ジョージア州下院選挙でのMarjorie Taylor Greene(マージョリー・テイラー・グリーン)氏の勝利は、QAnon(Qアノン)の連邦議事堂への進出を意味する。
QAnonはとんでもない主張を展開しているが、その1つである性的目的の児童人身売買などに関わっているエリート集団とDonald Trump(ドナルド・トランプ)大統領が秘密の戦争を展開しているとする複雑で奇異な説をグリーン氏は大っぴらに支持している。FBI(米連邦捜査局)は2019年に、QAnonが「陰謀論に駆られた国内過激派」(Yahoo News記事)にとって潜在的にインスピレーションとなる存在だと認定している。
グリーン氏の勝利は危険な陰謀論にとって正当性を示す衝撃的なものだが、予想されていなかったものではなかった。同氏の民主党の対立候補は2020年9月に個人的な事情で出馬を取り止め、グリーン氏の下院議席への道は明確なものになっていた。
一連の陰謀論についてのグリーン氏の支持は、密やかなものではなかった。トランプ大統領が「未来の共和党スター」と呼ぶグリーン氏は声高に人種差別的な考え(POLITICO記事)やイスラム教徒に対する偏見(Daily Beast記事)を表明してきた。同氏はまた、9.11の「真相究明者」説(Media Matters for America記事)も信奉し、新型コロナウイルス感染を減少させる科学的根拠のある手段であるマスクの使用を批判してきた。
かつてインターネットの極右メンバーだけに信奉されていたQAnonは、実世界で犯罪行為を行うようフォロワーをそそのかしてきた。その結果、スタテン島での銃撃事件(npr記事)や、武装によるフーバーダム橋占拠事件(ABC News記事)が起こった。
陰謀論の支持者はまた、ハッシュタグ#savethechildrenも乗っ取り、長らく展開されてきた子供の安全のための取り組みを妨害し、子供を助けると装って極端な思想を主潮に持ってきた。以前QAnonを禁止したFacebook(フェイスブック)はこうした事態を受け、ハッシュタグの使用を制限した。
今回の選挙の立候補者にはグリーン氏の他にもQAnon支持者がおり、Jo Rae Perkins(ジョー・レイ・パーキンズ)氏はオレゴン州で民主党の上院議員Jeff Merkley(ジェフ・マークリー)氏に敗れることが予想される。パーキンズ氏は自身の思想についてかなりオープンにしてきて、6月には陰謀論に関連する人気のハッシュタグとともに、自身はQAnonのための「デジタルソルジャー」だと忠誠を誓うビデオをツイートした。
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(翻訳:Mizoguchi)