雪の大館市で三頭の秋田犬がGoogleストリートビューを撮影

このたびGoogleがストリートビューのチームに新たに加えたのは、三匹の、とっても毛むくじゃらの、とってもいい子たち、AkoとAsukaとPuukoだ。日本の大館市の雪におおわれた街路を撮るために同社は、三頭の秋田犬の背中に360度カメラをくくりつけた。彼らはこの国の、寒くて山の多い地方の出身だ。

同社はこの可愛らしい地図作成のイノベーションを、Dog Viewと呼ぶかPup Viewと呼ぶか決めかねた〔pup == 子犬〕。その会議の様子を、ぜひビデオに撮りたかったね。ぼくなら、Akita Viewを提案しただろう。

AkoとAsukaとPuukoは、革製のハーネスに一般市販のカメラを取り付けてが市内を歩きまわり、その景観や、たくさんある犬の大好きな場所、秋田犬博物館やハチ公の銅像を撮った。Googleによると、ハチ公とは、“レジェンドとなった犬で、オーナーが亡くなってから何年も、毎日忠順に東京の渋谷駅に通(かよ)った”。

通常のストリートビューの画像には、撮影者は映らないが、犬の場合は必然的にダーティー・ショット(撮影者が部分的に入り込む画像)になり、ぬいぐるみのようなふわふわの耳がフレームに入り込む。三頭の、人類の最良の友たちの、とても良い仕事だとわかるから、楽しいね。

犬たちの目線によるストリートビューは、ここで見られる。

〔関連記事: Google日本語ブログGigazine

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蜂のインターネット(Internet of Bees)で蜂のコロニーの健康をモニタする

今や周知の事実として、全世界の蜂の生息数は、何かを警報するかのように、急速に減りつつある。しかもわれわれ世間の一般人と違って養蜂家は、彼らの巣箱をつねに注意深く監視しなければならない。でも、何千という巣箱を抱える大規模養蜂家にとっては、巣箱のモニタリングは容易でない仕事だ。そこでカナダの研究者が開発したモニタリングシステムは、蜂たちの羽音を聴いて健康状態などをチェックする。

サイモンフレーザー大学の大学院生Oldooz Pooyanfarが作ったデータ収集デバイスは、今後の改良により、今多くの蜂たちを見舞っている謎のような苦境、蜂のコロニーの崩壊という異状の原因究明に役立つ、と期待されている。

そのデバイスは、マイクロフォンと温度センサーと湿度センサーを使用し、最終的には加速度計も含める予定だ。それを巣箱に取り付けると、コロニーの動態がまるでドローンで遠隔データを収集したときのように、手に取るように分かる。

“このモニタリングシステムでは、蜂たちが今‘何を言っているのか’というデータを、リアルタイムで集めることができる。彼らの、食糧調達の状況や、群飛の様子、女王蜂の存在もしくは不在なども分かる”、Pooyanfarはニュースリリースでこう述べている。

今後デバイスの台数が増えて、大量のデータがリアルタイムで集まるようになれば、ニューラルネットワークを訓練して問題を突き止められるようになるだろう。Pooyanfarが今執筆している学位論文は、研究開発のこの部分を扱っている。

現状では一般市販の部品の寄せ集めなので、必要以上に大きいし、費用も高い。しかし専用のセンサーパッケージを大量に特注できるようになれば、かなり安上がりになるだろう。彼女は今、地元の養蜂家たちと協働してハードウェアとソフトウェアを開発している。養蜂家たちも、かなりの関心を示しているそうだ。

Pooyanfarのこの研究開発は、Mitacs Accelerate事業が資金を提供している。

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ロボットのワニとオオトカゲがBBCの番組で本物そっくりに動きまわる、睨まれたら怖いぞ

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ワニの群れの中を歩きたかったら、まず自分がワニになれ、とことわざは言う。しかしAce Venturaでないあなたが野生動物の生態ビデオを撮るためなら、ロボットを使うべきだろう。スイスの大学のロボット研究所が、今日(米国時間1/26)放送されるBBCの番組でそれをやっている。

その“Spy in the Wild”という番組は、ぜひ見ることをおすすめしたい。“野生に対するスパイ(Spy in the Wild)行為”は、義足をつけたカメラを虎のいる森に置くなど、素朴な方法で始まり、そして今年は、プロデューサーがやる気満々、あらゆる動物のレプリカを使うことになった。

そのSpy Pup(幼獣), Spy Bushbaby(ガラゴ)などのロボットは、目の前にいても動物たちがまったく違和感を示さないぐらい、良くできている。それどころか猿たちは、赤ちゃん猿ロボットの‘死’を哀悼した。Spy Baby Monkeyちゃん、天国でお幸せに。

今日の番組に登場するのはワニとオオトカゲだ。番組のプロデューサーは国立ローザンヌ工科大学(EPFL)のBiorob lab(バイオロボット研究所)へ行って、模造動物たちを作った。

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彼らは以前、この研究所でトカゲロボットを作って成功している。彼らのPleurobot(胸膜ロボット)は、両性動物特有の、左右に回転するような動きで、歩いたり泳いだりできた。それはワニにも応用できるだろう。

“ここでやろうとしているのは、生物情報科学だ”、とKamilo MeloがEPFLのビデオで言っている。“基本的には、生物学の情報を、ロボットの設計に反映させることだ。ありとあらゆる情報を集め、実験を行い、生物学に測度を与え、そしてそれらのデータをロボットの設計に持ち込む。その過程で、本物の動物の動きも研究できる”。

動物の精妙な動きを細かく理解すればするほど、生物情報科学と生体模倣技術に基づくロボットの動きは本物に近くなる。最近ではそんなロボットを見る機会が、増えているね。

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動物専門のビデオサイトThe Dodoは1か月で10億ビューを稼ぐ、テレビ用コンテンツにも進出

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動物のビデオが好きな人って、すごく多いよね。

動物ビデオ専門のサイトThe Dodoによると、11月の視聴回数は10億回、1月(8000万)に比べると10倍以上の成長だ。

The Dodoは、配信(distribution)メディアに徹している。つまり同サイトのビデオの大半は同社のWebサイトからオリジナルとして送信されるのではなく、Facebookなどのソーシャルメディア上にある。社長のYuJung Kimによると、今月はSnapchatも加えた。だから12月はビュー数がさらに増えるだろう。

Kimはこう語る: “うちのビデオ一本の平均ビュー数は260万だ。だからうちは、平均で10万ぐらいしか行かない動物面白話(ストーリー)やGIFの画像は扱わない。ビュー数2億ぐらいの、ヴァイラルなヒットが数本発生した月は、総ビュー数が軽く10億にはなる。ビデオは、ビュー数を効率的にそして安定的に稼げる”。

“効率的で安定的”とは、どういう意味だろう? Kimはこれまで、ソーシャルメディア上のパブリッシャーの多くが、同じ間違いを犯している、と感じた。たとえば、“冒頭にすごいショットを置いて惹きつける”、とか。でも彼女が言うには、重要なのは人びとの心に共鳴するような動物のお話を見つけることなのだ。

“うちのビデオは最初から、共有されることをねらっている”、とファウンダーのIzzie Lerer〔Buzfeedの会長の娘〕が付け加える。“そのためにはパンチが必要だし、もっと重要なのは、見る人にとっての‘意味’が何かあること。自分が飼った犬によく似た犬のビデオとか、孤児になった象の赤ちゃんとか、人が動物に感情移入できるビデオが重要ね”。

The Dodoはしかし、時流ネタも無視しない。たとえば最近6600万ビューを稼いだビデオは、“Donald Trumpが嫌いなペット”だ。

しかしThe Dodoのビデオはほとんどがよそにあるから、収益化は難しい。Kimは、今は収益化よりも成長を重視、と言うが、でもいずれは、独自の何かうまい方法を装備する必要があるだろう。

今では、Group Nineという大きな組織にも属している。それは、Thrillist, NowThis Media, Discoveryのネットワーク版であるSeeker, The Dodoなどの合併により最近できた企業だ。Group Nine全体で10月のビューが35億だった。The Dodoは今でも独立ブランドだが、この合併の結果、テレビのためのコンテンツも企画するようになっている。

https://www.facebook.com/92ca266a-d79b-4221-ac1d-e57f8f41d2da

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あの鳥は何だろう?と思ったら写真を撮って鳥認識アプリMerlinに見せよう、数秒で分かる

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あれはヒメハジロかな? それともオオバン? アビじゃないの? ではなるべく近くで写真を撮り、鳥の種を確認するアプリMerlinに見せよう。数秒で教えてくれるから、まるでそれは、鳥類学者になりたいきみのためのShazamだね。

もう1年あまり前から、写真を認識する機能はMerlinの大きなエコシステムのごく一部でしかないけど、最近コーネル大学の愛鳥家たちが、モバイルアプリでそれができるようにした。写真を撮ってそれをズームすれば、あとはMerlinのデータベースが仕事をしてくれる。

飛んでいるミサゴをGalaxy S4で撮るのは難しい。接写なら水辺の方がいいね。

飛んでいるミサゴをGalaxy S4で撮るのは難しい。接写なら水辺の方がいいね。.

もちろん、スマートフォンの広角カメラでは、小鳥たちの良質な接写は難しい。でもアプリの作者によると、ヘタな写真でも90%は正しく当てるそうだ。確信が持てないときは、いくつかの質問に答えるとよい…どんな鳴き声か、喉に細い帯状の模様があるか、などなど。すると精度は100%に近くなる。オフラインでも利用できるけど、そのためにはあらかじめ、200メガバイトものデータをダウンロードしなければならない。

コーネル大学の協力を得て実際にこのアプリを作ったVisipediaの協同ファウンダーPietro Peronaはこう語る: “このアプリはうちの学生たちの7年間の努力の成果であり、コンピュータービジョンと機械学習の最近の大きな進歩に支えられている”。

もう一人の協同ファウンダー、コーネル大学のSerge Belongie教授は曰く: “今後は鳥だけでなく、蝶や蛙、植物など、いろんなものを視覚的に判定できる、誰もが使えるオープンなプラットホームを作っていきたい”。

アプリはAndroid iOSも無料だが、データをダウンロードして使うためには、500メガバイトぐらいの空きスペースが必要だ。

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あのかわいいTurboRooから動物の義足専門のスタートアップPawstheticsが誕生

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われわれ二本足の人間も、そしてその四本足の友だちも、不運に遭うことがある。ときには、ひどい不運に。ぼくの親友のTurboRooは、そんな不運に対して、良き助けを提供できるだろう。

Turboは2014年に、動物病院に預けられて新しい飼い主を探していた。そのときの彼の年齢は生後4週間だったが、生まれたときから前足がなかった。幸運にも彼は、すてきな里親さんAshleyとRayにもらわれた。前足のないTurbがなんとか歩こうと努力する姿を見て、彼らは最初、玩具の部品を利用して小さなカートをつくった。そんなTurboをテレビのニュースなどが取り上げたため、サンディエゴの航空宇宙工学のエンジニアが、3Dプリンタで補助具を作ろう、と名乗りでた。彼はTurboの体に合わせたカートを作り、TurboはTurboRooになった。世界で初めての、3Dプリンタで車いすを作ってもらった子犬だ。

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里親のカップルも3Dプリンタを購入し、TurboRooの義足の改良を重ねた。デンバーの3Dプリントストアも協力した。そのプロジェクトはやがて”Pawsthetics”(義足prostheticsからの造語、pawは犬などの前足)と名付けられ、あらゆる障害者ならぬ障害生物を3Dプリントで助けようという、大きな目標を持った。

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この壮大な(==資本を要する)”Pawsthetics”プロジェクトは、Indiegogoで資金募集をしている。目標額は5万ドルだ。

今このプロジェクトが計画中のプロダクトは、三本足の犬用のカート/小動物用の義足/前足用固定具/傷口被覆具(傷口をなめないように)、などだ。今ではこのプロジェクトに、いろんな動物の飼い主たちからの、いろんな補助具のリクエストが舞い込んでいる。

人間の人生の支えにもなってくれる小さな友だちが、今、あなたのヘルプを求めている! テクノロジには、こんなすてきなこともできるんだ。ではみなさん、良い感謝祭を(米国時間11/26)。

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盲導犬のオーナーが犬の体調を手に伝わる振動で知るためのデバイス(まだ名前はない)

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ノースカロライナ州立大学の研究者たちが、盲導犬が苦しんでいたり病気のとき、そのことをユーザに伝えるデバイスを発明した。犬は通常、具合が悪いことやストレスを、呼吸や姿勢、心拍などで伝えるので、視覚障害者などにはそれが分からないことが多い。このデバイスは犬の呼吸と心拍を測り、ユーザが手に持つハンドルを振動させて異変(病気、熱中症など)を知らせる。

プロジェクトを率いたコンピュータ科学の准教授David Robertsはこう語る、“犬は主に動きや姿勢でコミュニケーションするから、視覚障害者などは、異変が起きたときすぐにそれを感知することが難しい。盲導犬については、前からこのことが課題とされてきた。彼/彼女らはおとなしくあるよう、しつけられているから、路上などでも人びとの注意を惹きにくい”。

このシステムは、犬のストレスと不安の両方を伝える。この二つは、盲導犬の引退時期を告げる兆候でもある。このシステムのおだやかな振動が、オーナーに犬の状態の変化を知らせる。親指の位置にある小さなモーターが犬の心拍のペースを伝え、もう一つのモーターが呼吸のペースを伝える。どちらかの振動がとても頻繁になったら、オーナーは立ち止まって状態をチェックできる。

このプロジェクトのペーパーは”Towards the Non-Visual Monitoring of Canine Physiology in Real-Time by Blind Handlers”と題され、マレーシアのジョホールで行われたSecond International Congress on Animal Computer Interactionで発表された。

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顔認識技術で猫の食べっぷりをチェックするCatFiはボール紙製の猫用食堂を使う

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ぼくがDisruptを好きなのは、Startup Alleyに今年は何が登場するか、事前に予測できないことだ。台湾コーナーを通りかかったとき、CatFiというスタートアップを見つけた。同社のCatFi Boxと呼ばれるプロダクトは、3Dの顔認識技術を使って猫の食べっぷりをチェックする。とくに猫を複数飼っている人が、便利に使えるだろう。

たとえばあなたが猫を5匹飼っていて、うち1匹がいつも食べ過ぎだけど、それをやめさせることができない(ぼくなんか家にいないことが多いから猫の管理なんかできない)。CatFiを使うと、でぶ猫が食べようとするとその顔を認識してフードを食べられないようにする。食べ盛りの子猫なら、同じく顔を認識して‘食堂’(下図)をオープンする。すごいのは、これらすべてをアプリでやることだ。ラジカルやのー。

Googleは仮想現実ヘッドセットにボール紙を利用したが、CatFiでは猫の食堂がボール紙製だ。そこにセットする監視カメラとしては、余っている(or超安い)Androidフォーンを使う。そして自分が日常使っているスマホで、猫の食餌行動をチェックする。

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天才やのー。

アプリは猫達の食べっぷりに関するグラフを作り、通知も行うから、お猫様の食生活管理はこれで完璧だ。

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猫の給餌だって、ディスラプトの対象になりえる。すごいのー。CatFi Boxのボール紙製食堂とアプリを欲しい人はここで登録を。ボール紙製でない、やや本格的な、プロバージョンもある。でも、そっちは、あまり楽しくないかも…。

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広島県尾道市・猫の視界のストリートビューマップ、Google Street Viewのスタッフが制作

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ドローンのおかげで、まわりの世界を鳥瞰するのは簡単になったが、それはものごとを見るための視野として、正しくないのかもしれない。日本の広島県が観光宣伝のために作った猫のストリートビューマップを見ると、街(まち)のありふれた視界が、とても新鮮に見える(下図)。しかもそれは、我らが愛すべき、お猫様の視界だ。

このマップの対象地域は尾道市のメインの商店街で、そこは人によく慣れたストリートキャット多いことで知られ、観光客の人気にもなり、奥の細道ならぬ猫の細道と名付けられた路地があったり、前足で幸運を招く招き猫の博物館があったりする。

この、猫のストリートビューマップは今のところ日本語だけだが、ミャーオタグと呼ばれるタグをクリックすると、さまざまな観光スポットを教えてくれる。

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この猫のストリートビュー(Cat Street View)は、単なる観光マーケティングの仕掛けであることを超えて、テクノロジの進歩でついに、われわれを翻弄してやまないお猫様たちの視界を、人間も見られるようになった、という感動を与える。Webカメラやカラー(襟)カメラ、それにGoProのようなアクションカメラのおかげで猫達は、彼らの愛すべきキャトマ(catma…ドグマ(dogma)の反対、猫独自の世界)を平和裡に広げることができる。

このマップはまた、ドローン市場の急速な拡大に対する、警報でもある。ドローン企業は2015年に1億7200万ドルの資金を調達したと言われ、それは過去3年の合計よりも多いが、でも広島の猫のストリートビューは、ベンチャーキャピタリストたちに、世界を上空から鳥の目で見るだけでなく、目と耳を大地に接近して見ることも重要だ、と警告する。そう、地上20センチぐらいの高さからね。

広島県がWall Street Journalで語っているところによると、このマップはGoogleのStreet Viewを作った人たちが作り、それと同じ機材を使用した。次のバージョンでは、猫達が、トイレにふさわしい植木鉢や、ベッドとして使える段ボール箱がたくさんある倉庫、とってもおいしそうな食べ残しのあるセレブ猫のお宅などを、見つけられるとよいね。

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