犬を立たせたまま足の裏の肉球を通し1分で心電図検査、ハカルスと動物用医療のDSファーマアニマルヘルスがAI活用

犬を立たせたまま足の裏の肉球を通し1分で心電図検査、ハカルスと動物用医療のDSファーマアニマルヘルスが犬の心電測定にAI活用

産業・医療分野向けのAI製品とサービスを提供するHACARUS(ハカルス)と動物用医薬品メーカーのDSファーマアニマルヘルスは2月18日、犬を立たせたまま足の裏の肉球を通して心電図検査を行ない、AIがデータを解析・診断するサービスを開始したと発表した。

これまで犬の心電図検査は、犬を横向きに寝かせて体にクリップを挟んで測る方法が一般的だった。場合によっては身動きが取れないよう押さえることもあり、犬に負担のかかる検査だったが、今回のサービスでは従来のようなストレスを感じさせずに測定できる。

ハカルスは2018年、DSファーマアニマルヘルス主催の「動物の健康を支える新規事業探索プログラム2018」において「スパースモデリング技術を応用した診断・治療支援AI」を提案。以降両社は連携を深めてきた。2019年にはドイツで開催された医療機器見本市でデモ機を展示、2021年には公募で選定された動物病院で試用を開始。それらの成果を経て今回のサービスの開始に至った。

ハカルスは、このサービスを動物病院に普及させることで、より手軽に愛犬の健康チェックができる環境を整え、犬の死因において高い割合を占める心臓病の早期発見への貢献を目指す。また今後は、犬だけではなく他の動物も視野に入れ、広範囲にわたる健康関連サービスを支援するプラットフォームに拡張する方針という。

検査の流れと特徴

犬を立たせたまま足の裏の肉球を通し1分で心電図検査、ハカルスと動物用医療のDSファーマアニマルヘルスが犬の心電測定にAI活用

  • 心電測定:電極シートに犬を立たせたまま乗せ、ボタンを押すと約30秒間で測定が完了する。犬の心臓が全身に血液を送り出す際に発生する電気のデータを肉球から取得する
  • AI解析:測定したデータはAIが約30秒間で解析・判定。日本獣医循環器学会の獣医循環器認定医が診断した「健康な犬」と「心疾患の犬」の状態を学習したAIが心電波形を判定し、結果をレポートに表示する
  • 解析結果(閲覧・確認):解析結果は、DSファーマアニマルヘルスが運営する獣医療支援プラットフォームサービス「あにさぽ」で閲覧可能。心電計の扱いについて特別な技術は不要で、動物病院が導入しやすい仕様になっている

愛犬とのライフスタイルに寄り添うブランドを構築するFable

近年の消費者の犬に対する接し方はこれまでの消費者とは大きく異なっており、その違いはこのようにミーム化されるほどになっている。

Bond Vet(ボンドベット)Small Door(スモールドア)など、新たなペット用医療サービスが次々と登場し、Farmer’s Dog(ファーマーズ・ドッグ)Spot & Tango(スポット・アンド・タンゴ)などのペットフード企業も本格的な参入を果たしている。

一方で首輪、リード、クレート、おもちゃなど、ペットの飼い主が都市環境で心穏やかに保つために必要な小物類を販売しているのがFable(フェーブル)である。14Wがリードし、Female Founders Fund(フィーメール・ファウンダーズ・ファンド)とSlow Ventures(スロー・ベンチャーズ)が参加したシリーズAで900万ドル(約10億円)を調達したばかりの同社だが、エコシステムの一環として犬用アクセサリーを作るという計画がいかに賢いものであるかということを、この新資金が証明している。

ニューヨークを拠点とする同スタートアップ。パンデミックに後押しされたペット購買意欲と、ミレニアル世代ならではのペットの扱い方法(息をする生き物に対する真っ当な扱い)に追い風を受けている。

しかしFableでは、ペットだけに焦点を当てるのではなく、ペットを飼う人のことも配慮している。

Fablesの製品はペットの世話をより簡単に、より見た目にも美しくするためにデザインされたものばかりである。

当初は首輪とリーシュから開始し、その後Magic Linkという新タイプのハンズフリーリーシュへと進化した。コーヒーを飲みながら犬の散歩をするというマルチタスクに挑戦したことがある人なら、ハンズフリーリーシュの価値をすぐに理解できるだろう。

画像クレジット:Fable Pets

その後Fableは、犬の世話にまつわるあらゆるユースケースを展開していった。ベッドサイドサイドテーブルにもなるクレート、犬用ボウル、ウンチ袋用ディスペンサー(数カ月間交換不要)、そして重要なのがおもちゃである。

実際、その名も「The Game」と呼ばれるおもちゃが同社のベストセラー商品となっている。私も自分の愛犬のために1つ持っているが、これはまさに神の贈り物である。

底面に重りがついたシリコン製容器には、カップ1杯分のドッグフードやおやつを入れることができる。内部のスライド構造を調整し、おやつの出方の難易度を変更することができるため、愛犬は遊びと狩猟本能の両方を活性化させて長時間夢中になることができる。

パズルやボール類など、おやつを出すおもちゃはこれまでにもあったものの、私の愛犬には簡単すぎたり(5分で終了)安っぽかったり、音がうるさかったりなどで使い物にならなかったのだが、The Gameがこの問題を解決してくれた。

Falconというおもちゃも同社から発売されているが、これは小さな溝からおやつが出るようになっていて、ペットがそれを押さないと開かないようになっている。Falconは単体でも楽しめるが、複数のファルコンを連結してより難しいゲームを作ることも可能だ。

相性の良いアースカラーとジュエルトーンのカラーを揃え、いずれも小さな空間でも映えるデザインになっている。

これがFableの真骨頂なのである。

1つの製品が次の製品につながるのだ。首輪とリードという必需品を購入したら、おそろいのデザインのおもちゃやウンチ袋ディスペンサーを信頼できるブランドから購入するという考えは理にかなう。愛犬がThe Gameを気に入っているからFalconも買ってみてはどうだろう、どうせなら2つ買ってみよう。Falconはクレートの内側に吊り下げることができるから、クレート内で愛犬を刺激して楽しませることもできるし、ついでにおそろいのボウルも買ってみてはどうだろう。

さらにFableはそこで止まらない。ポートフォリオに追加する新たなユースケースだけでなく、既存の製品を強化するさまざまな方法も考えており、兄妹創業者のJeremy Canade(ジェレミー・カネード)氏とソフィー・バカラー(Sophie Bakalar)氏によると、同社は「Crate」のアドオンの販売を計画しているという(現在Crateには飼い主の持ち物を収納する引き出しやコンパートメントがついていない)。

画像クレジット:Fable Pets

また、The Gameの難易度を変えられる、新たな挿入物を検討しているとカネード氏はほのめかしている。

計画的陳腐化は戦略に含まれておらず、むしろ新製品をリリースしながら既存製品を強化するために何を提供できるかという点に同社は注力している。

この戦略はかなり効果的なようだ。

2021年にはCrateのキャンセル待ちが2万人を超え、ホリデーシーズンには5分から10分に1台の頻度でThe Gameを販売した。

全体として前年比約3倍の成長を遂げたという。

また、愛犬にまつわるコンテンツは多くの人が好んで共有してくれるため、それも追い風となっている。Magic LinkやThe Gameのような製品の有機的マーケティングは、宣伝効果として抜群だったと創業者らは話している。

Fableの価格帯は比較的高価で、特にCrateは395ドル(約45000円)。Amazon(アマゾン)やPetCo(ペトコ)では40ドル(約4600円)で手に入るのだが、この価格設定は製品そのものをどう評価するかによって変わってくるとバカラー氏は説明している。例えば、Crateはベッドサイドテーブルでもあるため、West Elm(ウエストエルム)やRestoration Hardware(レストレーション・ハードウェア)の価格と比較すると妥当な価格なのである。

ちなみに、The Gameは55ドル(約6300円)、Magic Linkは65ドル(約7500円)、Waste Bag Holderは35ドル(約4000円)である。

「(競合)製品は、短期間で捨てられるように設計されています」とカネード氏。「私たちは実際に製品をゼロから考え直し、動物と人間の両方のためになるものを作ろうとしています。ペット用品とは、動物と人間両方の世界で同時に存在するものなのですが、誰もそんなものは作っていません。人間のためだけに、犬の消耗に耐えられないような品質グレードで設計しているか、人間のことを考えず、犬のためだけに設計しているかのどちらかなのです」。

画像クレジット:Fable Pets

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(文:Jordan Crook、翻訳:Dragonfly)

犬種・性格・悩みに合わせたオーダーメイドのカリキュラムを受講可能なオンラインドッグスクールwandemyが開校

犬種・性格・悩みに合わせたオーダーメイドのカリキュラムを受講可能なオンラインドッグスクールwandemyが開校

様々な「あそび&レッスン」のアクティビティをオンラインで体験できる「ホビーズ」運営のhobbysは、オンラインドッグスクール「wandemy」(ワンデミー)を1月26日に開校した。同日より専門家(ドッグトレーナー)によるカウンセリングの受付を開始している(期間限定で無料実施)。犬種・性格・悩みに合わせたオーダーメイドのカリキュラムを受講可能なオンラインドッグスクールwandemyが開校

近年、ペットとして犬を飼い始める家庭が増加する一方で、飼育のための知識不足などを原因とするトラブルを解決できない飼い主も増加し、飼育放棄や早期転売など新たな問題に発展するケースも増え続けている。hobbysは、wandemyの前身となる「ホビーズオンラインドッグスクール」を展開する中で独自にアンケート調査(実施期間:2021年12月~2022年1月。回答者数:全国220名の犬を飼育されている方)を行ない、「犬種や性格によって問題が様々で、画一的な解決策では十分な対応ができない」「YouTubeなどの動画視聴による知識では、実践ができず効果が発揮されない」「専門家への相談は、場所や費用、時間の制限により利用できない人が多い」という3点が飼い主にとって大きな課題となっていると特定した。犬種・性格・悩みに合わせたオーダーメイドのカリキュラムを受講可能なオンラインドッグスクールwandemyが開校犬種・性格・悩みに合わせたオーダーメイドのカリキュラムを受講可能なオンラインドッグスクールwandemyが開校犬種・性格・悩みに合わせたオーダーメイドのカリキュラムを受講可能なオンラインドッグスクールwandemyが開校

そこでhobbysは、ホビーズオンラインドッグスクールで培った500組を超える飼い主とペットへの指導やカウンセリングの実績に基づき、犬種・性格・悩みに合わせてオーダーメイドでカリキュラムを作成できるオンラインドッグスクールwandemyを開校した。

wandemyは、毎日夜22時までの時間帯から好きな時間を選んでLINEで予約でき、オンライン特化型のため全国どこからでも受講が可能。犬の問題行動の解決方法を提供し、愛犬と暮らす上での大切な知識や接し方を情報提供する多面的な指導によって、1人でも多くの飼い主が愛犬と共に幸せに暮らすことができる生活をサポートしたいという。

またトレーニングレッスンでは、飼い主が愛犬と一緒に参加し、ドッグトレーナーから直接指導を受けながら練習・習得できる実践トレーニングを実施する。トレーナーが飼い主と愛犬の様子や関わり方を実際に見ながら、それぞれの状態に合わせて個別に指導する。

各レッスンにはテーマが設定されており、自身のカリキュラムに合わせて必要なレッスンを選んで受講していく。どんな問題行動や関係性改善にも必要な「基礎トレーニング」から、トリックやドッグダンスなどの「応用・上級トレーニング」まで、レベルに合わせてステップアップできるようにしており、愛犬と一緒に成長できるとしている。

wandemyの特徴

  • 愛犬の診断カードがもらえるカウンセリング:実践トレーニングレッスンの受講前に必ず30分のカウンセリングを実施。カウンセリングを受けた方全員に、ドッグトレーナーが診断した愛犬の問題解決・成長ステップがわかる、オリジナルのカリキュラムカードをプレゼント。愛犬に合ったレッスンを選択して受けていくことが可能となる
  • オーダーメイドカリキュラム:犬種×性格×悩み×目標に合わせて、1匹1匹ごとにオリジナルの指導プログラムを作成
  • 経験豊富で実績のある専属ドッグトレーナーによる直接指導と相談対応:多く犬の悩みを解決したドッグトレーナーによる本格的かつ分かりやすい指導を実施。物理的理由や金銭的理由などで専門家への相談や指導を受けることが難しかった方でも、オンラインで気軽にドッグトレーナーの直接指導を受けられる。トレーナーが飼い主と愛犬の様子や関わり方を実際に見ながら、それぞれの状態に合わせて個別に指導を行う。また相談対応では、普段の生活でのちょっとした困りごとや、改善されない理由など、フリートークで30分間じっくりと相談が可能
  • 忙しい飼い主でも続けられる幅広い時間帯:オンライン特化型のため全国どこからでも受講が可能。1回30分1500円(税込)のプログラムを、毎日夜22時までの時間帯(休日や平日の夜間でも受講可)から好きな時間を選んでLINEで予約でき、忙しい方でも隙間時間を使って自宅からPCやスマホで受講できる

オーダーメイドカリキュラムのステップと料金

  • 初回カウンセリング:1回30分1500円(税込)。初めての方は、必ずカウンセリングを受けてもらう。愛犬の性格、困りごと、目標、理想の生活などをヒアリングをし、オンラインで実際に愛犬の状態も確認。カウンセリング後、カリキュラムカードがLINEに届く
  • 実践トレーニングレッスン:1回30分1500円(税込)。愛犬と一緒に参加し、ドッグトレーナーから直接指導を受けながら練習・習得ができる実践トレーニング。どんな問題行動や関係性改善にも必要な「基礎トレーニング」から、トリックやドッグダンスなどの「応用・上級トレーニング」まで用意
  • お悩み相談:1回30分1500円(税込)。愛犬の困りごとや悩みを専門家(プロドッグトレーナー)に直接相談できる

ペット追跡GPSトラッカーのTractiveが日本市場に正式参入、犬用トラッカーを販売開始・猫専用も販売予定

ペット追跡GPSトラッカーのTractiveが日本市場に正式参入、犬用トラッカーを販売開始・猫専用も販売予定

オーストリアのペット用品・アプリ開発メーカーのTractiveは1月12日、日本市場への正式参入を発表した。ペットの位置情報をほぼリアルタイムで追跡可能な「Tractive 犬用GPSトラッカー」(Android版iOS版)が日本で販売開始となった。また従来版より小型の猫専用トラッカーの準備を別途進めており、日本でも販売予定という。

ペット追跡GPSトラッカーのTractiveが日本市場に正式参入、犬用トラッカーを販売開始・猫専用も販売予定

Tractive GPSトラッカーは、本体をペットの首輪に取り付けることでペットの位置情報を追跡し、PCやスマートフォンで確認できるサービス。自宅の庭などを安全圏として指定し、指定した範囲からペットが出た際、また安全圏に戻った際に通知する「バーチャルフェンス機能」、ペットが動いている時間・休憩時間・カロリー消費量を記録して健康管理に活用できる「身体活動モニター機能」、2~3秒ごとに位置情報を更新することで、走って逃げている場合の正確な位置情報が把握できる「ライブトラッキング機能」などを搭載。現在150カ国以上での利用が可能で、欧米を中心とする50万人以上のペットオーナーに愛用されている。

ペット追跡GPSトラッカーのTractiveが日本市場に正式参入、犬用トラッカーを販売開始・猫専用も販売予定

Tractiveは今回の日本参入にあたり、まずは犬用GPSトラッカーの販売をAmazon.JPで開始している(Amazon.JP tractiveストア)。本体サイズは約71.4×28.0×17.5mmで、重量35g。4kg以上の愛犬であれば負荷なく利用できるという。バッテリー駆動時間は最長で7日間、通常トラッキング利用時は平均5日程度としている。

またトラッカー本体の価格は6900円(税込)。利用料金は、月額プラン1199円、1年プラン7499円(625円/月)、2年プラン1万1999円(499円/月)。日本語対応のカスタマーサービスの提供も開始している。

ペット追跡GPSトラッカーのTractiveが日本市場に正式参入、犬用トラッカーを販売開始・猫専用も販売予定

CES 2022で発表された愛犬・愛猫向けの新しいテクノロジーをまとめて紹介

CESでは毎回、ペットオーナー向けの楽しいテクノロジーが紹介されるが、2022年も例外ではない。しかし、2022年は犬や猫を単なる愛すべき毛皮で覆われた友人としてではなく、独自の行動や感情、さらには自己表現の欲求を持つ知的な動物として扱うことに配慮したガジェットがいくつか出展されていた。

最も基本的なレベルとしては(数年前に比べればかなり進んだレベルといえるが)、飼い主が猫の日々の動きを把握するのに役立つ、猫用スマート首輪と体重感知プラットフォームを組み合わせた「Catlog(キャットログ)」がある。

この首輪は動きや振動を感知し、寝る、座る、前足を洗う、食べる、飲む、さらには動き回るといった「猫らしい行動」と関連付ける機能を持つ。これらの行動(毛づくろいも含まれる)は、IoTハブを通じてほぼライブで飼い主に送られる。そしていつ、どのくらい遊んだか、どのくらい寝たかなど、愛猫の1日を振り返ることもできる。

自分がいないときのペットの日常生活を明らかにするという、このデバイスの基本的な機能は、ペットが単なる膝の上のアクセサリーではなく、飼い主が見ていないときにも存在し、行動していることを理解するために最適な最初の一歩となるだろう。

Invoxia(インヴォクシア)は、犬の位置情報だけでなく、心臓や呼吸器の状態も追跡するスマート首輪を開発した。現時点でその効果を保証することはできないものの、人間の有害な事象や状態を検知するスマートウォッチやウェアブルデバイスが進歩していることを考えると、同様のものが犬用に開発されてもまったく不思議ではない。

動物も人間と同じように心臓や肺に問題を抱えていることがあり、悲しいことに犬種によってはその傾向がある。年に2回、獣医に連れて行って犬の呼吸を診てもらうのはもちろんだが、何かおかしいと思われる時には、飼い主に知らせてくれる首輪を装着するのもよいのではないだろうか。我々自身と同じように「予防のための努力は治療のための努力に値する」のだから。

画像クレジット:Inupathy

犬の背中に装着するバックパック型デバイス「Inupathy(イヌパシー)」は、単に生理的なサインを検知するだけでなく、さまざまな心理状態を検知できるとメーカーは主張している。とはいえ、現時点では過度な信用は禁物だ。この種のデバイスは、人間に焦点を当てたものもあるが、結果はまちまちだからだ。しかし、このInupathyを製造しているLangualess(ラングレス)は、次のようにその機能を説明している

動物の心臓は、穏やかなリズムで鼓動している状態であっても、その持ち主が緊張を感じ始めると鼓動のリズムを早めます。これは、活動時に働くとされる交感神経が活発化することで起こる現象です。私たちは、心拍の変動を独自に研究解析することで、さらに細かく持ち主の精神状態を読み解けることがわかってきました。

心拍数解析は、もちろん長く豊富な歴史を持つ分野であり、ヒット製品もあれば失敗した製品もある。しかし、犬がリラックスしているのか、一時的に興奮しているのか、あるいは長期的な怒りや不安の状態に入っているのかを見分けることができると考えるのは、理に適っていないというわけではない。同社の中核的な技術革新は、動物の心拍数を確実に検出し、解析するローカルセンサーと回路を開発したことである。

もちろん、尻尾の位置や体勢、声の出し方など、より外見的な要素からそれを知ることはできる。しかし、すべての犬がそれほど感情を表すとは限らない。ともかく、もう少しデータを追加してみるのもいいだろう。

データを追加するといえば、台湾最大の応用研究機関であるITRIは、犬の心臓発作を予防するためにデータに基づく早期警告信号を提供する「iPetWeaR(アイペットウェア)」というすてきなコンセプトを発表した。この低消費電力の生理学的検出レーダー技術は、ペットの肌に触れる必要がない無害なもので、ペットの首輪に取り付けたり、犬用ベッドに組み込むなど、柔軟なやり方でセンシングすることができる。

80ドル(約9300円)の基本パッケージには、センサーデバイス、多彩なオプションから選べる首輪、モバイルアプリが含まれており、猫と犬の両方に対応している。同社では愛くるしいデモ映像も制作しており、それは私たちがこの種の製品をまとめて紹介する理由にもなっている。

iPetWeaRによって収集された生理データは、Bluetoothによって飼い主の携帯電話に転送される。不規則な脈や呼吸が検知された場合は、飼い主がすぐに対応できるように通知が送られ、ペットの基礎的な健康状態の異常を早期に発見できることを、この製品は約束している。

しばらく前に登場したWagz(ワッグズ)の「Freedom Collar(フリーダム・カラー)」は、バーチャルなジオフェンスを導入することで、4本足の友達をその場所に留まらせておくことができるようになった。この首輪は、GPSトラッキングとフィットネス記録機能、そして「人道的」な矯正機能(電気ショックは使わない)を備えており、子犬のトレーニング用ソリューションとして人気を博している。しかし、CES 2022では新たに「Wagz Tags(ワッグズ・タグ)と呼ばれる製品が追加された。このアイデアは、犬を家の中で自由に歩き回らせる一方で、入ってはいけない小さな区域を設定するというものだ。犬に付けられた首輪がWagz Tagに近づきすぎると、ジオフェンシングが作動する。これは、愛犬を家具から遠ざけるための優れた、そして非常に賢い方法と言える。

Wagz Tagzでは、3フィート(約0.9メートル)から15フィート(約4.6メートル)までのカスタマイズ可能なKeep Out Zone(立ち入り禁止区域)を作成することができ、近づいてほしくない場所から安全にペットを遠ざけることができる。

画像クレジット:Wagz

せっかく一緒にいるのだから、犬と直接会話してみたらどうだろう?それがFluentPet(フルーエントペット)のアイデアだ。同社は犬に人間の語彙を使って自分を表現することを教えるためのボタンセットを製作している。下の写真のように、犬が前足でボタンを押すと、人間の言葉が出てくるという仕組みだ。

画像クレジット:FluentPet

明らかにFluentPetのボタンは、ソーシャルメディアで人気者となった、ボタンを押して自分の言いたいことを表現する犬、Stella(ステラ)とBunny(バニー)から着想を得たものだ。彼らの一見筋が通った言葉は、我々の予想以上に豊かな知的世界を示唆している。FluentPetのボタンは、あなたの愛犬が同じような才能を持っているかどうかを簡単に調べることができる(正直にいうと、すべての犬は優秀だが、すべての犬が確実に文章を作れるわけではない)。

数種類のセットが用意されているボタンキットには、個別の絵と文字で意味が書かれたさまざまなボタンが含まれており、ボタンを押すと「お外」や「ごはん」、そしてもちろん「大好き」などの言葉が出てくる。これらのボタンは、犬が目で見て簡単に覚えられるように、識別しやすい大きな発泡マット(味がしないことを祈る)に貼り付けて使う。

果たして犬は「大好き」という言葉の意味を本当に理解しているだろうか? おそらくそうではないだろう。好きであることは間違いないだろうが、そのボタンを押すと可愛がってもらえるというように理解しているのかもしれない。同様に「ごはん」のボタンを押すと夕食が早くなる傾向があり「お外」を押すとドアをじっと見ているよりも早く散歩に連れ出してもらえる。飼い主のあなたは、犬と完全な会話を楽しむことはできないかもしれないが、親友が自分自身を表現する方法を変える楽しい手段にはなるだろう。犬は時々、残念な方法で自分の気持ちを表現することがあるからだ。

画像クレジット:alfpoint Images / Getty Images

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(文:Devin Coldewey, Haje Jan Kamps、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

愛犬のおやつ・おもちゃが毎月届くQualumが犬種特化型パーソナライズ機能を正式提供、ヘルスチェック結果を獣医師が監修

愛犬のおやつ・おもちゃが毎月届くQualumが犬種特化型パーソナライズ機能を正式提供、ヘルスチェック結果を獣医師が監修

「豊かな暮らしを届けるためのブランドとサービスを手掛けるライフスタイルカンパニー」であるFrankyは12月23日、愛犬のおやつ・おもちゃなどが毎月届くパーソナライズケアBOX「Qualum」(カルム)において、犬種特化型のパーソナライズ機能の正式提供を開始した。まずは、チワワ、トイプードル、ダックスフンドの3犬種でスタートし、順次犬種を拡大してゆく。

また同社は今後、飼い主をサポートする機能の追加、犬種ごとの最適な各種ケア用品の展開も視野に入れ、愛犬ができるだけ長く飼い主と健康で楽しい時間を過ごせるよう、引き続きプロダクトおよびアイテム開発に取り組むとしている。

Qualumは、国内160犬種の基礎データと100万通りのヘルスチェック結果から、愛犬に必要なものを選んで届けるサブスクリプションサービス。「愛犬ヘルスチェック」で、犬種、性別、アレルギー、運動量、心配事など約10項目のパーソナライズ診断により、愛犬の健康維持に必要な栄養成分やカロリーの目安などが算出される。獣医師が監修した診断データに基づいて提案されるおやつが選択できる仕組みだ。

担当獣医師の寺田かなえ氏は「獣医学・ペット栄養学の観点からはもちろん、生まれ持った犬種特有の悩みや、愛犬それぞれの悩みや健康状態を考慮して、その子に最適なものを選んでいます」と話している。

Qualmは注文内容によって異なるが、料金は月額2980円(税込。送料込み)より。売り上げの一部は保護犬保護猫マッチングサービス「OMUSUBI」を通して保護団体に寄付される。

「生」ドッグフードを開発するMaevが約10億円調達、犬は喜び庭駆け回る

消費者が自身の身体に取り入れる食材についてより高い意識を持つようになるにつれ、同時にペットに与えるものについても意識が向けられるようになっている。世界的なパンデミックによりペットと過ごす時間が増えたことがきっかけとなり、同業界の売上は2020年には1000億ドル(約11兆4000億円)を突破した。

オースティンを拠点とし、人間グレードの「生」ドッグフードを開発しているのがMaevだ。同社はローフード部門のシェアを拡大すべく、米国時間12月10日、Springdale Venturesが主導する資金調達ラウンドで900万ドル(約10億円)を調達したと発表した。同社はこれまでにもVMG Partners、Bolt、Willow Growthの支援を受けた非公開のラウンドを調達している。

同社のD2Cのペットケアブランドの構想は、2018年にCEOのKatie Spies(ケイティ・スピース)氏とChristine Busaba(クリスティン・ブサバ)氏によって発案された。3つの学位を持つスピース氏は、起業前、エンジニアとしてキャリアをスタートさせている。あるスタートアップ企業で製品開発マネージャーとして働いていたものの、やりたいことを模索するため辞職した。やがてドッグウォーカーとして犬の散歩の仕事をするようになった時のこと、同氏はドッグフード分野で何が必要とされているのかを実感することになる。

Maevの創業者兼CEOのケイティ・スピース氏(画像クレジット:Maev)

正式に会社を立ち上げたのは2019年だが、ブサバ氏とスピース氏が生ドッグフードの最初の製品を発売したのは2020年になってからだった。パンデミックがMaevの立ち上げに影響を与えたのだ。4人の従業員とともに、発売計画をずらしたり資金調達ラウンドを延期したりしなければならなかったという。結局はすべてがうまくいき、現在ではビタミンバーやボーンブロスのトッピングなどを製品パイプラインに追加している。

同社の食品は獣医栄養士チームとともに開発されており、健康な犬の栄養のギャップを解決するための臨床テストが行われている。冷凍食品には本物の肉、野菜、果物が使われており、解凍する必要がある他社製品とは異なりMaevの製品は冷凍庫から出してすぐに食べることができるとスピース氏は話している。

「当社は3つの製品からスタートしたのですが、ペットケアの未来を築いていきたいと考えています。この分野にはこれまでイノベーションがほとんど存在しませんでした。中にはすばらしい製品もありますが、ペットの飼い主たちは健康的な製品とは使いにくいものだと諦めていたのです。私たちは、より簡単で愛犬にとってすばらしい製品を作りたいと考えています」。

Maevは定期購入商品として製品を販売しており、コストは1食あたり平均2ドル(約230円)程度となっている。この1年で約2000人の顧客を獲得し、現在の従業員数は16名、募集職種は11枠だ。同社は収益と顧客基盤の両方を拡大し続けており、サプライチェーンへの投資とイノベーションの強化に取り組んでいる。

新しい資本を手に入れたスピース氏は、前月比20%の成長を25%に押し上げるべく「アクセルを踏み込む」計画だ。今後1年間はオムニチャネルで販売し、顧客の囲い込みに力を入れる。同社の92%の顧客が、1箱目を購入後も継続して購入しているという。これは他のペットフードブランドではあまり見られない統計で、業界平均は60%だとスピース氏は説明する。

同氏はこの新たな資本をオースティンへの本社移転、ブランド認知、マーケティングとサプライチェーンにわたる雇用に投資したいと考えている。顧客からの最大の要望の1つが鶏肉製品で、現在3カ月後の発売を目指して計画が進められている。この商品が現在の牛肉商品の売り上げを上回るだろうとスピース氏は見込んでいる。

米国には9500万頭の犬がいるとされており、同社には十分な成長余地があるとスピース氏は指摘する。同氏によると、ここ数年で新たなペットフード会社が112社も誕生しており、新規参入組が市場を揺さぶっている。Maevは、Alpha PawJinxに続いて、この2カ月で新たにベンチャーの支援を得て資金を調達した企業となった。

関連記事:ペットのウェルネスというニッチに進出するAlpha Paw

一方、既存のペットフード企業も健康志向の食品分野に手を伸ばしている。Freshpetは9月にベジタリアンドッグフード「Spring & Sprout」を発売し、Hill’s Pet Nutritionは2021年11月、Bond Pet Foodsと提携し、ペットフードとしての発酵による肉タンパク質の生産を発表した。

「市場の進化を見ることができて、本当におもしろいです。より多くの飼い主が標準的なペットフードの問題点について学び、愛犬に何を与えているのか懐疑的になっているのはすばらしいことです。しかし、最終的に愛犬のために何を選ぶかというのは、健康と長寿のためにとても重要なことです」。

細部へのこだわりとペットへの配慮こそが、同社が多くの投資家を惹きつけている理由である。

VMG PartnersのパートナーであるCarle Stenmark(カール・ステンマーク)氏は、声明で次のように伝えている。「VMGのポートフォリオに加えるブランドを検討する際、私たちは強いこだわりと規範を持っており、象徴的なブランドになるために必要な鍵を持つ企業に対しては、少額ずつかつ戦略的な投資を行うようにしています。私たちは、非常に熱心で意見を持った顧客基盤を持つMaevに惹かれ、また次世代のペットケアの基準を打ち立てているワールドクラスの創業者であるケイティとの連携に胸を躍らせています」。

Springdale Venturesの共同設立者でゼネラルパートナーのDan Graham(ダン・グラハム)氏は次のように付け加えている。「私たちの領域でいう革新とは、単に異なるフォーマットやパッケージの新製品を出すということではなく、消費者の生活に目を向け、彼らの期待を超え、彼らの愛する人やペットの日常生活を向上させる方法を見つけるということです。我々にとってペット分野への投資は初めてのことですが、同社の製品が健康的なペットフードというトレンドの最先端を行くすばらしい製品であることに加え、ペットとその飼い主の生活を変えるというケイティの情熱と決意に対して私たちは心から楽しみにしています」。

画像クレジット:Maev

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(文:Christine Hall、翻訳:Dragonfly)

累計650万食販売・会員数5万人の手作りドッグフードD2C「ココグルメ」運営のバイオフィリアが5.6億円のシリーズA調達

累計650万食販売の手作りドッグフードD2C「ココグルメ」運営のバイオフィリアが5.6億円のシリーズA調達、猫用フードも開発手作りドッグフード(フレッシュぺットフード)「CoCo Gourmet」(ココグルメ)をD2C展開するバイオフィリアは12月22日、シリーズAラウンドにおいて約5億6000万円の資金調達を完了したことを発表した。引受先は、リード投資家のDIMENSION、またSBIインベストメント、三菱UFJキャピタル、ギークス、ユナイテッド、AGキャピタル、他数社および個人投資家。

調達した資金は、ココグルメの新レシピや小分けタイプの開発、事業拡大に伴う人材採用の強化、猫用フード「ココグルメ for Cat」(名称仮)の新規開発、研究開発事業費などにあてられる。累計650万食販売の手作りドッグフードD2C「ココグルメ」運営のバイオフィリアが5.6億円のシリーズA調達、猫用フードも開発

ココグルメは、フレッシュぺットフードとして、総合栄養食基準準拠・獣医師監修の国産ドッグフードを販売するサービス。フレッシュペットフードとは、人も食べられる新鮮な食材を使い食品安全法の基準をクリアした食品工場で栄養素を壊さないよう低温調理されたフードを指すという。

原料となる肉や野菜はすべて国産のものを使用し、保存料・着色料不使用、グレインフリー。製品は食品安全法をクリアした食品工場で製造され、レシピは獣医師、ペット栄養管理士、動物機能栄養学教授の3分野のプロによって監修されている。ペットに対する家族意識や健康志向が高まる中、ココグルメは愛犬家から支持を受け前期売上増加率434%、会員数5万人、累計販売食数は650万食を突破(2kgの愛犬に1日2食与えるものとして換算)。高付加価値訴求型ペットフードのニーズの高まりを受け、事業が順調に推移している。累計650万食販売の手作りドッグフードD2C「ココグルメ」運営のバイオフィリアが5.6億円のシリーズA調達、猫用フードも開発累計650万食販売の手作りドッグフードD2C「ココグルメ」運営のバイオフィリアが5.6億円のシリーズA調達、猫用フードも開発

また同社は、現代の家庭犬に合うフードづくりにより一層注力するため、北海道大学大学院で動物の腸内細菌叢を研究する動物機能栄養学教授・小林泰男氏と共に家庭犬の腸内細菌叢の研究(R&D)を進めるという。研究から得た独自の知見・エビデンスを活かし、畑の土壌や栽培方法・調理方法の改善などを行い、現代の犬の体質や生活環境に、より最適化した安心安全で美味しい「ワンちゃんのため」のフード開発を目指す。

2017年8月設立のバイオフィリアは、「動物の幸せから人の幸せを」を企業理念に掲げ、動物と人間が愛情を持って共存できる社会の実現を目指し、ペット事業に取り組むスタートアップ企業。ペットフードを単なるエサではなく伴侶動物との絆を深める「食事」と位置付け、伴侶動物と飼い主の絆を深めるごはん時間を提供するべく、グローバル展開も視野に入れ尽力するとしている。累計650万食販売の手作りドッグフードD2C「ココグルメ」運営のバイオフィリアが5.6億円のシリーズA調達、猫用フードも開発

アニマルクエストが「ペット領域ベンチャー カオスマップ 2021年11月版」を公開

LINEを使い愛犬・愛猫とのトーク体験を楽しめるwaneco talkがMakuakeで提供開始
  1. アニマルクエストが「ペット領域ベンチャー カオスマップ 2021年11月版」を公開

保護犬保護猫の支援が行えるアプリ「アニマルクエスト」(Android版iOS版)を運営するペット領域スタートアップ「アニマルクエスト」は11月4日、ペットテックをはじめペット領域サービスをまとめた「ペット領域ベンチャー カオスマップ 2021年11月版」を公開した。

市場カテゴリーは、アプリ、EC、里親マッチング、HR、保険、シッターマッチング、メディア・検索、メディカル・獣医師向け、フード、ペット用品、IoT・ロボット、バイオ、その他サービスの13カテゴリーとなっている。同社は、2020年2月に国内初のペット領域スタートアップのカオスマップを公開したが、その後コロナ禍もあり、市場に変化が起きているという。国内のペット飼育頭数は減少傾向にあるものの、ペットが家族化する中で、ペット市場は堅調に推移している。そこで、「国内のペットテックやマッチングサービスの市場構造や独自性を改めて分析」したとのことだ。

同カオスマップ掲載の選定基準は「2000年1月1日以降に設立した株式会社のペット系サービス」「国内で展開するサービス」となっている。また掲載したロゴは、法人・組織のものではなく、サービスのロゴを利用している。アニマルクエストは同マップについて、「市場の全体構造とトレンドの変化を理解するために活用されることを期待します」と話している。

同社運営の「アニマルクエスト」アプリは、ペット用消耗品のギフトや投げ銭で保護犬や保護猫の支援ができるサービス。冬には、買い物をすると他の動物たちを救済することにもなる「社会貢献型ペット用品ECサイト」の公開も予定している。

LINEを使い愛犬・愛猫とのトーク体験を楽しめるwaneco talkがMakuakeで提供開始

LINEを使い愛犬・愛猫とのトーク体験を楽しめるwaneco talkがMakuakeで提供開始

日本電気(NEC)は9月28日、愛犬・愛猫とLINEで「まるでトークしているみたい」な体験サービス「waneco talk」(ワネコ トーク)について、Makuakeで先行予約販売を開始したと発表した。目標応援購入数は2000セット。セット内容は、日本動物高度医療センターの犬猫用活動量計「PLUS CYCLE」(プラスサイクル)、obniz BLEゲートウェイ、waneco talkライセンスカード。「早割 先着340台」が価格2万800円(税込)となっている。

waneco talkは、waneco LINE公式アカウントを友だち追加することで、留守番などをしている犬や猫の状況を遠隔地からトーク形式で把握できるサービス。

その仕組みは、日本電気(NEC)が提供する愛玩動物コミュニケーションプラットフォームサービス「waneco」と、PLUS CYCLEとを連携させたもの。愛⽝愛猫の活動をPLUS CYCLEで測定後、NECのwanecoを介しAI技術群「NEC the WISE」(エヌイーシー ザ ワイズ)で分析し、ペットの状態に基づいたメッセージをwaneco talkのLINE公式アカウントから飼い主に届ける。LINEを使い愛犬・愛猫とのトーク体験を楽しめるwaneco talkがMakuakeで提供開始

また、waneco talkで収集したデータは、PLUS CYCLE専用アプリ(Android版iOS版)に連携される。PLUS CYCLEは全国の1000を超える病院と連携しており、蓄積される活動データを獣医療学的知見から解析することで、データ駆動型の予防動物医療の確立を目指すという。

PLUS CYCLEは、サイズ直径2.7×厚み0.9cm/重量約9gで、首輪に装着可能。3軸加速度センサーで活動量・睡眠時間を、また気圧センサーでジャンプ回数を測定可能し、活動量が低下したときはアプリで通知する。LINEを使い愛犬・愛猫とのトーク体験を楽しめるwaneco talkがMakuakeで提供開始

NECは、人とペットとの暮らしにおける様々なサービスをIDでつなぎ、飼い主をサポートするwanecoの第1弾サービスとして、waneco talkの社内実証を2021年4月から行ってきたという。

また2022年春には、ペット向けオンライン相談・診療システム「みるペット」と連携し、waneco talkにより普段と違う状態の気づきを動物病院と共有することで相談や飼育アドバイスに活用するなど、犬や猫それぞれの個性や状態にあったサービス提供を目指す。今後も、同サービスに賛同するパートナー企業・団体を募集し、連携して事業を拡大するという。

 

ドッグフードD2C「PETOKOTO FOODS」が大豆ミート採用のドッグフード開発開始、2022年春販売に向け試食モニター募集

ドッグフードD2C「PETOKOTO FOODS」が大豆ミート採用のドッグフード開発開始、2022年春販売に向け試食モニター募集

ドッグフードD2C「PETOKOTO FOODS」(ペトコトフーズ)を提供するPETOKOTO(旧シロップ)は9月14日、不二製油製大豆ミート(植物肉)を使用したドッグフード「SOY MEAT」を開発すると発表した。また試食モニターを募集しており、これにより改良を重ね2022年春をめどに正式販売する予定。試食モニターの応募締め切りは、9月21日23時59分。

2015年3月設立のPETOKOTOは、「人が動物と共に生きる社会をつくる」ことをミッションに掲げ、すべての犬・猫と飼い主のQOLの向上を目指し、DXと家族品質のFX(Family Transformation)を通して家族品質の暮らしを提案するペットウェルネスブランド。同社は、ドッグフードD2C「PETOKOTO FOODS」を2020年2月より展開している。

今回新開発のSOY MEATは、他メニューと同じく新鮮な国産の食材・国内製造の加工品にこだわっており、高タンパク低コレステロール、高食物繊維で、犬の健康にも良くダイエット中の犬にも最適という。

またレシピの開発については、世界で95名しかいない米国栄養学専門医の資格を持つニック・ケイブ獣医師(ニュージーランド・マッセー大学獣医学部准教授)が担当した。同氏は、犬猫の栄養ガイドライン(Global Nutrition Guidelines )を策定した世界小動物獣医師会(WSAVA) 小動物栄養学の創立委員会メンバーでもある。

すでに社内テストは完了しているものの、豊かな食事体験の提供には嗜好性も重要なポイントになることから、今回は、応募者に4種類の大豆ミートをそれぞれ無償モニターテストを実施してもらい、嗜好状況を確認するとしている。

PETOKOTO FOODS「SOY MEAT」

    • 保存:製造日から冷凍で10カ月
    • 容量:1パック150g
    • 与え方:トッピング、2食のうち1食/日、2食/日
    • 発送:2021年10月上旬予定(1人につき2〜4パックの送付を想定)
    • 生産国:日本
    • 原材料:大豆ミート、かぼちゃ、人参、白米、小松菜、サプリメント、すりごま、亜麻仁オイル、フィッシュオイル
    • 募集数:20名(応募多数の場合は抽選)
    • 参加条件:同社指定のヒアリング内容に協力できること、愛犬がSOY MEATに含まれる食材にアレルギーを持っていないこと、続けて2日間SOY MEATのみを与えること(ごはんを食べないなど、体調に変化があった場合を除く)
    • 応募締切り:2021年9月21日23時59分
    • 応募方法:「新商品_モニター募集」より申し込み

「PETOKOTO FOODS」

PETOKOTO FOODSは、犬や猫と家族同然に暮らす中で従来のドッグフードに疑問を持ち、「私たちが食べても安心できるごはん」を作るために生み出したものという。

公式サイト上で、愛犬の体重・体型・運動量、アレルギーなど10個の質問に回答するだけで最適な摂取カロリー量やメニューのフードプランを提案。パックごとに愛犬の名前を貼って自宅にごはんが切れる前に送付する。購入後は、獣医師やペット栄養管理士にLINEで相談できる上、体重など体の変化をもとに常に最適なフードプランを提案し、一生涯の健康をサポートするとしている。ドッグフードD2C「PETOKOTO FOODS」が大豆ミート採用のドッグフード開発開始、2022年春販売に向け試食モニター募集

ペット業界向け求人情報・広告媒体や往診専門動物病院など展開するTYLが累計5.6億円のシリーズA調達

ペット業界向け求人情報・広告媒体や往診専門動物病院など展開するTYLが累計5.6億円のシリーズA調達

ペット業界向け求人情報・広告媒体や往診専門動物病院などのサービスを展開するTYL(ティーワイエル)は8月17日、シリーズAラウンドにおいて、第三者割当増資と融資による資金調達を発表した。引受先は、名古屋テレビ・ベンチャーズと朝日メディアラボベンチャーズ。借入先はみずほ銀行など。2020年1月から現在に至る累計調達額は5億6000万円となった。

調達した資金は、「ヘルスケア領域のDXサービス」とTYLが語る「アニホック往診専門動物病院」や獣医師オンライン相談サービス「ペットオンラインコンシェルジュ」の拡大、新規サービスの発展に役立てられる。これらのサービス拡大に向けて、獣医師、動物看護師の採用による顧客支援体制の強化、サービス認知と利用拡大のためのマーケティングにも力を入れるという。

TYLは、「ペットの家族化推進」をミッションとする「ペット」×「IT」のスタートアップ。ペット関連の求人情報サービス「アニマルジョブ」、ペット業界向け広告媒体「HearPet」(ハーペット)などの経営支援・キャリア領域、アニホック往診専門動物病院やペットオンラインコンシェルジュといったヘルスケア領域、トリミングサロン検索予約サイトや犬のお役立ち情報サイトなどのペットライフという3つを柱に事業展開している。

同社のキャリアサービスは累計登録者数が17万人を超えており、2018年から2021年にかけて登録者数は約20倍に増加した。獣医師の登録者数は全体の14%。動物看護師は43%、トリマーは15%。また同じ時期の累計取引拠点数は約7倍に増えている。その約58%が動物病院ということだ。ペット業界向け求人情報・広告媒体や往診専門動物病院など展開するTYLが累計5.6億円のシリーズA調達

ヘルスケア領域の新規事業アニホック往診専門動物病院は、サービスローンチから約2カ月で実績が約1600件を超えた。患者の9割以上が犬と猫であり、平日より土日祝日の午後に診察が多くなる傾向があるという。「ペットオンラインコンシェルジュ」は、全体の8割が猫に関する相談となっている。

アニホック往診専門動物病院は、現在23区中心に一部埼玉南部、神奈川北部をサービスエリアに設定。順調に推移すれば5年以内に全国大都市圏に拠点を持ち拡大させる計画としている。

  1. ペット業界向け求人情報・広告媒体や往診専門動物病院など展開するTYLが累計5.6億円のシリーズA調達

ペットを家族としてずっと一緒に暮らせる社会を目指すTYLが、現在ペットにまつわる課題として考えているのが「人材の転職雇用環境」「脆弱なペット関連サービス経営」「不均質な医療」「不適切なマーケティング」だという。これらを解決することで、「ペット産業に纏わるステークホルダー」「ペットを飼う方」「ペット自身」の幸せに貢献できるとしている。

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カテゴリー:ネットサービス
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GK Hart/Vikki Hart via Getty Images

ドイツのミュンヘン動物福祉協会が、マッチングアプリのTinderにペットのプロフィールを登録する試みを行っています。評判は上々で、既に何人かの人と最初のデートが設定されているとのことです。

同協会曰く、コロナ禍での自宅時間の増加により、ペットを飼う人は増加傾向にありますが、今度はコロナが収束に向かうにつれてペットを捨ててしまう人が増えるのを懸念しているとのこと。こうしたこともあり、新しい飼い主を見つける方法として、Tinderの利用に思い至ったようです。

マッチングに際しての本気度も高く、広告代理店に依頼して、プロカメラマンの手で15匹のペットの写真を撮影しTinderに登録したとのこと。こうした甲斐があってか、同協会のJillian Moss氏によると、反響は非常に大きいとのことです。

一方で、新しい出会いを求めているのに違いはないとはいえ、こうした利用はTinder側的にはどうなのだろうと思うところですが、Tinderのコミュニケーションチームで働くBenjamin Beilke氏は「これらの動物たちが本当に新しいパートナー、数週間だけでなく、長期的に “パーフェクトマッチ “を見つけてくれることを願っています」とロイターの取材に応えており、好意的に捉えているようです。

(Source:ReutersEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:犬 / イヌ(用語)新型コロナウイルス(用語)Tinder(企業・サービス)猫 / ネコ(用語)ペット(用語)マッチングアプリ / デートアプリ(用語)

それぞれの犬に合わせた新鮮なドッグフードを配達するロンドンのButternut Box

ロンドンで新鮮なドッグフードを提供しているサービスButternut Boxは、テクノロジーを利用したHelloFresh的なプラットフォームで、自社で調理したドッグフードを出前風に配達している。同社はこのほど、消費者向け企業を対象とするプライベートエクイティ企業のL Cattertonがリードするラウンドで5540万ドル(約61億1000万円)を調達した。これには、White Star CapitalやFive Seasons Ventures、そしてPassion Capitalが参加した。同社の初期のラウンドをTechCrunchは、2017年に報じたことがある。

2016年に設立されたButternut Boxは、独自の技術プラットフォームによって「パーソナライズされた食事の提供」を行う「人間の食事のような新鮮なドッグフード会社」を自称している。

L Catterton Europeのパートナーで同社のロンドン支社長であるJean-Philippe Barade(ジャン-フィリップ・バラード)氏は、次のようにコメントしている。「英国でブランドイメージと、ペットのオーナーたちのブランドへの信頼を築いてきたButternut Boxの、長年の努力には感銘を受けている。同社は今もその革新的なデジタルプラットフォームを活かして、成長市場であるペットフード市場のバーの高さを上げ続けている」。

ゴールドマン・サックス出身のKevin Glynn(ケビン・グリン)氏とDavid Nolan(デビッド・ノーラン)氏が率いる同社は、その独自のアルゴリズムにより、犬の年齢や体重、犬種、活動レベル、体調などに基づいて適正カロリーを計算し、それに基づいて日々の食餌の提供量を決めている。

また同社は、同社自身が独自の自然食ドッグフードを作っている。なぜなら、これまでの研究調査によると、自然食を食べた犬は工業生産された缶詰製品を食べていた犬よりも長寿だからだ。その寿命の差は3年と言われているが、犬の3年は長い。英国の犬のオーナーは年間およそ2億ポンド(約306億円)近くを動物病院に費やしているが、その大きな原因は過食と不健康なフードだと言われる。

しかしながら英国の自然食ドッグフード企業はButternut Boxの他にもLily’s KitchenやTails.com、Natural Instinctなどの競合企業が多く、すべてがその成長市場をめぐって競走している。

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カテゴリー:その他
タグ:ロンドンイギリスペットButternut Box資金調達

画像クレジット:Tractive

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(文:Mike Butcher、翻訳:Hiroshi Iwatani)

愛犬家のためのD2Cブランド「WON」が高級おやつの試食セット「ワンソナライズ・キット」を販売開始

愛犬のためのD2Cブランド「WON」が高級おやつの試食セット「ワンソナライズ・キット」を販売開始

愛犬家のためのD2Cブランド「WON」(ワン)を運営するAntelope(アンテロープ)は8月11日、国内初となる、愛犬にパーソナライズならぬ「ワンソナライズ」したおやつが届く「ワンソナライズ・キット」の販売を開始した。これは、「ワンソナライズ診断」により愛犬にぴったりのおやつが提案される、初回限定のお試しキットだ。価格は4620円(1キット6種類入り。税込)。オープン記念限定価格は4290円(税込)となっている。

WONは、人間が食べられる上質な食材から、「最高のごほうび体験」となるおやつ(トリート)を自家製法で手作しており、「ワンソナライズ・キット」では、犬の体、状態、好みに合ったおやつを選んで試食ができる。まずは、「ワンソナライズ診断」で犬に関するいくつかの質問に答えると、犬のタイプが示され、お薦めのおやつが何種類か提示される。そこから6種類を選んで注文する。これらを試し、気に入ったものを正式に購入する(単品購入は会員限定)という流れになる。

食材には大変なこだわりがあり、国産ジビエやご当地ブランド肉、漁師直送の魚、有機農法の野菜や果物が使われている。そしてこれらの食材の特性を損なわないよう、オリジナル製法で手作りされている。

おやつは全部で16種類。肉、魚、クッキー、野菜、果物のカテゴリーがある。

スモークド・ジャーキー(ミート)

  • 伊豆半島産の鹿肉
  • 長崎芳寿豚
  • 西天城高原の「わさびダチョウ」
  • 甲州の銘柄地鶏「信玄鶏」

スモークド・ジャーキー(フィッシュ)

  • 天然マグロ
  • 北海道の天然真鱈
  • 鹿児島県の天然きびなご

ギルトフリー・クッキー

  • イタリア産マスカルポーネを使ったチーズクッキー
  • 島バナナとオートミールのオーガニックプレスクッキー
  • 高野豆腐のヘルシークッキー
  • 北海道産大豆の納豆燻製仕上げクッキー

オーガニック・ドライフルーツ

  • 有機バナナのドライチップス
  • 有機キウイのドライフルーツ

オーガニック・ベジーチップス

  • 国産有機ジャガイモのノンフライチップス
  • 国産有機大根の燻製チップス
  • 有機トマトの濃縮ドライトマト

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カテゴリー:フードテック
タグ:Antelope(企業)犬 / イヌ(用語)食材宅配 / フードデリバリー(用語)食事(用語)D2C(用語)ペット(用語)資金調達(用語)日本(国・地域)

犬用スマート首輪の「Fi」が睡眠トラッキング機能を追加

「寝た犬は起こすな」と昔から言われている。しかし、寝ている犬の睡眠トラッキングをするなとは誰も言っていない。米国時間7月22日、ニューヨーク発のスマートドッグカラー(犬の首輪)のメーカーであるFi(ファイ)は、スマート首輪のトラッキング項目に睡眠を追加した。

新機能は首輪に内蔵されたモーションセンサーを使って、愛犬の睡眠状態を昼夜追跡する(そして飼い主はほぼ間違いなく、睡眠時間の長さに嫉妬する)。

追跡情報は、人間用のスリープトラッカーを使ったことのある人なら誰もが見慣れているタイムラインに表示される。昼間愛犬がどうしているかを仕事中に確認するライブチェックインもある(在宅からオフィス勤務に戻っている場合)。

画像クレジット:Fi

目的は、睡眠過剰であれ夜間の水飲み頻度の多少であれ、ペットが抱えているかもしれない健康問題に関する共有可能なデータを提供することだ。数値の急激な変化は愛犬の健康状態の赤信号でもある。

「愛犬家のみなさんがペットに最大限のケアを施すための総合的ヘルストラッキングに参入できることを大いに喜んでいます」とファウンダーでCEOのJonathan Bensamoun(ジョナサン・ベンサモン)氏がリリースで語った。「愛犬は疲れた時に自分でそのことを伝えられないので、Fiが知らせます。Fiは、『この子はすぐ眠りについているのか?』とか『最近アクティビティー・レベルが下がっていないか?』などの重要な質問に、深刻な問題が起きるよりずっと早く答えることができます」。

Fiは2021年2月に3000万ドル(約32億8000万円)を調達し、最近オンラインペット用品通販最大手のChewy(チューイー)と販売契約を結ぶなど、米国での販売網を拡大している。

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DNA検査で犬の健康問題を早期発見するEmbark Veterinaryにソフトバンクも投資
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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Fiペットトラッキング睡眠

画像クレジット:Fi

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(文:Brian Heater、翻訳:Nob Takahashi / facebook

DNA検査で犬の健康問題を早期発見するEmbark Veterinaryにソフトバンクも投資

今や犬も新型コロナウイルスに感染するというが、そんなときでもEmbark Veterinaryは慌てず騒がずちゃんとDNA検査をして発病を防ぎ、次の10年間の犬の寿命を現在の予測よりも3年以上長くしてくれる。

犬の遺伝子治療を行っているこのボストンの動物病院は、このほどシリーズBで7500万ドル(約82億6000万円)を調達し「ペットのスタートアップのシリーズBとしてはこれまでで最高額」と自称している。ラウンドをリードした投資家はSoftBank Vision Fund 2で、これにF-Prime CapitalやSV Angel、Slow Ventures、Freestyle Capital、そしてThird Kind Venture Capitalらが参加している。

Crunchbaseのデータによると、2015年に創業したEmbarkの総調達額はこれで9430万ドル(約104億円)になり、投資後の評価額は7億ドル(約771億3000万円)になると、Embarkの創業者でCEOのRyan Boyko(ライアン・ボイコ)氏はいう。

犬好きのボイコ氏は、生物学と進化にも関心がある。特に彼にとって犬は、品種の多さが関心をそそるという。体重がわずか1kgでも、100kg近くても犬。形やサイズも非常に多様だ。そこで彼は犬の研究に関心を持ち、特に彼らの進化を理解したいと思った。

「健康の問題についても考えるようになりましたが、率直に言って、健康のために遺伝子を上手に利用している点では、犬の体の方が人間より上です。犬は交配によって新しい犬種を生み出すことができますが、交配は犬の健康に貢献すると同時に、健康問題の原因でもあります」とボイコ氏はいう。

Embarkの犬のDNA検査は199ドル(約2万2000円)で、犬の飼い主やブリーダー、獣医は犬のユニークな遺伝子プロファイルに基づいて、治療やケアのプランをそれぞれで作ることができる。これまで350種あまりの犬種を検査し、200種の遺伝子由来の健康問題や身体的特徴を特定してきた。人間の遺伝子を検査する23andMeと同じく、検査によってその犬の犬種や健康や祖先に関する特性を知ることができる。

たとえば検査によって、健康な犬が今後椎間板ヘルニアになりやすい遺伝子を持ってることが、わかったりする。そんな犬には、ケアのメニューに体重管理を重要な要素として含め、ソファーから跳び下りることを禁ずるなどの対応が必要だ。もう1つの、よくある遺伝子リスクが高尿酸尿症だ。尿酸値が高いために犬がミネラルを上手に処理できず、膀胱結石になりやすい。そんな場合、犬の食事を変えることによって、石ができることを防げる。結石は、痛いだけでなく治療費も高額です、とボイコ氏はいう。

同社の検査技術は独自の遺伝子型判定技術を軸とし、これまでに20万以上の遺伝子マーカーを分析している。ボイコ氏によると、それは現在市場にあるどのDNA検査と比べても2倍以上の情報量がある。これによってEmbarkは今や、犬の健康と生物学的情報に関する世界最大のデータベースを持ち、同社はさまざまな状況や条件へのインサイトを可能にして、健康のリスクや特性、また犬種に関する、新たな発見を可能にしている。

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Embarkは犬の飼い主や獣医にとっての、ケアのスタンダードになることを狙っている。同社は2019年から2020年にかけて235%成長し、年商は過去2年間で5倍増した。このような高い成長を支えるために同社は、今度の資金を新たな雇用とデータベースの拡大に充てるつもりだ。ボイコ氏によると、2021年から2022年にかけて100人増やすという。

ボイコ氏によると、米国のペット市場はまだまだ伸び代がとても大きい。実際、American Pet Products Associationによると、2020年のペットへの支出は1000億ドル(約11兆200億円)近くに達し、2019年の957億ドル(約10兆5400億円)と比べて大きく増えている。

またCrunchbaseのデータによると、米国のペット企業に対するベンチャーキャピタルの関心は、栄養食、旅行、ヘルスケアなどすべてを含めて2019年から2020年にかけて 29.5%成長した。Embarkの資金調達だけでなく、2021年はその他のペット関連スタートアップにとっても良い年で、たとえばペット保険のWagmoは1250万ドル(約13億8000万円)を調達し、犬の居場所を本人の首輪からWi-FiやBluetoothで教えるFiは3000万ドル(約33億1000万円)を調達、そしてドッグシッター / ウォーカーのRoverは、SPACという手法による上場を発表している

SoftBank Investment AdvisersのパートナーであるLydia Jett(リディア・ジェット)氏は、ペット関連の投資はこれが初めてだが、Embarkはこの分野に進歩をもたらそうとしており、それは、どんなことをしてもペットをできるかぎり長生きさせたいという、飼い主の願いにも応えるものだ、と語っている。

ジェット氏によると、同社の経営がDNA分析を軸としていることには将来性があり、ペットに対して遺伝子分析の大きな市場を初めて開き、ペットに対する愛情とその長寿のための技術を結びつけたことの市場性はとても大きい。

「同社は変化を推進しています。私たちは消費者市場への投資企業として世界最大ですが、消費者のプライオリティと選択に関する弊社のポートフォリオとEmbarkが目指すものは完全に一致しています。それは、とても大きなトレンドであり、しかもペットのための個体化は、まだまだ初期の段階です」とジェット氏はいう。

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カテゴリー:その他
タグ:DNAEmbark VeterinarySoftBank Vision Fund資金調達ペット

画像クレジット:Olga Gimaeva/EyeEm/ Getty Images

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(文:Christine Hall、翻訳:Hiroshi Iwatani)

犬にも猫にも使えるスマホ並みの健康管理デバイスPetVoiceがMakuakeに登場

「ペットに健康な毎日を」を掲げるPetVoiceが、犬、猫を対象としたペットの健康管理ウェアラブルデバイスの先行予約販売を、2021年7月27日よりMakuakeで開始した。

同社は2020年7月にCEOの深田篤氏とCTOの大城啓吾氏が設立。深田氏は、家族に迎えた保護猫があまりに人間慣れしておらず、自宅で迎えた当初は怯えてストレス過多な状態であったことから、これを理解して解決してあげられるサービスが欲しいと思ったことがきっかけだったという。当初はオンライン診療サービスを考えたが、動物は病状を言葉で伝えられないため、会話以外の手段としてデータ計測とオンライン相談をセットでリリースすることにした。大城氏はSonyでXperiaの開発設計をしていたが、現在は取締役CTOとしてPet Voiceのハードウェア開発、機械学習構築等に従事しているという。

スマホ並みの高機能首輪デバイスでペットの健康状態を把握

同サービスは首輪型ウェアラブルデバイス「PetVoice CORE」、データの中継と充電を担うホームデバイス「PetVoice HOME」、そしてスマートフォンアプリの3つから構成される。アプリでは、デバイスで検知したデータが確認可能で、異変を検知したら、全国150の提携済み獣医に相談が可能だ。「獣医師からしても、ペットが家でどう過ごしているかデータがあるほうが正確な検診ができる」と深田氏はいう。

通常、体温は直腸計測を行うが、首で取得した表面温度は直腸体温との相関関係が確認されており、深部体温が推定可能だそうだ。動物の種別や毛量を入力することで、より正確に計測できるとのこと。HOME側には気温センサーもあるため、季節やエアコンの影響を調整することもできる。また、行動測定のため、COREには、加速度センサーとジャイロセンサー、地磁気センサーの3つが搭載されている。生後半年からの着用が推奨されているそうだ(ベルトで長さ調節は可能)。

安価で高性能を目指す、犬猫の両方に対応

Makuakeでは買い切りモデルとして販売し、今後は月額サブスクで販売していく予定。競合製品との比較では、高性能で安価を目指した。すでに市場に投入されている製品の価格は1万円から2万円だが、エントリーハードルを下げるためにサブスクリプションモデルを採用している。性能では、相対的に重量がさほど変わらないままで、搭載センサーを増やしており、取得可能データが多い。

主な対象としては、病院に行く機会が増えてくる高齢の犬猫を想定しているというが、具合が悪くなってからでは遅いため、健常な犬猫に対しても日常的にデータを取得することで、予防医療につなげるねらいだ。

苦労したこととして、深田氏は犬猫両方に対応させたことを挙げた。「1点目は、猫は首輪を外れやすくする(首吊り防止)、犬は外れにくくするというこれまでの前提があり、その両方に対応させること。2点目は、生態データや行動データを取得し機械学習していく上で、体格や習性など、動物の前提が大きく違うため、分析に対応すること。体格別にデータ分析をしていきたい」と述べた。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:ペットPetVoiceMakuakeクラウドファンディング日本

GPSで迷子の犬や猫をトラッキングする「Tractive」がオーストリアから米国へ進出

犬や猫といったペットの行方を追跡するスタートアップに米国時間5月26日は、またまた大きな投資があった。オーストリアのTractiveが、Guidepost Growth EquityがリードするシリーズAで3500万ドル(約38億2000万円)を調達した。GPSを利用したペットトラッカーを開発する同社が創業したばかりの2013年以来の資金調達となる。

今回の資金調達で同社は、米国への本格的な進出を発表した。実は同社のLTEトラッカーは2020年夏に米国でも発売されたため「ソフトローンチ」は済んでいる。これまでオフィシャルな発表は何もなかったが、米国はこの製品にとって最速の成長市場になったようだ(訳注:米Amazonに多数のレビューがある)。

資金は米国を含む北米市場への拡張に向けられるが、企業の規模拡大や人員確保にも使われる予定だ。人員確保に関しては、同社はすでに北米地区担当の上級副社長とマーケティング担当副社長を任命している。

共同創業者でCEOのMichael Hurnaus(マイケル・ハーナウス)氏が、プレスリリースで次のように述べている。「Tractiveは、あなたの犬や猫のためのシートベルトのようなものです。どんなときでも、どんな場所でも役に立ちます。ペットの飼い主のみなさんの、犬や猫に対する愛情にふさわしい性能を実現しているため、Tractiveは最新の情報による最良の体験をユーザーにお届けします。仮想フェンスを設定することで日常の監視にも役に立つし、カロリー測定による肥満防止や、迷子になった犬や猫の発見も可能です」。

同社のもう1つのニュースは、新製品としてバッテリー寿命を長くしたバージョンの登場だ。Wi-Fiを使うことで、犬が家にいるときにはバッテリーへの負荷を下げる。それにより、バッテリーの寿命は旧バージョンの5倍になったという。本体価格は米国で50ドル(約5450円)、アプリは月額の会費を払う。

2021年2月には、ペット用スマート首輪のFiが3000万ドル(約32億7000万円)のシリーズBを発表している。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:TractiveペットオーストリアGPSトラッカー資金調達

画像クレジット:Tractive

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(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)

ペット業界に特化したTYLが獣医師往診サービス「anihoc」開始、往診料金税込5500円

ペット業界に特化したスタートアップTYLは5月19日から、獣医師往診の新サービス「anihoc(アニホック)」の提供を始めた。anihocは獣医師が飼い主の自宅や専用の往診車で、ペットの健康診断や内科全般などの獣医療を行うサービスだ。

TYLは2017年に設立され、「ペットの家族化推進」をミッションに掲げる。同社はペット業界の求人サイト「アニマルジョブ」や、動物 / ペットに関する通信資格・講座の比較・資料請求ができる「動物資格ネット」などを提供している。

anihocでは専用のウェブフォームから予約すれば、最短即日で往診サービスを受けられる。コロナ禍での「外出を控えたい」「待合室での密な状況」といった悩みをanihocで解決していく考えだ。

TYLの取締役/獣医師の藤野洋氏

TYLの取締役で獣医師の藤野洋氏は、同日に開かれたオンライン会見で「飼い主やペットも普段と変わらない生活環境で獣医療を受けることができます。『待合室での時間』『ペットと通院する負担』といった既存の獣医療の課題を解決し、DX化する新たなサービスでもあります」と語った。

コロナ禍でペット関連市場は変化

新規飼育者によるペットの飼育頭数は、2018~2020年の推移をみると増加傾向にある。藤野氏は「コロナ禍でペットの立ち位置の変容がありました。人との関わり合いの希薄化やお家時間の増加などにより、これまでよりも『癒しの存在』『コミュニケーションパートナー』といった傾向が顕著になり、ペットの家族化が進んでいます」という。

また、ペット1匹にかける平均支出額の推移では、犬猫とも2019年に減少したものの、2020年に犬は約34万8561円、猫は16万4835円といずれも過去最高額となった。コロナ禍によってライフスタイルの変容や生活環境に影響が出てことで、ペット市場にも変化が生じているのだ。

anihocの全国展開を目指す


anihocの往診はTYL社員の獣医師3人体制で行う。獣医師3人で1日、1人当たり飼い主3人に対応できるという。藤野氏は「今後は獣医師の人数を増やしていきたいと思っています」と語った。また、犬や猫だけでなくハムスター、ウサギ、フェレットなどもanihocの対象となっている。

現在は東京都内23区を中心に、埼玉県南部と神奈川県北部の一部エリアでサービスを提供する。診察料はすべて税込みで、初診料が2200円、再診料が1100円、往診料金が5500円、深夜料金(午後7時~9時)が1万1000円となっている。

TYL代表の金児将平氏

TYLの金児将平代表は「私自身、犬を飼っています。ただ、よく吠えてしまうので、動物病院に行くと待合室で冷たい目で見られることもありました。動物病院に行きたくても行けない飼い主は多いと思っています。そのような方々のためにもサービスの普及に力を入れ、全国展開を目指していきます」と意気込みを語った。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:TYLペット日本DX