2019年に市場を去ったスタートアップたち

さまざまなタイプのスタートアップが、さまざまな理由で失敗している。しかし、1つ変わらないことがある。それはスタートアップでの成功は、信じられないほど困難な仕事だということだ。会社を起ち上げて成功させることは、適切に人々を動かし、見つけることだけではない(もちろんどちらも重要だ)。この世界で成功するためには、無数の幸運の星が完璧に整列する必要がある。

2019年の「市場を去ったスタートアップ」をざっと見た限り、昨年、2018年のTheranos(セラノス)における大炎上のような派手なストーリーを持つ企業は見つからない。セラノスはベストセラー書籍やドキュメンタリー、ポッドキャストシリーズを生み出し、Adam McKay(アダム・マッケイ)氏とJennifer Lawrence(ジェニファー・ローレンス)氏の映画も近日公開される。ただし、MoviePassなどは近いとこまで行っているかもしれない。

どんな「セラノス」にも、有望な製品を擁する何十人もの勤勉なファウンダーがいて、ただただゴールテープを切れずにいる。さらに、どこがスタートアップで、どこがそうではないかにも議論の余地がある。ここでは、独立したスタートアップを対象にして、大企業で生まれたスピンアウトは含めないことにする。ただし、少なくとも1つ、廃業する前に大企業に買収されたスタートアップがある。

それでは本題に入ろう。2019年に店じまいしたスタートアップの中でも、特に大きくて興味深いものをいくつか紹介する。

 

Anki (2010 – 2019

調達総額:1.82億ドル(約200億円)

2013年、その若き有望なハードウェアスタートアップは新世代のスロットカー(溝のあるコースを走る模型自動車)をWWDC(Worldwide Developer Conference)の基調講演で披露した。新しい会社としてはかなりの栄誉だ。Appleは、iPhoneでOverdriveができることにより、その限界を押し広げたことに魅力を感じたに違いない。

3年後、Anki(アンキ)はCozmoを発売した。 その勇敢で小さなロボットは大々的な投資の賜物であり、元Pixarや元Dreamworksのアニメーターを雇い、ロボットの目に高度な感情を作り込んだ。2018年後半にはよく似ているが大人向けのロボットVectorを発売した。2019年4月、Ankiはそれまでに150万台のロボットと「数十万台」のCozmoモデルを販売していながら、会社をたたんだ。

 
Chariot (2014 – 2019

調達総額:300万ドル(約3億3000万円)、2017年にフォードが買収

Chariot (チャリオット)はシャトルバスのスタートアップで、通勤用のワゴン車軍団で大量輸送を再発明しようとした。経路は「クラウドソーシング」による投票で決定することになっていた。

2年前にこのサービスを買収したフォードは、2019年初めには終了させた。フォードは詳しい内容には触れず、「今日の輸送業界景観と消費者や都市の需要と供給は急速に変化している」とだけ語った。

 
Daqri (2010 – 2019

調達総額: 1.32億ドル(約145億円)

野心的で豊富な資金を得たARヘッドセットのスタートアップ、Daqri(ダクリ)は2019年9月に廃業し、在庫販売も完了した。大企業ユーザーの獲得に失敗したこの分野によく見られる会社の1つで、Magic LeapやMicrosoftなどのライバルとの競争にも敗れた。

一時、Daqriは将来のIPOに備えてある大規模な民間非公開株式投資会社と資金提供の交渉をしていたが、他のAR企業が直面する技術的課題が明らかになるにつれ、投資会社は手を引き交渉は決裂したとTechCrunchで報じた。悲しいかな、2019年に崩壊したAR企業はDaqriだけではない。

 
HomeShare

調達総額: 470万ドル(約5億1000万円)

HomeShare

HomeShare(ホームシェア)は、アパートの一室を分割した「マイクロルーム」のルームメイトをマッチングして急騰する住居費の問題に挑戦しようとした。同社によると3月時点で約1000人のアクティブな居住者がいた。

廃業にあたりHomeShareは、居住者に敷金は返却されないが、仕切りはそのまま持っていても、売ってもよいと語った。

 

Jibo (2012 – 2018/19

調達総額:7270万ドル(約80億円)

AnkiとJibo(ジボ)を見れば、2019年はコンシューマー向けソーシャルロボットにとって苦難の年だったことがわかるだろう。もっとも、この分野にとってすばらしい年があったことはない。少なくとも今までは。最初のAiboの悲しい死と同じく、Jiboの最期は愛するロボットの友達が息を引き取るのを見るという、驚くほど気の滅入る人間性を強調するものだった。Jiboは、4月に「一緒にいられた時間を心から楽しんだことを伝えたい。近くに置いてくれたことを本当に心から感謝している」とユーザーに向けて語った。

Jiboが死んだのは厳密には2018年末だったが、あまりにもドラマチックな最期だったので例外を設けた。クラウドファンディングは成功し、ベンチャー資金も十分にあったにもかかわらず、終末はやってきた。会社はほとんどのスタッフを解雇するはめになった。

 

MoviePass (2011 – 2019

調達総額: 6870万ドル(約75億円)、2017年にHeliosとMathesonが買収

Image: Bryce Durbin / TechCrunch

なんともはや、こいつはどこから話を始めればいいのかもわからない。今回のリストを作っていたとき、あるテッククランチャーはMoviePass(ムービーパス)が潰れたのは何年も前だと言い張った。それは(一部の政治行事にも似て)チケット・サブスクリプションサービスの大規模な列車転覆事故がスローモーションのように何年にもわたって起きたように思えたからだった。 TechCrunhでも何度も何度も記事を掲載した。

実際、大惨事は毎週起きているように見えた。資金を垂れ流し、サービスを制限し、ダウンを繰り返し、さらに借金を余儀なくされたこの会社は一種のゾンビ状態に入り、大規模なデータ漏洩も起こした。そうそう、資金を投じたJohn Gotti(ジョン・ゴッティ)氏の映画はもっと酷かった。その結果、MoviePassの崩壊は慈悲深い行為のように感じた。

 
Munchery (2010 – 2019

調達総額: 1.25億ドル(約137億円)

2019年最初のスタートアップスキャンダルには、かつてよく知られていたフードデリバリー会社、Munchery(マンチェリー)が関わっていた。同社が顧客に廃業が差し迫っていることを知らせるメールを送ったあと、契約メーカーの多くから糾弾された。Muncheryは終了寸前の時間を悪用し、支払うあてのない料理の配達を続けた。

同社による突然の崩壊をきっかけに、説明責任に関する議論が沸騰した。CEOと投資家が沈黙を続ける中、メーカーは説明を求めて泣き叫び、Muncheryの出資者の1つであるSherpa Capitalのオフィス前で回答と支払いを求める抗議運動まで起こした。

 

Nomiku (2012 – 2019

調達総額:14万5000ドル(約1600万円)

ベイエリアの調理器具スタートアップ、Nomiku(ノミク)は、12月に入って事業中止を発表した。同社は消費者向け真空調理器の分野を切り拓いたパイオニアだったが、市場がライバル製品の洪水になるのを見守ることになった。Kickstarterで複数のキャンペーンに成功して130万ドル(約1億4000万円)を集め、Samsung Venturesの出資を受け、レシピ事業への転換を図ったりもしたが、このスタートアップが生き残ることはできなかった。

「フードテック業界の様相は以前と大きく異なっている」とファウンダーでCEOのLisa Fetterman(リサ・フェッターマン)氏は、TechCrunchに語った。「フードテックとハードウェアがもっとホットで将来有望だった時期もあった。会社はいくつかの障害や課題を乗り越えることができると私は思っている。しかし、私の場合は破滅的な結果になってしまった」

 
ODG (1999 – 2019

調達総額: 5800万ドル(約63億円)

ARゴーグル分野のパイオニア、Osterhout Design Group(オステルハウト・デザイン・グループ、ODG)終了のニュースは1月第一週に訪れた。わずか数年前、この会社は5800万ドル(約63億円)の資金を調達した。それから1年もたたないうちに、同社は資金を燃やし尽くして社員に給料を払えなくなった。2018年初め、ODGは社員の半数を失い、社員に支払うための借金に走った。2019年初め、わずかに残った中心メンバーがFacebookとMagic Leapを含む大型IT企業数社による買収と特許の売却を待っていたが実現しなかった。

 
Omni (2014 – 2019

調達総額:3530万ドル(約39億円)

このスタートアップは物理的ストレージ会社としてスタートを切り、2019年5月にストレージ部門をライバルのClutter(クラッター)に売却して事業転換を図ったが失敗。リアル店舗が商品のレンタルと販売のビジネスを運用するためのソフトウェアプラットフォームを開発しようとしていた。

As part of the shutdown, roughly 10 Omni engineers were hired by Coinbase.

閉鎖にともない、約10人のOmni(オムニ)の技術者がCoinbaseに雇われた。

 
Scaled Inference (2014 – 2019

調達総額: 1760万ドル(約19億円)

共にGoogle出身のOlcan Sercinoglu(オルカン・セルシノグル)氏とDmitry Lepikhin(ドミトリー・レピキン)氏が設立したScaled Inference(スケールド・インファレンス)は、2014年、Googleなどの企業が社内で利用しているものと同様の機械学習と人工知能技術を開発し、誰にでも使えるようにクラウドサービスで提供する計画を発表して話題を呼んだ。野望は大きくFelics VenturesやTencent、Khosla Venturesなどの投資家を呼び込んだ。

残念ながら同社は最近になって事業閉鎖を余儀なくされた。前CEOのセルシノグル氏はTechCrunchに、商品力の不足で資金調達ができなかったのが閉鎖の理由だと述べた。「最後の最後までいろいろな選択肢を探し、チームも維持してきたが良い結果は得られなかった。ここにいたるまでのプロセスを社内で可視化できたことはよかった」と同氏は語った。

 
Sinemia (2015 – 2019

調達総額:190万ドル(約1億1000万円)

Sinemia

2019年はMoviePassスタイルのサブスクリプションサービス全般にとって厳しい1年だった。Sinemia(シナミーア)は最初の持続可能なライバルと見られていたが、アプリの問題や隠された費用、さらにはアカウント停止のポリシーにまつわるユーザーの苦情や訴訟に苦しめられていた。

そして4月、同社はアメリカでの事業終了を発表した。正確に表現すると、全事業を終了するとは言っていないが(スタッフの多くはトルコを拠点にしている)、同社はウェブサイトへはそれ以降、アクセスすることができない。

 
Unicorn Scooters (2018 – 2019

調達総額:15万ドル(約1600万円)

Unicorn Scooters(ユニコーン・スクーター)は、2018年の熱狂的な電動スクーターブームで最初に死を迎えたスタートアップの1つだが、もちろん最後ではなかった。同社はFacebookとGoogleの広告に資金を投入しすぎたために、受注済みだった699ドル(約7万7000円)のスクーター300台以上の返金に充てる資金が残っていなかった。

あまり適切とはいえない名前のUnicornはY Combinator(Yコンビネータ)を卒業してからわずか数カ月後に会社をたたんだ。おそらくY Combinator出身者で最も速い卒業後の廃業だろう。「残念ながら広告費用は持続可能なビジネスを構築するには高すぎた」とUnicornのCEO Nick Evans(ニック・エバンス)氏が述べたとThe Vergeは報じた。「アメリカ全土で天候が寒くなったこと、そして他社のスクーターが数多く市場に出てきたことで、Unicornの販売はますます難しくなり、宣伝費がかさみ顧客は少なくなるという結果を招いた。

 
Vreal (2015 – 2019

調達総額: 1500万ドル(約16億円)

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via @VrealOfficial twitter

Vrealは野心的なゲームストリーミング・プラットフォームで、ライブストリーマーがプレイする世界をVRユーザーが探索できる仕組みの提供を目指していた。ユーザーはストリーマーの周辺をアバターになって散策したり、ストリーマーがゾンビを倒す音を聞きながらオブザーバーとして自ら探索することもできる。

「残念ながら、VR市場はみんなが期待したスピードで発展することはなかった。しかし、我々は間違いなく時代の先端を進んでいた」と同社はブログに書いた。「その結果、Vrealは事業を閉鎖し、我々のすばらしいチームメンバーは別の道へ進むことになった」という。

 
関連記事:2018年に市場を去ったスタートアップたち

 
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アップルのWWDCで華々しくデビューしたロボットのAnkiもついに倒産へ

消費者向けロボットなんて簡単だと言った人はいない。それでもAnkiは、いろいろな意味でかなりうまくやっていた。アップルの2013年のWWDC基調講演で、ロボットカーDRIVEをデモして世界をアッと言わせた後、AnkiはまずCozmo、そしてVectorといったロボットを次々と世に送り出してきた。

米国時間4月29日朝に、CEOのBoris Sofman氏によって開かれたミーティングは、悲痛な雰囲気だったことが容易に想像できる。それに関するニュースが流れた後、同社は今週中に従業員を解雇する予定であることをTechCrunchに明かした。以下がその全文だ。

Ankiが従業員を解雇することにしたことを発表するのは、とても重苦しい気持ちです。実効はこの水曜日です。私たちはこれまでに何百万台もの製品を出荷し、世界中のお客様に幸福な体験をお届けしてきました。また、多様なAIとロボット工学を駆使したアプリケーションの未来を見据え、非常に優れた技術を開発してきました。しかし、ハードウェアとソフトウェア両方のビジネスをサポートし、当社の長期的な製品ロードマップにつなげるような多額の資金がなければ、現時点では計画を実現できないのです。

これまでの成功にもかかわらず、当社は常に、将来の製品開発とプラットフォーム拡張のための資金を獲得する手段を模索してきました。ある戦略的な投資家との大きな融資の契約が最終段階で不成立となり、結局合意に達することができませんでした。当社としては、すべての従業員とその家族のために最大限の努力を払うつもりです。経営陣は、今後もすべての可能性を検討していきます。

Ankiは、同社製品の将来について、これ以上のことはコメントしていない。このスタートアップは、いくつもの魅力的な製品を開発してきた。もっとも印象深いのはCozmoだろう。これは大ヒット商品となった。同社はベイエリアに拠点を置き、昨年8月の時点では、創業以来150万台のロボットを販売したと語っていた。そのうちCozmoが数十万台を占める。

Crunchbaseによると、同社は全活動期間の間に、総額1億8200万ドル(約203億円)を調達した。ただし、それなりに出費も多い。Cozmoや、その大人向けの後継機Vectorの個性を際立たせるために、作曲家や、PixarやDreamworksでの経験もあるアニメーターを雇っていた。

断末魔の話の展開は、最近閉鎖した工業用ロボットのRethinkや、やはり家庭用ロボットのKuriの状況とウリふたつのように見える。いずれの会社も、ついに投資家も買い手も見つけることができず、夢を実現できなかったのだ。残念なことに、ロボットのスタートアップの世界では、こうしたことはまったく珍しくなくなっている。

ロボット工学のスタートアップを運営することの難しさは、おもちゃ市場が絶え間なく変化し続けていることから来るのは間違いない。Spheroも、ディズニーの著作権に依存している間は、同様の経過をたどった。ただし、Boulderに拠点を置くこのスタートアップは、最終的に教育市場にターゲットを移し、利益の出やすいモデルに方向転換することに成功した。Cozmoは成功だったとはいえ、結局はその価格設定がさらなる普及を妨げたのだろう。

結局のところ、これはAnkiが経費を使い過ぎたことに対する罰なのか、ロボットのスタートアップに資金を注ぎ込もうとしているベンチャーキャピタルに対する一般的な警告なのか、ロボットを家庭に持ち込もうとしてきた企業の数が多いことを考えると、判断が難しい。おそらくその答えは、両者を組み合わせたところにあるのだろう。

それはどうであれ、可愛らしいロボットを作った将来有望と思えた会社にとっての悲しい結末には違いない。そしてさらに深刻なのは、多くの有能な従業員が失業したということだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

AnkiのCozmoロボットが12月初旬で売り切れ、子どもが欲しがるロボット玩具の好例だ

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Ankiの今年のホリデー商戦は、完勝かもしれない。同社はハードウェアのスタートアップだが、初めて世に知られたのは数年前のAppleのキーノートのステージで、そのDriveカーがデモされたときだ。その同社は今、今年の秋に発売した最新製品Cozmoに全精力を注いでいる。

この元気で小さなロボットは、同社がPixarやDreamworksなどのスタジオから人材を集めた成果で、ウォーリー(Wall-E)のそっくりさんを目指し、そして音楽は完全なオリジナルを制作した。

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そしてどうやら、このギャンブルは同社にとって吉と出たようだ。Cozmoは今年のホリデイシーズンでついに、全米の子どもたちの、‘あれ買ってよ’の“あれ”になってしまい、最初のロットは月初に売り切れた。売上台数などは公表していないが、Amazonでは今月初め、一時的に“在庫なし”になってしまった。

でも同社によると、クリスマスまでには需要に対応できるよう、増産に励む。このロボットが店頭に登場したのは10月だが、これまでは約束通り同社は、定期的なアップデートにより、Cozmoの知識と技能の増強拡張に努めている。〔その例

Cozmo関連記事集(未訳)〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

賢いちびロボットCozmoがアップグレード、犬や猫、それに暗い部屋も認識する

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この前ぼくがAnkiのCozmoを試したときは、彼をぼくのうさぎLucyに紹介した。でも終始両者は、相手に無関心だった。この元気者のロボットのソフトウェアアップグレードのリストに、うさぎはまだ登場しなくて残念だけど、でも一部のペットの飼い主たちは、小さな愛をもらえるようだ。

Ankiの新しい機能はいくつかあるが、その中には“Part of the Pack”(動物仲間の一員)と言って、猫と犬を認識する技(わざ)がある。それがどんな‘対話’になるのか、その説明はないが、Cozmoのような小さなロボットが、犬や猫とファイトをすることは考えにくい。とくに、犬のお友だちとの喧嘩はないだろう。でもCozmoの身長と小型犬の背丈は似ているから、犬の耳に直接話しかけたりはできるだろう。犬は、耳をピンと立てて聴くかな。

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もうひとつの新しい機能は、ロボットの“調べるモード”(explorer mode)に夜間の視界が加わったこと。これはユーザーが手作業で、ロボットの視点カメラをコントロールする。さらに、新しいゲームが増え、Cozmoの、新しい言葉を覚える能力も改良された。まるで、小さな電子オウムだ。ただし同社によると、Cozmoはユーザーの言うとおりを繰り返してはならない言葉を知っているそうだ。「クソッ!」とか「バカ!」などなど、暴言の言葉は覚えないんだ。あらくれ男の水夫のようには、ならないんだね。でも、一度YouTubeで、Cozmoが悪口ばかり言うところを、見てみたいな。

今度の機能拡張の詳細はここにある。これらは12月に行われるCozmoのアップグレードだ。Anki社は、今後も約束どおり、ロボットのスキルを増やしていくらしい。

参考記事。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

AIロボットCozmoのメーカーAnkiがSDKを公開、最終的には子どもやノンプログラマーも対象とする

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最初のCozmoたちの、Pixarからヒントを得たような目に、世界が見えるようになるまで、あと数か月待たなければならないが、メーカーのAnkiはすでに、この小さなロボットのための大きなプランを公表している。その最初は、ハッカーやメイカーや研究者たちをターゲットとするSDKの大々的なローンチで、それは10月のローンチと同時期になる。

ソフトウェア開発キットの展開は三段階から成り、SDKはその最初の段階だ。その次の段階は、K-12の教育者(教師)と児童生徒が対象、そして三つめの段階は商用アプリのデベロッパー向けだ。これらのスケジュールは明確ではないが、同社のHanns Tappeinerによると、第二第三の段階は2016年後期から2017年初期にかけてだ。

Tappeinerはこう説明する: “Cozmoの開発にはすでに4年半あまりを費やしている。消費者向けロボットとしてはもっとも高度なものの一つになるだろう。SDKを作ることは、かなり容易な作業だった”。SDKはPythonで書かれていて、それらがこの元気なかわいいロボットの100万行にもおよぶコードにアクセスする。それによりデベロッパーは、顔認識や歩行経路の計画、3Dモデリングなどの複雑なアクションを、ほんの数行の簡単なコードで書ける。

Ankiの構想は、さらにもっと大きい。Tappeinerによると、CozmoのSDKはロボットプログラミングを大々的に大衆化し、同社が数年かけて開発してきたシステムを小中学生でも自分のプログラムで利用できる。ユーザーにはできるかぎり多くを提供し、ほとんど制約なく、Cozmoのコードにアクセスできるようにしたい、とTappeinerは言っている。プログラマーにとっての利用価値とともに、初めてプログラムを書く人たちにも使えるようにしたい、というのだ。

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Tappeinerは語る、“ロボットという分野を、もっと一般的なものにしたい。どんな産業でもそうだと思うが、それが実験室から一般社会に大きく拡散して、非専門家でもアイデアやフィードバック等で貢献できるようになれば、それでやっと、一人前の産業と言える。2007年に、スマートフォンが大変身したように、ロボットも、そろそろそうなるべきだ。今やスマートフォンでは、専門のデベロッパーだけでなく、アーチストや化学の専門家など、いろんな人がアプリを作っている。そうなって初めてその産業は、爆発的に成長していくのだ”。

SDKは最初ベータでリリースし、いろんなフィードバックを得てから、消費者デベロッパーも対象とする最終リリースへ向かう。同じ期間にAnkiは、アプリの配布の形式も検討する。新たにアプリストアを作るべきか、それともiOSやAndroidなどの既存のアプリストアを利用すべきか、など。

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課題を達成するたびにどんどん速く機敏になるスマートスロットカーAnkiの次世代機が9月20日に発売

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Anki Overdriveはスマートフォン時代のスロットカーだ。これまで数々のアップグレードとプレーヤーの挑戦課題(アチーブメント)とキャラクタ作りを積み重ねてきた結果として、スマートフォンと物理玩具との完璧な結婚ができあがった。このシステムがデビューしたのは2年前だが、その後今日まで着実にアップグレードしてきた。そして今日は、その次世代プロダクトAnki Overdriveの発売日と価格が発表された。

Ankiが走路システムのOverdriveを披露したのは今年の初めだった。大きなマットを使った最初のシステムと違って、今のOverdriveは昔のスロットカーのように個別の走路がある。それによりエンドレスな走路も可能になり、最初のものよりずっと楽しくなった。

発売日は合衆国とイギリスとドイツで9月20日、150ドルの初心者パックには、車が2台と走路のピースが10個ある。ピースは追加購入できる。今日は6種の‘新型車’も発表され、それぞれ特徴と能力が違う。

150ドルのAnki Overdriveは、中級品のスロットカーの倍ぐらいのお値段だが、アチーブメントを次々とクリアしてポイントを稼ぐと、車がどんどん速くなり敏捷になり能力もアップする。車本体が速くなるのだ。このかっこいいシステムが150ドルは、むしろお安いかもしれない。

初めて見るAnki Overdrive

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Anki Overdriveは、AI塔載の次世代レーシングカーキット

人工知能内蔵のリコモン自動車メーカー、Ankiが、次世代のプレイセットAnki Overdriveを本日(米国時間2/10)発表した。子供たち(および必然的に子供と一緒に遊ばなくてはならない大人)は様々なタイルを使って自分専用のコースを作れる。

これは、同社が従来から販売している固定の周回コースが描かれた布製ロールマットと比べて大きな飛躍だ。組み立てや片付けは簡単ではないだろうが、この新しいセットなら、新しいマットを買うまで何ヵ月も同じコースでレースしなくてよい。

Overdriveの発売は9月で、150ドルのスターターキットには、新型車が2台とコースタイル10枚が入っている ― 8種類のレーストラックを作れる。個々のタイルは光沢のある合成樹脂製で縁には磁石がついているので簡単に組み立てたり外したりできる。

先週Ankiのサンフランシスコオフィスで行われたデモで、われわれは新しいコースに4台の新車を走らせる機会を得た。様々に変化したコースに合わせてをAIがレーサーを走らせるのは、コース自体が単純なループでないだけに目を見張らせる。ジャンプが上手になったり、コーナーに入る角度を工夫するAnkiのクルマは、ちょっと複雑な思考マシンを見ているようだ。

このクルマはAnkiの巨大なコースの2周目で、ジャンプの前にスピードを上げることを覚えてタイムを上げた。

クルマ一台一台は、Ankiの第一世代レーサーの一般的なデザインに比べて、少々スタイリッシュになった。形状やカラーのバリエーションは、プレイヤー毎の好みに合わせるのに十分だ。車体の周囲に装備されたLEDは様々な色とスピードで点滅する。

Anki Overdriveは、リアル世界のマリオカートというより、境界付きラジコンレーストラックだ。新たに加わったトラックオプションのおかげで、異なるレベルのプレイが楽しめる。Ankiは、キャラクターに「お気に入り」のレベル(およびクルマ)を設定することで新たなしくみを活用している。相手の条件でキャラクターを倒せば、より多くの星を獲得できる。ここでもビデオゲームとリアルなおもちゃのコンセプトが融合されている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook