MWC 2019に見るモバイル技術の多様化でスマホ以外にもハイライト

長年、話だけが先行した5Gが、やっとMWC 2019に到着した、かのようだ、あくまでも。バルセロナは、今年後半に発売される数種の5Gハンドセットの打ち上げ台になった。と、これもあくまでもぼくの個人的感想だけど。

もうひとつ、話題が先行していたスマートフォンの技術、フォルダブルディスプレイも、ついに日の目を見た。数社がフォールダブル機を発表し、中にはハンドセットとして価格が決まってるものもあったが、コンセプトだけというところも多かった。そしてその多くは、ガラスケースの中に鎮座していた。

そのほかの注目すべきトレンドは、カメラ、AR/VR、そしてありとあらゆるセキュリティだ。以下に、この世界最大のモバイルショーの傑作と駄作の両方をご紹介しよう。そして今年はその両方が、これから先の変化に賭けていたのだ。

5Gの成熟

MWCの話題としては長年主役級だったが、今年は実物の5Gハンドセットがついに登場した

Huawei Mate X
LG V50 ThinQ 5G
Samsung Galaxy Fold
Samsung Galaxy S10
Xiaomi Mi Mix 3
ZTE Axon 10 Pro 5G

昨年、5G列車に最初に飛び乗ると約束していたOnePlusはハンドセットを発表しなかったが、プロトタイプをデモし、クアルコム(Qualcomm)や英国のEEと共催する5Gアプリのコンテストを発表した。

未来は折りたたまれていたか

折りたたまれていたのは、顧客のお財布だろう。最初のフォルダブルが、平均2000ドル弱という価格で登場した。それはまるでスマートフォンを2台買うようなお値段だが、確かにスマートフォンが2つあると考えてもよい。でも実際に2000ドルの価値があるのか? それはまた、別の問題だ

Huawei Mate X
Samsung Galaxy Fold

TCLはプロトタイプを出品して、来年中にはもっとスペース効率の良い製品を出す、と約束した。オッポ(Oppo)も、まだまだプロトタイプの段階だ

AR/VR/MR

世界最大のスマートフォンショーの最大のヒットは、スマートフォンではなかった。マイクロソフト(Microsoft)はこのイベントを利用して、同社HoloLensの第2世代機をローンチした。それは、ビジネスにしっかりフォーカスしたヘッドセットだ。

Microsoft HoloLens 2
Microsoft Azure Kinect
Vive Focus Plus
Qualcomm XR chips

セキュリティ

同社の5G機器をめぐってセキュリティの脅威が喧伝されているHuaweiには、言いたいことが山のようにあった。その点では欧州委員会(EC)のデジタルコミッショナーも同じだ。一方、Androidは今後ますます、パスワード不要のログインを目指すようだ。

その他

Energizer18000mAhスマートフォン
Lightはスマートフォンのカメラから自動運転車に事業拡張
HTCのブロックチェーンフォーンを法定通貨で買える
Sprint5月に4都市で5Gサービス開始
Facebookがインターネットインフラプロジェクトを拡張
microSD Expressフォーマットは超高速な転送と長いバッテリー寿命を約束
スマートフォン全体がウェアラブルになるNubia

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

HTCのスタンドアローンVRヘッドセット「Vive Focus」で悪者たちをぶん殴る!

今年のMWCでHTCが第7会場にショップを開いたことは、効果的だ。サムスンやファーウェイなどの皆様方と肩を並べることをやめて同社は、周辺機器やアクセサリーのメーカーたちの中へ紛(まぎ)れ込んだ。確かにブロックチェーンハンドセット「Exodus 1もニュースだったが、ショーの本当のスターはViveだった。

1月のCESで「Vive Pro Eye」を披露した同社は、今週のバルセロナのショーでは決意を見せるかのように軽量級で勝負した。すなわち、「Focus Plusのローンチだ。このヘッドセットは、HTCのスタンドアローンVRの最新の試みで、「Oculus Go」や「Quest」などに近いものだ。

その最新の装備は、ビジュアルとコントローラーが良くなり、後者はカメラを使う従来型のモーショントラッキングを超音波を利用するフィードバックシステムで置き換えた。米国時間2月26日の午後、会場でちょっと試してみたが、なによりもまず言いたい、言う意義があると思うのは、世界最大のモバイルカンファレンスの会場が、どんなものにせよ消費者向けテクノロジー製品をテストするための最適の場所ではないことだ。それが新製品のVRデバイスなら、なおさらだ。文句、終わり。

また、高価な「Pro Eye」と比べるのもアンフェアだ。そっちも会場でホームランダービーをちょこっと試してみたが、前と同じくSnapdragon 835を搭載したそいつは、そもそも製品としての狙いが違う。HTCはその多機能性を熱心にデモしていたが、その点でもFocusの出番ではない。そこで、Focusで試したのはヘルスケアシミュレーターと戦闘ゲームだった。

前者(ヘルスケア)は明らかに、Focus PlusをHoloLens 2の横に並べる気だ。もちろんVRヘッドセットとマイクロソフトのARデバイスではアプリケーションが全く異なると思うし、599ドルという安くはないお値段もHoloLensが求める価格の数分の一にすぎない。

その医療アプリ「SimforHealth」は、なかなかおもしろい。医師や看護師などの知識や心構えを現実世界のいろんな状況に対して準備させるための一連のシミュレーションがあって、その1つだ。コントローラーの操作を、物をつまむなどの現実の動作としてできるようになるまで、慣れが必要だ。レスポンスタイムにも、ちょっと問題がある。超音波フィードバックという新しい技術は、高度なカメラ追跡ほど正確でないのかもしれない。それとも、自分の設定ミスか。いずれにしても、こちらもやはり慣れが必要だ。

ゲームの「Superhot VR」は、まだましだった。同社はFocus Plusだけでなく5G Hubのデモにもこれを使っていた。殴る撃つなどの単純な力づくのアクションだから、セットアップもうまくいく。だからこのゲームは、デモに向いている。ただし会場の混みあったブースで想像上の悪漢たちを殴りまくるのは、やさしいとは言えない。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

MWC 2019は「モバイル」が本当に多様化していく最初の年になるだろうか?

CES 2019は不発だった。たまたまそうだった。おもしろい年もあれば、そうでない年もある。テクノロジーの世界には干満がある。時間は単純な円環だ。すべてがピカピカに光り輝き、自分こそ金(きん)だと主張している。でもその退屈を壊せるのは、不意に現れる流れ星だけだ。

一方、MWCは毎年必ず何かがある。モバイル産業は今、岐路に立っている。スマートフォンの売上は停滞し始め、アナリストたちは初めて落ち込みを認めた。しかも、選りに選ってそんな年に、Mobile World CongressはMWC Barcelonaに公式に改名した。

この唐突な改名は「モバイル」という言葉からその重荷を取り去った。Mobile World Congressという名前のままでは、世界のスマートフォンの高級機の新製品発表会、というイメージを拭い去れない。しかしこのショウは今や、CESやIFAと並ぶ消費者電子製品の世界大会へ変わろうとしている。まるで当然のように。

それでも当面は、スマートフォンは特別な存在だ。そのデバイスは今でも私たちの生活のどの部分にもついてまわるし、これからもしばらくはそうだろう。売上の低迷にはいくつかの理由があるが、しかしその最大の要因はアップグレードサイクルが遅くなったことと、製品の性能がほぼ頂点に達して、人をあっと言わせるような新機能がなくなったことだ。また、世界のスマートフォン市場を引っ張ってきた中国経済の乱調も低迷に貢献している。

そして市場の基調としての行き詰まり感は、新しい実験精神を生んだ。株主たちを喜ばせておくためには右肩上がりの成長と快調な売上が必要だが、そのためには消費者がどうしてもアップグレードしたくなる強力な理由を探さなければならない。そして今年は初めて、いや、初代のiPhone以来初めて、フォームファクター…外形形状…のラジカルなシフトが起きた。サムスンもファーウェイもTCLも、そしてオッポ(Oppo)も、全員が最近の数週間内に折り畳みスマホ(フォルダブルフォン)を発表した。

消費者がまさにそれを必要としている時期に登場した、というのもあるけど、各社の差別化ぶりがさらに話題をにぎやかにしている。大手各社はほぼ同じ時期に全員がフォルダブルのバスに乗り込んできたが、フレキシブルという技術の統一規格のない実装形式には、各社それぞれのユニークなアプローチが見られる。

実際には、これらのどれひとつとして、ゲートを出た途端にビッグセラーになってはいない。平均2000ドルという価格も問題だ。ファーウェイのモバイル部門のチーフであるリチャード・ユー(Richard Yu)氏が、ステージ上で、Mate Xの価格が高いことを謝ったぐらいだ。それも期待に水を差した。

でも、これまでの各社旗艦機の倍というお値段でありながら、関心は盛り上がっている。そしてどこも、その実験を引っ込めようとしない。LightのCEOの説では、スマートフォンの技術と市場の成熟により、各メーカーにはこれまでと違うユーザーニーズを探求する新しい機会が生まれたのだ、と。

彼がそのとき具体的に指したのは、スマートフォンのリアカメラの配列の多様化だが、それを「スペースの利用の多様化」と一般的に言ってもいい。今や多くのスマートフォンメーカーが、毎年アップルやサムスンと同じ土俵で競合していくことに、そのココロが‘燃え尽きて’しまった。

多様な断片化を特徴とするメディア市場において、長年スマートフォンだけは、ひとつの、あるいは数少ないトレンドへと全員が右へ倣えしてきた。だから今後の変化についても、同じことが言えるのではないか。そのトレンドとは、今後スマートフォンはますます均一ではなくなり、ユーザーの個々のニーズに精密にフィットしたものになる、という流れだ。

関連して、スマートフォンのハンドセットがあまり売上にも利益にも貢献していない企業が次々とモバイルから手を引く、というトレンドもありうる。今すでに、Razerがその第3世代のゲーム専用スマートフォンの計画を放棄したという噂がある。

しかし希望があるとすればそれは、今年のMWCが、モバイル業界が長年怠慢してきたラジカルな激動と変革に向かう、最初の一歩になることだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

マイクロソフトのHoloLens 2を実機テスト、やはりすごかった

今週、マイクロソフト(Microsoft)はバルセロナのMWCでプレスカンファレンスを開催し、混合現実ヘッドセット、HoloLensの新しいバージョン発表した。Microsoftが2015年に最初のデモを公開したとき、「こんなことができるわけがない。フェイクに違いない」と疑った専門家さえいた。たしかにリアルタイム・トラッキング、ジェスチャー認識、(当時としては)高精細度ディスプレイをスタンドアローンのパッケージにまとめるのは困難な事業で、それまで誰もこうしたプロダクトを見たことがなかった。

次世代プロダクトが発表されるまで4年もかかったわけだが、これはMicrosoftがユーザー、デベロッパーからのフィードバックを慎重に検討して方向性を決めようとしていたからだろう。Microsoftがアップデートを急ぐ必要を感じなかったのは事実上ライバルがいなかったせいもある(例外はMagic Leapかもしれないが、このプロダクトは依然としてごく初期段階にある)。

私はMWCでHoloLens2の実機をテストする機会があった。初代HoloLensに大きなショックを受けたが、新バージョンは、さまざまな意味でオリジナルの自然な進化と感じられた。つまり、装着したときの快適性は向上し、狭かった視野は十分に広くなった。操作性、対話性も改善され、アプリの使い勝手も大きくアップした。ハードウェアの現代のスペックも適合する水準に引き上げられている。

新バージョンをテストするとまず気付くのは、立体視に重要となる両目の間隔の測定とカリブレーションが自動的に行われることだ。これは簡単に言えばミニゲームのようなもので、小さな光点が動き回るのを目で追うだけでいい。すると視線トラッキング・システムがユーザーがどこを見ているかを認識し、システムを調整する。このプロセスが終わると、小さい仮想ハチドリが現れてユーザーの手に着地する。ユーザーはここで新しいHoleLensの視野の広さを実感するかもしれない。この鳥の位置では初代のHoloLens 1の小さな視野には収まらなかったはずだ。

念のために言っておくが、HoloLens 2の体験はMicrosoftのビデオが信じさせようとしているレベルにはまだ達していない。 たとえばARイメージは唐突に現れ、突然消える。しかし視野が十分広くなっているので依然ほど煩わしくは感じない。解像度のスペックは初代とほぼ同じで、私には差は感じられなかった。

もうひとつ、HoloLens2を装着してですぐに気付くのは快適性だ。この点ではMicrosoftの主張は単なる宣伝ではなかった。初代製品は頭を締め付ける感覚があった。その上、私の場合、ともすればずり落ちてきた。デバイスを被っていることを常時意識させる重量もあった。新製品も頭の後ろで小さなノブを回して頭に締めつけるのだが、はるかに快適に感じる。実際の重量は数グラム軽くなっただけだが、重量配分や装着部分が改善されたのだろう。ユーザーが眼鏡をかけていても、デバイスの重量は鼻にはかかっていないので、圧力が増えて不快な思いをする心配はない。

さらに大きな違いは、HoloLens 2は簡単にフリップアップできることだ。つまり本当のバイザーになっている。ユーザーはHoloLensを通して外界を見るわけだが、必要があれば顔の前から跳ね上げておくことができる。

新しいHoloLensをテストすると、すぐにメニュー、ボタン、スライダーに出くわすことになる。初代バージョンでは、手の動きのトラッキングは十分ではなく、デバイスとの対話方法として自然に感じられなかった。HoloLens 1では認識を確実にするために特別なジェスチャーを使う必要があった。新バージョンではスマートフォンと同様に仮想アイコンをタップできる。スライダーが表示されたらつかんで動かすことができる。MWCで紹介されたMicrosoftのデモ・アプリケーションではこうした操作がうまく利用されている。

またマーケティング戦略上の違いもあった。今回、MicrosoftはHoloLens 2がビジネスユーザー向けであることを明確に述べた。すべてのデモはそうしたユースケースを考えている。ユーザーが壁を突き抜けてきたエイリアンを射ったり、リビングのテーブルの上で仮想Minecraftをプレイするような時代は終わった。MicrosoftのD365混合現実アプリ担当マネージャーの Lorraine Bardeen氏が私のインタビューに答えて語ったところでは、最初のバージョンでは確かにMicrosoftは多様な実験を歓迎した。しかしすでにHoloLensが適するユースケースは明確になっている。

Bardeen氏は「たしかに私たちは当初、『これを使ってなんでもできる』と言いました」と述べた。 しかしHoloLens 1の出荷が始まると「箱のフタを開けたらすぐに特定の業務に役立つ」ような製品を望むユーザーが多いことが判明した。もっともその一方でHoloLensをカスタマイズ可能なオープンなシステムにしておくという約束も守っている。したがってゲーム・デベロッパーがそう望むなら、HoloLens向けゲームを開発したり既存のゲームを移植したりすることは可能だ。

とはいえ、3500ドルからというユニット価格を考えれば、これは明らかにコンシューマー向けデバイスではない。HoloLens 2に人気ゲームが登場することは当分期待しないほうがいいだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

GoogleがモバイルUIツールFlutterを刷新、アプリや機能のオンデマンド配信も可能に

米国時間2月26日、バルセロナで開催中のMWC 2019でGoogleはクロスプラットフォームのUIフレームワーク「Flutter」をバージョン1.2にアップデートした。

今回のアップデートでFlutterはAndroid App Bundleをサポートする。これはアプリや機能をオンデマンド配信するためのGoogleの最新テクノロジーだ。Androidアプリを効率的にパッケージできるだけでなく、ダウンロードせずにアプリを利用できるInstant Appも作成できる。

また新しいFlutterフレームワークにはデベロッパーがアプリ内課金によって収入を得ることを助ける仕組みなど多数のウェブベースのツールが用意されている。

昨年のMWCでFlutterのアルファ版が公開された後、Flutter 1.0がリリースされたのはわずか数カ月前だった。それならバージョン1.1はどうしたのだといぶかる読者もいるだろう。実は先月のベータリリースがそれだった。Flutterチームは毎月一度程度の割合で1.xアップデートをリリースする計画だという。

当然のことながらFlutterは今回のアップデートでパフォーマンス、信頼性とも改良されて通常の安定版になっている。また最新のDart 2.2 SDKがデフォルトでバンドルされる(FlutterアプリケーションはDart言語で書かれている)。開発チームはiOSのサポートにも力を入れておりフローティングカーソルでのテキスト編集にも対処しているという。

Flutterはモバイルに重点を置いたプロダクトだが、最近、Googleではこのフレームワークを使ったデスクトップアプリケーション開発の可能性に言及するようになった。準備の一環として、1.2ではキーボードイベントとマウスカーソルを乗せるイベントのサポートが追加された。Project HummingbirdはFlutterをWebに移植するためのプロジェクトだが、今後数カ月以内にテクニカルプレビューとして公開されるという。

開発ツールとして見た場合、GoogleはすでにAndroid StudioでFlutterをサポートしている。またMicrosoftのポピュラーなツール、Visual Studio Code向けのツールを追加している点も注目だ。また新しいWebベースのプログラミングツールであるDart DevToolsも開発中だ。これらのツールはローカルに実行され、ウィジェットインスペクタ、タイムラインビュー、ソースレベルのデバッガ、ロギングビューなどを含む。

現在、これらのツールは公式プレビュー版が公開されており、既存のVS Code、Android Studioの拡張機能やアドインとともにインストールできる。

今回のアップデートのリリースに加えて、FlutterチームはFlutter Createと呼ばれるコンテストを実施することを発表した。参加者はFlutterを使って「面白くてためになりビューティフルな何か」を作ることを求められる。Dartのコードのボリュームは5K以下でなければならない。賞品には1万ドル相当のiMac Proが含まれているが、メモリー128GBというスペックなので5Kのコードの処理に手間取る心配はないだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

OPPOのOnePlusもMWCで5Gプロトタイプをデモ、今夏発売へ

2019年に入って、中国のスマートフォンメーカー、OnePlusは5Gハンドセットを近く発表すると予告していた。今週バルセロナで開催されているMWCカンファレンスで同社は約束を半分だけ果たした。MWCではLG始め5Gデバイスのラッシュが続いているが、OnePlusのデバイスはプロトタイプで、内容の詳細はまだ明かされなかった。

今年のMWCでのOnePlusはクローズドな招待オンリーのイベントが主だったため、デモ機が展示されたのはQualcommのブースだった。QualcommからするとAndroidの大群の中で自社のチップがいかに広く使われているかを示す好機だったのだろう。

同社は次のように説明している。

OnePlusは、われわれのチップを利用して、未来的な5Gクラウドゲームをシミュレートした。プレイするためにはこのスマートフォンとゲームパッドしか必要としない。5Gの高スループットと高速な応答性により、強力なクラウド処理能力を利用することでプレーヤーは大規模なゲームをオンラインでプレイできる。これまでこうした大規模なゲームはパソコンにアプリケーションをダウンロードしなければプレイできなかった。Snapdragonの比類ないゲーム能力と最適化を利用して、プレイヤーはこれまでにない高精細度、低レイテンシーのクラウドゲームを体験することができる。

これまでのリリースの例からすると、5G OnePlusは夏のアップデートで正式に登場することになりそうだ。過去のリリース・サイクルが参考になるなら、さらにその後一回程度のアップデートが行われるかもしれない。ただしOnePlusは急速な規模の拡大に伴って親会社のOPPOとの差別化を含め、市場のメインストリームに食い込むために製品のシフトを進めている。

デモされたデバイスはOnePlus 7と呼ばれることになるはずだが、第2四半期に発売されるだろう。残念ながら5Gバージョンはアメリカでは発売されない

一方、今年5Gへのアップデートが行われることで、OnePlusが既存のテクノロジーを使ってデバイスの価格を引き下げるより、最新のテクノロジーをいち早く採用する方向に動いたことが判明した。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Android新端末にはGoogleアシスタント起動ボタンがつくようになる

現在、AndroidスマートフォンGoogleアシスタントを起動するにはホームボタンを長押していた。今日(米国時間2/24)のバルセロナで開幕したMWCカンファレンスでは間もなくLG、Nokia、Xiaomi、TCL、Vivoが新製品を発表するが、各社の製品は専用のGoogleアシスタント起動ボタンを備える。これはSamsungのスマートフォンに以前から同社のアシスタント、Bixbyの起動ボタンが備えられていたのに似ている。

今週発売されるボタン付きの新しいスマートフォンは、LG G8 ThinQとK40、Nokia 3.2と4.2だ。近くXiaomi Mi Mix 3 5GとMi 9、Vivo(Vivo V15 Proを含む)、TCLにも専用のアシスタントボタンが装備される。Googleは1億台を超えるデバイスが近くアシスタント起動ボタンを備えるようになると期待している。

GoogleはAndroid OSに専用ボタンを利用する新機能を組み込むことができる。これにより現在数回タップしなければならない機能が簡単に利用できるようになるはずだ。

専用ボタンを1回タップするとアシスタントが表示さるのは(現在のスマートフォンでホームボタンを長押しするのと同じ効果)。ダブルタップすると、アシスタントの今日のスナップショット機能が表示される。天気、予定、予定、位置情報などユーザーのコンテキストに応じた情報が得られる。長押しすると「ウォーキートーキー機能」が呼び出される。これにより、アシスタントは長いセンテンスjを最後まで聞き取るようになるという。Googleでは「メールなど長いテキストを音声入力するのに最適」としている。

GoogleがこのボタンをAndroidスマートフォン自体に組み込んでいることは興味深い。Google自身の次期Pixelスマートフォンや、発表が期待されている低価格版のPixel 3にも組み込まれるだろう。アシスタントを発見しやすくなれば利用の頻度もアップするに違いない。すくなくともGoogleはそう期待しているはずだ。

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滑川海彦@Facebook Google+

MWC開幕、Microsoftが大きく改良されたHoloLens 2を発表

今日(米国時間2/24)、スペインのパルセロナで開幕したMWCでMicrosoftはHoloLens 2発表した。 HoloLens 2はMicrosoftの最新版のMR(混合現実)ヘッドセットで、視野は2倍に拡大され、画面精細度、操作性ともにアップしているという。Microsoftによれば「快適性は3倍になった」ということだ(ただしMicrosoftの測定の基準ははっきりしない)。

今年後半、HoloLens 2はアメリカ、日本、中国、ドイツ、カナダ、イギリス、アイルランド、フランス、オーストラリア、ニュージーランドの各国で販売される。予定価格は3500ドル。

現行HoloLensの問題の1つは、視野が狭いことだった。見たいものが正面にあってあまり大きくない場合はHoloLensが生む効果は素晴らしい。しかし顔を少し動かしたり、大きな対象を見ようとすると、ディスプレイが切手くらいのサイズしかないことに気付く。今回発表されたHoloLens 2は、オリジナルの2倍の視野があるという。今日のキーノートでHoloLensの開発責任者、Alex Kipmanはデバイスの発達の歴史を振り返ってこう述べている。

Kinectは家庭に入ることができkた最初のスマート装置でした。これがMicrosoftにHoloLensを作成させたのです。 […]ここ数年、デベロッパー、企業、スタートアップはすべて何かはビューティフルであると同時に役立つプロダクトを作ろうと努力してきました。

その結果の一つがHoloLensだったわけだ。これはソフトウェアとハードウェアが一体となって機能するプロダクトだ。 HoloLensのために、MicrosoftはWindowsのカスマイズ版を開発すると同時に、オブジェクトを見つめて人差し指でタップするエアータップや手をつぼみ型にして開くブルームのようなHoloLens特有のジェスチャーを利用してARオブジェクトと対話する新しい仕組みを開発した。HoloLens 2ではインタラクションがさらに自然になり、オブジェクトを簡単にタップできる。ヘッドセットの視線トラッキング機能も改良され、システムはユーザーが見つめている場所を正確に知ることができるようになった

Kipmanは「HoloLens 2はユーザーに適応します。 われわれは進化したインタラクションのモデルを構築することとによりユーザーがホログラムと対話する能力を大幅に向上させました」と強調する。

デモではスライダー操作などによりHoloLensアプリケーションの操作がいかに自然かつ高速になったかの説明に力を入れていた。たとえばスライダーは指のタップで呼び出し、レバーをつかんで動かすことができる。Microsoftトでは、HoloLensがきわめて高精度で指の動きをトラッキングできることを示すために10本の指で演奏できるバーチャル・ピアノを作成した。同社はこれを「もっとも直感的対話性」と呼んでいいる。’

HoloLensのプロトタイプが最初の発表は2015年レッドモンドの本社キャンパスで開催されたMicrosoftのサプライズイベントだった。MWC 2016が終了して数日後に招待のみで開催されたイベンドで実機が紹介され、8月に発売された。 つまり新しいハードウェアのリリースまでに4年かかったことになる。これは長い時間だが、MicrosoftとしてはHololensの開発にデベロッパーを呼び込むためにプラットフォームの安定を優先したのだろう。

またMicrosoftは今日、デベロッパーをサポートするために、MicrosoftはAzureのHoloLens向けサービスを多数発表した。 これには、空間アンカーやハイポリゴンのコンテンツをHoloLensにストリーミング配信するのに役立つリモート・レンダリングなどが含まれる。

重要なのはMicrosoftがHoloLensをコンシューマー向け製品として位置づけたことはない点だ。なるほどTechCrunchはHoloLens上のゲームを紹介したこともあるが、このプロダクトの焦点はあくまでビジネス、教育関連のアプリケーションにある。この傾向は新製品でも変わっていない。たえば医療アプリケーションのデモで複数のユーザーが1つのホログラムに対して共同作業を行うことができることを示した。この機能は新製品で実装されたわけではないが、MicrosoftがHoleLensテクノロジをどのように位置づけているかを示していると思う。

エンタープライズ向けアプリケーションではデバイスの機能をカスタマイズできるオプションも提供される。

MicrosoftのCEO、サティア・ナデラ「世界に対するわれわれの見方を変えることは実際に世界を変えることになる」と4年前のHoloLens発表の際のスピーチを引用した。ナデラは「現実世界と仮想世界を一体化することがわれわれの働き方を変えると信じている」と述べた。

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MWCでの発表を控えてMicrosoftからHoloLens 2のティーザービデオ

バルセロナで今月下旬に開催されるMWC(Mobile World Congress)で発表予定の製品でいちばん注目を集めているのはスマートフォンではない。Microsoftの次世代HoloLensヘッドセットだ。発表は2月24日(米国時間)と予告されている。Microsoftはさらに話題を盛り上げようとして予告ビデオを公開した。

実際、このビデオに内容はあまりない。ぼんやりとチップのようなものが写り、ケーブルがうねり、氷が溶けかける。そういったイメージが連続する。具体的情報を明かしたくない場合に大企業が製作するティーザーの典型だ。

しかし重要なのはビデオの内容よりもこのビデオの背後に誰がいるかだろう。このビデオを公開したMicrosoftのテクニカル・フェロー、Alex Kipmanは初代HoloLens開発のキーパーソンだ。つまりHololens 2を予告する最適任者ということになる。現行ヘッドセットは拡張/複合現実のブームに先駆け過ぎていたきらいがあった。しかし今やARはテクノロジー企業がこぞって力を入れる分野になっている。第2世代のHololensを発表するには理想的な環境だ。

報道によればこのヘッドセットにはQualcomm 850と新しい運動センセーが搭載される。また価格も引き下げられ、小型化されるという。これによってMicrosoftは拡張現実分野のリーダーの位置を確立することを狙っているようだ。

MWC 2019についてのわれわれの予想はこちら.。

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LGの次期旗艦機はフロントカメラを3D化してバイオメトリクスの精度をアップ

LGは、ビッグな見本市を待たずに新製品を発表することが多い。Mobile World Congressはまだ何週間も先だが、それでも同社は近く出る旗艦機G8 ThinQを、人びとにちらっと見せずにはいられない。

ネーミングはごたついているが、でもこのハンドセットは再度、LGの画像技術への注力に目を向けさせる。そのキモは、フロントカメラに組み込まれた飛行時間センサー(上図)だ。LGの説明を読んでみよう:

そのほかの3D技術は複雑なアルゴリズムでカメラのレンズからオブジェクトまでの距離を計算している。しかしToFイメージセンサーチップは、物からの赤外線の反射光を捉えて、より正確な計測を行なう。その結果、ToFは環境光の中でより高速かつより効果的であり、アプリケーションのプロセッサーの負荷を減らす。したがって、電力消費も少ない。

エンドユーザーにとってこのことは、今のAndroidハンドセットが提供しているものよりもずっと有能な顔認識技術が使えることを意味し、奥行き(z軸方向)感知が加わることにより、今のiPhoneに近いような、高度なバイオメトリクス認証が可能になる。この前のリーク写真では大きなノッチがあったが、それもToFで説明がつくだろう。

そのほかの詳細は、MWC用に取っておくつもりだな、たぶん。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa