EVに自動充電するロボチャージャーがサンフランシスコにやってくる

現在の電気自動車の充電スタンドは、人間の運転者向けに設計されている。Electrify America(エレクトリファイ・アメリカ)と、米国サンフランシスコに拠点を置くスタートアップのStable(ステーブル)は、運転者が人間ではなくなる日に向けて準備中だ。

Electrify Americaは、フォルクスワーゲンが創立した会社。例のスキャンダルとなったディーゼル車の排気ガスに関する不正行為に対して、米規制当局との和解に基づいて設立された。今回、Stableと提携し、人間が操作しなくても電気自動車を充電できるシステムをテストする。

この自律型電気自動車充電システムは、Electrify Americaの150kw DC急速充電装置と、Stableのソフトウェアおよびロボット工学を組み合わせたもの。EV充電装置に取り付けられるロボットアームは、電気自動車の充電ポートを見るためのコンピュータービジョンを備えている。両社は、2020年初頭までにサンフランシスコに自動充電ステーションを開設する予定だ。

自律型電気自動車充電ステーションのイメージ

このシステムは、単にちょっと気の利いたロボットアームというだけのものではない。Stableのソフトウェアとモデリングのアルゴリズムが、いつ来るとも知れないロボタクシーだらけの時代を待つことなく、今日でも立派に役立つものとなる上で、非常に重要な役割を果たしているのだ。

現在の道路は自動運転車であふれているわけではないものの、企業や政府が使う車両群、UberやLyftのようなライドヘイリングのプラットフォームが使う車両を合わせれば、何千台もの車で埋め尽くされている。こうした、いわば商用車両は、経済状況や規制の影響もあって、どんどん電動化が進んでいる。

「そろそろ、そうした車両群について真剣に考えなければならなくなっています。自動運転車であるかどうかに関係なく、大量の電気自動車群をどうやって充電すればいいのか」と、Stableの共同創立者兼CEOであるRohan Puri(ローハン・プーリ)氏は、最近のTechCrunchのインタビューで語っている。

Stableは、まだ従業員が10人程度の小さな会社。その多くは、テスラ、EVgo、Faraday Future、グーグル、スタンフォード大学、およびMITの出身者だ。EVステーションを配備する際に、充電装置を設置する最適な場所を定め、スケジューリングのソフトウェアを最適化するデータサイエンスのアルゴリズムを開発した。

同社のデータサイエンスに基づくアルゴリズムは、設置コスト、利用可能な電力、土地の価格、といった要素に加えて、充電が必要となった車が、充電サイトに移動し、充電を終えて元の業務に復帰するのに要する時間までを考慮したものとなっている。Stableでは、商用車群に関しては、1つの巨大な集約型充電ハブを設けるよりも、市街地に分散された充電サイトのネットワークの方が利用されやすく、運用コストも低いという結論に達している。

そのようなサイトからは、Stableのソフトウェアが、電気自動車を、いつ、どれだけの時間をかけて、どれくらいの速度で充電すればよいのか、といった指示を出す。

2017年に創立されたStableは、Trucks VC、Upside Partnership、MITのE14 Fundからの投資を受け、NerdWalletの共同創立者のJake Gibson(ジェイク・ギブソン)氏、Sidecarの共同創立者兼CEOのSunil Paul(スニル・パウル)氏など、多くのエンジェル投資家の出資も受けている。

サンフランシスコでの試験的なプロジェクトは、プーリ氏が期待するような大量の車両群に注力した充電サイトへ進展するための第1歩となる。そのプロジェクトに共同で取り組むElectrify Americaは、これまでは主に消費者向けの充電ステーションに注力してきた。Electrify Americaは、今後10年で、クリーンエネルギーのインフラと教育のために20億ドル(約2142億円)を投資すると発表した。同社は、すでに486以上の電気自動車充電ステーションを設置済、または建設中としている。そのうち262の充電ステーションは、すでに認可され、一般向けに公開されている。

一方のStableは、自律型電気自動車充電システムのデモンストレーションと、車両群を抱える顧客の獲得に熱心だ。

「我々がやろうとしたのは、この新しい交通手段の時代のために、ガソリンスタンドを再発明することです。それは、大規模な車両群を中心としたもので、もちろん電気です」と、プーリ氏は説明する。「確かなのは、適切なインフラが、適切な場所に十分設置されているという状況には、まだほど遠いということです」。

画像クレジット:Stable

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Mophineの新しい充電ケースはLightningポートを使わずにiPhoneを充電する

新しいiPhoneで有線ヘッドホンを使っている人は、Lightningポート経由でiPhoneを充電しながら音楽を聞こうとしたときのイライラをよく知っているだろう。Mophieは今日(米国時間1/7)この問題の解決策をCESで披露した。

Qi規格のワイヤレス充電を利用することで、Mophieの新しいバッテリーケース(iPhone X, Xs/Max, XR用)は、iPhoneのLightningポートをフルに使用できる。これはiPhoneを充電しながら有線ヘッドホンで音楽を聞けることを意味している。

バッテリーケース自身の充電は、USB-CまたはQiのワイヤレスパッドで行う。このケースを使うとiPhone Xs/Xで最大25時間、iPhone Xs MaxおよびXRでは最大31時間の通話が可能になる。この充電ケースは119.95ドルで今四半期中に発売予定。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

TwelveSouthはワイヤレス充電器を額縁に入れた(何のため?)

TwelveSouthは、今あるMacのアクセサリ企業の中でいちばん革新的だ。アダプターのPlugBugや、BluetoothヘッドフォンレシーバーAirFlyなど、製品はどれも頭の良い作り方だ。でも、今度のPowerPicはどうかな…。

製品の出来栄えは、同社の製品らしくとても良い。ニュージーランドの松材なんて、言葉の響きも良いね。でもその製品は、木製の箱にワイヤレス充電器をつけたものにすぎない。プレスリリースはこう言っている: “ワイヤレス充電は便利ですが、あなたのベッドサイドテーブルにまたひとつ充電器が増えるのは不便ですね”。

そこでTwelveSouthは、額縁にQi充電を内蔵して、いかにもガジェットっぽい恥ずかしさを隠した。ふつうの額縁があるだけ、という外見。額縁としては、本物の絵が似合う本物の額縁だ。しかし、そこにあなたは、絵ではなく自分のスマートフォンを置く。でもそれは充電してるのではなくて、額縁があるだけだ。Google Home HubやFacebook Portalが、使ってないときはデジタルの額縁に化ける。でもデジタルではなくて紙だ。

PowerPicの良いところは、たぶんその名前だ。PowerPCに‘i’を付けたみたいだ。Appleの過去に、敬意を表している。でも、こんなものなら、YouTube上のDIYチャネルに山ほどあるだろう。違うのは、80ドルで買う製品であること。ホリデーシーズンの買い物フィーバーを、当て込んでいるんだね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

バッテリーの命が難民の命、スマホに依存する難民の実情

[著者:Ziad Reslan]

人間の寿命とバッテリーの寿命を同じに考える人は少ないと思うが、戦争や飢餓から逃れてきた大勢の難民たちにとっては、わずか1パーセントのバッテリー残量が、適時に適切な情報を与えてくれる生命線となる。それがなければ、生き残ることはできない。

現代のスマートフォンは、移住を余儀なくされた人たちの旅の必需品となっている。Google Mapを頼りに中央アジアの山岳地帯を歩いたり、WhatsAppで故郷の家族とつながったり、スマートフォンは難民のあり方を変えた。しかし、良いことばかりではない。

電子1個も無駄にできない

東ヨーロッパでは、ハンガリーから入国を拒否された難民たちが、セルビア側の国境沿いに建ち並ぶ廃ビルに身を寄せている。生活必需品はボランティアが運んでいるが、その中には、自動車のバッテリーを再利用したスマートフォン用の充電器も含まれている。

ハンガリー国境から2キロと離れていない廃ビルの中では、難民たちがひとつの自動車用バッテリーを取り囲み、スマートフォンに充電している。彼らはみな、スマートフォンのバッテリーの大切さをよく認識している。コンセントが使えない場所で充電を行うための、ポータブル充電器を欲しがる人も大勢いる。彼らは常に、どのアプリがいちばん電気を食うかを報告し合ったり、使っていないときはアプリを閉じるように声を掛け合ったりしている。

パキンスタンから逃れてこの建物で避難生活を送っているNashidは、この遠く離れた辺境の地でいちばん求められるのは、スマートホンに充電する方法だと話している。電気が自由に使えないため、バッテリーの充電はボランティアの訪問だけが頼りだ。次の訪問のときまでは、なんとかバッテリーを持たせるよう、さまざまな工夫を凝らしている。そのひとつに、夜寝るときと昼寝をするときは、かならず電源を切るというものがある。画面の明るさも最低に設定してある。空になったバッテリーを取り出して繰り返し振り続けると、数分間、スマートフォンが使えるようになるとも話していた。

東ヨーロッパから西ヨーロッパを目指して旅する難民たちにとって、ハンガリーとセルビアの国境が最後の壁になっている。ハンガリーに入れさえすれば、そこはEU26カ国が加盟するシェンゲン圏なので、国境検査を受けることなく、西ヨーロッパ内の目的地に楽々と行くことができる。しかし反面、ハンガリー国境では警備が厳しくなり、入国がかなり難しい状態になっている。多くの難民たちは、ようやく国境を通れるようになるまでの間、何十回も拒否され押し返されている。

Nashidは、この8カ月間、セルビアからハンガリーへの入国を試み続けている。妻と2人の子どもを含む家族をパキスタンに残し、彼はヨーロッパに旅立った。彼によれば、WhatsAppを使って家族と、そしてパリに住む従兄弟と連絡を取り合っているという。パリは彼の最終目的地だ。バッテリーの制限はあるものの、ただ待つだけの日々の中で、スマートフォンがよい気晴らしの道具にもなっていると彼は言う。1曲か2曲、こっそり歌を聞いたり、ウルドゥー語の動画をYouTubeで見たりしているそうだ。

ひとつの旅に無数のアプリ

この数年間、セルビアは西ヨーロッパに渡ろうと試みる難民たちの、主要な経由地点という役割を担ってきた。セルビアの首都ベルグラードにあるRefugee Aid Miksalište Center(ミクサリステ難民救済センター)は、NGOによって1日24時間開かれていて、移動中の難民が立ち寄ってサービスが受けらるようになっている。一歩中に入ると、ここでも電源タップの周りに人が集まり、スマートフォンに充電をしている。また、無料Wi-Fiの設備もあるので、故郷の友人や家族と、ソーシャルメディアやSkypeを使って連絡を取り合っている。

スマートフォンに充電するために、電源タップの周りに集まるセルビアの難民たち(写真:Ziad Reslan)

難民が集まるたびに、同じ光景が繰り返される。今、世界中には、強制的に国を追い出された人たちが7000万人近くおり、避難場所を求めて何千キロメートルも旅をしなければならない状態にある。その半数以上が、シリア、アフガニスタン、南スーダンのわずか3カ国から逃げて来た人たちだ。強制的に国を追い出された人たちの中でも、突出して多いのがシリア人だ。アレッポから西ヨーロッパへ向かう途中のセルビアとハンガリーの国境地帯までだけで、平均して2200キロメートル以上もの距離を移動しなければならない。

方向を知るために、言葉を学ぶために、ちょっとした気晴らしに、スマートフォンは、難民たちにとって、何カ月間にもおよぶ過酷な旅を生き抜くための必需品となっている。少なくとも、故郷に残してきた愛する人たちと話ができることが、心の支えになる。

2015年夏、残虐な内戦から逃れて100万人のシリア人難民がヨーロッパに押し寄せるという難民危機が頂点に達したころ、FacebookとWhatsAppのチャットグループがいくつも立ち上がり、難民たちの間で旅の進行状況、どの仲介者が信用できるか、交渉費用はどれほどか、といった情報がリアルタイムで交わされるようになった。GPSピンを使って、Google Map上で安全なルートが示された。地中海で難民を乗せた船が沈没した際には、彼らのスマートフォンから送られたGPS信号によって沿岸警備隊に救われたということもあった。

難民たちは、ドイツ語、フランス語、英語などの言語学習アプリをスマートフォンにダウンロードし、目的地の生活に馴染めるようにと、移動中に勉強している。ブルガリア語、セルビア語、ハンガリー語で書かれた道路標識は、Google翻訳で読んでる。旅で家族と生き別れてしまった難民たちには、スマートフォンが家族とつながる唯一の手段だ。

強制的に国を追い出された難民たちの通信接続性を重視したUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は、2016年にConnectivity for Refugees(難民のための接続性)イニシアチブを立ち上げた。これは、難民のためのインターネット接続の権利を支援するもので、難民へのデータ通信サービス提供の交渉、デバイスの購入援助、インターネット接続センターの設置、スマートフォンをフルに活用できるようにする訓練の提供などを行っている。開始から2年が経った今、UNHCRでは人員を増やし、先行して支援を行なっていた国々に加えて、ヨルダン、ギリシャ、チャド、マラウィ、タンザニア、ウガンダでも接続支援の計画を展開する予定だ。

難民の援助に力を入れるスタートアップもある。コロンビアで建築学を学ぶ2人の学生、Anna StorkとAndrea Sreshtaは、LuminAidを共同設立した。そこで彼らは、太陽電池で充電ができ、照明としても使える携帯電話用充電器PackLite Max 2-in-1を開発し、難民たちに無料で配っている。難民の収入の3分の1がインターネット接続のために費やされていると見積もったUNHCRは、難民たちが無料でデータ通信ができるよう、Phone Credit for Refugees(難民のための電話代クレジット)プログラムを開始した。そのほかにも、GeeCycleのように、世界中から中古のスマートフォンを回収して、紛争地帯から逃れてきた難民たちに配っている団体もある。

デマとの戦い

無料Wi-Fiや充電などのサービスを提供するRefugee Aid Miksališteの外では、セーブ・ザ・チルドレン・セルビアなどのNGOが活動している(写真:Ziad Reslan)

しかしスマートフォンは、難民の旅を良いものにするばかりではない。ソーシャルメディアの匿名の情報源に依存すれば、彼らの弱みに付け込んだ人身売買業者などの悪質な連中のもとに導かれてしまう恐れもある。親戚から入手した情報でさえ、結果的に間違っていたということもあり、悲惨な結果を招きかねない。

セーブ・ザ・チルドレン・セルビアの権利擁護マネージャーJelena Besedicは、アフガニスタンからバルカン諸国へ保護者なしに旅をする子どもが増えている原因に、デマがあると話している。セルビアで足止めを食っている、8歳ほどの幼い子どもたちの親は、子どもが無事に西ヨーロッパに入れたなら、親を呼び寄せる資格がもらえるという偽情報を信じていた。

難民の旅を楽にするという類のデマは、難民たちをどんどん危険な方向に導いてしまう。その結果は、目的地に到着したときに現実を知らされて絶望するだけだ。こうした偽情報に対処しようと、国際移住機関などの団体は、難民を送り出す国々に対して、西欧諸国へ旅立つことの危険性を周知させる情報キャンペーンを開始した。さらに、ハンガリーやイタリアのような国粋主義的な傾向を増している国々は、難民のスマートフォンに向けて、まずは自国に来ないように忠告するテキストメッセージを発信している。

難民が家族から感じる圧力は、ずっと以前からあっただろうが、スマートフォンを使うようになってからは、その圧力にひっきりなしに晒されることとなった。セルビアとハンガリーの国境地帯で足止めされているNashidは、パキスタンからフランスまでの約6500キロメートルにも及ぶ旅の途中で自分がどんな目に遭うかを知っていれば、決して出発しなかったと振り返っている。しかし、パキスタンにいた間も、パリの従兄弟から、とても簡単に入国できたこと、フランスには仕事がたくさんあることなどを伝えるメッセージが止むことなく送り続けられていた。そして、Nashidがパキスタンを出発すると、今度は妻と2人の子どもから、パリに着いたかどうかを絶え間なく尋ねられるようになった。そのため、故郷に帰るという考えを捨てざるを得なくなった。

この会話の最後に、Nashidは、WhatsAppで彼が知った噂の真偽を私に尋ねてきた。スマートフォンのバッテリーを100時間まで持たせることができる個人用のポータブル充電器があるというのは本当なのか? と。そんな充電器があれば、コンセントから何キロメートルも離れたこの場所で暮らす自分の人生が変わると、彼は語気を強めていた。

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(翻訳:金井哲夫)

Samsungのワイヤレス充電器DuoはApple AirPowerを標的とする

AirPowerをおぼえておらえるかな? 1年近く前にローンチしたときそれは、Appleが大いにその将来を期待する充電マットだった。しかしその後、そのiPhone/Apple Watch/AirPod用のアクセサリーはMIA(戦闘中行方不明兵士)になってしまい、しかもその理由は、宇宙船クパチーノ号の外にいる者には全然分からないのだ。〔クパチーノ, Apple本社所在地。〕

今日(米国時間8/9)ブルックリンで行われたSamsung Note 9のビッグイベントでは、Samsung独自のワイヤレス充電技術が披露された。それは、Appleの、どこにでも置ける方式に比べると平凡だが、でも、今でもまだ、他社に先駆けての発表、とは言えるようだ。

そのワイヤレス充電器Duoには、二つの異なった使用面がある。ひとつはGalaxyハンドセット用、他は同社のスマートウォッチ用だ。前者は立っているので、ベッドサイドにスマートフォンと共に置けば目ざましになる。スマートフォンと一緒に寝てしまうよりは、健康的だ。そんなことを言う人間(すなわちぼく)は、目ざましの音が鳴り止んでからやっと起きるタイプだけど。

Note 9とそのあらゆる情報は確かに今日デビューしたが、その道の先にはGalaxy Watchのリリースが待っている。その謎のウェアラブルのローンチは、今日でもよかったし、数週間後のIFAでもよい。同社のスマートウォッチの発表は、伝統的に後者だった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

電池切れ直前のスマホでないと使えないチャットアプリDie With Meはデジタルアートだった

【抄訳】
今人類は、過度のスマートフォン中毒だろうか? その疑問はとりあえず置いておき、ここではチャットアプリの形をしたアート、Die With Me(一緒に死んで)をご紹介しよう。この有料アプリは、お互いのスマートフォンの電池残量が5%以下になると、チャットができる。

作者の一人Dries Depoorterによると、このアプリは“アートのプロジェクト”だ。アートの部分を担当したのが彼で、もう一人の作者David SurprenantはWeb開発を担当した。

ペアの二人がどちらもたまたま、テクノロジー中毒者のためのソリューションに出くわすことがありえる。それがたとえば、非常に限られた時間内にしか使えないアプリだ。

特定のアプリにアクセスできる時間帯を制限することは、たとえば子どもに勉強をさせたい親がOSの設定でできる。

でも、なぜ電池がチャットアプリを制限するのか? Die With Meのアイデアは一体どこから出てきたのか?

Depoorterはこう言う: “ぼくはテクノロジーを使うアーチストなんだ。ぼくの作品は、ネット上の監視やソーシャルメディアやプライバシーに関するものが多い。こういうテーマについて何かを語りかけているような、オリジナルなアイデアをひねり出そうと、いつも努力している”。彼が成功作のひとつと言う、もうひとつの作品は、宝くじの自動販売機で、くじに当たるとその人のInstagramやTwitterのアカウントに最大25000の偽造フォロワーができる。

彼によると、よく知らない都市にいるときスマートフォンの電池が切れてホテルへの帰り方が分らず途方に暮れたことが何度もある。“スマートフォンを使ってる人は誰もが、そんな状況になったことがあると思う。ぼくにとってそれは、作品のアイデアのひらめきだったけど”、と彼は言う。

“ぼくはアーチストだから、この感覚はアートになる、と思った。電池が5%以下になったときだけ使えるアプリ、というアートのアイデアをこれまでずっと追ってきた”。

“でも、おもしろいアプリのアイデアがなかった。そして最近、一般公開のチャットルームがおもしろそうだ、と思えてきた”。

なぜそのアイデアがスマートフォンユーザーに受ける、と思えたのか。彼曰く、“そんなアプリはこれまでなかったし、だれもが知ってるけど新しい感覚でもある。電池があと少ししかない、という感覚。自分たちがテクノロジーに依存している、という感覚だ”。

iOSでもAndroidでも0.99ドルと有料ダウンロードなのは、チャットサーバーの費用を捻出するためだ。電池が5%以下になったら、ニックネームでアクセスして、あと数分、という同じ感覚を共有する。お話できる時間はだいたい4分ぐらいだが、残量が5%弱のバッテリーパックを用意しておくと、もっとお話できる。

【中略】

彼のお気に入りの会話の例が、これだ:

– Malk (4%): ほんと、ちょっと悲しいね。朝の目ざましをセットしてあるんだけど、電池が死んだら自力で起きて充電してセットしないといけない。

– Pablo(3%): 忘れるなよ!

– Malk(4%): うん

– Pablo(3%): 明日(あした)仕事をクビになるぞ!

– Malk(4%): 仕事はしてないよ

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Applehがニュージーランドのワイヤレス充電専門企業を買収、この技術の‘自社化’にこだわる理由とは

Appleの最新のM&AといえばニュージーランドのPowerbyProxiだが、同社はこれによって、今年iPhone 8とiPhone Xでデビューしたワイヤレス充電技術に、いよいよ本腰を入れようとしている。

創業10年のPowerbyProxiはオークランド大学で生まれ、ワイヤレス充電と電力転送製品にフォーカスしている。それにはワイヤレスのコントロールシステムやワイヤレスセンサー、ロボティクスなども含まれ、それにもちろんワイヤレスの電池充電というApple向きの分野もある。

この買収はStuff New Zealandが最初に報じ、珍しくもAppleが直接の声明で確認した。このクパチーノに本社を置く企業を常時ウォッチしている人びとは、同社が買収をするときとくに発表などしないことを、もういやというほどよく知っているのだ。たとえば最近フランスから買ったRegaindなどは、その典型的な例だ。

Appleが本誌TechCrunchにくれた、ハードウェア部門のSVP Dan Riccioによるとされる声明は、こう言っている: “手間も苦労も要らない簡単な充電方法を弊社は世界中に広めたい。オークランドのチームは、Appleがワイヤレスの未来を作ろうと努力するときの、すばらしい支えとなる”。

この声明に付随するコメントでPowerbyProxのCEO Fady Mishrikiはこう述べている: “チームも私もAppleの一員になることに興奮している。同社との連帯は弊社の価値を大きく増幅し、オークランドで成長を続けながら、ワイヤレス充電に対しニュージーランド発のすばらしいイノベーションを寄与貢献できることに、大きな喜びを感じている”。

この買収は公式には非公表だが、Stuff New Zealandの報道では1億ドルあまり、とされている。

これまで同社には、ニュージーランドのVC Movacとドイツの製造企業Darmstadtが計900万ドルを投資しているが、彼らはこの買収でおいしいリターンを得ることになる。もうひとつ、意外な受益者がSamsungだ。このAppleの天敵のような企業は、4年ほど前にSamsung Ventures経由でPowerbyProxiを支援したことがある。

PowerbyProxiの技術資産には、50名あまりのスタッフと300以上のパテントが含まれる。それらが、Appleのワイヤレス技術を強力に充電することは確実だ。同社の初のワイヤレス充電パッドAirPowerは来年リリースの予定だが、さらにAirPodsのワイヤレス充電バージョンも出る。さらに今後だんだんと、Appleの製品からワイヤーが消えていくだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

EVの高速充電装置/ステーションはどんだけ速いのか?、メーカーの発表数値を比較する

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EVgoが今月、公共直流高速充電ステーションの新記録をカリフォルニアで作る、と発表した。その能力は最大350kw、現在の記録保持者はTesla Superchargerだが、それよりも強力だ。EVgoのステーションの1号機はこの夏、カリフォルニア州ベイカーの世界一背が高い温度計の近くで、供用を開始する。

そこで、疑問が生ずる: そのほかの高速充電ステーションはどれだけ速いのか? そもそも、高速充電ってどれだけ速いのか?

EVの充電に要する時間は、二つのことに依存している: 充電装置が供給する電力と、車の充電システムが対応できる最大電力だ。EVはLevel 3の充電ステーションを使うために、CHAdeMOやSAE CCSの規格に準拠、またはTeslaの車種でなければならない(後者は他の規格のためのアダプタがアクセサリとしてある)。

Level 1の壁際コンセントは、減損したEV用電池の充電に一晩、あるいはそれ以上かかる。Level 2の充電装置は完全充電までに一晩ぐらいかかる。Level 3のステーションでは、80%の再充電が1時間以内に終わる。

以上は一般的なルールだが、メーカーはこんな数字を挙げている:

  • Tesla Model S: 120kw Superchargerステーション、40分で80%充電。
  • Jaguar I-PACE コンセプトEV: 50kw Level 3ステーション、90分で80%充電。
  • Chevy Bolt: 50kw Level 3ステーション、30分充電で90マイル。
  • Nissan Leaf: 50kw Level 3ステーション、30分で80%充電。

EVgoのネットワーク上には800基あまりの高速充電ステーションがあり、そのほかに最新のハイパワーステーションもある。後者は4台の充電装置を内蔵し、将来8台に拡張する予定だ。ひさしにソーラーパネルがあって充電装置に電力を供給、もちろんひさしだから人間と車を直射日光から守る。(充電器への電力供給のない)夜間利用者のための、バックアップ電池も用意している。Tesla SuperchargerのようなWi-Fiホットスポットはないが、でも、忘れちゃいけない、近くに世界でいちばん背の高い温度計がある!

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))