マスターズ)氏など、ティール氏の組織に関係のある人々もレヴァンドウスキ氏を支援している。

以下は、恩赦を支持した人々の名前を含む、ホワイトハウスが投稿した全文だ。

アンソニー・レヴァンドウスキ:トランプ大統領はアンソニー・レヴァンドウスキ氏に恩赦を与えました。この恩赦は、James Ramsey(ジェームズ・ラムゼイ)氏、ピーター・ティール氏、マイルズ・アーリッチ)氏、エイミー・クレイグ氏、Michael Ovitz氏、Palmer Luckey氏、Ryan Petersen(ライアン・ピーターセン)氏、Ken Goldberg(ケン・ゴールドバーグ)氏、Mike Jensen(マイク・ジェンセン)氏、Nate Schimme(ネイト・シンメル)氏、トレイ・スティーブンス氏、ブレイク・マスターズ氏、James Proud(ジェームズ・プラウド)氏らの強い支持を得ています。レヴァンドウスキ氏はGoogleの自動運転技術の開発を主導した米国の起業家です。レヴァンドウスキ氏は民事訴訟から生じた刑事上の起訴訴因に対して有罪判決を受けました。特筆すべきは、判決を下した判事がレヴァンドウスキ氏を「我が国が必要としている輝かしい、革新的なエンジニア」と評したことです。レヴァンドウスキ氏は自分の行動に大きな代償を払い、公共の利益のために自分の才能を捧げることを計画しています。

レヴァンドウスキ氏は、自動運転車業界の中では好き嫌いが分かれる人物である。彼は誰の目から見ても、彼を最も厳しく批評する人の間でさえも、優秀なエンジニアであることは確かだ。彼の勇敢さと危険をいとわない姿勢は、好感が持てる親しみやすい性格と相まって、多くの支持者やライバルを獲得した。

だが、レヴァンドウスキ氏は泥棒のような技術者と誹られ、Uberにあっさりと解雇され、1億7900万ドル(約185億円)の賠償金で破産を余儀なくされた。彼はまた、自動運転車開発初期の先駆的なスターエンジニアとして称賛も受けている。同氏は2009年、内部でProject Chauffeur(プロジェクト・ショーファー)と呼ばれていたGoogleの自動運転プロジェクトの創設メンバーの1人だった。法廷文書によると、彼はProject Chauffeurにおける仕事のために、Googleから約1億2700万ドル(約132億円)もの大金を受け取ったという。

2020年8月にレヴァンドウスキ氏を有罪に導いた刑事事件は、レヴァンドウスキ氏、Uberそして元Googleの自動運転プロジェクトで現在はAlphabet傘下の事業となっているWaymo(ウェイモ)を巻き込んだ数年におよぶ法律大河ドラマだ。

レヴァンドウスキ氏は2016年、 Lior Ron(リオル・ロン)氏、Claire Delaunay(クレア・ドローネ)氏、Don Burnette(ドン・バーネット)氏という3人の経験豊富なエンジニアとともにGoogleを退社し、自動運転トラックを開発する企業としてOtto(オットー)を設立。それから8カ月も経たないうちに、UberはOttoを買収した。この買収から2カ月後、Googleはレヴァンドウスキ氏とロン氏に対して2件の仲裁要求をした。Uberはどちらの仲裁でも当事者ではなかったが、レヴァンドウスキ氏との間に結んでいた補償契約に基づき、同社はレヴァンドウスキ氏を弁護せざるを得なかった。

仲裁が進む一方で、それとは別にWaymoは2017年2月、企業秘密の盗難と特許侵害を理由にUberを相手取り訴訟を起こした。Waymoはこの訴訟で、レヴァンドウスキ氏が企業秘密を盗み、それがUberによって使用されたと主張していたが、2018年に和解に至った。

この和解では、UberはWaymoの機密情報を自社のハードウェアやソフトウェアに組み込まないことに合意した。Uberはまた、シリーズG-1ラウンドの評価額720億ドル(約7兆4510億円)に対するUberの株式の0.34%を含む金銭的和解金を支払うことにも合意した。これは当時、Uberの株式で約2億4480万ドル(約253億円)に相当した。

レヴァンドウスキ氏はWaymo対Uber訴訟の被告ではなかったが、彼はすぐに大きな障害に直面することになった。

2019年8月、米連邦地方検事は、レヴァンドウスキ氏がGoogleに勤務していた間に、33件の企業秘密の窃盗および窃盗未遂を働いたとして、単独で起訴した。2020年3月、レヴァンドウスキ氏と連邦地検は司法取引で合意に達し、レヴァンドウスキ氏は33件の訴因のうち、Project Chauffeurに関連する数千のファイルをダウンロードしたことを認めた。これはChauffeur Weekly Update(ショーファー・ウィークリー・アップデート)として知られているもので、四半期ごとの目標や週ごとのメトリクスのほか、プログラムが直面した15の技術的な課題の要約や、以前に克服した課題に関するメモなど、さまざまな詳細が含まれているスプレッドシートだ。

連邦地検は27カ月の懲役を求めたが、レヴァンドウスキ氏は罰金、12カ月の自宅監禁、200時間の社会奉仕活動を求めていた。アルサップ判事は最終的に、自宅監禁は「将来すべての優秀なエンジニアに企業秘密を盗むことを可能にすると判断し、懲役刑をその答えとする」と判断した。

アルサップ判事はレヴァンドウスキ氏に18カ月の実刑を言い渡したが、新型コロナウイルス感染症の流行が収まるまで出頭期日を延期していた。レヴァンドウスキ氏は、Waymoへの返還金75万6499.22ドル(約7820万円)と罰金9万5000ドル(約980万円)を支払うことにも同意した。

カテゴリー:モビリティ
タグ:GoogleWaymoUber裁判ドナルド・トランプ自動運転

画像クレジット:Justin Sullivan / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

サムスン電子の李在鎔副会長に贈収賄事件で実刑判決、再び服役

Samsung Electronics(サムスン電子)の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長は、2017年の朴槿恵元大統領の失脚に関連した贈収賄事件の有罪判決の再審を受け、再び服役する。ソウル高等裁判所は米国時間1月18日月曜日、李氏に30カ月の判決を下した。

李氏は2017年に収賄罪で有罪判決を受け、懲役5年の判決を宣告されたが、控訴審での減刑と執行猶予がついた後に2018年に釈放された。しかし韓国の最高裁判所は2019年8月、控訴審の判決を覆し、甘すぎると判断して再審を命じた。

李副会長は、2020年10月に父親の李健煕(イ・ゴンヒ)氏が死去した後、サムスンの会長に就任すると考えられていた。また2014年に父親が脳梗塞で倒れて以来、李氏は事実上の財閥トップを務めてきた。しかし今回の判決で、サムスンでの後継者としての立場は不透明なものとなった。

李容疑者の容疑には、同容疑者が父親からサムスンの経営権を引き継ぐのに役立つ取引の支持を得るために、朴容疑者に賄賂を渡したことが含まれていた。この違法な贈賄は朴氏の弾劾、逮捕、25年の実刑判決につながった汚職スキャンダルでも、大きなポイントとなった。

また今回の贈収賄事件は李容疑者が関与していた別件で、不正会計と株価操作の疑いがある。事件の審理は2020年10月から始まっていた。

米TechCrunchは現在、同社にコメントを求めている。

関連記事:サムスン電子の李在鎔副会長に実刑判決、収賄で懲役9年

カテゴリー:その他
タグ:Samsung裁判

画像クレジット:Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

ギグワーカーと労働組合がギグワーカーを個人事業主に分類するProp22を州憲法違反として提訴

カリフォルニア州の配車サービスのドライバー団体と、サービス従業員国際連合(SEIU)は、米国時間1月12日、同州住民立法案Proposition 22を、カリフォルニア州の州憲法に違反するとして提訴した。この訴訟の目標は、カリフォルニア州のギグワーカーを個人事業主に分類することを決めたProp 22の撤廃だ。

カリフォルニア州最高裁判所に起こされたこの訴訟は、同州議会によるギグワーカーのための補償制度の立法化と施行が、Prop 22によって阻害されると訴えている。またProp 22は、住民投票は1つの問題に限定することを定めた法令に違反し、州憲法に違反して規定された法令の修正条項であると主張している。現状では、Prop 22の修正には立法府の8分の7という圧倒的多数の賛成を必要とする。

「私のような配車サービスのドライバーは、毎日家計のやりくりに苦労しています。Uber(ウーバー)やLyft(リフト)といった企業が、我々の幸福よりも自社の利益を優先させているからです」とこの訴訟の原告であるサオリ・オオカワ氏は声明の中で述べている。「Prop 22によって、彼らは我々の健康と安全をないがしろにしているばかりか、私たちの州憲法も踏みにじっています。私は、この問題が、我々の労働から利益を得ている裕福な企業幹部ではなく、法律を作ってもらおうと私たちがが選出した人たちに懸かっていると思い、この訴訟に参加しました。裁判所はProp 22が企業の権力掌握のためだけのものであることを認め、Prop 8やProp 187と同様、Prop 22が憲法違反の法令という汚名を着ることになると信じています」

この訴訟は、ギグワーカーとテック企業との間で続けられてきた長い戦いの中の新たな一戦だ。その間、UberとLyftは、Prop 22と同等の法律を他の地域にも求めてきた。UberもLyftも、ギグワーカーは従業員ではないというスタンスを保っているため、両社がそれぞれ個別に、同様の法律が他の地域や他の国でも施行されることを望むと語ったところで、驚くにはあたらない。

Uber、Lyft、DoorDash(ドアダッシュ)からは、すぐにコメントは得られなかった。だが、Prop 22を支持するYes on 22キャンペーン、またはProtect App Based Jobs & Services(アプリベースの仕事とサービスを守れ)運動の支援者が、TechCrunchに以下の声明を送ってくれた。

「アプリベースのドライバーの大半を含む1000万人近いカリフォルニアの有権者は、歴史的にも新しい保護が受けられ、ドライバーの独立が保てるProp 22を通過させました」と、Prop 22を支持するUberドライバーJim Pyatt(ジム・パイアット)氏は述べている。「政治的な立場を超えて多くの有権者たちが明確な主張を繰り広げ、Prop 22を圧倒的大差で承認しました。疑いようのない民主主義による人々の意志をむしばもうとする無意味な訴訟は、法廷の審議を耐え抜くことはできません」。

カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:Proposition 22カリフォルニア裁判ギグワーカー

画像クレジット:JOHANNES EISELE/AFP via Getty Images / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

英裁判所がウィキリークス創設者アサンジ被告の米国引き渡しを却下

英国の地方裁判所はWikiLeaks(ウィキリークス)の創設者、Julian Assange(ジュリアン・アサンジ)被告の米国への引き渡しを却下した。

ウェストミンスター治安裁判所で現地時間1月4日朝に行われたヒアリングでVanessa Baraitser(ヴァネッサ・バライスター)判事は、アサンジ被告が自殺を図る恐れがあり、またアサンジ被告の不安定な精神状態に影響をおよぼすことが考えられるという観点から米国の刑務所システムへの引き渡しは過酷だとして、米国への引き渡しを却下した。

ハッキング陰謀、そして議論を巻き起こしているスパイ活動法に反する数多くの罪を行ったとしてアサンジ被告を自国での裁判にかけることを模索してきた米国は控訴すると述べた。

アサンジ被告の裁判は、報道の自由・表現の自由 vs 国家権力の重要なテストとしてみなされてきた。

判決でバライスター判事はアサンジ被告の引き渡しに対する数多くの弁護論を退けたが、アサンジ被告が自殺を図る恐れがあり、自殺を阻止するために導入されうる回避策に対する知性を被告が持ち合わせているという臨床証言に同意した。

「アサンジ氏が自殺を図るかもしれないというリスクは、裏付けがあるものだと確信しています」とバライスター判事は132ページにわたる判決に書いており、そこでは2020年のヒアリングにあった引き渡しについての多くの精神科医の証言についても触れている。

「かなり高いしきい値を要する引き渡しを阻むものとして、抑圧があることを認めます。また、条約上の義務に影響をおよぼすことにかなりの公益があることも認めます。留意すべき重要な要因です。しかしながら、アサンジ氏の自閉スペクトラム症には「1つのことを思い込む」傾向があり、こうした厳しい条件のもとでアサンジ氏の精神状態の悪化が自殺を招くかもしれないことを認めます」。

また「アサンジ氏の精神状態にとって、米国への引き渡しは過酷なものになり得ます」とも書いている。

判決はアサンジ氏の即日釈放を命じているが、この記事執筆時点で同氏は拘留されていて、保釈聴聞会次第となる。

米国は14日以内に控訴できる。

身柄引き渡しを免れようと2012年から2019年にかけてロンドンにあるエクアドル大使館に籠城したアサンジ被告は、同大使館が外交上の保護を中止した2020年に逮捕された。

アサンジ被告は保釈の条件に違反したとして英国の裁判所で有罪となり、禁錮50週がいい渡されていた

米国は、それとは別の罪状でアサンジ被告の引き渡しを要求するとすぐさま述べた。これらの罪状は、元米軍インテリジェンスアナリストで内部告発者のChelsea Manning(チェルシー・マニング)氏がWikiLeaksにリークした機密情報をアサンジ被告がいかに入手して公開したかにともなうものだ。

【更新】米司法省の広報担当はTechCrunchに次のような声明を出し、控訴する方針を明らかにした。「英裁判所の判決に我々は極めて落胆している一方で、米国が提起した法律上の論点で勝利したことには満足しています。特に政治的な動機、政治的犯罪、公正な裁判、言論の自由についてのアサンジ氏のすべての主張を裁判所は退けました。我々は引き続きアサンジ氏の米国への引き渡しを模索します」。

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カテゴリー:セキュリティ
タグ:ジュリアン・アサンジ裁判イギリスアメリカ

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(翻訳:Mizoguchi