グーグルがタブレットや折りたたみスマホに最適化した「Android 12L」を正式発表、2022年中に対応機種に提供

Google(グーグル)は米国時間3月7日、Android OSの大画面端末向けに最適化したバージョンとなる「Android 12L」を正式発表した。2021年10月にプレビューが公開されていたこのAndroid 12Lでは、タブレット端末でAndroidをより使いやすくする機能が提供される。Googleによれば、このソフトウェアは2022年後半から、Samsung(サムスン)、Lenovo(レノボ)、Microsoft(マイクロソフト)の対応デバイスに提供が開始されるという。

Android 12Lの発想は、画面が600dp以上のタブレットや折りたたみ式デバイスのユーザー向けに、ユーザーインターフェースの最適化、マルチタスクの強化、互換性サポートの改善を行うことによって、より大きな画面のデバイスでアプリを実行したときに、デフォルトでより良い体験が得られるように、Androidを調整することだった。

例えば、Android 12Lでは、拡大されたスペースを活かし、通知シェードにクイック設定パネルと通知を2列に並べて表示できる。ロック画面でも2列のレイアウトで、通知と時計が表示される。設定画面も大きな画面に合わせて最適化されているので、それぞれのセクションに入ったり出たりすることなく、各種の変更を行うことができる。暗証番号の入力やロック画面のパターンも、手が届きやすいように画面の横に配置されるなど、いくつかの重要な操作も変更されている。

画像クレジット:Google

Android 12Lは折りたたみ式デバイスにも対応し、最適化されたホーム画面のグリッドと、折りたたみ時 / 展開時の洗練された移行により、ユーザーはたたんだ状態の外側画面から、開いた状態の大画面へ、シームレスに移動して使えると、Googleは述べている。

さらに12Lでは、新たにアプリを起動したり切り替えることができるタスクバーも、画面下部に追加された。これは画面長押しで、いつでも表示したり隠したりできる。ジェスチャーナビゲーションで最近使ったアプリをめくるようにすばやく切り替えたり、分割画面モードにしたり、上にスワイプしてホームに戻ったりすることもできる。

Android 12Lのユーザーは、直接タスクバーから別のアプリを画面にドラッグ&ドロップするか、概要で新たに加わった「分割」アクションを使うことで、分割画面を開始することが可能になった。つまり、例えばニュースを読みながらYouTube(ユーチューブ)の動画を見たり、Chrome(クローム)ブラウザでウェブ検索したり、Google Maps(グーグル マップ)を使ったりすることができるというわけだ(画面分割モード自体は目新しいものではないが、Android 12Lではよりアクセスしやすくなり、開発者がこのモードをサポートするためにオプトインする必要もなくなった)。

12Lでは、まだ大画面のデバイスに最適化されていないアプリのための互換モードでも、視覚および安定性が改善されている

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このアップデート版Androidは、Googleが近年、Androidタブレットに対して行ってきたいくつかの改良に続くものだ。2020年には、タブレットに子ども向けモードの「Kids Space(キッズスペース)」が追加された。2021年開始した「Entertainment Space(エンターテインメントスペース)」では、映画、テレビ番組、電子書籍、ゲーム、動画など、あらゆるコンテンツがまとめられ、すべてに一カ所から簡単にアクセスできるようになった。

Android 12Lは、タブレット所有者のニーズに対応することを目的とするという点で、Apple(アップル)のiPadOSと似ているが、アップルがiOSとiPadOSで行ったような、Androidを分岐させて別のOSにするという方法を、Googleは実際には取らなかった。

Android 12Lの公式発表と同時に、Googleは自社デバイスの「Pixel(ピクセル)」に新機能セットをもたらすアップデート「Pixel Feature Drop(ピクセル・フィーチャー・ドロップ)」の最新版も発表した。この10回目のFeature Dropでは、Snapchat(スナップチャット)がNight Sight(夜景)モードに対応したり、リアルタイムで話し声を文字起こしするLive Caption(ライブキャプション)が電話中でも使えるようになったり、リアルタイム翻訳機能のLive Translate(ライブトランスレート)で対応言語が拡張されたりなどの機能が追加されている。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

さようならSamsung Galaxy Note、そのエッセンスは新Galaxy S22 Ultraの中に

正直に告白すると、Samsung(サムスン)が初代Noteを発表したとき、筆者は懐疑的だった。国際コンシューマ・エレクトロニクス展(IFA)のメッセ・ベルリンの群衆の中でそう思ったのは、私1人ではなかったはずだ。5.3インチのディスプレイは、平均的なスクリーンが3.5インチ強であった年には想像を絶する大きさだった。スタイラスは、痕跡器官のように携帯電話に備わっていた。それは、集合的に(そして楽しく)進化してきたPalm Pilot時代からの、奇妙で不必要な遺物のようなものだった。

Samsungは、昔のものと似たような反発を受けた直近のデバイスに関して、そのような懐疑論を正しく指摘している。折りたたみ式ディスプレイのような新しいイノベーションに直面したとき、筆者はこのことについてよく考える。新しいイノベーションが失敗することに賭けることに時間を費やしていたら、かなりの実績があることになる。これは、つきものであり、我々が身を置くこの奇妙な業界の性質でもある。革新的であればあるほど、失敗する可能性は高くなる。

しかし、Noteはあらゆる合理的な指標からみて成功だった。発売から9カ月で1000万台を販売したとSamsungは発表した。初代iPhoneの登場から4年半、すでに閉塞感を漂わせ始めていたカテゴリーに、新しいアイデアを注入する一助となった。Samsungは、Blackberry後の世界でモバイルファーストのバーチャルオフィスというアイデアを取り入れる新しい方法を模索していて、そしておそらく最も重要なことは、ファブレット時代の到来を告げたことだ。2014年には、4.7インチのiPhone 6が登場し、3.5インチや4インチを理想的なスクリーンサイズとして称賛する時代は終焉を迎えたとApple(アップル)でさえ認めざるを得なくなった。

もちろん、Noteのイノベーションの全てが、すごく斬新だったわけではない。発売後、スタイラスに勢いがあると感じられた時期もあった。モバイルのフォームファクタでは、入力デバイスは不当に悪者扱いされていたのかもしれない。多くのメーカーがスタイラスを試したが、最終的にはタブレット用に特別に設計された大型のペンシルの方がはるかに大きな成功を収めた。

しかし、トレンドがどうであろうと、Noteは最後までS-Penを使い続けた。S-Penは、SamsungがNoteとGalaxy Sとの間の境界線を曖昧にし続ける中で、真の差別化要因だった。そして、皮肉にも、スマートフォンのS-Penは、ブランドとしてGalaxy Noteよりも正式に長生きした。ブランド名に関して移り気な傾向があるSamsungのような企業にとって、10年というのは家電ブランドとしてはなかなかの長寿命だ。同社が低価格の旗艦ブランドで取った動きを見るといい。

分析会社によると、終わりに向かうにつれ、売上は停滞し始め、さらに減少しさえした。しかし、その点についてはNoteだけではなかった。高級スマートフォン市場全体が、パンデミック以前から停滞していた。人々が単純にそれほど早くアップグレードする市場ではなかった。高級スマートフォンはより高価になり、また、もう数年使用するのに十分なものだった。一方、Galaxy Sシリーズの製品は大きくなり続け、2021年にはS-Penが追加された。

大退職時代の中で多くがそうであったように、Noteも再編成のために1年休みを取った。2022年になる頃に、Samsungは折りたたみ式の製品ラインアップをフラッグシップにすると宣言し、これもNoteが戻ってこないことを示す証拠のひとつとなった。SamsungがGalaxy Ultra 22にS-Penスロットを組み込むと、Noteの魂はその体を離れ、マーケティング資料で時々言及されるブランドの限界領域を漂うようになった。発売前に筆者がSamsungの担当者と交わした会話で、彼らはS-Penによるメモ取りなどの機能に関して、より抽象的な「Note体験」に言及する権利を留保していると付け加えた。筆者は発表の際に意見を言ったが、ここで繰り返して言ってもいいだろう。NoteブランドはGalaxy Sよりも強い。 あるいは、少なくとも瞬時に認識できる。Samsungは、Galaxy S22 Noteとしてであっても、Noteブランドを維持すべきだ。

筆者は、発売の数週間前に、このデバイスを少し触る機会があった。この記事にたくさんの写真があるのはそのためだ。 基本的には、正式なレビューに先立ち、製品の写真を撮ったり、少しいじったりする時間だ。当然ながら、私はGalaxy S22 Ultraの方に直行した。デバイスを手に取った瞬間に思ったのは、この端末は名前は違うがまさに「Galaxy Note 22」そのものだということだ。見た目もNote、動作もNote、音もNoteだ。

だから、もしあなたが黒一色の服を着て、ギャラクシーノート型のキャンドルを灯していたとしても、落ち着いていられる。まるでNoteが恐ろしい殺人事件を目撃し、政府の保護を受けなければならなくなったようなものだと考えてほしい。あるいは、Galaxy Sと結婚して、その名字を名乗るようになったのだと。わからない。どちらでも良いと思う方を。

しかし、興味深い(そしてあまり議論されていない)のは、この新デバイスがS22の上位機種を事実上崩壊させるということだ。新しい携帯電話を買うとき、もしあなたが付属品を重視するタイプの人なら、S-Penは付属品の中に入っている。それは、全てが最上位というSamsungの長年のアプローチの論理的な拡張だ.

S22とS22 Plus、S22 PlusとS22 Ultraは200ドル(約2万3000円)の差があるが、前者の2つは後者の2つよりも共通するDNAを持っている。実際、ディスプレイとバッテリーの大きさが、この2つの大きな違いだ。S22 PlusとUltraの場合にもそれは当てはまり、最上位機種はさらに高解像度のメーンカメラと追加の望遠、より多くのメモリとストレージオプション(それぞれ8GB〜、128GB〜というのは同じ)、100倍のスペースズーム(もう1つは30倍)、前述のSペンとそのすべての付属物を手に入れることができる。

以下は、1200ドル(約13万8000円)のGalaxy S22 Ultraの基本スペックだ。

  •  501ppiの6.8インチディスプレイ
  •  背面カメラ4基:108MP(ワイド)、12MP(ウルトラワイド)、10MP(ペリスコープ望遠)、10MP(望遠)、100倍スペースズーム、10倍光学ズーム
  • 5000mAhバッテリー
  • 8GB〜12GB RAM、128GB〜1TBストレージ
  • 4K動画撮影
  • Snapdragon 8 Gen 1 (市場による)
  • ディスプレイ内指紋リーダー

最後の3点は、全体的に同じだ。しかし、例えば、6.6インチのスクリーンと4500mAhのバッテリーではなく、6.8インチと5000mAhを望むなら、めでたいことに、S-Penも手に入れることができる。裏を返せば、当然ながら、少なくとも1200ドルを払わなければ、そのNoteの機能は手に入らないということだ。Samsungは、超高級機種とそれ以外のGalaxy Sシリーズの境界線として、S-Pen機能を維持する計画であることをはっきりとさせた。

非常に高価なスマートフォンの壮大な計画の中で、このいずれかが最終のプロダクトだとは思わないが、同社が他の製品に長年にわたるプロダクトラインを統合する際に、少なくとも少しの摩擦があったに違いない。正直に言えば、突然S22のベースモデルが6種類も登場したら、「複雑すぎる」と同社を批判するかもしれない。

Samsungはここでいくつかの決断を迫られ、S-Penを超プレミアムな機能にする方向へ向かった。そのため、S-Penの200~400ドル(約2万3000〜4万6000円)する価値が好きかどうか、急きょ自問自答することになる人もいるだろう。

もちろん筆者は、他人のためにその質問に答えることはできない。筆者は長い間、S-Penは興味深く、時には非常に便利な機能だと感じてきた。過去10年間のS-Penの進化は、より使いやすくなったソフトウェアのアップグレードと、この製品の最も面白い機能をいかに新鮮に保つかという企業努力のように感じられる追加機能の組み合わせだった。パワーポイントのスライドを高度化するためにスタイラスを使うことは非常に便利なのだろうか?そうでもない。格好いいか? そうかもしれない。

本当に便利なのは、「テキストに変換」のような改良点だ。自身の乱暴で読みにくい筆跡にいかによく対応するか、筆者は一貫して感銘を受けてきた。筆者の字はペンと紙でも十分ひどいのに、光沢のあるスクリーン上でスタイラスを使うとなれば尚更だ。しかしソフトウェアはほぼ常に筆者が伝えようとしていることを見抜いてくれる。私の筆跡が思ったほど悪くないのか(ひどい)、それともソフトウェアが非常に優れているかだ(こちらが正しい)。

Samsungは過去10年間、S-Penの約束を見事に果たしてきた。しかし、最初のNoteが登場したときでさえ、多くのユーザーはすでにタッチスクリーンで上手にタイピングできるように訓練されていた。多くの人にとって、Noteは、現在Samsungのユーザーがハイエンドな6.6インチと6.8インチの間で選択している大画面携帯電話の世界への入り口だった。Galaxy Sラインを向上させようとSamsungは効果的にNoteを再利用した。

しかし、私たちに残されたものは、10年以上にわたるスマートフォン戦争から生まれた素晴らしい(おそらく、詰め込みすぎではあるが)成果である。S22 Ultraは、その重量にもかかわらず、驚くほど滑らかな躯体を維持している。実は、初代Galaxy Noteはあり得ないほど大きいとみられ、多くの点でそれが当てはまった。2011年当時、あれだけの画面をサポートするには、もっと多くの携帯電話が必要だった。しかし、エッジトゥエッジディスプレイのような画期的な技術により、より大きなスクリーンを小さな端末で実現することができた。

間違いなくS22 Ultraは、6.43 x 3.07 x 0.35インチ(163.3×77.9×8.9ミリ)という巨大なタンクだ。平均的な体格の成人男性で、平均的な大きさの手を持つ筆者は、8オンス(226グラム)のデバイスが扱いにくいと感じる瞬間があった。これは、大きな端末を手に入れるために支払う代償だ。そして、Samsungはきっと嬉しそうにこう言うだろう。もしスクリーンが大きすぎるなら、いくつか折りたたみ式のものがあるので、喜んで売ろう、と。

  1. Ultra

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  18. Ultra18

 

カメラも高品質だ。季節外れの暖かな2月の朝、筆者は嬉々として端末を持って近所を回った。S22は、2022年の携帯電話端末で撮影できる写真のなかでも最高レベルのものを撮ることができる。ナイトショットは、ここ数世代で目覚ましい進歩を遂げた。Samsungにとって、この点での最も重要な競争相手は最新のPixelだ。この端末で、Googleはついにハードウェアも重要であることを認めた。

ナイトショットは、Ultraと低スペックのS22モデルの最大の違いを感じる部分の1つだ。つまり、これらの改善は、1〜2世代で徐々に浸透する可能性があることを意味する。スペースズームも100倍という驚異的な倍率だが、その分、忠実度は劇的に低下する。この機能が目新しさをはるかに超えたとは筆者には思えなかった。108MPセンサーで撮影した画素を合成して、より多くの光を取り込むノナバイニングのような機能の方が、日常的に使うにははるかに有意義だ。

赤ちゃんのころのブライアン。修復済みのもの。

また、先に追加されたPhoto Remaster(写真修復)やObject Eraser(オブジェクト抹消)など、Samsungはソフトウェア面でも改良を続けている。オートフレームは複数の被写体の撮影を改善し、改良されたポートレートモードは深度マップを活用し、ボケ効果を生かしたより精密なカットアウトができるようになった。ウサギの撮影では驚くほどうまくいく、と喜んでお伝えしよう。ディスプレイは、端末の長年の課題だった屋外での視認性を向上させ、特に前述の朝の写真撮影の際には、その威力を発揮した。5000mAhの大容量バッテリーは、26時間という長時間使用にも耐えた。

S22 Ultraはとても良い携帯電話だ。本当に疑問の余地はなかった。S22 Ultraは、Galaxyの両ラインのベストを組み合わせたとは言えないが、両ラインの論理的な中心点に位置している。SとNoteは、過去数世代にわたって、ゆっくりと互いに姿を変えてきた。しかし、より大きな疑問は、この製品が高級スマートフォンの運命について何を語っているのか、ということだ。

このカテゴリーはここ数年、その輝きを失いつつある。Samsungがフォールダブルの登場によって復活させたいと考えているのは、興奮だ。しかし、最も楽観的に予測するにしても、フォールダブルが話題を独占するのは、まだまだ先の話だ。

一方で、Samsungは、あらゆる付属品を真にプレミアムな価格帯のデバイスに詰め込むという、得意とすることを続けていくだろう。しかし、S-Penが決定的な要素でない限り、大多数のユーザーはGalaxy S22の低価格帯端末に満足するはずだ。

現在も抱えているが、多くの嵐を乗り越えてきた愛されるブランドにとって、Noteがこのように静かに後景に流れていくのを見るのは奇妙だ。しかし、Noteは間違いなく太陽の下で輝いたときがあり、たとえSamsungが次の作戦のためにNoteのブランドをなくしても、そのイノベーションはスマートフォン分野への広範な影響の中で生き続けるだろう。

画像クレジット: Brian Heater

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

パンデミック後の世界で折りたたみスマホは成功するか?アナリストはその継続的な成長を予測する

先週Samsung(サムスン)はNoteを永遠に葬ってしまった。それは象徴的な行為だった。なんと言ってもスマートフォンは、同社のGalaxy S系列の最先端であり続けるだろう。でもそれは、10年続いたブランドの終わりを表している。それはまた、フォルダブルへの自信を示す機会の1つでもあり、Noteからモバイルのフラグシップの王座を奪うことでもあった。

出だしでさまざまなつまずきを経験したにもかかわらず、Samsungは折りたたみ式スマートフォンという技術の先導者だ。同じぐらい長い企業は他にもいるが、先鞭をつけたのはこの韓国のハードウェア大手であり、同社はモバイルの未来と信ずるこのカテゴリーに他社よりずっと多い投資をしているらしい。

Samsungは少し前に、フォルダブルの市場はニッチより大きいと宣言した。私がSamsungの経営者だったら、やはりそう言っただろう。市場全体の一部として考えても、答はやはり「イエス」だ。まず、それは依然として、大企業とはいえ1つの企業の領域であり、しかもその企業の全台数の小さなパーセンテージにすぎない。

いろいろなアナリスト企業が過去数年間、このカテゴリーの成長を予測しているが、最近のCanalysの予想は、過去にあまり見たことも聞いたこともない、おもしろい視点を提供している。すなわちそれは「パンデミックはこのカテゴリーの成長に貢献するか」という問いだ。

確かにそれは、ちょっとわかりづらい視点だ。そもそも、パンデミックはこれまでも、スマートフォンに負の影響を与えているではないか。理由はいくつかある。まず、誰にとっても明らかなのは、人びとがあまり出かけなくなっているので、新しいスマートフォンなんかいらない。休業で職を失い、可処分所得が減り、しかも前からスマートフォンは更新サイクルが遅くなり価格が高くなっている。もっと最近では、半導体の不足とサプライチェーンの問題が業界を押さえつけている。

人びとが電子製品にお金を投じる機会といえば、家で仕事をするためのPCの購入ぐらいだ。でもこの曇り空が晴れ渡ったら、これらの反対を見ることになるのだろうか?

CanalysのRunar Bjørhovde(ルナー・ビョーロフデ)氏は、プレスリリースで次のように述べている。「フォルダブルの今後の成長の契機は、パンデミックの間に、多くの人びとが画面の大きいデバイスを使い始めていることだ。消費者は、自分が日常使うモバイルデバイスに、絶えずもっと良いユーザー体験を求め続けている。特に生産性とエンタープライズの方面では、欲求のバーがさらに高くなり、大きな画面を求めている。だからパンデミックの回復とともに、消費者のニーズと欲求を満たすフォルダブルスマートフォンのような製品を提供する新たな機会が、スマートフォンのベンダーに訪れる」。

これはおもしろい理屈だが、はたして人びとは、パンデミックの前に比べて大型画面のデバイスにもっとなじんでいるのだろうか?この疑問に対し、人びとは家を出なくなっているのに、スマートフォンを使う機会は増えている、と反論できるかもしれない。

1月に公表されたオーストラリアの研究者たちの報告によると「この悪質なウイルスの地域社会への伝染を防ぐために多くの国がロックダウンを課し、それにより私たちの日常生活が変わっている。ステイ・ホームやワーク・アト・ホームが、もっとも有効な感染予防措置として、個人のレベルとコミュニティのレベルの両方で、世界中で推奨されている。この自己隔離が人びとをますますスマートフォンに向かわせ、それにより互いの接続を維持しようとしている」という。

現時点では、フォルダブルの台数が増え続けていることに疑問の余地はない。Canalysは具体的な数字を挙げて、2021年には890万台のフォルダブルが出荷され、2024年には3000万台を超えると予想している。これまでの需要の停滞への反作用として、パンデミックがこれらの数字に寄与するのではないか。パンデミックでアップグレードが2年遅れ、サプライチェーンの問題もあり、新しいハンドセットを買う気になっている消費者が増えていて、しかも少々高い機種を買うのではないか。

Canalysのもう1人のアナリストによると、高級機の売上減少がメーカーを刺激してハイエンドのイノベーションを推し進めた、という。Toby Zhu(トビー・ズー)氏は次のように主張する。「Androidのベンダーは高級機の分野で大きなプレッシャーに圧されている。800ドル(約9万2000円)以上のスマートフォンが2019年には18%下落し、その間にiOSは68%伸びたからです。Googleと主なAndroidデバイスのベンダーは、製品の差別化と最先端のユーザー体験に重点投資して、ハイエンドの顧客へのアピールを続ける必要があります」。

そんな中でSamsungがある程度成功していることが、一気にフォルダブルのダムの水門を開いた。最も顕著な例であるOppoは、Find Nが初期から好評で「フォルダブルの正しい姿」という褒め言葉を、あちこちからもらった。それは、Motorolaなどによる初期のフォルダブルとは極端に違う設計だ。私の場合は、2021年のGalaxy Z Flipが、フォルダブルを本気で検討する気になった最初の機種だ。そのフォームファクタはGalaxy Foldより扱いやすく、お値段も安い。

Googleなどがもっと投資をして、フォームファクタの選択肢の幅を広げれば、関心を持つ人が増えるだろう。デバイスの生産量が増えれば、コストも下がる。ただし上記2024年の予測である3000万台は、Counterpoint Researchによると2021年に13億9000万台と言われる、スマートフォン全体の出荷量の中ではバケツの中の水一滴だ。

こんな話でいつも大きな疑問符になるのが、Apple(アップル)だ。何年も前から、折りたたみ式iPhoneの噂はあるし、発売は早くて2023年とも言われている。それらの噂によると、今は生産の問題を解決中であり、市販されるのかどうかも未定だそうだ。しかし初期のフォルダブルたちが辿った道を見れば、慎重になるのも当然だ。

画像クレジット:Brian Heater

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(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)

2月のイベントに向けてサムスンがGalaxy SとNoteの融合を予告

2021年夏、Samsung(サムスン)は10年ぶりに新型Noteデバイスを発売しないことを発表した。ハードウェアの巨人がフォールダブルに焦点を移すことを認めたため、愛されてきたこのファブレットの未来については、大きく、未解決の問題だった。

さらに、Samsungの主要なフラッグシップであるGalaxy Sシリーズは、Noteとの境界線を着実に曖昧にしてきている。「今回、新しいGalaxy Noteを発表する代わりに、我々はNoteデバイスで愛されてきた機能をさらに多くのSamsung Galaxyデバイスに広げていく」と、同社の社長は当時書いていた。

そのため、Sシリーズの画面サイズは年々着実に大きくなり、2021年1月にはS21 UltraでS-Pen機能が追加された。8月には、Galaxy Foldシリーズに独自のスタイラスを追加し、Noteは静かに廃止されるのではないかと考える人もいた。

CESを終え、MWCを目前に控えた今、私たちはUnpacked開催時期の範囲に突入していることに気づいた。毎年、Sシリーズの最新機種が発表される時期だ。Roh(ロー)氏は、2011年当時、その5.3インチディスプレイがいかに小さな混乱を巻き起こしたかを回想し、Noteの生涯を祝うやや曖昧な表現を用いた投稿をまたもや行っている。IFAでの発表の場にいなかった人たちのために触れておくと、当時、大画面のスマホは今よりもずっと大きく、厚いデバイスを意味していたのだ。

この投稿は、同社のフォルダブルのためにより多くのスペースを作るために、2つのフラッグシップが適切な統合を果たしたことを強く示唆している。

「SamsungのGalaxy端末が新しく進化するたびに、私たちはモバイルカテゴリー全体を再定義するような機能を導入してきました。そして、私たちは再び業界のルールを塗り替えようとしています。2022年2月のUnpackedで、私たちがこれまで作った中で最もnoteworthy(注目に値する[編集部が強調])Sシリーズのデバイスを紹介します。私たちのSamsung Galaxyの最高の体験を1つの究極のデバイスに集約した、次世代のGalaxy Sがここにあります」。と同幹部は書いている。

この中の「Noteworthy(注目に値する)」という言葉は、この文脈では多くのことを意味する可能性がある。一番わかりやすいのは、S22 UltraがS22 Noteになることだと思われる。それは、適切なスタイラススロットを意味するのだろうか?ライン全体にSペンが統合されると思っていいのだろうか?私は、この投稿が「注目に値するデバイス」という単数形を使っていることから、その可能性は低いと考えている。これらのデバイスを取り巻くリークの頻度を考えると、早期に回答されるかもしれないし、回答されないかもしれないが、まだイベントまでのリードでいくつかの大きな疑問が残っている。また、夜間や低照度での撮影の改善や、近年同社が重要視しているサステイナブルデザインの採用も予定されている。

Samsungは、新しいスマートフォンと無名のGalaxyタブレットの予約開始を控え、消費者の興奮とブランドロイヤルティがユーザーを乗せるのに十分であるということに再び賭けているのだ。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Brian Heater、翻訳:Akihito Mizukoshi)

Oppo、折り目が目立たない折りたたみスマートフォン「Find N」を発表

折り目は、どうやら避けられないようだ。それは、大きくて高価な折りたたみ式ディスプレイのちょうど真ん中あたりにある。そして、私が折りたたみ式スマートフォンについて投稿するほぼすべての記事で、必ず(そしておそらく当然ながら)最初にコメントするのがその話だ。代替案としても、MicrosoftのSurface Duoのように、2つの個別のディスプレイの間に隙間ができるのは、理想的とは言えない。

Oppoが新たに発表した折りたたみ式スマートフォン「Find N」の「N」は、正確には「No crease(折り目なし)」の略ではないが、これまですべてのレポートでは、初期の数世代の折りたたみ式スマートフォンを取り巻いていた最大の美的不満の1つである折り目の減少が指摘されている。Oppoによれば、標準的な折りたたみ式に比べて「最大80%目立たなく」なっているとのこと。シワの検出は、もちろん見る人の目にもよるが、何よりも画面の光の当たり方に左右される。

しかし、いずれにせよ、この折り目というやつは、画面の中央に切れ込むという点で、ノッチよりもはるかに始末が悪い一種の厄介者となっている。ここで注目すべきは、Oppoが舞台裏でどれだけの努力を重ねてきたかということだ。同社は明らかに、この製品の発表を急がなかった。報道によれば、これはハードウェアメーカーであるOppoが2018年から運営しているプロジェクトの一環として、6世代にわたる社内開発プロトタイプの後に続くものだという。

現在までのところ、折りたたみ式スマートフォンの全体的な状況は明らかに混とんとしており、その一部は自ら招いた失敗である。Samsungは最初の折りたたみ式で市場に出るのが早すぎたというのが大方の意見だが、その後の世代では消費者向けの製品としてより現実的なものになった。まだ普及したと言える製品はない(Samsungには申し訳ないが)ものの、同社が長い道のりを歩んできたことは疑う余地がない。「Galaxy Z Flip 3」は、私がテスト中に初めて「この携帯電話は使える」と真剣に思った製品である。

Huaweiの初代「Mate X」は、何度か使う機会があったときは期待できるものを感じたが、結局この製品も脇に追いやられ、最終的に同社は振り出しに戻ることにした。そうこうしている間に、このハードウェア・メーカーはそれとは別の大きな問題に悩まされることとなった。

一方、Motorolaの折りたたみ式スマートフォン「Razr」は、最初の試みこそ失敗に終わったものの、第2世代ではその失敗のいくつかを修正することができている。

この製品を見たところ、Oppoは待つことによって、そのような落とし穴をいくつか回避しているように思われる。実際のところ、この業界では、何かを最初に作ることが必ずしも有利とは限らない。その過程において、アーリーアダプターを相手に実質的なベータテストが広く行われるということになるのだ。私は残念ながら、先日開催されたOppoの大規模な発表会に参加できなかったが(これについてはRitaがすばらしい取材をしてくれた)、実機を試用した人たちは、同社がこの分野で成し遂げた数々のことを称賛している。

関連記事:OPPO初の自社開発チップは画像・映像処理に特化したNPU

少なくとも、Oppoが18:9のアスペクト比を採用し、他の折りたたみ式スマートフォンとは異なり、閉じたときには一般的な携帯電話のように見えるようにしたという点からも、同社が多くの適切な決定を行ったということは容易にわかる。閉じた状態ではかなり厚みがあるが、このヒンジはディスプレイを平らに保つために良い働きをしている。画面のサイズは7.1インチと、Fold 3の7.6インチには及ばないものの、このようなデバイスに惹かれる人々のほとんどにとって十分な大きさだと、私には思われる。

この折りたたみスクリーンを、Samsung Displayが開発したことも注目に値する(ただし、Oppoはその上に多くの独自作業を行ったと述べている)。つまり、Oppoがうまくいっても、Samsungは分け前を得ることができるのだ。上げ潮はすべての舟を持ち上げる。もっとも、これらすべての舟が、Samsung製のコンポーネントをその大部分に使用しているのではないかと思われるけれど。

この製品の障害は(そしてそれはかなり大きなものだ)、中国のみで販売されるということだ。Oppoにとって、世界最大のスマートフォン市場は、それだけで十分ということだろう。もちろん、OnePlusが事実上Oppoに吸収された今、おそらくそこに相乗効果が狙えるいくつかの好機があるはずだ。OnePlusが最近、独自の折りたたみ式コンセプトを手がけていることは、多くの人が知るところである。

画像クレジット:Oppo

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

OPPO初の自社開発チップは画像・映像処理に特化したNPU

中国の大手スマートフォン企業であるOppo(オッポ)は、現地時間12月14日に深圳で開催された年次イノベーションイベントで、初の自社製チップセットを発表した。マリアナ海溝にちなんで名付けられたというこの「MariSilicon X(マリシリコンX)」チップは、機械学習によって写真や動画の処理性能を高めることに特化したニューラルプロセッシングユニット(NPU)だ。

この動きによりOppoは、Apple(アップル)をはじめとする独自のチップを設計しているスマートフォンメーカーのリストに加わることになる。Qualcomm(クアルコム)での豊富な経験を持つJiang Bo(ジャン・ボウ)氏が率いるMariSiliconプロジェクトは、2019年に始まったばかりだった。

このシリコンは、Taiwan Semiconductor Manufacturing Co(TSMC、台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング)の6ナノメートルプロセス技術によって製造され、2022年の第1四半期に発売されるOppoの次期フラッグシップ機種に搭載される予定だ。現在進行中の世界的なチップ不足は、MariSilicon Xの生産には影響しないと、ジャン氏はこのイベントで報道陣に語った。

Oppoは今回のイベントで、自社開発のスマートグラスの第3世代も発表した。同社ではこれを、Augmented Reality(拡張現実)ではなく「assisted reality(補助現実)」デバイスと呼んでいる。

この表現は適切だ。この重さわずか30gのヘッドピースは「Google Glass(グーグル・グラス)」を彷彿とさせる。スマートウォッチで使用されている「Snapdragon 4100(スナップドラゴン4100)」チップを搭載しており、確かに一般的にはスマートウォッチで見られるような、ナビゲーションや翻訳などの2D情報を、厚さ1.3mmのメガネに投影することに限定されている。周囲の環境を認識するARデバイスのようなものではなく、スマートフォンの延長線上、あるいは目の前にスクリーンがあるスマートウォッチのようなものだ。発売は2022年春に予定されている。

Oppoの新しい「補助現実」メガネ(画像クレジット:Oppo)

そして3つ目の製品は、Oppo初の折りたたみ式スマートフォンだ。同社が巻き取り式スマートフォンのコンセプトを発表してから1年後に登場するこの折りたたみ式スマートフォンの詳細は、15日に発表される予定なので、また後ほど記事を更新してお伝えすることにしたい。

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これまでにわかっているのは、この新型携帯電話の開発を指揮した人物が、OnePlus(ワンプラス)の共同設立者であり、2021年OnePlusがOppoのサブブランドになった後、Oppoのチーフプロダクトオフィサーに就任したPete Lau(ピート・ラウ)氏であるということ。

OnePlusとOppoは、ともにBKK Electronics(BBKエレクトロニクス、歩歩高)の傘下にあり、合併前はサプライチェーンを共有しながらも、独立して事業を行っていた。今回の合併により、2つの携帯電話メーカーは、それぞれのブランドは別のまま、運営とOSを含めた研究開発の力を統合することになった。

OnePlusのもう1人の共同創業者であるCarl Pei(カール・ペイ)氏は、新たに設立したイヤフォンのベンチャー企業Nothing(ナッシング)で話題を集めており、投資家や初期フォロワーの大群を獲得している。

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画像クレジット:Oppo

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(文:Rita Liao、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

【レビュー】Surface Duo 2、前機種よりはるかに洗練されたがいまだ進化の途上

現状に挑戦することが簡単であれば、私たちはもっと多くを知ることができるだろう。それはスマートフォンの世界では、10年半以上にわたりデフォルトになっているフォームファクターの長方形から離れて考える勇気を意味する。スマートフォンの販売が停滞している中、企業は徐々にだが確実にその流れを試している。

近年、進化の行き詰まりがいくつか見られた。ZTEのAxon Mが思い浮かぶ。重大な欠陥があるとはいえ、あらゆる意図と目的において、2つのスマートフォンをつなぎ合わせるというのは勇気ある試みだった。Samsung(サムスン)の折りたたみスマートフォンも、早くから同じような運命にあったようだ。

数世代を経て、同社は状況を好転させてきたものの、プロダクトラインとプロダクトカテゴリ両方の長寿性とメインストリームへの意味合いについては、依然としてあまねく疑問が残されている。GALAXY Z Flip 3は、使ってみて楽しい時間を過ごしたと素直に言える。意図された通りに動作し、他の折りたたみ式デバイスのように扱いにくくはなく、正直なところ、筆者が勧める第一の折りたたみ式デバイスだ。

Samsungと同様、Microsoft(マイクロソフト)もこの分野で優位に立っている。同社はかなり前にメインストリームのモバイル大手になるという希望を捨てた。もちろん努力が足りないからではない。しかし、72億ドル(約8200億円)でNokia(ノキア)を買収したからといって、その夢を実現できるわけではない。代わりに同社はSurfaceシリーズのハードウェアに慰めを見出し、いくつかの真に魅力的なフォームファクターを生み出した中程度の成功を収めた。

画像クレジット:Brian Heater

初代のSurface Duoは、標準的なPC / タブレットのフォームファクターを超えた考え方を誇るプロダクトラインの方針から生まれたものだ。同社は2019年10月のイベントで、デュアルスクリーンのノートPC「Neo」と、より小型化されたデュアルスクリーンのAndroid搭載端末「Duo」を発表した。前者は生産着手には至らなかった。Microsoftは5月にWindows 10Xのリリース計画を断念することを認めたが、Neoにも同様の意向が伺える。

2020年秋に発売されたDuoは2021年最も待ち望まれていたデバイスの1つだった。ZTEと同じように、Microsoftは、2つの画面をヒンジで融合することで折りたたみ式ディスプレイの必要性を回避した。それでも、10年近くにわたってSurfaceのハードウェアを手がけてきた同社は、明らかにこれまでよりはるかにエレガントなソリューションを生み出した。しかしながら、これまでのAxon Mと同様、初代Duoも大いに失望を招く結果となった。

ハードウェアの観点からは失敗ではなかったものの(セールスは違うストーリーかもしれないが)、問題が多すぎて1400ドル(約15万9000円)という提示価格を正当化できるものではなかった。外部カメラがないこと、ソフトウェアにバグがあること、5Gを搭載しないことなどが、課題の多いこのデバイスの主な問題点だった。第一世代の製品は不完全になる。これがアーリーアダプターの窮状だ。

画像クレジット:Brian Heater

しかし、消費者にこれだけの金額を払って新しいデバイスを買ってもらうには、期待される品質のレベルがある。初代Duoが満たせなかったものだ。ただし、Microsoftがこれに耳を傾けたことは称賛に値する。もちろん、最初のプロダクトを購入した少数の人には役に立たないものの、同社は将来の顧客により良いサービスを提供することをコミットしている。そういう意味では、Surface Duo 2は単に初代デバイスをアップデートしただけではなく、前世代の最大の過ちを正そうとする取り組みでもあるのだろう。

最初のDuoがこの新しいモデルに近かったなら、Microsoftはかなりの心痛を軽減していただろうという、かなり説得力のある主張ができる。Snapdragon 888と5Gの追加、背面トリプルカメラの搭載、デュアルスクリーン間のギャップの縮小、ソフトウェアの継続的な改善は、正しい方向への重要なステップである。しかしDuo 2は、ユーザーが心から勧めるようなデバイスというのにはまだほど遠い。Microsoftが今後数世代にわたってこのデバイスに投資を続けていけば、問題が根本的なものなのか、それとも単に継続的な改善が必要なものなのかを判断することになろう。

画像クレジット:Brian Heater

ディスプレイ間の切り替えにまだバグがあるソフトウェアは、後者になる可能性が高い。Microsoftは自社のデュアルスクリーンソフトウェアの開発に加えて、Google(グーグル)がSamsungなどの企業と行ってきた作業の多くを活用し、折りたたみ式ディスプレイで動作するバージョンのAndroidを開発している。もちろん、折りたたみ可能、かつデュアルスクリーンというフォームファクターを開発することは、完全な1対1ではない。しかし、Microsoftの膨大なリソースを考慮するなら、その体験を完全なものすることは、同社がどれだけの時間と資金を投じるかにかかっていると言えそうだ。それはひいては、このデバイスに関心があるという認識の産物でもあるのだ。

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初代Duoは内部カメラでの撮影に依存していたが、Duo 2には背面カメラが3つ搭載されている。これは一見すると確かに良さそうであり、間違いなく改善されている。しかし、カメラアプリは必要最低限のもので、画質はかなり安価なシステムと比較しても常に標準を下回っていた。Duoは混合光と微光の両方で苦戦した。それは2021年に1500ドル(約17万円)のシステムに期待するものを超えるものだった。

画像クレジット:Brian Heater

MicrosoftはSamsung、Apple(アップル)、あるいはGoogleほどモバイル写真撮影に投資していない。そのことは確かにここに表れているが、将来の世代で改善できることでもある。しかし、最終的には、カメラがデバイスの根本的な問題の1つを引き起こすかもしれない。初代Duoが内蔵カメラに依存していた理由の1つに、フォームファクターの実用上の問題がある。つまり、デバイスを開き、一方にカメラ、もう一方にビューファインダーとして機能する第2のディスプレイという構成で、本体を反転させるという点だ。

同社は実際、カメラの突起部分をうまく処理しており、ディスプレイの背面はやや斜めに重なっている。しかし、実際にそれを使うのは厄介だ。撮影した写真を表示するためのセカンドスクリーンがあるのは便利だが、そのプロセス自体は扱いにくく、タブレットを使って被写体を撮影しようとする感覚に近い。

このように避けられないと思われる欠陥がいくつかあるものの、Duo 2はハードウェアとして優れており、5月に初代Duoに搭載されたMicrosoft Penサポートやデュアルスクリーンゲームなどの機能が追加されたことで、プロダクトはあるべき姿に近づいている。Glance Barのように、デバイスを閉じたときに画面の隙間に通知がちらりと表示される便利な機能もあり、Microsoftが自身の保有するフォームファクターで巧みに仕事を続けていることを示している。しかし、継続的な問題と1500ドルという提示価格を考えると、このプロダクトが真の意味でメインストリームになるという見込みは、ひいき目に見ても何世代も先の話になりそうだ。

画像クレジット:Brian Heater

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(文:Brian Heater、翻訳:Dragonfly)

グーグルが大画面デバイス用にUIなどを最適化したAndroid 12Lを発表

米国時間10月27日、GoogleはAndroid 12Lのプレビューを発表した。Androidのニューバージョンのように聞こえるかもしれないが、Googleはこれを「Android 12を大画面向けに機能を限定して最適化したもの」だという。


その目的は、タブレットや折りたたみスマートフォン、Chrome OSを搭載したノートパソコンなど、ディスプレイが600dpi以上のデバイスに、改良されたユーザーインターフェースを提供することだ。

実際に試してみたい開発者には、すでにAndroid 12Lのデベロッパープレビューが提供されており、Android 12LエミュレータとAndroid Studioのサポートもある。

Googleによるとスマートフォンでも12Lを使えるが、誰も混乱する必要はない。というのも、スマートフォンは対象外であるため、その新機能の多くを見ることができない。Pixelデバイスのベータ登録は、プレビューの後半にローンチする。

Googleが今回の発表で「feature drop」と「feature update」という表現を使っていることから呼んでいることから、AppleがiOSとiPadOSを分割したように、これらのデバイス向けにAndroidを完全に分割することはないと考えられる。今回のアップデートでは、マルチタスクツールの追加やユーザーインターフェースの最適化など、大画面端末向けの機能が追加されている。また、Android 12Lでは、デフォルトでアプリの表示が改善されている。

画像クレジット:Google

具体的には、通知やクイック設定、ロック画面、概要、ホーム画面などが、大画面上では洗練されたものになる。システムアプリも、Android 12Lでは最適化される。

おそらく最も興味深いのは、新しいマルチタスキング機能と、そのための、iPadOSにやや似たタスクバーだろう。Androidはすでに、タブレットで分割画面モードをサポートしているが、Googleによると、今度のはもっと発見がしやすい。アイコンをタスクバーから画面上にドラッグ&ドロップするだけで、それが起動する。このことはまた、Android上のすべてのアプリが分割画面モードをサポートできる、という意味だ(前はデベロッパーがオプトインする必要があった)。

画像クレジット:Google

Googleの予定では12Lは2022年の早くにリリースされ「Android 12タブレットと折りたたみスマートフォンの次のブームに間に合うようにする」という。つまり次のMWCは、Androidタブレットとフォルダブルで盛り上がる、ということだ。

Android 12Lだけでなく、Googleは本日、OSとPlayの、やはり大画面向けの新しい機能を発表した。それにはMaterial Designガイダンスの大画面向けアップデートも含まれるが、Jetpack Composeもアップデートされて、これらのマシン用のビルドが容易になり、アプリは画面の異なる方向(縦横)に簡単に適応できるようになった。Android Studioのエミュレータもサイズを変えられるようになり、デベロッパーはアプリをいろいろな画面サイズでテストできる。またレイアウトがおかしいときは、ビジュアルリントツールがUIの警告や提案を出す。

Google Playに関しては、アプリを大画面アプリのクオリティガイドラインに照らしてチェックし、検索結果のランク付けでも、このチェックの結果が反映される。「大画面向けに最適化されていないアプリに関しては、そのようなデバイスをユーザーが使っている場合、アプリのPlay Storeのリスティングページに警告と注記を表示します」とGoogleはいう。

画像クレジット:Google

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Surface Duo 2が日本で2022年前半発売予定、Snapdragon 888搭載・5G対応で全方位進化

Surface Duo 2が日本で2022年前半発売予定、Snapdragon 888搭載・5G対応で全方位進化

Microsoft

秋の新デバイス発表イベントで、マイクロソフトがデュアルスクリーン Android端末の新製品 Surface Duo 2 を公開しました。

Surface Duo 2は、手帳のように畳める二枚の画面でマルチタスクに強いAndroid端末の新モデル。

二つ折りやペン対応は初代から継承しつつ、Duo 2は最新世代の Snapdragon 888プロセッサ搭載、5G対応、背面に広角・望遠・超広角トリプルカメラ搭載など、スマートフォンでもあるAndroid端末として全面にパワーアップしました。

Surface Duo 2が日本で2022年前半発売予定、Snapdragon 888搭載・5G対応で全方位進化

Microsoft

Surface Duo 2の主な仕様は、

  • 5.8インチ1344 x 1892 PixelSense 有機ELディスプレイ x2枚。一枚と見なすときは8.3インチ2688 x 1892 PixelSense Fusion。最大輝度800ニト、DCI-P3 100%広色域、最大90Hzアダプティブリフレッシュレート、HDR、表面カバー素材は最新のゴリラガラス Victus。各種Surfaceペン対応
  • Qualcomm Snapdragon 888 5Gプロセッサ
  • 8GB LPDDR5メモリ、128GB / 256GB / 512GBストレージ
  • 5G対応。eSIM / Nano SIMのデュアルSIM
  • 背面トリプルカメラ。
    広角:12MP、f/1.7, 27mm相当、1.4μm画素、デュアルピクセル位相差検出AF、光学手ブレ補正
    望遠:12MP、f/2.4、51mm相当、1.0μm画素、位相差検出AF、光学手ブレ補正、2倍光学ズーム
    超広角:12MP、f/2.0、13mm相当、1.0μm画素
  • 前面カメラ:12MP、f/2.0、24mm相当、1.0μm画素
  • USB-C 3.2 Gen 2
  • 初代よりわずかに厚くなった5.5mm厚。二つ折り時は11mm
  • 重量284g
  • バッテリーは4449mAh。動画再生で最長15.5時間、通話28時間
  • 指紋センサー
Surface Duo 2が日本で2022年前半発売予定、Snapdragon 888搭載・5G対応で全方位進化

Microsoft

サムスンの折りたたみスマートフォン Galaxy Z Fold / Flip シリーズは、柔軟なディスプレイ自体が継ぎ目なしに真ん中から折れる点が特徴ですが、Surface Duo は二枚が蝶番でつながった「デュアルスクリーン」。

継ぎ目がある見なし大画面というよりも、二つのアプリを左右に表示して使うマルチタスクのプロダクティビティを重視した製品です。

資料を見つつメールやワードやエクセルを編集したり、ビデオ会議の参加者の顔と画面共有を両方大きく表示したり、対応アプリでは左右のドラッグ・アンド・ドロップといった使い方に加えて、Kindleのように見開き2ページ表示になるアプリ、左右にフォルダと中身など二画面に最適化したアプリもマイクロソフト純正を中心に用意します。

Surface Duo 2が日本で2022年前半発売予定、Snapdragon 888搭載・5G対応で全方位進化

Microsoft

仮に開いた見なし1画面として比較するなら、対角8.3インチは新しい第六世代 iPad mini と同じ。縦横比がやや違うため Surface Duo 2のほうが面積としては微妙に広く、画素数も多くなっています。(326 ppi と401ppi)。

重さはDuo 2が284g、iPad mini 6は293g / 297gと微妙な差はありますが、概ね開いたときは iPad mini 新モデルのサイズと考えて間違いありません。

Surface Duo 2が日本で2022年前半発売予定、Snapdragon 888搭載・5G対応で全方位進化

Microsoft

画面を畳んだときでも側面に見える「Glance Bar」。充電状態や音量、通知アイコンなどを確認できます。

Surface Duo 2が日本で2022年前半発売予定、Snapdragon 888搭載・5G対応で全方位進化

Microsoft

本体色は従来の Glacier に加え新たにオブシディアンを追加。カラフルなバンパーも用意します。

Surface Duo 2 の価格は1499.99ドルから。米国など一部の市場では本日より予約を受け付け、10月21日に発売します。日本では2022年前半発売予定。

(Source:Microsoft 製品ページEngadget日本版より転載)

FeliCa対応の折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Flip3」国内版、ドコモ・KDDIが10月上旬発売

FeliCa対応の折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Flip3」国内版、ドコモ・KDDIが10月上旬発売

サムスン電子ジャパンが「Galaxy Z Flip3」の国内モデルを発表しました。国内版はFeliCaに対応する点などが海外版と異なります。NTTドコモとKDDIが10月上旬に発売予定。価格はドコモ版が14万8896円、KDDI版はのちほど追記します(いずれも税込)

「Galaxy Z Flip3」は、ディスプレイを縦に折ってコンパクトにできるフォルダブルスマートフォンです。ガラケー(フィーチャーフォン)のように、パカパカと開閉して使えます。

前モデル(Galaxy Z Flip)からの進化点としては、画面サイズを維持しつつも本体をわずかに小型化。畳んだ状態のサイズは72.2 x 84.4 x 17.1〜15.9mm、開いた状態では72.2 x 166 x 6.9mmで、重量は183gです。さらにIPX8防水にも対応します。FeliCa対応の折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Flip3」国内版、ドコモ・KDDIが10月上旬発売

ディスプレイは6.7インチ フルHD+(2640 x 1080)で、新たに120Hz表示に対応します。

畳んだ際に使用するサブディスプレイも前モデル比で4倍に大型化。1.9インチ 260 x 512解像度の有機ELとなり、時刻や通知の表示だけでなく、ウィジェットなども表示できます。また、カメラのライブビューモニタとしても利用できます。FeliCa対応の折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Flip3」国内版、ドコモ・KDDIが10月上旬発売

プロセッサは5nmのオクタコアCPU「Snapdragon 888」を採用。RAMは8GB、ストレージ容量は128GBまたは256GBです。

背面カメラは広角レンズ(画角78°)と超広角レンズ(画角123°)の2眼構成。画素数はいずれも1200万画素で、F値とピクセルサイズはそれぞれF2.2・1.12μm、F1.8・1.4μmです。インカメラは1000万画素で、画角は80°となっています。

ファッション性を訴求

国内版の本体カラーは「ファントムブラック」と「クリーム」の2色展開。サムスンは本端末の魅力を「ファッショナブル・コンパクト」と表現しており、6.7インチ(アスペクト比 22:9)の大画面を、ポケットや小さなカバンに入れて難なく持ち歩ける点をアピールしています。FeliCa対応の折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Flip3」国内版、ドコモ・KDDIが10月上旬発売

ファッショナブルをうたう通り、さまざまなケースやカバー、アクセサリーもあわせて国内発売します。FeliCa対応の折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Flip3」国内版、ドコモ・KDDIが10月上旬発売

折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold3」国内版発表、FeliCa対応でドコモ・KDDIが10月上旬発売

折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold3」国内版発表、FeliCa対応でドコモ・KDDIが10月上旬発売

サムスン電子ジャパンがGalaxy Z Fold3の国内版を発表しました。

折りたたみスマートフォンのGalaxy Zシリーズとして初めてFeliCaを搭載した点などが特徴で、NTTドコモとKDDIが10月上旬以降に発売予定。予約は9月8日より受け付けます。価格はドコモ版が税込23万7600円、KDDI版は後ほど追記します。

Galaxy Z Fold3は、閉じて6.2インチ、開いて7.6インチの折りたたみスマートフォンです。

従来モデルからの進化点としては、スタイラスペンであるS-Penに対応。7.6インチの大画面をキャンバスにして、イラストや図、メモも手書きで残せます。

折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold3」国内版発表、FeliCa対応でドコモ・KDDIが10月上旬発売
加えて、インカメラも画面内埋め込み式となり、本機を開いた状態では、一見するとインカメラがどこにあるのかわかりません。これは、インカメラ部分の画素密度を低くし、光が通るための隙間を設けることで実現していて、近づくと画素密度の粗さから、インカメラの位置がはっきりとわかります。

折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold3」国内版発表、FeliCa対応でドコモ・KDDIが10月上旬発売
また、折りたたみスマートフォンとしてはじめてIPX8規格の防水性能にも対応。これは、1.5mの水深に30分間沈めても動作に支障のない耐水性能で、本体にうっかり水がかかっても安心です。

折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold3」国内版発表、FeliCa対応でドコモ・KDDIが10月上旬発売
カラーはドコモ版が「ファントムブラック」の1色、KDDI版が「クリーム」「ファントムブラック」の2色展開。いずれもS-Penは同梱しません。

製品の詳細はこちらの記事もご覧ください。

Galaxy Z Fold3 動画ハンズオン。フォルダブル主流化を予感する完成度

Sペン対応「Galaxy Z Fold3」を徹底解説。Noteを捨てFoldに注力する理由(石野純也)

Engadget日本版より転載)

【レビュー】より洗練されたサムスンのGalaxy Fold 3、メインストリームとは言えないが正しい方向には向かっている

Samsung(サムスン)はGalaxy Noteの終了を宣言する準備がまだできていなかった。そのうちにという感じだ。2021年8月のUnpackedイベントの後、私たちが再び同社に質問をすると、担当者は次のように語った。

Samsungは、消費者のニーズを満たすためにプロダクトラインアップを絶えず評価し、ユーザーのモバイルエクスペリエンスを高めるテクノロジーを導入しています。新しいGalaxy Noteデバイスは2021年に発売される予定はありません。Samsungは代わりに、Noteのエクスペリエンスを拡大し続け、Sペンを含む生産性と創造性に関する多数の人気機能を、Galaxy S21 Ultraをはじめ、タブレットやノートPCなどの他のカテゴリを含むGalaxyエコシステム全体に展開する計画です。発表の準備が整い次第、今後のポートフォリオについてさらなる詳細をお知らせします。

これは正確には、2021年に新しいNoteが登場しないという前回の発表の繰り返しであり、答えとは言えない。単にチップ不足の問題なのかという質問に対して、Samsungは同様に曖昧な回答を送ってきた。

半導体市場の現在の変動性は、テクノロジー業界全体およびそれ以外の分野で認識されています。Samsungでは、そのインパクトを軽減するために最善の努力をしており、今後も供給面での課題を克服するためにパートナーと精力的に協働して参ります。

画像クレジット:Brian Heater

Galaxy Fold 3をNoteの10年にわたるファブレット王座の継承者と宣言するのは時期尚早だ。しかし、確かなこととして、Galaxy Sシリーズに導入されている新機能と同社のハイエンドなフォルダブルによって、このデバイスはかなり冗長なものになっている。一方、最も可能性が高いと思われるのは、Samsungの様子見の姿勢だ。Galaxy Fold 3の好調な売れ行きは、Noteの冗長性に対する説得力のある論拠として他に勝るものはない。しかし、それは依然として大きな「もしも」であり続けている。

Samsungが初期のFoldをエキサイティングな実験として位置づけたのは賢明だった。新技術をいち早く市場に投入することは決して容易なことではなく、特にSamsungが取引するような規模においてはなおさらだ。初代Foldには、信頼性とアダプションの両方に関して、いくつかの大きな疑問があった。ここでは前者をあまり重視せず(私たちはこれについて多くの記事を書いている)、最初のラウンドで何度か白紙に戻ったとだけ言っておこう。

後者については、同社は2019年、初年度に100万台を販売したことを明らかにした。それは驚くべき、そして印象的な数字だった。もちろん、同社がSやNoteシリーズで示しているような数字とは比べものにならないが、実証されていない2000ドル(約22万円)のデバイスが発売されて数カ月で実現したことを考えると、少なくともアーリーアダプターがこの波に乗ったことを示す良い兆候であったことは確かだ。

画像クレジット:Brian Heater

Fold2では、前機種の最大の問題のいくつかをより直接的に解決し、より堅牢でバランスのとれたデバイスを実現した。Fold3は、急進的な進化を遂げたわけではないが、重要なアップデートと改良が行われている。トップレベルの新機能は次のようなものだ。

  • Sペン対応
  • IPX8規格の防水性能
  • 少し大きめの外付けディスプレイ
  • アンダーディスプレイカメラ
  • 強化された内部スクリーンプロテクター、フレームおよびフロントガラス

では正確には、これらすべてがどのような結果になるのだろうか。Samsungにとっての答えはシンプルで、「新しいフラッグシップ機」である。これはモバイルの世界で使われている言葉の1つで、定義は曖昧だ。Samsungはこれまで、SとNoteシリーズという2つのフラッグシップ機を持っていた。これがNoteにとっての技術的な過渡期なのか、Galaxyシリーズの第3のフラッグシップの宣言なのかは、上記の言葉にかかっている。しかしながらSamsungが、同社のハイエンドなフォルダブルがメインストリームになる瞬間であると自信を示していることは示唆的である。

この製品をメインストリーム化するための最初のステップは簡単だ。価格である。Fold3は、どう考えても手頃な価格のデバイスではない。1800ドル(約19万8000円)という価格は、フラッグシップモデル2機種を合わせた価格とほぼ同じである。しかし、前機種からの200ドル(約2万2000円)の値下げは、正しい方向への大きな一歩と言える。Samsungが自身のテクノロジーをさらに拡張できるようになれば、事態は悪化し続けるだろうと考える向きもある。「手頃な」フォルダブルを求めている人は、実際には1000ドル(約11万円)を下回る価格の新しいFlipに目を向けるだろう。これについては後のレビューで詳しく説明しようと思う。

関連記事:【レビュー】サムスンのダークホース、Galaxy Z Flip 3は過去最高の折りたたみ式スマホだ

新しいフォームファクターには必ず何らかの課題がある。Samsungのようなノウハウを持つ会社のものでさえも。オリジナルのFoldを携えて、壊れないように慎重に歩き回ったことを、筆者は直感的な記憶として覚えている。レビュープロセスでは、デバイスを自分のものと同じように扱うことが期待されるが、初期のFoldではその機会に恵まれず、2000ドルのスマートフォンをうっかり壊してしまうかもしれない、という緊張感に包まれることになった。

そして、そう、やってしまった。もちろん筆者が最初ではなかった。このデバイスを広く世に送り出す前にそれを強化すべき十分な問題があった。正しい動きだったことは確かである。Foldが壊れにくいとは誰も期待していなかったと思う。しかし繰り返しになるが、最初のユニットが満たさなかった、期待される標準的な使い方が存在するのだ。

主な修正点は2つあった。1つは、Samsung(およびその他)のスマートフォンに同梱されている取り外し可能な画面プロテクターに似すぎているように見えた保護フィルムを端まで広げたこと、もう1つは、一部のごみが入ることはあるが、プロダクトを開く過程でそれを一掃するブラシ機構をヒンジ機構の内部に追加したことだ。そうすれば、画面にダメージを与える前にそれを取り除くことができる。

第2世代は、より耐久性の高い折りたたみガラスにアップグレードされた。新しいバージョンでは、こうした保護機能がさらに強化されている。これは特に、箱を開けた瞬間に制限事項を列挙したリストを提示してこないFoldの初バージョンと言える。良い兆候である。原則として、ユーザーはおそらく同じような「標準的な使い方」に固執するはずだと私は思う。そして、おそらくそうしたケースの1つに投資する。結局のところ、1800ドルの端末なのだ。

画像クレジット:Brian Heater

耐久性の面で最も注目すべき点は、IPX8規格だ。これは、最大1.5メートルの耐水性を30分持続させる。同社のフォルダブルの製品ラインは、防水性と耐水性の点でやや遅れていたが、高級機種ではほぼ標準になっている。必要とされる複雑な機構を考えれば当然のことだ。ただし、等級の「X」は、ここでは防塵がないことを示唆すると言えよう。ヒンジが実際に粒子を入れるように設計されているという単純な理由によるものだ(前述の通り)。

デバイスの前面と背面は、Corningの最新作Gorilla Glass Victusで覆われている。Corningによると「当社のラボテストにおいて、Gorilla Glass Victusは、最大2メートルの硬い粗い表面への落下に耐えました。他社製の競合アルミノケイ酸塩ガラスは、通常、0.8メートルから落下すると破損します。さらに、Gorilla Glass Victusの耐スクラッチ性は、競合アルミノケイ酸塩よりも最大4倍優れています」。一方、本体とヒンジはSamsungが「Armorアルミニウム」と呼ぶ合金で作られており「現代のスマートフォンで使われている最も強力なアルミニウム」だという。

おそらく最も重要なのは、強化されたスクリーンプロテクターを搭載していることだろう。このプロテクターは側面まで広がっているため、はがそうとするのは難しく、またそうしたいという誘惑も少ない。追加された保護機能は、標準的な使用方法(タップしすぎると壊れてしまうようなスマートフォンは避けたい)とSペン機能の両方にとって必須だ。同社には現在、スタイラスとそれに含まれるすべての生産性機能を活用する3つのラインが存在する。

画像クレジット:Brian Heater

同社ではSペンProに加えてFold専用モデルも導入した。この50ドル(約5500円)のスタイラスは小型で、画面への圧力を軽減するために特別に設計された収納可能な先端を備えている。筆者は両方のスタイラスをいじってみたが、両者の劇的な違いには気づかなかったし、SamsungもProの使用について明確な警告を発していない。しかし慎重を期して筆者はFold Editionを選ぶことにした(古いバージョンのSペンを使用しようとする際は警告表示もある)。

同社はスタイラスの互換性について以下の声明をTechCrunchに送っている。

標準のSペンとは異なる周波数に設定されているため、互換性があるのは最新のS Pen Fold EditionとSペンProのみです。ただし、SペンProは、Samsung Galaxyタブレット、Chromebook、スマートフォンなど、他のSペン対応デバイスと互換性があります。上部にあるスイッチを使ってSペンProの周波数を切り替えることができます。

7.6インチのキャンバスは、Sペンの機能に適している。もちろん、他のフォルダブル同様、Foldの中央にはまだ折り目がある。Noteと比べると、慣れが必要だ。しかし、スタイラスペンを愛用している人にとっては、複数のアクティブウィンドウやアプリの分割表示のような生産性ツールが増えていることを考えれば、この機能はぴったりだ。Samsungはここでかなりの生産性ワークハウスを構築した。

もちろんNote(およびSシリーズ)と異なり、FoldにはSペン用のスロットが内蔵されていない。これは、構造的な整合性の問題があったために搭載されなかった可能性が高い。少なくとも、折りたたんだときにすでにかなり薄いデバイスに、余計な厚みが加えられてしまうだろう。Samsungは、スタイラスを持ち歩くことを真剣に考えていて、紛失を心配している人のために、Sペンケースを提供している。

メインディスプレイは2020年からあまり変わっていない。7.6インチ、120Hzのリフレッシュレート、2208×1768の解像度、HDR10+をサポート。6.2インチのフロントスクリーンはハイダイナミックレンジではないものの、60Hzから120Hzにアップされている。Fold2は2020年、エクステリアスクリーンのサイズをアップグレードしたが、これは大きな違いだ。開いた状態で処理しなくてもいいことはたくさんある。アスペクト比は依然として非常に細身で、ほとんどの場合に利用できるが、App Continuity機能は有効なアプリの画面間をシームレスに移動できる優れものだ。

画像クレジット:Brian Heater

スクリーンフロントに追加された最大のものは、実際には引き算のようなものだ。ピンホールカメラがメインスクリーンから消えている。それに代わって登場したのが、Samsungデバイス初のアンダーディスプレイカメラだ。この技術は、企業にとって長年の聖杯であった。この機能を提供したのはSamsungが最初ではない―OppoやZTEなどの企業がこの機能を少し前から提供している。Foldも同様の技術を採用しており、ホールパンチの上にピクセルの薄い層を貼り付けている。特にスクリーン上に白い画像が表示されている場合は、スポットは見える状態になるものの、一見したところではより空間的に切れ目のない印象になっている。

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この空間を追跡してみると、これらのカメラの画像性能はこれまでのところ理想的とは言えないことがわかる。そしてSamsungも同じ運命にある。上の写真は、フロント10メガピクセルとアンダーディスプレイの4メガピクセルのカメラでそれぞれ撮影された。画面下のカメラには曇りやぼやけがあり、2021年の高級スマートフォンに期待される水準には達していない。

Samsungとの以前の会話では、同社はこのことについて、つまりはFoldが同社のスマートフォンの中で初めてこの技術を採用した理由についてかなり率直だった。それは、自撮り用に前面カメラのオプションが追加されたことによるもので、率直に言って、標準以下のカメラに依存する必要はないのだ。確かに写真を撮るときには頼りにならないだろう。大型のフォームファクターではすでにぎこちないことは確かだ。緊急時のテレビ会議には使えると思うが、それでもフロントの方がいいだろう。基盤技術が向上するのに合わせて、Samsungが今後のアップデートで改善できるものとして、これを提起したい。

画像クレジット:Brian Heater

画像クレジット:Brian Heater

一方、メインのカメラシステムは前回のバージョンからほとんど変わっていない。

  • 12MP / F2.2超広角、ピクセルサイズ:12μm、視野角:123度
  • 12MP / F1.8広角、デュアルピクセル AF、光学手ぶれ補正対応、ピクセルサイズ:8μm、視野角:83度
  • 12MP/ F2.4望遠、PDAF、光学手ぶれ補正対応、ピクセルサイズ:0μm、視野角:45度

7.6インチと6.2インチのビューファインダーを切り替えられるという利点もあり、すばらしい写真が撮れる優れたカメラ構成になっている(正直なところ、フルスクリーンはほとんどのシーンで撮影にはやや使いにくいため、筆者は概ね小型のファインダーにこだわった)。

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バッテリーは4500mAhから4400mAhへとわずかに低下し、ディスプレイの背面にある2つのモジュールに分かれている。小さいものではあるが、間違った方向への一歩である。このような大型デバイスは、電力を食う傾向がある。使い方にもよるが、1日は乗り切れるだろう。多くの人が家に閉じこもっている限り、これは大きな問題にはならないだろうが、おそらくプラグを入れずに1日中座って動画に夢中になれるようなものではないだろう。

当然のことながら、Foldには最新のSnapdragon 888が搭載されている。Samsungから送られてきたモデルには12GBのRAMと256GBのストレージが備わっていた。このストレージを倍にすると、価格は1900ドル(約20万9000円)になる。

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SamsungがFoldを、問題を抱えたアーリーアダプターの技術から2世代の間にはるかに安定したものに変えるのを見るのは、実に印象的である。しかし同社は、フォルダブルというコンテキストの中でメインストリームのような言葉を振り回す準備はできているものの、そのような目標がまだ遠い先にあるという感覚を振り払うのは難しい。

価格は正しい方向に向かっているが、それでもこの製品は依然として、ほとんどの人にとって手に負えないほど高価だ。大型スクリーンの利点はすぐにわかるが、なぜそのような製品が必要なのかという質問には答えられない。多くの場合、このフォームファクターはまだ少し扱いにくい。

Galaxy Noteが突然冗長になるとすれば、FoldよりもGalaxy Sシリーズの方に多くの責任がある。また、もしSamsungが真に主流のフォルダブルエクスペリエンスを追求しているのであれば、Galaxy Z Flipをより長期的に検証していくことも考えられる。サイズ、価格、柔軟性、そして見た目の良さという点では、これに勝るものはない。

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(文:Brian Heater、翻訳:Dragonfly)

【レビュー】サムスンのダークホース、Galaxy Z Flip 3は過去最高の折りたたみ式スマホだ

土曜日に少々長めの散歩をした。パンデミックの間に、屋内で長時間過ごした後の気分転換に散歩するのが習慣となった。今までなら地下鉄に乗ってしまって見逃していた町の様子を歩きながらみる。この土曜日の散歩は、ぶらぶら歩きというよりは行き先が決まっていて、ハリケーンヘンリーが東海岸を直撃する前にと思い、新しくオープンしたTrader Joe’sに向かった。

散歩の途中に降ってきた雨を避けるため、ロングアイランドシティーでフードコートを見つけて入り、シャワルマを注文し、ポケットからGalaxy Z Flipを取り出す。電話を開き、新しいGalaxy Budsを耳に装着し、MLB.TV アプリで、野球観戦をした。こんなとき、Flipは本当に役に立つ。ランドスケープモードで135度に開くと、6.7インチのスクリーンを立てた状態で見ることができる。試合が終了したので(ネタバレだが、試合結果はよくなかった)、携帯を閉じてポケットに入れ、また歩き出す。

携帯電話が常に目新しいテクノロジーを備えているとは限らないが、幸運な場合には、自分の感性に応えてくれる電話に会えることもある。最初のFlipが登場した時には、随分前に廃れたクラムシェル型携帯電話について人々はたくさんのジョークを言い合った。もちろん、そうした風潮がすぐに消え去ることはなかったが、最初のFlipは、多くの人に、折りたたみ式携帯電話に注力するというSamsungの方向性は正しいという印象を抱かせた。

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最初のGalaxy Foldにまつわる初期の欠陥(他の記事でそれらをすでに取り上げた)はさておき、このデバイスも扱いやすくはない。折りたたみ式スクリーンが、折りたたみ式でなくては不可能な大きさのスクリーンを持ち歩くことを可能にしてくれるのは事実だが、しかし閉じた状態のデバイスはかさばり、それを開く機会は容易には訪れない。Flipは、スクリーンのサイズと携帯性の違いをうまく切り分けている。ディスプレイサイズの観点で言えば、Flipは事実上2つにおりたためポケットにすっぽりおさまるGalaxy Noteといったところだ。

Samsungの折りたたみ式で話題の中心となっているのはGalaxy Z Foldで、この話題の発信元はSamsung自身だ。同社は、Foldを最近の主力製品と位置づけるために多くのことをしてきた。これにはNoteのラインナップを増強する、または置き換えるなどといったことも含まれる。Fold 3にS Pen機能が追加されていることで境界線が曖昧になっているが、Samsungの既存の主力製品と、同社が思い描く今後の折りたたみ式製品との橋渡し役としてはFlipの方があきらかに適役である。

関連記事:値下げされ(相対的に)手を出しやすいサムスンの新フォルダブル「Galaxy Z Flip」は約11万円から

折りたたみ式製品を主力にすることは、なかなか難しい提案である。発売した途端に、Samsungは生産の問題とともに2000ドル(約22万円)という価格設定で否定的な報道に見舞われた。この価格は、基本的に丁重に扱わなければならない製品としては高額だ。毎日の生活に必要な製品を当たり前に使用していて誤って壊してしまわないかと心配するのはいただけない。Flipは初期の折りたたみ式製品の失敗から学び、より頑丈なデザインと耐水性を備えたものになった。

しかしながら、より重要なのは、おそらく価格設定だろう。Galaxy Z FlipはSamsungの折りたたみ式製品としては初の1000ドル(約11万円)を下回る製品である。ほんのわずかではあるが、確かに1000ドルを下回っており、これはSamsungやAppleのような高価な携帯電話と似たような価格かもしれないが、折りたたみ式製品としては本当に大きな勝利と言える。最初の数世代の折りたたみ式携帯は、程度の差こそされ、いずれも目新しさだけで生き残ってきた。

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市場に投入される折りたたみ式デバイスが増えるにつれ、目新しさよりも機能が重視されるようになってきている。しかし人気の高まりは、裾野の拡大をも意味するわけで、その結果、価格は下がっている。ここへきて初めて、 Samsungの折りたたみ式携帯を1台買おうとするなら、電話2台分の支払いをしなければならない、というわけではなくなった。これはGalaxy Foldの価格が前の世代の製品より200ドル(約2万2000円)下がったことよりも、ずっと大きな意味合いがある。

同社は次のように発表している。「Galaxy ZFold3とGalaxyZ Flip3の予約注文を発表してからわずか10日で、2021年全体でのSamsungの折りたたみ式携帯の全世界の売上をすでに上回り、またこれまでのSamsungの折りたたみ式携帯の予約注文の中で最大の売上を記録しました」。これには、低価格であること、デザインが堅牢になっていること、Noteの新機種が発表されていないこと、顧客に向けて予約注文を熱心に宣伝したことなど、さまざまな要因が関わっているとは思うが、少なくともこのシリーズが正しい方向に向かっているということはできるだろう。

予想通り、同社の数字は、FoldとFlipの売上を分けて示したものではない。確かに、 Foldには多くの機能が備わり、7.6インチスクリーンは長編映画を見るなら6.7インチスクリーンよりよいだろう。しかし、ほとんどの人にとってほとんどの場合に望ましい製品はGalaxy Flipだろう。筆者は、Samsung Galaxy Z Flipは折りたたみ式携帯市場において最も主流の製品だと断言できる。

折りたたみ式の重要性をさほど感じていないなら、当然のことながらこうした言葉もそれほど心に響かないだろう。しかし、モバイルの未来の鍵となるものに飛びつきたいと考えている人の大部分にとっては、Flipこそ、明確なチョイスだ。過去の遺物としてクラムシェルデザインをからかうのは簡単だが、そもそも電話がそのようになデザインになったのには理由があるのだ。クラムシェル型の電話が消え去っていった大きな理由の1つは、今までスマートフォンが折りたたみ式ではなかったせいだろう。

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Samsungのデザインは的を得たものだ。The Flip 3は今のところ、同社の最も見栄えのよい折りたたみ式製品で、デュアルカラーのシェルは印象的だ。Samsungが筆者に送ってきたクリーム色のものは特に好みというわけでもなかったがグリーン、ラベンダー、 またプレーンブラック、ホワイトでさえとてもすばらしい。これらのカラーは、外部ディスプレイが設置されている部分の黒とよくマッチしている。この部分は1.1インチから1.9インチに増えた。わずかな違いに聞こえるかもしれないが、このサイズのスクリーンではなかなかの増加と言えるだろう。

もちろん、Foldで得られるような完全な外部スクリーン機能はFlipにはない。Flipのディスプレイは通知をさっと見たいときの二次的スクリーンにはなる。それを取り出せば、時間、日付、バッテリーの残存量を見ることができ、右にスワイプすると、通知を見ることができるようになっている。

左にスワイプすると、アラームやタイマー、また天気、メディアの再生(事実上オーディオの再生 / 一時停止)、Samsung Health Metricsといったウィジェットをスクリーンに追加するオプションも表示される。このリストは今は短いが、多くの人がFlipを使用するようになれば、もっと長くなるだろう。下にスワイプすると、簡単な設定をすることができ、上にスワイプするとSamsung Pauseが表示される。

多くの人が電話の使用を控えようと努力している昨今、画面を2つに折りたためるのはありがたいことだ。これは、Foldの7.6インチスクリーンを分割して6.2インチにする形態よりもメリハリのある境界線になる。つまり電話が閉じている時は、通知を確認している時であり、電話が開いている時はなにかの作業をしている時だ。Flipなら電話を開く時もずっと簡単である。片手で開ける技はまだ身につけていないが、事実上本を開くようなかたちになっているFoldよりも、急いで開くにはずっと適している。スピードということでこの形状が最も問題になるのは、写真をさっと撮る方法がないことだ。

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写真を撮るには時間がかかり、電話をあけて内部のビューファインダーを見る必要がある。ただし、電源ボタンを二度押しすることで、小さなビューファインダーを兼ねている小さな正面スクリーンでセルフィーを撮ることはできる。左にスワイプすると静止画の切り替え、上下にスワイプすることでズームレベルを変えることができる。やや不格好で優雅さに欠けるが、12メガピクセルのカメラのペア(広角と超広角)を使用すると、ほとんどのピンホールカメラ(Flipの10メガピクセルレンズを含む)よりもはるかに優れたセルフィーを撮ることができる。

Foldと同じで、リアカメラ(見方によってはこれらも正面カメラといえる)はFlip 2以来、概ね変わっていない。2021年の今、デュアルカメラシステムは時代遅れと感じられるほどだが、Samsungが長年かけて培ったカメラソフトウェア技術と合わせ、ほとんどの目的に適った機能を持っている。22:9のアスペクト比であることから、画面の4分の1以上が制御のために割かれるのはやむを得ない。

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このアスペクト比はコメントに値する。この比率だと、開いた時、大変長い。GmailやTwitterをスクロールするような場合、たくさんの件数が表示される。しかしビデオを見る時には、スクリーンの周囲のピラーボックスやレターボックスが見えてしまうことが多いだろう。ビデオ界は22:9のアスペクト比に対応できていないし、おそらく今後も対応することはないだろう。

そして当然ながら、継ぎ目がある。それも素敵な2640×1080、425ppi画面の真ん中にである。折りたたみ式の技術に予期せぬブレークスルーが起きない限り、はっきり言ってこの継ぎ目がすぐにも消えることはないだろう。これは売上の妨げになる可能性もあるが、これらのデバイスをしばらく使うと、概ね慣れてしまう。

Foldと同様、FlipはSnapdragon888プロセッサで動作している。予想できることだが、コストが低いことと、RAMおよびストレージの容量が低いことは連動しており、Foldの12および256GBに対し、Flipでは8および128GBとなっている。余計に150ドル(約1万6500円)払うと、ストレージを256GBにアップグレードすることができる。Samsung はほとんど内部を切り詰めてはいないものの、3300 mAhバッテリーは十分とは言えない。

Foldでもバッテリー寿命は問題だが、Flipではより大きな問題であり、実際のところ、Flip最大の問題である。中程度から頻繁な使用では、1日が終わる前に再度充電する必要がある。パンデミックの現在、これは大きな問題ではないかもしれないが、世界が通常運転に戻るにつれ、検討すべき問題になるだろう。充電のできない長時間のフライトなどは問題外である。

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繰り返しになるが、筆者は残念ながらこれが売上の障害になると思う。1000ドルも支払うなら、一日バッテリーの心配をせずに使用できる電話が欲しいのは当然だ。これについては、Samsungが第4世代で焦点を当てるべき課題であることは明確だ。

現状では、Galaxy Z Flip 3には強力なアルミニウムフレーム、改良されたスクリーンプロテクター、IPX8防水(Foldレビューで概説されている理由により、防塵等級なし)など、前世代から引き継がれた強みが備わっている。この携帯電話は完璧とは言えないかもしれないが、1000ドル未満であり、Samsungの折りたたみ式携帯電話が3世代でどれだけ進化したかを示す強力な製品となっている。

SamsungがFoldを折りたたみ式携帯の主力としているために、Flipは2番手的な位置付けになっている。しかし、折りたたみ式携帯の世界に入っていこうと考えているほとんどの人にとっては、Flipがより気楽に手に取ることのできるチョイスだろう。

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(文:Brian Heater、翻訳:Dragonfly)

サムスンが2021年「Unpacked」イベントで発表した新製品まとめ

最近の記憶の中では大げさな前宣伝が控えめなガジェットの発表会の1つではあったが、Samsung(サムスン)は先週米国時間8月11日の朝早くから、恒例の「Unpacked(アンパックド)」イベントで、一連の新製品を公開した。

忙しくて見られなかった人、まだ寝ていた人のために、知っておくべきことを簡潔にまとめて一挙にご紹介しよう。

Galaxy Watch 4(ギャラクシー・ウォッチ4)

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サムスンがまた新たなスマートウォッチを発表した。ただし、今回はこれまでの製品とは少々異なる。近年は独自OS「Tizen(タイゼン)」に力を入れていたサムスンだが、この最新ウォッチではGoogle(グーグル)のOSに戻っている、というか、少なくともGoogleの「Wear OS(ウェアオーエス)」を採用している。そのソフトウェアは「Wear OS Powered by Samsung」と呼ばれ、Wear OSを核としながら、Tizenの良いところを取り入れたものになっているのだ。

サムスンは今回、健康指標の面に力を入れており、Galaxy Watch 4の発表では、血圧、血中酸素、身体組成などを継続的にモニターできる機能に焦点が当てられた。

2021年のサムスンの時計は「Galaxy Watch 4」と「Galaxy Watch 4 Classic」という2種類が用意されている。標準モデルのGalaxy Watch 4は、やや薄くて軽量で、ベゼルにタッチセンサーが搭載されており、インターフェースを操作できるようになっている。Galaxy Watch 4 Classicはやや大きくて重く、物理的に回転するベゼルを備えている。Galaxy Watch 4は40mmと44mmという2種類のサイズから選べ、米国での販売価格は249.99ドル(約2万7600円)から。Galaxy Watch 4 Classicは42mmと46mmが用意されており、価格は349.99ドル(約3万8600円)からとなっている。

関連記事:サムスンは「Galaxy Watch 4」でWear OSに回帰、ヘルスケアにもフォーカス

Galaxy Z Fold 3(ギャラクシーZフォールド3)

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初期の折りたたみ式スマートフォンは、価格も高く、問題も多かったため、世界を席巻するまでには至っていない。それどころか、おそらくほとんどの人は、まだ折りたたみ式スマートフォンというものを実際に見たことがないだろう。しかし、サムスンはまだこの分野で終わっていない!

今回、同社が発表した「Galaxy Z Fold 3」は、ホットドッグスタイルの折りたたみ式携帯電話に対するサムスンの3度目のアプローチだ。価格は先代「Galaxy Z Fold2」の1999ドル(約22万円)から1799ドル(約20万円)へと少し下がっている一方で、全体的な製造品質は向上している。Galaxy Z Fold 3は、より強固なアルミニウムフレームと、耐久性が改善された折りたたみ式ディスプレイ、そしてIPX8等級の防水性能(折りたたみ式携帯電話では世界初!)を備えている(1つ注意:この「X」とは、もし誤って浴槽に沈めてしまっても大丈夫という意味だが、粉塵やゴミが内部に侵入しないように気をつける必要はある)。

Galaxy Z Fold 3は、サムスン初のアンダーディスプレイカメラを搭載したデバイスとなる。これは凄い仕掛けだが、一般的に写真の画質は犠牲になることが多い。背面には超広角、広角、望遠の3つのレンズが(隠されずに)搭載されており、それぞれ1200万画素となっている。さらにサムスンのスタイラス「Sペン」にも遂に対応した。

米国では8月26日に出荷が始まる予定。

関連記事:サムスンの最新フォルダブル「Galaxy Z Fold3」はスタイラス対応、防水仕様、アンダーディスプレイカメラ追加

Galaxy Z Flip 3(ギャラクシーZフリップ3)

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今回発表された折りたたみ式スマートフォンで、注目を集めているのはフラッグシップモデルのFold 3だが、サムスンの相対的にエントリーレベルに位置づけられる折りたたみ式(クラムシェル!)スマートフォンも、Galaxy Z Flip 3へとアップデートされた。

Flip 3は、前述のFold 3と同じように、強固なアルミニウムフレームの採用、耐久性が増したディスプレイ、IPX8防水など、耐久性の面で多くの改良が施されている。内側には10MPのセルフィーカメラ、外側には2つの12MPカメラ(超広角と広角)を搭載。価格は999ドル(約11万円)と、先代よりも400ドル(約4万4000円)近く安くなっている。サムスンが折りたたみ式スマートフォンを初めて1000ドル以下の価格帯に引きずり込んだのだ。カバースクリーン(デバイスを折り畳んだときに表示されるスクリーン)は、前世代の1.1型に対して1.9型と大きくなっている。

今回発表された他の製品と同様、Galaxy Z Flip 3は米国では8月26日に発売される。

関連記事:値下げされ(相対的に)手を出しやすいサムスンの新フォルダブル「Galaxy Z Flip」は約11万円から

Galaxy Buds 2(ギャラクシーバッズ2)

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サムスンは今回、エントリーレベルのワイヤレスイヤホンの新世代モデルも発表した。必要な情報はすべて次の1文に含まれる。より小さく軽くなり、アクティブノイズキャンセリング機能を搭載し、8月26日に149ドル(約1万6500円)で発売される。

もっと詳しく知りたい? それならこちらの記事に書かれている

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プラスティック削減!

これは最後に少しだけ紹介されたことだが、注目に値するものだ。サムスンは、2025年までに携帯電話のパッケージから使い捨てのプラスチックをすべて排除することを約束し、同年までに携帯電話製品全般におけるリサイクル素材の使用を大幅に増やすことを計画しているという。サムスンは、地球上の他のどの企業よりも、四半期あたりの携帯電話出荷台数が多いことを考えると、これは非常に大きな意味がある。他の企業が追随することを願いたい。

カテゴリー:ハードウェア
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(文:Greg Kumparak、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

値下げされ(相対的に)手を出しやすいサムスンの新フォルダブル「Galaxy Z Flip」は約11万円から

Galaxy Z Flipは、おそらく永遠にFoldの後塵を拝することになるだろう。S Penをはじめとする数々の新機能を搭載し「フラッグシップ」の仲間入りを果たしたが、Galaxy Z Flipのその運命はおそらく避けられない。

しかし、フォルダブル端末の世界を真剣に検討している人にとっては、クラムシェル型デバイスについて何かいうべきことがある。それは、本モデルはGalaxy Zシリーズの中では、これまでずっとコンパクトなものであり、(あえていうなら)手に取りやすい存在だった。もちろん、1380ドル(約15万2000円)という価格は「手の出しやすさ」という意味では相反するものだが。しかし、今回のUnpackedイベントで、Samsung(サムスン)はGalaxy Z Flip 3がFoldよりも大幅に値下げされると発表している。

999.99ドル(約11万円)という価格は「相対的に」というものだ。しかし、少なくとも400ドル(約4万4000円)近い値下げによって、Flipはフラッグシップモデルのメインストリームとなる価格帯に入ることになる(Fold 3は、先代モデルよりも安いとはいえ、1799ドル[約19万9000円]だ)。さらに、第3世代のデバイスで得られた知見を踏まえれば、これまでのSamsungの(そしておそらく業界の)最も主流となるフォルダブル端末であることは間違いない。つまり、初代の折りたたみ式Razrに勝るものはない、ということだ。

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もちろん、私たちは、この問題についてより明確なことが言えるようになるまで、レビューユニットを待つつもりだ。しかし、SamsungがFoldでリードし続けている間に、他の選択肢をただ眠らせておくわけにはいかない。両機種ともに、新機能において(当然ながら)耐久性を優先している。そのためPET樹脂製のより強力な保護フィルムや、従来モデルでは弱点を強化するために、ディスプレイパネルが再構成されている。

また、Samsungが独自に開発した新素材「Armor Aluminum」をボディに採用した他、Gorilla Glass Victusを外装に使用し、IPX8相当の防水性能を実現している。これは、新しいフォルダブル端末が、従来製品よりもはるかに水に耐えられることを意味する。格付の「X」は、ヒンジの性質上、埃に対する評価ではないことを意味しているが、Samsungは、前モデルで導入したSweeper Technologyにより、押し込む過程でスクリーンの裏側に入って破損させる可能性のある粒子状の物質をすばやく処理できると考えている。

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また、デザインも一新されている。閉じた状態では、Foldに比べてかなり見栄えの良いものになっており、ポケットに入れて持ち歩きやすくなっているようだ。カラーはクリーム、グリーン、ラベンダー、ブラックの4色で、さまざまなカバーも用意されている。オンラインで購入する場合は、グレー、ピンク、ホワイトの3色から選ぶことができる(日本では5Gモデルがミスティックブロンズ、LTEモデルがミラーパープル、ミラーブラック)。内部のディスプレイは前モデルと同じ6.7インチ(2640×1080)だが、カバーディスプレイは約1.95インチになっている。

カメラは、Flip 2とほぼ同様だ。

  1. 前面:10MPセルフィー。F2.4。ピクセルサイズ:1.22μm。視野角:80度
  2. 背面:12MP超広角。F2.2。ピクセルサイズ:1.12μm。視野角:約123度
  3. 背面2:12MP広角。デュアルピクセルAF、OIS。F1.8。ピクセルサイズ:1.4μm。視野角:約78度

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バッテリーは、当然のことながら、Foldと比べてかなり小さい約3300mAhで、2つのモジュールに分割されている(折りたたみ式だから)。急速充電とワイヤレス充電に対応している他、Samsungの「ワイヤレスPowerShare」により、他のデバイスにも充電できる。このFlipには、Foldと同様にSnapdragon 888が採用されており、8GBのRAMと128または256GBのストレージを搭載する(日本では256GB ROMのみ)。

発表された他のデバイスと同様に、米国においてGalaxy Z Flipは現在予約受付中で、8月26日に出荷を開始する。予約注文をすると、150ドルのSamsung Credit(約1万6600円)がもらえる。

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サムスンの最新フォルダブル「Galaxy Z Fold3」はスタイラス対応、防水仕様、アンダーディスプレイカメラ追加

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タグ:SamsungSamsung Galaxyフォルダブルスマートフォン

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(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)

サムスンの最新フォルダブル「Galaxy Z Fold3」はスタイラス対応、防水仕様、アンダーディスプレイカメラ追加

見よ、これがSamsung(サムスン)の最新フラッグシップモデルだ。Galaxy Noteの発売が少なくとも2021年にはないことで、Samsungは米国時間8月11日の「Unpacked」イベントで、折りたたみ式の製品群に新たな正統性をもたらした。2019年に発表された初代「Galaxy Fold」は、大手ハードウェアメーカーによる初のフォルダブル端末として、ある種の実験的な意味合いを持っていた(そしてそれにともなうさまざまな問題もあった)。2020年に発売された「Galaxy Z Fold2」では、前作の問題点がいくつか修正されていた。

今回のイベントでは、同社は「Galaxy Z Fold3」を単なる実験や好奇心の域を超えたものとしてアピールしている。数世代にわたって、この課題をクリアするのに同社が苦戦することはほぼ間違いない。最新のFlipが前モデルから大幅に値下げされた価格でスタートしたのに対し、新しいFoldはエントリー価格を200ドル(約2万2000円)下げ、1800ドル(約19万9000円)とした。価格の引き下げは正しい方向への一歩であり、技術の進歩に伴いますます実現可能になるはずだ。しかしプレミアムフラッグシップの世界でも、これは受け入れ難い価格といえるだろう。

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しかし、改良されたFoldは、日常的に使用できる折りたたみスクリーンを実現するために、素材をさらに改良している。これこそが、初代モデルのアキレス腱となった部分だった。同社は確かに制御された部屋で多くのテストを行ったが、製品が世に出ると(そしてSamsung従業員以外の手に渡ると)、耐久性の問題が現れ始め、意図しない場面で、さまざまな独創的な方法でディスプレイが破損したのである。

Galaxy Z Foldは「アーマーアルミニウム」製の頑丈なフレーム、フォルダブルディスプレイ用の新しい保護フィルム、前面スクリーンには強化カバーガラスGorilla Glass Victus、同社のフォルダブルモデルとしては初となるIPX8防水性能を備えている。防水性能は業界標準となってきているが、そこに折りたたみ式の構造が加わると、当然ながら事態は一気に複雑になる。

ちなみに、等級の真ん中に「X」が付いているのはそのためだ。誤って水につけてしまった場合、デバイスは効果的に保護されるが、ほこりやごみからは保護されない。これは、初期モデルから採用されていたヒンジ機構により、多少の粒子状物質は通すが、デバイスを開く際に内蔵されたブラシが動き、ゴミを掃き出すためだ。これにより、微粒子がスクリーンの裏側に入り込み、反対側を指で押したときに携帯電話が損傷するのを実質的に防げるようになっている。

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もちろん、より強力な保護フィルムが重要な役割を果たす。ユーザーが思いっきり指で押したり、あるいはスタイラスを使ったりした際に、この携帯電話の最大のセールスポイントを(できれば)傷つけないように立ちはだかる部分だからだ。結局のところFoldは、SamsungのSシリーズに倣い、(このラウンドを都合よく見送った)Noteとの境界線を曖昧にしている。

実際、Samsungはわざわざ、フォルダブルディスプレイを傷つけないように特別に設計された「S Pen Fold Edition」を作った。無論これはオプションで、S21と同様にスタイラスを入れるスロットが端末にある。比較的壊れやすい製品であることを考えると当然のことだろう。もちろん、S Penのホルスターを内蔵したケースも用意している。

Fold EditionのS Penはより小型で、先端がスプリング式で引っ込むようになっているので、強く書いたり / 描いたりしてもスクリーンを傷つけることはない。確かにFoldは、Note Ultraの6.9インチにも劣らない7.6インチのキャンバスを持っているので、スタイラス機能の明確な候補だ。もちろん、この組み合わせの実現性は、これまでスクリーンの構造上の問題によって大きく妨げられてきた。この問題をどのように解決したのか、注目されるところだ。

7.6インチ(2208×1768ドット、374ppi)のメインディスプレイは、ほとんど変わらない。カバースクリーン(背面ディスプレイ)もほぼ同じ6.2インチだが、メインスクリーンと同様に120Hzのリフレッシュレートが採用されている。

画像クレジット:Brian Heater

注目すべきは、Galaxy Z Fold3が、Samsungのデバイスとしては初めてアンダーディスプレイカメラを追加したことだ。この技術は、フォルダブルディスプレイとともに、ここ数年のスマートフォンカテゴリーにおける最大の聖杯の1つとなっている。この技術を導入したのはSamsungが最初ではない。Xiaomi(シャオミ)やOppo(オッポ)などの中国メーカーも、この技術を搭載した端末を発売しているか、発売を予定している。

SamsungがFoldでこの技術を試すことを選んだのは、非常に興味深い。同社はディスプレイを一続きにするという目的以外に、もう1つの主流テクノロジーを試す機会を得たのだ。第1世代のアンダースクリーンカメラは、画質が悪いことが難点だった。Samsungはそれを承知の上で、すでにフロントディスプレイの上に自撮りカメラを搭載している端末に、このカメラを搭載することを選択した。

新技術について、同社は次のように説明している。「Z Fold3は、カメラホールの上部に最小限のピクセルを適用することで表示領域の拡大を実現し、ユーザーはお気に入りのアプリを表示するための切れ目のないキャンバスを得ることができます」。ここでの考え方は、ビデオ会議などの場合を除いて、内面のカメラはそれほど使用されないということだ(もちろん、私たちはこの1年でそれをより多く行うようになったが)。現在の構成では、どちらも少し妥協している。画質は低下し、カメラホールは半透明で少し見えるままだ。つまり、あなたが何を求めているかによって、最高または最低になり得る。

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アンダーディスプレイカメラは4メガピクセルで、フロント / カバーカメラの10メガピクセルとは対照的だ。背面カメラは、下記のように前モデルとほぼ同じになっている。

  • 12MP / F2.2超広角、ピクセルサイズ:1.12μm、FOV:123度
  • 12MP / F1.8広角、デュアルピクセル AF、光学手ぶれ補正対応、ピクセルサイズ:1.8μm、FOV:83度
  • 12MP/ F2.4望遠、PDAF、光学手ぶれ補正対応、ピクセルサイズ:1.0μm、FOV:45度

バッテリーは、4500mAhから4400mAhへと少し減っている(フォルダブルのため、2つのモジュールに分散している)。また、Foldは、急速充電 / 高速ワイヤレス、Wireless Powershareに対応しており、この4400mAhのバッテリーを他のガジェットの電源として利用することができる。Samsungは通常、発売前に携帯電話のバッテリー推定値を提示しないため、それについては実機レビューで後日お知らせする。SoCはSnapdragon 888(市場によって異なる)を搭載し、12GBのRAMと256または512GBのストレージを備えている。

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本日8月11日に発表された他のデバイスと同様に、Galaxy Z Fold3は現在予約を受け付けており、米国、欧州、韓国など一部の市場では8月27日に出荷を開始する。1800ドル(約19万9000円)という価格は引き続き、主流になるための障害となっているが、同社はすでに多くのアーリーアダプターにこのデバイスを販売している。予約注文者には200ドル(約2万2000円)のSamsung Creditが付与される。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:SamsungSamsung Galaxyフォルダブルスマートフォン

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(文:Brian Heater、翻訳:Dragonfly)

サムスンの次回Unpackedでは新Galaxy Noteの発表なし、Sペンは折りたたみスマホに搭載

Samsung(サムスン電子)は先に、8月11日に行われるイベント「Unpacked 2021」の招待状を送った。イベントが同社基準から考えても盛りだくさんの内容になることは明らかだが、皮肉なことに「何が含まれていないのか」という点でも注目されるかもしれない。つまり、Samsungは毎年恒例のGalaxy Noteのアップデートがないという噂がある。

同社社長でモバイル・コミュニケーション・ビジネスの責任者であるTM Roh(TM・ロー)氏はブログ記事で「今回は、新しいGalaxy Noteをお披露目する代わりに、Noteの人気機能をもっと多くのSamsung Galaxyデバイスに広げたい」と述べている。どうもよくわからないが、同社の未来の人気機種といえば、ときどき問題もあったファブレットのことだろうか?今回はNoteの出番がないって?2021年だけ?それとも永久に?

SamsungはTechCrunchに対して、「2021年には新しいGalaxy Noteデバイスのローンチをしません。代わり計画ではNote体験を拡張し、人気の生産性機能やクリエティビティ機能、たとえばSペンなどをGalaxyのエコシステムの全体に拡張します。発表の用意ができたら、改めて詳細を共有します」と説明している。

初期の噂では、Noteの不在を、2020年から21年にかけて続いているサプライチェーンの問題のせいにしていた。しかしもっと考えると、同社はGalaxy Note10周年という節目に同機種を廃止する気かもしれない。ファブレットの先頭を走っていた機種が、その役目を終えたということだろうか?Samsungの他のフラグシップモデルの存在がどんどん大きくなり、「最大」という目玉機能の数々を奪われてしまったからか?

はっきりしているのは、11回目となるイベントで発表されるデバイスの一部がGalaxy S21の轍を踏んで、SペンのようなNote的機能を導入することだ。少なくともGalaxy Z Foldではそうなり、折りたたみタイプが、それとNoteとの境界をあいまいなものにしてしまう最新のGalaxyデバイスにもなるという、初期の噂が確認されることになりそうだ。おそらく、その製品ではディスプレイの強化も行われるのだろう。最近のリークによると、キャリーケースにペンホルスターがあるという。つまり、Foldのすでに複雑なデザインへのペン用スロット追加を断念したということだ。

「私たちの次世代機であるGalaxy Zファミリーと、斬新な折りたたみタイプのデビューの場に、みなさんが参加していただけることに期待しています。初めて折りたたみ機専用に設計したSペンも披露いたします」とロー氏はいう。そしてロー氏は、新機種のGalaxy Z Flipでは、スタイルがより洗練され、耐久性を増し、強度の大きい素材が使われていると約束した。そしてもちろん新たにZ Foldもやってくる。

このニュースの締めは、One UI Watchへの言及だ。ということは、今度のUnpackedでは、最新Galaxy Watchのカメオ出演もあるのだろう。

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タグ:SamsungUnpackedスマートフォン折りたたみスマートフォンGalaxy

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(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)

サムスンが8月11日に新型折りたたみスマホを発表、「Unpacked」では新Galaxy Watchも登場!?

Samsung(サムスン)は、次回イベント「Unpacked」の招待状を送った。その中にヒントを忍ばせるのが好きな企業もあるが、Samsungもその1社だ。招待状の冒頭には「Get ready to unfold」と大きな太字で書かれており「Galaxy Z Fold」と「Flip」の形状を模したといっても過言ではない2つの平らなモノが描かれている。

この1年半の世界の状況に合わせて、このイベントは米国時間8月11日にバーチャルで開催される。興味深いことに、同社は「次のフラッグシップ」の予約を開始している。早期予約の特典としては「Samsung Care+が12カ月間無料で利用できる他、最大200ドル(約2万2000円)の下取りクレジットが追加され、予約特典も用意されています」という。

しかしながら、正直なところ実際に製品を見て、さらにレビューを読んでから予約したほうがいいだろう。

イベントに向けて、解き明かしておくべきことがたくさんある。次のビッグイベントでは、Galaxy Watchに焦点を当てるのではないかと予想したのは、おそらく私だけではないだろう。MWCで行われたビッグイベントは、(MWC自体とは違い)ちょっとした不発に終わり、ハードウェアの代わりに、Googleとの提携による次期ウェアラブル製品に関する発表が行われた。

その際、同社は「次期One UI Watchは、2021年夏の終わりに予定されているUnpackedイベントでデビューし、新しいUIと、来るべきSamsung / Google共同プラットフォームを搭載する予定です」と述べている。

次のイベントは、たとえトップバッターでなくても新しい時計のイベントになる可能性が高いと思われる。1つには、夏が終わってしまうということ。また、新しいGalaxy Watchが8月下旬(27日)に発売されるという噂もある。

今夏のUnpackedは2020年のようにバーチャルインベントで次々とデバイスを発表するのではなく、夏のイベントとしてはかなり大規模なものになると思われる。噂ではGalaxy Watch 4、Galaxy Z Fold 3、Galaxy Z Flip 3、Galaxy S21 FE(Fan Edition、基本的には同社の低価格フラッグシップモデルの最新版)、さらにはAirPods Pro対抗のGalaxy Buds Proなどが登場する可能性があるという。

ここに欠けているものは何だろうか?「Note」と答えた人にはポイントはない。サムスンの人気ファブレットは、チップ不足が続いているため、2021年は発売されないといわれている。これは、サムスンの6カ月サイクルに大きな打撃を与えることになるが、その結果はすぐにわかるだろう。

8月11日のイベントは、米国東部時間午前10時(日本時間8月12日午後11時)に開始される。

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タグ:SamsungGalaxyスマートフォンフォルダブルフォンUnpackedGalaxy Watchスマートウォッチバーチャルイベント

画像クレジット:Samsung

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(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)

Surface Duoの2つのスクリーンがゲーム画面+バーチャルコントローラーとして使用可能に

2020年12月にMicrosoft(マイクロソフト)が掲載した「Surface Duo(サーフェイス・デュオ)の今後1年」と題したブログ記事には、このデュアルスクリーンデバイスが米国以外の地域(カナダ、英国、フランス、ドイツ)でも発売予定であることや、いくつかの機能が紹介されていた。だが、このデバイスを使ってみたことがあるほとんどの人(我々を含む)は、このデバイスがまったくの未完成であることを認めている。

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マイクロソフトは米国時間5月24日、Android版「Xbox Cloud Gaming(エックスボックス・クラウド・ゲーミング)」のアップデートを行い、この製品のエンターテインメント性の一部を解放した。これまでベータ版として提供されてきたこの機能は、マイクロソフトの中で議論が続けられ、プレビューも行われていたが、今まで隠された機能の1つだった。

本日、#SurfaceDuoをご利用のお客様にとてもクールなアップデートが公開されました!@Xboxと協力して、私たちはその2つ目のスクリーンにタッチ式コントローラーを搭載しました。@xboxGamePassのアルティメットメンバーなら、50種類以上のゲームがタッチ操作で遊べるようになりました。

このアプリは、あなたがSurface Duoに期待する通りの使い方を実現する。横向きのCompose Mode(コンポーズモード)にすると、上の画面にゲームが表示され、下の画面はバーチャルなXboxコントローラーに変わる。もちろん、タッチスクリーンでできることは限られているが、ゲームが2画面あると便利なアプリケーションであることは確かだ。

Engadgetによると、このタッチコントローラーはXbox Game Pass Ultimateに加入しているユーザーが利用できる50以上のタイトルに対応しているという。

従来の折りたたみ式フォームファクタに代わる製品として大いに宣伝され、非常に期待されていたSurface Duoだが、発売当初は期待外れだった。マイクロソフトはその後、この製品の価格を1399ドル(約15万2000円)から999ドル(約10万9000円)に値下げしている。つまり、あまり売れていなかったということだろう。しかし、今回のようにソフトウェアのサポートが続けられているということは、初期の失敗にも拘らず、同社が今後もこの製品をサポートしていくという意思の表れなのかもしれない。

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)