2020年Q1のスマホ販売台数は新型コロナの影響で前年比20%減、iPhone売上は8.2%減にとどまる

すでに誰もがわかっている事実を裏付ける冴えない数字が出てきた。2020年第1四半期は、その前から苦戦していたスマホ業界にとって本当にタフなものだった。Gartner(ガートナー)の最新レポートによると、グローバルのスマホ販売台数は新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックの影響で昨年同期比20.2%減だった。

スマホメーカー上位5社は、1.4%増となったXiaomi(シャオミ)を除き、全社が販売台数を大きく減らした。中国メーカーであるシャオミの販売増は驚きだが、これには海外での販売が貢献している。Samsung(サムスン)は22.7%減、Huawei(ファーウェイ)は27.3%減、Oppo(オッポ)は19.1%減といずれも2桁の減少となった。その一方でApple(アップル)は8.2%減にとどまった。そのほかのメーカーは合計で24.2%減となった。

理由についてはこれまでTechCrunchでも何回か取り上げてきたが、ほぼ全世界に行き渡っている新型コロナウイルスのパンデミック。中でも最大の原因が世界的な外出禁止令と経済の不透明性だ。アジアが最初に新型コロナの影響を受けたことから、グローバルサプライチェーンの問題も間違いなく要因の1つだ。

スマホ市場が頭打ちに、あるいは減少し始めていたところに、これらの要因が重なった。アナリストは5Gの到来がスマホマーケットの衰退を少しは食い止めると予想していた。しかし立ちはだかる事が起きた。アップルの売上減が、年初の好調のおかげでさほど悪くなかったのは注目に値する。

「もし新型コロナがなかったら、iPhoneの販売台数は四半期としては過去最高水準になっていたはずだ。サプライチェーンの混乱と消費者支出の減少が、2月に見られていたポジティブな傾向を止めてしまった」とガートナーのAnnette Zimmermann(アネット・ジマーマン)氏はニュースリリースで述べた。「アップルのオンラインストアによる消費者対応能力、そして3月末に生産がほぼ通常水準に戻ったことが、早期にいくぶんポジティブさを取り戻すことにつながった」。

全体的にこの業界はすぐには回復しないと筆者は考える。経済活動を再開させる動きは始まったが、新型コロナウイルスの今後はほぼ不透明だ。多くの人がやりくりに苦慮している中で、スマホへの多額の支出はまだありそうにない。

画像クレジット: Towfiqu Photography / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

マイクロ&ロボ投資のAcornsが人員削減とオフィス縮小へ、かつてない成長の裏で何があった?

TechCrunchは複数の情報源から、何百万もの人々に「お釣り」を株式市場で運用する手段を提供するAcorns(エイコーンズ)が50〜70人を解雇したとの情報を入手した。

カリフォルニア州アーバインに本拠を置く同社は解雇人数を明らかにしていないが、事業環境が大きく変化したために削減に至ったことは認めた。

このニュースは、Acornsが米国5月24日の週の初め、同社の4拠点のうちポートランドオフィスを閉鎖した数日後に飛び込んできた(Business Journals記事)。ポートランドの従業員に対しアーバイン本社に移転する機会を提供したものの、移転の一環で消えたポジションもあったと同社は明かした。

解雇された従業員は主にAcornsのサポートチームのメンバーだ。内部人員の削減はTaskUsとの提携と関係がある。TaskUsは顧客対応の受託などにより企業のビジネスニーズをサポートする。Acornsは来年、約80のポジションをTaskUsへの外注で補う予定で、それによりサポートチームはむしろ拡大する。

社内のAcornsサポートチームは電話による顧客対応に従事し、外注チームはメールサポートを行う。Acornsは、サポートチームの他にも社内のさまざまなチームで数名削減した。

新型コロナウイルスが新しいユーザーを投資と貯蓄の世界に引き込み、Acornsはかつてない成長を遂げた(未訳記事)。同社は最近、登録者700万人を達成し、底を打った市場からトレーディングアプリが恩恵を受ける傾向が続いている。

同時にAcornsは、ビジネス向けプロダクトとしても成り立つようユーザーの支出を対象とするデビットカードも発行した。決済はいま取り組むには危険な領域だ。なぜなら外出禁止令のため消費者の支出が急減しているからだ。現時点では、同社の弱点になる可能性がある。5月29日には、Brexが62名のスタッフを解雇した。ベンチャーキャピタルから1億5000万ドル(約160億円)を調達した1週間後だ。

巨大な成長機会に直面しているAcornsのような企業が解雇する必要があるのはなぜか。いま調子が良くても、パンデミックと長期不況の恐れが、企業に資金の使い道を再考するよう強いている。Acornsの場合、来年は現在よりも従業員数が増えているだろう。だが、少し深く掘り下げて、仕事を外注しオフィスを閉鎖するという選択が意味するのは、成長するためにはスリム化が必要だということだ。

Acornsの投資家には、PayPal、DST Global、楽天、Greycroft、Bain Capitalが名を連ねる。

画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

AIは新型コロナを打ち破るだろう、でもプライバシーを犠牲にしてはならない

編集部注:本稿はPhilip N. Howard(フィリップ・N・ハワード)氏とLisa-Maria Neudert(リサ-マリア・ニューデルト)氏による寄稿記事である。ハワード氏はOxford Internet Institute(オックスフォードインターネット研究所)所長。ニューデルト氏は、オックスフォード大学のオックスフォードインターネット研究所でComputational Propaganda Projectに取り組む研究者だ。

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韓国は新型コロナウイルスの感染拡大速度を低下させることに成功した。大規模な隔離対策と検査の実施に加えて、革新的な方法でテクノロジーを活用したことが韓国における同感染症の拡大抑止に大きく貢献したと言われている。欧州各国や米国が悪戦苦闘する中、多くの国々は、現在および今後長期にわたって疫学研究を推進し公衆衛生を管理するためのツールとしてAIに注目し始めており、接触者追跡、症状追跡、免疫証明などの用途に利用するための技術ソリューションの開発が進められている。このようなテクノロジーがあると心強いのは確かだが、その利用によって人権が侵害されるようなことがあってはならない。

韓国政府は、クレジットカード取引から、監視カメラ映像や携帯電話の位置情報に至るまで、数百万に及ぶデータポイントを分析し、市民のプライバシーに踏み込んだ個人データを広範囲に集めた。韓国のMinistry of the Interior and Safety(行政安全部)は、自主隔離中の市民のGPSデータを政府職員に通知するスマートフォンアプリまで開発した。隔離中の人が指定された「電子フェンス」の外に出ると、アプリから政府職員に警告メッセージが送信される。このような大規模な監視がプライバシーとセキュリティに与える影響は、深く憂慮すべきものだ。

ウイルス拡散防止のために個人データを活用している国は韓国だけではない。中国、イラン、イスラエル、イタリア、ポーランド、シンガポール、台湾などの国々も、携帯電話から収集された位置情報データを、新型コロナウイルスと戦うために開発されたさまざまなアプリケーションに利用してきた。人工知能と機械学習が駆使されたこれらのデータは、社会統制や社会監視に利用すべきでないばかりか、移動パターンの予測、アウトブレイクが予想されるホットスポットのピンポイント特定、感染経路のモデル化、または免疫予測にも利用してはならない。

人権とデータプライバシーへの影響は、新型コロナウイルスが終息した後もずっと長く続く。差し迫る脅威に立ち向かうための一時的な対策として導入された、大規模なデータ共有、観察、監視が、現代社会における生活の一部として定着する可能性がある。将来起こり得る公衆衛生の非常事態から市民を守るという建前で、期間限定のアプリケーションが恒久化されるかもしれない。少なくとも、政府が焦って未成熟な技術を導入することを決め、場合によってはその使用を法で義務づけるようなことをすると、危険な先例を作ってしまうことになる。

とはいえ、そのようなデータやAIを駆使したアプリケーションは、新型コロナウイルスとの戦いにおいて前進していくうえで有用なものになり得るし、政府は、匿名化されて個人特定が不可能な個人データから、公衆衛生を脅かすこの未曽有の非常事態を乗り切るための貴重な知見を得られる。ホワイトハウスは、携帯電話から収集できる集団レベルの匿名位置データの活用方法について、さまざまなテクノロジー企業と活発に協議しているようだ。英国政府は、位置情報と利用データの活用について携帯電話会社と話し合っている。いつもは先頭に立ってデータ権利を擁護するドイツでさえ、健康管理用の端末やスマートウォッチからのデータ供与を活用して新型コロナウイルスの地理的な拡散状況を見極めるという、賛否両論あるアプリを導入した

大手テクノロジー企業も救助に駆けつけている。Google(グーグル)は140以上の国々で、店舗、娯楽施設、職場、住宅地などの場所における人々の移動傾向を知ることができる「コミュニティモビリティレポート」を公開している。Apple(アップル)とグーグルは接触者追跡アプリを共同開発し、APIなどの開発者ツールキットをリリースしたばかりだ。Facebook(フェイスブック)は、ユーザーの位置情報に基づいて地方自治体、緊急対応機関、法執行機関が通知を送信できる「ローカルアラート」機能を展開している。

市民の健康状態や位置情報に関するデータ開示がこれ以上ないほど個人特定に近づいていることは明らかだ。このようなデータを活用するアプリケーションには大きな潜在的メリットもあるが、その不正利用や悪用に関する懸念も同じくらい大きい。データ保護にはセーフガード(おそらく最も進んでいるのは欧州のGDPRだろう)が存在するが、政府は国家の有事に際して例外措置を設ける権利を持っている。さらに、民主制においてAIを合法的かつ倫理的に利用するための枠組みは(すでに存在していればの話だが)それほど確立されていない

政府が社会統制、アウトブレイク予測、感染追跡を実施するのに役立つ可能性があるアプリケーションは数多くあり、役立ちそうなものもあれば、そうでないものもある。接触者追跡アプリは欧州各国や米国で政府が今最も注目しているものだ。分散プライバシー保護接近追跡(DP3T)という、Bluetoothを使ったアプローチでは、同意したユーザーが、安全な分散型プロトコルを使って、公衆衛生当局にデータを提供できる。すでにEuropean Commission(欧州委員会)が、分散型アプローチを推奨する「接触者追跡アプリケーションに関する指針」を発表している。言うまでもなく、EU加盟国は、このようなツールの導入にあたり、中央集中型かどうかに関わらず、GDPRを順守しなければならない。

オーストリア、イタリア、スイスは、アップルとグーグルが開発した分散型アプローチを採用する計画であることを表明している。ドイツは最近、現在進行中の国民による議論とプライバシー専門家からの厳重な警告をうけて、中央集中型アプリの導入計画を中止し、代わりに分散型アプリを採用することを発表した。しかし、フランスとノルウェーは、機密性の高い個人データが中央サーバーに保存される中央集中型システムを使用している。

英国政府も中央集中型アプローチによるアプリの開発を進めており、現在ワイト島で実証実験を行っている。National Health Service(国民保険サービス、NHS)の一機関であるNHSXはこのアプリを、感染が疑われる市民に保健当局の職員が直接、個人ベースで連絡できる仕様にする予定だ。収集されたデータをどのように使用するか、他のデータソースと結合させて使うかどうか、といったことは現時点ではまだ不明である。現行の規定によると、英国はEU離脱の移行期間が終了する2020年12月まで引き続きGDPRを順守しなければならない。

政府主導の取り組みとは別に、接触者追跡やその他の方法によるアウトブレイク阻止を目的としたアプリやウェブサイトが無数に出現するという困った事態が生じている。このようなアプリやウェブサイトは、個人データの任意提供を市民に求める一方で、プライバシーやセキュリティ性能は(たとえあったとしても)ほとんどないに等しく、機能性に欠けることは言うまでもない。善意により開発されていることは間違いないが、このようなツールは趣味でアプリ開発をしている人やアマチュアのハッカソンイベントによって生み出されている場合が多い。

有用なシステムとそうでないものを選別するのは簡単ではなく、おそらく政府にはその選別能力はない。現時点で、人工知能、特にガバナンスにおける人工知能の使用は、公的機関にとっていまだに不慣れな分野である。切羽詰まった規制当局は、さまざまなAIシステムについて、その正当性やより広範囲に及ぶ影響を民主主義的価値に照らして評価するのに四苦八苦している。十分な調達ガイドラインや法的枠組みがまだ整備されていないため、政府はAI導入に関する決定―今こそ最も必要とされている決定―を下すための準備ができていない。

さらに悪いことに、9・11同時多発テロ事件後の保安強化措置とは異なり、AI主導アプリケーションをひとたび世に送り出してしまうと、それを元に引きもどすことは難しい。新型コロナウイルスの第二波や迫り来る別のパンデミックを回避するには個人データを使用することが必要だと政府が主張する可能性もある

規制当局が新型コロナウイルス危機の間にAIに特化した新たな規制を策定する可能性は低いため、今後も前に進み続けるには、少なくとも今、「公衆衛生の危機に対処するために開発されるあらゆるAIアプリケーションは、公衆衛生研究者や公共科学機関によって公益のために保持される関連データ、アルゴリズム、入出力内容も含めて、最終的には公共アプリケーションになるものとする」という合意を形成しておく必要がある。新型コロナウイルス感染症パンデミックを出しにして、プライバシー規制を破ることや、一般市民から貴重なデータを吸い上げることは許されない。

治療の提供や公衆衛生の非常事態収束に最先端のAIを活用してほしいと、誰もが願っている。新型コロナウイルスによって人々の命が失われている今は、個人のプライバシーやAIの人権に関する短期的リスクへの注目度が下がるのも当然だ。しかし、新型コロナウイルスをめぐる事態が収束したら、すべての人が個人のプライバシーを取り戻し、権利を回復させたいはずだ。民主主義下の政府や企業がこの問題に取り組みつつ、体制の強さを保ちたいなら、アプリがどのように機能するかをすべての人が観察する必要があり、公衆衛生に関するデータが医療研究者のところに集まるようにする必要があり、一般市民が追跡システムの監査や無効化を実行できなければならない。AIは長期的に見て優れたガバナンスに寄与するものでなければならないのだ。

新型コロナウイルス感染症パンデミックは、最優先で取り組むべき公衆衛生の非常事態であり、今後、何十年にもわたってガバナンスに大きな影響を及ぼすことだろう。また、このパンデミックにより、現行システムの大きな欠点も浮き彫りになっている。AIはすでに実用できる段階にあり、これからさらに強力なAI主導アプリケーションが開発されていく。しかし、政府には、その民主的利用を実現する能力がまだ備わっていない。世界規模のパンデミックが及ぼす計り知れない影響を目の当たりにしている今、急場しのぎの政策立案だけでは優れたガバナンスを実践するには不十分だが、でもそれが、現時点で手が届く最善の解決策なのかもしれない。

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Category:人工知能・AI

Tag:接触者追跡 新型コロナウイルス

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(翻訳:Dragonfly)

英国Uberがドライバー向けアプリに他のギグワークを探せる機能を追加

新型コロナウイルス(COVID-19)による危機で配車サービスの売上はもろに影響を受けている。そうした事態を受け、ドライバーが収入を補えるよう、英国Uberはドライバーが一時的に他の企業で働く機会を探すことできるWork Hubを立ち上げた。

Work Hubはドライバー向けのアプリ内にあり、そこにはサードパーティーのプロバイダーからの仕事が表示される。配達に車を使うものも含め、新型コロナウイルスの蔓延で配車サービスの需要が減ったために収入面で影響を受けているドライバーに他のギグワークを提供する。

Uberは同様の機能を4月から米国でも提供している。ドライバーは12社ほどが扱っている求人に応募でき、EatsやFreight、WorksUberなどUberの他部門の仕事も請け負える。

英国では、ローンチ時は3社のみと外部サプライヤーが少ない。そしてUber内部のギグワークはなしだ。「5月29日から英国のドライバーは『何千』もの『臨時の求人』と、他社での『フレキシブルな収入を得る機会』にアクセスできる」とUberは述べた。その他社とは、まずはデリバリー会社のHermesとYodelだ。リクルーターのAdecco Groupはドライバー向けのU.K. Work Hubを通じて臨時仕事も提供している。

「さらに提供できる労働機会を増やすため、新たなパートナー企業を今後も加え、リストを増やしていく。アップデートがないかDriverアプリを定期的にチェックしてほしい」とUberはWork Hub立ち上げ発表のブログ投稿に書いた。

新型コロナウイルスの蔓延でグローサリー配達の需要が急増し、同社はすでに英国のドライバーにオンラインスーパーマーケットOcadoの配達業務に登録するよう電子メールで推奨している。しかし今回はWork Hubを介しての正式な呼びかけだ。そして「案内済みのOcadoの配達業務にも追加で『何千もの』求人が追加される」としている。

ドライバーがこの厳しい時を切り抜けられるよう、なぜ英国UberがドライバーにUber Eatsの業務を選べるようにしないのかはわからない。英国では自転車やバイクを使う配達人が多く、EatsとUber配車サービスの労働はさほどかぶらない。加えて、通りに車が増えることを歓迎する都市はない。ということで欧州のドライバーにEats業務に就かせたくない複数の理由があるのだろう。

「新型コロナウイルスと闘っている間も、ドライバーは社会を動かしつづけるために必要不可欠な業務を行っている。しかし人々の移動が減ったため、ドライバーたちは収入を得る別の方法を必要としている。Work Hubでドライバーは他の企業で収入を得る機会を見つけることができる。他企業の業務を請け負うときは、Uberではフレキシブルに働ける」とUberの欧州北部・東部を統括するゼネラルマネジャーJamie Heywood(ジェイミー・ヘイウッド)氏は声明で述べた。

Work Hubの取り組みは、パンデミックで減ったUberでの収入を他のギグワークで補うようドライバーに勧めるという意図のようだ。そして「正社員の職を探すことは勧めていない」と皮肉屋の人は言うだろう。それでも、正常が戻り配車サービス事業が復活すれば、Uberは所有する車でギグワークをしてくれるドライバーを要する。

米国と英国以外のマーケットでは、オーストラリア、チリ、コスタリカ、カナダ、メキシコ、ポルトガル、南アフリカのドライバー向けにWork Hubを立ち上げている。

この機能は危機の中で生まれたものだが、Uberはこれより前に臨時の仕事を扱う分野に参入済みだ。昨年、Uber Worksというシフトの業務を探せるアプリをシカゴで立ち上げた。同社は、収入を得る機会を広げるための手段としてドライバーに提供するWork Hubは長期雇用のためのものと位置付けていて、今後も展開を続けると話した。

画像クレジット: Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

ストリーミングサービス運営のPlexが共同視聴機能を提供、同社ライブラリのほかユーザーのコンテンツを一緒に楽しめる

同じビデオを複数人がリモートで一緒に見る、いわゆるバーチャルビデオパーティーは、新型コロナウイルスのパンデミックの間に友だちや家族とつながってるための方法として人気がある。例えばNetflix Partyは、新型コロナウイルスの感染拡大で消費者が屋内避難を強いられるようになってから利用が急増した。HBOはブラウザーの拡張機能(エクステンション)のScenerをパートナーとして最大20名までの「バーチャルシアター」を提供(未訳記事)している。Instagram(未訳記事)やHousepartyなどのソーシャルアプリにも共同視聴機能がある。

米国時間5月28日にはHuluが、Huluの標準の機能としてのバーチャルビデオ体験、その名もWatch Partyを発表した。そして同日に、メディアソフトウェアのメーカーPlexが、Watch Together(一緒に見ましょう)機能をローンチした。一緒に見られるのは、同社にあるオンデマンドコンテンツのコレクションか、ユーザーのパーソナルなメディアだ。

その機能はまだベータで実験中とのことだが、PlexのユーザーはPlex上に友達を招待してテレビ番組やムービーを一緒に見れる。ユーザーがPlex上にいなければ、リンクから加わるよう招待できる。

同社によると、この共同視聴体験は同社の無料のオンデマンドムービーとテレビ番組のほかに、ユーザーの個人的ライブラリのコンテンツでも制限なくできる。ただしHuluのWatch Party機能とは異なり、チャット機能はない。Plexはただ、参加者全員に同期した状態でコンテンツを再生するだけだ。

Watch Together機能には、参加者の人数に制限がない。ただしFAQによると、ユーザーがその上でPlex Media Serverソフトを動かすサーバー用ハードウェアの性能、およびネットワークの接続の質やディスクのスピード、コンテンツの内容などで人数が決まる。「あまりたくさん参加すると再生に問題が生じる」とPlexは警告している。


いったんWatch Togetherが始まれば、ユーザーは複数のデバイスから参加したり、一度抜けたあとの再参加したりもできる。ただし、あとから新しい人を加えることはできない。HuluのWatch Party機能とは異なり、誰かがストリームをポーズしたら、全員の再生がポーズする。

ローンチの時点のPlexのWatch Together機能はiOS系とAndroid系のプラットホーム上で使える。具体的には、tvOSとiOS、iPadOS、およびAndroidとAndroid TVの各OSが動作する機器で使える。Rokuのサポートはもうすぐで、そのほかのプラットホームもそれに続く。

Watch Together機能は、ベータ中にはPlex Passを定期購入していない人を含む全員が無料で利用できる。それによってバグや機能リクエストのフィードバックが多くなることが同社の狙いだ。ただし、将来的には有料の機能になる。Plexによると、Watch Together機能は本日からベータで利用できる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

イリノイの工場再開でRivianのアマゾン向け電動配送バンの生産は計画どおり実行

Amazon(アマゾン)、Cox Automotive(コックス・オートモーティブ)、Ford(フォード)が支援する電気自動車メーカーのRivian(リビアン)は、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによる一時閉鎖が解除されたのを受けて、米国イリノイ州ノーマルの工場を再開させた。

一般消費者向け電気自動車R1TとR1S、それにアマゾン向けの電気配送バン10万台を生産することになっているこの工場は、従業員が段階的に戻って来ることになり再始動した。工場閉鎖の後の段階的再開ではあるが、アマゾンが5月28日に発表した声明によれば、アマゾン向けの配送トラックの生産スケジュールに変更はないとのことだ。

アマゾンは昨年9月、2040年までに炭素排出量をゼロにするという「気候変動対策に関する誓約」(The Climate Pledge)の一環として、Rivianに電気配送バン10万台を発注した。この電気バンを使った宅配は、最初の予定どおり2021年にスタートする。「2022年には早くも1万台の電気バンが走り回ることになり、10万台すべてがそろうのは2030年になる」と5月28日に発表した声明でアマゾンは述べている。

Rivianは、R1TとR2Tの生産開始は2021年に先延ばしした。当初は、その電気ピックアップと電気SUVの生産と出荷を2020年後半に予定していたのだが調整された。Rivianでは、以前からR1Tが先でR1Sはその後と決めている。

新型コロナウイルスのパンデミックによって部材の供給が制限され、同社はスケジュール変更を余儀なくされたためだ。しかしRivianは、R1TとR1Sの生産と出荷の時期を近づける努力をしている。

今のところ同社は、工場の内外での作業に力を注いでいる。新型コロナ禍が起きる前は、およそ335人の従業員がRivianの工場で働いていた。現在は116人が出勤しているが、残りの従業員も次第に呼び戻す予定だ。Rivianは、1人の従業員もレイオフせず、すべての従業員に給料を払い続けてきた。

およそ109人の建築請負作業員も工場に戻り、内部での作業を再開した。工場の外では、その他の120人から140人の建築作業員も、工場を約24万平方mから約28万平方mに拡張する工事を再開した。

RivianのCEOであるRJ Scaringe(R・J・スカーリンジ)氏によると、同社は4段階の新たな安全対策を導入したという。体温チェックが実施され、従業員には防護服と防護具が配布されている。

「車両のエンジニアリングとデザインの部門では、作業スケジュールを予定どおり進めるためのデジタル管理の方法を開発した」とスカーリンジ氏は話していた。

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画像クレジット:Amazon/Jordan Stead

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(翻訳:金井哲夫)

瞑想とマインドフルネスのアプリは新型コロナ禍で急成長中

新型コロナウイルスのパンデミックによって、メンタルヘルス、特に不安や不眠に対処する瞑想に重点を置いたアプリのダウンロード数が急増している。アプリストアの調査会社であるSensor Tower(センサー・タワー)の最新の報告によると、英語をベースとする世界で最も人気の高いメンタルウェルネスアプリの上位10作は、2020年4月の合計ダウンロード数が同年1月も200万件増加し、その月の合計ダウンロード数は1000万件近くに達したという。

チャートは市場のリーダーで埋め尽くされている。人気第1位のCalm(カーム)の4月のダウンロード数は390万件。続いてHeadspace(ヘッドスペース)が150万件。それをMeditopia(メディトピア)が140万件で追っている。新規ダウンロード数はCalmが最も多かったが、全体で91万1000件を超える4月のダウンロード数は、1月から31%の伸びを示している。他にも、Relax: Master Your Destiny(リラックス:マスタ−・ユア・デスティニー)は年初から218%伸び、4月には39万1000件のダウンロードがあった。

さらにトップ10のアプリのうち8つが、1月と比較して4月にインストール数を増やしている。また「ほとんどのアプリで、3月から4月の前月比で新規ダウンロード数が増えている」とSensor Towerは伝えている。

2020年4月、ダウンロード数順の英語ベースのメンタルウェルネスアプリ。左から、世界全体、米国内、英国内

新型コロナウイルス(COVID-19)の大流行によって、モバイル瞑想アプリへの関心の高まりを詳細に報告したものは、これが初めてではない。市場分析企業のApp Annie(アップ・アニー)は、2020年3月29日の週のマインドフルネス・アプリのダウンロード数が75万件に達し(ワシントンポスト記事)、1月と2月の週平均を25%上回ったことを早々に伝えていた。

どのアプリも、このパンデミックの最中にそれぞれ異なるアプローチで事業を拡大してきた。その中のひとつであるHeadspaceは、最前線で働く医療従事者と警察や消防などの初動要員が無料で利用できるようにした最初のアプリだ。その後、無料入会の対象は失業者にも拡大され、さらにニューヨーク州のアンドリュー・クオモ州知事の協力により、ニューヨークに住む人には、大量の無料コンテンツが提供された。

Breethe(ブリーズ)やSimple Habit(シンプル・ハビット)などのその他のアプリも、Headspaceに続いて医療従事者は利用料を無料とした。

この戦略は、新型コロナウイルスと最前線で戦う人たちを支援しつつ、アプリが好意的に報道がされるという短期的な成果を上げることができた。しかし同時に、アプリを提供する企業はパンデミックを、とりわけ医療従事者の苦労を利用してダウンロード数を伸ばしているといった、便乗商法的な印象も与える。もしそれらの企業が、ユーザーのストレスや不安を招いた新型コロナウイルスの影響を本気で心配するなら「すべての人たちに、すべてのサービス、特に新型コロナウイルスに由来するストレスや不安に対処するコンテンツを完全無料で提供する」というよりよい戦略もあったのではないか。

それに対して、Calmは別のアプローチを取った。無料リソースのページを新設したのだ。しかし、より多くのユーザーに無料アクセスを広げるためのパートナーシップ注力したことで、同時に売り上げを伸ばすこともできた。たとえば今月初め、健康保険関連の非営利団体Kaiser Permanente(カイザー・パーマネンテ)は、メンバーにCalmのプレミアムサブスクリプションを無料で提供すると発表した。保健システムとしては初だ。

できるだけ多く無料でサービスを提供する戦略を採らなかったCalmの判断は当初、メディアの注目を簡単に集めるチャンスを逃したかも知れない。しかしそれは、目の前の新型コロナウイルス危機が終息した後も継続可能な販売パートナーシップを数多く築くという、長期戦略をCalmにもたらしている。

Sensor Towerの報告書では、米国と英国の人気アプリの違いやその他のデータも詳細に示されている。

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画像クレジット:Sensor Tower

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(翻訳:金井哲夫)

スマートリングが取得する生体情報で無症状コロナ感染者を早期発見、ウエストバージニア大学が開発

ウエストバージニア大学(WVU)ロックフェラー神経科学研究所(RNI)と同大医学部の研究者はOura(オーラ)の協力を得て、新型コロナウイルス(COVID-19)感染の兆候をいち早く警告するシステムを開発した。

このプラットフォームは、健康な人が新型コロナウイルスに感染した場合に、Ouraのスマートリング「Oura Ring」を装着していれば、このリングが取得する生体情報を利用して自覚症状が出る3日前からウイルス感染を警告できるという。無症状の人々がいち早く検査を受けることが可能となるだけでなく、医療関係など第一線のスタッフの感染リスクの低減に役立つことを開発チームは期待している。

Oura Ringは通常の金属製の指輪のように見えるが、本体にセンサーを内蔵しており、体温、睡眠パターン、活動量、心拍数など多数のバイオメトリクスデータをモニタする。研究者チームは、このバイオメトリクスと約600人の医療、救急関係者から得た感染者の身体、認知、行動上の変化に関する情報を組み合わせた。

ボランティアがこのスマートリングを指にはめてサンプルデータを提供。研究チームはこのデータを利用して自覚症状が現れる前に発症を予測するAIモデルを開発した。開発はまだ初期段階であり、専門家によってレビューされていないとはいえ、発症予測の精度はすでに90%以上に達しているという。

発熱、咳、呼吸困難、倦怠感などはすべて新型コロナウイルスに感染していることを示す可能性がある。もちろん新型コロナウイルス以外の原因でもありえる。しかしこうしたデータを総合した判定によって、ユーザーはもっとはっきりした自覚症状が現れる3日前に検査を受けられる可能性がある。つまり自覚症状がないままに周囲に感染を拡大する危険な期間を最大3日短縮することになる。

次の段階として、他の大学などの研究機関の協力を得て複数の州の1万人にリングを着用してもらうという。 研究資金はRNI(および同組織への寄付者)から全額提供されており、Ouraはハードウェアの提供者という資格で研究を支援している。既報のとおり、同社はカリフォルニア大学サンフランシスコ校の同種の研究にも協力している。

無症状の時点で新型コロナウイルス感染、発症のリスクを予測できるモデルを確立するために多数のプロジェクトが進行中だ。これまでの知見によれば、感染者の大部分は感染者初期にはほとんど、あるいはまったく自覚症状がない。RNIの研究は初期の段階とはいえ、そのような予測が可能であることを示すものだ。市販され誰でも利用可能なハードウェアでこれが可能になるというのは特に重要なポイントだろう。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

グーグルが一部の従業員をオフィスに戻す計画を発表

Google(グーグル)とAlphabetのCEOであるSundar PichaiIn(サンダー・ピチャイ)氏はブログで、同社の労働環境を通常、あるいは少なくとも新しい通常に戻す計画の概要を述べている。

グーグルは2020年7月6日から、さまざまな都市の同社オフィスビルを開放し、物理的な作業スペースが必要な従業員に「制限のある交代制」でオフィスに復帰できるようにする。従業員には数週間に1日の交代制になり、常に約10%が出勤していることになる。

ピチャイ氏によると、この方法で問題がなければ2020年9月ごろには10%を30%に上げて「仕事の優先度によって誰にオフィス利用を認めるかを決めることになるが、オフィスで仕事をしたい人のほとんどが限られた形でそうできるようになる」という。

関連記事: Facebookが社員半数をリモートワークに、シリコンバレー外に複数の拠点開設へ

全員をリモートワークにしたFacebook(フェイスブック)やTwitterの大胆にシフトしているのとは対照的に、グーグルのトップは従業員の将来に関する大げさな発言を避け、マネージャーと話ができるような配置転換を望む従業員や、職位によって異なる税金や健康保険のガイドラインを見直すことを奨励している。

ピチャイ氏も、従業員の仕事のやり方に関しては「より柔軟性と選択の幅が広がる」と予測しを重視すると予告し、同社の象徴的なオフィスへの愛着もにじませている。

「私たちのオフィスはコラボレーションとコミュニティを可能にするデザインになっている。私たちの偉大なイノベーションは、オフィスにおける数々の偶然の出会いの産物だ。私たちの多くは、失いたくないと願っている」とピチャイ氏は書いている。

「しかしそれと同時に、世界中にたくさんのオフィスを構えるようになってからは、分散型の仕事にも深く親しんできたし、この期間を通して学ぶであろう教訓に対して、広い心で受け入れる意思がある」。

それでもピチャイ氏は、2020年の間はグーグルの従業員の大半が在宅になると予測している。Googleの従業員たちがホームオフィスに慣れるために、新たに家具や機器を買うための費用1000ドル(約10万8000円)を会社が負担する予定だ。

一部の従業員のオフィスへの戻ることに関してピチャイ氏は、同社が新型コロナウイルスの拡散を防ぐために必要な予防措置をいろいろと講じているため、社内が以前と違っているように見えたり感じたりするだろうという。

関連記事:Boxでも2021年まで従業員の在宅勤務が可能に

画像クレジット: TechCrunch

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Googleマップのエンジニアが作った公共スペースを安全に再開するためのアプリ

新型コロナウイルス(COVID-19)の脅威は続くが、その中にあって経済活動を円滑に再開しようと提案、あるいは開発されているテクノロジーは多数ある。そうした取り組みのひとつが、Keyholeの共同創業者だったBrian McClendon(ブライアン・マクレンドン)氏から米国時間5月22日に発表された。Keyholeは2004年にGoogleに買収され、Google EarthとGoogleマップのベースになった企業だ。マクレンドン氏が新たに始めたCVKey Projectは認可を受けた非営利団体で、症状を自己診断して一時的なQRコードを生成するアプリをリリースする。そのQRコードは、例えば図書館など、このプロジェクトに参加する各地の施設に入るための健康状態の「パス」として今後機能する。

CVKey Projectは、最終的には公共のスペースを安全に再開するのに役立つ一連のアプリをリリースしたい意向だ。先日、AppleとGoogleがリリースした濃厚接触通知APIを利用して、CVKeyのアプリにも通知機能が組み込まれるかもしれない。CVKeyは、現在の政府のガイドライン下でオープンしている施設と、その施設の新型コロナウイルス感染拡大防止ポリシーに関する情報を提供することも計画している。

CVKeyのアプローチの中心となるポイントは、アプリユーザーが共有スペースに入っても「安全な」人であると確認するために、アプリが生成するQRコードを利用することだ。マクレンドン氏によれば、利用者のプライバシーには配慮してシステムを設計しているという。個人を特定する情報や健康に関するデータが保管されるのはユーザーのデバイスのみで、ユーザーの同意なしにデータがクラウドサーバーにアップロードされたり共有されたりすることはない。共有した結果どうなるかという情報も提供される。ユーザーは自発的に自分の健康に関する情報を提供し、アプリが位置情報を求めることは一切ない。インターネットに接続していなくてもほとんどの機能が動作するとマクレンドン氏は説明している。

自分のQRコードを生成してこのシステムに参加している施設でスキャンすると、施設のポリシーに基づいて、ユーザーが中に入ってもいいかどうかがシンプルなバイナリで示される。施設側には、利用者の健康に関する情報は提供されない。コードが伝えるのは症状に関する項目(症状やその時期など)だけだ。その症状が公共スペースのポリシーに反していないかどうかが判定され、それによってアプリが入場の可否を判断する。

マクレンドン氏は、Google EarthやGoogleマップ、Uberで一緒に仕事をしていたManik Gupta(マニク・グプタ)氏とWaleed Kadous(ワリード・カドゥス)氏、そして公衆衛生の専門家で公共機関や民間組織で長くリーダーを務めてきたMarci Nielsen(マルシ・ニールセン)博士とともにCVKey Projectを立ち上げた。

CVKey Projectのアプリはまもなくリリースされる予定で、同プロジェクトではこのプログラムに参加するパートナーを募集している。新型コロナウイルス対策として作られているものはいずれも単純な解決策ではなく、それはこのプロジェクトも同様だが、感染拡大に対応するための大規模な戦略の一部となる可能性はある。

画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

Uberはインドで従業員の1/4となる600名を解雇、一部操業再開も焼け石に水

Uberは米国時間5月26日に、インドで600名を解雇すると発表した。これは同国における同社労働者の25%となる。新型コロナウイルス(COVID-19)によるパンデミックを切り抜けるためのコスト削減を目的にしている。

解雇はカスタマサポートやドライバーサポート、事業開発、法務、ポリシー、マーケティング、財務など各チームに及ぶもので、2020年5月に6700名を解雇した同社グローバルなリストラの一環でもある。

2020年始めにインドでトップのライドシェアサービスを自称した米国の大企業は、今回解雇される社員には10ないし12週分の給与と、今後6カ月間の医療保険を提供するとしている。

Uberのインドと南アジア担当プレジデントのPradeep Parameswaran(プラディープ・パラメスワラン)氏は、スポークスパーソンを介して次のように述べている。「新型コロナウイルスの影響とその回復の見通しの困難さゆえに、Uberインドには労働力の縮小以外の方法がなくなった。ドライバーとライダーのサポートを始め、他の職種にもその影響は及ぶ。この人員削減は、今月すでに発表したグローバルな雇用縮小努力の一環である。本日はUberファミリーを去る仲間と会社の全員にとってとても悲しい日だ。しかし一度決定した以上は、未来への確信を持ってともに前進して行きたい」。

さらにパラメスワラン氏は「辞めるみなさんに、お詫び申し上げたい。ライダーとドライバーパートナーへのこれまでのご貢献に、心からの感謝を申し上げたい」と付け加えている。

Uberの発表前には、地元のライバルであるOlaが同様のコスト削減を強いられている。それにより先週は、同社の総労働力の35%にあたる1400人が職を失った

インドは2020年3月の終わりごろにロックダウンを発表し、全国のすべての公共交通を閉鎖した。しかし数週間前から政府は規制をやや緩和し、OlaやUberなどが全国的に新型コロナウイルス患者の密度が高くない地域で操業を再開している。ただし、Uber Poolなどの相乗りサービスは含まれていない。

世界のほとんどの場所でそうであるように、インドでも新型コロナウイルスのアウトブレークによりフードデリバリーや病院、旅行などの産業が止まってしまった。顧客たちが閉じこもることで、フードデリバリーのSwiggyとZomatoは合わせて2600人を解雇した(Swiggが2100人)。Uberのインドのフードデリバリー事業は、2020年始めにZomatoに売却されている

旅行と病院では、MakeMyTripとOyoが大幅な売上減により、最近の数カ月で数千名を解雇または一時解雇している

画像クレジット:Anindito Mukherjee / Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

蚕を利用した医薬品製造を目指すKAICOが2.6億円調達、新型コロナ抗体検査キットやワクチンを開発へ

KAICO525日、5月22日に2億6000万円を調達したことを明らかにした。シリーズAラウンドの第三者割当増資による調達で、引受先はFFGベンチャービジネスパートナーズ、九州広域復興支援投資事業有限責任組合、東京センチュリーなど。シードラウンドを合わせた累計調達総額は3億円となる。同社は、2019年にTechCrunch Japanに開催したイベント「TechCrunch Tokyo 2019」のピッチコンテスト「スタートアップバトル」で、100社超の企業から勝ち残ったファイナリストの1社。

同社は九州大学が半世紀以上にわたって系統整備と体系的な選抜育種を進めてきた独自のカイコを利用したカイコ・バキュロウイルス発現法により、再生医療用研究試薬やワクチン、診断薬などを大量生産できる生産プラットフォームの構築技術を擁するスタートアップ。

カイコ・バキュロウイルス発現法とは、目的のタンパク質DNAをバキュロウイルスに挿入してカイコ体内に注入することにより、ウイルスの増殖に従って目的タンパク質が発現させる方法。発現された目的タンパク質を体内から回収・精製してワクチン製造などに利用する。

同社の説明によると、カイコは個々がバイオリアクター(生体触媒を用いて生化学反応を行う装置)の機能を果たすため、開発したタンパク質は頭数を増やすだけで、医薬品の量産が可能なるとのこと。少量多品種の生産に対応できるのが特徴で、複数薬を同時並行開発できるほか、大量生産も容易だとしている。

今回の新型コロナウイルスに関しては、技術導出元である九州大学農学研究院日下部研究室が主導し、組み換えウイルス抗原と組み換え抗ウイルス抗体の共同開発。抗原に関しては、新型コロナウイルスのSプロテイン三量体の開発に成功し、 複数の抗体との結合を確認したという。

この結果を受け、新型コロナウイルスの抗原・抗体を合わせて供給できることにより、パートナー企業と抗体検査キットの開発を開始した。また、抗原Sプロテインはワクチン候補として今後量産体制を確立し、製薬企業へ共同開発を呼びかけていくという。

今回調達した資金は、医療品製造に求められるGMPルールに則った生産設備の施工と機器の設置、研究開発・生産を担う人材増員のために使われる。さらに、同社が擁するカイコ・バキュロウイルス発現によるタンパク質開発の世界展開に向けた動きも加速させる計画だ。

新型コロナ禍の悪化し続ける世界に生きて働くこととは?

そう遠くない昔、私たちはよくなっていく世界に生きていた。もちろん悲劇や惨事はあり、深刻な不平等もあったが、それでも世界規模で、長い年月で見れば、ごく最近のベルリンの壁崩壊前と比べて、ほとんどの人々にとってものごとは良くなっていた。

「ごく最近」がいつか、について、道理をわきまえた人は異論があるかもしれない。個人的には、2015年あたりが転換点たと思っている。あれ以来、難民の数は膨れ上がり、「プレカリアート」(生活不安定層)の話題が高まり、ネオファシズムと区別のつかない外国人嫌悪が世界中にはびこり、地球温暖化の脅威が避けられなくなった。

ほかの、もっと楽観的な人たちは世界は今年になるまでよくなっていたと言う。しかし、新型コロナウイルスのパンデミックを前にいま私たちが後戻りしていることに異論を唱える人はほとんどいないと思う。直接的な死亡率だけではない。疾病率も、急増する失業率によって、期待するほど早い復旧は望むことができず、改善しなければ死亡率が何倍にもなることは明らかであり、世界恐慌にもつながる。最悪、世界で極貧が激増することが予測されている。

私たちは悪化する世界に住んでいる、少なくとも今年、おそらく来年、さらにその後も。それは、ものごとはよくなっているという理にかなった信念になじんだ人たちにとって、慣れるのが恐ろしく困難なことだ。長い間、おそらく1970年代中頃から1980年代初めにかけて以来、人類がこのような脅威にさらされたことはない。

悪化する世界で変わるのは何か?例えば、物事の帰結について今以上に慎重になる必要がある。高度経済成長期には、企業の成功(あるいは失敗)の不快な副作用をなかったことにする、という不幸な傾向かあった。それはすぐに解決する一時的な摩擦であり、上げ潮がすべてを押し上げ、影響を受けた人々は(少なくとも理論上)簡単に新しい職を見つけられるとされた。実際、好況時にはそれを論証することもできた。しかし、引き潮で鋭い岩が下にある時の事情はまったく異なり、人々は自分を合わせていかなくてはならない。

もうひとつ、さらに興味深くて直感に反する教訓が、1970代年中期から1980年代初期から学び取れる。それはパンクロックやヒップホップが生まれた時代であり、どちらも当時の美的基準からはかけ離れていた。当時はハリウッドの黄金時代であり、それはまさに「誰も何も知らなかった」からだ。Apple(アップル)とMicrosoft(マイクロソフト)が設立された時でもあり、パーソナルコンピューターが、その存在すら曖昧で奇妙な珍品だった。

おそらくここでの教訓は、今は何か奇妙なことを追い求める時だということだろう。後追いでも、順応型の別バージョンでもない、正真正銘の奇妙さだ。今は奇妙なスタートアップを見つける時かもしれない。いやもしかしたら、スタートアップは変化を後押しする主要な原動力であり、真に奇妙なのは、スタートアップとは全く異なる何かを作り出すことなのかもしれない。あるいは、単にアートを作る、ただし自分だけの形式のアートを発明することかもしれない。これが悪化する世界の中で楽観的な考えであることはわかっているが、パンデミックでさえ、楽観主義者を必要としているのだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Amazonの倉庫作業員8人が新型コロナで死亡

Amazonの従業員8人が新型コロナウイルス(COVID-19)で亡くなった。同社は倉庫作業員の感染拡大の状況を透明化せず調査を受けているが、その最中にこの知らせは届いた。

広報担当者はこの報道内容を認め、TechCrunchに対して「オハイオ州ランダルの施設で働いていた1人の仲間を失い、私たちは悲しみに暮れています。彼女の家族と愛する人たちのことを私たちは心に留め、彼女の同僚たちのサポートを行っています」という。

検査結果が陽性だったAmazon従業員の全体数は、不明のままだ。同社は、そうした情報は公表しないという立場をとり続けている。「その数字がきわめて重要だとは考えていません」とAmazonは、以前、TechCrunchに送った声明で述べている。また、次のようにも語っていた。

感染者の割合は、私たちが操業している地域社会の割合と同じか、それ以下です。隔離者の割合も同じです。隔離者の割合は、職場の状況を知る上で非常に重要な手がかりとなりますが、それが、社会的距離の確保に向けた私たちの賢明の努力が効果を表していることを示しています。HIPPA(米国における医療保険の相互運用性と説明責任に関する法令)に触れない部分を隠そうとする業者とは異なり、私たちは現場のすべての従業員に対し、陽性の診断が出た場合には必ず警告を発しています。この警告は、従業員に直接メッセージで送られ、陽性と診断された人物が最後に施設のどこにいたかを知らせています。

透明性の欠如は、Amazonの新型コロナウイルス感染症対策にまつわる数多くの批判の中のひとつだ。

出荷センターの従業員を保護するために、できることはすべて行っているが、従業員が倉庫内でウイルスに曝露する危険性を排除するのは、適切な個人防護具を使用したとしても困難であると同社は繰り返し主張してきた。2020年5月の初め、13の州の検事総長はAmazonに対して、ウイルスに感染した従業員の数を明らかにするよう要請する書簡を送った。

「要求はしましたが、新型コロナウイルスに感染した従業員、そしてそれが元で亡くなられた方の人数について、情報は得られていません」と書簡には書かれている。「この件に関して、貴各社の州ごとの内訳を提出するよう求めます」。

今週の初め、ニューヨーク・タイムズは、ペンシルベニア州北東部に特に深刻な倉庫があると伝えた。そこでは明らかに100人以上の従業員がウイルス検査を受け陽性と診断されたという。Amazonが公表していないため、正確な数字はわからない。米国時間5月21日、ウィスコンシン州の地元紙ミルウォーキー・ジャーナル・センティネルは、ケノーシャ近くの倉庫で少なくとも30人の従業員に陽性の検査結果が出たと伝えた。

自宅待機をする米国人のAmazonの配達への依存度が高まるにつれて、多くの州が定めている「必要な仕事」の担い手として作業員たちへの依存も増している。5月中旬、Amazonは1時間2ドル(約215円)の「危険手当」の支給を5月末まで延長すると発表したが、6月には通常の給与に戻るとし、次のように話した。

従業員のみなさんへの感謝と、増大する需要の対応のために、私たちは、新型コロナ禍が始まって以来、就業初日から給与の全額支払いを続けるとともに、従業員とパートナーに8億ドル(約860億円)近くを追加で支給してきました。需要の安定を受け、来月からは業界トップクラスの基本時給15ドル(約1615円)に戻す所存です。

Amazonは、新型コロナ禍の最中に社会的懸念を招いた数名の従業員を解雇したことから、追加的な調査の対象になっている。同社はその解雇は報復ではないと否定しているが、それが新たな書簡の発行につながる十分な理由となった。今回の書簡には、Elizabeth Warren(エリザベス・ウォーレン)氏、Bernie Sanders(バーニー・サンダース)氏も名を連ねている。

画像クレジット:PHILIPPE LOPEZ / AFP / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:金井哲夫)

Twitterに続きSpotifyが従業員の在宅勤務を年末まで延長

新型コロナウイルスの危機が続く中、多くの大手テック企業が在宅勤務の方針を拡大しているが、Spotifyも今週、その仲間入りをした。無期限の在宅勤務を決定したTwitterほど極端ではないが、Spotifyのこの動きは働き方に対するオープンさが増していることの表れだ。

Varietyが報じたように、Spotifyでは新しい方針によりスタッフが2020年末まで在宅勤務を続けることができる。この指示は全世界の従業員を対象としている。Spotifyの本社はスウェーデンのストックホルムにあり、ニューヨーク、ロンドン、東京など各地に多くのオフィスを開設している。同社は79カ国で事業を運営している。

Spotifyの広報担当者はTechCrunchに対し、この動きを認めた。

5月21日、Spotifyの全従業員に対する在宅勤務の延長を全世界で発表した。我々は引き続き各地の当局のガイドラインに従い、安全と判断したら段階的にオフィスを再開する。従業員の健康と安全が最優先だ。従業員は誰も出社する必要はなく、年末まで在宅勤務を選択できる。

この発表は、FacebookやGoogleなどのテック大手に続くものだ。リモート勤務については多くの企業が長い間検討していたが、新型コロナウイルス(COVID-19)がその考え方を加速させた。ここ数カ月は、リモート勤務のモデルに対する厳しい試練のようなものだった。

多くの地域で事業が再開し始めても、感染拡大の第2波、第3波はあり得る。そのため、在宅勤務の延長はますます望ましいオプションとなっている。

参考記事:Twtterが社員の在宅勤務を期限なしに認める措置を発表

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Kaori Koyama)

PathSpotがしっかり手洗いできているか確認するスキャナーを販売、感染症防止を支援

新型コロナウイルスは、感染症の予防に手洗いが大変に有効であることを大勢の人々に思い出させてくれた。PathSpot(パススポット)のCEOで共同創設者のChristine Schindler(クリスティーン・シンドラー)氏は、この3カ月間のために、3年間を費やして準備してきた。

「私は手洗いのことで頭がいっぱいです」と医用生体工学と公衆衛生の経歴を持つシンドラー氏は言う。その情熱と自身の経歴を結び付け、おもにタンザニアのキリマンジャロ山周辺の病院のために低価格な機器を開発してきたことからPathSpotは生まれた。

PathSpotのCEOクリスティーン・シンドラー氏

PathSpotは「食品のサービス、管理、貯蔵」のあらゆる場面で使えるとシンドラー氏が主張する、手洗いのための衛生機器を販売している。顧客の範囲は、レストランから梱包施設、カフェテリア、農場にまで広がっている。

PathSpotが販売するスキャナーは、洗面台の脇の壁に設置される。手を洗った人たこの衛生機器に手を入れると、手の衛生状態に応じて緑また赤のライトが点灯する。

技術面では手指消毒剤のPurell(ピュレル)に及ばないが、ある程度までのファクトチェックは行える。PathSpotは、可視光の蛍光スペクトルによる画像化で、人の手に付着した感染症を引き起こす細菌が含まれる恐れのある、特定の汚染物質を検知する。特定の波長の光を手に照射してその画像を取り込み、いくつものフィルターやアルゴリズムを通すことで危険な物質の存在を識別するのだ。

シンドラー氏によれば、2秒以内に両手のスキャンが完了するという。これは、最も一般的な伝達ベクターを探し出す。例えば、大腸菌のような食中毒を引き起こす恐れのある糞便物質などだ。

「これは、手を洗ったかどうか、または手に水滴がついているかどうかを判別するものではありません」と彼女。「手洗いは軽く見られがちなので、たいていの人たちは手は洗ったつもりでも、20秒間しっかり洗ったわけではなく、また、使うべきところで石けんを使わなかったりもするからです」。

だがこれが、新型コロナウイルスから人を守ってくれるのだろうか。新型コロナウイルスは現在、呼吸飛沫や糞便物質から伝播・伝染すると言われているとシンドラー氏は指摘する。PathSpotは、後者に対応できるという。

しかし、米国疾病管理予防センター(CDC)によれば、糞便物質に含まれる新型コロナウイルスが感染を引き起こすかどうかはいまだ不明だという。これまでに、人の糞便物質によって新型コロナウイルスが拡散したことを証拠付ける報告はなく、研究者たちはそのリスクは低いと考えている。

そうしたわけでPathSoptは、今のところは新型コロナウイルスに特別に対処できるわけではないが、日常的、そして感染症を引き起こす恐れのある汚染物質を見つけ出すことはできる。新型コロナウイルスの流行が始まってから、米国では人々の衛生意識が全体に高まっている。「この機器の利用率は、数百件の顧客の間で500%も上昇した」とシンドラー氏は話していた。

PathSpotのもうひとつの製品は、レストランとその従業員の衛生管理と教育を向上させるためのダッシュボードだ。「手の爪の下やアクセサリーの下にホットスポットがあれば、すぐにわかります」と彼女。「あらゆるホットスポットの場所を見ることができるのです」。

有効性について同社は、PathSpotを1カ月間使用した場合、汚染物質が75%減少し、6カ月間の使用で90%減少すると話している。

PathSpotは、サブスクリプションの月額料金で利用できる。これにはスキャナー本体とデータ解析用のダッシュボード、そして同社から実用的な助言が受けられるコンサルティングが含まれる。価格は、機器のサイズと数によって異なるが、シンドラー氏によれば「平均的なところで月額175ドル(約1万9000円)から」とのことだ。

PathSpotの競合相手には、これまで3180万ドル(約34億円)を調達したFoodLogiQ(フードロジック)、1320万ドル(約14億円)を調達したNima Sensor(ニーマ・センサー)、280万ドル(約3億円)を調達したImpact Vision(インパクト・ビジョン)、520万ドル(約5億6000万円)を調達したCoInspect(コンスペクト)が挙げられる。だがこれらの企業は食品とその調達に焦点を当てているのに対して、PathSpotはそれを扱う個人に焦点を当てているとシンドラー氏は主張している。

本日、同スタートアップはシリーズA投資として650万ドル(約7億円)の資金を調達したことを発表した。投資を主導したのは、Starbucks(スターバックス)とValor Equity Partners(バラー・エクイティ−・パートナーズ)が共同で創設したファンドValor Siren Ventures(バラー・サイレン・ベンチャーズ)だ。

新たな資金が追加され、PathSpotの知られている限りのベンチャー投資金は1050万ドル(約11億3000万円)となった。Valor Siren VenturesのパートナーであるRichard Tait(リチャード・テイト)氏は、PathSpotの取締役会の役員に就任する。

PathSpotは、その製品が一般の人々に受け入れられやすいこの時期に成長を遂げている。だがその主要な顧客であるレストランは、パンデミックの影響で不振にあえぎ、全従業員の給与支払いもまなならない状態だ。そこでPathSpotは、パンデミック後に台頭するであろう新世代のレストランに照準を合わせた。つまりデジタルに対応し、衛生を保つテクノロジーを採用せざるを得ない業者だ。

“新型コロナウイルス

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(翻訳:金井哲夫)

アップルとグーグルが新型コロナ濃厚接触通知APIをリリース、各国公衆衛生機関はアプリ開発へ

Apple(アップル)とGoogle(グーグル)は新型コロナウイルス(COVID-19)感染者と接触した可能性があることを通知するアプリのAPIを一般公開した。TechCrunchでも先月下旬、コロナウイルス接触者追跡APIとして報じている。両社はその後、名称をウイルスに対するExposure Notification System(曝露通知システム)に変更したが、この方が機能を正確に表現しているようだ。

このアプリのユーザーが新型コロナウイルス感染にしたと確定診断された場合、その情報は公衆衛生機関にもたらされる。公衆衛生機関はアプリを利用している他のユーザーで感染者と接触があった人々に対し感染リスクがあることを警告する。個人を識別できる情報や位置情報などのプライバシーは十分に保護される。

今回の正式公開によりすべての公衆衛生機関がアプリのAPIを使用できるようになった。これまで両社は開発に必要な情報を得るためにベータ版のみを公開していた。正確にいえば、APIを利用するのは公衆衛生機関の依頼を受けてアプリを開発するデベロッパーだ。 つまり両社自らがリスクの通知やモニターアプリを作っているわけではない。

両社によると、米国の州多数と5大陸の22カ国が、感染警告アプリの開発のために感染データを処理できるツールの提供を要請していたという。公衆衛生機関は今回のリリースでAPIを利用できるようになったが、さらに機能の拡充を望んでいる。これまでに両社は、当局者、疫学専門家、アプリのデベロッパーのために説明会や講習会を24回以上開催してきたという。

感染リスクを通知するAPI はユーザーを識別する必要があるため、デバイス内でランダムに生成される鍵を利用する分散型識別システムとなっている。識別鍵はユーザーが使用するデバイス自身の識別情報などにはリンクせず、短時間で破棄されて別の鍵で置き換えられる。このAPIを利用する場合、公衆衛生機関は、感染リスクのあるユーザーとの接触持続時間や距離で独自に設定することが可能だ。

さらに両社は、感染リスクがあると通知されたユーザーが公衆衛生当局に対して自発的に健康状態を提供できるようにする。この場合、当局がユーザーに直接連絡して適切な対応を指示できるようにしていくという。

APIの開発にあたり、両社はプライバシーに最大限に配慮したという。組み込まれたプライバシー保護機能には、例えばBluetoothメタデータ(信号強度や送信電力など)の暗号化も含まれる。このようなデータは、可能性は低いもののデバイスを特定し、ひいてはユーザー自身を特定することに利用される可能性があるためだ。

またユーザーから位置情報の利用許可を得る必要があるアプリにこのAPIの使用することは明示的に禁じられている。公衆衛生当局が開発している感染追跡用のアプリには位置情報データを利用しているものがあるが、そうしたアプリはこのAPIにアクセスできない。このためアプリの開発方針の変更(未訳記事)も行われている。

両社はAPIの公開に関して以下のような共同声明を発表した。

アウトブレイクの発生時に公衆衛生当局が使用してきた最も効果的な手法の1つに、接触追跡と呼ばれるものがあります。このアプローチを通じて公衆衛生当局者は、感染者に濃厚接触した可能性のある人々に接触し、検査し、治療し、助言する。コンタクト・トレーシングの新しい要素の1つが、濃厚接触通知です。プライバシー保護のためのデジタル技術を使用して、ウイルス感染者に濃厚接触した可能性のある人に通知します。Exposure Notificationには、迅速な通知という具体的な目標がありますが、これは無症状で感染する可能性のある新型コロナウイルスで感染の拡大を遅らせるために特に重要です。

この取り組みを支援するために、アップルとグーグルは協力して、Exposure Notifications技術を構築しました。これにより、公衆衛生機関が作成したアプリがAndroid端末とiPhoneの両方でより正確に、より確実に、より効果的に動作するようになります。ここ数週間、両社は協力して、世界中の公衆衛生当局者、科学者、プライバシー保護団体、政府指導者に働きかけ、彼らの意見や指導を取りまとめてきました。

本日より、当社の濃厚接触者通知技術は、iOSとAndroidの両方で公衆衛生機関に提供されています。私たちが開発したものはアプリではありません。各国の公衆衛生機関が、ユーザーがインストールする独自のアプリにAPIを組み込むことになります。私たちの技術は、これらのアプリがよりよく機能するように設計されています。システムはデバイスから位置情報を収集したり使用したりすることはありません。ユーザーの採用が成功の鍵であり、これらのアプリの使用を促進するためには、これらの強力なプライバシー保護が最善の方法であると私たちは考えています。

本日、この技術は世界中の公衆衛生機関の手の中にあり、彼らが先頭に立ち、私たちは彼らの努力を支援し続けていきます。

両社は感染警告機能をモバイルOSそのものに組み込むことを計画しており、今年後半のiOSおよびAndroidのアップデートで実施されると述べていた。ただしこの「第2段階」の内容はさらに修正される可能性がある。両社によれば「新型コロナウイルス感染抑制対策としてどのような機能がシステムレベルに搭載されるのが望ましいか公衆衛生当局と協議を続けている」とのことだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

新型コロナウイルス 関連アップデート

Fitbitが北米ユーザーを対象に新型コロナ早期検知の研究を開始

Fitbit(フィットビット)の運動量を追跡するためのウェアラブルデバイスは、新型コロナウイルス(COVID-19)やインフルエンザの早期検知に使えるかどうかを確かめるために多くの研究機関にすでに活用されている。そして今度は、Fitbit が自前のFitbit COVID-19研究を立ち上げる。この研究ではユーザーが自身のFitbitモバイルアプリからサインアップできる。

この研究は、新型コロナ感染症状が出る前に感染を正確に検知するためのアルゴリズムを開発できるかどうか探るために活用される。これを確かめるのに必要なデータを集めるため、同社は米国とカナダのユーザーで新型コロナに感染したか現在感染している人、もしくは感染を疑わせるインフルエンザのような症状を有している人に、研究のためにいくつかの質問に応えるよう依頼する。

質問に対する参加者の答えは、新型コロナウイルス感染を初期段階で警告できるパターンを特定するために、ユーザーのFitbitデバイス経由で集められたデータとペアリングされる。症状が出る前の感染検知には多くのメリットがある。個人がより素早く自己隔離でき、他人への感染を予防できる。

早期検知はまた治療面でもメリットがある。医療従事者が早期に治療を開始でき、最悪の症状を防ぐことができるかもしれない。最終的にどんな治療法が開発されるかにもよるが、早期の検知は治療効果に大きな影響をもたらす。

同社は、研究参加者に新型コロナウイルスにかかったかどうか、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスのような症状があったかどうか、症状の内容、人口統計的情報、病歴などについて質問する。研究への参加は任意で、参加を決めてからそうした情報を共有したくないとなった場合はいつでも参加を撤回できる。

新型コロナ早期検知は、経済再開のための安全で実用的な職場復帰戦略をサポートするものになり得る。また、研究結果で明らかにされる精度やどのデバイスを使うかにもよるが、テストと併用することで診断を広範に行う手段になるかもしれない。確認された新型コロナ診断というのは必ずしもテスト結果を意味する必要はない。診断というのは、生体データや症状の出方などいくつかの要因に基づく医師の判断だ。総合的な新型コロナ抑制策によっては、ウェアラブルの活用は新型コロナの感染の規模と広がりの評価において将来大きな役割を果たすことになる。

“新型コロナウイルス

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(翻訳:Mizoguchi

たまには外へ出て大自然の中でIP55準拠のサムスン製屋外用4Kテレビを楽しもう

多くの人たちと同じく、家の中に閉じこもる生活を何カ月も続けていることだろう。だらだらしたり歩きまわったりくだらないテレビをたくさん見たり。たまには外へ出て、大自然の中でウルトラハイビジョンのテレビを見るのはどうだろう。

これまで屋外テレビといえば、SunBriteTV(サンブライトティービー)のような専門メーカーの世界だった。このたびSamsung(サムスン)は、この明らかにニッチなカテゴリーに、Terrace(テラス)シリーズをひっさげて参入した。価格も相当ニッチで、55インチモデルの3499ドル(約37万6500円)から75インチの6499ドル(約70万円)まで。

ひときわ高価なこのテレビは、水やホコリに対してIP55の耐候性を備える。2160pの画面は極めて高輝度な2000ニト(nits)で、太陽光の下で見るための明るさを備えている。必要なポートはすべてついているが、同社はワイヤレス接続に主眼を置いているので、ユーザーは電源をつなぐだけでいい。別売りの Terraceサウンドバーも同じIP55基準に適合している。これを加えてこのテレビセットをコンプリートさせるにはさらに1200ドル(約13万円)必要だ。

私だけかもしれないが、ニューヨークのアパートで何カ月も部屋に閉じこもり、不機嫌で少々不安定な気分の中、アパートの外にでてやりたいのはテレビを見ることではない。それにパンデミックは終わりに近づきつつある。もしあなたの気が向いて、屋外スペースと数千ドルの余裕があるなら、サムスンにとって意中の人だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

新型コロナで空港保安検査が変わる、マスク着用は当然、手指消毒剤ボトルは機内持ち込み可に

米国の一部で再開の動きが始まり、多くの米国人がメモリアル・デーの週末に出かけたくてウズウズしているに違いない。来たるべき休日に備えて、TSA(米運輸保安局)がパンデミック中の航空機利用に関する新たなセキュリティー基準の概要を発表した。

一部は減便されたスケジュールの中ですでに始まっており、規則のほとんどは世界の国々で実施されてきたものとさほど変わらない。例えば、保安局は旅行者に対して十分なソーシャルディスタンスとマスクの着用を推奨している。

それ以外の多くは、手続きをできるだけ早め、係員と乗客の接触を回避するためのものだ。旅行者はチェックインの際に搭乗券を各自が手に持ち、係員に手渡さないよう求められている。自分でスキャンして係員に見えるように提示しなければならない。

食べ物は透明なビニール袋に入れ、他の機内持ち込み手荷物とは別にする。そうすることでTSAは荷物をくまなく探す手間が省ける。また、手指消毒剤に関しては例外が認められている。TSAは以下のように説明している。

新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大に伴い、TSAは乗客1人あたり最大355mlボトル1本の液体手指消毒剤を、機内持ち込み手荷物の中に入れることを認める。乗客はX線検査の前に消毒剤を手荷物から出しておくこと。もし、手荷物に禁止品目が入っていた場合、乗客は手荷物と共に検査場外の処分テーブルへ誘導され、当該品目を取り除いて廃棄することになる。

規則の変更は比較的簡単なものだが、正直なところこの時期の旅行は悪魔に思える。密閉された金属チューブの中で、伝染性の高いウイルスに感染しているかもしれない乗客とともに飛行することのさまざまな心配に加え、保安検査は少人数の旅であっても大きな苦痛になりうる。ソーシャルディスタンスの徹底や検査レーンの縮小など、新たな手順が加わっている。

何度も言われていることだが、絶対に必要な移動でない限り、あなた自身と他の人たちのために自宅に留まることを考えて欲しい。

画像クレジット:Kobi Wolf/Bloomberg / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook