テスラがソフトウェアアップデートでSpotifyやYouTube、Netflixに対応

Tesla(テスラ)が、多くの新機能が使えるようになるソフトウェアアップデートの配信を始めた(バージョン10.0)。これらの新機能の中には、5000ドルする完全自動運転オプション付きの車であれば駐車スポットから駐車場内にいる自分のところまで車を自動運転で呼び出せる「Smart Summon」が含まれる。

これは、Teslaが一般向けに提供しているものの中で最も高度な半自動運転機能のひとつだ。同社はまだ、この機能は駐車場でだけ、そして車がはっきりと目で確認できる時にだけ使うこととしている。また、最終的にはユーザーが車両の責任を負うことも同社は指摘していて、この機能を使うときには車やその周囲に注意を払わなければならない。もし、必要なら車をリモート操作で止めることもできる。Smart Summonは一部の顧客にのみベータ公開されてきたが、ようやく完全自動運転オプションを購入した全車両で使用できるようになる。

今回のアップデートで導入された他の機能には、リクエストの多かったSpotifyのサポートが含まれる。これはSpotifyに対応するマーケットでプレミアムのアカウントを持っているユーザーなら誰でも利用できる。この新機能は、かなり人気のストリーミングサービスのオーディオをBluetoothで流すのを不満に思っていたTesla車オーナーを満足させるのに大いに役立つはずだ。Teslaはまた、中国ではXimalayaというポッドキャストとオーディオブックのストリーミングサービスを提供する。

バージョン10.0で加わったTesla Theater Modeは車内イフォテイメント(車内エンターテインメント)システムをユーザーのNetflix、YouTube、Hulu/Hulu+(もし購読しているならLive TVも含む)のアカウントにつなげる。これにより、車が安全に停められている間、こうしたプラットフォームのストリーミングビデオにアクセスできるようになる。中国ではIQiyiとTencent Videoも利用できるようになる。さらには今後もグローバルでさらにオプションを増やすとしている。新しいTesla Theater Modeではまた、Tesla車両オーナー向けに車両の取扱説明も提供する(繰り返しになるが駐車している間のみだ)。

今回のアップデートの多くは「Car-aoke」モードをはじめとするエンターテインメント機能にフォーカスしている。聞いて想像がつくかと思うが、Car-aokeモードとは車内カラオケが体験できる機能。膨大な曲と歌詞のライブラリが用意されており、Teslaによると複数の言語もサポートするそうだ。車で移動しながら車内で歌うというのは、これまでローテクなオプションのみだったが、新機能はアマチュアのJames Cordens(ジェームズ・コーデン)をサポートするものになりそうだ。

【編集部注】ジェームズ・コーデンは、自動車を運転しながら、ゲストの歌手と一緒に車内でカラオケで歌を歌ったり、インタビューしたりする「Carpool Karaoke」(カープール・カラオケ)という人気番組を担当している。

新しいエンターテイメント機能で大事なことをひとつ言い残した。Teslaが今年初めに立ち上げた車内ゲーミングソフトウェアのTesla ArcadeでCupheadの提供が始まる。Cupheadは大ヒットしたインディゲームで、初期のディズニーアニメーションを思わせるアートスタイルが特徴だ。これはTeslaのコアなギーク視聴者を絶対に虜にするだろう(おそらくマスク氏自身にとってもご褒美のようなものになる)。不注意運転になることを心配する人もいるかもしれないので再び繰り返すが、この機能が使えるのは駐車しているときだけだ。

Teslaはまた、ドライブルート上にある良さそうなレストランや観光スポットを提案する、いくつかの新たなナビゲーション機能も加えた。加えて、車載カメラを使ってドライブレコーダーモードとSentryモードそれぞれでとらえたものをユーザーが見つけやすくなるよう、ビデオを分ける新たなファイルシステムも搭載される。ストレージが必要なときは自動で削除される。

目を引く新しい機能がたくさん詰まったこのアップデートは今週から、ネットワークを介した配信で展開される。前述したように、地域によっては若干の違いは見られるが、もしプレビューが見たければショールームでアップデートをチェックできるとのことだ。

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(翻訳:Mizoguchi)

テスラの2018年1月の衝突事故はAutopilotの設計と運転者の不注意が原因と判明

NTSB(National Transportation Safety Board、米国家運輸安全委員会)は、2018年1月にTesla(テスラ)のModel Sが、米国カリフォルニア南部の高速道路に駐車していた消防車に衝突した原因を、米国時間9月4日に明らかにした。運転者の不注意、先進的ドライバー支援システムAutopilot(オートパイロット)の設計、そうした機能への過信といった要因の組み合わせによるものという。

NTSBは、事故に関する重要な詳細を示した暫定的な概要を発行した翌日に、衝突の推定原因に関するブリーフィングを提出した。そこには、消防車に衝突した際に、Model SはAutopilotモードに入っていたことが記されている。

2014年式のTesla Model Sによる衝突事故は、2014年1月22日にカリフォルニア州カルバーシティで発生した。州間ハイウェイ405の上に駐車していた消防車に衝突するまでのほぼ14分間にわたって、そのTeslaではAutopilotが作動していた。運転者は、その事故で負傷しなかった。また消防車には人が乗っていなかった。

Tesla Model Sのオーナーズマニュアルには、こうした機能の制限事項とともに、運転者がハンドルを握り続けることの必要性について、多くの警告が記載されている。しかし運転者は、そうしたことに注意を払っていないのだと、NTSBは言う。さらに重要なことは、TeslaのAutopilotの設計は、運転者が運転操作を放棄することを許していると、NTSBは結論付けている。

NTSBによると、Autopilotは、衝突直前の13分48秒の間作動していた。その間、運転者がハンドルにトルクをかけていたのは、わずか51秒間だけだったと、システムが検出していた。また衝突した車両は、「ハードウェア1」というバージョンであったことにも注意する必要があるという。Model Sの「ハードウェア2」バージョンは、2016年に生産が始まり、より信頼性の高いセンサー類を装備している。

Teslaは、報告書に回答して以下のように述べている。これまでにTesla車のオーナーは、Autopilotを有効にした状態で延べ何十億マイルも走っている。同社の四半期ごとの車両安全性レポート(Vehicle Safety Report)のデータによれば、Autopilotを利用する運転者の方が、そのようなアシスタント機能を利用しない人に比べて、より安全であることが示されている、というのだ。

その衝突事故以降、TeslaはAutopilotシステムに改良を加えてきた。手放し運転に対する警告の時間間隔や、作動可能な条件などを調整したと、同社の広報担当者は声明で述べている。

Autopilotには、2つの重要な機能が含まれている。Autosteer(自動操舵)とTraffic-Aware Cruise Control(交通量感知型クルーズコントロール)だ。自動操舵は、同じ車線を維持して走行することを支援するシステムであり、交通量感知型クルーズコントロールが作動してからでなければ機能しないようになっている。交通量感知型クルーズコントロールは、カメラとレーダーからの情報に基づいて、速度を自動調整する。

衝突の詳細

NTSBによると、そのModel SではAutopilotが作動中であり、相乗り専用レーンを他の車の後ろについて走っていた。衝突の15秒前に、Autopilotシステムは、先行する2台の車を検出して追走を始めた。データによると、衝突の3〜4秒前に、先行車が右に車線を変更したと、NTSBのレポートは述べている。交通量感知型クルーズコントロールは、先行車を検出しなくなったため、Teslaを約21mph(約34km/h)から、クルーズコントロールにセットされていた80mph(約129km/h)まで加速しようとした。この値は、衝突の約5分前に、運転者によって設定されていた。

Autopilotシステムは、Teslaの進行方向に静止している物体を衝突の約0.49秒前に検出し、衝突および衝突予告警告が発動した。これは、視覚および聴覚に訴える警報を発するもの。衝撃の瞬間には、Teslaは30.9mph(49.7km/h)にまで加速していた。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

2018年のテスラ車の衝突事故当時「オートパイロット」が作動中だった

昨年Tesla Model Sが米国南カリフォルニアで消防車に衝突したとき、同社の最新運転支援システムである「オートパイロット」が作動していたことが、米国時間9月2日に国家安全委員会(NTSS)が公開した中間報告書でわかった。

ロイターは、この公開文書の内容を最初に報じた。NTSBが決定した推定原因を含む最終事故報告書は米国時間9月3日に公表される予定だ。

2014年型Tesla Model Sが関与した衝突事故は、2018年1月22日にカリフォルニア州カルバーシティーで起きた。Tesla車は州間高速道路405号線に駐車していた消防自動車に衝突するまでの約14分間オートパイロットが作動していた。運転者に怪我はなく、消防車は無人だった。

Tesla(テスラ)は報告書についてコメントしていない。

報告書によると、オートパイロット走行中に運転者は多数の警告を受けていたにも関わらずほとんどの時間ハンドルを持っていなかった。オートパイロットは衝突前の13分48秒間作動しており、その間に運転者がハンドルに力を加えたことをシステムが検出したのは51秒だけだった、とNTSBは書いている。

その他の発見事項は以下のとおり。

  • システムはオートパイロット作動中の手放し行為について4回の個別の状況下で視覚的警告を与えた。
  • システムは第一レベルの音声警告を1回与えた。それは最初の視覚的警告の後だった。
  • 運転手がハンドルに力を加えていなかったことをシステムが検出した最長時間は3分41秒だった。

2018年に消防車に衝突した事故で、当該車両では「ハードウェアバージョン1」および2017年12月28日にインターネット経由のソフトウェアアップデートでインストールされたファームウェアが動作していた。同テクノロジーは、車線維持、側面接触警告、緊急自動ブレーキに加え、適応型クルーズコントロールやオートステア機能など数多くの便利な機能や安全機能を提供している。

報告書によると、運転者が事故当時携帯メールや通話をしていた証拠は見つかっていないが、ある目撃者は捜査担当者に、運転者は下を向いてスマートホンと思われるものを見ていたと話した。運転者は事故当時コーヒーかベーグルを持っていた可能性があると報告書は伝えている。

オートパイロットは、特に2016年にフロリダ州で起きた死亡事故や、最近カリフォルニア州でModel X運転中に高速道路の分離帯に衝突して死亡したWalter Huang(ウォルター・ファン)氏の事故以来、NTSBが厳しく監視している。2016年の死亡事故の後、国家道路交通安全局(NHTSA)も捜査に乗り出し、最終的にオートパイロットに欠陥は見つからなかった。NTSBは2016年の事故を、システムの制約を含む複数の要因の組み合わせによって起きたものだと結論を下した。

ファン氏の遺族は2019年5月にテスラおよびカリフォルニア州運輸局を相手に訴訟を起こした。不法死亡訴訟はカリフォルニア州最高裁判所サンタクララ郡に提出され、テスラのオートパイロット運転支援システムの欠陥が事故の原因であると訴えた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Tesla Model 3の内装がハンドル含め完全レザー未使用に

Tesla(テスラ)は米国時間8月31日、同社のModel 3の内装が完全にレザー未使用になったと述べ、今年の年次株主総会でCEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏が約束した内容を履行した。

Teslaはここ数年、レザーを使用しない内装に近づいていた。しかし障害となっていたのは、PETAの活動家からの要請に応えて、マスク氏が6月の同社の株主総会で言及したハンドルだった。

「我々はもう少しで非加熱でレザーを使用しないハンドルを手に入れるところだ」と当時マスク氏は語っていた。「非革素材を加熱する際の課題や、時間の経過とともにどれだけ長持ちするかといった課題がある」。

マスク氏は、Model YとModel 3は2020年までにレザー未使用になると述べたが、Model SとModel Xでも同じ目標を達成できるかどうかは分からないと語っている。

Teslaは一部の株主から2015年に、2019年までに同社の電気自動車の内装に動物由来のレザーを使用しないという提案を受けた。株主はこの提案を拒否したが、一方でレザー未使用の内装部品の採用が始められた。

Teslaはまず、非レザーのシートをオプションで提供することから始めた。また同社は2年前に、Model 3、Model X、Model Sで合成素材の基準を設定した。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Spotifyが北米のテスラ車両にやってくる

米国とカナダのTesla(テスラ)オーナーは、これまで要求してた無料でのSpotify Premiumの統合の恩恵を受けられるかもしれない。

TeslaでCEOを務めるElon Musk(イーロン・マスク)氏は米国時間8月14日の夜遅く、Spotify Premiumの統合が「もうすぐくる」とツイートした。彼は以前にも北米地域へのSpotifyの導入について語ったことがあるが、その時期については触れていなかった。言い換えれば、Spotifyの統合は来週か、あるいは6カ月後という可能性もあるわけだ。

それでも、米国とカナダのすべてのTesla車両に統合されている音楽ストリーミングサービスのSlacker Radioに満足していない多くのユーザーにとっては朗報だ。ヨーロッパやオーストラリア、香港のオーナー向けには2015年後半からSpotify Premiumが統合されている。

2007年にローンチされたSlacker Radioは、リスナーの好みにあわせてカスタマイズ可能なラジオステーションを提供している。無料購読が可能なこのサービスは、DJを使ってプログラムをキュレートすることでSpotifyやPandoraとの差別化を図り、一時は音楽プレーヤーまで発売した。しかしその努力もかなわず、Slackerは2019年6月末時点の月間アクティブユーザー数が2億3200万人、有料購読者が1億800万人のSpotifyの影に隠れている。

Slackerは2017年に、エンターテイメントとライブミュージック・パフォーマンスにフォーカスしたストリーミングサービスを展開するLiveXLiveによって、5000万ドル(約53億円)と株式で買収された。

LiveXLiveは昨年、80局以上のオリジナルラジオ局をもつデジタルラジオ放送プラットフォームのDash Radioとの提携を発表した。この契約により、DashがSlacker Radioで利用できるようになり、そのラジオ放送をストリーミングサービスにて幅広く展開することになる。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

テスラの「Megapack」はピーク時電力を供給する巨大バッテリーシステム

Tesla(テスラ)は新しい公共規模のエネルギー蓄積製品としてMegapackを発表した。同社が南オーストラリアで天然ガス利用の「ピーカー」発電所の代替手段として展開した巨大バッテリーシステムに基づいている。

Megapackは、Teslaが提供する3番目にして最大のエネルギー蓄積システムだ。同社は、住宅用にPowerwall、商業用にPowerpackというシステムも販売している。

Teslaが米国時間7月29日にブログで発表したMegapackは、同社のエネルギー蓄積事業の最新商品であり、電気自動車と比べて売上の少ないこの事業を見直し、成長させようとする取り組みだ。Teslaの第2四半期の総売上64億ドルのうち、ソーラーおよびエネルギー蓄積事業の売上はわずか3.68億ドル(約400億円)だった。

7月24日に発表された決算報告によると、Teslaは第2四半期に415MWh(メガワットアワー)相当のエネルギー蓄積商品を販売した。これは前四半期を81%上回る新記録だった。Powerwallはこれまで5万世帯以上に設置されている。

もしTeslaが、現在一般的な天然ガスピーカー発電所に代えて同社製品を使うよう電力会社を説得できれば、エネルギー事業をさらに拡大できる可能性がある。

TeslaのMegapackは、米国カリフォルニア州モスランディングでPG&Eと進めている567MWのエネルギー蓄積プロジェクトのうち、182.5MWを提供する予定だ。

Megapackは、公共事業規模の容易に設置できるように設計・開発された電力蓄積システムた。バッテリーモジュール、双方向インバーター、 熱管理システム、AC遮断管理装置などからなる組み立て済みの完成品で、最大3MWhのエネルギー蓄積能力と1.5MWのインバーター容量を持つ。

Megapackを発表したブログ記事によると、システムにはTeslaが開発したソフトウェアも含まれ、設備の監視、制御、収益化を行う。

Megapackは、すべてPowerhubと呼ばれる大規模公共プロジェクトマイクログリッド向け監視制御プラットフォームに接続されており、Teslaの自動エネルギー売買向け機械学習プラットフォーム、Autobidderとの統合も可能だと同社は言っている。

MegapackはTeslaのHornsdaleプロジェクトが元になった。 南オーストラリアのジェームズタウン近郊にあるフランスNeoen社の風力発電所に100MWのPowerpackシステムを組み合わせた取り組みだ。TeslaのPowerpackシステムは風力発電所が発電した電力を蓄積し、ピーク時には電力網に送電する。同設備は稼働一年目に4000万ドル近く節約した。

現在公共電力にとっての第一選択は天然ガスによる「ピーカー」発電所だ。ピーカー発電所は、気温上昇や人口増加のために地域電力網がピーク需要に十分な電力を供給できないときに使用される。

Teslaは維持可能な代替手段を提供することを期待している。そしてカリフォルニア州のように意欲的な排出目標を掲げる州では、Teslaが強固な立場を得られる可能性がある。電力会社は、天然ガス利用のピーカー発電所に代えて、Megapackを使ってソーラーや風力の余剰エネルギーを蓄積して電力網のピーク時負荷を低減することができる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

人気インディーズアクションゲーム「Cuphead」が8月にテスラ車両にローンチ

Tesla(テスラ)車両のゲームライブラリは大きくなりつつあり、新たに発表されたタイトル「Cuphead」(カップヘッド)は、おそらくゲームファンにとっておなじみのものだろう。2013年にデビューした後、2017年にXbox OneやWindowsにリリースされたこのインディーズゲームは、手書きのレトロなディズニー風のアニメーションスタイルで大いに注目を集めた。

Tesla でCEOを務めるイーロン・マスク氏は、車内アーケードライブラリへの「Chess」のリリースの投稿への返答の中で、Cupheadが8月のいずれかの時期にTesla車両にリリースされることを明かした。マスク氏によれば、ゲームは車内ディスプレイでは60fpsにて動作するが、4K解像度はサポートされない。レトロ風ゲームであることを考えれば、その必要もないだろう。

CupheadはmacOSとNintendo Switchにもリリースされており、そのユニークなグラフィックだけでなく、挑戦的なゲームプレイも称賛されている。このゲームは1人もしくいは2人のプレーヤーがプレイでき、頻繁なボス戦を含む横スクロールスタイルのシューティングゲームだ(Tesla車両は現在、ゲームパッドのコントローラーを使った他のゲームもサポートしている)。

マスク氏はツイートにて、「CupheadのローンチにはTeslaの車載OSのUnity(ゲーム開発環境)の導入を利用することになるが、これはすでに完了しておりコントロールの改良が進められている。USB経由でゲームストレージが追加できるようになることで、オンボードストレージの制限が解消され、Teslaオーナーはフラッシュドライブを追加することでより多くのダウンロードしたゲームを保存できるようになる」と表明している。

今月Netflix(ネットフリックス)はCupheadをベースにしたアニメーションシリーズを開発すると発表しており、またゲームは全世界にて400万本以上が販売された。Telsaは先月、専用の車載アプリとしてTesla Arcadeをローンチしており、車内で楽しめるゲームのコレクションを増やしている。もちろん、ゲームは停車中にしか遊べないのことはいうまでもない。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

テスラの車内ゲームセンター「テスラアーケード」にチェスがやってきた

Tesla(テスラ)のオーナーは、7月26日から新しいゲームで遊べるようになる。同社は6月のゲームカンファレンスE3で、車載インフォテインメントシステム用の「アーケード」(ゲームセンター)アプリを発表し、そして今度はそこに世界で最もスリリングなゲームであるチェスを加える。

テスラのインフォテインメントシステムの画面にゲームが登場するのはこれが初めてではない。以前はいわゆる「イースターエッグ」、つまり隠れソフトとしてゲームがあった。そして6月にはアーケードをデモして、ショウルームに来る人は6月30日まで遊べるようにした。

テスラのドライバーは乗客と対戦したり、あるいは車と対戦、または車が自分自身と対戦するのを観戦できる。チェスのデモビデオでは、西部劇スタイルのテスラドライバーが原野で勝負しているが、おもしろいアプローチだ。駐車中にプレイしているデモもあるが、言うまでもなくそれは実際にこのゲームをプレイできる唯一の機会だ。

車の0mphから60mph(97kmh)までの加速時間よりあなたが次の手を決めるまでの時間のほうが長かったら、チェックメイト(詰み)とする。全世界のテスラアーケードに今日からチェスがやってくる。

本日の一般的なアップデートに加えてテスラは「ビーチバギーレース」のアップデートも発表した。テスラのステアリングホイールで遊ぶカートレースだが、今度は2つのゲームコントローラーを使えるようになったので、車内の乗客とローカルなマルチプレイができる。もちろん、これも運転中はノー。

Bethesda(ベセスダ)はE3で、モバイルゲームのFallout Shelterを車内で遊べるようにし、イーロン・マスク氏はこのプラットホームをいろんなデベロッパー向けにもっと開放するとコメントした。ということは、次はテスラアーケードにもやってくるってことかな。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

テスラの自動運転オプション、8月に最大約100万円値上げ

Tesla(テスラ)車に搭載する自動運転機能オプションがさらに値上げされる。まだ完全に実用化されていないこの機能の値を同社が上げるのは、この数カ月間で2回目だ。

TeslaのCEO、Elon Musk(イーロン・マスク)氏は火曜日、完全自動運転オプションの価格が8月16日から最大1000ドル(約108万円)上がる、とツイートした。将来完全に自動運転能力を有するようになるとMusk氏が約束しているフルセルフドライビング(FSD)は現在6000ドル(約650万円)する。

Musk氏は以前、FSDは「何回か値上げされるだろう」と語っていた。5000ドルから6000ドルになった最初の値上げは5月1日に実行された。以前のツイートでMusk氏は、値上げ額は全部で3000ドルちょっとくらいになるかもしれない、と言っていた。つまり、Tesla車購入者は今回の値上げ以降もさらに値が上がることを覚悟しなければならない。

これは戦略の一環で、値上げのツイートに続き、Musk氏は「FSDオプションは数カ月ごとに値上げされるだろう。早く購入するとトクだ」とも発信した。

Tesla車は自動運転ではない。最終的にフル自動運転になるまで、高度運転支援システムは改善され続ける、とMusk氏は約束している。

Tesla車には、アダプティブ・クルーズ・コントロール(定速走行・車間距離制御装置)とレーン・ステアリングを提供する高度運転支援システム「Autopilot」が標準装備されている。Teslaはかつてこの機能も有料で販売していたが、2019年4月にスタンダードにした。

Autopilotよりも高機能なバージョンがFSDだ。FSDには、パーキング機能の「Summon」や、インターチェンジや車線変更を含む、高速道路の出口車線へ車を誘導するアクティブガイダンスシステムNavigate on Autopilotがある。ドライバーがナビゲーションシステムに目的地を入力すると、Navigate on Autopilotを利用できるようになる。

Teslaは2016年10月に、全ての車に「フル自動運転」に必要なハードウェアが装備されるだろう、と発表した。その後同社はハードウェアについて修正し、2019年春から新車には新カスタムコンピューターチップが搭載されている。

ゆくゆくは自動運転を提供するというオプションをTeslaが有料で提供するようになってから3年近くがたつ。そして顧客はまだ待たされ続けている。

TeslaはNavigate on Autopilotと広範なFSDの改善を無線でのソフトウェアアップデートを通じて続けている。Teslaはウェブサイトで、FSDは間もなく信号や停止サインを認識して反応できるようになり、街中の道路でも自動運転ができるようになる、と案内している。

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(翻訳:Mizoguchi)

テスラが対歩行者用自動緊急ブレーキの最新版を披露

去る2017年、Tesla(テスラ)は自動緊急ブレーキ(AEB)システムを、同社のオートパイロット技術を搭載する全車種に導入した(実際にオートパイロット・走行支援のアップグレードを購入していない車も対象)。そしてこのたび同社は、次世代のAEBアップグレードに導入予定の最新機能を披露した。

その一つは、オートパイロットベースのシステムが、車の進路を遮る歩行者や自転車を検知すると、自動的にブレーキがかかるシステムだ。下のビデオは、Teslaの公式Twitterアカウントによると、実世界でこの機能が作動したところだそうだ。

この種の機能は新しいものではなく、Volvo(ボルボ)が2009年に採用した自動ブレーキシステムに採用して以来、いくつも登場している。交通安全団体や米国道路安全保険協会(IIHS)、幹線道路交通安全局(NHTSA)などの規制当局も、これらのシステムを数年前から試験して推進している。

しかし、AEBや運転支援機構はどれも同じではない。理論的には、高度なセンサーとコンピューターを搭載する車ほど、実際に衝突を回避したり予防したりする効果は高い。Teslaは自社のシステム、特に将来のTesla車で自動運転の「頭脳」となる自社製AIプロセッサーと組み合わせた場合の能力について強気な発言をしている

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

テスラのQ2納車台数は9万5200台で過去最多に

Tesla(テスラ)は第2四半期に電気自動車9万5200台を納車した。不本意な結果だった第1四半期から劇的な復活となったこの数字は過去最多を記録し、アナリストの予測を上回った。

FactSetが集計した予測によると、アナリストはTeslaの第2四半期の納車台数を9万1000台と予想していた。

この空前の数字は、前四半期から3分の1近くの減となった第1四半期の6万3000台とは対照的だ。第1四半期は落ち込んだ納車台数とコスト、車両価格調整のために、予想よりも大きな損失7億200万ドルを計上した。

第2四半期は、少なくとも納車台数においては同社にとってはバラ色で、まだ発表されていないがおそらく売上高もそうなるだろう。

Teslaはまた製造台数も発表し、前四半期が7万7100台だったのに比べ今期は8万7048台だった。この数字もまた第4四半期の8万6555台を上回った。

Teslaは、グローバルロジスティックと納車オペレーション(同社の最大の弱点だ)の流れにおいて目覚ましい進歩を達成したと明らかにした。これにより省コスト性と運転資本状態が改善したとのことだ。

同社はまた今回の数字が一時的なものではないとの見方も示した。第2四半期の注文は納車台数を上回っていて、これは第3四半期の数字につながることを意味する。

Teslaによると、第2四半期末に顧客への引き渡し最中にあった台数は7400台あまりだった。今後この引き渡し途中の車両台数は明らかにしない、としている。

イメージクレジット:Tesla

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(翻訳:Mizoguchi)

テスラ車のスケッチパッドがアップデート、車内カラオケも登場予定

Tsla(テスラ)車のオーナーは車内情報タッチスクリーンを使い、より自分を芸術的に表現できるようになる。テスラ社はTwitterにて米国時間6月29日、近くリリースされるアップデートによりスケッチパッドの機能が改良され、2年以上前に初めてイースターエッグ(いたずら)として車内に登場した機能にとって、不可欠なアップグレードを提供すると明かした。

テスラ車両の車内ドローイングソフトウェア(奇妙に聞こえるかもしれないが)は、カラーピッカーや彩度コントロール、アンドゥの履歴を使いたいという顧客からの要望を受け、次のメジャーアップデートにて新機能が追加される予定だ。ツイートをみるかぎり、これらのすべての機能が追加されるようだが、用意されている改良はこれだけではないのかもしれない。

テスラでCEOを務めるイーロン・マスク氏は5月、アニメーションのサポートを追加を求める別のツイートにも返答している。マスク氏はただ「OK」としか返していないが、彼のミームへの愛を考えれば、スケッチパッドの次期バージョンにてGIF出力がサポートされてもまったく驚かない。

マスク氏はまた、「すべてのテスラ車両には、優れたアート・ミュージック制作ソフトウェアが搭載されるべきだ」とも述べている。これはどうやら必須機能ではないようだが、億万長者のマスク氏のこと、なにを考えているのかは予測できない。

それだけでなく、マスク氏は音楽キュレーションについてのいくつかの詳細についても触れている。どうやら簡易なミュージックツール、そして「車内カラオケ」が今後登場するらしい。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

上海でのテスラ車の発火はバッテリーモジュールが原因

国際的にメディアの関心を集めた、4月に上海で起きたTesla(テスラ)Model Sの発火はバッテリーモジュールが原因でシステムの欠陥ではなかった、とTeslaが金曜日に明らかにした。

TeslaはソーシャルメディアWeiboへの投稿の中で発火原因についての情報をアップデートした。調査チームはバッテリー、車の履歴、ソフトウェア、製造データを分析した。その結果、発火は車両フロントに搭載された1つのバッテリーモジュールが原因だった、とした。

同社はModel SセダンとModel X SUVを対象としたバッテリー充電と温度管理設定を変更するソフトウェアのアップデートを行なった。

このソフトウェアアップデートは最初、香港での別のModel S発火を調査した後の5月に発表されていた。このケースでは、3月14日に香港のショッピングモール近くに停めていた間にModel Sが発火した。この車両は、燃え上がる前に30分ほど停止した状態だった。監視カメラの映像では3回の爆発が確認された。

当時Teslaは、“十分な注意”なしにソフトウェアのアップデートが実行されていた、と語った。このアップデートは“バッテリーを保護し、寿命を改善する”ためのもので、無線ネットワーク上でのソフトウェアアップデートはModel 3では行われない見込みだ。

Teslaはその一方で、発火事故を真剣に受け止めながらも、同社の電気自動車が発火する可能性はガソリン車よりも低い、としている。

中国のスタートアップNioとAudiもバッテリー発火の恐れがあるためにリコールを発表した。Audiの場合、発火はこれまでのところ報告されていない。しかしAudiは、ワイヤーハーネスを通じて湿気が電池の中にしみこむことが明らかになった後、米国でE-Tron SUVの自主回収を発表した。これが原因でバッテリー不具合の警告が出たケースは世界で5件報告されている。

Nioは古いバッテリーパックモジュールにおけるデザインの問題に取り組んでいる。ES8 SUVの納車を2018年6月に始めたNioは中国での一連のバッテリー発火を受け、車両5000台近くを回収している。その後の調査で安全上のリスクにつながる弱点を明らかにした。

バッテリーパックモジュールのサプライヤーを含むNioが率いる専門家チームは、上海で報告されたES8での発火を調査した。そしてチームは漏電を引き起こすかもしれないバッテリーパックデザインの弱点があったと結論づけた。このケースでは、車両に搭載されたバッテリーパックはモジュールNEV-P50が使用されていた。

2018年10月20日以降に生産された70kWhバッテリーパックを搭載した車両ではNEV-P102モジュールが使用されていて、異なる内部構造になっている。こうしたパックでは同様のリスクはない、とNioは話している。

イメージクレジット: Daniel Fung/SOPA Images/LightRocket / Getty Images

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テスラが自前でバッテリー開発を検討中との報道

自動車メーカーのTesla(テスラ)が、サプライチェーンの主要パートの1つを自前で抱えたらどうなるか、カリフォルニア州フリーモントの工場近くの秘密のラボで行われている研究を通じて検討中だ、とCNBCが報じた。テスラは現在、車載用のバッテリーパックと電池の製造をパナソニックに頼っている。これは全体の部品表の中で最も重要な構成要素といわなくても、重要なものの1つだ。

Teslaにとって、自動車メーカーの間では一般的なサプライチェーンの構成要素を外部業者に任せるのではなく、自前で抱えるのは初めてではない。例えばTeslaはフリーモントの車工場の少し先にある施設で自社製品向けの座席を作っている。そして最近では、Nvidiaに代わって自動運転機能のための自前のチップの製造を始めた。

利用可能なチェーンの排除はTeslaのCEOであるElon Musk氏(イーロン・マスク)氏がApple(アップル)に得たインスピレーションからきている。AppleではSteve Jobs(スティーブ・ジョブズ)氏がサプライミックスの主要部分のコントロールを握る押しの強い戦略をとり、部品コストの改善を図った。車だけでなくソーラーエネルギーシステム向けのバッテリーであるPowerwallのような家庭用電気プロダクトも製造するTeslaの能力について、マスク氏はバッテリーが大きな制約となっていると繰り返し指摘してきた。

CNBCの報道によると、TeslaはKato roadがあるフリーモントの工場の近くの実験ラボでバッテリーの研究を行っている。しかし、バッテリーに関する野心を、必要とされるスケールでの生産に変えるにはかなりの時間と努力を要し、すぐにパナソニックに代わって生産できるとは思えない。実際、上海工場でモデル3の生産が始まれば、TeslaはパナソニックだけでなくLGもサプライヤーに加えるかもしれない。

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(翻訳:Mizoguchi)

黒のテスラ車を1000ドル値上げする理由

Tesla(テスラ)はかつて標準仕様だった黒塗りモデルを来月から1000ドル値上げすることをCEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏がツイートで語った。採算向上を狙った価格調整の一環だ。

ベーシックなホワイトが新たな(唯一の)無料標準車体カラーになることをマスク氏が後のツイートで付け加えた。同氏は価格変更の理由やそれ以上の詳細は明らかにしなかった。

自動車メーカーは利幅や売上を増やすためのツールとして、価格調整をしたり報奨を与えたりする。しかし今のテスラのやり方は(マスク氏が変更をツイートすることが多い)、何がうまくいくのか、顧客が何を受け入れるかを見極めるためのトライアルのように感じる。

テスラは失望の四半期を受け、このところ広報に力を入れている。去る4月、テスラは第1四半期決算で7.02億ドルという予想を上回る損失を計上し、期待はずれの出荷台数やコスト、価格設定の見直しなどの影響で黒字化への道が遠のいた。

広報活動の一環として、米国時間6月18日に同社は、最新ビデオゲーム Beach Buggy Racing 2をコレクションに加えた。ショウルームに招いた人たちにビデオゲームをプレイしてもらうプロモーションもスタートした。

今年、マスク氏は「フル自動運転」(FSD)の値上げについてツイートした。テスラ車は自動運転車ではない。同氏は、先進運転支援システムによるオートパイロットが改善を続けて将来は完全自動運転になると約束した。オートパイロットは標準装備になった。FSD機能のためのソフトウェアアップデートは6000ドルだ。

またテスラは、税優遇の減額によって販売が停滞するリスクも抱えている。マスク氏は株主総会でテスラ車、特にModel 3には需要の問題はないことを強調した。

マスク氏は水曜日に税優遇の減額をリマインドした。2018年に同社は20万台目の車を納車し、電気自動車の新車買う消費者に与えられる7500ドルの税額控除のカウントダウンが始まった。6月30日以降、税額控除は1875ドルに引き下げられる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

あなたの製品のAIは誰かを困らせていないか?

人工知能(AI)は、顧客の人生をびっくりするような新しい方法で楽にしてくれるものだと、みんなが想像している。製品開発をする側からすれば、最優先すべきは常に顧客だ。しかし、ある顧客の助けになる開発中のソリューションが、別の顧客を遠ざけてしまうという新しい問題を引き起こすことがある。

私たちには、AIを生活や事業を支える非常に優秀な夢のアシスタントだと思いたがる傾向があるが、そうとばかりは言えない。新しいAIサービスをデザインする人間は、このことを肝に銘じておく必要がある。そのサービスが、人を煩わせたり、負担に感じさせたり、悩ませたりする可能性はないか。それは誰か、どんな形によるものか。そしてそれは、直接的に顧客を襲うのか、それともその顧客と共に第三者を捲き込んでしまうのか。AIサービスを利用して顧客の仕事を楽にさせるために、他の人たちに厄介事を押しつけるようでは、結果としてブランドイメージに大きな傷を付けることになる。

私がAmy.aiを使ったときの経験を例に挙げよう。これは、エイミー・イングラムとアンドリュー・イングラムという名前のAIアシスタントを提供するサービスだ(x.aiの製品)。AIアシスタントのエイミーとアンドリューは、最大4人のスケジュールを調整できる。このサービスは、電子メールを操り、非常に困難な会議のスケジューリングを、少なくともスケジュールを立てる人間の立場で解決してくれる。

「エイミー、来週、トムとメアリーとアヌシヤとシャイビーシュと会議ができる時間を探してくれ」と言うだけでことが済むパーソナルアシスタントなら、誰だって使いたいだろう。こう命令すれば、会議室を抑えたり、全員に電子メールを送って、みんなの返事を聞いて調整をするといった雑務を負わずに済む。私自身は、エイミーを使って4人の同僚の都合がいい時間を見つけて楽ができたのだが、それが私以外の4人に苦痛を与えていたのだ。互いに都合がいい時間と場所が見つかるまで大量の電子メール攻撃にさらされたと、彼らは私を責め立てた。

自動車デザイナーは、運転支援のためのさまざまな新しいAIシステムを導入している、もうひとつのグループだ。たとえば、Tesla(テスラ)は先日、オートパイロットソフトウェアをアップデートして、AIが適当と感じたときに自動的に車線変更ができるようになった。隣の車線のほうが速いと、システムが判断したときなどが想像できる。

これを使えば高速車線に安全に入ることができるので、自分で車線変更するときと違い、ドライバーが一切の認知的負担から解放されて有り難いという考え方のようだ。だが、Teslaのシステムに車線変更を任せてしまうと、ハイウェイでレーサー気分になりたい人や、競争心を満たしたい人たちの楽しみが奪われることになる。

隣の車線を走っているドライバーは、Teslaのオートパイロットに対処せざるを得ない。Teslaがぎこちない走りをしたり、速度を落としたり、ハイウェイの常識から外れる動作を見せたりすれば、他のドライバーをイラつかせることになる。さらに、隣の車線の車が高速走行していることをオートパイロットが認識しないまま車線変更を行えば、これまた他のドライバーを怒らせてしまう。私たちには、高速車線は時速100kmで走るものという共通の認識がある。みんなが100kmで走っているところへ、なんの前触れもなく、まったく周りを見ていないかのように、時速90kmの車が割り込んでくるのだ。

あまり混雑していない2車線のハイウェイなら、Teslaのソフトウェアもうまく動作してくれるだろう。しかし、渋滞しているサンフランシスコ周辺の高速道路では、混み合った車線に針路を変えるごとに、システムはとんちんかんな操作を行い、その都度周囲のドライバーを怒らせてしまうに違いない。そんな怒れるドライバーたちと個人的な面識がなくとも、私なら十分に気を遣い、エチケットを守り、行儀よく、中指を立てられないように車線変更する。

インターネットの世界には、Google Duplexという別の例がある。これは、Androidユーザーのための、AIを使った賢いレストラン予約機能だ。消費者の意見を基に、よさそうな店のディナーを、本人に代わって予約してくれる。予約をしたい人間にとっては、これは便利なサービスだ。なぜなら、店が開いている時間に電話をかけたり、話し中のためにかけ直したりといった面倒がなくなるからだ。

ところが、電話を受ける店の従業員にとっては、厄介なツールになりかねない。システムが自分はAIであると伝えたとしても、従業員はそれに伴う、新手の、融通の利かないやりとりを押しつけられる。それでいて目的は、予約を受けるという、いたって簡単な、以前と変わらない作業だ。

Duplexは店に客を連れてきてくれるわけだが、一方では、そのシステムは店側と客との対話の幅を狭めてしまう。別の日ならテーブルが空いているかもしれないし、早めに食事を終わらせてくれるなら、なんとかねじ込むこともできるかもしれない。しかし、このような例外的な判断はシステムにはできない。AIボットは電話を受ける人を困らせるという考え方も、じつは正しくないようだ。

顧客の生活を楽にしてあげたいと考えるのなら、あなたが夢見る支援のかたち以上に、主要顧客に関わる他のすべての人たちにとって、それが悪夢になりかねないことを考慮しなければいけない。あなたのAI製品に関わる人たちが不快な体験をしたかもしれないと少しでも疑いを持ったなら、周囲の人たちを怒らせずに顧客を喜ばせることができる、より良い方法を、さらに追求するべきだ。

ユーザーエクスペリエンスの観点に立てば、カスタマージャーニーマップは、主要顧客の行動、思考、感情の体験、つまり「バイヤーペルソナ」を知るうえで役に立つ。あなたのシステムと、直接の顧客ではない、何も知らない第三者との接点を特定するのだ。あなたの製品のことを知らないこれらの第三者のために、彼らとあなたのバイヤーペルソナとの関わり方、特に彼らの感情体験を探る。

欲を言えば、そのAI製品の周囲にいる人たちも十分に喜ばせて、購入を見込める顧客へと引き込み、やがては製品を購入してくれることを目指したい。また、エスノグラフィー(生活様式を理解し、行動観察・記録すること)を使って、何も知らない第三者とあなたの製品との関係を分析することもできる。

これは、プロセスに関わるときと、製品に関わるときの人々の観察結果を総合させる調査方式だ。

この調査の指標となるデザイン上の考え方には「私たちのAIシステムは、製品に関わるすべての人の助けとなり、もっと知りたいと思わせるよう働かせるには、どうしたらいいか?」というものが想定できる。

これはまさに人類の知性だ。人工物ではない。

【編集部注】著者のJames Glasnappは、パロアルト研究所上級ユーザーエクスペリエンス研究者。

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(翻訳:金井哲夫)

テスラ車両に「Fallout Shelter」が登場へ

Tesla(テスラ)車両のゲームオプションの一環として、Bethesda Softworks(ベセスダ・ソフトワークス)にてディレクターを務めるTodd Howard氏は、同社の「Fallout Shelter」がTeslaのディスプレイに登場すると発表した。

イーロン・マスク氏はFalloutシリーズの大ファンで、ゲームカンファレンスのE3のインタビューにて「Fallout 3はやり尽くした」と語っている。テスラは今年、ドライバーと同乗者がダッシュボードのディスプレイにて遊べるゲームのリストに「2048」とAtari(アタリ)の「Super Breakout(ブロック崩し)」を追加すると発表した。

テスラは昨年8月、ソフトウェアアップデートをつうじてアタリのゲームやアプリやサービスに追加した。当時の初期ゲームタイトルは、「Missile Command」「Asteroids」「Lunar Lander」「Centipede」だった。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

テスラの車載ディスプレイがYouTube対応

Tesla(テスラ)は、同社の車載タッチスクリーン式インフォテインメントシステムに次々とソフトウェアを追加している(中には多くの人が頭をかきむしるものもある)。米国時間6月13日にロサンゼルスのE3イベントで行われたスペシャルQ&Aセッションで、テスラCEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏は、近いうちにTeslaの車載ディスプレイがYouTubeを正式サポートすることを明らかにした。

テスラのCEOが同社の車にYouTubeがやってくることを予告したのはこれが初めてではない。マスク氏は昨年8月にTwitterでファンからの質問に答えて、車載ソフトウェアのバージョン10でサードパーティー製ビデオストリーミングに対応すると発言した。同社は昨年車載ソフトウェアのバージョン9を公開した。

マスク氏は今日のE3イベントで具体的にYouTubeの名前を挙げた。ほかにもBethesdaのFallout 3が同社のインフォテインメントシステムにやってくることを公表し、AndroidゲームのBeach Buggy RacerがTesla Model 3のディスプレイで動いているデモビデオを紹介した。

最近のポッドキャストでマスク氏は、アプリやゲームのサードパーティー開発者向けにプラットフォームを開放することを検討すると語った。これまで同社は、独自のアプリや「イースターエッグ」を車載ディスプレイに載せてきたが、本格的なプラットフォームとして公開するのは、ずっと積極的なやり方だ。

車の中にストリーミングビデオのような注意を引くアプリを載せることは明らかに直感に反することだが、少々テスラを擁護して言うなら実際には多くのドライバーがスマートフォンをカーナビとして使っており、その気になればいつでもYouTubeを見ることができる。マスク氏の気持ちはテスラ車が完全自動運転になる日に飛んでいるのかもしれない。つい最近も、今後数年のうちにそうなるだろうと発言していた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Tesla M3の頭脳となる中国製部品への25%関税適用除外申請は却下

Tesla(テスラ)をはじめ、Uber他各社は中国製部品にかかる関税の適用除外を求めていたが、米政府はこれを認めないと決定した。これにより両者は規定どおりの25%関税の支払いを求められることになる。

TechCrunchは先月、対中国関税についてこの記事で報じ、同時にトランプ政権が関税の適用除外を認めなかった場合のTeslaへの悪影響についても検討している。USTR(米通商代表部)の今回の決定を最初に報じたのはReuters(ロイター)だった。

昨年、ホワイトハウスは対中貿易赤字の是正措置として電子部品を含む広汎な品目について25%の輸入関税を課すことを決定した。多くの米企業がこの措置の適用除外を申請したが、その中にTeslaとUberが含まれていた。

Teslaは 昨年12月末にModel 3のコンピュータについて適用除外を申請した。これには電気自動車の心臓部となるADAS(先進ドライバーアシスタンスシステム)、メディアコントローラー、インターネット接続ユニットなどが含まれている。Uberは中国製電動アシスタンス自転車に対する適用除外を申請していた。

5月29日付け書簡でUSTRはTeslaのオートパイロット用コンピューターについて適用除外を認めないことを伝え、中国製コンピューターとディスプレイは「戦略的に重要」ないし「中国製造2025ないし同種のプログラムに関連ある製品」だと述べた。

中国製造2025は中国の製造業の高付加価値化を目指す国家計画であり、特にAI、電気自動車、ロボティクス分野に力を入れている。ホワイトハウスは中国製造2025は米国が覇権を握っているテクノロジー分野において国内産業に対する直接の脅威だと述べていた。

Teslaは今回の決定についてコメントを避けた。

今年に入ってTeslaはFSD(完全自動運転)を実現するための新しいカスタムチップを発表、今後製造されるすべてのTesla車に搭載することを明らかにした。現在のTesla車にはまだ完全自動運転機能はない。

ただしFSDソフトウェアは既存のModel 3、 S、X車のハードウェアにインストール可能であり、顧客は6000ドルを支払ってFSDパッケージを購入することができる。FSDによる完全自動運転は既存のオートパイロットユニットを通じて自動車を制御する。同社によれば、このECU(エンジン制御ユニット)は「Tesla車の頭脳」だという。このユニットはクアンタ・コンピュータの上海工場で製造されている。

Teslaは「自動車の頭脳」に対する高関税は米経済に有害な結果をもたらすと主張していた。

適用除外の却下にはTeslaの部品供給者による申請も含まれる。例えばSAS Automotive USAはModel 3のセンターディスプレイを製造している。これは車両のメディアセンターの中心となる部分であり、17インチのタッチスクリーンパネルが含まれる。ここにはカーナビ、インターネット接続先サイト、オーディオ、エアコン、燃費などが表示され、車両のコントロールはすべてこのユニットで行われる。このスクリーンはまさにModel 3操作のハブだった。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

テスラは潜水車を設計していた──その企画はまだ生きている

Tesla(テスラ)は今年、電動ピックアップに人びとの関心を集めたいようであり、Model Yとクラス8のトレーラートラックの生産を軌道に乗せようとしている。

でもそんなことよりも人びとが気にしているのは、どこかで埃(ほこり)をかぶっているらしい同社の潜水艦車の設計だ。

テスラのCEOイーロン・マスク(Elon Musk)氏は米国時間6月11日、カリフォルニア州マウンテンビューで行われた同社の今年の株主総会で、質問に答えてその電動潜水車に言及した。その株主は、テスラが水中車の製造を検討したことがあるか、と尋ねた。それは、ふつうに路上を走るけれども水中ないし水面下にも行ける車のことだ。

確かに設計は存在していた。それは、007の映画「私を愛したスパイ」に登場したLotus Esprit(ロータス・エスプリ、上図)からヒントを得た潜水車だ。

マスク氏は「最高にクールだと思ったんだ」と言い、映画の車は自分が持っている、と付け加えた。

彼によると、実用バージョンを作ることは技術的には可能だが、「その市場はすごく小さいだろうね、小さいけど熱狂的な市場だろうな」という。

そんな車を作ることはあくまでも余技だ、とマスク氏は言うが、しかしそれと同時に廃案にする気もないのは、今後何らかのイベントで使われる機会があるかもしれない、と思っているからだ。

画像クレジット: Flickr/CC Henry Burrows

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa