コスメD2Cブランドなど展開するDINETTEが8億円のシリーズB調達、OMO施策で販売チャネル拡大・アジア圏のマーケ推進

コスメD2Cブランド「PHOEBE BEAUTY UP」(フィービービューティーアップ)と美容メディア事業を展開するDINETTE(ディネット)は3月30日、シリーズBラウンドとして、第三者割当増資と融資による総額8億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、大和企業投資、セレス、MTG Ventures。借入先はみずほ銀行。

調達した資金により、サブスクリプションをメインに販売するPHOEBE BEAUTY UPについて、OMO(Online Merges with Offline)施策に投資を行い販売チャネルを拡大、アジア圏へのマーケティング活動を行う。女性の悩みに寄り添うビューティーカンパニーになるべく、2022年度より多様なブランドを多数創出するために商品開発に投資するという。

PHOEBE BEAUTY UPは、DINETTEが運営するSNS美容メディアに寄せられた顧客の声を基に誕生した、オリジナルブランド。「今日なりたい『私』を叶える」をブランドミッションとし、プロダクト体験を通じてより多くの顧客の「なりたい」を実現することを目指している。

コスメD2Cブランドなど展開するDINETTEが8億円のシリーズB調達、OMO施策で販売チャネル拡大・アジア圏のマーケ推進

ポーラ・オルビスとANAによるCosmoSkinプロジェクトが開発中のスキンケア化粧品、JAXAの生活用品アイデア募集に選定

ポーラ・オルビスとANAによるCosmoSkinプロジェクトが開発中のスキンケア化粧品、JAXAの生活用品アイデア募集に選定

ポーラ・オルビスホールディングスANAホールディングスは3月22日、JAXAの「第2回宇宙生活/地上生活に共通する課題を解決する生活用品アイデア募集」において、両社が「CosmoSkin」(コスモスキン)プロジェクトとして開発している宇宙で使えるスキンケア化粧品が選定されたと発表した。国際宇宙ステーション(ISS)の搭載を目指し、開発を進めるとのこと。

CosmoSkinで開発されているのは、宇宙船内の特殊な環境を想定したスキンケア製品。極度に乾燥していること、水が貴重であること、微小重量といった環境に対応するために、スキンケア製品にはこれまでにない機能性や使用法が求められるという。宇宙の生活では、全身にさまざまな変化が起き、精神的な健康の維持も重要になる。そのため、肌を美しく保つ機能だけでなく、「スキンケア行為を通して心も健やかに保つ体験価値」の追究を目指す。

また、資源が極端に限られ、ゴミを最小限にしなければならないといった制約に合わせて技術開発を行えば、それがそのまま地上でのサステナビリティー向上にもつながるとポーラ・オルビスホールディングスは話す。

両社は、それぞれ宇宙に目を向けている。ポーラ・オルビスホールディングスは、2018年に化粧品の枠を超えた新価値創出のための「マルチプルインテリジェンスリサーチセンター」(MIRC)を発足し、宇宙への取り組みを開始した。2020年からは、JAXAが推進する宇宙生活の課題から宇宙と地上双方の暮らしをより良くするビジネス創出プラットフォーム「THINK SPACE LIFE」での活動を開始している。

ANAホールディングスは、2018年に宇宙事業化プロジェクトを発足し、衛星データ活用事業、宇宙物資輸送事業、宇宙旅行事業といった宇宙事業の検討を開始している。

CosmoSkinでは、ポーラ・オルビスホールディングスが「肌の知見や製剤技術を活かし宇宙ライフに適した化粧品の研究開発」と、ANAホールディングスが「地上よりも宇宙環境に近いとされる航空機内を実証実験の場として提供」することになっている。

スキンケア・コスメティックのD2Cブランドを展開するリバースラボが約2億円調達、新規商品を開発・既存商品改良

スキンケアD2C「sirobari」とコスメティックD2C「sirocos」を展開しているリバースラボは2月10日、第三者割当増資による総額約2億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、ダイヤモンドファンタジーおよび複数のエンジェル投資家。2019年11月設立以来初のエクイティファイナンスとなる。調達した資金は、新規商品の開発と既存商品の改良、プロモーション活動にあてる。

スキンケアやコスメティックといった化粧品の多くは、店頭などオフライン販売が主流となっている。これにより大資本による絞り込まれたラインナップの商品が安価に購入できるものの、ニッチな悩みやコンプレックスを解消するための商品は販売チャネルが限られ高価格帯になってしまうという。リバースラボは、「ニッチな悩みやコンプレックスに寄り添ったラインナップの構築」「機能性重視の商品開発」「ポジティブでスタイリッシュな商品パッケージの開発」「継続しやすい価格とサービスの提供」などにより、顧客の心理的・物理的なハードルを抑えたプラットフォームを提供し、共に解決できる企業を目指し、資金調達を実施したという。

2019年11月設立のリバースラボは、「ー戻ることは罪じゃないー RETURN TO INNOCENCE」をコンセプトに、スキンケア・コスメティックのD2Cブランドを運営するほか、他社D2Cブランドの立ち上げ支援コンサルティングを提供。sirobariは発売から1年半経過しており、累計販売数30万枚を超えるという。

化粧品ECプラットフォームNOINを運営するノインが累計約10億円のシリーズC調達、化粧品業界DXに向けた事業を拡大

化粧品ECプラットフォームを運営する「NOIN」が累計約10億円のシリーズC調達、化粧品業界DXに向けた事業を拡大

化粧品ECプラットフォーム「NOIN」(Android版iOS版)を運営するノインは1月28日、シリーズCラウンドにおいて、累計約10億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、Sony Innovation Fundや博報堂DYベンチャーズ、新日本製薬、マイナビなど。調達した資金により、EC事業などで培った独自のデータベースとその分析に基づいた独自ノウハウを基に、化粧品業界DXに向けた事業を拡大する。

NOINは、自分に合う化粧品に、誰でも当たり前に出会えるための化粧品ECプラットフォーム。

テクノロジー・文化の進展により、日常生活で使用するものをネットで購入することが一般的になっているが、化粧品市場におけるオンライン購入率は約6%にとどまっているという。同社は、多くの商品数と販売チャネルの中から自分に合った化粧品と出会うのは至難の業と指摘。その現状を打破するべく「明日の自分に、ドキドキしよう」を理念に掲げ、「自分に合う化粧品に、あたりまえに出会える世の中」を作るため、化粧品メーカーと消費者を最短距離でつなぐ化粧品ECプラットフォームとしてNOINを運営しているという。

NOINでは、バリエーション豊かな商品を展開しており、新商品や気になっていた化粧品の購入をはじめ、メイクアップ術やメイクの悩みを解決するオリジナル動画や記事といったコンテンツ、ユーザーとのコミュニケーションなどを通じて、最も自分に合った化粧品を見つけることができる世界の実現を目指している。

花王、深層学習で肌の質感を評価する「肌評価AI」にヒトの感性を学習させた「Kirei肌AI」を開発

花王、深層学習で肌の質感を評価する「肌評価AI」にヒトの感性を学習させた「Kirei肌AI」を開発

花王メイクアップ研究所は12月7日、深層学習を用いて多様で繊細なヒトの肌の質感を評価し可視化する「肌評価AI」に、ヒトの感性を学習させ、肌の精緻な解析とヒトの視点や判断を併せ持つ独自AI「Kirei肌AI」の開発を発表した。

花王では、2021年1月に「肌評価AI」を発表している。これは、ヒトの肌の小さな領域「肌パッチ」の画像を学習し、素肌と化粧肌、化粧直後と時間が経った後といった肌の状態のわずかな違いを識別できるというものだが、たとえば肌の美しい「つや」と「テカリ」の違いなど、繊細な違いの判断はできなかった。こうした肌の印象を的確に捉えられるのは、人間の目しかない。

花王、深層学習で肌の質感を評価する「肌評価AI」にヒトの感性を学習させた「Kirei肌AI」を開発

花王、深層学習で肌の質感を評価する「肌評価AI」にヒトの感性を学習させた「Kirei肌AI」を開発

マットな肌、化粧くずれでテカリのある肌、なめらかで美しいつや肌を比べた際、過去に開発したAIではテカリのある肌を「光沢が強い」という評価しかできなかった

そこで花王は、目視評価の訓練を積んだ「専門判定者」の目視による判断を「肌評価AI」に学ばせることにした。20歳から39歳の日本人女性83名の肌パッチ画像9306枚と、その画像に対する専門判定者の評価を使い学習を行ったところ、専門判定者の判断とAIの判断の相関係数が0.7と、強い相関が示された。つまり、かなりの程度で一致したということだ。これを受け、「肌評価AI」の評価項目6項目に新たにヒトの感性を反映させた評価項目10項目を加えたKirei肌AIを完成させた。

また同研究所は、Kirei肌AIを用いて、光沢とつやの違いについて解析を行った。「視覚的つや」に対して、「化粧くずれ度」(テカリと強く関係)、「Powderly / Glossy」(パウダーファンデーションとリキッドファンデーションのどちらを塗った感覚に近いか)、「Dry / Wet」(乾燥肌とスキンケア後の濡れた肌のどちらに近いか)という3つの指標を使い、日本人女性266名のメイク塗布前後の顔画像1596枚を使って比較したところ、下の表のようになった(数値がマイナスは関連なし、数値が多いほど関連が強い)。これで、つやとテカリは、まったく異なる質感であることが明確になった。

  1. 花王、深層学習で肌の質感を評価する「肌評価AI」にヒトの感性を学習させた「Kirei肌AI」を開発

    テカリ肌(中央)は「Glossy」「Wet」「化粧くずれ度」が高く、「視覚的つや」は高くないと判断されている。また右端のつや肌は、「視覚的つや」が非常に高く、一方で「Glossy」でありながら「化粧くずれ度」は低いという評価になっている

以上のことから、Kirei肌AIは、つやと光沢のわずかな違いを判断でき、好ましく見えるかという「ヒト特有の視点を含んだ繊細な分析」が可能なAI肌評価技術の開発に成功したと花王は話す。今後はこの技術を、製品開発や缶セリングの充実に積極的に活用するとのことだ。

資生堂が顔形状3次元データから表情を解析するアプリを開発、「S/PARK Studio美活ジム」で活用

資生堂が顔形状3Dデータから表情を解析するアプリを開発、肌と表情に特化した「S/PARK Studio美活ジム」で活用

資生堂は7月20日、顔形状の3次元(3D)データから表情を解析できるタブレット端末用アプリの開発に成功したと発表。まずは「S/PARK Studio 美活ジム」にて、利用者自身が表情の変化を確認する「美活ジムアプリ」として展開される。

同アプリは、目のサイズ、口角間距離、口角と目尻の距離、頬の高さなどをタブレットのカメラを使ってリアルタイムで計測し、自身の笑顔の度合いや「お手入れ効果」がどこでも簡単に、客観的にわかるようになるというもの。資生堂はこれまでも表情解析の研究を重ねてきたが、ユーザーが自分で自分の顔を3Dスキャンして表情解析を行えるようにするには、高価な設備が必要になるなど困難が多かった。しかし、AppleのiPhoneとiPadの顔認証技術「Face ID」に使われている深度センサーでリアルタイム取得可能な顔の「3D特徴点データ」を活用することで、それが実現した。

この技術は資生堂のさまざまな研究に利用されることになる。応用先第1弾として、横浜・みなとみらいの研究開発拠点「資生堂グローバルイノベーションセンター」の「S/PARK Studio」(エスパーク・スタジオ)が開催する、肌と表情のトレーニングに特化した知識や技術が学べる独自プログラム「美活ジム」に導入される。肌と表情のトレーニング効果を客観的、定量的に評価できるようになり、利用者の理解度、満足度、モチベーション向上に役立つという。

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ARメイクアプリ「YouCam メイク」がGoogleとタッグ、検索結果ページで40以上のブランドのメイク体験が可能に

ARメイクアプリ「YouCam メイク」(Android版iOS版)など手がけるPerfect Corp(パーフェクト)は6月29日、Google開催の「Marketing Livestream 2021 Conference」において、Googleとのパートナーシップにより検索結果ページ上にバーチャルメイク体験機能が導入されたと発表した。米国で開始し、日本国内では順次対応予定。

同機能はGoogleの検索結果ページに埋め込まれており、ユーザーはその場で自分のデバイスのインカメラを起動し顔を撮影することで、すぐにバーチャルで気になる製品の色味などを試せる。また、肌のトーンが異なる既存モデル画像を利用することで、様々な肌で商品の色味がどのような発色となるか確認することも可能だ。

また現在、同サービスはEstee Lauder、MAC Cosmetics、Charlotte Tilbury、Black Opalなどを含む40以上の化粧品ブランドのリップとアイシャドー製品に対応しており、順次対応商品カテゴリーを拡充する予定。

Perfect Corpは現在、台湾(本社)、日本、アメリカ、ヨーロッパ、中国、インドに拠点を構え、YouCam メイクを筆頭に、累計9億ダウンロードを超えるビューティーアプリシリーズを開発。さらに、コスメブランドや小売店向けに高度な顔認証技術とAI技術を利用して開発したバーチャル メイクアップサービスを提供している。現在、300以上のコスメブランドをパートナーとして迎え、10万を超えるコスメ商品を60カ国以上で展開しているという。

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細胞培養スタートアップ「インテグリカルチャー」が培養肉技術を活用し世界初のスキンケア化粧品原料を開発

細胞培養スタートアップ「インテグリカルチャー」が培養肉技術を活用した世界初のスキンケア化粧品原料を開発

細胞培養スタートアップのインテグリカルチャーは4月7日、スキンケア化粧品原料「CELLAMENT」(セラメント)を開発し、量産体制が整ったことから、2022年にセラメント配合スキンケア化粧品の上市を目指す化粧品会社と原料販売の商談を開始したと発表した。

セラメントは、原料素材にワクチン製造にも使われる安全性の高い卵(国産)を使用しており、卵由来「鶏胚膜(胎盤様)組織」の培養上清液化粧品原料として​は世界初としている。成長因子(グロースファクター)、アミノ酸、ビタミンなど、肌に有用な生理活性物質を豊富に含んでおり、線維芽細胞増殖促進・抗酸化・保湿・皮脂合成抑制などのエビデンスを確認しているという。

同社は、化粧品原料開発においても、細胞農業のアプローチにより動物細胞資源を有効活用し、多様で豊かな未来の実現を目指す。

細胞農業とは、生物を構成している細胞を体外で培養することにより、従来のような動物飼育をすることなく、肉や乳製品などの農産物とまったく同じものを作り出せる新しい資源生産の考え方。伝統的な農業に比べ環境負荷が小さく、持続可能な生産方式として期待されているという。

セラメント概要

  • 化粧品表示名称:ニワトリ胚体外膜細胞順化培養液
  • 特許出願番号:2018-210910
  • 製造国:日本
  • 8つの安全性試験クリア済み:ヒト皮膚パッチ試験、3次元皮膚1次刺激代替試験、3次元眼刺激代替試験、皮膚感作性代替試験(KeratinoSens、h-CLAT)、RIPT試験(アレルギーテスト・累積刺激)、アレルゲン分析、ウイルス検査、染色体異常
  • 公式サイトhttps://www.cellament.jp/

2015年10月設立のインテグリカルチャーは、細胞培養技術をベースに培養肉作りの研究開発からスタートした研究開発型スタートアップ。独自開発の低コスト・汎用大規模細胞培養技術「CulNet System」(カルネット システム)を中心とした事業展開をしている。

同社によると、培養肉研究開発の中で、CulNet Systemにおいて2種以上の細胞種・組織を一緒に培養する「共培養」を構成している細胞が、肌に有用な成分を作り出していることを見い出したという。化粧品用途に応用すべく約2年の研究を実施し、卵の胎盤様組織にある3種類の細胞(3mix細胞)の培養上清液を新規化粧品原料「セラメント」として開発・商品化した。3mix細胞とは、鶏卵の胚膜(胎盤に相当する部分)にある3つの細胞「羊膜」(ようまく)、「卵黄嚢」(らんおうのう)、「漿尿膜」(しょうにょうまく、漿膜と尿膜をまとめたもの)を指すそうだ。

細胞培養スタートアップ「インテグリカルチャー」が培養肉技術を活用した世界初のスキンケア化粧品原料を開発

採取した細胞を培養すると、その培養液中に細胞から成長因子(グロースファクター)が大量に分泌される。ここから、細胞を除いた上澄み液は培養上清液と呼ばれる。この培養上清液中には細胞活性のカギとなる情報伝達物質が豊富に含まれているそうだ

セラメントは、PCPC(Personal Care Products Council。米国パーソナルケア製品評議会)にて新規化粧品原料として登録済みで、卵由来の胎盤様組織の培養上清液化粧品原料としては世界初となる。

インテグリカルチャーのCulNet Systemは、同社独自の汎用大規模細胞培養技術(汎用細胞培養プラットフォーム)で、動物体内の細胞間相互作用を模した環境を擬似的に構築する装置(特許取得済み)。

動物体内を模した環境を構築することで、細胞培養の高コスト原因であった成長因子の外部添加を不要とし、コスメに使用可能なエキス成分から、食肉に用いる細胞成分まで、様々な利用範囲をもつ成分を安価で大量に生産できるという。理論的にはあらゆる動物細胞を大規模・安価に培養可能で、様々な用途での活用を想定しているそうだ。

すでにラボスケールでは、管理された制御装置下で種々の細胞を自動培養し、高コストの一因であった血清成分の作出を実現(特許出願済み)。血清成分の内製化実現により、従来の細胞培養が高コストとなる主因の牛胎児血清や成長因子を使わずに済み、細胞培養の大幅なコストダウンを実現するとしている。

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カテゴリー:バイオテック
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化粧品ECの「NOIN」とKDDIが資本提携、コスメ販売でのオンラインカウンセリング導入など新購入体験を創造

化粧品ECの「NOIN」とKDDIが資本提携、コスメ販売でのオンラインカウンセリング導入など新購入体験を創造

化粧品ECプラットフォーム「NOIN」(ノイン)を運営するノインは1月26日、KDDIとの協業を目的として「KDDI Open Innovation Fund 3号」(KOIF3号)より出資を受けたと発表した。同提携により、両社協力のもとノインのメインユーザーである20代・30代の女性向けに、化粧品販売におけるオンラインカウンセリングの導入など新たなオンラインでの化粧品購入体験の創造に取り組んでいく。

NOINは、最先端技術を使ったオンラインカウンセリングや、自身に似合う化粧品のオンライン版タッチアップ・レコメンドのシステム実装により、ユーザーが感じる「ネットでコスメを選びにくい」をオフラインでもなくしていくという。

また、au Payのような決済、コマースサービスとの連携、KDDIが運営するプラットフォームとのシナジー創出により、さらに多くの「コスメ選び」に悩む女性とつながり、ひとりひとりの課題を解決するとしている。

近年のEC市場の拡大により、日用品などはオンライン購入が一般的となったものの、経済産業省「令和元年度電子商取引に関する市場調査」によると化粧品についてはオンラインの購入比率は約6%と低く、対面のカウンセリングが可能な店舗での購入が中心という。

一方ノインの調査「外出自粛期間前後の化粧品購入に関する意識調査レポート」によると、コロナ禍により、外出自粛期間中はスキンケア商品などを中心にオンライン購入比率が約64%に上昇するなど、今後オンライン販売の拡大が期待されているとした。

「<a href="https://speakerdeck.com/tivash/wai-chu-zi-su-qian-hou-niokeruhua-zhuang-pin-gou-ru-niguan-sitefalseyi-shi-diao-cha-repoto"  width=

外出自粛期間前後の化粧品購入に関する意識調査レポート」、調査対象:化粧品プラットフォーム「NOIN」に登録するユーザー、調査方法:アプリ内でアンケートを実施、対象地域:全国、調査期間:2020年5月28日~2020年6月3日・有効回答数:2350名

KDDI Open Innovation Fundは、スタートアップ企業を支援するコーポレートベンチャーファンド(CVC)。KDDIとグローバル・ブレインで2018年4月に立ち上げた「KDDI Open Innovation Fund 3号」は、運用総額約200億円規模で、エンターテイメント、ホーム、IoT、ビッグデータ、フィンテックなどを注力分野としている。

ノインでは「誰でも自分に合う化粧品に、あたりまえに出会える世界」を目指し、化粧品ECプラットフォーム「NOIN」事業をはじめ、化粧品ブランドのEC進出支援などを実施。現在ノインで取り扱う化粧品は1万5000点を超えているという。

またメイクアップ術やメイクの悩みを解決するオリジナル記事の提供などを通じ、顧客に最も適した化粧品をアプリ(Android版iOS版)で見つけるサポートも展開。アプリは累計ダウンロード数250万を突破し、月間アクティブユーザー数も10代から30代前半の女性を中心に約60万ユーザー超となっているそうだ。

化粧品ECの「NOIN」とKDDIが資本提携、コスメ販売でのオンラインカウンセリング導入など新購入体験を創造

このほか、プライベートブランドとして、ヘアオイルtioo(ティオ)、トレンドのメイクアップアイテムsöpö(ソポ)も開発・販売している。

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カテゴリー:ネットサービス
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Pinterestがアイシャドウを購入前に試せるバーチャルメイク機能を発表

Pinterest(ピンタレスト)は米国時間1月22日、オンラインショップの買い物客が新しいアイシャドウをバーチャルで試用できる拡張現実機能を発表した。当初はLancome(ランコム)、YSL(イヴ・サンローラン)、Urban Decay(アーバンディケイ)、NYX Cosmetics(ニックス コスメティックス)などのブランドの約4000種類の製品を画面上で試すことができる。

Pinterestによれば、この「AR Try on(日本では「バーチャルトライ」)」機能は、既存の「Pinterest レンズ」と呼ばれるカメラで撮影した画像から検索する技術や、検索結果をさまざまな肌の色から選択する機能、そしてコンピュータビジョンを使ったおすすめ機能を活用しているという。また、同社はデータパートナーであるModiFace(モディフェイス)の技術も取り入れており、顔認識によってデジタル化されたパラメーターを元に、選択したアイシャドウがModiFaceのデータベースでマッピングされ、高画質なレンダリングが行われる。

これがPinterestによる最初のバーチャルメイク機能というわけではない。同社は1年前に口紅のAR Try onを開始している。この機能を使ってバーチャルで試用できる口紅の色は、現在では1万色にまで拡大しており、Estée Lauder(エスティローダー)、bareMinerals(ベアミネラル)、Neutrogena(ニュートロジーナ)、NARS(ナーズ)、Cle de Peau(クレ・ド・ポー)、Thrive Causemetics(スライヴコーズメティックス)、NYX Professional Makeup(ニックス プロフェッショナル メイクアップ)、YSL Beautét(イヴ・サンローラン・ボーテ)、Lancôme(ランコム)、Urban Decayなどのブランドによる4800万枚の「ピン」から見つけることができる。Kohl’s(コールズ)などの小売店も、消費者にリーチするためにAR Try onを利用している。

今回新たに導入されたアイシャドウのAR Try onでは、色や価格帯、ブランドなどの条件で商品検索結果を絞り込むことが可能だ。気に入ったものを見つけたら、すぐに購入したり、ボードに保存したり、関連ボタンを使って似たような色合いのピンを探すことができる。

画像クレジット:PInterest

アイシャドウへの拡張は、ユーザーが単に個々の色を試すだけでなく、より多くのフルメイクを試すことができるようになったことを意味する。Pinterestによれば、トグルで口紅とアイシャドウを切り替えて、一度に複数の製品を試すことができるようになったという。ModiFaceのアプリや、YouCam メイクSephora(セフォラ)のVirtual Artist(バーチャルアーティスト)Ulta(ウルトラ)のGLAMLab(グラムラボ)などのARビューティーアプリが登場したことによって、ARを使ったバーチャルメイクアップ体験はここ数年で人気が高まっている。また、L’Oréal(ロレアル)はウェブサイト上で「Live Try-On」を提供したり、Facebookと提携してバーチャルメイクアップをソーシャルメディアに導入している。Target(ターゲット)のオンラインストアも、バーチャルメイクアップを提供している。

さらに最近では、GoogleがARバーチャルメイクアップの分野に参入。当初はYouTubeで一部の美容インフルエンサーが自分の動画にARを使った化粧品の試用を組み込むことができるという、限定的な機能の提供を開始したが、2020年12月にはModiFaceと提携し、Google検索でバーチャルメイクアップ機能を導入。ARを使った化粧品の試用体験を本格的に取り入れた。

しかし、今回のPinterestによる新たな発表は、視覚的な検索技術とバーチャルメイクに関しては、再びGoogleより先行したことを意味する。PinterestではGoogleよりも多い口紅の試用を提供するだけでなく、今では製品分野までも拡大し、アイシャドウのバーチャル試用も可能になったのだ。

Pinterestによると、このAR Try on機能は、ビジュアルなショッピング体験を創造し、顧客の意思決定プロセスの早い段階でリーチしたいと考えているブランドに無料で提供されているという。同社はショッピングを含む広告を通じて収益を上げ続けており、AR機能それ自体で儲けたり、AR Try onで購入に結びついた製品の売り上げから利益の一部を求めることはしないという。

「AR Try onのような機能を導入して、Pinterestをショッピングに利用しやすくすることで、このプラットフォームはPinners(Pinterestユーザー)にとってさらに魅力的で実用的なものになり、その結果、広告の利用率やクリック率が増える可能性があります」と、広報担当者は説明している。また「Try onのような有機的な機能や、製品のピンを作成するためのカタログの取り込みによって、ブランドがサイト全体のアクセス数を引き上げ、それが我々の収益戦略を補完することになるのです」と、広報担当者は指摘している。

PinterestがAR Try on機能にアイシャドウのサポートを加えたことは、時勢にかなっている。一部の美容ブランドの売り上げは、新型コロナウイルスによって落ち込んでいる。マスクを着用する際に隠れてしまう唇に口紅を使っても意味がないため、特にリップスティックの販売が激減しているのだ。代わって現在の美容トレンドは、目を強調することにシフトしており、明るく大胆な色のアイシャドウや、ワイルドなフローティングアイライナー大きな付けまつ毛などに注目が集まっている。これはもちろん、ソーシャルメディアに投稿する写真を撮影する時の効果も狙ったトレンドだ。

Pinterestによると、実際にこのAR機能は潜在的な顧客に購入を決断させている傾向が見られるという。2020年のPinterestの調査によると、ユーザーはAR Try on体験の利用を始めると、平均6色の口紅をバーチャル試用し、それから購入意思を示す可能性が、通常のピンと比べて5倍に増えたという。

新しいアイシャドウのAR Try onは、米国では1月22日より、iOSとAndroid向けアプリのPinterestレンズで利用できる。

関連記事:YouTubeのAR機能でビデオを見ながら仮想メイクを試せる

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Pinterestネットショッピング拡張現実化粧

画像クレジット:Pinterest

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(翻訳:TechCrunch Japan)

@cosme運営のアイスタイルとKDDIがXR活用のバーチャル店舗「@cosme TOKYO -virtual store-」

アイスタイルとKDDIがXR活用のバーチャル店舗「@cosme TOKYO -virtual store-」提供

化粧品口コミサイト@cosmeを運営するアイスタイルとKDDIは1月8日、スマートフォン向けXRアプリ「au XR Door」を通じて購買体験が可能なバーチャル店舗「@cosme TOKYO -virtual store-」の提供を開始した。コロナ禍によりさまざまな店舗において購買体験が制限される中、スマートフォンでいつでもどこからでもバーチャル空間上の「@cosme TOKYO」に来店し商品を購入できる。

化粧品口コミサイトの@cosmeを運営するアイスタイルKDDIは1月8日、スマートフォン向けXRアプリ「au XR Door」(Android版iOS版)を通じて購買体験が可能なバーチャル店舗「@cosme TOKYO -virtual store-」の提供を開始した。コロナ禍によりさまざまな店舗において購買体験が制限される中、スマートフォンでいつでもどこからでもバーチャル空間上の「@cosme TOKYO」に来店し商品を購入できる。

同バーチャル店舗では、花王の化粧品ブランド「KANEBO」「KATE」「SOFINA iP」の商品を販売。さらに、@cosmeメンバーが投稿したクチコミ情報をもとに商品を表彰する「@cosmeベストコスメアワード」の受賞商品を展示している巨大タワー「ベストコスメアワードコーナー」も実装しているという。バーチャル空間上で商品を手に取り、テスターを使用しているかのような体験も可能。

また、8K高画質で閲覧可能な機能「高画質版」(5G推奨)も採用。店舗内観やテスターを使用した際の色彩まできめ細やかに表現しており、よりリアルに近い体験が可能としている。

KDDIとアイスタイルは、今後も先端技術を活用したビジネスモデルを共同で創出し、デジタル技術を活用した産業のさらなる発展に貢献するとしている。

2020年1月にJR原宿駅前にオープンした新体験フラッグシップショップ「@cosme TOKYO」では、ランキング売り場、手書きのポップ、カウンセリングなど店舗でしか体験できないショッピングの楽しさを提供。600ブランド2万アイテム以上の品揃えと様々な仕掛けを用意しているという。

物流システムの整備や生活様式の変化に伴いEC利用が広がる中、店舗にしかない体験や空間を多くの方に届けることを目的に、@cosmeを運営・企画するアイスタイルのアセットとKDDIの5GやXRを活用した完全非接触の購買体験が可能なバーチャル店舗として、@cosme TOKYO -virtual store-を提供する。

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Google Pixelはメンタルヘルスの観点から「美化フィルター」に狙いを定める
ファンケルが銀座本店のリニューアルオープンに伴い「ARメイクアップシミュレーター」採用
コーセーが「NAIL HOLIC」ブランド全色を試せるネイル試着AI+ARアプリ配信、季節限定色や発売前の新色も
資生堂がMS TeamsやZOOMで最新メイクを楽しめるARフィルター提供、カメラアプリ「Snap Camera」経由
高級ヘアサロン向けサイネージでインスタのSpark ARを活用した新サービスが登場
Pinterestにリップメイクを試せるバーチャルトライ機能が登場

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バーチャル美容アプリYouCam MakeupのPerfect Corpが52億円調達

化粧品への出費は、普段なら経済危機も乗り越えるものだが、新型コロナウイルスのパンデミックで事情は変わった(The Guardian記事)。ステイホーム命令とマスクのお陰で、化粧をしたいという人々の欲求が低下してしまったからだ。これが小売業者のオンライン戦略を加速させ、店頭サンプルを使わずに客の関心を惹く新しい方法が求められるようになった。そこで、Perfect Corp(パーフェクト)などが開発する化粧品の仮想お試し技術が、デジタル化における重要は役割を担うことになる。同社は米国時間1月6日、Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)主導によるシリーズC投資5000万ドル(約52億円)を調達したことを発表した。

台湾の新平市を拠点とし、CEOのAlice Chang(アリス・チャン)氏が率いるPerfect Corpは、消費者の間では、その美容アプリYouCam Makeup(ユーキャム・メイクアップ)で最もよく知られている企業だろう。アプリでは、300を超える世界の化粧品ブランドの仮想サンプルの「お試し」が可能だ。そこには、Estée Lauder(エスティローダー)やL’Oréal Paris(ロレアルパリ)といった美容コングロマリットが所有するブランドも含まれる。2014年にローンチされたYouCam Makeupは、現在、月間アクティブユーザー数が4000万人から5000万人を数え、自撮り画像の拡張現実(AR)化から、美容インフルエンサーによるライブ配信やチュートリアル、ソーシャル機能、さらに肌の状態を評価する「スキンスコア」機能などを搭載するまでに成長した。

Perfect Corpの技術は店頭販売、eコマース、ソーシャルメディアツールにも活かされている。たとえば2020年12月にローンチされた、Google(グーグル)検索のための拡張現実を利用した新しいお試しツールの開発にも、この技術が役立てられている(以前はユーチューバーの化粧品お試し機能にも使われていた)。また同社は、Snapchat(スナップチャット)に化粧品お試し機能を統合する目的でSnap(スナップ)との共同開発も行っていた。

今回の資金調達により、Perfect Corpの調達総額は1億3000万ドル(約134億円)となった。それ以前に発表された資金調達に、2017年10月のシリーズA投資2500万ドル(約2億5800万円)がある。新たなシリーズC投資による資金は、多様な販売チャンネルのための技術開発の推進と、海外拠点の拡大に使われる(現在は11の都市で事業展開中)。

記者発表で、Goldman Sachsマーチャントバンキング担当責任者のXinyi Feng(フェン・ジンイ)氏は「人口知能、機械学習、拡張現実を通してテクノロジーを美容業界に統合することで、デジタル販売チャンネルの増大、パーソナライズの拡大、消費者のエンゲージメントの深化など、多大な可能性が開放されます」と述べている。

またPerfect Corpは、多様性のある国際的起業家を支援しようとGoldman Sachsが行っている5億ドル(約515億円)規模の投資活動であるLaunch with GS(ローンチ・ウィズ・GS)に参加する予定だ。

同社は、顔のランドマーク検出技術を利用している。化粧品のお試しがリアルに見えるよう、ユーザーの顔の上に「3Dメッシュ」を生成するというものだ。プライバシーの面では、最高戦略責任者Louis Chen(ルイス・チェン)氏がTechCrunchに話したところによると、写真や生体情報を含む個人情報は一切保存されず、すべての演算処理はユーザーのスマートフォン内で行われるという。

Perfect Corpの顧客の大多数、およそ90パーセントが、化粧品とスキンケアのブランドだ。残りは、ヘアケア、毛染め、アクセサリーのブランドとなる。Perfect Corpの技術が目指すのは、店頭で化粧品を試したときの体験をリアルに再現することだとチェン氏はいう。たとえばユーザーが口紅をバーチャルで塗ると、自分の唇に色がついて見えるだけでなく、マット、グロス、シマー、メタリックといったテクスチャーもわかる(同社が現在提供している口紅のテクスチャーは11種類あり、業界最多だとチェン氏は話す)。

パンデミックで化粧品の売上げは下がったが、反対にスキンケアは伸びた。NPDグループの2020年9月の報告には、米国人女性は2019年と比べて、より多くの種類の製品を購入し、より頻繁に使用ていることが示されている。各ブランドがその傾向を活かせるよう、Perfect Corpは先日、AI Skin Diagnostic solution(AI肌診断ソリューション)というツールをローンチした。同社によれば、これは皮膚科医の検証を受けて水分、シワ、目の下のクマなど、8つの指標で顔の皮膚の状態を評価するというものだ。このツールは、スキンケア製品ブランドのウェブサイトで使用でき、ユーザーに合った製品を教えてもらえる。

新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック以前、YouCam Makeupと同社の拡張現実お試しツールは、主に自撮り写真やフィルターを使い慣れているZ世代の若者を惹きつけていた。だがパンデミックによって、化粧品とスキンケアのブランドは、この技術の導入をすべての顧客に向けて加速せざるを得なくなった。美容業界における新型コロナウイルスの影響に関するMcKinsey(マッキンゼー)の報告書には、こう記されている。「安全と衛生への不安により、製品のテストと相談員の直接対応が基本的に不可能となった現在、テスト、発見、カスタマイズのための人工知能の利用を加速させる必要がある」。

「ブランドの地理的条件にもよりますが、過去において、事業のおそらくわずか10%、20%に満たない程度が消費者への直販でした。残りの80%は小売流通業者や提携流通業者を通じてのものです。そのネットワークはすでに2020年のうちに構築されています」とチェン氏。しかし、美容品メーカーは、現在、特にeコマースへの投資を強めており、Perfect Corpはその技術をSaaSとして提供することで、そこを活用している。

パンデミックの間、Perfect Corpが同社の製品を応用したもうひとつのかたちに、リモート相談ツールがある。通常はサロンやUltra(ウルトラ)などの店舗で働いている化粧とスキンケアの相談員が、ビデオ通話を利用してユーザーに化粧のやり方を実演して見せるというものだ。

「私たちが現在開発しているものは、どれをとっても単一の技術で構築されるものではありません」とチェン氏。「いまでは必ず動画配信機能が組み合わされています」。これには1対1のチャットに限らない。中国で大人気となり海外にも広がりつつあるライブショッピングや、YouTube(ユーチューブ)やSnapchatに組み込まれているAR技術なども含まれる。

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画像クレジット:Perfect Corp.

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(翻訳:金井哲夫)

AR&AI技術を活用したメイクアプリ「YouCam」のパーフェクトが約51億5000万円を調達

AR&AI技術を活用したメイクアプリ「YouCam」のパーフェクトが約51億5000万円を調達

最新AR&AI技術活用ソリューションによる美容業界DXを奨励するパーフェクトは1月7日、親会社のPerfectが5000万米ドル(約51億5000万円)のシリーズC資金調達を完了したと発表した。引受先はゴールドマン・サックス、CyberLink。調達した資金により、AIを活用した技術の開発・改良を加速しグローバル事業拡大を目指す。

同社は、AIとAR技術を応用してブランドや小売店の消費者コミュニケーションをサポートするサービス展開と、累計9億以上のダウンロード数を誇る「YouCam」アプリシリーズを展開。全世界で300以上のブランドパートナーを持ち、10万超のコスメ商品を60ヵ国以上で展開。メイクをはじめ、スキンケアやヘアのバーチャルシミュレーション体験を創出しているという。

消費者はバーチャル体験を通して、簡単にブランドの製品を自分の顔で試し、お気に入りのアイテムを見つけられるほか、画面上で肌の状態をチェックし、パーソナライズさ化された製品提案を受けることも可能としている。

EC・ウェブ・店舗・ソーシャルネットワーク・モバイルアプリなど、オムニチャネルで導入きるこのバーチャルメイク機能を使ったビューティーテック ソリューションにおいて、さらなる事業拡大を計画する上での資金調達としている。

AR&AI技術を活用したメイクアプリ「YouCam」のパーフェクトが約51億5000万円を調達

パーフェクトは現在、台湾(本社)、日本、アメリカ、ヨーロッパ、中国、インドに拠点を構え、ARビューティアプリ「YouCam メイク」を筆頭にビューティーアプリシリーズの開発と、コスメブランドや小売店向けに高度な顔認証技術とAI技術を利用して開発したバーチャル メイクアップ サービスを提供している。

なおパーフェクトは2020年12月、Snapと提携し美容ブランド向けにSNSアプリ「Snapchat」上でバーチャルメイク体験を提供すると発表。同月、資生堂ジャパンの複数ブランドと一括契約を締結しバーチャルメイクサービスを提供開始することも明らかにした。

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グーグルがARを使ったバーチャルメイクやインフルエンサー動画導入でショッピング機能を強化

Snapchat(スナップチャット)やInstagram(インスタグラム)のフィルターを使ったことがある人なら、AR(拡張現実)で人気のある利用例の1つは、たとえば口紅やアイシャドウの色合いを変えるなど、バーチャルメイクで自分の外見を変えてみることだと知っているだろう。Google(グーグル)は米国時間12月17日、この分野への参入を発表し、Google検索上でARを利用した化粧品の試用体験を開始した(Googleブログ)。同社はL’Oréal(ロレアル)、Estée Lauder(エスティ ローダー)、MAC Cosmetics(マック・コスメティクス)、Black Opal(ブラックオパール)、Charlotte Tilbury(シャーロット・ティルブリー)などのトップブランドと提携しており、消費者が様々な肌色のモデルや、スマートフォンのフロントカメラを使って自分自身のメイクアップを試せるようにしている。

グーグルは、美容ブランドにAR技術を提供しているデータパートナーのModiFaceや、人気の高い「YouCam メイク」アプリなどのAR美容技術を手がけるPerfect Corpの協力を得て、この新機能を作成した。

画像クレジット:Google

現在、消費者がGoogle検索で、特定の口紅やアイシャドウ製品、たとえば「L’Oréal’s Infallible Paints Metallic Eyeshadow(ロレアル インファリール ペインツ メタリック アイシャドウ)」などと検索すると、検索結果の上部にバーチャルな試用体験が表示されるようになっている。ここから、様々な肌色のモデルの写真をクリックして、化粧品の色合いを比較し、自分にぴったりの製品を見つけることができる。

あるいは、自分自身でその製品を使った時にどうなるかを見てみるために、スマートフォンのカメラを使うこともできる。画面にはカメラの映像の下に様々な色が表示されるので、タップしてその中から1つを選ぶと、カメラが捉えている自分の顔に適用される。ソーシャルメディアに用意されているフィルター機能と似たような仕組みで、2019年に導入されたYouTubeのARメイク機能とそっくりだ。

画像クレジット:Google

ただしグーグルの機能は、ソーシャルメディアで共有するために自分のイメージを美化しようとするためのものではない。グーグルの目的は、消費者とブランドを結びつけて売上を伸ばすことにあり、オンラインショッピング全体に向けた投資の、そしてもちろん、オンライン広告事業をさらに拡大するための一環だ。

しかし、グーグルによれば、このARを使った試用体験自体は広告フォーマットとは見なされず、ブランドはこの機能に参加するためにグーグルにお金を払っているわけではないという。広告ではなく、これはグーグルがGoogleショッピングの検索結果をより多くの小売業者に開放しようとしている動きの続きだ。過去数年間、Google検索の「ショッピング」タブは有料の商品リストに限定されていた。しかし2020年6月、グーグルはショッピングタブの小売店リストの大半(未訳記事)を無料にすると発表した(Googleブログ)。

この動きは、新型コロナウイルス感染拡大によって物理的な店舗の閉鎖を余儀なくされ、事業に大きな影響を受けていた小売業者の危機的時期に行われた。しかし、グーグルは利他的な理由でこの変更を行ったわけではない。現実は、ショッピングタブを有料広告に限定したために、ショッピングの検索結果も限定されてしまっていたからだ。しばしば在庫切れ商品にユーザーを案内するなど、データの品質にも問題を抱えていた。一方、アマゾンが広告事業に大々的に力を入れてきたことは、グーグルの広告収入を削り取る脅威となっていた。

さらに、最近の若い消費者の多くは、グーグルで買い物をすることはまったくない。彼らはソーシャルメディアで商品を知り、そのあと小売店への直接リンクをクリックして購入したり、あるいはFacebook(フェイスブック)やInstagram(インスタグラム)などのソーシャルプラットフォーム上で、アプリから離れることなく、直接買い物しているのだ。

グーグルもこのインフルエンサー主導のショッピング市場に参入しようしている。

前述のARメイクに加え、Google検索は美容、アパレル、インテリアやガーデニングの愛好家や専門家からのおすすめ商品を表示するようになる。Googleショッピングで観られる動画では、彼らがお気に入りの商品について語ってくれる。たとえばプロのメイクアップアーティストのJonetからメイクの見せ方について話を聞いたり、Homesick Candlesからホリデーギフトについて聞くことができる。

この機能は、グーグルの社内インキュベーターであるArea 120(エリア・ワントゥエンティー)から生まれたShoploopを使ったもので、フェイスブックやインスタグラム、そしてより最近では、TikTok(ティックトック)によるビデオベースのショッピング施策と競合することになる。

現在、美容ブランドの売り上げは新型コロナウイルス感染拡大によって大きく落ち込んでいる(WSJ記事)。その原因は、実店舗が閉鎖されたり、人々が自宅で仕事をするようになったからだけではない。顔の半分がマスクで隠れてしまうことで、化粧に力を入れる意味も半減してしまったからだ。

そんな時期に導入されるグーグルのARメイク機能とインフルエンサー動画は、iOSとAndroidのGoogleアプリで利用できる。

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画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)