3年前に消えたGoogleマップがApple Watchに復活

Googleマップと Apple Watchの関係は長年、あまり円満ではなかった。グーグルがApple Watch対応のGoogleマップを出したのは2015年の9月で、Apple Watchが発売されてからわずか数カ月後だった。しかし2017年には、同社はApple WatchをサポートするGoogleマップを引っ込めて、いずれ復帰するというメッセージだけを残した(9to5 Google記事)。同社は、引っ込めた理由について多くを語らず、いつ復帰するのかもわらなかった。

しかし、その答えは3年だった。米国時間9月9日、9to5GoogleがApple Watchに戻っているGoogleマップを見つけた(9to5 Google記事)。

GoogleマップがApple Watchに戻ってくるという話が最初にあったのは8月で、CarPlayとの統合がより本格的になるという発表と一緒だった。そのときのグーグルの説明では「数週間後」だった。

そのときの記事では「これで二度目だけが、Googleマップのヘビーユーザーが期待するほど機能豊富ではないだろう」と言われていた。とはいえ、自宅や職場ぐらいならナビゲートしてくれるかもしれない。でも新しい場所なら、まずスマートフォンの地図アプリを立ち上げる必要があるだろう。

GoogleマップがiPhone上にすでにあるユーザーは、アプリをアップデートすればあなたの腕にもそれは戻ってくる。

画像クレジット: Greg Kumparak

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Googleマップで衛星画像をコンピュータビジョンで彩色強化、一部都市では表示詳細化も

Googleマップに大型アップデートが実施される。一層詳細な情報が付け加えられ視覚的にもわかりやすくなる。改良は自然の地形や生態系からストリートレベルの表示までにおよぶ広汎なものだ。グーグルによれば、衛星写真をコンピュータビジョンで分析し地形や植生などに鮮明な色彩を適用する。人工物についても、ニューヨーク、サンフランシスコ、ロンドンなど一部の都市でストリートレベルの情報をさらに詳細化。これには、横断歩道の位置や歩道、歩行者用アイランドの位置形状などが含まれる。

こうしたアップデートはユーザーが徒歩や自転車、キックスクーターのような軽快な方法で移動するときのナビゲーションを容易にする。これらオルタナティブな移動手段はパンデミックによって人気が高まっている(Googleブログ)という。サポートされる都市ではその場の状況を実感しやすくするために道路の幅や歩道の形状などが沿道の建物と同一の縮尺で精密に表示される。

向かって左が更新前、右が更新後(画像クレジット: Google)

グーグルによれば、今回のアップデートでは歩道の段差、車道への切り下げなどの詳細情報は付加されないものの、横断歩道の位置が示されるようになったことはアクセシビリティの改善になっているという。また現在でもGoogleマップは車椅子で通行可能なルート、利用できる交通機関、また店舗レストランなどのビジネスにおける車椅子の利用の可否などを表示している。

同社ではニューヨーク、サンフランシスコ、ロンドンの詳細地図は今後数カ月の間に順次公開されるとしている。つまり都市マップのアップデートは今すぐは利用可能になるわけではないようだ。アップデートのスケジュールがやや漠然としているのは理由がある。Googleマップのように世界に数十億人ものユーザーがいる(Googleブログ)巨大アプリの場合、何段階にも分けてアップデートを行うのが普通だ。そのため全ユーザーに新機能が行き渡るまでには相当の時間がかかる。

同社によれば最初の3都市への詳細マップ導入が完了した後、この機能を米国以外の都市にも追加していく予定だという。

これと別に世界のユーザーは都市以外の地表の状態をさらに正確にわかりやすく表示するマップ機能を利用できるようになる。

グーグルは地形のカラーマッピングを保有している衛星画像の解析から得るが、特に荒地、寒冷地、森林、山間部などの地形に有効だという。分析によって得られた結果には色相、彩度、明度によるHSV色空間の特定の色彩が割り当てられる。例えば、密林は濃い緑色、 疎林は薄い緑色で表示されるなどだ。ユーザーは砂浜と植物で被覆されているいる地帯を一見して区別できる。またどこが砂漠であるかも判別できし、氷で覆われた極地の氷冠も表示される。雪が積もった山頂や国立公園の境界などもこれまでよりはっきり認識できる。

新しいカラーマッピングはGoogleマップサポートする全世界、220の国と地域の大小の都市、農地、原野など1億平方キロメートルをカバーする。

これまでGoogle マップはオンライン地図で他を大きく引き離したトップとみられていたが、最近アップルがiOSとMacの純正マップで急追を始めている。今回のアップデートはこうした状況で実施される。2018年にリニューアルされたアップルのマップ(未訳記事)は、さほど印象的ではなかったが、その後アップデートを重ねることによって無視できないライバルに成長してきた。

アップル特に大都市ユーザーをターゲットとして、Googleストリートビューより精細度が高い3DのLook Aroundを搭載した。最近ではiPhoneで地平線を撮影するだけで自分の位置が正確にわかるという巧妙な仕組みを導入した。またアップルはパートナーの手助けによる拡張とモデレーションをサポートした探索と発見のガイドを通じてGoogleマップに戦いを挑んでいる。こうした挑戦を受けてグーグルも従来のリードを保つために新機能の導入に踏み切ったものだろう。

グーグルによれば、マップのアップデートはAndroid、iOS デバイスとデスクトップを対象として今後数カ月かけて順次実施されていくという。

画像:Google, TechCrunch

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

クラウドソーシングで道の画像を無料データベース化するMapillaryをFacebookが買収

クラウドソーシングによる道の写真のデータベースを使った世界の地図製作でGoogle(グーグル)などに対抗するスウェーデンのスタートアップMapillary(マピラリー)が、Facebook(フェイスブック)に買収されたことを、同社がブログで公表した。買収の条件については明かされていない。

Mapillaryのスタッフとプロジェクトは、Facebookの大規模なオープンマッピングの取り組みの一部となる。Mapillaryによれば、同社の「OpenStreetMap(オープンストリートマップ)の関与は維持される」という。Mapillaryの共同創設者でCEOのJan Erik(ヤン・エリク)氏は次のように書いている。

Mapillaryは創設初日から、誰でも画像やデータを入手して、よりよい地図が製作できるようにする世界中の道の画像プラットフォームの開発に関わってきました。私たちのプラットフォームには数万人もの協力者があり、日々、Mapillaryのデータで地図が改善されています。私たちはその旅の次なる大きな一歩を踏み出しました。

エリク氏が指摘するように、Facebookは「機械学習、衛星画像、地図製作コミュニティーの協力を利用して地図を改善するツールと技術を構築している」ことが知られている。そのソーシャルネットワークの巨人にとって、地図製作には、Facebook Marketplace(マーケットプレイス)や地方のビジネスへ地図の提供、さらには拡張現実への応用といった直近の使用事例がいくつもある。

この動きは、2月にTechCrunchが報じた、別のヨーロッパのスタートアップScape Technologies(スケープ・テクノロジーズ)の先日の買収にも現れている。2017年に設立されたScapeは、コンピュータービジョンをベースにした「ビジュアル・ポジショニング・サービス」を開発していた。GPS単独では得られない、ずっと高精度の位置情報を必要とするアプリの製作を可能にするものだ。この技術は、当初は拡張現実アプリをターゲットにしていたのだが、交通、物流、ロボティクスに応用しても大きな力が発揮できる可能性を有している。Scapeはさらに範囲を広げ、カメラを搭載したあらゆる機器が周囲の状況を理解できるようにしたいとも考えていた。

Mapillaryは、誰もが参加できる最新の「オープン」プロジェクトでもあり、そこへFacebookからの資金が入った。昨年12月、同社は英国のAtlas ML(アトラス・エムエル)を密かに買収している。Atlasは、機械学習に関する論文とコードを無料で提供するオープンな情報源「Papers With Code」(ペーパー・ウィズ・コード)の管理会社でもある。

Mapillaryに話を戻そう。同社は「画像、地図データ、そしてあらゆる地図の改善」のためのグローバル・プラットフォームとして今後も存続することを強く主張している。「今後もこのプラットフォームへの画像のアップロードや、プラットフォームに存在するあらゆる地図データの利用が可能」だとエリク氏は話す。商用利用許諾のランセンスも変更されるという。

以前から、私たちのプラットフォームで利用できるすべての画像は、非商用利用に限り、誰もが使えるようオープンで、無料で提供されてきました。その形を維持しつつ、さらに一歩進めるために、本日より商用利用も無償化します。Mapillaryにアップロードされたすべての画像が、オープンで、パブリックで、あらゆる人が利用できる状態を保つことにより、新しい使用事例の道が開かれ、カバー範囲と利用範囲が大きく広がり、あらゆる地図製作に恩恵がもたらされることを私たちは期待しています。これまで私たちは、プラットフォームの構築と運営のために商業化に注力する必要がありましたが、Facebookとひとつになることで、Mapillaryは、あらゆる人に無料サービスをという創設当初からのビジョンに近づくことができました。

画像クレジット:Mapillary

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(翻訳:金井哲夫)

グーグルマップがアクセシビリティ設備の表示を追加

Google(グーグル)は、重要かつ長年待望されていたに違いない新機能をGoolgeマップに追加した。車椅子利用可能情報だ。車椅子で利用できる店や観光スポット、トイレその他の施設に明瞭なサインが表示されるようになる。

歩行の不自由な人だけでなくベビーカー等を利用する人など、スロープや自動ドアなどの設備を必要としている人は無数にいる。Googleは施設のアクセシビリティ情報を何年も収集していたが、このたび新しい仕様によって日の目を見ることになった。

GoogleはGlobal Accessibility Awareness Day(世界的にアクセシビリティの認識を深める日)に合わせて、公式ブログで新機能を発表した。機能を有効にするには、マップアプリの”Settings”へ行き”Accessibility settings”で “Accessible places” をオンにする。

これて、検索したりタップした場所がアクセシビリティ対応していれば、小さな車椅子アイコンが表示される。住所や営業時間の出てくる詳細画面にいけば実際に利用できる設備がわかる。残念ながら設備のある細かい位置は表示されていないが、車椅子で入れる入り口やトイレがあることがわることだけでも第一歩だ。

こうした情報は自動的に生成されるのでも、設計図から取り込んだものでもなく、いつものGoogleと同じく、みなさん、ユーザーから得られたものだ。登録ユーザーなら誰でも、店の受け取りサービスなどの情報と同じように、アクセシビリティ設備の存在を通知できる。位置説明画面の “About”へ行って、一番下の”Describe this place” ボタンを押せばよい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アップルの新しいマップアプリはまず米国全土から展開開始

アップルは、機能を向上させ、より詳しい情報を表示可能なマップアプリを米国全土を対象に展開したと、米国時間1月30日に発表した。再設計されたアプリは、全体的に情報の精度が高くなり、道路、建物、公園、空港、モール、その他の公共の場所の包括的なビューを含むものとなっている。さらに、Look Around(ルックアラウンド)機能を、より多くの都市で利用できるようにし、マイアミでもリアルタイムの乗り継ぎ情報を提供できるようになった。

アップルは2012年に、iOS用のGoogleマップを自社製のマップアプリに置き換えた。それ以来、Googleマップに対する競争力を高めるため、マップのユーザー体験の向上に何年も費やしてきた。控えめに言っても、最初はうまくいかなかった。アップルのCEO、ティム・クック(Tim Cook)氏は、マップが顧客の期待に応えることができなかったことを謝罪し、アップルとして改善に取り組むことを約束する必要さえあったほどだ。

これまでアップルは、マップのデータの内容を改善し、さらに2018年にはマップを実現するプラットフォームそのものをゼロから作り直すことを表明することで、そうした約束を果たそうとしてきた。また昨年には、iOS 13で新たに「Look Around」と呼ばれる機能も導入した。これは、グーグルのストリートビューのアップル版のようなものだが、より詳細な情報を表示できる高解像度の3Dビューを提供し、表示の遷移もスムーズだ。

またiOS 13では、リアルタイムの乗り継ぎスケジュール機能、コレクションと呼ばれるリスト作成機能、お気に入りなど、マップの機能も充実した。

ただし、こうしたマップのアップデートの中には、展開に時間がかかっているものもある。例えばLook Aroundは、ニューヨーク、サンフランシスコのベイエリア、ロス、ラスベガス、ヒューストン、それにオアフ島など、主要都市でしか使えなかった。全国的な展開にあたって、より多くの主要都市で使えるようになるはずだが、アップルはまずどこを追加するのか、名前を明らかにしていない。またリアルタイムの乗り継ぎ情報も、サンフランシスコのベイエリア、ワシントンDC、ニューヨーク、LAなど、ごく一部の都市でしか使えなかった。

現在アップルは、ちょうどスーパーボウルが開催される週末に間に合うよう、リアルタイムの乗り継ぎ情報が提供可能な都市のリストの中にマイアミを加えている。

機能が向上して表示内容も充実したアップルのマップアプリ自体は、2019年の間に米国全土に着実に拡大し、最終的に秋には北東部まで到達した。

そして今、新しいマップアプリは米国全土で利用可能になりつつある。とはいえ、今マップを起動したからといって、すぐに新バージョンが開くとは限らない。ロールアウトは段階的に行われるからだ。

「私たちは、地球上で最も優れ、最もプライベートな地図アプリの作成に乗り出しました。現代の人々に世界を探索する方法を提供するものです」と、アップルのインターネットソフトウェアおよびサービス担当上級副社長、エディ・キュー(Eddy Cue)氏は、今回のリリースに伴う声明で述べている。さらに、「それを実現するため、私たちは深くコミットしています。マップが人々の生活をどのように向上させるのかを再想像するためには、ゼロから再構築する必要がありました。ナビゲーション機能から、仕事や学校での利用、大切な休暇の計画まで、その中核にあるのはプライバシーです。新しいマップを、まず米国向けに完成させ、Look Aroundやコレクションといった新機能を提供することは、そうしたビジョンを実現するための重要なステップです。この新しいマップを、今年の後半にまずヨーロッパから始めて、全世界に提供できるようにすることを楽しみにしています」と付け加えた。

今回アップデートされたマップには、いくつかの場所のLook Aroundと、リアルタイムの乗り継ぎ情報、コレクション、お気に入り、Share ETA(到着予想時刻の共有)、今後の旅程のフライト情報、モールや空港内のインドアマップ、Siriによる自然言語のガイダンス、上の図にあるような没入型の3Dビューを提供する主要都市のFlyover(フライオーバー)機能などが含まれる。Flyoverについては、350以上の都市で利用可能となった。

今後アップルは、これまでに収集した画像を使用して、米国内のより多くの場所でLook Aroundを利用できるようにし、ヨーロッパでもマップのプラットフォームをアップグレードする予定だ。

ただし、現在のアップル製マップの最大のセールスポイントは、そうした豊富な機能にあるわけではない。マップの傑出した特長は、むしろプライバシーを重視していることにある。

グーグルは、Googleマップから収集したデータを、たとえば店がいちばん混む時間帯の表示など、いろいろ便利な機能のために利用している。つまり、プライベートなアプリではないのだ。実際、まったくプライベートではないため、グーグルは「シークレットモード」を用意して、個人的なデータの収集を嫌うユーザーに対応する必要があったわけだ。

それに対してアップルは、アプリにサインインすることは不要で、Apple IDにひも付けされることもなく、パーソナライズ機能もデバイス上で処理されるだけで、クラウドサーバーにデータを送信することはないという点を明確にしている。それに加えて、検索した場所、ナビゲーションの経路、交通情報といった、マップを利用する際に収集されたすべてのデータは、ランダムに生成された識別子と関連付けられるだけ、それも継続的にリセットすることでユーザーのプライバシーを守るとしている。

またアップルは、「ファジィング(fuzzing=ぼかし)」と呼ばれるプロセスを使用して、マップで検索に使われた正確な位置情報を、24時間後にはあまり正確でない位置情報に変換している。さらに、ユーザーがどこを検索したか、あるいは実際にどこに行ったかといった履歴は保存しない。

現在は、アプリを起動するだけでユーザーのデータを収集することに同意したとみなされる時代であることを、人々は正しく認識している。ただしアップルが、ユーザーのプライバシーを重視する姿勢を、ますます強調するようになっているのは歓迎すべきことであり、再びアップル製のマップを試してみる理由としても十分だ。このアプリが登場したてのころの不安定さは、もはや過去のものとなっている。

アップルのマップは、現在200カ国以上で使われていて、iPhone、iPad、Mac、Apple Watchの各デバイス上で、さらにCarPlayを搭載した車でも利用できる。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Googleマップがローカルガイドの「フォロー」機能でSNSに対抗

Googleマップは、地図アプリというよりFacebookなどのソーシャルネットワーク的な新機能のテストを開始する。他のユーザーをフォローする仕組みだ。具体的には「ローカルガイド」をフォローできるようになる。ローカルガイドというのは積極的に店舗などをレビューしてGoogleマップ上で写真や自分の知識をシェアするメンバーのことで、包括的な報酬プログラムの一環として行われている制度だ。

ローカルガイドプログラムは2015年にYelp Elitesに対抗するためにスタートしてもので、積極的にマップに貢献した人たちが地元の流行発信人的ステータスを得ることができる。ローカルガイドは、他のマップユーザーが地元についてもっとよく知ってくれるように詳しいレビューや写真を投稿する。

見返りとして、ガイドはさまざまな特典を手にすることができる。例えば、新機能の早期アクセス、特別な地域ミーティングへの参加、Googleサービスの無料アクセス、割引、クーポンなどだ。

これから一部の地域では、プロフィールページの「フォロー」ボタンをクリックすれば人気のローカルガイドをフォローできるようになる。すると、選んだガイドのお勧めがマップに表示される。モバイルアプリの「おすすめ」セクションには、ローカルガイドによる地域のおすすめ情報を表示するエリアが新たに追加される。

当初パイロットプログラムが実施されるのは、バンコク、デリー、ロンドン、メキシコシティー、ニューヨーク、サンフランシスコ、サンパウロ、および東京。うまくいけば他の地域にも拡大されるだろう。

Googleマップにとってこの機能は、地域の店舗を発見してそれに関するニュースやイベント、セールなどの最新情報をつかむための場所としてFacebookに対抗しようとする最新の試みだ。昨年10月Googleは、店舗を「フォロー」する機能をAndroidアプリで提供し、後にiOS版にも追加された。今年の夏にGoogleは、さまざまな地域ビジネス向けツールを提供し、Googleマップの写真やプロフィールを更新したり短縮URLの作成や顧客への特典提供などをできるようにした。どの機能もFacebookページに対抗するためだ。

しかしこれまでGoogleは、ユーザーが店舗そのものをフォローしてやり取りするための機能を重視し、他のユーザーとの関わる仕組みは提供していなかった。

ただし、ローカルガイドプログラムを店や企業の情報源として使うためには大きな落とし穴がある。情報は一般の人たちのクラウドソーシングで集められたものであり、批評家や専門のレビュアーが書いたものではない。このためローカルガイドのレビューは質にバラツキがある。その一方でGoogleが今もっとも関心を持っているのは、ローカルガイドの定着とレビューの数のようで、レビューの正確さや質ではなさそうだ。

一般にローカルガイドのレビューには批判的な姿勢がなく、単なる簡単な紹介で終わっていることが多い。例えば、レストランのレビューといえば「素晴らしい料理!また食べに来たい!」という類のこと以上は何も言っていないものが多い。ローカルガイドのレビューは他の一般ユーザーのレビューと変わらない(ときにはずっとよくない)こともある。もちろんローカルガイドのレビューがどれも役に立たないというわけではないが、レビューに「ローカルガイド」と書かれていても、レビューの質の高さを表すわけではない。

しかし9つの都市で始まる新しいおすすめ機能では、ローカルガイドの言葉よりも写真が中心だ。Googleマップの「おすすめ」タブを開くと、ガイドからのおすすめがフォトコラージュのように表示され、クリックすればガイドが何を書いているかを見ることができる。GoogleマップアプリでちょっとしたInstagram的感覚を味わえる。

この新機能は、Googleの年次ローカルガイドサミットで 発表された。そこでGoogleは、ローカルガイドコミュニティーが2万4000都市、1億2000万人まで増えたことも共有した。しかしそれはGoogleがユーザー数の伸びを喜んでいることの新たな証であり、必ずしもレビューの質に目を向けたものではなかった。もしローカルガイドが信頼できる詳しくて公正なレビューを提供できれければ、人々は誰もそこに目を向けず、「フォロー」しようとも思わないだろう。

Goolgeはパイロットテスト対象地域でいつ「フォロー」機能が使えるようになるのかは明らかにせず、「もうすぐ」やってくるとだけ言っていた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleマップが外国の地名を読み上げる翻訳機能を提供

Googleマップは、言葉の通じない国を旅行する人たちのために、テキスト読み上げ機能付き翻訳機能を提供する。ユーザーが場所の名前や住所の横にあるスピーカーボタンをタップするとGoogleマップが読み上げてくれる。旅行中に道順を尋ねたいときには特に便利だろう。

外国に行ったことのある人なら、道順を聞いたりタクシーの運転手に行き先を伝えなくてはならない場面があるだろう。それはその国の言葉をしゃべれないと非常に困難なことでもある。翻訳アプリや辞書があっても、日常会話に特化していることが多いので固有名詞や地名は入っていない。

これからは、発音に苦労したりたどたどしい会話をしたり、スマホを運転手に渡したりしなくても、ボタンをタップするだけでよくなる。

さらに会話を続けたいときのために、Google翻訳へのリンクもある。

この新機能は、現在スマートフォンで使われている言語を見て、翻訳オプションを表示すべき場面を決定する。例えば、英語の話者が東京の地図を見るとスピーカーアイコンが表示されるが、米国内の場所を見てもアイコンは表示されない。

この種の音声読み上げ機能がこれまでGoogleマップになかったことは、このアプリが旅行目的によく使われることを考えると少々驚きでもある。しかし最近Googleは、Google HomeGoogle アシスタントGoogle レンズなどさまざまなアプリにGoogle翻訳を組み込み始めている。翻訳機能はGoogle製品を強力にして競争力を高めるとともに、利用者の利便性も増す。

Googleマップの翻訳機能は、今月iOSとAndroidで提供を開始した。現在の対応言語は50種類で、将来もっと増やしていくとGoogleは言っている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleマップが世界200都市でバスや電車の混雑予測を開始

Googleはマップの改善を続けている。米国時間6月27日のアップデートでマップが通勤にさらに便利になった。新機能の一つはバスや地下鉄などの遅延を予測する。これはリアルタイムで遅延情報が得られない場合に役立つ。もうひとつは過去のデータに基づいてこれらの交通機関の混雑状態を予測するものだ。

多くの通勤者にとって興味あるのは後者、混雑状況の予測だろう。これにはGoogleが過去半年かけて完成させた新しいアルゴリズムが用いられている。去年の10月からGoogleは午前6時から8時という通勤ラッシュ時間帯にマップを利用したユーザーに対して空席の有無など混雑状況を評価するアンケートを取り始めた。

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Googleは通勤者が適切な交通機関を選択することを助けるために、クラウドソーシングによって得られた情報をベースにバス、地下鉄、電車の路線の混雑状況を予測するモデルを作成した。

ちなみにGoogleは世界で最も混雑する通勤路線の一覧を公開している。

リストではブラジルのブエノスアイレスとサンパウロが突出している。トップ10路線のうち1位から4位までを独占しているだけでなく、さらに2路線を加えて合計6路線が両都市のものだ。東京では中央線と日暮里・舎人ライナーの2路線がランクインしてる。米国の路線でトップ10入りしたのはニューヨークのマンハッタンとブルックリンを結ぶ地下鉄L系統だけだった。

Googleが膨大な利用人口を混雑予測に役立てたのはこれが最初ではない。すでにGoogleマップではレストラン他の一般ユーザー向け施設の混雑を予測している。

またGoogleはバスの遅延にも警告が出せるようにした。

ETTs

Googleは2017年12月に地域の公共交通機関の運営者からの運行情報をリアルタイムで提供するサービスを始めた。ただこの機能がカバーするのは一部の都市のみだった。アメリカでいえばジョージア州アトランタはカバーされていなかった。Googleではこの点を改善すべくクラウドソースによってリアルタイムで遅延情報を提供し始めた。

バスの遅延予測にはまず路線に関する詳細な情報が必要だ。Googleは個人が特定されないよう匿名化されるという条件で位置情報の提供に同意したユーザーから得られた情報を用いた。これレストランや店舗の混雑状況を予測するモデルと同様のメカニズムだ。Googleはマップを世界中で人々の移動状況を知るための非常に強力なツールに変えた。

もっとも、多くのマップユーザーはこのデータ収集がデフォルトでオンになっていることに気づいていないかもしれない。おそらく遅延情報や混雑状況のアラートは公共交通機関の運営者から得られているものと漠然と考えているユーザーも多いだろう。しかし実はデータは運営者からではなく、マップアプリをインストールしている無数のユーザー自身から来ている。

ともあれ、今やマップのユーザーはバスの運行状況を知ることができるようになる。どのくらいの遅れが出そうかリアルタイムで分かっていればそのぶん早めに家を出るなど対策できるわけだ。

Googleによればマップの新機能は世界の200都市をカバーし、Android版、iOS版の双方で本日から利用できるようになるという。

画像:TechCrunch

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

iOSとAndroidでGoogleのロケーション履歴を自動消去する設定が可能に

Google(グーグル)は「個人データを収集するのは広告事業だけでなく、ユーザーに提供するサービスの質を改善するのにも役立っているのだ」と主張してきた。しかしGoogleがありとあらゆる個人データを吸い上げ続けるのを好まないユーザーも少なからず存在する。

米国時間6月26日、Googleはユーザーが自分に関するデータをコントロールする能力を増やせるような機能を発表した。新機能を利用すればiOSとAndroidデバイスからロケーション履歴を自動的に消去できるよう設定できる。

Googleは去る5月、Google I/Oカンファレンスの直前にこの機能のリリースを予告していた。

ロケーション履歴はユーザーのお気に入りのレストランや店舗を記憶し、推薦するのに役立つという。しかし一部のユーザーは自分が訪問した場所をすべてGoogleに把握されていることを機能を気味悪いと感じており、同社もこのことを認めた。

新しいコントロールではGoogleのロケーション履歴を3カ月おきまたは18カ月おきに自動消去できるよう設定できる。

やり方はこうだ。まずGoogleアカウントにアクセスし、「アクティビティ管理」を開く。新機能が有効になっていれば「ロケーション履歴」の項目に「履歴を自動消去する」というオプションが表示されるはずだ。

次に表示される画面で履歴を消去する間隔を 3カ月、18カ月のどちらにするか選択できる。今までもその場でロケーション履歴を削除することは可能だった。

Googleによれば新機能は米国時間6月26日からiOSとAndroidで公開が始まるという。全ユーザーにロールアウトされるのには多少時間がかるのでまだ使えないユーザーもいるはずだ。

Googleが個人データを保存すること自体を好まないなら、これまでどおりGoogleアカウントの設定からデータ収集をオフにすることもできる。ロケーション履歴だけでなくYouTubeの検索、視聴履歴などについてもGoogleへの送信を停止できる。

【Japan編集部追記】一時的にウェブブラウズ履歴を保存したくない場合、Chromeにはシークレットモードが用意されている。これはChromeのハンバーガーメニューから「シークレットウィンドウを開く」を選べばよい。この機能を利用すれば情報はGoogleに保存されないが、デバイス、キャリヤ、訪問先サイトなどに何らかのデータが残る可能性はある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Googleマップにもシークレットモードが加わる

足跡を残さずにウェブをブラウズできることは、いろいろな理由で大いに意味のある機能だ。それが、ようやくGoogleマップでも利用可能となる。米国時間5月7日Google I/Oで発表されたシークレットモードは、Googleマップ上での移動や検索が、ユーザーのアカウントにリンクされたり、ローカルに保存されたりするのを防ぐ。

ユーザーが検索したり、実際に訪ねたりした場所が、スマホ内やGoogleアカウントに記録されることを制限したいと考える理由は、あれこれ考えられる。

たとえば、性的な健康について診療してくれる近所のクリニックを探したとしよう。それはまったく普通のことだが、それが最近訪れた場所のリストに記録されるのを望むだろうか。友達といっしょに近くにある飲み屋を探しているとき、いきなり表示されたらどうだろう。

それと同じように、アルコール依存症の支援団体を訪れたり、ゲイバーで夜を過ごしたりしたことを記録したくないという人もいるだろう。自分の人生について、なんでもかんでもオープンにできるという人は、そうそういるわけではない。

シークレットモードをオン/オフするのは簡単だ。まず右上にある自分のアカウントのプロファイル写真をタップする。すると、メニューが表示されるので、その中からシークレットモードを選ぶだけ。オフにするのも同じ操作だ。

注意すべきは、この設定によって他のアプリなどが位置情報を知るのを防ぐことはできないということ。例えば、携帯電話会社は、ユーザーが今どこにいるのか、だいたいの位置を常に把握している。それによって、基地局との通信を確保しているからだ。また、位置情報を利用する他のアプリやサービスも影響を受けない。たとえば、Googleマップでシークレットモードをオンにしてから、別のアプリに切り替えて近くのレストランを探そうとした場合、そのアプリは自由に位置情報を利用できる。

ウェブブラウザのシークレットモードと同じで、これによって保護できる範囲は限られているものの、中には非常に重要な部分もある。Googleマップのユーザーは、このモードを順次利用できるようになるはずだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

メルカリ上場承認の記事が4位にランクイン(2018年5月ランキング)

2018年にアクセス数の多かった記事を月別に紹介していく年末企画。2018年5月を振り返ってみると、最も読まれたのは、GoogleマップのAPIに関する記事だった。

一般ユーザーにとってGoogleマップのAPIといってもあまりピンと来ないかもしれない。しかし、スタートアップはもちろんさまざまな企業がリリースしているアプリやサービスはこのAPIを使ってGoogleマップの機能を取り込んでいる。この記事では、従来は月額200ドル程度だった利用料が無料になることや、特定業界向けのMapsソリューションとして、Googleマップのデータを利用して現実世界を舞台とするゲームを作るゲームデベロッパーのためのプログラムを立ち上げたという内容が書かれている。

TechCrunchとして注目なのはもちろん、4位にランクインしたメルカリの上場承認に関する記事だ。メルカリはこのあと6月19日に東証マザーズ市場に上場。株式市場は上場初日に1株あたり5300円と評価した。同価格で算出した時価総額は約7172億円だった。なお、12月28日現在の時価総額は、12月下旬に米国から始まった株価の大幅下落の影響もあり、時価総額は2650億円程度となっている。

1位 Google MapsがAPI構成と課金方式を抜本的に変えて単純化
2位 新しいGoogle Oneはストレージ半額でサポートも充実
3位 機械学習研究者2000人がNatureの新しい有料論文誌への投稿を拒否
4位 メルカリの上場承認が正式に発表、直近決算期の売上高は220億円
5位 GDPR施行、同意の強制でさっそくFacebookとGoogleに対し初の提訴

アップルがグーグルのAI責任者を引き抜いた記事が5位に(2018年4月ランキング)

2018年にアクセス数の多かった記事を月別に紹介していく年末企画。2018年4月のアクセスを振り返ってみると、4月ということもあり1位はGoogleのエイプリルフールネタ。

4月1日にGoogleマップを開くと、赤白セーターを身にまとい画面の端からこちらに向かって手をふるウォーリーが表示される。そして、さまざまな場所にいるウォーリーを探すというゲームを楽しめる。ここ数年は落ち着いた感があるが、各企業の広報からは3月下旬になるとさまざまなエイプリルフールネタが届く。その数は年末に送られてくる、CEOや社長の年始の挨拶よりもはるかに多いうえ、年々レベルが上がっている。残念ながらTechCrunchで取り上げる機会はあまりないのだが。

そのほか、アップルとグーグル、マイクロソフトの記事がランクインしているが、注目なのは5位のアップルがグーグルのAI開発の責任者を引き抜いたという記事。アップルでAIといえば音声アシスタントのSiriが思い浮かぶが、同社のプライバシー保護方針の影響もあり、グーグルのGoogleアシスタント、アマゾンのEchoに比べて遅れている印象だ。

アップルに移ったのは、グーグルで人工知能と検索の責任者を務めていたジョン・ギアナンドレア(John Giannandrea)氏(写真)。彼は12月に入って、アップルCEOのティム・クック(Tim Cook)氏、CDO(チーフ・デザイン・オフィサー)のジョニー・アイヴ(Jony Ive)氏、インターネットソフトウェア&サービス担当の上級副社長であるエディー・キュー(Eddy Cue)氏、リテール担当の上級副社長であるアンジェラ・アーレンツ(Angela Ahrendts)氏などと同様に、同社のエグゼクティブチームに加わったことが発表された。アップルがAIに賭ける本気度の表れだろう。

1位 Googleのエイプリルフールは「ウォーリーをさがせ!」
2位 今年の新iPhoneは6.5インチX登場へ
3位 GoogleがGmailに「自動消滅メール」を導入予定
4位 Googleのスプレッドシートにマクロが来た
5位 AppleがGoogleのAIトップを引き抜く

Googleマイビジネス・アプリがリニューアル――Facebookページのライバルを目指す

Googleマイビジネスにオーナーが新しい顧客を獲得することを助ける新しい機能が追加された。今日(米国時間11/14)、GoogleはマイビジネスのiOSとAndroidアプリのリニューアルを公開し始めた。新しいツールではビジネス・オーナーがレビューだけでなく、ビジネスのフォロワーやメッセージなどの顧客情報を閲覧できる。また ビジネスの内容についてGoogle上で公開するためのプロフィールを簡単に作成できるようになった。

これは最近Googleマップのアップデートでフォロー・ボタンが追加され、マップのユーザーが関心あるビジネスをフォローできるようになったことを受けたものだ。フォローするとそのビジネスについての最新情報を受取ることができ、プロモーションやイベントに参加できる。GoogleマイビジネスはFacebookページのライバルとなることを目指しているようだ。

新しいGoogleマイビジネス・アプリには「カスタマー」タブが設けられ、顧客および見込み顧客に関する情報をここから管理できる。上で紹介したとおり、フォロワーのリストなどを見ることができる。ビジネスのオーナーはレビューを読むだけでなくアプリ内からメッセージに返信もできる。

Photocentric posting experience - Scale

逆にGoogleマップ、あるいはGoogle検索を使ってビジネスを発見した場合、マイビジネスにMessageボタンが表示されるので、クリックしてオーナーにコンタクトすることができる。これまでも返信自体はこれまでもできたが、オーナーはモバイル・デバイスのメッセージ機能を使う必要があった。今回のアップデートでGoogleマイビジネス・アプリ内から着信メッセージに返信できるようになった。またメッセージ機能自体もアメリカ、カナダ、ブラジル、インドに限定されていたが、今週中に世界の主要な国々で利用できるようになる。

またアプリには投稿(Posts)ボタンも新設された。ビジネス・オーナーはこのボタンをクリックすることでプロフィールのアップデートを簡単にGoogleにアップロードできるようになった。新しいプロダクト、バーゲン、イベントなどの情報を顧客に伝えたいときに便利だ。

もちろん多くのビジネスはこうした情報をFacebookページ、Instagram、Twitterなどのソーシャルメディアを使って発表していたはずだ。今回のアップデートでビジネスはGoogleマイビジネスにも同様の情報をアップロードできるようになり、Google検索やGoogleマップから来るいっそう広い範囲の顧客、見込み顧客にリーチできるようになった。

GoogleではGoogleマイビジネスのアップデートはiOS版、Android版ともに今日からスタートするとしている。

〔日本版〕モバイルアプリのマイビジネスに表示されるビジネスのフォローは日本でもすでに可能。ビジネス・オーナーはこちらからマイビジネスの利用を開始できる。

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滑川海彦@Facebook Google+

Googleマップに通勤タブと音楽再生機能追加――自動車、電車、バスで関連情報を教えてくれる

GoogleはAndroid版、iOS版のマップにいくつかの新機能を追加したことを発表した。これは主として通勤と音楽再生に関連する機能で今週中に順次公開される。

Googleマップは旅行するときにナビとして利用できるのがことに便利だが、毎日の通勤にも役立つ。Googleでは通勤関連の機能をCommute(通勤)という新しいタブにまとめた。

マップに自宅と勤務先の位置情報を登録すると、マップは朝夕の通勤で予想される状況を毎日教えてくれる。自動車通勤であればGoogleマップはどれほどの時間がかかるか調べ、別ルートがあれば提案する。クラウドソース地図のWazeのETA画面同様、30分余計にみておく必要があるなどと教えてくれる。

電車やバス通勤の場合もマップは同様に所要時間を計算し、出発すべき時間になるとアラームを表示する。マップは駅や停車場までの徒歩区間にかかる時間も計算に入れる。公共交通機関を使った通勤では情報はCitymapperを始め、各種の公開データからインポートされる。

公共交通機関といえば、マップの上で電車やバスが近づいてくるところが見える。待ち時間があとどれくらいかも表示される。この機能は世界で80の地域で利用可能となる。オーストラリアのシドニーでは、マップは次のバスがどのくらい混雑しているかも分かるという。

このアップデートに関連して浮上する問題点の一つはプライバシーだ。これまで自宅と勤務先のアドレスはマップのGoogleアカウントから登録していた。

アップデート後はウェブとアプリのアクティビティのタブを開くことになる。これは個人情報を大量に収集することで悪名高い機能だ。この機能を有効にしないと自宅や勤務先のアドレス変更ができない。Googleはこのタブから検索履歴、Chromeの閲覧履歴、位置情報、クレジットカードによる支払その他の情報を手に入れることになる。

GoogleはAndroidデバイスでGoogleアシスタントを使う場合などあらゆる機会をとらえてこの「機能」をオンにするよういつも勧めてくる。Googleはこうした最新の個人を使って収益化を行っていることは間違いない。こういう意見もある。

ださい。Googleマップに自宅や勤務先のアドレスを保存するためにはウェブとアプリのアクティビティを有効にしなければならない。 

これ以外のアップデートとしてはGoogleはマップ内に音楽コントロールを追加してきた。ユーザーはSpotify、Apple Music、 Google Play Musicをマップから操作できる。縦長画面を生かして、画面下部に再生中の楽曲名と「次の曲」や一時停止などのコントロールを表示したバナーが追加される。

アップデート後は画面右側に音楽アプリを開く新しいボタンが追加されるはずだ。 AndroidでSpotifyを利用している場合、マップから直接Spotifyのライブラリーを使うことができる。

画像:Anadolu Agency / Contributor

〔日本版〕Andoroidデバイスの場合、Googleアカウントの設定を開き、右上隅に縦に3点で表示されるメニューをタップするとドロップダウンメニューが開く。「マイアクティビティ管理」を開くと「ウェブとアプリのアクティビティ」の項目が表示され、オン/オフを切り替えることができる。

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滑川海彦@Facebook Google+

Googleマップ、「現在地を共有」に相手のバッテリー残量を表示

2017年の初めにGoogleマップに 現在地を共有する機能が追加された。ユーザーはGoogleマップ上で近くにいる親しい友達や家族に自分の現在地を教えることができるようになった。この機能にちょっとした、しかし重要な情報が追加された。スマートフォンのバッテリー充電状態だ。

こういう具合だ。

なぜ相手のバッテリー情報などが表示されるのか不思議に思うユーザーもいるだろう。

友達の現在位置を知ろうとしても相手の携帯が死んでいれば反応はない。アプリ側でできることはない。たいていの位置情報共有サービスでは単に接続中のアイコンがぐるぐる回り続けるだけだ。ユーザーはどうして反応がないのかいぶかることになる。スイッチを切っているのか、電波が届かないのか、スマートフォンが盗まれたのか?

しかしバッテリー情報が含まれるようになれば、もうすぐ充電残量が失くなる状態だということがわかる。次に位置情報をアップデートしたときに反応がなければ「残量が失くなったのだろう」とかなりの確信をもって推測できる。

この機能に最初に気づいたのはAndroidPoliceで、 去る2月にGoogle Maps APKを解析したときに発見した。その後、「自分のGoogleマップでこの機能を見た」という報告がちらほら上がっていた。中にはバッテリーの残量が低くなっているときだけこの情報が表示されるというバリエーションもあった。しかし今日(米国時間8/2)から利用範囲は大きく拡大されたようだ。

なるほど便利な機能だが、Googleが最初に発明したわけではない。たとえば昨年Snapchatが買収したソーシャルマップのZenlyも2016年のスタート時点から同様の機能を備えていた。

画像:: NurPhoto / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Googleマップに新機能(現状アメリカ限定) ー 目的地周辺の駐車場の混雑具合がわかるように

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Googleマップに新たに追加された機能によって、ユーザーは駐車場をみつけやすく、というよりは目的地周辺で駐車場をみつけるのはどのくらい難しいかということを事前に知ることができる。Googleによれば、この新機能は「駐車場のヒストリカルデータ」を使って駐車難易度に関するスコアを割り出し、Googleマップのルート情報が表示される箇所に、目的地周辺の駐車場の状況を「Limited(少ない)」「Medium(普通)」「Easy(多い)」の3段階で表示するようになっている。

本機能は、Android上でGoogleマップのベータ版を使っていたユーザーが、今月初旬に発見した

この駐車情報機能は、GoogleがGoogleマップの巨大なユーザーベースとそこから生み出されるデータを利用し、ユーザーに目的地の情報を伝えるという、最近同社が開発を進めている新機能の新たな例だ。

他の例として、Googleは昨年11月に、匿名の位置情報や検索情報を使った「混雑する時間帯」機能をローンチした。この機能はそれ以前に開発された、お店の混雑状況を確認できる機能が進化したものだ。ちなみにGoogle検索やGoogleマップに表示される「混在する時間帯」の情報は、現在はリアルタイムでアップデートされている。

しかし今回発見された駐車情報機能には、Googleが「ヒストリカル」データを使っていると言っているように、リアルタイムの情報は(少なくとも現段階では)反映されていないようだ。

なお実際には、ユーザーがGoogleマップ上で目的地までの順路を表示すると、画面下部に新しく駐車情報が表示されるようになっている。

ご想像の通り、このようなツールは人口密度の高い都市部でこそ力を発揮する。

そのためGoogleは、まずアメリカの25都市でこの機能をローンチした。対象都市は、サンフランシスコ、シアトル、マイアミ、アトランタ、ボストン、シャーロット、シカゴ、デトロイト、ロサンゼルス、ミネアポリス/セントポール、ニューヨークシティ、オーランド、フィラデルフィア、ピッツバーグ、サンディエゴ、セントルイス、タンパ、ワシントンDC、クリーブランド、ダラス/フォートワース、デンバー、ヒューストン、フェニックス、ポートランド、サクラメントだ。

現在のところ、この機能はAndroid版のGoogleマップでしか使えないようだが、その他の機能のようにそのうちiOSでも使えるようになるだろう。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Googleマップの、Foursquareに似たリスト作成機能の一般公開はもうすぐ

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ユーザー自身が、場所のリストを作成できるGoogleマップの機能が、もうすぐ一般公開されるようだ。今月に入り、沢山のGoogleマップユーザーが、モバイルアプリケーションに加えられた新しい機能に気が付いた。スターをつけたりお気に入りとした場所のリストだけでなく、いつか訪れたい場所のリスト、そして自分自身カスタムリストを作ることができる。

Foursquareのリスト作成ツールを思い起こさせるこの機能は、何ヶ月ものあいだGoogleローカルガイドプログラムの中でテストされていた。このプログラムは利用者のマップコミュニティへの個々の貢献に対して、新しい機能への早期アクセスという形で応えてきた。昨年の夏に最初に報告されたときには、この機能はローカルガイドとしてレベル4以上を達成し、かつ、Androidデバイスを使用している人たちだけが利用可能なものとなっていた。

しかし今週Googleは、ローカルガイドたちに対して、この機能がiOSあるいはAndroidを使っている、レベル2以上を達成している人に利用可能になったことを、メールで通知した(このレベルは、特に、クチコミや写真のようなものの投稿を通して、マップへの参加と貢献を重ねることで与えられる)。

多くのGoogleマップユーザーが、一般公開に先立ち、そのマップモバイルアプリの中にリストツールが出現していることに気がついている。これらのユーザーの中には何人かのレベル2ローカルガイドが含まれているので、彼らがこの機能を見ることができた理由もわかる。

この場所をリストに加えられるスター機能はいいね。でもデスクトップとモバイルの正式機能にはまだなっていないのかな!?

遂にリストが入った。ありがとう。

リスト機能が入った。Foursquareみたいだな。

私のiOSのGoogleマップに、場所に単にスターを付けるだけでなくリストに保存する機能がはいった。

このリスト機能と、Googleの新しい旅行計画アプリであるGoogle Trips(このアプリでは、目的地であなたが訪れたいと考える「保存場所」リストが作成できる)の間にはおそらく何らかの重なりがある筈だ。

とはいえ、マップリスト作成ツールは、1回の旅行よりも広いスコープを対象にしていて、覚えておきたい場所をなんでも保存してくれる。例えば近所のお気に入りのレストランとか、いつか訪れてみたい場所などだ。これによってFoursquareアプリだけではなく、例えばSoonのような小さなスタートアップなどとも、より直接的に競合することになるだろう。

この機能へのアクセス権を持っている場合は、メニュー内の「マイプレイス」の中の「保存済み」タブの中にリストを見つけることができる。

私たちはGoogleに対して一般公開時期に関するコメントを求めたが、「私たちはGoogleマップの新しい機能を常に実験しています」という回答と、一般公開の時期はユーザーのフィードバックによって決定される、ということ以上の詳細な情報は得られなかった。

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(翻訳:Sako)