SpaceX、ボーイングの有人宇宙飛行計画さらに遅延、当面ソユーズの利用が続く

今後の宇宙関連プロジェクトでもっとも重要なのはSpaceXとボーイングがそれぞれ進めている有人宇宙飛行カプセルの開発であることは間違いない。 しかし、今日(米国時間2/6)のNASAのブログによれば、すでに遅れているスケジュールがさらに遅れることが明らかとなった。

ボーイングのStarlinerとSpaceXのCrew Dragonは ISS(国際宇宙ステーション)にクルーを往復させるために用いられるカプセルだ。有人飛行であるため、現在の物資輸送用カプセルとは比べものにならないくらい厳密なテストが繰り返されてきた。

しかし、これは簡単な開発ではなく、両社とも長い道のりを歩んできた。当初2017年の運用開始が予定されていたが、スケジュールは大幅に遅延している。実際に人間を乗せて飛ぶのがいつになるかはまったく分からない。

今月はCrew Dragonにとって大きなマイルストーンとなるはずで、無人でISSに向かってテスト飛行が実施される計画だった。ボーイングも近く軌道飛行のテストを実行することを計画していた。しかしこれらのテストは双方とも延期されたという。NASAはこう述べている。

NASAではSpaceXのCrew DragonのDemo-1無人フライトテストを3月2日に予定している。 Boeingの無人の軌道フライトテストは4月以降となる。

ハードウェアの開発、テスト、データの確認、NASAや関係機関による結果の評価、乗員、地上要員の訓練などのスケジュールによって日程は調整される。

簡単にいえば、両社ともまだまったく準備が整っていないこということだ。かなり完成に近づいてはいる。しかし有人飛行の場合、「かなり」では十分ではない。

もしこれ以上の深刻な遅れが出ないなら、2019年の開発スケジュールはおおむね以下のようなものになる。

  • SpaceX Demo-1(無人):2019年3月2日
  • Boeing 軌道フライトテスト(無人):2019年4月以後
  • Boeing フライト中止テスト:2019年5月以後
  • SpaceX フライト中止テスト:2019年6月以後
  • SpaceX Demo-2フライトテスト(有人):2019年7月以後
  • Boeing フライトテスト(有人):2019年8月以後

この夏はSpaceX、ボーイングともに有人宇宙飛行を行う予定なので、アメリカの宇宙飛行にとってきわめて重要な時期になる。現在のところ、ISSにクルーを往復させる手段はソユーズしかない。ソユーズは何度も人員輸送を成功させてきたが、すでに登場から40年もたつ古いシスムであり、言うまでもなく、ロシア製だ。21世紀にふさわしいアメリカ製のシステムがかつてなく強く求められている。

画像:NASA

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滑川海彦@Facebook Google+

Falcon 9、衛星打上げは成功、ブースター回収は失敗――グリッドフィン不調で海中へ(ビデオあり)

SpaceXのFalcon 9による国際宇宙ステーションへの補給船打ち上げは成功した。しかしブースターの回収は、グリッドフィンの不調で失敗に終わった。イーロン・マスクのツイートによれば、ブースターは着陸予定地点をわずかに外れて海中に落下した。

〔ブースター上端に設けられた〕グリッドフィンを作動させる油圧ポンプの不調のためFalconは海中に落下した。ブースターからは引き続き信号が送信されているので破壊されていはないもよう。回収船を出発させた。

ビデオ配信サービス、Twitch(以前のJustin.tv)が着陸を中継中だった。下にエンベッドしたのはDazValdezの船上から撮影されたビデオだ。Falcon 9のブースターが降下中に姿勢が不安定となりケープ・カナベラル宇宙基地の着陸ゾーンをわずかにそれて海中に落下する一部始終がはっきり記録されている。

火曜日のフライトではISS向けの2.5トンの実験装置と補給物資が打ち上げられた。これにより250回の実験が可能になると期待されている。 SpaceXにとって16回目の補給船打ち上げミッションだった。

Dragon補給船はFalcon 9の打ち上げ後約10分で2段目ロケットから予定どおりに分離されISSに向かって飛行を開始した。SpaceXの発表によれば、Dragon補給船がISSに到達するのは12月8日になる。今回用いられたDragonにとってこれが2回目の飛行となる。最初の飛行は2017年2月に実施された。

このミッションで次の重要なステップとなるのはDragonを安全にISSに接続することだ。 ISSのクルーは全長17.6メートルのロボット・アームを操作して補給船を捕獲し、慎重に引き寄せることになっている。

Dragon補給船は来年1月に入っておよそ1.8トンの物資を搭載して地球上に戻る。バハ・カリフォルニア沖の太平洋上に着水することが予定されている。

今週はSpaceXにとって忙しいものとなった。同社は民間の衛星運営企業、Spaceflight Industriesの委託により64基のミニ衛星を打ち上げている。このミッションでは15基のマイクロ衛星と49基のキューブサットが打ち上げられた。SpaceXによれば、顧客には民間企業、大学、政府機関だけでなく 中学校のプロジェクトも含まれていたという。国籍はアメリカ、オーストラリア、イタリア、オランダ、フィンランド、韓国、スペイン、スイス、イギリス、ドイツ、ヨルダン、カザフスタン、ポーランド、カナダ、ブラジル、タイ、インドの17ヵ国に及んだ。

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滑川海彦@Facebook Google+

国際宇宙ステーション(ISS)の新型ロボットは宇宙を浮遊するAlexaみたいでヤバイな

Cimonをご紹介しよう。3Dプリントで作ったこの浮遊するロボットは、AirbusがGerman Space Agency(ドイツ宇宙局)のために作ったものだ。彼は6月から国際宇宙ステーションのクルーだが、Gizmodoによれば、彼の活躍が一般公開されるのはこれが初めてだ。

実はこの、IBM Watsonで動いている浮遊する顔型ロボットは、宇宙における人間と機械の対話を研究する役目を担う、ものすごく高価なAmazon Echoを思わせる。下のビデオは主に、CimonとEuropean Space Agency(EU宇宙局, ESA)の宇宙飛行士Alexander Gerstとの対話を映している。

Gerstが彼の“好きな曲”をリクエストすると、CimonはKraftwerkの“Man Machine”をかける。すると宇宙飛行士は彼と‘握手’する。そしてロボットに、ビデオを撮るよう要求する。Cimonはそれにも成功するが、明らかに曲の中断にとまどっているようだ。二人の共同作業チームの、ちょっと荒っぽい出会いでした。

“彼の最初の出番には満足している。CimonのデベロッパーとAlexanderは二人とも、Cimonがまた仕事に戻ってくることを期待している”、とESAは言っている。“このHorizonsミッションの現段階では今後のセッションは予定されていないが、宇宙飛行士とロボットアシスタントとのすばらしいコラボレーションの始まりを告げたと言える。人工知能の、宇宙におけるあり方の好例だろう”。

次回は、ものごとがもっとスムーズにいくと良いね。絶対にやってはいけないのは、宇宙ロボットを怒らせることだぞ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

20歳を迎えた国際宇宙ステーション:重要な11の瞬間

1万7500MPH(時速2万8000キロ)で飛ぶ国際協調

天文学者、技術者、ロケット科学者たちの、前例のない国際協調作業が実を結び、国際宇宙ステーション(ISS:International Space Station)の最初のコンポーネントが打ち上げられたのは1998年11月20日のことだった。それ以来、この史上最大の宇宙船には、数えきれない数の宇宙飛行士、実験、その他の工作テーマが送り込まれて来た。以下に紹介するのは、このインスピレーションに満ちた数十年におよぶミッションの歴史の中から選ばれた、いくつかの素晴らしい瞬間だ。

1984年:レーガンがISSを提案 ― ただしロシアは抜きで

この宇宙ステーションはもともと米国単独の取り組みになる予定だった。しかし程なく、カナダ、日本そしてヨーロッパとの共同プロジェクトとなった。ただし当時のUSSR(ソビエト社会主義共和国連邦)は除外されていた。ご存知かもしれないが、当時米国とロシアの関係は緊迫していたからだ。宇宙産業の中で働く人たちのそのものは、その多くが協業を望んでいたかも知れないのだが、政治的な状況がそれを許さなかったのだ。それにもかかわらず、初期の仕事が始まった。

1993年:クリントンがロシアを仲間にした

ソビエト連邦の崩壊と、それに続く国際関係の活性化を受けて、ブッシュ大統領は旧ソ連勢力をプログラムへある程度の制限付きで迎え入れた。例えばサプライヤーやシャトルミッションのゲストとしてである。しかし翌年クリントン大統領は、ロシアを完全なパートナーにするという発表で、ブッシュを一歩出し抜いた。これは現実的かつ政治的な決定であった。ロシアが参加することによって米国の出費が数十億ドル抑制されるだけでなく、ロシアを他の様々な課題、例えばICBMの拡散防止努力に巻き込むことに役立った。いずれにせよ、最終デザインが形になり始めた。

1998年:最初のコンポーネントのZaryaとUnityが軌道に乗る

Zaryaが唯一のコンポーネントであったときに、アプローチしているEndeavor

ロシアは、当初招かれざる客だったが、1998年11月20日に最初のISSコアコンポーネントを打ち上げる名誉を手にした。それが20年前の記念すべき今日(米国時間)である。この時に打ち上げられたZarya Functional Cargo Blockは今でも使用されており、ステーションのロシア側の入口になっている。

その1ヶ月後、Space ShuttleのEndeavorは、39A発射台からUnity Node1を搭載して発射された(私たちもそこにいた)。Unityもまた、Zaryaに接続された日からずっと稼働中である。

2000年:多くの長期滞在者たちが初搭乗

左から:ステーションに搭乗したShepherd, GidzenkoそしてKrikalev

Zaryaが打ち上げられてから丁度1年後、初めて長期滞在する目的で宇宙飛行士たちが送り込まれた。この後に続く230人の居住者の最初の人びとだ。Bill ShepherdはNASAの最初の代表であり、ロシアの宇宙飛行士であるYuri GidzenkoならびにSergei Krikalevと、141日にわたって滞在を続けた。

2003年:Columbia号の悲劇が拡大を遅らせる

スペースシャトルColumbiaが、28回目のミッションを終えて大気圏に再突入を行った際に起きた事故は、他のシャトルのミッションを2年にわたって延期させるほど悲惨なものだった。米国にとっては、シャトルがISSに追加を行ったり保守を行ったするための主要な手段であったため、必要な任務はシャトルの発射が2005年に再開されるまで、Roscosmos(ロシア連邦宇宙局)に託された。有人の打ち上げは2006年の半ばまで再開されなかった。

2007年:きぼうが打ち上げられる

何年もかけて、ISSには数多くのモジュールが追加されてきたが、日本の「きぼう」はその中でも最大のものである。全ての部品を届けるために複数回のミッションを必要とし、ステーションの太陽電池容量を増強するミッションを経て稼働が可能となった。きぼうは、予圧された室内で利用できる多数の再構成可能なスペースを提供しており、宇宙で行わなければならない実験に、官民を問わず人気が高い。

2010年:Cupolaの投入

「きぼう」は最も大きなコンポーネントだが、Cupolaはおそらく最も有名なコンポーネントだ。7つの窓を持つ巨大なバブルは、SFの世界から抜け出たもののように見える(特にミレニアム・ファルコンのフロンエンドを思わせる)、そして内側外側を問わず、ステーションのもっとも美しい写真を撮影できる場所だ。

2014年:美しいタイムラプス

Cupolaが設置されたことで、素晴らしい地球の映像を撮影することが容易になった。特にAlexander GerstやDon Pettitのような、優れた宇宙飛行士写真家が段々高品質になるデジタルカメラを持参した場合には。この窓から撮影された無数の写真によって、無数のタイムラプス映像やデスクトップの壁紙が生み出されただけでなく、オーロラや雷雨のような驚異的な現象を、新しく価値ある視点から目の当たりにすることができた。1つだけを選び出すことは困難だが、Don Pettitの”The World Outside My Window”はすばらしい例であり、Gerstの4K動画はまた別の素晴らしい作品である。

2015年:Gennady Padalkaが宇宙滞在記録を打ち立てる

Gennady Padalkaは、その5回目の宇宙滞在中に、宇宙滞在の世界記録を打ち立てた。彼が地球に帰還したとき、その滞在時間の合計は878日と数時間に及んだ。これはライバルたち(そのほとんどはロシア人だ)よりもかなり先を行っている。なおNASAのPeggy Whitsonは、3回のミッションで666日間滞在している。

2016年:中国の宇宙ステーションがISSに呼びかける

宇宙で混雑を経験することほとんどないが、孤独を感じることはあり得る。なので、飛ぶ名誉を持っている人たちが、お互いに手を差し伸べることは素晴らしいことだ。このケースでは、中国の宇宙飛行士Jing Haipengが、中国のTiangong-2宇宙ステーションからの心温まるビデオメッセージで、新しくやってきたISSの乗組員たちに挨拶し、こうしたことを可能にしたグローバル協力の共同体を賞賛した。

2018年:ソユーズの事故が長期的な滞在を脅かす

宇宙飛行士Nick HagueとAlexey OvchininによるISSへの有人ミッションは、打ち上げ時に重大な失敗に終わった。幸いなことに死傷者はいなかったが、このことは宇宙コミュニティを震撼させた。ソユーズロケットとカプセルは長年にわたり十分に実証されてきたものだが、人命をかけたリスクをとることはできず、後続のミッションは延期された。交代要員がいないまま乗員が去ることにより、最初の投入以来初めてISSが無人になる可能性が生じた。

幸いなことに調査は終了し12月上旬に新しいミッションが計画されている。このため歴史的「乗員不在」は回避される予定だ。

では2019年は?初の商用有人ミッションとその先

ロシアは何年もの間、すべての有人打ち上げに対して、その責任を一手に背負って来た。米国はソユーズシステムの安全性と信頼に匹敵しそれを凌ぐ、新世代の有人飛行可能なシステムを育成することによって、ロシアへの依存を断ち切ることを計画してきた。SpaceXとBoeingの両社は、2019年にそれぞれCrew DragonとStarlinerロケットの打ち上げを計画している。しかし、工程の遅れや規制当局からの新しい注意が、そうした計画をさらに遅らせる可能性がある。

ISSには、その20年にわたる驚異的な連続運行にもかかわらず、明るい未来が待っている。2025年までは多かれ少なかれ資金が提供されているが、ロシアと中国からの新しい宇宙ステーションの話題が聞こえてきている。一方米国は次の大きな挑戦として月の周回軌道に着目している。現在は、乗員が沢山乗ったISS抜きに、宇宙のことを考えることは難しいが、打ち上げコストの低下によって、ISSの寿命はさらに伸び、さらに維持コストが安くなるかもしれない。ISSにまた次の20年があることを期待したいと思う。

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(翻訳:sako)

ソユーズロケットが事故から復活。来月初めにISSへの有人ミッション実施

10月、幸い死者は出なかったものの大きな注目を集めたソユーズロケット有人飛行ミッションの事故は徹底的な調査が終わり、米国、欧州、ロシア各国の宇宙開発機関はこの歴史ある発射システムの利用に前向きだ。ロスコスモス(ロシア連邦宇宙局)は、12月3日に国際宇宙ステーションへの有人飛行ミッションが発射されると発表した。事故からまだ2ヶ月も過ぎていない。

Nick Hague、Alexey Ovchininの両宇宙飛行士が軟着陸したその事故以来、あらゆる宇宙開発は速く実行する必要があることが明らかだ。ソユーズは現存する唯一の実績ある有人発射システムであり、もし長期間停止することがあればISSはすぐに空き家になってしまう。

幸いロスコスモスは事故の原因究明を優先的に行い、本日(米国時間11/1)調査結果を発表した。

ストラップオンブースター(ブロックD)の一つが、分離異常によりコアステージ(ブロックA)の燃料タンク部分に先端が衝突したためにその結果減圧が起きロケットの姿勢制御が効かなくなった。

分離の異常は、ブロックDの酸化タンクを切り離すためのノズルのふたが、分離センサーピンの変形(曲がり角度6度45分)のために開かなかったことが原因だった。バイコヌール宇宙基地で行われたストラップオンブースターをコアステージ(パケット)に取り付ける際に損傷したものだ。

つまり、ブースターのひとつが外れなくなりステージの分離が正しく行われなかった。事故の状況は本日ロスコスモスが公開した映像で見ることができる。 私が作った関連部分のGIF動画を下に貼った。

カプセルの中では、あらゆるものが横倒しになったに違いない。

問題は調査員によって突き止めらられ、影響を受けた可能性のあるロケットは除外され、すでに別のソユーズロケット(異なるモデル。非常によく似た名前のロケットがいくつかある)が飛び立っている。

さらに重要なことに、当局がこの説明に十分自信を持っており、2つのミッションがすでに計画されている。11月16日の貨物ミッションと12月3日の有人ミッションだ。

ロシアのOleg Kononenko飛行士とNASAのAnne McClain飛行士、カナダ宇宙局のDavid Saint-Jacques飛行士が搭乗予定。彼らは最近の事故のために神経質になっているのか、十分すぎる検査のおかげでむしろ緊張が少ないのか? おそらく両方が少しずつだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ロシアのロケットの失敗にもかかわらず、NASAはソユーズの打ち上げ予定を変えない

米国時間10月11日に起こった、通常は信頼性が高いソユーズロケットの打上げ失敗は、様々な意味で宇宙コミュニティに衝撃を与えた(今回は国際宇宙ステーションへ向かう有人ミッションだった)。だがNASAの担当官Jim Bridenstineは、いずれにせよ新しい乗組員を12月にソユーズで打ち上げる予定だと語った。

モスクワの米国大使館でBridenstineは記者たちに向かい「全ての失敗ミッションがこんなに上手く終わるわけではない」と語った。実際故障したロケットは、組み込まれた脱出システムは設計通りに働いたために、幸運にも何の人的被害も出さなかった。

宇宙飛行士であるNick HagueとAleksey Ovchininは、発射後約90秒で切り離されパラシュートを開いたカプセルと共に、発射場から約250マイル(約402キロ)離れた場所に安全に着陸した。

調査官たちが何が原因かを述べるのは時期尚早だが、Bridenstineはソユーズシステムとロスコスモスの彼のチームを信頼しているようで、新しい有人カプセルが年内にも打上げられることを示唆した。

「私は、ソユーズロケットの再度の打上げを十分に予想していて、現段階ではこの先の予定が変わると考える理由はない」と彼は語る。

そのミッションは12月に行われる予定である。すなわち現在ISSに搭乗している3人の乗組員たちは、一部で心配されたようにその滞在を延ばす必要はなく、ISSがしばらくのあいだ無人で飛行を続ける必要もないということだ。後者の可能性は様々な不安を引き起こしていた。ISSはしばらくの間無人で飛行できるように設計されてはいるが、問題が起きた時にその場に誰も居ないことはリスクとなる、そして多くの実験も失敗する可能性がある。

ソユーズの打ち上げシステムは、人間を宇宙に送るために現在利用可能な唯一のものである。SpaceXとBoeingがその状況を変えるために懸命に働いているが、彼らのソリューションの完成にはまだ長い道のりが待ち受けている。仮にソユーズシステムに重大な欠陥が発見された場合には、その解決策が見つかるまで人類は基本的に地球に閉じ込められることになるだろう。だが幸いなことに、ソユーズは何度も実証されているため、すぐに再飛行が行われる確率は高いだろう。

もちろんBridenstineの自信だけでロケットを打ち上げるわけではない。ロケットの調査は続いており、2つの宇宙機関は元々の予定に先立ち、どのように新しい乗組員をステーションへ送り込むかについて協議しなければならない。しかし、現段階では、宇宙はまだ私たちの手の届くところに留まっているようだ。

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(翻訳:sako)

SpaceX、Dragon補給船打ち上げ成功――ISSから故障したロボットを持ち帰る予定

先ほどSpaceXはCRS-14ミッションを開始し、Falcon 9によるDragon補給船の打ち上げに成功した。これは国際宇宙ステーションに対する14回目の物資補給で、再利用されたDragonはISSに物資を補給した後、故障したロボット、Robonaut 2を持ち帰る予定だ。

今回のDragon補給船が宇宙に出るのはこれが2回目だ。最初の飛行は2年前のCRS-8ミッションだった。 Falcon 9ロケットも再利用だが、今回の飛行が最後となる。つまりブースターの回収は行われない。

補給物資には食品など生活必需品の他に 興味深い科学実験設備が含まれている。ASIM( Atmosphere-Space Interactions Monitor)は大気と宇宙の相互作用を観測して雷発生のメカニズムの解明に役立てようというものだ。スプライト、エルブ、ブルージェットなどと呼ばれる上層大気で強い光が放たれる現象が観測されている。これはすべて高圧放電だという。

エルブ、レッドスプライト、ブルージェット等の発生する高度

また宇宙における加工テクノロジーに期待が集まるなか、新型のHP 3Dプリンターも宇宙ステーションに運び込まれる。マイクログラビティ(微小重力)状態を利用した積層プリンティングの実験が行われる予定だ。

生理学の分野でも各種の薬剤の代謝にマイクログラビティがどのように影響するかモニターする実験が行われる。また植物の生育に関する影響も調査される。

Dragon補給船はISSに1ヶ月ほど結合され、慎重に物資の搬入、搬出が行われる。故障したRobonaut 2は数年前からISSで運用実験が行われてきたが、最近このロボットにいくつかの不調が発見された。日曜日のNASAの記者会見によると科学者は回路のショートなどの電気的不具合を疑っているという。

しかしISSに修理のためのツールも時間もないため、Robonaut 2は地上に帰ってメンテナンスを受けることになった。ロボットは1年程度後に再び宇宙に向かう。その間、宇宙ステーションには多少余分の空間が生まれる。

画像:NASA

トップのビデオでは14:30からミッションの説明があり、19:50で打ち上げとなる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

アメリカ、国際宇宙ステーションの民営化を検討――シャトルの引退後NASAによる運営困難に

Washington Postによれば、トランプ政権は2024年に国際宇宙ステーション(ISS)を退役させる代わりに、民営化する方策を検討しているという。

Washington Postが入手した文書によれば、アメリカ政府はISSを単に洋上に落下させるのではなく、民間企業に運営を任せる方法を模索している。これに伴いNASAは「地球低軌道における人類の活動を継続するために、向こう7年の間にパートナーシップを国際的にも商業的にも拡大していく」ことになるという。

WPの記事によれば、トランプ政権は2019会計年度のNASAの予算中に、ISSの商業的運営が成功するよう方策を講じるための予算として1億5000万ドルを要求するという。これは後継運営者がISSの全体または一部を必要に応じて利用できるよう整備するためだという。

アメリカ政府はこれまでに概算で1000億ドルの予算をISSの開発と運営のために投じてきた。ISSはアメリカの他に、欧州宇宙機関(European Space Agency)、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)、ロシア宇宙機関(ロスコスモス)などが主要メンバーとなって運営されている。

宇宙飛行士、 Cady ColemanがISSの窓際から地球を見下ろす(画像:NASA)

しかしNASAのエンジニアがQuoraで説明したように、NASAは「すべてのプログラムを実行するための予算がない」ため、ISSの運営を停止さざるをエなくなっていた。

NASAの衛星組み立てと日常運営部門の責任者、Robert Frostはこう書いている。

…残念ながら〔NASAは〕すべての巨大プログラムを同時に望むように実行するリソースを欠いている。ISSの建設にあたってはスペースシャトル・プログラムが必須の要素だった。しかしISSの〔基本部分の〕組み立てが終わった後、次の有人宇宙計画(Constellation)が実現する前にスペースシャトルが退役を余儀なくされた。

NASAの使命は宇宙というフロンティアの開拓にある。地球低軌道における〔有人衛星の〕経験は十分に得た以上、 NASAはこの分野を民間企業に引き継ぐことが可能だろう。【略】

将来のISSの運用にあたっては政府と民間企業による第三セクター方式が考えられるだろう。NASAが運営を停止した後のISSを大洋の墓場に落下させて葬るよりいいはずだ。

NASAでISSの運用に10年携わったエンジニア、Michael T. Suffrediniが創立したAxiom Spaceは宇宙ステーションの商業的運営を行うビジネスを目的としており、シード資金として300万ドルを調達している。エキセントリックな言動で知られるラスベガスの大富豪、Robert BigelowのBigelow SpaceもISSに新たな居住・実験区域を追加するプロジェクトを進めている。

ISSを商業的に運営することが可能かどうかについては議論があるものの、NASAがシャトルの運営を停止したときからISSの運営をこのまま続けるのは不可能だというのは動かしがたい結論だった。

ISSの運命は長年宇宙関係者の懸念することがらとなっていたが、先週、元宇宙飛行士のMark KellyはNewyork TimesのコラムでISSの運用継続を訴えている。【略】

ISSの民営化にあたっては、商業的に成立させる方策を探ることも重要だが、国際協力の枠組みを再交渉するという大きなハードルも存在する。ことにISSの建設当初に比べてアメリカとロシアの関係が冷え込んでいることが影響するおそれがある。

またアメリカがISSから手を引けば、大いに歓迎する国がすくなくとも一つある。近年、中国政府は宇宙計画に数十億ドルを注ぎ込んでおり、宇宙における役割の拡大に努力している。

Kellyは、New York Timesのコラムで「アメリカが手を引けば、その空白を他国が埋めることになるのは疑いない。それはおそらくロシアと中国だろう。われわれが重大なライバルと見ているこの両国が主導権を握れば…宇宙における活動がアメリカが信じる価値や利害に反する方向に動かされる危険性がある」と警告している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SpaceX、再利用Falcon 9ブースターで再利用Dragonの打ち上げに成功

SpaceXは今回の打ち上げで「経済的な宇宙飛行のためのロケット再利用」という目標に向けてまた一歩前進した。今回のCRS-13ミッションのペイロードは国際中ステーション(ISS)のための補給物資で、すでに宇宙飛行に用いられたDragon補給船とこれもすでに用いられた一段目ブースターを用いたFalcon 9ロケットによって打ち上げられた。補給船とブースターの双方が同時に再利用されたのはこれが最初だ。

今回のミッションは12月12日に予定されていたがSpaceXのエンジニアがFalconの二段目ロケットを再点検する必要を認めたため延期され、12月15日(日本時間12/16)に実施された)。Falcon 9はケープカナベラル空軍基地の改装されたSpaceX用発射台、SLC-40から打ち上げられた。 目的は2.1トンの補給物資をISSに運ぶことだ。〔Dragon補給船はロボットアームで捕獲されISSに取り付けられた〕。

SpaceXはまたFalcon 9のブースターをケープカナベラルのLZ-1着陸施設に無事に回収した。今回はSpaceXにとって今年17回目のの打ち上げとなり、1段目ブースター回収の成功としてはSpaceXの歴史を通じて20回目となる。回収されたブースターは今年6月にCRS-11ミッションで最初に使われたものだが、点検の結果異常がなければ3回目の打ち上げに用いられる。

面白いのはSpaceXはブースターを再塗装していないことだ。打ち上げの前にブースターに付着しているススは前回の打ち上げのときのものだ。SpaceXによれば「飛行性能の改善に役立つと認められないかぎり、今後も外部の再塗装は行わない」という。SpaceXの節約ぶりが伝わってくる。

着陸回収から再打上までのターンアラウンドを24時間以内にして商用打ち上げのクライアントの要求に迅速かつ経済的に応えられるようにするるのがSpaceXの目標だ。長期的にはイーロン・マスクの夢である火星植民計画を実現させるために必須のステップということになる。

〔日本版〕NASAの発表によればDragon補給船は2018年1月にISSを離れ資料・廃棄等を積載して地球に向かう。なおJAXAの宇宙飛行士・金井宣茂(かない・のりしげ)氏ら3名の宇宙飛行士がバイコヌール宇宙基地から打ち上げられISSに向かって飛行中。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SpaceXのDragon補給船、無事帰還――12回目のISS物資補給任務も成功

SpaceXはDragon補給船がISS(国際宇宙ステーション)から実験資料などを搭載して無事に地球に帰還したことを発表した。カプセルは予定通り太平洋に着水したという。Dragon補給船はSpaceXのCRS-12補給ミッションにより8月にISSに向かって打ち上げられた。

Dragonは各種の実験機材を搭載していたが、なかでも重要だったのはHPE(Hewlett Packard Enterprise)が開発したスーパーコンピューターだ。これはハードウェアは強化せずソフトウェアのみ強化したもので、こうした構成で宇宙の厳しい環境に耐えることができるかどうかを実験することになっている。

DragonはISSに約1ヶ月間接続され、その間に各種の実験結果などの物資を積み込んで地球帰還軌道に入った。上層大気での減速、パラシュート展開などもすべて予定どおりだったということなので、貴重なペイロードは地球の科学者たちによって精査されることになるだろう。

今回のミッションはSpaceXにとってISS補給の12回目の成功となる。今回用いられたDragonは新品のカプセルとして最後のものとなる。SpaceXでは今後は補給ミッションで回収したカプセルを再利用していくという。

SpaceXがDragonカプセルを最初に再利用したのは今年の7月だ。イーロン・マスクは、「今のところ再利用は〔使い捨て方式に比べて〕まだ経済的なメリットを得るところまでいっていない」と認めたものの、今後再利用技術が進展するにつれて経済性は大きく改善されるだろうと述べた。Dragonカプセルやブースターの再利用間隔はさらに短縮され、プロセスも効率化されていくものと思われる。

注:トップ画像のDragonカプセルはSpaceXのCRS-10ミッションで使用されたもの。同社は今回のCRS-12ミッションで使用されたカプセルの写真を公開していない。写真の公開は一連の回収作業が完了した後になるものと思われる。

〔日本版〕NASAもCRS-12補給カプセルの着水を確認。ただし同サイトの写真も以前のミッションのストック写真。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SpaceX、ISS補給船12回目の打ち上げに成功――Falcon 9ロケットも回収

SpaceXは今回も衛星打ち上げとブースターロケット回収に成功した。ペイロードはDragon補給船で、国際宇宙ステーションに補給する約2.9トンの物資を積んでいる。CRS-12というミッション名のとおり、これはNASAとの契約によりSpaceXがISSに対する12回目の物資補給であり、また科学研究の観点からもっとも意義が大きいものとなった。

CRS-12のペイロードの75%は宇宙における科学実験のために資機材で、これはいままでのミッションの中でももっとも割合が高い。通常Dragon補給船のペイロードはISSで生活するクルーのための物資が大半を占めていた。しかし今回から来年にかけてステーション上の科学者による実験に比重が移されている。クルーの作業をさらに効率化するための拡張現実(AR)システムも搭載された。

Falcon 9はケープカナベラルのケネディー宇宙センターから今日(米国時間8/14)、東部時間12:31に打ち上げられ、予定どおりDragon補給船は軌道に投入された。
ISSとの会合は8月16日に予定されている。補給船はステーション側のCanadarm 2ロボット・アームで捕獲され、ステーションに接続される。1ヶ月後に補給船は1.4トン弱の物資を積んで地球に帰還し、太平洋に着水する予定だ。

科学実験の機材(有人火星旅行を助けるために設計されたスーパーコンピューターも含まれる)の他に、今回の打ち上げで重要な点は、今後SpaceXはCRS補給ミッションでDragonカプセルの再利用を続けると発表したことだろう。つまり新品のDragonが使われるのは当面これが最後となる。

今日の打ち上げではFalcon 9の1段目ブースターの回収も行われた。ブースターは打ち上げ後9分でケネディー宇宙センターの LZ-1着陸パッドに無事着陸した。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google Mapsのストリートビューで国際宇宙ステーションの中を探検散策できる

Google Street View(ストリートビュー)でこれからは、国際宇宙ステーション(International Space Station, ISS)の中を探検できる。ストリートビューが宇宙に入り込むのはこれが初めてで、ISSを訪ねる機会などないわれわれ一般大衆に、その15のモジュールすべてを見せてくれるのだ。

最新の画像を見ながらさまざまなモジュールを歩き、というか漂(ただよ)い、あなたがその一時寄留の間(かん)に出会ういくつかの複雑な装置の説明を読むこともできる(下図)。なにしろISSは、複雑難解の塊(かたまり)である。ストリートビューにとっても初めてだから、今後何度も撮影して見せ場を増やしていただきたい。宇宙ステーションの中でも、ストリートビューならではの移動画像をそのまま見られるのが、なかなかすてきだ。

宇宙飛行士たちがこのプロジェクトのために画像を撮り集めてくれたとき、たまたまSpace XのDragonがISSに駐機していたので、ステーションへの貨物の配達の様子を見ることができる。

地上と違ってISSは無重力空間のラボだから、すべてを見るためには文字通り360度の撮影が必要だ。しかし残念ながら今のストリートビューの技術は宇宙空間向けに最適化されていないから、その点、まだ完全ではない。

でもユーザーインタフェイスはおなじみのストリートビューそのものだから、気楽にクリックしながらあちこちを見られる。ではでは、Google Mapsへ行ってこいつをトライしましょう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

日本のかわいいロボットカメラ、ISSでテスト開始――JAXAのInt-Ballはクルーの相棒に

科学もときどきかわいくなれるらしい。たとえば日本の宇宙開発組織、 JAXA(Japan Aerospace Exploration Agency)が開発し、この7月4日にドラゴン補給線で国際宇宙ステーション(ISS)に送り込んだInt-Bal(JEM Internal Ball Camera)という球形カメラだ。下にエンベッドしたのはJAXAが公開したInt-Ballの稼働の様子を示す最初のビデオだ

Int-Ballの目的は地上の科学者がISS内部の様子を写真とビデオで確認するためで、このロボットカメラは宇宙ステーション内を地上からに指令で自律的に移動できる。JAXAによれば「3Dプリント・テクノロジーを利用して開発されたドローンは地上の科学者やオペレーターが宇宙ステーションの状況をリアルタイムでモニターすることを可能にする」といいうことだ。Int-Ballが収集したデータはISSのクルーも利用できる。

Int-Ballのユニークな形状はもちろん無重量状態での活動を考慮したものだ。JAXAではこのデバイスは「自律的に飛行でき、ISS内のどんな場所でももどんなアングルでも記録できる」と述べている。これによってISSのクルーが活動の記録のために静止画像やビデオの撮影をしていた時間をゼロにすることを目指す。JAXAによればこの活動撮影のためにクルー活動の時間の10%が費やされているという。

Int-Ballはアクチュエーター、回転運動・並進運動のセンサー、電磁ブレーキなどを内臓して位置と姿勢を制御する。JAXAではこのテクノロジーを拡張し、衛星などでも利用していきたい考えだ。デバイスは現在ISSで初期テスト中で、パフォーマンスやクルーを援助する能力の改良が図られている。

友達としての社交能力については特に言及がなかったが、おそらく高いはず。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SpaceXの補給船、ISSから機器・データを無事回収

昨日(米国時間3/19)、SpaceXはISS〔国際宇宙ステーション〕へのCRS-10補給ミッションの最後の段階を実施した。2月19日に打ち上げられたDragonカプセルは2トン以上の物資および実験機器をISSに補給した。この数週間、ISSのクルーはペイロードの移動に忙しかった。

日曜日にDragon補給船はISSとの結合を解かれた。位置制御ロケットを噴射してISSから徐々に遠ざかり、地球大気圏への再突入軌道に入った。この5時間の帰還ミッション中にDragonはロケットの逆噴射を行い、また不必要なゴミを放出して大気圏上層で燃え尽きさせた。太平洋時間7:48ににDragonは無事太平洋に着水した。

SpaceXは洋上から無事にDragonカプセルを回収し、船に積んで帰還中だ。カプセルは陸揚げされた後、NASAに向かう。 カプセル及び宇宙から回収された各種の機器やデータはそこで精査される予定だ。

SpaceXの次回の打ち上げは3月27日が予定されている。ペイロードはルクセンブルクの衛星企業、SESのテレビ放送と多用な通信の能力を持つ衛星だ。

〔日本版〕リンク先記事にはDragon補給船を打ち上げたFalcon 9のブースターが垂直着陸に成功するビデオなどがエンベッドされている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SpaceXのDragon補給船、無事にISSにドッキング成功

2017-02-24-dragon-nasakennedy_2017-feb-23

日曜日にケネディー宇宙センターから2.5トンの観測機器などの物資を搭載して打ち上げられたSpaceXのDragon補給船はISS〔国際宇宙ステーション〕とのドッキングに無事成功した。Dragonは一度ISSに接近したもののGPS計器の示す値に異常があったためドッキングは一度中断された。

2012年以來ISSに物資を補給しているSpaceXにとってドッキングの中断は初めてのことだった。しかし木曜日〔日本時間金曜〕の2回目の試みはなんら問題なく成功したようだ。ISSの長大なロボットアームがDragonをつかみ、物資搬入用アタッチメントをISSにドッキングさせた。

Dragon補給船の物資は約1ヶ月かけてISS内に搬入される。その後DragonはISSから切り離され、太平洋上の所定の海域に落下する予定だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SpaceXのISS補給船がドッキングに失敗―金曜に再挑戦

2017-02-23-dragon-spacex

今日の明け方(米国時間2/22)、GPSに問題が起きてSpaceXのDragon補給船はISS〔国際宇宙ステーション〕とのドッキングに失敗した。補給船はISSから800メートル程度の距離まで接近していたが、ドッキングは中止された。NASAによればDragon補給船、ISSおよび乗員の安全に問題は生じていないという。

再挑戦は木曜日〔日本時間金曜〕に行われる。SpaceXがISSへの補給ミッションを中断さぜるを得なくなったのはこれが最初だ。SpaceXはISSへの補給任務を2012年から開始している。偶然だが、数時間前にロシアの補給船がカザフスタンの基地から打ち上げられている。こちらの補給船は金曜日〔日本時間土曜日〕にドッキングが予定されている

SpaceXのDragon補給船は予定では今朝ドッキングし、宇宙から地球大気のオゾン層をモニターするために特別に製作された機器などの物資をISSに移すことになっていた。GPSの不具合によりDragon補給船のシステムは自動的にランデブーを中断してISSから距離を取った。

今回のSpaceXの補給船はケネディー宇宙センターの39発射施設から打ち上げられた。ここはアポロ計画で用いられ、またスペースシャトルを発射した発射施設でもある。NASAにとっては大きな歴史的な意義のある場所だ。SpaceXではこの発射施設から2018年上半期にも有人宇宙船を打ち上げたいとしている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

NASA、ISSに商用利用を予定する新ドックの設置作業中(ライブ映像あり)

将来に予定されるISSの商用ロケット利用に備える準備のため、NASAの宇宙飛行士たちが作業を行なう。2017年よりボーイングやSpaceXなどによる人員の投入および帰還のために利用される予定の、新しいドックを準備するのだ。一般の企業がこのような行為を行うのは初めてのこととなり、ロシア独占の時代が変わることになる。

作業を行なっているのはNASAのKate RubinsとJeff Williamsで、東部標準時の08:05より行われる。IKEAのコーヒーテーブルを組み立てるよりもはるかに難しい作業となるのは間違いない。作業は6時間半を予定しており、主要作業はSpaceXによって7月20日に運ばれて8月17日に梱包を解かれたドッキングアダプターの設置だが、その前にさまざまな準備作業が予定されている。

Rubinsにとっては最初の宇宙空間での作業となる。Williamsはこれまでに3度の船外作業を経験している。

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(翻訳:Maeda, H

SpaceXが国際宇宙ステーション向けにBigelow社のゴムボート式居住区を打ち上げる

2016-03-30-bigelow-beam

国際宇宙ステーション(ISS)への次回の物資補給に際して、SpaceXはBigelow Aerospaceが製作した膨張式の居住区を打ち上げる計画だ。4月8日に予定されているFalcon 9ロケットには「ビゲロー拡張式活動モジュール(Bigelow Expandable Activity Module, BEAM)が折り畳んだ状態で搭載される。宇宙ステーションの適切なノードに固定され、空気によって膨らませることができれば、ISSに新しい居住区が追加されることになる。

The space station's Canadarm placing BEAM onto Node 3 / Courtesy of NASA

ISSのロボットアームがBEAMをNode 3に取り付ける(想像図) / NASA

SpaceXのDragonカプセルは打ち上げから数日後にISSにドッキングする。つまり4月の中旬にISSのロボット・アームがBEAMモジュールをつかみ、Dragonの荷物室から引き出してISSのノード3に取り付ける。BEAMの膨張作業は5月の終わりか6月初めに予定されている。正確な日時はクルーの作業日程より決定される。完全に膨張するとBEAMの内部空間は折り畳まれた状態の10倍になる。

Illustration of NASA's TransHab design / Image courtesy of NASA

INASAの当初のTransHab宇宙居住区のデザイン(キャンセルされた) / NASA

Bigelow Aerospace社は15年前にRobert Bigelowによって創立された。BigelowはBudget Suites of Americaというリゾートホテル事業で財をなした。NASAはTransHab in 2000という膨張式宇宙居住カプセルを開発していたが、議会の財政緊縮策によってキャンセルを余儀なくされた。このときBigelowはゴムボート式に膨らませる宇宙コテージの特許をNASAから買い取った。

しかし膨張式宇宙モジュールのアイディアはこれよもずっと早く、60年代初期にすでに生まれていた。事実、NASAの最初の通信衛星、エコー1号はこの風船デザインの産物だ。しかし当時のテクノロジーで得られる素材は通信衛星はともかく、居住区に用いられるような水準にまったく達していなかった。

NASA's first communications satellite, Echo / Image courtesy of NASA

NASAの最初の通信衛星、Echo-1 / NASA

その後の目覚ましい発達により、有人の宇宙任務に耐える素材が現れた。Bigelow Aerospaceは、観光客み魅力的な軌道上の宇宙ホテル建設のために設立された。同社は2006年にGenesis 1、 2007年にGenesis 2という実証用無人モジュールの打ち上げに成功した。両モジュールとも現在も軌道を周回中だ。

残念ながらBigelow Aerospaceは時代に先んじ過ぎていた。居心地よく滞在できる完璧な宇宙ホテルの製造と打ち上げに成功したものの、肝心の人間を軌道上に送る事業は予想どおりに拡大せず、室料を払ってホテルに滞在する顧客は現れなかった。そのため今年に入って150人のBigelow Aerospaceの社員のうち30人から50人がレイオフされた。民間有人宇宙旅行を可能にする機体は2017年から2018年にならなければ実用化しないと予想されている。

そこで当面Bigelow AerospaceはNASAとの契約に活路を見出している。同社は2013年にBEAMモジュールをISSに提供することを含む1780万ドルの契約をNASAと結んでいる。

BEAM inflation on the ISS / Image courtesy of NASA

ISSに取り付けられたBEAMが膨張する/ 画像: NASA

一見すると膨張式居住区は微小なデブリの衝突で風船のように「パチンと弾ける」のではないかと不安になる。しかし居住区は最新の柔軟な素材による多重構造となっているため、こうしたMMODと呼ばれる微小天体および軌道周回デブリ(MMOD)に対して十分な盾としての能力がある。

NASAのBEAMプロジェクトの代表の一人、Rajib Dasguptaは「今回のISSでのテストは、BEAが将来の有人宇宙ミッションで利用できるかどうかを決める重要なステップとなる」と述べた。【略】

BEAMのISSでのテストとは別個にNASAはBigelow AerospaceとB330膨張式モジュールの実験に関する契約を結んでいる。NASAはこのモジュールが月および火星への有人宇宙飛行に役立つことを期待している。

Bigelow Aerospace's B330 module with 330 cubic meters of internal space / Image courtesy of Bigelow Aerospace

Bigelow AerospaceのB330モジュールは330立法メートルの内部空間を持つ/ 画像:Bigelow Aerospace

〔日本版〕記事中に写真が掲載されているエコー1号通信衛星は1963年11月に翌年の東京オリンピックの世界中継の準備のために太平洋を越えたテレビ映像の中継実験を行った。この最初の中継でケネディー大統領暗殺のニュースがNHKを通じて放映され、日本の視聴者に大きな衝撃を与えた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+