Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day2日目のスタートアップ88社(7)

米国時間3月19日は、Y Combinatorが開催した、2019年冬クラスの2日間のDemo Day後半だった。1日目は85以上のスタートアップがステージに上がりピッチを行った。2日目も同様に多数のピッチが行われた。

以下に、当日に発表した全社と、そのプレゼンテーションに対する私たちのメモを紹介する。

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day 2日目のスタートアップ
・Part 1:パイオニアステージ(1)
・Part 2:パイオニアステージ(2)
・Part 3:パイオニアステージ(3)
・Part 4:パイオニアステージ(4)
・Part 5:ミッションステージ(1)
・Part 6:ミッションステージ(2)
・Part 7:ミッションステージ(3)※この記事
・Part 8:ミッションステージ(4)

ミッションステージ

Gordian Software
旅行予約会社が座席選択を行ったり、バッグを販売するためのAPI。現在、Gordianは収益性が高く月に6万5000ドルを稼いでいる。オンライン旅行会社に対して、座席選択、旅行カバン、その他の補助的な商品を販売するために役立つツールを販売している。lastminute.comを含む3つの主要なサイトでパイロットプロジェクトを実施中である。

Shiok Meats
科学者のチームによって創業された、細胞ベースのきれいなエビ肉プロバイダー。市場に出ている他のエビと比較して、Shiokは彼らの細胞ベースのエビ肉は、よりサスティナブルで通常のエビと同じ味がすると言っている。このエビの肉は、ビールを醸造するのと同様にバイオリアクター内で育てられる。スタートアップはアジア太平洋地域のエビ市場をターゲットにしているが、同社はそこに250億ドルの価値があると述べている。

Hatch
Hatchはフランチャイズビジネスとその顧客の間のやり取りが続くようにしながら、それによって売上を伸ばして行くことを目指している。チームは、ショートメール、電子メール、そして自動音声を使って顧客の売上を伸ばすことに集中している。そうした顧客には、Jeep、Ashley Homestore、Rent-A-Centerなどが含まれている。同社は収益性が高く、月額11万9000ドルを稼いでいる。

Bot Orange
WeChat上に構築され、販売、マーケティングなどを統合した顧客コミュニケーションシステム。WeChatは現在、顧客を管理するためのツールを企業に提供していない。Bot Orangeはアプリ内で顧客管理ツールとなり、他のサードパーティ製ツールを使うことなく、ビジネスがさまざまなチャンネルを管理できるようにする。

Postscript
Postscriptは、オンラインコマースブランドと協力して、SMSを介してスマートフォンで顧客に連絡をとる。スタートアップはSMSを使ったMailchimp(電子メールを使った広告プラットフォーム)になりたいと考えているが、モバイルに堪能なミレニアル世代の消費者と徐々に消費者直販とサブスクリプションモデルに注力しつつある企業の間の会話を自動化する。TechCrunchにおけるPostscriptの記事はこちら。

Tailor-ED
スタンフォード大学の卒業生2人が立ち上げたこのスタートアップは、生徒たちのグループに短いクイズを送って、その生徒に最適なレッスンプランを見つけ、教師が個別のレッスンプランを作成するのを支援する。過去4週間で、2500人の学生がTailor-EDからレッスンを受け取った。フリーミアムモデルの下で事業を展開している同社は、15億ドル規模の市場をターゲットにしていると語っている。

Wallet Africa
アフリカのデビットカードでは、Netflixのような国際サービスへの支払いが行えないことがよくある。Wallet Africaは、Visaとのパートナーシップを通じて、これらのオンライン購入の多くをサポートする、デジタル銀行を構築している。チームは現在、毎月350万ドルの購入を処理している。

AuroraQ
「実用的な」量子コンピュータの開発者。創業者は量子物理学の博士号を持っており、AuroraQは「量子コンピューティング界のDellになる」になると発言している。量子コンポーネントレベルから統合されたコンピューターを作成することで、はるかに安いコストで組み立てられるはずだからだ。

Probably Genetic
消費者直販のDNAテストを売っている。その目的は稀な遺伝病を持っているにもかかわらず診断を付けられていない1500万人の米国人の1人かどうかを判断する手助けをするためだ。共同創業者らによれば、診断を受けるまでには平均7年以上かかっているということである。Probably Geneticはその状況を、12週間のうちにローンチする予定の、1200ドルのテストで変えることを望んでいる。

Viosera Therapeutics
AIを使用することで、癌やバクテリアの薬剤耐性を予測して阻止する。スタートアップがMRSAに感染したマウスをそのソリューションで治療したところ、感染したマウスの100%を治癒させることができた。同社は当初、その創薬プラットフォームを使いMRSA患者をターゲットにする予定だ。Vioseraは、今後6カ月以内に臨床試験を始めていると述べている。

Upsolve
低収入の個人がより簡単に破産を申請できるように支援したいと考えている。この非営利サービスは、非低所得家族を破産弁護士に対して紹介した際に紹介料を受け取り、それを使ってサービスを無料で提供することができている。同社によれば、医療費、レイオフ、略奪ローンは低所得世帯を悲惨な状況に追いやる可能性があるとし、過去6カ月間で彼らの非営利団体は顧客を2400万ドルの負債から軽減したと述べている。

Y Combinatorの2019年冬のDemo Day初日の有望スタートアップ10社

[原文へ]

(翻訳:sako)

前の記事へ次の記事へ

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day2日目のスタートアップ88社(6)

米国時間3月19日は、Y Combinatorが開催した、2019年冬クラスの2日間のDemo Day後半だった。1日目は85以上のスタートアップがステージに上がりピッチを行った。2日目も同様に多数のピッチが行われた。

以下に、2日目に発表した全社と、そのプレゼンテーションに対する私たちのメモを紹介する。

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day 2日目のスタートアップ
・Part 1:パイオニアステージ(1)
・Part 2:パイオニアステージ(2)
・Part 3:パイオニアステージ(3)
・Part 4:パイオニアステージ(4)
・Part 5:ミッションステージ(1)
・Part 6:ミッションステージ(2)※この記事
・Part 7:ミッションステージ(3)
・Part 8:ミッションステージ(4)

ミッションステージ

Gerostate Alpha
野心的な目標である人間の老化に取り組んでいる。3人の共同創業者はすべてバック研究所の学者であり、そこで老化の研究を何年も費やして来た者たちだ。彼らは創薬のために独自のプラットフォームを用いて、9万の化合物を素早く解析し、さらに研究を行う150の物質を特定した。

Trestle
元Stripeの従業員と、Y Combinator卒業生の仲間によって設立されたTrestleは、各従業員のプロファイルを含む、使いやすいイントラネットのホームページを企業に提供する。従業員たちの孤立感を減らし互いの生産性を高めることを目指して、同社はすでにBrex、Plaidなどへの導入が進んでいる。

Green Energy Exchange
消費者に対してエネルギー入手先の選択肢を与えようとしている。この仮想ユーティリティ会社は、消費者が、再生可能エネルギーがやって来る場所(少なくともそれが合法な12の州の中から)を選べるようにする計画を進めている。創業者は、以前は数十億ドル規模の大規模なエネルギー会社を経営していたが、現在は太陽並びに風力発電家と直接提携を行うことで、Netflixに支払いを行うくらい簡単に、エネルギーサプライヤーを選べるようにしたいと考えている。スタートアップは来月テキサス州でローンチする予定だ。

rct studio
2017年にBaiduに買収されたAIスタートアップであるRavenを支えていた、YCの卒業生のチームが率いるrct studioは、没入型のインタラクティブフィルムのためのクリエイティブスタジオである。このプラットフォームはリアルタイムで「テキストをレンダリング」するエンジンを提供する。例えば「男がソファに座っている」という文章から、ソファに座っている男性の3Dイメージを生成する。このエンジンは主流である3DエンジンのUnityやUnrealをサポートし、同時に、没入的で自由度の高いエンターテイメント体験を作り出す、Morpheus Engineという名の映像プロフェッショナルのためのクリエイティブツールもサポートされる。

CredPal
アフリカ向けのクレジットカード会社を設立しようとしている。これによって正式なクレジットカードを持つことができない、アフリカの見捨てられた2億人の中産階級を支援しようとしているのだ。同社は、次世代のアメリカン・エキスプレスになって、アフリカの消費者たちが商品を購入する手段をより便利で自由にできることを望んでいる。

Calii
ラテンアメリカの消費者たちを果物や野菜の生産者に直接つなげることで、お金を節約できるように支援している。仲介者を排除することで、消費者は多額の現金を節約できると創業者は語る。このラテンアメリカの企業は、中国の巨大なPinduoduoのビジネスモデルを採用し、それを他の地域にも適用しようとしている。ちょうどRappiとGrin(南米のレンタルスクーター業者たち)が行ったように。

Nabis
大麻の出荷および物流事業に取り組んでいて、供給業者と協力して商品を小売業者に確実に発送している。FedExが大麻を発送することは違法であるため、Nabisは間隙を突いて急成長し、売上の一部を手数料として受け取りながら出荷とコネクションを手助けしている。時間どおりの配送率が98%にも及ぶため、供給業者は喜んでその手数料を払いたがるのだ。

Nettrons
人の手を借りることのないAIによるタレント・ソーサー(ソーサーとは採用候補者を探し出す職種)によって、採用プロセスの効率化を狙う。同社はこれまでに3社から有償で仕事を請け負い、6件の採用につなげた実績がある。2人のエンジニアによって起業されたNettronsは、彼らのターゲット市場は10億ドルの価値があると語っている。

Fuzzbuzz
ファジングは、バグを見つけるためにコードに対して膨大な量の無効データを投入するプロセスである。Fuzzbuzzは開発者によるファジングプロセスを簡素化することを狙っている。長く複雑な設定を、簡単な場所は自動化し、Jira、Github、そしてSlackといった既存のサービスと接続するプロセスへと転換する。

Interprime
スタートアップに「Appleレベル」の財務サービスを提供する。Interprimeによれば、スタートアップはそれを管理する方法がないのに多額の資金を集めているという。同社は、この巨額の投資を管理することで、ビジネスの手助けをしようとしているのだ。彼らは、監督するすべての投資に対して0.25%の顧問料を受け取る。これまでのところ、彼らがサービスを提供している資本金の総額は1000万ドルである。

Taali Foods
新しい健康的なスナック食品を作成しようとしている。手はじめは、スイレンの種から作られたポップコーンの代替品である。作り出されるスナックは、人工香料や、人工成分、あるいは防腐剤を使わず、シリアルスナック愛好者に、通常のポップコーンより67%少ない脂肪と20%少ないカロリーというより健康的な選択肢を提供する。

Y Combinatorの2019年冬のDemo Day初日の有望スタートアップ10社

[原文へ]

(翻訳:sako)

前の記事へ次の記事へ

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day2日目のスタートアップ88社(5)

米国時間3月19日は、Y Combinatorが開催した、2019年冬クラスの2日間のDemo Day後半だった。1日目は85以上のスタートアップがステージに上がりピッチを行った。2日目も同様に多数のピッチが行われた。

以下に、2日目に発表した全社と、そのプレゼンテーションに対する私たちのメモを紹介する。

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day 2日目のスタートアップ
・Part 1:パイオニアステージ(1)
・Part 2:パイオニアステージ(2)
・Part 3:パイオニアステージ(3)
・Part 4:パイオニアステージ(4)
・Part 5:ミッションステージ(1)※この記事
・Part 6:ミッションステージ(2)
・Part 7:ミッションステージ(3)
・Part 8:ミッションステージ(4)

ミッションステージ

WeatherCheck
保険会社ために気象被害額を計算する。同社はローンチ以来、保険会社の全体の請求処理費用を削減する手助けをして、すでに5カ月のうちに年間予約で470万ドルを確保している。このサービスを利用するためには、保険会社は管理する資産に関するデータをアップロードする必要がある。WeatherCheckは天気を監視し、例えば資産がひょうで損傷した場合などに保険会社に通知を送信する。

EatGeek
創業者たちは、彼らの直前のスタートアップをGrubHubに売却した後、レストランがもっと大規模なケータリング注文を受け付けることができるようにしたいと考えていた。ほとんどのレストランは、イベントへのケータリングを狙う人たちには焦点を当てていない。EatGeekは特にそうした大規模なオーダーを求めている観客たちに対してレストランを結びつける。店舗はシステムを通過するすべての注文に対して20%の手数料を負担しなければならない。

Avo
分析機能を実装する際の人的ミスを防止する。同社によれば、人間は分析機能の実装が苦手なのだという。エンジニアとデータサイエンティストで構成される彼らのチームは、以前Sequoia Capitalに支えられ1億人のユーザーを獲得した、QuizUpを構築したチームだ。Avoはさまざまな企業の中で用いられているが、その中にはSkip Scootersも含まれている。

Adventurous Co
拡張現実スカベンジャーハント(モノ集め競争)を開発している。これは実際の俳優と提携し、モバイルアプリを使って、通常の画面で遊ぶものよりもはるかに魅力的な対話型家庭ゲームを生み出すことができる。1人あたり15ドルで45~60分の体験が行える施設をサンフランシスコでローンチした。Adventurousに関しては、ここでも記事にしている

Globe
「デリバティブのためのCoinbase」とも自称するこのスタートアップは、高頻度トレーディングをサポートする、暗号通貨デリバティブ取引所を構築した。このプラットフォームにより、暗号通貨保有者はグローバル市場とビットコインを使って取引を行うことができるようになり、機関投資家が利用するデータへのアクセスも可能になる。

XGenomes
時間とお金を節約できる低コスト高効率のソリューションで、DNAシーケンシングを変革することを目指している。同社のソリューションは、スライドガラス上に検体を置き、個々のシーケンスを識別したうえで、機械学習を利用して高解像度の写真をつなぎ合わせて画像を完全なDNAシーケンスへと組み上げる。オックスフォードとハーバードのチームは、XGenomesが現在ターゲットにしている市場は、65億ドルを超えていると言っている。

Habitat Logistics
消費者向けモバイルアプリを持っていないスタートアップだが、レストランのデリバリーを手助けすることを狙っている。競合他社との違いは何だろうか?同社は、顧客の家から10分以内にあるレストランからのデリバリーのみを引き受けることで、長距離デリバリーに必要な時間を不要にする。レストランはデリバリーが必要になった時点でHabitatに通知を送り、それを受けて会社はデリバリーのためのドライバーを派遣する。Habitatによれば、毎月17%の成長を見せており、1回の配達ごとにレストランに課金することで、現在月額11万ドルの収益をあげている。

WorkClout
製造業者がまとまった製品を製造する際の、生産管理を支援するソフトウェアを開発している。チームによれば、全製造業者の56%が、まだ紙とExcelで管理を行っていると言う。WorkCloutは非能率を見つけてワークフローを改善する作業をはるかに簡単にする。チームはまずパッケージ製造分野の顧客に焦点を当てており、次に食品および飲料会社と繊維製造会社に取り組むことを目指している。

PadPiper
月決めの住居と適切なルームメイトを見つけるためのマーケットプレイス。同社は、インターンが住むための適切な場所を探すことを支援し、同時に適切なルームメイト探しも支援する。インターンのための住居探しマーケットに対する支援を求めている大企業と提携している。創業者たちは、かつて学業上の理由から5年間で35回引っ越しをしなければならなかったが、その際にCraigslistやその他のオプションにはがっかりしたと述べている。PadPiperの月の収益は1万ドルで、毎週37%成長しているという。

DevFlight
オープンソースソフトウェアのビジネスモデルを改革したいと考えている。彼らが構築しようとしているマーケットプレイスは、オープンソース開発者と企業の橋渡しをするものだ。DevFlightは、企業ならびに開発者と協力して、両者がプロジェクトのスコープに対して理解できるような計画を策定する。DevFlightは取引に対して25%の手数料を請求する。

Handle.com
未払いの建設請求書の回収プロセスを自動化する。顧客の支払いが遅れると、建設会社はしばしば自分の仕事に対してお金を支払うことを余儀なくされる。Handleによれば、未払いの建設請求書は、毎年1040億ドルにも及ぶ。Handleは6週間前にローンチし、現在月に2万2800ドルの収益を得ている。創業者たちは以前、Andreessen Horowitzが支援するTenfoldという会社を起業した者たちだ。

Y Combinatorの2019年冬のDemo Day初日の有望スタートアップ10社

[原文へ]

(翻訳:sako)

前の記事へ次の記事へ

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day2日目のスタートアップ88社(4)

米国時間3月19日は、Y Combinatorが開催した、2019年冬クラスの2日間のDemo Day後半だった。1日目は85以上のスタートアップがステージに上がりピッチを行った。2日目も同様に多数のピッチが行われた。

以下に、2日目に発表した全社と、そのプレゼンテーションに対する私たちのメモを紹介する。

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day 2日目のスタートアップ
・Part 1:パイオニアステージ(1)
・Part 2:パイオニアステージ(2)
・Part 3:パイオニアステージ(3)
・Part 4:パイオニアステージ(4)※この記事
・Part 5:ミッションステージ(1)
・Part 6:ミッションステージ(2)
・Part 7:ミッションステージ(3)
・Part 8:ミッションステージ(4)

パイオニアステージ

Pyxai
雇用者側には、求職者のソフトスキルとカルチャーフィットを面接で判定するための、スケーラブルな方法は存在していない。Pyxaiは求職者に対して30分間のクイズを与えて自然言語処理を使って分析し、彼らができることと、既存のスタッフとうまく溶け込めるかどうかを評価する。履歴書そのものの重要性を減らすことで、採用時における差別が減る可能性がある。Pyxaiは1回のスクリーニングにつき6ドルを請求する。同社は3600万件ものナレッジジョブの求人プロセスの一部となることを望んでいる。

Mage
世界最大のトレーディングカードゲームであるマジック・ザ・ギャザリングのカードを売買するために作られた専用アプリ。GOATが靴の転売に対して行ったことをMagicに対して行うことを目指して、彼らのアプリは、カードのスキャン、認識、および価格設定を行い、ユーザーがそれらを一覧表示することを助ける。同社は、彼らの平均的な顧客はマジックのカードに毎月120ドルをつぎ込むと言う。

Geosite
衛星画像を必要とする企業は、40のプロバイダからそれらを集めて手動でコンテンツをダウンロードし、それを自社のシステムにアップロードする必要がある。Geositeは、すぐに使用可能な空間画像のマーケットプレイスである。顧客は年会費を払う。Geositeはすでに米空軍と300万ドルの契約を結んでいる。

Community Phone
より親しみやすいワイヤレス通信事業者を目指し、積極的なカスタマーサービス体験に焦点を当てつつ、3つの既存ワイヤレスネットワークを集約する。共同創業者のジェームズ・グラハム氏は、現在年間収益は23万ドルに達しており、利益率は45%であると述べている。

Superb AI
人工知能を構築するには、正確にラベル付けされたトレーニングデータが必要だが、Mechanical Turkのようなサービスは、遅くて不正確である可能性がある。Superb AIは、10倍のスピードアップを実現するためにラベリングプロセスを助けるAIを構築し、独自の社内AIアルゴリズムを作成している。過去7カ月間ですでに100万ドルの収益を上げている。ほとんどの企業にとって、Google、Facebook、およびその他の大手テック企業のAIについて行くには、Superbが提供するようなトレーニングデータの生成支援が必要になる。

Termius
デスクトップとモバイルで動作するSSHクライアントを開発していて、すでにディズニーとNASAの従業員を含む1万1000の有料顧客を抱えている。フリーミアムのビジネスモデルのおかげで、アプリストアの「SSH」カテゴリでは第1位にランクされている。次には、Termiusは対象をチームに拡大して完全なコラボレーションプラットフォームになりたいと考えている。

Verto FX
アフリカの企業が国際企業と仕事をする際に必要な外貨を、手に入れることを助ける。彼らは現在18通貨の交換を支援している。同社は5カ月間のプライベートベータ版で2600万ドルの取引高を経験しており、月あたりの収益は3万ドルだった。共同創業者のアンソニー・オドゥオル氏とオーラ・オヤタヨ氏は、どちらも大手銀行向けのテクノロジープラットフォームを構築した経験がある。

Inito
このアプリは、あなたの携帯電話に差し込むハードウェアドングルを使って、妊娠に関連するホルモンを測定する。Initoは、ホルモンテストを実行し、状態の診断および処置のためにそのデータを利用する。そしてIVFやIUIなどの人工授精手続きを計画する手助けをする。

Woke
新興eコマースブランドの広告キャンペーンに対する資金を提供しその成長を助け、見返りに利益の一部を受け取る。1カ月のうちに、彼らはその売上の利益の50%を彼らに対して支払う商人たちと協力した。

PNOE
彼らはフィットネス施設用の小型の呼気分析装置を開発し、アスリートに対して心臓や代謝的健康についての情報を提供している。その価格は6000ドルであり、価格が6万ドルにも達する大型の類似製品を置き換えることを狙っている。収益は月に40%成長している。フィットネス施設の後には、彼らは心臓病や肥満、そして呼吸問題を助けるために医療センターに装置を持ち込むことを目指している。

Y Combinatorの2019年冬のDemo Day初日の有望スタートアップ10社

[原文へ]

(翻訳:sako)

前の記事へ次の記事へ

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day2日目のスタートアップ88社(3)

米国時間3月19日は、Y Combinatorが開催した、2019年冬クラスの2日間のDemo Day後半だった。1日目は85以上のスタートアップがステージに上がりピッチを行った。2日目も同様に多数のピッチが行われた。

以下に、2日目に発表した全社と、そのプレゼンテーションに対する私たちのメモを紹介する。

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day 2日目のスタートアップ
・Part 1:パイオニアステージ(1)
・Part 2:パイオニアステージ(2)
・Part 3:パイオニアステージ(3)※この記事
・Part 4:パイオニアステージ(4)
・Part 5:ミッションステージ(1)
・Part 6:ミッションステージ(2)
・Part 7:ミッションステージ(3)
・Part 8:ミッションステージ(4)

パイオニアステージ

GoLinks
長く複雑なURLで、社内のツールにアクセスするのは困難である。GoLinksは、例えばRedditやLyftといった利用者にとって短くて覚えやすいリンクを作成する。そのツールはシングルサインオンに準拠したURLをプログラムで生成し、チームは分析のダッシュボードを手にする。従業員たちが新しいコンピューターをセットアップしたり、旅行中に仕事をしたりする際にも、GoLinksがあれば閉め出されることはない。

Allure Systems
ファッションブランドは、モデルや写真家に年間80億ドルを支払っている。Allure SystemsはAIを使用して、ショッピングサイト用のアパレル画像をプログラム的に作成する。この技術は、ジャケットの写真を1枚撮れば、さまざまなサイズのさまざまなモデルによる、さまざまなポーズでそれを見せることができる。ショッピングのコンバージョン率を14%向上させることで、チームはすでに年間140万ドルの収益を確保している。1件あたりのSaaS契約は平均年間20万ドルを超えている。

Spiral Genetics
治療を助けるために開発された、人間のゲノムデータの大規模なセットを比較するソフトウェア。創業者のアディナ・マングバット氏は、既存のソフトウェアは今後数年間で直面するゲノムデータの大規模分析はできないと言う。これまでのところ彼らは25万ドルの収益を生み出しており、さらに100万ドルぶんの基本合意書を得ている。

Rune
FortniteやPUBGなどのモバイルゲームのプレーヤー向けの、ボイスチャットと自動化されたフレンド/チームファインダー。ローンチから10日で5000人のユーザーが1日平均30分をプラットフォームで過ごすようになったと同社は述べている。フレンド関係はRune内で扱われ、ユーザーはゲームからゲームへ渡り歩くことが可能だ。

Truora
ラテンアメリカ向けに、1回3ドルで迅速で信頼性の高い信用調査を提供する。また、顧客から従業員による詐欺の報告を収集して、貴重なデータベースを生成しており、それに対して雇用者たちは有料でアクセスする。すでにUberやRappiをはじめとする、地域のトップマーケットプレイスがこのサービスを利用している。

Aura Vision
実店舗向けのGoogle Analyticsのようなものである。店舗内の「任意のカメラ」からビデオフィードを取得して、Auraは顧客の年齢、性別、およびどのくらい滞留したかの情報を提供する。同社によれば、この手法は匿名で行われ顔認識を必要としない。同社の創業者たちは、店舗に対して年平均9600ドルの料金を請求すると言っている。

GeoPredict
石油およびガスの産出用土地販売から仲買人を排除すること、そしてAIと過去データを利用して土地の評価を助けることを目的としている。彼らは先週およそ10万ドルの取引を行い、5%の手数料を得た。

Union Apartment
もし留学生が、まだ現地の言葉を話すことができす、現地に友人もおらず、そして銀行口座も持っていなければ、住居探しは困難なものになる。Union Apartmentは、留学生のための家具付きの共同生活アパートメントを提供する。最初は中国からの学生を受け入れるところから始める。単なる住居を提供する以外にも、Union Apartmentはカラオケナイトのようなイベントを開催したり、銀行手続きを手伝うなどのサービスを提供する。2月にはすでに13万ドルの売上総利益を挙げており、潜在的には240億ドルの売上総利益が生み出される可能性がある。

jet.law
雇用訴訟に対してフラットな弁護士費用を請求する。これまでのように事後作業時間に対して請求を行うのではなく、既存の法廷の記録を用いて作業量を見積もり、どれくらい事前請求を行うかを計算するのだ。共同創業者のジェシー・アンルー氏は、以前は大企業訴訟を手がけており、もうひとりの共同創業者であるカイル・ハリス氏はAppleで製造設計エンジニアを努めていた。

Friendshop
Friendshopでは、お得な割引をしてもらうために、友人たちを誘うことができる。Friendshopは、240億ドル規模の中国のグループ買い会社であるPinduoduoの、米国版になりたいと考えている。そして、そのバイラル性によってFriendshopのブランドが美しく成長した後には、他の消費財ビジネスに進出することを計画している。

Pulse Active Stations Network
インドの健康キオスク機械。駅に設置することが意図されている。共同創業者のジョギンダー・タニケラー氏によれば、インドでは多くの地域で医師の定期的な検診を受けていないため、回避可能だった死を迎えるものが60万人もいる。「しかし、誰でも電車には乗ります」と彼は言う。彼らの駅ナカのキオスクは21種類の健康パラメータを検査する。同社は先月、2万8000ドルの収益を上げた。テストごとに1ドルを請求することで、タニケラー氏は各マシンは3か月以内に費用回収が可能だと述べている。将来的には、キオスクは保険を売ることもできるようになり、ユーザーを医師へ紹介することも可能になるだろう。

Y Combinatorの2019年冬のDemo Day初日の有望スタートアップ10社

[原文へ]

(翻訳:sako)

前の記事へ次の記事へ

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day2日目のスタートアップ88社(2)

米国時間3月19日は、Y Combinatorが開催した、2019年冬クラスの2日間のDemo Day後半だった。1日目は85以上のスタートアップがステージに上がりピッチを行った。2日目も同様に多数のピッチが行われた。

以下に、2日目に発表した全社と、そのプレゼンテーションに対する私たちのメモを紹介する。

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day 2日目のスタートアップ
・Part 1:パイオニアステージ(1)
・Part 2:パイオニアステージ(2)※この記事
・Part 3:パイオニアステージ(3)
・Part 4:パイオニアステージ(4)
・Part 5:ミッションステージ(1)
・Part 6:ミッションステージ(2)
・Part 7:ミッションステージ(3)
・Part 8:ミッションステージ(4)

パイオニアステージ

Mudrex
プログラミングの知識がなくてもアルゴリズムトレーディングを実行できるようにする仕掛け。当初は暗号通貨のトレーディングから始まる。3月11日の週に彼らは、15万ドルぶんのトレーディングを行った。彼らは、トレーディングモデルの構築を行うことができる、ドラッグ&ドロップ式のインターフェイスのアクセスに対して年間300ドルを課金する。作成したモデルは過去のトレーディングデータを使ってテストすることができる。

Brain Key
3D MRIデータを用いた脳疾患の診断。多くの医師が診断のためにMRIから得られた2Dスライスを使用しているが、Brain Keyは、3Dでデータを分析し、パーキンソン病のサブタイプを専門家より35%正確に識別することができると述べている。彼らは2年以内に世界中の病院で採用されることを目指している。

Switchboard
もしトラックがどこにあるのかわからないのなら、出荷する必要がある貨物と、利用できるトラックの効率的なマッチングを行うことはとても困難である。Switchboardのトラック搭載センサーは、トラックの位置、目的地、その他のデータをリアルタイムに収集する。Switchboardのトラック貨物マーケットは3カ月前にローンチされ、すでにより多くの収益源を開拓できる可能性があるデータを収集している。

Shef
2カ月前、カリフォルニア州は家庭で調理された食品の販売を合法化する国内初の法律を可決した。Shefは、家庭のシェフが近くの顧客を見つけることができるマーケットを作る。Shefによる食事は、通常のフードデリバリーが1食あたり20ドル程度であるのに比べて、1食あたり6.50ドル程度の価格である。スタートアップは売上の22%を手数料として徴収する。このマーケットプレイスを、住居者への特典として提供している大規模な不動産会社との取引のおかげで、同社の売上は毎週50%増加している。Shefは家庭料理のAirbnbになりたいと思っている。

Qwest
クラブやバーなどで、行列をとばして入場するために支払いを行えるようにする。現在2都市の10店舗と提携しているが、今年は6都市の100店舗と提携できるだろうと同社は述べている。彼らは音楽祭やスポーツイベントのようなイベントへの拡大を目指している。

Circumvent Pharmaceuticals
アルツハイマーと同様の神経変性疾患であるバッテン病には十分な治療法が存在していない。Circumventは、同社の治療法は病気が原因となって失われてしまった酵素を置き換えることができると述べていて、すでにその有効性がマウスでは示されている。もし稀な病気を治療するために適用される優遇措置で迅速に承認を受けることができるならば、Circumventは保険でカバーされる10万ドルでその薬を売ることを望んでいる。そのハードルをクリアした後にCircumventは、はるかに大きな利益を生み人類に対する大きな福音をもたらす、アルツハイマーの治療法に取り組むだろう。

Withfriends
バー、劇場、理髪店のような小規模ビジネスのための会員プログラム。これまでのところ、彼らはプラットフォーム上に80の小規模ビジネスを抱えており、5000人以上のメンバーから40万ドルの収益を得ている。POSマシンにうまく統合することで、顧客の15%が会員になったという。

Askdata
会社のデータは見つけたり理解したりするのが難しいため、技術者以外の従業員が利用することはめったにない。Askdataは、並べた単語をSQLクエリに変換する内部データ用の自然言語検索エンジンを提供している。データを便利にアクセスできるようにすることで、企業のより良い決定に役立つかもしれない。

Modern Labor
受講者に1万ドル(月2000ドルずつで5カ月)を提供した上で同時にプログラミング教育を施す。受講者は引き換えにその後2年間収入の15%を支払う。創業者のフランシス・ラーソン氏によると、Modern Laborの最初の学生グループが現在このプログラムを使って学習しており、1万人が待機者リストに入っているそうである。

NALA
アフリカでのモバイル決済には、インターネット接続と上の写真のような複雑な46桁のコードの入力が必要になる場合がある。NALAは、インターネットの利用時間を買って友人や商店に簡単に支払いを行えるようなモバイルマネーアプリを開発した。これで年間3000億ドルに達するアフリカのモバイルペイメントを獲得したい考えだ。共同創業者のベンジャミン・フェルナンデス氏は、NALAは競合他社よりも7倍速く、5000人のアクティブユーザを抱えていると語る。NALAは、インターネット利用時間と請求書の支払いや貯蓄の利息、さらに見込み客を保険会社や他のサービスへと紹介することから手数料を稼ぐ。

Vice Lotteries
宝くじからなるべく「損失を取り除こう」とする宝くじプラットフォーム。特徴的なのは、プレイヤーが賭け過ぎることができないように、賭け金の限度がプレイヤーの資産額によって決まることだ。創業者のマシュー・カーティス氏は、彼らのモデルは現在合法ではないが、積極的にそれを変えようとしていると語る。

Y Combinatorの2019年冬のDemo Day初日の有望スタートアップ10社

[原文へ]

(翻訳:sako)

前の記事へ次の記事へ

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day2日目のスタートアップ88社

米国時間3月19日は、Y Combinatorが開催した、2019年冬クラスの2日間のDemo Day後半だった。1日目は85以上のスタートアップがステージに上がりピッチを行った。2日目も同様に多数のピッチが行われた。

以前はマウンテンビューのコンピューター歴史博物館で開催されていたこのYC Demo Dayは、今回からはサンフランシスコの巨大な倉庫へと場所を移して開催された。1日目のピッチと同じように、2日目も「パイオニア」と「ミッション」の2つのステージに分かれて同時にピッチが進行した。お急ぎの読者のために、私たちが選んだ初日のトップ10のまとめも行っている。またここでは、2日目の中のお気に入り9社をチェックすることもできる

以下に、2日目に発表した全社と、そのプレゼンテーションに対する私たちのメモを紹介する。

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day 2日目のスタートアップ
・Part 1:パイオニアステージ(1)※この記事
・Part 2:パイオニアステージ(2)
・Part 3:パイオニアステージ(3)
・Part 4:パイオニアステージ(4)
・Part 5:ミッションステージ(1)
・Part 6:ミッションステージ(2)
・Part 7:ミッションステージ(3)
・Part 8:ミッションステージ(4)

パイオニアステージ

YSplit
ルームメイトや愛する人との間で光熱費や月々に発生する支払いを、一人が立て替えて他の人たちから回収する作業はとても苦痛だ。YSplitは仮想デビットカードを提供することで自動的に請求書を分割し、ユーザーたちの銀行口座から現金を集めることを容易にする。2%の手数料を請求することで、YSplitは米国内の2600万軒のシェアハウスに対して、堅実なビジネスを構築することができた。

The Juggernaut
南アジアに関連したストーリーに焦点を当てた定期刊行物。彼らはフリーランスの作家を雇い、1日に1つのストーリーを発行し、そしてユーザーに対しては月5ドルを請求する。ここですでに、The Juggernautについての記事を書いている。

Searchlight
リファレンスチェックを行うことで間違った採用を回避することは可能かもしれないが、それでも多くのビジネスがインタビューサイクルの最終段階までそれを行わなかったり、詳細なチェックが不足していたりする。Searchlightはレファレンスチェックをサービスとして提供する。求職者は自分に対する推薦文の発行を依頼するために、レファレンス対象者を招待する。それらの推薦文をSearchlightが集めて編集し、求職者のワークスタイル、理想とする環境、そしてスキルセットなどをまとめた報告書を作成する。1件の仕事に対して平均250ドルを売り上げているSearchlightは、米国国内で1年の間に行われる3000万件のスキル重視採用のすべてに関わりたいと考えている。

Allo
地元の親たち同士をつなぎ、「カルマ」ポイントシステムを通じて、ベビーシッターやちょっとした用足しなどを頼めるようにすることで、お互いが助け合えるようにする。平均的なユーザーは週に12回ほどの利用を行っている。

Coursedog
大学は教員たちをコースや教室へ割り振るために、フルタイムのスケジュール管理者を雇用している。Coursedogは、学校のデータに接続することで、この面倒な仕事を排除しプロセスの自動化を行う。Coursedogに対しては、すでに8つの大学が、3年契約に対してそれぞれ10万ドル以上の支払いを行っている。次に狙っているのは、キャンパス内のスペースの予約プロセスと、インストラクターならびに授業料の支払いプロセスの近代化である。

AI Insurance
保険金請求のためのクラウドベースのソフトウェア。さまざまなデータを、ファイルキャビネットではなくクラウドへ送り込むことによって、顧客は「1件の保険金請求当たり、莫大な時間を節約できます」と創業者たちは主張している。彼らの目標は、十分な請求データが得られたら、次はAIを使用して最終的に請求にかかるコストなどを判定することだ。

Nebullam
屋内で作物を栽培すれば、天候に左右されないことで、単位面積あたりの食糧生産量が増える可能性がある。だが問題は人件費の高さと高額な機器の回収期間の長さである。Nebullamは、屋内農業のJohn Deere(世界最大の農業機械メーカーのブランド)になりたいと考えている。同社は収穫を最大にしそして費用を最小にすることができる、屋内栽培棚やその他の機器を販売する。農場育ちのCEOを擁する同社は、すでに機器のコストを3年で回収することを可能にしている(業界標準は7年である)。

Pronto
ラテンアメリカの小都市でのライドシェアリング。共同創業者のミゲル・マルティネス・カノ氏は、Uberモデルはこうした小都市では機能しないと述べている。なぜなら乗客になるひとたちはクレジットカードを持たず、現金での支払いを希望するからだ。ドライバー側は月額59〜99ドルのサブスクリプションフィーを支払う。現在は月に6万2000回の乗車が行われている。

LEAH Labs
人びとは飼い犬の化学的治療に、たとえそれがその生命を一時的に伸ばすだけで、病気の治療にはならないとしても年間5億ドルを費やしている。LEAH Labsは、強力な新しい治療法であるキメラ抗原受容体発現T細胞(Car T細胞)を用いて、犬のB細胞リンパ腫を治療したいと考えている。最近、Car T細胞を扱う会社たちのエグジットは200億ドルに達しているが、大手企業の中で犬に焦点を当てているものはいない。LEAH Labsは食品医薬品局(FDA)ではなく農務省(USDA)の管轄であるため、承認を得るための投資は少なくて済む。このことにより治療費を5000ドルに抑えることが可能になった。

Balto
ファンタジースポーツリーグのマネージャーたちが、自分たちの仕事からお金を稼ぐためのプラットフォーム。ファンタジースポーツ賭博はより多くの州で合法化に向かって動いているので、彼らは他の方法ですでに賭けをしている観客を捕らえたいと思っている。

【訳注】ファンタジースポーツとは現実世界の選手を選んで仮想的なチームを作り、現実世界の成績に連動して仮想チームの勝敗などが決まる「遊び」の要素が強いゲーム。これまでもアナログな遊びや賭けが行われて来たが、プラットフォーム化を行うものが出始めている。

Visly
開発者たちは、iOS、Android、ウェブ向けに同じ製品をリビルドするために、膨大な時間を費やしている。Vislyは、この作業を単純化するためのツールを利用しているのは開発者のわずか15%に過ぎないと言う。VislyのクロスプラットフォームUI開発スイートにより、さまざまなデバイス用に一貫したアプリケーションをすばやく簡単に作成できる。CEOはFacebookでYogaと呼ばれる類似のバージョンに取り組んでいたが、それがウェブとの互換性を達成することはなかった。Vislyは、開発者たちが他のオペレーティングシステムへの移植ではなく、発明そのものに集中することができるように、移植性の問題を解決したのだ。

Y Combinatorの2019年冬のDemo Day初日の有望スタートアップ10社

[原文へ]

(翻訳:sako)

次の記事へ

ニッセイ・キャピタルのスタートアップ育成プログラム「50M」、第2期生の募集を開始

日本生命の投資会社であるニッセイ・キャピタルは3月26日、同社が開催するアクセラレーションプログラム「50M(フィフティエム)」第2期生の参加募集を開始した。

50Mは創業前や創業間もないスタートアップ起業の発掘・育成のために立ち上げられたプログラムだ。同プログラムの期間は6ヶ月間で、特に優秀な企業に対しては名前の由来にもなった合計5000万円(50 million Yen)の資金を出資する。第一期生のデモデイはこちらの記事で紹介しているので、確認してみてほしい。

採択企業は原則としてニッセイ・キャピタル内のシェアオフィスに入居することが求められる。採択されたスタートアップは、そこでメンタリングや各種優待(AWSの利用権など)を受けることができる。ニッセイ・キャピタルはプログラムの卒業生にたいしても追加投資する可能性を明言しており、1社あたり最大30億円程度までは出資も可能とのことだ。

募集期間は本日3月26日から5月6日まで。こちらのWebサイトから申込可能だ。第1期生の募集では、130社の申し込みから14社が絞り込まれた。決して楽に通れる門ではないが、飛躍を狙う創業期のスタートアップはチェックしてみてほしい。

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day 1日目のスタートアップを一挙紹介

Y Combinator(YC)のインキュベータークラスは巨大なものになった。200社以上の企業を抱えた2019年の冬クラスは、これまでのYCで最大の規模である。一方で、インキュベーターはその本社をマウンテンビューからサンフランシスコに移す準備をしている。

実際それはとても巨大である。そのためYCは、デモデーを開催する方法を変更する必要に迫られた。すべてのピッチを1つのステージで行うのではなく、並行して行われる2つのステージに分割したのだ。それぞれ「パイオニア」ステージと「ミッション」ステージという名前が付けられている。このため、たとえ建物の中にいたとしても、すべてのピッチを1人で直接見ることはできなかった。

私たちはその場に参加し、それぞれのクラスの話を聞きながら見たもののメモを持ち寄った。以下に紹介するのは米国時間3月18日にピッチが行われた86社のスタートアップだ。2日目の記事はまた別途!

なお1日目の有望10社に関するまとめ記事は「Y Combinatorの2019年冬のDemo Day初日の有望スタートアップ10社」を別途参照してほしい

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day 1日目のスタートアップ
・Part 1:パイオニアステージ(1)※この記事
・Part 2:パイオニアステージ(2)
・Part 3:パイオニアステージ(3)
・Part 4:パイオニアステージ(4)
・Part 5:ミッションステージ(1)
・Part 6:ミッションステージ(2)
・Part 7:ミッションステージ(3)
・Part 8:ミッションステージ(4)

パイオニアステージ

Career Karma
今後数年間で何億人もの人びとが転職する必要がある。Career Karmaはそうした人びとにレベル分けテストを課した上で、コーディングブートキャンプやその他のトレーニングプログラムへと送り込む。すると、そうしたトレーニングプログラム側から生徒1人あたり1000ドルが、スタートアップへキックバックされるという仕組みだ。収入を分け合う提携方式の人気が高まる中で、多くのスキルトレーニング企業が、最も可能性の高い生徒を入学させるために、喜んで支払いを行っている。

VanGo
子供や10代の若者を対象にしたオンデマンド配車サービス。創業者によれば「お母さんたちは他のお母さんたちを信頼している」ので、サービスを提供しているドライバーの85パーセントが母親であり、かつドライバー全員が女性である。彼らは、子供の親たちを助ける他の分野にも拡大する計画を立てている。

Team Mobot
シミュレートされたユーザーインターフェーステストは、すべてのバグを捕らえるわけではなく、技術に精通していない企業にとっては難しいものだろう。Team Mobotは、実際のデバイス上であらゆるアプリのUIを物理的にテストすることで、QAテストを実行してバグを発見する、一群のロボットを提供している。Team Mobotのロボットたちは時間が経つにつれて学習し正確さが向上する。スタートアップは次はIoTや医療機器産業への進出を狙っている。

Bento Club
オフィスワーカーのためのより安価なランチのデリバリー。顧客はリストから選ばれたレストランに事前に注文を行う。Bentoは店からランチを集め、顧客のオフィスから1ブロック以内に設置されたピックアップ場所へ全ての注文を配送する。顧客の38%が紹介によるものだ。

Basilica
人工知能システムを構築しようとしているほとんどのチームは、十分なデータを持っていない。そしてそうしたデータは、収集コストが高くなる可能性がある。Basilicaによれば、同社のトランスファーラーニング手法により、企業は100万個ではなく、わずか1000個のデータポイントで正確なAIを作成できると言う。Basilicaは、各産業分野向けの効率を向上させるために、顧客全体のデータを使うことでネットワーク効果を生み出す。

Keynua
ラテンアメリカでは、文書への署名を行うためには、面倒な本人確認が必要である。あなたがKeynuaを使用して、文章へ口頭で同意している短いビデオを撮影すると、相手は既存の動画を用いて、あなたの身元を確認する。このチームの以前の製品(Cinepapaya)は、2016年にFandangoに買収された。

Lumos
医師たちは医療情報を見つけるためには専門的なツールよりもGoogleを使うことが多いが、Googleの検索結果は広告に溢れている上に、結果の大部分が医師向けではなく患者向けである。Lumosは、医師のための医療用Q&A検索エンジンを、月額15ドルで提供する。ペンシルベニア大学での実験では、ローンチから一週間以内に、医学生の半数が毎日Lumosを使うようになったことが観察された。Lumosは、医師たちが信頼する研究や情報を理解し、治療中の重要な意思決定の時点でそうした情報へのアクセスを可能にすることで、より多くの潜在的ビジネスチャンスがあると言う。

Traverse Technologies
Traverseは、ソフトウェアを用いて、風力や水力発電に向く候補地を特定する。そして同社はその場所を買い、転売を行う。彼らは75万ドルで購入した小区画は、500万ドルで転売可能だと見積もっている。現在約5000万ドル相当の引き合いを受けている。

Basement
親しい友人同士のためのソーシャルネットワーク。公開の場所で投稿を行うソーシャルネットワークは、個人的なものとは感じられず、必然的に個人的な情報共有をためらうような、縁の薄い知人が増えて行ってしまう。Basementは、大学生や大学院生たちが、ただ本当に親しい友人たちだけを追加するようにデザインされている。Instagramスタイルの投稿ツールを提供しているが、WhatsAppチャットのような親密さを感じるコメントスレッドへとつながる。Basementは、ユーザーが不適切な人びと友達にならないようにユーザーに強制する必要があるだろうが、Facebookが実現したいと考えていることを実現できるチャンスがある。

CosmicJS
気軽に使えて簡単に管理できる、WordPressのようなCMSである。すでにKFC、MLB、およびDailymotionが顧客であると、同社は語っている。現在、毎月の定期収入でおよそ1万ドルを稼いでいるが、それが毎月15%成長していると彼らは語っている。

次の記事へ

[原文へ]

(翻訳:sako)

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day 1日目のスタートアップ(4)

Y Combinator(YC)の企業を抱えた2019年の冬クラスは200社以上が参加し、これまでのYCで最大の規模になった。私たちはその場に参加し、それぞれのクラスの話を聞きながら、見たもののメモを持ち寄った。以下に紹介するのは米国時間3月18日にピッチが行われた86社のスタートアップだ。

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day 1日目のスタートアップ
・Part 1:パイオニアステージ(1)
・Part 2:パイオニアステージ(2)
・Part 3:パイオニアステージ(3)
・Part 4:パイオニアステージ(4)※この記事
・Part 5:ミッションステージ(1)
・Part 6:ミッションステージ(2)
・Part 7:ミッションステージ(3)
・Part 8:ミッションステージ(4)

パイオニアステージ

Volk Wireless
Androidスマートフォンに無料のデータプランを提供する。ただし携帯キャリアは関与しない。共同創業者たちは、携帯電話ネットワークを構築し接続を共有するために、長距離ワイヤレスハードウェアを利用していると言う。共同創業者のGreg Hazel氏はかつてBittorrentのチーフアーキテクトであり、同じく共同創業者のStraya Markovic氏は、メッシュメッセージングプラットフォームFirechatのリードエンジニアだった。

Nowports
配送コンテナには、ルーティングと追跡の効率が悪いことが理由の一部として、紛失または遅延が起きている。Nowportsは、ラテンアメリカ向けのFlexportで、工場から、トラック、ボート、倉庫、小売店へと向かう商品パレットの配送を支援する。第3世代の貨物運送業者によって始められたNowportsは、米国の会社が地元の事情に疎い点を突いて、成功することができた。

Flower Co
より安価な、会員制のマリファナ販売ならびに配送。現在700人のメンバーに、1カ月あたり20万ドルのマリファナを販売している。年会費として100ドルを徴収し、製品販売から10%の手数料を受け取る。

Middesk
企業のパートナーたちが税金を支払っているのか、破産申請したのか、あるいは訴訟に巻き込まえているかを知ることは難しい。そのため、企業は回収不能な不良債権のために年間1200億ドルを損金処理している。Middeskは、B2B取引融資、投資、買収などのために、悪い会社から良い会社を選別するための詳細な調査を行う。顧客に安心感を与えることで彼らは報酬を得る。Middeskは幅広い取引に関与している。

Eclipse Foods
植物から乳製品を作り出す。彼らはその製品は動物から作られたものと「区別がつかない」と主張している。彼らのテストによれば、消費者の70%が、彼らの製品と主要な競合他社との違いを見分けることができなかった。共同創業者は、以前はHampton Creekの研究開発部長であり、Good Food Institute(植物由来の食肉/乳製品代替品に焦点を当てた非営利団体)のイノベーションスペシャリストだった人物だ。

Enemy on Board
Enemy On Boardは、「League Of Legends」というゲームの興奮をMafiaの戦略を組み合わせることでTwitch時代のために作られたゲームとなった。 5人のプレイヤーがチームを組んでミッションを遂行するが、そのうちの2人は密かにそれを妨害しようとしている。ゲームのベータ版の公開は6月に予定されているが、テスターたちはすでに1日あたり平均61分を費やしており、人びとは2000時間以上をTwitch上での視聴に費やしている。かつてLeague Of Legendsに関わっていたEnemy On BoardのCEOは、マイクロトランザクションを通じて、次の大ヒットフリーミアムゲームを構築できると信じている。

Modoo Technology
胎児の心拍数や動きを測定し、健康状態をモニタリングするためのウェアラブルである。2017年から中国国内で200ドルで販売されており、2018年の売上高は340万ドルだった。同社は最近、買い切りを行いたくないひとのための月額制サブスクリプションも開始した。

Our World In Data
世界のリーダーたちは、決定を下すためにCO2排出量や子供の死亡率などの問題に関する、アクセスしやすくて理解しやすいデータを必要としている。Our World In Dataは有料のジャーナル記事に埋め込まれた研究結果や専門用語から貴重な結果を引き出して、オープンアクセス可能なウェブサイトにまとめている。その結果として、多くの問い合わせに対してGoogleのトップランキングに上がるようになっている。すでに100万人のユーザーがいる。そのオックスフォード大学のチームは、ウェブのために研究データを最適化することが、より良い世界的な政策につながると信じている。

Encarte
すべてのeコマースストアに、ワンクリックチェックアウトを提供できるブラウザ拡張機能。現在50万件以上のShopifyストアをサポートしている。データをクラウドではなくローカルに保存し、すべてのトラッキング番号を追跡する。彼らはまた、「仮想eコマースクレジットカード」も開発している。特徴はパーソナライズされたプロモーションが可能になる点だ。

Atomic Alchemy
心放射図やPET/CTは異常を視覚化するために放射性薬剤を必要とする。しかし、この放射性薬剤の生成に必要な原子炉のうち、6つに5つは今後10年で停止する予定である。Atomic Alchemyは、放射性薬剤を生成するために、小型で個人所有が可能な原子炉を製造している。スタートアップはすでに5000万ドルから1億ドルの価値があると推定される引き合いを受け取っていて、2024年までに運用可能になることを望んでいる。

Jetpack Aviation
飛行オートバイを製造している。同社は、そのジェットバイクを使えば、10分でサンフランシスコからマウンテンビューに移動することが可能であり、1台ぶんの車庫に納まるという。彼らは本格的なプロトタイプが、年末までに完成すると見積もっている。これまでに9件の事前注文を受けているが、その価値は約410万ドルに相当する。同社の創業者たちは、以前FAA認定を受けた飛行装置(ジェットパック)である、JB10を開発した人たちだ。以前TechCrunchでもJetpack Aviationを取り上げている

←前の記事へ次の記事へ→

[原文へ]

(翻訳:sako)

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day 1日目のスタートアップ(3)

Y Combinator(YC)の企業を抱えた2019年の冬クラスは200社以上が参加し、これまでのYCで最大の規模になった。私たちはその場に参加し、それぞれのクラスの話を聞きながら、見たもののメモを持ち寄った。以下に紹介するのは米国時間3月18日にピッチが行われた86社のスタートアップだ。

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day 1日目のスタートアップ
・Part 1:パイオニアステージ(1)
・Part 2:パイオニアステージ(2)
・Part 3:パイオニアステージ(3)※この記事
・Part 4:パイオニアステージ(4)
・Part 5:ミッションステージ(1)
・Part 6:ミッションステージ(2)
・Part 7:ミッションステージ(3)
・Part 8:ミッションステージ(4)

パイオニアステージ

Loonify Space
小型の人工衛星を軌道に乗せるための、特製「打ち上げ」システム。気球がロケットを高度35kmまで運び、空中で発射を行う。彼らは155回分の衛星打ち上げの基本合意書を手にしており、その総額はおよそ7700万ドルに相当する。最初の「打ち上げ」は5月9日を予定している。

Supernova
デザインのモックアップに基いたアプリケーションプログラミングは内製の場合は難しく、外注した場合には高価で保守しにくいものになる可能性がある。Supernovaは、デザインをベストプラクティスに従った製品レベルのコードに変換するため更新も容易である。SupernovaのAIは、製品の目的を理解し、ナビゲーション要素とボタンなどを区別することが可能だ。より多くの企業がハイテク製品を用いて近代化を進めようとする際に、Supernovaはそれらの企業たちがコンピュータサイエンス以上に自分たちのサービスに集中できるようにする。

Kovi
ラテンアメリカのオンデマンドドライバーにレンタカーを提供する。彼らは現在、路上で利用可能な車を約300台所有しており、今年は既に3000件のレンタル要求があった。同社は、ラテンアメリカの運転手の70%が彼らの車を借りたりリースしたりすると見積もっている。

Deel
現在2000万人の国際的な契約作業者たちが、米国の企業と協力して働いているが、彼らに対する事務手続きを行ったり訓練を施すのは難しい。Deelは、事務処理と時間の無駄を解消するために、契約、支払い、そして税を1つのインターフェースで処理する企業だ。Deelは1契約業者につき月額10ドルの課金と支払いの1%を請求していて、1契約業者あたり平均して560ドルを売り上げる。グローバリゼーションの大きな潮流が続く中で、企業はより優れた遠隔HRツールを必要としている。

COUTURME
特製のAIデザインによる、ウェディング/フォーマルドレス。顧客が自分の好みを入力すると、ソフトウェアはオプションを提示する。その後ドレスは30日以内に生産され出荷される。1月に稼働を始めて以来、毎週約15%の成長を続けている。共同創業者のYuliya Raquel氏は、以前大きなサイズのデザイナーファッション会社IGIGIを創業した人物だ。

Instapath Inc
癌の生検は、結果が出るのに1週間ほどかかる場合がある。Instapathは、患者が診察室にいる間に組織サンプルをテストし、5分以内に診断を提供することができる、完全に自動化された病理学ラボを開発している。これにより煩わしい待ち時間がなくなり、患者の治療をより迅速に行うことができるようになる。Instapathは1処置あたり200ドルを請求し、すでに500個の生検を処理している。同社によれば9カ月以内にFDAの承認を得ることができる予定だと言う。

Bensen
レストランがSiri、Google Assistant、Alexaなどの音声アシスタントを介して車内から注文を受けられるようにすることで、ドライブスルーシステムを変革したいと考えている。今年後半には2つのレストランチェーンで利用を開始する予定だが、既に800社を超える企業から問い合わせを受けている。同社は1ロケーションごとに、年間3000ドルを請求する。

Socrates Intelligence
中国には読書に対する巨大な需要があるが、図書館は48万人の市民に対して1つしか存在していない。Socrates Intelligenceは、中国における書籍のNetflixスタイルの宅送ビジネスである。年間56ドルを支払えば、ユーザーは3冊までの本を同時に借りることができる。注文から入手までは48時間以内だ。スタートアップはすでに1万人の有料会員を抱えており、次には電子ブック、オーディオブック、雑誌へと展開することで、中国向けの「すべてをレンタルする店」になる予定だ。

Overview
多くの工場では、大規模なロボットを使って夜通し商品を製造しているが、必ずしも誰かが見守っているとは限らない。何か不具合が発生し、それを検知できなかった場合、ロボットが自分自身を破壊してしまう可能性がある。OverviewはカメラとAIを使用して製造ロボットを監視し、何か問題が発生した場合はそれらをシャットダウンする。

Sunsama
Trello、JIRA、AsanaなどのSaaSツールと統合され、作業者がその日に行うべきタスクを特定し管理することを助けるタスクマネージャー。

Kalshi
スポーツで賭けを行うだけでなく、Kalshiは誰もが何にでも賭けを行うことができるようにする。例えば今月末までにBrexitが行われるかとか、オスカーを受賞するのは誰かとか。ユーザー同士が賭けを行うため、正確にはギャンブルというよりは先物市場的なものである。そしてKalshiは賭けに負けた側からは賭け金以上のお金を徴収しないので、規制当局への受けもいい。それはすでに200カ国で合法的に運営できる2つのライセンスを所有している。現在米国の規制当局と、賭けに際して7%の取引手数料を徴収する件に関して協議中である。

←前の記事へ次の記事へ→

[原文へ]

(翻訳:sako)

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day 1日目のスタートアップ(2)

Y Combinator(YC)の企業を抱えた2019年の冬クラスは200社以上が参加し、これまでのYCで最大の規模になった。私たちはその場に参加し、それぞれのクラスの話を聞きながら、見たもののメモを持ち寄った。以下に紹介するのは米国時間3月18日にピッチが行われた86社のスタートアップだ。

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day 1日目のスタートアップ
・Part 1:パイオニアステージ(1)
・Part 2:パイオニアステージ(2)※この記事
・Part 3:パイオニアステージ(3)
・Part 4:パイオニアステージ(4)
・Part 5:ミッションステージ(1)
・Part 6:ミッションステージ(2)
・Part 7:ミッションステージ(3)
・Part 8:ミッションステージ(4)

パイオニアステージ

Ravn
歩兵にとって戦場で最も危険な行為の1つが、角で見回すことだ。Ravnは、銃、ドローン、または他の場所に設置されたカメラを使って、兵士や警察などが角の向こうを見回せるようにする。遮蔽に隠れながら敵を見ることができれば、命を守ることができる。Ravnは既に海軍と空軍に対して、40万ドルの契約を結んでいる。かつてネイビーシール(米海軍特殊部隊)の一員だった同社のCEOは、コンピューターサイエンスの勉強を行って拡張現実の専門家となり、国防総省にハードウェアを販売していた。Ravnは未来の兵士にとって不可欠なヘッドアップディスプレイを提供できるだろう。

54gene
54geneはアフリカ大陸の23andMeを目指している。同社によれば、競合他社のデータはユーザーの大部分が白人であるたに、限界があると言う。アフリカに焦点を当てることで、同社は、そうでなければ見過ごされる可能性があるDNAマーカーの検出と識別を支援することができる。共同創業者のAbasi Ene-Obong氏は、ロンドン大学で癌生物学の博士号を取得してる。

Slapdash
エンタープライズアプリケーションは動作が遅く、ファイルやメッセージを横断して特定のものを見つけるのは難しい仕事だ。Slapdashは、Slack、Dropbox、Asana、Salesforce、そしてGoogleなどのオフィスソフトウェアをすべて実行できる、デスクトップ上のソフトウェアスピードコンテナを提供する。ユーザーはすべてのアプリを横断して検索し、生産性を高めることができるので、その雇用主にSaaSサブスクリプションを促すことができる。

YourChoice
これは男性用避妊薬だ。YourChoiceは「世界でも有数の精子生理学者2名」とともに、精子中のABHD2およびANT4タンパク質を標的として、「副作用なし」で100%有効な飲み薬を作成したと述べている。彼らはまた、女性のためのホルモンを含まない避妊薬にも取り組んでいる。

AccioJob
インドの大学卒業生のうち就職できるものは3分の1に過ぎない。これは卒業する学校が、彼らを地元の採用者にしか紹介しないためだ。AccioJobは、学生を就職させる活動のために、年間1万ドルを大学に請求し、就職1件ごとに雇用主に対して請求を行う。同社は学生の連絡先情報と成績を所有しているので、登録する学生が増えて行くことでAccioJobはインドの最も優秀な大学卒業生たちへの窓口になりえるのだ。

CentaurLabs
医者を雇用して医療画像を大量にラベル付けしている。これらの画像はAIを訓練するために利用することができる。彼らの目標は医師と患者のためのセカンドオピニオンシステムを開発することである。

Travelchime
旅行を計画するには、Googleドキュメント、地図、ブログ、友達のおすすめ、インスピレーションを与えてくれるアプリ、そして予約サイトを一緒にまとめて使用する必要がある。Travelchimeは、旅行計画ツール群を、Google Docスタイルのインターフェイスの中に組み合わせたものである。そのインターフェイスは文脈情報に従った推薦を行い、すでに収集済みの人気のある旅行情報を取り込むことができる。その後ユーザーは、Travelchimeから予約を行うことができる。同社が狙っているのはより便利なTripAdvisorである。

Seawise Capital
インドの輸出業者のための貿易融資。創業者によれば、各ローンから10%の利益を得ており、過去6週間で55万ドルの融資残高を達成したと言う。2019年第3四半期までに500万ドル、2020年第1四半期までには2500万ドルの融資残高を達成する予定である。

PerShop
オンラインでのショッピングには欲求不満が溜まりがちだ。なぜなら見て歩いている個々の商品の価格の比較を行えなかったり、サイトにあまりにも多くの無関係な商品があったり、あるいはソーシャルアプリ上で購入できなかったりするからだ。PerShopは自分の好きなブランド、自分のサイズ、自分の払える価格帯に収まるアイテムだけを推奨してくれるパーソナライズされたショッピングサイトである。同社は最終的には、パーソナライズされて、ターゲットを絞ったeコマース広告を、販売する予定である。PerShopは、利用者たちが購入または娯楽目的で利用するにつれてよりスマートになっていく。

Prometheus
空気からCO2を取り出してガソリンを作る。彼らは1ガロン(3.79リットル)あたり約3ドルでガソリンを生産できると言う(1ドル110円として、87.07円/リットル)。過去の試行では、大規模な蒸留塔が必要だったが、創業者のRob McGinnis氏は、カーボンナノチューブ膜を利用することで、安価でかつはるかに場所をとらない手段を発見したと語る。

Unicorn
1分単位でレンタルする電動スクーター企業は、毎日そのスクーターの2%が、壊れるか盗難にあっている。すなわち顧客が必要になったときに安全なスクーターが存在していないということだ。Unicornはスクーターを週または月単位でレンタルする企業だが、すでに利益を出している。車両は夜中に外に置かれることはなく、より多くの時間をレンタルされた状態で過ごすことになる。一方顧客はスクーターを買い上げずとも、使えるスクーターを手に入れることができる。Unicornの創業者はTileを始めた人物だが、現在はLimeやBirdよりも優れたユニットエコノミクスビジネスを作り上げたいと考えている。

←前の記事へ次の記事へ→

[原文へ]

(翻訳:sako)

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day 1日目のスタートアップ(5)

Y Combinator(YC)の企業を抱えた2019年の冬クラスは200社以上が参加し、これまでのYCで最大の規模になった。私たちはその場に参加し、それぞれのクラスの話を聞きながら、見たもののメモを持ち寄った。以下に紹介するのは米国時間3月18日にピッチが行われた86社のスタートアップだ。

Y Combinator 2019年冬クラス、Demo Day 1日目のスタートアップ
・Part 1:パイオニアステージ(1)
・Part 2:パイオニアステージ(2)
・Part 3:パイオニアステージ(3)
・Part 4:パイオニアステージ(4)
・Part 5:ミッションステージ(1)※この記事
・Part 6:ミッションステージ(2)
・Part 7:ミッションステージ(3)
・Part 8:ミッションステージ(4)

ミッションステージ

Trexo Robotics
脳性麻痺と診断された人たちに提供できる、車椅子よりも優れたソリューションを開発している。このスタートアップは、病気を患っている子供たちにロボット装置を提供することに焦点を当てており、同社の最初の製品は月額1000ドルで家庭に提供される予定である。同社によれば、現在5つのユニットが使われており、米国とカナダでの使用が承認されている。

Pachama
世界の森林の保護と回復に焦点を当てた、カーボンクレジットのための認証済市場である。スタートアップは、二酸化炭素排出量を相殺するために、機械学習、衛星画像処理、ドローン、そしてLIDARを使用している。Pachamaは、カーボン購入者(彼らの二酸化炭素排出量を相殺しようとしている組織)をカーボンプロジェクトに結びつける。

Saratoga Energy
6年以上をかけて、同社はCO2からカーボンナノチューブを合成するための製造プロセスを開発し特許を取得した。スタートアップはスチールよりも強く軽量なカーボンナノチューブを、航空宇宙、バッテリー、コンクリート、その他のメーカーに低価格で販売している。週末には、同社は評価用の最初のバッチを出荷する予定だ。Saratogaは、この2年間で200万ドルの助成金を調達している。

Cherry
現代のスタートアップ向けのオフィス福利厚生ソリューションだ。従業員全員に同じ特典を与えるのではなく、共同創業者たちは人びとに、自分の好きなインターネットサービスを選択させたいと考えている。利用者はSlackbotインターフェースを通してサービスを選択し、ClassPassやHBO有料オプションを会社払にすることができる。同社によれば、有料パイロットプログラムには24社が参加している。

CityFurnish
インドで家具レンタルを提供するCityFurnishは、デリー、プネー、ムンバイ、バンガロールの顧客に対して、月々のレンタル料の受け取りながら家具を配達して設置を行い、引っ越しやメンテナンスには無料で対応している。同社は長期契約を求めないので、実際に家具を買うよりも安いオプションだと語っている。現在CityFurnishは、1万人の加入者と3百万ドルのARRを有しており、18カ月間利益を上げてきている。私たちは以前、TechCrunchでCherryを取り上げている。

NaturAll Club
要冷蔵のヘアケア製品を提供する。スタートアップの製品は、果物と野菜を原料にしている。チームの最初の製品は新鮮なアボカドから作られ「6カ月で200万ドルの売り上げを上げた」と同社は語っている。これは髪のためのJuiceroパック(大失敗したジュースプロダクト)のように聞こえるかもしれないが、オーガニック製品は美容分野では最も急成長している製品カテゴリである。

FlockJay
求職者がテック営業でキャリアを求める際に必要となる、スキルとトレーニングを提供する、オンラインセールスアカデミーを運営する。12週間の長さのブートキャンプで、研修生にコーチングとメンタリングを行う。同社は17人の学生と共に最初のクラスを立ち上げたが、その全員が既にジョブインタビューを受けていて、4割はすでにテック企業の中に新しいキャリアを得ている。

Demodesk
製品を顧客に直接デモしてセールスを変革したい会社向けの、画面共有ツールを開発している。ユニークなのは共有されるのは、デモを行う担当者自身のデスクトップではないということだ。それは、見込み顧客が長時間のダウンロードを待つことなくデモプレゼンテーションを見ることができる仮想マシンであり、それでもソフトウェアの動作を知るために、共同作業や編集を行うことができる。

Ultralight
ゲームやデスクトップアプリの中でHTML UIをレンダリングするために使用される、クロスプラットフォームアプリケーション開発ツールである。同社の目標は、GPUで高速化された独自のレンダラーを提供することで、Chromiumを置き換えることである。Ultralightは、ほとんどのプログラミング言語と互換性があると述べている。

Keeper
「1099」従業員(ギグ・エコノミーの契約労働者)たちが、納税申告書の細かな部分で損をしないようにしたいと考えている。同社によれば、平均的な契約労働者は、年間1249ドル以上税金を過剰に払っている。Keeperは機械学習を使用して、ユーザーの銀行取引明細書内から、税務控除を自動的に発見する。彼らは市場として全米に5000万人いる契約労働者を狙っている。

←前の記事へ次の記事へ→

[原文へ]

(翻訳:sako)

ビデオ会議サービスで黒字を達成したユニコーンのZoomがナスダック上場を申請

ビデオ会議サービスのZoomは2017年に10億ドル(約1100億円)の評価額になり、来月早々にナスダックに上場することを申請した

2019年に上場を目指すテクノロジー系ユニコーンは徐々に増えてきているが、その一員であるZoomの重要な特徴は、黒字企業であることだ。

Zoomは、2011年にEric Yuan氏が創業した。彼はWebExの初期のエンジニアだったが、それは2007年にCiscoが32億ドルで買収した。Zoomを立ち上げるまでの4年間、彼はCiscoのエンジニアリング担当バイスプレジデント(VP)だった。彼が先月、本誌に語ったところによると「もう二度と会社を売るようなことはしない」と言う。どうやら、WebExの買収後の待遇に不満だったことが、今回会社を売るよりも上場を選んだ動機のようだ。

Zoomは、これまで累計で1億4500万ドルを調達し、2019年1月31日で終わる2019会計年度では売上が前年比倍増の3億3000万ドル、粗利益は2億6950万ドルだった。その前の2017年と2018年の対比でも売上は倍増以上を記録し、2017会計年度の6080万ドルに対し2018会計年度は1億5150万ドルだった。

損失は縮小しており、2017年の1400万ドルが2018年には820万ドル、2019年1月に終わる会計年度では750万ドルだった。

IPOの申請書類によると、Zoomを支えているEmergence Capitalが、IPO前の株式の12.5%を保有する。そのほかの投資家とそのIPO前株式保有率は、Sequoia Capital(11.4%)、元Zoomの取締役Samuel Chen氏が関わるファンドDigital Mobile Venture(9.8%)、そして中国人億万長者で世界最高のお金持ちの一人とされるLi Ka-shing氏が保有するファンドBucantini Enterprises Limited(6.1%)だ。

Morgan Stanley(モルガン・スタンレー)

とJP Morgan(JPモルガン)、そしてGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)が上場のリード役を任されている。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Y Combinatorの2019年冬のDemo Day初日の有望スタートアップ10社

電気自動車の充電スタンド、兵士のためのヘッドアップディスプレイ、マリファナのコストコなど、一流アクセラレーターY Combinator(YC)の2019年冬のデモデーに登場したスタートアップには、TechCrunch好みの企業がいくつもあった。シリコンバレーの波動を感じたければ、YCこそまさにその場所だ。しかし、2日間にわたり2箇所で開かれた「Demo Day」(スタートアップが投資家にプレゼンを行うイベント)には200社を超えるスタートアップが登場し、そのすべてを把握するのは困難を極める。

興味のある方は、デモデー初日に登場した85社を超える企業の紹介記事を読み、完全な索引を見て2日目からピックアップした企業の記事を読まれるのがいいだろうが、ここではデモデー初日の半分から選んだ10社を紹介したい。私たちが選んだ理由も書き添える。

Ravn

戦場では、建物の角から顔を出すときが、兵士にとってもっとも危険な瞬間となる。Ravnは、兵士や警察官が、角を曲がった先の様子を確認できるヘッドアップディスプレイを作っている。銃やドローンや、周囲のカメラの映像を利用する。遮蔽物に身を隠したままで敵を見ることができれば安全だ。Ravnはすでに、米海軍と空軍との間で49万ドル(約5468万円)の契約を交わしている。海軍の特殊部隊Seals出身のCEOは、コンピューター科学を学び、拡張現実の専門家となり、国防省に売り込みをかけた。Ravnは、今後かならず必要になるであろう歩兵用のヘッドアップディスプレイを供給できる。

Ravnを選んだ理由:戦場はかならずAR化される。しかし、MicrosoftのHoloLensチームは、現在、弾倉にあと何発弾が残っているか、仲間はどこにいるかといった戦闘中の情報提供に重点を置いている。Ravnの技術は、そうした撃ち合いの惨状を体験してきた人間が開発した。彼は、兵士が危険な状態に陥る前に戦闘を回避する、あるいは勝利することを目指した。同社には、米政府にハイテク機器を売り込む専門家がいる。

Middesk

仕事のパートナーが税金を払っているか、破産宣告していないか、または訴訟に捲き込まれていないかを知るのは難しい。こうした事故による回収不能になった不良負債は、年間1200億ドル(約13兆3900億円)にのぼる。Middeskは、事業の優良不良を識別し、企業間取引、融資、投資、買収などの信頼性を高める適正評価を行っている。顧客が安心して資金を出せるよう、Middeskは、広範にわたる取り引きに介入する。

Middeskを選んだ理由:同社は、実質的にあらゆる取り引きに関与できるビジネス界の弁護士として信頼を高めている。情報が多いほど、愚かな決断は減らせる。Middeskは、疑わしい取り引き相手を信じてしまわないよう、予防してくれる」から。

Convictional

消費者に製品を直接販売している業者が、より簡単に大手小売り業者と取り引きできるようにする企業。通常、製品を提供する側が小売業者との関係を築き、製品を売ってもらえるようになるまでには長い時間がかかるが、Convictionalは、企業間のセルフサービス商取引プラットフォームで、この時間を短縮する。これを使えば、小売業者は簡単にメーカーとつながり、発注できるようになる。

Convictionalを選んだ理由:スーツケースからひげ剃りにいたるまで、あらゆるものが直販されるようになったが、製品の露出度や販売規模を拡大するためには、こうした商業分野から追い出されないように頑張っている小売り業者とつながる必要がある。仲介者であるConvictionalは、高収益が見込める立場にあると同時に、貴重な購買データの宝庫にもなり得る。

Dyneti Technologies

詐欺を50パーセント以上予防し、コンバージョンを5パーセントまで高められるクレジットカードのスキャナーSDKを開発。同社は、Uberの元従業員2人によって設立。そのうちの一人は、Account SecurityとUberEATSで詐欺の分析部門を立ち上げたCEOのJulia Zheng氏だ。Dynetiのサービスは深層学習に支えられており、あらゆるカード方式に対応する。設立からわずか2カ月で、RappiやGametimeなどの企業と契約を交わしている。

Dynetiを選んだ理由:サイバーセキュリティー上の脅威は増す一方だが、その対策が未熟な企業も、電子商取引に乗り出したいと躍起になっている。Dynetiは、Stripeのような基本的な企業間事業のひとつだ。複雑な問題を単純化して信頼をもたらす能力があるため、企業は自社の製品に集中できる。

AmpUp

「電気自動車充電器のAirbnb」と呼ばれるampUpは、大多数の人が電気自動車に乗る世界に向けて準備を進めている。スマホアプリで、無数にある充電スタンドとドライバーをネットワークで結んでくれる。このアプリを使うと、電気自動車の運転車は、最寄りで自分の車に適合する充電スタンドを素早く知ることができる。また、充電器のオーナーは、自分で決めた価格で料金を徴収し、自分のスケジュールで運営ができる。このサービスは現在、サンフランシスコ湾含地区で展開されている。

ampUpを選んだ理由:時代は電気自動車に向かっているが、確実に充電できるか否かの不安が、電気自動車の購買意欲を削いでいる。大規模な充電スタンドのネットワークを自社で構築したところで、ガソリンスタンド網には到底及ばない。そこでampUpは、充電器で収入を得たいと考える人なら誰もが、自分の土地に充電器を置けるようにした。

Flockjay

Flockjayは、オンライン営業学校だ。仕事を探している人なら、ハイテク産業での営業の実績が少なくても、専門の教育をほとんど受けていなくても受講できる。12週間のブートキャンプで訓練や指導を行う。同社は、17名の生徒とともにこのサービスを開始し、全員がすでに企業の面接を受け、40パーセントがハイテク産業での新しい仕事の内定をもらっている。

Flockjayを選んだ理由:プログラミングのブートキャンプの場合は参加条件が非常に厳しいが、優秀な営業マンはやる気のある人間を見習えばなれる。経験や教育が乏しい人たちは、一般に当たり前とされている機会を手に入れるために、自分を上手に売り込む方法をすでによく知っている。Flockjayは、職の確保が大変に難しい人たちに、エコノミック・モビリティ(所得階層の上位移動)をもたらす可能性がある。

Deel

世界には、米国企業と契約している業者が200万件あるが、彼らとしっかり取り込み管理するのは難しい。Deelは、契約、支払い、税金に関する業務をひとつのインターフェイスにまとめ、書類仕事と時間の無駄を削減する。使用料は月間10ドル。支払い1件あたり1パーセントの手数料も徴収する。これにより、契約業者1社につき年間平均560ドルの収益が得られる。

Deelを選んだ理由:遠隔勤務が奇異な目で見られなくなったことで、アメリカの産業には、海外での新しい人材確保の機会がもたらされた。しかし、遠く離れた国の人員を適切に管理できなければ、せっかく安い労働力を確保してもコスト削減にはつながらない。グローバリゼーションの流れは今後も続くため、企業にはよりよい人材管理ツールが必要となる。

Glide

以前から、トレンドはウェブページやモバイルアプリを簡単に作れるサービスに大きな関心が集まり、流れはそちらに向かっていた。Glideは、Googleスプレッドシートを使うことで、顧客が簡単に本格的なモバイルアプリを作れるようにする。ページが簡単に作れるだけでなく、サイトの情報を常に最新に保つ方法も単純化している。

Glideを選んだ理由:デスクトップ・ウェブサイト製作の市場は熾烈を極める。プログラミングができない人には、モバイルサイトの開発も容易ではない。視覚化されたレイアウトツールもまだ馴染みが薄いので、Glidesは、誰もが使ったことがあるスプレッドシートで作ることを考えた。このところ、どのブランドもインフルエンサーも、ウェブページから親密性が失われつつある。そのためGlideでは、第一に親近感があり個性的になるよう、アプリを仕立てる手助けをしてくれる。

Docucharm

Uberの元プロダクト・マネージャーMinh Tri Pham氏が共同創設者に加わったプラットフォームだ。書類をコンピューターに理解できる構造化データに変換して、書類の処理とワークフローを正確に自動化し、人間によるデータの打ち込みの必要を排除する。DocucharmのAPIは、たとえば給与明細など、いろいろなフォーマットの書類を認識でき、間違いなく必要な情報を抽出できる。顧客には確定申告代行業のTributiや貸金業者のAspireなどがある。

Docucharmを選んだ理由:高い技術を持つ高給の社員にデータの打ち込みをさせるのは無駄なことだ。Docucharmのような光学文字認識は、データ抽出を元に新しいビジネスの世界を切り拓く。このスタートアップには、その業界全体を支えるAI基盤になる可能性がある。

Flower Co

マリファナを安価に販売し配達する会員制のショップ。たいていの医療機関は、高価な製品と手厚い世話を求める金持ちや初心者の需要に応えている。それとは対照的にFlower Coは、低価格のマリファナを大量に求める昔からの愛好家の需要に応えるものだ。現在同社は700名の会員に月間20万ドル(約2200万円)のマリファナを売り上げている。会員料金は年100ドル。販売ごとに10パーセントの手数料を徴収する。

Flower Coを選んだ理由:マリファナは次なるゴールドラッシュだ。1世代に1回だけの土地の奪い合いとなる。しかし、大多数がずっと前から大勢の友だちと安いマリファナを楽しんできた愛飲家たちであるにも関わらず、ほとんどのマリファナ販売業者は、非常に目の肥えた高級な客に焦点を合わせている。マリファナの吸引をライフスタイルにしたい人たちは、今後大量に増えると思われるが、Flower Coは、そんな人たちの御用達業者になれる。

【編集部注】米国では過半数の州で医療用大麻が合法化されているほか、10州ほどで嗜好品としても合法化されているが、日本では大麻取締法で規制されている違法薬物だ。

その他の注目企業

Atomic Alchemy:核医学の不足を埋める。
Yourchoice:あらゆる性を対象としたホルモンを使わない妊娠調整。
Prometheus :二酸化炭素をガソリンに変える。
Lumos:意志のための医療用検索エンジン。
Heart Aerospace:短距離電動飛行機。
Boundary Layer Technologies:超高速なコンテナ輸送。

Y Conbinator 2019年冬のデモデー初日に登場した85を超えるスタートアップ紹介(本文は英語)

追加取材:Kate Clark、Greg Kumparak、Lucas Matney

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

全米一と評価されるアクセラレーターに参加の最新スタートアップ19社

AngelPadがニューヨークで開催した3カ月間スタートアップアクセラレーラーコースの第12回目が修了した。今回は、クライマックスをデモデーで飾るという形式をとらない2回目の実施となった。その代わりに、19の参加スタートアップ企業は、先週末、あらかじめ設定されていたベンチャー投資家たちと1対1で面談した。

AngelPadの共同創設者Thomas Korte氏とCarine Magescas氏は、昨年、同社の10年近い歴史の中で初めて、デモデーの伝統を廃止した。これまでAngelPadが指導したスタートアップには、Postmates、Twitterに買収されたMopub、Pipedrive、Periscope Data、Zum、DroneDeployなどがある。

「デモデーには、アクセラレーターが多くの企業を大勢の投資家に紹介できるといういい面がありますが、私たちはそれが、最高に生産的な方法だとは思っていません」とKorte氏は、昨年TechCrunchに語った。噂によれば、ライバル関係にあるアクセラレーターY Combinatorもデモデーの廃止を検討しているとのことだが、同社に近い情報源はそれを否定している。Y Combinatorはインベスターデー(投資家の日)を省略し、その代わりに「効率性を分析した結果」として、昨年AngelPadと同じように個々のスタートアップに投資家が面談できる機会を設けた。

デモデーを廃止したAngelPadの決断は評判がいい。Krote氏がTechCrunchに話したところによると、スタートアップのCEOたちは、投資が得られる確証もないのに大勢の前で売り込みのスピーチを強いられることがなくなって、ホッとしているという。

AngelPadは、各企業に12万ドル(約1340万円)ずつ投資している。それでは、今回参加した最新スタートアップを紹介しよう。

  • LotSpot
    大学、公園、ショッピングモールなどの駐車場を管理するツール。駐車場の入口と出口にカメラを設置し、車が出入るするごとに駐車場の空き状況を自動的に監視する。LotSoptの創設者はスタンフォード大学のイノベーション・フェロー。工学と営業の経歴がある。
  • Twic
    自由裁量で使える福利厚生管理プラットフォーム。これを使えば、企業は従業員に福利厚生を低コストで提供できる。このツールは、サービス提供業者の選定、利用状況のモニター、デジタルウォレットでの償還金の管理といった人事業務を助ける。Twicの顧客には、TwitchとOscarも含まれる。同社の現在の年間経常収益は26万5000ドル(約2960万円)。
  • Zeal
    企業同士の契約を自動化するプラットフォーム。営業部の人間が、機密保持契約書などの形式的な契約書の文面を、個別に、効率的に変更できるようになる。現在このスタートアップは大手企業で試験運用を行っている。創設者は弁護士や経営コンサルタントで、以前はAXIOMで営業や法務を担当していた。
  • ChargingLedger
    電気自動車のためのインテリジェントな充電技術を使い、送電線網の使用を最適化する試みを送電会社と共に行っている。同社の有料試験プログラムは、今月スタートする。
  • Piio
    検索エンジンの最適化に特化。ユーザーの利用形態、位置、デバイス、プラットフォーム、接続速度に基づいてウェブサイトの速度とパフォーマンスを最適化する技術を使い、企業のウェブプレゼンスを高める。現在、Piioは、JomaShopを始め、電子商取引小売業者との事業を進めている。年間経常収益は9万ドル(約1000万円)。
  • Duality.ai
    自律走行車両のための品質保証プラットフォーム。人間のテスト担当者とシミュレーション環境を支援し、自律走行のための歩道、車、トラックの出荷までの時間を短縮する。創設者は、Caterpillar、Pixar、Appleに在籍していたエンジニアやデザイナーたち。ベータ版の顧客2社から、年間計上収益10万ドル(約1117万円)を上げている。
  • COMUNITYmade
    ロサンゼルスの製造業者と協力し、地元産の高級スニーカーを製造している。この企業はAdidasなどのブランドの目を惹き、コラボを行っている。創設者は、アシックスzやTomsの出身者からなる。
  • Spacey
    ミレニアル世代に焦点を当てたアート購入プラットフォーム。限定印刷されたアート作品を低価格で販売している。また、オフラインでの会員制体験サービスもあり、ブランド大使プログラムには多数のフォロワーがいる。
  • LegalPassage
    法律事務所のための事務処理自動化ソフト。弁護士の時間を節約する。同社はとくに、集団訴訟、人身傷害に重点を置いている。創設者は訴訟弁護士であり、カリフォルニア大学へイスティングス校の法学元非常勤教授。サンフランシスコ弁護士会家族法部門議長の経歴も持つ。
  • Revetize
    評判を高め、推薦を促し、リピーターを増やすことで地方企業の収益を高める手助けをする。本社はユタ州にあり、22万ドル(約2460万円)の年間計上収益がある。
  • House of gigs
    フリーランスや単発の仕事を求めている人たちに「雇われているような」サービスを提供し、ユーザーの近所にある短期の仕事を紹介する。このスタートアップは9万人の会員を擁する。創設者は、サンフランシスコとベルリンの出身者。かつて、ベンチャー投資家の支援を受けた人材スタートアップで一緒に仕事をしていた。
  • MetaRouter
    高速で柔軟で安全なデータルーティングを提供する。クラウドベースの業務用プラットフォーム。年間経常収益は25万ドル(約2790万円)に達し、「Fortune 500に選ばれた2つの小売り企業」も顧客に含まれる。
  • RamenHero
    本格高級ラーメンのキット食品を提供する。2018年に創設され、およそ1700件の顧客を持ち、12万5000ドル(約1400万円)の収益を上げている。創設者は、いくつもの会社を立ち上げた起業家であり、日本のラーメン学校を卒業している。

    RamenHeroは本格高級ラーメンのキット食品を提供する

  • ByteRyde
    特にTesla Model 3sを対象とした自律運転車両のための保険。自律運転車の安全機能を考慮した。
  • Foresite.ai
    商業不動産投資家に、データ解析と位置情報を基にした傾向の視覚化を行うリアルタイムプラットフォームを提供する。
  • PieSlice
    ブロックチェーンをベースにした株式発行と管理のためのプラットフォーム。企業の株式に完全に対応するデジタルトークンの発行を手助けする。創設者は、トレーダー、株式ブローカーからプロのポーカープレイヤーになった人物。
  • Aitivity
    スケーラブルなブロックチェーンのアルゴリズムを開発しているセキュリティー用ハードウエア企業。とくにIoTを導入している企業向け。
  • SmartAlto
    19万ドル(約2117万円)の年間経常収益のある、不動産のリードを強化するSaaSプラットフォーム。デジタル・アシスタントで不動産業者同士をつなぎ、より多くの物件を紹介し合えるようにする。
  • FunnelFox
    企業の営業担当者と協力して、顧客リサーチ、パイプライン管理、報告のための時間を節約する。AIを利用したこのプラットフォームは、年間経常収益75000ドル(約8360万円)に達し、顧客にはBotifyやPaddleも含まれている。

A look at all the companies participating in 500 Startups’ 24th accelerator program


500 Startupの24時間アクセラレーター・プログラムに参加した企業たち(本文は英語)

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

CAMPFIREがJR東と共同で地域商品開発を支援、日本酒やいちごチョコなど

CAMPFIREは3月13日、地域商品開発を目的としたプロジェクト5件を同社のプラットフォーム上に公開、支援をスタートした。

この支援は、2018年11月に東日本旅客鉄道(以下JR東日本)とJR東日本スタートアップが主催する「JR東日本スタートアッププログラム2018」にCAMPFIREが採択され、共同で地域振興を図る「地域にチカラを!プロジェクト」の一環として行われるもの。

2社共同プロジェクトでは、「地域商品開発」「無人駅の活用」の2つのテーマで新規事業案を募集し、CAMPFIREはクラウドファンディングのプロジェクト立ち上げをサポートし、JR東日本はPR・販路をサポートする。

2018年12月から約1カ月間、事業案を公募したところ、50件を超える応募があったという。その中から2社が選んだ地域商品開発部門の5件のプロジェクトを対象に、先行してクラウドファンディングが始まった。

今回選出されたプロジェクトは以下の通り。いずれも地域の食文化や素材を反映したユニーク(でおいしそう)な商品だ。

1)こだわり農園の果汁はじける 青森県産”完熟”りんごジュレを全国へ発信したい!

りんごの名産地、青森県で採れた完熟ストレート果汁を原料比70%使用した夢のりんごジュレ。人工キャビアの製造ノウハウを生かし、口当たりが抜群なジュレはまさに「飲む果実」です。

2)絶景が一望できる海の街・銚子 体にやさしいお煎餅「素米ruコーン」で笑顔を増やそう!
“醤油の街”としても知られる千葉県・銚子で、ぬれ煎餅やおかきを製造販売する創業69年の米菓専門店が、お客様の声に耳を傾けて開発したグルテン・アレルゲン・添加物フリーのとうもろこしパウダーを使った、体にやさしい煎餅「素米ruコーン」です。
3)岩手県宮古湾産「牡蠣の佃煮」を日本全国で、そして海外でも売れる商品にしたい!
岩手県宮古湾産の、厳選した大粒の牡蠣だけを100%使い、シンプルな味つけでコトコト炊きあげた佃煮。牡蠣本来の旨味が味わえる、この佃煮はお酒の肴としてはもちろんのこと、研いだお米に混ぜれば炊き込みご飯としてもおいしく召し上がれます。
4)【北海道産夏いちごのしみチョコ】北海道の新しい定番のおみやげを作る!!
北海道産夏いちごをフリーズドライにし、ホワイトチョコレートを染みこませた「しみチョコ」。特許を取得した製造機を使用することで、夏いちごは収縮しないまま、色彩・香り・風味を損なわずにサクサクとした新鮮な食感が楽しめます。
5)180ml→90mlへ。これで日本酒がもっと楽しめる、日本酒ハーフカップ。
酒造数全国一を誇る“日本酒王国・新潟”にある、越後のお酒ミュージアム「ぽんしゅ館」からお届けする飲みきりサイズのハーフカップの日本酒。「越後魚沼のドラマを食で語る」をコンセプトに、生産者の思いとともにお客様へお届けします。

目標金額を達成したプロジェクトには、JR東日本からのサポートのもと、デザイナーが商品のパッケージデザインを手がけ、リブランディングが行われる。また、対象商品はJR東日本の地産品ショップや駅構内での販売も予定されている。ファンディング募集期間は4月29日まで。

ベンチャーキャピタルのSFへの移転加速、アンドリーセン・ホロウィッツが年内に引越

トップクラスのベンチャーキャピタルが次々にサンフランシスコに移転する中、最後までシリコンバレーに踏みとどまっていたAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)がついに市内に引っ越すことに決めたようだ。事情に詳しい情報源によれば、Andreessen Horowitzは今年中にサンフランシスコにオフィスをオープンさせるという。

ウォールストリートジャーナル(WSJ)のさる金曜日の記事によれば、同社は180 Townsend Streetビルのリース契約にサインしたという。このビルはMLBのサンフランシスコ・ジャイアンツのホーム・スタジアムの付近にある(今年1月までAT&Tパークとして知られていたが、現在はオラクル・パークと改名された)。

我々の情報源によれば、「a16z(Andreessen Horowitz)はスタンフォード大学近くのサンドヒル・ロードの広大な敷地のオフィスを閉鎖するわけではない」という。同社は2009年の創立直後からここを本拠としてきた。情報源は「a16zはビル全体をリースするわけではない」と付け加えた(180 Townsendは延べ床面積が3800平方メートルもある)。

ここ数念、シリコンバレーの有力ベンチャーキャピタルがサンフランシスコにオフィスを移す動きが続いていた。a19zもこれに加わったことはベンチャーキャピタルの地理的重心が北に50キロほど移動するトレンドを確認するものだ。

サンフランシスコ市内にオープンしたベンチャーキャピタルはTrue Venturesだった。当初はウォーターフロント地区だったが、その後もっと便利なサウスパークに移転した。この近所にはKleiner Perkins、Accel、General Catalyst、New Enterprise Associatesといった名だたるベンチャーキャピタルがオフィスを構えている。

サンフランシスコの金融センターに近く、エンバーカデロとチャイナタウンの中間に位置するジャクソン・スクエアにもJackson Square Ventures、NextWorld Capital、 Catamount Ventures、Sway Venturesなどいくつかのベンチャーキャピタルの本社がある。

Andreessen Horowitzは同業他社がサンフランシスコやニューヨークにオフィスをオープンする動きにも影響されずメンローパークのサンドヒル・ロードを唯一の拠点として順調に活動を続けてきた。

しかし、我々のの情報源によれば、1年ほど前からサンフランシスコ市内にも拠点を設けることを真剣に考えるようになったという。最終決定に至ったのは最近のようだ。これで150人の社員の多くは毎日の長時間通勤の苦労が大きく軽減されるに違いない。社員の多くは市内に住んでおり、会社まで車で延々と走ることを余儀なくされていた。

もちろんいちばん要なのは、市内にオフィスを設けることで投資先のファウンダーとこれまでより密接にコンタクトできる点だろう。ファウンダーたちは静かすぎるシリコンバレーを好まず、サンフランシスコを拠点とすることが増えていた。

もちろんサンフランシスコの不動産価格は過去最高を更新し続けており、WSJの記事によれば、大手不動産業者のCushman & Wakefieldのオフィス賃貸料月額は2018年第4四半期現在で平方メートルあたり813ドルという記録的な額になっているという。これは前年同期比で6.4%のアップだ。

我々は有名アクセラレータ、ベンチャーキャピタルのY Combinatorが市内に適当な物件を探していると報じた。Andreessen Horowitzに続いてY Combinatorも今年サンフランシスコに引っ越してくることになるかもしれない。

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

デジタル出版のSerial Boxが約5億円調達

連載小説の伝統を復活させたスタートアップのSerial Box(シリアルボックス)が、450万ドル(約5億円)のシード資金を調達した。

同社は米国時間2月28日、Marvelのキャラクターが活躍する物語の制作に関するパートナーシップを発表した際に資金調達について公表したが、そのラウンドについてさらに詳しい情報が明らかになった。このラウンドはBoat Rocker Mediaの主導によるもので、Forerunner Ventures、2929 Entertainmentの共同創設者のTodd Wagner、日本のビジネスインテリジェンスおよびメディア企業のユーザベースが参加している。

共同創設者兼CEOのMolly Barton氏は声明で、「この投資ラウンドには信頼できるパートナーを慎重に選択した。我が社がスマートフォン時代の読書を一新し、伝統的な書籍出版の最も良い要素を取り入れ、オーディオ、ポッドキャスト、ゲーム、テレビ業界の影響を受けて革新していることに、投資者は大きなチャンスを見出している」と述べている。

シリアルボックスは、ストーリーを分割し、週刊連載としてテキストフォーマットとオーディオフォーマットで配信している。ストーリーの最初の回は無料で、続きを楽しみたければ1話1.99ドルで購入するか、シーズンパスを申し込む。

読者やリスナーにストーリーの続きを待たせるというアイデアには違和感があるかもしれない。Netflixはできるだけ早くシーズン全話を見て熱狂したくなるように私たちを教育したのでは? でも「ゲーム・オブ・スローンズ」を毎週見た人は、長い物語の一部を待つことには今でも計り知れない喜びがあると知っているだろう。

裏を明かすと、同社はテレビ番組の制作モデルを真似ていて、制作総指揮者が各話のリーダーシップをとってストーリーを作っている。シリアルボックスのライターには、人気のヤングアダルト、SF、ファンタジー作家のGwenda Bond氏、Yoon Ha Lee氏、Max Gladstone氏、Becky Chambers氏などがいる。そして前述の通り、同社はこれからマイティ・ソーをはじめとするMarvelのキャラクターを活かした物語を出版する予定だ。

同社は今週、Androidアプリをローンチする予定だという。また今後数カ月のうちにさらなる製品のアップグレードとコンテンツのパートナーシップを計画している。

Image Credits: Serial Box

ソフトバンクが中南米に5500億円超を投じる根拠

この記事はCrunchBase NewsMary Ann Azevedoの寄稿だ。

日本のソフトバンクが中南米に50億ドル(約5557億円)を投資すると発表したことを受けて、TechCrunchはラテンアメリカのベンチャー事情に詳しいLAVCA(Latin American Venture Capital Association)の専門家に背景を尋ねた。その結果、この地域にソフトバンクが巨額の投資を行う理由が納得できた(実はTechchCrunchは2017年にもラテンアメリカへの関心が高まっているという記事を掲載している)。

まず数字を見ていこう。中南米のスタートアップに対するベンチャー投資は昨年に比べても大きく増えている。LAVCAのデータによれば、2016年に5億ドルだった2017年には11.4億ドルへと2倍以上に増えた。2018年の数字まだ集計が終わっていないが、LAVCAでは15億ドル以上になるものと予測している。

貸付と投資を合計すると数字はさらに大きくなる。LAVCAでは中南米での合計額は2016年に23億ドルだったものが.2017年で43億ドルになったと考えている。

LAVCAのベンチャーキャピタル担当ディレクター、Julie Ruvolo氏はCrunchbase News対して、「ソフトバンクのファンド組成はこの1、2年のトレンドに沿ったものだ」として次のように述べた。

ここしばらく、外の世界のグローバル・プレイヤーがラテンアメリカに投資する傾向は高まっている。また以前はほとんどなかった1億ドル級の大型資金調達ラウンドが現れてきたのも注目すべき傾向だ。

もうひとつ、投資された資金が向かう先もおおむね予想通りだった。 2017年と2018年上半期ベンチャー投資では各ステージ合計してやはりブラジルが総額の73%を占めていた(201件のスタートアップに14億ドル)。投資件数の2位はメキシコで82のスタートアップが1億5400万ドルを集めている。ただし金額ではコロンビアのほうが多く、23件で1億8800万ドルだった。

以下には最近で目立った大型案件をリストしてみた。

件数でも金額でもフィンテックがベンチャーキャピタル投資の最大のジャンルだった。この市場にも何社かのユニコーンが現れている。ブラジルのライドシェア・スタートアップ、99、コロンビアのRappi、ブラジルのオンライン学習システム、Arco Educação、ブラジルのフィンテック、Stone Pagamentosが企業評価額10億ドルを突破した。

中南米ではこうした活発なイノベーションとそれに対する投資が行われている。こうした情勢にソフトバンクが参加して利益を上げようと考えるのは自然だ。

LAVCAによる資金調達データに含まれる数字はサードパーティーの機関投資家、専門ベンチャーキャピタル、そのリミテッドパートナーによるもので他のタイプ資金調達、ソフトバンクのファンドや国営ファンド、私企業などからの投資は含まれていない。

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+