新型コロナと戦う500 Kobe Accelerator 2020の参加スタートアップ17社が決定、国内からは6社が選出

神戸市は8月27日、米国・シリコンバレーのベンチャーキャピタル「500 Startups」と共同開催の 「500 KOBE ACCELERATOR」の2020年の参加チームが決定したことを発表した。5回目となる今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止をテーマに「500 KOBE Accelerator 2020 for COVID-19 Emerging Technology」という名称で、社会課題の解決を目指すスタート アップを募集した。

プログラムをすべてオンラインで実施され、9月7日から10月30日の8週間に渡ってメンタリングや講義、コミュニティ形成支援などを実施。11月12日に開催するデモデイで投資家や事業会社に成果を発表することになる。

今回は応募総数は 237社で、国内は75社、海外は162社という内訳となった。今回参加企業に選ばれたのは17社で、国内6社、海外 11社となった。以下、参加スタートアップを国別に紹介する。

なお、メンターは500 Startupsが担当するが、神戸市からはスペシャルメンターとしてビジョンケア代表取締役社長の高橋政代氏が加わる。

日本

Sportip
AIによる動作解析やコミュニティ機能を備えた、フィットネスクラブ・整体医院向けの指導効率化サー ビス「Sportip Pro」および個人向けサービス「Sportip Meet」の提供。

Zenu
スマートフォンで飲食店での注文や決済が可能となる飲食店向けの簡易デジタルメニュープラット フォームを提供。飲食店は購買データの分析も可能。

Pocket Passport
オンラインで特別な英語レッスンを簡易に作成しスケジュール管理も行える教育者向け授業管理プラッ トフォームの提供。

Kalkul
空間音を活用してデジタルとフィジカルを融合を図る新たなオーディオ機器の提供。

Dream Drive
カスタムキャンピングカーのオンラインリースサービスの提供や日本国内のロードトリップ情報を発信。

Langualess
動物の心拍を計測し、心拍データをアルゴリズム解析することで、動物の状態や感情を読み取ることの できる機器の開発・販売。

米国

Humaxa
AIによるチャットボットやレコメンド機能を活用し、従業員の定着率向上や管理の効率化を実現するリ モートワーク向けAIアシスタントツール「Max」の提供・開発。

LearningPal
AIの活用により事務作業の80%を削減可能とする、紙資料のデジタル化と文書管理のための企業向けプ ラットフォームを提供・開発。

台湾

AESOP Technology
過去の処方箋データを用いた機械学習システムにより、投薬誤りを特定する精度を向上させ、医療に関 わる不必要なコストの削減を図る。

Brain Navi Biotechnology
AIによるデータ解析、コンピュータビジョン、ロボットアームを活用した手術ナビゲーションシステム 「NaoTrac」や感染症の検査ロボット「Nasal Swab Robot」など医療機器の開発。

インド

Health Sensei
バイタルデータの遠隔モニタリングと患者データのオンライン管理を行える遠隔治療プラットフォーム の提供。

Chezuba
60か国以上のNGOと100か国以上の専門的なスキルを持つ個人をつなぐオンラインボランティアプラッ トフォームの提供。

シンガポール

Meracle
薬の管理と投薬効果のデータの解析により慢性呼吸器疾患の治療効果を高める治療ツール「Meracle」 の提供・開発。

SenzeHub
体温、心拍数、血中酸素量、血圧など、バイタルデータのリアルタイムモニタリングによる健康管理を 行う、ウェアラブルデバイスの販売・開発。

アルゼンチン

Osana Salud
オフラインとオンラインの双方で日々の健康管理を行う、サブスクリプション型プライマリーケアサー ビスの提供。

フィリピン

Parmazip
薬局向けのオンライン無料POSおよび在庫管理システムの提供を通じ、薬データをオンラインで共有 し、薬のオンライン受注と配送を可能にする。

オーストラリア

Yondo
1対1のビデオ通話やグループウェビナー、オンデマンド動画など、様々な業種に向けオンライン動画に よるセールスソリューションを提供するEコマースサービスを提供。

神戸市がスタートアップとの協働で年間5000時間超のリモートワークを推進、5年で4億円超のコスト削減を目指す

神戸市は8月26日、Honeycomeモンスター・ラボママスクエアのスタートアップ3社と協働し、教育委員会における職員の給与支給業務の効率化の研究結果などを発表した。

これまで給与支給業務では、職員が紙の書類を提出し、給与支給部署の担当者が届いた紙書類を1枚1枚点検して手当の金額を決定するという方法で処理されてきた。また、給与システムで計算した給与データの誤り点検は、出力したデータをPC上のエクセルを使って人間が目視点検するという方法だったという。

前述の4者の協働研究の結果、現在では明らかに非効率な同市の給与支給業務を刷新することを決定した。届出から手当の決定までをインターネット上で処理できるシステムを開発。紙ベースだった給与関係の届出書類を電子化してネット申請可能にし、書類の受付・入力などの業務を削減したという。さらに届出の提出件数や処理状況をBIツールを活用して可視化した。

給与データの誤り点検については、電子化した届出のデータをRPAやAIを活用して業務の自動化を進めた。なお、通勤手当・住宅手当の決定事務の効率化についてはモンスター・ラボ、給与システムの刷新についてはHoneycome、届出システムの構築・ワークライフバランスの推進についてはHoneycomeとママスクエアがそれぞれ担当した。

神戸市によると上記のワークフローの導入によって、ネット経由で処理が可能になり、職員の在宅勤務化(対象職員計年5000時間超)やワークシェアが実現できたそうだ。また自動化による業務時間削減効果は年間で6000時間超と見積もっている。費用削減効果は、5年間で4億円という試算だ。

今後のスケジュールとしては、市役所の教職員課とスタートアップでスクラム開発を続け、今年度中にテストを兼ねて実戦投入する。その後、2021年度の予算化、本格導入に向けて、システムや業務、セキュリティなどについて調整を進めるとのこと。

なお、今回協働したスタートアップ3社は、神戸市が地域課題解決プロジェクトとして昨年立ち上げた「Urban Innovation KOBE」(現在はUrban Innovation JAPAN)で「給与支給に関する事務改善の取り組み」に応募した中から選ばれた。同プロジェクトの採択案件については、開発されたアプリやシステムを神戸市が随意契約できる制度を活用して調達する予定だ。もちろん実際には、審査会に申請するかたちとなる。

Honeycomeは2017年8月設立のスタートアップ。ITシステムの構築・運用、インターネットを利用した各種情報提供・情報処理サービス、コンサルティング事業を手掛けている。

モンスター・ラボは、2006年2月設立の企業で、デジタルコンサルティング事業、RPAツールや店舗向けオーダーシステムなどプロダクト事業を展開している。

ママスクエアは、2014年12月のスタートアップ。託児付きワーキングスペースの運営・展開、コールセンター、バックオフィス、マーケティングリサーチ業、保育、託児施設の運営など行っている。

神戸市が新型コロナ対策として遠隔ICUシステムを導入、スタートアップのT-ICUと連携

神戸市は8月12日、新型コロナウイルス感染症患者の入院を受け入れている市内の医療機関に「遠隔ICUシステム」を導入することを発表した。遠隔地からネットワークを通じて集中治療専門医による診療支援が可能にすることで、重症化の早期発見など感染症患者への適切な医療の提供と市内の医療提供体制の充実を図るのが狙いだ。

現在、神戸市内の医療機関のすべてで新型コロナウイルスに感染した患者を受け入れられる態勢が整っているわけではない。一部の医療機関が、軽症・中等症患者向け病床と、重症者向け病床を確保して懸命に治療に当たっているという状態だ。しかし現状では、中等症患者が重症化するリスクを考慮して、各医療機関が重症者病床を設けている中央市民病院に患者を早期に転送することが多くなっている。これにより最後の砦である中央市民病院の業務が逼迫するという悪循環が起きる恐れがある。

一方で市内すべての医療機関が感染症の専門ではないため、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる医療機関であっても、重症化しつつある患者の見極めが難しいケースもあり、結果的に治療が遅れてしまうリスクもある。

神戸市はこういった問題を解決するために、遠隔ICUシステムを導入。専門医によるリモート診断によって、軽症、中等症、重症を見極め、適切な処置が受けられる医療機関に患者を振り分けることで、重症者向け病床を持つ中央市民病院はもちろん、軽症・中等症患者向け病床を持つ市中の医療機関が逼迫しないように調整するのが狙いだ。

遠隔医療には、神戸市拠点のスタートアップであるT-ICUが開発したシステムを利用。市内の医療機関に導入するこで、T-ICUに登録している集中治療専門医が待機するサポートセンターとネットワークでつなぎ、生体情報モニター、電子カルテなどの情報を共有してテレビ会議にてコンサルテーションを行うという。もちろん、感染症指定医療機関である神戸市立医療センター中央市民病院が、T-ICUに知見を共有し、治療方針などの助言も行う。

導入スケジュールは以下のとおり。

  • 2020年4月〜:中央市民病院と西市民病院、および西神戸医療センターの間で試験導入し、有用性を検証
  • 0220年8月:市内医療機関での導入先調整
  • 2020年9月:システム設置、運用開始
  • 2021年3月末:事業終了予定(新型コロナウイルス感染症の状況により延長の必要性を検討)

新型コロナ禍で神戸市がマイクロソフトと包括連携、Power Virtual Agentsでチャットボット、Twilioで音声自動案内などを構築

神戸市は6月4日、マイクロソフトとの包括連携についての記者発表会を開催した。新型コロナウイルス感染蔓延に関連する情報発信や特別定額給付金に対する市民からの問い合わせに迅速に対応する目的で、同社の業務アプリケーションプラットフォーム「Microsoft Power Platform」と、その他の企業のテクノロジーを活用する。

なお、今回の提携によって神戸市が開発した新型コロナウイルス対策に関連するサービスは、すべてオープンソースとして公開される。ほかの自治体は、Microsoft Azureなどのクラウド環境を構築するコストは別途必要だが、神戸市と同様のシステムを無償で利用可能になる。

新型コロナウイルス関連の市民からの問い合わせ対応については、Microsoft Power Platformに含まれるチャットボット作成サービス「Power Virtual Agents」を利用して「新型コロナウイルス健康相談チャットボット」を開発。
感染したかどうか不安な市民が24時間いつでも受診先などを相談できるようになっている。現在のところ1日あたり100件ほどの利用実績があるという。

新型コロナウイルス関連の情報公開については、こちらもMicrosoft Power Platformに含まれるデータ分析サービス「Power BI」を利用したウェブサイトを構築。これまで市役所のウェブサイトで分散していた情報を1つのサイトに集約した。
集約したウェブサイトはダッシュボードタイプになっており、PCやスマートフォンなど視聴するデバイスごとに最適化されたレイアウトで情報をチェックできる。データの取得や加工、可視化などをすべて自動化したことで常に最新の情報を参照できるとのこと。現在1日あたり1万件ほどのアクセスがあるとのこと。

誰もが気になる特別定額給付金についても、Microsoft Power Platformに含まれるアプリ作成サービス「Power Apps」を利用した検索サービスを構築。検索サービスに10桁の申請番号を入力することで、申請状況を確認できるようになっている。

ピーク時には1日4万件を超える電話問い合わせがあるなど窓口が逼迫していたが、検索サービスの構築後は電話の問い合わせは4万件から3000件に減少。一方で検索サービスのアクセス数は1日あたり3万5000件になったという。

さらに、PCやスマートフォンを使っていない市民に対しては音声による申請状況自動案内サービスを6月5日から提供する。こちらは米国サンフランシスコ拠点のTwilioのAPIを活用している。電話口で10桁の申請車番号を電話機のプッシュボタンで入力することで、申請状況を音声で確認できる。ちなみにTwilioは、国内ではKDDIウェブコミュニケーションズが代理店となっている。

神戸市は今回のマイクロソフトとの包括提携により、新型コロナウイルス関連サービス以外にも、各種申請手続きのオンライン化や遠隔医療、遠隔教育、IoT機器や5Gを活用したモニタリングなどの施策を同社とともに進めていく計画だ。

 

神戸市が遠隔操作ロボを使った新型コロナPCR検査や非接触看護ロボの開発・社会実装支援へ

神戸市は6月3日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、医師が遠隔操作することでPCR検査を可能にするロボットや、医師や看護師、看護助手が新型コロナウイルスの感染者を非接触で看護可能にするロボットの開発・社会実装支援を進めていくことを発表した。

パートナー企業は、医療用ロボットの開発などを手掛ける2014年に設立で神戸市拠点のメディカロイド。同社は、川崎重工業とシスメックスがそれぞれ50%出資する合弁会社だ。今回の提携により、神戸市と公益法人の神戸医療産業都市推進機構が、メディカロイドに対して助言や協力のほか、助成金などで支援する予定だ。

現在のPCR検査は、医師が対面で患者の鼻に綿棒を入れて検体を採取する方法が一般的だ。そのため、採取時に患者の咳やくしゃみによる飛沫感染を防ぐため、一般の患者とは隔離された場所を設けるのはもちろん、医師や看護師は防護服を着用する必要があった。この検体採取を医師が遠隔操作するロボットを使うことで、医師や看護師の感染リスクを大幅に下げられる。

医師側でロボットを操作する訓練は必要だが、検体採取用の綿棒が患者の鼻腔のどこまで奥に挿入されているのか、鼻腔内の鼻水や鼻くそなどの障害物で綿棒に負荷がかかっているかなどをリアルタイムでモニターできるため、対面での検体採取と変わらないレベルの作業が可能とのこと。

もちろん、採取した検体を使った実際のPCR検査にもロボットを導入する。具体的には、検体のウイルス不活性処理、自動核酸抽出装置を使った核酸抽出、リアルタイムCR装置による遺伝子増幅などを経て結果判定となる。これらの工程にロボットを導入することでを24時間フル稼働でのPCR検査が可能になるという。現在神戸市では1日あたり、行政検査で最大242検体、病院・医師会で最大220検体の採取が可能とのことだが、ロボットを併用した24時間のPCR検査が実現すれば検査スピードの大幅な向上が期待できる。通常、保健所の労働時間は8時間程度なので単純計算で3倍の検査スピードになる。そして、新型コロナウイルスに感染した患者のケアについては移動型ロボットを導入する、具体的には食事や薬の搬送、検温などのバイタル測定を担当。検体採取時と同様に、ロボットが運搬を担うことで看護師や看護助手などの感染リスクを大幅に減らすことができる。なお、この看護ロボットには、産業用移動ロボットの「TRanbo」が使用される予定だ。

看護ロボットはクラウドで医師や看護師、感染症指定医療機関、PCRセンターなどと繋がっているので、感染患者の受け入れなどで迅速な連携も可能になりそうだ。

メディカロイドは、今後は神戸市や神戸市内の医療機関と実証実験などを進め、今年10月を目標に一般の医療機関への導入を進めたいとのこと。ただし、検体採取など医療行為と見なされるロボットの操作については関係各省庁の許認可が必要のなので、一部の工程のロボット化については10月以降にずれ込むと考えられる。

ふるさと納税を利用した「ふるさと神戸ダブル応援基金」が誕生、寄付金の2倍がコロナ禍で苦しむ事業者支援に

神戸市は5月8日、「ふるさと神戸ダブル応援基金」の創設を発表した。ふるさと納税制度を利用し、新型コロナウイルスの影響で業績が落ち込んでいる事業者を個人と神戸市が共同支援する取り組みだ。ふるさとチョイスのプラットフォームを利用し、寄付(ふるさと納税)を募る。

一般的なふるさと納税は、住民登録している自治体以外に寄付というかたちで納税することで、当該自治体から返礼品を受け取れるうえ、実際の住民税が減額されるというメリットがある。一方のふるさと神戸ダブル応援基金によるふるさと納税では、寄付金額と同額を神戸市が一般財源から支出して、事業者を支援するための基金とする。つまり個人や企業が10万円をふるさと納税すると、その倍の20万円が基金として蓄積されるわけだ。

蓄積された基金については、上図の8項目から使い道を指定できる。返礼品の受け取りも可能で、神戸市の全返礼品約170点の中から選べる。加えて神戸市は本日より、新型コロナウイルスの影響で売上が減少した事業者を対象に新規返礼品の公募も開始する。なお市外企業の場合、税の軽減効果が最大約9割となる、企業版ふるさと納税を使ってふるさと神戸ダブル応援基金へ参加することも可能だ。

神戸市では、神戸市立医療センター中央市民病院や介護施設などでクラスター感染が発生し、一時深刻な状態に陥っていたが、新型コロナウイルスの感染者数は4月25日から減少傾向が続いており、5月以降の感染者についてはすべて感染経路を追えているという。

また、4月26日に医療関係者の支援のために創設された「こうべ医療者応援ファンド」については、5月8日12時現在で1億9739万5528円が集まっていることも明らかになった。5月12日には、その使い道を決める第1回ファンド分配委員会を開催し、医療機関への分配が始まる予定だ。

新型コロナウイルス 関連アップデート

神戸市が新型コロナ対策でUber Eatsに続き出前館と連携、店舗側は手数料減免、利用者は500円相当のポイント

お役所なのに仕事が早い。神戸市は4月24日、出前館との事業連携協定を締結したことを発表した。中小飲食店を対象に出前館のサービス利用料の半額助成などを含む「KOBE出前シフトサポート」を展開する。実施期間は緊急補正予算の議決予定日で5月1日から7月31日までの3か月間予定。状況を見ながら期間の延長も検討するとのこと。なお、出前館と連携により、出前館のインフラを利用しているLINEデリマやdデリバリーとの連携も可能になる。

対象となるのは、中小企業基本法第2条に規定する中小飲食店約200店舗+新規参加店。具体的な施策は以下のとおり。

飲食店

  • 出前館サービス利用料の半額ぶんを助成(神戸市と出前館が半分ずつ助成、大手フランチャイズチェーンの直営店および中小飲食店に該当しない店舗は対象外)
  • 初期制作費用2万円の免除を5月7日~7月31日まで延長(出前館が助成)
  • 配達代行手数料を助成し、税別代金の30%を23%に(出前館が助成)

就労者

  • 休業・営業短縮を余儀なくされている市内飲食店勤務者を対象に「飲食店向け緊急雇用シェア」を積極的に展開し、迅速かつ柔軟な雇用確保を支援(出前館が助成)
  • 上記取組みをPR支援(神戸市が実施)

家庭

  • 出前館で使えるTポイント500円ぶん還元、もしくはLINEデリマやdデリバリーで使えるクーポンの提供(神戸市と出前館が半分ずつ助成、1人1回、送料を除いて1000円以上の注文のみ、5月1日10時〜5月14日23時59分の期間中の注文が対象)

関連記事:神戸市がUber Eatsと連携して市内の営業エリア拡大、新型コロナ対策で中小飲食店が支払う手数料を4割減免へ

新型コロナウイルス 関連アップデート

神戸市と500 Startupsの支援プログラムが6月開始、新型コロナと戦うスタートアップを国内外から募集

神戸市長の久元喜造氏は4月23日、神戸市と米国のベンチャーキャピタルである500 Startupsと連携したスタートアップ育成プログラム「500 KOBE ACCELERATOR」の参加募集を6月から開始することを明らかにした。新型コロナウイルス蔓延のため、プログラム自体は完全にオンラインで実施され、プログラムの成果を発表する場であるDemo Dayも現在のところオンラインでの開催を検討しているとのこと。

なお、すでに4月20日から神戸市独自で同様のプログラムの募集が始まっているが、重複して応募することも可能とのこと。

関連記事:神戸市が新型コロナと戦うスタートアップを募集、2営業日以内のオンライン一次審査後に社会実装へ
500 KOBE ACCELERATORは、約6週間の短期集中型起業家支援プログラムで、日本発のスタートアップエコシステムを神戸から生み出すことを目指して2016年から開催しているもの。第4回の昨年は、ヘルステック領域に特化。神戸市は、人工島であるポートアイランドに先端医療技術の国際的な研究開発拠点として神戸医療産業都市を有しており、医療関連のスタートアップを育成する環境が整っていることからテーマが決まったそうだ。申込数は174社で、そのうち半数以上が海外からの申し込だったとのこと。第1回からの採択企業の累計資金調達額は100億円を超える。そのうち3社はM&Aによる事業買収を受けたほか、8社は現在も神戸を拠点に活動している。

5回目となる今年は、さらにジャンルを絞り込み新型コロナウイルス(COVID-19)と戦うスタートアップ企業を募集する。開催概要は以下のとおりだが、コロナウイルス感染への治療や創薬、一部の医療機器開発などの事業は対象外となる。

また投資プログラムではないため、採択された企業への500 Startupsの基本的に出資はない。プログラムは原則として英語で実施されるが、講義ビデオは日本語字幕付きで、メンタリングは必要に応じて逐次通訳でサポートする。

  • プログラム名:500 KOBE Accelerator 2020 for COVID-19 Emerging Technology
  • 募集期間:2020年6〜7月(予定)
  • プログラム期間:2020年8月から10月(予定)
  • 開催方法:オンライン(デモデイの開催方法は社会状況に応じて今後検討)
  • 対象領域:ウイルス感染予防、公衆衛生などに関する正確な情報発信(デマ防止)、健康管理、リモートワーク・学習、食品物流、オンラインイベントなど
  • 参加資格:国内外の起業家または起業家候補でシード(最小限のプロダクト・モデルを開発済み)、アーリー(製品開発済み、顧客あり、第三者からの投資を獲得する段階)期にある ※すでに製品やサービスを持っており、チーム活動しているスタートアップを推奨
  • 参加者枠:20チーム

プログラム内容は以下のとおり。

  • メンタリング:500 Startupsのグローバルスタッフによる1対1形式のメンタリング
  • 講義:マーケティングやマネタイズ手法、UX/UI、資金調達などに関する専門家による講義
  • コミュニティ:選抜されたスタートアップのコミュニティ形成支援
  • 神戸医療産業都市のサポート

記者会見で久元市長は、新型コロナウイルス感染症対策で1624億円の緊急補正予算を組むことも発表。

この予算により、医療や教育、ひとり親やDVの被害を受けている人、中小企業への支援などを進める方針だ。そして、500 KOBE ACCELERATORプログラムでスタートアップの力も借りて戦後最悪ともいえる難局を乗り越える。

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国連PS機関がソニーとタッグ、神戸拠点に気候変動への対処に取り組むスタートアップなどを募集

国連プロジェクト・サービス機関(UNOPS)とソニーは4月21日、UNOPSが開催する持続可能な開発目標(SDGs)に取り組むスタートアップ起業やテクノロジー企業を支援する「Global Innovation Challenge」プログラムを通じて協業を開始することを発表した。

本プログラムに選定された企業は、兵庫県神戸市に開設予定のUNOPSのGlobal Innovation Center Japan(グローバル・イノベーション・センター・ジャパン、GIC Japan)に入居し、Sony Startup Acceleration Program(ソニー・スタートアップ・アクセラレーション・プログラム、SSAP)の育成プログラムにも参加可能で、アイデアの実現に向けたさまざまな支援を得られるのが特徴だ。

募集テーマは「テクノロジーを用いた強靭なインフラを作り、気候変動への対処を強化する」。地域ごとに多様性をもった非構造データである気候や森、海といった資源のデータを、データをセンシングとAI技術で的確に分析し活用することで、迅速な気候変動の対処や豊かな森と海の創出に貢献することを狙うテーマ設定となっている。募集概要は以下のとおり。

  • 募集期間:中央ヨーロッパ時間2020年7月31日24時まで(日本時間2020年8月1日8時まで)
  • 応募方法:UNOPSの応募サイトにて受け付け
  • GIC Japan開設時期:2020年夏以降を予定
  • GIC Japan開設場所:三井住友銀行神戸本部ビル2階(兵庫県神戸市中央区浪花町56)

UNOPSは、デンマーク・コペンハーゲンに本部を置く、プロジェクトサービス(事業運営・実施)に特化した国連機関。世界80か国以上で毎年1000件以上の援助事業を実施している。通常資金(コア予算)に対して各国政府から資金提供を受けず、事業運営の実施のみですべての経費をまかなう完全独立採算の機関で、ほかの国連機関や国際開発金融機関、援助国および被援助国政府などからの依頼に基づき、援助事業のプロジェクト推進を進めている。具体的には、アフガニスタンでの道路舗装や太陽光発電を利用した街灯の敷設、ヨルダン北部では老朽化した配水管を修復して漏水を削減する事業などを進めた。

GIC Japanは、国内外におけるスタートアップを集積・育成と、日本で創出されたSDGs課題解決型サービスが国連を通じて調達に結び付けるインキュベーション施設。グローバルでは神戸が3拠点目となり、2018年1月にカリブ海東部の小アンティル諸島にあるアンティグア・バブーダ、2019年10月に本部のデンマークの隣国であるスウェーデンに開設している。今後は発展途上国を中心にGICの設置を進めていく予定で、すでにモンテネグロ、チュニジアへの設置も決まっている。

SSAPは、2014年にソニーのスタートアップの創出と事業運営を支援するSeed Acceleration Program(シード・アクセラレーション・プログラム)として始まった取り組み。これまでに国内外でソニー社内を中心に750件の新規事業案件を審査し34件を育成し、14件の事業立ち上げを通じて培ってきた経験やノウハウを、スタートアップ支援サービスとして社外にも提供するものだ。2018年12月にはソニー本社オフィス内に、社外の新規事業プロジェクトが入居可能な専用スペースが設置し、社外との連携を強化。2019年2月20日より、名称をSony Startup Acceleration Programに変更している。

なお、SSAPでは本プログラムの応募に向けてアイデアをもう少し整理したい応募者に対して、新規事業を始めるために必要な準備を効率よく進めるための無料のウェブアプリ「StartDash」を提供している。アイデアはあるが何から始めたらいいかわからないという場合に、チェックリスト形式の質問に回答していくだけで事業化に向けた準備を進められる。

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神戸市が新型コロナと戦うスタートアップを募集、2営業日以内のオンライン一次審査後に社会実装へ

神戸市は4月20日、新型コロナウイルス(COVID-19)蔓延に伴う経済停滞や市民生活支援などのソリューショを有するスタートアップを募集することを発表した。本日から募集を開始し、最短2営業日で一次審査を実施し、その後1週間をメドを2次審査と実証実験の開始時期を随時連絡するという、スピード感のあるプログラムだ。つまり、手を揚げたスタートアップから順に、1次審査、2次審査を通過すれば神戸市と共同で実証実験を進められる。募集終了の期限は現在のところ決まっていない。

募集テーマは以下のとおりで、対象となるスタートアップは創業年数や資金調達のステージを問わない。新型コロナウイルスと戦えるサービスや製品を開発しているスタートアップすべてが対象だ。同プログラムは専用のウェブページから申し込める。

  • データ解析
  • 感染恐れ確認
  • 困窮事業者支援
  • 市民生活支援などのための技術

採択企業への支援内容は以下のとおり。

  1. 市担当部署とのサービス開発に向けた調整
  2. 実証実験の実施協力
  3. 開発のための支援金提供(上限50万円/チーム)
  4. 成功モデルについての早期実装をサポート

審査により選ばれたスタートアップへは1件あたり上限50万円の事業資金が神戸市から提供されるほか、市民によるテスト利用や市役所業務の中での試行導入・実証実験などが可能になる。実証実験に成功したモデル(製品、サービス)については神戸市での実装も検討する。

担当者によると、このプログラムは4月上旬に発案し、神戸市役所でも異例のスピードで実現に漕ぎ着けたという。同市は2018年から柔軟な発想や優れた技術力を持つスタートアップと社会・地域課題を詳しく知る職員が協働して最適な解決手法を見出し、サービスとして構築・実証までを支援する「Urban Innovation KOBE」(UIK)と呼ばれる取り組みを進めており、今回のプログラムもUIKの枠組みの中で実施される。

そのほか神戸市は、米国サンフランシスコのベンチャーキャピタルである500 Stattupと共同開催のアクセラレーションプログラム「500 KOBE ACCELERATOR」を過去4年開催しているほか、2019年11月には、国連の機関であるUNOPS(United Nations Office for Project Services、国連プロジェクトサービス機関)との間で、テクノロジーを活用してSDGs(持続可能な開発目標)上の課題解決を目指すグローバルイノベーションセンター(GIC)の開設に向け、基本合意書(MOU)を締結。2020年4月にはUber Eatsとの提携による飲食店のデリバリーサービスの開始支援を始めるなど、スタートアップ企業との関わりが深い。

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神戸市がUber Eatsと連携して市内の営業エリア拡大
新型コロナウイルス 関連アップデート

神戸市がUber Eatsと連携して市内の営業エリア拡大、新型コロナ対策で中小飲食店が支払う手数料を4割減免へ

神戸市は4月10日、Uber Eatsとの事業連携協定の締結を発表した。同時にUber Eatsを活用した飲食店支援策「Uber Eats + KOBE」を実施する。新型コロナウイルスの影響で、売上が落ちている市内の中小飲食店の売り上げアップと、ライフスタイルに併せて柔軟に働ける配達パートナーという職の提供による個人の収入確保が狙い。4月13日から7月12日までの約3カ月間実施される。なお、状況によっては期間の延長も検討しているという。

対象となるのは、Uber Eatsに加入もしくは今後新規加入する飲食店で、経営している店舗数が20店舗未満の事業者。大手チェーンのフランチャイズの場合も、展開している20店舗未満であれば対象となる。神戸市によると、市内560店舗と新規参加店が対象になる見込みとのこと。

具体的には、新規参入店舗については初期手数料の支払い免除が受けられるほか、対象飲食店が負担する1注文あたり100~500円のキャンペーン手数料が助成される。

キャンペーン手数料とは、注文者(ユーザー)が注文時に受けられる割引サービスにおいて、店舗側が負担する手数料で、詳細は以下のとおり。手数料の4割を神戸市やUber Eatsが負担する。

注文額→割引額
・1000円以上→100円
・1500円以上→200円
・2000円以上→300円
・3000円以上→500円

5月10日まではUber Eatsがこれらの施策を展開するが、5月11日以降は神戸市が同様に手数料を負担することで7月12日までの長期間の支援が可能になったわけだ。

なお現在注文者(ユーザー)は、初回利用限定だがLINE Payでの支払いで最大1000円の割り引きが受けられるほか、初回利用限定で1000円以上の注文で合計金額から1000円割り引き、松屋での1000円以上の注文で配送手数料が無料になる、友達の紹介で1000円割り引きクーポンがもらえるといったキャンペーンも利用できる。なお、いずれもアプリ内に表示されるキャンペーンコードの入力が決済時に必要なので注意したい。

さらに神戸市では、これまで市内6区(東灘区、灘区、中央区、兵庫区、長田区、須磨区)だったサービス提供エリアを拡大。北区、垂水区、西区で店頭での「お持ち帰り」サービスを開始する。お持ち帰りサービスとは、Uber Eatsで注文・決済したメニューを利用者が店舗まで取りに行くサービス。アプリに注文品の進行状況が表示され、正確な受け取り時間も確認できる。Uber Eatsの営業エリアの拡充には当該地域で担当ドライバーを確保する必要があり時間がかかるため、まずはお持ち帰りのサービスの市内のエリア拡充を図ったようだ。

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GovTechのグラファーが神戸オフィスを新設、総額約4.5億円の資金調達も

行政手続きの効率化を目指す、いわゆるGovTech(ガブテック)領域の各種サービスを開発・提供しているグラファーは12月20日、シリーズAラウンドで総額約4.5億円の資金調達を発表した。既存株主であるベンチャーキャピタルのCoral Capitalとインキュベイトファンドを引き受け先とする第三者割当増資で、累計資金調達額は約7.2億円。調達した資金は、サービスの開発を人材の採用に使う予定だ。

加えて、神戸オフィスを新設することを発表した。同社は神戸市の行政デジタル化プロジェクトを複数手掛けているほか、近畿エリアで複数の自治体に対してサービスを提供していることから、事業推進拠点として神戸オフィスを開設したという。

グラファーはこれまで、兵庫県神戸市、神奈川県鎌倉市、大阪府四條畷市、長野県小諸市、埼玉県横瀬町などと同社開発の手続きガイドなどを活用した行政手続きの効率化を進めてきた。直近では、大阪・泉大津と共同で「幼児教育無料化 手続きガイド」を開発。近畿エリアでは3自治体と連携しており、神戸オフィスの開設により周辺自治体へのサービスの波及を期待したい。

関連記事:GovTechのグラファーが大阪・泉大津と「幼児教育無料化 手続きガイドを共同開発

神戸から世界へ、国連調達を目指すスタートアップ育成拠点が2020年夏に神戸上陸

兵庫県と神戸市は11月28日、国連の機関であるUNOPS(United Nations Office for Project Services、国連プロジェクトサービス機関)との間で、テクノロジーを活用してSDGs(持続可能な開発目標)上の課題解決を目指すグローバルイノベーションセンター(GIC)の開設に向け、基本合意書(MOU)を締結した。

写真に向かって左から、グレテ・ファレモ国連事務次長兼UNOPS事務局長、久元喜造神戸市長

GICの神戸拠点は2020年夏頃に神戸市内に開設される予定で、SDGs上の課題に基づき入居期間1年間の条件で入居者を公募する。一定の選考基準にて毎年約15社を選定。3か月ごとに目標を立てて達成度合いを評価し、年間5社程度を国連調達へ参加させることを目標とする。なおGICの拠点としては約300平方mのコワーキングスペースが必須となるそうで、神戸市では現在、既存の建物を前提に候補地を策定中とのこと。

UNOPSは、フィンランド・ヘルシンキで開始されたSlush Helsinki 2019で、今回の取り組みについて講演した

UNOPSは、デンマーク・コペンハーゲンに本部を置く、プロジェクトサービス(事業運営・実施)に特化した国連機関。世界80か国以上で毎年1000件以上の援助事業を実施している。通常資金(コア予算)に対して各国政府から資金提供を受けず、事業運営の実施のみですべての経費をまかなう完全独立採算の機関で、ほかの国連機関や国際開発金融機関、援助国および被援助国政府などからの依頼に基づき、援助事業のプロジェクト推進を進めている。具体的には、アフガニスタンでの道路舗装や太陽光発電を利用した街灯の敷設、ヨルダン北部では老朽化した配水管を修復して漏水を削減する事業などを進めた。

神戸市は、米国シリコンバレー拠点のベンチャーキャピタルである500 Startupsと連携したアクセラレーションプログラム「500 KOBE ACCELERATOR」や、スタートアップと協働する行政のオープンイノベーション施策「Urban Innovation KOBE」、インキュベーション拠点として「起業プラザひょうご」の運営など、さまざまなスタートアップ支援策を実施してきた経緯がある。このような神戸の取り組みが評価されたほか、誘致に向けて神戸市が迅速に対応したことで、今回アジア初のGICの開設が決まったとのこと。

スウェーデンのGIC施設

なおGICは神戸が3拠点目となり、すでに2018年1月にカリブ海東部の小アンティル諸島にあるアンティグア・バブーダ、2019年10月に本部のデンマークに隣国であるスウェーデンに開設している。既存2施設については、現在入居するスタートアップに向けた課題策定を進めているそうだ。今後は発展途上国を中心にGICの設置を進めていく予定で、すでにモンテネグロ、チュニジアへの設置も決まっている。

前述したように、GICに入居できるのはSDGs上の課題解決を目指せるスタートアップ。つまり世界で通用するサービスやテクノロジーを開発している企業に限られる。となると、食料や物流、医療、教育、インフラ、通貨などの問題を解決するサービスやテクノロジーを有する企業にチャンスがありそうだ。

ちなみに関西には、食材表示の絵文字を開発するフードピクト、低コストでIoTシステムを構築できるPalette IoTを開発するMomo、衛星データと農業データを活用して農業を最適化するアプリケーションを開発するSagri、コオロギ由来のプロテインバーを開発するバグモ、遠隔集中治療支援システムを開発するT-ICUなどのスタートアップがある。神戸市としては、GICの開設によってこれらのスタートアップはもちろん、国内やアジアのスタートアップが神戸を拠点として国連調達を目指して活動することに大きな期待を寄せているようだ。

現在日本では、最初期のスタートアップを支援するエンジェル投資家やシード・アーリーのスタートアップを支援するベンチャーキャピタルが東京に集中しており、地方拠点のスタートアップがそのコミュニティに早期から参入するのは距離的な問題もありなかなか難しい。地方都市を拠点とする資金のある企業にとっても、スタートアップとの接点が東京に比べてまだまだ少ないのが現状だ。GICは開かれた施設になるとのことで、神戸市としては定期的なGICオープンファシリティDayの開催を通じて、地元企業への働きかけも進めていきたいとしている。

神戸メリケンパークで電動キックボードの実証実験、国内導入の弾みとなるか

神戸市mobby rideは8月9日、神戸市中央区の神戸港に面する公園「メリケンパーク」にて、電動キックボードの実証実験を開催した。mobby rideは、Gunosyの創業などに関わった木村新司氏が創業したAnyPayの新規事業で、電動キックボードのシェアリングサービス「mobby」の運営会社。mobby rideは福岡市の実証実験フルサポート事業に採択され、同市での実証実験も進められてきた。

今回の実証実験に使われたのは、mobby rideが海外で展開しているセグウェイ製の電動キックボード。GPSとLTE通信機能が備わっており、アプリの設定によって最高時速や使用範囲を変更できる。この電動キックボードの最高時速は25kmだが、今回は最高時速を10kmに制限したうえで、メリケンパークの一部地域を有効エリアに設定、指定エリアから出るとエンジンがかからないようにしたうえで実証実験が行われた。

というのも、時速10〜25km程度で走行できる電動キックボードは、国内では現在のところ原付(原動機付き自転車)に分類されており、そのままでは公道を走行できない。現在でもネット通販を中心に手軽に購入できるが、私有地以外ので利用は道路交通法違反になるので注意してほしい。どうしても公道で走りたいなら、バックミラーなど原付の走行に必要な装備を施したうえで車両登録を済ませ、キックボードにナンバープレートを装着しなければならない。もちろん、公道を走るには原付免許が必要で無免許では乗れない。

実証実験は10〜16時に開催され、100名程度が集まった。キックボードは赤信号での急発進といった誤操作を回避するため、停止状態からはエンジンがかからないようになっている。手動でキックボードを強く前に蹴り出したあとにエンジンがかかる仕組みだ。この感覚を掴むまで少し時間がかかった参加者もいたが、多くの参加者はスタッフの説明を受けただけですぐに乗りこなせていた。

実際に乗車してみたところ、見通しのいい場所での時速10km程度の走行であれば安全性はある程度確保できると感じた。急停止にはブレーキレバーを使う必要があるが、通常はエンジンレバーの調整で速度を落とせるし、片足を地面につけてキックボードを駐めることも簡単だ。自転車に乗り慣れていない人は、乗車時にバランス配分に慣れる必要があるので少しの練習が必要だが、シニアでも十分に乗りこなせるのではないか。

写真に向かって左側の赤いレバーがブレーキ、右側の緑のレバーがエンジン( アクセル)。レバーを押し込み強弱でスピードを調整可能だ

市関係者によると、神戸では市が所有している大きな公園や施設を数多くあり、電動キックボードなどのマイクロモビリティを広範囲で実証実験するには便利な場所とのこと。神戸市は坂道も多いので、利用範囲が広がれば市内移動の利便性は高まる。一方で、今回の時速10km制限の電動キックボードであっても下り坂ではそれ以上のスピードが出てしまうし、大きな荷物を持った状態で運転すると事故になる確率も上がる。

LTE通信やGPSなどを内蔵

自転車より速くて原付より遅い、この乗り物を国内で普及させるには、現在は自転車用として都市部を中心に整備されている車道脇のスペースを活用するか、交通量の少ない特定地域の移動に限定するといった落とし所になるかもしれない。

市関係者は、電動キックボードをシニアの移動手段としても考えているとのこと。時速6km以下に制限しつつ、転倒の確率が下がる三輪仕様として、免許やナンバープレートなしで利用できる電動自転車として活用方法もあるのではないかと語る。スマートフォンを活用するシェアリングモビリティをシニアが使いこなせるかという問題はあるが、高齢ドライバーの自動車事故が大きな社会問題になっている中、新たな移動手段の開発は急務だ。

欧米では、まずはサービスを開始し、そのあとに発生した問題について法整備を進めて行くスタイルだが、日本ではさまざまな規制をクリアにしてからでないとサービスを開始できない難しさがある。一方で、米国などで大きなシェアをもつLimeが、デジタルガレージと共同で日本市場に参入することを発表。今後各社がのような形態で電動キックボードを国内導入していくのが注目だ。

なお8月下旬から9月上旬にかけて、福岡市では住友商事やKDDI、デジタルガレージが主体となって、LimeとBirdの電動キックボードの実証実験を開催予定だ。西鉄バスを中心に政令指定都市ではバスにいる公共交通網が群を抜いて発達している福岡では、市内の道路の交通渋滞が大きな問題。実証実験を重ねることで、こういった問題の解決策が生まれるかどうか期待したい。

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神戸市がヘルステック強化へ、医療系に特化したアクセラレータープログラムの募集開始

神戸市は7月29日、米国シリコンバレーのVC(ベンチャー・キャピタル)である500 Startupsと共同で、「500 Startups Kobe Accelerator」の募集を開始した。今年で4回目となるアクセラレータープログラムで、過去3回で計56社のスタートアップを育成し、資金調達額は計80億円超となっている。

アクセラレータープログラムの正式名称は「500 Startups Kobe Accelerator with a focus on Health」。過去3回は特にジャンルを決めずデジタル分野全般を対象としていたが、今回はヘルステック関連に絞ったスタートアップ育成に特化する。

神戸市は、雇用の確保や経済活性化、市民の健康・福祉の向上、そしてアジア諸国の医療技術向上への貢献を目的とし、阪神・淡路大震災の震災復興事業として1995年から神戸医療産業都市という取り組みを進めている。

具体的には、医薬品、医療機器再生医療を重点的な研究分野として、研究機関、医療機関、企業などの誘致や共同研究などを実施。同市によると、現在約350拠点の先端医療の研究機関、高度専門病院群、企業や大学の集積が進んでいる。

この取り組みの一環として神戸市が開発した人工島であるポートアイランドには、先端医療研究センター、神戸臨床研究情報センター、国際医療開発センター、神戸ハイブリッドビジネスセンター(レンタルラボ施設)などが集まっている。これらの施設にら、神戸空港からはポートライナーを使って1〜2駅、10分以内に行けるという立地のよさは注目だ。

今回のアクセラレータープログラムは、この神戸医療産業都市の目的に沿ったかたちで開催される。選抜されたスタートアップは、神戸市が主導することにより、通常は難易度の高い医療機関や医療系企業との連携や情報共有が可能になる見込みだ。

募集期間は8月31日までで、専用ウェブサイトで参加者を受け付ける。書類と面談で選考を進め、最終的には約20社に絞り込む予定だ。同プログラムは、すべて英語(日本語同時通訳あり)で実施され、海外からの参加申込も積極的に受け付けている。昨年は海外スタートアップが半数を超え、全体では237社が集まったとのこと。なお、8月5日19時〜20時30分にはオンライン説明会も開催する。この説明会では、概要説明のほか、過去参加者によるQ&Aなどが予定されている。

参加資格は以下のとおり。

  • 国内および海外の起業家または起業家候補
  • シード(最小限のプロダクト・モデルを開発済み)、アーリー(製品開発済み、顧客あり、第三者からの投資を獲得する段階)のステージ
  • 診断・治療支援、病院等の業務改善、健康増進、栄養管理、介護支援、障害者支援などヘルステック(医療機器などハードウェアを含む)でベンチャーキャピタルなどの外部資金が調達可能なビジネスを持っている(創薬や医療機器の一部のように事業化までに数年を要するものは対象外)
  • すでに製品やサービスを持っており、チーム活動しているスタートアップを推奨

プログラム期間は11月4日~12月16日までだが、前半2週間(11月4日~11月15日)、後半2週間(12月2日~12月13日)に分かれる。最終日の12月16日は、デザイン・クリエイティブセンター神戸KIITO(神戸市中央区小野浜町1-4)でデモデイが開催される。

電動キックボードシェア「mobby」が神戸メリケンパークで実証実験

電動キックボードのシェアリングサービス「mobby」(モビー)を展開するmobby rideは7月9日、神戸市が主催するスタートアップ提案型実証実験事業「Urban Innovation KOBE+P」に採択されたことを発表した。8月9日に市内のメリケンパークにて体験会を開催する。Urban Innovation KOBE+Pは、起業やスタートアップを支援することによって神戸経済の活性化、社会・行政課題の解決を目指す神戸市の事業だ。

mobbyは、国内外でペイメントやカーシェアリングの事業を展開しているAnyPayの新規事業として立ち上がり、6月1日にmobby rideとして分社化。日本国内でのシェアモビリティ事業の拡大を目指す。昨年12月にはAnyPayとして、福岡市が主催する「実証実験フルサポート事業」に採択されており、同市での実証実験も進めている。

電動キックボードは欧米では手軽な移動手段としてさまざまな地域でサービスが展開されているが、日本国内では道路交通法の規定により公道の走行には一定の制約がある。神戸市ではmobbyの実証実験によって、電動キックボードも含めた次世代のモビリティ導入による回遊性や経済波及などの効果検証を進めていく。

体験会の詳細は以下のとおり。

場所:メリケンパーク(兵庫県神戸市中央区波止場町2−2)
日時:8月9日(雨天の場合は日8月10日)
開催時間:10時〜16時の間
料金::無料
身長制限:20cm~200cm
体重制限::25~100kg
年齢制限:16歳以上~60歳未満推奨
服装:キックボードに乗るうえで安定性が保たれるもの(ヒール、サンダル等は禁止)

神戸市とグラファーがGovTechで連携、介護保健サービス事業者向け手続きガイドを共同開発

行政手続きを効率化するためのサービスを開発・運営するグラファーは7月5日、兵庫県神戸市との連携を発表した。行政手続きの方法などをウェブページ上で確認できる「Graffer手続きガイド」を同市と共同開発し、「神戸市介護事業者手続きガイド」として公開した。具体的には、介護保健サービス事業者における「指定更新手続き」と「各種変更手続き」が対象で、指定更新手続きのガイドを先行公開する。各種変更手続きは後日になる見込みだ。

Graffer手続きガイドでは、PCやスマートフォンから専用ページにアクセスして、用意された質問に答えていくだけで必要な行政手続きがわかる案内サービス。市役所での各種手続きは多岐にわたるので、利用者はどういった申請書や証明書が必要なのか、どの窓口にいけばいいのかなどがわかりにくい。Graffer手続きガイドを利用することで、事前に調べることができるわけだ。政令指定都市である神戸市は、兵庫県からさまざまな事務手続きを移譲されていることもあり、手続きは百数十種類に及ぶ。

市役所側でも質問対応に取られる時間を軽減できるので、より多くの住民が窓口を利用できるようなる。同社によると、手続きガイドで使うコンテンツはExcelファイルで管理でき、複雑な設定も不要なので、最短で数営業日もあれば本番サービスとして運用できるという。

同社は2017年7月設立のスタートアップ。行政手続きを効率化する、いわゆるGovTech(ガブテック)領域のサービスを開発している。「Graffer手続きガイド」はこれまで、神奈川県鎌倉市、埼玉県横瀬町、長野県小諸市の3自治体に導入されおり、神戸市が4件目の事例。鎌倉市と小諸市では、転入、転居、転出、結婚、出産、離婚、氏名変更、死亡の8種類、横瀬町では転入と子育て助成金の2種類の事務処理に必要な書類などを調べられる。なお今回、神戸市と共同開発した神戸市介護事業者手続きガイドは、介護保健事業所指定分野でGrafferが使われる初の事例とのこと。

神戸市がGovTechサミット開催、行政サービス効率化に挑戦したスタートアップ7社が登壇

神戸市は2月10日、「自治体 × スタートアップ企業 GovTechサミット」を東京・大手町にある三井住友銀行東館で開催した。

GovTech(ガブテック)とは、政府(Government)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた言葉。日本の行政機関には日本の巨大企業をも上回る300万人以上が従事しているが、残念ながら一般企業に比べると非効率という意見が多い。これら行政機関が提供するサービスをテクノロジーによってを効率化するのがGovTechサミットの目標だ。

同サミットの「自治体×スタートアップ 共創への取り組み事例」というセッションでは、神戸市が選んだ2018年度の「Urban Innovation KOBE」に選出された7社のスタートアップが、GovTechに関連するサービスを紹介した。

ためま

2014年設立で広島県を拠点とする「ゆるくつながる社会作りを目指す」スタートアップ。自治体や地域活動家ともに、公民館や児童館、商店街、商工会、道の駅など、さまざまな地域活動の支援している。具体的には、スマートフォンのGPS機能を利用して「今日、今からでも参加できるイベント情報を5秒で検索できる」という「ためまっぷ」サービスを提供。今回は神戸市長田区との協働開発によって自治体版の「ためまっぷながた」を開設した。

FlyData

米国・シリコンバレーで日本人が起業したスタートアップ。企業内の全データをクラウド内データウェアハウスサービス「Amazon Redshift」にリアルタイムで同期(転送、保管)するサービスを提供。低コストでのビッグデータの管理・分析を得意とする。同社は神戸市との取り組みで、月間20〜30万枚、年間250万枚のレセプト(診療報酬明細書)のチェック作業の効率化を推進。AIを使って手打ちデータからミスを含む可能性が高いものを探し出し、自動でミスを修正する技術を提案。最大で70%の作業効率の削減に成功したという。

コガソフトウェア

「地域コミュニティ交通の予約システムの実証開発」をテーマに、音声自動応答による公共交通機関の電話予約システムを開発。具体的には、同社の運行管理システム「孝行デマンドバス」をベースとして、輸送密度が低い神戸市北区淡河町で利用者が希望する場所や時刻に運行するシステムを開発した。

ディグランド

同社の地図まとめアプリ「Diground」を利用して、神戸の街中に隠されたヴィッセル神戸の選手動画を探すスタンプラリーを2018年11月3日~12月2日に開催。結果、1366人がアクセス、297人がアプリをインストール、48人が全9スポット制覇したそうだ。同社と神戸市職員が約4カ月間の協働開発を行い、市民によるテスト利用や試行導入、実証実験などを通じて新サービスの開発を目指すという。

トラフィックブレイン

「神戸から日本のバスロケを立て直す」テーマに、バスロケ(バスロケーションシステム)の情報の標準化・オープンデータ化に取り組んでいる。神戸市だけをとっても、神戸市交通局、神姫バス、阪急・阪神バス、みなと観光、神戸交通振興など運営団体、企業によって独自のバスロケサービスが提供されている。これらのバラバラのバスロケのデータを、横断的を扱うことで交通分析に役立てることを目指す。今回、導入しているバスロケシステムの機能不足などから、神戸市交通局だけは標準化をうまく進められなかったそうだ。

ACALL

2014年設立の神戸拠点のスタートアップ。「場をデジタル化すること」を使命として、iPadを使った無料受付アプリ「ACALL」(アコール)などを提供する。神戸市東灘区役所との実証実験を経て、窓口の案内をスムーズにするアプリ「ACALL FRONT)」(アコールフロント)を開発。実際に2018年12月より同区役所に導入されている。実証実験では、職員の案内不可件数が61.7%減少、1件あたりの平均案内時間も36.9%減少し、窓口業務の効率化を実現できたという。具体的には、埋火葬許可証の写し、マイナンバーカードの新規交付・紛失届・再交付、麻薬免許などの、区役所のさまざまな案内を自動化している。

モンスター・ラボ

レセプトのチェック業務を同社が開発したRPAツール「Monstar Robo」(モンスター・ロボ)を導入して実証実験を実施。具体的には、レセプトの原票を参照して正確にデータを再入力するRPAの技術を導入。この結果、これまでは職員の手作業のチェックで要していた時間を、年間で最大459時間削減(1カ月で約38時間)できたそうだ。今後はレセプトチェックの範囲の拡大なども目指すという。

神戸市が国内外のスタートアップを強力支援する「500 KOBE ACCELERATOR」

神戸市と500 Startupsが組んだアクセラレーションプログラム「500 KOBE ACCELERATOR」のデモデイが12月11日、東京・御茶ノ水で開催された。500 KOBE ACCELERATORとは、神戸から世界へはばたくスタートアップのためのアクセラレーションプログラム。500 Startups500は、シリコンバレーを拠点に世界60カ国1800社以上に投資するシードベンチャーキャピタルで、神戸市との取り組みは今年で3年目となる。

500 StartupsマネージングパートナーのBedy Yang(ベディ・ヤン)氏

最初に、500 StartupsマネージングパートナーのBedy Yang(ベディ・ヤン)氏が登壇。神戸市との取り組みについて語った。500 Startupsは、各国の行政関係者と仕事をすることが多いが、神戸市はエコシステムを含めた変革について非常に理解があると語った。

500 KOBE ACCELERATORの責任者を務めた500 StartupsのAaron Blumenthal(アーロン・ブルーメンタール)氏

今回で3期目となる500 KOBE ACCELERATORの責任者を務めたAaron Blumenthal(アーロン・ブルーメンタール)氏は、イノベーションとエコシステムの両立は難しいが、神戸の素晴らしいサポートに感謝すると述べた。

神戸市長の久元喜造氏

神戸市長の久元喜造氏は英語のスピーチで、社会にイノベーションを起こすスタートアップを国内外から神戸に集めて盛り上げたいと語った。KOBEアクセラレーションの取り組みは2016年からだが、もともとは500スタートアップの米国サンフランシスコの拠点を訪問したことがきっかけとのこと。こういったプログラムを日本でやるならぜひ神戸でと自ら申し出たそうだ。

開会の挨拶のあとは、500 KOBE ACCELERATORで選ばれた18社のピッチとなった。起業したばかりの会社からすでに海外で実績を上げている起業までバラエティーに富んだ内容となった。

Tokyo Techies

アプリやロボットを開発する技術者のパーソナルトレーニングサービスを提供する会社。実践的な教材を使ってトレーニングすることで、短期間でエンジニアを育てられるのがウリ。

Bonyu

岐阜大学と連携して母乳の分析サービスを提供。調査によると、子供を産んだ女性の75%は母乳の成分を知りたいと回答しているそうで、実際に半分以上の母親の母乳が栄養不足という事実があるそうだ。母乳の成分分析のほか、母乳に足りない栄養素を補うサプリメントや機能性おかしなどの販売も手がける予定という。

Jenio(Kiara)

安価かつインタラクティブなビデオ会議ツール「Kiara」を開発。お互いの母国語で話せば同時通訳の字幕が出るのが特徴だ。現在は10カ国に対応しており、将来的には120カ国を対応予定とのこと。

Lizuna(Beacon)

ネットコマース詐欺を防止するサービス「Beacon」を開発。ビッグデータ分析して、住所や送り先、注文履歴などにおかしなところがないを自動検知してくれる。

OKKO(Honey Magazine)

イケメンキャラのストーリーを提供するマンガアプリ。ユーザーは主にフランスとアメリカの女性で、1日に平均26分の使用実績があるとのこと。

T-ICU

遠隔操作による集中治療室向け医療サービス。日本では多くの病院では専門のICU医が不在という現状を解決するため、医学部教授を含むチームを結成してサービスを提供する。現在は、千葉県の柏の葉にある病院で実施中。ちなみに米国では、同様のサービスが20%のシェアがあり、死亡率が26%低下したというデータがあるそうだ。

NOBORDER(TeamFinder)

質と量を兼ね備えた人材マッチングサービス「TeamFinder」を提供。チャットボットを利用したインタビューシステムにより、履歴書だけではわからないスキルや経験などのデータを取得するのが特徴。独自のスコアリングによりマッチングを実施することで、企業側の採用コストが最大で10分の1に圧縮できるという。

forent(ExCamp)

理想のキャンプがしたいという想いで起業したAirbnbのキャンプ版ともいえるサービス「ExCamp」を提供。多くの人が集まるキャンプ場ではなく、使われていない土地、島などを時間単位で借りることが可能で、キャンプやバーベキューなどを楽しめる。現在、50カ所以上登録されており、同社のInstagramフォローしている1万人に情報提供を行っているそうだ。

Buyandship

低価格かつ簡単に利用できる国際転送サービスを手がける会社。同社が所有する各国の倉庫を配送先に指定することで、日本に居ながらにして海外通販サイトでショッピングを楽しめる。倉庫に配送された荷物は、業界最安値の配送料で日本に転送できるとのこと、同社は1000万ドルの売り上げを達成しているそうだ。

doot

南アフリカ発の地元の人が旅行者を飲食店などに案内するサービス。旅行者は、旅行先でお勧めの飲食店を地元に案内人に教えてもらうだけでなく、一緒に食事を楽しめるのが特徴。案内人への謝礼もある、

Clarity

結婚や子育てなどで勤務条件が合わずに仕事を辞めざるを得ない女性をターゲットにしたマッチングするサービス。育児や介護のための時短勤務、フレックスタイム制、子供の看護時間、託児室の有無など、子育てや介護に理解のある企業を絞り込めるのが特徴だ。

Web2ship

各国で最適な配送網や配送ルート、価格などを比較検討できるサービス。大手以外ではなかなか難しい発送コストの圧縮を実現する。

SAgri

農家の時間効率を30%、収益を30%上げる農業支援サービス。野菜の品種、農薬、肥料などのデータベース化したうえで、衛星から得られる日射量や雨量、土壌の肥沃度、タンパク質など情報を組み合わせて畑の状況をモニタリングする。

ELXR

遺伝子情報に基づいたトレーニング検査サービス。日本では遺伝子検査キットを販売するGENELIFEを組んで、遺伝子情報に基づいた個々人の最適なトレーニング方法を教えてくれる。

職人さんドットコム

職人のシェアリングサービス。同種のサービスと異なるのは、18年の職人経験で培った人脈や知識を基にオフラインとオンラインをつなぎ合わせているの点と、そのマネタイズ方法。職人が使う電動工具の防犯登録システムを構築し、職人にはまず無料でサービスを提供しつつ、メーカーやプロショップなどに対価をもらうSaaS型サービスとなっている。特に盗難にあった工具の所有者を特定できる防犯登録システムがキモだ。

Pisces

VRで安価に構築できるインタラクティブなテレビ会議システム。リモートワークをしている人の44%が対面での仕事ではないことに不安を感じているという調査があるほか、音声だけのコミュニケーションでは欠落してしまう、視線や表情などを3Dで実現する。

Visual Design Cafe

ゲーム開発期間を短縮するための3Dモデルのライブラリを提供する会社。ゲーム開発のほとんど時間は3Dモデルの制作に費やされるそうで、同社のライブラリを使えば効率的な作業が可能とのこと。このライブラリは3Dのゲーム開発環境であるUnityの全バージョンで利用可能だ。

Pegara(GPU EATER)

GPUによる効率的な機械学習を手助けするサービス「GPU EATER」を提供。AWSのGPUインスタンスコストを最大80%削減できるほか、同社のサービスを利用することで最大で1.5倍のパフォーマンスアップを見込めるという。