Firefox OSを、Android上のアプリケーションとして試してみることができるようになった

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ブラウザで有名なMozillaが開発しているFirefox OSを試してみたいと思ったことはおありだろうか。

これまでは、Firefox OSを搭載したデバイスを新たに購入するか、あるいは手持ちのAndroidデバイスをハッキングしてFirefox OSを走らせる必要があった。

しかしこれからはより手軽に試してみることができるようになる。すなわちMozillaがAndroid上で動作するFirefox OSのプレビュー版をリリースしたのだ。

異なるOSを強引に動作するようにしているわけで、ときに奇妙な振る舞いをすることはある。プレビュー版ということであれば、不具合も大いに違いない。たとえば「戻る」ボタン関連の動作がおかしくなることもあるようだ。

しかしそんなに心配することもないだろう。バグが気になったりするようならただアンインストールしてしまえばいいのだ。削除してしまえば動作は元通りになる。

試してみようという人はMozillaのブログページ(日本語訳ページはこちら)でFirefox OS 2.5 Developer PreviewのリンクをクリックしてAPKを入手することができる。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

Firefox 42がローンチ: 追跡保護機能はプライベートブラウジングモードでのみ有効

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ベータが短かったFirefox 42が、今日(米国時間11/3)ローンチされ、それによりFirefoxのPrivate Browsing(プライベートブラウジング)モードにおけるTracking Protection(追跡からの保護)機能も有効になった

ChromeのIncognito(匿名)モードなどに相当するPrivate Browsingは、閲覧の履歴やその閲覧行為から生じたクッキーを保存しないが、そのほかの個人情報は外部に漏れることがありえる。そこでこのたびのTracking Protection機能では、ソーシャルネットワークやアナリティクス企業などがユーザを調べようとしても、ユーザのWeb閲覧行為からまったくデータが得られない。

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それはGhosteryEFFPrivacy Badgerなどのプラグインにあった機能だが、でもこのFirefoxの追跡保護は当面、Private Browsingモードでないと機能しない。

追跡保護機能は広告ブロッカーではないが、ユーザ追跡をする広告は多いから、この機能を有効にしておくと広告が相当減るだろう。

Mozillaの説明によるとこの機能は、“ユーザが自分のWeb体験に関して多くの選択肢を持ち、また制御権も持つために設けた。商業的利益と人間的利益のあいだで均衡を維持することはWebの健全化のために重要である。Mozillaはこの機能の維持に専心している”、ということだ。

追跡保護がPrivate Browsingモードの外に出てWeb閲覧全般に適用されることは当分なさそうだが、Privateでない通常の閲覧行為におけるオプトイン(ユーザの意志で有効化する)になってもおかしくない機能だ。

Firefox 42のそのほかの新しい機能としては、タブが音を再生しているときには、そのことを示すアイコンがつく(どのタブから音が出てるのか分かる)。Chromeには前からある機能だが、自動再生ビデオが氾濫している今、Firefoxにもあるのは嬉しい。しかも、音を消したかったらそのアイコン(スピーカーの形)をクリックするだけでよいのだ。Chromeの場合は、ちょいとややこしい

このほか、Control Centerが改良されてサイトのセキュリティやプライバシー管理をチェックできるようになり、またLogin Managerも改良された。

ニューバージョンのFirefoxのデスクトップ版(Windows, Mac, Linux)はここで入手できる。また、Androidバージョンでも、同様のアップデートが行われている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Firefoxのエクステンション(アドオン)開発がChromeと同じ技術になる

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Mozillaが今日、Firefoxのアドオンの今後の実装が大きく変わることを発表した。中でもいちばん重要なのは、ChromeやOperaのようなBlinkベースのブラウザとほとんど互換性のある、新しいエクステンションAPIを採用することだ。このWebExtensions APIにより、デベロッパはChrome/Operaのエクステンションにわずかな変更を加えるだけで、Firefoxでも動くようにできる。

MozillaのKev Needhamが今日の発表声明で次のように述べている:

“アドオンの開発を、Webの開発のようにしたい。つまり一定のスタンダードに従って書かれることにより、同じコードが複数のブラウザで動くようにしたい。そのことにより、ドキュメンテーションの充実も図りたい”。

Firefoxのエクステンションを書くことは、同じ機能をChrome用に書くことに比べて、かなり面倒だった。それは、FirefoxがXPCOMXUL(ユーザインタフェイス)のような独自の技術を使っていたからだ。それによりブラウザ本体をほとんどJavaScriptだけで書くことができ、エクステンションのデベロッパはFirefoxの内部的な機能の多くにアクセスできたが、そのため相当複雑な開発技術になっていた。

しかしこの、デベロッパがブラウザの実装の内部に自由にアクセスできる開発モデル(“permissive model”…寛容モデル)は終わりを迎える。そしてXULやXPCOMに依存し寛容なアドオンモデルに立脚するアドオンは、12〜18ヶ月後には非推奨になる。

ただしこの変更は、新しいJetpack SDKを使ってエクステンションを書いているデベロッパには適用されない(彼らがJetpackの枠内にとどまり、低レベルのAPIに手を出さないかぎり)。

Firefox 42からは、デベロッパが提出したエクステンションをすべてMozillaが検定し、合格したものだけをデプロイできる。Needhamは書いている:

“検定の作業はほとんど人間による手作業なので、合否の決定が出るまでに数週間から数か月かかることもありえる”。

ただしMozillaの想定では、WebExtensions APIへの移行によってアドオンのレビューが従来よりも相当速くなるだろう、という。またレビュー過程の一部を自動化することによって、レビューに要する時間を5日ぐらいに短縮したい、とも言っている。

Mozzilaはアドオンだけでなく、Firefox本体にも大きな変更を加えようとしている。そのElectrolysisプロジェクトにより、ブラウザのタブとユーザインタフェイス本体が別プロセスになり、タブのクラッシュによりブラウザ全体がダウンすることが、解消される。

この機能は今、Firefoxのデベロッパチャネルにプレビューが登場しているが、デフォルトで有効になるのはFirefox 43の最初のベータからだ。Electrolysisと相性の悪いアドオンもありえるから、デベロッパは事前にコードをテストせよ、とMozillaは勧奨している。

WebExtensionsのサポートはすでに、Firefox NightlyチャネルDeveloper Editionで有効である。

これでFirefoxのアドオンが大きく変わるわけだけれども、これまでFirefoxはすごく大きくて濃密なアドオン開発のエコシステムを育ててきたし、独自の技術であるだけに、そのアドオンには、Chromeなどそのほかのブラウザにはできないことができた(ユーザインタフェイスの変更など)。

今度の変更が、Firefoxのそんなアドオンエコシステムにどんな影響を与えるだろうか? コードを一つだけ書けば、それが(わずかな変更だけで)FirefoxとChromeの両方で動く未来は、基本的にはデベロッパとユーザの両方にとってwin-winだとは思うが。

しかしMozillaにとっては、これによってFirefoxの独自性が失われていくリスクもある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

致命的脆弱性の発見でFirefoxがFlashを一時的にブロック中―Adobeのパッチをインストールすれば復活

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Hacking Teamの情報リークはAdobeにとって大きな打撃となった。このリークでインターネットに遍在する(そして遍在的に嫌われている)Flash Playerに致命的な脆弱性が2つあることが明らかになった。これに対してMozillaは一時的にFirefoxのFlashプラグインを無効化した。

Adobeは今日(米国時間7/14)、脆弱性を修正するパッチを当てたFlashを発表した。Firefoxのユーザーは(もしまたFashを表示したいなら)、このパッチをダウンロードし手動でFlashをアップデートする必要がある。〔日本語版:Chromeの場合、Flashプラグインは自動でアップデートされる〕

今回のパッチはHacking Teamのリーク関連で今週2度目となるFlash Playerへのパッチだ。.

最近はAdobe自身がFlashを嫌っているのは公然の秘密だ。Flashはウェブの黎明時代にはそれなりの役割を果たしたが、HTML5その他のウェブ標準が整備されるにつれて、デベロッパーは非効率でセキュリティー上の問題を抱えるFlashプラグインに次第に頼らなくなっている。GoogleのYouTubeはすでにFlashではなくHTML5を標準として採用しているし、Chromeはウェブページ中で重要性の低いFlashコンテンツの自動再生をブロックするようになった。

Facebookの最高セキュリティー責任者のAlex Stamosが数日前に言ったように、ウェブはFlashがないほうがなにかと面倒がなくてすむ。AdobeはそろそろFlashを終了させる時期を決めた方がいいだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook <A href="https://plus.googl

FirefoxがPocketを統合、読むことに集中できるビューを提供

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MozillaのFirefoxブラウザが今日(米国時間6/2)リリースのv38.0.5から、簡易ブックマーキングサービスPocket最初から統合する。またリーダーモードでは、AppleのSafariのリーダーモードや、人気のエクステンションReadabilityブックマークレットに似た、読むことに集中できるリードモードが提供される。

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MozillaがPocketのようなサードパーティサービスを統合するのはきわめて異例だから、Firefoxユーザ、中でもとくにリーディングリストをよく使っていた人にとっては驚きだろう。その機能は今では削除され、結果的に、プロプライエタリなサービスが優遇されている。

PocketはMozillaのFirefox Accountsを統合して新たなアカウントを作り、ユーザを登録する。そしてPocketのボタンがFirefoxのユーザインタフェイスの目立つ位置に鎮座する。そのほかのアドオンやブックマークレットを使いたい人は、Pocketボタンを簡単に隠せる。ただし、もはやアドオンではないから、完全に無効化するのはやや難しい。

これは、Firefoxのユーザを落ち着かない気持にさせるかもしれないが、ユーザ数が一挙に増えるPocketにとっては朗報だ。PocketのファウンダNate Weinerは、”Save”(URLの保存)は機能ではなくプラットホームであるべきと主張しており、ブラウザ本体が内蔵する機能よりも、クラウド上の魅力的なサービスであるべき、と言っている。Mozilla自身がそんなサービスを立ち上げてもよかったのかもしれないが、iOS、Kindle、Android、Windowsなど多様なプラットホームに対応するのはたいへんすぎる、と最初から諦めたのかもしれない。

新しい、集中を削がれないリーディングモードは、誰もが期待するとおりの機能だ。そのほかのブラウザの類似機能と同じく、Webサイトからテキストだけを取り出して表示し、広告やメニューなど、邪魔になる要素を隠す。機能としては、フォントのサイズ指定、フォントスタイル(セリフ/サンセリフ)の切り替え、背景の暗色明色の切り替えなどがある。そのリードビューでも、Pocketのボタンが目立っている。

そのほかの新しい機能は、MozillaのWebRTCベースのビデオチャットツールFirefox Helloにおける、画面共有ぐらいだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

MozillaがFirefoxの閲覧履歴を参照する広告事業を展開、プライバシー保護の牙城崩れるか?

非営利の団体であるMozillaが、広告主の企業やブランドとブラウザのユーザとの会話を助ける、と聞くと奇異な感じを受ける。そもそも、それが何らかのユーザサービスになるとは思えない…そんな会話をしたい人なんか、いないだろうし。でも世界では、奇異なことが毎日のように起きている。

Mozillaが今日(米国時間5/21)ローンチした”Suggested Tiles“は、ユーザが新しいタブを開いたときに、広告主に与えられる特別の広告スペースのことだ。そういう広告はまずFirefoxの次のベータに登場するが、多くはMozilla自身の広告になるようだ。ベータを終了したら、一般リリースにも登場する。

でもMozillaは数か月前からスポンサー付きの’Directory Tiles‘をやってるから、その次がSuggested Tilesなのは意外でもない。Directory Tilesは閲覧履歴のない新しいユーザの画面に出るデフォルトのタイルだが、Suggested Tilesは閲覧履歴に基づいて個人化された広告を出す。これまでユーザが訪れたサイトのカテゴリを見て、そのユーザの関心を推察するのだ。そのためのコードの例がここにある。(Engadget.comやFunkySpaceMonkey.comを訪れているとテクノロジに関心あり、とされるが、なぜか本誌TechCrunch.comはだめなようだ)。

Mozillaはユーザのプライバシーを守ることを鉄則としてきた団体だから、今回の広告サービスはそれを曲げるものにはならないのか? Mozilla自身は、広告主に提供するデータには一定の制限がある、と主張してはいるが。

“Suggested Tilesで、ユーザに関連性のある広告やコンテンツのリコメンデーションが可能にはなるが、ユーザは自分のプライバシーを守るために、そのために使われるデータをコントロールできる”、とMozillaのコンテンツサービス担当VP Darren Hermanが書いている
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ユーザの関心を推察するために利用するURLの数や種類が制限されている(少なくとも5つのURLを使用、二つのURLを組み合わせてSuggested Tileをトリガすることはできない)。どのURLを使うかは広告主が決めるが、Mozillaがそれを許可しない場合もある。Mozillaがユーザのプロフィールを作ったり、クッキーを使ったり、そのほかの追跡ツールを使うことはない。ただしユーザが広告をクリックしたら、その企業がそんなツールを使うことはありえる。しかしMozillaは、URLの集合、というデータを利用するだけで、ユーザの個人情報はいっさい利用しない。

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Mozillaによると、この新しい種類の広告によって、広告主はユーザが閲覧を始める前に見込み客にアプローチできる、ということだ。

Mozillaが、ユーザつなぎとめ策として必要ならDRMをサポートする、としぶしぶ決めたように、やはり今回も、しぶしぶの決断だろう。独立の団体としての運営を続けるためにはお金を自分で稼がなければならず、検索パートナーとしてのYahooからだけでなく、ブラウザも収益源にしなければならない。

これをもっとユーザフレンドリな広告事業にすれば、より適切なプライバシー保護ができるのではないか、とも感じる。ただし、今でも、オプトアウトしたければほんの数クリックでそれはできる(右図)。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

PanasonicはスマートテレビのOSとしてFirefox OSを採用…まずヨーロッパ市場から発売へ

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Mozillaは1月のCESで、低価格スマートフォン用のOSとして知られるFirefox OSがスマートテレビの上で動いているところを見せた。そして今、その努力の最初の果実が、今日(米国時間5/14)からヨーロッパの店頭にお目見えする。

PanasonicはMozillaのローンチパートナーで、同社のスマートテレビVieraシリーズのうちの6機種がFirefox OSを搭載する。それらはCR850とCR730、CX800、CX750、CX700、そしてCX680で、Pnasonicの初めての曲面LED LCDテレビも含まれる。同社によるとこれらの機種および関連機種は、ヨーロッパ以外の市場には数か月後に投入される。

しかしFirefox OSは、スマートフォンをこれから買う消費者においてすら知名度が低いから、スマートテレビの市場でもそれ自身での集客力はおぼつかない。それでも、MozillaのHTML5ベースのプラットホームにより、PnasonicによるとそのテレビはWebアプリケーションをサポートし、Mozillaが公開しているAPIによりデベロッパはこのプラットホーム向けのさまざまな開発ができ、またそのほかのWebコンテンツ見たり、お気に入りのチャネルを作ったり、ほかのデバイスと対話することもできる。主なコンテンツ企業がこのプラットホーム向けのアプリケーションを提供しているから、NetflixやHulu、YouTubeなどを大画面で楽しめる。

MozillaによるとFirefox OSは、“ユーザとデベロッパと事業者とハードウェアメーカーにより多くの選択とコントロールを提供する”、と言う。しかしGoogleのAndroid TVと、そのいろいろささやかれた将来計画は、スマートテレビ製品とデベロッパの関心の面では、部屋の中の巨象のように身動きとれないものになっている。ほかにSamsungのTizenというプラットホームも、一部のテレビに搭載されている。そんな中で、Panasonicというメジャーな名前をローンチパートナーとして得たことによりMozillaは、その、テレビへのフォークに消費者の関心を確実に惹きつけることができるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

あなたのお気に入りのブラウザがさっきハックされた、でもご安心を

あなたの“お気に入り”のブラウザがどうやってぼくに分かるのか? でも、実はそんなことはどーでもよい。人気上位の4つのブラウザ、ChromeとInternet ExplorerとFirefoxとSafariがどれも、先ほど、見事にやられてしまったのだ。

今週(3/15-21)は今年の(第8回の)Pwn2Ownが開かれ、世界中から集まったセキュリティの研究者たちが、その腕前を競った。今回の勝負は、人気ブラウザの最新のビルドをいためつけること。成功すると巨額の賞金がもらえる。

ただし、その手口の詳細は、ブラウザのメーカーがその穴にパッチを当てるまでは公開されない。だから、あなたをはじめ、一般ユーザが被害に遭う可能性は限りなく小さい。

たとえばMozillaは、Firefoxのパッチを今日(米国時間3/20)じゅうに当てる、と言っている。ほかの3社は、本誌からの問い合わせにまだ返事をくれない。

Pwn2Ownにおける、ブラウザ侵犯(エクスプロイト, exploit)の定義は簡単明瞭で、“プログラムの標準的な実行パスを変えて、任意の命令を実行可能にすること”、だ。

言い換えると、ブラウザのセキュリティを破って、想定外のコードを実行させること。ただし、そのエクスプロイトはユーザとの対話をしてはいけないが、“ユーザが悪質なコンテンツを閲覧するために必要なアクション”、なら許される。

挑戦者は、自分がまだ触ったことのないマシンの上で30分の時間を与えられる。各マシンの上のオペレーティングシステムは、完全にセキュリティパッチが当てられている。というよりバグは数日間/数週間にわたる調査研究の結果見つけたものであり、当日のわずか30分で見つけるというものではない。

各ブラウザの結果はこうだった:

  • Internet Explorerでは4つのバグが見つかった(Windows 8.1上)
  • Mozilla Firefoxでは3つのバグが見つかった(Windows 8.1上)
  • Safariでは2つのバグが見つかった(OS X Yosemite上)
  • Chromeでは1つのバグが見つかった(Windows 8.1上)

(注記: “ふん!ぼくはOperaを使ってるもんね!”と言いたいあなた、Operaは2013年5月以降Chrome/Chromiumがベースなのだ。ChromeのバグはOperaにも影響を与えるだろう。)

なお、このカンファレンスに集まった研究者たちは、Adobe ReaderとFlashとWindowsに対するエクスプロイトもデモした。

Chromeに1つだけ見つかったバグは、このコンテスト始まって以来の最高賞金額11万ドルを獲得した。Chromeは犯しにくいブラウザとして悪名高いので、これまでも賞金額は最高だったが、今回は研究者のJungHoon Leeが、そのボーナスをもらうことになった。内訳は、バグを見つけたことに75000ドル、自分のコードをシステムレベルで走らせたことに25000ドル、そしてそのバグがChromeのベータビルドにもあったために追加の10000ドルだ。

JungHoonは、Safariのバグの発見にも貢献して50000ドル、IE11でも貢献して65000ドルを獲得し、一日で22万5000ドルを稼いだ。悪くない一日だったね。

2日間のコンペで、総額55万7500ドルが賞金として支払われた。

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今Yahooのどのページにも”ブラウザをFirefoxに変えよう”がある

今日(米国時間12/12)Yahooのサイトのどれか訪れた人は気づいただろう。どのページも右上に”Upgrade to the new Firefox”(新しいFirefoxにアップグレードしよう)のリンクがある。Chromeだけでなく、Internet Explorerでも、最新のYandexブラウザでも。Safariには出ないが、Appleもデフォルトの検索エンジンをYahooにする、という噂があるので、そのせいか、と思ってしまう。

今のFirefoxはデフォルトの検索エンジンがYahooだから、Yahooのこの態度は意外ではない。Yahooとしてはできるだけ多くの人にFirefoxとその検索エンジンを使ってほしい(本体はMicrosoftのBingだけど)。

Firefoxもこのところシェアが下降気味だから、できるだけ多くのYahooユーザにFirefoxを勧めてもらいたい。Firefoxのデフォルトの検索エンジンを変えるのは簡単だし、最近もっと簡単になったが、ほとんどの人が変えないからYahooのままだ。またFirefoxユーザのためのYahoo検索エンジンは、デザインがGoogleに似てきたから、Yahooに変わったことに気づかない人が多いだろう。

YahooとMozillaの新しい関係が、両社のシェアなどにどう影響するか、それはまだわからないけど、1月になったらYahooはやや伸びていそうだ。

Yahooのページの変化を見つけたのは、本誌のすばらしいコピーエディタCatherine Pickavetのおかげだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


FirefoxがiOSにやってくるかもしれない


この一年Mozillaは、iOS版Firefoxは作らない、なぜならAppleはiOS上でMozillaのウェブエンジンを使うことを許さないからだと断言してきた。しかし新たなCEOを迎え、Mozillaの立場は変わりつつあるようだ。今日(米国時間12/2)オレゴン州ポートランドで行われたMozillaの社内イベントで、同社は自社ブラウザーをiOSに載せる必要があると語った。

「われわれは、われわれのユーザーがいる所にいるべきだ」とFirefoxのリリースマネージャー、Lukas Blakkが今日Twitterに書いた(MozillaのFirefox担当VP、Jonathan Nightingaleを引用したものと思われる)。「だからFirefoxをiOSで動かす」。

Appleは自社プラットフォーム上でサードパーティー製ブラウザーエンジンを動かすことに関して、ことごとく厳格である。例えば、現在ChromeやOpera等のサードパーティー製iOSブラウザーがiOS上で動作できるのは、Apple製のJavaScriptとレンダリングエンジンを使っているからだ ― あるいはOperaの場合は、サーバー上でレンダリングを行った後端末に送っている。

MozillaがどのようにFirefoxをiOSに持ち込むつもりなのかは不明だが、Appleがプラットフォームをサードパーティー製ブラウザーエンジンに開放するとは考えにくいので、Appleの技術を使うことになる可能性が高い。その場合でも、Firefoxアカウントやブックマーク同期ツール等、現在Android版Firefoxで提供している機能をサポートすることはできる。

来年はForefoxにとって重要な年になる ― そして同社のブラウザーをいくらかでも復興させたい年に。今どきのユーザーは、あらゆるデバイス上で同じブラウザーを使いたがる。そうすることによって、ブックマークやパスワードの同期が非常に簡単になる。一時MozillaがiOS用にFirefox Homeを提供していたのも正にこの理由からだったが、2年前にプロジェクトは終了した

本誌ではMozillaにコメントを求めているので、情報が入り次第この記事を更新する予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Firefox 34がリリース、デフォルトの検索エンジンがYahooに

Mozillaが今日(米国時間12/1)、Firefox 34をリリースした。最近はどのブラウザのアップデートも、地味な内容ばかりだが、でも今回のは興味深い新機能が二つある。まず北米地区のユーザがすぐに気づくと思われるのは、これが、デフォルトの検索エンジンをYahooにした初のFirefoxブラウザであることだ。

検索エンジンの設定を変えるのは簡単だから、これまでのユーザの多くがすぐにGoogleに戻すと思われるが、Firefox向けに特別に調製されたYahoo Searchは、日常的な検索には十分使える。でも、しばらく使っていると、Googleの方がお利口かなぁ、とも感じる。それはとくに、Googleが同社のKnowledge Graph(知識グラフ)を呼び出すようなクェリの場合だ。

もうひとつの大型新機能は、ベータからやっと一般公開にこぎつけたWebRTC使用のチャットツール”Firefox Hello“だ。Mozilla自身が作ったこのサービスで、ユーザはほかのFirefoxユーザと音声やビデオによるチャットを、ブラウザの中で開始できる。

ただし今は、Mozillaが立ち上げ初期の過負荷を防ぐためにアクセス制限をかけているから、今すぐは使えない人もいる。今現在、このチャットを使えるのは、全ユーザの10%だそうだ。

そのほかのアップデートは、合衆国ユーザ向けの検索バーの改良と、WebIDEの初めての安定版ブラウザ向けのローンチだ。一方、これまでセキュリティの問題をいくつか抱えていたSSL 3.0は、今回のバージョンからなくなった。完全なリリースノートはここで読める。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Firefoxの検索インタフェイスがYahooへの切り替えの前にデザインを一新

先週、本誌も報じたように、MozillaはYahooとの新たな契約により、Firefoxのデフォルトの検索エンジンを、Yahooの、Bingを使っている検索機能の、今後ローンチする新バージョンに切り替える。前回の記事では、Firefoxで検索エンジンの指定をユーザが変えるのは簡単だ、と書いたが。今日(米国時間11/26)Firefoxのベータチャネルローンチした新しい検索メニューでは、それがさらに容易になっている。

検索エンジンの切り替えを[設定]のどこかに目立たなくするのとは逆に、今度のFirefoxではそれがとても出しゃばっている。ブラウザの検索ボックスに何かを入力するたびに、その下に検索は何を使うかという選択が出るのだ(右図)。

さらにその下には、検索のデフォルトの設定を変えるためのリンクがある。たとえば、何でもとりあえずWikipediaへ行きたい人は、設定をGoogleやYahooではなくWikipediaに変えればよい。すると、GoogleやYahooなどの検索結果からWikipediaのリンクをクリックするという二度手間がなくなる。

Firefoxの検索窓が今サポートしているのはWikipedia、Amazon(アフィリエイトへのリンク)、Bing、Yahoo、DuckDuckGo、eBay、そしてTwitterだ。Firefoxは何でもそうだが、これらもユーザが自由に加除できる。

 

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


MozillaがFirefox Developer Editionをローンチ

Firefoxが今日(米国時間11/10)10歳を迎え、Mozillaはそのお祝いとして二つのプロジェクトを立ち上げた。それらはプライバシーに関する新たな取り組みと、Firefox Developer Edition(Firefoxデベロッパエディション)だ。後者は、デベロッパのためのツールを前面に打ち出したFirefoxのニューバージョンだ。

このDeveloper Editionに、革新的なブラウザを期待していた人は、がっかりするかもしれない。基本的にそれは、黒を基調とするテーマと角型のタブのあるFirefoxで、それまでアドオンとして提供されていたデベロッパツールがすべてある。まず、Android上のChromeとiOS上のSafariをデバッグするためのFirefox Tools Adapter(”Valence”と改名)、ブラウザ上でWebアプリケーションを開発できるWebIDEなど。それに、前からブラウザにあったデフォルトのデベロッパツールが、見つかりやすくなった。

Mozillaのデベロッパツール担当ディレクターDave Campが、今日の発表声明で次のように述べている: “デベロッパ用のブラウザがあることによって、日々のWeb閲覧体験をデベロッパ向けにカスタマイズできる”。彼によると、“デベロッパが開発やデバッグのためにいろんなプラットホームやブラウザを行ったり来たりしていると効率が非常に悪い”。Firefox Developer Editionを使えば、“開発のワークフローを一箇所に集中できる”。

デベロッパにとってありがたいことに、このバージョンは今あるFirefoxと並行にインストールでき、互いに干渉しない。

また実験的なリリースチャネルであるAuroraのユーザは、そのリリース過程でDeveloper Editionにリプレースされるから、とくに何もする必要はない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Mozillaがデベロッパ専用の新しいブラウザを来週ローンチする

Mozillaが今日(米国時間11/3)、デベロッパ専用の新しいブラウザを来週リリースする、と発表した。具体的な詳細はなく、ただ匂わせただけだが、リリースは11月10日だそうだ。その日は、Firefoxの10歳の誕生日でもある。しかしMozillaによると、その新しいブラウザを使えばデベロッパは、ほかのツールをとっかえひっかえ使わなくても“Web全体を”デバッグできるのだそうだ。

発表文から引用すると: “Webのために何かを作るときは、お互いに相互運用性のない数多くのツールをデベロッパは使わなければならない。プラットホームやブラウザによっても使うツールは違うので、それが作業の足を引っ張り、生産性を損なう”。

この新しいブラウザでは、MozillaのWebIDEプロジェクトFirefox Tools Adaptorを使って、Firefoxの開発ツールをほかのメジャーなブラウザに対しても使えるようにする。ただし今回Mozillaが言っているのはそこまでで、詳細は来週にならないと分からない。

Mozillaはオープンソースの組織として、毎週のプロジェクト会議をストリーミングし、ユーザインタフェイスのアップデートの設計に関する研究も、もっとも実験的なリリースチャネルに出る前に共有することが多い。だから、今回の秘密めいた発表の仕方は、やや異様だ。

でも、おそらくFirefoxのフォークとしてデベロッパ専用のブラウザをMozillaが提供することは、理にかなっている。Mozillaはここ数年、デベロッパツールに重点投資をしてきたし、やや議論を招(よ)んだFirefox OSによるモバイルへの進出でも、さまざまなツールをローンチした。しかし外部ツールのこのような多産によって、ブラウザ内蔵のデベロッパツールが、おかしな立場になってきた。Firefoxの最新バージョンではブラウザのカスタマイズがずいぶん容易になったが、デベロッパツールにはますます陽が当たらなくなっていたのだ。

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今度のFirefox BetaではデスクトップでWebRTCビデオチャット、AndroidでChromecastやRokuへのビデオキャスト

MozillaがデスクトップとAndroid向けのFirefox betaチャネルに今日(米国時間9/4)、最新のアップデートをローンチした†。このところずっと、それほどエキサイティングな変化はなかったが、今回のアップデートにはエンドユーザ向けのおもしろいツールが二つある。[†: 原注: 可利用になるのは数日後。]

Android上では、ブラウザの新機能、ビデオを“デバイスへ送る”を試せる。サポートされているデバイスは、RokuとGoogleのChromecastなどだ。デスクトップでは、Firefoxに内蔵されたWebRTCによるビデオチャットを試せる。Mozillaはこれを今年の初めごろから、実験的なチャネルでテストしていた

ブラウザがプラグインなしでオーディオやビデオを呼び出せる標準機能WebRTCは、Firefoxの上で簡単に使えるが、デフォルトでは露出していない。”customize”ウィンドウへ行ってスピーチバブルを探し、それをメインのツールバーにドラッグする(右図)。そしてそのバブルをクリックすると、誰かと共有できるリンクができ、相手もクリックすればチャットがスタートする(つねに無料だ)。

そのバックエンドではMozillaがWebRTCのスペシャリストTokBoxとパートナーしている。ビデオチャットはChromeとFirefox間でもできるが、ぼくが試したときには、接続がときどき落ちた。Mozillaはこの機能が未完成であることを承知していて、今のところ“実験的”のラベルをつけている。もちろん、それでも試す価値は十分にある。

Android上のアップデートの主役は、ChromecastやRokuに対するビデオのキャスティングだ。Flashを使わずHTML5でビデオをサーブしているCNNなどのビデオは、Androidのあるモバイルからリビングの(RokuやChromecastが生きている)テレビへストリーミングできる。Chromecastの場合はなんらセットアップは要らないが、RokuではFirefoxチャネルをインストールする必要がある。

なお、HTML5のビデオプレーヤーを独自にカスタマイズしているサイトでは、“Send to”アイコンがないことがある。でもその場合でも、ビデオをスタートするとURLバーに”Send to Device”アイコンが出るから、それをクリックするとよい。

以上はしかし、あくまでもベータだから、バグもきっとある。まあ、ベータテスターとして参加するつもりで試用し、問題を見つけたらここに報告するとよい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


MozillaのFirefoxブラウザにHTML5アプリケーションの開発環境WebIDEが一体化される

今日から(米国時間6/23)、FirefoxのNightlyリリースのユーザはWebIDEを試用できる。それは、HTML5アプリケーションのための開発環境で、それをブラウザ本体が内蔵しているのだ。

Firefoxを前から使っている人なら、Bespinという、やや似たようなプロジェクトを覚えておられるだろう。それもやはり、ブラウザが内蔵しているコードエディタだった。Bespinはやがて立ち消えになり、その後Cloud9 IDEのコアとして利用された。しかしBespinの視野は、かなり限定されたものだった。

Mozillaの主席デベロッパエヴァンジェリストChristian Heilmannによると、WebIDEは(エディタとしても優れているが)単なるコードエディタではない。むしろWebIDEには、デスクトップとモバイルのレスポンシブな(responsive, 反応性/応答性の良い)アプリケーションを作るための完全なツールチェーンがある。FirefoxOSのシミュレータまであるので、このOS用のアプリのテストは簡便にできるが、もちろんふつうの現代的なブラウザ用のアプリケーションも十分に作れる。

WebIDEにはアプリケーションのサンプルがあり、デベロッパはそれを自分の仕事のスタート台として利用してもよい。それを利用すると、ほんの数クリックで新しいWebアプリケーションがブラウザ上で動きだす。 そのサンプルアプリケーションには、どのアプリケーションでも必ず必要なコードがすべて書かれていて、アプリケーションに変更を加えて再ロードするのも手早く簡単にできる。アプリケーションの検証と再パッケージングは、WebIDEが自動的に行う。

Heilmannによると、今広く使われているIDEの多くがWebアプリケーションの開発に向けて最適化されていないので、デベロッパはセットアップや構成に苦労しなければならない。それはとくに初心者にとって障害になる。でもWebIDEなら、アプリケーションを書き始めるために必要なものはすべてブラウザに内蔵されている。

Mozillaでデベロッパツールを担当しているDavid Campによると、WebIDEのコードエディタはCodeMirrorをベースとし、コード分析フレームワークtern.jsを統合していて、たしかにこのIDEの中核ではあるが、ユーザであるデベロッパは自分の好きなエディタを使い続けても、いっこうにかまわない。

WebIDEのエディタを使わない場合でも、デベロッパはWebIDEのインタフェイスからランタイムの管理やアプリケーションの検証が十分にできる。そういう機能へのアクセスの仕方は三通りある: 1)WebIDE自身がコードの変化を監視する、2)デベロッパがコマンドラインでAPIを利用する(そのためのツールをもうすぐリリース)、3)サードパーティのIDEやエディタのベンダがこれらのAPIを使ってMozillaのサービスを自分の製品に統合する。

HeilmannとCampご両人によると、今作業を進めているのは、WebIDEとFirefoxのRemote Debugging Protocolの統合だ。これによりデベロッパは、わざわざエミュレータを使わなくてもデスクトップやモバイルのブラウザ上で、今書いているアプリケーションを容易にテストできるようになる。今のところそれは、デスクトップとAndroid上のFirefoxと、Firefox OS用のアプリケーションが対象だが、今後はプロトコルアダプタを作ることによって、Chrome for AndroidやSafari on iOSでも使えるようになる。プロトコルアダプタは、Campによると、いろんな難題の打開のめどはすでに立っているから、数か月後には完成品を提供できるという。

今のところWebIDEは隠れ機能になっているので、Firefox Nightlyをインストールしたらabout:configをURL欄に入力し、devtools.webide.enabledを’true’にする。Mozillaによると、数週間後にはWebIDEをデフォルトで有効にし、そして数か月後にはFirefoxの正規安定版にも搭載される予定だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Mozilla、収入の安定を求めてFirefoxの「新しいタブ」に広告表示を検討

オープンソース・ブラウザのFirefox公式ブログで、「新しいタブ」ページに広告を表示することを検討していることを発表した。パブリッシャーは通常のショートカットタイルの横に表示される広告タイルを購入することができる。このタイルには「広告」というはっきりしたラベルが付加されるという。

現在、インストールして最初に立ち上げたFirefoxでは、「新しいタブ」ページはFirefoxサイトへのタイルをのぞいて白紙だ。他のブラウザのスピードダイヤル機能と同様、Firefoxもユーザーのウェブ履歴をベースにして「新しいタブ」ページにリンクを追加していく。履歴がクリアされると「新しいタブ」ページも白紙に戻る。

そこでMozillaではユーザーの居住地域でもっともポピュラーなサイトへリンクするタイルを予め設定しておくことにした。これらのタイルのいくつかを広告枠にしようというのが今回の計画だ。

おそらくMozillaでは全面的に広告表示を行う前に、まず一部のユーザーで実験して反応を確かめるだろう。

現在Mozilla財団は財政を主としてGoogleからの広告収入に頼っている。 MozillaはGoogleをFirefoxの既定の検索エンジンに設定するという契約を結んでいる。また両者はFirefox上に表示されるGoogle AdWords広告の収入を分配することでも合意している。.

このGoogleからの収入がMozillaの年間売上高の90%を占めている。Firefoxのシェアが減少を続けているため、Mozillaは新しい収入源を探す必要に迫られていた。Mozillaは以前はGoogleの主要なパートナーだった。しかしGoogleの独自のブラウザ、ChromeがFireoxよりはるかに大きなシェアを獲得した現在、Mozillaが契約を更新を望んでも条件の大幅ダウンは避けられないだろう。

またこの数年Mozillaと広告業界は緊張関係にあった。Mozillaがターゲット広告を無効化するdo-not-track(トラック禁止)という機能を実装したためだ。ユーザーがこの機能を有効にすると、サードパーティーのクッキーを一切拒否するようになるので、ターゲット広告の表示が非常に困難になる。さらに昨年はユーザーが初めて訪問するサイトのクッキーを自動的にブロックする機能も追加されている。

しかし、必要に迫られてMozillaは広告主とうまくやっていくことに決めたようだ。新しいユーザーに広告タイルを表示し始める時期は不明だ。いずれにせよMozillaはまず広告主と交渉しなければならない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Firefox 27が公開。ソーシャルAPIを改善、SPDY 3.1を新たにサポート

本日(米国時間2/4)Mozillaは、Firefox 27を公開した。新バージョンのブラウザーは、FirefoxソーシャルAPIに主要な改訂があり、旧世代のWeb 2.0ソーシャルブックマークツール、Deliciousや、インドの音楽サービス、Saavnをサポートした。しかし、もっと重要なのは、ソーシャルAPIで1ユーザーが複数のサービスを同時に使えるようになることだ。

FirefoxのソーシャルAPIは、ソーシャルネットワーク、チャットサービス、ニュースサイト等が、ブラウザー内の固定位置にポップアップ通知を表示できるようにするために作られた。2012年に公開され、昨年Mozillaがデベロッパーに開放したが、各社が挙ってソーシャルAPIを統合をするという動きは感じられなかった。

しかしこのサービスの大きな問題は、同時に1つしか統合アプリを動かすことができず、複数使いたい場合は少々面倒な切り替えを強いられることだった。このたびその制限が外されたことから、今後いくつか新しい統合が見られるかもしれない。

他の大きな新機能としては、GoogleのSPDY 3.1プロトコルのサポートと、Transport Layer Security (TLS) バージョン 1.1および1.2がFirefoxのネットワーキングの選択肢に加わったことだ。これらは、良く知られているSSL暗号化プロトコルの事実上の後継にあたる。

Androidに関して、今回Firefoxチームはわずかな変更を加えただけだった。モバイル版もTLS 1.1および1.2をサポートし、 標準フォントが読みやすいものに変わった他、ユーザーインターフェースにいくつか小さな改善が施された。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


パナソニック、Mozillaと提携してFirefox OS搭載のスマートTV開発へ

CESでLGがOperaのweb OSを搭載したスマートTVを発表した直後にPanasonicもモバイル連動テレビの計画を明らかにした。

パナソニックはMozillaと提携してFirefox OS (FFOS)とオープンWeb標準の精神に準拠したスマートTVで居間の大画面の制覇を企てる。

今のところFirefox OSはブームを起こしているというには遠い。ヨーロッパや南アメリカの市場で安価な携帯電話に多少使われている程度だ。 このHTML5ベースのモバイルOSのGoogleのAndroid OSと競争できるようになるのは困難が山積している。そこでMozillaがモバイル・デバイス以外の分野にエコシステムの拡張を図るというのはある程度納得できる。

はたしてFFOSのUIが消費者にパナソニックのスマートTVを買う気を起こさせ、オープン・プラットフォームの旗印がデベロッパーにアプリ開発に参加させるだけの魅力があるかどうかは今後に待たねばならないだろう。

「MozillaとPanasonicは共同でFirefox OSとそのオープンなエコシステムの普及に努力する」 と両社は今朝(米国時間1/6)のプレスリリースで述べた。このプロジェクトはパソコンやモバイル・デバイスの世界ではすでに広く採用されているHTML5と各種のウェブ・テクノロジーをスマートTVに拡張し、消費者が放送と同時にウェブ・サービスを通じたコンテンツを簡単かつ幅広く利用できるようにすることが狙いだ。

パナソニックのAVCネットワークス社,のテレビ事業部長、Yuki Kusumはプレスリリースで「Mozillaとの提携はわれわれのスマートTVの接続性と対話能力を家庭の内外で強化することが目的だ」と述べた。

来るべきFFOS搭載のパナソニック・スマートTVはMozillaのWebAPIを搭載しているため、インターネットに接続可能な他のデバイスやスマート家電製品をモニタしたり制御したりすることが可能だ。

この記事の執筆時点ではMozillaはFFOS TVのスクリーンショットをまだ公開していないが、 プレスリリースによればFFOS搭載テレビではEPGのような基本機能も専用の内蔵プログラムではなく、HTML5で書けるようになり、サードパーティーのデベロッパーが多様なアプリケーション容易に開発できるようになるとしている。

「パナソニックがわれわれのFirefox OSを採用したことをたいへん嬉しく思っている。Firefox OSとオープン・ウェブによるプラットフォームへの参加者は増えつつあり、スマート・スクリーンの普及に向けて大きな力となっていくだろう」とMozillaのアジア事業部のモバイル・デバイス担当上級副社長、Li Gong博士は述べた。

パナソニック自身もモバイル・デバイスのメーカーではあるが、昨年、スマートフォン市場からの撤退を決定しており、生産の努力をスマートTVのような別分野に向けることにしたものだろう。パナソニックはFirefox OS搭載の次世代テレビだけでなく、Firefox OSとオープン・エコシステムの普及に関してMozillaと幅広く協力していくと述べている。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Mozillaのasm.jsがさらにネイティブコードのスピードに近づく

Mozillaのasm.jsはJavaScriptの厳密なサブセットだが、Firefox上の処理系/実装系はそれを、通常のJavaScriptのコードよりも相当高速に動かせる。すなわち、Firefoxが内蔵しているJavaScriptエンジンにはOdinMonkeyと呼ばれるモジュールがあって、そのおかげで今年の3月にはasm.jsのコードがネイティブコードの約2倍の所要時間で動くことを実証した*。そして今週のMozillaの発表 では、多くのベンチマークにおいて、ネイティブの1.5倍以下という遅さ(速さ?)にまで接近した。〔*: 約2倍;ネイティブよりもちろん遅いのだけど相当接近した、という意味。2倍よりは1.5倍の方が、もちろん速い。〕

GoogleはNative ClientでWebアプリケーションが、コンパイラを通ったまさにネイティブのコードを実行することをねらっているが、MozillaはJavaScriptをネイティブに近い速さで動かす方に賭けている。両者のやり方は相当違うけど、共通しているのはどちらも、デベロッパがまずCやC++でコードを書き、それをブラウザ内で動かすことだ。Mozillaはそのために、LLVMからJavaScriptへのコンパイルを行うコンパイラEmscriptenを使用する。

ゲームエンジンはCやC++で書かれているものが多いので、asm.jsも主にゲームをねらっている。実際、Mozillaが初めて公開したasm.jsのデモの一つは、ブラウザ内でネイティブに走るEpicのUnreal Engine 3だった。

かつての2倍遅いから今回の1.5倍遅いへの改良は、asm.jsとコンパイラEmscripteの両方をすこしずついじって達成された、とMozillaのAlon ZakaiRobert Nymanが発表の中で言っている。また、FirefoxのJavaScriptエンジンの改良の効果も大きい。ZakaiとNymanによると、中でもとくにスピードアップに貢献したのは、一部の浮動小数点数演算のの最適化だ。

asm.jsが2倍とか1.5倍と言っている対照のネイティブコードは、C/C++によるオリジナルをgccやclangでコンパイルした結果である。それを、Emscriptenとasm.jsによるコードと比較している。

下図は、最新の結果だ:


〔ブラウザ~HTMLがサイズを縮小しているので、クリックして別画面で見ると原寸で(大きく)見れます。〕

asm.jsは今のところMozillaのプロジェクトだが、GoogleのChromeチームはかねてから気にしていて、最近そのOctaneベンチマークの一員に加えた。Chrome本体がasm.jsを近々サポートすることはないと思うが、asm.jsのコードは、ふつうのJavaScriptコードとしては今のどのJavaScriptエンジンでも動く。Firefoxの上ほど速くないけど。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))