ウクライナ政府がロシア軍の追跡手段をDX、Telegramチャットボットを作成し活用・認証アプリで偽情報をブロック

ウクライナ政府がロシア軍の追跡手段をDX、Telegramチャットボットを作成し活用・認証アプリで偽情報をブロック

Thomas Trutschel via Getty Images

ウクライナ政府は、Telegramアプリにチャットボットを作成し、ユーザーがiPhoneを使ってロシア軍が侵入した情報を防衛側に報告できるようにしたと報じられています。

ロシアのウクライナ侵攻の始まりは、Googleマップやアップルのマップで察知されていましたが、今やウクライナ政府が意図的に個人向けテクノロジーを活用する事態にいたっています。

現地メディアのUkrainian Newsによれば、ウクライナのDX(デジタルトランスフォーメーション)省は「eVororog」または「eBopor」(英訳すると「e-Enemy」)など様々なチャットボットを作成したとのことです。これは独立したアプリではないため、ロシアもかつて(国内の)App Storeから野党支援アプリを削除させたように簡単にはいかないというわけです。

このチャットボットはTelegramの@「everog_botチャンネル」になっている—とミハイル・フェドロフ副首相が自らのTelegramチャンネルで説明しています。

フェドロフ氏によれば、他にデータを集める方法もあったかもしれないが、破壊工作員が偽の写真やデマを混ぜる恐れがあると示唆。そこでウクライナ国民であることを認証するため、DX省の無料アプリ「Diya」が使われているそうです。

ユーザーがチャットボットへの投稿を許可されると、目撃したものを正確に詳しく入力するよう求められるとのこと。そこで軍隊を見たか、戦車などの装備を見たかをiPhoneを通じて正確な位置を送信し、可能であれば写真やビデオを添付することになります。

Ukrainian Newsは、このチャットボットがどれほどの効果があるのか、まだ詳しく報じていません。しかしTwitter上では、20万人以上のウクライナ人が「eBopor」を使って1万6000人以上のロシア兵士や4000台もの車両の破壊に繋がったと主張しています。

どちらの陣営であれ人命が失われることは絶対にあってはなりませんが、ハイテクが悲惨な戦火の終結に貢献するよう祈りたいところです。

(Source:Ukrainian News。Via AppleInsiderEngadget日本版より転載)

ロシアがMetaを過激派認定、FacebookとInstagramを禁止する一方WhatsAppは除外

ロシアがMetaを過激派認定、FacebookとInstagramを禁止する一方WhatsAppは除外

NurPhoto via Getty Images

モスクワの裁判所が3月21日(現地時間)、米Metaが過激派活動の罪を犯していると認定しました。同社のFacebookとInstagramは、すでにロシアでの活動が禁止されていますが、裁判所がそれを追認した形です。ただし、ロシア国内で人気の高いメッセージングサービスWhatsAppは、除外されるとのこと。これはWhatsAppが広く情報を普及させる能力を有していないからだとする裁判所のコメントをReutersが伝えています。

米Metaは、通常は攻撃的な内容として削除対象となる「ロシアの侵略者に対する攻撃(死)」に関する投稿を許可するという規約変更を行っており、ロシア当局はこれへの対応としてFacebookとInstagramをブロックしていました。

ロシア国営メディアのTASSによると、今回の判決により、Metaはロシアでのオフィス開設やビジネスが事実上禁止されるとのこと。ただし、そのサービスを利用している一般ユーザーがただちに過激派として非難されることはないとも伝えています。ただし、人権活動家のPavel Chikov氏は、ウェブサイトや店の入り口、名刺などにFacebookやInstagramのロゴを記載すると、最大15日間の禁固刑の根拠になり得ると指摘しています。

また、対象外とされたWhatsAppですが、デジタル著作権グループであるロシアの非政府組織RoskomsvobodaのSarkis Darbinyan氏は、WhatsAppはロシアで人気があり、政府や国営企業も利用しているために放置された可能性があるものの、一度に閉鎖するのではなく徐々に閉鎖しようとしているのかもしれないと述べています。とはいえ、ユーザーは徐々に離れているようで、ここ数週間でロシア内で最も利用されているメッセージングツールから転落、その座をTelegramに明け渡したとのことです。

(Source:ReutersEngadget日本版より転載)

ウクライナがロシアにハッキングで対抗する「IT部隊」を募集し反撃、テックリーダーにも参加を呼びかけ

ウクライナがロシアの一方的な侵攻に対抗するために現地の一般市民を動員し武器を与える中、ウクライナ国外で力になりたい人々は、バーチャルワールドでの戦いに参加するよう要請されている。G7(米国時間2月27日に日本も参加)が結集して国際銀行システムのSWIFTからロシアの銀行を締め出そうとしている一方で、ウクライナ政府はデベロッパーたちに向けて、具体的なサイバー攻撃の任務を負ったIT部隊への参加を募るキャンペーンを行っている。政府はテック企業のリーダーにも、それぞれの役割を果たすよう名指しで呼びかけている。

IT Army of Ukraine(ウクライナIT部隊)」は26日に発表され、すでに同部隊のメインTelegram(テレグラム)チャンネルに集まった18万4000近いユーザーは(人数は伸び続けており、本稿執筆時点で1万人近く増えている)、アカウントを使って特定目的のプロジェクトを複数立ち上げ、ロシアのサイト、ロシアのスパイ、ロシアと共謀して行動する人々を封鎖し、ウクライナに住む人たちを動員して自分たちにできる行動をするよう呼びかけている。(Telegramを使っていない人たちのためのGmailアドレス、itarmyura@gmail.com も用意されている。TechCrunchはこのアドレスに連絡を取り、主催者がプロジェクトの詳細について話してくれるよう尋ねている)。

そしてその効果は現れているようだ。ロシア最大級の銀行であるSberbank(ズベルバンク)のAPIを封鎖するためのチャンネルの呼びかけがすでに実行に移されたようで、サイトは現在オフラインになっている。同様に、ベラルーシの公式情報ポリシーサイトも、対応するチャンネルで呼びかけがあったあと、オフラインになったと報告されている。彼らのとっている単純なアプローチは、Anonymous(アノニマス)をはじめとする活動家ハッカーグループが特定のターゲットを攻撃する際に用いているものと類似している。

「信じられないサイバー攻撃がロシアの政府サービス・ポータル、官邸、議会、チャンネル1、航空宇宙、鉄道などのサイトを襲った」と、ロシアメディアを引用して同部隊は指摘した。「『50を超えるDDosアタックが1テラバイト以上の容量を飲み込んだ』誰のしわざ:)?なんと悲しい事故でしょう」。

この取り組みは口コミで広がっているだけでなく、政府担当者もリンクをツイートして支援している。(ただし、政府が実際に背後にいるかどうかはわからない)。

「私たちはIT部隊を作っています。私たちはデジタル人材を必要としています」とウクライナの副首相兼デジタル変革相、Mykhailo Fedorov(ミハイロ・フェドロフ)氏がTwitterで呼びかけた。「誰にでも任務があります。私たちはサイパー前線で戦い続けます。最初の任務はサイバー専門家のためのチャンネルに書いてあります」。

フェドロフ氏はTwitterで言葉を無駄にしていない。同氏はMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏とElon Musk(イーロン・マスク)氏も指名して、それぞれのプラットフォームと既存の製品を使ってプロジェクトを支援するべく、ロシアでのFacebookへのアクセスを禁止し、ユーザーがデータをバックアップできるようにStarlink(スターリング)のアクセスをウクライナに拡大するよう呼びかけた。しかし、Facebookの行動は少々遅れているようだ(広告は禁止されたが、今のところアクセスは禁止されていない)。

フェドロフ氏は、NFT(非代替性トークン)などのバーチャル商品の取引に使われているDMarket(ディーマーケット)が、ロシアとベラルーシのユーザーのアカウントを凍結したこともとり上げて称賛した。それらのアカウントの資金は対ウクライナ攻撃に使われる可能性があったからだ。

この国の暗号資産プラットフォームに対する立ち位置は概してかなり積極的であり、ウクライナ公式Twitterアカウントは26日、Bitcoin(ビットコイン)、Ethereum(イーサリアム)、およびTether (テザー、USDT)による寄付を受け付けるためのアドレスを公表した。多くの人々はアカウントがハックされたものだと思ったが、現在このツイートはピン留めされており、真剣であると思われる。しかし、寄付された資金がどのように集められ、どのように使われるのかは明確にされていない。

一連の出来事は、テクノロジーの動きの速さと、そこへの依存性の高さを物語っている。これを銀行間ネットワークSWIFTの閉鎖と対比すると興味深い。「swift(迅速)」の名前とは裏腹に、この制裁の動きはあまり速くない。なぜなら効果を得るためには各国が名乗りを上げるだけでなく、メンバーの金融機関(SWIFTには200カ国にわたる1万1000社の銀行その他の金融機関が加入している)もスイッチを切る必要があるからだ。

「SWIFTは中立的国際協力機構であり、200か国、1万1000以上の機関からなる共同体の総合的利益のために運営されています。国や個人を制裁するあらゆる決定は、適格な政府機関および適用される立法機関に委ねられています。ベルギー法の下に法人化されている私たちの義務は、EUおよびベルギーの関連規則を遵守することです」とSWIFTがTechCrunchに提供した声明で述べた。「私たちは欧州委員会、フランス、ドイツ、イタリア、英国、カナダ、米国の指導者による、ロシアの銀行に対して近々新たな規制実施を言明した共同声明を認識しています。私たちは欧州当局と協力して、新たな規制の対象となる実体の詳細を理解し、法律を遵守する準備を進めています」。

誤解のないようにいっておくが、SWIFTのアクセスを失うことは一大事であり、ロシアとロシア企業から商品売買のための取引機会を奪うものだ。しかし、この種の封鎖が最後に実施されたのはイランに対するもので、最大の効果を得るまで数年を要した。

「SWIFTを禁止されたりそこから排除されることは確実な影響があります、なぜならポイント・ツー・ポイント・ネットワークに関して、代替手段は多くないからです」とフィンテックコンサルタント会社、Firebrand Research(ファイアブランド・リサーチ)のアナリストファウンダー、Virginie O’Shea(バージニー・ オーシェイ)氏がTechCrunchに語った。彼女は、ロシアはかつてロシア国内銀行ネットワークを独自に構築しようとしたが、現時点で海外へは拡大していないことを指摘した。「SWIFTのような仕組みを作るには多くの時間と手続きが必要です」。

イランのときと同様、他国にも莫大な影響がありガスなどのエネルギー製品をロシアに依存している国々は特にそうだ。SWIFT決議の実施に時間がかかる理由の1つがそれだ。「石油とガスの視点で考えれば、これらのサービスへの支払いを妨げているのであり、ロシアだけでなく取引国にも影響を与えることになるのです」。

画像クレジット:Anadolu Agency / Getty Images

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Nob Takahashi / facebook

米消費者の2021年ソーシャルメディア詐欺被害額は約888億円、2017年の18倍に増加

米連邦取引委員会(FTC)の新しい報告書によると、ソーシャルメディアで詐欺に遭う米国の消費者が増えており、2021年に消費者は7億7000万ドル(約888億円)をソーシャルメディア詐欺で失い、同年の詐欺被害総額の約4分の1を占めていることが明らかになった。また、この数字は2017年に報告されたソーシャルメディア詐欺被害額4200万ドル(約48億円)から18倍に増えており、暗号資産やオンラインショッピングが関係する新しいタイプの詐欺が流行したためだと、FTCは指摘している。これにより、多くの若い消費者が詐欺に遭うようになり、現在、18〜39歳の成人は、40歳以上の成人に比べて2.4倍多く詐欺に遭っている。

スキャマー(詐欺師)たちは、ソーシャルメディアが詐欺を行うのに最も収益性の高い場所の1つであることを明確に認識している。9万5000人超の詐欺被害者が、最初にソーシャルメディアでコンタクトがあったと答えており、この数は2020年の2倍超、2017年の19倍にのぼる。

画像クレジット:FTC

2021年に詐欺でお金を失ったとFTCに報告した人の4人に1人以上が、詐欺のきっかけとなった投稿、メッセージ、広告を最初に見たのはソーシャルメディア上だったと回答した。連絡方法が明記されていない報告を除くと、2021年の詐欺による損失の26%をソーシャルメディアでの詐欺が占め(7億7000万ドル、約888億円)、次いでウェブサイトやアプリが19%(5億5400万ドル、約639億円)、そして電話が18%(5億4600万ドル、約629億円)だった。しかし、個人の損失額の中央値は、ソーシャルメディア詐欺の468ドル(約5万4000円)に対し、電話詐欺が1110ドル(約12万8000円)と最も多い。

ソーシャルメディア詐欺が最も多く発生しているのは、Facebook(フェイスブック)とInstagram(インスタグラム)であることがデータから読み取れる。

オンラインロマンス詐欺の場合、ユーザーの3分の1以上が、スキャマーからの最初の働きかけがFacebookまたはInstagram上でのものだったと報告している。具体的には、Facebookが23%、Instagramが13%だ。これらの詐欺は、一見無邪気な友達申請から始まり、甘い言葉、そして金銭の要求へと続くと報告書にはある。

一方、2021年の投資詐欺の半数以上(54%)は、ソーシャルメディアプラットフォームから始まっていて、スキャマーは偽の投資機会を宣伝したり、人々と直接つながって投資を促したりしている。ここではInstagramがスキャマーに人気で、投資詐欺の36%を占め、次いでFacebookが28%、そしてメッセージングアプリのWhatsApp(ワッツアップ)とTelegram(テレグラム)がそれぞれ9%と7%だった。

そしていまでは投資詐欺の大部分に暗号資産が関わっていることも明らかになった。2021年、FTCに報告されたソーシャルメディア投資詐欺の64%で暗号資産が支払い方法となっている。決済のアプリやサービスが使われたのは13%、次いで銀行振り込みや銀行決済が9%だった。

画像クレジット:FTC

ロマンス詐欺と投資詐欺が引き続き金額ベースで最大の被害で、過去最高を記録してもいるが、FTCへの報告数が最も多い詐欺は、消費者がソーシャルメディアで初めて見たものを購入しようとするものだ。ほとんどの場合、被害者はFacebookやInstagramで販売されているものを見て、購入しようとしていた。

2021年にソーシャルメディア詐欺で失ったお金についてFTCに届けのあった報告の45%は、オンラインショッピングに関連するものだった。そのうちの70%近くは、ソーシャルメディア上の広告を見て注文したものの、その後商品が届かなかったというものだった。また、広告から「そっくり」ウェブサイトに誘導され、本物のオンライン小売業者から購入したかのように騙されるというケースもあった。このような詐欺のうち、10件中9件はFacebookとInstagramがプラットフォームとして使われている、とレポートにはある。

オンラインショッピング詐欺の増加は、消費者がお金を失うというだけでなく、eコマースのエコシステム全体とソーシャルメディア企業のビジネスにとっても決定的な意味を持つ。近年、FacebookとInstagramは、オンラインショッピングをサービスの中核とするために多額の投資を行っており、広告主とターゲットとなる顧客を結びつけることを約束している。Meta(メタ)が所有するアプリには独自の「ショップ」セクションがあり、消費者は商品を閲覧して、外部のウェブサイトに移動することなく直接精算することができる。しかし、これらのプラットフォームで紹介されているオンライン小売業者の正当性に消費者が警戒心を抱くようになれば、将来的にソーシャルメディアからの買い物を躊躇するようになるかもしれない。

Metaにとって、消費者の購買行動の変化は、過去数年よりも現在の方が大きな問題となっている。というのも、同社の大規模な広告ビジネスは、消費者が追跡を拒否できるようにしたApple(アップル)のiOSのプライバシー変更によって影響を受けているからだ。広告のパーソナライズ機能の低下による市場の変化を予測して、Metaは自社のプラットフォーム内で消費者のショッピングに基づくより多くのファーストパーティデータを取得できるアプリ内ショップを作成し、収益の多様化を進めている。また、サブスクリプションやチップなど、クリエイターエコノミーからの新しい収入も開拓している。

FTCは、2021年のソーシャルメディア詐欺のうち、投資、ロマンス、eコマースで70%を占めているが、それ以外にもソーシャルプラットフォームに関連した詐欺の種類があると述べている。ただし、報告書ではこれらをカテゴリー別に分けてはいない。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

ロシア政府がアップル・メタ・GoogleなどIT大手に現地オフィス開設を要求、違法な情報に対するアクセス制限への同意も

ロシア政府がアップル・メタ・GoogleなどIT大手に現地オフィス開設を要求、法律に違反する情報へのアクセス制限への同意も

Mikhail MetzelTASS via Getty Images

ロシア政府は今週、アップルをはじめとする米ハイテク企業が同国での事業を続ける場合、2021年末までに現地オフィスを開設するよう求めました。

同国の通信規制当局ロスコムナゾル(Roskomnadzor)は、現地に公式なオフィスを持たない企業は広告やデータ収集および送金が制限され、あるいは業務を禁止する可能性があると警告しています。

今年7月、ロシアのプーチン大統領は「ロシアでのインターネット上での活動を行う企業」に対して現地オフィス開設を義務づける法律に署名しています。そして今週初め、ロスコムナゾルが初めて対象となる企業のリストと、ロシアの要件を満たすために具体的に何をすべきかを明らかにしたかっこうです。

今回の企業リストにはアップル、Meta(Facebook)、Google、TikTok、TwitterおよびTelegramが含まれています。Reutersいわく、この措置はロシア政府が米ハイテク大手の活動を抑え、国内のIT企業を育成・強化しようとしているためとのことです。

すでにロシア政府は外国のデジタルサービスに対する課税、国内のIT企業に対する減税、さらにはロシア国内で販売されるスマートフォンなどにロシア製ソフトウェアをプレインストールすることを義務付けるなどの政策を打ち出してきました。アップルもiPhone初回起動時に政府推奨アプリ導入の仕組みを取り入れたり野党指導者アプリを削除しろとの要求に応じるなど、数々の譲歩をしてきました。

ロスコムナゾルがReutersに語ったところによると、対象となった企業はロシア国内にオフィスを開設することに加え「ロシアの法律に違反する情報へのアクセスを制限する」ことに同意しなければならないそうです。

米9to5Macは、これは基本的に「ロシア政府に逆らう情報を検閲する」ことを意味しており、米ハイテク各社が困難な立場に置かれる、と指摘しています。

なおロスコムナゾルに名指しされた企業は、いずれもこの件についてコメントしていません。もしも要求に素直に従ってしまえば、ロシア政府の検閲や人権侵害(反政権活動家ナバリヌイ氏の毒殺未遂事件や、それに続く収監など)を支持したことにもなりかねず、欧米で厳しく追及される可能性もあります。

アップルやGoogleがどういった対応を取るのか、今後の展開を見守りたいところです。

(Source:Reuters。Via 9to5MacEngadget日本版より転載)

TelegramがフェイスビックとWhatsAppに障害が発生した日に7000万ユーザー増加を発表

米国時間10月4日に発生したFacebook(フェイスブック)の数時間に及ぶ障害は、会社、創業者、株主、そしてそのサービスに依存している多くの企業に打撃を与えたかもしれない。しかし、インスタントメッセージングのライバル企業にとっては、それは非常に良い1日となった。

関連記事:フェイスブック、Messenger、Instagram、WhatsAppなどすべてがダウン中、DNS障害が原因か

Telegram(テレグラム)の創業者兼CEOであるPavel Durov(パベル・デュロフ)氏は、10月5日に、同社のインスタントメッセージングアプリに7000万人という驚異的な数のユーザーが増えたことを発表し、そのサービスにとって「ユーザー登録数とアクティビティの記録的な増加」と表現した。

デュロフ氏は、自身のTelegramチャンネルに「Telegramは大多数のユーザーにとって完璧に機能し続けたので、我々のチームがこの前例のない成長にどのように対処したかを誇りに思います」と書いている。しかし、実際のところ、その日はそれほど完璧ではなかった。

「とはいえ、アメリカ大陸の数百万人のユーザーが一斉にTelegramに登録したため、一部のユーザーは通常よりも遅い速度を経験したかもしれません」とデュロフ氏は付け加えている。

最近10億ダウンロードを突破したTelegramは、2021年初めの時点で月間アクティブユーザー数が5億人に達している。

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また、TelegramとWhatsApp(ワッツアップ)の両方と競合するSignal(シグナル)も、新しいユーザーを増やした。同社は「数百万人の新規ユーザー」がアプリに参加したとツイートしている。

TelegramとSignalがライバル企業の犠牲の上にユーザーを増やしたのは、今回が初めてではない。WhatsAppが新しいプライバシーポリシーの内容を正確に説明するのに苦労していた2021年の初めにも、TelegramとSignalは数百万人のユーザーを獲得している。

Signalの持ち株会社の会長であるBrian Acton(ブライアン・アクトン)氏は、TechCrunchとのインタビューで、2021年初めのWhatsAppの失敗について「小さな出来事が最大の結果の引き金になった」と語っていた。

画像クレジット:Chris Ratcliffe/Bloomberg via Getty Images / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Yuta Kaminishi)

メッセージアプリTelegramのダウンロード数が10億回超え、全世界で15番目

Sensor Tower(センサータワー)によると、人気のインスタントメッセージングアプリTelegram(テレグラム)が、グローバルでのダウンロード数10億回を超えるエリートアプリの仲間入りを果たした。

ドバイに本社を置き、2013年にアプリの提供を開始したTelegramは8月27日にマイルストーンを達成した、とSensor TowerはTechCrunchに明らかにした。Telegramの主要ライバルであるWhatsAppにとってもそうだが、インドはTelegramの最大のマーケットだ。世界で2番目に大きいインターネット市場であるインドでのTelegramダウンロード回数は全体の約22%を占めている、とSensor Towerは説明した。

「インドに次ぐのはロシアとインドネシアで、全体に占める割合はそれぞれ10%と8%です。Telegramのインストールは2021年に加速し、2021年上半期は2億1470万回に達しました。これは2020年上半期の1億3300万回より61%増えています」と付け加えた。

インストール回数がそのままアプリのアクティブユーザーベースとはならないことは記すに値するだろう。例えば2021年初めの時点でのTelegramの月間アクティブユーザー数は5億人だった。しかし、WhatsAppのプライバシー規則を巨大なユーザーベースに反映させる際の不手際と同時に起こったTelegramのダウンロード数の増加は、Telegramが直近の数四半期でさらに注目を集めたことをうかがわせる。

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2021年初めに10億ドル(約1098億円)超を調達したTelegramは、ダウンロード数が10億回を超えた世界で15番目のアプリだとSensor Towerは述べた。同社によると、他のアプリにはWhatsApp、Messenger、Facebook、Instagram、Snapchat、Spotify、Netflixなどがある(Sensor TowerはAndroidデバイスにプレインストールされている大半のGoogleアプリのインストールは追跡していない)。

Telegramはコメントの求めに応じなかった。

画像クレジット:Chris Ratcliffe/Bloomberg via Getty Images / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

フェイスブックやグーグルはインドの新IT規則を遵守、法令順守担当者を任命

Google(グーグル)、Facebook(フェイスブック)、Telegram(テレグラム)、LinkedIn(リンクドイン)、そしてTiger Globalが出資しているインドのスタートアップShareChat(シェアチャット)やKoo(クー)はいずれも同国の新しいIT規則を全面的あるいは部分的に受け入れ、順守している。この件に詳しい情報筋、そしてTechCrunchが入手した政府のメモで明らかになった。

2021年2月に発表されたインドの新しいIT規則では、懸念を解決すべく企業に法令順守、判断基準、苦情処理を担当する代表者を任命して連絡先を共有することを求めている。

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上記の企業はこの要件を満たしたと政府のメモにはあり、情報筋もそのように述べた。企業は今週までに新ルールを順守するよう求められていた。

Twitter(ツイッター)はまだこのルールに従っていない。「Twitterは担当者ならびに苦情処理責任者としてインドの法律事務所で働いている弁護士の詳細を昨夜遅くに連絡してきた」とインド政府のメモにはあり、ルールではそうした担当者は直接雇用している従業員でなければならない、とも書かれている。

Twitterとインド政府の間ではこのところ緊張が高まっている。今週、デリの警察はインドの政治家のツイートを誤解を与えるものと分類したことについて調べることを「正式に通知する」ためにTwitterのオフィスを訪れた。Twitterは従業員に関する懸念を指摘してこの動きを脅迫の形態と呼び、市民の言論の自由を尊重するよう政府に求めた。

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WhatsApp(ワッツアップ)は新規則に則っているが、トレーサビリティについての要件は満たしていないと情報筋はTechCrunchに語った。WhatsAppは今週初め、メッセージの発信者を追跡する方法の確保を求めている要件について、インド政府を相手取って訴訟を起こしている。このルールを満たすようにするにはあらゆるユーザーのプライバシーを危険にさらすことになるとWhatsAppは指摘した。

iMessageを展開しているApple(アップル)、そしてSignal(シグナル)がこのルールに従っているか、現時点では不明だ。

TechCrunchが真っ先に報じたように、インドの電子情報技術省は現地時間5月26日、ソーシャルメディア企業にコンプライアンス状況をアップデートするよう求めた

関連記事:インド政府がWhatsAppの新規制撤回を求める訴訟は「反抗行為」「無謀」と批判

FacebookやGoogleを含む一部のテック大企業にとってインドは鍵を握る海外マーケットだ。前述の2社はユーザー数においてインドを最大のマーケットだと認識している。隣国パキスタンは2020年、インドと同様のルールを提案したが、テック大手が結束してパキスタンから撤退すると脅したのち、パキスタンはルールを撤回することとなった。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:インドSNSGoogleFacebookTelegramLinkedInWhatsAppTwitterShareChat

画像クレジット:Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

プライバシーポリシーへの懸念で欧米で人気のSignalとTelegramは中国国内でも(いまのところ)拡大中

WhatsApp(ワッツアップ)のプライバシーポリシーに対する懸念から、欧米では何百万人ものユーザーがSignal(シグナル)やTelegram(テレグラム)に移行しているが、WeChat(ウィーチャット、微信)が長い間支配し、政府がオンラインコミュニケーションに強い影響力を持っている中国でも、暗号化された2つのアプリのユーザー数がわずかに増加している。

WhatsAppが、親会社であるFacebook(フェイスブック)とデータを共有することを、ポップアップ通知によってユーザーに知らせたことを受けて、ユーザーは別の暗号化されたプラットフォームへと脱出を始めた。Telegramはその公式Telegramチャンネル上で、米国時間1月10日から13日の間だけでユーザーが2500万人増加したと発表した。一方でSignalは数十カ国でApp StoreとGoogle Play Storeのトップに急上昇したことを、TechCrunchは早々に取り上げていた

この移行が加速したのは、米国時間1月7日にElon Musk(イーロン・マスク)氏が、その4000万人のTwitter(ツイッター)のフォロワーに対して、エンド・ツー・エンドの暗号化メッセンジャーへの関心をさらに煽るようなツイートでSignalをインストールするよう促したことがきっかけだ。

中国におけるTelegramとSignalの成長は、WhatsApp が主流のチャットアプリである地域における人気の急上昇ほどは顕著ではないものの、この成長は、WeChatの代替となるものがまだ中国に様々なかたちで存在していることを思い出させてくれる。

調査会社Sensor Tower(センサー・タワー)のデータによれば、Signalは中国時間1月8日から12日までの間に中国のApp Storeから9000件の新規ダウンロードが行われた。これは1月3日から7日までの期間と比較して500%の増加だった。一方、Telegramは中国時間1月8日から12日の間に1万7000回ダウンロードされ、1月3日から7日の期間と比べて6%増加した。WhatsAppの成長は停滞し、両期間で1万ダウンロードを記録した。

センサータワーの推計によると、Telegramの中国のApp Storeにおける総インストール数は約270万回で、一方Signalのダウンロード数は45万8000回、WhatsAppのダウンロード数は950万回となっている。

中国でTelegram、Signal、WhatsAppにアクセスできるという事実を知って、驚く人もいるかもしれない。しかし、中国の検閲判断は、恣意的で一貫性がないこともあり得る。検閲モニターサイトのApple Censorship(アップル・センサーシップ)が示しているように、中国のApp Storeでは、主要な欧米のメッセンジャーは現在でもすべてが利用可能だ。

Android(アンドロイド)の場合はもっと複雑な状況になっている。中国ではGoogleのサービスの大部分がブロックされており、AndroidユーザーはTencent(テンセント、腾讯)やBaidu(バイドゥ、百度)などの現地企業が運営するAndroidアプリストアに戻っている。TelegramもSignalも、こうしたサードパーティーによるAndroidストアには置かれていないが、仮想プライベートネットワーク(VPN)などを使って、中国のグレート・ファイアウォール(GFW)迂回できるユーザーは、Google Playにアクセスして暗号化されたメッセンジャーをインストールすることができる。

次の課題は、これらのアプリを実際に使うことだ。主要なチャットアプリはすべて、北京の検閲組織からわずかに異なる扱いを受けている。Signal のように、VPN を必要とせずに完全に動作するものもある。ユーザーからの報告によれば、WhatsAppは中国ではVPNを使わずに動作することもあるものの、読み込みが非常に遅いとのことだ。そして、FacebookはVPNがないとまったく機能しない。

「一部のウェブサイトやアプリは、当局がウェブサイトやアプリをブロックしたり、破壊しようと考える一定数の閾値にユーザーが達するまで、手つかずのまま放置される可能性があります」と語るのは、中国のインターネットをモニターする組織でありApple Consorshipも運営する、Great Fireの責任者であるCharlie Smith(チャーリー・スミス)氏(仮名)だ。

「おそらく今回のWhatsAppからの大量移行の前には、Signalは中国ではそれほど多くのユーザーを持っていませんでした。それによって当局がSignalの制限を考慮した可能性がある場合には、先週の間に状況が変わった可能性があります」とスミス氏は付け加えた。

2017年に制定されたサイバーセキュリティ法に従うなら、中国で合法的に運営するためには、企業は中国国内でデータを保管し、セキュリティのスポットチェックのために当局に情報を提出しなければならない。たとえばAppleは、現地のクラウドプロバイダーと提携し、中国のユーザーのデータを保管している。

この要件は、SignalやTelegramなどの海外アプリが中国当局とどのようなやりとりをしているのかに関する疑問を投げかけている。Signalは、旧英国の植民地に対する北京の統制強化に対する懸念が高まった際には、香港警察にデータを引き渡したことはなく、引き渡すデータもなかったと語っている

スミス氏によれば、中国におけるSignalのようなアプリに対する最大の圧力は、Appleからやってくるという。Appleは中国当局への情報提供に対して、常に投資家や活動家から常に攻撃されている。

近年、米国の巨大企業Appleは、中国でのアプリの取り締まりを強化し、VPNプロバイダーRSSフィードリーダーポッドキャストアプリなどの、中国のユーザーがフィルタリングされていない情報へのアクセスを許可するサービスに狙いを定めている。また、Appleはここ数四半期には、何年も放置してきた多数の未認可ゲームを追放してきた。

「Appleは、当局が検閲したいと考えるアプリを先回りして検閲してきた歴史を持っている」とスミス氏は観察している。「Apple独自の判断にせよ、または当局からの要請に直接対応したものにせよ、もしAppleが中国でSignalを削除することを決定した場合には、中国のAppleユーザーは安全なメッセージングの選択肢を失うことになります」。

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・検閲により中国のApple App Storeから2つのポッドキャストアプリが消える
・Appleが中国で4年放置されていたApp Storeの抜け穴をやっと封鎖

カテゴリー:セキュリティ
タグ:メッセージ暗号化SignalTelegramWhatsApp中国

画像クレジット:Yves Dean/Getty Images

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(翻訳:sako)

ユーザー数5億人に迫るインスタントメッセージアプリTelegramが2021年に広告プラットフォーム導入

インスタントメッセージアプリTelegram(テレグラム)のユーザー数は5億人に「近づいて」おり、事業を存続させるために2021年から売上を生み出す計画だと創業者のPavel Durov(パヴェル・ドューロフ)氏が米国時間12月23日に述べた。

ドゥーロフ氏は、創業7年になるTelegramの事業資金はこれまで個人の金で賄ってきたが、事業が拡大したため収益化の方法を模索していると述べた。「我々のサイズのプロジェクトだと事業を継続するために少なくとも年数億ドル(数百億円)が必要」と説明した。

2020年4月にアクティブユーザー数が4億人超となったTelegramは、パブリックの一対多数チャンネルに自前の広告プラットフォームを導入する。「ユーザーフレンドリーで、プライバシーを尊重し、サーバーとトラフィックの費用をカバーすることができる」とドゥーロフ氏は自身のTelegramチャンネルに書いている。

「広告プラットフォームを通じた大規模なパブリックの一対多数チャンネルで収益を上げれば、こうしたチャンネルのオーナーはそのチャンネルのサイズに応じて無料のトラフィックを受け取ります」と同氏は書いた。Telegramがサービスで収益を上げられる別の方法は、「より表現性のある機能」があるプレミアムなステッカーを使うものだと同氏は説明した。「この新しいタイプのスティッカーを制作するアーティストも収益の一部を受け取ります。Telegramを使う何百万というクリエイターや零細事業者が繁栄し、全ユーザーのエクスペリエンスを豊かなものにしてほしいと考えています」

一部のアナリストは、Telegramがブロックチェーントークンのプロジェクトでプラットフォームを収益化できると期待していた。しかしプロジェクトは遅延し、また規制当局とのトラブルを受けてTelegramは2020年5月、ブロックチェーントークンのプロジェクトを中止することを決めたと発表した(未訳記事)。

このプロジェクトのために、ドバイに拠点を置くTelegramは2018年に投資家から17億ドル(約1760億円)を調達した。ブロックチェーンのソフトウェアを開発後、グラムと呼ばれるトークンの流通を計画した。Telegramは2020年初め、投資家に12億ドル(約1240億円)のリターンを提供した。

「Telegramはソーシャルネットワーキングの側面を持っています。当社の膨大なパブリックの一対多数チャンネルはそれぞれ何百万という購読者を持つことができ、Twitter(ツイッター)フィードのようなものです。多くのマーケットでそうしたチャンネルの所有者は、ときにサードパーティの広告プラットフォームを使って稼ぐために広告を表示できます。表示した広告は普通のメッセージのように見え、往々にして侵入的です。当社は独自のAd Platformをパブリックの一対多数チャンネルに導入することでこの問題を解決します」とドゥーロフ氏は書いた。

同氏によると、既存の機能はすべて無料のままだ。同氏はFacebook(フェイスブック)が所有するWhatsApp(ワッツアップ)を最も批判している人の1人で、プライベートの一対一チャットやグループチャットに広告を導入するのは「悪いアイデア」であるとし、Telegramは決して導入しないことを約束している。

「WhatsAppの創業者のように、我々は会社を売却することはしません。世界はユーザーがリスペクトされ、高品質のサービスが確保されるところとしてTelegramを必要としています」と同氏は書いた。「Telegramは来年から収益を上げ始めます。当社の価値観、過去7年で約束してきたことに沿って取り組みます。現在の事業規模のおかげで、当社は非侵入的な方法で収益化することができます。大半のユーザーは変更にほとんど気づかないでしょう」。

Telegramはまた、12月23日に新しいグループ音声チャット機能をアプリに加えた。この新機能は、数千人の参加を許容するDiscord(ディスコード)のalways-onルームに似ている。

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(翻訳:Mizoguchi