SnapchatにARとカメラを活用したコマース重視の新機能追加

Snap(スナップ)のパートナーサミットでは、数々の開発者向けツールやARクリエーター向けソフトウェア「Lens Studio(レンズ・スタジオ)」のアップデートが発表された。その中には、同社の「Snapchat(スナップチャット)」を使ったショッピング体験をより深める機能も含まれている。

中でも最もクールなアップデートの1つが、ユーザーのカメラを通して見たコンテンツを分析して、関連情報をすばやく表示するコンピュータビジョン「Scan」の新機能だ。月に約1億7千万人のユーザーに利用されているというScanは、アプリのカメラセクション内のより目立つ場所に配置されるようになり「Screenshop(スクリーンショップ)」と呼ばれる機能が統合されたことにより、ショッピング用途の性能がさらに高まった。

例えばユーザーが「Snap Camera」を使って友人が着ている服をスキャンすると、何百ものブランドからオススメのショッピング情報がすぐに表示される。また、これと同じ技術を使って、キッチンにある食材の写真を撮影すると、その食材を使った料理のレシピが、Allrecipes(オールレシピ)のサイトから表示される機能の導入も予定されている。

これらの機能は、ユーザーが現在カメラで撮影しているものを解析し、それに基づくインテリジェントな提案を行うという広範な取り組みの一部だ。

画像クレジット:Snap

企業はSnapchat内で公開プロフィールを作成することができ、ユーザーは各企業が「Shop」機能を通じて提供する販売アイテムをはじめ、Lenses(レンズ)、Highlights(ハイライト)、 Stories(ストーリーズ)などを見ることができる。

拡張現実の面では、レンズをよりスマートに統合するAPIを提供し、企業向けソリューションを引き続き重視していく。小売業者は、Business Manager(ビジネス・マネージャー)と呼ばれる機能を使って製品カタログを統合し、ユーザーが現在在庫のある製品の試着レンズにのみアクセスできるようにすることが可能になる。

ラグジュアリーファッションの販売プラットフォームであるFarfetch(ファーフェッチ)やPrada(プラダ)とのパートナーシップにより、ARプラットフォームはさらなるアップデートが施され、3Dメッシュの先進技術を使ったバーチャルな服の試着は一層リアルになる。ユーザーは、音声コマンドやジェスチャーを使って、試着しているアイテムを切り替えることもできるようになる。

「当社のカメラプラットフォームの力によって、Snapchatユーザーと彼らが好感を持っている企業を、有意義な方法で結びつけることができるものと期待しています」と、SnapのグローバルARプロダクト責任者であるCarolina Arguelles Navas(キャロライナ・アーグエレス・ナヴァス)氏は述べている。「これまで以上に、私たちのコミュニティは、自宅で新製品を体験したり、試着したり、触れたり、学んだりすることができるでしょう」。

関連記事
SnapがARグラス「Spectacles」の新世代バージョンを発表
Snapが提携企業からの情報を2.5億人が利用するソーシャルマップに追加するLayersを導入
Snapが同社のARグラスに技術を提供するWaveOpticsを545億円以上で買収

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:SnapSnapchatAReコマース アプリコンピュータービジョン

画像クレジット:Snap

原文へ

(文:Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Snapが同社のARグラスに技術を提供するWaveOpticsを545億円以上で買収

米国時間5月20日にAR(拡張現実)メガネ「Spectacles(スペクタクルズ)」の最新バージョンを発表したSnapは、その翌日にさらなるニュースを発表した。それは同社の躍進を後押しする技術を持つスタートアップ企業を買収するというものだ。

写真共有アプリ「Snapchat(スナップチャット)」で知られるこの企業は、ARメガネに使われる導波管とプロジェクターを製造するARスタートアップのWaveOptics(ウェーブオプティクス)を買収する。ARメガネは、それをかけた人が見ている現実世界の景色の上に、バーチャルな画像を重ね合わせて見ることができるというもので、Snapはその最新モデルをWaveOpticsと協力して開発した。

この動きはThe Verge(ザ・ヴァージ)が最初に報じたもので、TechCrunchはSnapの広報担当者に直接その詳細を確認した。SnapはWaveOpticsの買収に、現金と株式交換で5億ドル(約545億円)以上を支払うという。そのうちの半分は、買収が正式に完了した時点で株式の形で支払われ、残りは2年後に現金または株式で支払われる予定だ。

これはWaveOpticsにとって大きな飛躍だ。同社はこれまで、Bosch(ボッシュ)やOctopus Ventures(オクトパス・ベンチャーズ)、そして英国のベテラン起業家で、現在はFiveAI(ファイブAI)に在籍するStan Boland(スタン・ボランド)氏や、初期ARスタートアップのBlippar(ブリッパー)創業者の1人であるAmbarish Mitra(アンバリッシュ・ミトラ)氏などの個人を含む投資家から、約6500万ドル(約70億8000万円)の資金を調達していたが、直近の評価額は1億500万ドル(約114億円)程度にとどまっていた

WaveOpticsはオックスフォードで設立されたが、我々が知る限りでは、今後も英国を拠点に置くようだ。

TechCrunchでは、この会社がホログラム物理学とフォトニック結晶をベースにした導波路という、非常に興味深く、時代を先取りした技術を展示した初期の頃から取材してきた

重要なことは、同社の技術が、画像の処理と表示に必要なハードウェアのサイズと負荷を、劇的に圧縮するということだ。これは、WaveOpticsの技術をベースにしたARハードウェアのフォームファクタが、より幅広く、より適応性が拡大することを意味する。

買収後もWaveOpticsが他の企業と協力を続けていくかどうかは不明だが、Snapにとっては、このスタートアップ企業の技術を自社だけのものにすることが、大きなアドバンテージになることは明らかだと思われる。

Snapはここ最近、同じような買収を繰り返している。1月以降だけでも、eコマースへのAR活用を目指してFit Analytics(フィット・アナリティクス)を買収した他、3Dマッピング技術のPixel8Earth(ピクセルエイトアース)や、位置情報プラットフォームのStreetCred(ストリートクレド)など、少なくとも3社のスタートアップ企業を買収している。

しかし、今回の取引は、Snapにとって評価額の面ではこれまでで最大の買収となる。

これは、基礎的な人工知能技術に依然として高い価値がある(加えて、WaveOpticsを設立した科学者たちのチームは12件の出願済みおよび進行中の特許を保有している)ということを示すだけではない。SnapがARを使用するソーシャルアプリだけに留まらず、ハードウェアにおいても影響力のある地位を築き上げ、その技術を使うだけでなく、どこでどのように展開するかという進行と計画を握る中心的存在でありたいという、財務的な、はっきり言いえば実存的な、コミットメントの表明だ。

これは粘り強い取り組みであり、必ずしも報われるものではないが、しかしSnapは(同社は長い間、自らを「カメラ会社」と表現してきた)、ハードウェアを将来の戦略に不可欠な要素として位置づけている。

関連記事
SnapがARグラス「Spectacles」の新世代バージョンを発表
Snapがマッピング・位置情報スタートアップのStreetCredを買収、Snap Map関連機能強化か

カテゴリー:VR / AR / MR
タグ:SnapARグラス買収Snapchat

画像クレジット:Snap

原文へ

(文:Ingrid Lunden、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Twitterに続きSnapchatもトランプ大統領のアカウントを永久停止

Snap(スナップ)が米国時間1月7日にトランプ大統領のSnapchat(スナップチャット)アカウントを無期限停止すると発表してからかなりの動きがあった。Facebook(フェイスブック)、Instagram(インスタグラム)、YouTube(ユーチューブ)の大統領のアカウントが一時停止となり、そしてTwitter(ツイッター)はアカウントを永久停止した後、Snapは大統領のSnapchatカウントを永久停止することを決めた。

ユーザーとしてトランプ大統領のソーシャルメディア好きは明らかだが、大統領の選挙活動にとってSnapchatは若いユーザーに訴える格好のサービスだった。大統領は主要なソーシャルプラットフォームの大半から締め出され、アカウントの永久停止は間違いなく大統領の今後のビジネスや政治的野心の未来を複雑なものにするだろう。

プラットフォームからのトランプ大統領排除は、大統領に扇動されたサポーターの暴徒たちによる米国時間1月6日の議会議事堂での暴動を受けてのものだ。それ以来、多くの企業がトランプブランドとのつながりを断ち、その一方でソーシャルプラットフォームは大統領として残された日々と今後におけるトランプ大統領の存在を最小限化しようとしてきた。

Snapは、過去数カ月にわたってトランプ大統領のアカウントが繰り返し同社のコミュニティガイドラインを破ってきたことから今回の決断に至った、と話している。

「先週当社はトランプ大統領のSnapchatアカウントの無期限停止を発表しました。以来、どのような長期的対応がSnapchatコミュニティにとって最善なのか検討してきました。治安のために、そして明らかに当社のガイドラインに反する、誤情報、ヘイトスピーチ、暴力の扇動を広めようとする大統領の企てに基づいて当社は大統領のアカウントを永久停止することを決めました」とSnapの広報担当はTechCrunchに語った。

Snapによる大統領アカウントの永久停止は最初にAxiosが報じた。

関連記事:Snapchatもトランプ大統領のアカウントをロック

カテゴリー:ネットサービス
タグ:SnapchatSnapドナルド・トランプアメリカソーシャルメディアSNS

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

Snapがマッピング・位置情報スタートアップのStreetCredを買収、Snap Map関連機能強化か

Snapchatの親会社であるSnapが、位置情報プラットフォームを構築するニューヨークのスタートアップであるStreetCredを買収した。

TechCrunchの取材に対してSnapはこのニュースを確認するとともに、今回の買収により、共同創業者のRandy Meech(ランディ・ミーチ)氏とDiana Shkolnikov(ダイアナ・シュコリニコフ)氏を含む4人のStreetCredチームメンバーがSnapに入社し、マッピング・位置情報関連の製品に携わることになると述べている。

その戦略の大きな要素となるのがSnap Mapで、ユーザーは指定したエリアの公開スナップを閲覧したり、自分の位置情報を友達と共有したりすることができる。2020年夏、SnapchatのメインナビゲーションバーにSnap Mapが追加され、同社はこの機能が毎月2億人のユーザーにリーチしていると発表した。

同時にSnapchatはユーザーの位置情報と連動する他の機能も追加しており、その中にはたとえばデベロッパーが実際の場所と連動する、地域に特化したAR(拡張現実)レンズを作成することができるLocal Lensesなどがある。

ミーチ氏とシュコリニコフ氏は、豊富なマッピングの経験をSnapにもたらしてくれるはずだ。ミーチ氏は以前、サムスンのオープンマッピング子会社MapzenでCEOを務め、それ以前はTechCrunchの親会社であるAOL(後にVerizon Mediaにリブランド)でローカルおよびマッピング製品のシニアバイスプレジデントを務めていた人物だ。一方、シュコリニコフ氏はMapzenの元エンジニアリングディレクターである。

StreetCredは、Bowery CapitalとNotation Capitalから100万ドル(約1億400万円)のシード資金を調達していた。2018年にミーチ氏に取材をした際、彼の目標はユーザーがそのデータ収集に協力したことで報酬を得るブロックチェーンベースのマーケットプレイスを構築することで、位置情報データを「開放し、分散化」することだと語っていた。

買収の金銭的条件は明らかにされていないが、既存のStreetCredプラットフォームは今回の買収の一環として閉鎖されることになるという。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:SnapSnapchat買収

画像クレジット:Snap

原文へ

(翻訳:Nakazato)

Snapchatもトランプ大統領のアカウントをロック

Snapchatは、親トランプ派の暴徒が米議会議事堂を襲撃した後、Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領のアカウントをロックした。Snapの広報担当者は、この措置は米国時間1月6日に取られたことをTechCrunchに確認し、同社は再審査の前に状況を綿密に監視すると付け加えた。

トランプ大統領の危険な言動に対してSnapが同氏のアカウントに対して行動を起こしたのは、今回が初めてではない。2020年6月には、トランプ氏のSnapchatのコンテンツはDiscoverタブで宣伝されなくなり、ユーザーが購読または検索した場合にのみ表示されるようになったと発表した。

Snapの共同創業者でCEOのEvan Spiegel(エヴァン・シュピーゲル)は、同社がこの決定を発表する直前に公開したブログ記事で、「(Snapchat)は人種的暴力を扇動する人々に関連したアカウントを米国内でプロモーションすることは、我々のプラットフォームの内外問わず禁止されている」と述べている。

広報担当者によると、他の多くのソーシャルメディアプラットフォームとは異なり、Snapchatは多くのユーザーではなく友人とコミュニケーションするために作られたものだという。同社はモデレートされ、吟味されたコンテンツに頼ることで、誤った情報を拡散しにくくすることに注力している。たとえばDiscoverタブにはReutersといった報道機関による編集パートナーのコンテンツしか表示されない。

Twitter(ツイッター)も3つのツイートを削除した後、トランプ大統領のアカウントを締め出したが、その措置は12時間しか続かないかもしれない。Facebook(フェイスブック)とInstagram(インスタグラム)はトランプ大統領の投稿を24時間締め出し、ハッシュタグ「#StormTheCapitol」をブロックした。

多くの活動家がTwitterとFacebookに対して禁止を恒久化するよう求めており、倫理団体のAccountable Techは「今日の国会議事堂への暴力的な攻撃は痛ましいものでしたが、まったく予想外というわけではありません。残念ながら、TwitterとFacebookの準備と対応は非常に不十分でした。暴力の扇動を単にラベリングするだけでは十分ではありません」とツイートしている。

関連記事
Snapchatがトランプ大統領の投稿をDiscoverタブに掲載しないと発表
トランプ氏支持者の集団が大統領選挙の不正を訴え米国議会議事堂を襲撃
Twitterがトランプ大統領のアカウントを12時間停止
Facebookが米国議事堂乱入を称賛する投稿をブロック、トランプ大統領を24時間投稿禁止に
Color of Changeら活動家団体や企業家グループがトランプ大統領の排除をTwitterとFacebookに要請

カテゴリー:ネットサービス
タグ:ドナルド・トランプアメリカ米国大統領選挙SNSソーシャルメディアSnapSnapchat

画像クレジット:Denis Charlet/AFP / Getty Images

原文へ

(翻訳:塚本直樹 / Twitter

AR&AI技術を活用したメイクアプリ「YouCam」のパーフェクトが約51億5000万円を調達

AR&AI技術を活用したメイクアプリ「YouCam」のパーフェクトが約51億5000万円を調達

最新AR&AI技術活用ソリューションによる美容業界DXを奨励するパーフェクトは1月7日、親会社のPerfectが5000万米ドル(約51億5000万円)のシリーズC資金調達を完了したと発表した。引受先はゴールドマン・サックス、CyberLink。調達した資金により、AIを活用した技術の開発・改良を加速しグローバル事業拡大を目指す。

同社は、AIとAR技術を応用してブランドや小売店の消費者コミュニケーションをサポートするサービス展開と、累計9億以上のダウンロード数を誇る「YouCam」アプリシリーズを展開。全世界で300以上のブランドパートナーを持ち、10万超のコスメ商品を60ヵ国以上で展開。メイクをはじめ、スキンケアやヘアのバーチャルシミュレーション体験を創出しているという。

消費者はバーチャル体験を通して、簡単にブランドの製品を自分の顔で試し、お気に入りのアイテムを見つけられるほか、画面上で肌の状態をチェックし、パーソナライズさ化された製品提案を受けることも可能としている。

EC・ウェブ・店舗・ソーシャルネットワーク・モバイルアプリなど、オムニチャネルで導入きるこのバーチャルメイク機能を使ったビューティーテック ソリューションにおいて、さらなる事業拡大を計画する上での資金調達としている。

AR&AI技術を活用したメイクアプリ「YouCam」のパーフェクトが約51億5000万円を調達

パーフェクトは現在、台湾(本社)、日本、アメリカ、ヨーロッパ、中国、インドに拠点を構え、ARビューティアプリ「YouCam メイク」を筆頭にビューティーアプリシリーズの開発と、コスメブランドや小売店向けに高度な顔認証技術とAI技術を利用して開発したバーチャル メイクアップ サービスを提供している。

なおパーフェクトは2020年12月、Snapと提携し美容ブランド向けにSNSアプリ「Snapchat」上でバーチャルメイク体験を提供すると発表。同月、資生堂ジャパンの複数ブランドと一括契約を締結しバーチャルメイクサービスを提供開始することも明らかにした。

関連記事
グーグルがARを使ったバーチャルメイクやインフルエンサー動画を導入、ショッピング機能を強化
blueqatとコーセーが量子コンピューティング活用し化粧品の製品特徴分布を多次元解析する独自アルゴリズム開発
Google Pixelはメンタルヘルスの観点から「美化フィルター」に狙いを定める
ファンケルが銀座本店のリニューアルオープンに伴い「ARメイクアップシミュレーター」採用
コーセーが「NAIL HOLIC」ブランド全色を試せるネイル試着AI+ARアプリ配信、季節限定色や発売前の新色も
資生堂がMS TeamsやZOOMで最新メイクを楽しめるARフィルター提供、カメラアプリ「Snap Camera」経由
高級ヘアサロン向けサイネージでインスタのSpark ARを活用した新サービスが登場
Pinterestにリップメイクを試せるバーチャルトライ機能が登場

カテゴリー:VR / AR / MR
タグ:AI / 人工知能(用語)拡張現実 / AR(用語)資生堂資金調達(用語)Snap(企業)Snapchat(製品・サービス)パーフェクト美容(用語)メイクアップ / 化粧(用語)YouCam

Snapchatでツイートの直接共有可能に、Twitterは他SNSとの連携拡大に期待

Twitter(ツイッター)はSnapと連携し、ネイティブに統合してツイートをSnapchatで共有できるようにする。これにより両社は、ユーザーが単にスクリーンショットを共有するのではなく、もっとインタラクティブに埋め込むことを狙っている。

この機能は、ツイッターユーザーがスマートフォン上でSnapchatにもログインしていれば利用できるようになる。特定のツイートの共有ボタンをタップし、Snapchatのアイコンからコメントをつけるなどして、友人に送ったりストーリーで共有したりすることができる。この機能は公開アカウントのツイートでのみ動作し、非公開アカウントのツイートでは利用できない。

この機能は現在iOSで公開が始まっており、Androidでの統合は「今後まもなく」開始する。

画像クレジット:Snap

SnapchatやInstagram、Facebook(フェイスブック)、Redditのコンテンツの多くはツイッターに端を発していることを考えると、この機能が企業としてのツイッターのあり方に深く統合されるのは驚きだ。ツイートをウェブに埋め込む機能はこれまでもずっとあり、拡散したい人はツイートを自分のストーリーに埋め込むことができたが、ソーシャルメディアでの共有に関するツイッターの戦略は追跡も収益化もできないスクリーンショットに留まっていた。

今回の統合はツイッターにとっては手間のかからないプロダクト展開で、ツイッターユーザーでない人たちにも同社のコンテンツを直接楽しんでもらうことができるようになるだろう。ツイッターはこのようなことをマーケティングキャンペーンで何年も漠然とほのめかしていたが、ここにきて他社のプラットフォームと直接統合するアプローチを取り始めた。

最近ツイッターはストーリー機能であるフリートを公開したことで、これまでツイッターのプラットフォームを使ったことのない人をSnapから新たにユーザーとして迎え入れるために機能を増やすことができると気づいたようだ。

実際のところ、ソーシャルメディアのチャンネル間の統合はそれほど多くない。画面の録画やスクリーンショットは、あるプラットフォームのストーリーを他のプラットフォームに伝えようとすると不完全なものになってしまう。今回の統合は、SnapのSnap Kit APIとCreative Kitと呼ばれる機能のアップデートによって可能となった。SnapによればSpotify、Reddit、SoundCloud、Sendit、YOLO、GOATもそれぞれのアプリからコンテンツをSnapchatに共有できる統合機能をすでに開発したという。

ツイッターは将来的にこの機能を他のプラットフォームにも広げることについて否定しなかった。

ツイッターの広報はTechCrunchに対して「今回のSnapとの合意は、この機能に限定したものです。我々は他のプラットフォームとも連携して、ツイートをもっと幅広く共有できるようにしたいと考えています。我々はこれをきっかけとして多くの統合が実現するよう願っています」と述べた。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:TwitterSnapchatSNS

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(翻訳:Kaori Koyama)

Snapが自分のボーカルを重ねた音楽トラックを作成できるアプリVoiseyを買収

Snapchat(スナップチャット)は、写真や動画の中の顔に加工して、平凡な写真メッセージを幻想的なクリエイションに変えるアプリのパイオニアだ。この機能を使えば、人間が例えば猫のようになったり、あるいは猫でさえ(Meowbox記事)祭りの花冠を身にまとったりすることができる。さて、そのSnap(スナップ)が、今度はサウンドにその注意を向けたようだ。

どうやらSnapは、英国のスタートアップであるVoisey(ボイジー)を買収したようだ。この会社は、インストルメント曲に自分の声を重ねて、短い音楽トラック(および動画)を作成できる機能を提供している。またミュージシャンがそうしたトラックの基礎となるインストルメント曲をアップロードできるようにしている。ユーザーは自分の声にオーディオフィルター(オートチューン、自動ハーモニー、ビリー・アイリッシュ風などのおもしろい効果)をかけることもでき、他の人たちが作ったVoiseyトラックを探して聴くこともできる。

その結果がこれや、あるいはこうしたものだ。

この取引は、まずBusiness Insiderによってレポートされた。記事はVoiseyがロンドンにある本社の住所をSnapのアドレスに変更したことを指摘していた。それに加えてCompanies House(カンパニーズハウス、英国の登記所)の記録によれば、スタートアップの共同創業者であるDag Langfoss-Håland(ダグ・ラングフォス=ホーランド)氏、Pal Wagtskjold-Myran(パル・ワグツキョルド=マイラン)氏、Erlend Drevdal Hausken(エルレンド・ドレヴダル・ハウスケン)氏、とOliver Barnes(オリバー・バーンズ)氏の4人と、スタートアップの最初の投資家の2人であるTerry Steven Fisher(テリー・スティーブン・フィッシャー)氏とJason Lee Brook(ジェイソン・リー・ブルック)氏が10月21日付で取締役を退任したことがわかった。また同時に、Snapの従業員である法務チームのAtul Manilal Porwal (アトゥル・マニラル・ポーワル)氏とインターナショナル担当者のAmanda Louise Reid(アマンダ・ルイーズ・リード)氏の2人が新しい取締役として任命された。

Snapのロンドン広報担当者であるTanya Ridd(ターニャ・リッド)は、Snapがこの件についてのコメントを拒否したことを伝えている。Voiseyは私たちからのメールに返信しなかった。

Voiseyはこれまでにわずか188万ドル(約1億9500万円)を調達したにすぎない(PitchBookのデータによると)。そしてAppAnnie(アップアニー)のデータによれば、iOSアプリの音楽部門で143位にランクインしている。SnapがVoiseyに支払った金額は明らかではないが、このニュースが流れたのはいまだに損失を続けるSnapの英国本社が、2020年11月始めに5億ドル(約511億円)の借入を行おうとしているニュース(The Telegraph記事)が流れた直後だった。おそらくは買収のためのキャッシュがそこに含まれているのだろう。

Voiseyはこれまで「音楽創造のためのTikToK」と説明されてきた (musically記事)。そしてそれは実際、Voisey同様にユーザー生成コンテンツに注力してきた、人気のビデオアプリに少し似ている。Voiseyは明らかに強いクリエイター感を提供しており、そのプラットフォーム上で少なくとも1人の歌手が見いだされた。「poutyface」というユーザー名だったビリー・アイリッシュ風歌手のOlivia Knight(オリビア・ナイト)が、2020年初めにアイランドレコード / ワーナー・チャペルと契約した(Music Business Worldwide記事)のだ。

一方、TikTokは、少なくともいまのところは、音楽制作そのものではなく、他の種類のコンテンツ(ダンス、メッセージ、雑談)を作る人たちに音楽を提供している。「いまのところは」と書いた理由は、TikTokの親会社であるByteDanceも、音楽制作のための資産を静かに買収しているからだ。この領域からは目が離せない。

SnapがVoiseyの機能の一部またはすべてを、そのフラッグシップアプリのSnapchatに統合して、新しい音楽サービスを作成するのか、あるいはVoiseyを別の(Snapchatに簡単に組み合わせることのできる)アプリとして運用するのか、もしくはその2つを組み合わせたものにするのかははっきりしていない。これまでの例で考えれば、どの可能性もある。

これまでSnapは音楽への流れをゆっくりと作り上げてきていたが、いまではTikToKのクローンを作っているように感じられる。先月にはSounds on Snapchat(サウンズ・オン・スナップチャット、未訳記事)を立ち上げた。この機能はユーザーがストーリーに音楽を追加できるようにするもので、よりTikTokのビデオに近いものになっている。そのために、大手パブリッシャーとのライセンス取引がますます増えている。

その機能を組み込む以前でも、Snapはサウンドの力を完全に無視していたわけではない。すでに何年もの間(未訳記事)、ビデオによりおもしろい効果を与えるために、音声フィルターを提供していた。しかし、音楽はソーシャルメディア上のフォーマットとして最も魅力的なものの1つである。Voiseyはオリジナルコンテンツを作成するためのプラットフォーム機能レースの中で、SnapならびにSnapchatに対して優位性をもたらすだろう。

興味深いのは、この取引が行われたタイミングだ。

私たちがSnapによるイスラエルのスタートアップ Voca.aiの買収について記事にしたのは(未訳記事)つい先週のことだ。買収額は7000万ドル(約72億7000万円)だった(ただし、より近い情報源はそれに異議を唱えていて、正確には1億2000万ドル(約124億6000万円)だと語っている……)。

Voiseyと同様に、Voca.aiの技術がどこで使われるかについては明らかになっていないが、Voca.aiは企業のカスタマーサービスのための、インタラクティブな音声ベースのチャットボットを可能にするAI ベースのスタートアップだ。これは、Snapが企業に提供するサービスの種類を拡大したり、ユーザーが既存のサービス(特にSpectacles)に声を使って対話することを可能にするのかもしれない(もちろんまったく違うものである可能性もある)。

Voiseyの買収と合わせて考えると、これはただスナップ写真を共有すること以上の、多くのことを提供している企業の振る舞いをしている。

【Japan編集部】日本時間11月21日18時時点ではVoiseyはApp Storeから消されている

関連記事
ビデオに自動的に音楽を付けるためにTikTokはJukedeckを買収か
Snap、ソーシャルマップのZenlyを最高3億5000万ドルで買収――新機能Snap MapはZenlyそっくり

カテゴリー:ネットサービス
タグ:SnapchatSnap買収

画像クレジット:Voisey

原文へ

(翻訳:sako)

カメラ付きサングラスのSnapchat Specaclesで撮影した気象変動ドキュメンタリー「First Person」の予告編が公開

Snapchat(スナップチャット)は、Snapchat Spectacles(スナップチャット・スペクタクルズ)で撮影した同社初のオリジナルシリーズ、 “First Person”(ファーストパーソン)をまもなく公開する。

AR目的のスマートサングラスを使ってドキュメンタリーを撮影するというのは、少々ウケ狙いにも感じられるが、”First Person”が挑戦するのは、気象変動という重いテーマだ。

シリーズを制作したのはジャーナリストのYusuf Omar(ユスフ・オマー)氏(Spectaclesを「2016年以来毎日の生活で」着用していると言っている)と彼のプロジェクトであるHashtag Our Storiesで、そこでは140か国の1万人以上に、各自がスマートフォンを使って作品をつくるための訓練を行った。

“First Person”は、あの、Spectaclesを6か国の人々に配布して、それぞれが気象変動と戦うために行っていることを記録できるようにした仕事の延長線上にあるように思える。

「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)に襲われた時、世界のメディア制作者は撮影をやめました」とOmar氏が私宛のメールに書いた。「それでもわれらがイノベーターたちは手を休めませんでした。彼らにSpectaclesを送ることで、コロナウイルス禍の中では伝えるのが困難だった物語に私たちが触れることができるようになりました」

関連記事:
Snap announces new slate of Snap Originals

Spectaclesで映像を作ることは単なる制作方法のひとつではない、と彼は付け加えた。視聴者は文字通り、気象活動家の視点から物事をみることができる。

「こういう番組に一人称映像を使うことの素晴らしさは、変革を起こす人たちが実際に手を動かして、自分たちの見たい変化を生み、アップサイクルし、リサイクルし、実現するところを私たちが目撃できることです」と同氏は語った。「彼らが両手をつかって行う肉体的行為を本人の視点から見ることで、その行動は語ることのできる興味深く没頭的なものになる。若い視聴者が見れば、『自分でもできるかもしれない』と思うでしょう」

シリーズでは各話ごとにARレンズを使っている。あるレンズは地面にひび割れを付加して水不足を表現し、別のレンズは空に二酸化炭素の雲を付加して炭素排出を表現した。

“First Person”は10月24日土曜日に封切られる。予告編を下に貼ってある。

画像クレジット:Snap

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SnapchatのSnapが予想を大幅に上回る収益で第3四半期後、株価急騰

Snap(スナップ)は予想を大幅に上回る収益を発表した後、時間外取引で20%近く株価を上げた。第3四半期の売上と1株あたり利益の両方がアナリストの予想を超えた。すでに史上最高値を更新していた同社は、米国時間10月20日に28ドル強から34ドル弱へと上昇した。

1株あたり利益は0.01ドルで、0.04ドルの損失という予想を上回ったが、本当の注目点は6億7900万ドル(約715億円)を記録した売上で、四半期売上を5億5500万ドル(約584億円)程度と予測していたウォール街アナリストを圧倒した。

この売上は対前年比52%増に相当し、上場以来苦しい四半期の続いていた同社は、大きなカムバックを見せた。

1日当たりアクティブユーザー数は前四半期末の2億3800万人から4%増の2億4900万人となり、対前年比18%増だった。同社はいまだに2億ドル(約210億円)の純損失を計上しているが、2019年と比べて12%改善した。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:SnapSnapchat

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

「万国共通デジタル広告透明化」が今すぐ必要だ

【編集部注:本稿はLaura Edelson、Erika Franklin Fowler、Jason Chaungによる共著】

Mr. Zuckerberg(ザッカーバーグ様)、Mr. Dorsey(ドーシー様)、Mr. Pichai(ピチャイ様)、Mr. Spiegel(スピーゲル様)。私たちには万国共通デジタル広告透明性化今すぐ必要です。

差別的な広告ターゲティングと配信の与える悪影響はよく知られている。誤情報や不正な利益を目的とする広告コンテンツも同様だ。こうした害悪の蔓延はわれわれの研究が再三明らかにしてきた。その一方で、大多数のデジタル広告主は、責任ある立場にありながら顧客とつながりビジネスを拡大することしか考えていない。

多くの広告プラットフォームが、デジタル広告における問題の深刻さを認識しているが、問題に対処する方法はまちまちだ。プラットフォームは広告主や広告の審査を強化し続ける必要があるとわれわれは信じているが、これは広告プラットフォームが自分たちだけで解決できる問題でないことは明白であり、それは彼ら自身も認めている。プラットフォーム単独で行われる審査は機能していない。あらゆる広告の透明化が必要だ。これには広告費やターゲティング情報も含まれ、そうすることで広告主には彼らがユーザーを欺いたり操ったりした場合の責任を課すことができる。

以下にわれわれの研究結果を示す。

  • 広告プラットフォームのシステム設計が、広告主による性別、人種、その他慎重に扱うべき属性に基づくユーザー差別を可能にしている。
  • プラットフォームの広告配信最適化は、広告主が包括的な広告対象設定を行おうとしたかどうかに関わらず、差別的な結果を招く可能性がある。
  • 広告配信アルゴリズムは両極化を起こす可能性があり、政治キャンペーンが多様な政治感をもつ有権者に届くのを困難にする。
  • スポンサーはデジタル政治広告に13億ドル以上費やしているが、情報開示は極めて不適切である。現在の自発的アーカイブはユーザーに対する意図的あるいは偶発的な詐欺行為を防ぐことができない。

広告のコンテンツ、ターゲティング、および配信の透明化は、厳格なポリシーや強制力を必要とすることなく、デジタル広告による潜在的被害の大部分を効果的に軽減できるとわれわれは信じている。大多数の最大手広告プラットフォームが同意している。Facebook(フェイスブック)、Google(グーグル)、Twitter(ツイッター)、Snapchat(スナップチャット)の各社は、何らかの形の広告アーカイブを持っている。問題は、こうしたアーカイブのほとんどが不完全かつ実装方法が悪く、研究者によるアクセスが困難であり、フォーマットやアクセス方法が大きく異なっていることた。われわれは、デジタル広告を配信する全プラットフォームが遵守しなくてはならない万国共通の広告情報開示を提案する。もし全プラットフォームがわれわれの提唱する万国共通広告透明化標準に同意すれば、それはプラットフォームと広告主には公平な競争の場が、研究者にはデータが、そしてすべての人々に安全なインターネットが提供されることを意味している。

デジタル広告の完全な透明化は大衆の権利である。われわれの提案がプラットフォームと広告主にとって大仕事であることは認識している。しかし、現在世界中のユーザーが受けている社会的被害は、万国共通広告透明化が広告プラットフォームと広告主に与える負担をはるかに上回っている。ユーザーには、毎日浴びせられている広告に関する真の透明化を求める権利がある。われわれはどのデータが透明化されるべきかについて詳しい解説を作り、ここに公開した

われわれ研究者はいつでも自分たちの役割を果たす用意ができている。今こそ万国共通広告透明化の時だ。

署名人:

Jason Chuang, Mozilla(モジラ、ジェイソン・チャング)
Kate Dommett, University of Sheffield(シェフィールド大学、ケイト・ドメット)
Laura Edelson, New York University(ニューヨーク大学、ローラ・エデルソン)
Erika Franklin Fowler, Wesleyan University(ウェズリアン大学、エリカ・フランクリ・ファウラー)
Michael Franz, Bowdoin College(ボウディン大学、マイケル・フランツ)
Archon Fung, Harvard University(ハーバード大学、アーコン・ファン)
Sheila Krumholz, Center for Responsive Politics(責任ある政治のためのセンター、シーラ・クルムホルツ)
Ben Lyons, University of Utah(ユタ大学、ベン・ライオンズ)
Gregory Martin, Stanford University(スタンフォード大学、グレゴリー・マーチン)
Brendan Nyhan, Dartmouth College(ダートマス大学、ブレンダン・ナイハン)
Nate Persily, Stanford University(スタンフォード大学、ネイト・パーシリー)
Travis Ridout, Washington State University(ワシントン州立大学、トラビス・リダウト)
Kathleen Searles, Louisiana State University(ルイジアナ州立大学、カスリーン・シールズ)
Rebekah Tromble, George Washington University(ジョージ・ワシントン大学、レベカ・トロンブル)
Abby Wood, University of Southern California(南カリフォルニア大学、アビー・ウッド)

関連記事:
透明化を真剣に考えるなら広告産業はSDKをオープンソース化せよ

カテゴリー:
タグ:

画像クレジット:Chainarong Prasertthai / Getty Images (画像は変更済み)

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iPhone 12 ProのLiDARスキャナーを使ったAR体験一番乗りはSnapchat

Apple(アップル)は、米国時間10月13日に行われたiPhoneイベントにて、最新のフラグシップモデルiPhone 12 Proと12 Pro Maxを発表した。その他の新型iPhoneと異なり、これらの機種にはLiDARスキャナーが搭載されている。より没入感の高い拡張現実(AR)体験をもたらすものだ。Snapchat(スナップチャット)は同じく米国時間10月13日、このLiDAR対応カメラを使う新技術を、他社に先駆けてアプリに採用することを明かした。

同イベントでアップルが説明していたとおり、LiDAR(光検出と測距)スキャナーは、光が目標に到達して戻ってくるまでの時間を計るものだ。

iPhoneの機械学習技術と開発フレームワークを使うことで、iPhoneはLiDARを通じて周囲の世界を理解できるようになる。

アップルは、この技術をiPhone 12 Proに採用し、その「暗闇でも見える」能力を応用して暗い場所での写真の画質を向上させている。

画像クレジット:Appleのプレゼンテーション(スクリーンショットはTechCrunch)

この技術を使えば、アプリ開発者はiPhoneの周囲の正確な深度マップが作れるようになり、即応性が向上するためARは高速化し、ARを応用した新しいアプリ体験が可能になる。

具体的にいえば、アプリ開発者はこの技術を使うことでオブジェクトや部屋のスキャンが可能になるということだ。例えばAR買い物アプリ、家のデザインツール、ARゲームなどが考えられる。

写真や動画のエフェクトにも使える。iPhoneは部屋の奥行きや物の位置を「見る」ことができるため、画像の中に正確にARオブジェクトを配置するといったことも可能になる。

画像クレジット:Appleのプレゼンテーション(スクリーンショットはTechCrunch)

これは、Snapchatが準備しているような新しいAR体験の原動力となる。すでに最上級のAR写真フィルターで知られる同社は、iPhone 12 Pro専用のLiDARを利用した「レンズ」をすぐにローンチすると話している。

アップルは今回のiPhoneイベントでLiDARを説明する際に、SnapchatのLiDARを使った機能をちらりと紹介していた。

上の写真は、SnapchatアプリのARレンズのものだ。テーブルや床の上が花と葉っぱで埋め尽くされ、ユーザーの顔に向かって小鳥が飛んでくる。部屋の奥に置かれた植物は、手前のものよりも遠くにあるように見える。さらにキッチンの戸棚を蔓が覆っている。物理的な空間のどこにテーブルや戸棚があるかを、認識している証拠だ。

Snapchatレンズの小鳥は、人の背後に回ったときには陰に隠れて見えなくなる。また、人の手の上に正確に止まる。

これがまさに、Snapchatが開発中のレンズだとわかるが、今のところ同社はそれ以上の詳細は公表していない。しかし、LiDARを使ったSnapchatの体験がどんなものかを感じることはできる。

Apple iPhoneイベントの動画の59分41秒あたりで、実際にSnapchatのレンズの動作を見ることができる。

【更新情報】米国東部時間10月13日午後4時47分、ここで公開されているレンズが、実際にローンチされるものだとの確認がとれた。

関連記事
5G対応のiPhone 12シリーズは10月16日午後9時に予約開始、10月23日から順次出荷
アップルが「MagSafe」でアクセサリーとワイヤレス充電器の新エコシステムを構築
今後iPhoneにイヤフォンや電源アダプターはついてこない
アップルが約1万円のHomePod miniを発表
アップルがスマートスピーカー新製品「HomePod mini」を11月6日発売
アップル新iPhone発表イベントまとめ、iPhone 12シリーズ、HomePod mini、MagSafe復活

カテゴリー:ネットサービス
タグ: AppleApple iPhone EventiPhoneLiDARSnapchatAR

画像クレジット:Denis Charlet / AFP / Getty Images

原文へ

(翻訳:金井哲夫)

11月に迫る大統領選に向けてソーシャルネットワーク各社が有権者登録の集中キャンペーンを実施中

米国近代史上最も不確実な選挙を間近に控え、ソーシャルネットワークはユーザーの有権者登録の促進に最後のひと押しを行っている。

この取り組みは、Twitter(ツイッター)、Facebook(フェイスブック)、Snapchat(スナップチャット)などの企業による、IRL(現実世界)であれ郵便投票であれ、国民に投票を促す現在進行中の運動を象徴するNational Voter Registration Day(全米有権者登録の日)とも符合する。

Snapchatは75万人の米国ユーザーの有権者登録を手助けしたとしており、Snoop Dogg(スヌープ・ドッグ)、Barack Obama(バラク・オバマ)前大統領、Arnold Schwarzenegger(アーノルド・シュワルツェネッガー)氏などを迎えて新たな著名人による投票促進プログラムを発表した(Variety記事)。同サービスは、米国選挙をテーマにした新しいSnap Originals(Snapchatの短編コンテンツ)として、Peter Hamby(ピーター・ハンビー)氏によるミニシリーズ 「Good Luck Voter!」や、人気シリーズ 「While Black with MK Asante」の選挙特番なども公開している。

スターの力を借りる以外でも、Snapchatではユーザーが友達を誘って投票にいくことを促進したり、アプリ内で郵便投票を申し込むツールを提供している。SnapchatのDiscover(発見)ページに採用されたアカウントは、同サービスの有権者登録ツールを自分のコンテンツに直接埋め込むことができる。

ツイッターも有権者登録を強く前面に押し出している。9月22日、米国の全ツイッターユーザーは、TurboVoteを通じて有権者登録を行うか、登録を確認するよう促す通知を受け取った。この注意喚起と警告は40の言語で送信された。このリマインダー以前にも同社は、独自の投票情報ハブと#YourVoiceYourVoteキャンペーン(Twitter投稿)を通じて、Marshmello(マーシュメロ)氏とChrissy Teigen(クリッシー・テイゲン)氏という人気アカウントを採用して、本人の音声メッセージをつけたVote.orgの登録確認ページへのリンクを発信した。ツイッターは#NationalVoterRegistrationDayおよび #VoteReady にリンクする新たなハッシュタグ絵文字も追加した。

フェイスブックは、独自の選挙情報ハブの開設やニュースフィードトップの注意喚起、Instagram(インスタグラム)のリマインダーなどの既存の取り組みに加えて、Alicia Keys(アリシア・キーズ)氏、Gabrielle Union(ガブリエル・ユニオン)氏、Jada Pinkett Smith(ジェイダ・ピンケット・スミス)氏らセレブの力を借りて、有権者登録に関するライブストリーミングによる啓発公共広告の特別版 「Vote-A-Thon 2020」を配信している。フェイスブック、Instagram、Messengerを合わせて250万人の有権者登録を支援したと同社はいう。

画像クレジット:Facebook

フェイスブックのユーザーにフィードの先頭で有権者登録を促す通知は、Facebookアプリ、Instagram、およびMessengerで米国時間9月25日金曜日まで掲載される。Instagramで全米有権者登録の日の新しいスタンプを使っているユーザーは、自分のストーリーが同サービスの特別有権者投票ストーリーに登場する。

YouTube(ユーチューブ)および、未だ宙ぶらりん状態のTikTok(未訳記事)は、独自の有権者登録運動を実施していないようだが、Google(グーグル)、Reddit(レディット)、Discord(ディスコード)の各サービスは目立つホームページバナーでユーザーに有権者登録を喚起している。

関連記事
Twitterが米大統領選挙に関するニュースやお役立ち情報をまとめたハブを導入
Facebookが大統領選挙に向け米国ユーザーに正確な情報を提供する投票情報ハブを開設

カテゴリー:ネットサービス

タグ:Twitter Facebook Snapchat 米国大統領選挙

画像クレジット:Twitter

原文へ

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SnapchatがTikTok不安に乗じて8月絶好調、当月だけで2850万回インストール

TikTok(ティクトック)の将来に関する長引く不安が、8月のSnapchat(スナップチャット)に大きな恩恵をもたらしたかもしれない。あるいはバイラルに広がった、目をディズニー風に変えるフィルター(PopSugar記事)のおかげなのか。いずれにせよ、アプリストア調査会社のSensor Tower(センサータワー)の暫定データによると、SnapchatのモバイルアプリはiOSとAndroidを合わせて8月だけで2850万回インストールされた。これは2019年5月に4120万回インストールされて以来の月間記録だ。

ただし、2019年5月はSnapchatの歴史では例外的だった。2019年5月以外に今年8月の月間ダウンロード数を超えたのは2016年12月だけだったことをSensor Towerのデータは示している。

同社の調査によると、Snapchatのダウンロード数は2020年8月に対前年比29%増を記録し、前月比も9%増だった。どんなトレンドの組み合わせがSnapchatに先月のダウンロード数をもたらしたのかはよくわからない。

しかし、今ソーシャルアプリ業界の関心が集中しているひとつの話題は、米国でのTikTok禁止の可能性にまつわるニュースだ。禁止に関するニュース報道はすでにここ数週間のアプリストアランキングに明白な影響を与えている。8月にTikTokの直接の競合アプリである、Likee、Byte、Dubsmash、Trillerなどの米国の週間アクティブユーザーは明らかな増加を見せた。しかし、トランプ氏の大統領令で中国製ビデオアプリが実際に米国から追放されたとき、はっきりとTikTokに取って代わるであろう製品は出てきていない。

TikTokの直接ライバルではないSnapchatも、短尺ビデオアプリを好む同じ若者層を引きつけようとしている。今月Snapchatは、TikTokユーザーへのアピールを狙う新しい音楽機能をスタートさせる計画を発表した。今秋開始予定の同機能を使うと、ユーザーはTikTokと同じように動画に音楽を付加できるようになる。Snapは、Warner Music Group、Warner Chappell、Univerasal Music Publishing Group、NMPAメンバーのMerlinなどといった音楽業界のトップパートナーと各社のコンテンツをSnapchatアプリで使用するライセンス契約を結んだことを発表した。

画像クレジット:TechCrunch(App Storeのスクリーンショット)

Snapchatは7月にも新機能の「Minis」を公開(未訳記事)した。これはSnapchatのチャット画面で動作する一連のミニアプリだ。HTMLを使ってつくられたアプリは、チケット購入やHeadspaceを使った瞑想、友だちとのコラボレーションなどをアプリを離れることなく行える。

SnapchatはApp Storeの目立った位置にいることの恩恵も受けている。アップルは今、App Storeの「App」画面に「New to iPhone?」と名付けた編集者の集めたお勧めアプリを掲載している。ここでは初めてのiPhoneユーザーがダウンロードしたがるお勧めアプリの一覧を、スクロールダウンすることなく見ることができる。

ダウンロード数増加の理由としてほかに考えられるのが宣伝費の増加で、大型アプリの提供元ではよくあることだ。ただしSnapchatは8月に何を変えたかについて具体的にコメントしていない。

さらに言ってしまえば、 #disneyfilterのタグを付けられた6640万本のTikTokビデオが、8月のSnapchatに幸運をもたらしただけかもしれない。

Sensor Towerの最新Snapchatデータは暫定値とされており、これは8月26日までのデータしか対象になっていないためだ。8月の残りの日々が算入されれば結果は多少変わるかもしれないが、あってもごくわずかだろう。

なお上記の数値は当初Sensort Towerのフィナンシェサービスユーザーの1社がアナリストノートの中で報告したもの(Benzinga記事)で、Sensor Towerのデータレポーティングチームは公表していない。しかし、同社はTechCrunchにデータは正確であると確認した。

Snapchatは7月のQ2決算時点で、1日当たりアクティブユーザー数2億3800万人で4月の2億2900万人から4%近く増加したことを報告(CNBC記事)した。新規ダウンロード数についてはコメントしていない。

画像クレジット:Denis Charlet / AFP / Getty Images

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook