Microsoft Edgeでサーフィンができるようになった

ブラウザ開発者は、インターネットがダウンしているときに時間をつぶすのに役立つような、小さなイースターエッグ(いたずら機能)をアプリに追加するのが大好きだ。例えばChromeには昔から、「ネット接続なし」というエラー画面から起動できるDinoゲームがある。Microsoft(マイクロソフト)のEdgeチームは2020年に、似たような機能をプレリリース版に組み込んでおり、そして米国時間5月26日に同社が発表したように、安定版のソフトウェアでも利用できるようになった。

URLバーに「edge://surf」と入力するだけ、サーフレースに参加することができる。ゲームは障害物や他のサーファー、そして時折登場するクラーケン(イカやタコのような怪物)を避ける、エンドレススクロールゲームだ。Dinoゲームよりも楽しいし、機能も充実している。さまざまなゲームモード(エンドレス、タイムトライアル、ジグザグ)があり、キーボード、マウス、タッチまたはゲームパッドでプレイできる。ゲームをさらに簡単にプレイする場合は、低速モードや視覚障害者のための高視認性モードがある。

1年近いパブリックプレビュー期間を経て、Edgeチームは2020年初めに最初の安定版をリリースし、また先週の仮想で行われたMicrosoft Build 2020で、マイクロソフトは多くの新機能を発表した。プレビュー期間中でもEdgeは有能なブラウザだったが、同社の非常に優れたChromiumベースのブラウザであることを除けば特徴的な機能を欠いていた。この状況は徐々に変化しており、現在、チームはEdgeの機能セットを構築中だ。このサーフゲームは特徴的な機能ではないが、ブラウザの全体的な雰囲気を整えるのに役立つし、マイクロソフトがすでに基本機能以上の点に注力していることがわかる。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

アップルやサムスンが低価格モデルを模索する中、モトローラはプレミアム路線に足を踏み入れる

ここ数年、スマートフォンの売り上げは頭打ちとなり伸び悩む中、多くのメーカーが同じ結論に達した。それは「みんな安いスマホを欲しがってる」というものだ。Apple(アップル)やSamsung(サムスン)もそのメッセージをまともに受け取った。スマートフォン市場の低迷と1000ドル級のプレミアムな機種の定番化とが同期を見せている点が理由であることは明らかだ。

Motorola(モトローラ)は、近年、お買い得なスマートフォンのメーカーとして定着しているが、まったく別の方向に打開策を見いだそうとしている。同社初の1000ドル級スマートフォンとなるEdge+(エッジプラス)の投入によって、同社は本物の高級機種の領域へ足を踏み入れた。これは、OnePlusシリーズに899ドルの8 Proを加えた先日の作戦よりもドラスティックな一手だ。

安価な中間層向け製品をメインに据えるモトローラには、どうしても高級スマートフォンのイメージが浮かばない。Lenovo(レノボ)傘下のこのスマホメーカーが高額なモデルに手を出すときは、ギミックに走る傾向があった。言い換えれば、非常にニッチな製品だ。たとえば、暖かく迎え入れられたMoto Zや、折り畳み式で復活して酷評されたRazrのようにだ。

だがEdge+の場合は、素直な高級路線を歩んでいる。セールスポイントはカメラ、ディスプレイ、5G。今どきの高級スマートフォンの世界では、まったくもって標準的だ。記憶している限りでは初めてモトローラは、世界中で使われているアップルやサムスンの製品と真っ向勝負に出たわけだ。

ではスペックを見てみよう。リフレッシュレート90Hz、縦横比21:9の6.7インチディスプレイが採用されている。左右は縁を巻き込んでいる。サムスンが少し前から採用している形に近い。さらにサムスンと同じく、そのごく狭い表示スペースを、通知、電話の着信通知、アラーム、バッテリーの状態などの情報の表示に使っている。基本的に、本体を手に取らなくても素早く情報が確認できる仕組みだ。

内部には、旗艦レベルのSoCであるSnapdragon 865が搭載され、たっぷり12GBのメモリー容量がある。そうそう、5Gにも対応している。mmWaveにもsub-6GHzにもつながる。モトローラはスピーカーにもこだわった。スピーカーは、スマートフォンではもっとも見落とされがちな部分だ。だが私はまだ実際に試していないし実際に触ってもいない。社会的距離とかあれこれの影響だ。

背面のカメラは3つ。メインは1億800万画素のカメラ。大量の光を採り込むことができる。それに800万画素の望遠と、1600万画素の超広角だ。最近のモトローラのモデルにはあったのだが、これにはマクロは付属していない。だが、1600万画素のカメラは、ある程度の接写ができる。

Edge+の発売は5月14日から。米国内ではVerison(ベライゾン)が独占販売する(以前にも、残念なことに、何度かモトローラはその形で製品を発売している)。カナダでは多くのキャリアから発売される。ヨーロッパでも5月に発売されるが、インドや中南米などの他の地域はその後になる。

プロセッサーとカメラのランクを落として価格を抑えたEdgeも登場する。だがディスプレイは変わらない。ヨーロッパ、中南米、アジア太平洋地区、米国で少し遅れて発売される予定だ。

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(翻訳:金井哲夫)

マイクロソフトがChromeベースEdge安定版を初リリース、Mac版もあり

Microsoft(マイクロソフト)はスケジュールどおり、米国時間1月15日に新しいChromiumベースのEdgeブラウザーの最初の安定バージョンリリースした。独自のブラウザーエンジンの開発を中止し、良かれ悪しかれ業界標準を採用することを最初に発表してから、まだ1年ちょっとしか経っていない。

現状で、Windows 7、8、10に加えてmacOS用の安定版を直接ダウンロードできるようになっている。Windows 10を使用している人は、自動更新に組み込まれるのを待ってもいいが、それにはまだしばらく時間がかかりそうだ。

すべての開発はオープンで進行したため、これまでにもさまざまなプレリリースチャネルがあった。それもあって、今回のリリースに驚きはない。「コレクション」(Collection)と呼ばれるマイクロソフト独自の新しいブックマーク機能など、将来に向けて最も興味深い機能の一部は、まだ実験的なプレリリースチャンネルでのみ利用可能となっている。ただし、Edgeは現在6週間のリリースサイクルを採用しているので、そうした状況もすぐに変わるだろう。

ここまでの開発サイクルに沿って、私もずっと主張していたように、EdgeはChromeに対する有望なチャレンジャーだ。代替のブラウザーを探している人に推奨することに、まったく躊躇は感じない。とはいえ、まだいくつかの機能が欠けている。中でも最も重要なのは、ブラウザーの履歴や拡張機能をデバイス間で同期する機能だ。私としては、Edgeをメインブラウザーとして使用するのに困難を感じたことは一度もなかったが、そこは人によって違うだろう。

他のモダンなブラウザーと同様、Edgeにも、ユーザーをオンライントラッカーから保護するさまざまなオプションが備わっている。また拡張機能については、Chromeウェブストアと、マイクロソフト独自の拡張機能リポジトリの両方をサポートする。さらに、リーダーモードやプロファイルを切り替える機能など、期待されるほぼすべての機能を備えている。

しかし、キラー機能と言えるもの、つまり他のブラウザーと比べて明らかに優れている機能は、まだ確立していない。マイクロソフト自身は、コレクションがかなり気に入っているようだが、私のワークフローにとっては、さほど便利だとは感じられない。しかし、これで安定したプラットフォームが得られたので、開発チームがその上に革新を実現する準備は整った。今後は、新しい機能に集中した開発が期待できそうだ。

Firefoxでは、独自性を追求した開発が進められていることもあって、Edgeとしては、それがどれほど優れているとしても、再びマイクロソフトのブラウザーに戻ってくるよう、ユーザーを説得するのには骨が折れるかもしれない。ほとんどのユーザーにとって、別のブラウザーに乗り換えるのは、それほど手軽にできることではない、という事情もある。

いずれにせよ、これまで新しいEdgeを試してみることをためらっていた人には、ようやくチャンスが到来したと言える。いちばん簡単な方法は、直接最新版をダウンロードすることだ。Windows 10を使っている場合、通常のWindows OS更新チャネルを通じて、そのうちに新しいEdgeが古いEdgeを置き換えることになる。ただしマイクロソフトは、これを非常にゆっくりとしたロールアウトに設定しているので、完了には数ヶ月もかかると見込まれる。その場合も、いったん新しいEdgeがインストールされると、以降はWindows Updateシステムとは独立に、Edgeが自分で更新するようになるはずだ。

当然ながらエンタープライズユーザーは、いつ、どのように移行するのかを選択できる。それについては、マイクロソフトがここここで詳しく解説している。Edgeは、Internet Explorerモードを備えているため、おそらく多くの企業は短期間でEdgeに移行することになるだろう。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

新しいEdgeにはマイクロソフトの大きな思いが込められている

Microsoft(マイクロソフト)は、ChromiumベースのEdgeブラウザーに、いくつかの大きな目標を掲げている。Edge担当副社長Chuck Friedman(チャック・フリードマン)氏は、Edgeで10億人のユーザーを確保したいと考えている。そこに到達して初めてChromeのユーザー数と張り合うことができるのだ。だがその前に、フリードマン氏が率いるチームは1月にEdgeのバージョン1.0を公開しなければならない。

マイクロソフトが自暴自棄になってChromiumを採用したことは周知の事実だ。実際、約2年前にチームに加わったフリードマン氏はそれを実存的危機と呼んでいた。それは、はたしてユーザーは現在のEdgeを使いたいと思うのだろうか?といった疑問から発している。「私が着任したときほとんど全員が、で、我々は何がしたいんだ?といった実存的危機感を抱いていました。それは、なぜEdge?みたいな時期でした。ユーザーがこれを選ぶ理由はなんなのか?重要な問題にうまく対処できるのか?」。その当時、彼はそうした疑問への答を持ち合わせていなかった。そこでチームは、ブラウザー空間に提供できるマイクロソフトならではの価値とは何か、さらにはEdgeには将来的に役割があるのかという基本に立ち戻ることにした。

フリードマン氏は、Edgeのプロダクトチームを担当する以前、Windows 10のユーザーエクスペリエンスのためのプログラム管理チームを統括し、Windows 8のつまづきからの挽回に貢献した人物だ。それを考えると、Edgeがマイクロソフトにとっていかに大切な製品であるかがわかる。

ブラウザー空間には、やらなければならない仕事が山ほどあるとフリードマン氏は言う。「まるで足が生えているかのように、新しい問題の塊が次々に現れます」と彼は私に話してくれた。「なので、過去5年間の問題を解決することではなく、今後5年間の問題を解決するという仕事でした」。そのために彼らは、Edgeに元からあった互換性の問題を克服しなければならなかった。まだ世の中には、少なくとも職場環境には、レガシーなウェブとの互換性が必要だという認識があった。

マイクロソフトを含むブラウザー業界では、誰であれプライバシーが最重要課題であることは明からだ。ネットサーフィンを行う人々のプライバシー問題への意識は一般に高いが、自分自身を守るための手段を持っていないとフリードマン氏は言う。「私たちはそこに辿り着き、ウェブのお約束を認識したのです。世界のあらゆる情報に自由にアクセスできるのは爽快だが、その代償として、その中に自分の個人情報も含まれるとなると困る」とフリードマン氏。そうしてこれも、チームの目標となった。しかし、それらすべての課題を総合して考えたとき(セキュリティーの課題も加わって)、Edgeチームは、これらすべてをマイクロソフト製品全体と調和させるという問題に取り組むことになった。「これはオペレーティングシステムだけの問題ではありません。検索だけの問題でもありません。実際にこれは、完全なMicrosoft 365の話なのです。つまりオペレーティングシステムにセキュリティーと生産性ツールを加えたものです」。

だが、フリードマン氏の話は、私がGoogleのChromeチームから聞いたことと重なる。つまり、現在のウェブは広告のビジネスモデルに大きく依存していて、少なくとも現状では、ウェブでパブリッシングを行っているほとんどの企業では、広告が収益の柱になっているというものだ。そこのバランスを取るのが非常に難しい。マイクロソフトは透明性を高めることで対応しようとしている。「ユーザーは、自分の個人情報がどこにあるかを知っているべきなのに、どのデータが何に使われているのかを知らされていません」と彼は説明する。そのためユーザーには、自分のデータがどのように使われるのかを把握し管理できる能力が与えられるべきだという。

「私たちの業界にも、徹底的なプライバシーの保護と管理が絶対に必要だと訴える人たちがいます。それを求めるユーザーも一部にいると私は思っています。しかし、その中の一部の要素がウェブを崩壊させるとも考えています。そしてそれには、パブリケーションが正当な方法で収益を得る能力を奪ってしまう恐れががります」。さらに彼は、ユーザーのおよそ半数が、通常の広告よりもターゲッティング広告を好んでいて、彼らが不満に感じているのは広告の管理権がないことだと指摘した。

マイクロソフトのブラウザーは、デフォルトでサードパーティーのCookieをブロックするようになっている。そのために、彼らはMozillaと同じホワイトリストを利用しているが、ユーザーが自分のデータを削除できることをサイトが示している場合、そのリストは定期的に更新される。そうすることで、広告業界の多くの企業がユーザーに管理機能を与えるよう促す考えだ。

Edgeはまた、ビジネスユーザーのための強力なツールでもある。そこでチームは、一般の顧客に加えてビジネスユーザーに向けたブラウザーの生産性全体を改善する方法も考え始めている。例えば、そこからCollection(コレクション)のアイデアが生まれた。これは、ブックマークとスクラッチ パッドとリーディング リストのハイブリッドだ。まだ本格的には公開はされていないが、Edgeの試験的なカナリアビルドに実装されていて、フラグを有効化すれば使えるようになる。

また彼らは、ユーザーがよくOffice製品からEdgeにコンテンツをコピー&ペーストしていて、そのためこの機能をもっと強化して欲しいと望んでいることに気がついた。「私たちは、あらゆる素晴らしいウェブエクスペリエンスを有するOffiseの資産を統合することで、連携を強化しようとしています。しかし正直言って、ある程度まで彼らと一緒になって、もっとできるように力を貸す必要があります。Officeのウェブ資産を大幅に刷新できるチャンスなので、とてもエキサイトしています。そこでは、もっと革新的なものが作れます」。

もうひとつ、彼らが注目しているのはタブの管理だ。「タブのカオスは興味深い問題です。それは、いまだに存在します。その問題解決に大きく貢献できた人はいなかったのでしょう」とフリードマン氏は言う。それが実際にどのような形になるかはお楽しみだ。

まだ今すぐには見ることができないがCortanaとの統合もある。それは、今の非Chromium版のEdgeに組み込まれているが、まだ新バージョンに搭載できるまでに成熟していないとフリードマン氏は見ている。ブラウザーには便利なものだが、パーソナルアシスタントは間違いがあってはいけないと彼は言う。新しいEdgeに、それがどのような姿で搭載されるかは、まだわからない。可能性はあると彼は考えているが、現実にどのような形で実装されるかは、いまだ不明だ。

バージョン1.0が出荷された後は、彼らは毎年、2つか3つのメジャーな新機能を追加していく考えだ。おそらく最初はコレクションになるだろう。

フリードマン氏はまた、現在Edgeを利用しているユーザーが多くいることを理解している。その数はおよそ1億5000万人。彼らがEdgeを使っている理由は、Windowsに付属しているからだ。低信頼度ユーザーと彼が表現するその人たちは、新しいEdgeがまったく違う姿をしていたら、わざわざ今とは違うブラウザーをダウンロードするとは思えない。代わりに、iPadなど見た目にずっとシンプルな別のデバイスに乗り換えてしまう可能性がある。

だがマイクロソフトは、明らかに経験豊富なユーザーに向けて、Chromeに取って代わるものとしてEdgeを位置付けている。チームは、そうしたユーザーたちに、できるだけ摩擦の少ない移行方法を提供しようと準備を進めている。そのバランスがとても難しいのだが、フリードマン氏は可能だと信じている。そこには、彼がWindowsのために働いてきた経験が生かされる。

「私の直前の仕事はWindows 10です。Windows 10のためのコアユーザー向けのエクスペリエンスを作り上げるプロダクトチームを率いていました。ある意味、Windows 7と8のコードベースを受け継ぎながら、こう問いました。さて、どうやったらこれらのユーザーを統合して、どちらも新製品に満足してもらえるようになるか。今回も同じようなチャレンジです。数々の異なる分野のユーザーの気持を本気で考えることが重要です」。

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(翻訳:金井哲夫)

新プライバシー機能搭載のChromiumベースのEdgeブラウザが1月15日に公開

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間11月4日、ChromiumベースのEdgeブラウザが1月15日に一般公開され、Insiderプログラム向けのベータ版となるWindowsとmacOSのリリースがダウンロード可能になったと発表した(新しいアイコンも採用されている)。

新しいEdgeブラウザの開発は急速に進み、最新のビルドは非常に安定している。さらに同社はCollectionsのような特徴的な機能をより実験的なビルドに組み込み始めている。

今回のリリースでマイクロソフトは、新しいプライバシー機能も発表した。注目すべき機能は、おそらく新しいInPrivateというブラウジングモードで、Bingと組み合わせることで、ユーザーのオンライン検索履歴と身元のプライバシーを守る。InPrivateはその名のとおり、ウィンドウを閉じたときにローカルマシン上のブラウズセッションに関する情報を削除する。そしてBingで検索すると、その検索履歴や個人を特定できるデータも保存されず、関連付けもされなくなる。

Edgeではデフォルト設定にて、トラッキング防止も有効になる。マイクロソフトのModern Life、Search&Devices Groupのコーポレートバイスプレジデントを務めるYusuf Mehdi(ユスフ・メディ)氏は、本日の発表前のブリーフィングにて、「ウェブ上で難しいことの1つは、プライバシーとデータ保護を両立させる方法で、ユーザーはウェブをパーソナライズしたい場合もある」と述べた。「現在の問題は誰もそれを本当に成功させていないことだ。企業の中には、非常に厳格なプライバシー管理を目指して革新的な取り組みを行っているところもある。問題は、彼らがウェブを壊すことだ。一方で他の企業は『心配しないでほしい。すべての機能を顧客に提供する』と表明するが、バックグラウンドではデータが追跡されている」。もちろんメディ氏は、マイクロソフトのアプローチが優れており、よりバランスが取れていると考えている。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

Microsoftが開発中のChromiumベースの新しいEdgeブラウザがベータ版に

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間8月20日、WindowsおよびMac向けに、Chromiumベースの新しいEdgeブラウザーの最初のベータビルド公開した

およそ6週間ごとに新しいアップデートが公開される予定のこの新しいベータチャンネルは、それぞれ毎日あるいは毎週更新が行われている既存の開発者(dev)ならびにカナリア(canary)カナリアチャンネルに並ぶものだ。

過去数カ月のうちにMicrosoftは、既存のチャンネルで行われたプレビューリリースに対して、約14万件のフィードバックを収集した。この結果と、早期導入者たちから得た十分な量のデータによって、Microsoftはいまや、Edgeがどれくらい多くのマシンの上でうまく動作するのか、そしてより広いリリースを行う前に、愛好者、ウェブ開発者、そしてビジネスユーザーたちに使って貰える程度には安定しているのかどうかを認識しているのだ。

「ベータは最も安定したプレビューチャネルです。ベータ版に追加される機能は、最初にカナリアチャネル、次に開発者チャネルの品質テストをクリアしたものに限られています」とMicrosoftは本日の発表で説明している。「バグ修正とセキュリティのための定期的なマイナーアップデートに加えて、大きなバージョンアップデートはおよそ6週間ごとに行われることが予想されています」。

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現時点で、Microsoftはブラウザを更新するためのすべてのインフラも整備済だ、それは初期のプレビューフェーズで徹底的にテストされたものだ。すなわちチームは、必要に応じて、バグを見つけたときに行われる予定外のベータリリースを、自信をもって行うことができるということを意味している。

Chrome、Firefox、および他のほとんどのブラウザーと同様に、Microsoftは、新しい機能をベータビルドに投入する前に、それらをカナリアビルドおよび開発者ビルドの中でまずテストするという作業は継続する。例えば、現在のカナリアビルドには、タブを切り替える必要なくYouTube、Spotify、その他のビデオおよび音楽サービスを制御できる、非常に便利なグローバルメディアコントロールボタンが加わっている。このような機能は、今後数か月以内にベータチャネルに導入される。

ベータ版でも利用できる(ただしフラグ設定を通して)のがMicrosoftの提供するトラッキング防止機能だ。近日中に、ベータビルドにはコレクションのサポートも導入される、これはMicrosoftが提供するモダンなブックマーク機能である(現在カナリアチャンネルに導入されている)。まもなくベータ版に移行するその他の新機能には、いまだにMicrosoftの古いEdge以前のブラウザーに依存している企業のための、Internet Explorerモードもある。

今回のリリースでは、MicrosoftはEdgeを対象にしたセキュリティバウンティプログラムも開始している。ベータおよび開発者チャンネルのリリースに対して、影響の大きい脆弱性を見つけて開示したセキュリティ研究者は、最大1万5000ドルの報奨金を受け取る資格を得る。

Microsoftの広報担当者が本日のリリースに先立ってインタビューで強調したように、彼らのチームは、Chromiumプロジェクトへに対する1000件以上のコミットに貢献できたという事実に対しても、非常に満足している。Chromiumプロジェクトは主にGoogleのエンジニアたちによって主導されているが、Microsoftの、貢献拡大計画が結果を出しているのを見られるのは良いことだ。

Chromiumへの移行に伴い、Microsoftは独自のエンジンの開発をあきらめた。移行当時同社は、少数のユーザーしかいないエンジンに投資を続けることは、ウェブエコシステム全体を健全に保つという目的のためには必ずしも有用ではなく、代わりにChromiumに取り組むことで、より大きな影響を与えられる可能性があるのだと主張した。その仕事は、今では報われ始めているようだ。

チームが私に言ったように、これまでの多くの作業は、Edgeをベータステータスにして、すべてのコア機能が確かに機能するようにするために費やされてきた。つまり、Edgeを他の競合ブラウザと差別化するような機能をそれほどたくさん見ることはないだろう(コレクション機能はそうした中での差別化機能の一例である)。とはいえ、コア機能がさらに安定するにつれて、チームはEdgeをChromeのようなものと差別化するための、ツールと機能により重点を置くようになるだろう。

私個人は、最初の開発者ならびにカナリアリリースが行われてほどなく新しいEdgeに切り替えて、それ以降日々更新されるチャンネルを通して使い続けている。プレビューバージョンにもかかわらず、ブラウザはWindows 10とMacの両方で非常に安定している。他のバージョンよりも優れているバージョンもいくつかあったが、利用する中で深刻な障害バグを経験したことはなく、Edgeは高速で安定したブラウザーであることを証明してきている。それはベータプログラムにとって良い前兆だ。

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(翻訳:sako)

ChromiumベースのEdgeブラウザ、IEモードやプライバシーコントロールなどを追加

米国時間5月6日、Microsoft(マイクロソフト)は数週間前にプレビュー版が公開されたChromiumベースEdgeブラウザの新機能をいくつか発表した。それらにはビジネスユーザーにも喜ばれるであろうInternet Explorerとの互換モードや新しいプライバシーコントロール、ブックマークの改善が含まれている。

まずユーザーが最も気にするであろうCollections機能は、Microsoftによれば「今日ユーザーが多すぎると感じるウェブの情報」を処理するものだ。具体的には、ウェブ情報を収集し、整理し、シェアすることができる。またこの機能はOfficeとの統合も提供するが、その詳細は明かされていない。

プライバシーに関しては、新たなEdgeブラウザには「無制限、バランス、厳格」という3つのプライバシー設定が用意される。これにより、サードパーティーによるWeb上の行動の追跡を制御できる。

EdgeブラウザのIEモードはその名のとおり、古い仕様のサイトをIEのタブで開くことができる。いまだ多くのビジネスがIEに依存していることを考えれば、これも必要な機能だろう。

EdgeブラウザのChromiumベースへの移行は、ブラウザ業界にとって非常に興味深い出来事だ。ブラウザのエンジンを自製するかわりに、ユーザー向けの革新的な機能を開発し、ひいては競合他社にも革新を強制する機会をMicrosoftは得たことになる。

現時点では、これらの発表はWindows 10向けだけだ。MicrosoftがmacOSとLinux向けにEdgeブラウザをBuildカンファレンスにてリリースするとの観測もあったが、そのような発表はなかった。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

ChromiumベースのEdgeブラウザーが公式プレビュー

Microsoft(マイクロソフト)は、米国時間4月8日、Chromiumエンジンを搭載したEdgeブラウザーの最初の公式バージョンを、Windows 10用にリリースした。最初のデベロッパー向け、およびカナリービルドは、ここからダウンロードできる。カナリービルドは毎日、デベロッパービルドは週1回のペースで更新される予定だ。もう少し経てば、ベータチャンネルも、そして最終的には安定版チャンネルのリリースも期待できる。

Microsoftは、このプロジェクトについて昨年12月に初めてアナウンスした。そのニュースは、やはりかなり物議を醸した。Microsoftは自らのブラウザーエンジンを棄ててまで、オープンソースのエンジンを選ぶのかと。しかも、オープンソースとはいえ、いまだGoogleの強い支配下にあるものを。そうなれば、ブラウザーエンジンはほとんど2つに集約されてしまう。GoogleのChromiumとMozillaのGeckoだ。

私は、先週あたりに出た最新版のビルドを使ってみた。Microsoftの新しいChromiumベースのEdgeブラウザーを使ってみて最も注目すべきことは、まったく注目すべき点がないように感じられることだろう。それは紛れもないブラウザーであり(最初のリリースにつきもののバグはいくつか見られるものの)期待した通りに動作する。それは良いことだ。Windowsユーザーであれば、新しいEdgeをデフォルトのブラウザーとして難なく使用でき、それは何事もなかったかのように動く。その一方で、少なくともこの段階のプロジェクトでは、Chromium版のEdgeを、Google自身のChromeブラウザと区別するものがほとんどない。

ただし、Windowsエコシステムへの統合が深まるにつれて、それもだんだん変化していくだろう。今のところ、これはほんとうに最初期のプレビューであり、ウェブサイトと拡張機能のデベロッパーに対して、サイトやツールのテスト環境を提供するためのものなのだ。

とはいえ、すでにMicrosoftの他のサービスと統合されている部分もいくらかは存在する。現在、Edgeのプレビュービルドをインストールする際には、新規タブのレイアウトを選択することができる。選択肢は、検索バーといくつかのブックマークだけを配置した非常にシンプルなものと、Bingのものに似た、きれいな写真を背景に設定できるバリエーションだ。さらに、Microsoft Newsの最近の主なニュースを表示する機能も、新規タブページをパーソナライズするオプションとして用意されている。

Microsoftによれば、タブの管理や、その他の特徴的なUIを強化する過程で、自社のブラウザーを他社のものから差別化する方法を検討していくということだ。

この最初のプレビューでは、いくらかの同期機能もすでに利用可能となっている。ただし、いくつかのヌケもある。たとえば、ブックマークは同期するが、機能拡張、閲覧履歴、設定、開いているタブ、アドレスやパスワードは同期しない。そうした部分は、今後のビルドで動くようになるはずだ。

今のところ、利用可能な検索エンジンはBingだけ。それについても、まちがいなく今後のビルドで変わるだろう。

Microsoftが優先しているのは、完全なエンドツーエンドのブラウザコードベースをユーザーに提供すること、Windowsの更新サイクルとは別に定期的な更新をプッシュし、同時にユーザーからテレメトリデータをプルすることを可能にするエンジニアリングシステムを構築することだという。

私が遭遇したバグのほとんどはマイナーなものだった。ただし、Netflixには何度も悩まされた。私が試した限り、他のすべてのビデオサービスは問題なく動くのだが、Netflixのホームページはしょっちゅうガクガクしたり、数秒間反応しなくなったりした。

まあ、それは例外だろう。新しいEdgeをデフォルトのブラウザーとしてほぼ1週間ほど使ってみたが、同じような問題に出会うことはめったになかった。ほとんどは、すでに「うまく動いて」いる。PDFもブラウザー内で、期待通りに読むことができる。Yubikeyによる2段階認証を使ってGmailにアクセスするのも、何の問題もなかった。複雑なウェブアプリも、素早く、問題なく動いた。私が日常的に利用しているLastPassなどの拡張機能も、シームレスに動作した。Googleのストアからインストールした場合も、Microsoftのライブラリからインストールした場合も、まったく同じだった。

いくつかのベンチマークも実行してみた。もちろん驚くべきことではないが、EdgeとChromeの最新バージョンは、実質的に同じ結果を示す場合が多かった。開発のこの段階で、ベンチマークについてうんぬんするのは気が早いが、それでも結果は期待を裏切らないものだと言える。

今回のリリースでは、新しいEdgeで拡張機能を利用する方法を、初めて公式に目にすることにもなる。Microsoftは、独自の機能拡張ストアを提供する予定だが、それはむしろ当然のこと。しかし設定を切り替えるだけで、サードパーティのマーケットプレイス、つまりChromeウェブストアから拡張機能をインストールして使うこともできるようになるのだ。拡張機能のデベロッパーは、自分のツールをMicrosoftのストアに追加したければ、基本的に既存のChrome用の拡張機能を、そのまま持ってくればいい。

Microsoftは、新しいEdgeを、当然ながらWindows 7とWindows 8でも使えるようにすると約束している。さらにMac版も登場する。ただし現時点では、この最初のバージョンは、64ビット版のWindows 10専用となっている。それ以外のバージョンの開発も進行中だが、Microsoftによれば、それらは単にWindows 10版ほど進捗していないだけだそうだ。また、この最初のリリースは英語版のみだが、ローカライズされたバージョンも近々リリースされるだろう。

もちろん誰でもこのリリースをダウンロードして試してみることができるのだが、Microsoftでは、今のところ技術に精通している人以外にはお勧めしない、と強調している。この最初のリリースは、はっきり技術者を対象としたものなのだ。しかし、これから数か月以内に、Microsoftがさらに機能の充実したベータ版を配布し始めるのは間違いない。そしてその時には、より広い範囲のユーザーに向けたものとなるはずだ。それでも今すぐ試したいのであれば、あなたの技術レベルはどうであれ、誰も止めはしない。

画像クレジット:Microsoft

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

モバイル版Microsoft Edgeに、偽ニュース検出機能が組み込まれた

2019年になっても、私たちはいまだに偽ニュース(フェイクニュース)に本当はどう対処すればよいかがわかっていない。拡散しやすい過激な見出しを避けたり、偏見を受け入れないようにする習慣がないために、オンラインの誤情報は相も変わらず蔓延を続けているようだ。これは厄介な問題である。特に、人びとの信条を揺るがすために、真実だとするにはあまりにも酷いニュースに引きつけられる読者を集めようとするからだ。言い換えるなら、ある種の技術的解決策や大規模な文化的シフトがなければ、偽ニュースのジレンマはすぐには解決しないだろう。

だがそんな中で、MicrosoftのモバイルEdgeブラウザは、それに控え目な一撃を加えようとしている。AndroidとiOSで、MicrosoftのEdgeアプリは、NewsGuardと呼ばれる組み込み偽ニュース探知機能とともにインストールされるようになった。この提携は、MicrosoftのDefending Democracy(民主主義の防衛)プログラムの延長線上にあるものだ。Edge向けNewsGuard機能の発表は、今月初めに行われていた。

NewsGuardはデフォルトではオンになっていないが、Edgeを使用している人なら誰でも設定メニューでの簡単な切り替えで有効にすることができる。私がテストのアプリをダウンロードしたとき、Edgeは実際に小さな青い点を使って、私を「設定」メニューから「ニュースの評価」というメニュー項目へと導いた。このメニューの中でNewsGuardを有効にすることができる(日本語版Edgeでは「アドレスバーに評価を表示する」というトグルスイッチが表示される)。その点は警告を表す赤色ではなかったが、私の興味を引きつけて設定に移動させる程度には目立っていたと思う(たとえこのニュースを書いているときでなくても、反応したと思う)。

現時点では、NewsGuardの評価は米国を拠点とするWebサイトに集中しているが、海外の主要サイトも含まれている。TechCrunchはNewsGuardによって健全なグリーン評価を受けた。この意味するところは、私たちが通常「正確性と説明責任の基本的な水準」を満たしていることを示している。アドレスバーの横にある緑色のバッジをクリックすると、TechCrunchの完全な「評価結果(実際は「栄養素」と表現されている)」 ―― 私たちの所有権、資金、内容、信頼性などに関する関連情報の要約を確認することができる。表示される情報は微妙なところにも踏み込んでおり、例えば「書かれている意見は必ずしも常に明確に断言されるわけではない」という洞察が書かれている。十分に公平な記述だと思われる。修正されたストーリーの例と、それをどのように処理したのかについてさえ記述されていた。The Guardianが報じたように、Daily Mailはそれほど上手くやっているわけではなかった。

NewsGuardの評価に影響を与える編集部の深い取り組みは印象的だが、彼らはまた偽ニュースとの戦いをとりわけ難しいものにしているまた別の課題を浮き彫りにした。ニュースソースがさまざまな要因で評価されている場合でも、決定を下すにはある程度の主観的評価が必要なのである。こうした取り組みをおこなう組織は沢山あるが、誰がそれを実際に行うべきかについて、私たちはどのように合意に達すれば良いのだろうか?

NewsGuardは、The Wall Street Journalの元発行人であるGordon Crovitzと、Steven Brillによって率いられている。他の論評的なニュース実験と同様に、NewsGuardはアルゴリズムではなく、人間のチームに頼っている。同社は、CIAの元長官であるMichael Haydenと、The Informationの創設者Jessica Lessinをアドバイザーに迎えている。

Edgeはそれほど人気のあるブラウザではないが、オンラインの低品質情報に対する厄介な戦いの、興味深いケーススタディとなっている。またそれは、偽ニュース時代の中心的な”Catch 22″(「ジレンマ」を意味するスラング)も示している。偽ニュース検知器を最も必要とする人たちは、そうしたものを最も使わない人たちなのだ。NewsGuardを使ったMicrosoftのEdge実験は、その問題への解決策ではないが、ある種のニュース検証ツールをブラウザに直接組み込むことは、説得力ある方向への一歩のように思える。

画像クレジット: Shutterstock

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(翻訳:sako)

Microsoft、Chromiumベースの新ブラウザ開発中か――薄幸のEdgeは消えていく

残念ながらMicrosoft Edgeは2015の発表以来、十分な数のユーザーを集めることができなかった。Microsoftが新しい手を打たねばならないと考えても責められまい。Windows Centralの最新の記事によれば、Edgeに残された時間はほとんどないという。Microsoftは今週中にも新しいブラウザの計画を発表するかもしれない。

報道によれば、Windows 10のデフォールトとなるブラウザに関してMicrosoftはGoogleの助けを得ることになる。 MicrosoftはEdgeと同時にそのEdgeHTMLレンダリング・エンジンを放棄し、新ブラウザではChromiumを採用するという。

いまのところ、新ブラウザは開発の初期段階にあり、部内コード名はAnaheimだという。IEの後継のそのまた後継となるわけだが、願わくばEdgeより信頼性が高いものであってもらいたいものだ。Chromiumの採用が事実であれば、Edgeの普及の障害になっていた安定性や互換性に関する問題はかなり解決されるだろう。ARMチップのWindowsマシンでの動作にも好影響を与えるはずだ。

Chromiumをレンダリング・エンジンに採用した新ブラウザは柔軟性が高く高機能になるはずだ。もしMicrosoftがWindows 10の縮小版ではなく本気でChromebookの対抗製品を出すつもりならこの新ブラウザがベースとなるはずだ。Microsoftの新ブラウザがEdgeブランドを継承するのか、またGoogle Chromeとどう違うのかといった点は現段階では情報がない。

いずれにせよMicrosoftがブラウザのシェア争いに復帰するには思い切った手段が必要だろう。最近のstatcounterの調査によれば、Google Chromeは世界のブラウザ市場の6割を押さえている。

〔日本版〕statcounterの統計によればIEのシェアは2.8%。これは5位Operaを下回る6位、Samsung Internetが7位、Edgeは8位だった。

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滑川海彦@Facebook Google+

Microsoft、EdgeブラウザーのiOS版とAndroid版を提供へ

Microsoftのモバイル版Windows 10は、公式には今も開発中とされているが、この会社が独自のモバイルエコシステムの構築を断念したことは公然の秘密だ。残された選択肢は一つだけ。負けを認めて自社アプリケーションをAndroidやiOSに提供することだ。ここ数年同社がやってきたことはまさにそれで、今日(米国時間10/5)Microsoftは、近くEdgeブラウザー(悪評高かったInternet Explorerの後継)がiOSとAndroidに登場すると発表した。あわせて、Android版のランチャー、Arrowを終了し、Microsoft Launcherの名称で再出発させる。

Microsoftは、モバイルのOSやハードウェア分野から基本的に撤退しているが、デスクトップでの地位を確保するためにも、ライバルプラットフォームで存在感を示す必要がある。EdgeおよびMicrosoft Launcherは、いずれもMicrosoft Graphの拡大を後押しするものであり、この戦略の重要な位置を占めるアプリだ。GraphはMicrosoftのクロスプラットフォームシステムで、ユーザーの作業環境や文書をデバイス横断で同期する。同社はこれが将来のWindowsの鍵を握ると考えている。

それを踏まえると、新バージョンのEdgeが、ユーザーのパソコンとモバイル端末の接続を容易にし、ブラウザーのセッションその他の機能を簡単に同期できると約束しているのも当然だ

ただし、現在iOSおよびAndroid版のEgdeはまだプレビュー版で、入手希望者はここから登録できる。Androidバージョンは近くGoogle Playストアでベータ版が公開され、iOS版は近い将来Testflight経由で配布される予定だ。

MicrosoftがこのEdgeプラットフォームに、独自のレンダリングエンジンを使っていないことは注目に値する。代わりにiOSではWebKitを、AndroidではBlinkエンジンを使用している(AndroidのWebViewコントロールではない)。つまり、AndroidではMicrosoftが独自のBlinkエンジンをアプリと共に提供することを意味している ―― これは、予想されていたことではなかった。

ランチャーはかなりよくできていて、毎日使うであろうGoogleアプリ(カレンダー、Gmail等々)がうまく統合されている。Microsoft版のGoogle Feed(Android端末のホーム画面一番左)もかなり便利で、Googlleが単なるニュースフィードとして使っているのに対して、カレンダーその他の情報を中央に配置して使いやすくしている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

‘収束コンピューティングデバイス’を目指すUbuntuスマートフォンが$32Mの資金を一般募集

Canonicalは前から、モバイルOS Ubuntu Mobileでもって、全世界的に急伸するモバイル~スマートフォン市場の分け前をねらっていた。そのCanonicalが今度は、クラウドファンディングサイトIndiegogoで、初の自社ブランドモバイルハードウェアUbuntu Edgeのために資金を募集している。Edgeはスマートフォンを超えるスマートフォンを自称し、デスクトップコンピューティングの領域もカバーしてしまおう、というコンセプトの製品だ。

Edgeの目標額は3200万ドルで、固定額方式なので31日以内にこの額に達しなければ一銭も得られない。初日(イギリス標準時7月23日16時まで)なら600ドルの出資約束で完成品が一台得られる。その後は830ドルだ。いずれにしても一日平均100万ドル以上を集めなければならないわけだから、相当厳しい。

しかしCanonicalは、単純にUbuntuで動くスマートフォンを作りたいわけではない。むしろ今回の開発コンセプトは、“高度な技術を盛り込んだ非大衆的なプラットホーム”で、“高度なマニアやモバイルコンピューティングのプロ”たちが資金的に支えるもの。目的は、“新しいテクノロジの採用を加速し、それらの先端技術の普及の下地を作ること”、とプロジェクトのページは説明している。つまり、一般向けの製品を考えたり作ったりする立場の人たちに、いろいろいじくったもらうための、ガジェットだ。高価格と意欲的なデザインが、そのねらいを反映している。

Edgeは、収束コンピューティング(converged computing, 一点集中型コンピューティング)を実現するための実験だ。スマートフォンが完全なデスクトップPCの中枢システムになり、いわゆる“スーパーフォン”になる。外殻は金属ケースで、4.5インチ1280×720の画面により最大限の画素密度を与える。ダイナミックレンジや色の精度は重視しない。画面をサファイアガラスがおおい、“現時点で最速の”マルチコアプロセッサ、4GBのRAM、128GBのストレージ、そして長寿命の電池を搭載する。内部には、ワイヤレスの広到達圈域を実現するためのデュアルLTEチップがある。

Edgeのソフトウェアは、Ubuntu Mobile OS + Ubuntuデスクトップの全内容だ。ワンストップコンピューティングが目的だから、Androidでもブートする。“モバイルおたく”の人たちが、今頃はよだれをたらしているのではないだろうか。実売されれば、飛びつく人も多いと思われる。

ただし、3200万ドルは相当高いハードルだ。でもCanonical自身は技術には定評のある企業だし、この製品はいかにもアーリーアドプター(early adopter, 新し物好き, 初物食い)たちの血を騒がせそうだ。これがCanonicalのモバイル進出を本格的に助けるかは未知数だが、初日(日本時間7/23 am11:00)…掲出から13時間あまり経過…ですでに270万ドル近く集まっているから、関心が相当高いことは事実だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))