BitNamiのパッケージングスタックに開発環境としてのMongoDBが加わる–AWSベースのサービスのスケール要求に対応

メジャーなソフトウェアのローカルな使用環境や開発環境をセットアップしてくれるインストーラ/パッケージャサービスBitNamiのサポートソフトに、MongoDBの開発環境が加わった。このMongoDBスタックによりデベロッパは、人気の高いNoSQLデータベースの上でスケーラビリティに富むWebアプリケーションを構築できるようになる。そのスタックは来週から可利用になり、デベロッパは、オンプレミスやAmazon Web Services(AWS)、Windows Azureなどにおけるアプリケーションの展開と管理ができる。

このY Combinator出身スタートアップの新しいスタックにはNode.jsが統合され、ローカルな開発のためのネイティブのインストーラや仮想マシン、あるいはAmazonやWindows Azureなどクラウドコンピューティングプラットホームのためのクラウドテンプレートとして、BitNamiのアプリストアから無料で入手できる。そのパッケージには、以下のものが含まれ、これらは“MEAN”〔普通の, 平均的の〕スタックとも呼ばれる:

• MongoDB
• Node.js
• WebサーバApache
• Git
• PHP (オプション)
• RockMongo (オプション)
• AngularJS
• Express
• PHPとNode.js用Mongoドライバ

これらふつうの成分以外に、MongoDBスタックにはそのほかのプログラミング言語を加えることもできる。COOのErica Bresciaは今日のSkypeインタビューで、たとえばRuby on Railsを使っている顧客はBitNamiのPythonスタックとMongoDBスタックをインストールしたりするだろう、と述べた。

同社自身のクラウドホスティングサービスもあり、それはAmazonの上で動き、クラウド内のアプリケーションを管理するための、自動バックアップ、内蔵モニタリングなどの機能がある。

さらに来週は、DreamFactoryと共に新しいライブラリをローンチする。DreamFactoryは、オープンソースのモバイルバックエンドプラットホームだ。

2012年にBitNamiはAWSの重要なパートナーとなり、新たなマーケットプレースのローンチで協力した。今BitNamiのスタックは80種あり、アプリケーションデベロッパがそのマーケットプレースでサービスとしてオペレートするために必要な部位を提供している。AWS MarketplaceでBitNamiが提供しているスタックは、WordPress、Drupalなど数ダースのアプリケーションで、利用時間に対して課金している。

さきほどのBresciaによると、Amazon Web Servicesへ展開されているBitNamiのアプリケーションは2012年で前年比98%増え、2013年には160%の増加が予想される。AWSの上でアプリケーションが使われる時間は、1億時間を超えると予測されている。

BitNamiが最近、アプリケーションの開発や管理に関わるおよそ3600名を対象に調査をしたところ、当然のような結果が得られた。多くの人がパブリッククラウドを利用しており、とくに小企業の方が大企業よりもクラウドアプリケーションを使う傾向がある。

その調査の結果でいちばん意外だったのは、AWSの次に多く使われているクラウド展開で、AWSに次ぐ二位はプライベートクラウドの27%、その次がGoogle Compute Engineの16%、Microsoft AzureとVMware Cloudが共に11%となった。Rackspaceは8%だった。とくに意外なのは、GoogleがAzureよりも好結果であることだ。一般にクラウドウォッチャーたちは、クラウドサービスとしてはAzureの方が強い、Googleの成長は鈍足、と思っていたはずなのだ。

Webとモバイルの到来により、アプリケーションのマーケットプレースが各所で栄えているが、BitNamiもその多くのプロバイダの一つだ。ほかにたとえばAppDirectはデベロッパに、同プラットホームを使っているリセラーパートナーへの接続チャネルを提供している。同社のモデルでは、デベロッパは技術を売っているパートナーにAPIの利用で結びつく。そこでサービスの重要なエンドポイントは、アイデンティティとプロビジョニングと課金である。同社は最近900万ドルを調達し、Cloud Foundryとパートナー、そしてStanding Cloudを買収した。後者は、クラウドサービスで使うアプリケーションをパッケージして、それらのアプリケーションの展開と管理に伴う複雑性を緩和する(その面倒を肩代わりする)。…というとBitNamiのサービスとそっくりであり、どちらも、今アプリケーションのマーケットプレースが、成長市場に向けてサービスを開発し売っていくためのプラットホームになりつつあることを示す典型的な例だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


AWSがElastic MapReduceのコンソールをアップデート, 大量データ/大量クラスタの管理に対応

Amazon Web Services(AWS)が、同社のElastic MapReduceのコンソールをアップデートして、大量のデータをより容易に管理できるようにした。

アップデートの中心は、一連の新しい機能の可用性とアクセスの向上で、それにはインスタンスの加除によるクラスタのサイズ変更、クラスタのクローン作成、Hadoop 2の運用、特定の可利用ゾーンの注視、などが含まれる。

クラスタの構成は、1ページに収められた:

HadoopとMapRはバージョンを選べる:

クラスタリストが見やすくなった:

AWSは複雑さと使い辛さで悪名を馳せている。その基本方針は、最小限のものだけを提供し、AWSやサードパーティのサービスはユーザ自身が展開時に加える、というものだ。しかしクラウドコンピューティングのユーザのすそ野が広がるに伴って、相対的にサービスの敷居が高くなっている。

TechCrunch DisruptでデビューしたPaaS、CPUsageの協同ファウンダでCEOのJeff Martensによると、“Elastic MapReduceの今度のコンソールは、これまでAWSが不得意だった可用性の部分での大きな前進だ。シアトルの連中を、ほめてあげたい。UIとUXの改良が急務なプロダクトはAWS界隈にまだたくさんあるから、今回のような動きが今後広がることを期待したい”、ということだ。

AWSの役員たちも昨年、エンタプライズ市場を攻略し、Googleなどとの競争に伍していくためには、クラウドサービスにつきものの複雑性を抽象化した管理サービスの提供が重要だ、と述べている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


EC2の新しいGPUインスタンスタイプはクラウドから高性能な3Dグラフィクスを提供できる

Amazonが今日(米国時間11/5)、クラウドコンピューティングプラットホームEC2の新しいタイプのインスタンスをローンチした。それは、3Dグラフィクスを必要とするアプリケーション向けに設計されている。クラウドコンピューティングと高性能な3Dグラフィクスが頭の中ですぐ結びつく人は少ないと思うが、3Dによる視覚化や、グラフィクス集約的なアプリケーションが行うストリーミングなどは強力なコンピューティングパワーを必要とするので、この新しいインスタンスタイプはAWSにとってきわめて当然の展開だ。

Amazonによると、このタイプのインスタンスを使うとユーザは、“高性能なDirectX、OpenGL、CUDA、OpenCLなどのアプリケーションやサービスを、巨額な先行投資を要さずに構築できる”。

Amazonが提供する新しいGPUインスタンスタイプは、当面、二種類ある。g2.2xlargeと呼ばれるバージョンは、メモリ15GB、ローカルストレージ60GB、EC2コンピューティングユニット26で構成され、2.6GHzのIntel Sandy Bridgeプロセッサと、NVIDIA Kepler GK104グラフィクスカード(1536 CUDAのコアあり)1基が使用される。さらに大きいcg1.4xlargeと呼ばれるバージョンは、メモリ22GB、ローカルストレージ1690GB、EC2コンピューティングユニット33.5で構成され、NVIDIA Tesla “Fermi” M2050 GPU2基を使用する。オンデマンド料金(1時間あたり)は小さいインスタンスタイプが65セント、大きいタイプが2ドル10セントからとなる。

Amazonによると、一つのGPUが720pのリアルタイムビデオストリームを30fpsで最大8つサポートできる(1080pなら4つ)。

この新しいインスタンスが可利用になるのは、当面、AmazonのU.S. East、West (カリフォルニアとオレゴン)、そしてEU(アイルランド)のデータセンターだ。Amazonはこれらのインスタンスタイプをサポートするいくつかのマシンイメージを、近く作成して提供する予定だ。

“2年前にCluster GPUインスタンスをローンチして以来、多くの顧客が、GPUインスタンスのパワーを拡張できるような、より大きい機能性を、従来のHPCコンピューティングを超えたグラフィクス集約的なワークロード…ビデオ制作サービス、3Dによる視覚化、ゲームのストリーミングなど…のために求めてきた”、とEC2担当VPのMatt Garmanが今日の声明文の中で言っている。“今回のG2インスタンスではDirectXやOpenGLが利用できるので、デベロッパはAmazon EC2の上でスケーラブルで高速な3Dアプリケーションを低コストで構築でき、クラウドを利用する高性能な3Dグラフィクスを顧客に提供できる”。

さらに、これらのGPUインスタンスではOTOYのORBX.jsがサポートされる。この、ダウンロードして使用できるHDコーデックはJavaScriptとWebGLで書かれていて、プラグインやコーデックなどクライアントサイドのソフトウェア不要で、クラウドからブラウザへ直接、3D集約的なアプリケーションをストリーミングできる。このプロジェクトはMozilla、Autodesk、そしてOTOYも支えているので、今日の声明文の中にはMozillaが一文を寄せている: “Amazon Web Services(AWS)の顧客は、クラウド内のグラフィクス処理能力とOTOYのORBX.jsによるストリーミング技術を利用して、高性能なゲームやデスクトップアプリケーションをWebへ送り出せる…しかもHTML5とJavaScriptだけを使って”。

たとえばAutodeskの3DS Max、Autodesk Maya、Autodesk Inventorなどのアプリケーションは、この技術を利用しているため、現代的なブラウザならどれをどのプラットホーム上で使っても正常に使用できる。OTOYは今日行ったデモの中で、Photoshop CS6やValveのゲームなどを、ORBX.jsの使用によりブラウザの上で動かして見せた。OTOYはすでに、Autodeskのアプリケーションをはじめ、ORBX.js対応のEC2用マシンイメージをいくつか公開している。

Amazonの今日の発表では、Playcast Mediaがg2インスタンスを使ってビデオゲームを近くストリーミングし、またAgawi True Cloudはモバイルデバイスにゲームやアプリをストリーミングする予定だ。

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ブラウザ内のJavaScriptからAWSにアクセスできるSDKをAmazonがローンチ…サーバサイドのコードはいっさい不要

Amazonが今日(米国時間10/31)、AWS SDK for JavaScriptのデベロッパプレビューをローンチした。これによりデベロッパは、ブラウザからAWSのサービスにアクセスするダイナミック(動的)なJavaScriptアプリケーションを容易に作れるようになり、しかもその際、サーバサイドのコードを書いたり、アプリケーションサーバのホスティングのための構成を、いっさいする必要がない。

Amazonは前にもSDK for Node.jsをローンチしているので、JavaScriptをサポートするのは今回が初めてではない。というより実は、この新しいSDKもブラウザ内およびサーバサイドのNode.jsコードにおける、同じプログラミングモデルを使用している。

このSDKを使うとデベロッパは、AmazonのS3ストレージサービスを直接呼び出したり、メッセージキューSQSにリード/ライトしたり、SNSでモバイルの通知を生成処理、NoSQLデータベースDynamoDBにアクセス、などなどのことができる。Amazonの従来からあるデータベースサービスへのアクセスは、当面サポートされない。いずれにしてもデベロッパは、人気の高いS3ストレージのバケットを作ったり、DynamoDBのテーブルをクェリしたりするJavaScriptアプリケーションを、サーバサイドのコードを使わずに作ることができる。

SDKの使い方は、AmazonのJavaScriptライブラリを指定するタグを付けたコードを書くだけだ。このSDKはAmazonのWebアイデンティティフェデレーション機能(Web identity federation feature, Web ID連携)をサポートするので、HTMLやJavaScriptのコード内にAWSの認証情報を書く必要はない。したがってFacebookやGoogle、そしてもちろんAmazon自身など、本人性証明を一般に公開しているサイトの認証を利用できる。

例によってAmazonの新機能はセットアップがやや面倒だが、でも豊富なチュートリアルがすでに用意されているので、とっつきは悪くないと思う。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


AWSがHadoopとそのエコシステムをアップデートしてビッグデータ分析プラットホームのサポートを一新

Amazon Web Services(AWS)がそのElastic Map ReduceプラットホームをアップデートしてHadoopの新バージョンを導入するとともに、同社のデータ分析エコシステムのサポートをアップデートした。

Elastic Map Reduceは、大量のデータを処理するためのAWSのプラットホームだが、ほかのベンダと違ってAWS自身がホストするサービスであるため、Hadoopとその周辺のエコシステムを、それらオープンソースのプラットホームの更新とペースを合わせてアップデートすることが重要な課題となる。

今回の最新アップデートではHadoopを2.2にアップデートし、またHivePigHBaseMahoutなどHadoopの同伴技術もバージョンを新たにした。AWSのブログ記事によると、それによりクラスタの始動時間が短縮され、データの拡大能力が強化され、マッパーM7がサポートされるようになった。MapR M7は、Hadoop用のNoSQLデータベースHBaseの有料サービスだ。

Elastic Map Reduceの今回のアップデートには、 Hadoop MapReduceの次世代アーキテクチャYARNのサポートも含まれる。

これはAWSの大型アップデートであり、Hadoopだけでなく、ここ数年で築かれたエコシステム全体をカバーする。Hadoopはファイルベースのシステムであり、データベースとしてはHBaseを必要とする。Pigは分析プラットホームであり、多くの場合ETL(Extract/Transform /Load)処理で使われ、そしてMahoutは機械学習ライブラリだ。

AWSはこのところ、データ分析技術のサポートにますます力を入れている。先週BI(ビジネスインテリジェンス)プロバイダのJaspersoftがElastic Map Reduceをサポートするようになったのも、そのことの成果だ。JasperはAWSとの付き合いが長く、AWS Marketplaceで入手できるそのサービスには、すでに500社の顧客企業がいる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


苦闘するIBM―もはやクラウドのキングではない

先週発表された第3四半期の決算報告によれば、IBMはレガシー・ハードウェア事業の不振とクラウド・サービス戦略の迷走に苦しめられているようだ。

ハードウェア事業の売上は17%ダウンし、売上は10億ドル減少した。2013年に入ってから9ヶ月の売上は721億ドルと2012年同期の752億ドルから4%のダウンだ。ソフトウェア事業も絶好調とはいえない。今期、ソフトウェア事業の売上高は1%アップしただけだった。株価も2年ぶりの安値を付けた。

ハードウェアを売りながら同時にクラウド・コンピューティング事業を続けようとするところにIBMの抱える問題がある。この戦略を取る限り、IBMはオンデマンドでセルフサービスのソリューションを提供することはできない。Amazon Web Servces (AWS)はハードウェアを売らないことによって成功を収めている。もちろんオンプレミスのインフラにはまだ莫大な需要があり、IBM、Cisco、Dell、HPその他の企業を潤している。

IBMはこの5年ほど、大企業向けに「プライベート・クラウド」を提唱してきた。このシステムにはオンプレミスで垂直統合タイプのソフトウェアが搭載される。こうしたプライベート・クラウドはマルチテナントで経済性、柔軟性が高く、クラウドサービスのあらゆる利点を享受できるというのがセールストークだ。しかし実態はというと、ユーザーはこのシステムを購入し、データセンターにインストールし、IT部門がメンテナンスしなければならない。要するに今までの社内データセンターを模様替えするに過ぎない。

Charles FitzgeraldのIBM評が的確な描写だ。

IBMの根本的な問題は、ディスラプト〔現状を破壊〕するテクノロジーではなく、ディスラプトされたテクノロジーばかり提供しているところにある。IBMへの依存は致命的な危険を招きかねない。

分散インフラストラクチャーの場合、ユーザーは自前で、多くの場合IT部門の助けなしでクラウド・コンピューティング上でビジネス・システムを稼働させることができる。しかしIBMのテクノロジーでそういうことができそうには思えない。ユーザーは自分でマシンを購入するか、どこかのホスティング・サービスと契約する必要がある。それからIBMからソフトウェアを購入しなければならない。そして運用のためにIT部門が必要だ。

一部の超巨大企業を除いて、クラウドサービスの方が安くつくのは明白だ。ユーザーは毎月従量制の料金を支払うだけでよい。インフラへの投資はクラウドサービスのプロバイダが負担する。この方式は以前から存在するが、価格の低下は破壊的なペースだ。スタートアップやデベロッパーはAWSのようなサービスをベースに次々に新たなサービスを生み出している。それに反してIBMが惹きつけているのはデベロッパーではなく企業内IT部門だ。

ただしIBMはある分野では依然としてリーダーだ。 調査会社のIDCによれば、IBMはクラウド・ソリューションの専門的インテグレーション・サービスとしてはナンバーワンだという(下図)。

IBMのある広報担当者は「この分野ではAWSはIDCのランキングに入ってさえいません!」と勢いこんでメールしてきた。それはそのとおりだが、AWSはインテグレーション・サービスのリストに入らないように全力を尽くしてきたからだ。そもそもオンデマンドのセルフサービスをモットーとするのだから当然のことだ。AWSはシステム・インテグレーションはユーザー自身、あるいはユーザーのコンサルタントに任せている。

IDCの図とは対照的に、Gartnerの図ではAWSが突出した市場リーダーであり、IBMはその対極にいる。

もっとも来年はIBMの位置は上の図より改善されているだろう。この夏、SoftLayerを20億ドルで買収したからだ。SoftLayerはIBM Smart Cloudに統合されるはずだ。第3四半期にIBMはクラウドサービスで4億6000万ドルの売上を記録している。このうちSoftLayeの分がどれほどになるかは分からないが、.現在すでに相当の寄与をしていると思われる。

IBMは来年もSoftLayerに独自に事業を実施させる方針だというが、451 Researchの調査ディレクター、 Michael Cotéは「これは賢明だ」としている。SoftLayerはHadoopやVMwareのみを作動させるサーバーなどを提供しており、人気がある。しかし問題はIBM自身が新しい、長期的に有効なクラウドサービス戦略を立てられるかどうかだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


AWS上のセキュリティ管理を視覚化して分かりやすくするDome9

Amazon Web Servicesのユーザインタフェイスを使っていると、このサービスが管理を拒む怪物に見えてくる。たとえばAWS上の数千のインスタンスの展開ステータスを見ることも至難で、手作業の部分が多い。

AWSの各インスタンスの展開の状況を視覚化して管理を容易にしようとする、新世代のインタフェイスがある。Dome9もその最新例の一つだ。同社が開発したClarityと呼ばれるツールは、AWS上のユーザ企業のセキュリティポリシーのビジュアルマップを提供する。そのために同社はAWSの仮想ネットワーク環境を視覚化し、AWSの仮想プライベートクラウドとセキュリティグループの構成を画像で見せる。

これは、AWS上で大規模な展開をしている企業にとって、とくに便利だ。そういう企業にとっては、インスタンスごとにセキュリティポリシーの状況を調べることがとりわけ難しい。そのための言語は謎めいているし、クラウドサービスを利用しているときには監視するポートの数も無限に近いと思われるほど多い。したがってセキュリティ担当のアドミニストレータは、毎日膨大な量のチェック作業に追われる。

とくに悲惨なのが、高度にエラスティックなAWSの環境を使っている成長著しいスタートアップやエンタプライズにおけるDevOpsやSecurityOpsの人たちだ。利用者の多いスタートアップのプライベートデータがパブリックになってしまっていたら、その影響たるやすさまじい。その企業のユーザのプライバシー保護がいい加減だった、ということになり、法廷沙汰になったり多量のユーザを失ったりする。

Dome9はすでに完成された企業で、Amazon Web ServicesやRackspace、Soft Layer(IBMが買収)、HP Cloudなどの上におよそ500の顧客がいる。競合企業はCloudPassageなどだが、セキュリティに限定されないもっと広い意味でのAWS視覚化サービスとしては、CloudCheckrCloudability、そしてNewvemなどがある。Newvemは先月、Datapipeに買収された。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Amazon Web ServicesがCIAとNSAのクラウド入札競争でまたまたIBMに勝つ

Amazon Web Servicesは、IBMとの巨額な入札競争に勝って、合衆国諜報機関のクラウドインフラストラクチャを構築することになった。今日(米国時間10/7)公開された裁定の中で合衆国連邦請求裁判所Thomas Wheeler判事は、AWSはIBMと争っていたCIAとの契約を6億ドルで合法的に勝ち取った、と書いている。IBMにはこの裁定を上訴する計画がある。IBMは声明文の中で、同社の提供物の方が費用効果が高く、また同社には合衆国政府との協働における数十年の経験がある、と述べている。

会計検査院(General Accounting Office(GAO))が2月に、AWSはこの入札の基準をすべては満たしていないという報告を発表したため、このような抗争が生じた。IBMは入札過程に異議を唱え、GAOに契約の精査を求めていた。

CIAがGAOの推奨に従ったためAWSは、連邦請求裁判所に上訴した(7月)。CIAがGAOの推奨を受け入れなかった場合には、この問題は合衆国議会に回されるところだった。

なぜCIAがこのたび、GAOの推奨を拒否する決定をしたのか、それは不明だ。しかし同局が、AWSが提供する自動スケーリングとエラスティシティのため、AWSをベストチョイスとみなしたことは明らかである。

この敗退はIBMにとって大きな打撃だ。同社のインフラへの投資はかねてから大きいが、しかしそれでも、AWSと互角に立つことすらできなかったのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


AWSのパフォーマンスモニタリングで好調なStackdriverがシリーズBで$10Mを調達

Stackdriverは、クラウドから提供されるアプリケーションをモニタするサービスだが、今日(米国時間9/18)はシリーズBとなる1000万ドルの資金調達を発表した。このラウンドはFlybridge Capital Partnersが仕切り、既存の投資家Bain Capital Venturesと数名のエンジェル投資家が参加した。ボストンに本社を置く同社は、昨年シリーズAで500万ドルを調達したが、協同ファウンダのIzzy AzeriとDan Belcherが今月初めに語ったところによると、今回の資金は営業およびマーケティング努力の拡大と、分析サービスのタイプを増やすことに充てられる。

彼らによると、同社は新たな資金調達にそれほど熱心ではなかったが、昨年のシリーズAの完了以降に数社のVCからアプローチされた。すでに同社のサービスの顧客は相当増えていたから…約400社、有料顧客はSmugmug、99designsなど数十社…、今回のラウンドもやることに決めた。FlybridgeはMongoDBの初期の投資家でもあるので、今回のラウンドのリーダーとしてふさわしいと思われた。

Stackdriver自身は今のところAmazonのクラウドサービスのパフォーマンスの測定が主だが、起業時の目標は一般的なmonitoring-as-a-service、何でもモニタするMaaSだった。でも実際には、デベロッパはもっぱらパフォーマンスを気にする生き物であった。同社のファウンダたちによると、大きなチームが大量のリソースをパフォーマンスモニタリングに投じているところも多く、そういうところはモニタリングをStackdriverに任せて楽になるべきである、と。

Stackdriverはリソース単価8ドルで、パフォーマンスの測定結果を視覚化するダッシュボードを顧客に提供する。リソースとは、ひとつのデータベース、ひとつのEC2インスタンス、ひとつのDynamoテーブル、などなどのことだ。また同社のモニタリングアルゴリズムは、サーバの異状をデベロッパに警告する。サービスの利用料金は、10名未満の開発環境なら無料だ。

Smugmugのオペレーション部長Andrew Shiehが今日の声明文の中で、“Stackdriverが登場するまでは、ダイナミックな…動的にたえず変化していく…クラウド環境をモニタできるソリューションがなかなか見つからなかった”、と言っている。“今日ではStackdriverを利用することによって、弊社のシステムとインフラストラクチャのパフォーマンスを数百万のユーザが期待するレベルに維持できる。クラウドモニタリングのためのプロダクトを弊社で作るとしたら、まさにStackdriverと同じものになるだろう”。

既存の同種サービスに比べてとくに優れていると自負しているのが、アラートだ。これまでのデベロッパは4種類か5種類のモニタリングシステムを使っていたから、アラートが多すぎてアラート疲れになっていた、と同社は言う。

Stackdriverは目下AWSとパフォーマンスに絞っているが、今後は新しいツールも加えたい、と考えている。たとえばユーザは、コストのモニタリングもしたい、と望んでいる。また、外部リソースについてもモニタしたい。ただし同社のチームが前から考えていたスレッド検出ツールは、当面棚上げとなっている。

AWSのほかに、Rackspaceのクラウドのモニタリングも提供しているが、利用者は同社の全顧客の中でごく少数であり、だから、こんな記事など向けにあまり強く謳うべきではないと考えている。

〔参考: 関連記事。〕

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Amazonの関係データベースサービスがメモリ244GBの巨大インスタンスタイプを提供

Amazonの関係データベースサービス(Relational Database Service, RDS)はデベロッパに、データベースエンジンMySQL、Oracle、またはMicrosoft SQL Serverへのアクセスを与える。このサービスにこのほど、大量のメモリを必要とするアプリケーションのための、新しいインスタンスタイプが加わった。244GBのメモリを提供するこのタイプはHigh-Memory Cluster DB Instance Classと呼ばれ、これまでの最大タイプ”quadruple extra large”(68GB)の3.6倍に相当する。ただし当面このインスタンスがサポートするのはMySQLデータベースのみである。

この新しいインスタンスは性能も高く、Amazonの計測によると、その計算力は2007年モデルのOpteronないしXeonプロセッサ(1.0-1.2 GHz)88基ぶんに相当する。Amazonによると、8コアのIntel Xeon E5-2670プロセッサ2基がこのインスタンスを駆動し、広帯域のネットワーク上で稼働する。同社の主張では、デベロッパはこのインスタンスを使うことによって、これよりも小さなインスタンスの約60%増のスピードを達成する。AmazonのJeff Barrの考えでは、この新しいインスタンスタイプは“これまで以上に要求の苛酷なデータベース駆動型アプリケーションに門戸を開く”、という。

Amazonによると、これだけ大量のメモリが使えるとデベロッパは、データベースを使用するオンライントランザクションのほとんどすべてをメモリ内で行うようMySQLを構成できるので、そういう種類の用途にとってこのインスタンスタイプは理想的である。AmazonのRDSはSQLとMemcachedのAPIでアクセスできるから、複雑なSQLトランザクションはもとより、単一のデータベースからデータを取り出す高性能なNoSQL的操作も可能である。

当然ながらこの新しいインスタンスタイプは、お値段も相当に高い。3年契約で1時間あたり2.074ドルからだが、前金3000ドルあまりを支払う。AmazonのUS EastとWestリージョンにおけるオンデマンド利用は、1時間4.725ドルからだ。

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AmazonのAWSがコマンドラインツールを提供, スクリプトを書いて日常ルーチンを自動化しよう

グラフィカル(な)ユーザインタフェイス(GUI)はすてきだが、ときには古き良き日のコマンドラインをどうしても使いたいことがある。Amazonは今日(米国時間9/3)、AWSのコマンドラインインタフェイスを一般公開する、と発表した

ただしこのコマンドラインツールは当面、デベロッパ向けのプレビューである。このツールを使ってデベロッパは、AWSの23のサービスを、あの少々複雑なWebインタフェイスを使わずに、コマンドラインからコントロールできる。自分のAWSアカウントをコマンドラインから管理する人はあまりいないと思うが、しかしコマンドやその引数を羅列~組み合わせることによってデベロッパは、日常のプロセスの多くを自動化できるのだ。

今日のリリースには、S3クラウドストレージのためのファイルコマンドのアップデートも含まれている。ファイルシステムに対するこれらのコマンドによってデベロッパは、“バケットの中身をリストアップしたり、多数のファイルのあるフォルダをアップロードしたり、ローカルファイルとS3上のオブジェクトをシンクしたりできる”、とAmazonは言っている。

AWSでは何でもそうだが、このツールも構成があまり簡単ではない。しかし、Amazonが提供しているインストールガイドは親切でわかりやすいし、ドキュメンテーションも豊富だから、初心者もびびる必要はない。対応OSはWindowsとMacとLinuxで、EC2専用にビルドされたLinuxパッケージAmazon Linux AMIの、最新バージョンにはすでにプレインストールされている。

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AWSのサーバー問題で、Instagram、Vine、Airbnb、IFTTTらがダウン

休日の残った時間、みんなが何をしていたのかをInstagramやVineで見て過ごそうとしてた人たちは、おそらく苦労したことだろう。どちらのサービスも1時間以上停止していた。おそらく、Amazon Web Servicesの問題のために。

はじめにこの問題をTwitterで公式に認めたのはInstagramで、Vineが約30分後に続いた

サービスの不具合に対するツイートの波は、東海岸時刻午後4時頃から始まり、料理の写真や念入りに仕上げたビデオをシェアできなくなったことをユーザーが知るにつれ、苦情は増えるばかりだった。さらにTwitterを探ると、Amazon Web Servicesに依存している他のサービス — NetflixIFTTT Heroku、およびAirbnb等 — も同じ問題を経験しているようだ。現時点で、InstagramとVineは、徐々に復旧しつつあり、Netflixのダウンを嘆くツイートもおさまったきたが、IFTTTのウェブサイトは未だに普通状態だ。

Amazon Web Servicesのダッシュボードをざっと見たところ、同社のノースバージニア・データセンターに何らかの問題があり、それがすべての根源のようだ(Airbnbが、今日午後のツイートで状況を確認した)。Amazonは、EC2、リレーショナルデータベース、およびロードバランサーの問題について過去2時間律儀に報告を続けているが、最新情報によると、彼らは根本的問題を突き止め、現在残る混乱の解決につとめているようだ。Amazonは、EC2で起きたことを最初に解明した認識した。

西海岸時刻午後2:21、われわれは性能問題の根本原因を突き止め、これを修復した。EBS下のインスタンスは現在正常に稼働している。影響のあったボリュームの大部分は通常通り運行しており、現在、未だに性能低下の見られるインスタンスやボリュームの改善につとめている。

次に、ロードバランサーの問題に触れた。

西海岸時刻午後2:45、われわれは1カ所のAvailability Zoneのロードバランサーに影響を与えていた接続性問題の根本原因を突き止め、これを修復した。複数のAvailability Zoneにおけるバックエンドインスタンスのロードバランサーに関する接続性問題が緩和された。引き続き問題のあるロードバランサーの改善につとめている。

ともあれ、最悪の状態は回避されたようだが、今後も本誌は最新状態のチェックを続ける。みなさんにおかれては、これらのサービスに費やせなかった時間を賢く過ごした(=Twitterで不平をこぼすだけでなく)ことと期待している。

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 (翻訳:Nob Takahashi)


AmazonがAWS入門コースを提供–制限時間以内ならマイペースで学べる

Amazon Web Servicesがその複雑さを隠蔽している、と責める者はいない。この、絶え間なく機能拡張を続けているクラウドプラットホームは、とっつきにくいことをAmazon自身が認めているようだ。ここしばらくAmazonは、いくつかの教育訓練クラスを開設してきたが、今日の発表では、 同社のAPNテクノロジーパートナー企業の一社であるCloud vLabと提携して、学習者が自分のペースで学べるオンラインコースの提供を開始する。各コースの受講料は29ドル99セントだ。

Amazonによると、各コースはAWSの主要テーマのエキスパートが設計し、デベロッパたちの“製品テストや新しい技能の取得、AWS実践体験の取得”を助ける。教育訓練の多くはAWSの実動環境で行われ、勉強するデベロッパはAWSのコンソールを“さまざまな既製のシナリオといちばん一般的なユースケースにしたがって”使っていく。

上で言う主要テーマとは、たとえばEC2のインスタンスの作り方、Elastic Block Storeの使い方、ロードバランシング、オートスケーリングなどのベーシックなスキルだ。ほかに、ちょっと進んだテーマ、たとえばAmazon RDSをアプリケーションからどうやって使うか、CloudFormationの活用方法、などもある。今13のコースがあり、その全容はここで分かる。

Cloud vLabにとってAmazonとの提携は、同社の自己ペース型体験学習コースのマーケットプレースrun.qwikLAB.comの立ち上げを意味している。

なんとかAWSを使いこなせるようになりたい、と考えているデベロッパは、このマイペース型学習コースで最初の味見ができる。29ドル99セントで購入した受講資格には時間制限があり、たとえば、約1時間で終了するコースなら、制限時間は2時間だ。だから残念ながら、完全なマイペース型ではない。ただしPDFによる“教科書”は提供されるようだ。なお、購入した受講券(権)は、使わなくても6か月で無効になる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


AmazonがAWS入門コースを提供–制限時間以内ならマイペースで学べる

Amazon Web Servicesがその複雑さを隠蔽している、と責める者はいない。この、絶え間なく機能拡張を続けているクラウドプラットホームは、とっつきにくいことをAmazon自身が認めているようだ。ここしばらくAmazonは、いくつかの教育訓練クラスを開設してきたが、今日の発表では、 同社のAPNテクノロジーパートナー企業の一社であるCloud vLabと提携して、学習者が自分のペースで学べるオンラインコースの提供を開始する。各コースの受講料は29ドル99セントだ。

Amazonによると、各コースはAWSの主要テーマのエキスパートが設計し、デベロッパたちの“製品テストや新しい技能の取得、AWS実践体験の取得”を助ける。教育訓練の多くはAWSの実動環境で行われ、勉強するデベロッパはAWSのコンソールを“さまざまな既製のシナリオといちばん一般的なユースケースにしたがって”使っていく。

上で言う主要テーマとは、たとえばEC2のインスタンスの作り方、Elastic Block Storeの使い方、ロードバランシング、オートスケーリングなどのベーシックなスキルだ。ほかに、ちょっと進んだテーマ、たとえばAmazon RDSをアプリケーションからどうやって使うか、CloudFormationの活用方法、などもある。今13のコースがあり、その全容はここで分かる。

Cloud vLabにとってAmazonとの提携は、同社の自己ペース型体験学習コースのマーケットプレースrun.qwikLAB.comの立ち上げを意味している。

なんとかAWSを使いこなせるようになりたい、と考えているデベロッパは、このマイペース型学習コースで最初の味見ができる。29ドル99セントで購入した受講資格には時間制限があり、たとえば、約1時間で終了するコースなら、制限時間は2時間だ。だから残念ながら、完全なマイペース型ではない。ただしPDFによる“教科書”は提供されるようだ。なお、購入した受講券(権)は、使わなくても6か月で無効になる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


OpenStackをAPIレベルでAWS互換にせよ, という切実なる公開書簡

CloudscalingのCTO Randy Biasが今日(米国時間7/24)、OpenStackに宛てた公開書簡を書いた。その中で彼は、オープンなクラウドを目指す各種の取り組みは、Amazon Web Services(AWS)のデファクトスタンダード性を素直に認めて、それと互換性のあるAPIを整備しなければ勝利できない、と述べている。

彼は、AWSは事実上のリーダーだ、と主張する。だから正しい対応は: OpenStackは独自のAPIを作って自己を差別化する努力をやめて、AWSがパブリッククラウドにおける勝者であるという現実を受け入れることだ。そうすればOpenStackは、AWS的なパブリッククラウドと現代的なデータセンターが交わる“ハイブリッドな”クラウドの分野で勝てる。OpenStackが伸びる場所は、そこだ。その顧客は、それなりの伸縮自在性を持つクラウドオペレーティングシステムを必要とするが、何万何十万もの一般ユーザにサービスを提供する必要はない企業ユーザだ。

とりわけBiasは、OpenStackを使う場合の、スタンダードとなるAPIを作ることを、Rackspaceに呼びかけている。彼は、OpenStackがこれまでRackspaceのオープンクラウド寄りのAPIを作ってきた経緯を、詳しく述べている。Biasによれば、RackspacはOpenStackのAPIを自分のために作ってきた*。同社はOpenStackを利用して、自己のサービスを差別化しようとしてきた。〔*: RackspaceはOpenStackの最有力の創設メンバーの一人。〕

たしかに、それは事実だ。明らかにRackspaceは、OpenStackという公共的な性格の団体を作るという機に乗じて、自分自身をより大きくしようとした。当時の同社は、クラウドの今後の方向性について模索し迷っていた。同社は、ホスティング企業からソフトウェアデベロッパへという、重要な曲がり角にさしかかっていた。そのことを、Rackspace自身も理解していたのか? 理解していたと思う。同社はOpenSackのリーダー役を買って出ることによって、それをコントロールしようとし、自社のクラウドとそのAPIをOpenStackの“ネイティブの”APIと呼ばせようとした。

しかしRackspaceには、世界初の大規模で本格的なオープンクラウド運動の口火を切った、という功績がある。今ではそこに、250社あまりが参加し、何千ものデベロッパが120万行を超えるコードを書いている。IBMもRed HatもHPも、みなOpenStackに加わった。そしてBiasはCloudscalingの新しい市場を開拓でき、そこに対し、クラウドインフラを構築するためのシステムサービスを提供していった。

しかし、ここにきてBiasがAWSを持ち上げるのには、理由がある。それは、彼自身の利害だ。彼の会社はAWSとGoogle Compute Engineを重視している。だからAWSとOpenStackが重なるようなAPIがあれば、彼の若い会社の大きな助けになる。こういった問題に関しては、クラウドコメンテーターのBen Kepesが良い記事を書いているので、一読をおすすめしたい。

それは、奇妙な状況でもある。OpenStackに参加している企業は、強きも弱きも、大きな市場圧力にさらされている。そしてそのプレッシャーを増幅しているのがAWSと、その疑問の余地なきイノベーションだ。OpenStackの創設から今日までの3年間で、AWSはクラウド宇宙を支配してしまった。

しかし、HP、IBM、Red Hat、AT&Tなどなど多くの企業は、AWSをそう簡単にパブリッククラウドのデファクトスタンダードとして受け入れるわけにはいかない、それぞれの事情を抱えている。彼らは、AWSに勝たせたくない。彼らから見ると、Amazonの、自分がコントロールを握ろうとするときのやり方は、あまりにも苛烈で非情だ。そのAPIはクローズドだし、いつでも勝手に変えることができる。独自の理由で、一部のサービスを一方的に切り詰めることすらありえる。

だから、Rackspaceがこれまで我が道を行くでやってきたように、誰もがそうしてきたのだ。

Biasは、OpenStackの将来性に疑問を投げかけている。最終的にそれは、誰の役に立つものになるのか、と。この、AWSのAPIとの互換性、という問題について、RedMonkのアナリストDonnie Berkholzに話を聞いてみた。彼は、結局それは将来性の問題だ、と言った。APIのプロバイダには、それを将来にわたってメンテする義務がある。そのAPIは、今後もずっと動くもの、使えるものでなければならない。その点に関しては、Amazonには疑念の余地がない。しかしOpenStackは、大きなクェスチョンマークだ。OpenStackには今すでに変種が相当多くて、統合を難しくしている。たとえば、Dreamhostはストレージに(分散並列ストレージ)Cephを使い、RackspaceはSwiftを使っている。Dellは、自社製を使っている。

OpenStackは、こういった複雑性を解消すべきである。しかし参加企業が多くてそれぞれが独自の利害を抱えているから、その課題は、言うは易く行うは難しの典型となる。

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Google Cloud Storage, アップデートでAmazon S3と肩を並べる–Object Lifecycle Managementの導入など

Googleが今日(米国時間7/22)、同社のCloud Storageサービスの新たな機能を3つ発表してAmazonのWeb Services(AWS)に機能的に接近してきた。AWSのS3と同じく、GoogleのCloud StorageもこれからはObject Lifecycle Management(オブジェクトライフサイクル管理)を提供してオブジェクトを削除するタイミングを指定できるようになり、またストレージとCompute Engineの間のレイテンシを減らすためにファイルをどのリージョンに保存するかをデベロッパが指定できるようにした。

以上の機能はまだ実験段階だとGoogleは言っているから、Google Cloud Storageの通常のSLA(サービスレベルアグリーメント)は適用されない。

Googleは曰く、ユーザがDurable Reduced AvailabilityのCloud StorageバケットとCompute Engineのインスタンスを同じリージョンに置くことは、両者が同じ“ネットワークファブリック”を共有することを意味する。これによってレイテンシが減り、きわめてデータ集約的なアプリケーションのための帯域が増大する。Googleが合衆国で提供しているリージョンは複数あり、ユーザは任意に選べる(East 1-3、Central 1、2、West 1)。

しかしながら、Googleによれば、ユーザはこれからもデータを合衆国でホストするかEUでホストするかを任意に指定でき、またデータを複数のリージョンに分けて置くこともできる。ユーザのアプリケーションが、コンテンツの配布が主で、コンピューティングが少ないなら、このやり方のほうが良い、とGoogleは言っている。

Object Lifecycle ManagementによってGoogleは、AWSのユーザにとっては長年おなじみだった機能を提供する。すなわち、デベロッパはファイルの期限切れルールを指定でき、期限切れになったら自動的に削除させられる。これらのルールはGoogleでもAWSの場合と同じく、簡単なXMLドキュメントで管理し、全体的な機能もAmazonのサービスと趣を一にしている。

さて、第三の新機能は、複数の大きなオブジェクトを並列でアップロードするGsutil 3.4により、ファイルのアップロードが速くなったことだ。今回のアップデートでは、複数の大きなファイルを自動的に複数の接続上でアップロードすることにより、TCPのスループットを上げる。この機能は自動的に有効になるので、デベロッパが自分のワークフローをあれこれいじる必要はない。また、並列アップロードでも不十分なぐらいデータが多すぎるときには、ハードディスクをGoogleに送れることを、忘れないようにしよう。

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AmazonがEC2の専用インスタンスを最大80%値下げ

Amazonが今日(米国時間7/10)、クラウドコンピューティングプラットホームEC2の専用インスタンスを最大で80%値下げする、と発表した。たとえば、EC2の通常の料金にプラスして課金されるリージョン専用料金は、1時間あたり10ドルから2ドルに値下げされる。これは、クラウドサービスの薄利多売を常とするAmazonとしても、相当大幅な値下げだ。Amazonによると今日の値下げは、“コスト削減の方法を絶えず模索し、その節約効果を顧客に還元する弊社の伝統の”一環だそうだ。新価格の適用開始は7月1日にさかのぼり、すべてのインスタンスタイプとAWSリージョンに適用される。

専用インスタンスの‘専用’とは、ハードウェアがその顧客専用、という意味だ。通常のインスタンスのような、どこかの仮想マシン上のインスタンスではない。このタイプのインスタンスを設けている理由は、同社によれば、“企業のポリシーや業界の規制等によりEC2のインスタンスがほかの顧客に属するインスタンスから、ホストのハードウェアのレベルで隔離されている必要がある場合”に対応するためだ。

リージョン専用の料金だけでなく、オンデマンドの専用インスタンスも値下げされる。それは長期契約がなくて、時間あたりで課金されるインスタンスだが、最大で37%の値下げとなる(例: 合衆国東部リージョンのm1.xlargeインスタンスが$0.840から$0.528へ)。また、長期利用の専用予約インスタンスも大幅値下げとなり、前金の額が57%値下げされる。

今日の発表の前には4月に、EC2の通常のインスタンスの小幅な値下げが行われた。そのときは、Windows用のオンデマンドインスタンスが最大で26%値下げされた。

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ビッグデータが入ったHDDをGoogleに送ると80ドルでクラウドにアップしてくれる

Googleのクラウド・ストレージに新しいサービスが加えられた。デベロッパーはハードディスクをGoogleに送って、インターネット経由では非常に時間がかかるような大量のデータをクラウドにアップロードしてもらうことができるようになった。料金はHDD1台あたり 80ドルの定額だ。

Googleによれば、この方法はインターネット接続より大幅に速くまた安価だという。現在限定ベータテスト中なので対象はアメリカ国内に住所を持つユーザーに限られる。

AmazonのAWSやGoogleのクラウド・プラットフォームは巨大なデータセットを保管、解析するのに好適なサービスだ。しかしGoogleのエンジニアのLamia Youseffが指摘するとおり、巨大データ(往々にして100TB以上になる)の転送がボトルネックになっていた。公衆インターネット回線を利用した場合、時間も料金もかかる。たとえば5TBのデータを100Mbpsの回線でアップロードしようとすると1日か2日かかってしまうし、多くのデベロッパーはそもそもそんな高速回線を持っていない。

実はAmazonに非常によく似たサービス〔日本から利用可能〕があり、料金もHDD1台あたり80ドルと同額だ。しかしなんでも従量制にするAmazonらしく、転送作業時間に応じた料金がかかる。5TBのデータをeSATAのHDDからS3にアップロードする場合、Amazonの計算よれば、別途45ドルが課金される。この点Googleの定額制の方がはるかにお得だ。ただしAmazonはクラウド上のデータをHDDにエクスポートするサービスも実施しているが、今のところGoogleにはない。

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56台のRaspberry PiをLEGOの棚に収めたPiCloud, クラウド環境を目の前の実物で学習

Raspberry Piにはできないことって、あるだろうか? ここにもまた、この35ドルのマイクロコンピュータの…それを56個重ねた…おもしろい実装がある。PiCloudと呼ばれるこの作品は、Pi用のおあつらえ向きの棚としてLEGOブロックを使っている。(PiとLEGOを組み合わせた作品は、ほかにもあった。)

この作品はグラスゴー大学のコンピュータ科学専科大学院(School of Computing Science)で教材として作られ、学生たちはこれをハックしながら、AmazonのAWSなどで使われているクラウドプラットホームのインフラストラクチャと、その技術(仮想化など)について勉強する。

PiCloudの56のRaspberry Piは、LEGOで作った4段の棚に収められ、16のEthernetラインで接続されている。内14がPiのネットワーク用、2つがスイッチ用だ。各PiボードがRaspbian Linuxを動かし、さらに3つのLXC仮想化コンテナがLinuxのインスタンスを動かす。

PiCloudが動かしているソフトウェアは、“シンプルなワークロード”と呼ばれるlighttpdなどと、実験用の“人工的なワークロード”と呼ばれるlookbusyなどだ。PiCloud上のそのほかの実験的なハッキングとして、libvirtdockerなどもある。Hadoopも動かしているが、これは目下ネイティブのLinuxインスタンス上のみで、LXCのインスタンスではない。

学生の一人が、PiCloudのAWSふうWebコンソールインタフェイスを作った(下図):

PiCloudの作者たちは、これは“永遠に未完の作品だ”と言う。教材としてはたとえば、“libvirtが使えるようになったら”ovirtなどの標準ツールも導入したい。やりたいことが、まだまだある。また教材以外に、これは研究材料でもあり、コラボレーションの素材でもある。詳しくは、プロジェクトのホームページを見てみよう。

PiCloudは、Piが利用者のさまざまな目的やミッションに奉仕することの好例であるとともに、いわゆる“メーカー”たち(参考記事)の人気者であることも示している。Raspberry Pi Foundationは元々、イギリスでもっと多くの子どもたちがプログラミングを学べるために、この低価格の超小型コンピュータを作った。PiCloudも今まさに、そのために役立っているのだ。

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Amazonのクラウド・データベースRDSからベータが外れる―月間アップタイム99.95%を保証するSLAを提供

今日(米国時間6/6)、AmazonはRDS(リレーショナル・データベース・サービス)を公式に一般公開し、マルチアベイラビリティーゾーン配備の場合、月間99.95%のアップタイムを保証するSLA(サービス・レベル契約)の提供を開始した。

RDS自体はすでに3年半も稼働している。しかしAmazonは新機能を付け加え続け、またSLAも提供していなかったのでこれまで「一般公開」とは呼ばなかった。

Amazonが発表しているように、RDSはNASAのジェット推進研究所、ユニリーバ、Flipboard、Airbnbなど数千の企業で利用されており、すでに月間で何兆回ものI/Oリクエストが処理される規模になっている。

ユーザー企業やデベロッパーにとって重要なのはAmazonがRDSからベータ版を外したことではなく、SLAを提供し始めたことだ。月間99.95%のアップタイムjということは、Amazonが各インスタンスのダウンタイムを月間22分以下と想定していることを意味する。月間アップタイムが99.95%未満かつ99.0%以上だった場合は料金の10%、99%未満の場合は25%が割引される。ただしこのSLAがt適用されるのはマルチアベイラビリティ・ゾーン配備のみだ。この場合標準配備より料金は50%高くなる

RDSは現在Amazonが提供する4つのデータベース・サービスの中でMySQL、Oracle、SQL Serverをサポートするなどいちばん古典的なものだ。同時にこの分野ではGoogleが最近Cloud SQLアップデートするなどして競争力を増している。またMicrosoftもクラウド・データベースやビッグデータ・サービスの分野に参入を図っている。

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